説明

遊技機

【課題】遊技機において演出を実行する際に用いるコマンド数や演出データを極力削減して、制御装置の記憶容量を低減し、処理の簡易化を図る。
【解決手段】図柄回転演出において図柄を表示させる際に用いるコマンドとして、複数の図柄の全ての図柄個数と同数の図柄特定コマンドを設定し、各図柄特定コマンドに対して前記複数の図柄の画像データを所定の配列で対応付けた選択テーブル221を設け、液晶制御基板200は、演出制御装置22から、図柄回転演出の演出状態に関するコマンドを入力した場合には、演出状態に応じていずれかの選択テーブル221を取得し、演出状態にかかわらず同一の図柄特定コマンドを用いて取得した選択テーブルにより画像データを特定し、図柄変動表示処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、演出装置を用いて、複数種類の中から抽選により決定された態様の演出を実行可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機、例えばスロットマシンにおいては、液晶などの画像表示装置やランプ、スピーカ等の演出装置を用いて種々の演出が行われるようになっており、その態様も遊技状態に応じて変化する。また、特に画像表示装置を用いてストーリー性を有する一連の演出が複数回のゲームにわたって行われることもあり、かかる演出が同一の遊技状態に対して複数設定されている場合もある。
このような遊技機においては、演出装置で実行する演出の内容は、演出を制御する演出制御装置(サブ基板)で選択決定され、演出制御装置からのコマンドに基づき、それぞれの装置が表示や作動を実行するようになっている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−380号公報(要約)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、演出内容が複雑化するとデータ数も増えコマンド数も増大して、制御装置の容量を圧迫するという問題がある。
そこで本願発明は、遊技機において演出を実行する際に用いるコマンド数や演出データを極力削減して、制御装置の記憶容量を低減し、処理の簡易化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、遊技を制御する遊技制御装置(21)と、遊技に付随する演出を制御する演出制御装置(22)と、画像表示演出を行うための画像表示装置とを少なくとも有する遊技機に係る。
本発明に係る遊技機は、スロットマシンやパロット遊技機、パチンコ遊技機とすることができ、上記構成の他にも、表面に複数の図柄を表示した回転リール(40)や、入賞時に遊技媒体を払い出すための払い出し装置(ホッパーユニット65)その他の構成部品を備えていてもよい。なお、「遊技媒体」とは、遊技に使用するメダルや遊技球(パチンコ球)、コインなどを含むものである。前記「画像表示装置」は、動画や静止画を表示可能な装置であって、液晶表示装置(67)やCRTの他、ドットマトリックス等も含むものである。
【0006】
また、本発明においては、前記画像表示装置は、画像表示を実行させるための表示制御部を備えている。前記演出制御装置(22)、遊技状態又は演出状態に応じて、前記表示制御部に所定のコマンドを出力し、前記表示制御部は、複数の画像データを記憶するとともに、前記演出制御装置(22)から出力されたコマンドを入力して、表示すべき画像データを選択して表示可能に形成されている。
ここで、「表示制御部」は、演出制御装置(22)とは別に設けられた、画像表示装置を作動させるための制御装置であり、ROM、RAM、CPU等を備えた制御基板とすることができる。またここで、「遊技状態」とは、通常ゲームやボーナスゲームなどの、主として遊技制御装置(21)の制御に基づく遊技機の状態を指し、「演出状態」とは、通常演出、特別演出などの、主として演出制御装置(22)の制御に基づく遊技機の状態を指すものである。
【0007】
また、本発明においては、前記画像表示演出として、複数の図柄を変動表示させた後、所定の図柄で停止表示させる図柄回転演出を備え、この図柄回転演出の演出状態として、図柄の変動態様が異なる複数の演出状態を備えている。前記表示制御部は、前記図柄回転演出において図柄を表示させる際に用いるコマンドとして、前記複数の図柄の全ての図柄個数と同数の図柄特定コマンドを有するとともに、表示させるべき図柄の画像データを特定するために、前記各図柄特定コマンドに対して前記複数の図柄の画像データを所定の配列で対応付けた選択テーブル(221)を使用するものであり、前記選択テーブル(221)として、各図柄特定コマンドに対して全ての図柄の画像データが1対1で対応付けられた全図柄選択テーブルと、前記各図柄特定コマンドに対して全図柄選択テーブルとは異なる態様で画像データが対応付けられた他の選択テーブルとを備えている。そして、前記演出制御装置(22)から、前記図柄回転演出の演出状態に関するコマンドを入力した場合には、演出状態に応じていずれかの選択テーブル(221)を取得し、前記図柄特定コマンドを用いて取得した選択テーブル(221)により画像データを特定し、図柄変動表示処理を行うことを特徴とする。
【0008】
ここで、「図柄回転演出の演出状態」には、異なる遊技状態にそれぞれ対応する複数の図柄回転演出が設けられている場合と、一の遊技状態に対応して設けられた一の図柄回転演出について複数の演出状態(ステージ)が設定されている場合の双方を含む。
前記「図柄特定コマンド」は、表示制御部が出力するコマンドであって、図柄回転演出で表示される全図柄個数が例えば9個の場合には9種類設けられるものである。このコマンドに基づき、画像表示装置に表示される画像の画像データが特定されるようになっている。
前記「選択テーブル」は、各コマンドが出力された場合に特定される図柄データを規定したものであり、例えばコマンド1に対しては図柄「一」、のように、コマンドの種類ごとに所定の図柄が一つずつ対応している。「全図柄選択テーブル」は、各図柄種類にそれぞれ異なるコマンドが対応づけられている。従って、一のコマンドにより特定される図柄データは一つであってかつ一の図柄データに対応するコマンドは一つだけである。
【0009】
「他の選択テーブル」は、図柄特定コマンドと図柄種類との対応付けが前記全図柄選択テーブルとは異なる態様となっている。他の選択テーブルには、図柄回転演出で表示される全図柄個数のうち一部の図柄を、全図柄選択テーブルと同一の図柄特定コマンドに対応づけた部分図柄選択テーブルや、全図柄選択テーブルにおける図柄特定コマンドと図柄種類との対応付けの順序を逆に設定した逆順選択テーブルが含まれる。部分図柄選択テーブルやにおいては、一のコマンドにより特定される図柄データは一つであるが一の図柄データに対応するコマンドは一つとは限らない。他の選択テーブルは、複数設けられていてもよい。
【0010】
(作用)
本発明においては、図柄回転演出を実行する際、演出制御装置(22)から図柄回転演出の演出状態に関するコマンド、すなわち、全図柄選択テーブルを用いて表示図柄を特定する演出状態であるか、他の選択テーブルを用いてを用いて表示図柄を特定する演出状態であるかを知らせるコマンドを入力した表示制御部は、入力したコマンドに応じて選択テーブル(221)を取得する。そして、図柄回転演出の開始契機となったら、取得したテーブルの種類にかかわらず、同一の図柄特定コマンドを出力することにより、取得したテーブルに応じた態様で、図柄データが特定され表示される。
【0011】
