雌ねじの形成方法
【課題】筒状部材への雌ねじ形成を簡単に、かつねじ切り負荷を小さくできるようにする。
【解決手段】円形穴12を有する筒状部材1の6角形の外周11を、ダイス2の円弧溝21で押圧して円形に縮径すると、この円形穴が6角形穴12aに塑性変形する。次に6角形穴12aに内接する円の直径とほぼ同じ下径のタップで、雌ねじ13を形成する。雌ねじ13は、6角形穴12aの各辺の中央近辺にのみ形成されるので、ねじ切り負荷を小さくできる。なお6角形穴12aには、塑性変形によって加工硬化が期待される。
【解決手段】円形穴12を有する筒状部材1の6角形の外周11を、ダイス2の円弧溝21で押圧して円形に縮径すると、この円形穴が6角形穴12aに塑性変形する。次に6角形穴12aに内接する円の直径とほぼ同じ下径のタップで、雌ねじ13を形成する。雌ねじ13は、6角形穴12aの各辺の中央近辺にのみ形成されるので、ねじ切り負荷を小さくできる。なお6角形穴12aには、塑性変形によって加工硬化が期待される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋連結用のスリーブ等の筒状部材の内周に、雌ねじを形成する方法であって、特に筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させて、この多角形穴にねじの下径が内接するように雌ねじを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄筋連結用のスリーブ等の筒状部材の内周に、雌ねじを切削する場合には、通常図15に示すタップを使用している(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−146721号公報(1〜3頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるにタップを使用して雌ネジを形成する場合には、まず雌ねじの下径(最小径)の穴をドリル等によって開け、この下穴にタップをねじ込みながら雌ねじを形成する。したがってタップによって、下穴の内壁を全周に渡って削り込むため、筒状部材が硬い材質の場合には、タップによるねじ切り作業の負荷が大きくなり、さらにはタップの損耗が早くなるという問題があった。
【0004】
そこで本発明の目的は、ドリル等による下穴削り工程が不要であると共に、ねじ切り作業の負荷が少ない雌ねじの形成方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決すべく、本発明による雌ねじの形成方法の特徴は、多角形の筒状部材に設けた円形穴を、ダイス等を用いて多角形穴に塑性変形させ、次いでこの多角形穴の内壁の一部分にのみ雌ねじを形成することにある。すなわち、本発明による雌ねじの形成方法は、筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、この筒状部材の外周は多角形であって内周は円形穴になっており、この筒状部材の外周を円弧溝を有する複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を円形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、この多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有している。そして上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しくなっている。
【0006】
また本発明による雌ねじの形成方法の他の特徴は、筒状部材の外周が円形の場合である。すなわち、この雌ねじの形成方法は、筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、この筒状部材の外周は円形であって内周は円形穴になっており、この筒状部材の外周を複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を多角形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、この多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有している。
【0007】
上記複数個のダイスのそれぞれの溝形状は、軸対称であって、この軸の周りにこの複数個のダイスを集合させると全体で多角形の開口孔を構成するように形成してあり、上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しくしてある。
【0008】
上記筒状部材は、一端に雄ねじを有する鉄筋の連結用スリーブであることが好ましく、またこの筒状部材は、コンクリートに埋設されて、雄ねじ部材と連結されるインサートであることも好ましい。さらに上記ダイスの溝は、所定の軸方向間隔を隔てて複数列形成したものであってもよい。
【0009】
ここで「筒状部材の外周は多角形」とは、筒状部材の断面形状が多角形であることを意味しており、三角形、四角形、五角形、及び六角形以上の多角形でもよいが、四角形、及び六角形が、より好ましい。また「筒状部材の内周は円形穴」
