3次元形状測定装置
【課題】チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる3次元形状測定装置を提供する。
【解決手段】3次元形状測定装置10は、波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物Wに対して照射するチャープ機器16と、被測定物Wを反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ部22a、22b、22cと、複数のシャッタ部22a、22b、22cにより切り出された反射チャープ光と前記複数のシャッタ部22a、22b、22cの位置情報とを用いて、被測定物Wの複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得部26とを備え、複数のシャッタ部22a、22b、22cは、被測定物Wの基準位置に対して距離が異なるように設けられている。
【解決手段】3次元形状測定装置10は、波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物Wに対して照射するチャープ機器16と、被測定物Wを反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ部22a、22b、22cと、複数のシャッタ部22a、22b、22cにより切り出された反射チャープ光と前記複数のシャッタ部22a、22b、22cの位置情報とを用いて、被測定物Wの複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得部26とを備え、複数のシャッタ部22a、22b、22cは、被測定物Wの基準位置に対して距離が異なるように設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の3次元形状を測定する3次元形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被測定物(例えば、ワーク)の3次元情報を測定する方法として、下記に示す特許文献1に記載されているように、波長が規則的に経時変化するチャープ光を被測定物に照射してその反射光を所定タイミングで切り出して撮像することで、3次元情報を計測する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2500379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11は、従来技術の3次元形状測定装置の課題を示す図であり、前記所定タイミングにおける反射光の状態を示す図である。被測定物102は、奥行きが異なる測定領域Xと測定領域Yとを有し、測定領域Xは測定領域Yに比べシャッタ部100側にある。被測定物102の測定領域Xによって反射されたチャープ光は、前記所定タイミング時にシャッタ部100に到達しているため、シャッタ部100は、測定領域Xによって反射されたチャープ光を切り出すことができる。この切り出されたチャープ光は、撮像部104によって撮像されるので、測定領域Xの3次元情報を得ることができる。
【0005】
しかしながら、測定領域Xよりシャッタ部100から遠い位置にある被測定物102の測定領域Yによって反射されたチャープ光は、前記所定タイミング時にシャッタ部100に到達していないため、シャッタ部100は、測定領域Yからの反射光を切り出すことができず、測定領域Yの3次元情報を得ることができない。
【0006】
逆に、測定領域Yによって反射されたチャープ光がシャッタ部100に到達しているタイミングでチャープ光を切り出そうとすると、測定領域Xによって反射されたチャープ光は、シャッタ部100を通過してしまい、測定領域Xによって反射されたチャープ光を切り出すことができない。
【0007】
このように、測定領域Xと測定領域Yの距離差が、チャープ光の長さの1/2以上の場合は、どちらか一方の測定領域の3次元情報しか得ることができない。つまり、被測定物102の奥行きの計測範囲は、チャープ光の長さに依存し、前記奥行きの計測範囲より奥行きがある被測定物の3次元情報を1回の計測で得ることができない。
【0008】
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる3次元形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物に対して照射するチャープ光生成手段と、前記被測定物を反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ手段と、前記複数のシャッタ手段により切り出された前記反射チャープ光と、前記複数のシャッタ手段の位置情報とを用いて、前記被測定物の複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、を備え、前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物の基準位置に対して距離が異なるように設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記複数のシャッタ手段は、入射された前記反射チャープ光の偏光方向を変える非線形媒質を用いて、前記反射チャープ光を切り出すものであり、各前記シャッタ手段の非線形媒質の配置間隔が前記反射チャープ光の長さ以下となるように、前記複数のシャッタ手段が設けられている。
【0011】
前記複数のシャッタ手段は、光を切出す切出し条件が互いに異なる。
【0012】
前記切出し条件は、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を含んでもよい。
【0013】
前記チャープ光と同時に前記チャープ光の波長帯域以外のインデックス光を前記被測定物に対して照射するインデックス光照射手段を備えてもよく、前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物を反射した前記反射チャープ光及び前記インデックス光を前記所定タイミングで前記所定の期間切り出し、前記切出し条件は、切り出す前記インデックス光の波長帯域を含んでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物に対して照射するチャープ光生成手段と、前記被測定物を反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ手段と、前記複数のシャッタ手段により切り出された前記反射チャープ光と、前記複数のシャッタ手段の位置情報とを用いて、前記被測定物の複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得手段とを備え、前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物の基準位置に対して距離が異なるように設けられているので、チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる。
【0015】
複数のシャッタ手段は、光を切り出す切り出し条件が互いに異なるので、複数のシャッタ手段により切り出される光を撮像する撮像部の数を少なくすることができ、コストが低廉になり、3次元形状測定装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図2】図1のシャッタ部の構成を示す図である。
【図3】第1実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。
【図4】第2実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図5】第2実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。
【図6】第3実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図7】3つの撮像素子を有し、インデックス光を撮像する撮像部の構成の一例を示す図である。
【図8】1つの撮像素子を有し、インデックス光を撮像する撮像部に設けられるフィルタ部の構成を示す図である。
【図9】図6のシャッタ部の構成を示す図である。
【図10】第3実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。
【図11】従来技術の3次元形状測定装置の課題を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明に係る3次元形状測定装置を、好適な実施の形態を掲げ添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0018】
[第1実施の形態]
図1は、第1実施の形態の3次元形状測定装置10の全体構成図である。3次元形状測定装置10は、レーザ装置12と、ビームスプリッタ14と、チャープ機器16と、拡大光学系18と、集光光学系20と、複数のシャッタ部22(22a、22b、22c)と、シャッタ駆動制御部24と、3次元情報取得部26と、を備える。
【0019】
レーザ装置12は、パルスのレーザ光(以下、パルス光という)を発生して、チャープ機器(チャープ光生成手段)16に照射する。レーザ装置12が照射するパルス光は、高エネルギーのパルス光である。
【0020】
ビームスプリッタ14は、レーザ装置12とチャープ機器16との間に介装されており、レーザ装置12が照射したパルス光の一部を透過し、残部を反射する。ビームスプリッタ14を透過したパルス光はチャープ機器16に入射され、ビームスプリッタ14を反射したパルス光は、シャッタ駆動制御部24に入射される。
【0021】
チャープ機器16は、入射したパルス光を、波長が規則的に経時変化するチャープ光に変換し、拡大光学系18を介して被測定物Wに該チャープ光を照射する。つまり、チャープ機器16は、自己位相変調によりパルス光をチャープ光に変換する。拡大光学系18は、チャープ機器16から被測定物Wに対して照射されるチャープ光を拡大させるものである。
【0022】
集光光学系20は、被測定物Wからの反射したチャープ光(以下、反射チャープ光と呼ぶ)を、集光させてシャッタ部22a、22b、22cに照射する。
【0023】
シャッタ駆動制御部24は、入射されたパルス光のタイミングに基づいて、シャッタ部22a、22b、22cに入射されたチャープ光を切り出すタイミング(所定タイミング)及び切り出し期間(所定期間)を制御する。詳しくは、シャッタ駆動制御部24は、所定タイミングでシャッタリング光をシャッタ部22a、22b、22cに所定期間照射する。
【0024】
