説明

電動補助装置

【課題】ユーザの求めに応じて移動体の移動速度を変えることができる電動補助装置を得る。
【解決手段】電動吊戸棚10のキャビネットを移動させる際、把持部に設けられたひずみセンサ72から出力される電圧レベルによって、マイコン82は目標回転速度を導出し、いわゆるフィードバック制御により目標回転速度でモータ40の回転軸を回転させる。これにより、電動吊戸棚10のアームを回転させ、キャビネットを回転させることにより、ユーザのキャビネットの下降動作或いは上昇動作をアシストする。つまり、キャビネットを移動させるときに必要な荷重が大きい(キャビネットの荷重が大きい、或いはキャビネットを素早く移動させる)場合は、キャビネットを移動させる速度が速くなり、モータ40によるアシスト力が大きくなる。したがって、ユーザの求めに応じてキャビネットの移動速度を変えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体を移動させる電動補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の位置で移動体を移動させるため、例えば、システムキッチン等では、台所の上部の壁に取付けられた外箱に対して、移動体であるキャビネットを、電動式昇降機構によって上下動させる電動昇降吊り戸棚が設けられている。具体的には、特許文献1では、昇降機構によってキャビネットが外箱に対して昇降可能に支持されており、モータによって該キャビネットが昇降するようになっている。
【0003】
しかしながら、このように単にモータを用いるだけでは、キャビネットの上昇移動と下降移動のスピードが同じになってしまい、キャビネット内に収納されたものを使用する際にキャビネットが下降する迄の時間が長く感じられ、使い勝手が良くないということが懸念される。
【0004】
一方、玄関用のドアにおいても、モータを用いて該玄関ドアを自動的に開閉できるようにしたものはあるが(特許文献2〜4)、これらも特許文献1と同様、所定の移動速度で玄関ドアを移動させる。
【特許文献1】特開2005−21298号公報
【特許文献2】特開2000−80859号公報
【特許文献3】特開2006−125164号公報
【特許文献4】特開平11−303508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、ユーザの求めに応じて移動体の移動速度を変えることができる電動補助装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電動補助装置において、移動体を移動させる移動手段と、前記移動体に設けられた把手と、前記把手に作用する荷重を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記把手に作用する荷重の大きさに基づいて前記移動手段を制御し、移動体の移動速度を変える制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明では、移動手段によって移動体が移動するようになっているが、移動体に作用する荷重を検出手段によって検出する。そして、この移動体に作用する荷重に基づいて、制御手段によって移動手段が制御され、移動体の移動速度を変えるようになっている。
【0008】
したがって、移動体を移動させるときに作用する荷重(応力)が小さい(移動体の荷重が小さい、或いは移動体をゆっくり移動させる)場合は、移動体を移動させる速度を遅くして、移動手段による補助力(アシスト力)を小さくする。
【0009】
一方、移動体を移動させるときに作用する荷重(応力)が大きい(移動体の荷重が大きい、或いは移動体を素早く移動させる)場合は、移動体を移動させる速度を速くして、移動手段によるアシスト力を大きくする。
【0010】
つまり、人が掛けた力に応じて(ユーザの求めに応じて)、移動体の移動速度(移動手段によるアシスト力)を変えることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動補助装置において、前記検出手段が、前記把手に設けられ、該把手に作用する荷重で弾性変形する弾性部材と、前記弾性部材の変形量を検出する変形量検出部と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、把手に弾性部材を設け、該弾性部材が弾性変形する量を変形量検出部によって検出する。弾性部材の弾性変形量が小さい場合、移動手段によるアシスト力は小さく、移動体を移動させる速度は遅い。一方、弾性部材の弾性変形量が大きい場合、移動手段によるアシスト力は大きく、移動体を移動させる速度は速い。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動補助装置において、前記変形量検出部で、前記把手に作用する荷重の向きを検出し、前記制御手段が該変形量検出部で検出された荷重の向きに該移動体を移動させることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明では、変形量検出部で把手に作用する荷重の向きを検出する。そして、制御手段が、変形量検出部で検出された荷重の向きに移動体を移動させることで、例えば、往復移動する移動体を移動させる場合、移動体の往路及び復路について、それぞれ移動手段によるアシスト力を得ることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の電動補助装置において、前記変形量検出部がひずみセンサであり、前記弾性部材に前記ひずみセンサが配設され、前記把手の動きに追従して移動するレバーで該弾性部材が弾性変形することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明では、変形量検出部がひずみセンサであり、このひずみセンサを弾性部材に配設し、把手の動きに追従して移動するレバーで該弾性部材を弾性変形させる。つまり、把手を動かすと、レバーによって弾性部材が変形する。この弾性部材の弾性変形の範囲内において、ひずみと応力とで相関関係が得られるため、ひずみセンサから出力される電圧レベルによって把手に作用する応力を求めることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の電動補助装置において、前記移動体に作用する荷重の向きを検出する荷重方向検出部が設けられ、前記制御手段が前記荷重方向検出部で検出された荷重の向きに該移動体を移動させることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明では、移動体に作用する荷重の向きを検出する荷重方向検出部を設け、制御手段が、荷重方向検出部で検出された荷重の向きに移動体を移動させることで、請求項3に記載の発明の略同一の効果を得ることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の電動補助装置において、前記制御手段は、前記把手に作用する荷重の大きさに応じて、前記移動体の移動速度を段階的に増減させることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明では、把手に作用する荷重の大きさに応じて、移動体の移動速度を段階的に増減させるように制御手段によって制御することで、ユーザの求めに応じて移動体の速度を変えることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の電動補助装置において、前記移動体が、軸部を中心に回動移動する回動部材であることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の電動補助装置において、前記移動体が、スライド移動する直線移動部材であることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の電動補助装置において、前記移動手段が、回動して前記回動部材を移動させるアームと、前記アームを回動させるアーム回動手段と、前記アーム回動手段に駆動力を与える駆動手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の発明では、アーム回動手段によって駆動手段からの駆動力がアームに伝達され、アームが回動する。そして、このアームによって回動部材が回動移動するようになっている。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の電動補助装置において、前記回動部材が扉であり、前記扉の自由端面から出入可能に設けられると共に、該扉の移動方向に沿って揺動可能なラッチ部材と、前記扉の枠側に設けられ、前記ラッチ部材が挿入可能な孔部と、前記ラッチ部材が前記孔部へ挿入された状態で該ラッチ部材の揺動を規制するロック手段と、が設けられ、前記レバーが移動し、前記ロック手段が前記ラッチ部材の揺動規制を解除するまでは、前記駆動手段からの駆動力は前記アーム回動手段に伝達されないことを特徴とする。
