説明

顔料混合物ならびに化粧品および食品および医薬品分野におけるその使用

本発明は、成分Aがエフェクト顔料を含み成分Bが着色剤および添加剤を含むことを特徴とする、少なくとも2つの成分AおよびBからなる顔料混合物に関し、また化粧品配合物における、ならびに食品および医薬製品の着色のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーク状基材に基づくエフェクト顔料に関し、また化粧品配合物および食品および医薬品分野における、他の着色剤および/または添加剤との混合物中でのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フレーク状基材に基づく金色顔料は、特に印刷用途および化粧品において重要である。しかし従来技術から知られている金色顔料は多くの場合、十分に強い色彩および明るさを有していないという欠点を呈し、そのため様々な塗布媒体において、真に金色の視覚的印象をもたらさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、より強力な金色光沢によって特徴づけられ、上記の欠点がない化粧品用の金色顔料を見いだすことである。本発明のさらなる目的は、金色光沢が特に有利な方法でサポートされる、または光学的に興味深い方法で改変される配合を見いだすことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くことに、さらなる着色料および/または添加剤と組み合わせた多層コートのフレーク状基材に基づくエフェクト顔料、好ましくは金色顔料を含む顔料混合物は、非常に柔らかい肌感触を与え、光安定性であり、流出/移動せず、非毒性であり、高い隠蔽力を有することが今や見出されている。この顔料は、高屈折率および低屈折率の交互の層を有し、モル比で1:0.5〜1:2.0のTiO2とFe23の混合物からなる少なくとも1つの高屈折率コーティングを含むことによって特徴づけられる。
【0005】
多層コートのフレーク状基材に基づく金色顔料は、例えば国際公開第01/30921号に開示されている。
【0006】
金色の実体色を有する多層顔料を、有機もしくは無機の添加剤、および/またはフレーク状、針状、球状、または結晶性の着色剤と組み合わせて用いることにより、色彩効果を高めることができ、新規の色彩効果を得ることができる。さらに、この顔料混合物はその高光沢性および非常に良好な肌感触によって特徴づけられる。
【0007】
したがって本発明は少なくとも2つの成分AおよびBからなる顔料混合物に関し、ここで
成分Aは
(A)モル比で1:0.5〜1:2.0のTiO2とFe23の混合物、ならびに場合により、層(A)を基準として<20重量%の量の1以上の金属酸化物からなる高屈折率コーティングと、
(B)n<1.8の屈折率を有する無色コーティングと、
(C)n>1.8の屈折率を有する無色コーティングと、
(D)n>1.8の屈折率を有する吸収性コーティングと、場合により、
(E)外側保護層と
を含む層配列を有する多層コートのフレーク状基材に基づくエフェクト顔料を含み、
成分Bは、無機顔料、有機顔料、色素、着色性天然果実、および/または植物抽出物の群から選択される着色剤、および/またはフレーク状、針状、球状、もしくは不規則形状の粒子からなる添加剤を含む。
【0008】
この顔料混合物の顕著な色パラメーターは、最適な光沢効果および/またはシルク効果をともなう強力な、好ましくは純粋な金の色である。成分Aの顔料は好ましくはL=60〜85、a=−15〜25、b=22〜45の範囲のLab値を有する(測定方法:Phyma、黒色バックグラウンドにて、22.5°/22.5°)。
【0009】
本発明はまた、本発明による顔料混合物を含む化粧品配合物、例えばメーキャップ、コンパクトパウダー、粉おしろい、口紅、化粧水、乳液などに関する。この顔料混合物はさらに、食品および一般用医薬製剤を含めた医薬製品の着色、ならびに食品および一般用医薬製剤を含めた医薬製品のコーティング、例えば錠剤、糖衣錠、ゼラチンカプセルなどの医薬コーティングの着色に適している。
【0010】
成分Aのエフェクト顔料は、着色剤または添加剤と任意の比率で混合することができる。成分A対成分Bの混合比は好ましくは99:1〜50:50、特に95:5〜70:30、非常に特に好ましくは70:30〜50:50である。成分Bが添加剤を含む場合、成分A:Bの比率は99:1〜1:99であってもよい。
【0011】
成分Aの好ましいエフェクト顔料は、以下の構造を有する。
基材+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23/TiO2
基材+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23、または
基材+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+SiO2+Fe23/TiO2
層(A)〜(D)または(A)〜(E)は好ましくは基材表面に直接塗布される。すなわち、層(A)は基材表面上に直接設けられる。
【0012】
光沢および明るさなどの顔料特性を改善するために、場合により中間層(ILs)、例えば好ましくは1〜100nm、特に1〜80nm、非常に特に好ましくは1〜50nmの層厚さを有するTiO2の層、または好ましくは5〜100nmの層厚さを有するSiO2の層を基材に塗布することができる。この場合、
基材+(IL)TiO2+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23/TiO2、または
基材+(IL)TiO2+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23
を含む層構造が特に好ましい。
【0013】
本発明はさらに、中間層を有するこれらのエフェクト顔料、ならびに塗料、コーティング、印刷用インク、プラスチック、化粧品配合物、および食品および医薬製品の着色におけるそれらの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
成分Aのエフェクト顔料に適したベース基材は、一方では不透明で他方では透明のフレーク状基材である。好ましい基材はフィロケイ酸塩およびガラスフレークである。特に適しているのは、天然および/または合成雲母、タルク、カオリン、フレーク状の酸化鉄または酸化アルミニウム、ガラスフレーク、SiO2フレーク、SiOxフレーク(0.70≦x≦2.0)、好ましくはSiO2フレーク、TiO2フレーク、グラファイトフレーク、合成支持体を含まないフレーク、液晶高分子(LCP)、ホログラフィック顔料、BiOClフレーク、場合により不動態化された金属フレーク、例えばアルミニウムフレーク、アルミニウム青銅、真鍮青銅、亜鉛青銅、チタン青銅、または他の同等の材料のフレークなどである。
【0015】
ベース基材のサイズはそれ自体が重要ではなく、特定の用途に適合させることができる。一般に、フレーク状基材は0.02〜5μmの間、特に0.05〜4.5μmの間の厚みを有する。他の2つの寸法のサイズは通常1〜250μmの間、好ましくは2〜200μmの間、特に5〜150μmの間である。ガラスフレークは好ましくは≦1.0μm、特に≦0.8μm、非常に特に好ましくは≦0.5μmの層厚さを有する。
【0016】
エフェクト顔料は、無色の低屈折率コーティング(B)と基材上で交互に組み合わされた、好ましくはモル比1:1のTiO2とFe23の混合物からなる高屈折率コーティング(A)を有する。層(A)は、当業者に知られている適切な方法、例えば>800℃での顔料の焼成などによって、疑似板チタン石、または疑似板チタン石とTiO2の混合物、または疑似板チタン石とFe23の混合物に転換することができる。
【0017】
層(C)は好ましくはTiO2、ZrO2、SnO2、Ce23、BiOCl、またはそれらの混合物もしくは組み合わせからなる。層(C)がTiO2からなる場合、TiO2は好ましくはルチル型のものである。
【0018】
層(D)に適した材料は、金属(例えば鉄、タングステン、クロム、コバルト、ニッケル、銅、銀、金、アルミニウム、およびそれらの合金など)、金属酸化物(例えばCoO、Co34、Fe23、Fe34、疑似板チタン石、TiO2/Fe23混合物、VO2、V23など)、金属硫化物(例えば硫化モリブデン、硫化鉄、硫化タングステン、硫化クロム、硫化コバルト、硫化ニッケル、およびこれらの硫化物の混合物など)などの吸収材料である。吸収層(D)は好ましくはTiO2とFe23の混合物であり、混合比は層(A)の場合のように広い制限内で変化させることができる。TiO2対Fe23のモル比は好ましくは1:1である。層(D)は、例えば>800℃の温度での顔料の焼成など、層(A)と同様に適切な方法によって、疑似板チタン石、または疑似板チタン石とTiO2の混合物、または疑似板チタン石とFe23の混合物へ転換することができる。この層(D)はn>1.8、特にn≧2.0の屈折率を有する。
