説明

配線構造およびその製造方法

【課題】感光性絶縁膜を用いたダマシン配線法により、微細で信頼性の高い多層配線構造を形成する。
【解決手段】感光性ポリシラザンを主成分とした感光性絶縁膜で第1ビアホール6を有するビアホール用絶縁膜7を形成し、全面にスピン塗布法で第2の感光性絶縁膜8を形成する。そして、フォトリソグラフィ法による露光/現像のみで上記第1ビアホール6の上部に配線溝9あるいは第2ビアホール10を形成する。そして、この配線溝9および第2ビアホール10に導電体材料を埋め込んでデュアルダマシン配線を形成する。ここで、感光性絶縁膜の下層に反射防止機能を有しそのまま層間絶縁膜として使用できる絶縁膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線構造およびその製造方法に関し、特に、感光性の絶縁材料を層間絶縁膜に用いた溝配線(ダマシン配線)構造とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体高集積回路(LSI)の配線材料にはアルミニウム(Al)もしくはAl合金が、そして配線間および配線層間の絶縁膜にはシリコン酸化膜(SiO2 膜)がそれぞれ広く用いられてきた。そして、LSIの微細化の進行に伴い、配線における信号伝送の遅延を抑制あるいは低減するために、配線の低抵抗化として配線材に銅(Cu)が、配線間の寄生容量の低減化として配線間および配線層間の絶縁膜に誘電率の低い有機物や空孔を含んだシリコン酸化膜が使用されるようになってきた。しかし、Cuを主成分とする配線においては、シリコン(Si)やSiO2 膜をはじめとする絶縁膜中におけるCuの拡散がAlよりも速いことから、トランジスタをはじめとする半導体素子部への侵入および配線間の絶縁耐圧劣化等を防いで信頼性を確保するために、Cuの周囲に拡散を防止する拡散防止(バリア)膜を形成することが必要となる。
【0003】このCuを用いたダマシン配線構造の形成においては、工程の簡略化とプロセスコストダウンが必要とされており、デュアルダマシン配線の実用化や、感光性材料の提案などがなされている。以下、図面を参照して従来のダマシン配線について説明する。
【0004】[従来例1]以下に、Cu膜の下面および側面をCuのバリア膜となる導体膜で覆う配線構造とその製造方法について説明する。図12と図13は、ダマシン配線の製造工程を示す工程順の断面図である。
【0005】現在一般に用いられるダマシン法を用いた配線構造の製造方法に関しては、図12および図13に示すように、半導体素子(図示せず)の形成されたシリコン基板101上にシリコン酸化膜102、シリコン窒化膜103、シリコン酸化膜104を順次堆積し(図12(a))、シリコン酸化膜104上に配線溝パターンを有する配線溝レジストマスク105(図12(b))を形成する。そして配線溝レジストマスク105をマスクにした反応性イオンエッチング(RIE)で、シリコン窒化膜103をエッチングストッパーとしてシリコン酸化膜104をドライエッチングし、更に、その後に上記シリコン窒化膜103をエッチング除去し、配線溝レジストマスク105を除去することでシリコン酸化膜104に配線溝106を形成する(図12(c))。
【0006】次に、全面に、導電体からなる導電性バリア膜107を成膜後、Cu膜108を成膜する(図13(a))。そして、化学機械研磨(CMP)法によって配線溝106内部以外にあるシリコン酸化膜104上のCu膜108および導電性バリア膜107を順次に研磨除去しダマシン配線109を形成する(図13(b))。続いて、絶縁体からなる絶縁性バリア膜110を成膜し、更に層間絶縁膜としてシリコン酸化膜111を形成する。このようにして、ダマシン配線109の下面および側面は導電性バリア膜で、その上面は絶縁性バリア膜で覆われたダマシン配線構造が形成される(図13(c))。
【0007】上記の導電性バリア膜には、Cuの拡散防止能力が高いこと、下地となる絶縁物およびCuとの密着性、プロセス上の熱的安定性等の理由から、高融点であるチタン(Ti)やタンタル(Ta)などの金属およびその窒化物、またはそれらにSiなどを添加した3元系もしくは4元系の窒化物、もしくは、それらを積層したものが用いられる。一方、上面の絶縁性バリア膜には、同様にCuの拡散防止能力が高いこと、下地となる絶縁物およびCuとの密着性、プロセス上の熱的安定性等の理由から、Siの窒化物(SiN)などが用いられる。
【0008】[従来例2]次に、従来例2では、配線溝とビアホールに同時に導電体の配線材を埋め込むことで、工程数と作業時間の短縮を可能とする、いわゆるデュアルダマシン法を用いた配線構造の製造方法に関して、図14乃至図16を用いて説明する。
【0009】図14(a)に示しているように、上記の従来例1で説明したのと同様なダマシン配線200上に、シリコン窒化膜201、シリコン酸化膜202、シリコン窒化膜203、シリコン酸化膜204を順次に堆積し(図14(b))、シリコン酸化膜204上にビアパターンを有するビアレジストマスク205を形成する(図14(c))。そして、ビアレジストマスク205をマスクに異方性のドライエッチングによってシリコン酸化膜204、シリコン窒化膜203、シリコン酸化膜202順にエッチングした後、ビアレジストマスク205を除去することでビアホール206を形成する(図15(a))。ここで、上記シリコン窒化膜201は残存させる。
【0010】次に、ビアホール206上部に配線溝レジストマスク207を形成し(図15(b))、配線溝レジストマスク207をマスクにシリコン酸化膜204をドライエッチングする。ここで、シリコン窒化膜201はダマシン配線200を上記エッチングから保護する機能を有し、シリコン窒化膜203はエッチングストッパーとして機能する。そして、配線溝レジストマスク207を除去後、エッチングによってダマシン配線200上面にあるシリコン窒化膜201等を除去しデュアルダマシン配線溝208を形成する(図15(c))。
【0011】次に、全面に、導電体からなる導電性バリア膜209を成膜後、Cu膜210を成膜する(図16(a))。そして、CMP法によってデュアルダマシン配線溝208内部以外にあるシリコン酸化膜204上のCu膜210および導電性バリア膜209を順次に研磨除去しデュアルダマシン配線211を形成する。そして、絶縁体からなる絶縁性バリア膜212を成膜し、デュアルダマシン配線211の下面および側面は導電性バリア層で、その上面は絶縁性バリア膜212で覆われたデュアルダマシン配線構造が形成される(図16(b)))。
【0012】[従来例3]次に、現在提案されている感光性材料をダマシン法に適用した配線構造の製造方法に関して、図17と図18を用いて説明する。
【0013】半導体素子(図示せず)の形成されたシリコン基板301上に層間絶縁膜としてシリコン酸化膜302を堆積し(図17(a))、続いて、シリコン酸化膜302上に感光性材料を塗布し、これをベークすることで感光性絶縁膜303を形成する(図17(b))。この感光性絶縁膜303は、ポリイミド、ポリアミド酸、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサゾール(PBO)などを基質としたベース材料にポジ型感光材を添加した有機の感光性材料である。
