説明

11−βヒドロキシルステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1のモジュレーターとしてのテトラ置換ウレア

本発明は、11-β ヒドロキシルステロイドデヒドロゲナーゼタイプ 1 (11βHSD1)のモジュレーターであるテトラ-置換ウレア化合物、その医薬組成物およびそれを使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、11-β ヒドロキシルステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1 (11βHSD1)のモジュレーター、その組成物およびそれを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
糖質コルチコイドは、脂肪代謝、機能および分布を調節するステロイドホルモンである。脊椎動物において、糖質コルチコイドは、発生、神経生物学、炎症、血圧、代謝およびプログラム細胞死に対する顕著かつ多様な生理効果も有する。ヒトにおいて、主要な内因的に産生される糖質コルチコイドはコルチゾールである。コルチゾールは視床下部-下垂体-副腎系 (HPA) 軸と称される短期神経内分泌フィードバック回路の制御下で副腎皮質の束状層において合成される。コルチゾールの副腎による産生は、下垂体前葉によって産生および分泌される因子である副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の制御下で進行する。下垂体前葉におけるACTHの産生はそれ自体、視床下部の室傍核によって産生される副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)によって高度に調節され、誘導される。HPA 軸は制限された限界内に循環コルチゾール濃度を維持し、日内最高(diurnal maximum)にて、またはストレスの多い時期に正に駆動し、下垂体前葉におけるACTH 産生および視床下部におけるCRH 産生を抑制するコルチゾールの能力に起因する、負のフィードバックループによって迅速に減弱される。
【0003】
アルドステロンは副腎皮質によって産生されるもう一つのホルモンである;アルドステロンは、ナトリウムおよびカリウムの恒常性を調節する。50年前、ヒト疾患におけるアルドステロン過剰の役割が、原発性アルドステロン症症候群の説明において報告された(Conn、(1955)、J. Lab. Clin. Med. 45: 6-17)。現在では、アルドステロンのレベル上昇が心臓および腎臓に対する有害な効果に関連しており、心不全と高血圧との両方における罹患率と死亡率とに対する主な寄与因子であることが明らかになっている。
【0004】
核内ホルモン受容体スーパーファミリーの2つのメンバー、即ち糖質コルチコイド受容体 (GR)および鉱質コルチコイド受容体 (MR)が、コルチゾール機能をインビボで媒介している一方、アルドステロンの主な細胞内受容体はMRである。これらの受容体は「リガンド依存的転写因子」とも称される。というのは、それらの機能性は、そのリガンド(例えば、コルチゾール)に結合している受容体に依存するからである;リガンドが結合すると、これらの受容体は、DNA-結合ジンクフィンガードメインおよび転写活性化ドメインを介して直接的に転写を調節する。
【0005】
歴史的には、糖質コルチコイド作用の主な決定因子は3つの主な因子に起因するとされていた: 1) (主にHPA 軸によって駆動される)糖質コルチコイドの循環レベル、2)循環中の糖質コルチコイドのタンパク質結合、および3) 標的組織内の細胞内受容体密度。最近、糖質コルチコイド機能の第四の決定因子が同定された:それは糖質コルチコイド-活性化および不活性化酵素による組織特異的プレ受容体代謝である。これらの11-ベータ-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ (11-β-HSD) 酵素は、糖質コルチコイドホルモンの調節によりGRおよびMRの活性化を調節するプレ受容体制御酵素として作用する。現在までに、2つの異なる11-ベータ-HSDのアイソザイムがクローニングされ、特徴決定されている: 11βHSD1 (11-ベータ-HSD タイプ1、11ベータHSD1、HSD11B1、HDL、およびHSD11Lとも称される)および11βHSD2である。11βHSD1および11βHSD2はホルモン的に活性のコルチゾール(げっ歯類におけるコルチコステロン)と不活性のコルチゾン(げっ歯類における11-デヒドロコルチコステロン)との相互変換を触媒する。11βHSD1はラットおよびヒト組織において広範に分布している; この酵素と対応するmRNAの発現は、肺、精巣において検出され、肝臓および脂肪組織においてもっとも豊富に検出されている。11βHSD1はインタクトな細胞および組織においては主にNADPH-依存的 オキソレダクターゼとして作用して、不活性コルチゾンからのコルチゾールの活性化を触媒し(Low et al. (1994) J. Mol. Endocrin. 13: 167-174)、糖質コルチコイドの GRへのアクセスを調節することが報告されているが、11βHSD1は11-ベータ-脱水素および逆の11-オキソレダクション反応の両方を触媒する。逆に、11βHSD2 発現は主に腎臓、胎盤、結腸および唾液腺といった鉱質コルチコイド標的組織において見られ、コルチゾールからコルチゾンへの不活性化を触媒するNAD-依存的デヒドロゲナーゼとして作用し(Albiston et al. (1994) Mol. Cell. Endocrin. 105: R11-R17)、高レベルの受容体-活性コルチゾールなどの糖質コルチコイド過剰からMR を保護することが見いだされている(Blum、et al.、(2003) Prog. Nucl. Acid Res. Mol. Biol. 75:173-216)。
【0006】
インビトロでは、MRは同じ親和性にてコルチゾールおよびアルドステロンに結合する。しかしアルドステロン活性の組織特異性は、11βHSD2 の発現によって与えられる(Funder et al. (1988)、Science 242: 583-585)。コルチゾールからコルチゾンへの11βHSD2によるMRの部位での不活性化により、アルドステロンがこの受容体にインビボで結合することが可能となる。アルドステロンのMRへの結合の結果、リガンドにより活性化されたMRがシャペロンタンパク質を含む複数タンパク質複合体から解離し、MRが核内に移行し、そしてそれは標的遺伝子プロモーターの調節領域におけるホルモン 応答要素に結合する。腎臓の遠位ネフロン内において、血清および糖質コルチコイド誘導性キナーゼ-1 (sgk-1) 発現の誘導により、上皮 ナトリウムチャンネルを介したNa+イオンおよび水の吸収、およびカリウム排出が導かれ、次いで、体液量過剰および高血圧がもたらされる(Bhargava et al.、(2001)、Endo 142: 1587-1594)。
【0007】
ヒトにおいて、アルドステロン濃度の上昇は、内皮機能不全、心筋梗塞、左心室萎縮、および死亡に関係する。これらの悪影響を調節する試みにおいて、多数の処置戦略がアルドステロン過敏性の制御およびその結果として起こる高血圧およびそれに関連する心血管への影響の減弱に用いられている。アンジオテンシン-変換酵素 (ACE)の阻害およびアンジオテンシンタイプ1受容体 (AT1R)の遮断は、レンニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)に直接に影響する2つの戦略である。しかし、ACE 阻害およびAT1R アンタゴニズムは最初にアルドステロン濃度を低下させるが、長期治療ではこのホルモンの循環濃度はベースラインレベルに戻ってしまう(「アルドステロンエスケープ」として知られる)。重要なことに、MR アンタゴニストであるスピロノラクトンまたはエプレレノンの共投与は直接的にこのエスケープ機構の有害効果を阻止し、劇的に患者の死亡率を低下させる(Pitt et al.、New England J. Med. (1999)、341: 709-719; Pitt et al.、New England J. Med. (2003)、348: 1309-1321)。それゆえ、MR アンタゴニズムは、高血圧および心血管疾患の多くの患者、特に、標的器官損傷の危険がある高血圧の患者の重要な治療戦略であり得る。
【0008】
11-ベータ-HSD 酵素をコードする遺伝子のいずれかにおける突然変異は、ヒトの病理と関係している。例えば、11βHSD2は、そのコルチゾールデヒドロゲナーゼ活性が、コルチゾールによる間違った占有から本質的に非選択性のMRを保護する役割をする、アルドステロン-感受性組織、例えば、遠位ネフロン、唾液腺、および結腸粘膜において発現している(Edwards et al. (1988) Lancet 2: 986-989)。11βHSD2に突然変異を有する個体は、このコルチゾール-不活性化活性に欠損があり、その結果、高血圧、低カリウム血症、およびナトリウム貯留を特徴とする明らかな鉱質コルチコイド過剰 (「SAME」とも称される)の症候を示す (Wilson et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. 95: 10200-10205)。同様に、組織特異的糖質コルチコイドバイオアベイラビリティの主要な調節因子である11βHSD1、および共に局在する NADPH-産生酵素、ヘキソース 6-ホスファートデヒドロゲナーゼ (H6PD) をコードする遺伝子における突然変異は、コルチゾン還元酵素欠乏症 (CRD)を導き得、ここで、コルチゾンのコルチゾールへの活性化は起こらず、その結果、副腎皮質刺激ホルモン-媒介性アンドロゲン過剰が起こる。CRD 患者は実質的にすべての糖質コルチコイドをコルチゾン代謝産物 (テトラヒドロコルチゾン) として排出し、この中にはコルチゾール代謝産物(テトラヒドロコルチゾール)は少ないかまたは存在しない。経口コルチゾンにより攻撃されると、CRD 患者は異常に低い血漿コルチゾール濃度を示す。これら個体はACTH-媒介性アンドロゲン過剰 (多毛症、月経不順、高アンドロゲン症)という、多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)と類似した表現型を示す(Draper et al. (2003) Nat. Genet. 34: 434-439)。
【0009】
糖質コルチコイド可動域(excursions)の制御におけるHPA 軸の重要性は、分泌または作用の過剰または欠損によるHPA 軸における恒常性の破壊の結果、それぞれ、クッシング症候群またはアジソン病となるという事実から明らかである(Miller and Chrousos (2001) Endocrinology and Metabolism、eds. Felig and Frohman (McGraw-Hill、New York)、4th Ed.: 387-524)。クッシング症候群(副腎または下垂体腫瘍から起こる全身的な糖質コルチコイド過剰を特徴とする希な疾患) 患者または糖質コルチコイド治療を受ける患者は可逆的内臓脂肪型肥満を発症する。興味深いことに、クッシング症候群患者の表現型はリーブン(Reaven’s)メタボリック症候群(シンドロームXまたはインスリン抵抗性症候群としても知られる)と非常に類似しており、その症状としては、内臓肥満、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、高血圧、2型糖尿病および高脂血症が挙げられる(Reaven (1993) Ann. Rev. Med. 44: 121-131)。しかし、ヒト肥満に多い形態における糖質コルチコイドの役割は未だに明らかではない。というのは、循環糖質コルチコイド濃度はメタボリック症候群患者の多くにおいて上昇していないからである。実際、標的組織に対する糖質コルチコイド作用は、循環レベルのみならず、細胞内濃度にも依存し、脂肪組織および骨格筋において局所的に増強した糖質コルチコイドの作用がメタボリック症候群において証明されている。活性糖質コルチコイドを不活性形態から再生し、細胞内糖質コルチコイド濃度の調節において中心的な役割を果たす11βHSD1の酵素活性が、肥満個体からの蓄積脂肪において一般的に上昇していることを示す証拠が蓄積されてきている。これは肥満およびメタボリック症候群における局所糖質コルチコイド再活性化のための役割を示唆する。
【0010】
不活性循環コルチゾンからコルチゾールを再生する能力を11βHSD1が有しているため、糖質コルチコイド機能の増幅におけるその役割についてかなりの注目が集まっている。11βHSD1は多くの重要なGRに富む組織、例えば、代謝に非常に重要な組織、例えば、肝臓、脂肪、および骨格筋において発現しており、それ自体、インスリン機能の糖質コルチコイド-媒介性アンタゴニズムの組織特異的増強を補助すると考えられている。a)糖質コルチコイド過剰(クッシング 症候群)とメタボリック症候群との表現型が類似しており、後者においては正常な循環糖質コルチコイドであること、およびb) 組織特異的に不活性コルチゾンから活性コルチゾールを11βHSD1が作ることが出来ることを考慮すると、中心性肥満および脂肪組織における11βHSD1の活性上昇に起因するシンドロームXにおける関連する代謝合併症の結果、「網の(omentum)クッシング疾患」が起こることが示唆される(Bujalska et al. (1997) Lancet 349: 1210-1213)。実際、11βHSD1は肥満げっ歯類およびヒトの脂肪組織において上方制御されることが示されている(Livingstone et al. (2000) Endocrinology 131: 560-563; Rask et al. (2001) J. Clin. Endocrinol. Metab. 86: 1418-1421; Lindsay et al. (2003) J. Clin. Endocrinol. Metab. 88: 2738-2744; Wake et al. (2003) J. Clin. Endocrinol. Metab. 88: 3983-3988)。
【0011】
この知見のさらなる支持がマウストランスジェニックモデルにおける研究から得られた。マウスにおける11βHSD1のaP2 プロモーターの制御下での脂肪-特異的過剰発現によって、ヒトメタボリック症候群を顕著に想起させる表現型が生じる(Masuzaki et al. (2001) Science 294: 2166-2170; Masuzaki et al. (2003) J. Clinical Invest. 112: 83-90)。 重要なことに、この表現型は、総循環コルチコステロンの上昇なしに起こり、むしろ蓄積脂肪内のコルチコステロンの局所的産生によって引き起こされる。これらマウスにおける11βHSD1の活性上昇(2-3倍)は、ヒト肥満において観察されるものと非常に類似している (Rask et al. (2001) J. Clin. Endocrinol. Metab. 86: 1418-1421)。これは、不活性糖質コルチコイドから活性糖質コルチコイドへの局所的な11βHSD1-媒介性変換が全身インスリン 感受性に顕著な影響をもたらしうることを示唆する。
【0012】
