説明

RFアンテナスイッチ回路、高周波アンテナ部品及び移動通信機器

【課題】スイッチング素子の個数を減らし、スイッチング素子を送受信時共有して、RFアンテナスイッチのサイズを減らすと共に、小型化及びワンチップ化にさらに応じるRFアンテナスイッチ回路、高周波アンテナ部品及び移動通信機器を提供する。
【解決手段】アンテナ1と、少なくとも一つの送信段2及び少なくとも一つの受信段3を備える複数の入出力段と、少なくとも一つの送信段2とアンテナ1側の共通ノード4、5との間の送信経路上に配置され、制御信号によって信号を伝達する少なくとも一つの送信スイッチブロック10と、受信段3と共通ノード4、5との間の受信経路上に配置され、制御信号によって伝達する少なくとも一つの受信スイッチブロック30、30a、30bと、スイッチング素子を共有して各々の送信及び受信動作と同期してオン動作する共用送受信スイッチブロック50とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFアンテナスイッチ回路、高周波アンテナ部品及び移動通信機器に関し、特に、共用スイッチブロックを備えるRFアンテナスイッチ回路、高周波アンテナ部品及び移動通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
高度の情報化社会において、各種移動通信機器の使用が増大されている。このような各種移動通信機器は、通信性能の向上と共に、移動性及び小型化が求められる。
【0003】
そのため、移動通信機器に用いられる高周波部品、例えばRFアンテナにおいても小型化を保障するために、送信器及び受信器を統合したSPDTスイッチ構造などの多重帯域RFアンテナが使われている。特に、このようなRFアンテナへの小型化の要求と共にワンチップ化されている。
【0004】
従来のRFアンテナスイッチは、送信段の送信経路上に送信トランジスタ、受信段の受信経路上に受信トランジスタが挿入され、一つのアンテナを通じて信号を送受信している。この場合、入力として印加される高出力電力に耐えるように多数のトランジスタが送信経路及び受信経路上にシリアル接続された構造を形成している。すなわち、送信経路及び受信経路の各々で別に多数のトランジスタを連結して使われている。
従来には、入力される高出力電力に耐えるために、送信経路及び受信経路上に多数のトランジスタなどのスイッチング素子を連結する場合、RFスイッチのサイズが増大することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−243410号公報
【特許文献2】米国特許出願公開2006/0217078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、従来のSPDTスイッチ構造では、例えばFET素子を用いる場合、該FETのオン/オフ状態が理想的な短絡−開回路ではないオン抵抗とオフキャパシタンスとによる損失が生じ、隔離度が減少することになる。この場合、一方の経路でのスイッチング素子の挿入損失と他方の経路での隔離度との間にはトレード−オフ(trade−off)が存在するので、該他方の経路との隔離度特性を向上する必要がある。
【0007】
そのため、従来の一例では、他方の経路との隔離度特性を改善するために、送信段側のシャントトランジスタと受電段側のシャントトランジスタとを具備して、グラウンドと接続されるようにしている。この時、入力として印加される高出力電力に耐えるようにするため、送信段側のシャントトランジスタと受電段側のシャントトランジスタとは多数のトランジスタが直列積層された構造を形成している。すなわち、送信段側のシャント回路及び受電段側のシャント回路の各々で別に多数のトランジスタが積層されて使われている。そのため、高出力電力に耐えるように設計する場合、RFスイッチのサイズが増大するようになる。
【0008】
RFアンテナに対する小型化及びワンチップ化により一層応じるためには、高出力伝達特性や隔離特性を向上すると共に、RFアンテナスイッチのサイズを減らす必要がある。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、送信経路及び受信経路上で各々スイッチング素子の個数を減らし、該減らしたスイッチング素子を送受信時共有するようにすることによって、高出力伝達特性や隔離特性を向上し、またRFアンテナスイッチのサイズを減らすと共に、小型化及びワンチップ化により一層応じるRFアンテナスイッチ回路、それを用いる高周波アンテナ部品及び移動通信機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を解決するために、本発明によれば、アンテナと、少なくとも一つの送信段及び少なくとも一つの受信段を備える複数の入出力段と、少なくとも一つの送信段とアンテナ側の共通ノードとの間の送信経路上に配置され、制御信号によって信号を伝達する少なくとも一つの送信スイッチブロックと、少なくとも一つの受信段とアンテナ側の共通ノードとの間の受信経路上に配置され、制御信号によって信号を受信段へ伝達する少なくとも一つの受信スイッチブロックと、アンテナを介する信号の送受信の際に、スイッチング素子を共有して送信及び受信の各動作と同期してオン動作する共用スイッチブロックと、を含み、送信及び受信動作のうちの一方がオン動作する時、他方はオフ動作することを特徴とするRFアンテナスイッチ回路が提供される。
【0011】
一実施形態によれば、前記共用スイッチブロックは、アンテナと共通ノードとの間に配置され、送信及び受信スイッチブロックの各々のオン動作と同期してオン動作する共用送受信スイッチブロックを含み、送信及び受信スイッチブロックのうちの一方がオン動作する時、他方はオフ動作する。
また、一実施形態によれば、送信スイッチブロック、受信スイッチブロック及び共用送受信スイッチブロックは、各々トランジスタで構成される。
【0012】
他の実施形態によれば、送信スイッチブロック、受信スイッチブロック及び共用送受信スイッチブロックは各々、複数の電界効果トランジスタのドレイン-ソース直列接続構造で構成される。
【0013】
さらに他の実施形態によれば、送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックのうちの一方でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作後、時間差を置いて、他方でオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われる。
【0014】
さらに他の一実施形態によれば、送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックのうちの一方でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作と同期して、他方では逆にオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われるようにする制御信号区間を含む。