【0014】ここでは、例えばPBOをベースとするポジ型感光材として、住友ベークライト株式会社製のCRC8300(商品名)を用いて説明する。図17(c)に示すように所望の配線溝を形成するため、ステッパー等を用いた公知の露光法で、感光性絶縁膜303に紫外線を露光して潜像304aを形成する。ここでフォトマスク(レチクル)は、合成石英などから構成された透明基板上にクロムなどの金属膜からなる遮光膜が所定のところに形成され、遮光部と透過部から配線溝パターンが形成される。ここではポジ型感光材を用いているため、配線溝パターンは上記透過部で構成されている。続いて現像で潜像304aを除去し感光性絶縁膜303に配線溝304を形成する(図17(d))。ここで、現像にはアルカリ水溶液の現像液を用いる。
【0015】次に、配線溝304が形成された感光性絶縁膜303を硬化させるため、窒素雰囲気下で150℃で30分加熱し、続けて310℃〜320℃の温度で30分間加熱する。このようにして、図18(a)に示すように、硬化処理されて感光性が消失した配線溝用絶縁膜305を形成する。
【0016】そして、全面に導電性バリア膜306、Cu膜307を成膜し(図18(b))、CMP法によって配線溝用絶縁膜305上の余剰なCu膜307および導電性バリア膜306を除去し、ダマシン配線308を形成する(図18(c))。
【0017】なお、このような感光性材料を用いたCuのダマシン配線構造に関する提案は、例えば特開2000−138219号公報等により公知となっている。
【0018】[従来例4]上記有機の感光性材料の耐熱性の改善に関する技術として、特開2000−181069号公報では感光性絶縁膜として感光性ポリシラザンを用いることで、良好な感光特性を有し、かつ膜の耐熱性を改善する技術が開示されている。用いられているポリシラザンの一般式は下式にて示される。
【0019】
【化1】


【0020】(上記式中R1、R2、R3はそれぞれ単独に水素原子、アルキル基などである)
この場合は、ポリシラザン溶液をスピン塗布法にてシリコン酸化膜上に塗布形成させる。ここで、スピン回転数とポリシラザン溶液の粘度を調節することで塗布膜厚を制御することが可能である。光の照射によってポリシラザンの上記Si−N結合が開裂し、大気放置によって雰囲気中の水分との反応によりシラノール(Si−OH結合)に変化し、シラノールが現像液に溶解することでパターンを形成する。現像されたパターン部を再び大気放置することで、雰囲気中の水分との反応によりシラノール化し、その後400℃以上熱処理することで有機シルセスキオキサンを形成することで安定化し、配線溝用絶縁膜等の層間絶縁膜を形成することができる。
【0021】[従来例5]感光性ポリシラザンの層間絶縁膜を使用して配線溝を形成する際、加湿・加熱処理によって微細なパターンの形成を可能にし、紫外線露光時の定在波の低減対策として反射防止膜を感光性材料に適用した公知例として、次に特願2000-367264号に示された技術について説明する。
【0022】図19(a)に示すように、半導体素子(図示せず)が形成されたシリコン基板上401において、層間絶縁膜402に配線材Wプラグ403が形成された後に、感光性絶縁膜404を堆積する(図19(b))。この時、層間絶縁膜402は、例えば化学気相成長(CVD)法により成膜されたシリコン酸化膜であり、感光性絶縁膜404は比誘電率が3.0の絶縁膜である。
【0023】次に、図19(c)に示すように、露光前に、感光性絶縁膜404の表面に保護機能と反射防止機能を有するコート膜405をコーティング形成し、図19(d)に示すようにフォトリソグラフィ技術の紫外線露光により潜像406aを感光性絶縁膜404に形成する。その後、加湿と加熱同時処理を行い、続いて露光された潜像406aを現像で除去し、図20(a)に示すように、配線溝406を有する配線溝用絶縁膜407を形成する。上記現像工程での現像液はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などを用いる。
【0024】そして、ウェハ全面に紫外線照射を5分程度行い、感光性を消失させる。その後、再び加湿加熱処理を行い、続いて硬化処理として400℃程度の温度で30分加熱し、完全な配線溝406を形成する。
【0025】次に、図20(b)に示すように、全面に導電性バリア膜408を成膜した後、スパッタ法によるCuシード膜を堆積しこれを電極として電解メッキ法にてCu膜409を形成する。その後200℃〜400℃の温度範囲でCu膜の結晶化アニールを行う。
【0026】続いて、図20(c)に示すように、CMP法によって余剰なCu膜409、導電性バリア膜408を研磨除去して、Cu配線410を形成する。そして、図20(d)に示すように、その上に絶縁性バリア膜411を成膜する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の技術では、以下に示すような問題点があった。
【0028】従来例1では、配線間の層間絶縁膜(この場合シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜)の低誘電率化が必要とされていた。また、製造の工程数が多く、加えて製造装置も多くなり、半導体装置の製造コストが増加する。
【0029】従来例2では、配線溝とビアホールに同時に金属配線材を埋め込むことで、工程数と作業時間を短縮を可能としているが、低誘電率の層間絶縁膜を用いた場合には、ビアホールと配線溝の形成における層間絶縁膜の加工法に課題があるとともに、その工程数が増加しコストアップにつながっていた。
【0030】これらの課題を解決するため、従来例3に示した、特に特開2000−138219号公報等により公知である技術では、有機感光材料を感光性絶縁膜として用いることで、配線溝形成のための層間絶縁膜のドライエッチングおよびレジストマスクのアッシング工程が不要になるアイデアを提案している。しかしながら、第1に前述の公報に記される有機感光性材料では耐熱性が低いため、実用的な多層配線における層間絶縁膜への適用は不可能であった。第2には無機の絶縁性バリア膜と感光性材料との組み合わせを想定していないため、微細な配線において、配線間でのCuの拡散が生じ、配線の信頼性が低下することが容易に予想されており、半導体素子上に形成される多層配線構造として用いることができなかった。
【0031】そこで、耐熱性を改善する技術として、従来例4に記される特開2000−181069号公報等の公知の技術では、感光性の絶縁材料としてポリシラザンを用いることで、良好な感光特性を有し、かつ膜の耐熱性を改善する技術が記されている。
【0032】しかしながら、露光・現像条件の安定性の問題、焼成後の耐熱性の問題、スループットの問題、紫外線露光での下地からの光反射による定在波発生の問題などと課題が多く、多層配線形成の量産適用には未だ不十分な技術であった。更に詳しくは、加湿処理時に露光部のシラノール化反応が進むことが望ましいが、未露光部が大気時間中に雰囲気中の水分によってシラノール化してしまうことが課題であり、さらにシラノール化が不十分である場合には最終的に得られる膜からNH成分が脱ガスとして発生し、耐熱性を劣化させる原因となっていた。
【0033】上記の課題に対して、従来例5として示した、特願2000−367264号等での公知の技術では、ポリシラザンを用いた多層配線構造およびその製造方法の技術に関して、加湿・加熱処理といった工程を備えることで微細な配線パターンの形成を可能とし、更には、実用的なCu配線との組み合わせた構造と製造方法を備えることで、半導体装置の量産において必要と思われる課題を克服できる技術が提案されている。
【0034】しかし、従来例4および従来例5などで説明した感光性材料を用いた上記技術を、デュアルダマシン配線構造の形成に適用しようとすると以下に説明するような問題を有していた。