とは、筒状部材は、断面形状が円形の中空穴を有していることを意味している。また「円弧溝を有する複数個のダイス」とは、筒状部材の外周を、プレス等で押圧する溝形状が、円弧形状になっているダイスを意味し、円形を180度ずつ2分割したもの、120度ずつ3分割したもの、及び4個以上に分割したものが該当する。
【0010】
上記「円形の絞りを通す」とは、筒状部材の外径より小さい円形の穴を有するダイスを用いて、押出し又は引抜き加工することを意味する。「筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる」とは、本願発明の主要な特徴の1であって、筒状部材の多角形の外周を、円弧溝のダイスで押圧して縮径等すると、中空の円形穴が、この外周の多角形にほぼ相似する多角形の穴に塑性変形するという、経験的事実に基づくものである。すなわちこの方法によれば、円形穴を有する外周が多角形の筒状部材を準備すれば、この筒状部材に、容易かつ短時間に多角形の中空穴を形成することができる。なお円形穴に多角形の中子を挿入して、円形穴を多角形穴に塑性変形させてもよい。
【0011】
また上記「雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しい」とは、本願発明の主要な特徴の1であって、雌ねじの下径、すなわち最小径が、多角形穴の内壁、すなわち多角形の各辺で構成される壁に接する円の直径に、略等しいことを意味する。この方法によれば、雌ねじは、多角形穴の内壁を構成する多角形の各辺の中央付近にのみ形成されることになり、タップ作業における負荷が、大幅に減少する。
【0012】
上記「上記複数個のダイスのそれぞれの溝形状は軸対称であって、この軸の周りにこの複数個のダイスを集合させると全体で多角形の開口孔を構成する」とは、
例えば全体で三角形の開口孔を構成する場合には、この三角形の各辺の中央部分を三つに等分割した溝を有する3個のダイスを意味する。また例えば全体で四角形の開口孔を構成する場合には、この四角形を180度ずつ、上下対称形に二分割した溝を有する2個のダイス、または90度ずつ、軸対称形に四分割した溝を有する4個のダイスを意味する。なお五角形以上の場合には、奇数の多角形につては、上述した三角形の場合と同様に分割し、偶数の多角形につては、上述した四角形の場合と同様に分割した溝を有するダイスを意味する。
【0013】
なお「上記筒状部材の外周を複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を多角形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる」とは、本願発明の主要な特徴の1であって、筒状部材の円形の外周を、上述したように全体で多角形の開口孔を構成する複数個のダイスで押圧して縮径等すると、中空の円形穴が、この複数個のダイスで構成する多角形にほぼ相似する多角形の穴に塑性変形するという、経験的事実に基づくものである。すなわちこの方法によれば、円形穴を有する円筒状部材を準備すれば、この円筒状部材に、容易かつ短時間に多角形の中空穴を形成することができる。なお円形穴に多角形の中子を挿入して、円形穴を多角形穴に塑性変形させてもよい。
【発明の効果】
【0014】
雌ねじを、多角形穴の内壁を構成する各辺の中央部分にのみ形成するため、タップ作業における負荷が大幅に減少する。またタップに掛かる負荷が大幅に減少するため、タップ自体の損耗を減少させることができる。また多角形の中空穴は、ダイスを用いて、円形の中空穴を有する筒状部材の外周を縮径することによって、容易かつ短時間に形成することができる。またドリル等による下穴削り工程が不要になる。
【0015】
なお本発明によって形成した雌ねじは、上述したように、多角形穴の内壁を構成する各辺の中央付近にのみ形成するものであって、円形の下穴の内壁全周に渡って形成した雌ねじに較べて、ねじに該当する部分の割合が少なくなり、ねじの強度がその分低下する。しかし、その強度が低下する分は、雌ねじの長さを増やせば、容易に補うことができるが、本発明の効果的な特徴は、雌ねじを螺刻する多角形穴は、塑性変形によって加工硬化するため、雌ねじ自体の強度を向上させることができるという点にある。したがって、ねじに該当する部分の割合が少なくなっても、ねじの強度の低下分を補うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1〜図14を参照しつつ、本発明による雌ねじの形成方法について説明する。図1〜図3は、筒状部材1の円形穴12を、ダイス2で押圧して多角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち筒状部材1は、外周11が6角形の鉄製であって、その軸心に円形穴12が開口している。ダイス2は、相互に対向して開口する円弧形状の溝21を有している。円弧形状の溝21の間に、筒状部材1の外周11を挟み込んで押圧すると、6角形の外周11が、円形外周11aに縮径する。このとき6角形の頂角部分が、辺の部分より大きく縮径されるので、図2に示すように、この筒状部材の円形穴12は、6角形穴12aに塑性変形する。
【0017】
図3は、円形穴12から塑性変形した6角形穴12aにタップをたてて、雌ねじ13を螺刻した状態を示している。すなわちタップの谷径は、6角形穴の内接円13aの径と略同じになっているため、雌ねじ13の下径は、この内接円の径と略同じに形成される。したがって雌ねじ13は、6角形穴12aの各辺の中央近辺には形成されるが、各頂角の部分には削り代がないため、その部分には、ねじ部分がない空間13bが残る。なお図3において、符号13cは、雌ねじ13の山径(最大径)を示している。
