説明

配線設計方法と配線設計装置及び配線設計プログラム

【課題】従来技術よりもDRCエラーの少ない(結線率の高い)配線結果を得ることのできる配線設計方法を提供する。
【解決手段】第1配線部分とボンディングワイヤを介して接続された第2配線部分を有したSiPの配線を設計するための配線設計方法であって、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する工程(S101)、選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する工程(S103)、特定されたネットの配線を引き剥がす工程(S104)、特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する工程(S105)、特定されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する工程(S106)、再配線の結果を受け入れるか否かを判断する工程(S107)、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiP(System in Package)の配線設計を行うための配線設計方法と配線設計装置及び配線設計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パッケージ基板上に複数のLSIチップを積層したSiPが開発されている。例えば、パッケージ基板上に下チップを搭載し、その上に再配線層を介して上チップを搭載したSiPでは、上チップはボンディングワイヤを介してパッケージ基板に電気的に接続される。具体的には、上チップの信号入出力端は、上チップのバンプから、再配線層配線,ボンディングパッド,ボンディングワイヤ,ボンディングフィンガー,及びパッケージ基板配線などを経由して、パッケージ基板の半田ボールにつながる。
【0003】
ここで、上チップのバンプからボンディングパッドまでの配線(再配線層配線部)とボンディングフィンガーから半田ボールまでの配線(パッケージ基板配線部)は、配線問題として適したアルゴリズムが相互に異なっている。このため、従来技術では、各々の配線部の配線設計に際して、再配線層配線部とパッケージ基板配線部とが個別に最適化されている。
【0004】
しかし、再配線層配線部とパッケージ基板配線部を個別に最適化すると、ボンディングワイヤへのネットの割り当てが先に配線された配線部の都合によって決定されるため、後に配線する配線部にとって好ましくない割り当てになることがある。そして、これが原因で後に配線する配線部の配線性の悪化、例えばDRC(Design Rule Check)エラーの増大を招くという問題があった。
【特許文献1】特開2008−123341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ボンディングワイヤを介して相互接続される複数の配線部における配線性の悪化を防止することができ、従来技術よりもDRCエラーの少ない(結線率の高い)配線結果を得ることのできる配線設計方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、上記の配線設計方法を実施するための配線設計装置及び配線設計プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係わる配線設計方法は、パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する工程と、前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する工程と、前記特定されたネットの配線を引き剥がす工程と、前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する工程と、前記引き剥がし及び前記割り当て変更の各工程の後に、前記特定されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する工程と、前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の別の一態様に係わる配線設計方法は、パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する工程と、前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する工程と、前記第1配線部分及び第2配線部分のうちの一方の前記特定されたネットの配線と他方の全ネットの配線を引き剥がす工程と、前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する工程と、前記特定されたネットのビア位置を再決定する工程と、前記引き剥がし,割り当て変更,及びビア位置再決定の各工程の後に、前記第1配線部分及び第2配線部分のうちの一方の前記特定されたネットと他方の全ネットをDRCエラーが生じないように再配線する工程と、前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の一態様に係わる配線設計装置は、パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する手段と、前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する手段と、前記特定されたネットの配線を引き剥がす手段と、前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する手段と、前記