【0035】第1に、第1の感光性絶縁膜に形成された先行ホールである第1ビアホールを被覆するように第2の感光性絶縁膜が形成され、この第2の感光性絶縁膜に配線溝と第2ビアホールが形成される、いわゆる、2層の感光性絶縁膜を用いたデュアルダマシン配線構造の形成において、配線溝と第2ビアホールを同時に形成する際、ミスアライメントが生じた場合に、第2ビアホールの口径寸法が所望の値よりも小さくなるという課題を有していた。ここで、第1の感光性絶縁膜に形成されるビアホールを先行ホールあるいは第1ビアホールといい、上記第1ビアホールを通し更に第2の感光性層間絶縁膜に形成され、最終的に配線層間のビアプラグが形成されることになるビアホールを第2ビアホールという。
【0036】上記の問題について図21を用いて 、正常アライメント時(図21(a))、ミスアライメント時(図21(b))をそれぞれ比較して詳細に説明する。
【0037】図21(a)、(b)に示すように、絶縁性バリア膜501上に層間絶縁膜502が形成され、層間絶縁膜502に、上述した従来の技術により下層ダマシン配線503,503aが形成されている。更に、全面に絶縁性バリア膜504が形成されている。
【0038】そして、例えば感光性ポリシラザンから成る第1の感光性絶縁膜505に、従来例4,5で説明したのと同様にして第1ビアホール506,506aが形成され、更に全面に第2の感光性絶縁膜507が形成される。この第2の感光性絶縁膜507の第1ビアホール506上に配線溝508が形成され、第1ビアホール506a上には第2ビアホール509が形成される。
【0039】ミスアライメントが生じた場合(図21(b))には、第1ビアホールと第2ビアホールの口径寸法が同一であると、図21(b)に示すように第2の感光性絶縁膜507が第1の感光性絶縁膜505で形成される第1ビアホール506aの側壁に形成され、図に示すように第2ビアホールの口径細りが生じ、設計値よりも実際のビアホール口径が小さくなるという問題が発生する。そして、第2ビアホールの接続断面積が減少し、抵抗増大、電流密度の増大を招き、それに伴う配線信頼性の低下が生じ、デバイス特性および品質保証に劣化を招く致命的な問題となっていた。
【0040】第2には、ドライエッチング技術を用いないでフォトリソグラフィ法の露光・現像のみでパターニングする場合には、微細なパターンを形成することが困難であった。これについて図22を参照して説明する。
【0041】図22(a)に示すように、絶縁性バリア膜601上に層間絶縁膜602が形成され、層間絶縁膜602に、上述した従来の技術により下層ダマシン配線603が形成される。そして、全面に絶縁性バリア膜604が形成され、絶縁性バリア膜604上に感光性絶縁膜605が形成される。
【0042】そして、図22(b)に示すように、露光・現像のフォトリソグラフィ法のみによるパターニングで感光性絶縁膜605にビアホール606が形成され、図22(c)に示すように硬化処理が施されて、ビアホール用絶縁膜607が形成される。しかし、紫外線を用いて露光を行った場合、下地にある下層ダマシン配線溝603のCu膜からの反射により多重干渉が生じ、定在波がそのままビアホール606側壁に転写され、定在波パターン608が形成される。この定在波の問題は、感光性絶縁膜にビアホールを形成する場合に限定されず、配線溝のパターンを形成する場合にも同様に生じる。このために、微細パターンの形成や配線材の埋め込み、配線性能、配線信頼性に課題を有していた。
【0043】従来例5では側壁に形成される定在波に関する対策として、感光性ポリシラザンの上部に水溶性の反射防止膜を塗布することで反射の効果を低減する方法が提案されているものの、その効果としては不十分であった。
【0044】第3に、第1の感光性絶縁膜に形成された第1ビアホール上に第2の感光性絶縁膜を形成し、この第2の感光性絶縁膜に配線溝とビアホールを同時にパターニング形成する、いわゆるデュアルダマシン配線構造の形成工程において、スピン塗布法で形成される第2の感光性絶縁膜の膜厚が、第1ビアホールの粗密によって変動するため、所望の高さを有する溝配線の形成が困難であった。
【0045】上述したような理由から、半導体装置製品のデュアルダマシン配線構造の形成に感光性絶縁膜を導入することは容易ではなく、配線の性能と信頼性を向上させるためには、新たな配線形成工程あるいは配線構造が必要であり、感光性絶縁膜を用いる技術を最大限に活用できる方法が要求されていた。
【0046】本発明の主目的は、上述したような問題を解決し、感光性絶縁膜を用いたダマシン配線構造の形成を容易にし量産適用ができるようにすることにある。また、本発明の他の目的は、微細構造、高い性能、高い信頼性を有する多層配線構造の製造を容易にすることである。
【0047】
【課題を解決するための手段】このために本発明では、半導体基板上の絶縁膜に形成される溝配線の構造において、一配線層内で最小線幅となる溝配線は、前記最小線幅値と同じ口径値のビアホールを通して下層配線に接続され、同配線層内で最小線幅以上となる溝配線は、前記最小線幅値より大きな口径値のビアホールで下層配線に接続される。
【0048】あるいは、本発明の配線構造では、半導体基板上の絶縁膜に形成される溝配線の構造において、下層配線上に形成される感光性絶縁膜にフォトリソグラフィ法でパターン転写された配線溝あるいはビアホールが形成されている。
【0049】あるいは、本発明の配線構造では、半導体基板上の絶縁膜に形成される溝配線の構造において、下層配線上に第1のビアホールを有する第1の絶縁膜が形成され、前記第1のビアホールの上部に位置する領域に配線溝あるいは第2のビアホールを有する第2の絶縁膜が形成され、前記第1のビアホール口径は第2のビアホール口径より大きくなるように設定されている。
【0050】そして、前記絶縁膜、前記第1の絶縁膜あるいは第2の絶縁膜は電子線もしくは紫外光に対して感光特性を有する絶縁材料から形成される。ここで、前記感光性絶縁膜あるいは感光特性を有する絶縁材料は、ポリシラザンを主成分とした基質から成る。
【0051】また、本発明の配線構造では、前記感光性絶縁膜、感光性を有する前記絶縁膜、前記第1の絶縁膜あるいは第2の絶縁膜の下層部には、反射防止膜が形成されている。そして、前記感光性絶縁膜、前記絶縁膜、前記第1の絶縁膜あるいは第2の絶縁膜にフォトリソグラフィ法でパターン転写する露光波長をλ、前記反射防止膜の屈折率をn、正整数をmとして、反射防止膜は、その膜厚dが、d=mλ/2nを満たすように形成されている。
【0052】ここで、前項反射防止膜は、ジビニルシロキサンベンゾシクロブテンあるいはその誘導体を骨格とする有機高分子絶縁膜である。そして、前項ジビニルシロキサンベンゾシクロブテンあるいはその誘導体を骨格とする有機高分子絶縁膜は、プラズマ重合法にて作製される。
【0053】また、本発明の配線構造の製造方法では、半導体素子が形成された半導体基板上の絶縁膜に設けられた配線溝およびビアホールに、導電体配線材を充填して形成する溝配線および接続プラグを有する配線構造の形成において、下層配線の最小配線幅よりも口径の大きい第1の絶縁膜に設けた先行ホール上に、電子線もしくは紫外線に対して感光性を有する第2の絶縁膜を塗布形成し、前記第2の絶縁膜にフォトリソグラフィ法で配線溝およびビアホールを同時にパターニング形成する。ここで、前記フォトリソグラフィ法の露光によるパターン転写において、前記露光の目合わせを前記先行ホールではなく前記第1の絶縁膜下に形成している下層配線に対して行う。そして、前記先行ホールの寸法は、前記配線溝幅あるいはビアホール寸法に前記フォトリソグラフィ法での露光の目合わせ最大ズレ量の2倍だけ加えた値となっている。