【0015】
なお、本発明の他の実施形態によれば、RFアンテナスイッチ回路は、送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックと各々並列に送信経路及び受信経路上のうちの少なくともいずれか一つの送信段及び受信段各々の側で分路接続された複数のシャントスイッチブロックをさらに含む。また、送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックのうちの一方でオン動作の時、それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ動作し、分路接続されない残りのシャントスイッチブロックはオン動作する。
【0016】
他の実施形態によれば、受信スイッチブロックの少なくとも一部は、一つの受信経路上に第1の受信スイッチブロック及び第2の受信スイッチブロックが直列接続されて形成され、第1及び第2の受信スイッチブロックが直列接続された受信経路上で分路接続されたシャントスイッチブロックは、第1及び第2の受信スイッチブロック間のノードで分岐されて接続される。
【0017】
また、一つの実施形態によれば、複数のシャントスイッチブロックは、各々の一端が送信段及び受信段各々に接続され、各々の他端がグラウンド側の共通ノードに接続され、共用送受信スイッチブロックは、グラウンド側の共通ノードとグラウンドとの間に複数のシャントスイッチブロック各々のオン動作と同期してオン動作する共用シャントスイッチブロックをさらに含む。
【0018】
また、本発明の他の実施形態によれば、入出力段は一つの送信段及び一つの受信段で構成され、送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックは各々一つのスイッチブロックで構成される。
【0019】
また、本発明の一つの実施形態によれば、RFアンテナスイッチ回路は、送信スイッチブロックと各々並列に少なくとも一つの送信段各々の側で分路接続された少なくとも一つの送信段側シャントスイッチブロックと、受信スイッチブロックと各々並列に少なくとも一つの受信端各々の側で分路接続された少なくとも一つの受信段側シャントスイッチブロックとをさらに含み、共用スイッチブロックは、送信段側及び受信段側シャントスイッチブロックが共通接続されるグラウンド側の共通ノードとグラウンドとの間に接続され、送信段側及び受信段側シャントスイッチブロック各々のオン動作と同期してオン動作する共用シャントスイッチブロックを含み、送信及び受信スイッチブロックのうちの一方がオン状態の時他方はオフ状態にあり、オン状態の送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一つと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にある。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一つがオン状態の時それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にあり、分路接続されない残りのシャントスイッチブロックは同期してオン状態で動作する。
【0021】
また一実施形態によれば、送信及び受信スイッチブロックのうちの一方でオンからオフへのスイッチング動作後、時刻差を置いて、他方でオフからオンへのスイッチング動作が行われる。
【0022】
また、一実施形態によれば、送信及び受信スイッチブロックのうちの一方でのオンからオフへのスイッチング動作と同期して、他方では逆にオフからオンへのスイッチング動作が行われるようにする制御信号区間を含む。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、送信、受信、送信段側のシャント、受信段側シャント及び共用シャントスイッチブロックは各々トランジスタから成る。
【0024】
一実施形態によれば、送信段側のシャント、受信段側シャント及び共用シャントスイッチブロックは各々、複数の電界効果トランジスタのドレイン−ソース接続された積層構造から成る。
【0025】
また、本発明の一実施形態によれば、受信スイッチブロックの少なくとも一部は一つの受信経路上に第1の受信スイッチブロックと第2の受信スイッチブロックとが直列接続されて設けられ、第1及び第2の受信スイッチブロックが直列接続された受信経路上で分路接続された受信段側シャントスイッチブロックは、第1の受信スイッチブロックと第2の受信スイッチブロックとの間のノードで分岐れされて接続される。
【0026】
また、一実施形態によれば、入出力段は一つの送信段及び一つの受信段から成り、送信及び受信スイッチブロックは各々、一つのスイッチブロックから成る。
【0027】
また、上記目的を解決するために、本発明による高周波アンテナ部品であって、前述の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を用いることを特徴とする高周波アンテナ部品が提供される。
【0028】
また、上記目的を解決するために、本発明による移動通信機器であって、前述の実施形態による高周波アンテナ部品を含んで構成される移動通信機器が提供される。
【0029】
また、本発明の一つの実施形態によって、高周波アンテナ部品に用いられるRFアンテナスイッチ回路の入出力段は一つの送信段及び一つの受信段で構成され、高周波アンテナ部品に用いられるRFアンテナスイッチ回路の送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックは各々一つのスイッチブロックで構成される。
【発明の効果】
【0030】
本発明の実施形態によれば、送信経路及び受信経路上で各々スイッチング素子の個数を減らし、該減らしたスイッチング素子を送受信時に共有するようにすることによって、RFアンテナスイッチのサイズを減らすことができるという効果が奏する。
【0031】
また、本発明の実施形態によれば、RFアンテナスイッチのサイズを減らすと共に小型化及びワンチップ化にさらに応じるRFアンテナスイッチ回路、それを用いる高周波アンテナ部品及び移動通信機器を得ることができるという効果が奏する。
【0032】
なお、本発明の実施形態によれば、RFアンテナスイッチのサイズを減らすと共に伝達特性及び隔離度特性を改善させたRFアンテナスイッチ回路、それを用いる高周波アンテナ部品及び移動通信機器を得ることができるという効果が奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一つの実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す図面である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路に印加される制御信号を概略的に示すである。