例えば、図柄特定コマンドとして1〜9の数値が設定されている場合、1,2,3・・・と順次コマンドを出力することにより、各コマンドに対応する画像が順次、画像表示装置に表示され、複数の図柄の変動表示が実行される。そしてこのとき、全図柄選択テーブルを用いた場合には、全ての図柄が所定の順序で次々と表示される。一方、他の選択テーブルを用いた場合には、全図柄選択テーブルを用いた場合とは異なる表示態様で、所定の図柄が所定の順序で次々と表示される。具体的には、図柄特定コマンド1〜9に対して、図柄として「一」〜「九」の数字が対応づけられている全図柄選択テーブルを用いれば、1,2,3・・・と順次コマンドを出力することにより、「一」「二」「三」・・・の図柄データが順次特定され、それらが順次表示されることにより、「一」〜「九」の数字が昇順で変動表示される。また、図柄特定コマンド1〜5に対して、図柄として「一」「三」「五」「七」「九」の数字が対応づけられているとともに、図柄特定コマンド6〜9に対して、図柄として「一」「三」「五」「九」の数字が対応づけられている部分図柄選択テーブルを用いれば、1,2,3・・・と順次コマンドを出力することにより、「一」「三」「五」・・・の図柄データが順次特定され、それらが順次表示されることにより、奇数数字が昇順で変動表示される。あるいは、図柄特定コマンド1〜9に対して、図柄として「九」〜「一」の数字が対応づけられている逆順選択テーブルを用いれば、1,2,3・・・と順次コマンドを出力することにより、「九」「八」「七」・・・の図柄データが順次特定され、それらが順次表示されることにより、「一」〜「九」の数字が降順で変動表示される。
【0012】
このように、本発明によれば、演出制御装置(22)が所定の開始コマンドを出力すれば、表示制御部が図柄回転演出を実行させる。これにより、演出制御装置(22)のデータ量を削減できる。また、図柄回転演出を実行する際に使用する選択テーブルとして、態様の異なる選択テーブルを複数設けておくことにより、共通の図柄特定コマンドによって、異なる演出状態を実現させることができる。すなわち、表示制御部は、単一の図柄特定コマンド群を記憶しておくだけでよく、演出状態にかかわらず、同じ図柄特定コマンドを出力すればよい。これにより、表示制御部のデータ量を削減できるとともに、処理の簡素化と制御部にかかる負担の軽減を図ることができる。
【0013】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、前記演出制御装置(22)は、前記図柄回転演出の実行時に前記表示制御部に出力可能な停止コマンドとして、前記図柄特定コマンドと同数同一種類の停止コマンドを有し、図柄回転演出の実行時においては、演出状態の如何にかかわらず、表示制御部に対して、同一の停止コマンドの中から所定の停止コマンドを出力可能であり、前記表示制御部は、前記図柄回転演出の実行時においては、前記演出制御装置から入力した停止コマンドに基づき取得している選択テーブルにより画像データを特定し、図柄停止表示処理を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明は、図柄回転演出において変動表示されている図柄を停止表示させる際の制御内容を限定したものである。
本発明によれば、演出制御装置(22)は、図柄回転演出の演出状態の如何に関わらず、同一の停止コマンドを出力するだけで、演出状態に応じて停止表示される図柄を異ならせることができる。これにより、演出制御装置(22)のデータ量をさらに削減できる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、前記図柄回転演出の演出状態として、複数の図柄全てが変動表示される全図柄回転状態と、複数の図柄のうち一部の図柄が変動表示される部分図柄回転状態とを備え、前記表示制御部は、前記全図柄回転状態のときに取得する選択テーブル(221)して前記全図柄選択テーブルを備え、前記部分図柄回転状態のときに取得する選択テーブル(221)として、異なる図柄特定コマンドに対して同一の画像データが対応することがあるように一部の図柄の画像データが各図柄特定コマンドに対して対応付けられた部分図柄選択テーブルを備えていることを特徴とする。
【0015】
「部分図柄選択テーブル」には、例えば、図柄特定コマンド1〜9に対して「一」〜「九」の数字が対応づけられている全図柄選択テーブルが設けられている場合に、図柄特定コマンド1〜5に対して「一」「三」「五」「七」「九」の数字が対応づけられているとともに、図柄特定コマンド6〜9に対して「一」「三」「五」「九」の数字が対応づけられている奇数図柄選択テーブルなどが含まれる。
部分図柄選択テーブルを用いて図柄回転演出を行う場合には、全図柄のうちの一部の図柄(例えば奇数のみ、偶数のみ)が変動表示されるとともに、全図柄回転状態で出力されるのと同一の停止コマンドにより、正順回転状態とは異なる図柄(全図柄のうちの一部の図柄、例えば奇数図柄)が停止表示される。なお、この場合には、演出制御装置(22)は停止コマンドとして、1〜5のみを出力するようにしてもよい。
【0016】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、前記図柄回転演出の演出状態として、複数の図柄が配列順に変動表示される正順回転状態と、複数の図柄が配列順とは逆の順番で変動表示される逆順回転状態とを備え、前記表示制御部は、前記正順回転状態のときに取得する選択テーブル(221)として、各図柄特定コマンドに対して全図柄の画像データが所定の順序で対応付けられた、前記全図柄選択テーブルとしての正順選択テーブルを備え、前記逆順回転状態のときに取得する選択テーブル(221)として、各図柄特定コマンドに対して全図柄の画像データが前記正順選択テーブルと逆の順番で対応付けられた逆順選択テーブルを備えていることを特徴とする。
【0017】
「逆順選択テーブル」には、図柄特定コマンド1〜9に対して「一」〜「九」の数字が対応づけられている正順選択テーブルが設けられている場合に、図柄特定コマンド1〜9に対して「九」〜「一」の数字が対応づけられているテーブルが含まれる。
逆順選択テーブルを用いて図柄回転演出を行う場合には、全図柄が逆順で変動表示されるとともに、正順回転状態で出力されるのと同一の停止コマンドにより、正順回転状態とは異なる図柄(場合によっては同一図柄)が停止する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されているので、遊技機において演出を実行する際に用いるコマンド数や演出データを極力削減して、制御装置の記憶容量を低減し、処理の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの入力、出力及び制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるスロットマシンの作動の概略を示す流れ図である。
【図4】演出制御装置による演出実行処理を示す流れ図である。
【図5】液晶制御基板による画像表示処理を示す流れ図である。
【図6】選択テーブルを表す概念図である。
【図7】液晶画面の表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、四角箱状の筐体11を有する。この筐体11には、遊技者側に向かって臨む正面パネル12が形成されており、さらに正面パネル12には、3個の回転リール40の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。そして、スロットマシン10の略中央端部には、メダル投入口14が設けられている。
スロットマシン10の内部には、前記回転リール40を備えたリールユニット60と、ホッパーユニット65と、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が内蔵されている。
【0021】
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、遊技制御装置21及び演出制御装置22を構成する。
(遊技制御装置21)
遊技制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、この遊技制御装置21の入力側には、図2に示すように、メダルセンサ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50の各パーツが接続されている。
【0022】
メダルセンサ15は、特に図示しないが、メダル投入口14の下方に内蔵された検知センサであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。ベットスイッチ16は、図1に示すように、図柄表示窓13の下方に位置するボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。
