説明

CVDまたはPVDによってホウ素化合物を蒸着させるためのプロセス

本発明は、支持材上への、化学気相蒸着(CVD)または物理気相蒸着(PVD)による蒸着のためのプロセスに関し、前記プロセスは少なくとも1つのホウ素化合物を使用する。このプロセスは光起電力太陽電池を製造するために特に有用である。本発明は、CVDまたはPVD蒸着プロセスにおいて、材料に光学的および/または電気的特性を与えるためにホウ素化合物を使用することにも関する。このプロセスは、光起電力太陽電池を製造するためにも特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、支持材上への、化学気相蒸着(CVD)または物理気相蒸着(PVD)による蒸着のためのプロセスに関し、前記プロセスは少なくとも1つのホウ素化合物を用いる。本発明は、特に、CVDまたはPVD蒸着プロセスにおいて材料に光学的および/または電気的特性を与えるために、ホウ素化合物を使用することにも関する。
【0002】
「支持材」という用語は、本発明の文脈内で、一旦蒸着が実行された構造の全てに対して機械的強度、剛性を与えることができるか、および/またはホウ素で被覆された任意のタイプの材料を意味すると理解される。特に、鋼およびガラスだけでなく、ポリマー(プラスチックフィルム)、紙、または木、ならびに半導体基板についても言及がなされるであろう。
【0003】
元素状ホウ素を含む化合物は様々な分野で多くの用途を持つ。これらの化合物は、例えば、エレクトロニクス産業、ガラス産業、洗剤、エナメルおよびセラミック釉薬、農業、鉄鋼産業、冶金産業、セメントおよびコンクリート、塗料、原子力発電所、および医薬品分野において使用される。これらの化合物は、燃焼チャンバー、タービンブレード、ツールなどを被覆するためにも使用され得る。
【0004】
より具体的には、これらの化合物のいくらかは、材料に光学的および電気的特性のような他の特性を与えるために使用される。例えば、ホウ素(III族元素)は半導体産業において広く使用され、ここでホウ素は、特にシリコン、または酸化亜鉛(ZnO)のような透明導電性酸化物(TCOs)におけるドーパントの役目をする。
【0005】
ホウ素の層および/またはホウ素を有するドーピング材料を適用するために最も一般的に使用される技術は、CVDおよびPVD蒸着技術である。
【0006】
CVDによって、例えば太陽電池を製造するために、「p型」ドープシリコン薄膜に対する元素状ホウ素の前駆体として、ジボラン(B2H6)、トリメチルボラン(B(CH3)3またはTMB)、トリエチルボラン(B(C2H5)3またはTEB)または三フッ化ホウ素(BF3)を使用することが知られている。
【0007】
トリメチルボランまたはトリイソプロピルボランの使用に言及した文献US-6 100 202およびUS-5 646 075についても参照がなされ得る。
【0008】
CVD技術によって、ホウ素前駆体としてジボランを使用することにより、酸化亜鉛のような透明導電性酸化物に如何にしてホウ素をドープするかということも既知である。このドーピングは、これらの酸化物を導電性にする一方で、それらの透明性を維持することができる。数々の用途が光学的透過性および電気伝導性の組合せを求めているので、TCOsは広く用いられる材料である。用途として、平面スクリーン、防氷窓、熱反射窓、エレクトロクロミックミラーおよび窓、タッチスクリーン、電磁シールド、静電荷散逸および太陽電池について言及がなされ得る。
【0009】
さらに、ゾル-ゲル法によって酸化亜鉛をドーピングするための試薬として、トリイソプロポキシホウ素(B(OiPr)3)の使用が提案されている。
【0010】
しかしながら、これらの化合物は、取扱いが危険であるという大きな欠点を持つ。例えば、ジボランおよびトリメチルボランは高度に可燃性であり、かつ猛毒性である。特に、30〜90 mg/m3のジボランの用量は、この製品に対する4時間の暴露後の致死量である。トリメチルボランについては自然発火性ガスである。
【0011】
さらに、これらの化合物のコストは非常に高い。
【0012】
最終製品の競争力を増大させるために、当業者は扱いがより安全でありながら、コストを最少化する化合物を使用することを求める。
【0013】
それ故に、コストを削減しながら、製品取扱いの間の安全性を最適化するための、新規なCVDおよびPVD蒸着プロセスを提案する需要が依然として存在する。
【0014】
出願人は、CVDおよびPVD技術において、通常使用されるものよりも毒性が低く、かつ安価でありながら、完全に満足のいく蒸着量を維持するいくつかのホウ素化合物を使用することが可能であることをここで明らかにしている。
【0015】
したがって、本発明は支持材上への、化学気相蒸着(CVD)または物理気相蒸着(PVD)による蒸着のためのプロセスに関し、前記プロセスは式(I)の少なくとも1つのホウ素化合物
【化1】