【図7】本発明の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す回路図である。
【図8】本発明の他の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す図面である。
【図9】本発明のさらに他の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す回路図である。
【図10】本発明の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路に印加される制御信号を概略的に示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0035】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0036】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路、高周波アンテナ部品及び移動通信機器について詳記する。
【0037】
図1は、本発明の一つの実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図で、図2は本発明の他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す図面で、図3は本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図で、図4は本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図で、図5は本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示すブロック図で、図6は本発明のさらに他の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路に印加される制御信号を概略的に示すである。
【0038】
図7は、本発明の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す回路図であり、図8は、本発明の他の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す図面であり、図9は、本発明のさらに他の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を概略的に示す回路図であり、図10は、本発明の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路に印加される制御信号を概略的に示す波形図である。
【0039】
以下、図面に示されない図面符号は、他の図面での対応符号を参照して理解されたい。
【0040】
本発明の一つの実施形態によるRFアンテナスイッチ回路は、アンテナ1と、少なくとも一つの送信段2及び少なくとも一つの受信段3を備える複数の入出力段と、少なくとも一つの送信スイッチブロック10と、少なくとも一つの受信スイッチブロック30と、共用スイッチブロック(図1では50、図7では60)とを含んで構成される。
【0041】
アンテナ1は、送信段2から入力された信号を外部へ出し、外部から受信された信号を受信段3へ伝達する。一つのアンテナ1で送信及び受信の両方が行われるため、一例として、SPDT(Single Pole Double Throw)スイッチ構造を有する。
【0042】
入出力段は、少なくとも一つの送信段2と少なくとも一つの受信段3とを備える。図1〜図5において、送信段2及び受信段3は各々1個ずつ示されているが、これに限定されるのではなく、送信段及び受信段が各々複数の場合、または送信段及び受信段のうちのいずれか一つが複数でもよい。
【0043】
本発明の一つの実施形態において、入出力段は一つの送信段2及び一つの受信段3で構成される。
【0044】
送信スイッチブロック10は、送信段2とアンテナ側共通ノード4との間の送信経路上に配置される。詳しくは、少なくとも一つの送信段2とアンテナ側共通ノード4との間の送信経路上に、少なくとも一つの送信スイッチブロック10が配置される。送信スイッチブロック10は、制御信号によってオン動作して、共通ノード4へ信号を伝達する。一例として、この伝達した信号は、例えば、図1の共用送受信スイッチブロック50を経ってアンテナ1を通じて外部へ伝送されてもよい。
【0045】
また、受信スイッチブロック30は、受信段3とアンテナ側共通ノード4との間の受信経路上に配置される。詳しくは、少なくとも一つの受信段3とアンテナ側共通ノード4との間の受信経路上に、少なくとも一つの受信スイッチブロック30が配置される。受信スイッチブロック30は、制御信号によってオン動作して共通ノード4からの信号を受信段3へ伝達する。この場合、送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、他方はオフ状態にあるようになる。これによって、オン動作する送信スイッチブロック10が配置された送信経路を通じて伝達された信号がアンテナ1に伝送され、アンテナ1で受信された信号がオン動作する受信スイッチブロック30が配置された受信経路を通じて受信段3へ伝達される。
【0046】
本発明の一つの実施形態において、一つの送信段2及び一つの受信段3が備えられた場合、送信スイッチブロック10及び受信スイッチブロック30は各々一つのスイッチブロックで構成される。
【0047】
本発明の実施形態において、共用スイッチブロック(図1では50、図7では60参照)はアンテナを通じる信号の送受信において、スイッチング素子を共有して各々の送信及び受信動作と同期してオン動作する。この場合、送信及び受信動作のうちのいずれか一方がオン動作の時、他方はオフ動作する。
【0048】
図1を参照して、一実施形態について詳記する。
【0049】
図1に示すように、共用送受信スイッチブロック50がアンテナ1と共通ノード4との間に配置される。この共用送受信スイッチブロック50は、送信スイッチブロック及び受信スイッチブロック30各々のオン動作と同期してオン動作する。
【0050】
また、本実施形態において、送信スイッチブロック10及び受信スイッチブロック30のうちのいずれか一方がオン動作すると、他方はオフ動作する。これによって、オン動作する送信スイッチブロック10が配置された送信経路を通じて伝達された信号が共用送受信スイッチブロック50を経ってアンテナ1へ伝送され、アンテナ1で受信されて共用送受信スイッチブロック50を経た信号がオン動作する受信スイッチブロック30が配置された受信経路を通じて受信段3へ伝達する。
【0051】
図1に示すように、本実施形態によれば、共用送受信スイッチブロック50を送信経路及び受信経路で共通に使うことができるようになって、RFスイッチのサイズを減らすことができる。
【0052】
