説明

配線基板及びその製造方法

【課題】小型化及び薄型化を図ることが可能な配線基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】表面及び裏面の少なくとも一方の面が各種部品の実装面21aとされた基板21と、基板21の少なくとも一側縁部に形成された凹部26と、凹部26の側面部26aから延出し、基板21の面に対して直交する方向へ屈曲された接続端子31と、を備え、接続端子31は、基板21の側面の内側に位置している配線基板11とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の電気・電子部品が実装される配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の電気・電子部品が実装される配線基板として、基板の実装面に立設されて延びる接続端子を有し、この接続端子を、例えば、他の配線基板に接続するものが知られている。例えば、基板のスルーホールにリード端子を挿通、固定して互いの基板を接続する構造や(例えば、特許文献1参照)、配線パターン状に打ち抜かれた金属板と高熱伝導性の複合絶縁材料により少なくとも電子部品の搭載部分を露出した状態で一体成形した回路基板で金属板の一部を他の回路基板との外部接続端子として利用し、外部接続端子に設けた凸部で回路基板を容易に位置規制するようにした構造(例えば、特許文献2参照)などがある。
【0003】
また、図15に示すように、基板1の実装面1aにコネクタ2を配置し、このコネクタ2の接続端子3を基板1の実装面1aに立設するように接続した配線基板4も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−275328号公報
【特許文献2】特開平10−303522号公報
【特許文献3】特開2006−333583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、さらなる機器の小型化に伴い、機器に搭載される配線基板の小型化及び薄型化が要求されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2の配線基板のように、電気・電子部品を実装する実装面に接続端子を立設させるように設けると、基板の実装面が占有され、必要な電気・電子部品を実装するために基板を大きくせざるを得なくなってしまう。また、特許文献3の配線基板では、実装面上にコネクタを配置させるため、高さが嵩み、基板を小型化しにくい場合がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化及び薄型化を図ることが可能な配線基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る配線基板は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 表面及び裏面の少なくとも一方の面が各種部品の実装面とされた基板と、前記基板の少なくとも一側縁部に形成された凹部と、前記凹部の側面部から延出し、前記基板の面に対して直交する方向へ屈曲された接続端子と、を備え、前記接続端子は、前記基板の側面の内側に位置していること。
(2) 上記(1)の構成の配線基板において、前記接続端子の屈曲部分が側面視で円弧状に湾曲した湾曲部とされていること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の配線基板において、前記接続端子は、前記凹部の長手方向の側面部に複数個配置され、該複数の接続端子のうち、少なくとも2個の接続端子は基板内部で電気的に接続されていること。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの構成の配線基板において、前記基板は内部に高熱伝導層を備え、該高熱伝導層と前記接続端子が同一層に形成されていること。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの構成の配線基板において、前記接続端子は、前記基板に対して間隔をあけて並設される他の配線基板に接続されること。
(6) 上記(5)の構成の配線基板において、前記接続端子には、前記基板に対して間隔をあけた位置に前記他の配線基板を支持する支持片が側方へ突出して設けられていること。
(7) 上記(1)〜(4)のいずれかの構成の配線基板において、前記凹部には、コネクタを構成するハウジングが配置され、前記ハウジングに前記接続端子が収容されること。
【0009】
上記(1)の構成の配線基板では、接続端子が、基板の少なくとも一側縁部に形成された凹部の側面部から延出するとともに、基板の面に対して直交する方向へ屈曲されているので、実装面に接続端子を設ける場合と比較して、接続端子による実装面の占有を極力抑えて小型化を図ることができる。また、接続端子を、例えば、コネクタ等の部品に収容させる場合においても、その部品を凹部に配置することができるので、実装面に部品を配置させる場合と比較して、高さ寸法を抑えることができる。つまり、さらなる小型化及び薄型化が要求されている機器に搭載する配線基板として極めて好適である。
上記(2)の構成の配線基板では、接続端子の屈曲部分が側面視で円弧状に湾曲した湾曲部とされているので、接続端子に作用する外力や応力を湾曲部によって良好に吸収させることができ、接続端子の基板との固定箇所や接続端子の他の部品や基板等との接続箇所へ無理な力が作用して損傷するような不具合をなくすことができる。