【0019】
層(B)と同一または異なっていてもよい、さらなる無色の低屈折率層(B*)を、層(C)および(D)の間に設けることができる。
【0020】
高屈折率層(A)は好ましくはn>1.8、特にn≧2.0の屈折率を有し、TiO2とFe23の混合物であり、混合比は1:0.5〜1:2.0、好ましくは1:0.7〜1:1.5、特に1:1である。層(A)は好ましくは 強く着色した疑似板チタン石である。層(A)の厚みは好ましくは10〜300nm、好ましくは15〜250nm、特に20〜200nmである。
【0021】
層(A)の着色力を高めるために、Al23、Ce23、B23、ZrO2、SnO2の群からの1以上の金属酸化物を混合することも妥当である。Fe23/TiO2混合物の他の、さらなる金属酸化物の重量%の割合は、20重量%以下、好ましくは10重量%以下であるべきである。
【0022】
層(D)が同じようにTiO2/Fe23混合物の層である場合、着色力を高めるために、例えばAl23、Ce23、B23、ZrO2、SnO2などの1以上の金属酸化物を、層(D)を基準として20重量%以下の量で加えることは、同様に適当である。
【0023】
コーティング(B)に適した適切な無色の低屈折率材料は、例えばSiO2、Al23、AlO(OH)、B23、MgF2、MgSiO3、または前記金属酸化物の混合物などの、金属酸化物または対応する酸化水和物であるのが好ましい。層(B)の厚みは10〜600nm、好ましくは20〜500nm、特に20〜400nmである。
【0024】
層(C)がTiO2層である場合、これは好ましくはルチル型のものである。ルチルの調製方法は従来技術、例えば米国特許第5,433,779号、米国特許第4,038,099号、米国特許第6,626,989号、独国特許第2522572 (C2)号、欧州特許第0271767 (B1)号に記載されている。TiO2を層(B)上へ析出させる前に、酸化スズの薄層(層B*)を塗布するのが好ましく、これはTiO2のルチルへの転換の添加剤として働く。
【0025】
エフェクト顔料は、例えば国際公開第01/30921号に記載されるように調製することができる。
【0026】
層(A)〜(D)を有する基材フレークのコーティングは、湿式化学法および/またはCVD法により行うことができる。層(A)を塗布する前に、n<1.8の誘電体薄層を場合により堆積させることができる。例えばガラスフレーク上の、この種のコーティングは、例えば5〜100nmの厚さを有するSiO2層からなっていてもよい。
【0027】
エフェクト顔料は好ましくは湿式化学法を用いて調製され、真珠光沢顔料の調製のために開発された、例えば以下の刊行物に記載される公知の湿式化学コーティング技術を用いることが可能である。独国特許第1467468号、独国特許第1959988号、独国特許第2009566号、独国特許第2214545号、独国特許第2215191号、独国特許第2244298号、独国特許第2313331号、独国特許第2522572号、独国特許第3137808号、独国特許第3137809号、独国特許第3151343号、独国特許第3151354号、独国特許第3151355号、独国特許第3211602号、独国特許第3235017号。
【0028】
ウエットコーティングの場合、基材粒子を水中に懸濁させ、1以上の加水分解性金属塩を加水分解に適したpHで添加するが、このpHは顕著な二次析出が起きることなく金属酸化物または金属酸化物水和物がフレーク上に直接析出するように選択される。コーティング作業の間、基材粒子の均一なコーティングを確実にし、基材が完全に覆われ被覆されない端部が残らないように、基材粒子を動かし続ける。pHは通常、塩基および/または酸を計量しながら同時に添加することにより、一定に保たれる。その後顔料を分離、洗浄し、好ましくは50〜180℃で乾燥させ、場合により焼成するが、焼成温度はそれぞれの場合に存在するコーティングおよび用いる基材に関して最適化しなければならない。一般に、焼成温度は250〜1000℃の間、好ましくは350〜900℃の間である。所望により顔料は、個々のコーティングを施した後に分離し、乾燥させ、場合により焼成し、次いでさらなる層の析出のために再懸濁させることができる。
【0029】
さらに、コーティングは流動床反応器で気相コーティングにより行うこともでき、例えば真珠光沢顔料の調製に関する欧州特許第0045851A1号および欧州特許第0106235A1号で提案される方法を、同様に用いることができる。ここでは、すべての粒子表面の均一なコーティングを確実にし、基材が完全に覆われ被覆されない端部が残らないように、コーティング作業の間基材を均一に動かし続ける必要がある。
【0030】
光安定性、気候安定性、および化学安定性を改善するために、または様々な媒体での適合性を高めるために、成分Aのエフェクト顔料に有機または無機の保護層(層E)を設けることができる。適切な後コーティングまたは後処理は例えば、シラン、シリコーン、吸着性シリコーン、金属石けん、アミノ酸、レシチン、フッ素成分、ポリエチレン、コラーゲン、あるいは独国特許第2215191号、独国特許第3151354号、独国特許第3235017号、または独国特許第3334598号、欧州特許第0632109号、米国特許第5,759,255号、独国特許第4317019号、独国特許第3929423号、欧州特許第0492223号、欧州特許第0342533号、欧州特許第0268918号、欧州特許第0141174号、欧州特許第0764191号、国際公開第98/13426号、または欧州特許第0465805号に記載される方法である。この後コーティングはさらに化学安定性および光化学的安定性を高める、すなわち金色顔料の取り扱い、特に様々な媒体への取り込みを容易にする。使用者の媒体に対する湿潤性、分散性および/または適合性を改善するために、例えばAl23もしくはZrO2またはそれらの混合物もしくは混合相の機能性コーティングを顔料表面に施すことが可能である。例えば欧州特許第0090259号、欧州特許第0634459号、国際公開第99/57204号、国際公開第96/32446号、国際公開第99/57204号、米国特許第5,759,255号、米国特許第5,571,851号、国際公開第01/92425号、またはJ. J. Ponjee, Philips Technical Review, Vol. 44, No. 3, 81以下、およびP. H. Harding J. C. Berg, J. Adhesion Sci. Technol. Vol. 11 No. 4, pp. 471〜493に記載されるような、例えばシランを有する、有機または有機/無機複合の後コーティングがさらに可能である。追加的に塗布される物質は、全顔料の約0.1〜5重量%のみ、好ましくは0.5〜3.0重量%のみを構成する。
【0031】
エフェクト顔料の後コーティングは、直接ワンポット法で層(D)上へ行うことができる。しかし、多層顔料をまず分離し、場合により乾燥および焼成し、次に後コーティングを施すことも可能である。
【0032】
エフェクト顔料、好ましくは金色顔料(成分A)に加えて、本発明による顔料混合物は成分Bの添加剤および/または着色剤を含む。
【0033】
成分Bとして本発明による顔料混合物に適するのは、当業者に知られるあらゆるフレーク状、針状、球状、結晶性の着色剤または添加剤、特に0.001〜10μm、好ましくは0.01〜1μmの粒径を有するものである。着色剤は、ドイツ工業規格標準55944による無機および有機の着色剤を意味するとみなされる。この用途において、着色剤は着色性天然果実および植物抽出物も意味するとみなされる。
【0034】
好ましくは本発明による顔料混合物は、着色剤として、例えば無機白色顔料、無機有色顔料、無機黒色顔料、無機エフェクト顔料などの無機染料および無機顔料を含む。後者はもちろん成分Aの顔料とは同一でない。無機着色剤に加えて、例えば有機顔料などの有機着色剤(例えば有色顔料、黒色顔料、エフェクト顔料など)、および無機染料(例えば有色染料、黒色染料など)も適している。適切な添加剤は好ましくはフレーク状または球状の材料である
成分Bは好ましくはコーティングされたまたはコーティングされていないSiO2ビーズを含む。1以上の金属酸化物でコーティングされたSiO2ビーズが、例えば欧州特許第0803550A2号に開示されている。
【0035】