シャッタ部(シャッタ手段)22a、22b、22cは、被測定物Wの基準位置(例えば、被測定物Wの重心)に対して距離が異なるようにそれぞれ設けられている。詳しくは、シャッタ部22aは、被測定物Wに対して最も近い位置に設けられ、シャッタ部22cは、被測定物Wに対して最も遠い位置に設けられ、シャッタ部22bは、シャッタ部22aとシャッタ部22cとの中間の位置に設けられている。シャッタ部22a、22b、22cは、シャッタ駆動制御部24により制御された所定タイミングで、入射された反射チャープ光を所定期間だけ切り出す。詳しくは、シャッタ部22a、22b、22cは、シャッタリング光が入射された期間だけ入射された反射チャープ光を切り出す。シャッタ部22a、22b、22cによって切り出された反射チャープ光は、3次元情報取得部26にそれぞれ入射する。シャッタ部22a、22b、22cの構成については後述する。
【0025】
3次元情報取得部(3次元情報取得手段)26は、複数の撮像部30(30a、30b、30c)と、画像処理部32とを有する。撮像部30a、30b、30cは、シャッタ部22a、22b、22cが切り出した反射チャープ光を撮像する。詳しくは、撮像部30aは、シャッタ部22aが切り出した反射チャープ光を撮像し、撮像部30bは、シャッタ部22bが切り出した反射チャープ光を撮像し、撮像部30cは、シャッタ部22cが切り出した反射チャープ光を撮像する。なお、撮像部30a、30b、30cは、撮像素子と、チャープ光の波長帯域に含まれ、且つ、互いに異なる波長帯域の光を透過する複数のフィルタを有するフィルタ部とを有し(図示略)、複数の波長帯域の光をそれぞれ撮像する。撮像部30a、30b、30cがそれぞれ有する前記複数のフィルタが透過する波長帯域は、互いに完全に重複していなければよく、一部が重複していてもよい。
【0026】
撮像部30a、30b、30cは、撮像した画像を画像処理部32に出力し、画像処理部32は、撮像された画像に基づいて、被測定物Wのそれぞれの領域の3次元情報を求めて取得する。
【0027】
図2は、図1のシャッタ部22aの構成を示す図である。なお、シャッタ部22b、22cは、シャッタ部22aと同様の構成なのでシャッタ部22aのみ説明する。シャッタ部22aは、偏光フィルタ40と、非線形媒質(非線形光学素子)42と、偏光ビームスプリッタ44とを有する。
【0028】
偏光フィルタ40は、入射した反射チャープ光のうち、第1偏光方向(第1偏光状態)の反射チャープ光を透過し、それ以外の反射チャープ光を遮蔽する。偏光フィルタ40を透過した反射チャープ光は、第1偏光方向に偏光した直線偏光の反射チャープ光となる。
【0029】
非線形媒質42は、CS2、SrTiO3等からなるものであり、シャッタ駆動制御部24から照射されたシャッタリング光が入射された期間に、入射された反射チャープ光の偏光状態を変化させる。詳しくは、シャッタリング光が入射された期間だけ、入射された第1偏光方向の反射チャープ光を、第2偏光方向(第2偏光状態)の反射チャープ光に変化させる。
【0030】
偏光ビームスプリッタ44は、第1偏光方向の光を透過し、第2偏光方向の光を反射させる。この第1偏光方向と第2偏光方向とは互いに直交している。偏光ビームスプリッタ44を透過した光は、後続のシャッタ部22bに入射され、偏光ビームスプリッタ44によって反射された反射チャープ光は、撮像部30aによって撮像される。このように、シャッタ部22aは、入射された反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出すことができ、反射チャープ光を切り出さない間は、入射された反射チャープ光をそのまま透過させる。シャッタ部22aを透過した光は、シャッタ部22bに入射し、シャッタ部22bを透過した光はシャッタ部22cに入射する。
【0031】
なお、シャッタ部22aの非線形媒質42、シャッタ部22bの非線形媒質42、及びシャッタ部22cの非線形媒質42の配置間隔は、チャープ光(反射チャープ光)の長さ以下であることが好ましい。前記配置間隔がチャープ光の長さより長いと、計測できない領域が発生する可能性があるからである。
【0032】
図3は、所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。なお、図3では、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の配置間隔kは、チャープ光と同じ長さである。被測定物Wは、奥行きが異なる3つの測定領域(測定領域A、B、C)を有する。
【0033】
被測定物Wの測定領域Aからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22cの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Aからの反射チャープ光はシャッタ部22cによって切り出され、撮像部30cによって撮像される。また、被測定物Wの測定領域Bからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22bの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Bからの反射チャープ光はシャッタ部22bによって切り出され、撮像部30bによって撮像される。また、被測定物Wの測定領域Cからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22aの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Cからの反射チャープ光はシャッタ部22aによって切り出され、撮像部30aによって撮像される。
【0034】
このように、シャッタ部22a、22b、22cを被測定物Wに対して互いに距離が異なるように設けるので、チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる。
【0035】
そして、画像処理部32は、撮像部30a、30b、30cが撮像した画像に基づいて、測定領域A、B、Cの3次元情報を求める。この3次元情報の求め方は周知技術なので詳しくは説明しないが、撮像した反射チャープ光の波長によって被測定物Wの3次元情報を求める。ここで、単に、撮像部30a、30b、30cによって撮像された画像の各画素の波長情報によって3次元情報を求めてしまうと、正確な3次元情報を得ることができない。
【0036】
例えば、撮像部30a、30b、30cが撮像した画像の波長が同一の場合は、求めた測定領域A、B、Cの3次元情報は同一、つまり、測定領域A、B、Cの奥行きは同じとなってしまう。したがって、画像処理部32は、シャッタ部22a、22b、22cの位置情報(配置位置)も考慮して、測定領域A、B、Cの3次元情報を求める。例えば、撮像部30a、30b、30cが撮像した画像の波長が同一の場合は、撮像部30bが撮像した被写体(測定領域B)の3次元情報は、撮像部30cが撮像した被写体(測定領域A)よりシャッタ部22cとシャッタ部22bの配置間隔だけ奥まった位置にあり、撮像部30aが撮像した被写体(測定領域C)の3次元情報は、撮像部30bが撮像した被写体(測定領域B)よりシャッタ部22bとシャッタ部22aの配置間隔だけ奥まった位置にあると求めることになる。
【0037】
[第2実施の形態]
図4は、第2実施の形態の3次元形状測定装置50の全体構成図である。なお、図1と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
3次元形状測定装置50は、レーザ装置12と、ビームスプリッタ14と、チャープ機器16と、拡大光学系18と、集光光学系20と、複数のシャッタ部22(22a、22b、22c)と、シャッタ駆動制御部24と、ミラー52と、ビームスプリッタ54、56と、3次元情報取得部58とを備える。
【0039】
ミラー52は、シャッタ部22aが切り出した反射チャープ光を反射させ、ビームスプリッタ54に照射する。ビームスプリッタ54は、シャッタ部22bが切り出した反射チャープ光を反射させるとともに、ミラー52が反射した反射チャープ光を透過させる。ビームスプリッタ56は、シャッタ部22cが切り出した反射チャープ光を反射させるとともに、ビームスプリッタ54から入射した光を透過する。ビームスプリッタ56からの反射チャープ光は3次元情報取得部58に入射する。
【0040】
3次元情報取得部(3次元情報取得手段)58は、2つの撮像部60(60a、60b)と、画像処理部62とを有する。撮像部60aは、シャッタ部22a、22b、22cを全て透過した反射チャープ光を撮像し、撮像部60bは、シャッタ部22a、22b、22cがそれぞれ切り出した反射チャープ光を撮像する。撮像部60a、60bは、撮像素子と、チャープ光の波長帯域に含まれ、且つ、互いに異なる波長帯域の光を透過する複数のフィルタを有するフィルタ部とを有し、複数の波長帯域の光をそれぞれ撮像する。撮像部30a、30b、30cがそれぞれ有する前記複数のフィルタが透過する波長帯域は、互いに完全に重複していなければよく、一部が重複していてもよい。
【0041】
撮像部60a、60bは撮像した画像を画像処理部62に出力し、画像処理部62は、撮像された画像に基づいて、被測定物Wの各測定領域の3次元情報を求めて取得する。このとき、画像処理部62は、各シャッタ部22a、22b、22cの位置情報も考慮して、被測定物Wの各測定領域の3次元情報を求めて取得する。
【0042】
第2実施の形態では、シャッタ部22a、22b、22cの反射チャープ光の切出し条件が異なる。詳しくは、シャッタ部22a、22b、22cが切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量(光の強度)は、それぞれ異なる。
【0043】
具体的には、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の透過率が異なる。例えば、シャッタ部22aの非線形媒質42の透過率を100%、シャッタ部22bの非線形媒質42の透過率を80%、シャッタ部22cの非線形媒質42の透過率を60%とする。この場合は、シャッタ部22aによって切り出される反射チャープ光の単位時間当たりの光量を1とすると、シャッタ部22bが切り出す光の単位時間当たりの光量は、0.8となり、シャッタ部22cが切り出す光の単位時間当たりの光量は、0.8×0.6=0.48となる。
【0044】
また、例えば、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の透過率をそれぞれ80%とし、シャッタ部22aによって切り出される反射チャープ光の単位時間当たりの光量を1とすると、シャッタ部22bによって切り出される反射チャープ光の単位時間当たりの光量は、0.8となり、シャッタ部22cが切り出す光の単位時間当たりの光量は、0.8×0.8=0.64となる。