配線の引き剥がし及び前記ボンディングワイヤの割り当て変更が成されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する手段と、前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する手段と、を具備してなることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の別の一態様に係わる配線設計装置は、パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する手段と、前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する手段と、前記第1配線部分及び第2配線部分のうちの一方の前記特定されたネットの配線と他方の全ネットの配線を引き剥がす手段と、前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する手段と、前記特定されたネットのビア位置を再決定する手段と、前記配線の引き剥がしが成されたネットに対し、DRCエラーが生じないように再配線する手段と、前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する手段と、を具備してなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の別の一態様に係わる配線設計プログラムは、パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、コンピュータ制御によって各々の配線部分の配線を最適化するための、コンピュータ読み取り可能な配線設計プログラムであって、前記第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する手順と、前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する手順と、前記特定されたネットの配線を引き剥がす手順と、前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する手順と、前記引き剥がし及び前記割り当て変更の各手順の後に、前記特定されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する手順と、前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、DRCエラーに関する複数のネットを特定し、特定されたネットの配線を引き剥がすと共に、特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更し、特定されたネットをDRCエラーが生じないように再配線することにより、複数の配線部における配線性の悪化を防止することができ、従来技術よりもDRCエラーの少ない(結線率の高い)配線結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係わるSiPにおける配線の様子を説明するためのもので、図1は平面図、図2は断面図である。
【0015】
図中の10は矩形状のパッケージ基板であり、この基板10上の中央部に第1のLSIチップ(下チップ)20が搭載されている。下チップ20上の周辺部には再配線層30が設けられ、この再配線層30を挟んで下チップ20上に第2のLSIチップ(上チップ)40が搭載されている。
【0016】
再配線層30上には再配線層配線31及びボンディングパッド33が設けられ、上チップ40の下面にはバンプ41が設けられ、バンプ41は再配線層配線31の一部に接続されている。パッケージ基板10上にはボンディングフィンガー11及びパッケージ基板配線12が設けられ、パッケージ基板10の裏面には半田ボール13が設けられ、パッケージ基板配線12の一部はパッケージ基板10を貫通したビアを介して半田ボール13に接続されている。そして、再配線層30上のボンディングパッド33とパッケージ基板10上のボンディングフィンガー11との間に、ボンディングワイヤ50が接続されている。
【0017】
つまり、上チップ40は該チップ40のバンプ41から再配線層配線31、ボンディングパッド33、ボンディングワイヤ50,ボンディングフィンガー11、及びパッケージ基板配線12を経由して、半田ボール13につながっている。
【0018】
ここで、上チップ40のバンプ41からボンディングパッド33までの配線である再配線層配線部(第1配線部分)と、ボンディングフィンガー11から半田ボール13までのパッケージ基板配線部(第2配線部分)とは、従来技術では個別に最適化されていたが、本実施形態ではこれらを同時に最適化している。
【0019】
図3は、本実施形態に係わる配線設計方法を説明するためのフローチャートである。以下、図4〜図8を用いてフローチャートの各ステップを説明する。
【0020】
まず、通常の設計方法により、パッケージ基板10上にLSIチップ20,40が積層されたSiPに対し、パッケージ基板配線12と再配線層配線31が設計され、更にこれらの配線間を接続するボンディングワイヤ50の割当が定められているものとする。
【0021】
このようなSiPに対し、ステップS101では、DRCエラーを検出し、DRCエラーが存在する場合はDRCエラーを一つ選択する。図4には、パッケージ基板配線部にDRCエラー17が一つ存在しており、これが選択されたとする。なお、この例では、DRCエラーがパッケージ基板配線部に存在しているが、再配線層配線部のDRCエラーが選択されることもある。
【0022】