このデータに基づくと、11βHSD1の欠失は活性糖質コルチコイドレベルの組織特異的欠損に起因するインスリン感受性の上昇および耐糖性を導きうると予測される。これは、実際、相同的組換えにより作られた11βHSD1-欠損マウスを用いた研究において示された通りである(Kotelevstev et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94: 14924-14929; Morton et al. (2001) J. Biol. Chem. 276: 41293-41300; Morton et al. (2004) Diabetes 53: 931-938)。これらマウスは完全に11-ケトレダクターゼ活性を欠いており、11βHSD1は、不活性11-デヒドロコルチコステロンから活性コルチコステロンを作成することが出来る唯一の活性をコードしているということが確認される。11βHSD1-欠損マウスは食餌およびストレス誘導性高血糖に耐性であり、肝臓糖新生酵素(PEPCK、G6P)の誘導の減弱を示し、脂肪内におけるインスリン感受性の上昇を示し、脂質プロファイルが改善されている(トリグリセリドの低下および心保護的 HDLの上昇)。さらに、これら動物は高脂肪食-誘導性肥満に対する抵抗性を示す。さらに、細胞内コルチコステロンを不活性化して11-デヒドロコルチコステロンとする11-ベータデヒドロゲナーゼ酵素、11bHSD2の脂肪組織過剰発現は、同様に高脂肪食での体重増加を減弱し、グルコース耐性を改善し、インスリン感受性を高める。これらから、これらトランスジェニックマウス研究により、肝臓および末梢インスリン感受性の制御における糖質コルチコイドの局所的再活性化のための役割が確認され、11βHSD1 活性の阻害は、多数の糖質コルチコイド-関連障害、例えば、肥満、インスリン抵抗性、高血糖、および高脂血症の治療における利益を有しうることが示唆される。
【0013】
この仮説を支持するデータが公表された。最近、11βHSD1がヒトにおける中心性肥満の発病およびメタボリック症候群の出現における役割を果たしているということが報告された。11βHSD1遺伝子の発現の上昇は肥満女性における代謝異常に関連しており、この遺伝子の発現上昇は肥満個体の脂肪組織におけるコルチゾンからコルチゾールへの局所的変換の上昇に寄与していると考えられる(Engeli、et al.、(2004) Obes. Res. 12: 9-17)。
【0014】
新規クラスの11βHSD1 阻害剤である、アリールスルホンアミドチアゾールは、マウス高血糖性株において、肝臓インスリン感受性を改善し、血糖値を低下させることが示された(Barf et al. (2002) J. Med. Chem. 45: 3813-3815; Alberts et al. Endocrinology (2003) 144: 4755-4762)。さらに最近、これらの11βHSD1の選択的阻害剤は遺伝的に糖尿病の肥満マウスにおける重篤な高血糖を寛解させることができることが報告された。構造的に異なる一連の 化合物、アダマンチルトリアゾール類を用いるデータはまた(Hermanowski-Vosatka et al. (2005) J. Exp. Med. 202: 517-527)、インスリン抵抗性および糖尿病のげっ歯類モデルにおいて有効性を示し、そしてアテローム性動脈硬化症のマウスモデルにおいてさらに有効性を示し、おそらくげっ歯類血管壁におけるコルチコステロンの局所作用を示唆している。したがって、11βHSD1はメタボリック症候群の治療のための有望な医薬標的である(Masuzaki、et al.、(2003) Curr. Drug Targets Immune Endocr. Metabol. Disord. 3: 255-62)。
【0015】
A.肥満およびメタボリック症候群
上記のように、多数の証拠により、11βHSD1 活性の阻害が、肥満および/またはメタボリック症候群集団の症状、例えば、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧、 高脂血症、および/またはアテローム性動脈硬化症/冠動脈心疾患との戦いにおいて有効であり得ることが示唆されている。糖質コルチコイドはインスリン作用の公知のアンタゴニストであり、細胞内コルチゾンからコルチゾールへの変換の阻害による局所的糖質コルチコイドレベルの低下は、肝臓および/または末梢インスリン感受性を向上させ、内臓脂肪蓄積を強力に低減する。上記のように、11βHSD1ノックアウトマウスは高血糖に抵抗性であり、重要な肝臓糖新生酵素の誘導の減弱を示し、脂肪におけるインスリン感受性の顕著な上昇を示し、改善された脂質プロファイルを有する。さらに、これら動物は高脂肪食-誘導性肥満に対する抵抗性を示す(Kotelevstev et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94: 14924-14929; Morton et al. (2001) J. Biol. Chem. 276: 41293-41300; Morton et al. (2004) Diabetes 53: 931-938)。複数の化学骨格によるインビボ薬理研究は、インスリン抵抗性、グルコース不耐性、異脂肪血症、高血圧、およびアテローム性動脈硬化症の制御における11bHSD1の中心的役割を確認した。したがって、11βHSD1の阻害は、肝臓、脂肪、骨格筋および心臓において多数の有益効果を有すると予測され、特にメタボリック症候群、肥満、および/または冠動脈心疾患の成分の軽減に関する有益効果を有すると予測される。
【0016】
B.膵臓機能
糖質コルチコイドは膵臓ベータ細胞からのインスリンのグルコース刺激性分泌を阻害することが知られている(Billaudel and Sutter (1979) Horm. Metab. Res. 11: 555-560)。クッシング症候群および糖尿病のズッカーfa/faラットの両方において、グルコース刺激性インスリン分泌が顕著に低下している(Ogawa et al. (1992) J. Clin. Invest. 90: 497-504)。11βHSD1 mRNAおよび活性は、ob/ob マウスの膵島細胞において報告されており、この活性の、11βHSD1 阻害剤であるカルベノキソロンによる阻害は、グルコース刺激性インスリン放出を改善する(Davani et al. (2000) J. Biol. Chem. 275: 34841-34844)。したがって、11βHSD1の阻害は、膵臓に対する有益効果、例えば、グルコース刺激性インスリン 放出の促進効果および膵ベータ細胞代償不全の減弱可能性を有すると予測される。
【0017】
C.認知および痴呆症(認知症)
穏やかな 認知障害は老化の一般的な特徴であり、最終的には痴呆症の進行につながりうる。老化した動物およびヒトの両方において、一般的認知機能の個体間相違は糖質コルチコイドに対する長期曝露における可変性と関係していた(Lupien et al. (1998) Nat. Neurosci. 1: 69-73)。さらに、特定の脳小領域における糖質コルチコイド過剰に対する慢性曝露を引き起こすHPA 軸の調節不全は認知機能の減退に寄与していると提案されている(McEwen and Sapolsky (1995) Curr. Opin. Neurobiol. 5: 205-216)。 11βHSD1 は脳において豊富であり、複数の小領域、例えば、海馬、前頭葉、および小脳において発現している (Sandeep et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. Early Edition: 1-6)。初代(primary)海馬細胞の11βHSD1 阻害剤であるカルベノキソロンによる処理は、細胞を興奮性アミノ酸神経毒性の糖質コルチコイド-媒介性悪化から保護する(Rajan et al. (1996) J. Neurosci. 16: 65-70)。さらに、11βHSD1-欠損マウスは老化と関係する糖質コルチコイド-関連海馬機能不全から保護される (Yau et al. (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. 98: 4716-4721)。2つの無作為二重盲検、プラセボ対照クロスオーバー研究において、カルベノキソロンの投与は、言語の流暢性および言語の記憶を改善した(Sandeep et al. (2004) Proc. Natl. Acad. Sci. Early Edition: 1-6)。したがって、11βHSD1の阻害は、脳における糖質コルチコイドへの曝露を低減し、神経細胞機能に対する有害な糖質コルチコイド効果、例えば、認知障害、痴呆症(認知症)、および/または欝病に対して保護を与えると予測される。
【0018】
D.眼圧
糖質コルチコイドは、臨床眼科における広範な症状のために局所的および全身的に利用できる。これら治療計画に伴う一つの特定の合併症は、副腎皮質ステロイド誘導性緑内障である。この病理は、眼圧 (IOP)の顕著な上昇によって特徴づけられる。そのもっとも進行した非治療形態において、IOPは部分的視野欠損を導き得、最終的に失明を導きうる。IOPは水性体液産生と排液との関係によって生じる。水性体液産生は非色素上皮細胞(NPE)において起こり、その排液は小柱網の細胞を介して行われる。11βHSD1はNPE 細胞に局在しており(Stokes et al. (2000) InvespHthalmol. Vis. Sci. 41: 1629-1683; Rauz et al. (2001) InvespHthalmol. Vis. Sci. 42: 2037-2042)、その機能はおそらくこれら細胞における糖質コルチコイド活性の増幅と関係している。この知見は遊離コルチゾール濃度が水性体液中のコルチゾンを大幅に上回っている (14:1の比)という観察により確認された。眼における11βHSD1の機能的重要性は、健康ボランティアにおいて阻害剤であるカルベノキソロンを用いて評価された (Rauz et al. (2001) InvespHthalmol. Vis. Sci. 42: 2037-2042)。カルベノキソロン処置の7日後、IOPは18%低下した。したがって、11βHSD1の眼における阻害は、局所的糖質コルチコイド濃度およびIOPを低下させ、緑内障およびその他の視覚障害の管理において有益効果をもたらすと予測される。
【0019】
E.高血圧
脂肪細胞に駆動される高血圧性物質、例えば、レプチンおよびアンジオテンシノゲンは、肥満関連高血圧の発病に関与していると提案されている(Matsuzawa et al. (1999) Ann. N.Y. Acad. Sci. 892: 146-154; Wajchenberg (2000) Endocr. Rev. 21: 697-738)。aP2-11βHSD1 トランスジェニックマウスにおいて過剰に分泌されるレプチンは(Masuzaki et al. (2003) J. Clinical Invest. 112: 83-90)、様々な交感神経系経路、例えば、血圧を調節する経路を活性化できる(Matsuzawa et al. (1999) Ann. N.Y. Acad. Sci. 892: 146-154)。さらに、レニン-アンジオテンシン系(RAS)は血圧の主な決定因子であることが示されている(Walker et al. (1979) Hypertension 1: 287-291)。肝臓および脂肪組織において産生されるアンジオテンシノゲンはレニンの重要な基質であり、RAS 活性化を引き起こす。血漿アンジオテンシノゲンレベルはaP2-11βHSD1 トランスジェニックマウスにおいて顕著に上昇し、アンジオテンシン IIおよびアルドステロンも同様である(Masuzaki et al. (2003) J. Clinical Invest. 112: 83-90)。これらの力によりおそらくaP2-11βHSD1 トランスジェニックマウスにおいて観察される血圧の上昇が導かれる。これらマウスの低用量のアンジオテンシン II 受容体アンタゴニストによる処理により、この高血圧が解消した(Masuzaki et al. (2003) J. Clinical Invest. 112: 83-90)。このデータにより脂肪組織および肝臓における局所的糖質コルチコイド再活性化の重要性が例証され、高血圧が11βHSD1 活性により引き起こされるか、または悪化することが示唆される。したがって、11βHSD1の阻害および脂肪および/または肝臓糖質コルチコイドレベルの低下は、高血圧および高血圧関連心血管障害に対して有益効果を有すると予測される。
【0020】
F.骨疾患
糖質コルチコイドは骨組織に対する有害効果を有しうる。中程度の糖質コルチコイド用量への連続した曝露により骨粗鬆症が導かれ得(Cannalis (1996) J. Clin. Endocrinol. Metab. 81: 3441-3447)、骨折の危険が上昇する。インビトロでの実験により、骨再吸収細胞(破骨細胞としても知られる)と骨形成細胞(造骨細胞)との両方に対する糖質コルチコイドの有害効果が確認された。11βHSD1はヒト初代造骨細胞およびおそらく破骨細胞と造骨細胞との混合物である成体骨からの細胞の培養物中に存在していることが示され(Cooper et al. (2000) Bone 27: 375-381)、11βHSD1 阻害剤であるカルベノキソロンは、骨小塊形成に対する糖質コルチコイドの負の効果を減弱することが示された(Bellows et al. (1998) Bone 23: 119-125)。したがって、11βHSD1の阻害は、造骨細胞と破骨細胞内の局所的糖質コルチコイド濃度を低下させ、様々な形態の骨疾患、例えば、骨粗鬆症において有益効果をもたらすと予測される。
【0021】
11βHSD1の低分子阻害剤が、現在、例えば上記のような11βHSD1-関連疾患の治療または予防のために開発されつつある。例えば、特定のアミドに基づく阻害剤がWO 2004/089470、WO 2004/089896、WO 2004/056745、およびWO 2004/065351において報告されている。11βHSD1の特定のアンタゴニストがヒト臨床試験において評価された(Kurukulasuriya 、et al.、(2003) Curr. Med. Chem. 10: 123-53)。糖質コルチコイド-関連障害、メタボリック症候群、高血圧、肥満、インスリン抵抗性、高血糖、高脂血症、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、アンドロゲン過剰 (多毛症、月経不順、高アンドロゲン症) および多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における11βHSD1の役割を示す実験データを考慮すると、11βHSD1レベルでの糖質コルチコイドシグナル伝達を調節することによるこれら代謝経路の増強または抑制を目的とする治療薬が望ましい。
【0022】
さらに、MRは同じ親和性にてアルドステロン(その天然のリガンド)およびコルチゾールに結合するため、11βHSD1の(コルチゾン/コルチゾールに結合する) 活性部位と相互作用するよう設計される化合物は、MRとも相互作用し得、そしてアンタゴニストとして作用しうる。MRは心不全、高血圧、および関連病状、例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈疾患、血栓症、アンギナ、末梢血管疾患、血管壁損傷、および脳卒中に関係するため、MR アンタゴニストが望ましく、そしてそれは複合性の、心血管、腎臓、および炎症性病状、例えば、脂質代謝障害、例えば、異脂肪血症または高リポタンパク質血症、糖尿病性異脂肪血症、混合性異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、ならびに1型糖尿病、2型糖尿病、肥満、メタボリック症候群、およびインスリン抵抗性、および汎(general)アルドステロン関連標的器官損傷に関連する病状の治療に有用であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上記に示したように、11βHSD1を標的とする新規かつ改良された薬剤が未だに必要とされている。本明細書に記載する化合物、組成物および方法はこの要求およびその他の要求を満たすことを助ける。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の概要
本発明は、とりわけ、11βHSD1のモジュレーターであって 式IまたはIaを有する、その医薬上許容される塩およびプロドラッグを含む化合物を提供する:
【化1】

