説明

集合住宅用通話・監視統合システム

【課題】導入コストや運用コストを抑制しつつ集合住宅の敷地内を広範囲に監視する。
【解決手段】中継インタフェース装置140が警報監視盤80と連係して各住戸部に設置された住戸親機1に異常発生の報知を行い、中継インタフェース装置140と警報監視盤80とで制御装置を構成している。集合住宅に設置されているインターホン系のシステム(住宅情報盤システム)を利用して監視対象物(自動車、住人など)に対する異常発生を必要な住戸部に報知することができるから、報知のためのシステムを別途構築する場合に比較して導入コスト並びに運用コストが抑制できる。しかも、集合住宅の共用部に設置した多数のセンサ装置100,110,120と制御装置(警報監視盤80と中継インタフェース装置140)とを中継装置130を介して無線で接続しているから、集合住宅の敷地内を広範囲に監視することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅用のインターホン系のシステムと、集合住宅の共用部において各住戸部の住人の所有物(例えば、自動車など)を監視対象とする監視系のシステムを統合した集合住宅用通話・監視統合システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マンションのような集合住宅においては、共用部である駐車場に駐車した自動車から金品が盗まれたり(車上盗難)、あるいは自動車自体が盗難(車両盗難)に合うことも少なくない状況になってきているが、これまで集合住宅の共用部では住人の所有物(例えば、自動車や自転車など)に対する防犯が疎かになりがちであった。
【0003】
そこで、車上盗難や車両盗難に対する防衛措置として、従来、不審者が車内に侵入したことを検出して光や音で威嚇する警報装置(特許文献1参照)や、光や音による威嚇に加えて車内に置いた携帯電話機を利用して自動車の持ち主の自宅の電話機や携帯電話機に発呼して異常発生を知らせる警報装置(特許文献2参照)、あるいはFM放送波による文字などの多重放送を利用して異常発生を知らせる警報装置(特許文献3参照)などが提供されている。
【特許文献1】特開2003−99863号公報
【特許文献2】特開2004−94516号公報
【特許文献3】特開平9−270089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来技術においては、例えば駐車場と住戸部との距離が離れている集合住宅の場合には警報装置が発する威嚇音が住戸部まで届かないことが多いために十分な防犯効果が得られない虞があり、またFM放送波や携帯電話などの公衆通信網を利用するためにランニングコストが高く付いたり、特に駐車場が地下に設けられているような場合には公衆通信網の電波が届かない虞がある。なお、公衆通信網の代わりに自営の無線局を駐車場や住戸部に設置して異常発生を報知することも考えられるが、運用に際して免許が必要な無線局では導入コスト及び運用コストが大きくなってしまうし、また免許が不要な特定小電力無線局では電波の到達範囲が狭いために住戸部まで電波が届かない虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、導入コストや運用コストを抑制しつつ集合住宅の敷地内を広範囲に監視することができる集合住宅用通話・監視統合システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホンと、集合住宅の各住戸部内に設置される住戸親機と、各住戸部の玄関に設置されて当該住戸部内の住戸親機と信号線で接続されるドアホン子器と、集合住宅の管理室に設置されてロビーインターホン及び各住戸部の住戸親機と信号線で接続される制御装置と、集合住宅の共用部において当該集合住宅の住人に関わる監視対象物の異常を検出するとともに異常検出時に検出信号を無線で送信する複数のセンサ装置と、集合住宅の共用部に設置されセンサ装置から送信された検出信号を受信すると当該検出信号を無線若しくは有線で制御装置に中継する複数の中継装置とを備え、各住戸部の住戸親機とドアホン子器との間、並びに住戸親機とロビーインターホンとの間でそれぞれ通話するための通話手段を住戸親機とドアホン子器とロビーインターホンとに有し、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物に関連する住人の住戸部に設置された住戸親機を特定する特定手段と、特定手段で特定された住戸親機に対して信号線を介して異常検出の内容を報知する報知手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホンと、集合住宅の各住戸部内に設置される住戸親機と、各住戸部の玄関に設置されて当該住戸部内の住戸親機と信号線で接続されるドアホン子器と、集合住宅の管理室に設置されてロビーインターホン及び各住戸部の住戸親機と信号線で接続される制御装置と、集合住宅の共用部において当該集合住宅の住人に関わる監視対象物の異常を検出するとともに異常検出時に検出信号を無線で送信する複数のセンサ装置と、集合住宅の共用部に設置されセンサ装置から送信された検出信号を受信すると当該検出信号を無線若しくは有線で制御装置に中継する複数の中継装置とを備え、各住戸部の住戸親機とドアホン子器との間、並びに住戸親機とロビーインターホンとの間でそれぞれ通話するための通話手段を住戸親機とドアホン子器とロビーインターホンとに有し、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物に関連する住人の住戸部に設置された住戸親機を特定する特定手段と、特定手段で特定された住戸親機に対して信号線を介して異常検出の内容を報知する報知手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物に関連する住戸部を特定するとともに当該住戸部について予め登録されている電話番号に発呼して異常検出の内容を通知する通知手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記特定手段は、中継装置がセンサ装置から無線で送信された検出信号を受信したときの受信強度に基づいて当該センサ装置が検出信号を送信した場所を特定することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、前記特定手段は、異常が発生した監視対象物を所有する住人の住戸部に設置された住戸親機と、当該監視対象物の近くに存在する監視対象物を所有する住人の住戸部に設置された住戸親機とを特定することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を表示する表示手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を表示手段に表示させる監視カメラ制御手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を録画する録画手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を録画手段に録画させる監視カメラ制御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を信号線を介して住戸親機に配信する画像配信手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を画像配信手段により特定手段で特定された住戸親機に配信させる画像管理手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を録画する録画手段と、録画手段で録画された画像を信号線を介して住戸親機に配信する画像配信手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を録画手段に録画させるとともに当該録画画像を画像配信手段により特定手段で特定された住戸親機に配信させる画像管理手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、共用部に設置される1乃至複数の照明装置を備え、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を照射範囲に含む照明装置を特定し当該照明装置を制御して照射範囲を照明させる照明制御手段を具備することを特徴とする。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1〜9の何れかの発明において、共用部に設置されて警報音を鳴動する1乃至複数の警報装置を備え、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物の近辺に設置されている警報装置を特定し当該警報装置を制御して警報音を鳴動させる警報制御手段を具備することを特徴とする。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1〜10の何れかの発明において、集合住宅の敷地外から共用部への出入口に設けられ、当該出入口を開閉するゲート装置を備え、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときにゲート装置を制御して出入口を閉じさせるゲート制御手段を具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項12の発明は、請求項11の発明において、各住戸部毎に割り当てられた住戸部IDとともにゲート装置に対して出入口の開閉を指示するコマンドをワイヤレス信号で送信する複数のワイヤレスリモコンを備え、ゲート装置は、扉や鎖などを用いて出入口の通過を阻止する阻止手段と、ワイヤレス信号を受信する受信手段と、受信手段で受信したワイヤレス信号のコマンドに応じて阻止手段を制御して出入口を開閉させる制御手段とを具備し、制御装置は、特定手段で特定された住戸親機が設置されている住戸部の住戸部IDを含むワイヤレス信号のコマンドを無効とする指令をゲート装置の制御手段に対して与える前記ゲート制御手段を具備したことを特徴とする。