説明

過電圧制御リミッターとそれを備えるRFIDタグ

【課題】製品の歩留まりを向上させることのできる過電圧制御リミッター及びそれを有するRFIDタグを開示する。
【解決手段】リミッターは、第1リミッター部131及び第1リミッター部131と直列に接続された第2リミッター部134を備える。第2リミッター部134は第1リミッター部131に備えられた素子よりしきい電圧が低いリミットダイオードを備える。従って、リミッターは過電圧が印加されると、入力電圧を最大に降下させることができるので、漏れ電流を最大に増加させることができる。これによりRFIDタグはRFIDリーダー器から過電圧が印加されRFID駆動部が破損されることを防止することができ、RFIDリーダー器から受信される駆動電力の大きさに関係なく正常に動作できるので、製品の歩留まりを向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は過電圧制御リミッター及びそれを備えるRFID(Radio frequency identification)タグ(Tag)に関し、より詳細にはRFIDリーダー器から受信された過電圧を制限してRFIDタグの駆動素子を保護する過電圧制御リミッター及びそれを有するRFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDシステムは無線周波数を用いた自動認識(Automatic Identification and Data Capture:ADC)技術である。RFIDシステムはRFIDリーダー器(Reader)とRFIDタグ間の相互信号交換により行われる。
【0003】
具体的には、RFIDリーダー器は特定の周波数帯の電磁波を送出し、RFIDタグは各RFIDタグを識別する認証情報及び所定のデータを格納する。RFIDタグはRFIDリーダー器の磁場(Magnetic field)もしくは電場(electrical field)内に位置すると、格納された認証情報及びデータをRFIDリーダー器に伝送する。RFIDリーダー器はRFIDタグから受信された認証情報を用いてRFIDタグを認証する。
【0004】
RFIDタグはRFIDリーダー器から受信された電磁波を介してRFIDタグを駆動するための電力を受ける。RFIDリーダー器からRFIDタグに入力される電力の大きさはRFIDリーダー器とRFIDタグ間の距離によって異なる。特に、RFIDリーダー器とRFIDタグ間の距離が近いほどRFIDリーダー器から入力される電力の大きさは大きくなるので、RFIDタグに過電圧が印加される。
【0005】
このような過電圧がRFIDタグに印加されると、RFIDタグに内蔵された駆動素子が誤動作したり、駆動素子が破損されることがある。
【0006】
これを防止するためにRFIDタグは駆動素子に入力される入力電圧を調節するリミッターを備える。リミッターは入力電圧が駆動素子を駆動する基準電圧より低いと最大の電流が駆動素子に提供されるようにし、入力電圧が基準電圧より高いと最小の電流が駆動素子に提供されるようにする。
【0007】
リミッターは複数のMOS電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:以下、MOSFET)を備え、複数のMOSFETは直列に接続される。複数のMOSFETは入力電圧が基準電圧より高いと順次にターンオンされ、入力電圧が基準電圧より低いとターンオフされる。つまり、リミッターは入力電圧が基準電圧より低いと、漏れ電流を最小化して駆動素子に提供される入力電流を増加させ、入力電圧が基準電圧より高いと、漏れ電流を増加させ入力電流を減少させる。これにより、RFIDは入力電圧の大きさに関係なく正常に動作することができる。
【0008】
しかし、一般的なMOSFETのしきい電圧は約0.8Vである。従って、リミッターはMOSFETのしきい電圧より低い電圧は制御することができず、それにより、リミッターは過電圧を制御するときに漏れ電流を最小化するには限界がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、過電圧に対応して漏れ電流を最小化することのできる過電圧制御リミッターを提供することにある。
【0010】
また、前記過電圧制御リミッターを備えるRFIDタグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するための本発明に係る過電圧制御リミッターは、第1リミッター部及び第2リミッターからなる。
【0012】
第1リミッター部は、相互直列に接続され外部から受信された入力電圧の大きさに対応して順次にターンオンされる複数の第1素子からなる第1スイッチ部と、前記第1スイッチ部と並列に接続された少なくとも一つの第2スイッチ部と、を備える。第2リミッター部は前記第1スイッチ部に接続され、第1素子のしきい電圧より低いしきい電圧を有する少なくとも一つのリミットダイオードを備える。
【0013】