【0045】
なお、シャッタ部22a、22b、22cは、減光(ND)フィルタを用いて、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を変えるようにしてもよい。この場合、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42と偏光ビームスプリッタ44との間にNDフィルタを設けてもよい。また、シャッタ部22に照射するシャッタリング光の強度を変えることで光量を変えてもよい。
【0046】
図5は、第2実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。なお、図5では、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の配置間隔kは、チャープ光と同じ長さである。
【0047】
図3と同様に、被測定物Wの測定領域Aからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22cの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Aからの反射チャープ光はシャッタ部22cによって切り出される。被測定物Wの測定領域Bからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22bの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Bからの反射チャープ光はシャッタ部22bによって切り出さる。測定領域Cからの反射チャープ光はシャッタ部22aの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Cからの反射チャープ光はシャッタ部22aによって切り出される。所定タイミングで、シャッタ部22a、22b、22cが切り出した反射チャープ光は、ミラー52、ビームスプリッタ54、56を介して撮像部60bによって撮像される。
【0048】
一方で、所定タイミング前(シャッタリング光が照射される前)又は所定タイミングから所定期間経過後(シャッタリング光の照射が終了した後)の反射チャープ光は、シャッタ部22a、22b、22cの全てを透過し、該透過した反射チャープ光は撮像部60aによって撮像される。この場合、撮像部60aに入射する反射チャープ光は、シャッタ部22a、22b、22cの全てを透過するので、撮像部60aの各画素に入射する反射チャープ光の単位時間当たりの光量は、シャッタ部22cによって切り出されて撮像部60aの各画素に入射する反射チャープ光の単位時間当たりの光量と同じとなる。この撮像部60aが撮像した画像に基づいて求めた単位時間当たりの光量を基準光量とする。
【0049】
画像処理部62は、この基準光量を用いて、撮像部60bによって撮像された画像のうち、どの画素(領域)にどのシャッタ部22によって切り出された反射チャープ光が入射したか否かを特定する。例えば、画像処理部62は、撮像部60bが撮像した画像に基づいて、各画素における単位時間当たりの光量を求め、該求めた単位時間当たりの光量が基準光量と略一致する画素をシャッタ部22cによって切り出された反射チャープ光が入射した画素であると特定する。また、画像処理部62は、シャッタ部22c、22bが切り出す光量比(シャッタ部22c、22bに入射する光量と出力する光量との比、つまり、シャッタ部22c、22bの非線形媒質42の透過率)と基準光量とに基づいて、シャッタ部22b、22aによって切り出された反射チャープ光が入射した画素(領域)をそれぞれ特定する。
【0050】
例えば、シャッタ部22aの非線形媒質42の透過率が100%、シャッタ部22bの非線形媒質42の透過率が80%、シャッタ部22cの非線形媒質42の透過率が60%とし、シャッタ部22aによって切り出され撮像部60bの各画素に入射した反射チャープ光の単位時間当たりの光量を1とした場合、シャッタ部22bによって切り出され撮像部60bの各画素に入射した反射チャープ光の単位時間当たりの光量は0.8となり、シャッタ部22cによって切り出され撮像部60bの各画素に入射した反射チャープ光の単位時間当たりの光量は0.48となり、基準光量も0.48となる。
【0051】
したがって、単位時間当たりの光量が基準光量(0.48)と同一の画素をシャッタ部22cによって切り出された反射チャープ光が入射した画素と特定する。また、単位時間当たりの光量が、基準光量をシャッタ部22cが切り出す光量比(0.6)で除算した光量(0.8)と同一の画素をシャッタ部22bによって切り出された反射チャープ光が入射した画素と特定する。また、単位時間当たりの光量が、基準光量をシャッタ部22cが切り出す光量比(0.6)及びシャッタ部22bが切り出す光量比(0.8)で除算した光量(1)と同一の画素をシャッタ部22aによって切り出された反射チャープ光が入射した画素と特定する。
【0052】
画像処理部62は、撮像部60bが撮像した画像の各画素の波長と、各画素に入射した反射チャープ光を切り出したシャッタ部22の位置情報に基づいて、被測定物Wのそれぞれの領域の3次元情報を求める。
【0053】
このように、各シャッタ部22a、22b、22cが切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を変えることで、1つの撮像部60bで、各シャッタ部22a、22b、22cが所定タイミングで切り出した反射チャープ光を撮像した場合であっても、各シャッタ部22a、22b、22cが切り出した反射チャープ光がどの画素に入射したかを特定することでき、シャッタ部22a、22b、22cの位置情報を考慮して、被測定物Wのそれぞれ領域の3次元情報を得ることができる。
【0054】
また、第1実施の形態では、シャッタ部22の数に応じて、撮像部60を設ける必要があるが、第2実施の形態では、2つの撮像部60で済むことからコストが低廉になる。なお、第2実施の形態では、シャッタ部22a、22b、22cを透過した反射チャープ光を撮像する撮像部60aを設けるようにしたが、反射チャープ光の光量又は強度が安定している場合においては、撮像部60aは、必ずしも必須ではない。この場合は、撮像部60bが撮像した画像の各画素の光量に基づいて、各画素に入射した反射チャープ光を切り出したシャッタ部22を特定する。
【0055】
[第3実施の形態]
図6は、第3実施の形態の3次元形状測定装置70の全体構成図である。なお、図1、図4と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
3次元形状測定装置70は、レーザ装置12と、ビームスプリッタ14と、チャープ機器16と、拡大光学系18と、集光光学系20と、シャッタ駆動制御部24と、ミラー52と、ビームスプリッタ54、56とを備え、さらに、インデックス光照射装置72と、複数のシャッタ部74(74a、74b、74c)と、ビームスプリッタ76と、3次元情報取得部80と備える。
【0057】
インデックス光照射装置(インデックス光照射手段)72は、少なくともチャープ光が被測定物に対して照射されている期間、拡大光学系18を介してインデックス光を被測定物Wに対して照射する。インデックス光は、チャープ光が含まれない波長帯域の光であり、インデックス光の波長帯域をインデックス波長帯域と呼ぶ。このインデックス光照射装置72を備えることにより、被測定物Wからの反射光は、反射チャープ光とインデックス光とを有することになり、集光光学系20を介して、反射チャープ光とインデックス光とがシャッタ部74a、74b、74cにそれぞれ入射する。
【0058】
シャッタ部(シャッタ手段)74a、74b、74cは、入射した反射チャープ光及びインデックス光を所定タイミングで所定期間切り出すとともに、所定タイミング前(シャッタリング光が照射される前)又は所定タイミングから所定期間経過後(シャッタリング光の照射が終了した後)に入射した反射チャープ光を透過させる。シャッタ部74a、74b、74cは、光を切り出す切出し条件が互いに異なる。シャッタ部74a、74b、74cの構成については後述する。
【0059】
ビームスプリッタ76は、所定タイミングでシャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光及びインデックス光のうち、インデックス光を透過し、反射チャープ光を反射する。ビームスプリッタ76を透過したインデックス光は3次元情報取得部80に入射する。ビームスプリッタ76が反射した反射チャープ光は、3次元情報取得部80に入射する。
【0060】
3次元情報取得部(3次元情報取得手段)80は、撮像部82a、82bと、画像処理部84とを有する。撮像部82aは、図7に示すように、インデックス光を3つの光に分光して、撮像素子86a、86b、86cにそれぞれ入射させるプリズム88と、撮像素子86a、86b、86c側に設けられた光学フィルタ90a、90b、90cとを有する。
【0061】
光学フィルタ90a(以下、第1光学フィルタ90aという)は、第1波長帯域の光を透過するフィルタであり、光学フィルタ90b(以下、第2光学フィルタ90bという)は、第2波長帯域の光を透過するフィルタであり、光学フィルタ90c(以下、第3光学フィルタ90cという)は、第3波長帯域の光を透過するフィルタである。第1〜第3波長帯域は、インデックス波長帯域に含まれる波長帯域であり、且つ、互いに重複しない。
【0062】
プリズム88によって3つに分光された光は、光学フィルタ90a、90b、90cを介して、それぞれ撮像素子86a、86b、86cに入射する。これにより、撮像素子86aは、第1波長帯域のインデックス光を撮像し、撮像素子86bは、第2波長帯域のインデックス光を撮像し、撮像素子86cは、第3波長帯域のインデックス光を撮像することになる。
【0063】
撮像部82bは、撮像素子と、チャープ光の波長帯域に含まれ、且つ、互いに異なる波長帯域の光を透過する複数のフィルタを有するフィルタ部とを有し、複数の波長帯域の光をそれぞれ撮像する。撮像部82bが有する前記複数のフィルタが透過する波長帯域は、互いに完全に重複していなければよく、一部が重複していてもよい。
【0064】
なお、撮像素子を3つ用いる場合について説明したが、1つの撮像素子を用いて撮像部82aを構成してもよい。この場合は、撮像部82aは、図8に示すように、第1波長帯域の光を透過する複数の第1光学フィルタ90aと、第2波長帯域の光を透過する複数の第2光学フィルタ90bと、第3波長帯域の光を透過する複数の第3光学フィルタ90cと、第4波長帯域の光を透過する第4光学フィルタ90dとが規則的に配列されたフィルタ部92を備える。この第4波長帯域は、第1〜第3波長帯域とは異なる波長帯域であり、第1〜第3波長帯域と一部重複していてもよい。
