説明

電子機器及び電子システム

【課題】小型化された電子機器及びそれを備えた電子システムを提供する。
【解決手段】本発明は、車載機器本体110と、車載機器本体110の前面を遮蔽及び少なくとも一部を露出するように移動自在に支持された前面パネル120とを備え、前面パネル120は、ポータブル機器10を着脱可能に保持する収納部170を有し、車載機器本体110の前面側には、CDを挿入排出するためのCD挿排口180を有する、車載機器100である。また、CD挿排口180は、車載機器本体110の前面において露出が開始される位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び電子システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、パーソナルナビゲーションデバイスと呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開口)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1乃至4には、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。
【0005】
また、特許文献5には、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0006】
特許文献6に開示されている車載機器は、ナビゲーション装置が着脱される部分と、CD(Compact Disk)を挿入及び排出するための挿入排出口とを有している。
【0007】
【特許文献1】特開平8‐318792号公報
【特許文献2】特開2002‐328026号公報
【特許文献3】特表2005‐524570号公報
【特許文献4】特開2001‐239895号公報
【特許文献5】特開2003‐166848号公報
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0152027号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献6に開示されている車載機器は、ナビゲーション装置が着脱される着脱部分と、CDの挿入排出口とが隣接している。このため、車載機器の小型化が困難である。
また、CDの大きさは規定されているため、挿入排出口の大きさを変更することはできない。従って、車載機器を小型化するためには、ナビゲーション装置が着脱される部分を小さくする必要があるが、そのためにはナビゲーション装置を小型化する必要があり、ナビゲーション画面が見えにくくなるという恐れがある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化された電子機器及びそれを備えた電子システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの態様によれば、本体機器と、前記本体機器の前面を遮蔽及び少なくとも一部を露出するように移動自在に支持された前面パネルとを備え、前記前面パネルは、携帯機器を着脱可能に保持する収納部を有し、前記本体機器の前面側には、記憶媒体を挿入排出するための挿排口を有する、ことを特徴とする電子機器によって達成できる。
【0011】
この構成により、収納部と挿排口とを同一面上に設けられていないので、電子機器を小型化することができる。特に、前面パネルに占める収納部の割合が大きい場合であっても、電子機器の大型化を抑制できる。従って、大きな携帯機器を着脱可能に保持することができると共に、電子機器の小型化を図ることができる。
【0012】
上記構成において、前記挿排口は、前記本体機器の前面において露出が開始される位置に設けられている、構成を採用できる。
【0013】
上記構成において、前記携帯機器は、表示部を備えている、構成を採用できる。
【0014】
上記構成において、前記前面パネルは、所定の位置で停止可能に傾動自在に支持されている、構成を採用できる。
【0015】
また、本発明の別の態様によれば、携帯機器と、前記携帯機器を着脱自在に保持する電子機器とを備え、前記電子機器は、本体機器と、前記本体機器の前面を遮蔽及び少なくとも一部を露出するように移動自在に支持された前面パネルとを備え、前記前面パネルは、前記携帯機器を着脱可能に保持する収納部を有し、前記本体機器の前面側には、記憶媒体を挿入排出するための挿排口を有する、ことを特徴とする電子システムによっても達成できる。
【0016】
上記構成において、前記携帯機器は、ナビゲーション画像を表示する表示部を備えている、構成を採用できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、小型化された電子機器及びそれを備えた電子システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付図面を参照しながら本発明の最良の実施例を説明する。
【0019】
図1(A)、図1(B)に電子システムの一例である車載システム1の外観を示す。図1(A)、図1(B)に示すように車載システム1は、車両に搭載される車載機器100(電子機器)と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器10(携帯機器)とから構成される。ポータブル機器10は、図1Aに示すように車載機器100の前面パネル120に取り付けて使用したり、図1Bに示すように車載機器100から取り外して使用することができる。
【0020】
車載機器100は、ラジオ放送の再生機能や、CD(Compact Disk)等の記録媒体に書き込まれた音楽データを再生可能な機器であり、CD再生部やCD挿排口を有する車載機器本体110と、表示部131や操作部(主操作部)132を有する前面パネル120とを備えている。
ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0021】
図2は、ポータブル機器10を車載機器100から取り外した状態を示す。車載機器100の前面パネル120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された収納部170が設けられている。この収納部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150(収納部側コネクタ)と、ポータブル機器10を前面パネル120に固定するためのロック機構(不図示)が設けられている。前面パネル120に設けた取り外しボタン160(取り外し操作部)を操作すると、不図示のロック機構が解除され、車載機器100からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0022】
図3には、前面パネル120を車載機器本体110に対して傾斜させ、CD挿排口180を露出させた状態を示す。
