Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
EP4受容体アゴニストとしてのベンゾ(f)イソインドール−2−イルフェニル酢酸誘導体
説明

EP4受容体アゴニストとしてのベンゾ(f)イソインドール−2−イルフェニル酢酸誘導体

【課題】ナフタレン誘導体、その調製方法、それらを含む医薬組成物および医薬におけるその使用。
【解決手段】式(I)[式中:R、R、R、R、R、R、XおよびYは、明細書中と同義である]で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体;該化合物の調製方法;該化合物を含む医薬組成物;および、医薬における該化合物の使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナフタレン誘導体、その調製方法、それらを含む医薬組成物および医薬におけるその使用に関する。
【0002】
本発明の化合物は、EP受容体アゴニストである。
【背景技術】
【0003】
多数の総説は、プロスタノイド受容体の特性化および治療関連性ならびに最も一般的に用いられる選択的アゴニストおよびアンタゴニストを記載する:非特許文献1および非特許文献2ならびに非特許文献3。
【0004】
EP受容体は、7回膜貫通型受容体であり、その天然リガンドは、プロスタグランジンPGEである、PGEはまた、他のEP受容体(EP型、EP型およびEP型)に対するアフィニティーを有する。プロスタノイドEP受容体は、細胞内環状アデノシン 一リン酸(cAMP)濃度の上昇に正常に付随する受容体の一群に分類される。EP受容体は、平滑筋弛緩、眼圧、疼痛(特に、炎症性、神経因性および内臓疼痛i)、炎症、神経防護作用、リンパ球分化、骨代謝過程、アレルギー活性、睡眠の促進、腎調節、胃または腸粘液分泌および十二指腸重炭酸塩分泌に付随する。EP受容体は、非特許文献4によって検討されるように動脈管の閉塞、血管抑制、炎症および骨再形成において重要な役割を果たす。
【0005】
多数の刊行物は、EP受容体サブタイプを通して作用するPGE、および単独のEPアゴニストが、炎症性刺激の後に炎症性サイトカインを調節しうることを証明している。非特許文献5は、PGEが、EP受容体を介してマクロファージ由来ケモカイン産生を抑制することによって炎症性疾患の間の炎症を調節することを示している。非特許文献6において、Maruyamaらは、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−437)は、ヒトの全血液におけるLPS誘導性TNF−αを抑制する間に、IL−10の濃度を増加することを証明する。非特許文献7の論文は、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、急性および慢性単関節炎における機械的および温熱性痛覚過敏ならびに炎症性反応を有効に抑制したことを示唆する。
【0006】
非特許文献8および非特許文献9の2つの独立した論文は、EP受容体ノックアウトマウスから培養された細胞における破骨細胞形成の低下を報告する。非特許文献10は、各々のPGE受容体EPサブタイプを欠損しているマウスの使用によって、PGE投与に応じて骨形成を調節する受容体としてEPを同定した。彼らはまた、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−4819)が常に、野生型マウスにおいて骨形成を誘導することを証明した。さらに、非特許文献11は、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−4819)の存在が、骨形成を誘導しうる治療サイトカインである、rhBMP−2の骨誘導能力を高めたことを示している。
【0007】
Larsenらによるさらなる研究は、ヒト十二指腸の第二部の分泌におけるPGEの効果が、EP受容体を介して調節されることを示す(非特許文献12)。また、選択的EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、ラットの大腸炎から保護しうることを示されている(非特許文献13)。
【0008】
非特許文献14は、PGEが、EPおよびEP受容体で作用することによってアミロイドβペプチド毒性からニューロンを保護しうることを示している。さらに、Doreは、EP受容体アゴニスト(ONO−AE1−329)が、脳の興奮毒性の急性モデルにおける神経毒性から保護することを非特許文献15で証明している。
【0009】
非特許文献16は、眼圧が選択的プロスタノイドアゴニストを用いて低下しうること見出した。Ophthalmology & Visual Scienceの2つの研究論文は、プロスタノイドEP受容体が、ヒト水晶体上皮細胞で発現され(非特許文献17)、眼の小柱組織における流れの調節におけるプロスタノイドEP受容体の生理学的役割(非特許文献18)を示唆することを示している。
【0010】
EP受容体結合活性を抑制する化合物およびその使用は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27および特許文献28に記載されている。
【0011】
[4−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル)フェニル]−2−プロピオン酸、ナトリウム塩などのインドプロフェンの誘導体は、非特許文献19に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO98/55468
【特許文献2】WO00/18744
【特許文献3】WO00/03980
【特許文献4】WO00/15608
【特許文献5】WO00/16760
【特許文献6】WO00/21532
【特許文献7】WO01010426
【特許文献8】EP0855389
【特許文献9】EP0985663
【特許文献10】WO02/047669
【特許文献11】WO02/50031
【特許文献12】WO02/50032
【特許文献13】WO02/50033
【特許文献14】WO02/064564
【特許文献15】WO03/103604
【特許文献16】WO03/077910
【特許文献17】WO03/086371
【特許文献18】WO04/037813
【特許文献19】WO04/067524
【特許文献20】WO04/085430
【特許文献21】US04/142969
【特許文献22】WO05/021508
【特許文献23】WO05/105733
【特許文献24】WO05/105732
【特許文献25】WO05/080367
【特許文献26】WO05/037812
【特許文献27】WO05/116010
【特許文献28】WO06/122403
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】エイコサノイド類;バイオ技術から治療適用まで,Folco,Samuelsson,Maclouf,and Velo eds,Plenum Press,New York,1996,chap.14,137−154
【非特許文献2】Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling,1996,14,83−87
【非特許文献3】プロスタノイド受容体、構造、特性および機能、S Narumiyaら,Physiological Reviews 1999,79(4),1193−126
【非特許文献4】Narumiya in Prostaglandins & Other Lipid Mediators 2002,68−69 557−73
【非特許文献5】Takayamaら in Journal of Biological Chemistry 2002,277(46),44147−54
【非特許文献6】Bioorganic & Medicinal Chemistry 2002,10(7),2103−2110
【非特許文献7】Anesthesiology,2002,97,170−176
【非特許文献8】Sakumaら in Journal of Bone and Mineral Research 2000,15(2),218−227
【非特許文献9】Miyauraら in Journal of Biological Chemistry 2000,275(26),19819−23
【非特許文献10】Yoshidaら in Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 2002,99(7),4580−4585
【非特許文献11】Teraiら in Bone 2005,37(4),555−562
【非特許文献12】Acta.Physiol.Scand.2005,185,133−140
【非特許文献13】Nittaら in Scandinavian Journal of Immunology 2002,56(1),66−75
【非特許文献14】Doreら Iin The European Journal of Neuroscience 2005,22(9),2199−206
【非特許文献15】Brain Research 2005,1066(1−2),71−77
【非特許文献16】Woodwardら in Journal of Lipid Mediators 1993,6(1−3),545−53
【非特許文献17】Mukhopadhyayらv1999,40(1),105−12
【非特許文献18】Hoyngら Ophthalmology & Visual Science,1999,40(11),2622−6
【非特許文献19】RuferらによるEur.J.Med.Chem.−Chimica Therapeutica,1978,13,193
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本明細書に記載の生物学的アッセイで試験される場合、本発明の化合物は、有利なインビボおよびインビトロ活性を抑制することが知られている。本発明の特定の化合物はまた、ラットにおいて有利な薬物動態プロファイルを抑制することが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
およびRは、独立して、C1−4アルキルを表し;
、R、RおよびRは、独立して、HまたはFを表し、ただし、RおよびRの少なくとも1つはHを表し、RおよびRの少なくとも1つはHを表し、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、Fを表し;および
XおよびYは、独立して、CHまたはC=Oを表し、ただし、XおよびYの少なくとも1つはC=Oを表す]
で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0016】
本発明の一の実施態様において、RおよびRは、同一であって、C1−4アルキルを表す。本発明の一の実施態様において、RおよびRは、独立して、エチル、n−プロピルおよびイソ−プロピルからなる群より選択される。
【0017】
本発明の一の実施態様において、RはHを表し、RはFを表す。本発明の別の実施態様において、RはFを表し、RはHを表す。
【0018】
本発明の一の実施態様において、RはHであって、RはFを表す。本発明の別の実施態様において、RはFを表し、RはHを表す。
【0019】
本発明の一の実施態様において、RはFを表し、R、RおよびRはHを表す。本発明の別の実施態様において、RはFを表し、R、RおよびRはHを表す。本発明の別の実施態様において、RはFを表し、R、RおよびRはHを表す。本発明のさらなる実施態様において、RはFを表し、R、RおよびRはHを表す。
本発明の一の実施態様において、RおよびRはFを表し、RおよびRはHを表す。
【0020】
本発明の一の実施態様において、XはCHを表し、YはC=Oを表す。本発明の別の実施態様において、XはC=Oを表し、YはCHを表す。本発明の別の実施態様において、XもYもC=Oを表す。
【0021】
本発明の一の実施態様において、式(IA):
【化2】

[式中:
およびRは、独立して、C1−4アルキルを表し;
およびRは、独立して、HまたはFを表し、ただし、それらは同一ではなく;および
XおよびYは、独立して、CHまたはC=Oを表し、ただし、XおよびYの少なくとも1つは、C=Oを表す]
で示される、式(I)の化合物の一部および/またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0022】
本発明の別の実施態様において、
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸;
{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−フルオロフェニル)酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸;
{2−フルオロ−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−2−フルオロフェニル)酢酸;
{3−フルオロ−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;および
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−フルオロフェニル)酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸からなる群より選択される式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0023】
本発明の別の実施態様において、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸(IB):
【化3】