成分Bの着色剤はさらに、成分(A)と同一でない、多層顔料または干渉顔料を含めた例えば真珠光沢顔料などの無機エフェクト顔料であるのが好ましい。使用する真珠光沢顔料は、例えば、有色または無色の金属酸化物(例えば、TiO2、亜酸化チタン、酸窒化チタン、Fe23、Fe34、FeOOH、SnO2、Cr23、ZnO、CuO、NiO、および他の金属酸化物など)を単独または混合物で、単層または連続的な層でコーティングしたフィロケイ酸塩(例えば、天然または合成雲母、タルク、絹雲母、カオリン、または他のケイ酸塩材料など)を含むフレーク状、透明、または半透明基材に基づく顔料である。
【0036】
真珠光沢顔料は、例えば、独国特許および特許出願第1467468号、第1959998号、第2009566号、第2214454号、第2215191号、第2244298号、第2313331号、第2522572号、第3137808号、第3137809号、第3151343号、第3151354号、第3151355号、第3211602号、第3235017号、および第P3842330号に記載されており、例えばIriodin(登録商標)、Timiron(登録商標)、Xirona(登録商標)の商標で、メルク社(ダルムシタット、ドイツ)および/またはRona(米国)より市販されている。特に好ましい顔料組成物は、TiO2/雲母、Fe23/雲母、および/またはTiO2/Fe23/雲母の顔料を含む。真珠光沢顔料は、さらにベルリンブルーまたはカルミンレッドの層を表面上に有していてもよい。
【0037】
さらに、コーティングしたまたはコーティングされていないBiOCl顔料、TiO2および/またはFe23をコーティングしたSiO2、ガラス、またはAl23フレークが好ましい。1以上の金属酸化物によるSiO2フレークのコーティングは、例えば国際公開第93/08237号(湿式化学コーティング)または独国特許第A19614637号(CVD法)に記載されるように行うことができる。
【0038】
例えば独国特許第A19618563号、独国特許第A19618566号、独国特許第A19618569号、独国特許第A19707805号、独国特許第A19707806号、独国特許第A19746067号に開示される多層顔料は、雲母(合成または天然)、SiO2フレーク、ガラスフレーク、Al23フレーク、ポリマーフレークからなる、フレーク状、透明、有色または無色の基質に基づき、一般に0.3〜5μmの間、特に0.4〜2.0μmの間の厚みを有する。他の2つの寸法のサイズは通常1〜250μmの間、好ましくは2〜100μmの間、特に5〜40μmの間である。多層顔料は、金属酸化物(少なくとも2つ)をコーティングした基質(基材)からなる。基材フレーク状雲母、SiO2フレーク、ガラスフレーク、Al23フレークの複数の層によるコーティングは、好ましくは高屈折率層および低屈折率層から交互に成る層構造が形成されるような方法で行われる。多層顔料は好ましくは2、3、4、5、6、または7層、特に3、4、または5層を含む。適切な高屈折率金属酸化物は、例えば二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、鉄/チタン酸化物(チタン酸鉄)、および/または酸化クロム、特にTiO2および/またはFe23である。使用される低屈折率酸化物はSiO2およびAl23である。しかし、MgF2または有機ポリマー(例えばアクリラート)をこの目的で使用することも可能である。基材フレークのコーティングは、例えば国際公開第93/08237号(湿式化学コーティング)または独国特許第A19614637号(CVD法)に記載されるように行うことができる。雲母(天然または合成)、ガラスフレーク、Al23フレーク、Fe23フレーク、SiO2フレークに基づく特に好ましい多層顔料は、TiO2−SiO2−TiO2の層配列を含む。TiO2はアナターゼまたはルチル型のものであってよい。ルチル型であるのが好ましい。
【0039】
干渉顔料は、有色または無色の金属酸化物、例えば、TiO2、亜酸化チタン、酸窒化チタン、Fe23、Fe34、SnO2、Cr23、ZnO、CuO、NiO、および他の金属酸化物などを、単独または混合物で、単層または連続の層でコーティングした、雲母、ガラスフレーク、SiO2フレークに基づくのが好ましい。
【0040】
適切なフレーク状着色剤は、特に、1つの金属酸化物層、金属エフェクト顔料(Alフレーク、青銅)、光学可変顔料(OVP)、液晶高分子顔料(LCP)、またはホログラフィック顔料を被覆しただけの、特に雲母、SiO2フレーク、またはAl23フレークに基づく真珠光沢顔料である。
【0041】
球状着色剤には、特に、TiO2、有色SiO2、CaSO4、酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、有機有色顔料、(例えばアントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、イソインドリン顔料など)が含まれる。針状顔料は、好ましくはBiOCl、有色ガラス繊維、α−FeOOH、有機着色顔料、例えば、アゾ顔料、β−フタロシアニンClブルー15.3、クロモフタールイエロー(Cromophtal Yellow)8GN(Ciba)、イルガリスブルー(Irgalith Blue)PD56(Ciba)、アゾメチン−銅複合体Clイエロー129、イルガジンイエロー(Irgazine Yellow)5GT(Ciba)などである。
【0042】
肌感触を改善するためにナノスケールの誘電体を混合することも同様に可能である。この種の添加物の例は、Al23、SiO2、ZnO、またはTiO2であり、通常は配合物に0.01〜15%の量で添加される。
【0043】
本発明による顔料混合物は取り扱いが簡便で容易である。顔料混合物は単純にかき混ぜ入れることにより塗布系の中に取り込むことができる。成分AおよびBは同時に、連続的に、または混合物として塗布系へ加えることができる。顔料の複雑な粉砕および分散は不要である。
【0044】
本発明による顔料混合物は、好ましくは食品着色剤の着色用、食品仕上げ用(例えば原液着色、またはコーティングとして)、医薬品コーティングにおいて(例えば糖衣錠および錠剤において)、または化粧品組成物(口紅、リップグロス、アイライナー、アイシャドー、頬紅、日焼け止め、日焼け前および日焼け後組成物、メーキャップ、ボディーローション、入浴ジェル、石けん、浴用塩、練り歯磨き、整髪ジェル、(ボリューム)マスカラ、マニキュア、コンパクトパウダー、シャンプー、粉おしろい、およびジェルなど)において用いることができる。
【0045】
着色しようとする塗布系中の顔料混合物の濃度は、系の総固形含有量を基準として一般に0.01〜70重量%の間、好ましくは0.1〜50重量%の間、特に1.0〜10重量%の間である。これは一般に具体的な用途によって決まり、粉おしろいの場合は最大100%であってもよい。本発明による顔料混合物の使用濃度は、シャンプーにおける0.01重量%から、コンパクトパウダーにおける70重量%まで及ぶ。成分Aの多層顔料と球状添加剤(例えばSiO2)の混合物では、配合物中の濃度は0.01〜70重量%であってもよい。例えばマニキュア、口紅、コンパクトパウダー、シャンプー、粉おしろい、およびジェルなどの化粧製品は、特に興味深い光沢効果により特徴づけられる
本発明による顔料混合物は、装飾用および手入れ用化粧品の両方に好都合に利用することができる。成分Aの多層顔料の使用濃度および成分B(特に、天然または合成由来の、有機および無機の有色顔料および色素、例えば酸化クロム、ウルトラマリン、球状SiO2、またはTiO2顔料など)との混合比は、塗布媒体および得ようとする効果によって決まる。
【0046】
成分Aのエフェクト顔料はさらに市販の添加剤と混合することができる。挙げられる添加剤は、例えば、天然および合成雲母、ガラスビーズまたはガラス粉末、ナイロン粉末、純粋または充填メラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン、およびアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、もしくは亜鉛の酸化物または水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、およびこれらの物質の物理的または化学的組み合わせである。
【0047】
添加剤の粒子形状に関する制限はない。要求に応じて、例えばフレーク状、球状、針状、結晶性、またはアモルファスであってよい。
【0048】