不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面パネル120を車載機器本体110に対してチルトさせることができる。チルト動作によって、車載機器本体110に設けられたCD挿排口180を露出させ、CDの挿排を行うことができる。車載機器100の前面パネル120には、操作ボタン(図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0023】
図4は、車載システム1の車両への搭載例を示す。
車載システム1は、例えば図4に示すように、助手席51と運転席52とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。
尚、図示していないが、後述するGPS(Global Positioning System)情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置、又はフロントガラスの車室内側に貼り付けられる。
【0024】
図5は、車載システム1の概略構成を示すブロック図である。
車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信されて車載システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリからの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0025】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、ラジオ受信部134、CD再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、コネクタ150を備えている。車載機器100は、エンジンキーがAcc又はIGの位置にあるときに、車両側のバッテリから電力を供給されて動作する。
【0026】
以下、各部の機能の詳細について説明する。
表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、13セグメント表示によって受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示する。
操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替えるための操作や、切り替えた各種モードでの操作を行うためのものである。操作部132には、図6に示すようにチルト/イジェクトボタン132a、ファンクション(図中にはFUNCと表記する)/AFボタン132b、TEXTボタン132c、SCREENボタン132d、SOURCE/PWRボタン132e、MODEボタン132f、MUTEボタン132g、BAND切換ボタン132h、ロータリーボタン132i、十字キー/エンターキーボタン132jとからなるボタン群を備える。
【0027】
ここで、ボタン群の操作によるポータブル機器10と車載機器100の表示の切り替えについて説明する。
まず、車載機器100のSOURCE/PWRボタン132eを押下することで、車載機器100がオンされる。また車載機器100がオンしているときに、SOURCE/PWRボタン132eを短押しすることでCD再生やラジオ等のソースの移行が行われる。このとき、車載機器100の表示部131には、選択されたソースにおける情報が表示され、ポータブル機器10の表示部11には、ソースに関係なくナビゲーション画像が表示される。
【0028】
次に、SCREENボタン132dを押下すると、ポータブル機器10の表示部11の表示をナビゲーション画像から車載機器100で選択されたソースに対応する画像に切り替えることができる。
図7(A)は車載機器100でCDを再生中にポータブル機器10を装着し、ポータブル機器10でナビゲーション画像を表示している状態を示している。
図7(A)の状態から、SOURCE/PWRボタン132eを押下して、CD再生からラジオのソースに切換操作を行うと、図7(B)に示すように、表示部131にラジオソースにおける情報が表示される。また、ポータブル機器10の表示部11には、ナビゲーション画像が表示されたままである。
【0029】
次に、ユーザがSCREENボタン132dを押下すると、図7(C)に示すようにポータブル機器10の表示部11に、車載機器100で処理中のソースに対応する画像が表示される(図7(C)ではラジオ画像)。ポータブル機器10の表示部11には、後述するタッチパネルが設けられており、ユーザはタッチパネルを介して表示部11に表示される操作ボタンを選択することで、現在処理中のソースに対する操作をすることができる。
【0030】
また、表示部11にラジオ画面が表示された状態で、SCREENボタン132dを押下すると、図7(B)に示すようにラジオ画像からナビゲーション画像に戻ることができる。ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態では、SCREENボタン132dの操作は無効となる。
また、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態で、外部音声/映像入力部139にUSB(Universal Serial Bus)等が接続された場合には、SOURCE/PWRボタン132eを押下しても、USBのソースには切り替わらないようにすることもできる。
【0031】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。
【0032】
尚、GPS情報受信部133で受信したGPS信号を制御部20を介さずに、制御部140を介してポータブル機器10のナビゲーション部に出力するようにしてもよいし、GPS情報受信部133をGPSアンテナのみで構成し、GPSアンテナで受信したGPS信号を、制御部140、制御部20を介さず、後述するGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよいし、制御部20は介するが、制御部140を介さずGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい等、適宜変更が可能である。
【0033】
ラジオ受信部134は、アンテナとチューナ部とを有しており、AM放送、FM放送、音声などの多重放送等の放送波を受信して、ステレオ音声信号の出力、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。
CD再生部135は、CDに記録されたデータを読み取って、スピーカ145で再生し、再生信号を制御部140に出力する。
尚、ラジオ受信部134から出力される復調信号を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。
【0034】
音声調整部136は、ラジオ受信部134で受信、復調された音声信号や、CD再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。
メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報を一時的に記憶しておく。
マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。
【0035】
外部音声/映像入力部139は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に送り、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
制御部140は、操作部132の操作に従って、ラジオ受信部134、CD再生部135、音声調整部136などを制御する。
【0036】
また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。
尚、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。
【0037】
また、制御部140は、ポータブル機器10と接続された携帯電話からの通話音声をコネクタ150を介して入力し、音声調整部136を介してスピーカ145に出力する。
さらに、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される、各種モードのメニュー画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ受信部134やCD再生部135の制御を行う。
また、制御部140には、車両に搭載されたバッテリからの電源が入力されている。制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、バッテリの電源をポータブル機器10に出力する。
また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。
尚、車載機器100に車速パルスが入力されない構成であってもよい。
【0038】
次に、ポータブル機器10について説明する。ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20、コネクタ30を備えている。
【0039】
以下、各部の機能の詳細について説明する。
表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、また車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示することができる。
【0040】
尚、表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0041】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55(図8(A)参照)を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0042】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自車位置が割り出される。なお、車載機器100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0043】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0044】
蓄電池15は、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両のバッテリから電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット57(図8(A)参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0045】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得する。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetoothが用いられる。
【0046】
メモリ18は、例えば読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶した後述するSD(Secure Digital)カードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーション動作のための画像を作成する。作成した地図は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。
尚、地図情報はポータブル機器10内に保持していてもよい。
【0047】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画面やコンテンツ画面に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ受信部134やCD再生部135を制御する。
【0048】
図8(A)に、ポータブル機器10の正面図、上面図、下面図、左側面図、右側面図を示し、図8(B)にポータブル機器10の背面図を示す。
ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、下面には、SD(Secure Digital)メモリカードスロット56、USBスロット57が設けられている。地図情報が記憶されたSDカードやUSBメモリをこれらのスロットに差し込むことで、制御部20は、SDカードやUSBメモリから地図情報を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力する。
【0049】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によって電源がオン、オフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン、オフ操作に基づいて電源が操作される。
【0050】
さらに、ポータブル機器10の背面側には、車載機器100との電気的な接続をとるためのコネクタ30が設けられている。
また、ポータブル機器10の右側面側と背面側との隅部には、車載機器100側に設けたロック機構(不図示)と係合する係止部58とが設けられている。
係止部58は、凹部状に形成されている。
ポータブル機器10左側面には、縦方向に伸長した凹部59が設けられている。
【0051】
次に、収納部170及びCD挿排口180について詳細に説明する。
図3に示したように、収納部170は前面パネル120に凹部状に形成されており、CD挿排口180は、本体機器110の前面に横方向に伸長して設けられている。また、前面パネル120は、本体機器110の前面を覆う状態と、本体機器110の前面の少なくとも一部を露出する状態との間を移行するように傾動自在に支持されている。
【0052】
このように、収納部170とCD挿排口180とは、同一面上に配置されていない。従って、同一面上に配置すると、収納部170とCD挿排口180との干渉を防止するように配置(例えば、収納部170を上、若しくは下に配置)する必要があり、車載機器が大型化する恐れがある。
【0053】