ステップS102では、DRCエラーが選択されたか否かを判定する。DRCが選択されなかった場合には、処理を終了する。そうでなければ、ステップS103に進む。
【0023】
ステップS103では、選択されたDRCエラーに関係するネットを特定する。この例では、図5に示したネットN101とネットN102が選択される。
【0024】
ステップS104では、特定されたネットN101,N102の配線を再配線層配線部とパッケージ基板配線部の両方とも引き剥がす。図6に、配線が引き剥がされた様子を示す。
【0025】
ステップS105では、特定されたネットN101,N102のボンディングワイヤ割り当てを変更する。図7では、ネットN101とネットN102に対応するボンディングワイヤ50のネット割り当てがスワップされている。
【0026】
ステップS106では、特定されたネットを再配線層配線部とパッケージ基板配線部の両方とも配線する。即ち、再配線層配線部とパッケージ基板配線部の配線を同時に最適化する。このときの配線結果を、図8に示す。
【0027】
ステップS107では、S104〜S106で行った配線の修正を受け入れるか否かを判断する。受け入れるならばS109に、そうでなければS108に進む。
【0028】
この例では、図4に存在していたDRCエラーが図8で解消されているので、改善されたとして修正を受け入れる。もし、DRCエラーが増加して、修正の結果が改悪された場合には、修正を受け入れず、ステップS108によって、修正前の状態に戻す。
【0029】
ステップS109では、処理を終了するかどうか判断する。終了しない場合は、ステップS101で別のDRCエラーを選択してステップS101〜ステップS109までの処理を繰り返す。
【0030】
以上のような手順を踏むと、再配線層配線部とパッケージ基板配線部を同時に最適化することができ、従来技術よりも質の良い配線結果を得ることができる。
【0031】
このように本実施形態によれば、SiPの配線設計工程において、DRCエラーが生じたネットに関して、パッケージ基板配線部と再配線層配線部の各配線を同時に最適化することにより、個別に最適化するよりも質の良い配線結果を得ることができる。
【0032】
即ち、基本的にはパッケージ基板配線部と再配線層配線部の各々に適したアルゴリズムで配線を最適化することにより効率良い配線設計を行うことができる。これに加えて、DRCエラーが生じた部分に関しては、パッケージ基板配線部と再配線層配線部を同時に最適化することにより、個別に最適化するよりもDRCエラーを減らして質の良い配線結果を得ることができる。即ち、効率良い配線設計を行いつつ質の良い配線結果を得ることが可能となる。
【0033】
本実施形態の配線設計方法は、個別のハードウェア構成で実施することもできるが、プログラムによって動作するコンピュータを用いて実施することもできる。
【0034】
図9は、本発明の第1の実施形態に使用したコンピュータ制御によるSiPの配線設計装置を示すブロック図である。
【0035】
この装置は、各種処理を行うための演算処理装置(CPU)60、入出力部70、記憶部80から構成されている。
【0036】
CPU60は、DRCエラーを選択するためのデザインルール違反選択モジュール61、選択されたDRCエラーに関係するネットを特定するためのネット特定モジュール62、特定されたネットの再配線層配線部の配線を引き剥がすための再配線層配線部配線引き剥がしモジュール63、特定されたネットのパッケージ基板配線部の配線を引き剥がすためのパッケージ基板配線部配線引き剥がしモジュール64、特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更するためのボンディングワイヤネット割当変更モジュール65、再配線層配線部で特定されたネットを再配線するための再配線層配線部配線モジュール66、パッケージ基板配線部で特定されたネットを再配線するためのパッケージ基板配線部配線モジュール67、配線の修正を受け入れるかどうか判断するための修正受け入れ判定モジュール68から構成されている。
【0037】
入出力部70としては、キーボード等の入力装置71、ディスプレイ等の表示装置72、プリンタ等の出力装置73、及び入出力制御部74が設けられている。記憶部80としては、画像データを記憶するためのデータ記憶装置81とプログラムを記憶するためのプログラム記憶装置82が設けられている。これらの記憶装置81,82としては、磁気ディスクや光ディスク、更には半導体メモリ等を用いることができる。
【0038】
図9の装置は、CPU60によりデータ記憶装置81からSiPの配線部分の画像データを読み込み、プログラム記憶装置82から配線設計プログラムを読み込み、CPU60の各モジュール61〜68でプログラムに従った動作を行うことにより、前記図3に示すフローチャートをコンピュータ制御の下に実施することができる。配線結果は、表示装置72,出力装置73に出力することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
パッケージ基板の配線工程は、まずビアの概略位置を決定し、その後に概略配線及び詳細配線を行うのが一般的である。先に説明した第1の実施形態のパッケージ基板配線部の再配線では、詳細配線を引き剥がし再配線するだけであるが、ビアの概略位置が変わらなければ、改善の効果も限定的である。
【0040】
そこで本実施形態では、第1の実施形態のステップS104で引き剥がすネットを、パッケージ基板配線部については、全てのネットの配線とし、第1の実施形態のステップS106によるパッケージ基板配線部の配線については、ビアの概略位置の決定からやり直す。
【0041】
図10は、本実施形態に係わる配線設計を説明するためのフローチャートである。以下、図11〜図15を用いてフローチャートの各ステップを説明する。