【0018】
図4〜図6は、筒状部材101の外周111が3角形であって、その軸心に円形穴112が開口する場合を示している。ダイス102は、軸対称に120度ずつ3分割されており、それぞれ軸心に向って開口する円弧形状の溝121を有している。円弧形状の溝121の間に、筒状部材101の外周111を挟み込んで押圧すると、3角形の外周111が、円形外周111aに縮径する。このとき3角形の頂角部分が、辺の部分より大きく縮径されるので、図5に示すように、この筒状部材の円形穴112は、3角形穴112aに塑性変形する。
【0019】
図6は、円形穴112から塑性変形した3角形穴112aにタップをたてて、雌ねじ113を螺刻した状態を示している。すなわちタップの谷径は、3角形穴の内接円113aの径と略同じになっていため、雌ねじ113の下径は、この内接円の径と略同じに形成される。したがって雌ねじ113は、3角形穴112aの各辺の中央近辺には形成されるが、各頂角の部分には削り代がないため、その部分には、ねじ部分がない空間113bが残る。なお図6において、符号113cは、雌ねじ113の山径(最大径)を示している。
【0020】
図7〜図9は、円形の筒状部材201の円形穴212を、6角形のダイス202で押圧して6角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち筒状部材201は、外周211が円形の鉄製であって、その軸心に円形穴212が開口している。ダイス202は、180度ずつ上下対称に2分割されており、相互に対向して開口する溝221を有している。溝221は、軸心周りに集合させると、6角形の開口孔を構成する形状になっている。
【0021】
ダイス202の相互に対向して開口する溝221の間に、筒状部材201の円形の外周211を挟み込んで押圧すると、この円形の外周が、6角形外周211aに縮径する。このときダイス202の6角形の溝221の各辺部分が、頂角の部分より大きく縮径するので、図8に示すように、筒状部材201の円形穴212は、6角形穴212aに塑性変形する。
【0022】
図9は、円形穴212から塑性変形した6角形穴212aにタップをたてて、雌ねじ213を螺刻した状態を示している。すなわちタップの谷径は、6角形穴の内接円213aの径と略同じになっているため、雌ねじ213の下径は、この内接円の径と略同じに形成される。したがって雌ねじ213は、6角形穴212aの各辺の中央近辺には形成されるが、各頂角の部分には削り代がないため、その部分には、ねじ部分がない空間213bが残る。なお図9において、符号213cは、雌ねじ213の山径(最大径)を示している。
【0023】
図10〜図11は、円形の筒状部材301の円形穴312を、6角形の絞り302を通すことによって6角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち図10に示すように、絞り302は、テーパー状の開口孔321を有しており、この開口孔は、入口部分が円形で、出口に向って6角形となる先細形状に形成してある。
一方筒状部材301は、外周311が円形の鉄製であって、その軸心に円形穴312が開口している。
【0024】
そこで図11に示すように、筒状部材301を、絞り302のテーパー状の開口孔321を通して引き抜くと、円形の外周311が、6角形外周311aに縮径する。このとき絞り302の6角形の開口孔321の各辺部分が、頂角の部分より大きく縮径するので、筒状部材301の円形穴312は、6角形穴312aに塑性変形する。なお図1や図4に示すような外周が多角形の円筒部材を、円形の絞りを通すことによっても、この円筒部材の軸心に設けた円形穴を多角形に塑性変形させることができる。
【0025】
なお上述した雌ねじを形成した筒状部材は、その両端部の、一端に雄ねじを形成した鉄筋をねじ込むことによって、鉄筋の連結用スリーブとして使用できる。
【0026】
図12〜図14は、筒状部材401の円形穴412を、所定の軸方向間隔を隔てた3列の溝を有するダイス402で押圧して、軸方向の3箇所において多角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち筒状部材401は、外周411が6角形の鉄製であって、その軸心に円形穴412が開口している。ダイス402は、180度ずつ上下対称に2分割したものであって、相互に対向して開口する円弧形状の溝421aを3列有している。なお3列の円弧形状の溝421aは、所定の長さで隔ててあり、その間の溝形状421bは、筒状部材401の外周411と略同じ6角形になっている。
【0027】
ダイス402の間に、筒状部材401の外周411を挟み込んで押圧すると、3列の円弧形状の溝421aの部分において、6角形のこの外周が、円形外周411aに縮径する。一方3列の円弧形状の溝421aの間の溝形状421bは、上述したように筒状部材401の外周411と略同じ6角形になっているため、この部分は縮径されずに6角形のままで残っている。したがって縮径後の筒状部材401の外周は、図13に示すように、縮径された円形の外周に間に、縮径されないままの6角形の外周411bが、所定の軸方向間隔を隔てて3列並んだ状態になる。
【0028】
