説明

SOI基板を持つマイクロ電気機械システム用アンカー及びその製造方法

【課題】機械構造及びこれらの機械構造を基板に固定するためのアンカーを含むMEMS装置及びその製造技術を提供する。
【解決手段】アンカー30a、30b、30cは、機械構造20a、20b、20cの解放プロセスによる影響を比較的受け難い材料で形成される。エッチング解放プロセスは、機械構造20a、20b、20cをアンカー30a、30b、30cを構成する材料に固定する材料に対し、選択的又は優先的である。更に、アンカー30a、30b、30cは、絶縁層の除去が機械構造20a、20b、20cの基板14に対する固定にほとんど又は全く影響を及ぼさないように基板14に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械システム、及びマイクロ電気機械システム及びナノ電気機械システムの製造技術に関し、更に詳細には、一つの特徴において、マイクロ機械装置及びナノ電気機械装置を絶縁体上半導体(「SOI」)基板等に固定するための製造に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電気機械システム(「MEMS」)、例えばジャイロスコープ、共振器、及び加速度計は、機械的構成要素をマイクロ電子装置とほぼ匹敵するスケールまで小型化するためにマイクロ機械加工技術(即ちリソグラフィー及び他の精密製造技術)を使用する。
【0003】
MEMSは、代表的には、例えばシリコン基板から又はシリコン基板上にマイクロ機械加工技術を使用して製造された機械構造を含む。シリコン基板は絶縁層に配置される。絶縁層は、とりわけ、MEMS用の犠牲層として役立つ。このように、機械構造を解放するために絶縁層の大部分をエッチングし即ち除去する(例えば、米国特許第6,450,029号及び米国特許第6,240,782号を参照されたい)。このようにして、機械構造は、例えば、共振器、加速度計、ジャイロスコープ、又は他のトランスジューサー(例えば圧力センサ、歪みセンサ、触覚センサ、磁気センサ、及び/又は温度センサ)として機能してもよい。
【特許文献1】米国特許第6,450,029号
【特許文献2】米国特許第6,240,782号 従来のMEMSもまた、機械構造を絶縁 層の下に配置された基板に固定するために絶縁層を使用する。(例えば、米国特許第6,240,782号、米国特許出願第2002/0177252号、及び米国特許出願第2002/0118850号を参照されたい)。このようなMEMSを製造する場合、絶縁層の除去は、絶縁層が過度にエッチングされることにより機械構造を基板に固定する絶縁層の部分に悪影響が及ぼされることがないように厳密に制御される。更に、このようなMEMSは、プロセス条件が「予見可能に」変化する状態で機械構造が十分に固定されるようにする大きな許容差で製造された機械構造を固定するため、アンカーが必要以上に大きくなりがちである。
【特許文献3】米国特許第6,240,782号
【特許文献4】米国特許出願第2002/0177252号
【特許文献5】米国特許出願第2002/0118850号 機械構造を基板に固定するための別の技術は、露呈されたシリコン(即ち、機械構造が上側又は内側に形成されるシリコン)及びシリコンの下の絶縁層に深いトレンチを形成し即ちエッチングすることである。深いトレンチは、ウェーハの絶縁層の下にあるシリコン層と接触する。その後、機械構造の解放中に影響を比較的受け難い低応力シリコンナイトライドでトレンチを充填する(例えば、米国特許第6,569,754号を参照されたい)。
【特許文献6】米国特許第6,569,754号 深いトレンチを使用する固定技術は、厚いシリコン層及びその下の絶縁層にトレンチを形成するために製造に時間及び費用が掛かりがちである。更に、このような技術は、多くの場合、深いトレンチを低応力材料で適切に充填する上で困難があり、ピンホールによる弱化効果、例えば割れや汚染を被り易い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
とりわけ、従来のアンカー及び固定技術の欠点の一つ、幾つか、又は全てを解決するMEMS(例えば、ジャイロスコープ、共振器、温度センサ、及び/又は加速度計)が必要とされている。これに関し、従来技術を使用する場合に必要とされた、大きな許容差、及び非常に厳密に制御されたエッチング技術及び再充填技術又は付着技術に対する必要をなくす価格効率に優れた方法で機械構造を適切に固定する改良技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書中、多くの発明を説明し且つ例示する。第1の特徴では、本発明は、固定電極及び可動電極がチャンバ内に設けられた機械構造を持つ電気機械の製造方法である。電気機械装置は、基板、この基板に配置された絶縁層、及びこの絶縁層に配置された第1半導体層を含む。固定電極は基板にアンカー材料を介して取り付けられている。本方法は、第1半導体層及び絶縁層の部分を除去して基板の一部を露呈し、これによってアンカー開口部を形成する工程を含む。アンカー材料をアンカー開口部に付着し、第2半導体層をアンカー材料及び第1半導体層に重ねる。本方法は、更に、第1及び第2の半導体層をエッチングし、これらの第1及び第2の半導体層から固定電極及び可動電極を形成する工程を含む。固定電極は、アンカー材料に重ねて配置された第2半導体層の少なくとも一部を含む。アンカー材料は、固定電極を基板に固定する。