本発明による顔料混合物はもちろん、配合物中で任意の種類の化粧品原料および助剤と混合することもできる。これらには特に、油、油脂、ワックス、膜形成剤、界面活性剤、酸化防止剤(例えばビタミンCまたはビタミンEなど)、安定剤、香気増強剤、シリコーン油、乳化剤、溶媒(例えばエタノールまたは酢酸エチルまたは酢酸ブチルなど)、保存料、ならびに一般に塗布特性を決定する助剤、例えば増粘剤およびレオロジー添加剤(例えばベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ゼラチン、高分子量炭水化物、および/または表面活性助剤など)などが含まれる。
【0049】
本発明による顔料混合物を含む配合物は、親油性、親水性、または疎水性のタイプに属することができる。分離した水性相および非水性相を有する不均一な配合物の場合、本発明による顔料混合物はそれぞれの場合において、2つの相のうち1つのみに存在するか、あるいは両方の相に渡って分配されている。
【0050】
配合物のpHは1〜14の間、好ましくは2〜11の間、特に好ましくは5〜8の間であってよい。
【0051】
配合物中の本発明による顔料混合物濃度に関して制限は設けられていない。それは用途に応じて0.001(洗い流し製品、例えばシャワー用ジェル)〜100%(例えば特定の用途のための光沢効果物品)の間であってよい。
【0052】
本発明による顔料混合物は、さらに化粧品活性化合物と混合することもできる。適切な活性化合物は、例えば、防虫剤、無機紫外フィルター(例えばTiO2など)、紫外線A/BC保護フィルター(例えばOMC、B3、MBC)(カプセル化形態も同様)、老化防止活性化合物、ビタミンおよびその誘導体(例えばビタミンA、C、Eなど)、セルフタンニング剤(例えばDHA、特にエリトルロース)、ならびにさらなる化粧品活性化合物(例えばビサボロール、LPO、VTA、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、バイオフラボノイド、およびその誘導体など)である。有機紫外フィルターは一般に、全体としての配合物を基準として化粧品組成物中に0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の量で加えられ、無機フィルターは0.1〜30重量%の量で加えられる。
【0053】
本発明による組成物はさらに、従来の皮膚保護用または皮膚手入れ用の活性化合物をさらに含む。これらは原則的に、当業者に知られた任意の活性化合物であってよい。
【0054】
特に好ましい活性化合物はピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0055】
化粧品用途のうち、老化した、乾燥した、または刺激を受けた肌の手入れのためのエクトインおよびエクトイン誘導体の使用について特に言及しておく。したがって、欧州特許第A0671161号は特に、エクトインおよびヒドロキシエクトインが、パウダー、石けん、界面活性剤含有クレンジング製品、口紅、頬紅、メーキャップ、手入れ用クリーム、および日焼け止め調製品などの化粧品組成物に使用されることを記載している。本発明による化粧品配合物は、配合物を基準として好ましくは0.05〜5重量%、特に0.1〜3重量%のエクトインまたはエクトイン誘導体を含む。
【0056】
挙げることができる化粧品配合物の利用形態は、例えば溶液、懸濁液、エマルション、PITエマルション、ペースト、軟膏、ジェル、クリーム、ローション、パウダー、石けん、界面活性剤含有クレンジング調製品、オイル、エアロゾル、およびスプレーである。他の利用形態の例は、スティック、シャンプー、および入浴用調製品である。任意の望ましい従来の賦形剤、助剤、および所望によりさらなる活性化合物を配合物に添加することができる。
【0057】
軟膏、ペースト、クリーム、およびジェルは、従来の賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0058】
パウダーおよびスプレーは、従来の賦形剤、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれら物質の混合物を含むことができる。スプレーはさらに、従来の高圧ガス、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタン、またはジメチルエーテルを含むことができる。
【0059】
溶液およびエマルションは、溶媒、可溶化剤、および乳化剤などの従来の賦形剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、3−ブチルグリコール、油(特に綿実油、ピーナッツ油、小麦胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0060】
懸濁液は、液体希釈剤(例えば水、エタノール、またはプロピレングリコール)、懸濁媒体(例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル、およびポリオキシエチレンソルビタンエステル)、微結晶性セルロース、アルミニウム金属水酸化物、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物など、従来の賦形剤を含むことができる。
【0061】
石けんは、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオナート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖類、またはこれらの物質の混合物など、従来の賦形剤を含むことができる。
【0062】
界面活性剤含有クレンジング製品は、脂肪アルコール硫酸エステルの塩、脂肪アルコールエーテル硫酸、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオナート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウラート、サルコシン酸塩、脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油および合成油、ラノリン誘導体、エトキシ化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などの、従来の賦形剤を含むことができる。
【0063】
顔用および体用オイルは、合成油(例えば脂肪酸エステル)、脂肪アルコール、シリコーン油、天然油(植物油および油性植物抽出物など)、パラフィン油、ラノリン油、またはこれらの物質の混合物など、従来の賦形剤を含むことができる。
【0064】
化粧品組成物は様々な形態で存在することができる。したがってそれらは例えば、溶液、無水分組成物、油中水(W/O)型または水中油(O/W)型のエマルションまたはマイクロエマルション、多重エマルション(例えば水中油中水(water−in−oil−in−water)(W/O/W)型)、固形スティック、軟膏、またはエアロゾルであってもよい。エクトインをカプセル化形態で、例えばコラーゲン基質および他の従来のカプセル化材料中で、例えばセルロースカプセル化として、ゼラチン、ワックス基質、またはリポソームでカプセル化して適用することも有利である。特に、独国特許第A4308282号に記載されるようなワックス基質は好ましいことがわかっている。エマルションは好ましい。O/Wエマルションは特に好ましい。エマルション、W/Oエマルション、およびO/Wエマルションは従来の方法で得ることができる。
【0065】
さらなる実施形態は、天然または合成の油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドに基づく油性ローション、あるいは、エタノールなどの低級アルコール、またはプロピレングリコールなどのグリセロール、および/またはグリセロールなどのポリオール、油、ワックス、および脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルに基づく油性/アルコール性ローションである。
【0066】
固形スティックは、天然または合成のワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、および他の脂肪物質からなる。
【0067】
組成物がエアロゾルとして調合される場合、アルカン、フルオロアルカン、およびクロロフルオロアルカンなどの従来の高圧ガスが一般に用いられる。
【0068】