I
【化2】

Ia
[式中、構成メンバーは明細書中に定義する]。
【0025】
本発明は、11βHSD1 と本発明の化合物とを接触させることによる11βHSD1の調節方法をさらに提供する。
【0026】
本発明は、11βHSD1と本発明の化合物とを接触させることによる11βHSD1の阻害方法をさらに提供する。
【0027】
本発明は、細胞と本発明の化合物とを接触させることによる細胞におけるコルチゾンからコルチゾールへの変換を阻害する方法をさらに提供する。
【0028】
本発明は、細胞と本発明の化合物とを接触させることによる細胞におけるコルチゾールの産生を阻害する方法をさらに提供する。
【0029】
本発明は、疾患、例えば、11βHSD1の活性または発現に関連する疾患の治療方法をさらに提供する。
【0030】
本発明は、治療における使用のための本発明の化合物をさらに提供する。
【0031】
本発明は、治療における使用のための医薬の調製における使用のための本発明の化合物をさらに提供する。
【0032】
詳細な説明
本発明は、とりわけ、11βHSD1のモジュレーターであって、式IまたはIaを有する化合物またはその医薬上許容される塩またはプロドラッグを提供する:
【化3】

I
【化4】

Ia
[式中:
Aは、O、CH2、C(OH)R3、またはC(OH)OR3;
Qは、それぞれ1、2、3、4または5の-W-X-Y-Zにより置換されていてもよいアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル;
R1および R2は、独立にC1-8 アルキル、C2-8 アルケニル、C2-8 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、これらはそれぞれ以下から選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい:ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRd;
あるいはR2 はRA、RB、およびRC の1または2と共に、C1-5 架橋アルキル基を形成するか、あるいはR1およびR2は介在するN-C(O)-N原子と共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから独立に選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい5-20 員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、またはC2-6 アルキニル;
CyおよびCy1は、独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれハロ、C1-4 アルキル、C2-4 アルケニル、C2-4 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、CN、NO2、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1Rd1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1Rd1、NRc1Rd1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1Rd1、S(O)2Rb1、およびS(O)2NRc1Rd1から独立に選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい;
Wは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、O、S、NRe、CO、COO、CONRe、SO、SO2、SONRe、またはNReCONRf、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニルはそれぞれ、ハロ、OH、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2または3の置換基により置換されていてもよい;
Xは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、オキソ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
Yは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、O、S、NRe、CO、COO、CONRe、SO、SO2、SONRe、またはNReCONRf、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル はそれぞれ、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2または3の置換基により置換されていてもよい;
Zは、H、ハロ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノ、C2-8 ジアルキルアミノ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル、ここで該 C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、オキソ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2Rd2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2Rd2、NRc2Rd2、NRc2C(O)Rd2、NRc2C(O)ORa2、NReS(O)2Rb2、S(O)Rb2、S(O)NRc2Rd2、S(O)2Rb2、およびS(O)2NRc2Rd2から独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
ここで、-W-X-Y-Z は、H以外;
RA、RB、およびRCは、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される;
あるいはRAおよび RBとRCとの一方は共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはR3 および RA、RB、および RCの一つは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはRA、RB、および RCは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよい C4-8 架橋アルキル基を形成する;
あるいはR3および、RA、RB、およびRCのうち二つは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよい C4-8 架橋アルキル基を形成する;
RD、RE、およびRF は、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される;
あるいはRD、および 、REおよびRF の一方は共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよい C1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはRD、および、REおよびRF の一方は、それら両方が共に結合している一つのC原子と共に、 それぞれハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよい4-20 員環シクロアルキル基または4-20 員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Ra、Ra1、Ra2およびRa3 は、独立にH、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、 ここで該 C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
Rb、Rb1、Rb2およびRb3 は、独立にH、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
RcおよびRd は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいは RcおよびRdはそれらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc1およびRd1 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc1および Rd1は、それらが結合している N原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc2およびRd2 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc2および Rd2 は、それらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc3およびRd3 は、独立に H、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc3およびRd3は、それらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Re、およびRfは、それぞれ独立に、H、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル はH、OH、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルにより置換されていてもよい;
あるいは Re、およびRf は、それらが結合しているN原子と共に、4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
mは、0、1または2; および、
nは、0または1]。
【0033】
本発明はさらに、とりわけ、その医薬上許容される塩およびプロドラッグを含む式Iの化合物を提供する:
【化5】

I
[式中:
Aは、O、CH2、C(OH)R3、またはC(OH)OR3;
Qは、それぞれ1、2、3、4または5の-W-X-Y-Zにより置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル;
R1は、それぞれ、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい C1-8 アルキル、C2-8 アルケニル、C2-8 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキル;
R2は、H、C1-8 アルキル、C2-8 アルケニル、C2-8 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキル、ここでHを除く上記のそれぞれ はハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい;
あるいはR1およびR2は介在するN-C(O)-N原子と共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから独立に選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい5-20 員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、またはC2-6 アルキニル;
CyおよびCy1は、独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれハロ、C1-4 アルキル、C2-4 アルケニル、C2-4 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、CN、NO2、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1Rd1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1Rd1、NRc1Rd1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1Rd1、S(O)2Rb1、およびS(O)2NRc1Rd1 から独立に選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい;
Wは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、O、S、NRe、CO、COO、CONRe、SO、SO2、SONRe、またはNReCONRf、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル はそれぞれ、ハロ、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2または3の置換基により置換されていてもよい;
Xは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、オキソ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
Yは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、O、S、NRe、CO、COO、CONRe、SO、SO2、SONRe、またはNReCONRf、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル はそれぞれ、ハロ、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2または3の置換基により置換されていてもよい;
Zは、H、ハロ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノ、C2-8 ジアルキルアミノ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル、ここで該 C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、オキソ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2Rd2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2Rd2、NRc2Rd2、NRc2C(O)Rd2、NRc2C(O)ORa2、NReS(O)2Rb2、S(O)Rb2、S(O)NRc2Rd2、S(O)2Rb2、およびS(O)2NRc2Rd2から独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
ここで、-W-X-Y-Z は、H以外;
RA、RB、およびRCは、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される;
あるいはRAおよび RBとRCとの一方は共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはR3 および RA、RB、および RCの一つは、共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはRA、RB、および RCは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC4-8 架橋アルキル基を形成する;
あるいはR3および、RA、RB、およびRCのうち二つは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC4-8 架橋アルキル基を形成する;
Ra、Ra1、Ra2およびRa3 は、独立にH、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、 ここで該 C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
Rb、Rb1、Rb2およびRb3 は、独立にH、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
RcおよびRd は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいは RcおよびRdはそれらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc1およびRd1 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc1および Rd1は、それらが結合している N原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc2およびRd2 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc2および Rd2 は、それらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc3およびRd3 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc3およびRd3は、それらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Re、およびRf は、それぞれ独立に、H、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル はH、OH、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルにより置換されていてもよい;
あるいは Re、およびRf は、それらが結合しているN原子と共に、4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
mは、0、1または2; および、
nは、0または1]。
【0034】
本発明はさらに、11βHSD1のモジュレーターであってその医薬上許容される塩およびプロドラッグを含む式Iを有する化合物を提供する:
【化6】