上記(3)の構成の配線基板では、複数の接続端子のうち少なくとも2個の接続端子が互いに電気的に接続されるので、この2個の接続端子を基板の表面で接続するための回路パターンを配索する必要がなく、基板上の各種部品を搭載するスペースを小さくすることができ、配線基板を小型化することができる。
上記(4)の構成の配線基板では、高熱伝導層と接続端子を同一層として形成するので、これら高熱伝導層と接続端子を同一の工程で作製することができ、配線基板の作製工程を低減することができる。
上記(5)の構成の配線基板では、接続端子が、基板の凹部の側面部から延出されているので、配線基板に並設させる他の配線基板として同等の大きさ、または小さいものを用いることができ、小型化を図ることができる。
上記(6)の構成の配線基板では、スペーサ等の部品や治具を用いることなく、他の配線基板を支持して所定の間隔をあけた位置に位置決めすることができる。これにより、配線基板に他の配線基板を並設させる場合に、配線基板に対して他の配線基板を、容易に所定の間隔をあけた位置に配置させて半田付け等によって接続端子と接続させることができる。したがって、他の配線基板の接続作業時間の短縮による製造コストの削減を図ることができる。
上記(7)の構成の配線基板では、コネクタを構成するハウジングが凹部に配置されているので、実装面にハウジングを配置させる場合と比較して、高さ寸法を抑えて薄型化を図ることができる。
【0010】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る配線基板の製造方法は、下記(8)または(9)を特徴としている。
(8) 表面及び裏面の少なくとも一方の面が各種部品の実装面とされた基板と、前記基板の少なくとも一側縁部に形成された凹部と、前記凹部の側面部から延出し、前記基板の面に対して直交する方向へ屈曲された接続端子とを備える配線基板の製造方法であって、前記接続端子となる導電性の金属板の表裏に絶縁層を積層させて前記基板を形成する基板形成工程と、前記基板の前記凹部の形成箇所における前記絶縁層を除去して前記金属板を露出させる金属板露出工程と、露出させた前記金属板を加工して前記凹部及び前記接続端子を形成する接続端子形成工程と、を含むこと。
(9) 上記(8)の配線基板の製造方法における前記接続端子形成工程において、前記接続端子に、側方へ突出する支持片を形成すること。
【0011】
上記(8)の構成の配線基板の製造方法では、基板の少なくとも一側縁部に形成された凹部の側面部から接続端子が延出された、小型化及び薄型化が可能な配線基板を容易に製造することができる。
上記(9)の構成の配線基板の製造方法では、接続端子成形工程において、支持片が両側方へ突出された接続端子を形成するので、他の配線基板を位置決めして容易に接続することが可能な配線基板を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型化及び薄型化を図ることが可能な配線基板及びその製造方法を提供できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る配線基板の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る配線基板の一部の断面図である。
【図3】配線基板を構成する基板の構造を示す断面図である。
【図4】配線基板の一部の平面図である。
【図5】他の配線基板を並設させた本実施形態の配線基板の一部の断面図である。
【図6】コネクタを装着した本実施形態の配線基板の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の変形例に係る配線基板の斜視図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例に係る配線基板の一部の断面図である。
【図9】本実施形態の変形例に係る配線基板の接続端子部分における斜視図である。
【図10】本実施形態の変形例に係る配線基板に他の配線基板を並設した状態を説明する図であって、(a)は他の配線基板の支持箇所における下方側から視た斜視図、(b)はその側面図である。
【図11】他の配線基板を並設させた本実施形態の変形例に係る配線基板の一部の断面図である。
【図12】配線基板の変形例を示す一部の平面図である。
【図13】配線基板の変形例を示す一部の平面図である。
【図14】本発明の配線基板の製造工程を説明する図であって、(a)〜(f)は、それぞれ製造途中の配線基板の平面図及び断面図である。
【図15】従来の配線基板の実装例を示す配線基板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る配線基板の斜視図、図2は本発明の実施形態に係る配線基板の一部の断面図、図3は配線基板を構成する基板の構造を示す断面図、図4は配線基板の一部の平面図である。
【0016】
図1及び図2に示したように、本実施形態の配線基板11は、基板21と、この基板21に設けられた複数の接続端子31とを備えている。
【0017】