である、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、本明細書に記載の実施態様の全ての組み合わせを対象とする。
【0025】
本明細書で用いられるように、「C1−4アルキル」なる語には、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチルおよびイソ−ブチルが含まれる。「C1−6アルキル」なる語は、適宜、解釈されうる。
【0026】
本明細書に記載されるように、Fは、フルオロを意味する。
【0027】
医薬上許容される誘導体によれば、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはエステル、またはかかるエステルの塩もしくは溶媒和物、あるいはレシピエントに投与すると、式(I)で示される化合物またはその活性代謝物もしくは残渣を(直接的または間接的に)提供しうるその他の化合物を意味する。本発明の一の実施態様において、医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物もしくはエステル、またはかかるエステルの塩もしくは溶媒和物を意味する。本発明の別の実施態様において、医薬上許容される誘導体は、塩もしくはエステル、またはかかるエステルの塩を意味する。
【0028】
医薬用途について、上述の塩が、医薬上許容される塩であろうが、他の塩が、例えば、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩の調製における使用を見出しうることは明らかであろう。
【0029】
医薬上許容される塩には、Berge,BighleyおよびMonkhouse,J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19によって記載されるものが含まれる。「医薬上許容される塩」なる語は、無機塩基および有機塩基を含む医薬上許容される塩基から調製される塩をいう。無機塩基から得られる塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)塩、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。医薬上許容される有機塩基から得られる塩には、第一級、第二級および第三級アミン;自然発生する置換アミンを含む置換アミン;および環状アミンの塩が含まれる。特に医薬上許容される有機塩基には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン体、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどが含まれる。塩はまた、塩基性イオン交換樹脂、例えば、ポリアミン樹脂から形成されてもよい。
【0030】
本発明の一の実施態様において、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸のナトリウム塩が提供される。本発明の別の実施態様において、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸のカリウム塩が提供される。本発明の別の実施態様において、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸のコリン酸塩が提供される。
【0031】
式(I)で示される化合物が、適当なプロドラッグの代謝によってインビボで生産されうることは明らかであろう。かかるプロドラッグは、例えば、医薬上許容される代謝的に不安的な式(I)で示される化合物のエステルでありうる。これらは、必要に応じて、分子に含まれるその他の反応基の前保護、次いで、必要に応じて、脱保護による式(I)で示される親化合物におけるカルボン酸基のエステル化によって形成されうる。かかる代謝的に不安定なエステルの例として、C1−4アルキルエステル、例えば、メチルエチルまたはt−ブチルエステル、C3−6アルケニルエステル、例えば、アリル置換または非置換アミノアルキルエステル(例えば、アミノエチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、または2−(4−モルホリノ)エチルエステルまたはアシルオキシメチルもしくは1−アシルオキシエチルなどのアシルオキシアルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、1−ピバロイルオキシエチル、アセトキシメチル、1−アセトキシエチル、1−(1−メトキシ−1−メチル)エチルカルボニルオキシエチル、1−ベンゾイルオキシエチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、1−イソプロポキシカルボニルオキシエチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル エステル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチルまたは1−(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチルが挙げられる。
【0032】
本発明が、全ての幾何異性体、互変異性体および光学異性体、ならびにその混合物(例えば、ラセミ混合物)を含む、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体の全ての異性体を包含することは明らかであろう。
【0033】
式(I)で示される化合物は、医薬組成物における使用を意図とするので、それらが、各々、実質上純粋な形態、例えば、少なくとも純度50%、少なくとも純度75%および少なくとも純度95%(%は、重量/重量に基づく)で提供されることは明らかであろう。不純な式(I)で示される化合物の調製は、医薬組成物で用いられるより純粋な形態を調製するために用いられうる。本発明の中間化合物の純度は、あまり気に掛けなくてもよいが、実質上純粋な形態が、式(I)で示される化合物に関して好ましいことは容易に分かるであろう。可能ならいつでも、本発明の化合物は、結晶形で得られる。
【0034】
いくつかの本発明の化合物は、結晶化されるかまたは有機溶媒から再結晶される場合に、結晶化の溶媒は、結晶生成物で存在しうる。本発明は、遊離酸分子の溶媒和物および遊離酸分子から得られる塩の溶媒を含む、かかる溶媒をその範囲に含む。同様に、いくつかの本発明の化合物は、結晶化されうるかまたは水を含む溶媒から再結晶されうる。かかる場合において、水和の水が形成されうる。本発明は、化学量論的水和物ならびに凍結乾燥などの方法によって生産されうる不定量の水を含有する化合物をその範囲内に含む。本発明はまた、式(I)で示される化合物の無水型をその範囲内に含む。
さらに、異なる結晶条件は、結晶生成物の異なる多型の形成をもたらしうる。本発明は、式(I)で示される化合物の全ての多型をその範囲内に含む。
【0035】
本発明はまた、全ての同位体標識した式(I)で示される化合物をその範囲内に含む。かかる化合物は、その中の1個または複数の原子が、通常自然界で見出される原子量または原子数床となる原子量または原子数を有する原子で置換されることを除き、上記のものと同一である。式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体の一部とすることができる同位体の例として、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18Oおよび18Fなどの水素、炭素、窒素、酸素およびフッ素の同位体が挙げられる。
【0036】
同位体標識した式(I)で示される化合物、例えば、3H、14Cなどの放射性同位体を一部とするものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわち、3H、および炭素−14、すなわち、14C同位体は、特に、調製および検出能を容易にするのに好ましい。11Cおよび18F同位体は、特に、PET(ポジトロン放出断層撮影法)に有用であり、脳イメージングに有用である。さらに、重水素、すなわち、2Hなどの重同位体との置換は、より大きな代謝的安定性、例えば、インビボ半減期の増加または必要用量の低下をもたらすある治療上の利点を提供しうるので、状況次第では好ましくてもよい。同位体標識した式(I)で示される化合物は、容易に入手可能な同位体標識した試薬を非同位体標識した試薬に置換することによって、以下のスキームおよび/または実施例に開示される合成法を実施することによって調製されうる。
【0037】
式(I)で示される化合物は、EP受容体アゴニストであるので、EP受容体介在疾患を治療するのに有用であってもよい。
【0038】
特に、式(I)で示される化合物は、疼痛、例えば、疾患修飾および関節構造保持の特性を含む慢性関節痛(例えば、関節リウマチ、変形性関節炎、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎および若年性関節炎);筋骨格系疼痛;腰痛および頸痛;捻挫および筋挫傷;神経因性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;風邪などの、インフルエンザまたは他のウイルス感染に付随する疼痛;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群などの、機能的腸疾患に付随する疼痛;心筋虚血に付随する疼痛;術後疼痛;頭痛;歯痛;ならびに月経困難症の治療に有用であってもよい。
【0039】
式(I)で示される化合物は、特に、神経因性疼痛およびそれに付随する症状の治療に有用であってもよい。神経因性疼痛症状群には、糖尿病性神経障害;坐骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症疼痛;繊維筋痛;HIV関連神経障害;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛;および身体外傷、切断術、癌、毒または慢性炎症性状態がもたらす疼痛が含まれる。神経因性疼痛の症状には、自然に起こるうずくような痛みおよび刺すような痛み、または持続的で、焼けるような痛みが含まれる。さらに、「しびれてビリビリする感覚」(知覚障害および感覚異常)、触られた時の感受性の増大(知覚過敏)、無害の刺激後の痛い感覚(動的、静的または熱的異痛)、侵害刺激に対する感受性の増大(温熱性、冷却性、機械的痛覚過敏)、刺激の除去後の持続的痛覚(痛覚過敏)または選択的感覚経路の非存在または欠損(痛覚鈍麻)などの正常に痛くない感覚に付随する疼痛が含まれる。
【0040】
式(I)で示される化合物はまた、炎症の治療、例えば、皮膚状態(例えば、日焼け、やけど、湿疹、皮膚炎、乾癬);緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎および眼組織に対する急性損傷などの眼疾患;肺障害(例えば、喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫性症候群、愛鳩家の疾患、農夫肺、COPD);胃腸系障害(例えば、アフター性潰瘍、クローン病、萎縮性胃炎(atopic gastritis)、胃炎性バリアロホルム(gastritis varialoforme)、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸症候群、胃食道逆流性疾患、下痢、便秘);臓器移植;血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、スクレロドーマ(sclerodoma)、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、腱炎、髄液包炎、およびシェーグレン症候群などの炎症性要素との他の病態の治療に有用であってもよい。
【0041】
式(I)で示される化合物はまた、自己免疫疾患、免疫不全疾患または臓器移植などの免疫疾患の治療に有用であってもよい。式(I)で示される化合物はまた、HIV感染の潜伏期間の増加に有効であってもよい。
【0042】
式(I)で示される化合物はまた、関欠性跛行、不安定狭心症、卒中、および急性冠症候群(例えば、閉塞性血管疾患)などの過剰または望ましくない血小板活性化の疾患の治療に有用であってもよい。
【0043】
式(I)で示される化合物はまた、利尿作用を有する薬剤として有用でありうるかまたは過活動膀胱症候群を治療するのに有用でありうる。
【0044】
式(I)で示される化合物はまた、インポテンスまたは勃起障害の治療に有用であってもよい。
【0045】
式(I)で示される化合物はまた、骨粗鬆症(特に、閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、ページェット骨疾患、骨溶解、骨転移の有無に関わらない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、変形性関節症、骨痛、骨減少症、結石症(calculosis)、結石症(lithiasis)(特に、尿石症)、痛風および強直性脊椎炎、腱炎および髄液包炎などの、異常な骨代謝または吸収によって特徴付けられる骨疾患の治療に有用であってもよい。
【0046】
式(I)で示される化合物はまた、骨再形成および/または骨産生促進および/または骨折治癒促進に有用であってもよい。
【0047】
式(I)で示される化合物はまた、NSAIDおよびCOX−2阻害薬の血行性副作用を軽減するために有用であってもよい。
【0048】
式(I)で示される化合物はまた、高血圧または心筋虚血;機能性または器質性静脈不全;静脈瘤療法;痔核;および動脈圧の著しい低下に付随するショック状態(例えば、敗血性ショック)などの心疾患の治療に有用であってもよい。
【0049】
式(I)で示される化合物はまた、認知症、特に、変性認知症(老年性認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病およびクロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患を含む);血管性認知症(多発脳梗塞性認知症を含む);ならびに頭蓋内占拠性病変に付随する認知症;外傷;感染症および関連病態(HIV感染を含む);代謝;毒素;無酸素症およびビタミン欠乏;ならびに加齢に付随する軽度認知障害、特に加齢による記憶障害などの神経変性疾患の治療に有用であってもよい。
【0050】
式(I)で示される化合物はまた、神経障害の治療に有用であってもよく、神経保護薬として有用であってもよい。本発明の化合物はまた、卒中、心不全、肺バイパス、外傷性脳損傷、脊髄損傷などの後の神経変性の治療に有用であってもよい。
【0051】
式(I)で示される化合物はまた、I型糖尿病の合併症(例えば、糖尿病性細小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、黄斑変性症、緑内障)、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、川崎病およびサルコイドーシスの治療に有用であってもよい。