【0054】あるいは、本発明の配線構造の製造方法では、前記導電体配線材がCuを含んでおり、前記Cuと前記第2の絶縁膜とを同時に化学機械研磨することで、前記第2の絶縁膜の膜厚を調整し溝配線の厚さを制御する。
【0055】本発明により、感光性の絶縁材料を用いたデュアルダマシン配線構造が容易に形成できるようになり、量産製造に十分に適用できるようになる。そして、微細構造、高い性能、高い信頼性を有する多層配線構造の製造が容易になる。
【0056】上述した(多層)配線構造および配線構造の形成方法からなる本発明を適用することで、以下のように技術の改善がなされる。
【0057】(1)先行ホール径を、下(上)層配線の最小配線幅よりも大きくしておくことで、ミスアライメント時のビアホール口径の細りを回避し、ビアプラグを介した十分な配線間の接続ができるようになる。(2)太幅配線を接続するビアホールは大きくし、最小幅の配線を接続するビアホールは小さくして、大電流が流れる配線に対して接続ビアプラグの断面積を大きくすることで、電流密度増大を効果的に軽減し、大電流の流れない微細配線に関しては最小配線ピッチにて微細なビアプラグ接続が得られるようになる。(3)上層配線のアライメントを直下の先行ホールではなく、下層配線に合わせることで、ミスアライメント時にも十分な配線間の接続が得られるようになる。(4)感光性絶縁膜の下層に、紫外線反射防止機能を有する絶縁膜を備えることで、反射によって形成される配線溝側壁あるいはビアホール側壁の定在波を低減し、平滑な側壁を得て微細で均質なパターンを形成できるようになる。(5)Cu膜−CMPによって配線溝以外の余剰なCu膜を除去するが、この時、感光性絶縁膜とCu膜、および導電性バリア膜を適切に研磨することで、下層の先行ホールの粗密パターン依存性によってばらついていた感光性絶縁膜で形成される配線の膜厚を均一に制御することできるようになる。
【0058】
【発明の実施の形態】[実施形態1]:デュアルダマシン配線(DDI)形成工程でのミスアライメント対策。
【0059】本発明の第1の実施の形態について図1乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1と図2はデュアルダマシン配線構造の製造工程順の断面図であり、図3と図4は、下層配線、上層配線、およびこれらを接続するためのビアホールの平面図である。
【0060】下層配線上に接続するデュアルダマシン配線構造の形成に感光性絶縁膜を適用する形態において、予め先行ホールである第1ビアホールの口径を下層配線幅の最小寸法よりも大きく(以下、拡大サイズともいう)しておくことで、設計値通りのビアホールを形成する本発明の方法について、従来例と比較しながら図面を参照して詳細に説明する。
【0061】図1(a)に示すように、絶縁性バリア膜1上に層間絶縁膜2が形成され、層間絶縁膜2に、上述した従来の技術により下層配線3,3aが形成される。そして、全面に絶縁性バリア膜4が形成される。ここで、層間絶縁膜2は紫外線感応しない絶縁膜から形成されており、例えばSiO2 膜、HSQ(ハイドロゲンシルセスキオキサン(Hydrogen Silsesquioxane))膜、MSQ(メチルシルセスキオキサン(Methyl Silsesquioxane))膜、BCB(ジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテン)膜あるいは芳香族を含む有機ポリマー膜などでよく、下層配線を構成する配線材は、Cu、Ag、Al、Ni、Co、W、Si、Ti、Taおよびこれらの化合物などでよい。そして、絶縁性バリア膜4は、BCB、SiC,SiN、SiCN、SiOCもしくはそれらに有機物を含んだ絶縁薄膜でもよい。
【0062】そして、例えば感光性ポリシラザンから成る第1の感光性絶縁膜5をスピン塗布法を用いて膜厚0.4μm程度に塗布する。
【0063】次に、図1(b)に示すように、露光・現像のフォトリソグラフィ法のみにより、先行ホールとして第1ビアホール6のパターニングを行う。ここで、所望の現像特性を得るために露光後であって現像前に加湿と加熱同時処理を行う。加湿と加熱同時処理の条件は、膜厚や溶剤、露光量、(遠)紫外線の波長などにもよるが、湿度は20%〜100%、温度は室温〜90℃の範囲で処理することが必要である。特に50%〜80%、室温〜80℃の条件が好ましい。
【0064】このとき、先行ホールである第1ビアホール6の露光寸法を下層配線3aの最小幅よりも予め大きく形成しておくことが重要である。
【0065】そして、ウェハの全面に紫外線照射を4分程度行い、感光性を消失させた後、硬化処理として400℃で30分加熱して、図1(c)に示すように第1の感光性絶縁膜5をビアホール用絶縁膜7に変換する。
【0066】次に、図2(a)に示すように、感光性が消失し第1ビアホールの形成されたビアホール用絶縁膜7上に、スピン塗布法によって再び感光性ポリシラザンから成る第2の感光性絶縁膜8を塗布形成する。
【0067】そして、上述したのと同様な(遠)紫外線フォトリソグラフィ等の露光・現像により配線溝9と第2ビアホール10のパターニングを行う。この時、第1ビアホール6を有するビアホール用絶縁膜7は、既に感光性を消失しているため、上記の露光処理による影響は全く受けない。また、この時の現像液はアルカリ水溶性の現像液TMAHを用いるが、第1ビアホール6は硬化処理を受けているため、現像処理による影響は全く受けない。
【0068】続いて、図2(c)に示すように、加湿処理、加熱処理を行うことで、配線溝9と第2ビアホール10を有し感光性を消失した配線溝用絶縁膜11に変換させる。
【0069】このとき、配線溝9幅が開口してある第1ビアホール6口径よりも大きい場合には、第1ビアホール6がそのまま露出する。そして、配線溝9下のビアホールは、第1の感光性絶縁膜5に予め拡大サイズに形成した第1ビアホール6から成る。
【0070】これに対して、第2ビアホール10口径は第1ビアホール6口径より小さく設計されるために、図2(c)に示すように第2の感光性絶縁膜8が第1ビアホール6の側壁にも形成され、大きめに設計される第1ビアホール6口径は縮小され必要な口径寸法になる。
【0071】以下、図示しないが、公知のRIE法で第1ビアホール底の絶縁性バリア膜4を選択的にエッチング除去し、公知の方法で上記ビアホールと配線溝の側壁に導電性バリア膜を形成し、ビアホールと配線溝内にCu膜を充填して、デュアルダマシン配線を形成する。
【0072】以上の製造工程では、第2の感光性絶縁膜5に配線溝と第2ビアホールを形成する場合について説明した。ここで、第2ビアホール10を形成する代わりに、配線溝9より幅寸法の小さな配線溝を形成してもよい。
【0073】次に、上述した本発明において、下層配線の最小寸法幅よりも第1ビアホール口径を大きく拡大サイズに形成する効果について詳細に説明する。
【0074】初めに、具体的な設計寸法で試算する。所望の下層配線の最小配線ピッチ:X(μm)、最小配線幅:X/2(μm)、ビアホール口径:X/2(μm)である場合(通常サイズ)に、アライメント時の許容最大ズレ量を最小配線幅のa%とすると、形成する拡大サイズの第1ビアホール口径(Y)は、Y=X/2(μm)×(2a/100+1)で表される。例えば、所望の下層配線の最小配線ピッチが0.2μm、最小配線幅が0.1μm、ビアホール口径が0.1μmである場合に、アライメント時の許容最大ズレ量を最小配線幅の30%とすると、拡大形成する第1ビアホール口径は上式より0.16μmとなる。
