説明

閉じ込め式化学表面処理のための方法及び装置

【課題】閉じ込め式化学表面処理のための方法及び装置
【解決手段】プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置、システム、及び方法は、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することを含む。非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定する。非ニュートン流体を提供された1つまたは2つ以上のサイドは、ヘッド表面と基板の表面との間の基板上に処理領域を画定する。閉じ込め壁によって画定される処理領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に、プロキシミティヘッドを通してニュートン流体が塗布される。閉じ込められているニュートン流体は、基板の表面から1種または2種以上の汚染物質を実質的に除去するのに役立つ。一例では、非ニュートン流体は、雰囲気制御された隔離領域を形成するために使用されてもよく、これは、領域内における制御式の表面処理を助けることができる。別の例では、ニュートン流体の代わりに第2の非ニュートン流体が処理領域に塗布される。第2の非ニュートン流体は、基板の表面上の1種または2種以上の汚染物質に作用し、それらを基板の表面から実質的に除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体基板処理に関するものであり、より具体的には、製造工程中に半導体基板の表面からパーティクルを除去するための閉じ込め式化学表面処理のためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセス中、基板の表面は、様々な化学剤に曝され続ける。様々な製造プロセス工程に使用される化学剤は、基板の表面に形成される1種または2種以上の汚染物質のソースになりえる。これらの汚染物質は、微粒子として基板の表面に堆積し、汚染物質パーティクル付近の素子及び特徴に損傷を及ぼす傾向がある。したがって、特徴及び素子に損傷を及ぼすことなく適時に、かつ効率的に基板の表面から汚染物質を排除する必要がある。
【0003】
従来の基板洗浄方法は、基板表面から微粒子汚染を除去するために、機械的力または化学剤のいずれかに依存してきた。素子及び特徴が小サイズ化を続け、より脆弱になるにつれ、洗浄方法で印加される機械的力がこれらの特徴及び素子に損傷を及ぼす可能性が高まっている。化学剤を使用した汚染除去には、別の困難があることがわかっている。化学剤の塗布及び除去は、(なかでもとりわけ)乾燥非制御の問題を引き起こし、これは、ウォータマーク及びその他の欠陥を表面上に形成させる原因になる。また、従来の洗浄方法では、洗浄工程中に、処理領域内に実質的に無酸素のまたは低酸素の環境を提供することができなかった。洗浄中に処理領域内に酸素が存在すると、処理領域に相互接続等の特徴を形成するために使用される銅及びその他の金属が酸化され、これらの相互接続によって接続される特徴及び素子を動作不能にする可能性がある。したがって、製造中に汚染物質を効率的に、かつ無害に除去するための努力がなされ続けている。
【0004】
以上から、基板の表面から汚染物質を除去するために、より効果的で、かつ低研磨性の洗浄技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、基板の表面から汚染物質を効率的に除去するための改良された方法及び装置を提供することによって、上記のニーズを満たすものである。本発明は、装置及び方法を含む数々のかたちで実現可能であることがわかる。発明力のある本発明の幾つかの実施形態が、以下で説明される。
【0006】
1つの実施形態では、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法が開示される。方法は、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することを含む。非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定する。非ニュートン流体を提供された1つまたは2つ以上のサイドは、ヘッド表面と基板の表面との間の基板上に処理領域を画定する。閉じ込め壁によって画定される処理領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に、プロキシミティヘッドを通してニュートン流体が塗布される。ニュートン流体は、基板の表面から1種または2種以上の汚染物質を実質的に除去するのに役立つ。
【0007】
別の実施形態では、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法が開示される。方法は、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に第1の非ニュートン流体を塗布することを含む。第1の非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定する。第1の非ニュートン流体を提供された1つまたは2つ以上のサイドは、ヘッド表面と基板の表面との間の基板上に処理領域を画定する。閉じ込め壁によって画定される処理領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に、プロキシミティヘッドを通して第1の非ニュートン流体と異なる第2の非ニュートン流体が塗布される。第2の非ニュートン流体は、基板の表面から1種または2種以上の汚染物質を実質的に除去するのに役立つ。
【0008】
別の実施形態では、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法が開示される。方法は、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することを含む。非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定する。非ニュートン流体を提供された1つまたは2つ以上のサイドは、ヘッド表面と基板の表面との間の基板上に処理領域を画定する。閉じ込め壁によって画定される処理領域内の第1の小領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に、プロキシミティヘッドを通して第1のニュートン流体が塗布される。閉じ込め壁によって画定される処理領域内の第2の小領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に、プロキシミティヘッドを通して第1のニュートン流体と異なる第2のニュートン流体が塗布される。第1及び第2のニュートン流体は、処理領域に覆われている基板の表面に形成される1種または2種以上の汚染物質に作用し、それらを実質的に除去する。
【0009】
別の実施形態では、処理領域を画定する閉じ込め壁を形成するように、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に第1の非ニュートン流体が塗布され、処理領域の第1及び第2の領域内に第2及び第3の非ニュートン流体が塗布される。第2及び第3の非ニュートン流体は、互いと異なり、なおかつ第1の非ニュートン流体と異なる。第2の及び第3の非ニュートン流体は、処理領域に覆われている基板の表面に形成される1種または2種以上の汚染物質に作用し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0010】
別の実施形態では、処理領域を画定する閉じ込め壁を形成するように、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に第1の非ニュートン流体が塗布される。処理領域の第1及び第2の小領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に第2の非ニュートン流体及びニュートン流体が塗布される。処理領域内のニュートン流体及び第2の非ニュートン流体は、処理領域に覆われている基板の表面に形成される1種または2種以上の汚染物質に作用し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0011】
別の実施形態では、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法が開示される。方法は、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することを含む。非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定する。非ニュートン流体を提供された1つまたは2つ以上のサイドは、閉じ込め壁によって外部の非制御雰囲気条件から実質的に隔離される処理領域を、ヘッド表面と基板の表面との間の基板上に画定する。処理領域を占領して既存のガス及び化学剤に実質的に置き換わるように、プロキシミティヘッドを通して処理領域に不活性ガスが供給される。処理領域内への不活性ガスの供給は、更なる製造を促進するために、処理領域内に十分に低酸素のまたは無酸素の環境を提供する。
【0012】