【0016】
を使用する(ここで、
- R1は水素、4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ、あるいはアリール、あるいはアルキルアミド、または1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシルを表し、
- R2およびR3は各々独立に4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ、あるいはアリール、あるいはアルキルアミド、または1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシルを表すか、あるいは、R2およびR3は一緒に、それらが結合するホウ素原子と共に、当該環内に交互に配置された3個のホウ素原子と3個の窒素原子を含む6員環を持つ飽和へテロ環を形成し、前記へテロ環は、任意で、1〜5個の炭素原子を持つアルキル、アリール、アルキルアミド、および1〜5個の炭素原子を持つアルコキシから選択される1〜5の置換基で置換され、
- R1、R2およびR3は、全てが同時にCH3またはC2H5を表すことはない)。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、式(I)の化合物
【化2】

【0018】
は、トリ-sec-ブチルボランである。
【0019】
本発明の対象とされるホウ素化合物は、具体的には、以下の式(II)の化合物(6員環を持つ飽和へテロ環)
【化3】

【0020】
を含む。
【0021】
好ましくは、式(I)においてR1、R2およびR3は同一である。
【0022】
他の好ましい態様によれば、式(I) (または(II))の化合物は式(Ia)の化合物
【化4】

【0023】
であるか(ここで、R10、R11およびR12は各々独立に水素、または1〜5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、またはアリール、またはアルキルアミド、またはヒドロキシル、あるいは1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシを表す)、
あるいは、式(Ib)の化合物
【化5】

【0024】
(ここで、R13、R14およびR15は各々独立に水素、または1〜5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、またはアリール、またはアルキルアミド、もしくはヒドロキシル、あるいは1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシである) である。
【0025】
より好ましくは、式(Ia)において、置換基R10、R11およびR12は同一である。
【0026】
有利には、1,3,5-トリメチルボラジン
【化6】