さてダイス402の3列の円弧形状の溝421aによって、筒状部材401の6角形の外周411が、円形の外周411aに縮径される部分においては、この外周の6角形の頂角部分が、辺の部分より大きく縮径されるので、図14に示すように、この部分に位置する筒状部材の円形穴412は、6角形穴412aに塑性変形する。しかるに縮径されないままの6角形の外周411b部分は、円形穴412も殆んど縮径されない部分412bが残る。したがって筒状部材401の円形穴412は、塑性変形を受けた後は、軸方向に6角形穴412aに塑性変形された部分411aと、あまり塑性変形されずに円形穴のままに残っている部分411bとが、軸方向に交互に並ぶ状態になる。
【0029】
したがって塑性変形後の筒状部材401に、タップをたてる等によって雌ねじを螺刻すると、6角形穴412aに塑性変形された部分411aにのみ、雌ネジが形成される。なお筒状部材401には、縮径されないままの6角形の外周411bが3列形成されるので、この筒状部材一端部に、雄ねじを形成した鉄筋等を連結してコンクリートに埋設すれば、インサートとして使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
筒状部材への下穴加工が不要であると共に、少ない負荷で雌ねじを形成することができるため、建築部品等に関する産業に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】6角形の筒状部材をダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図2】6角形の筒状部材をダイスで縮径した後の断面図である。
【図3】6角形穴に形成した雌ねじの説明図である。
【図4】3角形の筒状部材をダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図5】3角形の筒状部材をダイスで縮径した後の断面図である。
【図6】3角形穴に形成した雌ねじの説明図である。
【図7】円形の筒状部材をダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図8】円形の筒状部材をダイスで縮径した後の断面図である。
【図9】6角形穴に形成した雌ねじの説明図である。
【図10】6角形の絞りの左右左側面図及び断面図である。
【図11】円形の筒状部材を6角形の絞りを通して縮径する工程を示す概略断面図である。
【図12】3列の溝を有するダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図13】3列の溝を有するダイスで縮径した後の外観を示す斜視図である。
【図14】3列の溝を有するダイスで縮径した後の概略断面図である。
【図15】タップの概略外形図である。
【符号の説明】
【0032】
1、101、201、301 筒状部材
11、111、211、311、411 外周
12、112、212、312、412 円形穴
12a、112a、212a、312a、412a 多角形穴
13、113、213 雌ねじ
13a、113a、213a 内接円
2、102、202、402 ダイス
302 絞り
21、121、221 円弧溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋連結用のスリーブ等の筒状部材の内周に、雌ねじを形成する方法であって、特に筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させて、この多角形穴にねじの下径が内接するように雌ねじを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄筋連結用のスリーブ等の筒状部材の内周に、雌ねじを切削する場合には、通常図15に示すタップを使用している(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−146721号公報(1〜3頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるにタップを使用して雌ネジを形成する場合には、まず雌ねじの下径(最小径)の穴をドリル等によって開け、この下穴にタップをねじ込みながら雌ねじを形成する。したがってタップによって、下穴の内壁を全周に渡って削り込むため、筒状部材が硬い材質の場合には、タップによるねじ切り作業の負荷が大きくなり、さらにはタップの損耗が早くなるという問題があった。
【0004】
そこで本発明の目的は、ドリル等による下穴削り工程が不要であると共に、ねじ切り作業の負荷が少ない雌ねじの形成方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決すべく、本発明による雌ねじの形成方法の特徴は、多角形の筒状部材に設けた円形穴を、ダイス等を用いて多角形穴に塑性変形させ、次いでこの多角形穴の内壁の一部分にのみ雌ねじを形成することにある。すなわち、本発明による雌ねじの形成方法は、筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、この筒状部材の外周は多角形であって内周は円形穴になっており、この筒状部材の外周を円弧溝を有する複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を円形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、この多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有している。そして上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しくなっている。
