説明

高熱伝導率金属マトリックス複合材料

高い熱伝導率の金属マトリックスを含む非連続なダイヤモンド粒子、およびこれらの複合材料を製造する方法が提供される。この製造方法は、ダイヤモンド粒子上に、拡散して結合され、機能的に勾配を有するインタラクティブSiC表面層が形成される薄層反応を含む。インタラクティブ表面転化SiCコーティングされたダイヤモンド粒子は、ついで型内に配置され、加圧下に、粒子間で急速に個体化される。ダイヤモンド粒子上の表面転化インタラクティブSiCコーティングは、金属マトリックスと最小の界面熱抵抗、良好な機械的強度および複合材料の剛性を与え、複合材料の理論的な熱伝導率に近いレベルを達成する。ダイヤモンド金属複合材料は二次的に薄いシート製品を製造するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、非常に高い熱伝導率の金属マトリックス複合材料構造物に関し;
また、特には、化学的気相反応プロセス(chemical vapor reation process)によってその表面に形成された、ベータ−SiCの薄い転化表面層(conversion surface layer)を有するダイヤモンドの粒子を含むそのような複合材料に関する。これらの粒子上のSiCコーティングは反応領域、あるいはグレーデッド層として存在し、拡散転化インターフェースがなくビルドアップされたSiC/コーティングに対立するものであり、それはダイヤモンドの表面上へのSiCの化学蒸着法のようなコーティングプロセスによって得られていた。
【0002】
本発明の背景技術
例えば高パワーエレクトロニックパッケージングおよび他の熱管理用途で使用するために、非常に高い熱伝導率を備えた複合材料を生産する試みについて多くの文献が発表されている。この文献の多くは、金属マトリックスへ粒子フィラーを添加して、金属マトリックス複合材料(MMC)を形成することに関する。金属マトリックス複合材料を形成するために金属に高い熱伝導率を備えた粒子フィラーを加えることによる効果は公知である。MMCの特性は、粒子フィラーおよび金属マトリックスの特性を適切に選択することにより、特定用途の必要条件に適合するよう、しばしば最適化することができる。その例としては、アルミニウムマトリックスへのSiC粒子の添加が挙げられる。フィラー粒子と接触する場合、溶融したアルミニウムおよびアルミニウム合金は容易にSiCを濡らす。Ai/SiC複合物は、40体積%よりも多いフィラー添加量で、400MPaの強度を達成することが報告された。これは、SiC粒子とAlの間で良好な結合が形成されたことを示す。粒子のSiCおよびアルミニウムマトリックスで構成されたMMCは、熱膨張率(CTE)、剛性および耐摩耗性の点において純粋なAl構造によりも優れている。
【0003】
しかしながら、一般にMMCの熱伝導率は所望の期待を満たさない。純粋なアルミニウムの熱伝導率は約200W/m.kであり、純粋な結晶のSiC粒子の熱伝導率は約320W/m.kである。Al/SiC MMCに対する熱伝導率の値は、一般に200W/m.k未満であり、典型的には180W/m.k未満である(1−5参照)。これらのAl/SiC MMCは、撹拌キャスティング、粉末冶金あるいは低圧および常圧のメルトインフィルトレーションのようなプロセスによって固形化された。これらの方法は比較的遅く、アルミニウムが溶融状態にある時に、相当な滞留時間があり、SiCが溶融したAlと反応し、アルミニウムカーバイドを形成することを許容する。反応の例は次のとおりである:
Al+3SiC=Al+3Si (1)
【0004】
その理由としては、これらのプロセスは一般にAl−Siアロイの使用を必要とし、これがSiの活性を減少させて、溶融したアルミニウムとの長い接触時間中の、逆カーバイド反応の速度を減少させることがあげられる。これらのAl−Siアロイは一般に純粋なアルミニウムより小さい熱伝導率を持っており、したがってSiC/Al MMCの熱伝導率を低減させる。あるいは、粒子で強化されたアルミニウムを固形化する高速高圧金属インフィルトレーション(スクイーズキャスティング(squeeze casting)とも呼ばれる)の使用は、複合材料のより速い固形化に帰着する。溶融したアルミニウムへの粒子の暴露時間は一般に数秒であり、上述された非加圧プロセスでの数時間に対立する。スクィーズキャスティングによる迅速な固形化の結果、純粋なアルミニウムを使用することができ、複合材料中、SiC充填量が約55体積%で、最大約約225W/mの熱伝導率が期待される。
【0005】
ダイヤモンドのある特性は、高熱伝導率MMCのための可能なフィラーとして、それを特に魅力的にする。ダイヤモンドの熱伝導率は結晶の完全性に応じて、約700−2000W/m.kである。さらに、それは低いCTE(約1p.p.m./℃)を有する。しかしながら、溶融アルミニウムとダイヤモンドの接触のための長時間の曝露時間を有する、ダイヤモンド/アルミニウムMMCのための固形化法を使用する研究者は、高レベルの熱伝導率を得ることができない。50体積%の工業用ダイヤモンド粒子を含んでいるアルミニウムマトリックスを含む複合材料は、200W/m.k未満の熱伝導率を有すると報告されている(JohnsonおよびSonuparlac、参考文献3)。複合材料中のダイヤモンドの微細構造の検査は、ダイヤモンドの粒子上のアルミニウムカーバイド(Al)の厚い表面層の存在を明らかにした。この表層は式(2)で示される反応によって形成される。
3C+4Al=Al (2)
アルミニウムカーバイドは一般に低い熱伝導率を持つと認識され、ハイドロスコピックである。表面上に形成されたアルミニウムカーバイドの厚い層を有するダイヤモンドの粒子は、効果としては、ダイヤモンドの粒子としてよりは、アルミニウムカーバイド粒子としてより機能し、複合物質の不良な熱伝導率をもたらす。
【0006】
アルミニウム複合材料を形成する溶融アルミニウムとダイヤモンドの粒子との接触前に、保護層でダイヤモンドの粒子をコーティングすると、A1を形成する反応を防止することができる。明確なSiCコーティングのダイヤモンドの粒子への適用、および引き続くAlとの複合材料の形成は、文献に記載されている(参考文献6)。40−50ミクロンの粒径の工業用ダイヤモンド粉末(ベータダイヤモンド生成物)のルースなベッドは、ダイヤモンド粒子アレイの化学蒸着法プロセスを使用して、SiCでコーティングされた。それは著者によって化学気相インフィルトレーションまたはCVIと名付けられた。このCVIプロセスでは、ダイヤモンドの粒子の表面に明確なSiCコーティングが適用されるか、または堆積される。CVIプロセスによるSiCの堆積が約1000℃で生じることは、公知である。JohnsonとSonuparlacは、プロセス条件に依存して、0.41〜1.6ミクロンの間で変化するSiCコーティングの厚さを評価した。彼らは、さらにコーティングされたダイヤモンド粒子のSiC含有量の合計を体積で3%から11%と評価した。プリフォームされた粒子アレイは、CVI SiCコーティングによって堅くなったことが観察された。SiCコーティングされた、プリフォームされたダイヤモンドは、Al−15Si−5Mg重量%アロイを使用して、無圧金属インフィルトレーションプロセスにより、インフィルトレーションされた。プロセス条件はプリフォームの完全なインフィルトレーションを保証するために最適化された。MMCの関連する特性は表1に示される。
【0007】
【表1】

【0008】
すべてのレベルのSiC膜厚で、ダイヤモンド粒子上のAlの形成が、非常に低レベルに低減されているが、0よりも大きい数値を維持している。報告された密度は、アルミニウム合金と、SiCコーティングされたダイヤモンドのプリフォームとの完全なインフィルトレーションの、著者のクレームと一致している。複合材料の熱伝導率値は、131−259W/m.kで変動する。しかしながら、複合材料中のダイヤモンドの粒子の非常に高い充填量(40−50体積%)、およびダイヤモンドの熱伝導率を考慮すれば、非常に低いものである。ダイヤモンド粒子上のSiC膜厚と、複合材料の熱伝導率の間に明白な関係はない。この研究の著者は、ダイヤモンドの粒子上の増加したSiC膜厚において観察された、増加した堅さ(ヤング率)は、ダイヤモンドの粒子間のSiCブリッジの形成によると彼らが信じていることを示した。これらの結果は、SiC膜厚が過度であり、それによって、ダイヤモンドの粒子間の橋かけを引き起こす場合があることを示しているように見える。しかしながら、CVIプロセスで、ダイヤモンドの粒子上の薄い均一なSiCコーティング、すなわちダイヤモンドの表面の100%を覆うコーティングを得ることは困難である。
【0009】
上述の先行技術とは異なり、本発明者は、コーティングされていないダイヤモンドとアルミニウムの複合材料を調製するために、高速高圧溶融インフィルトレーション(スクィーズキャスティング)を使用する。上述のように、このプロセスはダイヤモンドの溶融アルミニウムへの暴露時間を非常に短い時間に減少させる(たとえば、2秒未満)。ダイヤモンドの粒子の表面に最小限のアルミニウムカーバイドが存在すると予測されるが、複合材料の熱伝導率は依然として200W/m.k未満である。
【0010】
発明の概略および目的
簡潔に言えば、本発明は、その内部に分散されたダイヤモンドの粒子を有する金属マトリックスで構成された複合材料構造物であって、ダイヤモンドの粒子が、その表面へ化学的に結合したベータ−SiCの層が存在すること、およびSiCの炭素が、それが結合するそれぞれの粒子のダイヤモンドに由来することによって特徴づけられる複合材料構造物に関する。
【0011】
有利には、複合材料構造物のマトリックスは、アルミニウム、銅、マグネシウムおよび前述の金属の1つ以上のアロイの中から選択された金属で本質的に構成される。
【0012】
発明の好ましい実施態様では、マトリックスはアルミニウムで構成される。
別の実施態様では、マトリックス金属は銅で構成される。
【0013】
本発明は、上記の新規な金属マトリックス複合材料の本質的な要素である、化学的にダイヤモンドに結合したSiCを有するダイヤモンドの粒子の調製に関する。
【0014】
本発明は、さらに、複合材料の非常に高い熱伝導率に帰着する、異なるプロセスによって適用されたSiCでコーティングされた前記ダイヤモンドの粒子を含んでいる金属マトリックス複合材料の形成について記述する。
【0015】
したがって、本発明の第一の目的は本質的に改善された熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を提供することである。
【0016】
そのような高い熱伝導率の形成において使用することを可能とするのに必要な特性を有する、SiCコーティングされたダイヤモンド粒子を提供することは、本発明の別の価値ある目的である。