【0006】
更に、本発明のこの特徴の方法は、固定電極及び可動電極に重ねて犠牲層を付着する工程、及び第1封入層(例えば、多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素)を犠牲層に重ねて付着する工程を含む。可動電極の下の絶縁層を除去することによって可動電極を解放できるように第1封入層にベントを形成する。アンカー材料は、可動電極の解放時に実質的に除去されない。その後、第2封入層(例えば、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素)をベント上に又はベント内に付着し、ベントをシールする。第2封入層は半導体である。
【0007】
一実施例では、絶縁層はシリコン酸化物を含み、アンカー材料はシリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む。別の実施例では、絶縁層及び犠牲層は、シリコン酸化物を含み、アンカー材料は、シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む。更に別の実施例では、絶縁層はシリコンナイトライドを含み、アンカー材料はシリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む。
【0008】
更に別の実施例では、本発明は、コンタクト、固定電極、及び可動電極を含む機械構造を持つ電気機械装置の製造方法である。
【0009】
電極は、装置のチャンバ内に配置される。電気機械装置は、基板、この基板に配置された絶縁層、及びこの絶縁層に配置された第1半導体層を含む。固定電極は基板にアンカー材料を介して取り付けられる。
【0010】
本発明のこの特徴の方法は、第1半導体層及び絶縁層の部分を除去して基板の一部を露呈し、これによってアンカー開口部を形成する工程を含む。アンカー材料をアンカー開口部に付着し、第2半導体層をアンカー材料及び第1半導体層に重ねる。本方法は、更に、第1及び第2の半導体層をエッチングし、これらの第1及び第2の半導体層から固定電極及び可動電極を形成する工程を含む。固定電極は、アンカー材料に重ねて配置された第2半導体層の少なくとも一部を含む。アンカー材料は、固定電極を基板に固定する。
【0011】
本方法は、固定電極及び可動電極に重ねて犠牲層を付着する工程、及び第1封入層(例えば、多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素)を犠牲層に重ねて付着する工程を含む。可動電極の下の絶縁層を除去することによって可動電極を解放できるように第1封入層にベントを形成する。アンカー材料は、可動電極の解放時に実質的に除去されない。その後、第2封入層(例えば、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素)をベント上に又はベント内に付着し、ベントをシールする。第2封入層は半導体である。
【0012】
更に、この方法は、コンタクトの少なくとも一部の周囲にトレンチを形成する(コ及びトレンチはチャンバの外側に配置される)工程、及び第1材料(例えばシリコン酸化物及び/又はシリコンナイトライド)をトレンチに付着してコンタクトを電気的に絶縁する工程を含む。一実施例では、トレンチがコンタクトを取り囲む。
【0013】
本方法は、更に、絶縁層をトレンチの少なくとも一部に付着する工程、及びこの工程の後に行われる、高度に導電性の材料をコンタクトに及び絶縁層上に付着し、コンタクトに対する電気接続部を提供する工程を更に含んでもよい。
【0014】
絶縁層は、シリコン酸化物を含み、アンカー材料はシリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む。別の実施例では、絶縁層及び犠牲層は、シリコン酸化物を含み、アンカー材料は、シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む。絶縁層はシリコンナイトライドを含んでいてもよく、アンカー材料は、シリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む。
【0015】
一実施例では、アンカー材料と重なった固定電極の大部分が単晶シリコンである。別の実施例では、アンカー材料と重なった固定電極の大部分が多晶質シリコンである。
【0016】
別の特徴では、本発明は、基板、この基板に配置された絶縁層、及びこの絶縁層に配置された第1半導体層を含む。装置は、更に、絶縁層及び第1半導体層の開口部に配置され、基板と接触したアンカーを更に含んでいてもよい。アンカーは、絶縁層と異なる材料(例えば、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素)を含む。第2半導体層がアンカーに配置されていてもよく、第2半導体層から部分が形成された固定電極が基板にアンカーを介して取り付けられる。
【0017】
本発明のこの特徴の装置は、更に、固定電極と並置された可動電極を含む。可動電極は、更に、部分が第2半導体層から形成されていてもよい。
【0018】
一実施例では、アンカー材料と重なった固定電極の大部分が単晶シリコンである。別の実施例では、アンカー材料と重なった固定電極の大部分が多晶質シリコンである。