I
[式中:
Aは、O、CH2、C(OH)R3、またはC(OH)OR3;
Qは、それぞれ1、2、3、4または5の-W-X-Y-Zにより置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル;
R1および R2は、独立にC1-8 アルキル、C2-8 アルケニル、C2-8 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、これらはそれぞれ、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい;
あるいはR1およびR2は介在するN-C(O)-N原子と共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから独立に選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい5-20 員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、またはC2-6 アルキニル;
CyおよびCy1は、独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれハロ、C1-4 アルキル、C2-4 アルケニル、C2-4 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、CN、NO2、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1Rd1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1Rd1、NRc1Rd1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、S(O)Rb1、S(O)NRc1Rd1、S(O)2Rb1、およびS(O)2NRc1Rd1から独立に選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい;
Wは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、O、S、NRe、CO、COO、CONRe、SO、SO2、SONRe、またはNReCONRf、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル はそれぞれ、ハロ、OH、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2または3の置換基により置換されていてもよい;
Xは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、オキソ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
Yは、非存在、C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル、O、S、NRe、CO、COO、CONRe、SO、SO2、SONRe、またはNReCONRf、ここで該 C1-6 アルキレニル、C2-6 アルケニレニル、C2-6 アルキニレニル はそれぞれ、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノおよびC2-8 ジアルキルアミノから独立に選択される1、2または3の置換基により置換されていてもよい;
Zは、H、ハロ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノ、C2-8 ジアルキルアミノ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル、ここで該 C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、オキソ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2Rd2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2Rd2、NRc2Rd2、NRc2C(O)Rd2、NRc2C(O)ORa2、NReS(O)2Rb2、S(O)Rb2、S(O)NRc2Rd2、S(O)2Rb2、およびS(O)2NRc2Rd2から独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
ここで、-W-X-Y-Z は、H以外;
RA、RB、およびRCは、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される;
あるいはRAおよび RBとRCとの一方は、共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはR3 および RA、RB、および RCの一つは、共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3 から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC1-5 架橋アルキル基を形成する;
あるいはRA、RB、および RCは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC4-8 架橋アルキル基を形成する;
あるいはR3および、RA、RB、およびRCのうち二つは共に、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよいC4-8 架橋アルキル基を形成する;
Ra、Ra1、Ra2およびRa3 は、独立にH、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、 ここで該 C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルは、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
Rb、Rb1、Rb2およびRb3 は、独立にH、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
RcおよびRd は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいは RcおよびRdはそれらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc1およびRd1 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc1および Rd1は、それらが結合している N原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc2およびRd2 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc2および Rd2 は、それらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Rc3およびRd3 は、独立にH、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい;
あるいはRc3およびRd3は、それらが結合しているN原子と共に、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル およびヘテロシクロアルキルから独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
Re、およびRf は、それぞれ独立に、H、C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル、ここで該 C1-10 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル またはヘテロシクロアルキルアルキル は、H、OH、アミノ、ハロ、C1-6 アルキル、C1-6 ハロアルキル、C1-6 ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル またはヘテロシクロアルキルにより置換されていてもよい;
あるいは Re、およびRf は、それらが結合しているN原子と共に、4-、5-、6-または7-員環ヘテロシクロアルキル基を形成する;
mは、0、1または2; および、
nは、0または1]。
【0035】
ある態様において、Aは、Oである。
【0036】
ある態様において、Aは、C(OH)R3である。
【0037】
ある態様において、Aは、CH2である。
【0038】
ある態様において、Aは、 CH2 であり、mは、0である。
【0039】
ある態様において、mは、0である。
【0040】
ある態様において、mは、1である。
【0041】
ある態様において、Qは、それぞれ1、2、3、4または5の-W-X-Y-Zにより置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである。
【0042】
ある態様において、Qは、1、2、3、4または5の-W-X-Y-Zにより置換されていてもよいアリールである。
【0043】
ある態様において、Qは、1、2、3、4または5の-W-X-Y-Z により置換されていてもよいフェニルである。
【0044】
ある態様において、R1および R2は、独立にC1-8 アルキル、C2-8 アルケニル、C2-8 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、これらはそれぞれハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy、および-(C1-6 アルキル)-Cy、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから選択される1、2、3、4、または5の置換基により置換されていてもよい。
【0045】
ある態様において、R1および R2は、独立にC1-8 アルキル、C2-8 アルケニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択され、これらはそれぞれ、ハロ、C1-4 ハロアルキル、CN、NO2、ORa、SRa、C(O)Rb、C(O)NRcRd、C(O)ORa、OC(O)Rb、OC(O)NRcRd、NRcRd、NRcC(O)Rd、NRcC(O)ORa、NReS(O)2Rb、S(O)Rb、S(O)NRcRd、S(O)2Rb、およびS(O)2NRcRdから選択される1または 2の置換基により置換されていてもよい。
【0046】
ある態様において、R3は、HまたはC1-6 アルキルである。
【0047】
ある態様において、R3は、Hである。
【0048】
ある態様において、RA、RB、およびRCは、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される。
【0049】
ある態様において、RA、RB、およびRCは、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C1-4 ハロアルキル、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される。
【0050】
ある態様において、RD、RE、およびRF は、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される。
【0051】
ある態様において、RD、RE、およびRF は、独立にH、ハロ、C1-6 アルキル、C1-4 ハロアルキル、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rd3から選択される。
【0052】
ある態様において、RA、RB、およびRCの一つはOHである。
【0053】
ある態様において、RA、RB、および RC はそれぞれHである。
【0054】
ある態様において、RDおよび、 REおよびRF の一方は、それら両方が共に結合している一つのC原子と共に、それぞれハロ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、Cy1、および-(C1-6 アルキル)-Cy1、CN、NO2、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3Rd3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3Rd3、NRc3Rd3、NRc3C(O)Rd3、NRc3C(O)ORa3、NRe3S(O)2Rb3、S(O)Rb3、S(O)NRc3Rd3、S(O)2Rb3、およびS(O)2NRc3Rdから独立に選択される1、2または3の置換基によって置換されていてもよい4-20 員環シクロアルキル基または4-20 員環ヘテロシクロアルキル基を形成する。
【0055】
ある態様において、nは、0である。
【0056】
ある態様において、nは、1である。
【0057】
ある態様において、各-W-X-Y-Z は、独立にハロ、CN、NO2、OH、C1-4 アルコキシ、C1-4 ハロアルコキシ、アミノ、C1-4 アルキルアミノ、C2-8 ジアルキルアミノ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール およびヘテロシクロアルキルから選択され、ここで該 C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール またはヘテロシクロアルキル は、ハロ、オキソ、C1-6 アルキル、C2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C1-4 ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2Rd2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2Rd2、NRc2Rd2、NRc2C(O)Rd2、NRc2C(O)ORa2、NReS(O)2Rb2、S(O)Rb2、S(O)NRc2Rd2、S(O)2Rb2、およびS(O)2NRc2Rd2から独立に選択される1、2、または3の置換基により置換されていてもよい。
【0058】
ある態様において、化合物は式IIを有する:
【化7】