図3に示したように、基板21は、厚さ方向の中央に、銅または銅合金などから形成された板状の金属コア(高熱伝導層)22を有し、この金属コア22の表裏面に、熱硬化性及び絶縁性を有する合成樹脂などからなる絶縁層23が形成されている。そして、絶縁層23の表面に、回路パターン24が形成され、その表面がレジスト層25で覆われている。つまり、この基板21は、金属コア22が設けられて放熱性及び均熱性に優れた金属コア基板であり、図2に示したように、その表裏面が、回路パターン24を有する実装面21aとされ、この実装面21aに各種の電気・電子部品12が実装される。この金属コア基板である基板21において生じた電気・電子部品12等の熱は、金属コア22によって円滑に均熱されて外部に放熱される。
【0018】
図1および図4に示したように、本実施形態の配線基板11は、基板21の両側縁部にそれぞれ凹部26が形成されており、これらの凹部26の長手方向の側面部26aから複数の接続端子31が整列状態で延出されている。これらの接続端子31は、例えば、基板21に形成されたスルーホール(図示略)によって回路パターン24と導通されている。
【0019】
接続端子31は、金属コア22と同じ銅または銅合金などの導電性を有する金属材料から形成されたもので、絶縁層23によって挟持されて固定され、金属コア22と同一層に形成されている。
【0020】
これらの接続端子31は、図2および図4に示したように、基板21に固定された固定部32と、凹部26の側面部26aから延出された端子部33とを有しており、端子部33は、基板21の表面に対して直交する上方向へ屈曲されている。また、この接続端子31の端子部33の屈曲部分は、側面視で円弧状に湾曲した湾曲部34として構成されている。本発明において、接続端子31は、基板21の凹部26に設けられ、その端子部33は基板21の側面の内側に位置している。
【0021】
上記構成の配線基板11では、例えば、接続端子31を他の配線基板へ接続したり、あるいは、接続端子31に、コネクタ等の部品が装着される。
【0022】
この配線基板11によれば、接続端子31が、凹部26の側面部26aから延出されているので、実装面21aに接続端子31を設ける場合と比較して、接続端子31による実装面21aの占有を極力抑えて小型化を図ることができる。また、接続端子31に、例えば、コネクタ等の部品を装着させる場合においても、その部品を凹部26に配置することができるので、実装面21aに部品を配置させる場合と比較して、高さ寸法を抑えることができる。つまり、機器等への収容性を高め、小型化及び薄型化が要求されている機器に搭載する配線基板として極めて好適なものとすることができる。
【0023】
また、この配線基板11によれば、接続端子31が、凹部26の側面部26aから基板21の面に対して直交する方向へ屈曲され、その屈曲部分が側面視で円弧状に湾曲した湾曲部34とされているので、接続端子31に作用する外力や応力を湾曲部34によって良好に吸収させることができる。例えば、配線基板11を収容した機器を自動車等の車両へ搭載したとしても、走行時等における振動が湾曲部34によって円滑に吸収され、また、接続端子31を他の部品等に接続する際に寸法ずれがあったとしても、寸法ずれによって生じる応力が湾曲部34によって円滑に吸収される。
【0024】
このように、接続端子31に湾曲部34が形成されているので、接続端子31の基板21との固定箇所や接続端子31の端子部33の半田付け等による接続箇所へ無理な力が作用して損傷するような不具合をなくすことができる。
【0025】
図5は、上記の配線基板11に他の配線基板41を並設させて接続した状態を示す図である。図5に示したように、配線基板11の接続端子31の端子部33が、基板21に対して間隔をあけて並設される他の配線基板41に半田付け等によって接続される。
【0026】
ここで、本発明の配線基板11の接続端子31は、基板21の凹部26を構成する側面部26aから延出し、その端子部33は基板21の面と直交する方向へ屈曲されることにより、接続端子31が凹部26に配置されることになるので、接続端子31の他の配線基板41との接続位置を、配線基板11の縁部よりも内側にすることができ、よって、配線基板11に並設させる他の配線基板41として、配線基板11と同等の大きさの配線基板41、または配線基板11よりも小さい配線基板41を並設させることができ、小型化を図ることができる。
【0027】
図6は、上記の配線基板11にコネクタ45を設けた例である。コネクタ45は、各電子機器や電源等に設けられた相手側のコネクタに接続される。図6に示したように、この配線基板11では、周囲の四辺の側縁部に凹部26が形成されており、これらの凹部26に、コネクタ45を構成するハウジング46が配置されている。そして、これらのハウジング46に、凹部26の側面部26aから延出された接続端子31が収容されている。このように、凹部26にコネクタ45のハウジング46が配置された配線基板11によれば、高さ寸法を抑えて薄型化を図ることができる。例えば、実装面21aにハウジング46を配置させる場合では、基板21及びハウジング46の厚み以上の高さ寸法となるが、本実施形態の配線基板11では、高さ寸法をハウジング46の厚みだけに抑えることができる。
【0028】
尚、本発明の配線基板11によれば、基板21の縁部に複数の凹部26を形成し、その凹部26に接続端子31を設けておけば、配線基板11に他の配線基板41とコネクタ45を同時に設けることができる。例えば、本発明の配線基板11を2枚用い、これら配線基板11の一つの凹部26を互いに対向させて配置し、これらの凹部26に設けられた接続端子31に他の配線基板41を接続させて配線基板同士を並設し、一方で、配線基板11の残りの凹部26にコネクタ45を設けることができる。