化粧品組成物は、変色、脱色、または機械的性質の損傷を防ぐために、髪の毛を光化学的な損傷から保護するのに用いることもできる。この場合、適切な配合物は、すすぎ流しシャンプー、ローション、ジェル、またはエマルションの形態であり、当該の組成物はシャンプーの前または後、染色もしくは脱色の前または後、あるいはパーマの前または後で施用される。整髪および髪の手入れ用のローションまたはジェルの形態、ブラッシングまたはブローウェーブ用のローションまたはジェルの形態、ヘアラッカー、パーマ組成物、髪の毛用の染料または脱色剤の形態の組成物を選択することも可能である。光保護特性を有する組成物は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、保存料、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ワックス、耐グリース剤、色素、および/または組成物自体もしくは髪を着色する顔料、または髪の手入れに通常用いられる他の成分などの、補助剤を含むことができる。
【0069】
医薬製品および食品は、好ましくは少なくとも1つの金色顔料(成分(A))、および天然または天然と同一の色素の領域からの着色剤(成分(B))を望ましい混合比で含む本発明による顔料混合物を、0.005から15重量%、好ましくは0.01〜100重量%の量で着色するように製品に添加することにより着色される。
【0070】
天然または天然と同一の色素、有機または無機の有色顔料(成分(B))、または食品分野で承認された着色用天然果実および植物抽出物を混合することにより、製品中の金色顔料の色彩効果に影響を及ぼすことを可能にし、同時に新規の虹色の色彩効果を得ることを可能にする。
【0071】
本発明による顔料混合物に適した天然または天然と同一の色素は、特にE101、E104、E110、E124、E131、E132、E140、E141、E151、E160aである。本発明による顔料混合物に適した有色顔料は、例えばE171、E172、E153である。
【0072】
食品または医薬製品を基準とした、金色顔料の他の色素の比率は、好ましくは0.5〜25重量%の範囲である。使用する色素はさらに、例えば人参汁、ビートの根の汁、ニワトコ汁、ハイビスカス汁、パプリカ抽出物、アロニア抽出物などの果実および植物抽出物であってよい。
【0073】
着色される製品中のすべての顔料の総濃度は、製品を基準として50重量%を超えないべきである。これは一般に具体的な用途によって決まる。
【0074】
例えばビタミン、酵素、微量元素、タンパク質、炭水化物、必須脂肪および/またはミネラルなどの様々な活性化合物添加剤も、食品および医薬製品に添加することができ、活性化合物の総量は、食品または医薬製品を基準として、25重量%を超えないべきである。活性化合物または活性化合物混合物の量は、製品を基準として、好ましくは0.01〜20重量%である。
【0075】
本発明による顔料混合物を、単独でまたは補助剤、化粧品活性化合物、成分などと組み合わせて、着色しようとする製品へ、直接あるいは水および/または有機溶媒の存在下で、望ましい混合比で、同時にまたは連続的に、製造中または製造後に、成形(例えば押し出し成形、ペレット成形、発泡成形、造粒中など)の前または後に添加することにより、製品を着色する。エフェクト顔料と、粉状またはルースパウダーとの混合も同様に可能である。
【0076】
本発明による顔料混合物は、成形後の食品および医薬製品を着色するために表面へ塗布することもできる。この場合、本発明による顔料混合物を一般に、塗布媒体と混合し、続いて適切な塗布およびスプレー装置を用いて製品へ塗布する。塗布媒体またはコーティング媒体はさらに、顔料混合物が製品表面へ相応に接着することを確実にする。製品表面はこうして同様に着色される。
【0077】
製品母体自体への混合の際、使用する本発明による顔料混合物の量は、好ましくは0.5〜40重量%、特に1〜30重量%である。食品および医薬製品の表面着色の場合、使用する着色またはコーティング溶液の使用範囲は、0.1〜25重量%、特に1〜15重量%である。粉末製品で本発明による顔料混合物を使用する際、使用範囲は0.05〜50重量%、特に2〜10重量%である。
【0078】
コーティング溶液は、水、あるいは例えばエタノールまたはイソプロパノールなどの有機溶媒を含むのが好ましい。コーティング溶液に使用される膜形成剤は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体であるのが好ましい。水の代わりに5〜80重量%の適切な有機溶媒を含むセルロース誘導体を含む塗布溶液が特に好ましい。
【0079】
水性コーティング溶液と比較して、アルコール性またはアルコール−水性のセルロース含有塗布溶液は、重要な塗布上の利点を有する。すなわち、噴霧塗布中に、より低温の乾燥空気が使用でき、金色顔料による熱感受性製品(例えばビタミン含有食品など)の着色を非常に容易に実現できることである。
【0080】
着色に適した製品で挙げることができるのは、特にあらゆる種類の食品のコーティング、特に着色した砂糖およびシェラックコーティング(アルコール性および水性)、油およびワックス、アラビアゴムおよびセルロースグレード(例えばHPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプンおよびアルブミン誘導体、カラギーナン、およびコーティングに適する当業者に知られた他の物質によるコーティングである。本発明による顔料混合物は一般にここで塗布媒体と混合され、続いて適切な塗布およびスプレー装置を用いて、または手作業で、食品または医薬製品に塗布される。塗布媒体またはコーティング媒体はさらに、顔料が食品または医薬製品の表面に相応に接着するのを確実にする。
【0081】
製品表面はこうして同様に着色される。塗布溶液およびコーティング溶液は、好ましくは0.1〜20重量%、特に2〜15重量%の顔料混合物を含む。
【0082】
コーティング用の好ましい乾燥粉末混合物は、セルロース誘導体(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、離型剤(例えばレシチンまたはステアリン酸など)、光沢増強剤(例えばマルトデキストリンおよび/またはデキストロースなど)、および本発明による顔料混合物を含む。この種の乾燥粉末混合物は、粉末混合物を基準として、顔料混合物を0.01〜50重量%、特に0.5〜40重量%の量で含むのが好ましい。必要により、色素、香味料、ビタミン、甘味料なども、これらの乾燥粉末混合物に添加することができる。
【0083】
着色またはコーティングに適する製品は、例えば、砂糖製品、ケーキのデコレーション、湿布、糖衣錠、チューインガム、ガム製品、フォンダン製品、マジパン製品、充填用組成物、ココアおよび油脂のグレーズ、チョコレートおよびチョコレート含有製品、アイスクリーム、シリアル、スナック製品、コーティング組成物、ケーキのグレーズ、砂糖を散らしたデコレーション、ノンパレイユ、ゼリーおよびゼラチン製品、甘い菓子、甘草、アイシング、綿菓子、油脂、砂糖、およびクリーム組成物、ブラマンジェ、デザート、フランのグレーズ、冷たいフルーツスープ、ソフトドリンクおよび炭酸飲料、例えばカルボキシメチルセルロースなどの安定化添加物を含む飲料、酸性化および非酸性化乳製品、例えば、クヴァルク、ヨーグルト、チーズ、チーズ外皮、ソーセージの皮などである。
【0084】
コーティングした食品および医薬製品の場合、さらに風味の観点から視覚的効果を強化するために、本発明による顔料混合物を芳香物質(粉末または液体芳香剤)、酸、および/または例えばアスパルテームなどの甘味料と混合することが可能である。
【0085】
本発明はしたがって、成分Aのエフェクト顔料を、成分Bの着色剤としてのさらなる顔料、添加剤、または色素(天然または天然と同一の)、着色天然果実、および植物抽出物と共に含む、食品および医薬品分野からのあらゆる配合物に関する。
【0086】
さらなる主要な応用分野は、医薬およびOTC分野における、着色に関して、または錠剤、ゼラチンカプセル、糖衣錠、軟膏、咳止め薬などのコーティングとしてである。ポリメタクリラートおよびセルロースグレード(例えばHPMC)などの従来のコーティングと組み合わせて、本発明による顔料混合物または金色顔料を製品の様々な着色方法および仕上げ方法に使用することができる。
【0087】
したがって本発明は、本発明による顔料混合物を含む配合物にも関する。
【0088】
本発明はさらに、水、ポリオール、極性または非極性の油、脂肪、ワックス、膜形成剤、ポリマー、コポリマー、界面活性剤、遊離基捕捉剤、酸化防止剤、安定化剤、香気増強剤、シリコーン油、乳化剤、溶媒、保存料、増粘剤、レオロジー添加剤、香料、紫外線吸収剤、表面活性補助剤、および/または化粧品活性化合物と組み合わせて、成分AおよびBを含む本発明による顔料混合物を含む配合物に関する。
【0089】
下記の実施例は本発明を制限することなく説明することを意図する。
【実施例】
【0090】
実施例1