【0075】続いて、図3および図4を用いて更に詳細に説明する。
【0076】図3、図4はいずれも2層の配線構造の平面図であり、下層配線と上層配線とのビアホール接続について示したものである。ここで、図3は、従来の方法での上述したビアホール口径:X/2(μm)で接続する場合であり、図4は、上述の拡大形成する第1ビアホール口径:Y(μm)で接続する場合である。
【0077】図3、図4に示すように、下層配線21が配線ピッチXで形成され、その上層に配線幅の大きな上層配線22、配線幅の小さな上層配線23が形成される。そして、図3においては、配線幅寸法がX/2となる下層配線21幅と同じ口径寸法X/2の第1ビアホール24を通して、下層配線21と上層配線22,23がそれぞれ接続される。
【0078】これに対して、本発明の図4においては、拡大サイズの第1ビアホール25すなわち先行ホールを通して、下層配線21と上層配線22,23がそれぞれ接続される。このために、図1、図2で説明したようなミスアライメントによる第1ビアホール口径細りは回避され、良好な配線材の埋め込み特性と低抵抗な接続を得ることができる。
【0079】更に、配線幅の大きな上層配線22においては拡大サイズの第1ビアホール25での接続となり、配線幅の小さな上層配線23においては、図2(c)で説明した縮小した第2ビアホールでの接続と同様になる。このようにして、配線幅の大きな上層配線22の電流値の上昇に対応してビアホールの数を増やすことなく自動的にビアホール断面積を拡大し接続抵抗を低減することができる。
【0080】この時、ビアホールでの接続断面積は上層配線と下層配線とのミスアライメント量に依存するため、上層配線の露光アライメントを直下の第1ビアホールではなく、下層配線に合わせることで、接続断面積を確保することも有効である。
【0081】かかる工程により、露光のミスアライメント時にビアホール口径が細ることなく、必要とするビアホール口径を有する配線接続のビアプラグを得て、しかも良好な下層配線と上層配線との接合を得ることができるようになる。
【0082】本発明において第1ビアホールを拡大サイズにしても、第1ビアホールはフォトリソグラフィ法のみでパターニング形成され、ドライエッチングは用いないために、下層にある絶縁性バリア膜4および層間絶縁膜2のエッチングの心配は全く無い。また、上述した第2ビアホール10を形成する代わりに、配線溝9より幅寸法の小さな配線溝を形成する場合でも、配線溝は第2の感光性絶縁膜8のみにフォトリソグラフィ法でパターニング形成されるために、従来の技術に比べてデュアルダマシン配線の工程は非常に簡単になる。
【0083】上記実施形態1では、第1の感光性絶縁膜5を通常の感光性の無い絶縁膜にし、先行ホールである第1ビアホールを公知のホトリソグラフィ技術とドライエッチング技術とでパターニング形成してもよい。但し、この場合には、絶縁性バリア膜4がエッチングストッパーとして機能するように絶縁膜材料を選択することが必要になる。
【0084】[実施形態2]:反射防止効果を有する絶縁性バリア膜。
【0085】第2の実施の形態について図5に基づいて説明する。図5は、ダマシン配線構造の一部の製造工程順の断面図である。
【0086】図5(a)に示すように、絶縁性バリア膜31上に層間絶縁膜32を形成し、この層間絶縁膜32に形成した配線溝内に導電性バリア膜33、配線材のCu膜34から形成される下層配線部を形成する。
【0087】そして、下層配線部を被覆するように絶縁性の反射防止膜35を成膜する。更に、図5(b)に示すように、反射防止膜35上に膜厚0.4μm程度の感光性絶縁膜36を塗布形成する。ここで、層間絶縁膜32は(遠)紫外線感光性の無い絶縁膜、例えばSiO2 膜、HSQ膜、MSQ膜、等でよい。また、感光性絶縁膜36は感光性ポリシラザン等の感光性を有する絶縁膜である。
【0088】上記の塗布形成後にエッジ・バックリンスを、例えばPGMEA/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル)などを用いて行う。次に溶媒を蒸発させるため、40℃〜150℃の範囲で加熱処理を行うことが望ましく、低温では下地との密着性が不十分であり、温度が高すぎると感光性が消失するため、添加している光酸発生材の種類や濃度に応じて調節する必要がある。
【0089】本発明では、上述した反射防止膜35は、低屈折率であり、(遠)紫外線露光における反射を最大限抑えるように、最適な屈折率と厚さとを有する絶縁層となるようにする。これに対して、従来の技術では、反射防止膜はシリコン窒化膜のような無機絶縁膜が使用されていた。
【0090】本発明の上記反射防止膜35の最適な膜厚は、反射防止膜の屈折率と露光波長とに依存し、(1)式によって導き出すことが可能である。すなわち、反射防止膜35の膜厚をd、その屈折率をnとし、露光波長をλとすると、
【0091】
【数1】


【0092】ここで、mは正整数である。
【0093】例えば、ArF(λ=193nm)にて露光する場合には、塗布直後の感光性絶縁膜34の屈折率の屈折率が1.8とすると、例えばBCB膜から成る反射防止膜35の屈折率を1.6とし、反射防止膜35の最適な厚さは50〜70(好ましくは60〜65)nmになる。なお、反射防止膜の屈折率は1.4〜1.7(好ましくは1.5〜1.6)が反射防止には最適である。そして、F2 (λ=約158nm)の露光では、反射防止膜35の最適な厚さは45〜55(好ましくは48〜53)nmになる。さらには、KrF(λ=約248nm)の露光では、反射防止膜35の最適な厚さは70〜80(好ましくは77〜83)nmになる。
【0094】これらのの特性を満たす材料としては、BCB膜の他にBCB膜の誘導体を骨格とする絶縁膜や、芳香族ポリマーあるいはその誘導体を骨格とする有機高分子絶縁膜(SiLK(登録商標)やFlare(登録商標)等)や、CVD法によって成膜したSiC膜やSiCN膜、SiOCH膜などを用いることで、反射による定在波を低減し平滑な側壁を有する感光性ポリシラザンからなる配線溝を形成することが可能となる。
【0095】ここで、上述のBCB膜あるいはその誘導体は、プラズマ重合法で成膜するとよい。この方法を簡単に説明すると以下のようである。すなわち、平行平板電極を有する反応室内にHeガスを導入し、430kHzの低周波電圧と13.56MHzの高周波電圧を印加してHeプラズマを生成する。そして、このHeプラズマ中にジビニルシロキサンビスベンゾシクロブテンモノマーを気化させて導入する。ここで、成膜される基板を加熱しておく。このようにすると、基板表面で重合反応が進みBCB膜が形成される。ここで、このようなBCB膜の比誘電率は2.4〜2.7となり、シリコン酸化膜の比誘電率、約4程度よりも小さな値になる。
【0096】次に、(遠)紫外線フォトリソグラフィ、好ましくはKrF(λ=約248nm)、ArF(λ=193nm)、F2 (λ=約158nm)等のエキシマレーザーや、高圧水銀灯などの光源などによる露光で、図5(b)に示すようなビアホール形状の潜像37aを形成する。露光量は用いる(遠)紫外線の種類や、光酸発生材の種類や量に大きく依存するが、0.1mJ/cm2から1000mJ/cm2程度がよい。
【0097】その後、所望の現像特性を得るために加湿と加熱同時処理を行う。この時の条件は、膜厚や溶剤、露光量、(遠)紫外線の波長などにもよるが、湿度は25%〜100%、温度は室温〜80℃の範囲で処理することが望ましい。特に65%〜95%、30℃〜80℃の条件が好ましい。