ここで、クレジットとは、次遊技以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入されメダルセンサ15を通過した遊技メダル、又は入賞により払い出される遊技メダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
【0023】
精算スイッチ17は、図1に示すように、図柄表示窓13の斜め下方に位置するボタンスイッチであって、クレジットを払い戻すためのものである。
スタートスイッチ30は、図1に示すように、図柄表示窓13の斜め下方に位置するレバーであって、遊技メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、又は、再遊技時には前遊技から所定時間経過を条件に、リールユニット60の駆動を開始させるためのものである。また、スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、接触により通電する接触センサ、あるいはレバーの押下による揺動を検知する遮光センサが設けられていて、レバー押下が検知されるとともに、当該検知信号が操作信号として制御装置20に出力されるようになっている。
【0024】
ストップスイッチ50は、リールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、図1に示すように、各回転リール40に対応した3個の停止ボタンから構成され、各回転リール40の下方に1個ずつ配置されている。各停止ボタンの筐体内部側には、特に図示しないが、接触により通電する接触センサ、あるいはボタンの押下による移動を検知する遮光センサが設けられていて、ボタンの押下が検知されるとともに、当該検知信号が操作信号として制御装置20に出力されるようになっている。
そして、回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
【0025】
遊技制御装置21の出力側には、図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65の各パーツが接続されている。
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定あるいは支持された3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40から構成されている。また、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
そして、スロットマシン10を正面視したとき、図柄表示窓13からは、各回転リール40の図柄がそれぞれ3個ずつ視認できるようになっている。また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ(図示せず)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとステッピングモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
【0026】
ホッパーユニット65は、図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。
そして、遊技制御装置21は、図2に示すように、当選抽選手段70、遊技状態制御手段80、リール制御手段90、遊技結果判定手段100、ホッパー制御手段110の各手段として機能する。
(当選抽選手段70)
当選抽選手段70は、複数の回転リール40で表示される図柄の組合せから構成される所定の「役」について当選したか否かを抽選により決定するものである。具体的には、乱数発生手段としてのループカウンタのカウント値をスタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで読み取って記憶し、ROMに記憶されている抽選テーブルと照合することにより、いずれかの役に当選したかあるいはいずれの役にも当選しなかった(ハズレた)かを判定する。
【0027】
ここで、本実施の形態に係るスロットマシン10は、前記役として、所定の図柄(例えばスイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄など)が有効ライン上に揃って停止することにより所定枚数の遊技メダルが払い出される小役(例えばスイカ役、ベル役、チェリー役など)と、所定の図柄(例えばリプレイ図柄)が有効ライン上に揃って停止することにより次遊技において遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、所定の図柄(例えば7図柄、Bar図柄など)が有効ライン上に揃って停止することによりボーナスゲームに移行するボーナス役とを備えている。前記ボーナス役としては、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)に移行するRBゲーム役と、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)に移行するBBゲーム役とが設けられている。RBゲームは、小役の当選確率が高くなるよう設定されたゲーム期間であり、所定回数のゲーム消化又は所定回数の入賞により終了する。BBゲームは、RBゲームが連続して行われるように設定されたゲーム期間であり、払い出しメダル数が所定枚数を超えると終了する。
【0028】
なお、有効ラインとは、入賞、又は再遊技やボーナスが作動するために有効な図柄組合せの並びを規定したラインであって、特に図示しないが、図柄表示窓13の上段に位置する図柄を横一列に結ぶ上段ライン、図柄表示窓13の中央に位置する図柄を横一列に結ぶ中段ライン、図柄表示窓13の下段に位置する図柄を横一列に結ぶ下段ライン、図柄表示窓13の上段、中段、下段に位置する図柄を斜めに結ぶ斜めラインなどを設けることができ、遊技メダルの投入枚数や遊技状態に応じて有効となるラインの数や種類を変化させることができる。
前記抽選テーブルとは、ループカウンタのカウント値を全領域として所定の数値領域を役に対応する当選領域に規定したものであり、特に図示しないが、スロットマシン10の出玉の設定ごとに、遊技状態に応じて設けられた複数の抽選テーブルが設けられている。そして、上述の当選判定を行う際には、スロットマシン10の設定値や遊技状態に対応した役抽選テーブルが参照されるものとなっている。具体的には、抽選テーブルとしては、通常のゲームの当選判定において参照される通常ゲーム用抽選テーブル、ボーナスゲームの当選判定において参照されるボーナス用抽選テーブル、及びボーナス役が持ち越されているゲーム(内部中ゲーム)の当選判定において参照されるボーナス内部中用抽選テーブルがあり、これらが設定ごとに設けられている。なお、設定が変わると抽選テーブルが変更され、当選確率が変化することにより結果として入賞によるメダル払い出し数が変わってくる。一般に、設定が高いほど、出玉が多くなるようになっている。
【0029】
前記通常ゲーム用抽選テーブルは、ボーナス役、小役、再遊技役の当選領域が所定の範囲(所定の確率で)で設定されているものであるが、本実施の形態においては、ボーナス役、小役の当選領域は通常ゲーム用抽選テーブルと同等であるが、通常ゲーム用抽選テーブルよりも再遊技役の当選領域が大きく(当選確率が高く)なるように設定された抽選テーブルが設けられている。この抽選テーブルを用いて役抽選が行われる遊技期間をリプレイタイム(以下RT)という。
ここで、RTは、再遊技役の当選確率が通常遊技状態と異なるように設定された、所定の開始契機該当により開始され所定の終了契機該当により終了する遊技期間の総称である。本実施の形態のように、再遊技役の当選確率が高く設定されたRTに移行すると、ベットなしで遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなることから、一種の有利状態となる。本実施の形態においては、RTへの移行契機は、ボーナス役が当選した場合、ボーナスゲームが終了した場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示された場合のいずれかとすることができる。また、RTの終了契機は、ボーナス役が当選した場合、ボーナス役が表示された場合、通常遊技中に特定図柄の組合せが表示された場合、所定回数の遊技が終了した場合のいずれかとすることができる。