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1〜12の何れかの発明において、共用部に駐車する各自動車に搭載され、当該自動車に不審者が乗車したことを検出する前記センサ装置と、前記自動車に搭載され、ワイヤレス信号によりエンジンを停止させるエンジン制御装置とを備え、住戸親機は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にエンジンの停止指令を伝送する伝送手段とを具備し、制御装置は、住戸親機から停止指令を受け取ったときに当該住戸親機の住人が所有する自動車に搭載されたエンジン制御装置に対して中継装置を介して停止指令を送信させる手段を具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項14の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、前記センサ装置は、ワイヤレス信号の送受信機能を有しワイヤレス信号で受け取ったコマンドに応じて異常検出機能の起動・停止などの動作制御を行うとともに動作状態の情報をワイヤレス信号で送信し、住戸親機は、手動操作される操作手段と、センサ装置の動作状態を表示する表示手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にセンサ装置の動作制御のコマンドを伝送するとともに制御手段から動作状態情報を受け取る伝送手段とを具備し、制御装置は、住戸親機から動作制御のコマンドを受け取ったときに当該住戸親機と対応付けられたセンサ装置に対して当該コマンドを中継装置により中継させるとともにセンサ装置から動作状態情報を受け取ったときに特定手段で特定される住戸親機に対して当該情報を中継装置により中継させる手段を具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項15の発明は、請求項1〜14の何れかの発明において、共用部に駐車する各自動車に搭載され、当該自動車に不審者が乗車したことを検出する前記センサ装置と、前記自動車に搭載され、ワイヤレス信号により当該自動車のドアロックを施錠させるドアロック制御装置とを備え、住戸親機は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にドアロックの施錠指令を伝送する伝送手段とを具備し、制御装置は、住戸親機から施錠指令を受け取ったときに当該住戸親機の住人が所有する自動車に搭載されたドアロック制御装置に対して中継装置を介して施錠指令を送信させる手段を具備したことを特徴とする。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1〜15の何れかの発明において、互いに異なった異常を検出する複数種類の前記センサ装置を備え、一の種類の前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車における異常発生を検出する検出手段と、検出手段が検出動作を行うセット状態と検出動作を行わない非セット状態を切り替える切替手段と、検出手段の検出結果を示す検出情報、検出手段のセット状態・非セット状態を示す動作状態情報を無線で送信する送信手段とを具備し、他の種類の前記センサ装置は、当該自動車のエンジンが停止したことを検知するエンジン停止検知手段と、エンジン停止検知手段でエンジン停止が検知されたことを示すエンジン停止情報を無線で送信する送信手段とを具備し、制御装置は、前記センサ装置よりエンジン停止情報を受信してから所定時間が経過するまでに前記センサ装置より検出手段がセット状態に切り替えられたことを示す動作状態情報を受信しなかった場合にセット忘れ情報を特定手段で特定される住戸親機に伝送させる伝送手段を具備し、住戸親機は、制御装置の伝送手段との間で情報を授受する伝送手段と、当該伝送手段で受け取ったセット忘れ情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1〜16の何れかの発明において、前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車のエンジンが停止したことを検知するエンジン停止検知手段と、エンジン停止検知手段のエンジン停止検知情報を無線で送信する送信手段とを具備し、制御装置は、センサ装置からエンジン停止検知情報を受け取ったときに特定手段で特定される住戸親機に当該エンジン停止検知情報を伝送する伝送手段とを具備し、住戸親機は、制御装置の伝送手段との間で情報を授受する伝送手段と、当該伝送手段で受け取ったエンジン停止検知情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0023】
請求項18の発明は、請求項1〜17の何れかの発明において、互いに異なった異常を検出する複数種類の前記センサ装置を備え、一の種類の前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車のドアロックの施錠・解錠を検知するドアロック検知手段と、ドアロック検知手段の検知結果を示す検知情報を無線で送信する送信手段とを具備し、他の種類の前記センサ装置は、当該自動車のエンジンが停止したことを検知するエンジン停止検知手段と、エンジン停止検知手段でエンジン停止が検知されたことを示すエンジン停止情報を無線で送信する送信手段とを具備し、制御装置は、前記センサ装置よりエンジン停止情報を受信してから所定時間が経過するまでに前記センサ装置よりドアロックが施錠されたことを示す検知情報を受信しなかった場合にドアロック忘れ情報を特定手段で特定される住戸親機に伝送させる伝送手段を具備し、住戸親機は、制御装置の伝送手段との間で情報を授受する伝送手段と、当該伝送手段で受け取ったドアロック忘れ情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1〜18の何れかの発明において、共用部に駐車する各自動車に搭載され、当該自動車に異常が発生したことを検出する前記センサ装置と、前記自動車に搭載され、ワイヤレス信号によりエンジンを始動させるエンジン制御装置とを備え、住戸親機は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にエンジンの始動指令を伝送する伝送手段とを具備し、制御装置は、センサ装置から検出信号を受け取っていない場合に住戸親機から始動指令を受け取ったときに当該住戸親機の住人が所有する自動車に搭載されたエンジン制御装置に対して中継装置を介して始動指令を送信させる手段を具備したことを特徴とする。
【0025】
請求項20の発明は、請求項1〜19の何れかの発明において、前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車における異常発生を検出する検出手段と、当該検出手段で異常が検出されたときに威嚇音を鳴動する威嚇音鳴動手段と、検出手段の検出結果を示す検出情報と威嚇音鳴動手段による威嚇音鳴動の開始・停止状態を示す動作状態情報を無線で送信するとともに威嚇音鳴動手段に対して威嚇音鳴動の開始又は停止を指示するコマンドを受信する送受信手段とを具備し、制御装置は、特定手段で特定された住戸親機と対応付けられたセンサ装置に対して威嚇音鳴動の開始又は停止を指示するコマンドを中継装置により中継させる手段を具備したことを特徴とする。
【0026】
請求項21の発明は、請求項1〜20の何れかの発明において、前記制御装置は、中継装置から中継された検出信号に含まれる識別情報に基づいて作成された異常発生の履歴を含むデータベースを具備することを特徴とする。
【0027】
請求項22の発明は、請求項1〜21の何れかの発明において、前記センサ装置は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに検出信号を送信する送信手段と、操作手段並びに送信手段を収納し且つ人が携帯可能に形成されたハウジングとを具備すること特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、集合住宅に設置されているインターホン系のシステムを利用して監視対象物に対する異常発生を必要な住戸部に報知することができるから、報知のためのシステムを別途構築する場合に比較して導入コストが抑制できるとともに公衆通信網を使用しないで済むことから運用コストも抑制でき、しかも、集合住宅の共用部に設置した多数のセンサ装置と制御装置とを中継装置を介して無線で接続しているから、集合住宅の敷地内を広範囲に監視することができるという効果がある。
【0029】
請求項2の発明によれば、集合住宅に設置されているインターホン系のシステムを利用して監視対象物に対する異常発生を必要な住戸部に報知することができるから、報知のためのシステムを別途構築する場合に比較して導入コストが抑制できるとともに公衆通信網を使用しないで済むことから運用コストも抑制でき、しかも、集合住宅の共用部に設置した多数のセンサ装置と制御装置とを中継装置を介して無線で接続しているから、集合住宅の敷地内を広範囲に監視することができ、さらに異常発生の報知先の住戸部が不在の場合でも当該住戸部の住人に電話(携帯電話など)で報知することができて使い勝手が向上するという効果がある。
【0030】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、センサ装置が検出信号を送信した場所、すなわち、異常が発生した場所を特定することができるという効果がある。
【0031】
請求項4の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、例えば、駐車場に駐車している自動車に何らかの異常(車上盗難や車両盗難など)が発生した場合、当該自動車の近辺に駐車している自動車の所有者である住人の住戸部にも異常発生を報知することで被害の拡大を防ぐことができるという効果がある。
【0032】
請求項5の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、監視カメラで撮像した画像によって発生した異常の内容やその原因あるいは加害者等が制御装置で確認できるから、事後の対処や犯罪捜査への貢献が図れるという効果がある。
【0033】
請求項6の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、監視カメラで撮像した画像によって発生した異常の内容やその原因あるいは加害者等が制御装置で確認できるから、事後の対処や犯罪捜査への貢献が図れ、しかも、その画像を録画することで後からでも画像が確認できるという効果がある。
【0034】
請求項7の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、監視カメラで撮像した画像によって発生した異常の内容やその原因あるいは加害者等が住戸部の住戸親機で確認できるから、事後の対処や犯罪捜査への貢献が図れるとともに住人のプライバシー保護が図れるという効果がある。
【0035】
請求項8の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、監視カメラで撮像した画像によって発生した異常の内容やその原因あるいは加害者等が住戸部の住戸親機で確認できるから、事後の対処や犯罪捜査への貢献が図れるとともに住人のプライバシー保護が図れ、しかも、その画像を録画することで後からでも画像が確認できるという効果がある。
【0036】
請求項9の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、例えば、暗い場所や夜間に異常が発生した場合に当該異常発生場所を照明装置で照明することにより、二次的な被害の発生が抑制できるという効果がある。
【0037】
請求項10の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、異常発生場所の近辺に設置されている警報装置から警報音を鳴動させることにより、二次的な被害の発生が抑制できるという効果がある。
【0038】
請求項11の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、例えば、駐車場に駐車している自動車に何らかの異常が発生した場合に駐車場の出入口に設置されたゲート装置を制御して出入口を閉じれば、当該自動車の盗難を阻止することができ、犯罪捜査に貢献できるとともに二次的な被害の発生が抑制できるという効果がある。