更に別の実施形態では、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置が開示される。装置は、面に沿って基板を受け止め及び保持するための基板サポートデバイスと、非ニュートン流体及びニュートン流体を供給するためのプロキシミティヘッドとを含む。プロキシミティヘッドは、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布するための非ニュートン流体アプリケータを含む。塗布される非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定する。非ニュートン流体を提供された1つまたは2つ以上のサイドは、ヘッド表面と基板の表面との間の基板上に処理領域を画定する。プロキシミティヘッドは、更に、画定される閉じ込め壁ゆえに処理領域内に実質的に閉じ込められるように基板の表面にニュートン流体を塗布するためのニュートン流体アプリケータを含む。ニュートン流体は、処理領域によって覆われている基板の表面に形成される汚染物質に作用し、それらを実質的に除去する。
【0013】
上述された装置の別の実施形態では、閉じ込め壁によって画定される処理領域に第2の非ニュートン流体を塗布するために、第2の非ニュートン流体アプリケータが使用される。第2の非ニュートン流体は、処理領域内に実質的に閉じ込められ、基板の表面に形成される汚染物質に作用し、それらを実質的に除去する。
【0014】
本発明を例として示した添付の図面に関連させた以下の詳細な説明から、本発明のその他の態様および利点が明らかになる。
【0015】
本発明は、添付の図面に関連させた以下の詳細な説明を参照することによって容易に理解可能である。これらの図面は、本発明を好ましい実施形態に限定すると捉えられるべきでなく、説明及び理解を目的としているにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の1つの実施形態における、非ニュートン流体及びニュートン流体を塗布するプロキシミティヘッドを図示した簡略ブロック図である。
【0017】
【図2】基板の表面に非ニュートン流体及びニュートン流体を塗布するためにプロキシミティヘッドを使用する別の実施形態の概略側面図である。
【0018】
【図3A】基板の表面に塗布されるニュートン流体の相対的動きを図示した概略図である。
【0019】
【図3B】図3Aに図示されるものと別の実施形態の図である。
【0020】
【図3C】図3A及び図3Bに図示されるものと別の実施形態の図である。
【0021】
【図3D】図3Cに図示されるものと別の実施形態の図である。
【0022】
【図4】本発明の1つの実施形態における、基板の表面に非ニュートン流体及びニュートン流体を塗布するのに使用されるデュアルプロキシミティヘッドの簡略概略図である。
【0023】
【図5】本発明の1つの実施形態における、基板の表面に非ニュートン流体及び2つの異なる種類のニュートン流体を塗布するのに使用されるプロキシミティヘッドの簡略概略図である。
【0024】
【図6A】本発明の1つの実施形態における、図5に図示されるように基板の表面に非ニュートン流体及び2つの異なる種類のニュートン流体を塗布することを図示した図である。
【0025】
【図6B】図6Aに図示されるものと別の実施形態の図である。
【0026】
【図6C】図6A及び図6Bに図示されるものと別の実施形態の図である。
【0027】
【図7】本発明の1つの実施形態における、基板の表面に閉じ込め式化学表面処理を提供するのにともなう様々な工程を図示した図である。
【0028】
【図8A】本発明の1つの実施形態にける、図3Aに図示されるものと別の実施形態の図である。
【図8B】本発明の1つの実施形態にける、図3Aに図示されるものと別の実施形態の図である。
【図8C】本発明の1つの実施形態にける、図3Aに図示されるものと別の実施形態の図である。
【図8D】本発明の1つの実施形態にける、図3Aに図示されるものと別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
基板の表面から汚染物質を効果的に除去するための幾つかの実施形態について説明される。しかしながら、当業者ならば、本発明がこれらの具体的詳細の一部または全部をともなわずとも実施可能であることが明白である。また、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス工程についての詳細な説明は省かれている。
【0030】
基板上に形成される特徴及びその結果得られる例えばマイクロチップ等の半導体製品の品質及び機能性を維持するには、基板の表面から汚染物質を効果的に除去することが重要である。本発明の1つの実施形態では、汚染物質は、概して洗浄化学剤、脱イオン水、または流体混合等であるニュートン流体を、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面に塗布することによって除去される。本明細書で説明されるように、ニュートン流体は、その粘度が流体に作用するせん断応力ではなく温度及び圧力(及び化学組成)に依存する流体である。ニュートン流体は、ニュートンの粘性法則の定義にしたがう。
【0031】
非ニュートン流体及びニュートン流体に関する更なる情報については、2005年6月30日出願の米国出願番号第11/174,080号「METHOD FOR REMOVING MATERIAL FROM SEMICONDUCTOR WAFER AND APPARATUS FOR PERFORMING THE SAME(半導体ウエハから材料を除去するための方法、及びそれを実施するための装置)」を参照するとよい。この特許出願は、本出願の譲受人であるラムリサーチコーポレーション(原語表記:Lam Research Corporation)に譲渡されている。
【0032】
本明細書で説明されるように、プロキシミティヘッドは、基板の表面に密接して配置されたときに、処理対象である基板の表面に正確な量の流体を送達するとともにその表面から流体を除去することができる基板処理装置である。一例では、プロキシミティヘッドは、ヘッド表面を有し、該ヘッド表面は、基板の表面に実質的に平行に配置される。ヘッド表面と基板の表面との間には、メニスカスが形成される。プロキシミティヘッドは、複数の流体を送達するように構成されてもよく、送達される複数の流体を除去するための真空ポートをともなうように構成される。
【0033】
本明細書で使用される「メニスカス」とは、プロキシミティヘッドのヘッド表面と基板の表面との間で一部には化学剤の表面張力によって境界をつけられなおかつ閉じ込められる一定量の化学剤を指すものとする。このようにして形成されるメニスカスは、閉じ込められた形状で表面伝いに移動されてよく、汚染物質、微粒子、または不要な材料を基板の表面から除去するために使用される。更に、メニスカスの形状は、計算システムを更に含みえる正確な流体送達システム及び流体除去システムによって制御することができる。メニスカスの形成及び基板の表面へのその塗布に関する更なる情報については、本出願の譲受人であるラムリサーチコーポレーション(原語表記:Lam Research Corporation)にそれぞれ譲渡されている(1)2003年9月9日発行の米国特許第6,616,772号「METHODS FOR WAFER PROXIMITY CLEANING AND DRYING(ウエハのプロキシミティ洗浄及び乾燥のための方法)」、(2)2002年12月24日出願の米国特許出願第10/330,843号「MENISCUS, VACUUM, IPA VAPOR, DRYING MANIFOLD(メニスカス、真空、IPA蒸気、乾燥マニホールド)」、(3)2005年1月24日発行の米国特許第6,988,327号「METHODS AND SYSTEMS FOR PROCESSING A SUBSTRATE USING A DYNAMIC LIQUID MENISCUS(動的液体メニスカスを使用して基板を処理するための方法及びシステム)」、(4)2005年1月24日発行の米国特許第6,988,326号「PHOBIC BARRIER MENISCUS SEPARATION AND CONTAINMENT(非親和性バリアによるメニスカスの隔離及び閉じ込め)」、並びに(5)2002年12月3日発行の米国特許第6,488,040号「CAPILLARY PROXIMITY HEADS FOR SINGLE WAFER CLEANING AND DRYING(枚葉式ウエハ洗浄及び乾燥のためのキャピラリプロキシミティヘッド)」を参照するとよい。
【0034】
メニスカスへの流体の送達及び除去を制御することによって、メニスカスを制御して基板の表面伝いに移動させることができる。処理期間中、一部の実施形態では、プロキシミティヘッドを静止させた状態で基板を移動させることができ、その他の実施形態では、プロキシミティヘッドを移動させ、基板を静止させたままにする。更に、完全さを期するには、処理があらゆる向きで生じえることを理解することが望ましく、したがって、メニスカスは、水平でない表面(例えば垂直または斜めに保持された基板)に塗布することができる。
【0035】
プロキシミティヘッドに関する更なる情報については、2003年9月9日発行の米国特許第6,616,772号「METHODS FOR WAFER PROXIMITY CLEANING AND DRYING(ウエハのプロキシミティ洗浄及び乾燥のための方法)」を参照するとよい。この米国特許出願は、本出願の譲受人であるラムリサーチコーポレーション(原語表記:Lam Research Corporation)に譲渡されている。