【0027】
が使用される。
【0028】
より好ましくは、式(Ib)において、置換基R13、R14およびR15は同一である。
【0029】
1,3,5-トリメチルボラジンのような本発明による化合物は、一定の動物群の50 %致死をもたらす物質の用量に相当する「LD50 (50致死量)、経口、ラット」の指標に関して、わずかに毒性がある、乃至は、殆ど無毒性であると考えられる。本発明によるプロセスにおいて使用される化合物は、それ故に、それぞれ「致死性」および「猛毒性」に分類されるジボランおよびトリメチルボランのような先行技術において使用されるものよりも遥かに危険性が低い。
【0030】
化学気相蒸着技術は任意のCVDタイプの蒸着、すなわち、一般に高温に置かれるチャンバー中での一連の化学反応に基づく任意の蒸着を含む。特に、AP-CVD(大気圧CVD)、LP-CVD(低圧CVD)、PECVD(プラズマ強化CVD)としても知られるPACVD(プラズマ励起CVDまたはプラズマアシストCVD)、あるいはHWCVD(熱線化学気相蒸着)、PCVD(光化学気相蒸着)、LICVD(光誘起化学気相蒸着)、およびLCVD(レーザー化学気相蒸着)について言及がなされ得る。
【0031】
いくつかの物理気相蒸着(PVD)技術も存在する。特に、真空下での蒸着が望まれる材料を加熱することからなる真空蒸発を介した蒸着のPVD技術について言及がなされ得る。蒸発される材料の原子はエネルギーを受け、すなわちそれらの振動エネルギーが結合エネルギーを超え、蒸発を生じる。蒸発された材料は、その後、被覆される基板上での凝集によって収集される。蒸発は電子衝撃蒸発、ジュール効果蒸発、電気アーク蒸発、誘導蒸発、またはイオンビーム補助蒸発(イオンビームアシスト蒸着またはIBAD)であり得る。固体の表面から、この表面とエネルギー粒子、一般にアルゴンイオンの衝突によって粒子を弾き飛ばすことからなる真空スパッタリングPVD蒸着技術、例えばマグネトロンスパッタリング、カソードスパッタリングまたはIBD(イオンビーム蒸着) (例えば、アルゴンを導入することによって13〜1.3 Paの残圧が維持されるチャンバー中での材料の蒸発を含むイオン性または非イオン性メッキPVD蒸着)、および分子ビームエピタキシー(MBE)、および化学ビームエピタキシー(CBE)技術についても言及がなされ得る。
【0032】
一つの具体的な態様において、本発明による蒸着プロセスは、シリコンおよび/またはゲルマニウムにホウ素を「p型」ドープすることを可能にする。
【0033】
シリコンおよび/またはゲルマニウムは、非晶質の形態または微結晶の形態にあり得る。
【0034】
式(I)のホウ素前駆体(それ故に、具体的には、式I、II、Ia、Ibを含む)は、シリコンおよび/またはゲルマニウム層の成長の間にCVDまたはPVD反応器中に導入される。
【0035】
ホウ素のような三価の不純物を受けることによって、シリコンおよび/またはゲルマニウム結晶は、結晶格子中でシリコンまたはゲルマニウム原子をホウ素原子で置換することによって、「p型」半導体(正孔過剰)になる。このような「p型」半導体は、「n型」半導体(電子過剰)と並列されてもよく、「p-n」接合を形成し得る。「p-n」接合は、電流を一方向にしか流さないダイオードとして知られる電子部品の基礎である。同様に、バイポーラトランジスタを形成する二重の「n-p-n」または「p-n-p」接合を得るために、第三領域がドープされてもよい。
【0036】
「p-i-n」または「n-i-p」接合が作られてもよい。ここで、固有領域(intrinsic region)と呼ばれる「i」層は、ドープされていないシリコンおよび/またはゲルマニウム層に相当する。これらの接合は、特に光起電力太陽電池の製造に使用される。
【0037】
他の具体的な態様によれば、本発明によるプロセスは、TCO層、および好ましくは酸化亜鉛層をドープすることを可能にする。
【0038】
式(I)のホウ素前駆体(それ故に、具体的には、式I、II、Ia、Ibを含む)は、TCO層の成長の間にCVDまたはPVD反応器中に導入される。
【0039】
本発明の他の目的は、光起電力太陽電池の製造または平面スクリーンの製造のために、先述した式の少なくとも1つのホウ素化合物を使用することである。
【0040】
光起電力太陽電池は、一般的に「p-i-n」接合、酸化亜鉛層のようなTCO層、および基板を含む。太陽電池を製造するための技術の一つに、薄膜蒸着技術がある。
【0041】
ホウ素によるシリコンおよび酸化亜鉛層の「p型」層のドーピングは、これらの層の蒸着と同時に実行される。
【0042】
シリコンおよび/またはゲルマニウム層、ならびに酸化亜鉛層のドーピングは、同じドーパントを用いるか、または異なるドーパントを用いるかのいずれかによって実行される。
【0043】
与えられた層のドーピングのためには、様々なドーパントを使用することもできる。
【0044】
本発明の他の目的は、CVDまたはPVD蒸着プロセス中で材料に光学的および/または電気的特性を与えるために、先述した式のホウ素化合物を使用することである。
【0045】
本発明の他の特徴および利点は、以下の記述を読むことで明らかになるであろう。
【0046】
本発明の形態および態様は非限定的な例により与えられ、添付図により説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、光起電力太陽電池を構成する種々の層の外観を表す。
【図2A】図2Aは、1,3,5-トリメチルボラジンの熱重量分析の結果を説明する。
【図2B】図2Bは、1,3,5-トリメチルボラジンの熱重量分析の結果を説明する。
【図3】図3は、1,3,5-トリメチルボラジンを用いてZnOの層にホウ素を導入する場合に得られる結果を説明する。
【図4】図4は、トリ-sec-ブチルボランの熱重量分析の結果を説明する。
【0048】
図1は、支持材としてガラス2を含み、ホウ素をドープされた酸化亜鉛で作られた透明導電層3と、ホウ素をドープされたシリコンの「p型」層4と、ドープされていないシリコンの「i型」層5、およびリンをドープされたシリコンの「n型」層6とが順次に蒸着された光起電力太陽電池1の例を説明する。
【0049】
本発明は、ここで以下の非限定的な例によって説明されるであろう。
【0050】