【0030】
なお、再遊技役の当選確率がそれぞれ異なる複数のRT用の抽選テーブルを設け、複数種類のRTを実行可能な仕様にしてもよい。
また、当選抽選手段70は、いずれかの役に当選したと判定した場合、すなわち、読み取ったカウント値が抽選テーブルの所定の役の当選領域に含まれている場合には、当該役に対応した当選フラグを成立させる。当選フラグとしては、判定結果が小役当選である場合に成立する小役当選フラグ、前記判定結果がボーナス役当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BBフラグ、RBフラグ)、前記判定結果が再遊技役当選である場合に成立する再遊技当選フラグがある。小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、当該当選フラグが成立した遊技においてのみ有効であり、当該遊技が終了すれば消去(リセット)される。すなわち、小役及び再遊技役は、当選の権利を次遊技以降に持ち越すことができない。一方、ボーナス当選フラグは、当該ボーナス役を構成する図柄が有効ライン上に表示されるまで、次遊技以降に持ち越されるようになっている。
【0031】
(遊技状態制御手段80)
遊技状態制御手段80は、ボーナスゲームやボーナス内部中のゲーム及びRTゲームを制御するためのものである。具体的には、ボーナス役が当選した場合には、ボーナス内部中抽選テーブルを用いて役抽選が行われるように制御し、ボーナス役が表示された場合には、ボーナス用抽選テーブルを用いて役抽選が行われるように制御する。また、ボーナスゲーム中は、入賞メダルの払い出し枚数や遊技回数、入賞回数のカウントを行い、あらかじめ定められたカウント値に達したら通常ゲームに戻すように制御する。
さらに、所定のRT移行契機に該当した場合には、RT用の抽選テーブルを用いて役抽選が行われるように制御し、所定のRT終了契機に該当した場合には、通常ゲームに戻すように制御する。
【0032】
(リール制御手段90)
リール制御手段90は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40の回転を制御するとともに、役抽選の結果及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて回転リール40の回転停止を制御するためのものである。そして、リール制御手段90は、特に図示しないが、回転開始制御手段及び回転停止制御手段を備えている。
回転開始制御手段は、回転リール40の回転の開始に関する制御を行うためのものである。具体的には、ベットがされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、リールユニット60のステッピングモータに駆動開始信号を出力しステッピングモータを駆動開始させることにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が所定速度に達すると、この所定速度で定速回転を行わせるものとなっている。
【0033】
回転停止制御手段は、ストップスイッチ50の操作が行われた際に、回転リール40の回転停止を制御するためのものである。具体的には、全ての回転リール40が定速回転をしている状態で、ストップスイッチ50の操作信号を入力した場合には、ストップスイッチ50に対応する回転リール40のステッピングモータに駆動停止信号を出力しステッピングモータを駆動停止させることにより、ストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転を停止させるものである。この際、当選抽選手段70の抽選結果に基づいて、対応する回転リール40を、あらかじめ定められたコマ数の範囲内におけるいずれの位置で停止させるかを決定するものとなっている。
【0034】
詳述すると、回転停止制御手段は、リールユニット60に設けられたインデックスセンサが回転リール40のスタートインデックスを検知した検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ50が操作された時点での回転リール40の回転角度から、所定の有効ライン上に位置している図柄を特定することができるようになっている。そして、特定された図柄を基準として、この図柄から回転方向にあらかじめ定められた個数(最大スベリコマ数、例えば、5コマ)移動したときの図柄までの範囲で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、回転停止制御手段は、ストップスイッチ50が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数(5コマ)の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。
【0035】
そして、所定の役に係る当選フラグが成立している場合、すなわち、役抽選の結果が所定の役に当選している場合には、当選図柄の組合せが有効ライン上に停止するように、かつ、当選図柄以外の図柄は、有効ライン上に停止しないように、対応する回転リール40の停止位置を上述のあらかじめ定められたコマ数の範囲内で決定する。当選フラグが成立していない場合、すなわち、役抽選の結果がハズレの場合には、いずれの役を構成する図柄の組合せも有効ライン上に停止しないように、回転リール40を停止させる。
なお上記した停止制御は、ストップスイッチ50の操作タイミングに応じて図柄の停止位置をあらかじめ定めた停止テーブルを用いたものであってもよいし、所定図柄を所定位置に停止させてもよいか否かを判断するものでもよい。
【0036】
(遊技結果判定手段100)
遊技結果判定手段100は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するとともに、判定結果に基づく処理を行わせるための決定をするものである。
具体的には、遊技結果判定手段100は、所定の役を構成する図柄が有効ライン上に表示された場合には、当該役に応じた利益付与の決定を行う。すなわち、小役図柄が有効ライン上に表示された場合には、役に応じた所定枚数のメダル払い出し決定を行い、リプレイ図柄が有効ライン上に表示された場合には、自動ベット決定を行い、ボーナス役図柄が有効ライン上に表示された場合には、遊技状態の移行決定を行う。さらに、演出制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、演出表示部66により、入賞やボーナスゲームへの移行に際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
【0037】
(ホッパー制御手段110)
ホッパー制御手段110は、遊技結果判定手段100の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段100が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役入賞に応じたメダルを払い出し、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出すようになっている。
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21からの出力信号、スタートスイッチ30等の操作手段の操作信号に基づいて、液晶表示装置67、ランプ68、スピーカ69等の演出表示部66を制御するためのものである。
【0038】