II。
【0059】
ある態様において、化合物は式IIIを有する:
【化8】

III。
【0060】
ある態様において、化合物は式IIaを有する:
【化9】

IIa。
【0061】
ある態様において、化合物は式IIIaを有する:
【化10】

IIIa。
【0062】
本明細書の様々な部分において本発明の化合物の置換基は群または範囲をもって開示される。本発明はかかる群および範囲のメンバーのすべての個々の組み合わせを含むことを特記する。例えば、「C1-6 アルキル」の語は、個々にメチル、エチル、C3 アルキル、C4 アルキル、C5 アルキル、および C6 アルキルを具体的に開示する意図である。
【0063】
明確にするために、別々の態様の関係で記載される本発明の特定の特徴は、単一の態様の組み合わせにおいて提供されうることをさらに理解されたい。逆に、簡潔にするために単一の態様に関して記載される本発明の様々な特徴は、別々にまたはあらゆる好適な組み合わせとして提供されうる。
【0064】
「n-員環」という用語において、 nは、典型的には、環形成原子の数がnである部分における環形成原子の数を記載する整数である。例えば、ピペリジニルは6-員環 ヘテロシクロアルキル環の例であり、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレンは10-員環 シクロアルキル基の例である。
【0065】
本明細書において用いる、「アルキル」の語は直鎖状または分枝状の飽和炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル (例えば、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)、ペンチル (例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などが挙げられる。アルキル基は、1 〜 約 20、2 〜 約 20、1 〜 約 10、1 〜 約 8、1 〜 約 6、1 〜 約 4、または1 〜 約 3の炭素原子を含みうる。「アルキレン」という語は、アルキル結合基をいう。
【0066】
本明細書において用いる場合、「架橋アルキル基」とは、分子の一部を同じ分子の少なくとも1つのその他の部分と連結させるアルキル基をいう。架橋アルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよい。架橋アルキル基の例としては、 メチレン、エチレン、-CH2CH(CH2-)CH2-、等が挙げられる。
【0067】
本明細書において用いる、「アルケニル」の語は、1以上の二重炭素−炭素結合を有するアルキル基をいう。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。「アルケニレニル」の語は、二価の結合アルケニル基をいう。
【0068】
本明細書において用いる、「アルキニル」とは、1以上の三重炭素−炭素結合を有するアルキル基をいう。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニルなどが挙げられる。「アルキニレニル」の語は、二価の結合アルキニル基をいう。
【0069】
本明細書において用いる、「ハロアルキル」は、1以上のハロゲン置換基を有するアルキル基をいう。ハロアルキル基の例としては、CF3、C2F5、CHF2、CCl3、CHCl2、C2Cl5、CH2CF3等が挙げられる。
【0070】
本明細書において用いる、「アリール」は、単環式または多環式 (例えば、2、3 または 4の縮合環を有する)芳香族炭化水素をいい、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、などが挙げられる。ある態様において、アリール基は6〜約 20の炭素原子を有する。
【0071】
本明細書において用いる、「シクロアルキル」とは、閉環したアルキル、アルケニル、およびアルキニル基を含む非-芳香族環状炭化水素をいう。シクロアルキル基は単環式でも多環式 (例えば、2、3または4の縮合環を有する)環系でもよく、スピロ環系でもよい。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、オキソまたはスルフィドによって置換されていてもよい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、アダマンチルなどが挙げられる。シクロアルキルの定義には、シクロアルキル環に縮合した(即ち、シクロアルキル環と結合を共有する)1以上の芳香族環を有する部分、例えば、ペンタン、ペンテン、ヘキサンなどのベンゾまたはチエニル誘導体なども含まれる。
【0072】
本明細書において用いる、「ヘテロアリール」基は、少なくとも1つのヘテロ原子の環メンバー、例えば硫黄、酸素、または窒素を有する芳香族複素環である。ヘテロアリール基は単環および多環 (例えば、2、3、または4の 縮合環を有する)系を含む。ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリニルなどが挙げられる。ある態様において、ヘテロアリール基は1〜約 20の炭素原子を有し、さらなる態様において約 3〜約 20の炭素原子を有する。ある態様において、ヘテロアリール基は3〜 約 14、3〜約 7、または5〜6 の環形成原子を含む。ある態様において、ヘテロアリール基は、1〜約 4、1〜約 3、または1〜2のヘテロ原子を有する。
【0073】
本明細書において用いる、「ヘテロシクロアルキル」は、1以上の環形成炭素原子がO、N、またはS原子などのヘテロ原子によって置換されている非芳香族ヘテロ環をいい、閉環したアルキル、アルケニル、およびアルキニル基が含まれる。ヘテロシクロアルキル基は単環であっても多環であってもよい (例えば、縮合およびスピロ系の両方を含む)。「ヘテロシクロアルキル」 基の例としては、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,3-ベンゾジオキソール、ベンゾ-1,4-ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾジニルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子およびヘテロ原子は、オキソまたはスルフィドによって置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキルの定義には、非芳香族ヘテロ環に縮合(即ち、非芳香族ヘテロ環と結合を共有)した1以上の芳香環を有する部分も含まれ、例えば、ヘテロ環、例えば、インドレンおよびイソインドレン 基のフタリミジル、ナフタリミジル、およびベンゾ誘導体が挙げられる。ある態様において、ヘテロシクロアルキル基は1〜 約 20の炭素原子を有し、さらなる態様において、約 3 〜約 20の炭素原子を有する。ある態様において、ヘテロシクロアルキル基は3〜約 14、3〜約 7、または5〜 6 の環形成原子を含む。ある態様において、ヘテロシクロアルキル基は1〜約 4、1〜約 3、または1〜2のヘテロ原子を含む。 ある態様において、ヘテロシクロアルキル基は0〜3の二重結合を含む。ある態様において、ヘテロシクロアルキル基は0〜2の三重結合を含む。
【0074】
本明細書において用いる、「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
【0075】
本明細書において用いる、「アルコキシ」とは、-O-アルキル基をいう。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ およびイソプロポキシ)、t-ブトキシ、などが挙げられる。
【0076】
本明細書において用いる、「ハロアルコキシ」は、-O-ハロアルキル基をいう。ハロアルコキシ基の例はOCF3である。
【0077】
本明細書において用いる場合、「アリールアルキル」はアリールにより置換されたアルキルをいい、「シクロアルキルアルキル」はシクロアルキルにより置換されたアルキルをいう。アリールアルキル基の例はベンジルである。
【0078】
本明細書において用いる場合、「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基によって置換されたアルキル基をいう。
【0079】
本明細書において用いる、「アミノ」はNH2をいう。
【0080】
本明細書において用いる場合、「アルキルアミノ」はアルキル基で置換されたアミノ基をいう。
【0081】
本明細書において用いる場合、「ジアルキルアミノ」は2つのアルキル基で置換されたアミノ基をいう。
【0082】
本明細書において用いる場合、「置換する」または「置換」なる語は、水素を非水素部分により交換することをいう。
【0083】
本明細書に記載する化合物は不斉であってもよい(例えば、1以上の立体中心を有する)。すべての立体異性体、例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマーは特に断りのない限り含まれる。不斉に置換された炭素原子を含む本発明の化合物は、光学活性またはラセミ形態にて単離可能である。光学活性形態を光学活性出発物質から調製する方法は当該技術分野において知られており、例えば、ラセミ混合物の分割または立体選択的合成によって調製される。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体も本明細書に記載する化合物において存在し得、かかるすべての安定な異性体は本発明に含まれる。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、異性体混合物または分離された異性体形態として単離されうる。
【0084】
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野において公知の多数の方法のいずれによって行ってもよい。方法の例は光学活性塩形成性有機酸であるキラル分割酸を用いる分別再結晶である。分別再結晶法に好適な分割剤は、例えば、光学活性酸、例えば、DおよびL形態の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、または様々な光学活性ショウノウスルホン酸、例えば、β-ショウノウスルホン酸である。分別結晶化法に好適なその他の分割剤としては、立体異性体的に純粋な形態のα-メチルベンジルアミン(例えばSおよびR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
【0085】
ラセミ混合物の分割は、光学活性分割剤 (例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムでの溶出によっても行うことが出来る。好適な溶出溶媒の組成は当業者によって決定することが出来る。
【0086】
本発明の化合物は互変異性形態も含む。互変異性形態は、単結合の隣接する二重結合との交換(swapping)とともに、随伴するプロトンの移動の結果として起こる。互変異性形態は、同じ実験式と総電荷を有する異性体のプロトン化状態であるプロトトロピック(prototropic)互変異性体も含む。プロトトロピック互変異性体の例としては、ケトン-エノール対、アミド- イミド酸対、ラクタム- ラクチム対、アミド-イミド酸対、エナミン-イミン対、およびプロトンがヘテロ環系の2以上の位置を占めうる環状形態、例えば、1H-および 3H-イミダゾール、1H-、2H-および 4H- 1,2,4-トリアゾール、1H-および2H- イソインドール、および1H-および2H-ピラゾールが挙げられる。互変異性形態は平衡にあってもよいし、適当な置換によって立体的に一方の形態に固定されていてもよい。
【0087】
本発明の化合物は中間体または最終化合物に生じるすべての原子の同位体も含みうる。同位体には、同じ原子番号であるが、質量数が異なる原子が含まれる。例えば、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が含まれる。
【0088】
本明細書において用いる場合、「化合物」という語は、示された構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体および同位体を含む意味である。「化合物」という語は、さらに安定な化合物を意味する。
【0089】
すべての化合物およびその医薬上許容される塩は、溶媒和または水和形態を含む意味である。
【0090】
ある態様において、本発明の化合物およびその塩は、実質的に単離されている。「実質的に単離」とは、化合物が少なくとも部分的または実質的にそれが形成または検出された環境から分離されていることを意味する。部分的分離には、例えば、本発明の化合物に富む組成物が含まれうる。実質的分離は少なくとも 約 50重量%、少なくとも 約 60重量%、少なくとも 約 70重量%、少なくとも 約 80重量%、少なくとも 約 90重量%、少なくとも 約 95重量%、少なくとも 約 97重量%、または少なくとも 約 99重量%の本発明の化合物またはその塩を含む組成物を含みうる。化合物およびその塩を単離する方法は当該技術分野において常套的である。
【0091】
本明細書において用いられる「医薬上許容される」という表現は、通常の医薬の判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに好適であって過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、またはその他の問題または合併症がなく、適切な利益/危険比に見合う、化合物、物質、組成物および/または剤形をいう。
【0092】
本発明はまた、本明細書に記載する化合物の医薬上許容される塩も含む。本明細書において用いる場合、「医薬上許容される塩」は、開示された化合物の誘導体であって、親化合物が存在する酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾されたものである。医薬上許容される塩の例としては、これらに限定されないが、塩基性残基、例えば、アミンの鉱酸または有機酸塩;酸性残基、例えば、カルボン酸のアルカリまたは有機塩; 等が挙げられる。本発明の医薬上許容される塩には、例えば、非毒性無機または有機酸から形成される、親化合物の常套の非毒性塩または四級アンモニウム塩が含まれる。本発明の医薬上許容される塩は、塩基性または酸性部分を有する親化合物から常套の化学的方法によって合成することが出来る。一般に、かかる塩はこれら化合物の遊離酸または塩基形態と、化学量論の、水または有機溶媒、あるいはそれらの混合物中の適当な塩基または酸とを反応させることによって調製できる; 一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。好適な塩の例は、Remington’s Phermaceutical Sciences、17th ed.、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985、p. 1418およびJournal of Phermaceutical Sciences、66、2 (1977)に記載されており、そのそれぞれは、その全体を引用により本明細書に含める。
【0093】
本発明はまた、本明細書に記載する化合物のプロドラッグを含む。本明細書において用いる場合、「プロドラッグ」は、哺乳類対象に投与した場合、活性親薬剤を放出するあらゆる共有結合した担体を意味する。プロドラッグは常套の操作またはインビボで修飾が切断されて親化合物となるように化合物において存在する官能基を修飾することにより調製されうる。プロドラッグは、哺乳類対象に投与された場合、切断されて遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基をそれぞれ形成するあらゆる基に結合したヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基を有する化合物を含む。プロドラッグの例としては、これらに限定されないが、本発明の化合物におけるアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体が挙げられる。プロドラッグの調製および使用は、 T. Higuchi and V. Stella、”Prodrugs as Novel Delivery Systems,” Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、および、Bioreversible Carriers in Drug Design、ed. Ed-Ward B. Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987に記載されており、その両方はその全体を引用により本明細書に含める。
【0094】
合成
本発明の新規化合物は有機合成の当業者に知られている様々な方法で調製することが出来る。本発明の化合物は以下に記載する方法を、有機合成化学の技術分野において公知の合成方法または当業者に理解されるその改変とともに用いて合成することが出来る。
【0095】
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質から以下の一般方法および手順を用いて調製することが出来る。典型的または好ましい工程の条件(即ち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力、等)が与えられる場合、その他の工程の条件も特に断りのない限り用いることが出来ることが理解されよう。最適反応条件は特定の反応物または使用する溶媒に応じて変わりうるが、かかる条件は常套の最適化手順により当業者によって決定されうる。
【0096】
本明細書に記載する方法は当該技術分野において公知のいずれの好適な方法によってモニターしてもよい。例えば、生成物形成は、分光学的手段、例えば、核磁気共鳴分光法 (例えば、1H または13C NMR)、赤外分光法(IR)、分光光度法 (例えば、UV-可視光)、または質量分析によってモニターしてもよいし、クロマトグラフィー、例えば、 高速液体クロマトグラフィー (HPLC)または薄層クロマトグラフィーによってモニターしてもよい。
【0097】
化合物の調製は、様々な化学基の保護および脱保護を伴いうる。保護および脱保護、そして適当な保護基の選択の必要は当業者に容易に決定されうる。保護基の化学は、例えば、Green、et al.、Protective Group in Organic Chemistry、2d. Ed.、Wiley & Sons、1991にみられ、その全体を引用により本明細書に含める。
【0098】
本明細書に記載する方法の反応は有機合成の当業者によって容易に選択できる好適な溶媒中で行うとよい。好適な溶媒とは反応が行われる温度で、即ち、溶媒の凍結温度から溶媒の沸点までの範囲であり得る温度で、出発物質 (反応物)、中間体、または生成物と実質的に反応しないものであろう。所与の反応は1つの溶媒または2以上の溶媒混合物中で行うことが出来る。特定の反応工程に応じて、特定の反応工程に好適な溶媒を選択すればよい。
【0099】
本発明の化合物は、例えば、以下のスキームに示すような反応経路および技術を用いて調製することが出来る。
【0100】
スキーム 1
【化11】

【0101】
スキーム 1によると、ケトン化合物 1 (ここでXは保護されていてもよい)はアミノ 化合物 R2NH2 による還元的アミノ化を経ると化合物 3が得られる。この場合、R2は典型的には低級アルキル基、例えば、 MeまたはEtである。あるいは、式 2のアミノ化合物は、対応する tert-ブチル カルバメートに常套の方法により変換されうる。カルバメート 化合物は次いでR2-ハロゲンを用いてR2-置換され得、次いで酸 (例えば、HClまたはトリフルオロ酢酸)による処理により、化合物 3がその対応する塩として得られる。p-ニトロフェニル カルバメート 5を調製するために、アミノ 化合物 4を p-ニトロフェニルクロロホーメートと好適な塩基の存在下で反応させうる。カルバメート 5と3の好適な塩基の存在下での反応によりウレア化合物 6が得られ、これはさらに常套の方法により所望により官能化できる。あるいは、アミン 4をカルボニル ジイミダゾールにより処理すると対応する活性化イミダゾールウレアが得られ、これをさらに3と反応させるとウレア6が得られる。6と、例えば、DMF中の水素化ナトリウムとの反応、次いで適当な R1-ハロゲンによる処理により7が得られる。
【0102】
スキーム 2
【化12】

【0103】
スキーム 2は、本発明のウレアを合成するための別の一般経路を示す。化合物 4は対応する モノ-置換 アミン8に常套の方法により変換されうる。例えば、化合物 4 はBoc 無水物と反応すると対応する tert-ブチル カルバメートが得られ、これを次いで適当な R1-ハロゲンにより処理するとBoc 基の脱保護の後、R1-置換アミン8が得られる。化合物 8 を次いでカルボニル ジイミダゾールにより処理すると対応する イミダゾールウレア 中間体 が得られ、これは次いでさらに活性化イミダゾリウム塩 9にヨードメタンによる処理により変換される。イミダゾリウム塩とアミン 3との反応によりウレア 7が得られる。
【0104】
スキーム 3
【化13】