【0039】
請求項12の発明によれば、請求項11の発明の効果に加えて、例えば、駐車場のゲート装置を遠隔操作するためのワイヤレスリモコンは自動車の車内に置かれていることが多いから、異常が発生した自動車の所有者(住戸部)に割り当てられている住戸部IDを含むワイヤレス信号のコマンドを無効とすることにより、当該自動車の盗難を阻止しつつ、他の住人はワイヤレスリモコンを使ってゲート装置を遠隔操作することができるから利便性が損なわれないという効果がある。
【0040】
請求項13の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、異常が発生した自動車のエンジンを遠隔操作で停止させることができるから、当該自動車の盗難を阻止することができるという効果がある。
【0041】
請求項14の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、各住戸部の住戸親機からセンサ装置の動作状態の確認や異常検出機能の起動・停止の切替操作を行うことができ、利便性や防犯性の向上が図れるという効果がある。
【0042】
請求項15の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、各住戸部の住人が自動車を降りたときに施錠を忘れても住戸親機を使って自動車のドアロックを遠隔操作で施錠できるから、当該自動車の車上盗難や車両盗難の発生を未然に防ぐことができるという効果がある。
【0043】
請求項16の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、自動車のエンジン停止が検知されてから所定時間が経過するまでに検出手段がセット状態に切り替えられなかったときにセット忘れ情報が住戸部の住戸親機に伝送されるため、センサ装置のセット忘れが防止できるという効果がある。
【0044】
請求項17の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、自動車のエンジンが停止したことを示すエンジン停止検知情報がセンサ装置から住戸部の住戸親機に伝送されるため、自動車で外出していた住人が帰ってきたことを在宅している住人に知らせることができ、利便性や安全性の向上が図れるという効果がある。
【0045】
請求項18の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、自動車のエンジン停止が検知されてから所定時間が経過するまでにドアロックが施錠されなかったときにドアロック忘れ情報が住戸部の住戸親機に伝送されるため、ドアロックの施錠忘れが防止できるという効果がある。
【0046】
請求項19の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、自動車のエンジンを遠隔操作で始動させることができて利便性が向上するという効果がある。
【0047】
請求項20の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、威嚇音を鳴動させることにより、例えば自動車に侵入した又は侵入しようとしている不審者を威嚇して盗難を防ぐことができるとともに、威嚇音鳴動の開始・停止を制御装置から遠隔操作することで誤動作への対応が可能になるという効果がある。
【0048】
請求項21の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、異常発生の履歴等を制御装置が具備するデータベースで一元管理することにより防犯対策の向上に役立てることができるという効果がある。
【0049】
請求項22の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、例えば、子供にセンサ装置を携帯させておけば、不審者に出会ったときなどにセンサ装置を使って管理室(制御装置)や自宅(住戸親機)に通報することができて集合住宅の敷地内における安全性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、集合住宅用のインターホン系のシステム(住宅情報盤システム)と、集合住宅の共用部において各住戸部の住人の所有物(例えば、自動車)を監視対象とする監視系のシステムを統合した実施形態について詳細に説明する。
【0051】
まず本実施形態の基本構成となる住宅情報盤システムについて説明する。この住宅情報盤システムは従来周知のものであって、図1に示すようにマンションのような集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホン60と、集合住宅の管理室等に設置される警報監視盤80と、各住戸部内に設置される住宅情報盤(以下、「住戸親機」という)1と、各住戸部の戸外に設置されるドアホン子器50とを備える。そして、警報監視盤80と各住戸部の住戸親機1が、通話音声や警報音等の音声信号とロビーインターホン60が具備するテレビカメラ68で撮像した映像信号を多重伝送する通話線La、呼出や警報等の制御信号を多重伝送する制御線Lbによって接続される。なお、本実施形態では映像信号を音声信号と多重伝送する構成を例示するが、映像信号を独立した映像伝送線で伝送する構成としても良い。
【0052】
図3はロビーインターホン60並びに警報監視盤80の構成を示すブロック図である。ロビーインターホン60は、CPUを主構成要素とする信号処理部61と、テンキーや呼出釦等を具備する操作部62と、表示ランプや液晶ディスプレイを具備する表示部63と、制御線Lbを介して警報監視盤80との間で制御信号を送受信する伝送送受信部64と、マイクロホン65並びにスピーカ66と、マイクロホン65並びにスピーカ66を用いて住戸親機1や警報監視盤80との間で拡声通話を行うための通話制御部67と、CCDのような撮像素子を有するテレビカメラ68と、テレビカメラ68の出力を信号処理して映像信号を出力する映像信号処理部69と、通話制御部67から出力される音声信号と映像信号処理部69から出力される映像信号を多重化して通話線Laに送出するとともに通話線Laにより送られてくる音声信号を通話制御部67に出力する入出力処理部70とを備えている。
【0053】
一方、警報監視盤80は、CPUを主構成要素とする信号処理部81と、テンキーや呼出釦等を具備する操作部82と、表示ランプや液晶ディスプレイを具備する表示部83と、制御線Lbを介して各住戸親機1並びにロビーインターホン60との間で制御信号を送受信する伝送送受信部84と、送受話器(ハンドセット)85と、送受話器85を用いて住戸親機1やロビーインターホン60との間で通話を行うための通話制御部87とを備えている。ここで、全ての住戸親機1、ロビーインターホン60、警報監視盤80にはそれぞれ固有のアドレスが割り当てられ、そのアドレスにより送信先を特定することで制御線Lbを介した制御信号の送受信が行われる。
【0054】
図2は住戸親機1並びにドアホン子器50の構成を示すブロック図であり、信号線Lcにより住戸親機1とドアホン子器50とが接続されている。ドアホン子器50は、マイクロホン51並びにスピーカ52と、2線−4線変換部53と、CCDのような撮像素子を有するテレビカメラ54と、テレビカメラ54の出力を信号処理して映像信号を出力する映像信号処理部55と、2線−4線変換部53から出力される音声信号と映像信号処理部55から出力される映像信号を多重化して信号線Lcに送出するとともに信号線Lcにより送られてくる音声信号を2線−4線変換部53に出力する入出力処理部56と、呼出釦57a(図1参照)が操作されたときに信号線Lcの電圧レベルを変化させることで呼出信号を送出する呼出信号送出部57とを備えている。
【0055】
住戸親機1は、CPUを主構成要素とする主制御部2と、応答釦3a等を具備する操作部3と、EEPROM等の不揮発性メモリからなる記憶部4と、制御線Lbを介して警報監視盤80との間で制御信号を送受信する伝送送受信部5と、火災感知器S1、ガス/CO複合センサS2、防犯外部セットスイッチSW、防犯スイッチSW1、コールスイッチSW2、非常スイッチSW3等の各種安全装置が接続され、火災感知器S1の発報信号やガス/CO複合センサS2からのガス漏れ信号あるいはコールスイッチSW2の操作信号等を監視する信号監視部6と、通話線Lcの電圧レベル変化を監視してドアホン子器50からの呼出信号を検出する呼出検出部7と、商用交流電源ACから電源供給を受けて住戸親機1の動作電源を作成する電源部8とを備える。
【0056】
また住戸親機1は、マイクロホン10及びスピーカ11と、CRTや液晶ディスプレイなどからなるモニタ部13と、ドアホン子器50又はロビーインターホン60からの映像信号を信号処理してモニタ部13に映像を表示させるとともに主制御部2から与えられる表示制御信号に応じて所定のシンボルを表示(スーパーインポーズ)させる映像表示部14と、ドアホン子器50又はロビーインターホン60から多重化されて伝送される音声信号と映像信号を分離する信号分離部16と、2線−4線変換部15と、ドアホン子器50並びに警報監視盤80との間で拡声通話を実現するための処理を行うとともにロビーインターホン60との間で拡声通話を実現するための処理を行う通話処理部17と、呼出音やバックトーンあるいは警報メッセージや警報音等を生成する音声生成部18と、マイクロホン10の出力信号(送話信号)を増幅するマイクロホンアンプ19と、マイクロホンアンプ19で増幅されたアナログの送話信号をデジタル信号に変換する第1A/D変換部20と、通話処理部17から出力されるデジタルの送話信号をアナログ信号に変換する第1D/A変換部21と、第1D/A変換部21で変換されたアナログの送話信号を増幅する送話信号増幅器22と、信号分離部16で分離された音声信号(受話信号)を増幅する受話信号増幅器23と、受話信号増幅器23で増幅されたアナログの受話信号をデジタル信号に変換する第2A/D変換部24と、通話処理部17から出力されるデジタルの受話信号をアナログ信号に変換する第2D/A変換部25と、第2D/A変換部25で変換されたアナログの受話信号を増幅する第1スピーカアンプ26と、音声生成部18で生成された呼出音等のデジタルの音声信号をアナログ信号に変換する第3D/A変換部27と、第3D/A変換部27で変換されたアナログの音声信号を増幅する第2スピーカアンプ28と、第1スピーカアンプ26で増幅された受話信号と第2スピーカアンプ28で増幅された呼出音等の音声信号を多重化する第1アナログ信号多重部29と、音声生成部18で生成された呼出音等のデジタルの音声信号をアナログ信号に変換する第4D/A変換部31と、第4D/A変換部31で変換されたアナログの音声信号を増幅する音声信号増幅器32と、送話信号増幅器22で増幅された送話信号と音声信号増幅器32で増幅された呼出音等の音声信号を多重化して2線−4線変換部15に出力する第2アナログ信号多重部33とを備える。なお、本実施形態では通話処理部17並びに音声生成部18をデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)で構成し、DSPのハードウェアを専用のソフトウェアで制御することによって後述する通話処理部17及び音声生成部18の機能を実現している。
【0057】