図2を参照して、本発明の一つの実施形態について説明する。
【0053】
本発明の一つの実施形態によれば、少なくとも一つの送信スイッチブロック10と、少なくとも一つの受信スイッチブロック30と、共用送受信スイッチブロック50とは各々トランジスタ11、31、51で構成される。一例として、トランジスタは電界効果トランジスタである。図2では、送信スイッチブロック10、受信スイッチブロック30及び共用送受信スイッチブロック50に対応するトランジスタ11、31、51が一つずつ示されているが、これらのスイッチブロック10、30、50は複数のトランジスタで形成されてもよい。これらのスイッチブロック10、30、50各々のトランジスタ11、31、51の数は同じ、または異なって設けられてもよい。また、送信スイッチブロック10より受信スイッチブロック30のトランジスタ数をさらに多くして、高出力送信の時の隔離度特性を高めることができる。
【0054】
一例として、送信スイッチブロック10、受信スイッチブロック30及び共用送受信スイッチブロック50は各々、複数の電界効果トランジスタで構成され、ドレイン-ソース直列接続構造を形成する。
【0055】
図6を参照して、本発明の実施形態において詳記する。
【0056】
図6(a)に示すように、本発明の一つの実施形態においては、少なくとも一つの送信スイッチブロック10及び少なくとも一つの受信スイッチブロック30のうちのいずれか一方でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作後に、時間差を置いて、他方のスイッチブロックでオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われる。例えば、一つの送信段2及び一つの受信段3で構成されるSPDTスイッチ構造では、送信経路上の送信スイッチブロック10でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作後に、時間差を置いて、受信経路上の受信スイッチブロック30でオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われる。また反対に、受信経路上の受信スイッチブロック30でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作後に、時間差を置いて送信経路上の送信スイッチブロック10でオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われる。
【0057】
図6(a)の制御信号が、図2のRFアンテナスイッチ回路に印加される場合を例として挙げられる。図6(a)の制御信号が印加されると、まず制御信号「A」がハイ状態の時、送信トランジスタ11がオン動作し、同時に共用トランジスタ51がオン動作し、この時制御信号「B」はロー状態にあるので、受信トランジスタ31はオフ状態にある。この時、送信段2からの信号が送信トランジスタ11及び共用トランジスタ51を経ってアンテナ1を通じて外部へ伝送されるようになる。その後、制御信号「A」がロー状態に変われば、送信トランジスタ11及び共用トランジスタ51がオフ状態になり、制御信号「B」も「t1」時間の間はロー状態にあるので、受信トランジスタ31もオフ状態にある。「t1」時間の間は制御信号「A」及び「B」が全てロー状態にあるので、送信トランジスタ11、受信トランジスタ31及び共用トランジスタ51が全てオフ状態にある。「t1」時間が経過した後、はじめて制御信号「B」がハイ状態で受信トランジスタ31及び共用トランジスタ51に印加されると、受信トランジスタ31及び共用トランジスタ51がオン動作する一方、制御信号「A」はロー状態にあるので、送信トランジスタ11はオフ状態にあるようになる。この時、アンテナ1で受信された信号が共用トランジスタ51及び受信トランジスタ31を経って受信段3へ伝送されるようになる。その後、制御信号「B」がロー状態に変われば、受信トランジスタ31及び共用トランジスタ51がオフ状態になり、制御信号「A」も「t2」時間の間はロー状態にあるので、送信トランジスタ11もオフ状態にある。「t2」時間が経過した後、はじめて制御信号「A」がハイ状態で送信トランジスタ11及び共用トランジスタ51に印加され、送信トランジスタ11及び共用トランジスタ51がオン動作する。
【0058】
また、図6(b)を参照して、本発明の他の実施形態について詳記する。少なくとも一つの送信スイッチブロック10及び少なくとも一つの受信スイッチブロック30のうちのいずれか一方でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作と同期して、他方で相反してオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われるような制御信号が印加される。このような制御信号は、少なくとも一部の時間区間で発生することになる。
【0059】
図6(b)の制御信号が、図2のRFアンテナスイッチ回路に印加される場合を例として挙げられる。図6(b)の制御信号が印加されると、まず制御信号「A」がハイ状態の時、送信トランジスタ11がオン動作し、同時に共用トランジスタ51がオン動作し、この時制御信号「B」はロー状態にあるので、受信トランジスタ31はオフ状態にある。この時、送信段2からの信号が送信トランジスタ11及び共用トランジスタ51を経ってアンテナ1を通じて外部へ伝送されるようになる。その後、制御信号「A」がロー状態に変われば、同時に制御信号「B」がハイ状態に変わるので、送信トランジスタ11がオフ状態になり、受信トランジスタ31はオン動作する。この時、共用トランジスタ51はハイ状態の制御信号「B」を入力するためオン状態にある。それによって、アンテナ1で受信された信号が共用トランジスタ51及び受信トランジスタ31を経って受信段3へ伝送されるようになる。
【0060】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態について詳記する。
【0061】
図3を参照して、本発明の実施形態において、RFアンテナスイッチ回路は、複数のシャントスイッチブロック20、40をさらに含む。シャントスイッチブロック20、40は各々、送信スイッチブロック10及び受信スイッチブロック30と並列に接続される。すなわち、送信経路及び受信経路上のうちの少なくともいずれか一つの送信段2及び少なくとも一つの受信段3各々で分路接続される。一例として、図3に示すように、分路接続されたシャントスイッチブロック20、40の他端がグラウンドされてもよく、他例として、図4に示すようにグラウンド側の共通ノード5に共通に接続されてもよい。
【0062】
分路接続されたシャントスイッチブロック20、40は、並列接続された送信スイッチブロック10及び受信スイッチブロック30のうちのいずれか一方がオン動作時に制御信号によってオフ動作する。一方、オン動作するスイッチブロックと並列関係にあるように、分路接続されない他方のシャントスイッチブロックは制御信号によってオン動作するようになる。