【0017】
前述のSiCコーティングされたダイヤモンド粒子を生産するための新規なプロセスを提供することは、本発明の別の価値ある目的である。
【0018】
前述のSiCコーティングされたダイヤモンド粒子を金属マトリックス中に組込み、上記の非常に高い熱伝導率の金属マトリックス複合材料を得るためのプロセスを提供することは、本発明の別の価値ある目的である。
【0019】
有利には、前述の高い熱伝導率の金属マトリックス複合材料は、化学的に結合されたSiCの層が、ダイヤモンドアレイのダイヤモンド粒子上にその場で生成され、ついで、好ましくはスクィーズキャスティングとして知られている高速高圧金属インフィルトレーション技術によって、金属マトリックス中に埋め込まれることにより製造される。
【0020】
好ましくは、SiCの化学的に結合された層は、SiOガスとダイヤモンドの粒子とを接触させることにより、化学気相反応プロセス(CVR)によってそれぞれのダイヤモンドの粒子上に生成される。
【0021】
図面の簡単な説明
図1は、本発明の、SiCでダイヤモンドの粒子をコーティングするCVRプロセスを行なうのに適当な装置の模式図である。
図2は、本発明の、ダイヤモンド金属マトリックス複合材料を形成するスクィーズキャスティングアセンブリーを行なうのに適当な装置の模式図である。
【0022】
好ましい実施態様の詳細な説明
図1を参照する。本発明にかかる、その内部に分散されたダイヤモンドの粒子を有する金属マトリックスを有する複合材料構造物の要素として使用するためのダイヤモンドの粒子であって、その表面にベータ−SiCの転化表面層を有するダイヤモンドの粒子を製造するための適当な装置の模式図を示す。
【0023】
図1には、るつぼ101の側断面図が示される。るつぼはSiCで作られ、るつぼはSiの下部リング104と、SiCの上部リング105により下部室102と上部室103に分割され、2つのリングの間に配置される100%SiCのファブリックのウエブ106を有する。100%SiCのファブリックは、ガス状SiOとグラファイトファブリックを反応させ、グラファイトを本質的にSiCに100%転化させることにより形成された。
【0024】
下部室102はSiOジェネレータを収容する。SiOジェネレータは、等モルでシリコン(Si)およびシリカ(SiO)を混合することにより調製された。るつぼ101が摂氏1200度以上に熱されると、SiOガスは式3で示されるように、ジェネレータ中の反応から形成される:
Si+SiO=2SiO(g) (3)
下部室102内で生成されたSiOガスは、SiCファブリック106を通過して上部室103へ移動し、SiCファブリック106の上に配置されたダイヤモンドの粒子107のアレイと反応する。十分な量のSiOが発生され、それぞれの粒子の表面全体にわたり、ダイヤモンドの粒子の表面がSiCに変換されることを保証する。
【0025】
図2は、本発明に従って作られる、金属マトリックス複合材料の高圧スクィーズキャスティングに適当なダイアセンブリを示す。この装置は工具鋼から作り上げられ、ダイ110、ダイプラグ111、およびショットチューブ(あるいはゲート)112から成る。キャビティー113は、スクィーズキャストパート113aのために必要とされるジオメトリーに対応して、ダイの中で機械加工される。それが溶融したアルミニウムで充満された時に、空気がキャスティングから排気されることを可能にするために、ダイプラグ111はダイキャビティー113に対して0.005インチのクリアランスを有している。ショットチューブ112の内径(ID)は十分に大きく、それが完全にダイキャビティー113をカバーするようにされる。アルミニウムおよび粒子の粉末をキャスティングして複合材料を製造するために、粉末はダイキャビティー113内に置かれ、最大の密度で均等にローディングするために、振られる。ダイ110に充填された粉末をカバーするために、セラミック・ペーパー114がショットチューブ112内に置かれる。その後、ダイキャビティー113とショットチューブ112の一部を満たすのに十分な量の溶融アルミニウムが、ショットチューブ112内に注がれる。その後、最大15,000psiの圧力がプランジャー115を介して加えられ、ダイキャビティー113の迅速な充填を達成し、金属マトリックス複合材料中のほぼ100%の密度を達成する。冷却の後、固形化された部分113aおよびビスケット116を有する部分的に満たされたショットチューブ112は、ダイスアセンブリから取り除かれる。ビスケット116は、所望の複合品またはキャスト部材103aを生産するために、フライス研削またはのこぎりによるような金属削除技術によって取り除かれる。
【0026】
ある種類の固体デバイスについては、エレクトロニックパッケージングにおけるトレンドは、より高いパワーレベルでより小さいデバイスを管理する方向に向いている。多くの電子チップ中の非常に高いパワー密度の管理が、主な挑戦になった。適切な熱管理の不足は、作動中においてチップの温度を、それらがパフォーマンスおよび信頼度の両方を低下させる、過熱状態のポイントまで上昇させる。この熱ビルドアップを防ぐ好ましいルートは、チップを高熱伝導率基体にマウントすることである。該基体は、チップから大きなヒートシンクに熱を伝えて放出し、それにより作動中のチップの最大温度を受容可能な値に制限する。チップは、一般に高熱伝導率はんだ、あるいはポリマー接着剤により基体に取り付けられる。はんだは一般に有機の接着剤より高い熱伝導率を持つので、はんだは接着剤よりも一般に好まれる。
【0027】
チップが破損される場合のあるさらなるメカニズムが存在し、それはチップと基体の相対的な熱膨張率に関係する。チップがはんだで基体に取り付けられる場合、コンポーネントは、はんだを溶融するのに十分に高い温度(摂氏180℃−425℃)に熱せられなければならない。パッケージが続いて冷却される時、はんだは固形化し、チップと基体の間に結合を提供する。パッケージが室温にさらに冷却される際、チップと基体の熱膨張率の相違は、チップ中に本質的な機械的ストレスのビルドアップを導く場合がある。この冷却と、引き続くパッケージの熱サイクルは、基体、チップまたはインターフェースに疲労を引き起こす場合があり、これは性能および寿命に影響を与える場合がある。これらのストレスがチップの引張強さ限界を越える場合、それらはクラッキング(剥離)を生じさせる場合がある。電子チップに一般に使用される材料はCTEが約3p.p.m./℃のSi、またはCTEが約6p.p.m./℃のGaAsである。チップのそれに精密に一致するCTEを有する基体を使用することは非常に望ましいであろう。非常に高い熱伝導率とともに、そのような熱膨張特性を有する基体はさらに望ましいであろう。
【0028】
上述された電子パッケージの中で使用される1つのタイプの基体は、セラミック基板である。比較的低いチップパワーレベルについては、酸化アルミニウム基板が一般に使用される。それは約20−40 W/m.kの熱伝導率と、約7p.p.m./℃のCTEを有する。より高パワーのチップについては、約150−200 W/m.kの熱伝導率と、約4p.p.m./℃のCTEを有する、窒化アルミニウムセラミック基板が、より良好な選択肢となる。窒化アルミニウムセラミック基板は、有毒なBeO以外のセラミック基板で、一般に最も高い熱伝導率を示す。これらの酸化アルミニウムと窒化アルミニウムのセラミック基板は優れた電気的絶縁特性を持っている。それはバイポーラチップに基づいたものをはじめとする、多くの電子パッケージについて望ましい。しかしながら、デバイスの底側がソースコンタクトとなるLDMOSチップに基づいた電子パッケージについては、前面と背面との間の良好な導電性能を有する基体が必要とされる。これはセラミック基板中に、両面を電気的に接続する、電気的に導電性のバイアスを作り上げることにより達成されることができる。基体ボディ自身が電気的に導電性であり、さらに高い熱伝導率およびチップとのCTEの良好な一致を有すれば、一般により簡単に達成できる。これらのLDMOSデバイスについては、MMC基体はしばしばCTEと導電率の必要条件を満たすことができるが、それらが達成することができる熱伝導率については制限されている。上述された、Al/SiC粒子で強化されたMMCは、約180−225W/m.kの熱伝導率、約7p.p.m./℃のCTE、および良好な電気伝導度を有している。非常に高いパワー密度で作動する傾向のLDMOSチップについては、より高い熱伝導率を与えることが望ましいだろう。
【0029】
アルミニウムマトリックスと、本発明に従って製造された粒子ダイヤモンドを含む、本発明の金属マトリックス複合材料は、LDMOS電子パッケージの要求をすべて満たすことができる。Alは約200W/m.kの熱伝導率を有している。ダイヤモンドは約700−2000W/m.kの熱伝導率を有している。さらに比較的低いダイヤモンドのCTE(約1p.p.m./℃)は、未充填の金属よりも、SiまたはGaAsにより一致した複合材料のCTEをもたらす。しかしながら、本発明を除いては、文献に記載された粒子ダイヤモンドにより強化されたMMCは、容易に利用可能なAl/SiC MMCの熱伝導率における若干の改良だけを示している。本発明に記述されたMMCは、予想外の高い熱伝導率を有し、最大約650W/m.kを示し、潜在的には、たとえば800W/m.kおよびそれ以上という高いレベルの熱伝導率を有する。
【0030】
図1の実施態様
ダイヤモンド粒子のフィラーを含むAlの金属マトリックス複合材料を作り、MMCについて非常に高い熱伝導率が得られるようにするために、SiCの薄い、均一な、表面が転化された、付着したコーティングが、複合材料の形成前に、ダイヤモンド上に存在しなければならない。このコーティングの目的は、ダイヤモンドとアルミニウムの2表面間のカップリング層を提供することである。それはアルミニウムによって容易に濡らされることができ、向上されたフォノントランスファのために、2表面の間で勾配を有するアコースティカルインピーダンス(acoustical impedance)特性を提供する。更に、本発明によれば、このSiCコーティングは、ダイヤモンドとコーティングの間の別個の個別のインターフェース転化層が、伝熱に対するどのような熱的バリアをも防止するような方法で、ダイヤモンドに一体として結合されなければならない。そのようなコーティング、およびかかるコーティングを提供するプロセスは本発明に記述される。本発明の好ましい態様においては、式4に記述されるような、ダイヤモンドの粒子と、SiOのようなガス状のシリコン種の間の反応によって形成される薄いSiC転化コーティングである:
2C(ダイヤモンド−s)+2SiO(g)=SiC(s)+CO(g) (4)
【0031】