住戸親機1の通話処理部17は、マイクロホン10とスピーカ11の音響結合によって生じる音響エコーを抑圧する音響エコーキャンセラと、ドアホン子器50、ロビーインターホン60又は警報監視盤80における音響結合又は通話線Laを介した信号の回り込みによって生じる回線エコーを抑圧する回線エコーキャンセラと、音響エコーキャンセラ及び回線エコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループ(エコーパス)の一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有している。但し、エコーキャンセラ並びに音声スイッチは従来周知であるから詳細な構成及び動作についての図示並びに説明は省略する。
【0058】
上述のように構成される住宅情報盤システムでは、各住戸部に設置された住戸親機1とドアホン子器50、ロビーインターホン60、警報監視盤80との間で通話が行われるとともに、住戸親機1に接続された各種安全装置から異常発生の信号が入力されるとスピーカ11から警報音を鳴動させたり、警報監視盤80に異常発生を報知するのである。
【0059】
次に本発明の要旨である監視系のシステムについて説明する。本実施形態においては、集合住宅の敷地内に設けられた駐車場に駐車される自動車を監視対象物とする自動車用センサ装置100、共用部の廊下等に設置されて送信釦が押操作されたことを検出したときに検出信号を無線で送信する固定型発信用センサ装置110、集合住宅の住人が携帯し送信釦が押操作されたことを検出したときに検出信号を無線で送信する携帯型発信用センサ装置120を備えている。
【0060】
自動車用センサ装置100は、図4(a)に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる制御回路部100aと、車内の人の存在を検出する人感センサ部100bと、ドアの開閉やガラス破壊などに伴って生じる音の音圧並びに周波数を検出する音センサ部100cと、後述するリモコンユニット101や中継装置130との間で無線通信を行う無線通信部100dと、ブザーを有し不審者を威嚇するための音(威嚇音)を鳴動する威嚇音鳴動部100eと、発光ダイオードを発光させて不審者を威嚇するための光を照射する発光部100fとを具備している。人感センサ部100bは、人体から放射される熱線を焦電素子で感知することによって人の存在を検知し、その検知時に制御回路部100aに対して人体検知信号を出力する。また音センサ部100cはマイクロホンを利用して音を感知し、ドアの開閉音やガラスの破壊音の周波数帯域における音圧変化がしきい値を超えたときにドアが開閉されたりガラスが破壊されたとみなして制御回路部100aに対して異常検出信号を出力する。制御回路部100aでは人体検知信号又は異常検出信号が入力された場合に威嚇音鳴動部100eに制御信号を出力してブザーを駆動することにより威嚇音を鳴動させるとともに、発光部100fにも制御信号を出力して発光ダイオードを点灯(あるいは点滅)させることにより光で威嚇し、さらに無線通信部100dを制御して異常発生を知らせるために検出信号を送信させる。なお、このセンサ装置100では人感センサ部100b及び音センサ部100cを動作させて不審者の侵入等の異常を検出するセット状態と、人感センサ部100b及び音センサ部100cを動作させない非セット状態とが制御回路100aにおいて切替可能となっており、リモコンユニット101や中継装置130から送信されるワイヤレス信号(切替信号)を無線通信部100で受信したときにセット状態/非セット状態の切替が行われる。すなわち、所有者が自動車に乗車する前にリモコンユニット101を使ってセット状態から非セット状態に切り替え、自動車を駐車して降車した後にリモコンユニット101を使って非セット状態からセット状態に切り替えるのである。
【0061】
リモコンユニット101は、図4(b)に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる制御回路部101aと、図示しないセットスイッチ並びに解除スイッチの操作に伴って操作信号を発生させる操作入力部101bと、自動車用センサ装置100との間で無線通信を行う無線通信部101cと、LCD(液晶ディスプレイ)を有し自動車用センサ装置100の動作状態などを表示する表示部101dと、ブザーを駆動して警報音を鳴動させる警報音鳴動部101eとを具備している。制御回路部101aは、自動車用センサ装置100から送信された検出信号を無線通信部101cで受信すると、表示部101dに異常(不審者の車内への侵入やドアの開閉など)の発生を知らせる文字や図形などを表示させるとともに警報音鳴動部101eに制御信号を出力してブザーを駆動することにより警報音を鳴動させる。また制御回路部101aでは、操作入力部101bから操作信号が入力されるとその内容(セットスイッチの操作による操作信号か、解除スイッチの操作による操作信号か)を判断して非セット状態からセット状態若しくはセット状態から非セット状態への切り替えを指示する切替信号を無線通信部101cから送信させる。ここで、自動車用センサ装置100及びリモコンユニット101には固有のアドレスが割り当てられており、両者の間で無線通信を行う際には前記アドレスによって互いに相手を認識しているため、例えば、リモコンユニット101から送信される切替信号が別の自動車に搭載されている自動車用センサ装置100に受信されてセット状態と非セット状態が誤って切り替えられることがないようにしている。また自動車用センサ装置100の制御回路部100aは、リモコンユニット101から切替信号を受信して動作状態を切り替えた後、切替後の動作状態を知らせるためのワイヤレス信号をリモコンユニット101に対して送信しており、リモコンユニット101の制御回路部101aでは受信したワイヤレス信号に基づいて現在の動作状態(セット状態又は非セット状態)を表示部101dに表示する。またリモコンユニット101のセットスイッチを所定時間(例えば、5秒間)以上連続して操作したときに制御回路部101aが自動車用センサ装置100に強制的に威嚇音を鳴動させるための威嚇音鳴動指令を作成してワイヤレス信号により送信し、これを受信した自動車用センサ装置100の制御回路部100aが威嚇音鳴動部101eを駆動して威嚇音を鳴動させるようになっており、この強制的な威嚇音の鳴動はリモコンユニット101のリセットスイッチの操作で停止することができる。なお、自動車用センサ装置100からは定期的に無線信号が送信されており、リモコンユニット101の制御回路部101aでは前記無線信号が定期的に受信されなければ、電波の届かない圏外に居るものと判断して表示部101dにその旨の表示(圏外表示)を行う。
【0062】
図5(a)に示すように自動車用センサ装置100のケース102は扁平な箱形に形成された合成樹脂成型品からなり、プリント配線板(図示せず)に回路部品を実装して構成された上記回路が内部に収納されている。ケース102の中央上部には多数の縦溝102aが貫設されており、この縦溝102aを通して音センサ部100cのマイクロホンにドアの開閉等に伴う音圧変化(音)が検知される。またケース102の四隅には透光性を有した合成樹脂材料からなる透光部102bがケース102と一体に形成されており、この透光部102bを通して発光部100fの光がケース102の外に照射される。また図5(b)に示すようにリモコンユニット101のケース103も扁平な箱形に形成された合成樹脂成型品からなり、プリント配線板(図示せず)に回路部品を実装して構成された上記回路が内部に収納されている。ケース103の前面上部には表示部101dの表示面101fが露出し、前面中央部にはセットスイッチ及び解除スイッチをそれぞれ操作するセット釦101gと解除釦101hが押操作自在に配設され、さらに前面下部には警報音をケース103の外に放射するための多数の溝101iが列設されている。
【0063】
固定型発信用センサ装置110は、図6に示すように発信スイッチ(図示せず)の操作に伴って操作信号を発生させる操作部111と、無線信号を送信する送信部112と、操作部111から操作信号が入力されたときに送信部112を制御して無線信号(検出信号)を送信させる信号処理部113と、商用電源から各部の動作電源を作成する電源部114とを具備している。また携帯型発信用センサ装置120は固定型発信用センサ装置110とほぼ共通の回路構成を有しており、操作部121と送信部122と信号処理部123と電源部124とを具備している。但し、携帯型発信用センサ装置120の電源部124は、商用電源の代わりに電池から各部の動作電源を作成している。なお、固定型及び携帯型の何れの発信用センサ装置110,120も集合住宅の敷地内に多数存在するが、個々のセンサ装置110,120にはそれぞれ固有の識別符号(ID)が割り当てられ、その識別符号を検出信号に付加して送信することにより受信側で各センサ装置110,120の識別が可能となっている。但し、自動車用センサ装置100の識別符号については、リモコンユニット101との通信に使用するアドレスと共通にすればよい。
【0064】
これら各種のセンサ装置100,110,120から送信される検出信号は、集合住宅の共用部に設置された多数の中継装置130で受信される。この中継装置130は、図7に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる中継処理部131と、検出信号の受信だけでなく後述する種々の無線信号の送受信を行う無線通信部132と、後述する中継インタフェース装置140との間で通信線Lwを介して信号を送受信する有線通信部133とを具備し、中継処理部131が無線通信部132で受信した検出信号を有線通信部133から通信線Lwを介して中継インタフェース装置140に送信させることで検出信号の中継処理を行っている。また中継インタフェース装置140は、図8に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる信号処理部141と、各中継装置130との間で通信線Lwを介して信号を送受信する有線通信部142と、制御線Lbを介して警報監視盤80との間で制御信号を送受信する伝送送受信部143と、固定電話又は携帯電話の電話番号に発呼して音声信号を送信する通知部144と、磁気ディスクのように比較的大容量の記録媒体を利用してデータを記憶する記憶部145とを具備している。ここで、複数の中継装置130にもそれぞれ固有のアドレスが割り当てられ、そのアドレスを検出信号に付加して送信することにより中継インタフェース装置140で個々の中継装置130の識別が可能となっている。また中継インタフェース装置140には警報監視盤80との間で制御線Lbを介した制御信号の送受信を行うために固有のアドレスが割り当てられている。さらに中継インタフェース装置140においては、(1)全ての住戸親機1のアドレスと各住戸親機1が設置されている住戸部の住人が所有する自動車に搭載された自動車用センサ装置100の識別符号との対応関係、(2)各住戸部の住戸親機1のアドレスと各住戸部の住人が携帯する携帯型発信用センサ装置120の識別符号との対応関係、(3)各中継装置130のアドレスとその設置場所との対応関係、(4)住戸親機1のアドレスと各住戸部毎に指定された電話番号との対応関係、がそれぞれデータテーブルの形式で記憶部145に格納されている。
【0065】
ここで、各種のセンサ装置100,110,120から検出信号が送信された場合における本システムの動作を説明する。