【0063】
SPDTスイッチ構造のような一つのアンテナ1及び多数の入出力端子を有する多重帯域RFスイッチ回路は、例えばFET素子を用いる場合、該FETのオン-オフ状態の場合に、理想的な短絡-開回路ではなく、オン-抵抗とオフ-キャパシタンスによる損失が生じて隔離度が減少するようになる。そのため、一方経路でのスイッチング素子の挿入損失と他の経路での隔離度との間にはトレード-オフ(trade-off)が存在するので、他の経路との隔離度特性を向上させる必要がある。
【0064】
そのため、図3の実施形態のように、送信スイッチブロック10及び受信スイッチブロック30各々と並列関係にあるシャントスイッチブロック20、40を備えることによって、高出力送信または/及び受信の時に伝達特性または/及び隔離度を向上させるようになる。また、送信段2で分路接続された送信段側シャントスイッチブロック20のスイッチング素子、例えばトランジスタの数を受信段3で分路接続された受信段側シャントスイッチブロック40のスイッチング素子より多く備えて、送信経路の電力伝達能力をさらに向上させることができる。
【0065】
次に、図4を参照して、本発明の一つの実施形態について詳記する。
【0066】
図4に示すように、本発明の一つの実施形態において、共用スイッチブロックは共用送受信スイッチブロック50に加えて、複数のシャントスイッチブロック20、40が共通接続されるグラウンド側の共通ノード5に接続された共用シャントスイッチブロック60をさらに含む。図4において、複数のシャントスイッチブロック20、40は、各々の一端が少なくとも一つの送信段2及び少なくとも一つの受信段3各々に接続され、各々の他端がグラウンド側の共通ノード5に接続されている。共用シャントスイッチブロック60は、グラウンド側の共通ノード5とグラウンドとの間に接続され、複数のシャントスイッチブロック20、40各々のオン動作と同期してオン動作する。
【0067】
本実施形態において、共用シャントスイッチブロック60を備えることによって、シャントスイッチブロック20、40のスイッチ素子の数を減らすと共に、実に同じ伝達特性を示すようになり、RFスイッチのサイズをより一層減らすことができる。
【0068】
また、図5を参照して、本発明の実施形態について詳記する。図5に示すように、図4の実施形態で受信スイッチブロック30の構造と、それに並列関係になるように分路接続された受信段側シャントスイッチブロック40の結合構造とが変更されたこと、及び共用シャントスイッチブロック60を除いては、図3でも同様に適用可能になる。
【0069】
図5に示すように、本発明の一つの実施形態において、受信経路上に配置される受信スイッチブロック30のうちの少なくとも一部は、一つの受信経路上に第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとが直列接続される構造を有して形成されている。第1及び第2の受信スイッチブロック30a、30bが直列接続された受信経路上で分路接続された受信段側シャントスイッチブロック40は、第1及び第2の受信スイッチブロック30a、30b間のノードで分岐されて接続される。第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとが直列接続された構造を有する受信スイッチブロックが、そうではない受信スイッチブロック(図示せず)または/及び送信スイッチブロック10とスイッチング素子、例えばトランジスタの数と同じく、または多数備えるようにする。
【0070】
本実施形態によって、受信経路上に第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとが直列接続された構造を有するようにして、 隔離度特性を向上させる。
【0071】
次に、図7を参照して、本発明の他の一実施形態について詳記する。
【0072】
図7に示すように、本発明の一実施形態によるRFアンテナスイッチ回路は、少なくとも一つの送信段側シャントスイッチブロック20及び少なくとも一つの受信段側シャントスイッチブロック40をさらに含む。
【0073】
共用スイッチブロックは、図7の共用シャントスイッチブロック60から成る。
【0074】
図7を参照して、送信段側シャントスイッチブロック20及び受信段側シャントスイッチブロック40について詳記する。送信段側シャントスイッチブロック20は、少なくとも一つの送信段2の各側で分路接続される。送信段側シャントスイッチブロック20は、送信スイッチブロック10各々と並列状態になるように、各々の一端は送信段2の各側で分路接続され、、各々の他端はグラウンド側の共通ノード5に接続される。
【0075】
また、受信段側シャントスイッチブロック40は少なくとも一つの受信段3各側で分路接続される。この時、受信段側シャントスイッチブロック40は受信スイッチブロック30各々と並列状態になるように各々の一端は受信段3各側で分路接続され、、各々の他段はグラウンド側の共通ノード5に接続される。見た明細書で送信段2の各側または/及び受信段3の各側は、送信段2各々または/及び受信段3各々の方向を意味し、送信段2の各々または/及び受信段3の各々それ自体を含む意味として使われる。
【0076】
送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、該オン状態の送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一方と並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にあるようになる。これによって、高出力電力伝達の時に伝達特性または隔離度が向上するようになる。
【0077】
本発明の他の実施形態によれば、送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にあり、分路接続されない他方のシャントスイッチブロックは同期してオン状態で動作する。
【0078】
一例として、送信段2で分路接続された送信段側シャントスイッチブロック20のスイッチング素子、例えばトランジスタの数を受信段3で分路接続された受信段側シャントスイッチブロック40のスイッチング素子より多く備えてもよい。これによって、送信経路の電力伝達能力をより一層向上することができる。
【0079】
続いて、図7を参照して、共用シャントスイッチブロック60について詳記する。
【0080】
共用シャントスイッチブロック60は、送信段側及び受信段側シャントスイッチブロック20、40が共通接続されるグラウンド側の共通ノード5とグラウンドとの間に接続される。共用シャントスイッチブロック60は、送信段側及び受信段側シャントスイッチブロック20、40各々のオン動作と同期してオン動作する。
【0081】