【0065】
該フィルタ部92を透過した光が撮像部82aの撮像素子に入射する。この各第1光学フィルタ90a、第2光学フィルタ90b、第3光学フィルタ90c、及び第4光学フィルタ90dは、撮像部82aの撮像素子の各画素に対応して設けられている。例えば、1つの第1光学フィルタ90aを透過したインデックス光は、1つの画素によって撮像される。
【0066】
図9は、第3実施の形態のシャッタ部74aの構成を示す図である。シャッタ部74b、74cは、シャッタ部74aと同様の構成なので、シャッタ部74aのみ説明する。なお、図2と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
シャッタ部74aは、偏光フィルタ40と、非線形媒質42と、偏光ビームスプリッタ44と、バンドパスフィルタ90とを有する。バンドパスフィルタ90は、予め決められた波長帯域の光を透過するものであり、チャープ光と、前記インデックス波長帯域の一部の波長帯域の光を透過する。バンドパスフィルタ90には、偏光ビームスプリッタ44によって反射された第2偏光方向の反射チャープ光及びインデックス光が入射する。
【0068】
シャッタ部74aのバンドパスフィルタ90と、シャッタ部74bのバンドパスフィルタ90と、シャッタ部74cのバンドパスフィルタ90とは、インデックス光を透過するが、透過させるインデックス光の波長帯域が異なる。詳しくは、シャッタ部74aのバンドパスフィルタ90は、反射チャープ光と前記第1波長帯域のインデックス光を透過し、シャッタ部74bのバンドパスフィルタ90は、反射チャープ光と前記第2波長帯域のインデックス光を透過し、シャッタ部74cのバンドパスフィルタ90は、反射チャープ光と前記第3波長帯域のインデックス光を透過する。これにより、各シャッタ部74a、74b、74cによって反射チャープ光が切り出されると共に、各シャッタ部74固有の波長帯域のインデックス光が切り出される。このように、各シャッタ部74は、入射したインデックス光の切出し条件が互いに異なる。
【0069】
図10は、第3実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。なお、図10では、シャッタ部74a、74b、74cの非線形媒質42、42、42の配置間隔kは、チャープ光と同じ長さであり、インデックス光については図示を省略している。
【0070】
図3と同様に、被測定物Wの測定領域Aからの反射チャープ光及びインデックス光は、所定タイミング時にシャッタ部74cの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Aからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74cによって切り出される。被測定物Wの測定領域Bからの反射チャープ光及びインデックス光は、所定タイミング時にシャッタ部74bの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Bからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74bによって切り出さる。測定領域Cからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74aの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Cからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74aによって切り出される。所定タイミングで、シャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光及びインデックス光は、ミラー52、ビームスプリッタ54、56を介してビームスプリッタ76に入射する。なお、シャッタ部74aによって切り出されるインデックス光は第1波長帯域の光であり、シャッタ部74bによって切り出されるインデックス光は第2波長帯域の光であり、シャッタ部74cによって切り出されるインデックス光は第3波長帯域の光である。
【0071】
ビームスプリッタ76に入射した反射チャープ光及びインデックス光のうち、インデックス光は、ビームスプリッタ76を透過するので撮像部82aによって撮像され、反射チャープ光は、ビームスプリッタ76を反射して撮像部82bによって撮像される。
【0072】
画像処理部84は、撮像部82a、82bが撮像した画像に基づいて、被測定物Wの3次元情報を求める。画像処理部84は、撮像部82aが撮像した画像に基づいて、シャッタ部74a、74b、74bによって切り出されたインデックス光がどの画素に入射したかを特定する。撮像部82aは第1光学フィルタ90a、第2光学フィルタ90b、第3光学フィルタ90c、及び第4光学フィルタ90dを有するので、撮像部82bのどの画素にどのシャッタ部74によって切り出された反射チャープ光が入射したかを特定することができる。なお、図8に示すようなフィルタ部92を用いる場合は、さらに、反射チャープ光及び第4波長帯域のインデックス光を切り出すシャッタ部(第4のシャッタ部)74を設けるようにしてもよい。
【0073】
例えば、撮像部82aが1つの撮像素子と図8に示すフィルタ部92とから構成される場合は、シャッタ部74aによって切り出されたインデックス光は第1光学フィルタ90aに対応する画素によって撮像されるので容易に特定できる。そして、撮像部82aが撮像した画像と撮像部82bが撮像した画像との対応関係を用いて、画像処理部84は、撮像部82bの各画素にどのシャッタ部74によって切り出された反射チャープ光が入射したのかを特定することができる。なお、撮像部82aを図7に示す構成にした場合であっても、同様の手法により撮像部82bの各画素にどのシャッタ部74によって切り出された反射チャープ光が入射したのかを特定することができる。
【0074】
画像処理部84は、撮像部82bによって撮像された画像に基づいて、被測定物Wの3次元情報を求める。詳しくは、シャッタ部74の位置情報を考慮して撮像部82bの各画素が撮像した波長から被測定物Wの3次元情報を求める。ここで、撮像部82bには、シャッタ部74a、74b、74cによって切り出された反射チャープ光が入射するので、単に撮像した画像の波長に基づいて被測定物Wの3次元情報を求めてしまうと、正確な被測定物Wの3次元情報を得ることはできない。したがって、画像処理部84は、撮像部82bが撮像した各画素の波長と、各画素に入射された反射チャープ光を切り出したシャッタ部74の位置情報とに基づいて、被測定物の3次元情報を求める。
【0075】
このように、インデックス光を照射し、シャッタ部74a、74b、74cが切り出すインデックス光の波長帯域を異ならせ、シャッタ部74a、74b、74cが切り出したインデックス光を撮像部82aで撮像し、シャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光を撮像部82bで撮像するので、各シャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光が撮像部82bのどの画素に入射したかを特定することができ、シャッタ部74a、74b、74cの位置情報を考慮して、被測定物Wのそれぞれの領域の3次元情報を得ることができる。
【0076】
また、第1実施の形態では、シャッタ部22の数に応じて、撮像部60を設ける必要があるが、第3実施の形態では、2つの撮像部60で済むことからコストが低廉になる。さらに、第2実施の形態では、シャッタ部22a、22a、22cが切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を減衰させたが、第3実施の形態では、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を減衰させる必要がないので、被測定物Wの3次元情報の測定精度を向上させることができる。
【0077】
なお、上記各実施の形態では、また、各シャッタ部22、74に偏光フィルタ40を設けるようにしたが、集光光学系20とシャッタ部22a、74aとの間に偏光フィルタを設けるようにしてもよい。これにより、各シャッタ部22、74は、偏光フィルタ40を備える必要はなく、コストが低廉になる。
【0078】
また、第1〜第3実施の形態では、3つのシャッタ部22、74を有する3次元形状測定装置10、50、70を用いて説明したが、測定したい奥行きの計測範囲に応じて、シャッタ部22、74の数を設ければよく、シャッタ部22、74の数は3つに限られない。撮像部30、60、82は、シャッタ部22、74の数に応じて設けられる。
【0079】
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0080】
10、50、70…3次元形状測定装置
12…レーザ装置 16…チャープ機器
22、74…シャッタ部 24…シャッタ駆動制御部
26、58、80…3次元情報取得部
30、60、82…撮像部 40…偏光フィルタ
42…非線形媒質 44…偏光ビームスプリッタ
72…インデックス光照射装置 90…バンドパスフィルタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の3次元形状を測定する3次元形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被測定物(例えば、ワーク)の3次元情報を測定する方法として、下記に示す特許文献1に記載されているように、波長が規則的に経時変化するチャープ光を被測定物に照射してその反射光を所定タイミングで切り出して撮像することで、3次元情報を計測する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2500379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11は、従来技術の3次元形状測定装置の課題を示す図であり、前記所定タイミングにおける反射光の状態を示す図である。被測定物102は、奥行きが異なる測定領域Xと測定領域Yとを有し、測定領域Xは測定領域Yに比べシャッタ部100側にある。被測定物102の測定領域Xによって反射されたチャープ光は、前記所定タイミング時にシャッタ部100に到達しているため、シャッタ部100は、測定領域Xによって反射されたチャープ光を切り出すことができる。この切り出されたチャープ光は、撮像部104によって撮像されるので、測定領域Xの3次元情報を得ることができる。
【0005】