【0026】
請求項10に記載の発明では、回動部材を扉とし、この扉の自由端面からはラッチ部材が出入可能に設けられると共に、該扉の移動方向に沿って揺動可能に設けられている。一方、扉の枠側にはラッチ部材が挿入可能な孔部が設けられており、ラッチ部材が孔部へ挿入された状態で、ロック手段によって、該ラッチ部材の揺動が規制される。
【0027】
そして、このロック手段によってラッチ部材の揺動が規制された状態が解除されるまでは、駆動手段からの駆動力がアーム回動手段に伝達されないようにすることで、ラッチ部材に余分な応力が作用しないようにして、ラッチ部材の破損を防止している。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の電動補助装置において、前記アーム回動手段に、前記駆動手段からの駆動力を遮断或いは伝達するクラッチ手段が設けられたことを特徴とする。
【0029】
請求項11に記載の発明では、アーム回動手段にクラッチ手段を設け、該クラッチ手段によって、駆動手段からの駆動力をアームに伝達したり、或いはアームへの駆動力の伝達を遮断したりすることで、例えば、扉の一方向への移動のみ、移動手段によりアシスト力を得ることができる。
【0030】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の電動補助装置において、開放された扉を閉止位置へ戻すクローザが設けられ、前記クローザによって前記扉が閉止する方向へ移動するときは、前記クラッチ手段によって前記駆動手段からの駆動力が遮断されることを特徴とする。
【0031】
請求項12に記載の発明では、開放された扉を閉止位置へ戻すクローザを設け、該クローザによって扉が閉止する方向へ移動するときは、クラッチ手段によって駆動手段からの駆動力を遮断するようにしている。
【0032】
クローザを設けることで、扉を開放するときには、該クローザによって扉を閉止位置へ戻そうとする力が加わるため、その分、扉を移動させるための荷重が大きくなってしまう。この場合、制御手段によって移動手段によるアシスト力が得られるため、扉を移動させるための荷重が低減される。
【0033】
一方、扉を開放させた状態では、クローザによって該扉を閉止位置へ戻すことができるため、クラッチ手段によって駆動手段からの駆動力を遮断する。これにより、駆動手段は扉の開放方向のみ駆動させるようにすることができる。
【0034】
つまり、扉を開放させるときは駆動手段の駆動力(アシスト力)を利用し、扉を閉止させるときはクローザを利用するというように、扉の移動方向によって動力を分けることができる。
【0035】
請求項13に記載の発明は、請求項7に記載の電動補助装置において、前記回動部材が吊戸棚であり、前記移動手段が、回転して前記吊戸棚を昇降自在に懸架するアームと、前記アームに回転力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段に駆動力を与える正逆回転可能なモータと、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0036】
請求項13に記載の発明では、正逆回転可能なモータからの駆動力によって動力伝達手段が駆動しアームを回転させる。このアームの回転によって、アームに懸架された吊戸棚が昇降するが、吊戸棚の上昇移動及び下降移動において、モータによるアシスト力を得ることができる。
【0037】
請求項14に記載の発明は、請求項3に記載の電動補助装置において、前記把手が、両端部が支持され中央部に前記変形量検出部が配設された金属プレートと、前記金属プレートの外側に設けられた外筒と、を含んで構成され、前記外筒の中央部には前記金属プレートの両面を支持する支持部が設けられていることを特徴とする。
【0038】
請求項14に記載の発明では、中央部に変形量検出部を配設した金属プレートの両端部を支持し、金属プレートの外側には外筒を設けている。そして、外筒の中央部には、金属プレートの両面を支持する支持部を設けている。把手は両端部が支持されているため、把手の中央部が一番撓み量が大きく、把手の中央部に変形量検出部を配設することで、該把手に作用する荷重をより正確に求めることができる。
【0039】
また、把手に作用する荷重の向きは略上下方向であり、金属プレートの表面に変形量検出部を配設することで、作用する荷重の向きに対して略直交した状態で変形量検出部が配置されることとなるため、把手に作用する荷重をより正確に求めることができる。
【0040】
さらに、この金属プレートの外側に外筒を設けることで、変形量検出部を保護している。そして、外筒の中央部に金属プレートの両面を支持する支持部を設けることで、把手の中央部を把持すると、外筒及び支持部を介して金属プレートを押圧し、金属プレートを弾性変形させる。
【0041】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の電動補助装置において、前記外筒と前記金属プレートの間に、外筒と金属プレートの間隔を一定に保つ付勢手段が設けられたことを特徴とする。
【0042】
請求項15に記載の発明では、外筒と金属プレートの間に、外筒と金属プレートの間隔を一定に保つ付勢手段を設けることで、外筒と金属プレートの位置関係を保持することができる。
【0043】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載の電動補助装置において、前記把手に接触したか否かを検出し、前記制御手段へ信号を送信する接触検知手段が設けられたことを特徴とする。
【0044】
請求項16に記載の発明では、移動体に設けられた把手に接触すると、接触検知手段によって該把手への接触が検知され、制御手段へ信号が送信される。そして、制御手段では、接触検知手段から送出された信号を受信すると共に、検出手段が検出した把手に作用する荷重に基づいて、移動体の移動速度を制御する。
【0045】
請求項17に記載の発明は、請求項8に記載の電動補助装置において、前記直線移動部材が引き戸であり、前記移動手段が、前記引き戸に設けられたラックと、前記ラックと噛合うピニオンに回転力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段に駆動力を与える正逆回転可能なモータと、を含んで構成されたことを特徴とする。
【0046】
請求項17に記載の発明では、正逆回転可能なモータからの駆動力によって動力伝達手段が駆動しピニオンを回転させる。このピニオンの回転によって、ラックを介して引き戸を直線移動させるが、引き戸の往復移動において、モータによるアシスト力を得ることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明は、上記構成としたので、ユーザの求めに応じて移動体の移動速度を変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0049】