10〜60μmの粒径を有する100gの雲母を、2Lの脱塩水中で75℃に加熱する。この温度に達したら、157.5gのTiCl4(30重量%のTiCl4)、236.6gのFeCl3溶液(11.7%のFe)、5.9gのAlCl3×6H2O、および60gの脱塩水の混合溶液を、強く撹拌しながらゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH2.6で一定に保つ。この溶液を加えたら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=7.5まで上昇させ、431gのナトリウム水ガラス溶液(13.5%のSiO2)をこのpHでゆっくりと量り入れる。次いで10%塩酸を用いてpHを2.0まで低下させ、混合物をさらに15分間撹拌し、393gのTiCl4溶液(370g TiCl4/L)を量り入れる。この添加の間、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。続いて32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2.9まで上昇させ、34gのFeCl3×6H2Oおよび49gの脱塩水からなる溶液をゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=2.9で一定に保つ。この溶液を添加したら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=5.0まで上昇させ、混合物をさらに15分間撹拌する。
【0091】
顔料をろ過し、脱塩水で洗浄し、110℃で16時間乾燥させる。最後に、この顔料を850℃で30分間焼成し、強い色彩、高い隠蔽力、および強い光沢を有する金色顔料を得る。
【0092】
強い光沢性の金色顔料は、以下のL,a,b値を有する。
(Phyma 22.5°/22.5°、黒色バックグラウンド)
L=77.7、a=1.4、b=32.2
実施例2
10〜60μmの粒径を有する100gの雲母を、2Lの脱塩水中で75℃に加熱する。この温度に達したら、215gのFeCl3×6H2O(11.7%のFe)、144gのTiCl4溶液(30重量%のTiCl4)、5.4gのAlCl3×6H2O、および50gの脱塩水の混合溶液を、強く撹拌しながらゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH2.6で一定に保つ。この溶液を加えたら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=7.5まで上昇させ、394gのナトリウム水ガラス溶液(13.5%のSiO2)をこのpHでゆっくりと量り入れる。次いで10%塩酸を用いてpHを2.0まで低下させる。混合物をさらに15分間撹拌し、次いで314gのTiCl4溶液(370g TiCl4/L)を量り入れる。この添加の間、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。続いて32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2.9まで上昇させ、86gのFeCl3×6H2O溶液(11.7%のFe)および50gの脱塩水からなる溶液をゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=2.9で一定に保つ。この溶液を添加したら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=5.0まで上昇させ、混合物をさらに15分間撹拌する。
【0093】
顔料をろ過し、脱塩水で洗浄し、110℃で16時間乾燥させる。最後に、この顔料を850℃で30分間焼成し、強い色彩、高い隠蔽力、および強い光沢を有する金色顔料を得る。
【0094】
強い光沢性の金色顔料は、以下のL,a,b値を有する。
(Phyma 22.5°/22.5°、黒色バックグラウンド)
L=80.0、a=−0.9、b=34.0
実施例3
10〜60μmの粒径を有する100gの雲母を、2Lの脱塩水中で75℃に加熱する。この温度に達したら、215gのFeCl3×6H2O溶液(11.7%のFe)、144gのTiCl4溶液(30重量%のTiCl4)、および5.4gのAlCl3×6H2Oの50g脱塩水中混合溶液を、強く撹拌しながらゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH2.6で一定に保つ。この溶液を加えたら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=7.5まで上昇させ、394gのナトリウム水ガラス溶液(13.5%のSiO2)をこのpHでゆっくりと量り入れる。次いで10%塩酸を用いてpHを2.0まで低下させ、混合物をさらに15分間撹拌し、235gのTiCl4溶液(370gのTiCl4/L)を量り入れる。この添加の間、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。続いて22gのナトリウム水ガラス溶液(13.5%のSiO2)をpH2.0でゆっくりと量り入れ、混合物をさらに15分間撹拌する。次いで32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2.6まで上昇させ、混合物をさらに15分間撹拌し、116gのFeCl3×6H2O(11.7%のFe)、78gのTiCl4溶液(30重量%のTiCl4)、および2.5gのAlCl3×6H2O、および30gの脱塩水からなる混合溶液をゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=2.6で一定に保つ。この溶液を添加したら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=5.0まで上昇させ、混合物をさらに15分間撹拌する。
【0095】
顔料をろ過し、脱塩水で洗浄し、110℃で16時間乾燥させる。最後に、この顔料を850℃で30分間焼成し、強い色彩、高い隠蔽力、および強い光沢を有する金色顔料を得る。
【0096】
強い光沢性の金色顔料は、以下のL,a,b値を有する。
(Phyma 22.5°/22.5°、黒色バックグラウンド)
L=75.0、a=−1.2、b=28.3
実施例4
10〜60μmの粒径を有する100gの雲母を、2Lの脱塩水中で75℃に加熱する。この温度に達したら、215gのFeCl3×6H2O溶液(11.7%のFe)、144gのTiCl4溶液(30重量%のTiCl4)、および5.4gのAlCl3×6H2O、および50gの脱塩水の混合溶液を、強く撹拌しながらゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH2.6で一定に保つ。この溶液を加えたら、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=7.5まで上昇させ、394gのナトリウム水ガラス溶液(13.5%のSiO2)をこのpHでゆっくりと量り入れる。次いで10%塩酸を用いてpHを2.0まで低下させ、混合物をさらに15分間撹拌し、3.0gのSnCl4×5H2Oおよび10mLの塩酸(37%のHCl)の100mL脱イオン水中溶液をこのpHで加える。次いで10%塩酸を用いてpHを1.8まで低下させ、混合物をさらに15分間撹拌し、235gのTiCl4溶液(370gのTiCl4/L)を量り入れる。この添加の間、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。次いで32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2.6まで上昇させ、混合物をさらに15分間撹拌し、116gのFeCl3×6H2O溶液(11.7%のFe)、78gのTiCl4溶液(30重量%のTiCl4)、および2.5gのAlCl3×6H2O、および30gの脱塩水の混合溶液をゆっくりと量り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=2.6で一定に保つ。金属塩溶液を加えた後、混合物をさらに約15分間撹拌する。続いて32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH=5.0まで上昇させ、混合物をさらに15分間撹拌する。
【0097】
顔料をろ過し、脱塩水で洗浄し、110℃で16時間乾燥させる。最後に、この顔料を850℃で30分間焼成し、以下のL,a,b値
(Phyma 22.5°/22.5°、黒色バックグラウンド)L=79.0、
a=−0.9、b=31.7
を有する強い光沢性の金色顔料を得る。
使用実施例
実施例1A:入浴ジェル
【0098】
【表1】