演出制御装置22の出力側には、図2に示すように、演出装置としてのランプ68、スピーカ69、液晶表示装置67が接続されている。ランプ68及びスピーカ69は、発光体の点灯又は点滅、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。液晶表示装置67は、液晶画面に動画、静止画を含む所定の画像を表示するためのものである。ここで、液晶表示装置67には、液晶制御基板200が設けられている。液晶制御基板200は、演出制御装置22からの出力信号に基づき液晶表示装置67の画像表示を制御するためのものであるが、この詳細は後述する。
そして、演出制御装置22は、図2に示すように、状態判定手段120、演出決定手段130、AT制御手段140及びコマンド出力手段150として機能する。
【0039】
(状態判定手段120)
状態判定手段120は、現時点での遊技状態又は演出状態を判定するためのものである。ここで、遊技状態とは、遊技制御手段21(遊技状態制御手段80)がどのような制御を行っているかに基づき特定される状態であって、例えばボーナス内部中や、ボーナスゲーム中、RT中又はRT移行決定中などが含まれる。また、演出状態とは、実行されている又は実行が決定されている演出の種類に基づき特定される演出の状態であって、例えば後述するアシストタイム(AT)中又はAT移行決定中、ATへの移行確率が高くなっている確変中又は確変決定中、同一遊技状態に対して複数の演出ステージが設けられている場合において滞在しているステージの種類などが含まれる。
【0040】
状態判定手段120は、遊技制御装置21から所定の信号(例えば当選フラグ成立信号や入賞信号など)が出力された場合にはこれを記憶し、また以下に述べる演出決定手段130が所定の決定(例えばAT移行決定やステージ状態)を行った場合にはそれを記憶し、これらの記憶に基づいて、スタートスイッチ30の押下時など所定の演出契機に該当した場合に、遊技状態及び演出状態(以下単に状態という)の判定を行うようになっている。
(演出決定手段130)
演出決定手段130は、演出実行の有無及び内容を決定するためのものである。演出決定手段130は、特に図示しないが、演出態様記憶手段や、演出実行抽選手段を備えている。
【0041】
演出態様記憶手段は、複数の演出態様に関する情報を記憶しているものである。ここで、演出態様に関する情報とは、発光体の点滅パターンデータや音声データなどの演出データそのものに限られず、演出実行のためのデータを特定することができる情報(演出データのインデックス)も含むものである。本実施の形態では、液晶表示装置67により実行される画像表示演出に関しては、演出決定手段130は、演出態様に関する情報として、複数の演出実行コマンドを有しており、これらの演出実行コマンドには、後述する液晶制御基板が備えている画像データが対応するように設定されている。
演出実行抽選手段は、演出の有無や種類、態様(ステージ)を抽選により決定するものである。抽選の方法は、役抽選と同様であり、所定時(例えばスタート操作時)にピックアップした乱数と演出抽選を行うための演出抽選テーブルを比較して行う。演出抽選テーブルは、状態に応じて複数設けられている。
【0042】
実行する演出が決定されると、各演出に対応する演出データ又はそれを特定するための情報が、コマンド出力手段150から、液晶表示装置67、ランプ68、スピーカ69などの演出装置に出力される。
(AT制御手段140)
AT制御手段140は、アシストタイム(AT)を制御する手段である。すなわち、ATに移行するか否かのAT抽選の結果、ATの実行が決定された場合には、所定のAT開始条件(例えばBBゲーム終了など)に該当した場合にATゲームを開始させるとともに、所定のAT終了条件(例えば所定の遊技回数、報知回数、入賞回数の消化や、特定当選役の当選又は入賞もしくは特定図柄組合せの表示)に該当した場合には、ATゲームを終了させる。
【0043】
なお、RT中にATゲームが行われるようにしてもよい。再遊技役の当選確率が通常よりも高く設定されたRT中にATゲームが行われるいわゆるART(アシストリプレイタイム)では、手持ちのメダルの目減りが少なくなるだけでなく、報知に従って停止操作を行うことにより小役の入賞によるメダル獲得が確実に増えるので、ATのみが行われる場合よりもさらに有利な遊技状態となる。
ここで、AT中に、ストップスイッチ50の操作順番を報知するいわゆる押し順ATを行わせる場合には、リール制御手段90は、停止データとして、特定の役が当選した場合においてストップスイッチ50が特定の操作順で操作された場合に前記特定の役を構成する図柄を有効ラインに引き込んで停止させるための停止データを備える。そして、AT制御手段140は、操作順の種類に応じた表示データを備え、遊技制御装置21から、特定の操作順が設定されている役が当選した信号を入力したときには、当該操作順に応じた表示データを選択し、例えば液晶表示装置67に表示させる。表示は、例えば、3個のストップスイッチ50のそれぞれの操作順を1、2、3の数字で表示するものや、最初に停止操作すべき停止ボタンを左、中、右などの文字で表示するものや、順押し、逆押しなどを矢印で表示するものであってもよい。また、操作順の報知は、画像表示装置67を用いたものに限られない。例えば、各ストップスイッチ50の停止ボタンの内部に発光体を設け、停止ボタンの発光色を例えば赤から青に変化させることにより、操作すべきストップスイッチ50を報知するようにしてもよい。
【0044】
報知に従い、ストップスイッチ50が特定の操作順で操作された場合には、遊技者に有利な結果がもたらされる。例えば、入賞するか否かが操作順に依存する小役が当選しているときに当該小役が入賞する操作順が報知され、その操作順に従って遊技者がストップスイッチ50を操作した場合には、当該小役を(回転リール40の図柄配置によっては必ず)入賞させることができ、払出枚数の異なる小役が同時に当選しているときに払出枚数の多く設定された小役が入賞する操作順が報知され、その操作順に従って遊技者がストップスイッチ50を操作した場合には、払い出し枚数の多い小役を入賞させることができる。あるいは、重複入賞する小役と単独入賞しかしない小役が同時に当選しているときに重複入賞する小役が入賞する操作順が報知され、その操作順に従って遊技者がストップスイッチ50を操作した場合には、重複入賞させることにより多くのメダル獲得が可能となる。なお、報知が行われていない場合であっても、遊技者が上述したような有利な結果がもたらされる操作順でストップスイッチ50を操作した場合には、有利な結果を得ることができる場合があるが、報知が行われ、その報知に従うことにより、確実に有利な結果を得ることができるものとなる。
【0045】
また、AT中に、指標図柄を報知するATを行わせる場合には、役として、例えば「白7・ベル・ベル」「赤7・ベル・ベル」「青7・ベル・ベル」の図柄組合せからなる小役を設け、「白7」「赤7」「青7」は左リール41において同時に狙えない位置に配置する。そして、AT制御手段140は、当選している小役に応じて「白7」「赤7」「青7」のいずれかを、例えば液晶表示装置67に表示させる。報知に従い、それぞれの図柄を狙ってストップスイッチ50を操作することにより、効率よく、小役を入賞させることができる。
なお、演出決定手段130において、AT抽選を行うようにしてもよい。AT抽選の当選確率を高くすることにより、ATに移行する確率の高くなるAT高確率状態(確変状態)を作り出すことができる。AT高確率状態の遊技期間は、所定の開始契機、例えば特定役の当選又は入賞、特定の図柄組合せの表示などを条件に開始され、所定の終了契機、例えば、特定役の当選又は入賞、特定の図柄組合せの表示、一定回数の遊技消化などを条件に終了するように形成することができる。AT高確率状態に移行すると、ATの実行が高確率で決定される。その決定はATフラグを成立させて記憶しておき、複数のATの実行をストックして、AT高確率状態の終了後に、複数のATが連続して実行されるような仕様としてもよい。
【0046】
(コマンド出力手段150)
コマンド出力手段150は、演出決定手段130の決定に基づき、演出装置に対して、所定の演出実行コマンドを出力するためのものである。演出実行コマンドには、演出A、演出Bのように具体的な演出データの実行(演出開始)や実行停止(演出終了)を指示するコマンドの他に、具体的な演出データを特定せずに遊技状態や演出状態に応じて演出を実行させる旨を指示する状態コマンドや、予め設定されたコマンド値の出力も含まれる。なお、液晶表示装置67に基づく画像表示演出に関するコマンド出力については、以下の液晶制御基板200の説明にて詳述する。