【0029】
次に、他の配線基板41との接続作業の容易化を図ることが可能な配線基板11の変形例を説明する。
【0030】
図7は本発明の実施形態の変形例に係る配線基板の斜視図、図8は本発明の実施形態の変形例に係る配線基板の一部の断面図、図9は変形例に係る配線基板の接続端子部分における斜視図、図10は本実施形態の変形例に係る配線基板に他の配線基板を並設した状態を説明する図であって、(a)は他の配線基板の支持箇所における下方側から視た斜視図、(b)はその側面図、図11は他の配線基板を並設させた本実施形態の変形例に係る配線基板の一部の断面図である。
【0031】
図7および図8に示したように、この配線基板11においても、基板21の両側縁部にそれぞれ凹部26が形成されており、これらの凹部26の長手方向の側面部26aから複数の接続端子31が整列状態で延出されている。
【0032】
図9に示したように、これらの接続端子31には、その端子部33に、支持片35が一体的に形成されている。これらの支持片35は、プレス加工によって接続端子31の端子部33に形成されたもので、端子部33の両側部から側方へ突出されている。
【0033】
この支持片35は、その上部の位置が、配線基板11に他の配線基板41を並設した際に、基板21に対する他の配線基板41の下面側が配置される位置とされている。また、図10(a)に示したように、支持片35の形成位置における端子部33の幅寸法は、端子部33が挿入される配線基板41のスルーホール41aの径よりも大きくされている。
【0034】
したがって、接続端子31の端子部33を他の配線基板41のスルーホール41aに挿し込むと、図10(a)および(b)に示したように、他の配線基板41が支持片35に係止され、その係止位置よりも端子部33の根元側への移動が規制され、配線基板11の基板21に対して、他の配線基板41が所定の間隔をあけた位置に位置決めされて配置される。
【0035】
ここで、配線基板11に他の配線基板41を並設させる場合、基板21に対して他の配線基板41を所定の間隔をあけた位置に位置決めした状態で半田付けして端子部33と接続させる必要がある。したがって、支持片35のない接続端子31を備えた配線基板11では、半田付けによる端子部33と他の配線基板41との接続工程において、スペーサ等の部品または治具を用いて基板21に対して他の配線基板41を所定位置に保持しておかなければならない。
【0036】
これに対し、上記のように、支持片35を有する接続端子31を備えた配線基板11によれば、スペーサ等の部品や治具を用いることなく、他の配線基板41を支持片35に係止させて配線基板11の基板21に対して所定の間隔をあけた位置に位置決めした状態で支持することができる。これにより、図11に示したように、配線基板11に他の配線基板41を並設させる場合に、配線基板11に対して他の配線基板41を、容易に所定の間隔をあけた位置に配置させて半田付けして接続端子31と接続させることができる。したがって、他の配線基板41の接続作業時間の短縮による製造コストの削減を図ることができる。
【0037】
また、接続端子31に支持片35を形成することにより、接続端子31の外部に露出する部分の表面積が大きくされ、よって、放熱性も向上させることができる。
【0038】
尚、上記の配線基板11では、金属コア22と分離した接続端子31を設けた場合を例にとって説明したが、図12に示すように、接続端子31を金属コア22と一体に形成してもよい。金属コア22と一体に形成された接続端子31を有する配線基板11では、金属コア22の一部に接続端子31を形成し、これらの接続端子31を、凹部26の側面部26aから側方へ延出させる。このように金属コア22と一体に形成した接続端子31では、例えば、金属コア22をグランドとして用い、接続端子31をグランド端子として容易に用いることができる。
【0039】
また、図13に示すように、配線基板11としては、複数の接続端子31のうち少なくとも2個の接続端子31aを、基板21の内部で電気的に接続するように一体に形成してもよい。このように接続端子31のうちの少なくとも2個の接続端子31aを電気的に接続するように構成すれば、この2個の接続端子を基板の表面で接続するための回路パターンを配索する必要がなく、基板上の各種部品を搭載するスペースを小さくすることができ、配線基板を小型化することができる。
【0040】
次に、配線基板11を製造する場合について、金属コア22と分離した接続端子31を有する構造のものを例にとって説明する。
【0041】
図14は配線基板の製造工程を説明する図であって、(a)〜(f)は、それぞれ製造途中の配線基板の平面図及び断面図である。
【0042】
<金属コア加工工程>
まず、図14(a)に示したように、平板状の金属コア22にプレス加工を施すことによって、接続端子31の固定部32を有する開口部51を形成する。
【0043】
<マスキング工程>
次に、図14(b)に示したように、凹部26を形成する予定の箇所における金属コア22の表裏に、耐熱性のマスキングテープ52を貼り付ける。
【0044】
<基板形成工程>
次に、金属コア22の表裏面を、例えば、サンドブラストによって粗面化し、その後、図14(c)に示したように、金属コア22の表裏面に絶縁層23を積層させて基板21を形成する。これにより、開口部51が絶縁層23によって塞がれる。このとき、凹部26を形成する箇所は、マスキングテープ52によって保護されているため、サンドブラストによる粗面化が防がれ、また、絶縁層23が付着されることがない。