【0052】
式(I)で示される化合物はまた、腎臓機能障害(腎炎、特に、メサンギウス増殖性糸球体腎炎、腎炎症候群)、肝機能障害(肝炎、肝硬変)および胃腸障害(下痢)の治療に有用であってもよい。
【0053】
本明細書に用いられるように、治療に関する参考資料には、既存の疾患の治療および予防的治療の両方が含まれることが分かるであろう。
【0054】
本発明のさらなる実施態様によれば、ヒトまたは動物用医薬で用いるための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0055】
本発明の別の実施態様によれば、EP受容体でのPGEの作用または作用の欠如によって媒介される病態の治療に用いるための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【0056】
本発明のさらなる実施態様によれば、EP受容体でのPGEの作用または作用の欠如によって媒介される病態に罹患しているヒトまたは動物対象を治療する方法であって、有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を前記対象に投与することを含む方法が提供される。
【0057】
本発明のさらなる実施態様によれば、疼痛、あるいは炎症性、免疫学的または骨疾患、神経変性疾患または腎臓機能障害に罹患しているヒトまたは動物対象を治療する方法であって、有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を前記対象に投与することを含む方法が提供される。
【0058】
本発明の別の実施態様によれば、EP受容体でのPGEの作用によって媒介される病態の治療のための医薬の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用が提供される。
【0059】
本発明の別の実施態様によれば、疼痛、または炎症性、免疫学的、骨、神経変性または腎臓障害などの病態の治療または予防のための医薬の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用が提供される。
【0060】
式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体は、都合よく、医薬組成物の形態で投与される。かかる組成物は、従来の方法で1種または複数の医薬上許容される担体または賦形剤と混合して用いるために含まれうる。
【0061】
したがって、本発明の別の態様において、ヒトまたは動物用医薬で用いるために適合される式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物が提供される。
【0062】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体は原化学物質として投与されうるが、医薬処方としてそれを含むことが好ましい。本発明の処方は、1種または複数のその許容される担体または希釈剤および所望の他の治療成分と一緒に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む。担体(複数でも可)は、処方の成分中の他のものと適合し、そのレシピエントに無害であるという意味で「許容」されていなければならない。したがって、一の実施態様において、本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体およびその医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0063】
最も適当な経路は、例えば、レシピエントの病態および障害に依存しうるけれども、処方には、経口、非経口(皮下、例えば、注射またはデポー錠による、皮内、髄腔内、筋肉内、例えば、デポーによるおよび静脈内を含む)、直腸および局所(皮膚、口腔および舌下を含む)投与に適当なものが含まれる。処方は、都合よく、単位剤形で含まれていてもよく、薬学分野にて公知な方法のいずれかによって調製されうる(例えば、Remington−The Science and Practice of Pharmacy’,第21版,Lippincott,Williams & Wilkins,USA,2005およびその中の参考文献に開示の方法を参照)。全ての方法には、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体(「活性成分」)を1種または複数の副成分を構成する担体と関連させる工程が含まれる。一般には、処方は、均一かつ密接に活性成分を液体担体または微粉固体担体あるいは両方と関連させ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の処方中に成形することによって調製される。
【0064】
経口投与に適当な本発明の処方は、所定量の活性成分を各々含有するカプセル、カシェー(cachet)または錠剤(例えば、チュアブル錠、特に、小児投与用)などの個々の単位量として;粉末または顆粒として;水性液体または非水性液体の液剤または懸濁液として;あるいは、水中油型乳濁液または油中水型乳濁液として存在していてもよい。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして存在していてもよい。
【0065】
錠剤は、所望により、1種または複数の副成分と一緒に、圧縮または成形することにより製造されうる。圧縮錠は、所望により、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性剤または分散剤と合して、粉末または顆粒などの自由流動型で活性成分を適当な機会で圧縮することによって調製されうる。成形錠は、不活性液体希釈剤に浸した粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することによって製造されうる。錠剤は、所望により、コーティングまたは分割されてもよく、その中の活性成分の持続放出または制御放出を得るように処方されてもよい。
【0066】
非経口投与用処方には、対象とするレシピエントの血液と等張な処方を提供する抗酸化剤、緩衝液、静菌薬および溶質を含有していてもよい水性および非水性滅菌注射溶液;ならびに、懸濁化剤および増粘剤を含んでいてもよい水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。処方は、単回投与または反復投与容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル中に含まれていてもよく、使用直前に滅菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存されていてもよい。即時注射溶液および懸濁液は、前記種類の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製されうる。
【0067】
直腸投与用処方は、ココアバター、硬化脂肪またはポリエチレングリコールなどの通常の担体との坐薬として存在してもよい。
【0068】
口における局所投与、例えば、口腔または舌下処方には、白糖およびアカシアまたはトラガカントなどの風味が付いた基剤中に活性成分を含むドロップ、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたは白糖およびアカシアなどの基剤中に活性成分を含むトローチが含まれる。
【0069】
式(I)で示される化合物はまた、デポー製剤として処方されていてもよい。かかる長時間作用型処方は、注入(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射により投与されてもよい。したがって、例えば、式(I)で示される化合物は、適当なポリマーもしくは疎水性物質(例えば、許容される油中乳剤として)またはイオン交換樹脂で、あるいは難溶性誘導体、例えば、難溶性塩として処方されていてもよい。
【0070】
特に上記される成分に加えて、処方には、問題となっている処方の種類に関して当該分野にて一般的な他の薬剤が含まれうる、例えば、経口投与に適当なものには、香味剤が含まれうる。
【0071】
式(I)で示される化合物は、他の治療薬、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブまたはパレコキシブなどのCOX−2阻害薬;5−リポキシゲナーゼ阻害薬;パラセタモールなどの鎮痛薬;ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトン、ナプロキセンまたはイブプロフェンなどのNSAID;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;メトトレキサートなどの、DMARD;ラモトリジンなどのナトリウムチャネル阻害薬;N型カルシウムチャネルアンタゴニスト;グリシン受容体アンタゴニストなどの、NMDA受容体モジュレータ;ガバペンチン、プレガバリンおよび関連化合物;アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬;ニューロン安定化抗てんかん薬;ベンラファクシンなどのモノアミン再取り込み阻害薬;オピオイド鎮痛薬;局所麻酔薬;トリプタン類、例えば、スマトリプタン、ナタトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタンまたはリザトリプタンなどの5HTアゴニスト;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;カンナビノイド受容体アゴニスト;VR1アンタゴニストと組み合わせて用いられてもよい。化合物を他の治療薬と組み合わせて用いる場合、化合物は、任意の便利な経路にて連続的または同時のいずれかで投与されてもよい。
【0072】
したがって、本発明は、さらなる実施態様において、さらなる治療薬または複数の治療薬と一緒に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む組み合わせを提供する。本発明の一の実施態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールが提供される。特に、本発明は、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸またはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを含む組み合わせを提供する。
【0073】
本発明のまたさらなる実施態様において、EP受容体アゴニストまたはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを含む組み合わせが提供される。適当なEP受容体アゴニストには、式(I)で示される化合物を含む、本明細書に記載のもの、ならびに[4−(4,9−ジプロポキシ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル)フェニル]酢酸などのWO02/064564および[4−(4,9−ジエトキシ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル)フェニル]酢酸などのWO01/10426に記載される化合物が含まれる。
【0074】
上記される組み合わせは、都合よく、医薬処方の形態で用いるために存在していてもよいので、医薬上許容される担体または賦形剤と一緒に上記される組み合わせを含む医薬処方は、本発明のさらなる態様を含む。特に、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体、パラセタモールおよびその医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物が提供される。別の実施態様において、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸またはその医薬上許容される誘導体、パラセタモールおよびその医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物も提供される。かかる組み合わせの個々の成分は、別個または組み合わせた医薬処方で連続的または同時のいずれかで投与されてもよい。
【0075】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が、同一疾患に対して活性な第2の治療薬と組み合わせて用いられる場合、各化合物の投与量は、化合物を単独で用いる場合と異なっていてもよい。適当な投与量は、当業者であれば容易に分かるであろう。
【0076】
本発明の一の実施態様において、EP受容体でPGEの作用または作用の消失によって媒介される病態を罹患しているヒトまたは動物対象を治療する方法であって、有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを前記対象に投与することを含む方法が提供される。本発明の別の実施態様において、EP受容体でPGEの作用または作用の消失によって媒介される病態を罹患しているヒトまたは動物対象を治療する方法であって、有効量の{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸またはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを前記対象に投与することを含む方法が提供される。
【0077】
男性の治療のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の提案された1日投与量は、遊離酸として算出される、1日当たり0.001〜30mg/体重kg、より具体的には、1日当たり0.1〜3mg/体重kgであり、単回投与または分割投与、例えば、1日当たり1〜4回として投与されてもよい。成人の投与量の範囲は、一般には、遊離酸として算出される、0.1〜1000mg/日、例えば、10〜800mg/日、好ましくは、10〜200mg/日である。
【0078】
パラセタモールの適当な1日投与量は、1日当たり4000mg以下である。適当な単位用量には、200、400、500および1000mg、1日1、2、3または4回が含まれる。
【0079】
宿主、特にヒト患者に投与される式(I)で示される化合物の正確な量は、かかりつけ医の責任となるであろう。しかしながら、用いられる投与量は、多患者の年齢および性別、治療されている明確な病態およびその重篤度、投与経路、ならびに取り組まれていてもよい可能な併用療法を含む、数の因子に依存するであろう。
【0080】
本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を調製する方法を提供する。
【0081】
したがって、本発明の一の実施態様において、式(I)で示される化合物(式中:XおよびYの1つは、C=Oを表し、もう一方はCHを表し、R、R、R、R、RおよびRは、前述の式(I)と同義である)を調製する方法であって、式(II):
【化4】