ダイヤモンドの表面のCVR転化は、SiCの薄いインターフェーススキンに最初に帰着すると信じられている(発明者は、SiCとグラファイトフレークとの反応において、SiCの薄いインターフェース表面スキンの形成を観察した)。反応時間および/または温度が増大するにつれて、コーティングの生成は、ダイヤモンド粒子の外面から中心に進み、反応帯または勾配を有する層に帰着する。一方、CVIまたはCVDのプロセスによって得られたコーティングは、SiCコーティングと基体の間にはっきりとしたインターフェースを持つと予想される。SiCのCVI/CVD堆積温度は、ダイヤモンド表面のSiCへの転化を達成するのに必要な温度より低く、何らの界面反応をも起こさず、ダイヤモンドおよびCVI/CVD SiCコーティングの間のはっきりとしたインターフェースを有するコーティングのビルドアップに帰着する。このCVIインターフェースは、参考文献6のJohnsonとSonuparlacによって記述された先の複合材料の貧弱な熱伝導率に寄付するものと考えられる。
【0032】
更に、この化学的気相反応(CVR)プロセスは、SiCの均一な表面層が、転化被覆厚さが非常に小さいレベルで得られることを確実にする。上述のように、SiCコーティングの膜厚が増加するにつれて、SiCの熱伝導率(約320W/m.k)が、非常に高い熱伝導率のダイヤモンド粒子と金属マトリックスの間の熱的なバリアの役割をし、MMCの達成することができる最大の熱伝導率を制限する。
【0033】
さらに本発明の薄いSiC CVR転化コーティングの有効性を理解するために、複合材料の熱伝導率の予測を混合物の計算ルールを使用して行うことができる。熱伝導率が輸送特性であり、混合物の計算ルールが正確でないが、参考文献6のJohnsonとSonuparlacによって記述されたダイヤモンド上のCVIコーティングと、本発明のCVR転化コーティングの比較についての洞察を提供することができる。簡単な混合物のための典型的な関係は次のとおりだろう:
【0034】
【化1】

【0035】
ここでfは粒子の体積分率であり、Km、Kp、およびKcは、それぞれマトリックス、粒子および複合材料の熱伝導率である(参考文献7)。上記の式は粒子マトリックスインターフェースを横切る完全な伝熱を要求する。これは相違するコンポーネントの間のインターフェースでのフォノンの散乱によって制限される。計算は熱インターフェースの有効性を判断するために、Kpを評価するために行なわれた。CVRプロセスでコーティングされたダイヤモンド粒子を50体積%含むアルミニウム複合材料について、Kmとして200W/m.kが使用され、Kcについては650W/m.kが使用された(それは本発明のCVRコーティング技術を使用して生産された複合材料について得られた)。Kpについて計算された結果は約1938W/m.kであり、これはダイヤモンドの熱伝導率について報告された最大値に近い。この結果は、本発明によって教示されるCVRコーティングが、ほとんど完全な熱インターフェースを提供することを示す。次に、参考文献6のJohnsonとSonuparlacによって記述された複合材料について計算が行われた。それは、ダイヤモンドの粒子の上に厚いCVIコーティングを有していた。ダイヤモンド充填量として45体積%、Kmとして200W/m.k、Kcとして250を使用すると、Kpについての計算結果は約322W/m.kであった。したがって、薄く勾配を有するCVRコーティングは、CVIコーティングよりはるかに優れた熱インターフェースを提供する。
【0036】
アコースティックカップリングにおけるSiCの役割は、次の議論によって一層よく理解される。波動説にしたがってフォノンを扱い、正常な入射での横方向の音波を仮定すると、2つの異なる材料間の境界での(強度)反射率は、次のように与えられる:
【0037】
【化2】

【0038】
式中、Zは音響インピーダンス(質量密度と弾性率の積の平方根と等しい)である。明白に、最小の反射、したがって最大の伝播は、Z1=Z2の時に起こる。反射、したがってフォノンの散乱は、デルタZが増加するにつれて増加する。熱伝導率の場合には、コーティング物質の最適の音響インピーダンスは次のとおりだろう:
【0039】
【化3】

【0040】
表IIは、関係する材料の音響インピーダンスを与える。SiCの音響インピーダンスは、アルミ−ダイヤモンドインターフェースについて式7で計算された最適のマッチングインピーダンス(計算値276×10kg/m・s、SiC 310×10kg/m・s)と近いことに留意すべきである。これは、アルミニウムマトリックス中のSiC転化コーティングされたダイヤモンドの優れた特性を予言する。
【0041】
表II 様々な材料の音響インピーダンス
Al ダイヤモンド SiC
Z(10kg/ms): 136 561 310
【0042】
粒子のダイヤモンド粉末をコーティングするための好ましいプロセスは、図1に示される。ダイヤモンドの粒子は支持するSiCファブリック上に置かれる。その後、それはるつぼ内に置かれ、反応温度に熱される。るつぼは炉の中に置かれ、その中で、SiOと、SiまたはCのような還元剤の間の反応によって、SiO分圧が生成される。所定温度でSiO−ダイヤモンドの転化反応が完了すべき所定時間の後、炉は冷却され、コーティングしたダイヤモンドを支持するファブリックを、るつぼから取り出した。SiC転化コーティングダイヤモンド粒子は、コーティングされたダイヤモンドからファブリックを剥がすことによりファブリックから回収される。その後、すべての凝集塊が機械的撹拌によって解砕される。
【0043】
SiCでコーティングされたダイヤモンドを形成する、ダイヤモンドとSiOの間の反応は、一般にプロセス温度が上昇するにつれてより迅速に進む。しかしながら、ある温度閾値では、ダイヤモンドはグラファイトに変換する場合がある。図1の装置中の制限条件を確立するために、以下の実験が行なわれた。ダイヤモンド粒子(Oshmens社製の合成ダイヤモンド)をるつぼの中に置き、最大4時間、1550℃および1600℃で加熱した。熱処理された粉末のX線回折(XRD)はダイヤモンドのパターンを示し、グラファイトを示す証拠はなかった。別の実験では、SiOと反応されたダイヤモンドの粉末(表III、実施例4)を、3時間、1660℃で加熱した。XRDパターンは、ダイヤモンドがグラファイトに転化したことを、何ら示していなかった。しかしながら、同じ粉末が8時間、1800℃で加熱された時、このサンプルのXRDパターンは大きなグラファイトピーク、ブロードになったダイヤモンドピークおよびSiC転化反応からのSiCピークを示した。1800℃で8時間加熱した後の、グラファイトへのダイヤモンドの顕著な転化は、ダイヤモンド−SiOの反応を、より短い時間および/または低い温度に制限するという決定を導いた。
【0044】
その後、一連の炉の実験が行われ、ダイヤモンドの粒子とSiOを反応させた。ダイヤモンド粒子の転化のためのSiO(g)ジェネレータが、等モルのシリコン(Si)とシリカ(SiO)を加えることにより作られた。使用されたシリカは、150−300ミクロンの粒径を有していた。混合はアルミナミリングメディアを使用して、1時間行われた。SiとSiOの反応は、SiOの粒径が小さくなるとともに、より速く進む。この効果を最小限にするために、同じ粒径(150−300ミクロン)のシリカを使用し、ミリングの時間を1時間に固定した。
【0045】
0.5ミクロンから120ミクロンまでの、異なる粒径のダイヤモンド粉末は、1450℃から1600℃で、1−8時間反応させられた。その後、コーティングを施したダイヤモンド粒子は、XRDによって検査された。実験は表IIIに要約される。ダイヤモンドのXRDスペクトルは、低濃度のSiCの存在に起因する変化を示した。
【0046】
【表2】

【0047】
表IIIの最後のカラムは、2シータ=35.7のベータ−SiCのピーク高さと、2シータ=44.0のダイヤモンドのピーク高さとの比率を示す。XRDからのピーク高さの比率は、組成の分析のための定量的手続きではないが、それは反応された粉末中のSiCとダイヤモンドとの含有量の相対的(絶対値ではない)な、概略的な評価を可能にする。表III中のデータは、SiC形成へもっとも大きな影響を与える変数が、ダイヤモンドの粒径であることを示す。ダイヤモンドに対するSiCのピーク高さ比率は、一般に、100−120ミクロンのダイヤモンドの粒子については0.01−0.04、15−30ミクロンのダイヤモンドについては0.03−0.07、0.5−2ミクロンのダイヤモンドについては0.1−0.6である。したがって、最も大きいダイヤモンドの粒子が、最も低いSiC量を有するように見える。所定の粒径のダイヤモンドについては、反応温度および時間を増加させることは、一般に、ダイヤモンドのピーク高さへのSiCピーク高さのより高い比率に帰着する。この情報および本発明の予測により、複合材料用の最も高い熱伝導率が、ダイヤモンドのXRDピーク高さに対してSiC XRDピーク高さの最低の比率を持っているダイヤモンドを使用して得られるであろうことが期待されるだろう。そのような1つのダイヤモンドの粉末は、表IIIの実験4から得られ、100−120ミクロンの粒径を有し、SiOと1550℃で3時間反応された。反対に、0.5−2.0ミクロンの粒径を有するダイヤモンドの粉末が、最も低い熱伝導率を備えた複合材料を生産すると予想することができる。
【0048】
図2の実施態様
図2は、ダイヤモンド金属マトリックス複合材料を形成する、スクィーズキャスティングアセンブリーの模式図である。ダイヤモンドの粉末は、工具鋼ダイのダイキャビティーに直接入れられ、フルタップ密度を達成するために振られる。ダイヤモンド粉体の床は1枚の1/32インチのアルミナセラミック・ペーパーで覆われる。これはインフィルトレーション中に溶融物から酸化物粒子を取り除くためにフィルタの役割をする。ダイキャスティング中にガスがエントラップされることを回避するために、0.005インチのギャップがダイ中で、ボトムプラグのまわりで維持され、トラップされた空気がインフィルトレーション中に逃げることを可能にする。アルミニウムは酸化を回避するためにアルゴンカバーガスの下で、溶融温度(660℃)以上に加熱される。ダイは、別途、Alの融点よりわずかに下の温度に加熱される。加熱されたダイは加熱炉から取り出され、キャスティングマシンへ移され、Al溶融物がダイの加熱されたショットチューブ内へ注がれる。インフィルトレーションは加圧下、数秒以内で完了する。ダイはキャスティングマシン内で放冷され、その後、キャスト部分および付着したビスケットから成るキャスティングを取り出す。
【0049】
他の実施態様
本発明はそれの詳細な説明と共に記載されてきたが、先の記述は本発明を例証するものであり、本発明の範囲を制限しないことが理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載により画定される。他の態様、利点および改良は特許請求の範囲内のものである。