【0066】
まず駐車場に駐車している自動車に異常が発生した場合について説明する。不審者が自動車のドアを開けたり或いは車内に侵入すると自動車用センサ装置100から検出信号が送信され、その検出信号が共用部に設置されている1乃至複数の中継装置130に中継されて中継インタフェース装置140で受信される。中継インタフェース装置140では、受信した検出信号に含まれる識別符号と対応する住戸親機1のアドレスを信号処理部141が記憶部145に格納されているデータテーブルと照合して特定し、特定したアドレスを宛先とし且つ検出信号の内容(自動車の異常発生)をデータとする制御信号を生成して伝送送受信部143から制御線Lbに送出させる。中継インタフェース装置140から送信された制御信号は宛先のアドレスが割り当てられた住戸親機1、つまり異常が発生している自動車の所有者宅に設置されている住戸親機1の伝送送受信部5で受信されて主制御部2に送られる。制御信号を受け取った主制御部2は、制御信号のデータに基づいて自動車に異常が発生していると判断すると映像表示部14を制御して自動車の異常発生を報知する所定のシンボルをモニタ部13に表示させるとともに、音声生成部18を制御して自動車の異常発生を報知する報知音若しくはメッセージを生成させてスピーカ11から出力させる。また警報監視盤80では住戸親機1のアドレス宛に送信される制御信号を伝送送受信部84で受信しており、制御信号が自動車用センサ装置100の検出信号をデータとして有するものであると信号処理部81において判断すると、表示部83を制御して自動車の異常発生と当該自動車の所有者の住戸番号(又は住戸親機1のアドレス)とを表示させるとともに図示しないブザー等を鳴動させて管理人に異常発生を報知する。さらに中継インタフェース装置140においては、信号処理部141が記憶部145に格納されているデータベースと照合して特定された住戸親機1のアドレスに対応する電話番号を取得し、通知部144を制御して当該電話番号に発呼させるとともに相手の電話機が応答したら自動車の異常発生を知らせるメッセージを通知部144から送信させる。
【0067】
次に共用部に設置されている固定型発信用センサ装置110若しくは住人が携帯する携帯型発信用センサ装置120から検出信号が送信された場合について説明する。例えば、集合住宅の共用部で住人が不審者を発見したり或いは盗難等の犯罪の被害に遭ったときに共用部に設置されている固定型発信用センサ装置110或いはその住人が携帯している携帯型発信用センサ装置120の発信スイッチを操作するとセンサ装置110,120から検出信号が送信され、その検出信号が共用部に設置されている1乃至複数の中継装置130で受信される。中継装置130では、無線通信部132が受信した検出信号の電波強度を計測し、中継処理部131がその計測値を自己のアドレスとともに検出信号に付加して有線通信部131から通信線Lwを介して中継インタフェース装置140に送信する。中継インタフェース装置140では、信号処理部141が検出信号に含まれる識別符号に基づいて発信元のセンサ装置の種類を判別するとともに、検出信号の電波強度に基づいて発信元から最も近い距離に設置されている中継装置130を推定し、そのアドレスを記憶部145に格納されているデータテーブルと照合することによって当該中継装置130の設置場所を特定する。そして信号処理部141は、送信元が携帯型発信用センサ装置120であれば識別符号と対応する住戸親機1のアドレスを記憶部145に格納されているデータテーブルと照合して特定し、特定したアドレスを宛先とし且つ検出信号の内容(携帯型発信用センサ装置120を携帯した住人に対する異常発生)と前記中継装置130の設置場所をデータとする制御信号を生成し、送信元が固定型発信用センサ装置110であれば検出信号の内容(共用部における異常発生)と前記中継装置130の設置場所をデータとする制御信号を生成して伝送送受信部143から制御線Lbに送出させる。そして、発信元が携帯型発信用センサ装置120の場合、自動車用センサ装置100から検出信号が送信されたときと同様に特定された住戸親機1並びに警報監視盤80において異常発生及びその発生場所(中継装置130の設置場所)が報知され、発信元が固定型発信用センサ装置110の場合には、警報監視盤80においてのみ異常発生及びその発生場所(中継装置130の設置場所)が報知される。
【0068】
上述のように本実施形態では中継インタフェース装置140が警報監視盤80と連係して各住戸部に設置された住戸親機1に異常発生の報知を行っており、中継インタフェース装置140と警報監視盤80とで制御装置を構成している。而して、集合住宅に設置されているインターホン系のシステム(住宅情報盤システム)を利用して監視対象物(自動車、住人など)に対する異常発生を必要な住戸部に報知することができるから、報知のためのシステムを別途構築する場合に比較して導入コストが抑制できるとともに公衆通信網を使用しないで済むことから運用コストも抑制でき、しかも、集合住宅の共用部に設置した多数のセンサ装置100,110,120と制御装置(警報監視盤80と中継インタフェース装置140)とを中継装置130を介して無線で接続しているから、集合住宅の敷地内を広範囲に監視することができる。また異常発生の報知先の住戸部が不在の場合でも当該住戸部の住人に電話(携帯電話など)で報知することができるから使い勝手が向上するという利点もある。なお、上述のように複数の中継装置130が検出信号を受信したときの受信強度(電波強度)を測定し、それらの計測値を検出信号とともに中継インタフェース装置140に伝送し、中継インタフェース装置140の信号処理部141にて当該計測値の大小関係に基づいて携帯型発信用センサ装置120が検出信号を送信した場所を特定すれば、異常が発生した場所を特定して速やかに対処することができる。また、駐車場に駐車している自動車に何らかの異常(車上盗難や車両盗難など)が発生した場合、当該自動車の近辺に駐車している自動車の所有者である住人の住戸部にも異常発生を報知することで被害の拡大を防ぐことができるから、駐車場における自動車の配置と住戸親機1のアドレスとの対応関係を記憶部145に格納しておき、信号処理部141で異常が発生した自動車の所有者だけでなく当該自動車の近辺(例えば、両隣)の自動車の所有者の住戸部に設置された住戸親機1のアドレスも同時に特定し、それら近隣の住戸親機1に対しては近くに駐車されている自動車に異常が発生していることを報知することが望ましい。
【0069】
ところで、自動車用センサ装置100はリモコンユニット101から送信されるワイヤレス信号(切替信号)によってセット状態と非セット状態との切り替えが遠隔から操作可能であり、且つ自動車用センサ装置100から送信されるワイヤレス信号によってリモコンユニット101における動作状態(セット状態又は非セット状態)の確認が可能であるが、この機能を利用すれば自動車用センサ装置100の動作状態の切替及び動作確認を住戸親機1から遠隔操作することができる。例えば、リモコンユニット101のセットスイッチ及び解除スイッチに相当するスイッチを住戸親機1に設けるか、あるいは住戸親機1に設けられている既存の複数のスイッチをセットスイッチ及び解除スイッチとして使用し、そのスイッチが操作されて操作部3から主制御部2に操作信号が入力すると主制御部2が自動車用センサ装置100をセット状態又は非セット状態に切り替えるための切替指令を含む制御信号を生成して伝送送受信部5から中継インタフェース装置140のアドレス宛に送信する。この制御信号を受信した中継インタフェース装置140では、信号処理部141が送信元の住戸親機1のアドレスと対応する自動車用センサ装置100の識別符号を記憶部145に格納されているデータテーブルと照合して特定し、その識別符号(アドレス)と切替指令とを含む制御信号を有線通信部142より各中継装置130に向けて送信する。中継装置130においては、中継処理部131が受信した上記制御信号に含まれるアドレス及び切替指令をリモコンユニット101から送信されるワイヤレス信号(切替信号)のフォーマットに準拠させて無線通信部132より送信させる。この切替信号がアドレスで指定された自動車用センサ装置100において受信され、制御回路部100aにより動作状態がセット状態又は非セット状態に切り替えられる。そして、切替信号を受信して動作状態を切り替えた後、制御回路部100aが切替後の動作状態を知らせるためのワイヤレス信号を送信する。このワイヤレス信号は検出信号の場合と同様の手順で切替指令を送信した住戸親機1に中継され、住戸親機1のモニタ部13において自動車用センサ装置100の現在の動作状態(セット状態又は非セット状態)を表示することができる。また、切替指令だけでなく強制的に威嚇音を鳴動させるための威嚇音鳴動指令について、上述の手順と同様にして住戸親機1から中継インタフェース装置140並びに中継装置130を介して自動車用センサ装置100に送信し、住戸親機1において自動車用センサ装置100における威嚇音の鳴動開始及び停止を遠隔操作することが可能である。
【0070】
ところで、図1に示すように本実施形態では中継インタフェース装置140の他にも監視カメラインタフェース装置150と機器インタフェース装置160とが警報監視盤80に接続され、警報監視盤80及び中継インタフェース装置140とともに制御装置を構成している。監視カメラインタフェース装置150には、共用部に設置されて各々が監視対象物(駐車場に駐車されている自動車など)を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラ170が接続される。但し、これらの監視カメラ170はCCDのような撮像素子を有する従来周知のものであるから詳細な説明は省略する。監視カメラインタフェース装置150は、図9に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる信号処理部151と、多数の監視カメラ170が接続され、それらのうちの一台の監視カメラ170の撮像画像を選択して取り込むカメラ切替部152と、カメラ切替部152で取り込まれ且つ信号処理部151で信号処理された撮像画像(画像データ)を記憶する画像記憶部153と、制御線Lbを介して警報監視盤80との間で制御信号を送受信する伝送送受信部154とを具備する。信号処理部151ではカメラ切替部152により取り込んだ画像信号に対してアナログからディジタルへの変換や変換されたデータの圧縮等の処理を行うとともに処理後の画像データを画像記憶部153に格納し、さらに必要に応じて画像記憶部153から読み出した画像データを含む制御信号を伝送送受信部154から警報監視盤80や住戸親機1に伝送する。また信号処理部151においては、個々の監視カメラ170の撮像領域(監視領域)とセンサ装置100,110並びに中継装置130の各設置場所との対応関係をメモリに格納している。
【0071】