【0036】
上部及び底部のメニスカスに関する更なる情報については、2002年12月24日出願の米国特許出願第10/330,843号「MENISCUS, VACUUM, IPA VAPOR, DRYING MANIFOLD(メニスカス、真空、IPA蒸気、乾燥マニホールド)」に開示されるような代表的なメニスカスを参照するとよい。この米国特許出願は、本出願の譲受人であるラムリサーチコーポレーション(原語表記:Lam Research Corporation)に譲渡されている。
【0037】
1つの実施形態では、プロキシミティヘッドは、先ず、基板の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布するために使用される。本明細書で説明されるように、非ニュートン流体は、作用するせん断応力に応じて粘度を変化させる流体である。非ニュートン流体は、ニュートンの粘性法則にしたがわない。せん断応力は、せん断速度の非線形関数である。せん断速度とともに見かけ粘度がどのように変化するかによって、非ニュートン流体の流動挙動もまた変化する。非ニュートン流体の一例は、固体と液体との中間を占める柔らかい凝縮物質である。柔らかい凝縮物質は、外部応力によって容易に変形可能であり、例として、エマルション、ゲル、コロイド、泡等を挙げられる。本明細書で使用されるエマルションとは、例えば歯磨き粉、マヨネーズ、水中油等の非混和液の混合である。
【0038】
非ニュートン流体に関する更なる情報については、2005年6月15日出願の米国特許出願第11/153,957号「METHOD AND APPARATUS FOR CLEANING A SUBSTRATE USING NON-NEWTONIAN FLUIDS(非ニュートン流体を使用して基板を洗浄するための方法及び装置)」並びに2005年6月15日出願の米国特許出願第11/154,129号「METHOD AND APPARATUS FOR TRANSPORTING A SUBSTRATE USING NON-NEWTONIAN FLUID(非ニュートン流体を使用して基板を運ぶための方法及び装置)」を参照するとよい。これらの特許出願は、本出願の譲受人であるラムリサーチコーポレーション(原語表記:Lam Research Corporation)に譲渡されている。
【0039】
非ニュートン流体は、ヘッド表面と基板の表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁(壁)を画定する。閉じ込め壁の1つまたは2つ以上のサイドは、基板上に処理領域を画定する。次いで、閉じ込め壁によって画定される処理領域内に実質的に閉じ込められるように、基板の表面に、プロキシミティヘッドを通してニュートン流体のメニスカスが塗布される。ニュートン流体は、処理領域内で非ニュートン流体による閉じ込め壁内をニュートン流体が流れるときに基板の表面から汚染物質を実質的に除去することを助ける化学剤を含む。
【0040】
非ニュートン流体によって形成される閉じ込め壁の目的は、二重である。第1に、閉じ込め壁は、処理領域内のニュートン流体が流出するのを実質的に阻止することによってニュートン流体の使用を節約するバリア即ち界面として機能する。また、これらのニュートン流体のなかには、特定の有害性を有するゆえに取り扱い及び処分に注意を要するものがある。閉じ込め壁を用いてニュートン流体を制御することによって、基板の表面からの汚染物質の安全で、かつ効率的な除去を促進しつつ、消費されるニュートン流体の量を少なく抑えられる。第2に、閉じ込め壁は、雰囲気環境からの、空気、酸素、窒素等のその他のあらゆる外部化学剤及び汚染物質が処理領域に流入するのを阻止することによって、高濃度で、かつ汚染されていないニュートン流体を基板の表面に直接塗布することを可能にするバリアとして機能する。ニュートン流体の制御式塗布は、基板の表面からの効率的で、かつ効果的な汚染物質の除去を可能にする。ニュートン流体は、汚染物質の除去のために基板の表面に塗布される実質的に無酸素または低酸素の化学剤であってよい。非ニュートン流体を用いて閉じ込め壁を提供することによって、実質的に無酸素または低酸素の化学処理領域を実現することができる。
【0041】
1つの実施形態において、もし処理領域内に酸素が存在すると、その酸素が半導体基板の層と反応し、誘電率の増大、後続層の接着特性の劣化、及び製造プロセスに使用される半導体材料の性質のその他の重大な変化を生じる可能性がある。無酸素または低酸素の化学処理領域は、処理領域内における金属特徴の酸化を阻止することによって、特徴の機能性を向上させる。
【0042】
図1は、ニュートン流体が非ニュートン流体による1枚または2枚以上の閉じ込め壁140内に閉じ込められるように基板110の表面115に非ニュートン流体とニュートン流体のメニスカスとを塗布するプロキシミティヘッド130の簡略概略図である。図に示されるように、本発明の1つの実施形態では、ピン122を使用して、キャリア120の上に基板110が受け止められる。ピン122は、キャリアから伸びて、基板110を完全に受け止め及び保持することができる凹み領域を画定する。1つの実施形態では、ピンは、基板の110の外縁に沿ったエッジ除外領域113のみに接触する。キャリア120及びピン122は、基板110を洗浄または前処理するために塗布される化学剤と反応しないように、化学的に不活性な材料で作成される、またはそのような材料でコーティングされる。プロキシミティヘッド130を使用して、非ニュートン流体101が塗布される。非ニュートン流体101は、1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁140を形成する。閉じ込め壁140は、基板110の上に処理領域を画定する。この実施形態では、非ニュートン流体101は、2つの相対するサイドに沿って形成され、それらの2つの相対するサイドに沿って閉じ込め壁140を形成して間に通路を囲い込む。
【0043】
閉じ込め壁140間に囲われた通路は、処理領域を画定する。この処理領域は、基板110の表面115にあてがわれたときに、基板110の表面115の一部分または基板110の表面115の全体のいずれかを占めることができる。次いで、非ニュートン流体101によって形成される処理領域を画定する通路内に閉じ込められるように、プロキシミティヘッド130を通してニュートン流体102が塗布される。処理領域内に閉じ込められたニュートン流体102は、基板110の表面115に塗布されたときに、基板110の表面115を順次スキャンして基板110の表面115全体を処理することができる。ニュートン流体102は、処理領域内に閉じ込められたニュートン流体102に汚染物質が曝されたときにそれらの汚染物質を基板110の表面115から除去するのに役立つ。
【0044】
図2は、基板110の表面115に非ニュートン流体101及びニュートン流体102を塗布するために使用されるシングルプロキシミティヘッドの概略図を示している。図に示されるように、キャリア120のピン122の上に、エッジ除外領域113を有する基板110が受け止められる。非ニュートン流体101のメニスカス及びニュートン流体102を塗布するのに、プロキシミティヘッド130が使用される。この実施形態では、非ニュートン流体101は、基板110の表面115とプロキシミティヘッド130のヘッド表面との間で基板の縁の一部分に沿って閉じ込め壁140が形成されるように、プロキシミティヘッド130を通してエッジ除外領域113の付近に非ニュートン流体101が塗布される。この実施形態ではエッジ除外領域113に非ニュートン流体101が塗布されているが、非ニュートン流体(NNF)101はこの領域に限定されず、基板110の表面115の任意の部分に塗布することができる。閉じ込め壁140は、基板110の表面115の上に処理領域205を画定する。この実施形態では、閉じ込め壁140は、1対の壁140で形成されて(または壁で取り囲まれて)、処理領域205のための通路を画定する。基板110の表面115に、プロキシミティヘッド130を通してニュートン流体102が塗布される。
【0045】
ニュートン流体102は、閉じ込め壁140によって画定される処理領域205内に閉じ込められるように塗布される。通路は、非ニュートン流体101によって形成される閉じ込め壁140間をニュートン流体102が流れることを可能にする。閉じ込め壁140間を流れるニュートン流体102は、基板110の上に形成される特徴の機能性を維持しつつ1種または2種以上の汚染物質を除去するのに役立つ。閉じ込め壁140内へのニュートン流体102の閉じ込めは、基板110の表面115から汚染物質を効果的に除去しつつニュートン流体102の消費量を抑えるのに有用である。
【0046】
非ニュートン流体101によって形成される閉じ込め壁140の厚さは、基板の表面に塗布されるニュートン流体102の1つまたは2つ以上の特性に基づいて変えることができる。非ニュートン流体101の厚さに影響を及ぼしえるニュートン流体102の特性の一部として、粘度、温度、ニュートン流体102によって及ぼされる圧力、ニュートン流体の化学的性質等が挙げられる。
【0047】