(第1実施形態)
図1及び図2には、本発明の第1実施の形態に係る電動補助装置としての電動吊戸棚10が図示されている。この電動吊戸棚10は、一例として、システムキッチンに用いられる天井設置用となっており、電動吊戸棚10には、箱状のキャビネット(移動体)12が備えられ、キャビネット12内には食器などが収納可能とされている。そして、このキャビネット12は、前面側が開放された箱状の収納部14内に収納可能とされている。
【0050】
収納部14の側板16には、軸支ピン18が設けられており、該軸支ピン18には、アーム20の一端部が回転可能に軸支されている。また、収納部14の側板16には、軸支ピン18を中心に円弧状のガイド孔22が形成されており、ガイド孔22には、アーム20に取付けられたガイドピン24が挿通されている。このため、このガイドピン24は軸支ピン18を中心にガイド孔22に沿って案内されることとなる。
【0051】
ここで、アーム20の他端部は、キャビネット12の側板26の後側上部に設けられた装着部28に装着されており、該アーム20を介して、軸支ピン18を中心にキャビネット12が揺動可能とされている。
【0052】
また、収納部14には、側板16と側板16の間にシャフト32、34が架け渡されている。シャフト34は、側板16の前方側に配置されており、側板16に対して回転不能となっている。また、シャフト34にはアーム36の一端部が回転可能に軸支されており、アーム36の他端部はキャビネット12の側板26の中央側に設けられた装着部38に装着され、アーム20に追従してシャフト34を中心に回転し、キャビネット12を揺動可能とする。
【0053】
一方、シャフト32は、側板16に対して回転可能に軸支されており、移動手段としての動力伝達装置33によって回転可能となっている。この動力伝達装置33は正逆回転可能なモータ40を備えており、このモータ40の駆動力が後述するギア列42を介してシャフト32に伝達されるようになっている。
【0054】
図3に示すように、モータ40の回転軸40Aには、ギア列42を構成するウォーム44が直結されており、該ウォーム44にモータ40からの駆動力が伝達される。ウォーム44にはウォームホイール46Aが噛み合っており、ウォームホイール46Aの回転によって、ウォームホイール46Aと一体に設けられた小ギア46Bが回転する。そして、この小ギア46Bの回転によって、該小ギア46Bと噛み合う大ギア48Aが回転するようになっている。
【0055】
大ギア48Aには小ギア48Bが一体に設けられており、大ギア48Aの回転によって、該小ギア48Bが回転する。そして、この小ギア48Bの回転により、該小ギア48Bと噛み合う大ギア50Aが回転し、該大ギア50Aと一体に回転するかさ歯車50Bが回転するようになっている。
【0056】
そして、このかさ歯車50Bは、シャフト32に固定されたかさ歯車52と噛み合っており、該かさ歯車52の回転によって、シャフト32が回転するようになっている。ここで、モータ40には、エンコーダ41が設けられており、該エンコーダ41は正・逆転及び回転速度に応じたパルスを出力する。
【0057】
シャフト32の両端部には、図2に示すように、動力伝達ギア54が固定されている。一方、収納部14の側板16には、軸支ピン18を中心に回転する円盤状のアーム揺動用軸板56が設けられている。このアーム揺動用軸板56にはガイドピン24が貫通しており、アーム揺動用軸板56の外周面には、アーム揺動用ギア56Aが形成されている。
【0058】
このアーム揺動用ギア56Aが動力伝達ギア54と噛み合っており、動力伝達ギア54の回転によって、軸支ピン18を中心にアーム揺動用軸板56が回転し、該アーム揺動用軸板56を介して、ガイドピン24をガイド孔22に沿って移動させながら、アーム20を回転させ、キャビネット12を昇降移動させる。そして、このキャビネット12の移動に追従して、アーム36が回転する。
【0059】
ところで、キャビネット12の前面の下部からは一対の支持板60が垂下しており、該支持板60には棒状の把持部62が支持されている。この把持部62を昇降させることで、支持板60を介してキャビネット12が昇降(揺動)可能となる(後述する)。
【0060】
図4(A)、(B)(なお、(B)は(A)のA−A断面図である)に示すように、把持部62は、樹脂で形成された円筒状のグリップ64を備えており、グリップ64の内部には、平板状の金属プレート66が設けられている。この金属プレート66はグリップ64よりも長く形成されており、該金属プレート66の両端部が支持板60に固定されている。
【0061】
ここで、グリップ64と金属プレート66との間には、隙間が設けられるようになっており、グリップ64の長手方向中央部には、金属プレート66の表面及び裏面にそれぞれ対面するように凸部(支持部)64Aが設けられている。このため、把持部62は、ユーザが手でグリップ64を把持して昇降させることにより、凸部64Aが金属プレート66に接触して金属プレート66にひずみ(撓み)を生じさせる。
【0062】
また、グリップ64の両端部には、金属プレート66との間に設けられた隙間内に板バネ(付勢手段)68が配設され、一端部が金属プレート66の表面或いは裏面に当接し、他端部がグリップ64の内周面に当接して、グリップ64を外側へ向けて付勢している。これにより、グリップ64と金属プレート66の位置関係を保持している。
【0063】
ここで、グリップ64と金属プレート66の位置関係を保持することができれば良いため、必ずしも板バネ68である必要はなく、グリップ64と金属プレート66との間に生じる隙間にスペーサ部材を設けても良い。
【0064】
さらに、グリップ64の中央部には、金属部70が設けられており、該金属部70にはタッチセンサ(検出手段)71(図5参照)が接続されている。このタッチセンサ71は、後述するマイコン82(図5参照)と接続されており、ユーザが金属部70に接触することで生じる静電容量の変化を検出する。なお、金属部70は導電性部材であればよいため、必ずしも金属である必要はなく、導電性の樹脂であっても良い。
【0065】
一方、金属プレート66の長手方向中央部には、凸部64Aと対面してひずみセンサ(検出手段)72が配設されている。把持部62の中央部は、ひずみ量が一番大きくなるため、把持部62の中央部にひずみセンサ72を配設することで、把持部62に作用する荷重(応力)をより正確に求めることができるようにしている。そして、ひずみセンサ72の外側にグリップ64を設けることで、ひずみセンサ72を保護している。
【0066】
ところで、把持部62に作用する荷重の向きは略上下方向であり、金属プレート66の表面にひずみセンサ72を配設することで、作用する荷重の向きに対して略直交した状態でひずみセンサ72が配置されることとなるため、把持部62に作用する荷重をより正確に求めることができる。
【0067】
ひずみセンサ72には図示しないひずみゲージを内蔵している。ひずみゲージはひずみの向き及びひずみの大きさに応じて抵抗値が変化するが、この抵抗値の変化は極めて小さいため、ひずみゲージの抵抗変化を電圧の変化に置き換え、それを増幅して出力するようにしている。
【0068】
そして、金属プレート66の弾性変形の範囲内において、応力とひずみとの相関関係により、ひずみセンサ72から出力される信号の電圧レベルによって把持部62に作用する応力を求めることができる。そして、金属プレート66のひずみの方向及びひずみ量に応じて、出力される信号の電圧レベルが変化する。
【0069】
つまり、ひずみセンサ72が下方向へひずんだ場合、ひずみセンサ72から出力される電圧レベルは低下し、ひずみセンサ72が上方向へひずんだ場合は、該電圧レベルは上昇する。このように、ひずみセンサ72から出力された電圧を検出することにより、グリップ64に作用する荷重の大きさだけでなく向きも検出可能とされる。
【0070】
ここで、本実施の第1の実施の形態に係る電動吊戸棚10の動作を制御する電気系の構成を説明する。