[式中:XおよびYの1つはC=Oを表し、もう一方はCHを表し;R、R、R、R、RおよびRは、前述の式(I)と同義であり;RはC1−6アルキルを表す]
で示される化合物を水酸化ナトリウムなどの、適当な塩基と反応させ、その後、所望により、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換してもよいことを含む方法が提供される。
【0082】
一の実施態様において、式(I)で示される化合物を含む上記反応は、還流下で、エタノールなどの適当な溶媒中で行われる。
【0083】
本発明の別の実施態様において、式(I)で示される化合物(式中:XおよびYはC=Oを表し、R、R、R、R、RおよびRは、前述の式(I)と同義である)を調製する方法であって、塩酸の存在下において、式(III):
【化5】

[式中:R、R、R、R、RおよびRは、前述の式(I)と同義であって;RはC1−6アルキルを表す]
で示される化合物を氷酢酸などの、適当な酸または酸の混合物に加え、その後、所望により、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換してもよいことを含む方法が提供される。
【0084】
一の実施態様において、式(I)で示される化合物を含む上記反応は、約2〜70時間の範囲の時間、約50〜110℃の範囲の温度で行われる。一の実施態様において、反応混合物中に含まれる、塩酸などの酸に対する氷酢酸のモル比は、1:1である。
【0085】
式(I)で示される化合物(式中:XおよびYの1つはC=Oを表し、もう一方はCHを表し、R、R、RおよびRは、前述の式(I)と同義である)がまた、上記の酸加水分解条件を用いて調製されうることは明らかであろう。
【0086】
式(II)および式(III)で示される化合物は、スキーム1にしたがって調製されうる。
【化6】

(i)R−BrまたはR−I、KCO、アセトン;(ii)NaOH/HO、EtOH;(iii)SOCl、CHClまたはEtOH;(iv)CHCOH、所望によりDMAP;(v)NaBH、MeOH/THF;(vi)EtSiH、TFAまたはTFA/DCMまたはDCM;(式中:R=R=R;ならびに、R、R、R、R、R、RおよびRは、式(II)と同義である)。
【0087】
式(2)で示される化合物(式中:R≠R)は、段階的な手法で、式(1)で示される化合物をハロゲン化アルキルRX、次いで、第2のハロゲン化アルキルRXと反応させることによって調製されうるかまたは反対に、上記条件下で調製されうる。
【0088】
化合物(1)は、国際特許出願公開番号第WO02/064564号に開示される方法にしたがってフタル酸ジエチルから調製されうる。
【0089】
式(5)で示される化合物は、スキーム2、3および4にしたがって調製されうる。
【0090】
【化7】

(i)NaH、乾DMF;(ii)NHCOH、EtOH、Pd/C;(式中:R、R、R、RおよびRは、式(II)と同義である)。
【0091】
【化8】

(i)NaOH、乾DMF;(ii)NHCOH、EtOH、Pd/C;(iii)NaOH、HO、EtOH(式中:R、R、R、RおよびRは、式(II)と同義である)。
【0092】
【化9】

(i)塩基(例えば、KCO)。50℃、乾DMF;(ii)H、Pd/C;(iii)HCl(aq);および(iv)EtOH、HCl(式中:R、R、R、RおよびRは、式(II)と同義である)。
【0093】
式(A)で示される化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野に既知の方法にしたがって調製されていてもよい(例えば、2,4−ジフルオロニトロベンゼンおよび3,4−ジフルオロニトロベンゼンは、Sigma−Aldrich Co.Ltd.から購入してもよい)。
【0094】
式(B)で示される化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野に既知の方法にしたがって調製されていてもよい(例えば、マロン酸ベンジルエチルは、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入してもよい)。
【0095】
式(D)で示される化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野に既知の方法にしたがって調製されていてもよい(例えば、ジエチルクロロマロン酸塩は、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入してもよい)。
【0096】
式(E)で示される化合物は、商業的に入手可能であるかまたは当該分野に既知の方法にしたがって調製してもよい(例えば、ジエチルマロン酸塩は、Sigma−Aldrich Co.Ltdから購入してもよい)。
【0097】
本発明の別の実施態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を調製する方法であって、スキーム1に記載されるように、式(3)で示される化合物または式(4)で示される化合物を式(IV):
【化10】

[式中:R、R、RおよびRは、式(I)と同義であって、R’はHまたはC1−6アルキルを表す]
で示される化合物と反応させ、その後、所望により、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換してもよいことを含む方法が提供される。
【0098】
式(IV)で示される化合物(式中:R’はHを表す)は、式(5)で示される化合物の加水分解によって調製してもよい。
【0099】
以下の記載例および実施例は、式(I)で示される化合物の調製を説明する。記載例は、中間体化合物をいう。
【0100】
略語
DCM ジクロロメタン
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
HCl 塩酸
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
MeOH メタノール
MDAP マスディレクテッド自動化調製
NaOH 水酸化ナトリウム
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0101】
分析的製法
LC/MS
カラム
Waters Atlantis(4.6mmx50mm)。固定相粒径、3μm。
溶媒
A:水性溶媒=水+0.05%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.05%ギ酸
【0102】
方法
【表1】

全ての保持時間は、分で測定される。
本明細書で用いられるように、「CV」は、カラム体積を意味する。
【0103】
NMR
H NMRスペクトルは、Bruker AVANCE 400 NMRスペクトロメータまたはBruker DPX250 NMRスペクトロメータで記録された。化学シフトは、100万分の1(ppm、δ単位)で表される。カップリング定数(J)は、ヘルツ(Hz)の単位である。分裂パターンは、見掛け多重度を示し、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、dd(ダブル・ダブレット)、dt(ダブル・トリプレット)、m(マルチプレット)、br(ブロード)として示される。
【0104】
精製方法
実施例の精製は、適当な溶媒を用いてクロマトグラフィーおよび/または再結晶などの常法によって行われうる。クロマトグラフ法には、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、SFC(超臨界流体クロマトグラフィー)、およびMDAP(マスディレクテッド自動調製)が含まれる。
【0105】
本明細書で用いると、「Biotage」なる語は、商業的に入手可能なプレパックシリカゲルカートリッジをいう。
【0106】
マスディレクテッド自動調製(MDAP)
カラム
Waters Atlantis:19mmx100mm(小スケール);および30mmx100mm(大スケール)。
固定相粒径,5μm。
【0107】
溶媒
A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%ギ酸
処理溶媒=メタノール:水80:20
ニードル洗浄溶媒=メタノール
【0108】
方法
5種の方法は、目的化合物の分析保持時間に応じて用いられた。
(1)大/小スケール 1.0−1.5=5−30%B
(2)大/小スケール 1.5−2.2=15−55%B
(3)大/小スケール 2.2−2.9=30−85%B
(4)大/小スケール 2.9−3.6=50−99%B
10分の勾配、次いで、3.5分カラム洗浄および再平衡工程を含む、13.5分の実行時間。
(5)大/小スケール 3.6−5.0=80−99%B
6分の勾配、次いで、7.5分のカラム洗浄および再平衡工程を含む、13.5分の実行時間。
【0109】
示されるように、「シャロー勾配(shallow gradient)」条件を以下のとおり用いた:
Large 1.5〜2.3分=13−29%B
Large 1.9〜2.3分=25−41%B
Large 2.3〜2.6分=37−53%B
Large 2.6〜3.1分=49−65%B
Large 3.1〜3.6分=61−77%B
10分の勾配、次いで、3.5分のカラム洗浄および再平衡工程を含む、13.5分の実行時間。
【0110】
流速
20ml/分(小スケール)または40ml/分(大スケール)。
【実施例】
【0111】
記載例1a
1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化11】

1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(11g、36.1mmol)をアセトン(180ml)で溶解し、炭酸カリウム(24.9g、180.5mmol)を加え、攪拌した。1−ブロモプロパン(13.1ml、144.4mmol)を加え、反応混合物を、アルゴン下、一晩加熱還流した(60℃)。反応物を室温に冷却し、無機固体を濾去した。溶媒を蒸発し、橙褐色油を得た。残渣をトルエンで処理し、5%水酸化カリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、褐色油を得、ヘキサン中10%酢酸エチルで溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製した。純粋な画分を蒸発し、黄色油として標記化合物を得た(11.45g、29.5mmol)。
LC/MS:Rt=3.87、[MH]389
【0112】
記載例1b
1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化12】

1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(25g、82.2mmol)を、アセトン(400ml)で溶解し、炭酸カリウム(34g、246.5mmol)を加えた。これを、20分間攪拌した。ヨウ化エチル(19.8ml、246.5mmol)を加え、7時間60℃に加熱した。室温に冷却し、固体を濾去した。溶媒を蒸発し、オレンジ色油を得、酢酸エチルおよびブラインの間に分配した。水層を酢酸エチル(x3)で抽出し、合した有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。蒸発し、褐色固体(約29g)を得た。粗物質を、30CVかけてヘキサン中0−15%酢酸エチル(ヘキサン 2CV、5%EtOAc/ヘキサン 2CV、10%EtOAc/ヘキサン 4CV、12%EtOAc/ヘキサン 2CV、15%EtOAc/ヘキサン 20CV)で溶出しながらフラッシュカラムクロマトグラフィーに付して精製した。画分を蒸発し、桃色固体を得た。冷ヘキサンで磨砕し、白色固体として標記化合物を得た(3回分、合計24.83g、68.9mmol)。
LC/MS:Rt=3.52、[MH}287
1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチルは、国際特許出願公開番号第WO02/064564号に開示される方法にしたがって調製されうる。
【0113】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチルと同様の手法で調製した。
【表2】