好ましくは、前記リミットダイオードはショットキーバリアーダイオード(Schottky barrier Diode)からなる。
【0014】
また、前記リミットダイオードは前記第1スイッチ部に順方向に直列接続される。
【0015】
一方、前記第2リミッター部は複数のリミットダイオードを含むことができ、前記複数のリミットダイオードは相互直列に接続される。
【0016】
また、第1素子は、MOS電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)で形成される。
【0017】
好ましくは、前記第2スイッチ部は、電流特性が相異なる一対の第2素子が直列に連結され形成される。
【0018】
より好ましくは、前記一対の第2素子は、MOS電界効果トランジスタ及びPNP型バイポーラトランジスタ(Bipolar Junction Transistor:BJT)で形成される。
【0019】
また、前述の目的を達成するための本発明に係るRFIDタグは、アンテナ部、RFID駆動部及びリミッターからなる。
【0020】
アンテナ部は入力電圧を受信して出力する。RFID駆動部は、前記アンテナ部と順方向に並列接続され前記入力電圧を受信し、前記入力電圧に対応して認証情報を生成し、生成された認証情報を前記アンテナ部に提供する。リミッターは、前記アンテナ部と順方向に並列接続され、前記入力電圧の大きさに対応してターンオンされ前記RFID駆動部の電流を制御する。ここで、前記リミッターは、第1リミッター部及び第2リミッター部からなる。第1リミッター部は、相互直列に接続され前記アンテナ部から受信された前記入力電圧の大きさに対応してターンオンされる複数の第1素子からなる第1スイッチ部と、前記第1スイッチ部と並列に接続された少なくとも一つの第2スイッチ部と、を備える。第2リミッター部は、前記第1スイッチ部に接続され、第1素子のしきい電圧より低いしきい電圧を有する少なくとも一つのリミットダイオードを備える。
【0021】
好ましくは、前記リミッターの駆動電圧は前記RFID駆動部の駆動電圧より大きく、前記リミッターは前記アンテナから出力された入力電圧が前記RFID駆動部の駆動電圧より大きいときにターンオンされる。
【0022】
また好ましくは、前記リミットダイオードはショットキーバリアーダイオード(Schottky barrier Diode)からなる。
【0023】
ここで、前記リミットダイオードは前記第1スイッチ部に順方向に直列接続される。
【0024】
一方、前記第2リミッター部は複数のリミットダイオードを含み、前記複数のリミットダイオードは相互直列に接続される。
【0025】
この場合、複数の第1素子は、MOS電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)で形成されたことが好ましい。
【0026】
一方、前記第2スイッチ部は、電流特性が相異なる一対の第2素子が直列に連結され形成されたことがより好ましい。
【0027】
また、前記一対の第2素子は、MOS電界効果トランジスタ及びバイポーラトランジスタ(Bipolar Junction Transistor:BJT)で形成されたことが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、RFIDタグのリミッターは第1リミッター部と、第1リミッター部に備えられた素子よりしきい電圧が低いリミットダイオードからなる第2リミッター部と、を備える。これにより、リミッターは過電圧が印加されると漏れ電流を最大に増加させ、基準電圧より低い低電圧が印加されると漏れ電流を最小化することができる。従って、RFIDタグはRFIDリーダー器から過電圧が印加されることによって、RFID駆動部が破損されることを防止することができ、RFIDリーダー器から受信される駆動電力の大きさに関係なく正常に動作できるので、製品の歩留まりを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付の図面に基いて本発明の好適な実施形態を詳述する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るRFIDタグを示すブロック図である。
【0031】
同図に示すように、本発明に係るRFIDタグ100はアンテナ部110、RFID駆動部120、及びリミッター130を含む。
【0032】
具体的には、アンテナ部110はRFIDリーダー器(図示せず)と無線でデータを送受信する。つまり、アンテナ部110はRFIDリーダー器から電磁波を受信する。アンテナ部110は電磁波を介してRFIDタグ100を駆動するための駆動電力を受信する。アンテナ部110は駆動電力をRFID駆動部120に提供する。
【0033】
RFID駆動部120はアンテナ部110と電気的に接続され駆動電力を受信する。RFID駆動部120はアンテナ部110と並列に接続され、駆動電力に対応してRFIDタグ100を認証する認証情報をアンテナ部110に提供する。アンテナ部110はRFID駆動部120から受信された認証情報をRFIDリーダー器に伝送し、RFIDリーダー器は認証情報を用いてRFIDタグ100を認証する。図示していないが、RFID駆動部120はRFIDリーダー器とのデータの送受信を制御する少なくとも一つ以上の駆動素子を備える。