【0042】
第1の実施形態との違いは、ステップS204において、パッケージ基板配線部の全ネットを引き剥がすことと、ステップS206において、パッケージ基板配線部の配線をビアの概略位置の決定からやり直すことである。
【0043】
具体的には、ステップS201では、DRCエラーを検出し、DRCエラーが存在する場合はDRCエラーを一つ選択する。図11には、パッケージ基板配線部にDRCエラー17が一つ存在しており、これが選択されたとする。
【0044】
ステップS202では、DRCエラーが選択されたか否かを判定する。DRCが選択されなかった場合には、処理を終了する。そうでなければ、ステップS203に進む。
【0045】
ステップS203では、選択されたDRCエラーに関係するネットを特定する。この例では、図12に示したネットN201とネットN202が選択される。
【0046】
ステップS204では、再配線層配線部の特定されたネットの配線とパッケージ基板配線部の全ネットの配線を引き剥がす。図13に、配線が引き剥がされた様子を示す。
【0047】
ステップS205では、特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する。図14では、ネットN201とネットN202に対応するボンディングワイヤのネット割り当てがスワップされている。
【0048】
ステップS206では、再配線層配線部では特定されたネットを配線し、パッケージ基板配線部の全ネットを配線する。このとき、ビアの概略位置をやり直す。配線結果を、図15に示す。
【0049】
ステップS207では、S204〜S206で行った配線の修正を受け入れるか否かを判断する。受け入れるならばS209に、そうでなければS208に進む。
【0050】
本実施形態の例では、図11に存在していたDRCエラーが図15で解消されているので、改善されたとして修正を受け入れる。もし、DRCエラーが増加して、修正の結果が改悪された場合には、修正を受け入れず、ステップS208によって、修正前の状態に戻す。
【0051】
ステップS209では、処理を終了するかどうか判断する。終了しない場合は、ステップS201で別のDRCエラーを選択してステップS201〜ステップS209までの処理を繰り返す。
【0052】
以上のような手順を踏むと、再配線層配線部とパッケージ基板配線部を同時に最適化することができ、従来技術よりも質の良い配線結果を得ることができる。
【0053】
このように本実施形態によれば、特定されたネットの配線を引き剥がすだけではなく、特定されたネットのビアの位置も再配置しているため、第1の実施形態よりは処理時間がかかるものの、第1の実施形態よりも大きな改善効果が期待できる。
【0054】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、2つのLSIチップを積層した例で説明したが、3つ以上のLSIチップを積層した構成にも適用することが可能である。
【0055】
また、パッケージ基板配線と再配線層配線の配線設計に限るものではなく、ボンディングワイヤにより相互に接続される第1配線部分及び第2配線部分の配線設計に適用することができる。例えば、パッケージ基板上の異なる位置に配置されたLSIチップ間をボンディングワイヤで接続する際の配線設計に適用することができる。
【0056】
また、本発明を実施するための装置は前記図9に何ら限定されるものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。さらに、必ずしもコンピュータによって実現する必要はなく、図3に示した各々のステップを実施する個別のハードウェア構成で実現することも可能である。
【0057】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1の実施形態に係わるSiPにおける配線の様子を示す平面図。
【図2】第1の実施形態に係わるSiPにおける配線の様子を示す断面図。
【図3】第1の実施形態に係わる配線設計方法を説明するためのフローチャート。
【図4】第1の実施形態が適用される配線問題の例を示す平面図。
【図5】第1の実施形態において、DRCエラーに関するネットが特定された様子を示す平面図。
【図6】第1の実施形態において、特定されたネットが引き剥がされた様子を示す平面図。
【図7】第1の実施形態において、特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てが変更された様子を示す平面図。
【図8】第1の実施形態において、特定されたネットが再配線された様子を示す平面図。
【図9】第1の実施形態に係わるSiPの配線設計装置の概略構成を示すブロック図。
【図10】第2の実施形態に係わる配線設計方法を説明するためのフローチャート。
【図11】第2の実施形態が適用される配線問題の例を示す平面図。
【図12】第2の実施形態において、DRCエラーに関するネットが特定された様子を示す平面図。
【図13】第2の実施形態において、特定されたネットが引き剥がされた様子を示す平面図。
【図14】第2の実施形態において、特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てが変更された様子を示す平面図。
【図15】第2の実施形態において、特定されたネットが再配線された様子を示す平面図。
【符号の説明】
【0059】
10…パッケージ基板
11…ボンディングフィンガー
12…パッケージ基板配線
13…半田ボール
20…第1のLSIチップ(下チップ)
30…再配線層
31…再配線層配線
33…ボンディングパッド
40…第2のLSIチップ(上チップ)