上記のように、非ニュートン流体101は、作用するせん断力に応じて粘度を変化させる流体である。非ニュートン流体101の一例は、固体と液体との中間を占める柔らかい凝縮物質である。柔らかい凝縮物質は、外部応力によって容易に変形可能であり、例として、エマルション、ゲル、コロイド、泡等が挙げられる。エマルションは、例えば歯磨き粉、マヨネーズ、水中油等の非混和液の混合であることがわかる。コロイドは、水中に分散したポリマであり、一例としてゼラチンが挙げられる。泡は、液体マトリックス内に形成される気泡であり、一例として髭剃りクリームが挙げられる。
【0048】
基板の表面に塗布される非ニュートン流体101は、ニュートン流体101に対して実質的に非混和であるように選択される。非ニュートン流体101は、固体成分、液体成分、及び気体成分を含む非水溶性の三状態化合物であってよい。固体成分は、1つの実施形態では脂肪酸である。脂肪酸は、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、エルカ酸(erucic adic)、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ミリスチン酸、マルガリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸(lignoceric acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ネルボン酸(nervonic acid)、パリナリン酸、ティムノドン酸、ブラシジン酸(brassidic acid)、クルパノドン酸、リグノセリン酸、またはセロチン酸のうちの1つによって定められる。
【0049】
気体成分は、容量にして三状態化合物の5%〜99.9%を占めるように定められる。別の実施形態では、気体部分は、三状態体の約15〜40%を占めることができ、更に別の実施形態では、気体部分は、三状態体の約20〜30%を占めることができる。気体部分を定める1種または2種以上の気体は、例えば窒素(N2 )、アルゴン(Ar)等のような不活性、または例えば酸素(O2 )、オゾン(O3 )、過酸化水素(H22)、空気、水素(H2 )、アンモニア(HN3 )、フッ化水素(HF)、塩酸(HCl)等のような反応性のいずれかであってよい。1つの実施形態では、ガス部分は、例えば窒素(N2 )のように一種類のガスのみを含む。別の実施形態では、ガス部分は、オゾン(O3 )と酸素(O2)と二酸化炭素(CO2 )と塩酸(HCl)とフッ化水素酸(HF)と窒素(N2 )とアルゴン(Ar)、またはオゾン(O3 )と窒素(N2 )、またはオゾン(O3 )とアルゴン(Ar)、またはオゾン(O3)と酸素(O2 )と窒素(N2 )、またはオゾン(O3 )と酸素(O2 )とアルゴン(Ar)、またはオゾン(O3 )と酸素(O2 )と窒素(N2 )とアルゴン(Ar)、または酸素(O2 )とアルゴン(Ar)と窒素(N2 )のように、様々な種類のガスの混合を含むガス混合である。ガス部分は、結果得られるガス混合が、液体部分及び固体部分と組み合わさって、基板洗浄工程または基板前処理工程に用いられる三状態化合物を形成できる限り、基本的に、任意の種類のガスの組み合わせを含むことができる。
【0050】
連続媒質である液体成分は、脱イオン水、炭化水素、塩基流体、フッ化水素酸(HF)溶液、アンモニアベースの溶液、または脱イオン水と化学剤との混合のうちの1つである。
【0051】
二状態化合物は、固体成分と液体成分とを含むものである。三状態化合物等に関する更なる情報については、本譲受人に譲渡された2005年12月30日出願の仮特許出願第60/755,377号を参照するとよい。
【0052】
図3A及び図3Bは、基板の表面に非ニュートン流体101及びニュートン流体102を塗布するプロキシミティヘッドと、基板の動きに対するプロキシミティヘッドの相対的動きとについて、別の実施形態を図示している。図3Aに見られるように、基板110の表面115とプロキシミティヘッド130のヘッド表面との間で基板110の表面に塗布される非ニュートン流体101は、2つのサイドに沿って閉じ込め壁140を形成する。2つのサイドの閉じ込め壁140によって画定される処理領域は、更に、プロキシミティヘッドを通して塗布されるニュートン流体102を受け入れるための通路を画定する。
【0053】
1つの実施形態では、ニュートン流体102は、通路の一方の端点に向かって通路内を流れるように、通路のもう一方の端点に塗布することができる。別の実施形態では、ニュートン流体102は、通路の中心から処理領域の外端に向かって流れるように、通路の中心に塗布される。ニュートン流体102は、処理領域に曝されている基板の表面の上の汚染物質と反応し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0054】
図3Bは、図3Aのヴァリエーションを示している。図3Bに示される実施形態では、非ニュートン流体101は、3つのサイドに沿って閉じ込め壁140を形成するように、基板110の表面115とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間に塗布される。この実施形態では、閉じ込め壁140によって画定される処理領域は、プロキシミティヘッドを通して塗布されるニュートン流体102が図3Bに示されるように非ニュートン流体101による閉じ込め壁140から遠ざかる方向に処理領域内を流れるように、そのニュートン流体102を受け取る。ニュートン流体102は、処理領域に覆われている基板110の表面115の上の汚染物質と反応し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0055】
図3C及び図3Dは、図3A及び図3Bに示されるものと別の実施形態を示している。図3Cに示される実施形態では、基板110のエッジ除外領域に沿って閉じ込め壁140が形成されるように、基板110の表面115とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間でエッジ除外領域に沿って非ニュートン流体101が塗布される。この実施形態では、閉じ込め壁140は、基板110の表面115全体を覆う処理領域を画定する。そして、図3Cに示されるように、閉じ込め壁140内で非ニュートン流体101によって形成される処理領域を流れるように、プロキシミティヘッドを通してニュートン流体102が塗布される。ニュートン流体102は、処理領域内で基板110の表面115上の汚染物質と反応し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0056】
図3Dに示される別の実施形態では、図3Cに示されるニュートン流体102の代わりに第2の非ニュートン流体101−Aが塗布される。この実施形態では、図3Cに示されるように第1の非ニュートン流体101によって形成される閉じ込め壁140は、基板110の表面115全体を覆う処理領域を画定する。第2の非ニュートン流体101−Aは、図3Dに示されるように、閉じ込め壁140内で第1の非ニュートン流体101によって形成される処理領域内を流れるように、プロキシミティヘッドを通して塗布される。第2の非ニュートン流体101−Aは、処理領域内で基板110の表面115上の汚染物質と反応し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0057】
図4は、本発明の1つの実施形態における、基板110の表面115に非ニュートン流体101及びニュートン流体102を塗布するために使用されるデュアルプロキシミティヘッドを含む装置の簡略概略図を示している。図7のプロセス工程とあわせて説明されるこの実施形態では、基板110は、工程605に示されるように、キャリア120の上に受け止め及び装着され、図に示されるように面に沿って移動される。キャリア120は、基板110の表面115に塗布されるニュートン流体102に基板110の表面115の様々な部分を曝せるように、基板110を面に沿って保持し、基板110を横軸に沿って移動させ、基板110を回転軸に沿って回転させるように構成される。基板110は、エッジ除外領域113を含む。キャリア120は、基板110を受け止め及び保持するピン122と、基板110を横軸に沿って移動させるとともに基板110を回転軸に沿って回転させるためのモータ及び車輪(不図示)を含む。キャリア120は、基板110の様々な部分をニュートン流体102に曝せるように、横軸に沿って移動する。横軸に沿ったキャリアの速度は、基板110の表面115から汚染物質を効果的に除去するために基板110の表面115をニュートン流体102に充分に曝せるように調整することができる。
【0058】
横方向の動きに加えて、キャリア120は、基板を回転軸に沿って回転させるように構成される。基板は、基板110の表面115から汚染物質を効果的に除去するために基板の表面をニュートン流体102に十分に曝せるように、一定の速度で回転される。図4に示される実施形態は、更に、ニュートン流体102が処理領域内を流れ、処理領域205に曝されている基板の表面から汚染物質を実質的に除去するように、ニュートン流体102を処理領域の中心に塗布し、処理領域の両端から除去することを示している。
【0059】