【0034】
リミッター130はアンテナ部110とRFID駆動部120との間に位置し、アンテナ部110と並列に接続される。リミッター130はアンテナ部110からRFID駆動部120に入力される入力電圧(VIN)の大きさに対応してRFID駆動部120の入力電流を制御する。
【0035】
以下、図面に基いてリミッター130の構成及びリミッター130において入力電圧に応じて漏れ電流を制御する過程を詳説する。
【0036】
図2は、図1に示されたリミッターを示す回路図である。
【0037】
同図に示すように、リミッター130は第1リミッター部131及び第2リミッター部134を含む。
【0038】
具体的には、第1リミッター部131は、第1スイッチ部132及び少なくとも一つ以上の第2スイッチ部133を含む。第1スイッチ部132は、複数の第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)からなる。本実施形態において、第1スイッチ部132は6個の第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)を備えるが、メイン素子の個数はRFIDリーダー器の認識距離、各第1素子のしきい電圧、漏れ電流を制御する基準電圧、即ちRFID駆動部120の適正駆動電圧によって増加又は減少され得る。
【0039】
複数の第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)はNチャネルのMOS電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)からなる。MOSFETは酸化絶縁層、例えばケイ素二酸化絶縁層を備える電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)の一種である。MOSFETのゲートは半導体内に位置する伝導チャネルと酸化絶縁層によって分離され、入力電荷量を充電または除去できるパルス程度のゲート入力電圧を必要とする。MOSFETはバイポーラトランジスタ(Bipolar Junction Transistor:BJT)より低い電力で作動することができる。
【0040】
複数の第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)は直列に連結され、順次に位置する。各第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)はゲートとドレインに接続される。従って、各第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のゲート及びドレインは同一電圧が提供され、これにより、各第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)はダイオード(Diode)機能を果たす。
【0041】
複数の第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)は入力電圧(VIN)が基準電圧より高いと順次にターンオンされ、入力電圧(VIN)が基準電圧より低いとターンオフされる。
【0042】
複数の第2スイッチ部133は第1スイッチ部132と順方向に並列接続される。本実施形態において、複数の第2スイッチ部133は第1ないし第4サブスイッチ部133a,133b,133c,133dからなるが、サブスイッチ部の個数は第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)の個数に応じて増加又は減少され得る。
【0043】
複数の第2スイッチ部133は複数の第2素子(MN7、MN8、MN9、MN10、B1、B2、B3、B4)からなる。ここで、複数の第2素子(MN7、MN8、MN9、MN10、B1、B2、B3、B4)は4つのMOSFET(MN7、MN8、MN9、MN10)及び4つのBJT(B1、B2、B3、B4)からなる。
【0044】
各サブスイッチ部133a,133b,133c,133dは直列に接続された一つのMOSFET(MN7、MN8、MN9、MN10)及び一つのBJT素子(B1、B2、B3、B4)からなる。
【0045】
具体的に、第1サブスイッチ部133aのMOSFET(MN7)は二番目に位置する第1素子(MN2)と並列に接続され、第2サブスイッチ部133bのMOSFET(MN8)は三番目に位置する第1素子(MN3)と並列に接続される。第3サブスイッチ部133cのMOSFET(MN9)は四番目に位置する第1素子(MN4)と並列に接続され、第4サブスイッチ部133dのMOSFET(MN10)は五番目に位置する第1素子(MN5)と並列に接続される。
【0046】