本実施形態において、共用シャントスイッチブロック60を備えることによって、送信段側及び受信段側シャントスイッチブロック20、40のスイッチ素子の数を減らし、RFスイッチのサイズを減らすと共に実質的に同じ伝達特性または/及び隔離度特性を有するようになる。
【0082】
図7に示す実施形態によれば、共用シャントスイッチブロック60をシャント回路100で共通に使って、RFスイッチのサイズを減らすことができる。
【0083】
図8を参照して、本発明の一実施形態について詳記する。
【0084】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも一つの送信スイッチブロック10、少なくとも一つの受信スイッチブロック30、少なくとも一つの送信段側シャントスイッチブロック20、少なくとも一つの受信段側シャントスイッチブロック40及び共用シャントスイッチブロック60は各々、トランジスタ11、31、21、41、61から成る。一例として、トランジスタは電界効果トランジスタである。図2では、送信、受信、送信段側のシャント、受信段側シャント及び共用シャントスイッチブロック10、30、20、40、60に対応するトランジスタ11、31、21、41、61が一つずつ示されているが、これに限定されるのではない。。例えば、送信、受信、送信段側のシャント、受信段側シャントまたは/及び共用シャントスイッチブロック10、30、20、40、60は複数のトランジスタによって設けられてもよい。また、送信、受信、送信段側のシャント、受信段側シャント及び共用シャントスイッチブロック10、30、20、40、60各々のトランジスタ11、31、51の数を同じまたは異に設けてもよい。また、送信段側シャントスイッチブロック20のスイッチング素子、例えばトランジスタの数を受信段側シャントスイッチブロック40のスイッチング素子より多く備え、送信経路の電力伝達能力をより一層向上することができる。
【0085】
図8に示すように、共用シャントトランジスタ61をシャント回路101で共通に使って、RFスイッチのサイズを減らすことができる。
【0086】
一例として、送信段側のシャント20、受信段側シャント40及び共用シャントスイッチブロック60は各々、複数の電界効果トランジスタのドレイン−ソース接続された積層構造から成る。また、一例として、送信及び受信スイッチブロック10、30は各々複数の電界効果トランジスタで構成され、ドレイン−ソース直列接続構造を形成する。
【0087】
図10を参照して、本発明の実施形態について詳記する。
【0088】
図10(a)に示すように、本発明の一実施形態において、少なくとも一つの送信スイッチブロック10及び少なくとも一つの受信スイッチブロック30のうちのいずれか一方でオンからオフへのスイッチング動作後に、時間差を置いて、他方でオフからオンへのスイッチング動作が行われる。この時、送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にある。また、送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、それと分路接続されない他方のシャントスイッチブロックは同期してオン状態で動作する。
【0089】
例えば、一つの送信段2及び一つの受信段3から成るSPDTスイッチ構造では、送信経路上の送信スイッチブロック10でオンからオフへのスイッチング動作後に、時間差を置いて受信経路上の受信スイッチブロック30でオフからオンへのスイッチング動作が行われる。逆に、受信経路上の受信スイッチブロック30でオンからオフへのスイッチング動作後に、時間差を置いて送信経路上の送信スイッチブロック10でオフからオンへのスイッチング動作が行われる。
【0090】
図10(a)の制御信号が図2のRFアンテナスイッチ回路に印加される場合について詳記する。図10(a)の制御信号が印加されれば、先に制御信号Aがハイ状態である時、送信トランジスタ11がオン動作し、この時、制御信号Bはロー状態にあるので、受信トランジスタ31はオフ状態にある。また、制御信号Aがハイ状態、制御信号Bがロー状態にあるので、受信段側シャントトランジスタ41はオン動作し、送信段側のシャントトランジスタ21はオフ状態にある。なお、共用シャントトランジスタ61はオン状態にある。この時、送信段2からの信号が送信トランジスタ11を経ってアンテナ1を通じて外部に伝送されるが、シャント回路101によって高出力伝送時の伝達特性を向上することができる。その後、制御信号Aがロー状態に変われば、送信トランジスタ11、受信段側シャントトランジスタ41及び共用シャントトランジスタ61がオフ状態になり、この時、制御信号Bも時刻t1間はロー状態にあるので、受信トランジスタ31及び送信段側のシャントトランジスタ21もオフ状態にある。時刻t1が経過した後、はじめて制御信号Bがハイ状態として受信トランジスタ31、送信段側のシャントトランジスタ21及び共用シャントトランジスタ61に印加されれば、受信トランジスタ31、送信段側のシャントトランジスタ21及び共用シャントトランジスタ61がオン動作する。一方、制御信号Aはロー状態にあるので、送信トランジスタ11及び受信段側シャントトランジスタ41はオフ状態にある。この時、アンテナ1に受信された信号は受信トランジスタ31を経って受信段3に伝送されるようになる。その後、制御信号Bがロー状態に変われば、受信トランジスタ31、送信段側のシャントトランジスタ21及び共用シャントトランジスタ61がオフ状態になり、この時、制御信号Aも時刻t2間はロー状態にあるので、送信トランジスタ11及び受信段側シャントトランジスタ41もオフ状態にある。時刻t2が経過した後、はじめて制御信号Aがハイ状態として送信トランジスタ11、受信段側シャントトランジスタ31及び共用シャントトランジスタ61に印加されてオン動作する。
【0091】
また、図10(b)を参照して、本発明の他の実施形態について詳記する。少なくとも一つの送信スイッチブロック10及び少なくとも一つの受信スイッチブロック30のうちのいずれか一方でのオンからオフへのスイッチング動作と同期して、他方では逆にオフからオンへのスイッチング動作が行われるような制御信号が印加される。この制御信号の印加は、少なくとも一部の時間区間で行われる。この場合、送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にある。また、送信及び受信スイッチブロック10、30のうちのいずれか一方がオン状態の時、それと分路接続されない他方のシャントスイッチブロックは同期してオン状態で動作する。
【0092】
図10(b)の制御信号が図8のRFアンテナスイッチ回路に印加される場合について詳記する。図10(b)の制御信号が印加されれば、先に制御信号Aがハイ状態の時、送信トランジスタ11、受信段側シャントトランジスタ41及び共用シャントトランジスタ61がオン動作し、この時、制御信号Bはロー状態にあるので、受信トランジスタ31及び送信段側のシャントトランジスタ21はオフ状態にある。この時、送信段2からの信号が送信トランジスタ11を経ってアンテナ1を通じて外部に伝送されるようになる。その後、制御信号Aがロー状態に変われば、同時に制御信号Bがハイ状態に変わるので、送信トランジスタ11及び受信段側シャントトランジスタ41がオフ状態になる一方、受信トランジスタ31及び送信段側のシャントトランジスタ21はオン動作する。この場合、共用シャントトランジスタ61はハイ状態の制御信号Bを入力されるので、オン状態にある。それによって、アンテナ1に受信された信号が受信トランジスタ31を経って受信段3に伝送されるようになる。