【0047】
(液晶制御基板200)
液晶制御基板200は、特に図示しないが、液晶表示装置67に接続される制御基板であって、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、画像データ記憶手段210、特図回転演出制御手段220及び表示実行手段230として機能する。
(画像データ記憶手段210)
画像データ記憶手段210は、液晶画面に表示させるための複数の画像データを記憶しているものである。各画像データは、演出決定手段130の決定に基づきコマンド出力手段150から出力される演出実行コマンドに対応するように設けられている。
【0048】
(特図回転演出制御手段220)
特図回転演出制御手段220は、液晶表示装置67を用いて、パチンコ遊技機のいわゆるセブン機における特図演出のごとき図柄変動表示演出を行わせるためのものである。本実施の形態では、図7に示すように、液晶画面67Aの画面上に表示される横一列に並ぶ3つの表示領域300(左領域300a、中領域300b、右領域300c)に、「一」「二」「三」「四」「五」「六」「七」「八」「九」の9つの数字を、所定の態様で変動表示させるとともに、所定の数字を停止表示させ、各表示領域300に表示される数字によって、状態移行の告知を行うようになっている。
【0049】
具体的には、所定の演出開始契機に該当すると、前記表示領域300について、図柄(数字)の変動表示が開始される。変動表示の態様としては、図7(A)に示すように、3つの表示領域300の全てを一斉に変動表示するものでもよいし、図7(B)に示すように、最初にいずれかの表示領域300(例えば左領域300a)で変動表示が行われるとともに、残りの表示領域には何も表示されず、その後、順次、中領域300b、右領域300cで変動表示が行われるようにしてもよい。あるいは、図7(C)に示すように、最初にいずれかの表示領域300(例えば左領域300a)で変動表示を行わせるとともに停止表示させ、次に他の表示領域300(例えば右領域300c)で変動表示を行わせるとともに停止表示させ、最後に残りの表示領域(中領域300b)で一定時間の変動表示を行わせるようにしてもよい。
【0050】
そして、全ての表示領域300について停止表示されたときに、図7(D)に示すように、「三、三、三」などの同じ数字が3つ揃って(いわゆるゾロ目)停止表示された場合には、演出決定手段130により所定の有利状態への移行が確定したことを示し、図7(E)に示すように、「二、五、七」などの、ゾロ目でない表示の場合には、所定の状態移行が確定しなかったことを示すものとなっている。ここで、「所定の有利状態」は、例えば大当り状態としての所定期間のARTとすることができ、演出決定手段130は、かかる有利状態への移行抽選として数値抽選を行うように形成されている。抽選結果としては、各数字に対応する当選(例えば「二」当選)と不当選(ハズレ)とがあり、所定の数値が当選すると、当該数値の数字がゾロ目で停止表示され、不当選の場合には所定の数字がハズレの態様(ゾロ目でない)で停止表示されるものとなる。なお、不当選の場合に停止表示されるハズレの態様の数字の並びも、抽選により決定される。また、当選の場合には、最終的に停止表示される数字がゾロ目となるようになっており、いったん停止表示された数字が再変動する場合もあるように形成されている。
【0051】
さらに、数値抽選の当選に基づき移行可能な有利状態として、第一有利状態(例えば大当り状態終了後に通常状態に戻る)と、第一有利状態よりも有利な第二有利状態(例えば大当たり状態終了後に確変状態に移行)が設定されており、数値抽選の結果が偶数当選の場合には第一有利状態、奇数当選の場合には第二有利状態に移行するようになっている。なお、奇数当選において「七」が当選した場合(つまり3つの表示領域300の表示が「七、七、七」となった場合)には、最も有利な第三有利状態(例えばより高確率の確変状態)に移行するようにしてもよい。
また、特図回転演出には、その演出状態として、各表示領域300で変動表示される図柄が、上記した「一」〜「九」の全図柄である全図柄ステージと、「一」「三」「五」「七」「九」の奇数のみが変動表示される奇数ステージが設けられている。全図柄ステージでは、数値抽選の結果として、偶数当選と奇数当選が発生し得るが、奇数ステージでは、奇数当選のみが発生し得る。つまり、奇数ステージの方が全図柄ステージよりも有利なステージとなっている。そして、全図柄ステージに移行するか、奇数ステージに移行するかは、状態に応じて決定される。例えば、通常遊技中の所定時に行われる演出抽選により特図回転演出の実行が決定された場合や、第一有利状態の終了後には(所定の確率で又は必ず)全図柄ステージに移行し、第二有利状態の終了後には(所定の確率で又は必ず)奇数ステージに移行するように形成することができる。
【0052】
なお、特図回転演出の態様は上記した内容に限定されるものではなく、演出状態として、全ての図柄が変動表示される全図柄ステージと、一部の図柄(奇数に限られず、偶数や、「一」〜「五」までなどでもよい)が変動表示される部分図柄ステージとが設けられており、それらが状態に応じて使い分けられるような設定となっていればよい。
さて、特図回転演出制御手段220は、図2に示すように、選択テーブル221と、テーブル決定手段222を備えている。選択テーブル221は、表示させるべき数字を選択するためのものである。また、テーブル決定手段222は、ステージ状態に応じて適用するテーブルを選択決定するためのものである。
【0053】
選択テーブル221は、図6(A)に示すように、1から9までのコマンド値に対して「一」〜「九」の数字の画像データを所定の配列で対応付けたものである。ここで、1〜9の数値は、図柄を表示させる際に用いる図柄特定コマンドを表している。すなわち、所定の図柄特定コマンドを指定することにより、対応する画像データが読み出され、液晶画面に出力されることにより所定の画像が表示される。
そして、選択テーブル221としては、全図柄ステージ用テーブルと、奇数ステージ用テーブルが設けられている。全図柄ステージ用テーブルは、コマンド値に対して全ての数字が1対1で対応付けられたものであり、コマンド値1に対しては「一」、コマンド値2に対しては「二」のように、コマンド値に対して全数字が正順で配列されている。一方、奇数ステージ用テーブルは、コマンド値1に対しては「一」、コマンド値2に対しては「三」、コマンド値6に対しては「一」のように、コマンド値に対して奇数の数字が正順で配列されており、「九」の次は「一」に戻るようにしてある。すなわち、異なる図柄特定コマンドに対して同一の画像データが対応することがあるように対応付けられている。
【0054】
テーブル決定手段222は、コマンド出力手段150から出力された所定の演出実行コマンドに基づき、ステージ状態に対応した適用すべき選択テーブルを特定するものである。
ここで、演出決定手段130が演出ステージ(全図柄ステージか奇数ステージか)を決定すると、コマンド出力手段150は、演出実行コマンドとして、ステージ状態情報を出力するようになっている。テーブル決定手段222は、ステージ状態情報として、全図柄ステージコマンドを入力した場合には全図柄ステージ用テーブルを選択し、奇数ステージコマンドを入力した場合には、奇数ステージ用テーブルを選択することとなる。
(表示実行手段230)
表示実行手段230は、コマンド出力手段150から出力された画像データを特定する演出実行コマンドに基づき、画像データ記憶手段210の記憶している画像データを読み出して一時記憶手段に保持し、液晶画面に表示させるためのものである。さらに、表示実行手段230は、特図回転演出が行われる場合には、コマンド出力手段150から変動開始コマンドが出力されると、前記テーブル決定手段222の決定に基づく選択テーブル221を用いて、対応する画像を変動表示させる。そして、コマンド出力手段150から変動停止コマンドとして所定のコマンド値が出力された場合には、前記選択テーブル221を用いて、対応する画像を停止表示させるものである。