【0071】
図5に示すように、電動吊戸棚10の制御手段としての電動アシスト装置78には、増幅回路80と、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)82と、ドライブ回路84と、を備えており、ひずみセンサ72より出力された信号の電圧レベルは、増幅回路80によって所定倍(本実施の形態では、1×10倍だが、5000倍から増幅可能である)に増幅される。
【0072】
そして、マイコン82によって、エンコーダ41より入力された2相のパルスに基づいてモータ40の回転速度と回転方向が求められ、この回転速度と回転方向及び増幅回路80より増幅された信号の電圧レベルに基づいてモータ40の回転速度を制御する速度制御信号が出力される。この速度制御信号に応じて、ドライブ回路84によって、モータ40の回転速度が制御される。
【0073】
ひずみセンサ72から出力される信号は、数μVの電圧レベルであり、当該信号が伝送される配線に発生するノイズとのS/N比を大きくとれない。このため、本実施の形態に係る電動吊戸棚10では、増幅回路80をひずみセンサ72に近い位置に設けて増幅回路80とひずみセンサ72との配線の距離を短くし、配線に発生するノイズ量が僅かなうちに増幅を行うことによりノイズによる影響を少なく抑えている。
【0074】
また、マイコン82は、CPU、ROM、RAM等が1チップ上に集積されており、予め駆動制御プログラムや電位差目標回転速度変換テーブル等を予め記憶している。
【0075】
ドライブ回路84は、速度制御信号に応じてモータ40に対して出力する駆動信号のデューティー比を変化させることによりモータ40の回転速度を変化させる。
【0076】
図6には、本実施の形態に係るマイコン82に記憶された電位差目標回転速度変換テーブルの一例が示されている。
【0077】
同図に示されるように、電位差目標回転速度変換テーブルには、電位差毎に目標回転速度が記憶されており、電位差の絶対値が大きくなるほど目標回転速度が速くなるように値が設定されている。なお、本実施の形態では、モータ40の回転軸40Aが、キャビネット12を下降させる方向に回転する場合にモータ40の回転速度をマイナスの値、キャビネット12を上昇させる方向に回転する場合にプラスの値として回転方向も示している。そして、ドライブ回路84によって、速度制御信号に応じてモータ40に対して出力する駆動信号のデューティー比を変化させることによりモータ40の回転速度を変化させる。
【0078】
(作用・効果)
次に、本実施の第1の実施の形態に係る電動吊戸棚10の作用及びその効果を説明する。
【0079】
図7(A)、(C)、(E)に示すように(なお、(A)、(C)、(E)は、電動吊戸棚10の動作を示す概略側断面図であり、(B)、(D)、(F)は、(A)、(C)、(E)にそれぞれ対応する電動吊戸棚10の把持部62の状態を示す説明図である。)、収納部14内に収納されたキャビネット12を下降させる場合、把持部62の金属部70を手で把持するが、このとき、金属部70の静電容量が所定値以上になると、マイコン82を介して、モータ40が回転可能な状態となる。
【0080】
そして、該把持部62に対して下方向への荷重を付与すると、把持部62の内部に設けられた凸部64A(図4参照)を介して金属プレート66が下方向へひずみ、該金属プレート66のひずみに応じてひずみセンサ72が下方向へひずむ(図7(D)参照)。
【0081】
このとき、ひずみセンサ72から出力される電圧レベルは後述する基準電位よりも上昇する。マイコン82(図5参照)は、金属部70が把持された瞬間ひずみセンサ72から出力される電圧レベルを記憶し、記憶された電圧レベルを基準電位として、金属部70が把持された状態でのひずみセンサ72から出力された電圧レベルとの電位差を検出する。
【0082】
そして、マイコン82は、この電位差に基づいて電位差目標速度交換テーブル(図6参照)から目標回転速度を導出し、いわゆるフィードバック制御により目標回転速度でモータ40の回転軸40Aを矢印A方向へ回転させる(図8参照)。
【0083】
これにより、図2及び図8に示すように、ギア列42を介してシャフト32が矢印A方向へ回転し、動力伝達ギア54が矢印A方向へ回転する。そして、動力伝達ギア54と噛み合うアーム揺動用ギア56Aを介して、アーム揺動用軸板56が軸支ピン18を中心に矢印A方向へ回転する。
【0084】
このアーム揺動用軸板56の回転によって、該アーム揺動用軸板56を介して、図7(C)、(E)に示すように、軸支ピン18を中心にガイドピン24をガイド孔22に沿って移動させながら、アーム20を矢印A方向へ回転させ、アーム20、36を介して、キャビネット12を下降させる方向へ回転させることにより、ユーザのキャビネット12の下降動作をアシストする。
【0085】
一方、図9(A)〜(C)に示すように(なお、(A)、(C)、(E)は、電動吊戸棚10の動作を示す概略側断面図であり、(B)、(D)、(F)は、(A)、(C)、(E)にそれぞれ対応する電動吊戸棚10の把持部62の状態を示す説明図である。)、下降したキャビネット12を収納部14内へ収納させる場合、把持部62の金属部70を手で把持する。これにより、マイコン82を介して、モータ40が回転可能な状態となる。
【0086】
そして、該把持部62に対して上方向の荷重を付与すると、把持部62の凸部64Aを介して金属プレート66が上方向へひずみ、該金属プレート66のひずみに応じてひずみセンサ72が上方向へひずむ(図9(D)参照)。
【0087】
このとき、ひずみセンサ72から出力される電圧レベルは基準電位よりも上昇する。このため、マイコン82は、金属部70が把持された状態でのひずみセンサ72から出力された電圧レベルと基準電位との電位差に基づいて目標回転速度を導出し、フィードバック制御により目標回転速度でモータ40の回転軸40Aを矢印B方向へ回転させる(図10参照)。
【0088】
これにより、図2及び図10に示すように、ギア列42を介して、シャフト32が矢印B方向へ回転し、動力伝達ギア54が矢印B方向へ回転する。そして、アーム揺動用ギア56Aを介して、アーム揺動用軸板56が軸支ピン18を中心に矢印B方向へ回転する。
【0089】
このアーム揺動用軸板56の回転によって、該アーム揺動用軸板56を介して、図9(C)、(E)に示すように、軸支ピン18を中心にガイドピン24をガイド孔22に沿って移動させながら、アーム20を矢印B方向へ回転させ、アーム20、36を介して、キャビネット12を上昇させる方向へ回転させることにより、ユーザのキャビネット12の上昇動作をアシストする。
【0090】
以上のように、本発明では、把持部62に作用する荷重の大きさを検出し、該荷重の大きさに応じてモータ40の目標回転速度を変える。つまり、把持部62に作用する荷重の大きさによって、キャビネット12を移動させる速度を変えている。
【0091】
したがって、キャビネット12を移動させるときに必要な荷重が小さい(キャビネット12の荷重が小さい、或いはキャビネット12をゆっくり移動させる)場合は、キャビネット12を移動させる速度が遅くなり、動力伝達装置33(モータ40)によるアシスト力は小さい。
【0092】
一方、キャビネット12を移動させるときに必要な荷重が大きい(キャビネット12の荷重が大きい、或いはキャビネット12を素早く移動させる)場合は、キャビネット12を移動させる速度が速くなり、動力伝達装置33によるアシスト力が大きくなる。つまり、ユーザの求めに応じてキャビネット12の移動速度を変えることができる。
【0093】
また、タッチセンサ71によって把持部62への接触を検知し、マイコン82へ信号が送信されると、該信号の受信により、マイコン82はモータ40を回転可能な状態にすることができる。つまり、把持部62への接触が検知されない場合は、モータ40は回転不能な状態となり、把持部62から手を離すと、モータ40は移動停止することとなる。
【0094】