【0045】
<金属板(高熱伝導層)露出工程>
図14(d)に示したように、マスキングテープ52が貼り付けられた凹部26の形成箇所における絶縁層23を、ざぐり加工等によって除去し、マスキングテープ52を剥がして金属コア22を露出させる。
【0046】
<接続端子形成工程>
そして、図14(e)に示したように、露出させた金属コア22を、プレス加工またはルータを用いた切削加工等によって凹部26及び接続端子31の端子部33を形成する。その後、形成した接続端子31の端子部33には、メッキ処理を施す。
【0047】
<接続端子加工工程>
最後に、図14(f)に示したように、プレス加工等によって接続端子31の端子部33を所定の形状に成形する。具体的には、基板21の一方の面側へ屈曲させるとともに、屈曲箇所を湾曲させて湾曲部34を形成する。
【0048】
上記の工程によって、表裏面が実装面21aとされ、縁部に凹部26が形成され、凹部26の側面部26aから接続端子31が延出された、小型化及び薄型化が可能な配線基板11を容易に製造することができる。
【0049】
なお、金属コア22に接続端子31が一体に設けられた配線基板11(図12参照)を製造する場合、上記の金属コア加工工程は省略となる。
【0050】
また、接続端子31に支持片35を設ける場合は、上記の接続端子成形工程において、支持片35が両側方へ突出された端子部33を形成する。
【0051】
このように、端子部33に支持片35を形成しておくことにより、その後の接続端子加工工程で接続端子31を基板21の一方の面側へ屈曲するだけで、他の配線基板41を位置決めして容易に接続することが可能な配線基板11を容易に製造することができる。
【0052】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0053】
11 配線基板
12 電気・電子部品(部品)
21 基板
21a 実装面
22 金属コア(高熱伝導層)
26 凹部
26a 側面部
31 接続端子
34 湾曲部
35 支持片
41 他の配線基板
45 コネクタ
46 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及び裏面の少なくとも一方の面が各種部品の実装面とされた基板と、
前記基板の少なくとも一側縁部に形成された凹部と、
前記凹部の側面部から延出し、前記基板の面に対して直交する方向へ屈曲された接続端子と、を備え、
前記接続端子は、前記基板の側面の内側に位置していることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記接続端子の屈曲部分が側面視で円弧状に湾曲した湾曲部とされていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記接続端子は、前記凹部の長手方向の側面部に複数個配置され、該複数の接続端子のうち、少なくとも2個の接続端子は基板内部で電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記基板は内部に高熱伝導層を備え、該高熱伝導層と前記接続端子が同一層に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項5】
前記接続端子は、前記基板に対して間隔をあけて並設される他の配線基板に接続されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項6】
前記接続端子には、前記基板に対して間隔をあけた位置に前記他の配線基板を支持する支持片が側方へ突出して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の配線基板。
【請求項7】
前記凹部には、コネクタを構成するハウジングが配置され、前記ハウジングに前記接続端子が収容されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項8】
表面及び裏面の少なくとも一方の面が各種部品の実装面とされた基板と、前記基板の少なくとも一側縁部に形成された凹部と、前記凹部の側面部から延出し、前記基板の面に対して直交する方向へ屈曲された接続端子とを備える配線基板の製造方法であって、
前記接続端子となる導電性の金属板の表裏に絶縁層を積層させて前記基板を形成する基板形成工程と、
前記基板の前記凹部の形成箇所における前記絶縁層を除去して前記金属板を露出させる金属板露出工程と、
露出させた前記金属板を加工して前記凹部及び前記接続端子を形成する接続端子形成工程と、
を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記接続端子形成工程において、前記接続端子に、側方へ突出する支持片を形成することを特徴する請求項8に記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−15475(P2012−15475A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232538(P2010−232538)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】