しかしながら、測定領域Xよりシャッタ部100から遠い位置にある被測定物102の測定領域Yによって反射されたチャープ光は、前記所定タイミング時にシャッタ部100に到達していないため、シャッタ部100は、測定領域Yからの反射光を切り出すことができず、測定領域Yの3次元情報を得ることができない。
【0006】
逆に、測定領域Yによって反射されたチャープ光がシャッタ部100に到達しているタイミングでチャープ光を切り出そうとすると、測定領域Xによって反射されたチャープ光は、シャッタ部100を通過してしまい、測定領域Xによって反射されたチャープ光を切り出すことができない。
【0007】
このように、測定領域Xと測定領域Yの距離差が、チャープ光の長さの1/2以上の場合は、どちらか一方の測定領域の3次元情報しか得ることができない。つまり、被測定物102の奥行きの計測範囲は、チャープ光の長さに依存し、前記奥行きの計測範囲より奥行きがある被測定物の3次元情報を1回の計測で得ることができない。
【0008】
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる3次元形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物に対して照射するチャープ光生成手段と、前記被測定物を反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ手段と、前記複数のシャッタ手段により切り出された前記反射チャープ光と、前記複数のシャッタ手段の位置情報とを用いて、前記被測定物の複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、を備え、前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物の基準位置に対して距離が異なるように設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記複数のシャッタ手段は、入射された前記反射チャープ光の偏光方向を変える非線形媒質を用いて、前記反射チャープ光を切り出すものであり、各前記シャッタ手段の非線形媒質の配置間隔が前記反射チャープ光の長さ以下となるように、前記複数のシャッタ手段が設けられている。
【0011】
前記複数のシャッタ手段は、光を切出す切出し条件が互いに異なる。
【0012】
前記切出し条件は、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を含んでもよい。
【0013】
前記チャープ光と同時に前記チャープ光の波長帯域以外のインデックス光を前記被測定物に対して照射するインデックス光照射手段を備えてもよく、前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物を反射した前記反射チャープ光及び前記インデックス光を前記所定タイミングで前記所定の期間切り出し、前記切出し条件は、切り出す前記インデックス光の波長帯域を含んでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物に対して照射するチャープ光生成手段と、前記被測定物を反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ手段と、前記複数のシャッタ手段により切り出された前記反射チャープ光と、前記複数のシャッタ手段の位置情報とを用いて、前記被測定物の複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得手段とを備え、前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物の基準位置に対して距離が異なるように設けられているので、チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる。
【0015】
複数のシャッタ手段は、光を切り出す切り出し条件が互いに異なるので、複数のシャッタ手段により切り出される光を撮像する撮像部の数を少なくすることができ、コストが低廉になり、3次元形状測定装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図2】図1のシャッタ部の構成を示す図である。
【図3】第1実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。
【図4】第2実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図5】第2実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。
【図6】第3実施の形態の3次元形状測定装置の全体構成図である。
【図7】3つの撮像素子を有し、インデックス光を撮像する撮像部の構成の一例を示す図である。
【図8】1つの撮像素子を有し、インデックス光を撮像する撮像部に設けられるフィルタ部の構成を示す図である。
【図9】図6のシャッタ部の構成を示す図である。
【図10】第3実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。
【図11】従来技術の3次元形状測定装置の課題を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明に係る3次元形状測定装置を、好適な実施の形態を掲げ添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0018】
[第1実施の形態]
図1は、第1実施の形態の3次元形状測定装置10の全体構成図である。3次元形状測定装置10は、レーザ装置12と、ビームスプリッタ14と、チャープ機器16と、拡大光学系18と、集光光学系20と、複数のシャッタ部22(22a、22b、22c)と、シャッタ駆動制御部24と、3次元情報取得部26と、を備える。
【0019】
レーザ装置12は、パルスのレーザ光(以下、パルス光という)を発生して、チャープ機器(チャープ光生成手段)16に照射する。レーザ装置12が照射するパルス光は、高エネルギーのパルス光である。
【0020】
ビームスプリッタ14は、レーザ装置12とチャープ機器16との間に介装されており、レーザ装置12が照射したパルス光の一部を透過し、残部を反射する。ビームスプリッタ14を透過したパルス光はチャープ機器16に入射され、ビームスプリッタ14を反射したパルス光は、シャッタ駆動制御部24に入射される。
【0021】
チャープ機器16は、入射したパルス光を、波長が規則的に経時変化するチャープ光に変換し、拡大光学系18を介して被測定物Wに該チャープ光を照射する。つまり、チャープ機器16は、自己位相変調によりパルス光をチャープ光に変換する。拡大光学系18は、チャープ機器16から被測定物Wに対して照射されるチャープ光を拡大させるものである。
【0022】
集光光学系20は、被測定物Wからの反射したチャープ光(以下、反射チャープ光と呼ぶ)を、集光させてシャッタ部22a、22b、22cに照射する。
【0023】
シャッタ駆動制御部24は、入射されたパルス光のタイミングに基づいて、シャッタ部22a、22b、22cに入射されたチャープ光を切り出すタイミング(所定タイミング)及び切り出し期間(所定期間)を制御する。詳しくは、シャッタ駆動制御部24は、所定タイミングでシャッタリング光をシャッタ部22a、22b、22cに所定期間照射する。
【0024】
シャッタ部(シャッタ手段)22a、22b、22cは、被測定物Wの基準位置(例えば、被測定物Wの重心)に対して距離が異なるようにそれぞれ設けられている。詳しくは、シャッタ部22aは、被測定物Wに対して最も近い位置に設けられ、シャッタ部22cは、被測定物Wに対して最も遠い位置に設けられ、シャッタ部22bは、シャッタ部22aとシャッタ部22cとの中間の位置に設けられている。シャッタ部22a、22b、22cは、シャッタ駆動制御部24により制御された所定タイミングで、入射された反射チャープ光を所定期間だけ切り出す。詳しくは、シャッタ部22a、22b、22cは、シャッタリング光が入射された期間だけ入射された反射チャープ光を切り出す。シャッタ部22a、22b、22cによって切り出された反射チャープ光は、3次元情報取得部26にそれぞれ入射する。シャッタ部22a、22b、22cの構成については後述する。
【0025】
3次元情報取得部(3次元情報取得手段)26は、複数の撮像部30(30a、30b、30c)と、画像処理部32とを有する。撮像部30a、30b、30cは、シャッタ部22a、22b、22cが切り出した反射チャープ光を撮像する。詳しくは、撮像部30aは、シャッタ部22aが切り出した反射チャープ光を撮像し、撮像部30bは、シャッタ部22bが切り出した反射チャープ光を撮像し、撮像部30cは、シャッタ部22cが切り出した反射チャープ光を撮像する。なお、撮像部30a、30b、30cは、撮像素子と、チャープ光の波長帯域に含まれ、且つ、互いに異なる波長帯域の光を透過する複数のフィルタを有するフィルタ部とを有し(図示略)、複数の波長帯域の光をそれぞれ撮像する。撮像部30a、30b、30cがそれぞれ有する前記複数のフィルタが透過する波長帯域は、互いに完全に重複していなければよく、一部が重複していてもよい。
【0026】
撮像部30a、30b、30cは、撮像した画像を画像処理部32に出力し、画像処理部32は、撮像された画像に基づいて、被測定物Wのそれぞれの領域の3次元情報を求めて取得する。
【0027】
図2は、図1のシャッタ部22aの構成を示す図である。なお、シャッタ部22b、22cは、シャッタ部22aと同様の構成なのでシャッタ部22aのみ説明する。シャッタ部22aは、偏光フィルタ40と、非線形媒質(非線形光学素子)42と、偏光ビームスプリッタ44とを有する。
【0028】
偏光フィルタ40は、入射した反射チャープ光のうち、第1偏光方向(第1偏光状態)の反射チャープ光を透過し、それ以外の反射チャープ光を遮蔽する。偏光フィルタ40を透過した反射チャープ光は、第1偏光方向に偏光した直線偏光の反射チャープ光となる。
【0029】
非線形媒質42は、CS2、SrTiO3等からなるものであり、シャッタ駆動制御部24から照射されたシャッタリング光が入射された期間に、入射された反射チャープ光の偏光状態を変化させる。詳しくは、シャッタリング光が入射された期間だけ、入射された第1偏光方向の反射チャープ光を、第2偏光方向(第2偏光状態)の反射チャープ光に変化させる。
【0030】