【0006】
また本発明による雌ねじの形成方法の他の特徴は、筒状部材の外周が円形の場合である。すなわち、この雌ねじの形成方法は、筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、この筒状部材の外周は円形であって内周は円形穴になっており、この筒状部材の外周を複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を多角形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、この多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有している。
【0007】
上記複数個のダイスのそれぞれの溝形状は、軸対称であって、この軸の周りにこの複数個のダイスを集合させると全体で多角形の開口孔を構成するように形成してあり、上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しくしてある。
【0008】
上記筒状部材は、一端に雄ねじを有する鉄筋の連結用スリーブであることが好ましく、またこの筒状部材は、コンクリートに埋設されて、雄ねじ部材と連結されるインサートであることも好ましい。さらに上記ダイスの溝は、所定の軸方向間隔を隔てて複数列形成したものであってもよい。
【0009】
ここで「筒状部材の外周は多角形」とは、筒状部材の断面形状が多角形であることを意味しており、三角形、四角形、五角形、及び六角形以上の多角形でもよいが、四角形、及び六角形が、より好ましい。また「筒状部材の内周は円形穴」
とは、筒状部材は、断面形状が円形の中空穴を有していることを意味している。また「円弧溝を有する複数個のダイス」とは、筒状部材の外周を、プレス等で押圧する溝形状が、円弧形状になっているダイスを意味し、円形を180度ずつ2分割したもの、120度ずつ3分割したもの、及び4個以上に分割したものが該当する。
【0010】
上記「円形の絞りを通す」とは、筒状部材の外径より小さい円形の穴を有するダイスを用いて、押出し又は引抜き加工することを意味する。「筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる」とは、本願発明の主要な特徴の1であって、筒状部材の多角形の外周を、円弧溝のダイスで押圧して縮径等すると、中空の円形穴が、この外周の多角形にほぼ相似する多角形の穴に塑性変形するという、経験的事実に基づくものである。すなわちこの方法によれば、円形穴を有する外周が多角形の筒状部材を準備すれば、この筒状部材に、容易かつ短時間に多角形の中空穴を形成することができる。なお円形穴に多角形の中子を挿入して、円形穴を多角形穴に塑性変形させてもよい。
【0011】
また上記「雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しい」とは、本願発明の主要な特徴の1であって、雌ねじの下径、すなわち最小径が、多角形穴の内壁、すなわち多角形の各辺で構成される壁に接する円の直径に、略等しいことを意味する。この方法によれば、雌ねじは、多角形穴の内壁を構成する多角形の各辺の中央付近にのみ形成されることになり、タップ作業における負荷が、大幅に減少する。
【0012】
上記「上記複数個のダイスのそれぞれの溝形状は軸対称であって、この軸の周りにこの複数個のダイスを集合させると全体で多角形の開口孔を構成する」とは、
例えば全体で三角形の開口孔を構成する場合には、この三角形の各辺の中央部分を三つに等分割した溝を有する3個のダイスを意味する。また例えば全体で四角形の開口孔を構成する場合には、この四角形を180度ずつ、上下対称形に二分割した溝を有する2個のダイス、または90度ずつ、軸対称形に四分割した溝を有する4個のダイスを意味する。なお五角形以上の場合には、奇数の多角形につては、上述した三角形の場合と同様に分割し、偶数の多角形につては、上述した四角形の場合と同様に分割した溝を有するダイスを意味する。
【0013】
なお「上記筒状部材の外周を複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を多角形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる」とは、本願発明の主要な特徴の1であって、筒状部材の円形の外周を、上述したように全体で多角形の開口孔を構成する複数個のダイスで押圧して縮径等すると、中空の円形穴が、この複数個のダイスで構成する多角形にほぼ相似する多角形の穴に塑性変形するという、経験的事実に基づくものである。すなわちこの方法によれば、円形穴を有する円筒状部材を準備すれば、この円筒状部材に、容易かつ短時間に多角形の中空穴を形成することができる。なお円形穴に多角形の中子を挿入して、円形穴を多角形穴に塑性変形させてもよい。
【発明の効果】
【0014】