例えば、自動車用センサ装置100から検出信号が送信された場合、中継インタフェース装置140から制御線Lbを介して伝送される制御信号が警報監視盤80においても受信され、警報監視盤80の信号処理部81では受信した制御信号に含まれる自動車用センサ装置100の識別符号をデータとする制御信号を生成して伝送送受信部84から制御線Lbを介して監視カメラインタフェース装置150に伝送する。監視カメラインタフェース装置150では、警報監視盤80から送信された制御信号を伝送送受信部154で受信すると信号処理部151が制御信号に含まれる識別符号とメモリに格納されている対応関係とを照合して異常が発生している場所(駐車場)を撮像領域に含む監視カメラ170を特定し、特定された監視カメラ170の撮像画像をカメラ切替部152から取り込んで信号処理を行い、処理後の画像データを画像記憶部153に記憶するとともに制御信号により警報監視盤80に伝送する。この制御信号を受信した警報監視盤80においては、信号処理部81が画像データから再生した撮像画像を表示部83に表示させるとともに、既に特定されている住戸親機1のアドレスを宛先とする制御信号で当該画像データを伝送(配信)する。そして、警報監視盤80から伝送された制御信号が住戸親機1で受信され、主制御部2が画像データから再生した撮像画像を映像表示部14によってモニタ部13に表示させる。したがって、異常が発生した自動車及びその周囲の撮像画像を警報監視盤80並びに当該自動車の所有者の住戸部に設置された住戸親機1において見ることができて、発生した異常の内容やその原因あるいは加害者等が確認できるから、事後の対処や犯罪捜査への貢献が図れるという利点がある。また撮像画像が中継インタフェース装置140の画像記憶部153に記憶されているから、異常発生後においても警報監視盤80や住戸親機1で撮像画像を確認することができる。なお、住人のプライバシー保護の観点から住戸親機1においてのみ撮像画像が確認できるようにしてもよい。また複数の中継装置130が検出信号を受信したときの受信強度(電波強度)を測定し、それらの計測値を検出信号とともに中継インタフェース装置140に伝送し、中継インタフェース装置140の信号処理部141にて当該計測値の大小関係に基づいて検出信号を送信したセンサ装置100,110,120の場所を特定すれば、監視カメラインタフェース装置150の信号処理部151において個々の監視カメラ170の撮像領域(監視領域)とセンサ装置100,110並びに中継装置130の各設置場所との対応関係をメモリに格納して照合しなくても異常が発生した場所を監視カメラ170で撮像できる。
【0072】
一方、機器インタフェース装置160には、共用部に設置された複数の照明装置180と、同じく共用部に設置された複数の警報装置190と、集合住宅の周辺道路から駐車場への出入口に設けられて該出入口を開閉するゲート装置210とが接続される。但し、照明装置180は白熱灯や放電灯等の光源と、これらの光源を点灯する安定器とを具備した従来周知の構成を有するものであるから詳細な説明は省略する。
【0073】
警報装置190は、図11に示すように機器インタフェース装置160から制御指令を受信する受信部191と、ブザーを駆動して警報音を鳴動させる警報音鳴動部192と、受信部191で受信する制御指令に基づいて警報音鳴動部192の動作を制御する警報制御部193とを具備している。
【0074】
ゲート装置210は、図12に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなるゲート制御部211と、機器インタフェース装置から制御指令を受信する受信部212と、図示しないワイヤレスリモコンからワイヤレス信号(制御指令)を受信する無線受信部213と、出入口の両端に立設された支柱の間に張り渡されたチェーンを昇降するチェーン昇降部214と、チェーンを昇降する駆動源(電動機)を駆動する駆動部215とを具備している。駐車場に駐車している自動車の所有者がワイヤレスリモコンを所持しており、自動車で出入口を通過する際にワイヤレスリモコンを操作してゲート装置210に制御指令を送信すると、無線受信部213で受信した制御指令がゲート制御部211に送られ、その制御指令に基づいてゲート制御部211が駆動部215を介してチェーン昇降部214を駆動することにより、チェーンが降下して出入口が開くようになっている。また、ゲート装置210には自動車の通過を検知するセンサが設けられており、このセンサで自動車の通過を検知するか、あるいはチェーンの降下から所定時間が経過すれば、ゲート制御部211が自動的に駆動部215を介してチェーン昇降部214を駆動することによりチェーンが上昇して出入口を閉じるようになっている。なお、複数のワイヤレスリモコンにはそれぞれ住戸部毎に固有の住戸部IDが割り当てられており、この住戸部IDが制御指令とともにゲート装置210に送信され、ゲート装置210のゲート制御部211では制御指令とともに受信した住戸部IDが予め登録されている住戸部IDと一致したときにだけ駆動部215を介してチェーン昇降部214を駆動することで安全性の向上が図られている。
【0075】
一方、機器インタフェース装置160は、図10に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる信号処理部161と、複数の照明装置180が接続され、それらの照明装置180の点灯・消灯を個別に切り替える照明装置接続部162と、複数の警報装置190が接続され、それらの警報装置190に制御指令を送信する警報装置接続部163と、ゲート装置210が接続され、ゲート装置210に対して制御指令を送信するゲート装置接続部164と、制御線Lbを介して警報監視盤80との間で制御信号を送受信する伝送送受信部165とを具備する。また信号処理部161においては、個々の照明装置180から照明光が照射される範囲(照射範囲)とセンサ装置100,110並びに中継装置130の各設置場所との対応関係、警報装置190の設置場所とセンサ装置100,110並びに中継装置130の各設置場所との対応関係、自動車用センサ装置100の識別符号とゲート装置210のワイヤレスリモコンに割り当てられた住戸部IDとの対応関係をメモリに格納している。
【0076】
例えば、自動車用センサ装置100から検出信号が送信された場合、中継インタフェース装置140から制御線Lbを介して伝送される制御信号が警報監視盤80においても受信され、警報監視盤80の信号処理部81では受信した制御信号に含まれる自動車用センサ装置100の識別符号をデータとする制御信号を生成して伝送送受信部84から制御線Lbを介して機器インタフェース装置160に伝送する。機器インタフェース装置160では、警報監視盤80から送信された制御信号を伝送送受信部165で受信すると信号処理部161が制御信号に含まれる識別符号とメモリに格納されている対応関係とを照合して異常が発生している場所(駐車場)を照射範囲に含む照明装置180と当該場所(駐車場)の近くに設置された1乃至複数の警報装置190を特定し、照明装置接続部162によって特定された照明装置180を点灯状態に切り替えるとともに、特定された警報装置190に対して警報装置接続部163から警報音を鳴動させるための制御指令を送信する。制御指令を受信した警報装置190では、警報制御部193が警報音鳴動部192を制御して警報音を鳴動させる。したがって、異常が発生した自動車の駐車場及びその周囲が暗い場合(例えば、夜間)においても照明装置180で照明し、さらに異常発生場所の近辺に設置されている警報装置190から警報音を鳴動させることにより、二次的な被害の発生が抑制できるものである。なお、複数の中継装置130が検出信号を受信したときの受信強度(電波強度)を測定し、それらの計測値を検出信号とともに中継インタフェース装置140に伝送し、中継インタフェース装置140の信号処理部141にて当該計測値の大小関係に基づいてセンサ装置100,110,120が検出信号を送信した場所を特定すれば、機器インタフェース装置160の信号処理部161において個々の照明装置180の照射範囲や警報装置190の設置場所とセンサ装置100,110,120並びに中継装置130の各設置場所との対応関係をメモリに格納して照合しなくても、異常が発生したときに必要な照明装置180や警報装置190を動作させることができる。
【0077】
また信号処理部161においては、メモリに格納されている対応関係に基づいて制御信号に含まれる識別符号に対応したゲート装置210のワイヤレスリモコンに割り当てられた住戸部IDを特定し、特定した住戸部IDを無効とする制御指令をゲート装置接続部164から送信する。ゲート装置210においては、受信部212で受信した上記制御指令がゲート制御部211に送られ、ゲート制御部211では受信した制御指令で指定されている住戸部IDを無効とし、ワイヤレスリモコンから受信したワイヤレス信号(制御指令)の住戸部IDが当該住戸部IDと一致したときには駆動部215を駆動しない。すなわち、駐車場のゲート装置210を遠隔操作するためのワイヤレスリモコンは自動車の車内に置かれていることが多いから、異常が発生した自動車の所有者(住戸部)に割り当てられている住戸部IDを含むワイヤレス信号の制御指令を無効とすることにより、当該自動車の盗難を阻止しつつ、他の住人はワイヤレスリモコンを使ってゲート装置210を遠隔操作することができるから利便性が損なわれないという利点がある。但し、信号処理部161においてゲート装置210に対してゲートを開くこと(チェーンを下降させること)を禁止する制御指令をゲート装置制御部164から送信し、全てのワイヤレスリモコンによる操作を禁止するようにしてもよく、駐車場の出入口に設置されたゲート装置210を制御して出入口を閉じることで自動車の盗難を阻止することができ、犯罪捜査に貢献できるとともに二次的な被害の発生が抑制できる。
【0078】
ところで本実施形態においては、自動車のエンジンを始動及び停止させるエンジン制御装置220と、自動車のドアロックを施錠及び解錠させるドアロック制御装置230とを駐車場に駐車される自動車に搭載し、エンジン制御装置220及びドアロック制御装置230を住戸親機1から遠隔操作するように構成されている。エンジン制御装置220は、図13に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる信号処理部221と、中継装置130との間で無線信号の送受信を行う無線通信部222と、ハーネスケーブルを介して自動車のイグニションスイッチと並列に接続され、イグニションスイッチが有する複数の接点間を開閉するイグニションスイッチ接続部223とを具備する。つまり、イグニションスイッチに並列接続されたイグニションスイッチ接続部222において、イグニションスイッチが有する複数の接点のうちでスタータの起動に対応した接点間を導通させた後にディストリビュータ等への電源供給に対応した接点間を導通させることによりスタータを起動してエンジンを始動することができ、また上記接点間を非導通にしてディストリビュータ等への電源供給を遮断すればエンジンを停止させることができ、さらにはディストリビュータ等への電源供給の有無に基づいてエンジンの動作状態を検出することができる。
【0079】
また最近の自動車では、ドアロックの開閉機構に電磁ソレノイドを駆動源とするアクチュエータを利用したものが増えており、上記電磁ソレノイドを動作させることでドアロックの施錠・解錠を切り替えることが可能である。そのためにドアロック制御装置230は、図14に示すようにマイクロコンピュータとメモリなどの周辺回路からなる信号処理部231と、中継装置130との間で無線信号の送受信を行う無線通信部232と、ハーネスケーブルを介してドアロックの開閉機構(電磁ソレノイド)に接続され、電磁ソレノイドを動作させるドアロック接続部232とを具備する。なお、信号処理部231では電磁ソレノイドの動作状態に基づいてドアロックの施錠されているか解錠されているかを検出している。なお、エンジン制御装置220並びにドアロック制御装置230には固有の識別符号が割り当てられており、全ての住戸親機1のアドレスと各住戸親機1が設置されている住戸部の住人が所有する自動車に搭載されたエンジン制御装置220並びにドアロック制御装置230の識別符号との対応関係がデータテーブルの形式で中継インタフェース装置140の記憶部145に格納されている。