【0019】
装置は、少なくとも一つのベントを持つ第1封入層(例えば、単晶シリコン、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素、シリコンナイトライド、又はシリコンカーバイド)を含むチャンバを含んでいてもよい。可動電極はチャンバ内に配置されていてもよい。半導体(例えば単晶シリコン、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素)でできた第2封入層をベント上に又はベント内に付着し、チャンバをシールする。
【0020】
一実施例では、第1封入層は、第1の導電性の型を持つ第1領域を提供するために第1不純物でドーピングした半導体である。更に、第2封入層の半導体は、第2の導電性の型を持つ第2領域を提供するために第2不純物でドーピングしてあり、第1の導電性の型は第2の導電性の型と逆である。
【0021】
別の特徴では、本発明は、本発明の上述の特徴と同様であるが、コンタクト及びこのコンタクトの少なくとも一部の周囲に配置されたトレンチを持ち、コンタクトを電気的に絶縁するためにトレンチ内に第1材料が付着された電気機械装置である。本発明のこの特徴のコンタクト及びトレンチは、チャンバの外側に配置される。一実施例では、トレンチはエッチストップ領域に配置される。エッチストップ領域はシリコン酸化物又はシリコンナイトライドであってもよい。
【0022】
着目すべきことには、第1材料で取り囲まれた第2材料を含んでいてもよい。この場合、第2材料は半導体である。
【0023】
以下の詳細な説明において添付図面を参照する。これらの図は本発明の様々な特徴を示し、適切である場合には、異なる図の同様の構造、構成要素、材料、及び/又はエレメントには同様の参照番号が付してある。特定的に示した以外の構造、材料、及び/又はエレメントの様々な組み合わせは本発明の範囲内に含まれるということは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書中、多くの発明を記載し且つ例示する。一つの特徴では、本発明はMEMS装置、及び機械構造を基板に固定するためのアンカーを持つMEMS装置の製造技術に関する。本発明のアンカーは、機械構造の解放プロセスによる影響を比較的受け難い材料で形成されている。これに関し、アンカーを構成する材料に関して機械構造を固定する材料に対し、エッチ解放プロセスは選択的であり且つ優先的である。更に、本発明のアンカーは、絶縁層の除去が基板への機械構造の固定にほとんど又は全く影響しないように基板に固定される。
【0025】
図1を参照すると、一つの例示の実施例では、MEMS10は、基板14上に配置されたマイクロ機械加工された機械構造12を含む。基板14は、例えばドーピングしていない半導体様材料、ガラス様材料、又は絶縁体様材料である。MEMS10は、マイクロ機械加工された機械構造12が発生した情報を演算処理し且つ分析し、及び/又はマイクロ機械加工された機械構造の作動を制御し又は監視するため、データ処理電子装置16を更に含んでもよい。更に、MEMS10は、マイクロ機械加工された機械構造12及び/又はデータ処理電子装置16から情報を外部装置(図示せず)、例えばコンピュータ、インジケータ/ディスプレー及び/又はセンサに提供するためのインターフェース回路18を含んでもよい。
【0026】
データ処理電子装置16及び/又はインターフェース回路18は、基板14内又は基板上に一体化されていてもよい。これに関し、MEMS10は、機械構造12、データ処理電子装置16、及びインターフェース回路18を含むモノリシック構造であってもよい。データ処理電子装置16及び/又はインターフェース回路18は、更に、別体の別個の基板上に設けられていてもよく、この別個の基板は、組み立て後に基板14に又は基板14上に結合される。
【0027】
図2を参照すると、一実施例では、マイクロ機械加工された機械構造12は、基板14上に、その上方に、及び/又は内部に配置された機械構造20a−c及び22a−fを含む。詳細には、機械構造20a−cは、「固定」機械部材24の「固定」電極であってもよい。機械構造22a−cは、「可動」機械部材26aの「可動」電極であってもよく、機械構造22d−fは、「可動」機械部材26bの「可動」電極であってもよい。
【0028】
機械構造20a−c及び22a−fは、例えば、周期表のIV族の材料、例えばシリコン、ゲルマニウム、炭素、及びこれらの組み合わせ、例えばシリコンゲルマニウム、又はシリコンカーバイド;及びIII−V族化合物、例えばガリウム燐、アルミニウムガリウム燐、又は他のIII−V族の組み合わせ;更にIII族、IV族、V族、又はVI族の材料、例えばシリコンナイトライド、シリコン酸化物、アルミニウムカーバイド、又はアルミニウム酸化物;更に金属シリサイド、ゲルマナイド、及びカーバイド、例えばニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、タングステンカーバイド、又はプラチナゲルマニウムシリサイド;更に、ドーピングを施したもの、例えば燐、砒素、アンチモン、硼素、又はアルミニウムでドーピングしたシリコン又はゲルマニウム、炭素、又はシリコンゲルマニウム等の組み合わせ;更に単晶構造、多晶質構造、ナノ結晶質構造、又は非晶質構造を含む様々な結晶構造を持つこれらの材料;更に、結晶構造の組み合わせ、例えば単晶構造領域及び多晶質構造領域の組み合わせ(ドーピングした又はドーピングしていない)でできていてもよい。