【0114】
記載例2a
1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸
【化13】

1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(11.45g、29.5mmol)をエタノール(70ml)で溶解し、水(15ml)で溶解した水酸化ナトリウム(3.54g、88.5mmol)で処理した。これを、アルゴン下、60℃で4時間加熱した。反応の終了をLC/MSおよび薄層クロマトグラフィーで確認した。反応混合物を室温に冷却し、3分の1の容量に蒸発した。これを塩酸(2N)でpH2に酸性化し、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。合した有機物を、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発し、黄色固体として標記化合物を得た(8.91g、26.8mmol)。
LC/MS:Rt=2.74、[MH]333
【0115】
記載例2b
1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸
【化14】

1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(24.8g、68.8mmol)を、エタノール(200ml)で懸濁し、200mlの水で溶解した水酸化ナトリウム(8.3g、206.4mmol)で処理した。攪拌を促進するために、さらに50mlのエタノールを加えた。100℃で加熱還流した。加熱しながら全て溶解した。8時間還流した。室温に冷却し、一晩静置した。溶媒をほとんど蒸発乾固した。水を加え、氷浴中で攪拌した。2M HCl溶液(約150ml)で酸性化した。白色沈渣を濾過し、水で洗浄し、真空オーブンで乾燥し、白色固体として標記化合物を得た(18.77g、61.7mmol)。
LC/MS:Rt=2.34、[MH]305
【0116】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸と同様の方法で調製した。
【表3】

【0117】
記載例3a
4,9−ビス(プロピルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオン
【化15】

1,4−ビス(プロピルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸(8.91g、26.8mmol)を、クロロホルム(80ml)で懸濁し、温度が(大きく変化しないように)観察しながら塩化チオニル(20.5ml、281.4mmol)を滴下した。反応物を、2.5時間65℃で加熱した。反応混合物を、室温に冷却し、真空中で濃縮した。黄色/褐色固体をクロロホルム(x3)と共沸し、ベージュ色固体として標記化合物を得た(8.74g、27.8mmol)。
LC/MS:Rt=3.77、[MH]315
【0118】
記載例3b
4,9−ビス(エチルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオン
【化16】

1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸(10.3g、33.8mmol)を三つ口フラスコに加え、クロロホルム(80ml)を加え、攪拌した。温度が(変化しないように)観察しながら滴下漏斗中で塩化チオニル(49.2ml、355.4mmol)を25分かけて滴下した。反応物を、一晩加熱還流した(65℃)。LC/MSは、残りの出発物質を示さなかった。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を蒸発した。生成物をクロロホルム(x2)で共沸し、残りの微量の塩化チオニルを除去し、淡黄色固体として標記化合物を得た(9.86g)。
LC/MS:Rt=3.48、[MH]287
【0119】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて4,9−ビス(プロピルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオンと同様の方法で調製した。
【表4】

【0120】
記載例4
エチル フェニルメチル (2−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート
【化17】

乾DMF(20ml)中マロン酸ベンジルエチル(2.9g、12.6mmol)を氷浴中で冷却し、水素化ナトリウム(504mg、12.6mmol)を滴下しながら温度を観察した。これを、H発生が終了するまで10分間室温で攪拌した。アルゴン雰囲気下で3,4−ジフルオロニトロベンゼン(2g、12.6mmol)を加え、暗赤色に変化した。反応混合物を、アルゴン下、100℃で20時間加熱した。薄層クロマトグラフィー(ヘキサン中20%酢酸エチル)は、反応の終了を示した。反応混合物を室温に冷却し、2N塩酸(75ml)と酢酸エチル(75ml)の間に分配した。水層を酢酸エチル(2x75ml)で抽出し、合した有機画分を黄色油に蒸発した。ヘキサン中0−20%酢酸エチルで溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製し、黄色油として標記化合物を得た(3.86g、10.6mmol)。
LC/MS:Rt=3.40、[MH]362
【0121】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いてエチル フェニルメチル (2−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアートと同様の方法で調製した。
【表5】

【0122】
記載例5
(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル
【化18】

エタノール(50ml)で溶解したエチル フェニルメチル (2−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート(3.86g、10.6mmol)を、アルゴン下、ギ酸アンモニウム(6.7g、10.6mmol)で処理した。10%炭素担体パラジウムペースト(380mg)を加え、反応物を還流しながら3時間攪拌した(60℃)。反応物を室温に冷却し、触媒をセライトに通して濾去した。溶媒を除去し、褐色油を得た。粗物質を45分かけてヘキサン中0−50%酢酸エチル(1:1)で溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製した。画分を蒸発し、黄色油として標記化合物を得た(1.26g、6.4mmol)。
LC/MS:Rt=2.10、[MH]198
【0123】
以下の化合物は、適当な出発物質を用いて(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチルと同様の手法で調製した。
【表6】

【0124】
記載例6
ジエチル クロロ(3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアートおよびジエチル (3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート
【化19】

乾DMF(300ml)で溶解した2,4−ジフルオロニトロベンゼン(31.5ml、287mmol)およびクロロマロン酸ジエチル(46.4ml、287mmol)を氷浴で冷却した。破砕した水酸化ナトリウムを20分かけて加えた。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。反応物を再度、氷浴中で冷却し、2N HCl(約400ml)で酸性化した。酢酸エチル(2x400ml、1x200ml)で抽出し、有機物を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。蒸発し、オレンジ色油(約89g)を得た。物質を、1.5Kgシリカカートリッジ上に充填し、10カラム容量かけてヘキサン中0−20%酢酸エチルで溶出しながらCombiFlash(登録商標)Companion(商標)XLに付して精製した。画分を蒸発し、黄色油としてジエチル クロロ(3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート(9.09g)、黄色油としてジエチル (3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート(24.7g)および黄色油として2種の混合物を得、静置すると結晶化した(1.7g)。
【0125】
ジエチル クロロ(3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート
LCMS rt=3.18;
H NMR(CDCl) δ ppm:1.32(6H,t,J=7.8Hz)、4.35(4H,m)、7.64(1H,dd,J=11.9,2.1Hz)、7.56(1H,ddd,J=8.9,2.1,1.1Hz)、8.08(1H,dd,J=8.7,7.6Hz)。
【0126】
ジエチル (3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート
LCMS rt=2.96、MH=300;
H NMR(CDCl) δ ppm:1.29(6H,t,J=7.1Hz)、4.25(4H,m)、4.67(1H,s)、7.45(1H,dd,J=11.5,1.8Hz)、7.35(1H,ddd,J=8.6,1.5,0.8Hz)、8.06(1H,dd,J=8.4,7.9Hz)。
【0127】
記載例7
ジエチル (4−アミノ−3−フルオロフェニル)プロパンジオアート
【化20】

エタノールで懸濁したジエチル クロロ(3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアートおよびジエチル (3−フルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート(1.7g、約5.7mmol)の混合物を、溶解するまで5−10ml酢酸エチルで処理した。これを、アルゴン下にて10%Pd/C(湿ペースト)(170mg)で処理し、次いで、ギ酸アンモニウム(1.8g、5当量)を加えた。アルゴン下、還流温度で1時間攪拌した。室温に冷却し、アルゴン下、Pdをセライトに通して濾去した。褐色油約1.7gに蒸発した。10カラム容量かけてヘキサン中5−40%酢酸エチルで溶出しながら、フラッシュクロマトグラフィー、40+TMM シリカカートリッジに付して精製した。画分を蒸発し、黄色油として標記化合物を得た(722mg)。
LCMS rt=2.65、MH=270.
【0128】
記載例8
(4−アミノ−3−フルオロフェニル)酢酸エチル
【化21】

ジエチル (4−アミノ−3−フルオロフェニル)プロパンジオアート(11.85g、44.1mmol)をエタノール(80ml)で溶解し、18mlの水で溶解したNaOH(2.6g、1.5当量)で処理し、桃色溶液を得た。これを、終了するまで1時間90℃に加熱した。さらに1時間攪拌し続け、次いで、室温に冷却した。溶媒を蒸発し、2N HClで酸性化した。酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。抽出し、黄色油として標記化合物を得、静置するとゆっくりと結晶化した(6.6g)。
LCMS rt=2.28、MH=198。
【0129】
記載例9
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化22】

酢酸(5ml)中4,9−ビス(エチルオキシ)ナフト[2,3−c]フラン−1,3−ジオン(0.100g、0.35mmol)を、DMAP(0.013g、0.11mmol)、次いで、(4−アミノ−3−フルオロフェニル)酢酸エチル(0.138g、0.70mmol)で処理し、アルゴン下にて一晩(120℃で)加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を蒸発し、褐色/オレンジ色油を得、DCMで希釈し、飽和NaHCO、次いで、2N HClで洗浄した。有機物をMgSOで乾燥し、褐色油に蒸発し、30分かけてヘキサン中酢酸エチル(0−20%)で溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して精製した。蒸発した画分をヘキサンで磨砕し、固体として標記化合物を得た(0.110g、0.24mmol、69%)。
LC/MS:Rt=3.74、[MH]466
【0130】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表7】