これにより、複数のサブスイッチ部133a,133b,133c,133dに備えられた各MOSFET(MN7、MN8、MN9、MN10)のゲートには第2スイッチ部132と接続された第1素子(MN2、MN3、MN4、MN5)からゲート電圧が印加される。
【0047】
つまり、第1サブスイッチ部133aのMOSFET(MN7)は二番目の第1素子(MN2)からゲート電圧が印加され、第2サブスイッチ部133bのMOSFET(MN8)は三番目の第1素子(MN3)からゲート電圧が印加される。第3サブスイッチ部133cのMOSFET(MN9)は四番目の第1素子(MN4)からゲート電圧が印加され、第4サブスイッチ部133dのMOSFET(MN10)は五番目の第1素子(MN5)からゲート電圧が印加される。
【0048】
各BJT(B1、B2、B3、B4)のエミッタには、対応する各MOSFET(MN7、MN8、MN9、MN10)のドレイン電圧が印加される。
【0049】
第1スイッチ部132と各サブスイッチ部133a,133b,133c,133d間の動作関係は同一であるので、第1スイッチ部132と第1サブスイッチ部133a間の動作関係を一例として説明する。
【0050】
二番目の第1素子(MN2)がターンオンされると、第1サブスイッチ部133aのMOSFET(MN7)がターンオンされ、これにより、第1サブスイッチ部133aのBJT(B1)がターンオンされる。ここで、複数の第2スイッチ部133のBJT(B1、B2、B3、B4)の電流特性はベース−エミッタ間の電圧に対して指数関数的に変化する。これにより、リミッター130は指数関数の特性を用いて入力電圧が基準電圧より低いと漏れ電流を減少させ、入力電圧が基準電圧より高いと漏れ電流を急激に増加させることができる。
【0051】
例えば、基準電圧が5Vで、各第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧が0.8Vであるとき、入力電圧(VIN)が0.8V以上1.6V未満であると、第1スイッチ部132の一番目の第1素子(MN1)のみターンオンされる。複数の第2スイッチ部133のMOSFET(MN7、MN8、MN9、MN10)はしきい電圧が0.8V以下であっても入力電圧(VIN)がゲートではなくソースに提供されるためターンオンされない。逆に、入力電圧(VIN)が5V以上であると、第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)及び第2素子(MN7、MN8、MN9、MN10、B1、B2、B3、B4)は全部ターンオンされる。従って、入力電圧(VIN)は第1スイッチ部132及び複数の第2スイッチ部133を通過しながら漏れ電流が急激に増加され、これにより、RFID駆動部120(図2参照)の入力電流が急激に減少する。
【0052】
第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)は基準電圧以上の入力電圧(VIN)が入力されると、順次に入力電圧のレベルを降下する。しかし、第1スイッチ部132によって降下された入力電圧のレベルが第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧より低い場合、それ以上は入力電圧を降下させることができない。従って、過電圧が入力されたときに漏れ電流を増加させるには限界がある。
【0053】
第2リミッター部134は第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧のためそれ以上降下できなかった入力電圧を降下し、過電圧での漏れ電流を最大に増加させる。
【0054】
具体的に、第2リミッター部134は第1スイッチ部132と順方向に直列に接続される。第2リミッター部134は、第1スイッチ部132の最後の第1素子(MN6)と直列に接続され、リミットダイオード(SD_1)からなる。リミットダイオード(SD_1)は第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧より低いしきい電圧を有し、ショットキーバリアーダイオード(Schottky barrier Diode)で形成される。ショットキーバリアーダイオードは金属と半導体の接触面に生じる整流作用を用いるダイオードであって、しきい電圧が約0.2V程度である。
【0055】
リミットダイオード(SD_1)は第1スイッチ部132によって降下された入力電圧を受信して降下する。特にリミットダイオード(SD_1)は第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)よりしきい電圧が低いので、第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧より低い電圧が印加されても0.2Vより高い電圧が印加されるとターンオンされる。
【0056】
図3は、図2に示されたリミッターの電流−電圧間の関係を示すグラフである。
【0057】