偏光ビームスプリッタ44は、第1偏光方向の光を透過し、第2偏光方向の光を反射させる。この第1偏光方向と第2偏光方向とは互いに直交している。偏光ビームスプリッタ44を透過した光は、後続のシャッタ部22bに入射され、偏光ビームスプリッタ44によって反射された反射チャープ光は、撮像部30aによって撮像される。このように、シャッタ部22aは、入射された反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出すことができ、反射チャープ光を切り出さない間は、入射された反射チャープ光をそのまま透過させる。シャッタ部22aを透過した光は、シャッタ部22bに入射し、シャッタ部22bを透過した光はシャッタ部22cに入射する。
【0031】
なお、シャッタ部22aの非線形媒質42、シャッタ部22bの非線形媒質42、及びシャッタ部22cの非線形媒質42の配置間隔は、チャープ光(反射チャープ光)の長さ以下であることが好ましい。前記配置間隔がチャープ光の長さより長いと、計測できない領域が発生する可能性があるからである。
【0032】
図3は、所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。なお、図3では、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の配置間隔kは、チャープ光と同じ長さである。被測定物Wは、奥行きが異なる3つの測定領域(測定領域A、B、C)を有する。
【0033】
被測定物Wの測定領域Aからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22cの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Aからの反射チャープ光はシャッタ部22cによって切り出され、撮像部30cによって撮像される。また、被測定物Wの測定領域Bからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22bの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Bからの反射チャープ光はシャッタ部22bによって切り出され、撮像部30bによって撮像される。また、被測定物Wの測定領域Cからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22aの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Cからの反射チャープ光はシャッタ部22aによって切り出され、撮像部30aによって撮像される。
【0034】
このように、シャッタ部22a、22b、22cを被測定物Wに対して互いに距離が異なるように設けるので、チャープ光の長さに依存することなく、奥行きの計測範囲を長くすることができる。
【0035】
そして、画像処理部32は、撮像部30a、30b、30cが撮像した画像に基づいて、測定領域A、B、Cの3次元情報を求める。この3次元情報の求め方は周知技術なので詳しくは説明しないが、撮像した反射チャープ光の波長によって被測定物Wの3次元情報を求める。ここで、単に、撮像部30a、30b、30cによって撮像された画像の各画素の波長情報によって3次元情報を求めてしまうと、正確な3次元情報を得ることができない。
【0036】
例えば、撮像部30a、30b、30cが撮像した画像の波長が同一の場合は、求めた測定領域A、B、Cの3次元情報は同一、つまり、測定領域A、B、Cの奥行きは同じとなってしまう。したがって、画像処理部32は、シャッタ部22a、22b、22cの位置情報(配置位置)も考慮して、測定領域A、B、Cの3次元情報を求める。例えば、撮像部30a、30b、30cが撮像した画像の波長が同一の場合は、撮像部30bが撮像した被写体(測定領域B)の3次元情報は、撮像部30cが撮像した被写体(測定領域A)よりシャッタ部22cとシャッタ部22bの配置間隔だけ奥まった位置にあり、撮像部30aが撮像した被写体(測定領域C)の3次元情報は、撮像部30bが撮像した被写体(測定領域B)よりシャッタ部22bとシャッタ部22aの配置間隔だけ奥まった位置にあると求めることになる。
【0037】
[第2実施の形態]
図4は、第2実施の形態の3次元形状測定装置50の全体構成図である。なお、図1と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
3次元形状測定装置50は、レーザ装置12と、ビームスプリッタ14と、チャープ機器16と、拡大光学系18と、集光光学系20と、複数のシャッタ部22(22a、22b、22c)と、シャッタ駆動制御部24と、ミラー52と、ビームスプリッタ54、56と、3次元情報取得部58とを備える。
【0039】
ミラー52は、シャッタ部22aが切り出した反射チャープ光を反射させ、ビームスプリッタ54に照射する。ビームスプリッタ54は、シャッタ部22bが切り出した反射チャープ光を反射させるとともに、ミラー52が反射した反射チャープ光を透過させる。ビームスプリッタ56は、シャッタ部22cが切り出した反射チャープ光を反射させるとともに、ビームスプリッタ54から入射した光を透過する。ビームスプリッタ56からの反射チャープ光は3次元情報取得部58に入射する。
【0040】
3次元情報取得部(3次元情報取得手段)58は、2つの撮像部60(60a、60b)と、画像処理部62とを有する。撮像部60aは、シャッタ部22a、22b、22cを全て透過した反射チャープ光を撮像し、撮像部60bは、シャッタ部22a、22b、22cがそれぞれ切り出した反射チャープ光を撮像する。撮像部60a、60bは、撮像素子と、チャープ光の波長帯域に含まれ、且つ、互いに異なる波長帯域の光を透過する複数のフィルタを有するフィルタ部とを有し、複数の波長帯域の光をそれぞれ撮像する。撮像部30a、30b、30cがそれぞれ有する前記複数のフィルタが透過する波長帯域は、互いに完全に重複していなければよく、一部が重複していてもよい。
【0041】
撮像部60a、60bは撮像した画像を画像処理部62に出力し、画像処理部62は、撮像された画像に基づいて、被測定物Wの各測定領域の3次元情報を求めて取得する。このとき、画像処理部62は、各シャッタ部22a、22b、22cの位置情報も考慮して、被測定物Wの各測定領域の3次元情報を求めて取得する。
【0042】
第2実施の形態では、シャッタ部22a、22b、22cの反射チャープ光の切出し条件が異なる。詳しくは、シャッタ部22a、22b、22cが切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量(光の強度)は、それぞれ異なる。
【0043】
具体的には、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の透過率が異なる。例えば、シャッタ部22aの非線形媒質42の透過率を100%、シャッタ部22bの非線形媒質42の透過率を80%、シャッタ部22cの非線形媒質42の透過率を60%とする。この場合は、シャッタ部22aによって切り出される反射チャープ光の単位時間当たりの光量を1とすると、シャッタ部22bが切り出す光の単位時間当たりの光量は、0.8となり、シャッタ部22cが切り出す光の単位時間当たりの光量は、0.8×0.6=0.48となる。
【0044】
また、例えば、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の透過率をそれぞれ80%とし、シャッタ部22aによって切り出される反射チャープ光の単位時間当たりの光量を1とすると、シャッタ部22bによって切り出される反射チャープ光の単位時間当たりの光量は、0.8となり、シャッタ部22cが切り出す光の単位時間当たりの光量は、0.8×0.8=0.64となる。
【0045】
なお、シャッタ部22a、22b、22cは、減光(ND)フィルタを用いて、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を変えるようにしてもよい。この場合、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42と偏光ビームスプリッタ44との間にNDフィルタを設けてもよい。また、シャッタ部22に照射するシャッタリング光の強度を変えることで光量を変えてもよい。
【0046】
図5は、第2実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。なお、図5では、シャッタ部22a、22b、22cの非線形媒質42、42、42の配置間隔kは、チャープ光と同じ長さである。
【0047】
図3と同様に、被測定物Wの測定領域Aからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22cの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Aからの反射チャープ光はシャッタ部22cによって切り出される。被測定物Wの測定領域Bからの反射チャープ光は、所定タイミング時にシャッタ部22bの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Bからの反射チャープ光はシャッタ部22bによって切り出さる。測定領域Cからの反射チャープ光はシャッタ部22aの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Cからの反射チャープ光はシャッタ部22aによって切り出される。所定タイミングで、シャッタ部22a、22b、22cが切り出した反射チャープ光は、ミラー52、ビームスプリッタ54、56を介して撮像部60bによって撮像される。
【0048】
一方で、所定タイミング前(シャッタリング光が照射される前)又は所定タイミングから所定期間経過後(シャッタリング光の照射が終了した後)の反射チャープ光は、シャッタ部22a、22b、22cの全てを透過し、該透過した反射チャープ光は撮像部60aによって撮像される。この場合、撮像部60aに入射する反射チャープ光は、シャッタ部22a、22b、22cの全てを透過するので、撮像部60aの各画素に入射する反射チャープ光の単位時間当たりの光量は、シャッタ部22cによって切り出されて撮像部60aの各画素に入射する反射チャープ光の単位時間当たりの光量と同じとなる。この撮像部60aが撮像した画像に基づいて求めた単位時間当たりの光量を基準光量とする。
【0049】
画像処理部62は、この基準光量を用いて、撮像部60bによって撮像された画像のうち、どの画素(領域)にどのシャッタ部22によって切り出された反射チャープ光が入射したか否かを特定する。例えば、画像処理部62は、撮像部60bが撮像した画像に基づいて、各画素における単位時間当たりの光量を求め、該求めた単位時間当たりの光量が基準光量と略一致する画素をシャッタ部22cによって切り出された反射チャープ光が入射した画素であると特定する。また、画像処理部62は、シャッタ部22c、22bが切り出す光量比(シャッタ部22c、22bに入射する光量と出力する光量との比、つまり、シャッタ部22c、22bの非線形媒質42の透過率)と基準光量とに基づいて、シャッタ部22b、22aによって切り出された反射チャープ光が入射した画素(領域)をそれぞれ特定する。