【0029】
特に、機械構造20a−c及び22a−fは、加速度計、ジャイロスコープ、又は他のトランスジューサー(例えば、圧力センサ、歪みセンサ、触覚センサ、磁気センサ、及び/又は温度センサ)、フィルタ又は共振器の一部であってもよい。マイクロ機械加工された機械構造12は、更に、一つ又はそれ以上の加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサ、触覚センサ、及び温度センサを含む複数のトランスジューサー又はセンサの機械構造を含んでいてもよい。マイクロ機械加工された機械構造12が加速度計である場合には、機械構造20a−c及び22a−fは、加速度計の検出装置を含むインターディジタル電極アレイ即ち櫛状フィンガ電極アレイの一部であってもよい(例えば米国特許第6,122,964号参照)。
【0030】
図2を参照し続けると、マイクロ機械加工された機械構造12は、更に、基板14上に又は基板14内に配置されたコンタクト領域28を含む。コンタクト領域28は、マイクロ機械加工された機械構造12と、データ処理電子装置16、インターフェース回路18、及び/又は外部装置(図示せず)との間に電路を提供してもよい。コンタクト領域24は、例えば、シリコン(ドーピングした又はドーピングしていない)、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、シリコンカーバイド、及びガリウム砒素、及び組み合わせ、及び/又はこれらの組み合わせでできていてもよい。
【0031】
図3は、機械構造20a−c及び22a−fを含む本発明の一実施例によるマイクロ機械加工された機械構造12の破線a−a’に沿った断面図を示す。機械構造20a−cは、アンカー30a−cを介して基板14に夫々取り付けられている。一実施例では、機械構造20a−cの各々は、第1結晶部分(例えば多晶質部分)32a−c及び第2結晶部分(例えば単晶部分)34a−cを夫々含む。
【0032】
アンカー30a−cは、例えば、機械構造を解放するためのプロセスによる影響を比較的受け難い一つ又はそれ以上の材料でできていてもよい。これに関し、エッチ解放プロセスは選択的であり、この場合、アンカー30a−cを構成する材料は、機械構造20a−c及び22a−fを固定する又は取り囲む材料に対してほとんど(又は全く)エッチングされない。
【0033】
アンカー30a−cは、SOI基板の絶縁層の除去が、基板14への機械構造20a−c及び22a−fの固定にほとんど又は全く影響しないように基板14に配置され、又は固定される。
【0034】
一実施例では、アンカー30a−cは、シリコン、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、及び/又はゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、及びガリウム砒素(及びその組み合わせ)であってもよい。確かに、SOI基板の絶縁材料が一般的なシリコン酸化物(例えば、SOI基板の犠牲層はシリコンナイトライドである)以外の材料である場合には、シリコン酸化物が機械構造を解放するプロセスの影響を比較的受け難い場合には、アンカー30a−cは、シリコン酸化物であってもよい。
【0035】
アンカー30a−cは、例えば、低圧(「LP」)化学蒸着(「CVD」)プロセス(チューブ又はEPIリアクターで)、プラズマ(「PE」)CVDプロセス、又は常圧(「AP」)CVDプロセスを使用して付着、形成、及び/又は成長してもよい。確かに、アンカー30a−cを付着するための全ての付着技術は、周知であろうと後に開発されようと、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0036】
図3を参照し続けると、一実施例では、機械構造20a−cは、多晶質部分32a−c及び単晶部分34a−cを含む。機械構造20a−cを付着し、形成し、及び/又は成長するための材料及び/又は表面、並びに技術により、下地材料の結晶構造が決まる。例えば、パラメータの所定の組を持つエピタキシャル環境では、機械構造20a−cの単晶部分が「前進」態様で付着し、形成し、及び/又は成長し、多晶質部分32a−cが「後退」態様で付着し、形成し、及び/又は成長する。これとは対照的に、パラメータの別の所定の組では、機械構造20a−cの単晶部分34a−cが「後退」態様で付着し、形成し、及び/又は成長し、多晶質部分32a−cが「前進」態様で付着し、形成し、及び/又は成長する(図5参照)。構造及びその部分は、これらの及び他の方法で付着し、形成し、及び/又は成長してもよく、機械構造20a−cの全ての付着技術及び結晶構造は、周知であろうと後に開発されようと、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0037】