その他、本実施の形態で説明した電動アシスト装置78の構成(図5参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
【0095】
例えば、図示はしないが、キャビネット12の位置を感知する位置センサを配設し、キャビネット12を収納部14へ収納するとき、キャビネット12が所定の位置に到達すると把持部62の接触の有無に拘わらず、モータ40の駆動力によって、キャビネット12を収納部14内へ完全に収納するようにしても良い。
【0096】
また、ここではひずみセンサ72を用いて金属プレート66のひずみを検出するようにしたが、金属プレート66に作用するひずみ量を求めることができれば良いため、ひずみセンサ72に限るものではない。また、作用する荷重によって弾性変形可能な部材であればよいため、グリップ64の内部の部材は金属プレート66以外であっても勿論良い。
【0097】
(第2実施形態)
図11には、本発明の第2の実施の形態に係る電動補助装置としての開閉ドア100が図示されている。なお、第1実施の形態と同様の部分についての説明は省略する。
【0098】
開閉ドア100は矩形状のドア枠体102に対して幅方向の一端側を軸部として回動可能に軸支されており、開閉ドア100の内側には、開閉ドア100を閉止する方向へ付勢するクローザ(戻し手段)104が設けられている。
【0099】
また、開閉ドア100にはラッチユニット106が設けられ、開閉ドア100が閉止された状態を維持している。さらに、開閉ドア100にはセンシングユニット108が設けられ、開閉ドア100を開閉させようとすることが感知できるようになっている。そして、このセンシングユニット108と連動して電動アシスト装置110が駆動可能となる。
【0100】
以下、これらの詳細について説明する。
【0101】
(クローザ104)
開閉ドア100の軸部側の上部には、クローザ104が配設されている。このクローザ104は開閉ドア100の内側に設けられており、該クローザ104には、リンクアーム112の一端部が固定され、該リンクアーム112の他端部は、ドア枠体102に固定されている。
【0102】
このリンクアーム112の屈伸によって、開閉ドア100が開閉可能となる。リンクアーム112には、図示はしないがスプリングが配設されており、開閉ドア100を閉止させる方向へ付勢している。このため、開閉ドア100の開放によって、該スプリングが伸長し、弾性力が蓄積される。そして、開閉ドア100を開放させた状態で、開閉ドア100から手を離すと、スプリングが復元され、リンクアーム112を介して、開閉ドア100が閉止する方向へ移動する。
【0103】
(ラッチユニット106)
一方、開閉ドア100には、略棒状のドアハンドル114が設けられているが、このドアハンドル114の上下には取付部116、118が設けられており、該取付部116、118を介して、開閉ドア100にドアハンドル114が取付けられている。
【0104】
また、開閉ドア100の自由端側の端面には、取付部116に対応してロックケース120が嵌め込まれている。このロックケース120には、図11及び図12(A)、(B)に示すように、平面視にて略三角状のラッチ122が収納可能とされており(なお、図12はロックケース120の正面図である)、バネ124によって付勢され、ロックケース120の側端面に形成された孔部126から突出した状態で、ラッチ122の基部で上下方向に張り出した軸板128によって移動規制されている。
【0105】
ドア枠体102側には、矩形凹状のストライク(図示省略)が形成されている。このストライクにはラッチ122が挿入可能となっており、開閉ドア100が閉止されると、該ラッチ122がストライク内に挿入される。
【0106】
ラッチ122は、軸板128を中心に、図12中奥行き方向へ揺動可能となっており、開閉ドア100の移動方向に合わせて揺動し、開閉ドア100の開閉時にストライクの縁部に接触するラッチ122に対する衝撃力を低減している。
【0107】
一方、ロックケース120内には、逆T字状を成すストッパ130が軸部132を中心に揺動可能となっている。ストッパ130の一端部は、ラッチ122の軸板128に当接可能となっており、ストッパ130の他端部は、略矩形状の昇降部材134の下壁134Aの上面に当接している。
【0108】
また、ストッパ130の上方には、軸部136を中心に揺動するL字片138が設けられており、L字片138の一端部に形成されたピン140が、ストッパ130の垂直片130Aに形成された孔部142に挿入されている。
【0109】
このため、ストッパ130が揺動すると、垂直片130Aの孔部142が、軸部132を中心に円弧を描くようにして移動しようとするが、これに伴って、ピン140を介して、軸部136を中心にL字片138が揺動する。
【0110】
L字片138にはトーションスプリング144が当接しており、軸部136を中心にL字片138を矢印A方向へ付勢している。L字片138の他端部側には、ストッパ壁146が設けられており、L字片138の他端部が該ストッパ壁146に当接すると、L字片138の揺動移動が規制される。
【0111】
そして、この状態では、ピン140は図12(A)の位置に移動し、ストッパ130が軸部132を中心に回動して、ラッチ122の軸板128に当接し、ラッチ122のロック状態が維持される。つまり、ラッチ122がストライク内に挿入された状態では、ストッパ130の一端部がラッチ122の軸板128に当接し、ラッチ122は開閉ドア100の開放方向への移動に対してその揺動が規制される(ラッチ122のロック状態)。
【0112】
一方、ストッパ130が図12(B)の位置に移動すると、ストッパ130の一端部はラッチ122の軸板128に対して非当接の状態となり、ラッチ122は開閉ドア100の開放方向への移動に対してその揺動が可能となる(ラッチ122のロック解除状態)。
【0113】
昇降部材134の上壁134Bの下面には、ハンドル把手レバー148(レバー)が当接している。開閉ドア100を開放させるため、図11に示すドアハンドル114を引く或いは押すと、開閉ドア100が移動する前に、ドアハンドル114が幅方向の一端側を軸部として揺動するようになっている。このとき、このドアハンドル114の動作に追従して、ハンドル把手レバー148が長手方向の一端部を支軸として、その他端部(先端部)が上方へ向かって揺動する。
【0114】
これにより、該ハンドル把手レバー148を介して、昇降部材134の上壁134Bが押圧され、昇降部材134が上方へ移動する。このため、昇降部材134の下壁134Aを介して、ストッパ130が軸部132を中心に揺動するが、この揺動によってストッパ130の垂直片130Aに形成された孔部142及び該孔部142に挿入されたピン140を介して、ストッパ130が軸部132を中心に揺動し、ストッパ130の一端部がラッチ122の軸板128から離れ、ラッチ122は揺動可能となり(ラッチ122のロック解除状態)、開閉ドア100が開放可能となる。
【0115】
ここで、ロックケース120の角部には、光センサ150が配設されており、ラッチ122のロック解除状態では、ストッパ130の一部が該光センサ150の前面を覆い、光センサ150へ入射される光が遮断されるようになっている。
【0116】
つまり、光センサ150への光の入射の有無によって、ストッパ130の位置が分かるようになっており、ラッチ122がロック状態かロック解除状態かが分かるようになっている。
【0117】
(センシングユニット108)
開閉ドア100の自由端側には、取付部118に対応してセンシングユニット108が配設されているが、このセンシングユニット108には、図13に示すように、片持ち状の弾性部材152が設けられている。この弾性部材152は、ドアハンドル114を開放させようとするときに移動するハンドル把手レバー148の移動軌跡上に配置され、弾性部材152の上面には、ひずみセンサ72が設けられている。
【0118】