【0050】
実施例
実施例1
その内部にダイヤモンドの粒子が分散されたアルミニウム金属マトリックス複合材料が、下記方法によって形成された。15−30ミクロンのサイズのコーティングされていないルースなダイヤモンドの粉末(Oshmens社製の合成ダイヤモンド)を、(図2に示すように)工具鋼ダイのダイキャビティー内に直接置き、50−55%のフルタップ密度を達成するために振った。ダイキャビティーの寸法は2インチ×2インチ×0.25インチであった。ダイヤモンド粉体の床は1枚の1/32インチ厚の高アルミナセラミック・ペーパーで覆われた。これはインフィルトレーション中に溶融物から酸化物粒子を取り除くためにフィルタの役割をする。ダイキャスティング中にガスがエントラップされることを回避するために、0.005インチのギャップがダイ中で、ボトムプラグのまわりで維持され、トラップされた空気がインフィルトレーション中に逃げることを可能にする。純度99.8%のアルミニウム金属が、酸化を避けるためにArカバーガスの下、850℃に加熱された。ダイは、別途、Alの融点(660℃)よりわずかに下の温度である、650℃に加熱された。加熱されたダイは加熱炉から取り出され、2秒以内にキャスティングマシンへ移され、Al溶融物が200℃に維持されたダイの加熱されたショットチューブ内へ注がれた。インフィルトレーションは、1.5ksiの最大圧の加圧下、0.1インチ/秒のラム速度で、2秒で完了した。ダイはキャスティングマシン内で300℃まで放冷され、その後、キャスティングを取り出した。多くのキャスティング操作により製造された多くのサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、55−60W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、22ksi(6つの測定の平均)の平均の破壊強度を示した。
【0051】
実施例2
実施例1に記載された、コーティングされていないダイヤモンド粉末を有するアルミニウム金属マトリックス複合材料を形成するための手続きが、粒径が100−120ミクロンのコーティングされていないダイヤモンド粉末を使用して繰り返された。多くのキャスティング操作により製造された多くのサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、150−200W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、17ksi(6つの測定の平均)の平均の破壊強度を示した。
【0052】
実施例3
実施例1に記載された、コーティングされていないダイヤモンド粉末を有するアルミニウム金属マトリックス複合材料を形成するための手続きが、粒径が0.5−2ミクロンのコーティングされていないダイヤモンド粉末を使用して繰り返された。多くのキャスティング操作により製造された多くのサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、105W/m.kの平均熱伝導率を示した。4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、22ksiの平均の破壊強度を示した。
【0053】
実施例4
それぞれの粒子の上にSiCの転化コーティングを有するダイヤモンド粒子のアレイを生産するプロセスが以下のように行なわれた。15−30ミクロンの粒子サイズのダイヤモンド粒子(Oshmens社製、合成ダイヤモンド)が、以下の化学的気相反応プロセスによりSiOと反応された。図1に示されたるつぼが使用された。るつぼに30グラムのダイヤモンドの粒子が投入され、るつぼは高温炉内に置かれ、炉内でSiOはダイヤモンドの粒子のアレイを通って流動され、それぞれの粒子の表面と接触し、そして粒子は炉内で加熱された。炉は流動するアルゴン雰囲気を使用して、非酸化性雰囲気中で摂氏1550度まで熱され、3時間、その温度で保持された。炉が室温に冷却された後、SiCの転化コーティングを有するダイヤモンドの粒子はSiCファブリックから回収された。
【0054】
実施例5
実施例4で得られた転化コーティングされたダイヤモンド粒子のアレイを含むコーティングされたダイヤモンド粉末(粒子サイズ15−30ミクロン)を、(図2に示すように)工具鋼ダイのダイキャビティー内に直接置き、50−55%のフルタップ密度を達成するために振った。 ダイキャビティーの寸法は2インチ×2インチ×0.25インチであった。SiC転化コーティングされた粒子のダイヤモンド粉体の床は1枚の1/32インチ厚の高アルミナセラミック・ペーパーで覆われた。これはインフィルトレーション中に溶融物から酸化物粒子を取り除くためにフィルタの役割をする。ダイキャスティング中にガスがエントラップされることを回避するために、0.005インチのギャップがダイ中で、ボトムプラグのまわりで維持され、トラップされた空気がインフィルトレーション中に逃げることを可能にする。純度99.8%のアルミニウム金属が、酸化を避けるためにArカバーガスの非酸化性雰囲気の下、850℃に加熱された。ダイは、別途、Alの融点(660℃)よりわずかに下の温度である、650℃に加熱された。加熱されたダイは加熱炉から取り出され、2秒以内にキャスティングマシンへ移され、Al溶融物が200℃に維持されたダイの加熱されたショットチューブ内へ注がれた。インフィルトレーションは、1.5ksiの最大圧の加圧下、0.1インチ/秒のラム速度で、2秒で完了した。ダイはキャスティングマシン内で300℃まで放冷され、その後、キャスティングを取り出した。 多くのキャスティング操作により製造された多くのサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、243−250W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、54ksi(6つの測定の平均)の平均の破壊強度を示した。
【0055】
実施例6
粒子サイズ100−120ミクロンのダイヤモンド粒子は、実施例4に記載された化学的気相反応プロセスを繰り返すことにより、SiOと反応され、実施例4のものより大きな粒径の、SiC転化コーティングされたダイヤモンド粒子のアレイを生成した。
【0056】
実施例7
実施例1に記載されたアルミニウム金属マトリックス複合材料を形成するためのダイキャスティング手順が、実施例6に記載された100−120ミクロンのサイズの化学的気相反応で処理されたダイヤモンドの粉末アレイを使用して繰り返された。多くのキャスティング操作により製造された多くのアルミニウム金属マトリックス中のSiC転化コーティングされたダイヤモンド粒子の複合材料のサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、575−620W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。 4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、51ksi(6つの測定の平均)の平均の破壊強度を示した。複合材料の熱膨張係数は7.1×10−6インチ/インチ/摂氏度と測定された。
【0057】
実施例8
粒子サイズ0.5−2ミクロンのダイヤモンド粒子は、実施例4に記載された化学的気相反応プロセスによりSiOと反応され、異なるサイズの転化コーティングされたダイヤモンド粒子のアレイを生成した。
【0058】
実施例9
実施例1に記載されたアルミニウム金属マトリックス複合材料を形成するためのダイキャスティング手順が、実施例8に記載された0.5−2ミクロンのサイズの化学的気相反応で処理されたダイヤモンド粒子アレイを使用して繰り返された。多くのキャスティング操作により製造された多くのアルミニウム金属マトリックス中のSiC転化コーティングされたダイヤモンド粒子の複合材料のサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、150W/m.kの平均熱伝導率を示した。4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、51ksiの平均の破壊強度を示した。
【0059】
実施例10
1グラムのフェノール樹脂を1.2gのSi粉末と混合し、一晩ボールミルにかけた。100−120ミクロンの粒径の4グラムのダイヤモンドの粉末を、混合物に加え、完全に混合された。混合物は、0.5インチの直径のダイ中で5ksiの圧力でプレスされ、160℃に加熱され、グリーン強度が与えられた。得られた小さなペレットを、1時間1600℃で熱分解し、15ksiよりも大きな強度を有する堅いプリフォームを生成した。ペレットは鋼ダイ内に置かれ、実施例1記載されたものと同じ条件を使用して、Alでインフィルトレーションした。多くのキャスティング操作により製造された多くのアルミニウム金属マトリックス中のSiC転化コーティングされたダイヤモンド粒子の複合材料のサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、300−320W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。
【0060】
実施例11
実施例10のプロセスを、フェノール樹脂0.5g、Si粉末0.6gという、低減されたフェノール樹脂とSiの量で行った。ダイヤモンド粉末の量は実施例10と同じく4gであった。多くのキャスティング操作により製造された多くのアルミニウム金属マトリックス中のSiC転化コーティングされたダイヤモンド粒子の複合材料のサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、475W/m.kの平均の熱伝導率を示した。
【0061】
実施例12