【0099】
調製
相A:反応器へ水を導入し、顔料を混ぜ入れる。Keltrol CG−SFTを撹拌しながらゆっくり散らし入れ、完全に溶解してしまうまで撹拌する(均質化しない)。相Bの成分を相Aへ個別に加える。クエン酸一水和物を水中に溶解し、バッチへ加え、すべてが均質に分布するまで撹拌する。クエン酸の添加によりpHを6.0〜6.5に調整する(必要であれば)。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)C.P.Kelco
(3)Cognis GmbH
(4)Drom
(5)BASF AG
(6)Symrise
実施例2A:アイシャドー
【0100】
【表2】

【0101】
調製
相Aの成分を合わせ、あらかじめ混合する。続いて溶融した相Bを粉末混合物へ撹拌しながら滴下して加える。大直径の粉末用パンに粉末を導入し、80barで圧縮する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Suedstaerke GmbH
(3)Cognis GmbH
(4)H.Erhard Wagner GmbH
(5)Symrise
実施例3A:デイクリーム(O/W)
【0102】
【表3】

【0103】
調製
相Bを溶液が透明になるまで温める。Veegumを相Aの水中に分散させ、残りの原料を加え、80℃まで加熱し、相Bを加える。相A/Bを均質化する。撹拌しながら40℃まで冷却し、相Cを加える。室温まで冷却し、pH6.0に調整する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Vanderbilt
(3)Uniqema
(4)Cognis GmbH
(5)Sasol Germany GmbH
(6)H. Erhard Wagner GmbH
(7)Fragrance Resources
(8)Dow Corning
(9)Schulke & Mayr GmbH
実施例4A:スパークリングボディークリーム(O/W)
【0104】
【表4】

【0105】
調製
真珠光沢顔料を相Aの水中に分散させる。必要により、粘度を低下させるために数滴のクエン酸を用いて酸性化する。撹拌しながらCarbopolを散らし入れる。完全に溶解したら、あらかじめ溶解させた相Bをゆっくりとかき混ぜ入れる。相A/Bおよび相Cを80℃まで加熱し、相Cを相A/Bへかき混ぜ入れ、相Dと共に均質化し、中和し、再び均質化し、撹拌しながら冷却する。Germall 115を相Eの水中に40℃で溶解させ、撹拌しながら加える。次いで香油を加え、撹拌しながら室温まで冷却する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Noveon
(3)Cognis GmbH
(4)Clariant GmbH
(5)Nipa Laboratorien GmbH
(6)ISP Global Technologies
(7)Drom
実施例5A:クリーム状アイシャドー
【0106】
【表5】

【0107】
調製
相Bをすべて溶融してしまうまで約80℃に加熱し、65℃に冷却する。次いで相Aの真珠光沢顔料、Micronasphere、および粉末化した酸化クロムを加える。このアイシャドーを65℃で容器へ移す。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Les Colorants Wackherr
(3)Croda GmbH
(4)Sasol Germany GmbH
(5)ISP Global Technologies
実施例6A:整髪ジェル
【0108】
【表6】

【0109】
調製
真珠光沢顔料を相Aの水中に分散させ、撹拌しながらCarbopalを散らし入れる。完全に溶解したら、あらかじめ溶解させた相Bをかき混ぜ入れる。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Noveon
(3)BASF AG
(4)ISP Global Technologies
実施例7A:シャンプー
【0110】
【表7】

【0111】
調製
相Aにおいて、顔料を水中にかき混ぜ入れる。粘度を低下させるために数滴のクエン酸(10%)を用いて酸性化させ、撹拌しながらCarbopolをゆっくりと散らし入れる。完全に溶解したら、相Bをゆっくりと加える。次いで相Cの成分を順次加える。pHを6.0〜6.5に調整する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Noveon
(3)Cognis GmbH
(4)Fragrance Resources
実施例8A:シマリングボディパウダー
【0112】
【表8】

【0113】
調製
相Bのすべての成分を共に計量し、ミキサーで均一に粉砕する。続いて相Cを加え、混合を続け、次いで相Aを加え、真珠光沢顔料が均一に分布するまで短時間粉砕する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Cognis GmbH
(3)Sasol Germany GmbH
(4)Symrise
実施例9A:長時間持続リップグロス
【0114】
【表9】

【0115】
調製
相Bのすべての成分を共に計量し、80℃まで加熱し、良く撹拌する。相Aの顔料をかき混ぜ入れ、撹拌しながらNeosilを散らし入れ、最後に香料を加える。均一な混合物を容器へ移す。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)BP Lavera Sud
(3)Desert Whale
(4)Henry Lamotte Gmbh
(5)Les Colorants Wackherr
(6)Ineos Silicas Limited
(7)Symrise
実施例10A:マニキュア
【0116】
【表10】

【0117】
調製
マニキュアベースと共に顔料を計量し、スパチュラを用いて手で良く混合し、続いて1000rpmで10分間撹拌する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Durlin/Bergerac NC
実施例11A:ボリュームマスカラ(O/W)
【0118】
【表11】

【0119】
調製
Dermacryl 79を別にして相Bのすべての成分を共に約85℃で溶融し、撹拌しながらDermacryl 79を加え、すべてが均一に分布するまで20分間撹拌する。相Cの成分を約85℃に加熱する。相Aの真珠光沢顔料を相Cへかき混ぜ入れる。相Cを相Bへ加え、撹拌を続け、Ultra−Turrax T25を用いて8000rpmで1分間均質化する。撹拌しながら放冷し、相Dを40℃で加える。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)National Starch&Chemical
(3)Croda GmbH
(4)Degussa−Goldschmidt AG
(5)Dow Corning
(6)Nipa Laboratorien GmbH
(7)Angus Chemie GmbH
(8)ISP Global Technologies
実施例12A:紫外線保護機能を有する薄色デイクリーム(O/W)
【0120】
【表12】

【0121】
調製
Keoltrol Tを別にしてすべての成分を相Bの水中に分散させる。撹拌しながらKeltrolを相Bへ散らし入れ、15分後に80℃に加熱する。相Aを75℃に加熱する。相Bをゆっくりと相Aへかき混ぜ入れ、均質化させる。撹拌しながら冷却する。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)Uniqema
(3)Seppic
(4)Dow Corning
(5)Cognis GmbH
(6)C.P.Kelco
(7)Chemag AG
(8)Schulke&Mayr GmbH
実施例13A:クリームコンディショナー
【0122】
【表13】