【0131】
記載例10
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化23】

1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸(18.77g、61.7mmol)を、酢酸(190ml)中(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル(13.38g、67.9mmol)に加え、加熱還流した。17時間行ったLC/MSは、反応が不完全であることを示した。より多くの(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル(4g、20mmol)を加え、加熱し続けた。加熱のさらに3時間後、(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル(3g、15mmol)をさらに加え、加熱し続けた。加熱のさらに2時間後、より多くの(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル(3g、15mmol)を加え、さらに6時間加熱し続けた。次いで、反応混合物を冷却し、生成物を溶液から結晶化した。水(200ml)で希釈し、さらに沈殿が形成した。濾過し、固体を酢酸(500ml)でさらに洗浄し、できるだけ多くの色を取り除き、次いで、水(500ml)で洗浄した。固体を一晩真空オーブンで乾燥し、淡褐色固体を得た(12.01g)。水溶液を再度、濾過し、固体をさらに酢酸および水で洗浄し、乾燥し、淡褐色固体を得た(1.4g)。上記からの酸溶液を再度、濾過し、固体を酢酸および水でさらに洗浄し、乾燥し、淡褐色固体を得た(6.12g)。全ての酸濾液を真空中で濃縮し(約250ml)、冷却した。結晶化した固体を濾過し、酢酸(50ml)、水でさらに洗浄し、乾燥し、白色固体を得た(2.19g)。さらに固体を濾液中で結晶化し、濾過し、酢酸(50ml)、水でさらに洗浄し、乾燥し、褐色固体を得た(3.76g、純度約60%=2.27g生成物)。標記化合物の総収量24g。
LC/MS:Rt=3.81、[MH]466
【0132】
実施例1
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸
【化24】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル(0.050g、0.11mmol)を氷酢酸(2ml)で溶解し、2N塩酸(2ml)を加え、沈殿を引き起こした。反応混合物を、アルゴン下にて2時間100℃に加熱し、(沈渣を溶液に戻した)。反応混合物を室温に冷却し、5分間攪拌しながら水を加えた。固体沈渣を形成し、濾過し、水で洗浄し、回収し、黄色固体として標記化合物を得た。生成物を真空オーブン中で得乾燥した(0.024g、0.05mmol)。
LC/MS:Rt=3.27、[MH]438
【0133】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸と同様の方法で調製した。
【表8】

【0134】
記載例11
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化25】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル(0.112g、0.24mmol)をメタノール(2ml)で懸濁し、反応物を溶解するためにテトラヒドロフラン(3ml)を加えた。反応物を、氷浴中で0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.027g、0.72mmol)を滴下した。0℃で2−3時間アルゴン下にて攪拌した。さらに、水素化ホウ素ナトリウムを反応物に加え、反応を終了させた。反応混合物を固体に蒸発し、EtOAcと塩化アンモニウム(飽和)の間に分配した。水層をEtOAc(x2)で抽出し、合した有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を蒸発し、粘着性残渣として少量の生成物を得、ヘキサンで磨砕し、固体を得た(0.111g、0.23mmol)。
LC/MS:Rt=3.29、[MH]468
【0135】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表9】

【0136】
記載例12
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化26】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(24g、51.6mmol)をメタノール(75ml)およびテトラフラン(200ml)で懸濁し、氷浴で5℃に冷却した。いくつかの固体は溶液に戻らなかった。水素化ホウ素ナトリウム(2g、51.6mmol)を2分かけて滴下した(発泡)。非溶解固体はゆっくりと溶液に戻り、色は暗褐色から淡褐色に薄くなった。5分後および30分後のLC/MSは、反応が終了に進まなかったことを示した。したがって、30分後、より多くの水素化ホウ素ナトリウム(1g、26.3mmol)を分けて加えた(発泡)。さらに30分後のLC/MSは、出発物質が残っていないことを示した。混合物を真空中で濃縮し、褐色油を得、酢酸エチル(300ml)と水(500ml)の間に分配した。水層を酢酸エチル(2x100ml)でさらに抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、褐色固体として標記化合物を得た(26g)。
LC/MS:Rt=3.47、[MH]468。
【0137】
記載例13
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化27】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル(0.111g、0.24mmol)を、トリフルオロ酢酸(5ml)[即時オレンジ色溶液]で溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。トリエチルシラン(0.06ml、0.36mmol)で滴下処理し、アルゴン下0℃で攪拌した。30−60分後反応が終了した。トリフルオロ酢酸を蒸発し、黄色油を得、30分かけてヘキサン中酢酸エチル(0−20%)で溶出しながらシリカゲル上のクロマトグラフィーに付して直接精製した。画分を無色ゴムに蒸発し、ヘキサンで磨砕し、白色固体を得た(0.072g、0.16mmol)。
LC/MS:Rt=3.65、[MH]452。
【0138】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチルと同様の方法で調製した。
【表10】

【0139】
記載例14
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化28】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(約51.6mmol)をCHCl(50ml)で溶解し、0℃に冷却し、TFA(50ml)を加えた。トリエチルシラン(12.3ml、77mmol)を分けて加え、褐色溶液を得た。溶液を真空中で濃縮し、黄褐色固体を得た。これを、熱イソプロパノール(550ml)から再結晶し、冷却し、濾過し、イソプロパノールで洗浄し、真空オーブンで乾燥し、灰白色結晶として標記化合物を得た(20.2g)。
LC/MS:Rt=3.89、[MH]452
【0140】
実施例4
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸
【化29】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸エチル(0.072g、0.16mmol)をエタノール(2ml)で懸濁し、2N水酸化ナトリウム(6ml)で処理した。アルゴン下、100℃で1時間加熱還流した。LC/MSによって反応が終了したことを示された。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発乾固した。水および2N HClを酸性化するために加えた。これを、酢酸エチルで(x2)抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、固体に蒸発し、真空オーブンで一晩乾燥し、標記化合物を得た(0.038g、0.09mmol)。
LC/MS:Rt=3.14、[MH]424
【0141】
以下の化合物を、適当な出発物質を用いて{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸と同様の方法で調製した。
【表11】

【0142】
実施例9
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸
【化30】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(20.2g、44.8mmol)をエタノール(450ml)で懸濁し、2N水酸化ナトリウム(150ml)で処理した。混合物を1時間加熱還流し、次いで、冷却し、真空中で約200mlに濃縮し、次いで、2N塩酸で酸性化した。白色固体を濾過で回収し、水(500ml)で洗浄し、真空オーブンで乾燥し、クリーム色固体として標記化合物を得た(18.45g、43.6mmol)。
LC/MS:Rt=3.35、[MH]424
【0143】
H−NMR(DMSO) δ12.49(1H,br,s)、δ8.32(1H,d,J=8Hz)、δ8.19(1H,d,J=8Hz)、δ7.96(1H,dd,J=13,2Hz)、δ7.74(1H,dd,J=9,2Hz)、δ7.71(1H,t,8Hz)、δ7.64(1H,t,8Hz)、δ7.41(1H,t,9Hz)、δ5.19(2H,s)、δ4.39(2H,q,J=7Hz)、δ4.32(2H,q,7Hz)、δ3.63(2H,s)、δ1.48(3H,t,J=7Hz)、δ1.46(3H,t,J=7Hz)。
【0144】
記載例15
ジエチル (3,5−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート
【化31】

氷浴で冷却した1,3−ニトロベンゼン(3.0g、16.95mmol)およびジエチル クロロプロパンジオアート(3.3g、16.95mmol)のDMF(20ml)中溶液に、破砕した水酸化ナトリウム(1.36g、33.90mmol)を分けて加えた。これは、鮮赤色溶液となった。反応物を室温で一晩攪拌した。次いで、これを2N HCl(50ml)で酸性化し、酢酸エチル(100ml)で2回抽出した。合した有機物をブライン(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発した。残渣をヘキサン中5−40%酢酸エチルで溶出しながらクロマトグラフィーに付して精製した。最もきれいな画分を蒸発し、黄色固体として標記化合物を得た(2.08g、6.56mmol)。LC/MS:Rt=3.06、[MH]318。
【0145】
記載例16
ジエチル (4−アミノ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパンジオアート
【化32】

ジエチル (3,5−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)プロパンジオアート(2.08g、6.56mmol)をエタノール(100ml)に加えた。次いで、アルゴン流下で炭素担体10%パラジウム(湿ペースト)(0.208g)を加えた。これをギ酸アンモニウム(2.07g、32.80mmol)で処理し、反応物を30分間加熱還流した。室温に冷却すると、反応物をセライトに通して濾過し、エタノールで洗浄した。これを褐色油状固体に蒸発した。DCMで磨砕し、不溶性不純物を除去した。リカー(liquor)を蒸発し、次いで、ヘキサン中5−40%酢酸エチルで溶出しながら、クロマトグラフィーに付して精製した。きれいな画分を蒸発し、淡褐色油として標記化合物を得た(0.774g、2.70mmol)。LC/MS:Rt=2.69、[MH]288。
【0146】
記載例17
(4−アミノ−3,5−ジフルオロフェニル)酢酸エチル
【化33】

ジエチル (4−アミノ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパンジオアート(0.770g、2.68mmol)をエタノール(50ml)で溶解し、水(1.5ml)中水酸化ナトリウム(0.107g、2.68mmol)で処理した。これを、55分間90℃に加熱した。さらに、水酸化ナトリウム(0.016g、0.40mmol)を反応物に加え、15分間加熱し続けた。反応物を室温に冷却し、蒸発した。これを2N HCl(20ml)で酸性化し、酢酸エチル(25ml)で2回抽出した。合した有機物をブライン(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発し、淡褐色油として標記化合物を得た(0.610mg、2.84mmol、>100%)。LC/MS:Rt=2.52、[MH]216。
【0147】
実施例10
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸および{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル
【化34】

1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸(0.389g、1.28mmol)の酢酸(5ml)中溶液に、(4−アミノ−3,5−ジフルオロフェニル)酢酸エチル(0.55g、2.56mmol)およびDMAP(0.047g、0.38mmol)を加えた。反応物を2日間120℃に加熱した。水(15ml)を混合物に加え、得られたクリーム色固体を濾過によって回収し、水で洗浄した。これを真空オーブンで乾燥した。粗混合物を、逆相クロマトグラフィーを用いて精製した。
【0148】
最も極性が高い画分を合し、2群の酸、実施例10、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸(0.131g、0.29mmol) LC/MS:Rt=3.30、[MH]456および(0.05g、0.11mmol) LC/MS:Rt=3.30、[MH]456を得た。
【0149】
より極性が低い画分を、酸およびエチルエステルの混合物として合した。これらを蒸発し、ヘキサン中7−60%酢酸エチルで溶出しながら順相クロマトグラフィーを用いてさらに精製した。画分を蒸発し、淡黄色固体として2群のエチルエステル、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル(0.172g、0.36mmol) LC/MS:Rt=3.90、[MH]484および(0.072g、0.15mmol) LC/MS:Rt=3.72、[MH]484を得た。
1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸を、国際特許出願公開番号WO02/064564に開示される方法にしたがって調製してもよい。
【0150】
記載例18
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル
【化35】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル(0.240g,0.50mmol)のTHF(10ml)およびメタノール(5ml)中攪拌溶液に、アルゴン雰囲気下で水素化ホウ素ナトリウム(0.019g、0.50mmol)をゆっくりと加えた。これを15分間室温で攪拌し、次いで、さらに0.057g(1.50mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを加え、反応が終了に進行した。1.5時間後、反応物を蒸発し、塩化アンモニウムの水溶液でクエンチした。これを酢酸エチル(25ml)で2回抽出し、合した抽出液をブラインで洗浄した。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発し、黄色油状固体として標記化合物を得た(0.240g、0.49mmol) LC/MS:Rt=3.42および3.46、[MH]486。
【0151】
記載例19
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル
【化36】