図4のAを参照すると、MEMS10はSOI基板36内に又はこの構造上に形成される。SOI基板36は、第1基板層38(例えば半導体(シリコン等)、ガラス、又はサファイア)、絶縁層40、及び第1半導体層42を含む。一実施例では、SOI基板36はSIMOXウェーハである。SOI基板36がSIMOXウェーハである場合には、このようなウェーハは、米国特許第5,053,627号、米国特許第5,080,730号、米国特許第5,196,355号、米国特許第5,288,650号、米国特許第6,248,642号、米国特許第6,417,078号、米国特許第6,423,975号、米国特許第6,433,342号、米国特許出願公開第2002/0081824号、及び米国特許出願公開第2002/0123211号に開示された、言及された、参照された技術を含む周知の技術を使用して製造されていてもよい。これらの特許に触れたことにより、これらの特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0038】
別の実施例では、SOI基板36は、比較的薄い第1半導体層42を持つ従来のSOIウェーハであってもよい。これに関し、比較的薄い第1半導体層42を持つSOI基板36は、バルクシリコンウェーハを使用して製造されていてもよく、これに酸素をインプラントし、酸素によって酸化することによって単晶ウェーハ表面の下に比較的薄いSiO2を形成する。この実施例では、第1半導体層42(即ち単晶シリコン)を厚さが約350nmの絶縁層40(即ち二酸化シリコン)に付着する。絶縁層40は、厚さが約190nmの第1基板層38(即ち単晶シリコン)に付着している。
【0039】
着目すべきことには、SOI基板36を提供するための又は製造するための全ての技術は、周知であろうと後に開発されようと、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0040】
図4のB及びCを参照し、本発明によるマイクロ機械加工された機械構造12の例示の製造方法は、周知のリソグラフ技術及びエッチング技術を使用して絶縁層40及び半導体層42にアンカー開口部44a−c及びコンタクト開口部46を形成することで開始されてもよい。この方法では、第1半導体層42の選択された部分を露呈し、この半導体層との接触を容易にする。その後、周知の付着技術及びリソグラフ技術を使用してアンカー開口部44a−cにアンカー30a−cを形成する。上述のように、アンカー30a−cは、例えば、機械構造解放プロセスによる影響を比較的受け難い一つ又はそれ以上の材料で形成されていてもよい。これに関し、材料はエッチ解放プロセスに対して選択的である。従って、アンカー30a−cは、これらのアンカー30a−cの近くの絶縁層40の部分が(機械構造20a−c及び22a−fの解放プロセス中に)除去されるように基板に付着され又は固定される。
【0041】
図4のDを参照すると、アンカー30a−c、絶縁層40、及び第1基板層38の任意の露呈部分(例えば、図4のCのコンタクト開口部46を参照されたい)に、能動層48を付着し、形成し、及び/又は成長する。機械構造20a−c及び22a−fは能動層48から形成される。能動層48の付着、形成、及び/又は成長は、周知の技術を使用して、及び機械構造20a−c及び22a−fに関して上文中に説明した材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、又はガリウム砒素等の半導体)を用いて行われる。この実施例では、能動層48の単晶部分34の形成及び/又は成長は「前進」態様で行われ、多晶質部分32a−cの形成及び/又は成長は「後退」態様で行われる。
【0042】
その後、図4のEを参照すると、機械構造20a−c及び22a−f、及びコンタクト領域28を周知のリソグラフ技術及びエッチング技術を使用して形成してもよい。これに関し、トレンチ50a−gを能動層48に形成する。一実施例では、絶縁層40は、トレンチ50a−gの形成中、エッチストップとして作用し即ち機能する。着目すべきことには、トレンチ50a−gを形成するための全ての技術は、周知であろうと後に開発されようと、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0043】
トレンチ50a−gは、機械構造20a−c及び22a−fの特徴を決定することに加え、更に、絶縁層40の少なくとも選択された部分をエッチング及び/又は除去できるようにする。図4のFを参照すると、周知のエッチング技術及び材料を使用して絶縁層40をエッチングし即ち除去し、機械構造20a−c及び22a−fを解放する。例えば、一実施例では、絶縁層40が二酸化シリコンで形成されている場合には、選択された部分を、湿式エッチング技術及び緩衝HF混合物(即ち緩衝酸化エッチング)又は蒸気HFを使用する周知の蒸気エッチング技術を使用して除去/エッチングしてもよい。機械構造20a−cを適当に設計し、HFエッチングプロセスのパラメータを制御することにより、機械構造20a−c及び22a−fを解放し且つMEMS10を適正に作動できるのに十分に絶縁層40を除去し即ちエッチングできる。
【0044】
別の実施例では、絶縁層40がシリコンナイトライドでできている場合、選択された部分を燐酸を使用して除去/エッチングしてもよい。この場合も、機械構造20a−cを適当に設計し、湿式エッチングプロセスのパラメータを制御することにより、絶縁層40を十分にエッチングでき、機械構造20a−c及び22a−fを解放する。
【0045】