【0080】
而して、住戸親機1の操作部3に新たに設けたスイッチ若しくは既存の複数のスイッチの同時操作が行われたときにエンジンの始動・停止あるいはドアロックの施錠・解錠を指示する指令(始動指令・停止指令・施錠指令・解錠指令)を含む制御信号を主制御部2が生成して伝送送受信部5から中継インタフェース装置140のアドレス宛に送信する。この制御信号を受信した中継インタフェース装置140では、信号処理部141が送信元の住戸親機1のアドレスと対応するエンジン制御装置220若しくはドアロック制御装置230の識別符号を記憶部145に格納されているデータテーブルと照合して特定し、その識別符号と受信した指令とを含む制御信号を有線通信部142より送信する。中継装置130では中継インタフェース装置140から送信された制御信号を無線信号に変換して送信する。そして、識別符号が一致するエンジン制御装置220若しくはドアロック制御装置230で上記無線信号(制御信号)が受信されると、信号処理部221,231が指令の内容(始動指令・停止指令・施錠指令・解錠指令)に応じてイグニションスイッチ接続部223又はドアロック接続部233を制御することでエンジンの始動・停止とドアロックの施錠・解錠とが住戸親機1から遠隔操作できる。また制御信号を受信してエンジンの始動・停止若しくはドアロックの施錠・解錠を行った後、エンジン制御装置220の信号処理部221又はドアロック制御装置230の信号処理部231がその後の動作状態を検知した検知情報(エンジン始動検知情報・エンジン停止検知情報・ドアロック施錠検知情報・ドアロック解錠検知情報)をワイヤレス信号で送信する。このワイヤレス信号は検出信号の場合と同様の手順で指令を送信した住戸親機1に中継され、住戸親機1のモニタ部13において各検知情報に基づくエンジンの状態(始動、停止)並びにドアロックの状態(施錠、解錠)を表示することができる。
【0081】
したがって、異常が発生したときには自動車のエンジンを住戸親機1から遠隔操作で停止させて自動車の盗難を阻止することができ、異常が発生していないときには自動車のエンジンを住戸親機1から遠隔操作で始動させて暖機運転を行うことで利便性が向上する。また、各住戸部の住人が自動車を降りたときにドアロックの施錠を忘れても住戸親機1を使って自動車のドアロックを遠隔操作で施錠できるから、自動車の車上盗難や車両盗難の発生を未然に防ぐことができる。さらに、自動車のエンジンが停止したことを示すエンジン停止検知情報が自動車用センサ装置100から住戸部の住戸親機1に伝送されるため、自動車で外出していた住人が帰ってきたことを在宅している住人に知らせることができ、利便性や安全性の向上が図れるという利点がある。
【0082】
またエンジン制御装置220並びにドアロック制御装置230では住戸親機1から遠隔操作された場合に限らず、運転者がキーを使ってエンジンを停止した場合やドアロックを施錠した場合にエンジンやドアロックの状態を検知してその検知結果(動作状態情報)を中継装置130を介して中継インタフェース装置140に送信している。中継インタフェース装置140では、エンジンが停止したことを検知した動作状態情報を受信した時点から信号処理部141が所定時間(例えば、数分)のカウント(限時)を開始し、カウントアップするまで(所定時間が経過するまで)にドアロックが施錠されたことを検知した動作状態情報を受信しなかったとき、若しくはカウントアップまでに自動車用センサ装置100からセット状態に切り替えられたことを検知した動作状態情報を受信しなかったときは、それぞれドアロック忘れ情報並びにセット忘れ情報が住戸部の住戸親機1に伝送されるため、ドアロックの施錠忘れや自動車用センサ装置100のセット忘れが防止できる。尚、中継インタフェース装置140において、センサ装置100,110,120から検出信号を受信したときに送信元のセンサ装置100,110,120の識別符号、異常発生の日時及び時刻などの異常発生の履歴を含むデータベースを記憶部145に格納すれば、異常発生の履歴等を中継インタフェース装置140が具備するデータベースで一元管理することにより防犯対策の向上に役立てることができる。なお、住戸親機1から自動車用センサ装置100やエンジン制御装置220あるいはドアロック制御装置230に指令を送信した後、所定時間が経過するまでに自動車用センサ装置100、エンジン制御装置220あるいはドアロック制御装置230から動作状態の情報が返信されてこない場合は表示部101dにその旨の表示(圏外表示)を行っており、この圏外表示によって駐車場における自動車の有無が判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本実施形態のシステム構成図である。
【図2】同上における住戸親機及びドアホン子器のブロック図である。
【図3】同上におけるロビーインターホン及び警報監視盤のブロック図である。
【図4】(a)は同上における自動車用センサ装置のブロック図、(b)は自動車用センサ装置のリモコンユニットのブロック図である。
【図5】(a)は同上における自動車用センサ装置の平面図、(b)は自動車用センサ装置のリモコンユニットの平面図である。
【図6】同上における固定型発信用センサ装置並びに携帯型発信用センサ装置のブロック図である。
【図7】同上における中継装置のブロック図である。
【図8】同上における中継インタフェース装置のブロック図である。
【図9】同上における監視カメラインタフェース装置のブロック図である。
【図10】同上における機器インタフェース装置のブロック図である。
【図11】同上における警報装置のブロック図である。
【図12】同上におけるゲート装置のブロック図である。
【図13】同上におけるエンジン制御装置のブロック図である。
【図14】同上におけるドアロック制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
1 住戸親機
50 ドアホン子器
60 ロビーインターホン
80 警報監視盤
100 自動車用センサ装置
110 固定型発信用センサ装置
120 携帯型発信用センサ装置
130 中継装置
140 中継インタフェース装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホンと、集合住宅の各住戸部内に設置される住戸親機と、各住戸部の玄関に設置されて当該住戸部内の住戸親機と信号線で接続されるドアホン子器と、集合住宅の管理室に設置されてロビーインターホン及び各住戸部の住戸親機と信号線で接続される制御装置と、集合住宅の共用部において当該集合住宅の住人に関わる監視対象物の異常を検出するとともに異常検出時に検出信号を無線で送信する複数のセンサ装置と、集合住宅の共用部に設置されセンサ装置から送信された検出信号を受信すると当該検出信号を無線若しくは有線で制御装置に中継する複数の中継装置とを備え、各住戸部の住戸親機とドアホン子器との間、並びに住戸親機とロビーインターホンとの間でそれぞれ通話するための通話手段を住戸親機とドアホン子器とロビーインターホンとに有し、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物に関連する住人の住戸部に設置された住戸親機を特定する特定手段と、特定手段で特定された住戸親機に対して信号線を介して異常検出の内容を報知する報知手段とを具備することを特徴とする集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項2】
集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホンと、集合住宅の各住戸部内に設置される住戸親機と、各住戸部の玄関に設置されて当該住戸部内の住戸親機と信号線で接続されるドアホン子器と、集合住宅の管理室に設置されてロビーインターホン及び各住戸部の住戸親機と信号線で接続される制御装置と、集合住宅の共用部において当該集合住宅の住人に関わる監視対象物の異常を検出するとともに異常検出時に検出信号を無線で送信する複数のセンサ装置と、集合住宅の共用部に設置されセンサ装置から送信された検出信号を受信すると当該検出信号を無線若しくは有線で制御装置に中継する複数の中継装置とを備え、各住戸部の住戸親機とドアホン子器との間、並びに住戸親機とロビーインターホンとの間でそれぞれ通話するための通話手段を住戸親機とドアホン子器とロビーインターホンとに有し、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物に関連する住人の住戸部に設置された住戸親機を特定する特定手段と、特定手段で特定された住戸親機に対して信号線を介して異常検出の内容を報知する報知手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物に関連する住戸部を特定するとともに当該住戸部について予め登録されている電話番号に発呼して異常検出の内容を通知する通知手段とを具備することを特徴とする集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項3】
前記特定手段は、中継装置がセンサ装置から無線で送信された検出信号を受信したときの受信強度に基づいて当該センサ装置が検出信号を送信した場所を特定することを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項4】
前記特定手段は、異常が発生した監視対象物を所有する住人の住戸部に設置された住戸親機と、当該監視対象物の近くに存在する監視対象物を所有する住人の住戸部に設置された住戸親機とを特定することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項5】
共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を表示する表示手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を表示手段に表示させる監視カメラ制御手段とを具備することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項6】
共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を録画する録画手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を録画手段に録画させる監視カメラ制御手段とを具備することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項7】
共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を信号線を介して住戸親機に配信する画像配信手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を画像配信手段により特定手段で特定された住戸親機に配信させる画像管理手段とを具備することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項8】