【0098】そして、図5(c)に示すように、露光部を現像し上記潜像37aを除去し、感光性絶縁膜36にビアホール37を形成する。この時、現像液はアルカリ水溶性の現像液、例えば、TMAHなどを用いる。
【0099】次に、硬化処理として300℃〜400℃の温度で30分加熱することでメチルシルセスキオキサン化し、図5(d)に示すように、感光性の消失したビアホール用絶縁膜38に変換する。
【0100】本発明では、上記のような反射防止膜35を感光性絶縁膜36下に形成することで、感光性絶縁膜を用いた際の(遠)紫外線露光における反射による配線溝側壁の定在波を低減することができる。このようにして、微細かつ平滑な側壁を有するビアホール37が形成できるようになる。そして、N2 、H2 、CH22の混合ガスを用いたRIEでビアホール37底の反射防止膜35を選択的にエッチング除去する。
【0101】なお、上記の反射防止膜35は、感光性絶縁膜に配線溝を形成する場合でも同様に適用できる。
【0102】[実施形態3]:MSZ(メチルシルセスキアザン(Methyl Silsesquiazane)膜、Cu膜の同時CMP法。
【0103】第3の実施の形態について図6に基づいて説明する。図6は、デュアルダマシン配線構造の製造工程順の断面図である。
【0104】図6(a)は、Cuから成るダマシン配線上に感光性絶縁膜で先行ホール(図1で説明したような第1ビアホールに相当する)を形成したものであり、層間絶縁膜41上にダマシン配線の下層配線部42を公知の方法で形成する。
【0105】そして、図5で説明したように、下層配線部42表面にBCB膜で反射防止膜44を形成する。更に、第1の感光性絶縁膜45を形成し、実施形態1で説明したように多数の第1ビアホール46を形成する。
【0106】次に、図6(b)に示すように、第2の感光性絶縁膜47を塗布形成し、所定の領域をフォトリソグラフィ法のみでパターニングし配線溝48、第2ビアホール49を形成する。このとき、第1ビアホール46の粗密の程度によって半導体チップ面内で第2の感光性絶縁膜47の膜厚がばらつく。そして、ウェハの全面に紫外線照射を4分程度行い、第2の感光性絶縁膜47の感光性を消失させ、図6(c)に示すような配線溝用絶縁膜50に変換させる。更に、硬化処理として加熱を行う。
【0107】次に、N2 、H2 、CH22 の混合ガスを用いたRIEで反射防止膜44を選択的にエッチング除去し、下層配線部との接続部を開口した後、図6(c)に示すように、導電性バリア膜51およびCu膜52を順次に堆積させる。
【0108】そして、CMP法によって配線溝48および第2ビアホール49以外の余剰なCu膜を除去する。本発明の特徴は、この時、膜厚のバラツキを有する第2感光性絶縁膜47から形成された配線溝用絶縁膜50と、Cu膜52および導電性バリア膜51を適切に研磨することで、図6(d)に示すように、上述した先行ホールの粗密のパターン依存性によって生じていたバラツキを有する第2の感光性絶縁膜の膜厚を均一に制御することが可能となる。
【0109】このようにして、表面が平坦化したデュアルダマシン配線構造の上層配線部53が形成される。そして、この平坦化した表面に絶縁性バリア膜54を形成することになる。
【0110】かかる工程により、予め形成されている先行ホール上に感光性絶縁膜を塗布した際生じる膜厚の分布を改善し、CMP法によって配線の高さのばらつきを低減することができることを確認している。
【0111】
【実施例】[実施例1]:感光性MSZのみを用いたDDI。
【0112】次に、下層配線部が形成されている上層部にダマシン配線法を用いて、多層配線を形成する実施例を示す。
【0113】図7(a)に示すように、絶縁性バリア膜61、層間絶縁膜62、Cu膜63からなる配線材、導電性バリア膜64から形成された下層配線部の上部に、反射防止膜65と第1の感光性絶縁膜66を形成する。ここで、第1の感光性絶縁膜66は対紫外線感光特性を有する絶縁膜から形成されており、導電性バリア膜64は、例えばTa/TaNの積層バリア膜からなる。そして、反射防止膜65は、絶縁性バリア膜兼反射防止膜効果を有するBCB膜にて形成されている。
【0114】なお、図7(a)の下層配線部においては、例えば層間絶縁膜62はSiO2、HSQ、MSQ、BCBあるいは芳香族を含む有機ポリマーなどでもよく、配線材は、Cuの他にAg,Al、Ni、Co、W、Si、Ti、Taおよびそれらの化合物などでもよく、反射防止膜65は、BCB、SiC,SiN、SiCN、SiOCもしくはそれらに有機物を含んだものなどでもよい。
【0115】第1の感光性絶縁膜66は感光性を有するポリシラザンがスピン塗布されたものでその膜厚は0.4μm程度である。この場合に、塗布後にエッジ・バックリンスを、例えばPGMEA/PGMEなどを用いて行う。次に溶媒を蒸発させるため、60℃〜120℃の範囲で加熱処理を行うが、60℃より低温では下地との密着性が不十分であり、温度が高すぎると感光性が消失するため、添加している光酸発生材の種類や濃度に応じて調節する必要がある。
【0116】次に、(遠)紫外線リソグラフィ工程において、好ましくはKrF、ArF、F2 等のエキシマレーザーや、高圧水銀灯などの光源などによるパターン転写を行い、その後所望の現像特性を得るために加湿と加熱同時処理を25℃、80%の条件にて行う。この時、露光時の反射により生じる定在波は下層の反射防止膜65の効果によって低減されることを確認している。
【0117】そして、上記露光部を現像し、図7(b)に示すように、第1の感光性絶縁膜66に第1ビアホール68をパターニングする。この時、現像液はアルカリ水溶性の現像液、例えば、TMAHなどを用いる。次に、ウェハの全面に紫外線照射を4分程度行い、感光性を消失させた後、硬化処理として300℃〜400℃の温度で30分加熱することで、メチルセルセスキオキサンからなるビアホール用絶縁膜67を得る。ここで、ビアホール用絶縁膜67には、実施形態1で説明した先行ホールとなる第1ビアホール68が形成される。
【0118】次に、図7(c)に示すように、第1ビアホール68を有するビアホール用絶縁膜67上に、スピン塗布法によって第2の感光性絶縁膜69を形成する。そして、前述の温度範囲にて露光前の加熱処理を行い、続いてArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィ工程でパターン転写を行い、その後25℃、80%での加湿加熱同時処理を1分間程度に行う。
【0119】次に、露光部を現像し、加湿処理、加熱処理を前述の条件で行うことで、図8(a)に示すように、先行ホールである第1ビアホールを有する第1の感光性絶縁膜67上の第2の感光性絶縁膜69に配線溝70、第2ビアホール71を形成する。そして、上述したように第2の感光性絶縁膜69に硬化処理を施し、図8(b)に示すように配線溝用絶縁膜72を形成することになる。
【0120】上記のフォトリソグラフィ工程でのパターン転写では、配線溝70は、第1ビアホール68のパターンでなく、導電性バリア膜63、Cu膜64から形成された下層配線に位置合わせすることが重要である。なお、上記現像での現像液はアルカリ水溶性の現像液TMAHを用いるが、第1ビアホール68は硬化処理を行っているため、現像処理による影響は全く受けない。
【0121】このとき、例えば所望の配線パターンが、最小配線ピッチが0.2μm、最小配線幅が0.1μm、ビアホール口径が0.1μmである場合に、先行ホールである第1ビアホール68の口径を最小配線幅より大きい、例えば0.16μmの拡大ビアホールとしておくことで、0〜0.06μmのミスアライメントが生じた場合にも、良好なビア接続を得ることができる。