(1)絶縁層40に適した多くの材料があり(例えば、二酸化シリコン、シリコンナイトライド、ドーピングした又はドーピングしていないガラス様材料、例えばホスホシリケート、(「PSG」)、ボロホスホシリケート(「BPSG」)、スピンオンガラス(「SOG」))、(2)多くの適当な/関連したエッチング剤があり(例えば、緩衝酸化エッチ、燐酸、及び例えばNaOH及びKOH等のアルカリ水酸化物)、及び(3)絶縁層40をなくし、除去し、及び/又はエッチングするための多くの適当なエッチング技術又は除去技術がある(例えば、湿式エッチング、プラズマエッチング、蒸気エッチング、又は乾燥エッチング)。従って、除去及び/又はエッチングを行うための全ての材料、エッチング剤、及びエッチング技術、及びその組み合わせは、周知であろうと後に開発されようと、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0046】
上述のように、アンカー30a−cは、絶縁層40を除去することによる影響を比較的受けないままである。これに関し、エッチングプロセス又は除去プロセスは絶縁層40に対して選択的である。絶縁層40の除去又はエッチング中にアンカー30a−cがエッチングされる場合には、大きなエッチング選択比(例えば、10:1、25:1、又は50:1以上、及び好ましくは100:1以上)を提供する材料を選択すること、及び/又はアンカー30a−cが実質的に影響を受けないようにエッチング時間を適当に選択することのが有利である。このようにして、アンカー30a−cは、機械構造20a−cの固定必要条件を提供してもよい。
【0047】
MEMS10は、従来の封入技術及び構造を使用してチャンバ52内にシールされていてもよい。図4のFを参照し続けると、一実施例では、MEMS10は、例えば基板14に結合されたキャップ52(半導体又はガラス様基板)を使用して封入される。他のパッキング技術(例えばTOX8「缶」)を使用してもよい。確かに、全ての封入技術は、周知であろうと後に開発されようと、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【0048】
例えば、2003年6月4日に出願され且つ譲渡された「マイクロ電気機械システム及びその封入及び製造方法」という表題の米国非仮特許出願第10/454,867号(以下、「マイクロ電気機械システム及びその封入方法特許出願」と呼ぶ)に記載されており且つ例示された封入技術及び絶縁技術を、本願に説明し且つ例示するアンカー及び固定技術と関連して使用できる。簡潔化を図るため、マイクロ電気機械システム及びその封入方法特許出願に記載されており且つ例示され、本願に説明し且つ例示する発明と関連して実施される発明を繰り返すことはしないが、簡単に述べる。しかしながら、全ての発明の特徴、属性、変更、材料、技術、及び利点を含む、マイクロ電気機械システム及びその封入方法特許出願の全ての内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0049】
図6を参照して簡単に説明すると、マイクロ機械加工された機械構造12は、上文中に説明したように固定された機械構造20a−c、機械構造22a−f、及びコンタクト領域28を含む。更に、第1及び第2の封入層56及び58は、夫々、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願に記載された任意の技術、材料、又は実施例を使用してチャンバ60をシールしてもよい。更に、コンタクトビア62がコンタクト28に対する電気的アクセスを提供する。
【0050】
詳細には、図7のA及びBを参照すると、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願の封入技術を使用した、マイクロ機械加工された機械構造12を製造する例示の製造技術は、上文中に説明した方法で固定された機械構造20a−c、機械構造22a−f、及びコンタクト領域28を含む部分的に形成した装置で開始してもよい(図7のA参照)。その後、犠牲層64を付着し且つパターン化し、コンタクト領域28への電気的接続を容易にするためにコンタクト領域の一部を露呈してもよい(図7のB参照)。
【0051】
図7のCを参照すると、犠牲層64の付着後、第1封入層56の付着、形成、及び/又は成長を行う。第1封入層56は、例えば、シリコンをベースとした材料(例えば、ドーピングした又はドーピングしていない、シリコン/ゲルマニウム、シリコンカーバイド、単晶シリコン、多晶質シリコン、又は非晶質シリコン)、ゲルマニウム、及びガリウム砒素(及びその組み合わせ)であってもよく、例えばエピタキシャル、スパッタリング、又はCVDに基づいたリアクター(例えばAPCVD、LPCVD、又はPECVD)を使用して付着及び/又は形成される。付着、形成、及び/又は成長は、形態一致プロセスによって行われてもよいし、非形態一致プロセスによって行われてもよい。
【0052】
図7のD及びEを参照すると、第1封入層56にエッチングを施し(図7のD参照)、絶縁層40及び犠牲層64の少なくとも選択された部分のエッチング及び/又は除去を可能にするベント66を形成する(図7のD参照)。この場合も、機械構造20a−c及び22a−f、絶縁層40、及び犠牲層64を適切に設計しエッチングプロセスのパターンを制御することにより、絶縁層40及び犠牲層64を、機械構造20a−c及び22a−fを解放するのに十分にエッチングでき、MEMS10を適正に作動できる(図7のE参照)。
【0053】