引き続き図4を参照すると、2つのプロキシミティヘッド130,135が互いに平行に装着されており、これらの2つのプロキシミティヘッド130,135は、基板110をともなうキャリア120を2つのプロキシミティヘッド130,135の間で軸に沿って移動させるための適切な空間を提供することによって、それぞれのヘッドが基板115の上面及び底面の少なくとも一部分を覆えるようにしている。工程610に示されるように、基板110の表面115とプロキシミティヘッド130,135のヘッド表面との間に非ニュートン流体101を塗布するために、プロキシミティヘッド130,135内の非ニュートン流体アプリケータが使用される。非ニュートン流体アプリケータ(不図示)は、非ニュートン流体101を保持するためのリザーバを含み、非ニュートン流体101を受け入れるための入口と、非ニュートン流体101をプロキシミティヘッド130,135を通して基板115の表面に供給するための出口とをともなう。非ニュートン流体アプリケータは、非ニュートン流体101を流体メニスカスの形で基板110の表面115に供給する。
【0060】
非ニュートン流体101は、基板110のそれぞれの表面115に処理領域205を画定する閉じ込め壁140を形成する。図4に示される実施形態では、基板110の上面及び底面115のエッジ除外領域113に非ニュートン流体101を塗布することによって、基板110の表面115全体を覆う処理領域205が基板110の上面及び底面115に形成される。
【0061】
工程615に示されるように、基板110の上面及び底面115に形成される処理領域105内にニュートン流体102が実質的に閉じ込められるように、基板110のそれぞれの表面115とプロキシミティヘッド130,135のそれぞれのヘッド表面との間にニュートン流体102を塗布するために、プロキシミティヘッド130,135内のまたはプロキシミティヘッド130,135につながれたニュートン流体アプリケータが使用される。ニュートン流体アプリケータ(不図示)は、入口と1対の出口とをともなうニュートン流体102用リザーバを含む。入口は、より清浄で、かつ新鮮なニュートン流体102をニュートン流体アプリケータに受け入れるために使用される。
【0062】
プロキシミティヘッド130,135を通して基板の表面にニュートン流体102を供給するために、第1の出口が使用される。汚染物質と混ざり合ったニュートン流体を除去し、より効果的な洗浄のためにより清浄なニュートン流体102を導入できるように、ニュートン流体アプリケータに設けられた第2の出口が使用される。ニュートン流体アプリケータは、処理領域205内の基板110の表面115に、流体メニスカスの形でニュートン流体102を供給する。閉じ込め壁140によって画定され処理領域205内に形成される通路は、ニュートン流体102が非ニュートン流体101による壁140の間を流れることを可能にする。通路内を流れるニュートン流体102は、工程620に示されるように、処理領域205で1種または2種以上の汚染物質に作用し、それらの汚染物質を基板110の上面及び底面115から除去する。
【0063】
基板110を運ぶキャリア120の速度は、プロキシミティヘッド130,135によって塗布されているときに非ニュートン流体101に作用するニュートン流体102の圧力が、キャリア120の動きによって引き起こされる非ニュートン流体101のズレによって相殺されるように、調整することができる。同様に、非ニュートン流体101の厚さは、非ニュートン流体101がニュートン流体102を実質的に閉じ込めることを可能にするために、ニュートン流体102の1つまたは2つ以上の特性に基づいて調整することができる。
【0064】
別の実施形態では、非ニュートン流体101は、基板110の上面及び底面115の全体を覆う処理領域205を形成するように、キャリア120の表面とプロキシミティヘッドのヘッド表面との間でキャリア120上の区域のうちでキャリア120上に受け止められる基板110のエッジ除外領域113のすぐ外側に塗布される。この実施形態では、非ニュートン流体メニスカスによる閉じ込め壁140は、プロキシミティヘッド130のヘッド表面とキャリア120の上面との間で基板のエッジ除外領域113のすぐ外側に円形のバリアを形成する。図4を参照にして上述された実施形態では、非ニュートン流体101による閉じ込め壁140は、プロキシミティヘッドのヘッド表面と基板の上面及び底面115との間に円形のバリアを形成する。
【0065】
しかしながら、必ずしも基板110の上面及び底面115の全体が処理領域に囲われている必要はない。別の実施形態では、プロキシミティヘッド130,135は、基板110の表面115の一部分のみを覆う処理領域205が基板110の上面及び底面115に形成されるように基板110の表面115に非ニュートン流体101を塗布するために使用することができる。この実施形態では、基板110は、処理領域205内に閉じ込められているニュートン流体102に基板110の表面115の様々な部分が充分に曝されるように、基板110がプロキシミティヘッド130,135の下にあるときに横軸に沿って移動されるだけでなく回転軸に沿って回転される。
【0066】
この実施形態では、プロキシミティヘッドは、必ずしも「ヘッド」構成である必要はなく、制御され安定した管理可能な非ニュートン流体101及びニュートン流体102の流体メニスカスの生成を可能にするように非ニュートン流体アプリケータ及びニュートン流体アプリケータが構成される限り、例えばマニホールド、円形パック、棒、四角、楕円形パック、管、板のように任意の適切な構成、形状、及び/または大きさであることが可能である。
【0067】
現発明の実施形態は、非ニュートン流体101及びニュートン流体102を基板の表面に塗布することに限定されず、図4に示される現発明の実施形態は、2種以上の非ニュートン流体101を基板の表面に塗布するために使用することもできる。この実施形態では、プロキシミティヘッドは、2つの非ニュートン流体アプリケータを備えている。第1の非ニュートン流体アプリケータは、第1の非ニュートン流体101を、それが閉じ込め壁140を形成して基板110のそれぞれの表面115の上に処理領域205を画定するように基板110の表面115とプロキシミティヘッド130,135のヘッド表面との間に供給するために使用される。図4に示される実施形態は、処理領域205を、基板110の上面及び底面115の全体を覆うものとして示しているが、処理領域205は、基板110の上面及び底面115の一部分のみを覆ってもよい。第2の非ニュートン流体アプリケータは、第1の非ニュートン流体101とは異なる第2の非ニュートン流体101−Aを、それが基板110の上面及び底面115の上に形成される処理領域内に実質的に閉じ込められるように処理領域205に塗布するために使用される。処理領域205内を流れる第2の非ニュートン流体101−Aは、処理領域205に曝されている基板の表面上に存在する汚染物質と反応し、それらの汚染物質を実質的に除去する。
【0068】
現発明の実施形態は、1種のニュートン流体102を基板の表面に塗布することに限定されず、2種以上のニュートン流体102を基板の表面に塗布するためにも使用することができる。図5は、2種以上のニュートン流体102を基板110の表面115に塗布するために使用されるプロキシミティヘッド130のヴァリエーションを示している。
【0069】
図5に示された実施形態では、基板110の表面115とプロキシミティヘッド130のヘッド表面との間に、プロキシミティヘッド130を使用して非ニュートン流体101が塗布される。塗布される非ニュートン流体101は、ヘッド表面と基板表面115との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁140を画定する。この実施形態では、非ニュートン流体101は、基板表面115のエッジ除外領域113を除く残りの部分を覆う処理領域205が閉じ込め壁140によって囲われるように、基板110のエッジ除外領域113に沿って塗布される。
【0070】
閉じ込め壁140によって画定される基板110の処理領域205内の第1の処理小領域207内に実質的に閉じ込められるように、基板110の表面115に、プロキシミティヘッド130を使用して第1のニュートン流体102−Aが塗布される。基板110の処理領域205内の第2の処理小領域209内に実質的に閉じ込められるように、基板110の表面115に、プロキシミティヘッド130を使用して第2のニュートン流体102−Bが塗布される。第1のニュートン流体102−A及び第2のニュートン流体102−Bは、互いと異なり、非ニュートン流体101と実質的に不混和であるように選択される。第1の処理小領域207は、非ニュートン流体101によって第2の処理小領域209から隔離される。2つのニュートン流体102−A,102−Bは、処理領域205に塗布されると基板110の表面115上に存在する様々な汚染物質に単独で作用し、それらの汚染物質を基板110の表面115から実質的に除去することを助ける。
【0071】