例1:1,3,5-トリメチルボラジンの熱重量分析およびその蒸気圧の測定
【化7】

【0051】
図2Aおよび2Bはこの例を説明する。
【0052】
1,3,5-トリメチルボラジンの熱重量分析は、30 mL/minのヘリウム下で、10℃/minの昇温、20〜400℃の温度傾斜に渡って実行された。
【0053】
図2Aから、暗い線としてプロットされた曲線1は、標準坩堝と、試料を入れた坩堝との間の熱流量の差を温度の関数として表す。試料の沸点は140℃である。
【0054】
図2Aから、明るい線としてプロットされた曲線2は、試料の質量減少を温度の関数として表す。3.2 %の残渣レベルの最終値は、1,3,5-トリメチルボラジンの、高い純度および良好な熱安定性を示す。この残渣レベルには165℃で到達する。この温度は、化合物の最終的な蒸発温度であり、その良好な揮発性を証明する。
【0055】
図2B中でプロットされた曲線は、1,3,5-トリメチルボラジン分子のクラジウス-クラペイロンの図式、すなわちその蒸気圧測定を表す。1,3,5-トリメチルボラジンは、50℃で40 Torr、100℃で200 Torr超の蒸気圧を持ち、良好な揮発性を示す。
【0056】
この、極めて揮発性であり、かつ熱的に安定な化合物は、したがって、CVDおよびPVD蒸着、具体的には、シリコンおよび/またはゲルマニウムの薄膜、および酸化亜鉛のCVDによるドーピングに使用するために申し分なく適切である。
【0057】
例2:1,3,5-トリメチルボラジンを用いてりZnOの層にホウ素を導入
図3はこの例を説明する。
【0058】
酸化亜鉛の薄膜がMOCVDによって蒸着され、その後、これらの膜のドーピングが1,3,5-トリメチルボラジンを用いて実施された。ホウ素分子の濃度と、酸化亜鉛層に組込まれるホウ素原子の数の関連性を解明するために、様々なホウ素の量と亜鉛の量の比率が試験された。これらの試験の大半は180℃で試験され、その後、一点が250℃で試験された。
【0059】
酸化亜鉛層への良好なホウ素の組入れが観察される。これは、この化合物が、その良好な揮発性およびその熱安定性に起因して、蒸着プロセスに適用され得ることを示す。この、薄膜へのホウ素原子の組入れは、この1,3,5-トリメチルボラジン分子がドーパントとして働き得ることも示す。B/Zn比と、酸化亜鉛の薄膜に組込まれるホウ素原子の数の関係は比例している。
【0060】
この化合物は、それ故に、CVDおよびPVD蒸着、具体的には、CVDによるシリコンおよび/またはゲルマニウムの薄膜、ならびに酸化亜鉛のドーピングのための使用に適切である。
【0061】
例3:トリ-sec-ブチルボランの熱重量分析
【化8】