0℃で{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル(0.240g、0.495mmol)のTFA(3ml)中攪拌溶液に、トリエチルシラン(0.118ml、0.742mmol)を滴下した。加えると、鮮赤色溶液が淡黄色に変わった。混合物を蒸発し、次いで、MDAPに付して精製した。画分を蒸発し、黄色固体を得た(0.049g、0.10mmol) LC/MS:Rt=3.62、[MH]470。
【0152】
実施例11
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸
【化37】

{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸エチル(0.045g、0.096mml)に、酢酸(3ml)および2N塩酸(3ml)を加えた。これを1時間100℃に加熱した。加熱を終了し、反応液を室温に冷却し、水を加え、得られた黄色固体を濾過によって回収し、真空オーブンで乾燥した。これをMDAP(シャロー勾配)に付して精製した。きれいな画分を蒸発し、透明ガラスとして標記化合物を得た(0.018g、0.04mmol) LC/MS:Rt=3.16、[MH]442。
【0153】
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸(実施例9)はまた、以下の製法にしたがって調製された。
【0154】
工程1
1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化38】

ナトリウムエトキシド(95%、725g、10.2mol)のトルエン(7.2L、共沸し、水を除去した)の攪拌懸濁液に、窒素雰囲気下、フタル酸ジエチル(1513mL、7.6mol)を加えた。得られた懸濁液を70℃に加熱し、次いで、1時間かけてコハク酸ジエチル(800mL、5.07mol)を滴下した。次いで、コハク酸ジエチルの消費をTLC分析(シリカ、ジクロロメタン)で観察しながら、反応混合物を、窒素雰囲気下、70℃で18時間攪拌した。反応混合物を5℃に冷却し、水(7.2L)を滴下し、攪拌を終了する前に5分間懸濁液を発泡させ、層を分離した。水層を回収し、5℃で濃塩酸(約600mL)を滴下し、pH4.5に調整した。沈殿した固体を濾過によって単離し、水(2L)で洗浄し、凍結乾燥し、黄色固体として粗生成物を得た(520g、収率34%)。
水性混合物を、所望の生成物の加水分解を回避するために実行可能であればすぐに酸性化すべきである。
【0155】
工程2
1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル
【化39】

炭酸カリウム(1728g、12.5mol)のアセトン(11L)中懸濁液を、40℃で2時間攪拌し、次いで、20℃に冷却した。1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(1087g、3.57mol)および臭化エチル(800mL、10.7mol)を、反応混合物に加えた。この後、18時間加熱還流した。H−NMR分光法は主に、モノアルキル化を示したので、反応混合物を−30℃に冷却し、ヨウ化エチル(470mL、5.88mol)を加え、次いで、混合物をさらに24時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、無機固体をアセトン(3L)で洗浄した。減圧下にて合した濾液から溶媒を除去し、暗赤色固体として所望の生成物を得た(1343g、定量的収量)。
ヨウ化エチルはまた、該反応で用いられてもよく、臭化エチルの低沸点によって大スケールが好ましくてもよい。
【0156】
工程3
1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸
【化40】

1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ジエチル(1343g、3.73mol)のエタノール(5.5L)中攪拌溶液に、2M水酸化ナトリウム溶液(5.5L、11.0mol)を加えた。反応の進行をH−NMR分光法によって観察しながら、反応混合物を8時間加熱還流した。次いで、結晶化した固体を濾過によって単離する前に混合物を18時間0℃に冷却し、エタノール(5L)で洗浄し、一定量に60℃で真空オーブンにて乾燥し、白色固体として所望の生成物を得た(903.7g、Karl−Fischerによって約11%水が残っている、収率62%)。
【0157】
工程4a
(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル
【化41】

塩化チオニル(986mL、8.51mol)を、窒素雰囲気下、0℃で2−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸(960g、5.68mol)のエタノール(10L)中攪拌懸濁液に滴下した。次いで、反応の進行をH−NMR分光法によって観察しながら、反応混合物を48時間40℃に加熱した。反応混合物を蒸発乾固し、残渣をジクロロメタン(8L)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5L)の混合物で再溶解した。水相が塩基性になるまで、炭酸水素ナトリウム溶液を(約8L)をさらに加えた。層を分離し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(4L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、オレンジ色油として所望の生成物、(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチルを得(1042g、収率93%)、静置すると結晶化しうる。
【0158】
工程4b
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化42】

反応の進行をH−NMR分光法によって観察しながら、1,4−ビス(エチルオキシ)−2,3−ナフタレンジカルボン酸ナトリウム塩(526g、1.51mol)および(4−アミノ−2−フルオロフェニル)酢酸エチル(539g、2.73mol)の氷酢酸(5100mL)中混合物を、6時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、18時間攪拌し、水(14L)で希釈し、さらに30分間攪拌した。生成物を濾過によって単離し、水(5L)で洗浄し、60℃で真空オーブンにて乾燥し、灰白色固体として所望の生成物を得た(587g、収率84%)。
【0159】
工程5a
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化43】

水素化ホウ素ナトリウム(45g、1.19mol)を、45分かけて窒素雰囲気下にて−5〜0℃で{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(542g、1.16mol)のメタノール(1.63L)およびテトラヒドロフラン(4.34L)の混合液中攪拌懸濁液に滴下した。0℃でさらに60分間攪拌した後、TLC分析(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル、70:30)で観察できなくなるまで追加分の水素化ホウ素ナトリウム(総量25g、0.66mol)を加えた。この時点で、反応混合物を、約pH9まで飽和塩化アンモニウム溶液(約2700mL)を滴下することによってクエンチした。酢酸エチル(2L)を加え、混合物を5分間攪拌した。攪拌を終了し、層を分離した。水相をさらに一部の酢酸エチル(2x4L)で抽出した。合した有機相を、ブライン(6L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。物質を、同様の方法で処理された別の群からのものと合し、蒸発乾固した。残渣をジクロロメタン(5L)で再溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。これを、イソプロピルアルコール(2L)でスラリーとし、DCM(5L)で溶解することで乾燥し、3回蒸発乾固し、灰白色固体として所望の生成物を得た(929g、収率89%)。
【0160】
工程5b
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル
【化44】

トリフルオロ酢酸(1900mL)を、窒素雰囲気下、0℃で{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(898g、1.92mol)のジクロロメタン(1900mL)中攪拌溶液に加えた。温度を3℃以下に維持することを確保しながら、トリエチルシラン(465mL、2.92mol)を深赤色溶液に滴下した。次いで、反応混合物を0℃で45分間攪拌し、時間をかけて溶液を黄色に変え、全ての{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチルをTLC分析(シリカ、ジクロロメタン:メタノール、99:1)によって消費することが示された。反応混合物を、減圧下で蒸発乾固し、40℃でヘキサン(2 x 2.5L)、次いで、イソプロパノール(2.5L)でスラリーとし、真空下で乾燥し、白色固体として所望の生成物を得た(821g、収率95%)。
【0161】
工程6a
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸
【化45】

反応の進行をTLC分析(シリカ、ジクロロメタン:メタノール、99:1)によって観察しながら、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(70.0g, 155mmol)の氷酢酸(650mL)および塩酸(6M、250mL)の混合物中懸濁液を、窒素雰囲気下で加熱還流した。60分後、反応混合物を0℃に冷却した。沈殿した固体を濾過によって単離し、水(500mL)で洗浄し、50℃で氷酢酸(350mL)にてスラリーとし、空気乾燥し、灰白色固体として所望の生成物、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸を得た(57.7g、収率88%)。
【0162】
該反応製法中、全ての固体は溶解し、次いで、約30分後反応混合物から生成物が沈殿するであろう。酢酸の塩酸に対する比率の微増は、反応存在物が溶液中に存在することを確実にするために用いられうる。
【0163】
工程6b
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸
【化46】