機械エレメント20a−c及び22a−fを解放した後、第2封入層58の付着、形成、及び/又は成長を行なってもよい(図7のF参照)。第2封入層58は、例えば、シリコンをベースとした材料(例えば、単晶シリコン、多晶質シリコン、シリコン−ゲルマニウム、及び/又はその組み合わせ)であってもよく、これは、例えばエピタキシャル、スパッタリング、又はCVDに基づいたリアクター(例えばAPCVD、LPCVD、又はPECVD)を使用して付着及び/又は形成される。付着、形成、及び/又は成長は、形態一致プロセスによって行われてもよいし、非形態一致プロセスによって行われてもよい。材料は、第1封入層56と同じであってもよいし異なっていてもよい。しかしながら、チャンバ60の「シール」を高めるため、第1及び第2の封入層56及び58で同じ材料を使用するのが有利である。
【0054】
マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願に詳細に論じられているように、特定の実施例では、第2封入層58は、第1封入層56の不純物に対して逆の導電性を持つ不純物でドーピングしてあってもよい。このようにして、シーリングプロセス又は封入プロセスの完了時にコンタクトビア62を取り囲むジャンクションが形成される。このジャンクションは、コンタクトビア62(及びコンタクト領域28)を例えばフィールド領域等の導電性領域から「絶縁」する。
【0055】
更に、実施例の他の組では、例えば研磨技術(例えばCMP)を使用して第2封入層58を実質的に平らにするのが有利である。平坦化プロセスにより、第2封入層58の一部を除去し、「平滑な」表面層及び/又は(実質的に)平らな表面を形成する。確かに、平坦化プロセスは、逆にドーピングした半導体層58のリングによってコンタクトビア60を電気的に絶縁するように第2封入層58の十分な部分を除去できる(図7のG参照)。この露呈された平らな表面は、更に、良好に形成されたベースを提供し、このベース上に集積回路(平らな、CMOSトランジスタ)及び/又はマイクロ機械加工された機械構造12を、周知の製造技術及び機器を使用して形成できる
別の実施例では、トレンチ技術を使用してコンタクトビア62を電気的に「絶縁」する。例えば、2003年6月4日に出願され且つ譲渡された「トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム及びその製造方法」という表題の米国非仮特許出願第10/455,555号(以下、「トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願」と呼ぶ)に記載されており且つ例示された封入技術及び絶縁技術を、本願に説明し且つ例示するアンカー及び固定技術と関連して使用できる。簡潔化を図るため、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願に記載されており且つ例示され、本願に説明し且つ例示する発明と関連して実施される発明を繰り返すことはしないが、簡単に述べる。しかしながら、全ての発明の特徴、属性、変更、材料、技術、及び利点を含む、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願の全ての内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0056】
簡単に述べると、図8を参照すると、マイクロ機械加工された機械構造12は、上文中に説明した方法で固定された機械構造20a−c、機械構造22a−f、及びコンタクト領域28を含む。第1及び第2の封入層56及び58の夫々は、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願及び/又はトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願に記載された技術、材料、又は実施例のうちの任意のものを使用してチャンバ60をシールしてもよい。更に、マイクロ機械加工された機械構造12は、誘電体絶縁領域68a及び68bを含み、これらの領域がコンタクト領域28(及びコンタクトビア62)を、周囲の又は近接した導電性領域から電気的に絶縁する。
【0057】
詳細には、図9のA、B、及びCを参照すると、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願の封入技術及び絶縁技術を使用したマイクロ機械加工された機械構造12の例示の製造方法を、上文中に説明した方法で固定された機械構造20a−c、機械構造22a−f、及びコンタクト領域28を含む部分的に形成された装置で開始する。マイクロ機械加工された機械構造12は、例えば上文中に説明した技術と実質的に同じ技術を使用して解放され、シールされる(図9のA参照)。その後、エッチングによってトレンチ70a及び70bを形成してもよく(図9のB参照)、トレンチ70a及び70bに絶縁体74を付着して誘電体絶縁領域68a及び68bの夫々を形成してもよい(図9のC参照)。
【0058】