共用部に設置されるとともに通信線で制御装置と接続され、各々が監視対象物を含み且つ互いに異なる監視領域を撮像する複数の監視カメラを備え、制御装置は、通信線を介して伝送される監視カメラの撮像画像を録画する録画手段と、録画手段で録画された画像を信号線を介して住戸親機に配信する画像配信手段と、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を含む監視領域を特定し当該監視領域を撮像する当該監視カメラの撮像画像を録画手段に録画させるとともに当該録画画像を画像配信手段により特定手段で特定された住戸親機に配信させる画像管理手段とを具備することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項9】
共用部に設置される1乃至複数の照明装置を備え、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物を照射範囲に含む照明装置を特定し当該照明装置を制御して照射範囲を照明させる照明制御手段を具備することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項10】
共用部に設置されて警報音を鳴動する1乃至複数の警報装置を備え、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときに当該検出信号に含まれる識別情報に基づいて異常が発生した当該監視対象物の近辺に設置されている警報装置を特定し当該警報装置を制御して警報音を鳴動させる警報制御手段を具備することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項11】
集合住宅の敷地外から共用部への出入口に設けられ、当該出入口を開閉するゲート装置を備え、制御装置は、何れかの中継装置から検出信号が中継されたときにゲート装置を制御して出入口を閉じさせるゲート制御手段を具備したことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項12】
各住戸部毎に割り当てられた住戸部IDとともにゲート装置に対して出入口の開閉を指示するコマンドをワイヤレス信号で送信する複数のワイヤレスリモコンを備え、ゲート装置は、扉や鎖などを用いて出入口の通過を阻止する阻止手段と、ワイヤレス信号を受信する受信手段と、受信手段で受信したワイヤレス信号のコマンドに応じて阻止手段を制御して出入口を開閉させる制御手段とを具備し、制御装置は、特定手段で特定された住戸親機が設置されている住戸部の住戸部IDを含むワイヤレス信号のコマンドを無効とする指令をゲート装置の制御手段に対して与える前記ゲート制御手段を具備したことを特徴とする請求項11記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項13】
共用部に駐車する各自動車に搭載され、当該自動車に不審者が乗車したことを検出する前記センサ装置と、前記自動車に搭載され、ワイヤレス信号によりエンジンを停止させるエンジン制御装置とを備え、住戸親機は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にエンジンの停止指令を伝送する伝送手段とを具備し、制御装置は、住戸親機から停止指令を受け取ったときに当該住戸親機の住人が所有する自動車に搭載されたエンジン制御装置に対して中継装置を介して停止指令を送信させる手段を具備したことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項14】
前記センサ装置は、ワイヤレス信号の送受信機能を有しワイヤレス信号で受け取ったコマンドに応じて異常検出機能の起動・停止などの動作制御を行うとともに動作状態の情報をワイヤレス信号で送信し、住戸親機は、手動操作される操作手段と、センサ装置の動作状態を表示する表示手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にセンサ装置の動作制御のコマンドを伝送するとともに制御手段から動作状態情報を受け取る伝送手段とを具備し、制御装置は、住戸親機から動作制御のコマンドを受け取ったときに当該住戸親機と対応付けられたセンサ装置に対して当該コマンドを中継装置により中継させるとともにセンサ装置から動作状態情報を受け取ったときに特定手段で特定される住戸親機に対して当該情報を中継装置により中継させる手段を具備したことを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項15】
共用部に駐車する各自動車に搭載され、当該自動車に不審者が乗車したことを検出する前記センサ装置と、前記自動車に搭載され、ワイヤレス信号により当該自動車のドアロックを施錠させるドアロック制御装置とを備え、住戸親機は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にドアロックの施錠指令を伝送する伝送手段とを具備し、制御装置は、住戸親機から施錠指令を受け取ったときに当該住戸親機の住人が所有する自動車に搭載されたドアロック制御装置に対して中継装置を介して施錠指令を送信させる手段を具備したことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項16】
互いに異なった異常を検出する複数種類の前記センサ装置を備え、一の種類の前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車における異常発生を検出する検出手段と、検出手段が検出動作を行うセット状態と検出動作を行わない非セット状態を切り替える切替手段と、検出手段の検出結果を示す検出情報、検出手段のセット状態・非セット状態を示す動作状態情報を無線で送信する送信手段とを具備し、他の種類の前記センサ装置は、当該自動車のエンジンが停止したことを検知するエンジン停止検知手段と、エンジン停止検知手段でエンジン停止が検知されたことを示すエンジン停止情報を無線で送信する送信手段とを具備し、制御装置は、前記センサ装置よりエンジン停止情報を受信してから所定時間が経過するまでに前記センサ装置より検出手段がセット状態に切り替えられたことを示す動作状態情報を受信しなかった場合にセット忘れ情報を特定手段で特定される住戸親機に伝送させる伝送手段を具備し、住戸親機は、制御装置の伝送手段との間で情報を授受する伝送手段と、当該伝送手段で受け取ったセット忘れ情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項17】
前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車のエンジンが停止したことを検知するエンジン停止検知手段と、エンジン停止検知手段のエンジン停止検知情報を無線で送信する送信手段とを具備し、制御装置は、センサ装置からエンジン停止検知情報を受け取ったときに特定手段で特定される住戸親機に当該エンジン停止検知情報を伝送する伝送手段とを具備し、住戸親機は、制御装置の伝送手段との間で情報を授受する伝送手段と、当該伝送手段で受け取ったエンジン停止検知情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項18】
互いに異なった異常を検出する複数種類の前記センサ装置を備え、一の種類の前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車のドアロックの施錠・解錠を検知するドアロック検知手段と、ドアロック検知手段の検知結果を示す検知情報を無線で送信する送信手段とを具備し、他の種類の前記センサ装置は、当該自動車のエンジンが停止したことを検知するエンジン停止検知手段と、エンジン停止検知手段でエンジン停止が検知されたことを示すエンジン停止情報を無線で送信する送信手段とを具備し、制御装置は、前記センサ装置よりエンジン停止情報を受信してから所定時間が経過するまでに前記センサ装置よりドアロックが施錠されたことを示す検知情報を受信しなかった場合にドアロック忘れ情報を特定手段で特定される住戸親機に伝送させる伝送手段を具備し、住戸親機は、制御装置の伝送手段との間で情報を授受する伝送手段と、当該伝送手段で受け取ったドアロック忘れ情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする請求項1〜17の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項19】
共用部に駐車する各自動車に搭載され、当該自動車に異常が発生したことを検出する前記センサ装置と、前記自動車に搭載され、ワイヤレス信号によりエンジンを始動させるエンジン制御装置とを備え、住戸親機は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに信号線を介して制御装置にエンジンの始動指令を伝送する伝送手段とを具備し、制御装置は、センサ装置から検出信号を受け取っていない場合に住戸親機から始動指令を受け取ったときに当該住戸親機の住人が所有する自動車に搭載されたエンジン制御装置に対して中継装置を介して始動指令を送信させる手段を具備したことを特徴とする請求項1〜18の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項20】
前記センサ装置は、共用部に駐車する自動車における異常発生を検出する検出手段と、当該検出手段で異常が検出されたときに威嚇音を鳴動する威嚇音鳴動手段と、検出手段の検出結果を示す検出情報と威嚇音鳴動手段による威嚇音鳴動の開始・停止状態を示す動作状態情報を無線で送信するとともに威嚇音鳴動手段に対して威嚇音鳴動の開始又は停止を指示するコマンドを受信する送受信手段とを具備し、制御装置は、特定手段で特定された住戸親機と対応付けられたセンサ装置に対して威嚇音鳴動の開始又は停止を指示するコマンドを中継装置により中継させる手段を具備したことを特徴とする請求項1〜19の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項21】
前記制御装置は、中継装置から中継された検出信号に含まれる識別情報に基づいて作成された異常発生の履歴を含むデータベースを具備することを特徴とする請求項1〜20の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。
【請求項22】
前記センサ装置は、手動操作される操作手段と、操作手段が操作されたときに検出信号を送信する送信手段と、操作手段並びに送信手段を収納し且つ人が携帯可能に形成されたハウジングとを具備すること特徴とする請求項1〜21の何れかに記載の集合住宅用通話・監視統合システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−42070(P2006−42070A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220787(P2004−220787)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】