反応の進行をTLC分析(シリカ、ジクロロメタン:メタノール、99:1)によって観察しながら、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸エチル(200.0g、443mmol)の氷酢酸(2080mL)および塩酸(2M、700mL)の混合液中懸濁液を、窒素雰囲気下で加熱還流した。60分後、反応混合物を0℃に冷却した。沈殿した固体を濾過によって単離し、水(1400mL)で洗浄し、凍結乾燥し、灰白色固体として所望の生成物を得た(163.4g、収率87%)。
最終生成物群を、上記のように行った5回の酢酸エチルスラリー(3L)によって得(総重量、555g)、次いで、凍結乾燥し、70℃でオーブン乾燥し、灰白色固体として所望の生成物、{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸を得た(510.6g、加水分解およびスラリーについて収率82%)。
【0164】
生物学的データ
インビトロcAMPアッセイ
組み換えヒトプロスタノイドEP受容体を発現するHEK−293(T)細胞(HEK−EP細胞)を用いて研究を行った。細胞を、glutamax II(Gibco)を含有するDMEM−F12/F12で単層培地として成長させ、10%ウシ胎仔血清(Gibco)および0.4mg.ml−1 G418で補完した。HEK−EP細胞を、10μMインドメタシンで実験24時間30分前に前処理し、10μMインドメタシンを含有するヴェルセンを用いて採取した。細胞を、1×10細胞/mlにてアッセイ緩衝液(DMEM:F12、10μMインドメタシンおよび200μM IBMX)で再懸濁し、37℃で20分間培養した。その後、50μlの細胞を50μlアゴニスト(式(I)で示される化合物)に加え、100μlの1%トリトン(triton)X−100で反応を停止する前に4分間37℃で培養した。細胞溶解物中のcAMP濃度を、競合結合アッセイを用いて測定した。該アッセイにおいて、プロテインキナーゼAの結合サブユニットに結合する3H−cAMP(Amersham)を抑制するための細胞溶解物の能力を測定し、cAMP濃度を標準曲線から計算した。各化合物のデータは、標準アゴニストPGE2の最大濃度10nMに対する反応を%として表された。各化合物について、最大応答およびその最大応答の50%をもたらす化合物の濃度を計算した。内活性は、PGE2に対する最大応答に対して表される。明記しない限り、試薬は、シグマから商業的に購入された。
【0165】
本発明の実施例は、上記アッセイで試験され、6.8以上の平均pEC50値、および50%以上の平均内活性を示した。例えば、上記アッセイで試験した場合(n=24)、実施例9は、7.4の平均pEC50値および68%の平均内活性を示した。
【0166】
インビボアッセイ−ラットにおけるFCA誘導性過感受性に対するパラセタモールとのED20併用および一定投与量併用における{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸(「実施例9」)の効果
【0167】
研究目標:
ED20投与量の実施例9およびパラセタモールを組み合わせるかまたは一定投与量の併用かを決定することは、既存のFCA誘導性過感受性の反転における相乗効果をもたらすであろう。
【0168】
方法:
FCAおよび荷重負荷読み取り
・研究の開始時に、未投与の荷重負荷読み取りを行った。疼痛に対する過感受性を、Rat incapacitance tester(Linton装置)を用いて測定した。
・次いで、全ての雄ラット(RH株、180−220g)は、左後脚に100ulのFCA(完全フロインドアジュバント)の足底内注射を受けた。FCAを、使用前に15分間超音波分解した。
・FCAの投与24時間後、投与前の荷重負荷読み取りを行った。次いで、FCAウィンドウ(投与前のグラム差−未投与のグラム差)にしたがって投与のために動物をランク付けし、ランダムに選択した。30以下のFCAウィンドウを有するラットを、研究から除外した。
・次いで、動物はランク付けおよびランダム化にしたがって経口投与された。2種の研究を以下のとおりに実施した:
・最初の研究では、実施例9およびパラセタモールのED20投与量を、以下のプロトコルを用いて組み合わせた。
(1)ビヒクル(1%メチルセルロース) 経口
(2)パラセタモール(60mg/kg) 経口
(3)実施例9(0.1mg/kg) 経口
(4)実施例9(0.1mg/kg)+パラセタモール(60mg/kg) 経口**
(5)セレコキシブ(10mg/kg) 経口
ED20投与
**最初に実施例9を、次いで、30分後にパラセタモールを投与した。
・二番目の研究では、実施例9およびパラセタモールとの一定量比率の併用を、以下のプロトコルを用いて達成した
(1)ビヒクル(1%メチルセルロース) 経口+ビヒクル(1%メチルセルロース) 経口
(2)実施例9,0.003mg/kg 経口+パラセタモール,1.8mg/kg 経口
(3)実施例9,0.01mg/kg 経口+パラセタモール,6mg/kg 経口
(4)実施例9,0.03mg/kg 経口+パラセタモール,18mg/kg 経口
(5)実施例9,0.1mg/kg 経口+パラセタモール,60mg/kg 経口
(6)ビヒクル(1%メチルセルロース) 経口+セレコキシブ,10mg/kg 経口
・パラセタモールの投与1時間後、動物は、パラセタモールの投与1時間後荷重負荷装置で評価された。
・研究は、盲検法を行い、ラテン方格法を用いてFCAウィンドウによってランダムに選ばれた。
【0169】
調製の詳細
・ビヒクル(1%メチルセルロース)を加える前に全化合物は乳棒および乳鉢を用いて破砕された。投与量5ml/kg。
・投与前に全ての投与量は、超音波分解され、攪拌された。
・該研究では、正の対照はまた、(セレコキシブ)を試験した。正の対照が、FCA誘導性過感受性の有意な反転(>60%)をもたらさなかったならば、実験は無効と見なされ、研究を繰り返した。
【0170】
統計的分析
・%反転は、以下のように未投与、投与前、投与後値を用いることによって計算された。
%反転=[(投与前−投与後)/(投与前−未投与)]x100。
・グラフおよびED50値は、Prism3を用いて計算された。
・統計的分析を、統計パッケージStatistica6からANOVAおよびFischer LSD検定を用いて実施した。
・相乗効果は、統計的にシナジーマクロを用いて計算された。個々の分子および組み合わせ研究についてのlogED50値および標準誤差は、Statistica 6から得られ、マクロを実行した。一定投与比率を指定し、次いで、併用が統計的に相乗的であったかどうかをマクロが計算する。それは、併用データを個々の化合物の理論的添加と比較する。
【0171】
結果:
既存FCA−誘導性過感受性の反転百分率:
有意な活性を証明した。セレコキシブの最大有効量と同等な過感受性の反転が、単独投与されると有効ではない、低量の実施例9およびパラセタモールを併用してもたらされた(図1)。観察された効果は、事実上相乗効果であることが示されている(図2)。
【0172】
同一モデルにおいて3mg/kgで単独投与すると、実施例9は、0.6μMのEC50を有し、有利にeFCA誘導性過感受性の80%反転をもたらした。
【0173】
実施例9はまた、ラットにおいて7.6時間の経口薬物動態的半減期を示した。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】FCA誘導性過感受性に対する実施例9(0.1mg/kg)およびパラセタモール(60mg/kg)単独および併用の組み合わせの効果を示す。
【図2】実施例9+パラセタモール併用に関する理論的相加用量反応曲線対実測用量反応曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
およびRは、独立して、C1−4アルキルを表し;
、R、RおよびRは、独立して、HまたはFを表し、ただし、RおよびRの少なくとも1つは、Hを表し、RおよびRの少なくとも1つは、Hを表し、R、R、RおよびRの少なくとも1つは、Fを表し;および
XおよびYは、独立して、CHまたはC=Oを表し、ただし、XおよびYの少なくとも1つは、C=Oを表す]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項2】
およびRが同一であって、C1−4アルキルを表す、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
およびRが、独立して、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルからなる群より選択される、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
XおよびY両方が、C=Oを表す、請求項1〜3のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
がFを表し、R、RおよびRがHである、前記請求項のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
がFを表し、R、RおよびRがHを表す、請求項1〜4のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
およびRがFを表し、RおよびRがHを表す、請求項1〜4のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
式(IA):
【化2】

[式中:
およびRは、独立して、C1−4アルキルを表し;
およびRは、独立して、HまたはFを表し、ただし、それらは同一ではなく;および
XおよびYは、独立して、CHまたはC=Oを表し、ただし、XおよびYの少なくとも1つは、C=Oを表す]
で示される請求項1記載の化合物、またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項9】
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸;
{4−[1,3−ジオキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−フルオロフェニル)酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3−フルオロフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸;
{2−フルオロ−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−2−フルオロフェニル)酢酸;
{3−フルオロ−4−[1−オキソ−4,9−ビス(プロピルオキシ)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]フェニル}酢酸;および
(4−{4,9−ビス(1−メチルエトキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル}−3−フルオロフェニル)酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸;
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−3,5−ジフルオロフェニル}酢酸;
からなる群より選択される請求項1記載の式(I)の化合物、またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項10】
({4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸:
【化3】

またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項11】
XおよびYの1つがC=Oを表し、もう一方がCHを表し、R、R、R、R、RおよびRが請求項1と同義である、請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の調製方法であって、式(II):
【化4】

[式中:XおよびYの1つがC=Oを表し、もう一方がCHを表し;R、R、R、R、RおよびRは、式(I)と同義であり;および、Rは、C1−6アルキルを表す]
で示される化合物を適当な塩基と反応させ、その後、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換することを含む、方法。
【請求項12】
XおよびYがC=Oを表し、R、R、R、R、RおよびRが、請求項1と同義である、請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の調製方法であって、式(III):
【化5】

[式中:R、R、R、R、RおよびRは、請求項1と同義であって、RはC1−6アルキルを表す]
で示される化合物を適当な酸または酸の混合物を加え、その後、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換することを含む方法。
【請求項13】
請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の調製方法であって、式(3):
【化6】

で示される化合物を、式(IV):
【化7】

[式中:R、R、R、R、RおよびRは、請求項1と同義であって、R’はHまたはC1−6アルキルを表す]
で示される化合物と反応させ、その後、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換することを含む方法。
【請求項14】
請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の調製方法であって、式(4):
【化8】

で示される化合物を式(IV):
【化9】

[式中:R、R、R、R、RおよびRは、請求項1と同義であって、R’はHまたはC1−6アルキルを表す]
で示される化合物と反応させ、その後、そのように形成された化合物の医薬上許容される誘導体を形成し、および/または式(I)で示される一の化合物を別のものに変換することを含む方法。
【請求項15】
ヒトまたは獣医学に用いるための、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
EP受容体でのPGEの作用、または作用の消失によって媒介される病態の治療に用いるための請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
EP受容体でのPGEの作用、または作用の消失によって媒介される病態を罹患しているヒトまたは動物対象の治療方法であって、有効量の請求項1記載の式(I)の化合物を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項18】
EP受容体でのPGEの作用によって媒介される病態の治療のための医薬の製造のための、請求項1記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項19】
請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体およびその医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
1種または複数の付加的な治療薬を含む、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項21】
EP受容体アゴニストまたはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを含む組み合わせ。
【請求項22】
請求項1記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩およびパラセタモールを含む組み合わせ。
【請求項23】
{4−[4,9−ビス(エチルオキシ)−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f]イソインドール−2−イル]−2−フルオロフェニル}酢酸またはその医薬上許容される誘導体およびパラセタモールを含む請求項20記載の組み合わせ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−82734(P2013−82734A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−193(P2013−193)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2008−552809(P2008−552809)の分割
【原出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】