図2及び図3によると、第1C(Current)−V(Voltage)ライン(G1)は第1リミッター部131の電流−電圧間の関係を示し、第2C−Vライン(G2)はリミッター130の理想的な電流−電圧間の関係を示す。
【0058】
第1C−Vライン(G1)を見ると、入力電圧(VIN)が基準電圧より低いと電流が発生しなく、入力電圧(VIN)が基準電圧より高くなるほど電流が次第に増加する。好ましくは、第2C−Vライン(G2)のように入力電圧(VIN)が基準電圧以下である時は電流が発生しなく、基準電圧以上になると急激に増加しなければならない。
【0059】
しかし、第1リミッター部131は降下された入力電圧が第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧より低くなるとそれ以上は降下させることができないので、第1C−Vライン(G1)の傾きが第2C−Vライン(G2)の傾きより小さい。
【0060】
第2リミッター部134のリミットダイオード(SD1)は第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)よりしきい電圧が低いので、過電圧のとき、入力電圧(VIN)を最大に降下させることができる。従って、第2リミッター部134は第1スイッチ部132によって降下された入力電圧のレベルを更に降下させることができる。
【0061】
これにより、リミッター130は入力電圧(VIN)が基準電圧より高い電圧が印加されると、漏れ電流を最大に増加させることができる。これにより、本発明に係るリミッター130は電流−電圧間の関係が第2C−Vライン(G2)に近い形になる。
【0062】
図4は、本発明の他の実施形態に係るリミッターを示す回路図である。
【0063】
同図に示すように、本発明に係るリミッター140は第2リミッター部141を除き、図2に示されたリミッター130と同一の構成を有する。従って、リミッター140に対する具体的な説明において、図2に示されたリミッター130の構成要素と同一の機能を果たす構成要素は参照符号を併記し、それに対する重複説明は省略する。
【0064】
リミッター140は第1リミッター部131及び第2リミッター部141を含む。第2リミッター部141は第1リミッター部131の第1スイッチ部132と順方向に直列接続される。第2リミッター部141は複数のリミットダイオード(SD_1、SD_2、・・・SD_N)を含む。複数のリミットダイオード(SD_1、SD_2、・・・SD_N)は直列に接続され、第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧より低いしきい電圧を有する。ここで、複数のリミットダイオード(SD_1、SD_2、・・・SD_N)はショットキーバリアーダイオードからなる。
【0065】
複数のリミットダイオード(SD_1、SD_2、・・・SD_N)は第1スイッチ部132によって降下された入力電圧を受信して降下する。特に、複数のリミットダイオード(SD_1、SD_2、・・・SD_N)は第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)よりしきい電圧が低いので、第1素子(MN1、MN2、MN3、MN4、MN5、MN6)のしきい電圧より低い電圧が印加されても0.2Vより高い電圧が印加されればターンオンされる。従って、第2リミッター部141は第1スイッチ部132によって降下された入力電圧(VIN)のレベルを更に降下させることができる。ここで、第2リミッター部141はリミットダイオード(SD_1、SD_2、・・・SD_N)の個数が増加するほど入力電圧(VIN)を更に降下させることができる。
【0066】
このように、リミッター140は第1リミッター部131及び第2リミッター部141を備えることで、過電圧が印加されると漏れ電流を最大に増加させ、基準電圧より低い低電圧が印加されると漏れ電流を最小化することができる。これにより、RFIDタグ100(図1参照)はRFIDリーダー器から受信する駆動電力の大きさに関係なく正常に動作することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態を図示及び説明してきたが、本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に基づいて定められ、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば誰もが多様な変形実施が可能であることは勿論のことであり、該変更した技術は特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態に係るRFIDタグを示すブロック図である。
【図2】図1に示されたリミッターを示す回路図である。
【図3】図2に示されたリミッターの電流−電圧間の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施形態に係るリミッターを示す回路図である。
【符号の説明】
【0069】