【0055】
図6(A)及び図7を参照しつつ、特図回転演出制御手段220に基づく特図回転演出の具体例を説明する。
演出決定手段130により特図回転演出の実行が決定されると、コマンド出力手段150は所定の開始コマンドを出力する。開始コマンドは、液晶画面67Aの各表示領域300(図7参照)ごとに出力される。開始コマンド入力を契機に、表示実行手段230は選択テーブル221に従って画像データを特定し、特定した画像データを読み出して当該画像データに基づく画像を液晶画面に表示させる。すなわち、テーブル決定手段222が全図柄ステージ用テーブルを選択している場合には、表示実行手段230は図6(A)に示す全図柄ステージ用テーブルに基づき全画像データを読み出し、所定の表示領域300上に、「一」から「九」までの数字を順次表示させる。また、テーブル決定手段222が奇数ステージ用テーブルを選択している場合には、表示実行手段230は図6(A)に示す奇数ステージ用テーブルに基づき画像データを読み出し、所定の表示領域300上に奇数の数字を順次表示させる。
【0056】
この際、表示実行手段230が読み出す画像データを特定するためのコマンドは、ステージ状態に関係なく、1〜9のコマンド値で足りる。すなわち、選択テーブル221が全図柄ステージ用テーブルならば1→2→3→・・→8→9と選択すれば、「一」から「九」までの全図柄の画像データが順次読み出され、選択テーブル221が全図柄ステージ用テーブルならば1→2→3→・・→8→9と選択すれば、「一」「三」「五」「七」「九」「一」「三」「五」「九」の奇数図柄の画像データが順次読み出される。
一方、コマンド出力手段150は、演出決定手段130の数値抽選の決定に基づき、所定図柄を停止表示させるための停止コマンドを出力する。停止コマンドは、表示領域300ごとに出力される。停止コマンドを入力した表示実行手段230は、ステージに対応した選択テーブル221に従って画像データを読み出し、停止コマンドに係る表示領域300について、当該画像データに基づく画像(数字)を停止表示させる。ここで、コマンド出力手段150が出力するのは、全図柄ステージではコマンド値1〜9、奇数ステージではコマンド値1〜5である。具体的には、演出決定手段130による数値抽選が、全図柄ステージにおける数値抽選では、「一」から「九」までのいずれかの数値が当選した場合には、コマンド出力手段150は数値に対応する1〜9のいずれかのコマンド値を出力し、奇数ステージにおける数値抽選では、「一」が当選した場合にはコマンド値1、「三」が当選した場合にはコマンド値2・・・「九」が当選した場合にはコマンド値5を出力する。つまり、コマンド出力手段150は、ステージ状態に応じて、表示実行手段230が選択テーブル221をもとに読み出す画像データを特定するためのコマンドと同一のコマンドを、出力可能としてある。このように形成することにより、ステージ状態が異なると同じコマンド値に基づいて異なる画像データが選択され、停止表示される数字が異なるようにすることができる。
【0057】
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の作動の概略を、図3のフローに基づき説明する。
まず、図3に示すステップ100において、規定数のメダルが投入されたか否かが判断される。ここで、規定数のメダルとは、1回の遊技に掛けることができるメダル数であり、スロットマシン10は最大3枚までのメダルを掛けることができるようになっている。規定数は、遊技状態により変更されるようにしてもよい。例えばボーナスゲーム中は規定数が1枚となるようにすることができる。また、メダルの投入にはベットスイッチの操作も含まれる。規定数のメダルが投入されない場合にはステップ100に戻り、規定数のメダルが投入された場合には、次のステップ101に進む。
【0058】
ステップ101において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならない場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ102に進む。
ステップ102において、当選抽選手段70による役抽選処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、回転リール40が回転開始する。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ50がONとなったか否かが判断される。いずれのストップスイッチ50もONにならない場合にはステップ104に戻り、いずれかのストップスイッチ50がONとなった場合には、次のステップ105に進む。
【0059】
ステップ105において、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40が回転停止する。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、全ての回転リール40が停止したか否かが判断され、全ての回転リール40が停止していない場合、すなわち回転中の回転リール40がある場合にはステップ104に戻り、全ての回転リール40が停止した場合には、次のステップ107に進む。
ステップ107において、遊技結果判定処理が行われる。そして、次のステップ108に進み、遊技結果に応じた処理が行われる。すなわち、所定の役を構成する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合には、役に応じた利益付与が行われる。具体的には、ボーナス役を構成するボーナス図柄の組合せが表示された場合にはボーナスゲーム(BBゲーム、RBゲーム)への移行が決定され、再遊技役を構成するリプレイ図柄の組合せが表示された場合には次遊技のためのメダル自動投入(ベット表示部の表示を自動的に規定数まで表示させる)が決定され、小役を構成する小役図柄の組合せが表示された場合には、役に応じた入賞メダルの払い出しが行われる。そして、1回の遊技を終了する。一方、有効ライン上に停止した図柄組合せが何の役を構成するものでもない場合には、そのまま1回の遊技が終了する。
【0060】
次に、演出制御装置21による演出実行処理の流れを、図4に基づき説明する。
図4のステップ200において、遊技状態が所定の演出契機に該当したか否かが判断される。例えば、ベットスイッチ16やスタートスイッチ30が操作されたか等が判断される。演出契機に該当しない場合にはステップ200に戻り、演出契機に該当した場合には、次のステップ201に進む。
ステップ201において、状態判定手段120が状態判定処理を行う。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、演出決定手段130が、状態に応じた演出抽選テーブルを用いて演出抽選処理を行う。そして、次のステップ203において、抽選結果に基づいて実行演出を決定する。そして、次のステップ204に進む。
【0061】
ステップ204において、コマンド出力手段150から、実行演出に対応する演出実行コマンドが出力される。出力された演出実行コマンドに基づき、液晶表示装置67に所定の画像が表示され、ランプ68が所定のパターンで点灯点滅し、スピーカ69から所定の音声が出力される。そして処理を終了する。
続いて、液晶制御基板200の制御に基づく特図回転演出処理の流れを、図5に基づき説明する。
図5のステップ300において、演出制御装置21から演出実行コマンドとしての所定の状態コマンド(全図柄ステージか奇数ステージか)を入力したか否かが判断され、状態コマンドを入力していない場合にはステップ300に戻り、状態コマンドを入力した場合には、次のステップ301に進む。
【0062】
ステップ301において、テーブル決定手段222が状態に応じた選択テーブル221を取得する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、開始コマンドを入力したか否かが判断され、開始コマンドを入力していない場合にはステップ302に戻り、開始コマンドを入力した場合には、次のステップ303に進む。