マグネシウム金属マトリックス中に分散したダイヤモンド粒子を含む複合材料構造物が、実施例1に記載したものとおおむね同じ方法により形成された。100−120ミクロンのサイズのコーティングされていないルースなダイヤモンドの粉末を、2インチ×2インチ×0.25インチの工具鋼ダイのダイキャビティー内に直接置き、50−55%のフルタップ密度を達成するために振った。ダイヤモンド粉体の床は1枚の1/32インチ厚の高アルミナセラミック・ペーパーで覆われた。これはインフィルトレーション中に溶融物から酸化物粒子を取り除くためにフィルタの役割をする。ダイキャスティング中にガスがエントラップされることを回避するために、0.005インチのギャップがダイ中で、ボトムプラグのまわりで維持され、トラップされた空気がインフィルトレーション中に逃げることを可能にする。純度99.8%のマグネシウム溶融物が、酸化を避けるためにAr−2.5%SFカバーガスの下、830℃に加熱された。ダイは、別途、Mgの融点(647℃)よりわずかに下の温度である、620℃に加熱された。ダイヤモンド粉末を含む加熱されたダイは加熱炉から取り出され、2秒以内にキャスティングマシンへ移され、純粋Mg溶融物が200℃に維持されたダイの加熱されたショットチューブ内へ注がれた。インフィルトレーションは、1.5ksiの最大圧の加圧下、0.1インチ/秒のラム速度で、2秒で完了した。ダイはキャスティングマシン内で300℃まで放冷され、その後、キャスティングを取り出した。多くのキャスティング操作により製造された多くのサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、120−250W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。
【0062】
実施例13
実施例12に記載されているようなマグネシウム金属マトリックス複合材料を形成するための手順が、実施例6に記載されているようなSiCのインテグラルな転化コーティングを有する、100−120ミクロンの化学的気相反応により処理されたダイヤモンド粉末を使用して繰り返された。多くのキャスティング操作により製造された多くのマグネシウム金属マトリックス中のSiC転化コーティングされたダイヤモンド粒子の複合材料のサンプルの熱伝導率を、レーザフラッシュ測定した結果、520−550W/m.kの範囲内の熱伝導率を示した。4ポイント屈曲破壊を使用した複合材料の強度の測定は、28ksi(6つの測定の平均)の平均の破壊強度を示した。
【0063】
実施例14
100−200ミクロンのサイズのダイヤモンド粒子の所定量を、ダイヤモンド粒子を揺さぶり移動させるために律動的にアルゴンガスをパージするカラム内に置いた。ダイヤモンド粒子のカラムは、摂氏1200度に加熱され、SiC有機金属ガス(多くはSiCを堆積させるのにふさわしく、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリエチルシランなどである)が、ダイヤモンド粉末粒子の間を通過し、ダイヤモンドの粒子上に薄いSiCコーティングを堆積させる。堆積を停止した後、所定量のSiCでコーティングされたダイヤモンド粒子は、1600℃で1時間加熱され、SiCのダイヤモンドの表面内への拡散を引き起こし、ダイヤモンドの粒子上にSiCの転化コーティングを生成する。これはついで実施例13でのような、マグネシウム金属マトリックス中に分散されるダイヤモンド粒子として含まれるためにふさわしかった。
【0064】
実施例15
1100℃でダイヤモンド粒子(粒径100−120ミクロン)表面にシリコンを堆積させるために、四塩化ケイ素と水素を使用したことを除き、マグネシウム金属マトリックスを使用して実施例14に類似した実験が行なわれた。シリコンの薄膜が形成された後、Siでコーティングされたダイヤモンドは1時間1600℃で加熱された。ここでSiはダイヤモンドの表面と反応し、ダイヤモンド粒子表面にSiCの転化層を形成した。
【0065】
実施例16
実施例14および15に記載されたSiC転化コーティングを有するダイヤモンド粒子は、実施例1に記載されたようにして、アルミニウムとスクィーズキャストされ、アルミニウム金属マトリックス中にSiCコーティングされたダイヤモンドの粒子を有する複合材料を形成した。熱伝導率のレーザフラッシュ測定は、550−620W/m.kの範囲内の値を与えた。
【0066】
実施例17
正味の形状部分を作るために、キャスティングダイ用のグラファイトツーリングが、要求された正味の形状部分の形状および厚さに対応する形で作られたキャビティーであらかじめ機械加工されたグラファイトストックから調製され、グラファイト蓋で覆われた。ツーリングの公差はプレートおよび丸部分で、+/−0.005インチに維持された。その後、完成したグラファイトツーリングおよび蓋は、キャスティングの間にダイヤモンドのフィラーから空気が逃げることを可能にするために、16分の1インチの一連の貫通孔が空けられた。グラファイトツーリングは、たとえば、ヒートシンク設計のフィンに対応する一連の溝、またはヒートスプレッダーのダイヤモンド/Al部分のスルーホールに対応する位置でのスタッドでパターン付けられ、取り付け点を考慮に入れることができる。ダイをダイヤモンドの粉末で満たすために、グラファイトツーリングは、ドリルで開けられたスルーホールのすべてをカバーするために、フープ巻線構成の連続的なグラファイト繊維によって所定位置に固定されたセラミックペーパー内に包まれた。ダイヤモンドの粉末は型へつがれ、型の容積の45−55%に対応するフルタップ密度にタップされた。グラファイトツーリングは鋼製の永久圧力キャスティングダイ内におかれ、3−10 ksiの圧力で溶融したアルミニウム金属でインフィルトレーションされた。キャスティングの後にグラファイトツーリングを取り除くために、上にかぶさったAl金属を機械加工により取り除いた。また、完全にインフィルトレーションされた複合材料部分を取り囲むグラファイトツーリングは、325メッシュのガラスビーズによるグリットブラストによって取り除かれた。Alフローを容易にするために、オリジナルのツーリングにドリルで開けられたスルーホールに対応する、1/16インチの金属フィーダーまたはゲートの残っている部分は、手工具を使用して除去され、ダイヤモンド−アルミニウムキャスティングの正味の形状の複合材料を得た。実施例6に記載されているようなダイヤモンドの粉末を使用して、グラファイトツーリング中のキャスティングされた正味の形状部分のダイヤモンド−アルミニウム構造物の熱伝導率測定(そこではダイヤモンドの粒径は100−120ミクロンで、粉末はCVR SiC転化コーティングを有していた)は、520−600W/m.kの範囲中の値を与えた。キャスティングの4ポイントの屈曲強度は46−51 ksiだった。1つの熱スプレッダー用途では、ゲートタブは残された。このジオメトリーは大きな表面積を提供し、タブの上を空気が通過するときに特に大きな熱移動を提供するからである。
【0067】
実施例18
2インチ×2インチx0.1インチの寸法のダイヤモンド/Al複合材料板が、実施例17に記載されたグラファイトツーリングの方法によって作られ、550℃でホットロールされ、最終の0.05インチの最終厚にされた。ここで1回のパスごとに0.010インチづつ薄くし、1回ごとにロール方向を直角に変え、部材の平滑性を保持した。いくつかの小さな端クラッキングが、0.1インチの部材に伸ばすロール処理の後に観察された。これらの端は切り取ることにより削除された。ロール処理の前後に部材の熱伝導率が測定され、520W/m.kで変わらなかった。部材の強度は4ポイントの曲げ変形で測定され、51ksiだった。
【0068】
実施例19
0.05インチの厚さの複合材料板が、実施例18に記載された、ロール処理によって生産された。この複合材料板は、500℃で密閉された型内でホットスタンプされ、0.125インチ×0.25インチx0.03インチ厚の、周囲に0.05インチの高さのリムを有する部材を形成した。部材の熱伝導率はスタンピングの後も520W/m.kで維持された。
【0069】
実施例20
1インチ×1インチ×0.2インチのサイズのダイヤモンド/Al複合材料板が、実施例7に記載されているようなスクィーズキャスティングによって生産された。この複合材料板は、ついで500℃、15ksiの圧力、0.0001/秒の歪速度で鍛造された。鍛造の後、複合材料板の厚さは0.25インチから0.05インチまで減らされた。これは150%の鍛造ひずみに相当する。鍛造の後の複合材料板の熱伝導率の測定は、鍛造の前の585W/m.kの初期値から物質の熱伝導率が変わらなかったことを示した。
【0070】
実施例21
実施例6に記載された100−120のメッシュサイズ(100ミクロン)のコーティングしたダイヤモンド粉末を、セラミックのボールミル中でタンブリングすることにより、45ミクロンのサイズの純度99.8%のAl粉末と完全に混合した。2つの粉末の重量比は、ダイヤモンド/Alの複合材料の40体積%に相当するように選択された。粉末混合物は直径1インチのキャスティンググラファイトダイへ移され、6 ksiの圧力で、Alの融点に近い640℃で1時間ホットプレスされた。得られたダイヤモンドおよびアルミニウム複合材料ビレットは、強度および熱伝導率測定のために区分された。熱伝導率測定は、400−430W/m.kの範囲にあった。4ポイント強度測定は46−52 ksiだった。
【0071】
実施例22
SiC転化コーティングを有するダイヤモンド粒子がその内部に分散された銅から作られた金属マトリックスで構成された複合材料構造物が、以下の方法によって形成された。実施例6のようにして作られた100−120ミクロンのサイズの、ルースなSiC転化コーティングを有するダイヤモンド粉末が、純度99.9%の銅粉末とよく混合され、Vf=35−40%のダイヤモンド充填量とされた。粉末は2時間タンブリングされて完全に混合され、真空にされたMoチューブ内に詰められ(canned)、15 ksiの圧力で、2時間、1025℃でヒップされた(hipped)。固められたビレットは、取り出され、75%の厚さ低下まで鍛造された。複合材料は熱伝導率測定のために区分され、550W/m.kの値を示した。
【0072】
実施例23
例22に記載された、ダイヤモンド粒子がその内部に分散された銅金属マトリックスから構成された同様の複合材料構造物が、以下の方法によって形成された。100−120ミクロンのサイズの、ルースなSiC転化コーティングを有するダイヤモンドの粉末が、化学還元および電解の既知の技術を使用して銅で金属化された。膜厚は、完全な粉末固形化のために十分な、Vf=35−40%のダイヤモンド粒子充填量を提供するのに十分だった。コーティングを施した粉末は、プラズマアクティブ焼結法(PAS)として知られた公知のフィールドアクティベイテッド焼結法(FAST)を使用して固形化された。これはエネルギーのパルス放電中に、粉末(SiC表面転化コーティングを有する銅でコーティングされたダイヤモンド)に圧力を加えることからなる。熱伝導率は566W/m.kであるとわかった。
【0073】
参考文献
1) "Packaged for the Road" Mechanical Engneering,July 2001
2) Lanxide Corporation published data sheets of composites fabricated by TM, PRIMEX TM and PRIMEX CAST TM, USA, 1997.