図5の別の実施形態では、第1及び第2のニュートン流体102−A,102−Bの代わりに、第2及び第3の非ニュートン流体101−A,101−Bが処理領域205内に塗布される。この実施形態では、基板110の表面115とプロキシミティヘッド130のヘッド表面との間に、プロキシミティヘッド130を使用して第1の非ニュートン流体101が塗布される。塗布される非ニュートン流体101は、ヘッド表面と基板表面115との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁140を画定する。この実施形態では、第1の非ニュートン流体101は、基板表面115のエッジ除外領域113を除く残りの部分を覆う処理領域205が閉じ込め壁140によって囲われるように、基板110のエッジ除外領域113に沿って塗布される。閉じ込め壁140によって画定される基板110の処理領域205内の第1の処理小領域207内に実質的に閉じ込められるように、基板110の表面115に、プロキシミティヘッド130を使用して第2の非ニュートン流体101−Aが塗布される。基板110の処理領域205内の第2の処理小領域209内に実質的に閉じ込められるように、基板110の表面115に、プロキシミティヘッド130を使用して第3の非ニュートン流体101−Bが塗布される。第2及び第3の非ニュートン流体101−A,101−Bは、互い及び第1の非ニュートン流体101と異なり、第1の非ニュートン流体101と実質的に不混和であるように選択される。第1の処理小領域207は、第1の非ニュートン流体101によって第2の処理小領域209から隔離される。処理領域内の2つの非ニュートン流体101−A,101−Bは、処理領域205に曝されている基板110の表面115上に存在する様々な汚染物質に単独で作用し、それらの汚染物質を基板110の表面115から実質的に除去することを助ける。
【0072】
別の実施形態では、プロキシミティヘッドのヘッド表面と基板110の表面115との間に、プロキシミティヘッド130を使用して第1の非ニュートン流体101が塗布され、処理領域205が画定される。この実施形態では、処理領域205の第1の小領域207内に閉じ込められるように、基板の表面に第2の非ニュートン流体101−Aが塗布され、処理領域205の第2の小領域209内に実質的に閉じ込められるように、基板110の表面115にニュートン流体102が塗布される。第2の非ニュートン流体101−A及びニュートン流体102は、第1の非ニュートン流体101と異なるとともに第1の非ニュートン流体101と実質的に不混和であるように選択される。第1の処理小領域207は、第1の非ニュートン流体101によって第2の処理小領域209から隔離される。処理領域内の第2の非ニュートン流体101−A及びニュートン流体102は、処理領域205内で曝されている基板110の表面115上に存在する様々な汚染物質に単独で作用し、それらの汚染物質を基板110の表面115から実質的に除去することを助ける。
【0073】
図6Aに示される別の実施形態では、基板110の表面115の一部分のみを覆う処理領域205が、閉じ込め壁140によって画定される。この実施形態では、基板110の表面115及び/またはプロキシミティヘッド130を移動させることによって、基板110の表面115の様々な部分が第1及び第2のニュートン流体102−A,102−Bに絶え間なく曝されるので、2つのニュートン流体102−1,102−Bのそれぞれは、処理領域内で表面上に存在する汚染物質に単独に作用し、それらの汚染物質を基板110の表面115から実質的に除去する。
【0074】
図6Bに示される別の実施形態では、処理領域205内の第1及び第2の小領域207,209内に実質的に閉じ込められるように、基板110の表面115に、第2及び第3の非ニュートン流体101−A,101−Bが塗布される。図6Aを参照にして言及されるように、基板110の表面及び/またはプロキシミティヘッド130を移動させることによって、基板110の様々な部分が、処理領域205内に閉じ込められた2つの非ニュートン流体101−A,101−Bに絶え間なく曝される。2つの非ニュートン流体101−1,101−Bは、基板110の表面115上に見られる汚染物質に単独に作用し、それらを実質的に除去する。
【0075】
図6Cに示される更に別の実施形態では、処理領域205内の第1の小領域207に第2の非ニュートン流体101−Aが塗布され、処理領域205内の第2の小領域209にニュートン流体102が塗布される。図6A及び図6Bを参照して言及されるように、この実施形態では、基板110の表面115及び/またはプロキシミティヘッド130を移動させることによって、基板110の表面115の様々な部分が、第2の非ニュートン流体101−A及びニュートン流体102に絶え間なく曝されるので、第2の非ニュートン流体101−A及びニュートン流体102のそれぞれは、処理領域内で表面上に存在する汚染物質に単独に作用し、それらを基板110の表面115から実質的に除去する。
【0076】
基板の代表的製造プロセスでは、製造に使用される化学剤または外部の非制御環境が、基板に形成される特徴または層の酸化を引き起こす可能性がある。この酸化は、後続の処理に影響を及ぼす可能性がある。例えば、過剰な酸化は、一部の層の適切な付着を妨げたり、層間または特徴間の界面の導電性を乏しくしたりする可能性がある。例えば、金属層の無電解析出では、無電解めっきプロセスは、基板110の表面特性及び組成に大きく依存する。基板の表面で酸化が生じると、無電解析出プロセスは、酸素の存在ゆえに形成される原子的薄さの金属酸化物層の形成によって抑制される。すると、無電解析出プロセスに先立って、酸化(金属酸化物)層を除去する追加のステップを実施しなければならず、これは、製造全体のコスト及び時間の増加をもたらす。したがって、後続の製造に先立って表面前処理の手順をやりくりすることが、製造プロセス全体にとって重要である。
【0077】
図8A〜8Dに示される一実施形態では、基板上の処理領域内に実質的に無酸素の環境を提供し、基板110の表面115上にその他の特徴、構造、または層を形成しやすくするために、プロキシミティヘッド130が使用される。図8Aを参照すると、基板110の表面115とプロキシミティヘッド130のヘッド表面との間に、プロキシミティヘッド130を使用して非ニュートン流体101が塗布される。塗布される非ニュートン流体101は、ヘッド表面と基板110の表面115との間で閉じ込め領域205に沿って閉じ込め壁140を画定する。1つのの実施形態では、非ニュートン流体101は、基板110の活性表面全体115を覆う処理領域205が閉じ込め壁140によって囲われるように、基板110のエッジ除外領域113に沿って塗布される。
【0078】
1つの実施形態では、処理領域205を占領して、処理領域205内に存在しえるあらゆる化学剤またはガスに置き換わるように、基板110の表面115の処理領域205に、プロキシミティヘッド130を使用して不活性ガスを供給することができる。処理領域205への不活性ガスの供給は、外部の非制御環境から実質的に隔離された実質的に無酸素の環境を処理領域205内に提供する。
【0079】
処理領域内に実質的に無酸素の環境を形成し、処理領域205を閉じ込め壁140によって実質的に隔離すると、基板が外部の非制御環境(例えば、所望レベルを上回る酸素または湿気を含むその他の望ましくない成分を有する環境)に接触するのを阻みつつ、他の特徴、層、または構造の処理直後に様々な層、特徴、または構造を洗浄、前処理、または製造すること(電気めっきまたは無電解めっき、エッチング等)が可能である。
【0080】
本明細書で言及される不活性ガスは、囲われた処理領域205が非ニュートン流体によって形成されているときに、プロキシミティヘッドのヘッド表面と基板の表面との間の処理領域を制御するために使用される。1つの実施形態では、プロキシミティヘッド130の1つまたは2つ以上のポートに、マニホールド(不図示)を通じて不活性ガス制御システム(不図示)を結合することができる。マニホールドは、ポートを通じて処理領域に導入されるものを制御するために、コンピュータ制御または手動制御を使用する。
【0081】
一例では、不活性ガス制御システムは、処理領域への不活性ガスの注入と処理領域からの酸素または化学剤の排出とを測定及び制御するための、ポンプと、計測器と、制御と、弁とを含んでよい。不活性ガス制御システムには、不活性ガスをプロキシミティヘッドを通して供給して不活性ガスによる酸素の置き換えを可能にするように、クリーンルーム設備(不図示)を結合することもできる(即ち、これまでは酸素または酸素を含む化学剤で占められていた空間が、不活性ガスで満たされることになる)。酸素またはその他の化学剤を排出するポンプは、製造プロセスのあらゆる段階で適切な条件を維持できるように、監視される。メータ、手動制御、及び/またはコンピュータ制御は、N2 、Ar、He、Ne、Kr、Xe等の不活性ガスのポンプ移送と流れとを、制限なく監視及び調節することができる。
【0082】
図8Bを参照すると、処理領域に、バリア層820を形成することができる。バリア材料は、例えば、なかでもとりわけTaN、Ta、Ruであってよい。バリア層820は、例えば無電解めっきプロセスを使用して形成することができる。酸化物の除去またはバリア層820の更なる処理を可能にするため、処理領域には、エッチング化学剤を導入することができる。バリア層820の洗浄またはエッチングは、しかしながら、酸素の存在の外側でなされる。なぜならば、処理領域205は、実質的に無酸素に維持されるからである。バリア層820の前処理に続き、別の不活性ガスが供給されてよく、これは、図8Cに示されるように、バリア層820の形成に使用された化学剤の実質的な除去、処理、洗浄等を可能にする。
【0083】
定められた実施形態は、処理領域205内に実質的に無酸素の環境を提供するだけでなく、処理領域内の環境を制御して基板表面の乾燥非制御を阻止することによって、より効率的な製造プロセスを可能にしている。
【0084】