ハンドル把手レバー148の移動により、弾性部材152を介してひずみセンサ72に内蔵されたひずみゲージの抵抗値がひずみの大きさに応じて変化する。そして、弾性部材152の弾性変形の範囲内において、応力とひずみとの相関関係により、ひずみセンサ72から出力される信号の電圧レベルによってドアハンドル114に作用する応力を求めることができる。そして、弾性部材152のひずみ量に応じて、出力される信号の電圧レベルが変化する。
【0119】
なお、ここでは、弾性部材152は下から上へ向かう荷重しか受けないため、ひずみセンサ72では作用する荷重の向きは測定できない。このため、荷重方向検出部として別途開閉ドア用エンコーダ160が用いられる。
【0120】
(電動アシスト装置110)
図11に示すように、ドア枠体102の上方には、電動アシスト装置110が配設されている。開閉ドア100の上端面には開閉ドア100の幅方向に沿ってガイド溝154が形成されており、ガイド溝154内にはコロ156が配置されて、該ガイド溝154に沿って転動可能とされている。
【0121】
このコロ156の軸部132には、アーム158の一端部が取付けられており、アーム158の他端部は、図14及び図15に示すように、電動アシスト装置110に配設された、後述する開閉ドア用エンコーダ160のシャフト162に固定されている。このシャフト162が回転することで、アーム158がシャフト162を中心に回動し、該アーム158を介して開閉ドア100には、開閉ドア100を開放させる方向への駆動力が伝達される。
【0122】
電動アシスト装置110には一方向へ回転可能なモータ164が備えられており、このモータ164の駆動力がシャフト162に伝達されることとなる。モータ164は軸支板166に支持されてモータ164と直結するシャフト168を回転可能としている。
【0123】
モータ164のシャフト168の一端側には、同期ギア172が固定されており、軸支板166に支持されたモータ用エンコーダ174に設けられたシャフト176に固定された同期ギア178と噛み合っている。これにより、シャフト176はシャフト168と同期し、モータ用エンコーダ174によってモータ164の回転数が測定される。
【0124】
モータ164のシャフト168の他端側には、ギア列180を構成するウォーム182が直結されており、該ウォーム182にモータ164からの駆動力が伝達される。ウォーム182にはウォームホイール184が噛み合っており、ウォームホイール184と共にウォームホイール184が固定された回転軸186が回転可能とされる。
【0125】
この回転軸186には電磁クラッチ122(後述する)を構成する噛合部123が該回転軸186と一体に回転可能、かつ回転軸186に対してスラスト移動可能に取付けられている。
【0126】
また、回転軸186を回転可能に軸支する軸支部188には、該軸支部188から水平に張り出し、ウォームホイール184の側面を覆うようにして、折れ曲がったブラケット190が設けられている。このブラケット190の先端部には、噛合部123の上側に設けられた小径部192に納まるようにして、電磁クラッチ122を構成するコイル部125が固定されている。
【0127】
電磁クラッチ122の下部には、伝達ギア194が回転軸186に対して回転可能に設けられており、この伝達ギア194の上面には、噛合部123の歯部123A(図16(A)、(B)参照)と噛み合う歯部(図示省略)が形成された噛合部194Aが形成されている。
【0128】
電磁クラッチ122のコイル部125が給電されると、図16(B)に示すように、噛合部123がコイル部125から離間し、伝達ギア194の噛合部123と噛合い可能となっている。また、コイル部125の給電が停止すると、図16(A)に示すように、図示しない戻りバネによって噛合部123はコイル部125側へ戻され、伝達ギア194の噛合部194Aとの噛合い状態が解除される。
【0129】
一方、伝達ギア194の下側は小径となって、小ギア196が形成されている。この小ギア196には、回転軸186と平行に立設する固定軸198に対して回転可能に取付けられたギア部材200の大ギア202が噛み合っている。この大ギア202の下部には小ギア204が形成されており、開閉ドア用エンコーダ160のギア部206が噛み合っている。
【0130】
この開閉ドア用エンコーダ160より入力された2相のパルスに基づいて開閉ドア100の移動速度と移動方向(作用する荷重の向き)が求められるが、これによってモータ164の回転速度を制御する速度制御信号が出力される(後述する)。
【0131】
ここで、開閉ドア100が開放される方向へ移動している場合は、電磁クラッチ122のコイル部125が給電され、電磁クラッチ122の噛合部123が伝達ギア194の噛合部194Aと噛合い(図16(B)参照)、モータ164の回転力がシャフト162に伝達される。これにより、シャフト162が回転し、これに伴って,図14に示すように、アーム158が回動して、コロ156がガイド溝154内を転動し、該ガイド溝154を介して開閉ドア100を開放させる。
【0132】
一方、開閉ドア100が閉止する方向へ移動している場合は、電磁クラッチ122のコイル部125の給電が停止され、電磁クラッチ122の噛合部123と伝達ギア194の噛合部194Aとの噛合い状態が解除され(図16(A)参照)、伝達ギア194にはモータ164からの駆動力が伝達されないこととなる。つまり、伝達ギア194は回転軸186に対して伝達ギア194が空回りした状態となる。そして、この状態では、クローザ104によって、開閉ドア100が閉止する方向へ移動させる力が作用する。
【0133】
なお、ここでは、電磁クラッチ122を用いて、モータ164からの駆動力を遮断或いは伝達するようにしたが、モータ164からの駆動力を遮断或いは伝達することができればよいためこれに限るものではない。
【0134】
ここで、本実施の第2の実施の形態に係る開閉ドア100の動作を制御する電気系の構成を説明する。
【0135】
電動アシスト装置110の動作を制御する電気系の構成は、電動吊戸棚10を動作させる電動アシスト装置78(図5参照)の構成と基本的には同じであり、増幅回路80と、マイコン82と、ドライブ回路84と、を備え、ひずみセンサ72より出力された信号の電圧レベルは、増幅回路80によって所定倍に増幅される。
【0136】
そして、本実施形態では、図17及び図18に示すように、モータ用エンコーダ174の他、開閉ドア用エンコーダ160がマイコン82に接続されており、該開閉ドア用エンコーダ160によって開閉ドア100の移動速度と移動方向が求められるようになっている。
【0137】
この開閉ドア100の移動速度と移動方向及び増幅回路80より増幅された信号の電圧レベルに基づいてモータ164の回転速度を制御する速度制御信号が出力される。この速度制御信号に応じて、ドライブ回路84によって、モータ164の回転速度が制御される。
【0138】
また、マイコン82には電磁クラッチ122が接続されており、開閉ドア100が開放される方向へ移動している場合は、電磁クラッチ122のコイル部125が給電され、開閉ドア100が閉止する方向へ移動している場合は、電磁クラッチ122のコイル部125の給電が停止される。
【0139】
ここで、マイコン82は、ひずみセンサ72より出力された信号の電圧レベルに応じてモータ164を駆動させるが、マイコン82には光センサ150が接続されており、該光センサ150へ入射される光が遮断された後、モータ164を駆動させる。つまり、ラッチ122がロック状態を解除された後にモータ164が駆動することとなる。
【0140】
(作用・効果)
次に、本実施の形態に係る開閉ドア100の作用及びその効果を説明する。
図11に示す開閉ドア100を開放させるため、ドアハンドル114を引く或いは押すと、開閉ドア100が移動する前に、ドアハンドル114が幅方向の一端側を軸部として揺動するようになっているが、このドアハンドル114の動きに追従してハンドル把手レバー148の先端部が上方へ向かって揺動する。