3) Duralcan Corp. published data sheets of composites fabricated by stir casting, USA, 1994.
4) A.L.Geiger, D.P.H. Hasselman, and P.Welch, Acta Mater.,Vol 45, No.9, pp 3911-3914, (1997).
5) "A new substrate for Electronic packaging: AlSiC Composites", M. Occhinero, R.Adams, and K. Fennessey, Proceedings of the 4th Annual Portable by Design Conference, Electronics Design, March 24-27, pp 398-403.
6) "Diamond/Al metal matrix composites formed by the pressureless metal infiltration process", W. Johnson and B Sonuparalak, J. Materials Research, V8, No. 5, pp. 1169- 1173,1993.
7) "The effect of particle size on the thermal conductivity of AnS/diamond composites", A.Every, Y.Tzou, D.Hasseleman, R.Raj, Acta Mater., V40, No.1, pp.123-129, 1992.
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明の、SiCでダイヤモンドの粒子をコーティングするCVRプロセスを行なうのに適当な装置の模式図である。
【図2】図2は、本発明の、ダイヤモンド金属マトリックス複合材料を形成するスクィーズキャスティングアセンブリーを行なうのに適当な装置の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部に分散されたダイヤモンド粒子を含む金属マトリックスから構成される複合材料構造物であって、該ダイヤモンド粒子が、その表面に化学的に結合したベータSiCの層の存在により特徴づけられる複合材料構造物。
【請求項2】
金属マトリックスが本質的にアルミニウム、銅、マグネシウム、および該金属の1つ以上のアロイから選択される金属から構成される、請求項1記載の構造物。
【請求項3】
金属マトリックス物質が、本質的にアルミニウムである、請求項1記載の構造物。
【請求項4】
金属マトリックス物質が、本質的に銅である、請求項1記載の構造物。
【請求項5】
その内部に分散されたダイヤモンド粒子を含む金属マトリックスから本質的に構成され、該ダイヤモンド粒子が、それに化学的に結合したベータSiCの表面層の存在により特徴づけられる複合材料構造物の製造方法であって、
該ダイヤモンド粒子の表面とSi源を、ダイヤモンド粒子の表面を構成するCとSiが化学的に反応する条件下で接触させ、それにより該ダイヤモンド粒子に結合されたベータSiCの表面層を形成し、
ここで該複合材料構造物は該ダイヤモンド粒子の複数をアレイ中にアセンブルすることにより形成され、該アレイの粒子を溶融状態の金属で覆い包み、それにより溶融金属が冷却により堅くなり固体になったときにベータSiCの表面層を有するアレイの粒子が、該金属のマトリックス中に分散される方法。
【請求項6】
該ダイヤモンド粒子とSi源を、該アレイ中に該粒子をアセンブルする前に接触させることにより、ベータSiCの表面層が、ダイヤモンド粒子上に形成される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
アレイ中に該粒子をアセンブルし、引き続いて該ダイヤモンド粒子とSi源を接触させることにより、ベータSiCの表面層がダイヤモンド粒子上に形成される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
スクイーズキャスティングプロセスの実行中に、溶融金属によりダイヤモンド粒子のアレイが覆い包まれ、前記複合材料構造物を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項9】
スクイーズキャスティングプロセスの実行中に、溶融金属によりダイヤモンド粒子のアレイが覆い包まれ、前記複合材料構造物を形成する、請求項6記載の方法。
【請求項10】
スクイーズキャスティングプロセスの実行中に、溶融金属によりダイヤモンド粒子のアレイが覆い包まれ、前記複合材料構造物を形成する、請求項7記載の方法。
【請求項11】
ダイヤモンド粒子に接触するSiが、ダイヤモンド粒子に接触されるSiOガスにより提供される、請求項6記載の方法。
【請求項12】
ダイヤモンド粒子に接触するSiが、ダイヤモンド粒子のアレイ内に導入されるSiOガスにより提供される、請求項7記載の方法。
【請求項13】
ダイヤモンド粒子に接触するSiが、Si粉末を含む、請求項6記載の方法。
【請求項14】
ダイヤモンド粒子に接触するSiが、Si粉末を含む、請求項7記載の方法。
【請求項15】
Si粉末がフェノール樹脂と混合される、請求項6記載の方法。
【請求項16】
Si粉末がフェノール樹脂と混合される、請求項7記載の方法。
【請求項17】
SiCの炭素が、それが結合しているそれぞれのダイヤモンド粒子から導かれる、請求項1記載の構造物。
【請求項18】
ダイヤモンド粒子が100−120ミクロンのサイズの範囲内にある、請求項1記載の構造物。
【請求項19】
それぞれの粒子の表面に化学的に結合しているベータSiC層が存在し、SiCの炭素がそれが結合しているそれぞれのダイヤモンド粒子から導かれることにより特徴づけられるダイヤモンド粒子のアレイ。
【請求項20】
ダイヤモンド粒子を含む粉末からなる複合材料であって、それぞれの粒子の表面が薄いSiC表面転化コーティングに転化され、そのコーティングがガス状Si源とそれぞれのダイヤモンド粒子との化学的気相反応により形成され、SiCコーティングされたダイヤモンド粉末が金属マトリックスと好適に結合し、マトリックスよりね大きな熱伝導率を有する複合材料を生成する、複合材料。
【請求項21】
ダイヤモンド粉末を薄いSiC表面コーティングでコーティングする方法であって、ダイヤモンド粉末を含むダイヤモンド粒子とガス状Si含有種とを、ガス状Si含有種とダイヤモンド粉末を含む固体粒子との間に化学的気相反応が生ずる条件下で接触させることを含み、該SiCコーティングされたダイヤモンド粉末が金属マトリックス内に覆い包まれ、非常に高い熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を形成するのに好適である方法。
【請求項22】
Siのガス状種が、ガス状SiOを形成するSiOの還元により生成される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
ダイヤモンド粉末を含む粒子を薄いその場(in−situ)SiCコーティングでコーティングする方法であって、該コーティングはSi含有プレセラミックポリマー層をダイヤモンド粒子上に堆積させ、ダイヤモンド表面のSiCへの転化を開始させるのに適当な高い温度に、ダイヤモンド構造がグラファイトに転化するのに不十分な時間加熱することによりSiCに転化させることにより得られ、該SiCコーティングされたダイヤモンド粉末が非常に高い熱伝導率の金属マトリックス複合材料を形成するために好適である方法。
【請求項24】
転化が少なくとも約1500℃の温度で行われる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
転化が少なくとも約1600℃の温度で行われる、請求項23記載の方法。
【請求項26】
転化が少なくとも約1800℃の温度で行われる、請求項23記載の方法。
【請求項27】
最高温度での反応時間が約1時間未満である、請求項23記載の方法。
【請求項28】
最高温度での反応時間が約1/2時間未満である、請求項23記載の方法。
【請求項29】
最高温度での反応時間が約1/8時間未満である、請求項23記載の方法。
【請求項30】
最高温度での反応時間が約1/10時間未満である、請求項23記載の方法。
【請求項31】
ダイヤモンド粉末を含む粒子を薄いSiC表面転化コーティングでコーティングする方法であって、反応性ガス状混合物をダイヤモンド粒子の上を通過させ、反応性ガスがシリコン含有種を生成し、シリコン含有種とダイヤモンドの間に反応を起こす温度であって、しかしダイヤモンド構造がグラファイトに転化するのに不十分な温度および時間で加熱することによりコーティングを得、該SiC粉末が非常に高温のマトリックス複合材料を形成するのに適している方法。
【請求項32】
反応が少なくとも約1100℃の温度で行われる、請求項31記載の方法。
【請求項33】
反応が少なくとも約1500℃の温度で行われる、請求項31記載の方法。
【請求項34】
反応が少なくとも約1800℃の温度で行われる、請求項31記載の方法。
【請求項35】
最高温度での反応時間が約1時間未満である、請求項31記載の方法。
【請求項36】
最高温度での反応時間が約1/2時間未満である、請求項31記載の方法。
【請求項37】
最高温度での反応時間が約1/8時間未満である、請求項31記載の方法。
【請求項38】
最高温度での反応時間が約1/10時間未満である、請求項31記載の方法。
【請求項39】
ダイヤモンド粒子からなる複合材料であって、粒子の表面が薄膜SiC表面転化コーティングに転化され、そのコーティングがSi粉末、ダイヤモンド粉末、およびたとえばフェノール樹脂のようなバインダーとのプリフォームを加熱し、ここで該バインダーの目的はSiをダイヤモンド表面に接触して保持することである、該プリフォームは表面転化反応が起こるのに十分な温度に加熱され、該SiC転化コーティングでコーティングされたダイヤモンド粉末は金属マトリックス中で好適に結合され、マトリックスよりも大きな熱伝導率を有する複合材料を生成する。
【請求項40】
ダイヤモンド粉末を含む粒子を薄膜SiC表面コーティングでコーティングする方法であって、フェノール樹脂、Si粉末、およびダイヤモンド粉末のプリフォームを表面転化反応が起こるのに十分な温度に加熱し、該SiC転化コーティングでコーティングされたダイヤモンド粉末は非常に大きな熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を生成するのに好適である方法。