ステップ303において、図柄特定コマンドの出力により図柄変動表示が開始される。そして、次のステップ304に進む。
ステップ304において、変動表示中の図柄について停止コマンドを入力したか否かが判断され、停止コマンドを入力した場合には、次のステップ305に進む。
【0063】
ステップ305において、停止コマンドに係る表示領域300の図柄の変動を停止させ、所定の数字を停止表示させる。そして、処理を終了する。
なお、上記フローは、3個の表示領域300のそれぞれについて別個に行われる処理である。各表示領域300について同時進行で上記した処理を実行することにより、3個の表示領域300において一斉に図柄の変動表示が開始された後、一斉に停止表示されあるいは所定の順番で停止表示されていくような演出が行われる。あるいは、3個の表示領域300のうちまず左領域300aについて変動表示されるとともに停止表示され、次に右領域300cについて変動表示されるとともに停止表示され、最後に中領域300bについて変動表示されるとともに停止表示されるような演出が行われることとなる。
【0064】
(総括)
以上のように、本実施の形態によれば、特図回転演出において表示実行手段230が画像データを特定するためのコマンドと、コマンド出力手段150が停止図柄を特定させるために出力するコマンドとを、ステージ状態に応じた共通の数値データに設定してあることから、コマンド出力手段150は単一のコマンドを持っていればよく、演出制御装置22が保持すべきコマンド用のデータを削減することができる。また、液晶制御基板200においては、表示実行手段230は、単一のコマンドで異なる図柄変動表示を制御可能であるので、処理の簡素化と制御部にかかる負担の軽減を図ることができる。
【0065】
ところで、上記した実施の形態では、特図回転演出において、複数図柄の全てが変動表示される全図柄ステージと、奇数図柄のみが変動表示される奇数ステージとを設けてある場合について説明しているが、特図回転演出としては、このような演出状態に限られない。例えば、複数図柄の全てが所定の順番(所定数字が昇順)で変動表示される正順ステージと、複数図柄の全てが所定の順番と逆順(所定数字が降順)で変動表示される逆順ステージとを設けてもよい。この場合には、選択テーブル221として、図6(B)に示すように、1〜9のコマンド値に対して「一」〜「九」がそれぞれ対応づけられた正順ステージ用テーブルと、1〜9のコマンド値に対して「九」〜「一」がそれぞれ対応づけられた逆順ステージ用テーブルを設ければよい。
【0066】
さらに、全図柄正順ステージと奇数ステージ、全図柄正順ステージと全図柄逆順ステージの組合せの双方を有していてもよく、他のステージ(例えば偶数ステージ)を有していてもよい。すなわち、選択テーブル221の態様は図示したものに限られず、様々な態様のものを設けることができる。
なお、本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、パチンコ遊技機や、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
また、画像表示装置としては液晶表示装置に限られず、CRTやドットマトリックスやレーザープロジェクタを用いて所定の画像を変動表示及び停止表示可能なものであってもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 スロットマシン 11 筺体
12 表示窓 13 図柄表示窓
20 制御装置 21 遊技制御装置
22 演出制御装置
30 スタートスイッチ 40 回転リール
50 ストップスイッチ 60 リールユニット
65 ホッパーユニット 67 液晶表示装置(画像表示装置)
70 当選抽選手段 90 リール制御手段
130 演出決定手段 150 コマンド出力手段
200 液晶制御基板(装置制御部) 210 画像データ記憶手段
220 特図回転演出制御手 230 表示実行手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を制御する遊技制御装置と、遊技に付随する演出を制御する演出制御装置と、画像表示演出を行うための画像表示装置とを少なくとも有する遊技機において、
前記画像表示装置は、画像表示を実行させるための表示制御部を備え、
前記演出制御装置は、遊技状態又は演出状態に応じて、前記表示制御部に所定のコマンドを出力し、
前記表示制御部は、複数の画像データを記憶するとともに、前記演出制御装置から出力されたコマンドを入力して、表示すべき画像データを選択して表示可能に形成され、
前記画像表示演出として、複数の図柄を変動表示させた後、所定の図柄で停止表示させる図柄回転演出を備え、
前記図柄回転演出の演出状態として、図柄の変動態様が異なる複数の演出状態を備え、
前記表示制御部は、
前記図柄回転演出において図柄を表示させる際に用いるコマンドとして、前記複数の図柄の全ての図柄個数と同数の図柄特定コマンドを有するとともに、表示させるべき図柄の画像データを特定するために、前記各図柄特定コマンドに対して前記複数の図柄の画像データを所定の配列で対応付けた選択テーブルを使用するものであり、
前記選択テーブルとして、各図柄特定コマンドに対して全ての図柄の画像データが1対1で対応付けられた全図柄選択テーブルと、前記各図柄特定コマンドに対して全図柄選択テーブルとは異なる態様で画像データが対応付けられた他の選択テーブルとを備え、
前記演出制御装置から、前記図柄回転演出の演出状態に関するコマンドを入力した場合には、演出状態に応じていずれかの選択テーブルを取得し、前記図柄特定コマンドを用いて取得した選択テーブルにより画像データを特定し、図柄変動表示処理を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御装置は、前記図柄回転演出の実行時に前記表示制御部に出力可能な停止コマンドとして、前記図柄特定コマンドと同数同一種類の停止コマンドを有し、図柄回転演出の実行時においては、演出状態の如何にかかわらず、表示制御部に対して、同一の停止コマンドの中から所定の停止コマンドを出力可能であり、
前記表示制御部は、前記図柄回転演出の実行時においては、前記演出制御装置から入力した停止コマンドに基づき取得している選択テーブルにより画像データを特定し、図柄停止表示処理を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記図柄回転演出の演出状態として、複数の図柄全てが変動表示される全図柄回転状態と、複数の図柄のうち一部の図柄が変動表示される部分図柄回転状態とを備え、
前記表示制御部は、前記全図柄回転状態のときに取得する選択テーブルとして前記全図柄選択テーブルを備え、前記部分図柄回転状態のときに取得する選択テーブルとして、異なる図柄特定コマンドに対して同一の画像データが対応することがあるように一部の図柄の画像データが各図柄特定コマンドに対して対応付けられた部分図柄選択テーブルを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記図柄回転演出の演出状態として、複数の図柄が配列順に変動表示される正順回転状態と、複数の図柄が配列順とは逆の順番で変動表示される逆順回転状態とを備え、
前記表示制御部は、前記正順回転状態のときに取得する選択テーブルとして、各図柄特定コマンドに対して全図柄の画像データが所定の順序で対応付けられた、前記全図柄選択テーブルとしての正順選択テーブルを備え、前記逆順回転状態のときに取得する選択テーブルとして、各図柄特定コマンドに対して全図柄の画像データが前記正順選択テーブルと逆の順番で対応付けられた逆順選択テーブルを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−52190(P2013−52190A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194136(P2011−194136)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】