【0141】
これにより、該ハンドル把手レバー148を介して、図12(A)に示すロックケース120内の昇降部材134が上方へ移動し、図12(B)に示すように、ストッパ130が軸部132を中心に揺動して、ストッパ130の一端部がラッチ122の軸板128から離れ、ラッチ122のロック状態が解除され、開閉ドア100が開放可能となる。
【0142】
一方、ハンドル把手レバー148の移動により、図13に示す弾性部材152を介してひずみセンサ72に内蔵されたひずみゲージの抵抗値がひずみの大きさに応じて変化し、モータ164が駆動することとなるが、光センサ150によってラッチ122のロック状態が解除されたことが確認された後に、モータ164を駆動させるようにしている。
【0143】
つまり、図19に示すように、ひずみセンサ72から信号が出力され、モータ164が駆動するまでの間には、タイムラグtが生じるようにしている。これにより、ラッチ122の破損等を防止する。
【0144】
ひずみセンサ72から出力される信号の電圧レベルに基づいてモータ40の回転速度を制御する速度制御信号に応じて、モータ164の回転速度が制御されるが、開閉ドア100が開放される方向へ移動している場合は、電磁クラッチ122のコイル部125が給電され、電磁クラッチ122の噛合部123が伝達ギア194の噛合部123と噛合い、モータ164の回転力がシャフト162に伝達される。
【0145】
これにより、シャフト162が回転し、これに伴ってアーム158が回動して、コロ156がガイド溝154内を転動し、該ガイド溝154を介して開閉ドア100を開放させる。つまり、ユーザの開閉ドア100の開放動作がアシストされる。
【0146】
ここで、開閉ドア100にはクローザ104が設けられており、開閉ドア100を閉止させる方向へ付勢しているため、開閉ドア100を開放させるときには、この付勢力(閉止力)に抗する方向へ荷重(開放力)を付与しなければならない(なお、室内の換気扇などにより室内が負圧になっている状態では、閉止力は増大し、その分開放力を増大させる必要が生じることとなるが、説明の便宜上、室内の負圧による閉止力は考慮しない)。
【0147】
一方、開閉ドア100が閉止する方向へ移動している場合は、電磁クラッチ122のコイル部125の給電が停止され、電磁クラッチ122の噛合部123と伝達ギア194の噛合部194Aとの噛合い状態が解除され、伝達ギア194にはモータ164からの駆動力が伝達されないこととなる。
【0148】
つまり、伝達ギア194は回転軸186に対して伝達ギア194が空回りした状態となる。そして、この状態では、クローザ104によって、開閉ドア100が閉止する方向へ移動させる力が作用する。
【0149】
開閉ドア100の開放動作が停止した後、ユーザが手を離すと開閉ドア100が閉止する方向へ移動するが、開閉ドア100の開放動作が停止すると、モータ164の回転速度が減速するようになっている。これにより、電磁クラッチ122の伝達状態から遮断状態への移行がスムーズになされるようにしている。
【0150】
なお、第2実施形態では、ドア枠体102に対して幅方向の一端側を軸部として回動可能に軸支された開閉ドア100について説明したが、移動体を移動させるために必要な荷重を低減させる(アシストする)ことができれば良いため、ドアに限らず回動可能な移動体であれば適用可能である。
【0151】
また、回動移動に限らず、図20に示すように、直線移動する移動体として引き戸210に適用させても良い。この場合、引き戸210側にラック212を形成し、引き戸210の枠側に該ラック212と噛み合うピニオン214を回転可能に設け、減速ギア列216を用いてモータ218からの回転力がピニオン214が伝達されるようにする。
【0152】
これにより、ピニオン214が回転すると、ラック212を介して引き戸210をスライド移動させることができる。ここで、モータ218を正逆回転可能とすることで、引き戸210の往路及び復路において、引き戸210を移動させるために必要な荷重を低減させることができる。
【0153】
この場合、電磁クラッチ122は不要となるが、この引き戸210において、引き戸210を閉止する方向へ戻そうとする戻し手段が設けられている場合は、電動アシスト装置110のように、電磁クラッチ122が用いられる。
【0154】
また、引き戸210の場合、ラッチユニット106は不要なため、把手220は、第1実施形態で説明した把持部62(図4参照)と略同一構成の方がよい。
【0155】
さらに、本発明では、荷重が大きい移動体を移動させる場合には適用可能であり、建物の入口を閉鎖する移動式の門の移動、介護用の自動車に用いられるシートの移動やバス・トイレなどに用いられる手すりなどの昇降等に用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】第1の実施の形態に係る電動吊戸棚が収納部に収納された状態を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る電動吊戸棚が下降した状態を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の形態に係る電動吊戸棚の動力伝達装置の構成を示す斜視図である。
【図4】(A)は、第1の実施の形態に係る電動吊戸棚の把持部の構成を示す断面図であり、(B)は(A)のA−A断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る電動吊戸棚の電動アシスト装置の構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態に係る電動吊戸棚のマイコンに記憶された電位差目標回転速度変換テーブルを示す表である。示す概略平面断面図である。
【図7】(A)、(C)、(E)は、第1の実施の形態に係る電動吊戸棚の動作を示す概略側断面図であり、(B)、(D)、(F)は、(A)、(C)、(E)にそれぞれ対応する電動吊戸棚の把持部の状態を示す説明図である。
【図8】第1の実施の形態に係る電動吊戸棚を下降させる際の動力伝達装置の動作を示す説明図である。
【図9】(A)、(C)、(E)は、第1の実施の形態に係る電動吊戸棚の動作を示す概略側断面図であり、(B)、(D)、(F)は、(A)、(C)、(E)にそれぞれ対応する電動吊戸棚の把持部の状態を示す説明図である。
【図10】第1の実施の形態に係る電動吊戸棚を上昇させる際の動力伝達装置の動作を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る開閉ドアの構成を示す斜視図である。
【図12】第2の実施の形態に係る開閉ドアのラッチユニットの構成を示す正面図であり、(A)はラッチのロック状態であり、(B)はラッチのロック解除状態である。
【図13】第2の実施の形態に係る開閉ドアのセンシングユニットの構成を示す正面図である。
【図14】第2の実施の形態に係る開閉ドアの電動アシスト装置の構成を示す平面図である。
【図15】第2の実施の形態に係る開閉ドアの電動アシスト装置の構成を示す断面図である。
【図16】第2の実施の形態に係る開閉ドアの電動アシスト装置の電磁クラッチの作用を示す断面図であり、(A)はモータからの駆動力が伝達されている状態を示し、(B)はモータからの駆動力が遮断された状態を示している。
【図17】第2の実施の形態に係る開閉ドアの構成を示す説明図である。
【図18】第2の実施の形態に係る開閉ドアの電動アシスト装置の構成を示すブロック図である。
【図19】第2の実施の形態に係る開閉ドアに作用する各荷重の関係を示すグラフである。
【図20】第2の実施の形態に係る開閉ドアの変形例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0157】
10 電動吊戸棚(電動補助装置)
12 キャビネット(回動移動部材、移動体、吊戸棚)
14 収納部
20 アーム(移動手段)
32 シャフト(移動手段)