【請求項41】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1300℃である、請求項39記載の複合材料。
【請求項42】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1400℃である、請求項39記載の複合材料。
【請求項43】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1500℃である、請求項39記載の複合材料。
【請求項44】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1600℃である、請求項39記載の複合材料。
【請求項45】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1700℃である、請求項39記載の複合材料。
【請求項46】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1300℃である、請求項40記載の方法。
【請求項47】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1400℃である、請求項40記載の方法。
【請求項48】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1500℃である、請求項40記載の方法。
【請求項49】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1600℃である、請求項40記載の方法。
【請求項50】
プリフォームが加熱される温度が少なくとも1700℃である、請求項40記載の方法。
【請求項51】
ダイヤモンド粉末を含むマトリックスを含む金属マトリックス複合材料であって、該ダイヤモンド粉末は、該粉末を含むそれぞれのダイヤモンド粒子上に薄いSiC表面層を有し、該SiC層はそれぞれのダイヤモンド粒子とSiOの化学的気相反応により形成された転化コーティングで形成され、該金属マトリックス複合材料は約300W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する。
【請求項52】
約400W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する、請求項51記載の複合材料。
【請求項53】
約500W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する、請求項51記載の複合材料。
【請求項54】
約600W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する、請求項51記載の複合材料。
【請求項55】
使用される金属がアルミニウムである、請求項51記載の複合材料。
【請求項56】
使用される金属がアルミニウムである、請求項52記載の複合材料。
【請求項57】
使用される金属がアルミニウムである、請求項53記載の複合材料。
【請求項58】
使用される金属がアルミニウムである、請求項54記載の複合材料。
【請求項59】
使用される金属がマグネシウムである、請求項51記載の複合材料。
【請求項60】
使用される金属がマグネシウムである、請求項52記載の複合材料。
【請求項61】
使用される金属がマグネシウムである、請求項53記載の複合材料。
【請求項62】
使用される金属がマグネシウムである、請求項54記載の複合材料。
【請求項63】
使用される金属が銅である、請求項51記載の複合材料。
【請求項64】
使用される金属が銅である、請求項52記載の複合材料。
【請求項65】
使用される金属が銅である、請求項53記載の複合材料。
【請求項66】
使用される金属が銅である、請求項54記載の複合材料。
【請求項67】
複合材料中の、CVR SiCコーティングされたダイヤモンド粉末
の含有量が全体の約10−60体積%である、請求項51記載の複合材料。
【請求項68】
複合材料中の、CVR SiCコーティングされたダイヤモンド粉末の含有量が全体の約70体積%よりも多い、請求項51記載の複合材料。
【請求項69】
複合材料中の、CVR SiCコーティングされたダイヤモンド粉末の含有量が全体の約80体積%よりも多い、請求項51記載の複合材料。
【請求項70】
使用されるダイヤモンド粉末の粒子サイズが好ましくは約50−150ミクロン、より好ましくは100−120ミクロンである、請求項51記載の複合材料。
【請求項71】
使用されるダイヤモンド粉末の粒子サイズが好ましくは150ミクロンよりも大きい、請求項51記載の複合材料。
【請求項72】
ダイヤモンド粉末の粒子サイズが約200ミクロンよりも大きい、請求項51記載の複合材料。
【請求項73】
ダイヤモンド粉末の粒子サイズが約300ミクロンよりも大きい、請求項51記載の複合材料。
【請求項74】
ダイヤモンド粉末を含む金属マトリックス複合材料であって、該ダイヤモンド粉末はそれらの上に形成された薄膜SiC表面転化層を有するダイヤモンド粒子を含み、そのような層はSi粉末、ダイヤモンド粉末、およびたとえばフェノール樹脂のようなバインダーとのプリフォームを加熱し、ここで該バインダーの目的はSiをそれぞれのダイヤモンド粒子の表面に接触して保持することである、該プリフォームは表面転化反応が起こるのに十分な温度に加熱され、該金属マトリックス複合材料は約300W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する複合材料。
【請求項75】
約400W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する、請求項74記載の複合材料。
【請求項76】
約500W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する、請求項74記載の複合材料。
【請求項77】
約600W/m.kよりも大きな熱伝導率を有する、請求項74記載の複合材料。
【請求項78】
マトリックスを形成する金属がアルミニウムである、請求項74記載の複合材料。
【請求項79】
マトリックスを形成する金属がアルミニウムである、請求項75記載の複合材料。
【請求項80】
マトリックスを形成する金属がアルミニウムである、請求項76記載の複合材料。
【請求項81】
マトリックスを形成する金属がアルミニウムである、請求項77記載の複合材料。
【請求項82】
マトリックスを形成する金属がマグネシウムである、請求項74記載の複合材料。
【請求項83】
マトリックスを形成する金属がマグネシウムである、請求項75記載の複合材料。
【請求項84】
マトリックスを形成する金属がマグネシウムである、請求項76記載の複合材料。
【請求項85】
マトリックスを形成する金属が銅である、請求項72記載の複合材料。
【請求項86】
マトリックスを形成する金属が銅である、請求項74記載の複合材料。
【請求項87】
マトリックスを形成する金属が銅である、請求項75記載の複合材料。
【請求項88】
マトリックスを形成する金属が銅である、請求項76記載の複合材料。
【請求項89】
マトリックスを形成する金属が銅である、請求項77記載の複合材料。
【請求項90】
複合材料中の、CVR SiCコーティングされたダイヤモンド粉末
の含有量が全体の約10−60体積%である、請求項74記載の複合材料。
【請求項91】
複合材料中の、CVR SiCコーティングされたダイヤモンド粉末の含有量が全体の約70体積%よりも多い、請求項74記載の複合材料。
【請求項92】
複合材料中の、CVR SiCコーティングされたダイヤモンド粉末の含有量が全体の約80体積%よりも多い、請求項74記載の複合材料。
【請求項93】
使用されるダイヤモンド粉末の粒子サイズが好ましくは約50−150ミクロンである、請求項74記載の複合材料。
【請求項94】
使用されるダイヤモンド粉末の粒子サイズが約150ミクロンよりも大きい、請求項74記載の複合材料。
【請求項95】
ダイヤモンド粉末の粒子サイズが約200ミクロンよりも大きい、請求項74記載の複合材料。
【請求項96】
ダイヤモンド粉末の粒子サイズが約300ミクロンよりも大きい、請求項74記載の複合材料。
【請求項97】
非常に高い熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を製造する方法であって、該複合材料はその内部に分散されたダイヤモンド粒子でつくられた粉末を含む金属マトリックスを含み、
(a) ダイヤモンド粒子とガス状のSi含有種を接触させることにより薄いSiCの層を有するダイヤモンド粉末を含むそれぞれのダイヤモンド粒子を提供する工程、この際、該粒子をガスのSiがダイヤモンド粒子の表面の炭素と反応するに十分な温度に加熱し、それにより粒子の表面層をSiCの薄層に転化する、
(b) ダイヤモンド粉末を含むSiC層を有する粒子を、ダイキャビティースクイーズキャスティング装置中に配置する工程、
(c) ダイヤモンド粉末をアルミナセラミックペーパーで覆う工程、および
(d) 加圧スクイーズキャスティングにより、マトリックスを形成するために選択された金属の溶融物をコーティングされたダイヤモンド粉末を有するダイの内部に、ダイヤモンド粉末が溶融金属により加圧インフィルトレーションされるに適当な条件で導入し、ダイを冷却する工程、を含む方法。
【請求項98】
金属マトリックスのために選択された金属がアルミニウムである、請求項97記載の方法。
【請求項99】
金属マトリックスのために選択された金属がマグネシウムである、請求項97記載の方法。
【請求項100】
金属マトリックスのために選択された金属が銅である、請求項97記載の方法。
【請求項101】
非常に高い熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を製造する方法であって、該複合材料はその内部に分散されたダイヤモンド粒子でつくられた粉末を含む金属マトリックスを含み、
(a) フェノール樹脂、Si粉末、およびダイヤモンド粉末の混合物を調製し、該混合物をプレスしてプリフォームを形成し、該プリフォームをSi粉末とそれぞれのダイヤモンド粒子の炭素表面との間に化学反応が起こるに十分な温度に加熱し、それぞれのダイヤモンド粒子の上に薄いSiC表面転化層を形成することにより、薄いSiCの層を有する選択されたダイヤモンド粉末を含むそれぞれのダイヤモンド粒子を提供する工程、
(b) SiC層を有するダイヤモンド粒子を、スクイーズキャスティング装置のダイキャビティー中に配置する工程、