雌ねじを、多角形穴の内壁を構成する各辺の中央部分にのみ形成するため、タップ作業における負荷が大幅に減少する。またタップに掛かる負荷が大幅に減少するため、タップ自体の損耗を減少させることができる。また多角形の中空穴は、ダイスを用いて、円形の中空穴を有する筒状部材の外周を縮径することによって、容易かつ短時間に形成することができる。またドリル等による下穴削り工程が不要になる。
【0015】
なお本発明によって形成した雌ねじは、上述したように、多角形穴の内壁を構成する各辺の中央付近にのみ形成するものであって、円形の下穴の内壁全周に渡って形成した雌ねじに較べて、ねじに該当する部分の割合が少なくなり、ねじの強度がその分低下する。しかし、その強度が低下する分は、雌ねじの長さを増やせば、容易に補うことができるが、本発明の効果的な特徴は、雌ねじを螺刻する多角形穴は、塑性変形によって加工硬化するため、雌ねじ自体の強度を向上させることができるという点にある。したがって、ねじに該当する部分の割合が少なくなっても、ねじの強度の低下分を補うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1〜図14を参照しつつ、本発明による雌ねじの形成方法について説明する。図1〜図3は、筒状部材1の円形穴12を、ダイス2で押圧して多角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち筒状部材1は、外周11が6角形の鉄製であって、その軸心に円形穴12が開口している。ダイス2は、相互に対向して開口する円弧形状の溝21を有している。円弧形状の溝21の間に、筒状部材1の外周11を挟み込んで押圧すると、6角形の外周11が、円形外周11aに縮径する。このとき6角形の頂角部分が、辺の部分より大きく縮径されるので、図2に示すように、この筒状部材の円形穴12は、6角形穴12aに塑性変形する。
【0017】
図3は、円形穴12から塑性変形した6角形穴12aにタップをたてて、雌ねじ13を螺刻した状態を示している。すなわちタップの谷径は、6角形穴の内接円13aの径と略同じになっているため、雌ねじ13の下径は、この内接円の径と略同じに形成される。したがって雌ねじ13は、6角形穴12aの各辺の中央近辺には形成されるが、各頂角の部分には削り代がないため、その部分には、ねじ部分がない空間13bが残る。なお図3において、符号13cは、雌ねじ13の山径(最大径)を示している。
【0018】
図4〜図6は、筒状部材101の外周111が3角形であって、その軸心に円形穴112が開口する場合を示している。ダイス102は、軸対称に120度ずつ3分割されており、それぞれ軸心に向って開口する円弧形状の溝121を有している。円弧形状の溝121の間に、筒状部材101の外周111を挟み込んで押圧すると、3角形の外周111が、円形外周111aに縮径する。このとき3角形の頂角部分が、辺の部分より大きく縮径されるので、図5に示すように、この筒状部材の円形穴112は、3角形穴112aに塑性変形する。
【0019】
図6は、円形穴112から塑性変形した3角形穴112aにタップをたてて、雌ねじ113を螺刻した状態を示している。すなわちタップの谷径は、3角形穴の内接円113aの径と略同じになっていため、雌ねじ113の下径は、この内接円の径と略同じに形成される。したがって雌ねじ113は、3角形穴112aの各辺の中央近辺には形成されるが、各頂角の部分には削り代がないため、その部分には、ねじ部分がない空間113bが残る。なお図6において、符号113cは、雌ねじ113の山径(最大径)を示している。
【0020】
図7〜図9は、円形の筒状部材201の円形穴212を、6角形のダイス202で押圧して6角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち筒状部材201は、外周211が円形の鉄製であって、その軸心に円形穴212が開口している。ダイス202は、180度ずつ上下対称に2分割されており、相互に対向して開口する溝221を有している。溝221は、軸心周りに集合させると、6角形の開口孔を構成する形状になっている。
【0021】
ダイス202の相互に対向して開口する溝221の間に、筒状部材201の円形の外周211を挟み込んで押圧すると、この円形の外周が、6角形外周211aに縮径する。このときダイス202の6角形の溝221の各辺部分が、頂角の部分より大きく縮径するので、図8に示すように、筒状部材201の円形穴212は、6角形穴212aに塑性変形する。
【0022】
図9は、円形穴212から塑性変形した6角形穴212aにタップをたてて、雌ねじ213を螺刻した状態を示している。すなわちタップの谷径は、6角形穴の内接円213aの径と略同じになっているため、雌ねじ213の下径は、この内接円の径と略同じに形成される。したがって雌ねじ213は、6角形穴212aの各辺の中央近辺には形成されるが、各頂角の部分には削り代がないため、その部分には、ねじ部分がない空間213bが残る。なお図9において、符号213cは、雌ねじ213の山径(最大径)を示している。
【0023】
図10〜図11は、円形の筒状部材301の円形穴312を、6角形の絞り302を通すことによって6角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち図10に示すように、絞り302は、テーパー状の開口孔321を有しており、この開口孔は、入口部分が円形で、出口に向って6角形となる先細形状に形成してある。
一方筒状部材301は、外周311が円形の鉄製であって、その軸心に円形穴312が開口している。