【0122】また、第1および第2の感光性絶縁膜には、同種類の感光性ポリシラザンからなる絶縁膜を用いることで、良好な密着性を確保することができる。
【0123】次に、図8(c)に示すように、RIE法によるドライエッチングでビアホール底の反射防止膜65を選択的に除去し、導電性バリア膜とCu膜の堆積、CMP法による研磨を施す。このようにして、下層配線に接続するデュアルダマシン配線73、ビアプラグ74を第2の感光性絶縁膜から形成された配線溝用絶縁膜72に設ける。
【0124】この実施例では、MSQ膜から成る下地の層間絶縁膜62表面をCMP法で適切に研磨し平坦化することで、先行ホールである第1ビアホール68パターンの粗密により発生する感光性絶縁膜66および69の膜厚を揃えることが可能となる。
【0125】上述したような工程により、露光のミスアライメント時にビアホール口径が細ることなく、所望のビアホール口径を維持し、且つ、良好な下層配線とビアプラグの接合を得ることができるようになる。
【0126】なお、露光には(遠)紫外線光を用いているが、この全て、もしくは一部を電子線で置き換えて行うことも可能である。
【0127】[実施例2]:感光性MSZでエッチングを使ってDDI。
【0128】実施例2では、実施例1の方法において、第1の感光性絶縁膜66の代わりに感光性の無い低誘電率膜を用い、CMP法で上記低誘電率絶縁膜の表面を平坦化する場合について示す。
【0129】図9(a)は、図7(a)と同様に、絶縁性バリア膜81、層間絶縁膜82、導電性バリア膜83、配線材のCu膜84から形成された下層配線部を形成する。更に、下層配線部を被覆するように絶縁性バリア膜85と膜厚0.6μm程度の低誘電率膜86を積層して形成する。
【0130】ここで、有機系の低誘電率膜には、有機ポリシラザン、BCB、ポリイミド、プラズマCFポリマー、プラズマCHポリマー、SiLK(登録商標)、パリレンN(登録商標)、パリレンAF4(登録商標)、ポリナフタレンNがある。
【0131】また、その他の低誘電率膜には、ALCAPTM(登録商標)膜のような多孔性の有機シリカ膜の他に、シルセスキオキサン類の絶縁膜、あるいは、Si−H結合、Si−CH3 結合、Si−F結合のうち少なくとも1つの結合を含むシリカ膜で形成してもよい。なお、これらの絶縁膜は多孔性を有していてもよい。ここで、シルセスキオキサン類の絶縁膜は、Si−Oベースの誘電体膜であり、そのような絶縁膜としては、MSQ膜の他にシルセスキオキサン類であるHSQ、メチレーテッドハイドロゲンシルセスキオキサン(Methylated Hydrogen Silsesquioxane)あるいはフルオリネーテッドシルセスキオキサン(Furuorinated Silsesquioxane)のような低誘電率の絶縁膜がある。
【0132】次に、図9(b)に示すように、通常のフォトリソグラフィ技術で形成するレジストマスクをエッチングマスクにしたドライエッチングで、上記低誘電率膜86の所定の領域に先行ホールである第1ビアホール87を形成する。ここで、実施例1と同様に、あらかじめ第1ビアホール87の口径を、配線溝の最小設計寸法よりも大きい拡大ビアホールとしておくことで、ミスアライメントによるビア径の細りを回避することができる。
【0133】次に、この第1ビアホール87を有する低誘電率膜86上に、スピン塗布法によって感光性MSZを塗布し感光性絶縁膜88を形成する。そして、前述の温度範囲にて露光前の加熱処理を行い、続いてKrFエキシマレーザーにてパターン転写を行い、露光部を現像し、図10(a)に示すように、第1ビアホール87直上の感光性絶縁膜88に配線溝89を形成する。そして、感光性絶縁膜88に硬化処理を施し、図10(b)に示すように配線溝用絶縁膜88aを形成することになる。
【0134】次に、RIE法によるドライエッチングで第1ビアホール87底の絶縁性バリア膜85を選択的に除去し、導電性バリア膜とCu膜の堆積、CMP法による研磨を施す。このようにして、図10(c)に示すように、下層配線に接続するデュアルダマシン配線90を形成する。
【0135】このようにして、低誘電率膜を層間絶縁膜に用いた多層配線構造を形成できるようになる。この場合も、露光のミスアライメント時にビアホール口径が細ることなく、所望のビアホール口径を維持し、且つ、良好な下層配線とビアプラグの接合を得ることができるようになる。
【0136】[実施例3]:感光性MSZを用いた多層配線構造の形成。
【0137】図11では、6層のCu膜/低誘電率膜の多層配線構造を形成した例である。図11に示すように、シリコン基板表面にMOSFET91を形成し、その上部に層間絶縁膜92をシリコン酸化膜等で形成する。そして、上記MOSFET91のソース・ドレイン拡散層に接続するコンタクトプラグ93を形成する。
【0138】そして、上述した実施形態1乃至3に示した技術を駆使して、第1層配線部94、第2層配線部95、第3層配線部96、第4層配線部97、第5層配線部98、第6層配線部99を順次に形成していく。
【0139】ここで、第1層配線部94、第2層配線部95、第3層配線部96には層間絶縁膜に低誘電率膜を用いている。これらの低誘電率膜の比誘電率は2.0以下となる、例えば、芳香族系のポーラス有機ポリマー、あるいは有機シロキサン系のポーラス膜を用いることで配線容量の低減を行っている。なお、第1層配線部94ではEB露光を用い微細なパターニンを行い、第2層および第3層配線部95,96には(遠)紫外線露光を用いたパターニングを行う。
【0140】そして、第4層配線部97と第5層配線部98では、感光性MSZを用いて感光性絶縁膜を形成し、配線工程数の削減を行った。ここで、感光性ポリシラザンから形成される層間絶縁膜の比誘電率は2.7程度になる。このように、第4層および第5層配線部には(遠)紫外線の露光・現像を用いたパターニングを行うことで、配線工程、プロセスコストを低減した。
【0141】そして、最上層となる第6層配線部99上にはシリコン酸化膜を用いることで、多層配線構造の全体の強度を確保することができる。多層配線構造において、感光性ポリシラザンを選択的に層間絶縁膜として適用することで、配線性能を高性能化するとともに、配線形成の製造コスト、作業時間、スループットを総合的に向上させることができる。
【0142】なお、本発明は上記の実施の形態(あるいは実施例)に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態が適宜変更され得る。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、低誘電率膜を層間絶縁膜に用いた多層配線構造において、対紫外線感光特性を有する層間絶縁膜すなわち感光性絶縁膜を有効に用いることで、配線溝あるいはビアホール形成のための層間絶縁膜のドライエッチング工程やレジストマスクのアッシング工程は不要になる。
【0144】そして、(デュアル)ダマシン配線を多層化しても、層間絶縁膜の反りあるいはクラックの発生は大幅に低減する。このようにして微細で高品質の多層配線が形成できるようになる。
【0145】また、感光性絶縁膜を用いたデュアルダマシン配線の形成技術を容易にすることで、配線間の低寄生容量化と、配線工程の簡略化、製造コストの低減化を同時に達成すると共に量産適用を可能にすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための配線構造の製造工程順の断面図である。