(c) ダイヤモンド粉末をアルミナセラミックペーパーで覆う工程、および
(d) マトリックスを形成するために選択された金属の溶融物をダイキャビティー内に、SiC層を有するダイヤモンド粉末を含むダイの内部で溶融金属を加圧スクイーズキャスティングするのに有効な熱および圧力の下で導入し、ダイヤモンド粉末を溶融金属により加圧インフィルトレーションし、ダイを冷却する工程、を含む方法。
【請求項102】
金属マトリックスのために選択された金属がアルミニウムである、請求項101記載の方法。
【請求項103】
金属マトリックスのために選択された金属がマグネシウムである、請求項101記載の方法。
【請求項104】
金属マトリックスのために選択された金属が銅である、請求項101記載の方法。
【請求項105】
非常に高い熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を製造する方法であって、該複合材料はその内部に分散されたダイヤモンド粒子でつくられた粉末を含む金属マトリックスを含み、
(a) ダイヤモンド粒子の炭素表面と、ガス状のSi含有種とを、SiCを形成するのに十分な温度で反応させることにより、SiCの薄い層を有するダイヤモンド粉末を含むそれぞれの粒子をコーティングする工程、
(b) 上記のSiC層を有するダイヤモンド粒子とマトリックスを形成するために選択された金属粉末との均質混合物を形成する工程、
(c) 上記のSiC表面層を有するダイヤモンド粒子と金属粉末との均質混合物を、複合材料を高密度にするのに十分な温度、圧力、およびサイクル時間でホットプレスすることにより、高密度の複合材料を形成する工程、を含む方法。
【請求項106】
非常に高い熱伝導率を有する金属マトリックス複合材料を製造する方法であって、該複合材料はその内部に分散されたダイヤモンド粒子でつくられた粉末を含む金属マトリックスを含み、
(a) ダイヤモンド粒子とガス状のSi含有種とを、SiCを形成するのに十分な温度で反応させることにより、SiCの薄い表面層を有するダイヤモンド粉末を含むそれぞれの粒子を提供する工程、
(b) 上記のSiCコーティングを有する粉末と金属粉末との均質混合物を形成する工程、
(c) 上記のSiCコーティングを有するダイヤモンド粉末と金属粉末との混合物を、複合材料を高密度にするのに十分な温度、圧力、およびサイクル時間でホットアイソスタティックプレスすることにより、高密度の複合材料を形成する工程、を含む方法。
【請求項107】
LDMOS電子パッケージ用の高熱伝導率基体であって、基体が薄いSiCコーティングを有するダイヤモンド粒子がその内部に分散された金属を含む金属マトリックス複合材料であり、該コーティングがガス状のSiOとそれぞれのダイヤモンド粒子の間の化学的気相反応により生成されている、基体。
【請求項108】
金属マトリックスのために使用された金属がアルミニウムである、請求項107記載の方法。
【請求項109】
金属マトリックスのために使用された金属がマグネシウムである、請求項107記載の方法。
【請求項110】
金属マトリックスのために使用された金属が銅である、請求項107記載の方法。
【請求項111】
金属マトリックス複合材料を固形化するために使用されるプロセスが、加圧スクイーズキャスティングである、請求項107記載の方法。
【請求項112】
金属マトリックスのために使用された金属がアルミニウムである、請求項107記載の方法。
【請求項113】
金属マトリックスのために使用された金属がマグネシウムである、請求項107記載の方法。
【請求項114】
金属マトリックスのために使用された金属が銅である、請求項107記載の方法。
【請求項115】
非常に大きな熱伝導率を有する基体に結合されたLDMOSチップを有する電子パッケージであって、該基体が粒状ダイヤモンドを含む金属マトリックス複合材料であり、該粒状ダイヤモンドはガス状のSiOとダイヤモンド粉末の間の化学的気相反応により、それぞれの粒子の上に生成された薄いSiC表面コーティングを有する電子パッケージ。
【請求項116】
金属マトリックスのために使用された金属がアルミニウムである、請求項115記載の電子パッケージ。
【請求項117】
金属マトリックスのために使用された金属が銅である、請求項115記載の電子パッケージ。
【請求項118】
金属マトリックス複合材料を固形化するのに使用されるプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項115記載の電子パッケージ。
【請求項119】
金属マトリックス複合材料を固形化するのに使用されるプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項115記載の電子パッケージ。
【請求項120】
金属マトリックス複合材料を固形化するのに使用されるプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項96記載の電子パッケージ。
【請求項121】
LDMOS電子パッケージ用の高熱伝導率基体であって、該基体は薄いSiC転化コーティングを有するダイヤモンド粒子を含む金属マトリックス複合材料であり、そのコーティングは、Si粉末、ダイヤモンド粉末、およびたとえばフェノール樹脂のようなバインダーとのプリフォームを加熱し、ここで該バインダーの目的はSiをダイヤモンド表面に接触して保持することである、該プリフォームを表面転化反応が起こるのに十分な温度に加熱することにより形成される、基体。
【請求項122】
金属マトリックスのために使用された金属がアルミニウムである、請求項121記載の基体。
【請求項123】
金属マトリックスのために使用された金属がマグネシウムである、請求項121記載の基体。
【請求項124】
金属マトリックスのために使用された金属が銅である、請求項121記載の基体。
【請求項125】
金属マトリックス複合材料を固形化するプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項121記載の基体。
【請求項126】
金属マトリックスのために使用された金属がアルミニウムである、請求項121記載の基体。
【請求項127】
金属マトリックスのために使用された金属がマグネシウムである、請求項121記載の基体。
【請求項128】
金属マトリックスのために使用された金属が銅である、請求項121記載の基体。
【請求項129】
非常に大きな熱伝導率を有する基体に結合されたLDMOSチップを有する電子パッケージであって、該基体は薄いSiC転化コーティングを有するダイヤモンド粒子を含む金属マトリックス複合材料であり、そのコーティングは、Si粉末、ダイヤモンド粉末、およびたとえばフェノール樹脂のようなバインダーとのプリフォームを加熱し、ここで該バインダーの目的はSiをダイヤモンド表面に接触して保持することである、該プリフォームを表面転化反応が起こるのに十分な温度に加熱することにより形成される、電子パッケージ。
【請求項130】
金属マトリックスのために使用された金属がアルミニウムである、請求項129記載の電子パッケージ。
【請求項131】
金属マトリックスのために使用された金属が銅である、請求項129記載の電子パッケージ。
【請求項132】
金属マトリックス複合材料を固形化するのに使用されるプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項129記載の電子パッケージ。
【請求項133】
金属マトリックス複合材料を固形化するのに使用されるプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項129記載の電子パッケージ。
【請求項134】
金属マトリックス複合材料を固形化するのに使用されるプロセスが加圧スクイーズキャスティングである、請求項29記載の電子パッケージ。
【請求項135】
大きな熱伝導率を有する請求項1記載の複合材料構造物を含む、非常に大きな熱散逸を要求する高パワー用途のための電子パッケージであって、それらの表面の上に堆積した窒化アルミニウムの層の存在によりさらに特徴づけられ、該窒化アルミニウムは電気的絶縁層を提供し、また電気的絶縁層の窒化アルミニウム層に結合される電子チップのために高熱伝導率パスを提供し、さらに窒化アルミニウムの上に形成され、または堆積される回路機構を許容する、電子パッケージ。
【請求項136】
内部に分散されたダイヤモンド粒子を含む金属マトリックスから本質的に構成される複合材料構造物を形成する方法であって、該ダイヤモンド粒子はそれらに化学的に結合しているベータSiCの表面層の存在により特徴づけられ、
該ダイヤモンド粒子の表面とSiC源とを、ダイヤモンド粒子の表面にSiCが堆積されるような条件下で接触させ、堆積されたSiCが、それが堆積しているダイヤモンド粒子の内部に拡散するのに適当な温度および時間に供することにより、そのような拡散を生じさせ、それによりダイヤモンド粒子に結合したベータSiCの表面層を形成し、アレイとなった複数の該粒子を溶融状態の金属で覆い包むことにより複合材料構造物を形成し、それによりベータSiCの表面層を有する該アレイの粒子が、冷却により溶融状態の金属が堅くなり固体化した時に、該金属のマトリックス内に分散される、方法。
【請求項137】
SiC源がSiC有機金属ガスである、請求項136記載の方法。
【請求項138】
SiC有機金属ガスが、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、およびトリエチルシランから選択される、請求項137記載の方法。
【請求項139】
ダイヤモンド粒子のアレイが非酸化性雰囲気に囲まれ、その後SiC有機金属ガスと接触され、ダイヤモンド粒子が約1600℃に約1時間加熱され、SiC拡散を起こす、請求項138記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−518875(P2007−518875A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533975(P2006−533975)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/031285
【国際公開番号】WO2005/035808
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(501365022)マテリアルズ アンド エレクトロケミカル リサーチ (エムイーアール) コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】