図8Dに示されるように、製造プロセスは、別のめっき塗布に進むことができる。めっき塗布では、基板110の層の上にめっき層を堆積させるために、電気めっきまたは無電解めっきのプロセスを使用することができる。基板の上にめっき層を形成するために使用される、無電解めっきプロセスまたは基板との接触が必要とされる電気めっきプロセスは、任意の数の様々な形態で構成することができる。
【0085】
めっき工程を実施するためのシステム及びプロセスの例は、(1)2005年3月8日発行の米国特許第6,864,181号、(2)2004年12月15日出願の米国特許出願11/014,527号「WAFER SUPPORT APPARATUS FOR ELECTROPLATING PROCESS AND METHOD FOR USING THE SAME(電気めっきプロセスのためのウエハサポート装置、及びそれを使用するための方法)」、(3)2004年6月28日出願の米国特許出願10/879,263号「METHOD AND APPARATUS FOR PLATING SEMICONDUCTOR WAFERS(半導体ウエハにめっきするための方法及び装置)、(4)2004年6月28日出願の米国特許出願第10/879,396号「ELECTROPLATING HEAD AND METHOD FOR OPERATING THE SAME(電気めっきヘッド、及びそれを動作させるための方法)、(5)2004年6月30日出願の米国特許出願第10/882,712号「APPARATUS AND METHOD FOR PLATING SEMICONDUCTOR WAFERS(半導体ウエハにめっきするための装置及び方法)、(6)2005年8月16日出願の米国特許出願第11/205,532号「REDUCING MECHANICAL RESONANCE AND IMPROVED DISTRIBUTION OF FLUIDS IN SMALL VOLUME PROCESSING OF SEMICONDUCTOR MATERIALS(半導体材料の少量処理における機械的共振の低減及び流体分布の改善)」、並びに(7)2006年4月4日出願の米国特許出願第11/398,254号「METHODS AND APPARATUS FOR FABRICATING CONDUCTIVE FEATURES ON GLASS SUBSTRATES USED IN LIQUID CRYSTAL DISPLAYS(液晶ディスプレイに使用されるガラス基板上に導電性特徴を製造するための方法及び装置)」で、より詳細に説明されている。これらの各自は、引用によって本明細書に組み込まれる。したがって、本発明の実施形態は、処理領域内に実質的に無酸素の環境を提供するにあたって使用することができる。
【0086】
以上の発明は、理解を明瞭化する目的で、いくぶん詳細に説明されてきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲内において特定の変更および修正が可能であることは明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的で、かつ非限定的であると見なされ、本発明は、本明細書において定められた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価形態の範囲内において変更可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記基板の前記表面と前記プロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することであって、前記非ニュートン流体は、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定し、前記非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドは、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の前記基板上に処理領域を画定し、
前記非ニュートン流体で占められる区域から実質的に排除されなおかつ前記閉じ込め壁ゆえに前記処理領域内に実質的に閉じ込められるように、前記基板の前記表面に、前記プロキシミティヘッドを通してニュートン流体を、前記基板の前記表面から1種または2種以上の汚染物質を除去するのに役立つ前記ニュートン流体を塗布する
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドを、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の1対の壁として画定することであって、前記1対の壁は、前記処理領域のための通路を画定し、前記通路は、前記ニュートン流体が前記非ニュートン流体間を前記通路内で流れることを可能にする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記1枚または2枚以上の閉じ込め壁は、前壁及び後壁を含み、前記前壁及び前記後壁は、前記ニュートン流体が前記非ニュートン流体による前壁と真空による後壁との間に囲われるように、前記非ニュートン流体及び真空によってそれぞれ形成される方法。
【請求項4】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドを、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の1枚の壁として画定することであって、前記1枚の壁は、前記処理領域を画定し、前記ニュートン流体が前記非ニュートン流体から遠ざかる一方向に流れることを可能にする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドを、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の3枚の壁として画定することであって、前記3枚組の壁は、開いたサイドをともなう前記処理領域のための通路を画定し、前記通路は、前記ニュートン流体が前記非ニュートン流体間を前記開いたサイドに向かって流れることを可能にする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドを、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の実質的な円として画定することであって、前記実質的な円は、前記処理領域のための通路画定し、前記通路は、前記ニュートン流体が前記非ニュートン流体間を流れることを可能にする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記実質的な円は、前記基板のエッジ除外領域に形成される方法。
【請求項8】
請求項6に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記実質的な円は、キャリアの表面上で前記基板のエッジ除外領域のすぐ外側に形成され、前記キャリアは、前記基板の装着及び移送を可能にする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記閉じ込め壁は、前記閉じ込められるニュートン流体の1つまたは2つ以上の特性によって定められる厚さを有する前記処理領域を画定する方法。
【請求項10】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記処理領域は、前記基板の前記表面の上に形成される1つまたは2つ以上の特徴及び層を維持するために、無酸素または十分に低酸素のいずれかの環境を可能にする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記非ニュートン流体は、前記ニュートン流体と実質的に不混和であり、泡、コロイド、ゲル、及びエマルションのうちの1種または2種以上として定められる方法。
【請求項12】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記非ニュートン流体は、三状態化合物または二状態化合物のいずれかである方法。
【請求項13】
請求項1に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記ニュートン流体は、前記基板の前記表面に形成される1つまたは2つ以上の特徴または層の種類に基づいて、酸または塩基のいずれかであり、フッ化水素酸(HF)、脱イオン水、クエン酸、アンモニア含有流体、または化学剤と脱イオン水との混合のうちの1つを含む方法。
【請求項14】
プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記基板の前記表面と前記プロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することであって、前記非ニュートン流体は、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定し、前記非ニュートン流体を提供された前記1つまたは2つ以上のサイドは、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の前記基板上に、複数の処理小領域を含有する処理領域を画定する、ことと、
前記閉じ込め壁によって画定される前記処理領域内の第1の処理小領域内に実質的に閉じ込められるように、前記基板の前記表面に、前記プロキシミティヘッドを通して第1のニュートン流体を塗布することと、