【0050】
例えば、シャッタ部22aの非線形媒質42の透過率が100%、シャッタ部22bの非線形媒質42の透過率が80%、シャッタ部22cの非線形媒質42の透過率が60%とし、シャッタ部22aによって切り出され撮像部60bの各画素に入射した反射チャープ光の単位時間当たりの光量を1とした場合、シャッタ部22bによって切り出され撮像部60bの各画素に入射した反射チャープ光の単位時間当たりの光量は0.8となり、シャッタ部22cによって切り出され撮像部60bの各画素に入射した反射チャープ光の単位時間当たりの光量は0.48となり、基準光量も0.48となる。
【0051】
したがって、単位時間当たりの光量が基準光量(0.48)と同一の画素をシャッタ部22cによって切り出された反射チャープ光が入射した画素と特定する。また、単位時間当たりの光量が、基準光量をシャッタ部22cが切り出す光量比(0.6)で除算した光量(0.8)と同一の画素をシャッタ部22bによって切り出された反射チャープ光が入射した画素と特定する。また、単位時間当たりの光量が、基準光量をシャッタ部22cが切り出す光量比(0.6)及びシャッタ部22bが切り出す光量比(0.8)で除算した光量(1)と同一の画素をシャッタ部22aによって切り出された反射チャープ光が入射した画素と特定する。
【0052】
画像処理部62は、撮像部60bが撮像した画像の各画素の波長と、各画素に入射した反射チャープ光を切り出したシャッタ部22の位置情報に基づいて、被測定物Wのそれぞれの領域の3次元情報を求める。
【0053】
このように、各シャッタ部22a、22b、22cが切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を変えることで、1つの撮像部60bで、各シャッタ部22a、22b、22cが所定タイミングで切り出した反射チャープ光を撮像した場合であっても、各シャッタ部22a、22b、22cが切り出した反射チャープ光がどの画素に入射したかを特定することでき、シャッタ部22a、22b、22cの位置情報を考慮して、被測定物Wのそれぞれ領域の3次元情報を得ることができる。
【0054】
また、第1実施の形態では、シャッタ部22の数に応じて、撮像部60を設ける必要があるが、第2実施の形態では、2つの撮像部60で済むことからコストが低廉になる。なお、第2実施の形態では、シャッタ部22a、22b、22cを透過した反射チャープ光を撮像する撮像部60aを設けるようにしたが、反射チャープ光の光量又は強度が安定している場合においては、撮像部60aは、必ずしも必須ではない。この場合は、撮像部60bが撮像した画像の各画素の光量に基づいて、各画素に入射した反射チャープ光を切り出したシャッタ部22を特定する。
【0055】
[第3実施の形態]
図6は、第3実施の形態の3次元形状測定装置70の全体構成図である。なお、図1、図4と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
3次元形状測定装置70は、レーザ装置12と、ビームスプリッタ14と、チャープ機器16と、拡大光学系18と、集光光学系20と、シャッタ駆動制御部24と、ミラー52と、ビームスプリッタ54、56とを備え、さらに、インデックス光照射装置72と、複数のシャッタ部74(74a、74b、74c)と、ビームスプリッタ76と、3次元情報取得部80と備える。
【0057】
インデックス光照射装置(インデックス光照射手段)72は、少なくともチャープ光が被測定物に対して照射されている期間、拡大光学系18を介してインデックス光を被測定物Wに対して照射する。インデックス光は、チャープ光が含まれない波長帯域の光であり、インデックス光の波長帯域をインデックス波長帯域と呼ぶ。このインデックス光照射装置72を備えることにより、被測定物Wからの反射光は、反射チャープ光とインデックス光とを有することになり、集光光学系20を介して、反射チャープ光とインデックス光とがシャッタ部74a、74b、74cにそれぞれ入射する。
【0058】
シャッタ部(シャッタ手段)74a、74b、74cは、入射した反射チャープ光及びインデックス光を所定タイミングで所定期間切り出すとともに、所定タイミング前(シャッタリング光が照射される前)又は所定タイミングから所定期間経過後(シャッタリング光の照射が終了した後)に入射した反射チャープ光を透過させる。シャッタ部74a、74b、74cは、光を切り出す切出し条件が互いに異なる。シャッタ部74a、74b、74cの構成については後述する。
【0059】
ビームスプリッタ76は、所定タイミングでシャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光及びインデックス光のうち、インデックス光を透過し、反射チャープ光を反射する。ビームスプリッタ76を透過したインデックス光は3次元情報取得部80に入射する。ビームスプリッタ76が反射した反射チャープ光は、3次元情報取得部80に入射する。
【0060】
3次元情報取得部(3次元情報取得手段)80は、撮像部82a、82bと、画像処理部84とを有する。撮像部82aは、図7に示すように、インデックス光を3つの光に分光して、撮像素子86a、86b、86cにそれぞれ入射させるプリズム88と、撮像素子86a、86b、86c側に設けられた光学フィルタ90a、90b、90cとを有する。
【0061】
光学フィルタ90a(以下、第1光学フィルタ90aという)は、第1波長帯域の光を透過するフィルタであり、光学フィルタ90b(以下、第2光学フィルタ90bという)は、第2波長帯域の光を透過するフィルタであり、光学フィルタ90c(以下、第3光学フィルタ90cという)は、第3波長帯域の光を透過するフィルタである。第1〜第3波長帯域は、インデックス波長帯域に含まれる波長帯域であり、且つ、互いに重複しない。
【0062】
プリズム88によって3つに分光された光は、光学フィルタ90a、90b、90cを介して、それぞれ撮像素子86a、86b、86cに入射する。これにより、撮像素子86aは、第1波長帯域のインデックス光を撮像し、撮像素子86bは、第2波長帯域のインデックス光を撮像し、撮像素子86cは、第3波長帯域のインデックス光を撮像することになる。
【0063】
撮像部82bは、撮像素子と、チャープ光の波長帯域に含まれ、且つ、互いに異なる波長帯域の光を透過する複数のフィルタを有するフィルタ部とを有し、複数の波長帯域の光をそれぞれ撮像する。撮像部82bが有する前記複数のフィルタが透過する波長帯域は、互いに完全に重複していなければよく、一部が重複していてもよい。
【0064】
なお、撮像素子を3つ用いる場合について説明したが、1つの撮像素子を用いて撮像部82aを構成してもよい。この場合は、撮像部82aは、図8に示すように、第1波長帯域の光を透過する複数の第1光学フィルタ90aと、第2波長帯域の光を透過する複数の第2光学フィルタ90bと、第3波長帯域の光を透過する複数の第3光学フィルタ90cと、第4波長帯域の光を透過する第4光学フィルタ90dとが規則的に配列されたフィルタ部92を備える。この第4波長帯域は、第1〜第3波長帯域とは異なる波長帯域であり、第1〜第3波長帯域と一部重複していてもよい。
【0065】
該フィルタ部92を透過した光が撮像部82aの撮像素子に入射する。この各第1光学フィルタ90a、第2光学フィルタ90b、第3光学フィルタ90c、及び第4光学フィルタ90dは、撮像部82aの撮像素子の各画素に対応して設けられている。例えば、1つの第1光学フィルタ90aを透過したインデックス光は、1つの画素によって撮像される。
【0066】
図9は、第3実施の形態のシャッタ部74aの構成を示す図である。シャッタ部74b、74cは、シャッタ部74aと同様の構成なので、シャッタ部74aのみ説明する。なお、図2と同様の構成のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
シャッタ部74aは、偏光フィルタ40と、非線形媒質42と、偏光ビームスプリッタ44と、バンドパスフィルタ90とを有する。バンドパスフィルタ90は、予め決められた波長帯域の光を透過するものであり、チャープ光と、前記インデックス波長帯域の一部の波長帯域の光を透過する。バンドパスフィルタ90には、偏光ビームスプリッタ44によって反射された第2偏光方向の反射チャープ光及びインデックス光が入射する。
【0068】
シャッタ部74aのバンドパスフィルタ90と、シャッタ部74bのバンドパスフィルタ90と、シャッタ部74cのバンドパスフィルタ90とは、インデックス光を透過するが、透過させるインデックス光の波長帯域が異なる。詳しくは、シャッタ部74aのバンドパスフィルタ90は、反射チャープ光と前記第1波長帯域のインデックス光を透過し、シャッタ部74bのバンドパスフィルタ90は、反射チャープ光と前記第2波長帯域のインデックス光を透過し、シャッタ部74cのバンドパスフィルタ90は、反射チャープ光と前記第3波長帯域のインデックス光を透過する。これにより、各シャッタ部74a、74b、74cによって反射チャープ光が切り出されると共に、各シャッタ部74固有の波長帯域のインデックス光が切り出される。このように、各シャッタ部74は、入射したインデックス光の切出し条件が互いに異なる。
【0069】
図10は、第3実施の形態の所定タイミング時における反射チャープ光の状態を示す図である。なお、図10では、シャッタ部74a、74b、74cの非線形媒質42、42、42の配置間隔kは、チャープ光と同じ長さであり、インデックス光については図示を省略している。
【0070】
図3と同様に、被測定物Wの測定領域Aからの反射チャープ光及びインデックス光は、所定タイミング時にシャッタ部74cの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Aからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74cによって切り出される。被測定物Wの測定領域Bからの反射チャープ光及びインデックス光は、所定タイミング時にシャッタ部74bの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Bからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74bによって切り出さる。測定領域Cからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74aの非線形媒質42に到達しているため、測定領域Cからの反射チャープ光及びインデックス光はシャッタ部74aによって切り出される。所定タイミングで、シャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光及びインデックス光は、ミラー52、ビームスプリッタ54、56を介してビームスプリッタ76に入射する。なお、シャッタ部74aによって切り出されるインデックス光は第1波長帯域の光であり、シャッタ部74bによって切り出されるインデックス光は第2波長帯域の光であり、シャッタ部74cによって切り出されるインデックス光は第3波長帯域の光である。