【0093】
次に、図9を参照して、本発明の実施形態について詳記する。
【0094】
図9に示すように、本発明の一実施形態によれば、各々の受信経路上に配置される受信スイッチブロック30のうちの少なくともいずれか一つは、一つの受信経路上に第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとが直列接続された構造を有して設けられている。第1及び第2の受信スイッチブロック30a、30bが直列接続された受信経路上に分路接続された受信段側シャントスイッチブロック40は、第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとの間のノードで分岐して接続される。第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとが直列接続された構造を有する受信スイッチブロックは、そうではない受信スイッチブロック(図示せず)または/及び送信スイッチブロック10、スイッチング素子(例えばトランジスタ)の数と同じまたはより多く備えるようにする。
【0095】
本実施形態によれば、受信経路上に第1の受信スイッチブロック30aと第2の受信スイッチブロック30bとが直列接続された構造を有するようにして、隔離度特性を向上することができる。
【0096】
次に、本発明の高周波アンテナ部品について詳記する。
【0097】
本発明の実施形態による高周波アンテナ部品は、前述の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を使った部品である。
【0098】
また、本発明の移動通信機器について詳記する。
【0099】
本発明の実施形態による移動通信機器は、前述の実施形態によるRFアンテナスイッチ回路を用いるかまたは前述の高周波アンテナ部品を含んで構成される。
【0100】
一例として、高周波アンテナ部品に用いられるRFアンテナスイッチ回路の入出力段は、一つの送信段2及び一つの受信段3でから成り、高周波アンテナ部品に用いられるRFアンテナスイッチ回路の送信スイッチブロック10及び受信スイッチブロック30は各々一つのスイッチブロックで構成される。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0102】
1 アンテナ
2 送信段
3 受信段
4、5 共通ノード
10 送信スイッチブロック
11、21、31、41、51、61 トランジスタ
20、40 シャントスイッチブロック
30、30a、30b 受信スイッチブロック
50 共用送受信スイッチブロック
60 共用シャントスイッチブロック
100、101 シャント回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
少なくとも一つの送信段及び少なくとも一つの受信段を備える複数の入出力段と、
前記少なくとも一つの送信段とアンテナ側の共通ノードとの間の送信経路上に配置され、制御信号によって信号を伝達する少なくとも一つの送信スイッチブロックと、
前記少なくとも一つの受信段と前記共通ノードとの間の受信経路上に配置され、制御信号によって信号を前記受信段へ伝達する少なくとも一つの受信スイッチブロックと、
前記アンテナを通じる信号の送受信において、スイッチング素子を共有して各々の送信及び受信動作と同期してオン動作する共用スイッチブロックとを含み、
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックのうちのいずれか一方がオン動作する時、他方はオフ動作することを特徴とするRFアンテナスイッチ回路。
【請求項2】
前記共用スイッチブロックは、前記アンテナと前記共通ノードとの間に配置され、前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックの各々のオン動作と同期してオン動作する共用送受信スイッチブロックを含み、
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックのうちのいずれか一方がオン動作の時、他方はオフ動作することを特徴にする請求項1に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項3】
前記送信スイッチブロック、前記受信スイッチブロック及び前記共用送受信スイッチブロックは各々、トランジスタで構成されることを特徴とする請求項2に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項4】
前記送信スイッチブロック、前記受信スイッチブロック及び前記共用送受信スイッチブロックは各々、複数の電界効果トランジスタのドレイン-ソース直列接続構造で構成されることを特徴とする請求項3に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項5】
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックのうちの一方でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作後、時間差を置いて、他方でオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われることを特徴とする請求項2に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項6】
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックのうちの一方でオン動作からオフ動作へのスイッチング動作と同期して、他方でオフ動作からオン動作へのスイッチング動作が行われるようにする制御信号区間を含むことを特徴とする請求項2に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項7】
前記RFアンテナスイッチ回路は、
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックと各々並列に前記送信経路及び受信経路上の前記少なくとも一つの送信段及び受信段各々の側で分路接続された複数のシャントスイッチブロックをさらに含み、