41…バンプ
50…ボンディングワイヤ
60…演算処理装置(CPU)
61…デザインルール違反選択モジュール
62…ネット特定モジュール
63…再配線層配線部配線引き剥がしモジュール
64…パッケージ基板配線部配線引き剥がしモジュール
65…ボンディングワイヤネット割当変更モジュール
66…再配線層配線部配線モジュール
67…パッケージ基板配線部配線モジュール
68…修正受け入れ判定モジュール
70…入出力部
71…入力装置
72…表示装置
73…出力装置
74…入出力制御部
80…記憶部
81…データ記憶装置
82…プログラム記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する工程と、
前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する工程と、
前記特定されたネットの配線を引き剥がす工程と、
前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する工程と、
前記引き剥がし及び前記割り当て変更の各工程の後に、前記特定されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する工程と、
前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する工程と、
を含むことを特徴とする配線設計方法。
【請求項2】
パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する工程と、
前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する工程と、
前記第1配線部分及び第2配線部分のうちの一方の前記特定されたネットの配線と他方の全ネットの配線を引き剥がす工程と、
前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する工程と、
前記特定されたネットのビア位置を再決定する工程と、
前記引き剥がし,割り当て変更,及びビア位置再決定の各工程の後に、前記第1配線部分及び第2配線部分のうちの一方の前記特定されたネットと他方の全ネットをDRCエラーが生じないように再配線する工程と、
前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する工程と、
を含むことを特徴とする配線設計方法。
【請求項3】
パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する手段と、
前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する手段と、
前記特定されたネットの配線を引き剥がす手段と、
前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する手段と、
前記配線の引き剥がし及び前記ボンディングワイヤの割り当て変更が成されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する手段と、
前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する手段と、
を具備してなることを特徴とする配線設計装置。
【請求項4】
パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する手段と、
前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する手段と、
前記第1配線部分及び第2配線部分のうちの一方の前記特定されたネットの配線と他方の全ネットの配線を引き剥がす手段と、
前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する手段と、
前記特定されたネットのビア位置を再決定する手段と、
前記配線の引き剥がしが成されたネットに対し、DRCエラーが生じないように再配線する手段と、
前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する手段と、
を具備してなることを特徴とする配線設計装置。
【請求項5】
パッケージ基板上にLSIチップが積層され、ボンディングワイヤにより相互接続される第1配線部分及び第2配線部分を有するSiPに対し、コンピュータ制御によって各々の配線部分の配線を最適化するための、コンピュータ読み取り可能な配線設計プログラムであって、
前記第1配線部分又は第2配線部分のDRCエラーの有無を判定し、DRCエラーが有る場合に該エラーを選択する手順と、
前記選択されたDRCエラーに関する複数のネットを特定する手順と、
前記特定されたネットの配線を引き剥がす手順と、
前記特定されたネットのボンディングワイヤ割り当てを変更する手順と、
前記引き剥がし及び前記割り当て変更の各手順の後に、前記特定されたネットをDRCエラーが生じないように再配線する手順と、
前記再配線の結果を受け入れるか否かを判断する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする配線設計プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−102401(P2010−102401A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271227(P2008−271227)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】