【0105】
スキーム 3は、環状 ウレア 14を調製するための例示的な経路を示す。アミン 4は、好適なカップリング試薬 (例えば、 EDC) の存在下で適当な ビス-酸 モノエステル (pは、例えば、 0〜3であり得る)と反応すると対応するアミド 10が得られる。10におけるエステルは加水分解されると対応する 酸 11が得られ、これを次いでアミン 2とのカップリングに供する。その結果得られた ビス-アミド 12は当該技術分野で知られている水素化アルミニウムリチウムまたはボラン還元 条件下で対応する ビス-アミン 13へと還元される。13のカルボニル ジイミダゾールによる処理により環状 ウレア 14が得られる。 構造 14 はさらに誘導体化されると本発明のその他の化合物が得られる。
【0106】
方法
本発明の化合物は、11βHSD1の活性を調節することができる。「調節する」という用語は、酵素の活性を上昇または低下させる能力を意味する。したがって、本発明の化合物は、11βHSD1を、該酵素を本明細書に記載する1以上の化合物または組成物と接触させることにより調節する方法に利用できる。ある態様において、本発明の化合物は、11βHSD1の阻害剤として作用しうる。さらなる態様において、本発明の化合物は、酵素の調節を必要とする個体において、11βHSD1の活性を調節する量の本発明の化合物を投与することによる、11βHSD1の活性の調節にも利用できる。
【0107】
本発明はさらに細胞におけるコルチゾンからコルチゾールへの変換の阻害方法または細胞におけるコルチゾール産生の阻害方法を提供し、ここで、コルチゾールへの変換またはコルチゾールの産生は、少なくとも部分的には、11βHSD1 活性により媒介される。コルチゾンからコルチゾールおよびその逆の変換速度の測定方法、ならびにコルチゾンおよびコルチゾールの細胞中レベルの測定方法は当該技術分野において常套的である。
【0108】
本発明はさらに、細胞と本発明の化合物とを接触させることによる細胞のインスリン感受性を上昇させる方法を提供する。インスリン感受性の測定方法は当該技術分野において常套的である。
【0109】
本発明はさらに個体(例えば、患者)における11βHSD1の活性または発現、例えば、異常な活性および過剰発現に関連する疾患の治療方法を提供する。該方法は、治療上有効量または有効用量の本発明の化合物またはその医薬組成物をかかる治療を必要とする個体に投与することによる。例示的な疾患には、該酵素または受容体の発現または活性に直接的または直接的に関連する疾患、障害または症状が含まれる。 11βHSD1-関連疾患には、該酵素活性を調節することにより、予防、寛解または治癒されうるあらゆる疾患、障害または症状も含まれる。
【0110】
11βHSD1-関連疾患の例としては、肥満、糖尿病、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、高血糖、アテローム性動脈硬化症、高血圧、高脂血症、認知障害、認知症、欝病 (例えば、精神病性欝病)、緑内障、心血管障害、骨粗鬆症、および炎症が挙げられる。さらなる11βHSD1-関連疾患の例としては、メタボリック症候群、2型糖尿病、アンドロゲン過剰 (多毛症、月経不順、高アンドロゲン症) および多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) が挙げられる。
【0111】
本明細書において用いる場合、「細胞」という用語は、インビトロ、エキソビボまたはインビボの細胞を意味する。ある態様において、エキソビボの細胞は、生物、例えば、哺乳類から切り出した組織サンプルの一部であってもよい。ある態様において、インビトロの細胞は、細胞培養物中の細胞であってもよい。ある態様において、インビボの細胞は、生物、例えば、哺乳類中の生細胞である。ある態様において、細胞は、脂肪細胞、膵臓細胞、肝細胞、神経細胞、または眼を構成する細胞である。
【0112】
本明細書において用いる場合、「接触させる」という用語は、インビトロ系またはインビボ系において示された部分を互いに一緒にすることをいう。例えば、11βHSD1 酵素と本発明の化合物とを「接触させる」ことには、本発明の化合物の個体または患者、例えば、 11βHSD1を有するヒトへの投与、ならびに例えば、本発明の化合物の、11βHSD1 酵素を含む細胞または精製調製物を含むサンプルへの導入が含まれる。
【0113】
本明細書において用いる場合、「個体」または「患者」という用語は、互換的に用いられ、あらゆる動物をいい、例えば、哺乳類、好ましくはマウス、ラット、その他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類が挙げられ、もっとも好ましくはヒトである。
【0114】
本明細書において用いる場合、「治療上有効量」という用語は、組織、系、動物、個体またはヒトにおいて研究者、獣医、医者またはその他の臨床家によって調べられる生物学的または医学的応答を誘発する活性化合物または医薬品の量をいう。
【0115】
本明細書において用いる場合、「治療する」または「治療」という語は以下の1以上をいう: (1)疾患の予防; 例えば、疾患、症状または障害に罹患しやすいが疾患の病理または症状を経験または示したことがない個体における疾患、症状または障害の予防; (2) 疾患の阻害; 例えば、疾患、症状または障害の病理または症状を経験または示している個体における疾患、症状または障害の阻害;および(3) 疾患の寛解; 例えば、疾患、症状または障害の病理または症状を経験または示している個体における疾患、症状または障害の寛解(即ち、病理および/または症状からの回復) 例えば、疾患の重篤度の低下。
【0116】
医薬製剤および剤形
医薬として用いる場合、本発明の化合物を医薬組成物の形態で投与すればよい。かかる組成物は薬学分野に周知の方法で調製することが出来、局所的または全身的のいずれの治療が望ましいか、そして治療されるべき領域に応じて様々な経路で投与することが出来る。投与は、局所(例えば、経眼および経粘膜、例えば、鼻腔内、経膣および直腸送達)、肺 (例えば、散剤またはエアロゾルの吸入またはガス注入による、例えば 噴霧器による; 気管内、鼻腔内、上皮および経皮)、眼球、経口または非経口であってよい。眼球送達方法としては例えば、局所投与(点眼)、結膜下、眼窩周囲または硝子体内注射または結膜嚢に外科的に配置されたバルーンカテーテルまたは眼挿入物による導入が挙げられる。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内または筋肉内注射または注入;または頭蓋内、例えば、くも膜下腔内または脳室内投与が挙げられる。非経口投与は、単回注射の形態であってもよく、あるいは、例えば、連続的注入ポンプによるものであってもよい。局所投与のための医薬組成物および剤形には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体および散剤が含まれうる。常套の医薬用の担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤等が必要であることや望ましいこともあり得る。
【0117】
本発明は、1以上の医薬上許容される 担体と組み合わせて1以上の上記の本発明の化合物を活性成分として含む医薬組成物も包含する。本発明の組成物の製造において、活性成分は 典型的には賦形剤と混合され、賦形剤により希釈され、または例えば、カプセル、小袋、紙、またはその他の容器のような形態にてかかる担体に封入される。賦形剤が希釈剤として作用する場合は、それは活性成分の媒体、担体または媒介物質として作用する、固体、半固体、または液体物質であってよい。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、小袋、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中)、例えば、10重量%までの活性化合物を含む軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、坐薬、滅菌注射可能溶液および滅菌充填散剤の形態であり得る。
【0118】
剤形の調製において、活性化合物はその他の成分との混合の前に粉砕されて適当な粒径とされうる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、それは粉砕して200 メッシュ未満の粒径とすればよい。活性化合物が実質的に水溶性の場合、粒径は粉砕によって調整され、例えば、約 40 メッシュの剤形において実質的に均一な分布が提供される。微粉化した (ナノ粒子状の)本発明の化合物の調製物は当該技術分野において知られている方法によって調製することが出来、例えば、国際特許出願WO 2002/000196を参照されたい。
【0119】
好適な賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。剤形はさらに以下を含んでいてもよい:滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、およびミネラルオイル; 湿潤剤; 乳化剤および懸濁剤; 保存料、例えば、安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル; 甘味料;および香味料。本発明の組成物は当該技術分野において知られた手順の使用により、患者への投与後に活性成分が迅速、持続または遅延放出するように製剤してもよい。
【0120】
組成物は単位用量形態にて製剤してもよく、各用量は約 5〜約 100 mg、より通常には約 10〜約 30 mgの活性成分を含む。「単位用量形態」という用語は、ヒト対象およびその他の哺乳類のための単一の用量として好適な物理的に離れた単位をいい、各単位は好適な医薬用賦形剤と組み合わせて、所望の 治療効果を与えるよう計算されたあらかじめ決定された量の活性物質を含む。
【0121】
活性化合物は広範な用量範囲で有効であり得、一般に医薬上有効量にて投与される。しかし、実際に投与する化合物の量は、通常医師によって、関連する状況、例えば治療すべき症状、選択した投与経路、実際に投与する化合物の種類、個体患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重篤度等にしたがって決定されることを理解されたい。
【0122】
固体組成物、例えば、錠剤の製造のために、活性主成分は医薬用賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均一な混合物を含む固体予備処方組成物に形成される。かかる予備処方組成物が均一であるという場合、活性成分は典型的には、組成物を同等に有効な単位用量形態、例えば、錠剤、丸剤およびカプセルに容易にさらに分割できるように組成物中に均一に分散している。この固体予備処方は次いで、例えば、0.1〜 約 500 mgの本発明の活性成分を含む上記タイプの単位用量形態へとさらに分割される。
【0123】
本発明の錠剤または丸剤は被覆されていてもよいし、あるいは、持効性作用の利点を与える剤形を提供するよう配合されてもよい。例えば、錠剤または丸剤は、内側用量および外側用量成分を含んでいてもよく、後者は前者の外被の形態を取る。これら2成分は腸溶性層により分離されていてもよく、かかる層は、胃での崩壊に耐え、内側成分がそのままの状態で十二指腸を通過することを可能にし、あるいは放出を遅らせることを可能にする。様々な材料をかかる腸溶性層または被覆のために使用でき、かかる材料としては、多数の高分子酸および高分子酸とセラック、セチルアルコール、およびセルロースアセテートなどの材料との混合物が挙げられる。
【0124】
本発明の化合物および組成物が経口または注射による投与のために導入され得る液体形態としては、水溶液、好適に香味をつけたシロップ、水性または油性懸濁液、および香味をつけた、食用油、例えば、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油による乳濁液およびエリキシル剤および類似の医薬用媒体が挙げられる。
【0125】
吸入またはガス注入のための組成物としては、医薬上許容される水性または有機溶媒またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液ならびに粉末が挙げられる。液体または固体組成物は上記のような好適な医薬上許容される賦形剤を含んでいてもよい。ある態様において、組成物は経口または経鼻呼吸経路により局所または全身作用のために投与される。組成物は不活性ガスの使用により噴霧されてもよい。噴霧される溶液は噴霧装置から直接的に吸ってもよいし、噴霧装置を顔用マスクのテントにつけてもよいし、間欠的陽圧呼吸機器によって吸ってもよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物は経口または経鼻的に剤形を適当な方法で送達する装置から投与してもよい。
【0126】
患者に投与する化合物または組成物の量は、投与されるもの、投与目的、例えば、予防または治療、患者の状態、投与方法等に依存して変動する。治療用途においては、組成物は疾患に既に罹患している患者に疾患およびその合併症の症状を治癒させるか少なくとも部分的に停止させるのに十分な量投与すればよい。有効用量は治療すべき疾患の症状、および例えば、疾患の重篤度、患者の年齢、体重および全体的な症状等の因子に依存してかかりつけ医師の判断により変動する。
【0127】
患者に投与される組成物は上記の医薬組成物の形態であってよい。かかる組成物は、常套の滅菌技術によって滅菌してもよいし、無菌ろ過してもよい。水溶液はそのまま使用するように梱包されてもよいし、凍結乾燥されてもよく、凍結乾燥調製物は無菌水性担体と投与前に混合される。化合物の調製物のpHは典型的には3〜11の間であり、より好ましくは5〜9でありもっとも好ましくは7〜8である。特定の上記賦形剤、担体または安定剤の使用により、医薬塩が形成されるということが理解されるであろう。
【0128】
本発明の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与方法、患者の健康状況および症状、および処方する医師の判断にしたがって変動しうる。医薬組成物における本発明の化合物の割合または濃度は、用量、化学的性質 (例えば、疎水性)、および投与経路のような多数の因子によって変動しうる。例えば、本発明の化合物は非経口投与のための化合物を約 0.1〜約 10% w/v含む生理的緩衝水溶液において提供されうる。典型的な用量範囲は約 1μg/kg〜約 1 g/kg体重/日である。ある態様において、用量範囲は約 0.01 mg/kg体重 /日〜約 100 mg/kg体重 /日である。用量はおそらく疾患または障害のタイプおよび進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択した化合物の相対的生物学的有効性、賦形剤の剤形、およびその投与経路といった可変条件に依存するであろう。有効用量はインビトロまたは動物モデル試験系から得た用量応答曲線から外挿することができる。
【0129】
本発明の化合物はあらゆる医薬品を含みうる1以上のさらなる活性成分と組み合わせて製剤してもよく、例えば、抗ウイルス薬、抗体、免疫抑制剤、抗炎症剤等が挙げられる。
【0130】
標識化合物およびアッセイ方法
本発明の別の側面は標識(放射標識、蛍光標識等)された本発明の化合物に関し、それは放射性イメージングのみならず、インビトロおよびインビボの両方のアッセイにも有用であり得、かかるアッセイは、ヒトを含む組織サンプルにおける酵素の局在決定および定量のため、および、標識化合物の結合の阻害によるリガンドの同定のために行われる。したがって、本発明は、かかる標識化合物を含む酵素アッセイも包含する。
【0131】
本発明はさらに、同位体標識された本発明の化合物を含む。「同位体」または「放射」標識された化合物は、1以上の原子が、典型的には自然界に見られる(即ち天然の) 原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって交換または置換されている本発明の化合物である。本発明の化合物に組み込むことが出来る好適な放射性核種としては、これらに限定されないが、 2H (重水素でありDとも記載される)、3H(トリチウムでありTとも記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125Iおよび131Iが挙げられる。本発明の放射標識化合物に組み込まれる放射性核種は、放射標識化合物の特定の用途に依存する。例えば、インビトロ受容体標識および競合アッセイのためには、3H、14C、82Br、125I 、131I、35Sを組み込んだ化合物が一般にもっとも有用であろう。放射性イメージング用途には、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brまたは77Brが一般にもっとも有用であろう。
【0132】
「放射標識化合物」は少なくとも1つの放射性核種を組み込んだ化合物であるということが理解される。ある態様において、放射性核種は3H、14C、125I 、35Sおよび82Brから選択される。
【0133】
ある態様において、本発明の標識化合物は蛍光標識を含む。放射性同位体および蛍光標識を有機化合物に組込むための合成方法は、当該技術分野において周知である。
【0134】
本発明の標識(放射標識、蛍光標識等)化合物は化合物の同定/評価のためのスクリーニングアッセイにおいて利用することが出来る。例えば、標識された新規に合成または同定された化合物 (即ち、被験化合物)は、その11βHSD1と接触した際の濃度の変動を、標識の追跡によりモニターすることによって11βHSD1へのその結合能力について評価することが出来る。別の例として、(標識)被験化合物は、11βHSD1に結合することが知られている別の化合物(即ち、標準化合物)の結合を低下させるその能力について評価することが出来る。したがって、11βHSD1に対する結合について標準化合物と競合する被験化合物の能力は直接その結合親和性と相関する。逆に、別のスクリーニングアッセイにおいて、標準化合物を標識し、被験化合物は標識しない。したがって、標識標準化合物の濃度が標準化合物と被験化合物との間の競合の評価のためにモニターされ、被験化合物の相対結合親和性がそのようにして確認される。
【0135】
キット
本発明はまた、例えば、11βHSD1-関連疾患または障害、肥満、糖尿病 およびその他の本明細書にて言及する疾患の治療または予防に有用な医薬キットも包含し、かかるキットは、治療上有効量の本発明の化合物を含む医薬組成物を含んでいる1以上の容器を含む。かかるキットはさらに、所望により、1以上の様々な常套の医薬キット成分、例えば、1以上の医薬上許容される担体を含む容器、追加的な容器等を含んでいてもよく、これは当業者に明らかである。挿入されていてもラベルであってもよいが、投与される成分の量、投与のための説明および/または成分の混合のための説明を示す説明書もまた、キットに含めることが出来る。
【0136】
本発明を特定の実施例によりさらに詳細に記載する。以下の実施例は例示の目的で記載されたものであり、決して本発明を限定する意図はない。当業者であれば本質的に同じ結果をもたらすよう変化または改変できる様々な必須でないパラメーターを容易に認識するであろう。実施例の特定の化合物は、本明細書に提供するアッセイの1以上にしたがって11βHSD1の阻害剤であることが判明した。
【実施例】
【0137】
実施例 1
N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア
【化14】