【0024】
そこで図11に示すように、筒状部材301を、絞り302のテーパー状の開口孔321を通して引き抜くと、円形の外周311が、6角形外周311aに縮径する。このとき絞り302の6角形の開口孔321の各辺部分が、頂角の部分より大きく縮径するので、筒状部材301の円形穴312は、6角形穴312aに塑性変形する。なお図1や図4に示すような外周が多角形の円筒部材を、円形の絞りを通すことによっても、この円筒部材の軸心に設けた円形穴を多角形に塑性変形させることができる。
【0025】
なお上述した雌ねじを形成した筒状部材は、その両端部の、一端に雄ねじを形成した鉄筋をねじ込むことによって、鉄筋の連結用スリーブとして使用できる。
【0026】
図12〜図14は、筒状部材401の円形穴412を、所定の軸方向間隔を隔てた3列の溝を有するダイス402で押圧して、軸方向の3箇所において多角形に塑性変形させる工程を示している。すなわち筒状部材401は、外周411が6角形の鉄製であって、その軸心に円形穴412が開口している。ダイス402は、180度ずつ上下対称に2分割したものであって、相互に対向して開口する円弧形状の溝421aを3列有している。なお3列の円弧形状の溝421aは、所定の長さで隔ててあり、その間の溝形状421bは、筒状部材401の外周411と略同じ6角形になっている。
【0027】
ダイス402の間に、筒状部材401の外周411を挟み込んで押圧すると、3列の円弧形状の溝421aの部分において、6角形のこの外周が、円形外周411aに縮径する。一方3列の円弧形状の溝421aの間の溝形状421bは、上述したように筒状部材401の外周411と略同じ6角形になっているため、この部分は縮径されずに6角形のままで残っている。したがって縮径後の筒状部材401の外周は、図13に示すように、縮径された円形の外周に間に、縮径されないままの6角形の外周411bが、所定の軸方向間隔を隔てて3列並んだ状態になる。
【0028】
さてダイス402の3列の円弧形状の溝421aによって、筒状部材401の6角形の外周411が、円形の外周411aに縮径される部分においては、この外周の6角形の頂角部分が、辺の部分より大きく縮径されるので、図14に示すように、この部分に位置する筒状部材の円形穴412は、6角形穴412aに塑性変形する。しかるに縮径されないままの6角形の外周411b部分は、円形穴412も殆んど縮径されない部分412bが残る。したがって筒状部材401の円形穴412は、塑性変形を受けた後は、軸方向に6角形穴412aに塑性変形された部分411aと、あまり塑性変形されずに円形穴のままに残っている部分411bとが、軸方向に交互に並ぶ状態になる。
【0029】
したがって塑性変形後の筒状部材401に、タップをたてる等によって雌ねじを螺刻すると、6角形穴412aに塑性変形された部分411aにのみ、雌ネジが形成される。なお筒状部材401には、縮径されないままの6角形の外周411bが3列形成されるので、この筒状部材一端部に、雄ねじを形成した鉄筋等を連結してコンクリートに埋設すれば、インサートとして使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
筒状部材への下穴加工が不要であると共に、少ない負荷で雌ねじを形成することができるため、建築部品等に関する産業に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】6角形の筒状部材をダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図2】6角形の筒状部材をダイスで縮径した後の断面図である。
【図3】6角形穴に形成した雌ねじの説明図である。
【図4】3角形の筒状部材をダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図5】3角形の筒状部材をダイスで縮径した後の断面図である。
【図6】3角形穴に形成した雌ねじの説明図である。
【図7】円形の筒状部材をダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図8】円形の筒状部材をダイスで縮径した後の断面図である。
【図9】6角形穴に形成した雌ねじの説明図である。
【図10】6角形の絞りの左右左側面図及び断面図である。
【図11】円形の筒状部材を6角形の絞りを通して縮径する工程を示す概略断面図である。
【図12】3列の溝を有するダイスで縮径する工程を示す概略断面図である。
【図13】3列の溝を有するダイスで縮径した後の外観を示す斜視図である。
【図14】3列の溝を有するダイスで縮径した後の概略断面図である。
【図15】タップの概略外形図である。
【符号の説明】
【0032】
1、101、201、301 筒状部材
11、111、211、311、411 外周
12、112、212、312、412 円形穴
12a、112a、212a、312a、412a 多角形穴
13、113、213 雌ねじ
13a、113a、213a 内接円
2、102、202、402 ダイス
302 絞り
21、121、221 円弧溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、
上記筒状部材の外周は多角形であって内周は円形穴になっており、