前記閉じ込め壁によって画定される前記処理領域内の第2の処理小領域内に実質的に閉じ込められるように、前記基板の前記表面に、前記プロキシミティヘッドを通して第2のニュートン流体を塗布することと、
を備え、前記第2のニュートン流体は、前記第1のニュートン流体と実質的に異なり、前記第1の処理小領域及び前記第2の処理小領域は、前記処理領域内の前記非ニュートン流体によって隔離され、前記第1のニュートン流体及び前記第2のニュートン流体は、前記基板の前記表面から1種または2種以上の汚染物質を実質的に除去するのに役立つ方法。
【請求項15】
請求項14に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記第1のニュートン流体及び前記第2のニュートン流体は、それぞれ、前記処理領域内に閉じ込められる前記非ニュートン流体と実質的に不混和である方法。
【請求項16】
プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置であって、
面に沿って前記基板を受け止め及び保持するための基板サポートデバイスと、
プロキシミティヘッドであって、
前記基板の前記表面と前記プロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布するための非ニュートン流体アプリケータであって、前記非ニュートン流体は、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定し、前記非ニュートン流体を提供された前記1つまたは2つ以上のサイドは、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の前記基板上に処理領域を画定する、非ニュートン流体アプリケータと、
前記画定される閉じ込め壁ゆえに前記処理領域内に実質的に閉じ込められるように前記基板の前記表面にニュートン流体を塗布するためのニュートン流体アプリケータであって、前記ニュートン流体は、前記基板の前記表面から1種または2種以上の汚染物質を除去するのに役立つ、ニュートン流体アプリケータと、
を含むプロキシミティヘッドと
を備える装置。
【請求項17】
請求項16に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置であって、
前記基板サポートデバイスは、面に沿って前記基板を移動させるキャリアデバイスである装置。
【請求項18】
請求項17に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置であって、
前記キャリアデバイス上の前記基板の、前記面に沿った移動は、前記ニュートン流体が前記処理領域内に実質的に維持されるように、前記非ニュートン流体アプリケータを通した前記非ニュートン流体の流れによって相殺される装置。
【請求項19】
請求項16に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置であって、
前記基板をともなう前記基板サポートデバイスは、前記処理領域内に閉じ込められている前記ニュートン流体に前記基板の前記表面が十分に曝されるように、前記プロキシミティヘッドに対して相対的に回転される装置。
【請求項20】
請求項16に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための装置であって、
前記プロキシミティヘッドは、更に、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間に画定される前記処理領域内に実質的に閉じ込められるように前記基板の前記表面に第2のニュートン流体を塗布するための第2のニュートン流体アプリケータであって、前記第2のニュートン流体は、前記処理領域内で既存のニュートン流体閉じ込め領域と区別される領域内に閉じ込められ、前記非ニュートン流体アプリケータからの前記非ニュートン流体は、前記処理領域内で前記既存のニュートン流体を前記第2のニュートン流体から実質的に隔離する、第2のニュートン流体アプリケータを含み、
前記第2のニュートン流体は、前記既存のニュートン流体と異なる装置。
【請求項21】
プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記基板の前記表面と前記プロキシミティヘッドのヘッド表面との間に非ニュートン流体を塗布することであって、前記非ニュートン流体は、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定し、前記非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドは、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の前記基板上に処理領域を画定し、前記処理領域は、前記閉じ込め壁によって外部の非制御雰囲気条件から実質的に隔離し、
前記処理領域を占領して既存のガス及び化学剤に置き換わるように前記処理領域に不活性ガスを供給することであって、前記処理領域内への前記不活性ガスの供給は、更なる製造を促進するために、十分に低酸素のまたは無酸素のいずれかの環境を前記処理領域内に提供する
方法。
【請求項22】
請求項21に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
更なる製造では、前記処理領域内の前記基板の前記表面の上の特徴をエッチングするためにエッチング化学剤を、または前記処理領域内の前記基板の前記表面を洗浄するために洗浄化学剤を供給する方法。
【請求項23】
請求項22に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記処理領域の前記エッチング化学剤または前記洗浄化学剤に実質的に置き換わって、次の前処理段階に実質的に無酸素の環境を提供するために、前記処理領域に不活性ガスを供給する方法。
【請求項24】
請求項21に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記更なる製造では、
電気めっき若しくは無電解めっきのいずれかを使用して、前記基板の前記表面の上に金属材料を塗布し、または
前記基板の前記表面を洗浄するために、洗浄化学剤を供給し、
前記処理領域は、十分に清浄な無酸素の、即ち酸素の無い環境を提供する
方法。
【請求項25】
プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、
前記基板の前記表面と前記プロキシミティヘッドのヘッド表面との間に第1の非ニュートン流体を塗布することであって、前記第1の非ニュートン流体は、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間で1つまたは2つ以上のサイドに沿って閉じ込め壁を画定し、前記第1の非ニュートン流体の前記1つまたは2つ以上のサイドは、前記ヘッド表面と前記基板の前記表面との間の前記基板上に処理領域を画定し、
前記第1の非ニュートン流体で占められる区域から実質的に排除されなおかつ前記閉じ込め壁ゆえに前記処理領域内の処理小領域内に実質的に維持されるように、前記プロキシミティヘッドを通して前記基板の前記表面に、前記基板の前記表面から1種または2種以上の汚染物質を除去するのに役立つ第2の非ニュートン流体を塗布し、
前記第2の非ニュートン流体は、前記第1の非ニュートン流体と実質的に不混和である
方法。
【請求項26】
請求項25に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記第1の非ニュートン流体で占められる区域から実質的に排除されなおかつ前記第2の非ニュートン流体の前記処理小領域と異なる前記処理領域内の第2の処理小領域内に実質的に維持されるように、前記プロキシミティヘッドを通して前記基板の前記表面に、前記基板の前記表面から1種または2種以上の汚染物質を除去するのに役立つ第3の非ニュートン流体を塗布し、
前記第3の非ニュートン流体は、前記第1の非ニュートン流体と実質的に不混和であり、前記第1の非ニュートン流体及び前記第2の非ニュートン流体と異なる
方法。
【請求項27】
請求項25に記載の、プロキシミティヘッドを使用して基板の表面を前処理するための方法であって、更に、
前記第1の非ニュートン流体で占められる区域から実質的に排除され、なおかつ前記第2の非ニュートン流体の前記処理小領域と異なる前記処理領域内の第2の処理小領域内に実質的に維持されるように、前記プロキシミティヘッドを通して前記基板の前記表面に、前記基板の前記表面から1種または2種以上の汚染物質を除去するのに役立つニュートン流体を塗布し、
前記ニュートン流体は、前記第1の非ニュートン流体と実質的に不混和である方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−518621(P2010−518621A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549076(P2009−549076)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/001010
【国際公開番号】WO2008/097438
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】