【0123】
調製
顔料を相Aの水中に分散させ、残りの原料を加える。それぞれを添加した後に撹拌し、続いて75℃に加熱する。相Bの原料を混合し、75〜80℃に加熱し、相Aへ加える。均質な分配となるまで混合する。45℃で相Cを加える。
供給元
(1)メルク社/Rona(登録商標)
(2)BASF AG
(3)Cognis GmbH
(4)ISP Global Technologies
実施例1A〜13Aの化粧品配合物は、その強い金色光沢およびその非常に良好な肌感触により特徴づけられる。
実施例14A:ハードキャラメルの製造
【0124】
【表14】

【0125】
砂糖を水と共に100℃に加熱し、次いでグルコースシロップを加える。続いて溶液を145℃に加熱する。金色顔料、着色溶液、および香料の添加後、注入用漏斗を用いて、油を塗った型にキャラメル溶液を注ぐ。最後に、キャラメルを2時間放冷する。金色顔料は砂糖と混合してまたはグルコースシロップと混合して加えることができる。この変法は酸を含まないが、これは酸を含むとキャラメル化を強くしすぎるためである。
実施例15A:錠剤のコーティング
a)白色錠剤d=8mm、G=200mgの初期重量1kg
【0126】
【表15】

【0127】
総塗布量:200g
これは、錠剤表面の1cm2あたり1.2mgのポリマーに相当する。
薄膜コーティング溶液の調製
金色顔料を水中にかき混ぜ入れる。続いて追加の色素を加える。最後に、膜形成剤(HPMC)を懸濁液へ散らし入れる。粘度上昇のため、撹拌スピードもそれに応じて上昇させなければならない。約40〜60分後に、HPMCが完全に溶解したら、溶液を錠剤上へスプレーすることができる。
【0128】
スプレー塗布は、標準的なコーティング法によって行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの成分AおよびBからなる顔料混合物であって、
成分Aが、
(A)モル比が1:0.5〜1:2.0のTiO2とFe23の混合物、ならびに場合により、層(A)を基準として<20重量%の量の1以上の金属酸化物からなる高屈折率コーティングと、
(B)n<1.8の屈折率を有する無色コーティングと、
(C)n>1.8の屈折率を有する無色コーティングと、
(D)n>1.8の屈折率を有する吸収性コーティングと、場合により、
(E)外側保護層と
を含む層配列を有する多層コートのフレーク状基材に基づく効果顔料を含み、
成分Bが、無機顔料、有機顔料、染料、着色性天然果実、および/または植物抽出物の群から選択される着色剤、および/またはフレーク状、針状、球状、もしくは不規則形状の粒子からなる増量剤を含む
ことを特徴とする顔料混合物。
【請求項2】
成分Aの効果顔料が、以下の層構造、
基材+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23/TiO2
基材+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23、または
基材+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+SiO2+Fe23/TiO2
を有することを特徴とする、請求項1に記載の顔料混合物。
【請求項3】
成分Aのフレーク状基材がTiO2またはSiO2の層で被覆されることを特徴とする、請求項1または2に記載の顔料混合物。
【請求項4】
成分Aの効果顔料が、以下の層構造、
基材+TiO2+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23/TiO2、または
基材+TiO2+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23
を有することを特徴とする、請求項1から3の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項5】
成分Aの効果顔料の層(A)のTiO2対Fe23のモル比が1:1であることを特徴とする、請求項1から4の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項6】
成分Aの効果顔料の層(D)のTiO2対Fe23のモル比が1:1であることを特徴とする、請求項1から5の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項7】
成分Aの効果顔料の層(A)が、疑似板チタン石、または疑似板チタン石とTiO2もしくは疑似板チタン石とFe23の混合物の層であることを特徴とする、請求項1から6の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項8】
成分Aの効果顔料の層(D)が、疑似板チタン石、または疑似板チタン石とTiO2もしくは疑似板チタン石とFe23の混合物の層であることを特徴とする、請求項1から7の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項9】
成分Aの効果顔料の層(A)および(D)がそれぞれ、疑似板チタン石、または疑似板チタン石とTiO2もしくは疑似板チタン石とFe23の混合物の層であることを特徴とする、請求項1から8の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項10】
成分Bの着色剤が、成分Aとは異なる真珠光沢顔料、多層顔料、および/または干渉顔料、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1から9の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項11】
成分Aおよび成分Bが混合比99:1〜50:50で混合されることを特徴とする、請求項1から10の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項12】
成分Aおよび成分Bが混合比99:1〜1:99で混合され、成分Bが増量剤であることを特徴とする、請求項1から10の一項または複数項に記載の顔料混合物。
【請求項13】
層配列(IL)、(A)〜(D)、または(IL)(A)〜(E)
(IL)TiO2の高屈折率コーティング、
(A)モル比が1:0.5〜1:2.0のTiO2とFe23の混合物、ならびに場合により、層(A)を基準として<20重量%の量の1以上の金属酸化物からなる高屈折率コーティング、
(B)n<1.8の屈折率を有する無色コーティング、
(C)n>1.8の屈折率を有する無色コーティング、
(D)n>1.8の屈折率を有する吸収性コーティング、および場合により、
(E)外側保護層
を有することを特徴とする、多層コートのフレーク状基材に基づく効果顔料。
【請求項14】
以下の層構造、
基材+TiO2+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23/TiO2、または
基材+TiO2+Fe23/TiO2+SiO2+TiO2+Fe23
を有することを特徴とする、請求項13に記載の効果顔料。
【請求項15】
Fe23とTiO2の混合物が、疑似板チタン石、または疑似板チタン石とTiO2もしくは疑似板チタン石とFe23の混合物であることを特徴とする、請求項13または14に記載の効果顔料。
【請求項16】
塗料、コーティング、印刷用インク、プラスチック、化粧品配合物、ならびに食品および医薬製品における、請求項13から15の一項または複数項に記載の効果顔料の使用。
【請求項17】
化粧品配合物ならびに食品および医薬製品における、請求項1から12の一項または複数項に記載の顔料混合物の使用。
【請求項18】
顔料混合物が芳香物質および/または甘味料と組み合わせて使用されることを特徴とする、食品および医薬製品における、請求項1から12の一項または複数項に記載の顔料混合物の使用。
【請求項19】
請求項1から12の一項または複数項に記載の顔料混合物を含む配合物。
【請求項20】
請求項1から12の一項または複数項に記載の顔料混合物を、配合物全体を基準として0.01〜99重量%の量で含む配合物。
【請求項21】
水、ポリオール、極性または非極性の油、脂肪、ワックス、膜形成剤、ポリマー、コポリマー、界面活性剤、遊離基捕捉剤、酸化防止剤、安定化剤、香気増強剤、シリコーン油、乳化剤、溶媒、保存料、増粘剤、レオロジー添加剤、香料、紫外線吸収剤、表面活性補助剤、および/または化粧品活性化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1から12の一項または複数項に記載の顔料混合物を含む、請求項19または20に記載の配合物。

【公表番号】特表2009−536231(P2009−536231A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508248(P2009−508248)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004097
【国際公開番号】WO2007/128576
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】