【0138】
工程 1. 4-(メチルアミノ)シクロヘキサノール ヒドロクロリド
テトラヒドロフラン (120.0 mL、1.479 mol)中のテトラヒドロアルミン酸リチウム (2.70 g、0.0711 mol) の懸濁液にtert-ブチル (4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート (3.00 g、0.0139 mol)を添加した。反応混合物を一晩還流しながら加熱した。室温まで冷却した後、混合物を水 (2.70 mL、0.150 mol)、3.750 Mの水中の水酸化ナトリウム (2.70 mL) (15%)、および水 (8.100 mL、0.4496 mol)の連続した滴下により注意深くクエンチした。室温で1時間撹拌した後、混合物をセライトのパッドでろ過した。ろ液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。粗物質を次の工程に直接用いた。LCMS (M+H) 130.2。 粗アミンをジオキサン溶液中の40 mLの4 M HClで室温で4時間処理し、次いで蒸発させて乾燥させて対応する HCl 塩 (2.16 g、93.57%)を得た。
【0139】
工程 2. N'-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N-メチルウレア
塩化メチレン (10.0 mL、0.156 mol)中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン (0.500 g、0.00263 mol) およびp-ニトロフェニル クロロホーメート (0.557 g、0.00276 mol)の混合物にトリエチルアミン (1.47 mL、0.0105 mol) を0℃で添加した。室温で1時間撹拌した後、その結果得られた混合物に、シス-4-(メチルアミノ)シクロヘキサノール ヒドロクロリド (0.480 g、0.00289 mol) を添加した。反応を室温で一晩撹拌し、次いで水で希釈した。 混合物 をEtOAcで抽出した。 抽出物を合わせ、水、塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。粗生成物 を次の工程に直接用いた。分析的に純粋なサンプルをRP-HPLCにより得た。LCMS (M+H) 345.0。
【0140】
工程 3. N'-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N-(4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシシクロヘキシル)-N-メチルウレア
N,N-ジメチルホルムアミド (2.06 mL、0.0266 mol) 中のN'-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N-メチルウレア (0.750 g、0.00217 mol)、tert-ブチルジメチルシリル クロリド (0.393 g、0.00261 mol)および1H-イミダゾール (0.222 g、0.00326 mol)の混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。 合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残渣をヘキサン中0 〜10% EtOAcで溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、生成物 (682 mg、68.32%)を得た。LCMS (M+H) 459.1。
【0141】
工程 4. N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア
N,N-ジメチルホルムアミド (1.0E1 mL、0.14 mol)中のN'-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N-(シス-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-シクロヘキシル)-N-メチルウレア (630.0 mg、0.001371 mol) の混合物に水素化ナトリウム (0.110 g、0.00274 mol) を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、ヨウ化メチル (0.128 mL、0.00206 mol)で室温でさらに3時間処理した。反応を塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて乾燥させ、メチル化中間体を得た。LCMS (M+H) 473.1。
【0142】
10.0 mLのアセトニトリル中のその結果得られた残渣に水 (2.1 mL)中の2.00 Mのフルオロケイ酸を添加した。反応を室温で2時間撹拌した。その結果得られた混合物を1 N NaOHで中和しEtOAcで抽出した。抽出物を 蒸発させて乾燥させ、 残渣 をヘキサン中0〜60% EtOAcで溶出するシリカゲルで精製し、生成物 (420 mg、85.27%)を得た。LCMS (M+H) 359.0。
【0143】
実施例 2
N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N-エチル-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチルウレア
【化15】

【0144】
この化合物は実施例 1に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 373.0。
【0145】
実施例 3
N-アリル-N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチルウレア
【化16】

【0146】
この化合物は実施例 1に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 385.0。
【0147】
実施例 4
N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチル-N-(3-メチルブト-2-エン-1-イル)ウレア
【化17】

【0148】
この化合物は実施例 1に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 413.1。
【0149】
実施例 5
N-ベンジル-N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチルウレア
【化18】

【0150】
この化合物は実施例 1に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 435.1。
【0151】
実施例 6
tert-ブチル ((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)[(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)(メチル)アミノ]カルボニル-アミノ)アセテート
【化19】

【0152】
この化合物は実施例 1に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 459.0。
【0153】
実施例 7
5-3-フルオロ-4-[[(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)(メチル)アミノ]カルボニル(メチル)アミノ]フェニル-N-メチルピリジン-2-カルボキサミド
【化20】

【0154】
N,N-ジメチルホルムアミド (0.223 mL、0.00288 mol)中のN-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア (10.0 mg、0.0000278 mol)、N-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-カルボキサミド (10.9 mg、0.0000418 mol) および炭酸カリウム (11.5 mg、0.0000835 mol) の混合物を窒素で5分間脱気した。ジクロロメタンと錯体形成した[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ) フェロセン]ジクロロパラジウム(II) (1:1) (3.41 mg、4.18E-6 mol)の添加後、その結果得られた混合物を120℃で4時間加熱した。反応混合物 をアセトニトリルおよび水で希釈し、0.3 U 膜でろ過した。ろ液をRP-HPLCに供し、所望の生成物 (5 mg、40%)を得た。 LCMS (M+H) 415.2。
【0155】
実施例 8
5-[4-(エチル[(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)(メチル)アミノ]カルボニルアミノ)-3-フルオロフェニル]-N-メチルピリジン-2-カルボキサミド
【化21】

【0156】
この化合物は実施例 7に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 429.2。
【0157】
実施例 9
N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチル-N-プロピルウレア
【化22】

【0158】
0.5 mL の MeOH中の N-アリル-N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチルウレア (5 mg、0.00001 mol) の混合物を 5% Pt/Cの存在下で、水素のバルーン圧下で、2時間水素化した。触媒をろ過した後、ろ液を蒸発させて乾燥させ標題の化合物 (4 mg、80%)を得た。LCMS (M+H) 387.1。
【0159】
実施例 10
N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N'-メチル-N-(3-メチルブチル)ウレア
【化23】

【0160】
この化合物は実施例 9に記載のものと類似の方法で調製した。 LCMS (M+H) 337.2。
【0161】
実施例 11
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチル-3-オキソ-1'H,3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,3'-ピロリジン]-1'-カルボキサミド
【化24】