33 動力伝達装置(動力伝達手段、移動手段)
40 モータ(駆動手段、移動手段)
41 エンコーダ(制御手段)
42 ギア列(動力伝達手段、移動手段)
44 ウォーム(動力伝達手段、移動手段)
46A ウォームホイール(動力伝達手段、移動手段)
46B 小ギア(動力伝達手段、移動手段)
48B 小ギア(動力伝達手段、移動手段)
48A 大ギア(動力伝達手段、移動手段)
50B かさ歯車(動力伝達手段、移動手段)
50A 大ギア(動力伝達手段、移動手段)
52 かさ歯車(動力伝達手段、移動手段)
54 動力伝達ギア(動力伝達手段、移動手段)
56A アーム揺動用ギア(動力伝達手段、移動手段)
62 把持部(検出手段)
64A 凸部(支持部)
66 金属プレート(弾性部材、検出手段)
71 タッチセンサ(接触検知手段)
72 ひずみセンサ(変形量検出部、荷重方向検出部、検出手段)
78 電動アシスト装置(制御手段)
82 マイコン(制御手段)
100 開閉ドア(扉、回動移動部材、移動体)
104 クローザ(戻し手段、移動手段)
106 ラッチユニット
108 センシングユニット(変形量検出部、検出手段)
110 電動アシスト装置(制御手段、移動手段)
112 リンクアーム(アーム)
114 ドアハンドル(把手)
122 ラッチ(ラッチ部材)
122 電磁クラッチ(クラッチ手段、アーム回動手段、移動手段)
130 ストッパ(ロック手段)
148 ハンドル把手レバー(レバー)
152 弾性部材(検出手段)
158 アーム(移動手段)
160 開閉ドア用エンコーダ(荷重方向検出部、検出手段)
162 シャフト(アーム回動手段、移動手段)
164 モータ(駆動手段、移動手段)
174 モータ用エンコーダ(制御手段)
180 ギア列(アーム回動手段、移動手段)
182 ウォーム(アーム回動手段、移動手段)
184 ウォームホイール(アーム回動手段、移動手段)
194 伝達ギア(アーム回動手段、移動手段)
196 小ギア(アーム回動手段、移動手段)
200 ギア部材(アーム回動手段、移動手段)
202 大ギア(アーム回動手段、移動手段)
204 小ギア(アーム回動手段、移動手段)
206 ギア部(アーム回動手段、移動手段)
210 引き戸(直線移動部材、移動体)
212 ラック(アーム回動手段、移動手段)
214 ピニオン(アーム回動手段、移動手段)
216 減速ギア列(アーム回動手段、移動手段)
218 モータ(アーム回動手段、移動手段)
220 把手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を移動させる移動手段と、
前記移動体に設けられた把手と、
前記把手に作用する荷重を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記把手に作用する荷重の大きさに基づいて前記移動手段を制御し、移動体の移動速度を変える制御手段と、
を有することを特徴とする電動補助装置。
【請求項2】
前記検出手段が、
前記把手に設けられ、該把手に作用する荷重で弾性変形する弾性部材と、
前記弾性部材の変形量を検出する変形量検出部と、
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電動補助装置。
【請求項3】
前記変形量検出部で、前記把手に作用する荷重の向きを検出し、前記制御手段が該変形量検出部で検出された荷重の向きに該移動体を移動させることを特徴とする請求項2に記載の電動補助装置。
【請求項4】
前記変形量検出部がひずみセンサであり、
前記弾性部材に前記ひずみセンサが配設され、前記把手の動きに追従して移動するレバーで該弾性部材が弾性変形することを特徴とする請求項2に記載の電動補助装置。
【請求項5】
前記移動体に作用する荷重の向きを検出する荷重方向検出部が設けられ、前記制御手段が前記荷重方向検出部で検出された荷重の向きに該移動体を移動させることを特徴とする請求項2に記載の電動補助装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記把手に作用する荷重の大きさに応じて、前記移動体の移動速度を段階的に増減させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電動補助装置。
【請求項7】
前記移動体が、軸部を中心に回動移動する回動部材であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電動補助装置。
【請求項8】
前記移動体が、スライド移動する直線移動部材であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電動補助装置。
【請求項9】
前記移動手段が、回動して前記回動部材を移動させるアームと、前記アームを回動させるアーム回動手段と、前記アーム回動手段に駆動力を与える駆動手段と、を含んで構成されたことを特徴とする請求項7に記載の電動補助装置。
【請求項10】
前記回動部材が扉であり、
前記扉の自由端面から出入可能に設けられると共に、該扉の移動方向に沿って揺動可能なラッチ部材と、
前記扉の枠側に設けられ、前記ラッチ部材が挿入可能な孔部と、
前記ラッチ部材が前記孔部へ挿入された状態で該ラッチ部材の揺動を規制するロック手段と、
が設けられ、
前記レバーが移動し、前記ロック手段が前記ラッチ部材の揺動規制を解除するまでは、前記駆動手段からの駆動力は前記アーム回動手段に伝達されないことを特徴とする請求項9に記載の電動補助装置。
【請求項11】
前記アーム回動手段に、前記駆動手段からの駆動力を遮断或いは伝達するクラッチ手段が設けられたことを特徴とする請求項9又は10に記載の電動補助装置。
【請求項12】
開放された扉を閉止位置へ戻すクローザが設けられ、
前記クローザによって前記扉が閉止する方向へ移動するときは、前記クラッチ手段によって前記駆動手段からの駆動力が遮断されることを特徴とする請求項11に記載の電動補助装置。
【請求項13】
前記回動部材が吊戸棚であり、
前記移動手段が、回転して前記吊戸棚を昇降自在に懸架するアームと、前記アームに回転力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段に駆動力を与える正逆回転可能なモータと、を含んで構成されたことを特徴とする請求項7に記載の電動補助装置。
【請求項14】
前記把手が、両端部が支持され中央部に前記変形量検出部が配設された金属プレートと、前記金属プレートの外側に設けられた外筒と、を含んで構成され、前記外筒の中央部には前記金属プレートの両面を支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電動補助装置。
【請求項15】
前記外筒と前記金属プレートの間に、外筒と金属プレートの間隔を一定に保つ付勢手段が設けられたことを特徴とする請求項14に記載の電動補助装置。
【請求項16】
前記把手に接触したか否かを検出し、前記制御手段へ信号を送信する接触検知手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電動補助装置。
【請求項17】
前記直線移動部材が引き戸であり、
前記移動手段が、前記引き戸に設けられたラックと、前記ラックと噛合うピニオンに回転力を伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段に駆動力を与える正逆回転可能なモータと、を含んで構成されたことを特徴とする請求項8に記載の電動補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−169685(P2008−169685A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220332(P2007−220332)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】