しかし、本実施例に係る車載機器100のように、本体機器110の前面に前面パネル120を配置することにより、車載機器100の奥行方向のスペースを有効利用することができ、車載機器100の縦方向及び横方向の大きさを小型化することができる。
【0054】
特に、前面パネル120に占める収納部170の割合が大きい場合であっても、車載機器100の大型化を抑制できる。従って、ポータブル機器10の大きさが大きい場合であっても、着脱可能に保持することができると共に、車載機器100の小型化を図ることができる。
【0055】
また、図3に示すように、CD挿排口180は、前面パネル120の傾動により、本体機器110の前面の露出され始める位置に形成されている。即ち、CD挿排口180は、前面パネル120が図1Aに示した起立状態から、図3に示した傾動状態に移行して露出され始める、本体機器110の前面側の上部に配置されている。これにより、前面パネル120の移動を最小限にして、CD挿排口180を露出させることができる。これにより、CDの挿入及び排出が容易となる。
【0056】
また、前述したようにポータブル機器10は、表示部11を備えているため、ポータブル機器10を小型化することなく車載機器100を小型化することができる。従って、ポータブル機器10の表示部11についても小型化する必要はない。このため表示部11への視認性を確保することができる。
【0057】
また、この表示部11には、図7に示したようにナビゲーション画像が表示されるので、車載機器100を小型化することに伴う、ナビゲーション画像への視認性の低下を防止できる。
【0058】
また前述したように前面パネル120は、所定の位置で停止可能に傾動自在に支持されている。この構成により、収納部170にポータブル機器10が装着されている場合には、前面パネル120を傾動させることにより、ポータブル機器10の表示部11を視認しやすい位置に保持することができる。
【0059】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0060】
車載機器100及びポータブル機器10からなる車載システム1について説明したが、本発明は、車載に限定されるものではない。
【0061】
更に、ポータブル機器10をナビゲーション機能付携帯電話、携帯端末(PDA)で構成してもよい。例えば、ナビゲーション機能付携帯電話と電子機器との電気的な接続が困難な場合には、無線通信(例えばBluetooth)で電気的に接続しておき、機構上電子機器に当該携帯電話を収納させるようにしてもよい。
【0062】
更に、CD挿排口180及びCD再生部135の代わりに、MD(Mini Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード等の他の記憶媒体の挿排口及び再生部を設けるように構成してもよいし、複数種の記憶媒体の挿排口及び再生部を設けるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1(A)及び図1(B)は、車載システムの概略図である。
【図2】図2は、ポータブル機器を車載機器から取り外した状態の概略図である。
【図3】図3は、前面部を車載機器本体に対して傾斜させ、CD挿排口を露出させた状態の概略図である。
【図4】図4は、車載システムの車両への搭載の例示図である。
【図5】図5は、車載システムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、前面部の正面図である。
【図7】図7(A)乃至図7(C)は、車載機器での操作とそれ応じたポータブル機器の表示例の説明図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、ポータブル機器の概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1 車載システム(電子システム)
10 ポータブル機器(携帯機器)
11 表示部
12 操作部
13 GPS情報受信部
14 スピーカ
15 蓄電池
16 充電回路
17 無線通信送受信部
18 メモリ
19 ナビゲーション部
20 制御部
30 コネクタ
51 助手席
52 運転席
55 電源ボタン
56 メモリカードスロット
57 USBスロット
58 係止部
59 凹部
100 車載機器(電子機器)
110 車載機器本体(本体機器)
120 前面パネル
131 表示部
132 操作部
132a チルト/イジェクトボタン
132b AFボタン
132c TEXTボタン
132d SCREENボタン
132e SOURCE/PWRボタン
132f MODEボタン
132g MUTEボタン
132h BAND切換ボタン
132i ロータリーボタン
132j 十字キー/エンターキーボタン
133 GPS情報受信部
134 ラジオ受信部
135 CD再生部
136 音声調整部
137 メモリ
138 マイク
139 外部音声/映像入力部
140 制御部
145 スピーカ
150 コネクタ
160 取り外しボタン
170 収納部
171 凸部
180 CD挿排口
181 スライダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体機器と、前記本体機器の前面を遮蔽及び少なくとも一部を露出するように移動自在に支持された前面パネルとを備え、
前記前面パネルは、携帯機器を着脱可能に保持する収納部を有し、
前記本体機器の前面側には、記憶媒体を挿入排出するための挿排口を有する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記挿排口は、前記本体機器の前面において露出が開始される位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記携帯機器は、表示部を備えている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記前面パネルは、所定の位置で停止可能に傾動自在に支持されている、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
携帯機器と、前記携帯機器を着脱自在に保持する電子機器とを備え、
前記電子機器は、本体機器と、前記本体機器の前面を遮蔽及び少なくとも一部を露出するように移動自在に支持された前面パネルとを備え、
前記前面パネルは、前記携帯機器を着脱可能に保持する収納部を有し、
前記本体機器の前面側には、記憶媒体を挿入排出するための挿排口を有する、ことを特徴とする電子システム。
【請求項6】
前記携帯機器は、ナビゲーション画像を表示する表示部を備えている、ことを特徴とする請求項5に記載の電子システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−162579(P2008−162579A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330882(P2007−330882)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】