【図2】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明するための配線構造の平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明するための配線構造の平面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を説明するためのビアホールの製造工程順の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の多層配線構造の製造工程順の断面図である。
【図7】本発明の実施例を説明するための配線構造の製造工程順の断面図である。
【図8】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図9】本発明の別の実施例を説明するための配線構造の製造工程順の断面図である。
【図10】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図11】本発明の更に別の実施例を説明するための多層配線構造の断面図である。
【図12】従来の技術を説明するための従来例1での配線構造の製造工程順の断面図である。
【図13】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図14】従来の技術を説明するための従来例2での配線構造の製造工程順の断面図である。
【図15】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図16】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図17】従来の技術を説明するための従来例3での配線構造の製造工程順の断面図である。
【図18】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図19】従来の技術を説明するための従来例5での配線構造の製造工程順の断面図である。
【図20】上記製造工程の続きを示す製造工程順の断面図である。
【図21】従来の技術の課題を説明するための配線構造の断面図である。
【図22】従来の技術の別の課題を説明するための配線構造の製造工程順の断面図である。
【符号の説明】
1,4,31,54,61,81,85 絶縁性バリア膜
2,32,41,62,82,92 層間絶縁膜
3,3a 下層配線
5,45,66 第1の感光性絶縁膜
6,24,25,46,68 第1ビアホール
7,38,67 ビアホール用絶縁膜
8,47,69 第2の感光性絶縁膜
9,35,48,70,89 配線溝
10,49,71 第2ビアホール
11,36,50,72,88a 配線溝用絶縁膜
21 下層配線
22,23 上層配線
33,51,63,83 導電性バリア膜
34,52,64,84 Cu膜
35,44,65 反射防止膜
36,88 感光性絶縁膜
37 ビアホール
37a 潜像
42 下層配線部
53 上層配線部
73,90 デュアルダマシン配線
74 ビアプラグ
86 低誘電率膜
91 MOSFET
93 コンタクトプラグ
94 第1層配線部
95 第2層配線部
96 第3層配線部
97 第4層配線部
98 第5層配線部
99 第6層配線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体基板上の絶縁膜に形成される溝配線の構造において、一配線層内で最小線幅となる溝配線は、前記最小線幅値と同じ口径値のビアホールを通して下層配線に接続され、同配線層内で最小線幅以上となる溝配線は、前記最小線幅値より大きな口径値のビアホールで下層配線に接続されていることを特徴とする配線構造。
【請求項2】 半導体基板上の絶縁膜に形成される溝配線の構造において、感光性絶縁膜にフォトリソグラフィ法でパターニングされた配線溝あるいはビアホールが形成されていることを特徴とする配線構造。
【請求項3】 半導体基板上の絶縁膜に形成される溝配線の構造において、下層配線上に第1のビアホールを有する第1の絶縁膜が形成され、前記第1のビアホールの上部に位置する領域に配線溝あるいは第2のビアホールを有する第2の絶縁膜が形成され、前記第1のビアホール口径は第2のビアホール口径より大きくなるように設定されていることを特徴とする配線構造。
【請求項4】 前記絶縁膜、前記第1の絶縁膜あるいは第2の絶縁膜は電子線もしくは紫外光に対して感光性を有する絶縁材料から形成されることを特徴とする請求項1または請求項3記載の配線構造。
【請求項5】 前記感光性絶縁膜あるいは感光性を有する絶縁材料は、ポリシラザンを主成分とした基質からなることを特徴とする請求項2または請求項4記載の配線構造。
【請求項6】 前記感光性絶縁膜、前記絶縁膜、前記第1の絶縁膜あるいは第2の絶縁膜の下層部には、反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項2、請求項4または請求項5記載の配線構造。
【請求項7】 前記感光性絶縁膜、前記絶縁膜、前記第1の絶縁膜あるいは第2の絶縁膜にフォトリソグラフィ法でパターン転写する露光波長をλ、前記反射防止膜の屈折率をn、正整数をmとして、反射防止膜は、その膜厚dが、d=mλ/2nを満たすように形成されていることを特徴とする請求項6記載の配線構造。
【請求項8】 前項反射防止膜は、ジビニルシロキサンベンゾシクロブテンあるいはその誘導体を骨格とする有機高分子絶縁膜であることを特徴とする請求項6または請求項7記載の配線構造。
【請求項9】 前項ジビニルシロキサンベンゾシクロブテンあるいはその誘導体を骨格とする有機高分子絶縁膜は、プラズマ重合法にて作製されることを特徴とする請求項8記載の配線構造。
【請求項10】 半導体素子が形成された半導体基板上の絶縁膜に設けられた配線溝およびビアホールに、導電体配線材を充填して形成する溝配線および接続プラグを有する配線構造の形成において、下層配線の最小配線幅よりも口径の大きい第1の絶縁膜に設けた先行ホール上に、電子線もしくは紫外線に対して感光性を有する第2の絶縁膜を塗布形成し、前記第2の絶縁膜にフォトリソグラフィ法で配線溝およびビアホールを同時にパターニング形成することを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項11】 前記フォトリソグラフィ法の露光によるパターン転写において、前記露光の目合わせを前記先行ホールではなく前記第1の絶縁膜下に形成している下層配線に対して行うことを特徴とする請求項10記載の配線構造の製造方法。
【請求項12】 前記先行ホールの寸法は、前記配線溝幅あるいはビアホール寸法に前記フォトリソグラフィ法での露光の目合わせ最大ズレ量の2倍だけ加えた値であることを特徴とする請求項10または請求項11記載の配線構造の製造方法。
【請求項13】 前記導電体配線材がCuを含んでおり、前記Cuと前記第2の絶縁膜とを同時に化学機械研磨することで、前記第2の絶縁膜の膜厚を調整し溝配線の厚さを制御することを特徴とする請求項10、請求項11または請求項12記載の配線構造の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2003−163265(P2003−163265A)
【公開日】平成15年6月6日(2003.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−361482(P2001−361482)
【出願日】平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】