上記筒状部材の外周を円弧溝を有する複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を円形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、
上記多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有し、
上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しい
ことを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項2】
筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、
上記筒状部材の外周は円形であって内周は円形穴になっており、
上記筒状部材の外周を複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を多角形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、
上記多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有し、
上記複数個のダイスのそれぞれの溝形状は軸対称であって、この軸の周りにこの複数個のダイスを集合させると全体で多角形の開口孔を構成するように形成してあり、
上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しい
ことを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかにおいて、上記筒状部材は、一端に雄ねじを有する鉄筋の連結用スリーブであることを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項4】
請求項1または2のいずれかにおいて、上記筒状部材は、コンクリートに埋設されて、雄ねじ部材と連結されるインサートであることを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの1において、上記ダイスの溝は、所定の軸方向間隔を隔てて複数列形成してあることを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項1】
筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、
上記筒状部材の外周は多角形であって内周は円形穴になっており、
上記筒状部材の外周を円弧溝を有する複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を円形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、
上記多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有し、
上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しい
ことを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項2】
筒状部材の軸心に雌ねじを形成する方法であって、
上記筒状部材の外周は円形であって内周は円形穴になっており、
上記筒状部材の外周を複数個のダイスで押圧して、またはこの筒状部材を多角形の絞りに通すことによって、この筒状部材の円形穴を多角形穴に塑性変形させる第1の工程と、
上記多角形穴に雌ねじを形成する第2の工程を有し、
上記複数個のダイスのそれぞれの溝形状は軸対称であって、この軸の周りにこの複数個のダイスを集合させると全体で多角形の開口孔を構成するように形成してあり、
上記雌ねじの下径は、上記多角形穴の内接円の径にほぼ等しい
ことを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかにおいて、上記筒状部材は、一端に雄ねじを有する鉄筋の連結用スリーブであることを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項4】
請求項1または2のいずれかにおいて、上記筒状部材は、コンクリートに埋設されて、雄ねじ部材と連結されるインサートであることを特徴とする雌ねじの形成方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの1において、上記ダイスの溝は、所定の軸方向間隔を隔てて複数列形成してあることを特徴とする雌ねじの形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−290165(P2008−290165A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136105(P2007−136105)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(396016504)株式会社富士ボルト製作所 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(396016504)株式会社富士ボルト製作所 (21)
【Fターム(参考)】
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