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックのうちの一方がオン動作の時、それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ動作し、分路接続されない他方のシャントスイッチブロックはオン動作することを特徴とする請求項2に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項8】
前記受信スイッチブロックの少なくとも一部は、一つの受信経路上に第1の受信スイッチブロックと第2の受信スイッチブロックとが直列接続されて形成され、
前記第1及び第2の受信スイッチブロックが直列接続された受信経路上で分路接続されたシャントスイッチブロックは、前記第1及び第2の受信スイッチブロック間のノードで分岐されて接続されることを特徴とする請求項7に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項9】
前記複数のシャントスイッチブロックは、各々の一端が前記送信段及び前記受信段各々に接続され、各々の他端がグラウンド側の共通ノードに接続され、
前記共用スイッチブロックは、前記グラウンド側の共通ノードとグラウンドとの間に前記複数のシャントスイッチブロック各々のオン動作と同期してオン動作する共用シャントスイッチブロックをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項10】
前記入出力段は、一つの送信段及び一つの受信段で構成され、
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックは、各々一つのスイッチブロックで構成されることを特徴とする請求項2に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項11】
前記送信スイッチブロックと各々並列に前記少なくとも一つの送信段各側で分路接続された少なくとも一つの送信段側シャントスイッチブロックと、
前記受信スイッチブロックと各々並列に前記少なくとも一つの受信段各側で分路接続された少なくとも一つの受信段側シャントスイッチブロックと、をさらに含み、
前記共用スイッチブロックは、前記送信段側シャントスイッチブロック及び前記受信段側シャントスイッチブロックが共通接続されるグラウンド側の共通ノードとグラウンドとの間に接続され、前記送信段側シャントスイッチブロック及び前記受信段側シャントスイッチブロック各々のオン動作と同期してオン動作する共用シャントスイッチブロックを含み、
前記送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一方がオン状態の時、他方はオフ状態にあり、該オン状態の前記送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一方と並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にあることを特徴にする請求項1に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項12】
前記送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一方がオン状態の時、それと並列に分路接続されたシャントスイッチブロックはオフ状態にあり、分路接続されない他方のシャントスイッチブロックは同期してオン状態で動作することを特徴にする請求項11に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項13】
前記送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一方でオンからオフへのスイッチング動作後、時間差を置いて、他方でオフからオンへのスイッチング動作が行われることを特徴にする請求項12に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項14】
前記送信及び受信スイッチブロックのうちのいずれか一方でのオンからオフへのスイッチング動作と同期して、他方では逆にオフからオンへのスイッチング動作が行われるようにする制御信号区間を含むことを特徴にする請求項12に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項15】
前記送信スイッチブロック、前記受信スイッチブロック、前記送信段側のシャントスイッチブロック、前記受信段側シャントスイッチブロック及び前記共用シャントスイッチブロックは各々、トランジスタから成ることを特徴にする請求項11に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項16】
前記送信段側のシャントスイッチブロック、前記受信段側シャントスイッチブロック及び前記共用シャントスイッチブロックは各々、複数の電界効果トランジスタのドレイン−ソース接続された積層構造からなることを特徴にする請求項15に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項17】
前記受信スイッチブロックの少なくとも一部は、一つの受信経路上に第1の受信スイッチブロックと第2の受信スイッチブロックとが直列接続されて設けられ、
前記第1の受信スイッチブロックと前記第2の受信スイッチブロックとが直列接続された受信経路上に分路接続された受信段側シャントスイッチブロックは、前記第1のスイッチブロックと前記第2の受信スイッチブロックとの間のノードで分岐れされて接続されることを特徴にする請求項11に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項18】
前記入出力段は、一つの送信段と一つの受信段とから成り、
前記送信スイッチブロック及び前記受信スイッチブロックは各々、一つのスイッチブロックから成ることを特徴にする請求項11に記載のRFアンテナスイッチ回路。
【請求項19】
請求項1のRFアンテナスイッチ回路を用いることを特徴とする高周波アンテナ部品。
【請求項20】
請求項19の高周波アンテナ部品を含んで構成される移動通信機器。
【請求項21】
前記高周波アンテナ部品に用いられる前記RFアンテナスイッチ回路の入出力段は、一つの送信段及び一つの受信段で構成され、
前記高周波アンテナ部品に用いられる前記RFアンテナスイッチ回路の送信スイッチブロック及び受信スイッチブロックは、各々一つのスイッチブロックで構成されることを特徴とする請求項20に記載の移動通信機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−27035(P2013−27035A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−111353(P2012−111353)
【出願日】平成24年5月15日(2012.5.15)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】