【0062】
図4は、この例の文脈において得られた結果を説明する。
【0063】
トリ-sec-ブチルボランの熱重量分析は、30 mL/minのヘリウム下で、10℃/minの昇温、20〜400℃の温度傾斜に渡って実行された。
【0064】
図4から、暗い線としてプロットされた曲線1は、標準坩堝と、試料を入れた坩堝との間の熱流量の差を温度の関数として表す。試料の沸点は175℃である
図4から、明るい線としてプロットされた曲線2は、試料の質量減少を温度の関数として表す。0.6 %の残渣レベルの最終値は、トリ-sec-ブチルボランの、高い純度および良好な熱安定性を示す。この残渣レベルには185℃で到達する。この温度は、化合物の最終的な蒸発温度であり、その良好な揮発性を証明する。
【0065】
この、極めて揮発性であり、かつ熱的に安定な化合物は、したがって、CVDおよびPVD蒸着、具体的には、シリコンおよび/またはゲルマニウムの薄膜、および酸化亜鉛のCVDによるドーピングに使用するために申し分なく適切である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学気相蒸着または物理気相蒸着による支持材上への蒸着のためのプロセスであって、前記プロセスは式(I) の少なくとも1つのホウ素化合物
【化1】

を使用するプロセス(ここで、
- R1は水素、4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ、あるいはアリール、あるいはアルキルアミド、または1〜5個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のヒドロキシルを表し、
- R2およびR3は各々独立に4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、または4もしくは5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ、あるいはアリール、あるいはアルキルアミド、または1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖のヒドロキシルを示すか、あるいは、R2およびR3は一緒に、それらが結合するホウ素原子と共に、当該環内に交互に配置された3個のホウ素原子と3個の窒素原子を含む6員環を持つ飽和へテロ環を形成し、前記へテロ環は、任意で、1〜5個の炭素原子を持つアルキル、アリール、アルキルアミド、および1〜5個の炭素原子を持つアルコキシから選択される1〜5の置換基で置換され、
- R1、R2およびR3は、全てが同時にCH3またはC2H5を表すことはない)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのホウ素化合物が、式(II)の化合物
【化2】

であることを特徴とする請求項1によるプロセス。
【請求項3】
前記化合物が、式(Ia)の化合物
【化3】

であるか(ここで、R10、R11およびR12は各々独立に水素、または1〜5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、またはアリール、またはアルキルアミド、またはヒドロキシル、あるいは1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシを表す)、
または式(Ib)の化合物
【化4】

(ここで、R13、R14およびR15は各々独立に水素、また1〜5個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルキル、またはアリール、またはアルキルアミド、またはヒドロキシル、あるいは1〜5個の炭素元素を持つ直鎖もしくは分岐鎖アルコキシを表す)
であることを特徴とする請求項1または請求項2によるプロセス。
【請求項4】
前記式(I)の化合物が、1,3,5-トリメチルボラジンであることを特徴とする請求項1および2のうちのいずれかによるプロセス。
【請求項5】
前記式(I)の化合物が、トリ-sec-ブチルボランであることを特徴とする請求項1および2のうちのいずれかによるプロセス。
【請求項6】
前記支持材が、ガラス、鋼、ポリマー、紙または木、あるいは半導体基板から選択されることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項によるプロセス。
【請求項7】
前記化合物が、材料のドーピング材として使用されることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項によるプロセス。
【請求項8】
前記材料が、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛のような透明導電性酸化物、およびその混合物から選択されることを特徴とする請求項7によるプロセス。
【請求項9】
前記シリコンおよび/または前記ゲルマニウムが非晶質の形態にあることを特徴とする請求項7および8のいずれかによるプロセス。
【請求項10】
前記シリコンおよび/または前記ゲルマニウムが微結晶の形態にあることを特徴とする請求項7および8のいずれかによるプロセス。
【請求項11】
前記蒸着が、光起電力太陽電池を製造するための手順において実行されることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項によるプロセス。
【請求項12】
前記蒸着が、CVDまたはPVD蒸着プロセスにおいて材料に光学的および/または電気的特性を与えるために実行されることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか1項によるプロセス。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504443(P2011−504443A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532641(P2010−532641)
【出願日】平成20年11月3日(2008.11.3)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051980
【国際公開番号】WO2009/068769
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】