100 RFIDタグ、
110 アンテナ部、
120 RFID駆動部、
130、140 リミッター、
131 第1リミッター部、
132、133 スイッチ部、
134、141 第2リミッター部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互直列に接続され外部から受信された入力電圧の大きさに対応して順次にターンオンされる複数の第1素子からなる第1スイッチ部、および前記第1スイッチ部と並列に接続された少なくとも一つの第2スイッチ部、を備える第1リミッター部と、
前記第1スイッチ部に接続され、第1素子のしきい電圧より低いしきい電圧を有する少なくとも一つのリミットダイオードを備える第2リミッター部と、
を含むことを特徴とする過電圧制御リミッター。
【請求項2】
前記リミットダイオードはショットキーバリアーダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の過電圧制御リミッター。
【請求項3】
前記リミットダイオードは前記第1スイッチ部に順方向に直列接続されたことを特徴とする請求項1に記載の過電圧制御リミッター。
【請求項4】
前記第2リミッター部は複数のリミットダイオードを含み、前記複数のリミットダイオードは相互直列に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の過電圧制御リミッター。
【請求項5】
前記第1素子は、MOS電界効果トランジスタで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の過電圧制御リミッター。
【請求項6】
前記第2スイッチ部は、電流特性が相異なる一対の第2素子が直列に連結され形成されたことを特徴とする請求項1に記載の過電圧制御リミッター。
【請求項7】
前記一対の第2素子は、MOS電界効果トランジスタ及びバイポーラトランジスタで形成されたことを特徴とする請求項6に記載の過電圧制御リミッター。
【請求項8】
入力電圧を受信して出力するアンテナ部と、
前記アンテナ部と順方向に並列接続され前記入力電圧を受信し、前記入力電圧に対応して認証情報を生成し、生成された認証情報を前記アンテナ部に提供するRFID駆動部と、
前記アンテナ部と順方向に並列接続され、前記入力電圧の大きさに対応してターンオンされるリミッターと、を含み、
前記リミッターは、
相互直列に接続され前記アンテナ部から受信された前記入力電圧の大きさに対応してターンオンされる複数の第1素子からなる第1スイッチ部、および前記第1スイッチ部と並列に接続された少なくとも一つの第2スイッチ部、を備える第1リミッター部と、
前記第1スイッチ部に接続され、第1素子のしきい電圧より低いしきい電圧を有する少なくとも一つのリミットダイオードを備える第2リミッター部と、
を含むことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項9】
前記リミッターの駆動電圧は前記RFID駆動部の駆動電圧より大きく、前記リミッターは前記アンテナから出力された入力電圧が前記RFID駆動部の駆動電圧より大きいときにターンオンされることを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項10】
前記リミットダイオードはショットキーバリアーダイオードであることを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項11】
前記リミットダイオードは前記第1スイッチ部に順方向に直列接続されたことを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項12】
前記第2リミッター部は複数のリミットダイオードを含み、前記複数のリミットダイオードは相互直列に接続されたことを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項13】
前記複数の第1素子は、MOS電界効果トランジスタで形成されたことを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項14】
前記第2スイッチ部は、電流特性が相異なる一対の第2素子が直列に連結され形成されたことを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項15】
前記一対の第2素子は、MOS電界効果トランジスタ及びバイポーラトランジスタで形成されたことを特徴とする請求項14に記載のRFIDタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−179534(P2007−179534A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305884(P2006−305884)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】