【0071】
ビームスプリッタ76に入射した反射チャープ光及びインデックス光のうち、インデックス光は、ビームスプリッタ76を透過するので撮像部82aによって撮像され、反射チャープ光は、ビームスプリッタ76を反射して撮像部82bによって撮像される。
【0072】
画像処理部84は、撮像部82a、82bが撮像した画像に基づいて、被測定物Wの3次元情報を求める。画像処理部84は、撮像部82aが撮像した画像に基づいて、シャッタ部74a、74b、74bによって切り出されたインデックス光がどの画素に入射したかを特定する。撮像部82aは第1光学フィルタ90a、第2光学フィルタ90b、第3光学フィルタ90c、及び第4光学フィルタ90dを有するので、撮像部82bのどの画素にどのシャッタ部74によって切り出された反射チャープ光が入射したかを特定することができる。なお、図8に示すようなフィルタ部92を用いる場合は、さらに、反射チャープ光及び第4波長帯域のインデックス光を切り出すシャッタ部(第4のシャッタ部)74を設けるようにしてもよい。
【0073】
例えば、撮像部82aが1つの撮像素子と図8に示すフィルタ部92とから構成される場合は、シャッタ部74aによって切り出されたインデックス光は第1光学フィルタ90aに対応する画素によって撮像されるので容易に特定できる。そして、撮像部82aが撮像した画像と撮像部82bが撮像した画像との対応関係を用いて、画像処理部84は、撮像部82bの各画素にどのシャッタ部74によって切り出された反射チャープ光が入射したのかを特定することができる。なお、撮像部82aを図7に示す構成にした場合であっても、同様の手法により撮像部82bの各画素にどのシャッタ部74によって切り出された反射チャープ光が入射したのかを特定することができる。
【0074】
画像処理部84は、撮像部82bによって撮像された画像に基づいて、被測定物Wの3次元情報を求める。詳しくは、シャッタ部74の位置情報を考慮して撮像部82bの各画素が撮像した波長から被測定物Wの3次元情報を求める。ここで、撮像部82bには、シャッタ部74a、74b、74cによって切り出された反射チャープ光が入射するので、単に撮像した画像の波長に基づいて被測定物Wの3次元情報を求めてしまうと、正確な被測定物Wの3次元情報を得ることはできない。したがって、画像処理部84は、撮像部82bが撮像した各画素の波長と、各画素に入射された反射チャープ光を切り出したシャッタ部74の位置情報とに基づいて、被測定物の3次元情報を求める。
【0075】
このように、インデックス光を照射し、シャッタ部74a、74b、74cが切り出すインデックス光の波長帯域を異ならせ、シャッタ部74a、74b、74cが切り出したインデックス光を撮像部82aで撮像し、シャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光を撮像部82bで撮像するので、各シャッタ部74a、74b、74cが切り出した反射チャープ光が撮像部82bのどの画素に入射したかを特定することができ、シャッタ部74a、74b、74cの位置情報を考慮して、被測定物Wのそれぞれの領域の3次元情報を得ることができる。
【0076】
また、第1実施の形態では、シャッタ部22の数に応じて、撮像部60を設ける必要があるが、第3実施の形態では、2つの撮像部60で済むことからコストが低廉になる。さらに、第2実施の形態では、シャッタ部22a、22a、22cが切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を減衰させたが、第3実施の形態では、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を減衰させる必要がないので、被測定物Wの3次元情報の測定精度を向上させることができる。
【0077】
なお、上記各実施の形態では、また、各シャッタ部22、74に偏光フィルタ40を設けるようにしたが、集光光学系20とシャッタ部22a、74aとの間に偏光フィルタを設けるようにしてもよい。これにより、各シャッタ部22、74は、偏光フィルタ40を備える必要はなく、コストが低廉になる。
【0078】
また、第1〜第3実施の形態では、3つのシャッタ部22、74を有する3次元形状測定装置10、50、70を用いて説明したが、測定したい奥行きの計測範囲に応じて、シャッタ部22、74の数を設ければよく、シャッタ部22、74の数は3つに限られない。撮像部30、60、82は、シャッタ部22、74の数に応じて設けられる。
【0079】
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0080】
10、50、70…3次元形状測定装置
12…レーザ装置 16…チャープ機器
22、74…シャッタ部 24…シャッタ駆動制御部
26、58、80…3次元情報取得部
30、60、82…撮像部 40…偏光フィルタ
42…非線形媒質 44…偏光ビームスプリッタ
72…インデックス光照射装置 90…バンドパスフィルタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物に対して照射するチャープ光生成手段と、
前記被測定物を反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ手段と、
前記複数のシャッタ手段により切り出された前記反射チャープ光と、前記複数のシャッタ手段の位置情報とを用いて、前記被測定物の複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、
を備え、
前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物の基準位置に対して距離が異なるように設けられている
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元形状測定装置であって、
前記複数のシャッタ手段は、入射された前記反射チャープ光の偏光方向を変える非線形媒質を用いて、前記反射チャープ光を切り出すものであり、
各前記シャッタ手段の非線形媒質の配置間隔が前記反射チャープ光の長さ以下となるように、前記複数のシャッタ手段が設けられている
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の3次元形状測定装置であって、
前記複数のシャッタ手段は、光を切出す切出し条件が互いに異なる
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の3次元形状測定装置であって、
前記切出し条件は、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を含む
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項5】
請求項3に記載の3次元形状測定装置であって、
前記チャープ光と同時に前記チャープ光の波長帯域以外のインデックス光を前記被測定物に対して照射するインデックス光照射手段を備え、
前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物を反射した前記反射チャープ光及び前記インデックス光を前記所定タイミングで前記所定の期間切り出し、
前記切出し条件は、切り出す前記インデックス光の波長帯域を含む
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項1】
波長が規則的に経時変化するチャープ光を生成して被測定物に対して照射するチャープ光生成手段と、
前記被測定物を反射した反射チャープ光を所定タイミングで所定期間切り出す複数のシャッタ手段と、
前記複数のシャッタ手段により切り出された前記反射チャープ光と、前記複数のシャッタ手段の位置情報とを用いて、前記被測定物の複数領域の3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、
を備え、
前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物の基準位置に対して距離が異なるように設けられている
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元形状測定装置であって、
前記複数のシャッタ手段は、入射された前記反射チャープ光の偏光方向を変える非線形媒質を用いて、前記反射チャープ光を切り出すものであり、
各前記シャッタ手段の非線形媒質の配置間隔が前記反射チャープ光の長さ以下となるように、前記複数のシャッタ手段が設けられている
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の3次元形状測定装置であって、
前記複数のシャッタ手段は、光を切出す切出し条件が互いに異なる
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の3次元形状測定装置であって、
前記切出し条件は、切り出す反射チャープ光の単位時間当たりの光量を含む
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【請求項5】
請求項3に記載の3次元形状測定装置であって、
前記チャープ光と同時に前記チャープ光の波長帯域以外のインデックス光を前記被測定物に対して照射するインデックス光照射手段を備え、
前記複数のシャッタ手段は、前記被測定物を反射した前記反射チャープ光及び前記インデックス光を前記所定タイミングで前記所定の期間切り出し、
前記切出し条件は、切り出す前記インデックス光の波長帯域を含む
ことを特徴とする3次元形状測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−181077(P2012−181077A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43512(P2011−43512)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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