【0162】
工程 1. tert-ブチル (4-クロロ-2-フルオロフェニル)カルバメート
テトラヒドロフラン (40 mL、0.4 mol)中の4-クロロ-2-フルオロアニリン (4.0 mL、0.036 mol; Aldrich) の溶液に 0℃でテトラヒドロフラン (72 mL)中の1.0 Mのリチウム ヘキサメチルジシリアジドを1時間かけて添加した。その結果得られた明紫色溶液 を室温まで昇温させ室温で30分間撹拌した。反応にテトラヒドロフラン (20 mL、0.2 mol)中のジ-tert-ブチルジカーボネート (8.30 g、0.0380 mol)の溶液を10分間かけて添加した。混合物 を室温で35分間撹拌し、飽和 NH4Clでクエンチし、EtOAcで希釈し、分離した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残渣をヘキサン中0-10% EtOAcで溶出するcombiflashで精製し、4.33g の橙色固体 (48.9%)を得た。LCMS (M+H) 246.1。
【0163】
工程 2. tert-ブチル (4-クロロ-2-フルオロフェニル)メチルカルバメート
N,N-ジメチルホルムアミド (8.0 mL、0.10 mol)中のtert-ブチル (4-クロロ-2-フルオロフェニル)カルバメート (0.948 g、0.00386 mol)の冷却(0℃) 溶液に、水素化ナトリウム (0.169 g、0.00422 mol) を添加した。室温で1時間撹拌した後、その結果得られた 混合物にヨウ化メチル (0.29 mL、0.0046 mol) を添加した。反応 を室温で1時間撹拌し、EtOAcで希釈し、水で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残渣 を0-10% EtOAc/ヘキサンで溶出するcombiflashで精製し、所望の生成物 (980 mg、97.79%)を得た。 LCMS (+H) 260.1。
【0164】
工程 3. 4-クロロ-2-フルオロ-N-メチルアニリン ヒドロクロリド
tert-ブチル (4-クロロ-2-フルオロフェニル)メチルカルバメート (980 mg、0.0038 mol) を1,4-ジオキサン (10 mL)中の4.0 Mの塩化水素で室温で3時間処理した。混合物を次いで蒸発させて乾燥させて褐色固体 (674 mg、91.11%)を得、これを次の工程に直接用いた。 LCMS (M+H) 196.0。
【0165】
工程 4. 1-[(4-クロロ-2-フルオロフェニル)(メチル)アミノ]カルボニル-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム ヨウ化物
テトラヒドロフラン (20.0 mL、0.123 mol)中の4-クロロ-2-フルオロ-N-メチルアニリン ヒドロクロリド (0.668 g、0.00341 mol)およびトリエチルアミン (1.4 mL、0.010 mol) の懸濁液に、N,N-カルボニルジイミダゾール (0.616 g、0.00380 mol) を添加した。 反応混合物を室温で22 時間撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、水、塩水で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥させ 、ろ過し、濃縮した。 その結果得られた粗 N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチル-1H-イミダゾール-1-カルボキサミド を次の工程に直接用いた。
【0166】
アセトニトリル (3.0 mL、0.057 mol)中のN-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチル-1H-イミダゾール-1-カルボキサミド (19 mg、0.000075 mol) の溶液にヨウ化メチル (20 μL、0.00032 mol) を添加した。反応 を室温で3 日間撹拌し、蒸発させて乾燥させ、カルバモイル イミダゾリウム塩 (33 mg、72.39%)を得た。精製せずに次の工程に用いた。
【0167】
工程 5. N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチル-3-オキソ-1'H,3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,3'-ピロリジン]-1'-カルボキサミド
アセトニトリル (1.3 mL、0.025 mol)中の1-[(4-クロロ-2-フルオロフェニル)(メチル)アミノ]カルボニル-3-メチル-1H-イミダゾール-3-イウム ヨウ化物 (16.5 mg、0.0000271 mol) の溶液に [7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト-1-イル]メタンスルホン酸 - 3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,3'-ピロリジン]-3-オン塩 (1:1) (19.8 mg、0.0000470 mol)およびトリエチルアミン (15 μL、0.00011 mol) を添加した。 混合物を室温で一晩撹拌した。その結果得られた混合物を蒸発させて乾燥させた。残渣 をRP-HPLCで精製し所望の生成物を得た。 LCMS、白色粉末 (8.80 mg、86.61%)としての所望の生成物と一致。LCMS (M+H) 375.0。
【0168】
実施例 12
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチル-3-フェニルピロリジン-1-カルボキサミド
【化25】

【0169】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 333.1。
【0170】
実施例 13
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N'-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア
【化26】

【0171】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 315.1。
【0172】
実施例 14
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチル-2-オキサ-6-アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン-6-カルボキサミド
【化27】

【0173】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。 LCMS (M+H) 325.1。
【0174】
実施例 15
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N,4,4-トリメチル-2-オキソ-1-オキサ-3,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボキサミド
【化28】

【0175】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 356.1。
【0176】
実施例 16
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N,4,4-トリメチル-1-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノナン-7-カルボキサミド
【化29】

【0177】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 341.1。
【0178】
実施例 17
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N,1,3,3-テトラメチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-カルボキサミド
【化30】

【0179】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 339.1。
【0180】
実施例 18
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N'-シクロヘキシル-N,N'-ジメチルウレア
【化31】

【0181】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 299.1。
【0182】
実施例 19
N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N,N'-ジメチル-N'-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ウレア
【化32】

【0183】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 301.1。
【0184】
実施例 20
N'-1-アダマンチル-N-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-メチルウレア
【化33】

【0185】
この化合物は実施例 11に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 337.1。
【0186】
実施例 21
5-(3-フルオロ-4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-1,3-ジメチルウレイド)フェニル)-N,N-ジメチルピコリンアミド
【化34】

【0187】
工程 1. N-[2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-N'-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア
1,4-ジオキサン (7.0 mL、0.090 mol)中のN-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-N'-(シス-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア (289 mg、0.000804 mol)、 4,4,5,5,4',4',5',5'-オクタメチル-[2,2']ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル] (227 mg、0.000894 mol)、酢酸カリウム (243 mg、0.00248 mol)および1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン (19.5 mg、0.0000352 mol) の混合物に、ジクロロメタンと錯体(1:1)を形成した[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II) (30.0 mg、0.0000367 mol) を添加した。反応を窒素で2回脱気し、80℃で16時間加熱した。混合物 を酢酸エチルで希釈し、2x 水で抽出した。水層を合わせ、 2x EtOAcで洗浄した。 合わせた有機物を乾燥させ (Na2SO4)、ろ過し、蒸発させて乾燥させた。 残渣 をヘキサン中0-100% EtOAc で溶出するcombiflashで精製し、所望の生成物 (106 mg、32.43%)を得た。LCMS (M+H): 407.2。
【0188】
工程 2. 5-(3-フルオロ-4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-1,3-ジメチルウレイド)フェニル)-N,N-ジメチルピコリンアミド トリフルオロ酢酸 (塩)
N-[2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-N'-( 4-ヒドロキシシクロヘキシル)-N,N'-ジメチルウレア (28.6 mg、0.0000704 mol)、5-ブロモ-N,N-ジメチルピリジン-2-カルボキサミド (21.6 mg、0.0000943 mol)、ジクロロメタンと錯体(1:1)を形成した [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II) (3.2 mg、0.0000039 mol) および炭酸カリウム (28 mg、0.00020 mol)に N,N-ジメチルホルムアミド (0.50 mL、0.0064 mol) を添加した。 混合物 を窒素で2回脱気し120℃で6 時間加熱した。その結果得られた混合物 をMeCN/MeOH/水で希釈し、ろ過した。ろ液を RP-HPLCにかけ所望の生成物をTFA 塩 (14.8 mg、38.75%)として得た。LCMS (M+H) 429.2。
【0189】
実施例 22
N-エチル-5-(3-フルオロ-4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-1,3-ジメチルウレイド)フェニル)ピコリンアミド
【化35】

【0190】
この化合物は実施例 21に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 429.2。
【0191】
実施例 23
N-シクロプロピル-5-(3-フルオロ-4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-1,3-ジメチルウレイド)フェニル)ピコリンアミド
【化36】

【0192】
この化合物は実施例 21に記載のものと類似の方法で調製した。LCMS (M+H) 441.2。
【0193】
実施例 A
11βHSD1の酵素アッセイ
すべてのインビトロ アッセイは11βHSD1 活性のソースとして清澄化した可溶化液を用いて行った。エピトープタグ付加した形態の全長ヒト 11βHSD1を発現するHEK-293 一過性トランスフェクタントを遠心分離により収集した。およそ 2 x 107 細胞を40 mLの 溶解バッファー (25 mM トリス-HCl、pH 7.5、0.1 M NaCl、1 mM MgCl2および250 mMスクロース) に再懸濁し、微少流動化剤(microfluidizer)中に溶解した。可溶化液を遠心分離により清澄化し、上清をアリコートとし、凍結した。
【0194】
被験化合物による11βHSD1の阻害をインビトロでシンチレーション近接アッセイ (SPA)により評価した。乾燥被験化合物をDMSO中に5 mMとなるように溶解した。これらをDMSOに希釈し、SPA アッセイに好適な濃度とした。0.8 μLの化合物の2-倍段階希釈をDMSO中に 384 ウェルプレート上にドットとし、3 logの化合物濃度が包含されるようにした。20 μLの清澄化した可溶化液を各ウェルに添加した。反応をアッセイバッファー (25 mM トリス-HCl、pH 7.5、0.1 M NaCl、1 mM MgCl2)中に終濃度400μM NADPH、25 nM 3H-コルチゾンおよび0.007% Triton X-100となるように20 μLの基質-補因子混合物を添加することにより開始した。プレートを37℃で1時間インキュベートした。反応を10μM カルベノキソロンおよびコルチゾール-特異的モノクローナル抗体とともにプレインキュベートした40 μLの抗-マウス被覆SPA ビーズの添加によりクエンチした。クエンチしたプレートをTopcount シンチレーションカウンターでの読みの前に最小30 分間室温でインキュベートした。 可溶化液を含まない対照、阻害された可溶化液を含む対照、およびmAbを含まない対照もルーチン的に行った。かかる条件下で非阻害反応において11βHSD1によりおよそ 30%の入力コルチゾンが減少した。
【0195】
このアッセイにしたがってIC50 値が約 20μM未満であった被験化合物を活性であるとみなした。
【0196】
実施例 B
11βHSD1活性についての細胞に基づくアッセイ
末梢血単核細胞(PBMC)を正常ヒトボランティアからFicoll 密度遠心分離により単離した。細胞を96 ウェルプレート中の200 μLのAIM V (Gibco-BRL) 培地に4x105 細胞/ウェルにて播種した。細胞を50 ng/ml 組換え ヒト IL-4 (R&D Systems)により一晩刺激した。翌朝、200 nM コルチゾン(Sigma) を様々な濃度の化合物の存在下または非存在下で添加した。細胞を48 時間インキュベートし、次いで上清を回収した。コルチゾンからコルチゾールへの変換は市販の ELISA (Assay Design)により測定した。
【0197】
このアッセイにしたがってIC50 値が約 20μM未満である被験化合物を活性であるとみなした。
【0198】
本明細書に記載したものに加えて本発明の様々な改変が上記記載から当業者に明らかであろう。かかる改変は、添付の請求項の範囲内に含まれると意図される。すべての特許、特許出願および刊行物を含む本出願において引用した各参考文献はいずれもその全体を引用により本明細書に含める。


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【公表番号】特表2009−535420(P2009−535420A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509991(P2009−509991)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/067753
【国際公開番号】WO2007/130898
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(505193450)インサイト・コーポレイション (52)
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
【Fターム(参考)】