コンタクト28及び/又はコンタクトビア62が犠牲層64の部分によって部分的に、実質的に、又は完全に包囲されたままであるように犠牲層64を部分的にエッチングし即ち除去するのが有利である。例えば、図9のA及びBを参照すると、機械構造20a−c及び22a−fが解放されるとき、犠牲層64の一部72(即ち並置された電気コンタクト領域28)は、犠牲層64のエッチング即ち除去後に残ったままである。犠牲層64のこの部分は、トレンチ70a及び70bの形成中にエッチストップとして機能する。こうした状況では、第2犠牲層64の残った部分がトレンチ70a及び70bの形成中にエッチストップとして機能できるように、トレンチ70a及び70bを形成するプロセスに合った材料を犠牲層64で使用するのが有利である。それにも拘わらず、この犠牲層64は、例えば二酸化シリコン、シリコンナイトライド、及びドーピングした又はドーピングしていないガラス様材料、及びSOGであってもよい。
【0059】
別の実施例では、犠牲層64を形成する僅かな量の材料(又は犠牲層64はほとんど又は全く無い)が犠牲層64のエッチング後に残る。このように、犠牲層64の材料は、続いて行われる加工とほとんど関連なしに選択できる。更に、この場合、トレンチ70a及び70bのエッチングは、例えば、誘電体絶縁領域68a及び68bが適当な電気絶縁を提供するように調時される。
【0060】
絶縁材料74は、例えば、二酸化シリコン、シリコンナイトライド、BPSG、PSG、又はSOG、又はこれらの組み合わせであってもよい。シリコンナイトライドを使用するのが有利である。これは、シリコンナイトライドが、シリコン酸化物よりも遙かに形態と一致して付着させることができるためである。更に、シリコンナイトライドは、MEMS10がCMOS集積回路を含む場合にCMOSプロセスと適合性である。
【0061】
図10のA乃至Dを参照すると、誘電体絶縁領域68a及び68bは、絶縁領域68a及び68bの形成を容易にするため、僅かなテーパが付けてあってもよい(図10のA参照)。更に、誘電体絶縁領域68a及び68bは、複数の材料を含んでいてもよく、これらの材料には、第1材料68aa(例えば二酸化シリコン、シリコンナイトライド、BPSG、PSG、又はSOG)及び第2材料68bb(例えば多晶質シリコン等のシリコンをベースとした材料)が含まれる。このようにして、絶縁材料68aaによって電気絶縁が提供され、これと同時に限られた量の誘電体がマイクロ機械加工された機械構造12の表面に露呈される(図10のA乃至D参照)。
【0062】
着目すべきことには、誘電体絶縁領域68a及び68bの形成後、マイクロ機械加工された機械構造12を実質的に平らにし、「平滑」な表面層及び/又は(実質的に)平らな表面を提供するのが有利である。このようにして、マイクロ機械加工された機械構造12の露呈された平らな表面は良好に形成されたベースであってもよく、その上に集積回路(例えばCMOSトランジスタ)及び/又はマイクロ機械加工された機械構造12が周知の製造技術及び機器を使用して製造される。
【0063】
別の実施例では、犠牲層64のエッチング又は除去によって機械構造20a−c及び22a−fを解放する前に犠牲層64の部分72a及び72bを画成する。図11のA乃至Dを参照すると、追加の開口部80a及び80bを犠牲層64に形成し即ちパターンを形成(図11のA参照)し、エッチストップ部分82a及び82bを付着し形成する領域を提供する(図11のB参照)。エッチストップ部分82a及び82bは、アンカー30a−cと同じ材料であってもよい。このようにして、機械構造20a−c及び22a−fの解放プロセス中に犠牲層64の部分72a及び72bが比較的無傷で残る。機械構造20a−c及び22a−fを解放し、第1及び第2の封入層56及び58を付着、形成、及び/又は成長した後(図11のC参照)トレンチ70a及び70bを形成し即ちエッチングし、その後、誘電体絶縁領域68a及び68bを形成するように上文中に説明したように充填する(図11のD参照)。
【0064】
着目すべきことには、図11のA乃至D(及び図11のE及びF)に示す誘電体絶縁領域68a及び68bの製造技術は、アンカー30a−cを含まないMEMS10で実施されてもよい。確かに、図11のA乃至D(及び図11のE及びF)の実施例は、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願に記載されており且つ例示された任意の実施例を含む、任意の固定技術又は構造を使用して実施されてもよい。簡潔化を図る目的で、それらの実施例及びその組み合わせを繰り返さないが、このことに触れたことにより、その開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0065】
別の実施例では、誘電体絶縁領域68a及び68bは、MEMS10の集積回路製造の「バックエンド」を行っているときに形成してもよく、又は完成してもよい。これに関し、図9のC及びD、図11のE及びFを参照すると、絶縁層74の付着中、形成中、及び/又は成長中、トレンチ70a及び70bをエッチングし且つ充填し、誘電体絶縁領域68a及び68bを形成してもよい。その後、コンタクトプラグ62を介したコンタクト領域28に容易に電気的に接続するため、接触開口部76をエッチングしてもよい(図9のC及び図11のE参照)。次いで、コンタクト28への適当な電気的接続を提供するため、導電層78を付着してもよい(図9のD及び図11のF参照)。
【0066】
着目すべきことには、図9のC及びD、図11のE及びFの実施例では、誘電体絶縁領域68a及び68bに関するプロセスをMEMS10の集積回路製造の「バックエンド」の絶縁−コンタクト形成構造と「組み合わせ」てもよい。
【0067】
かくして、一組の実施例では、モノリシック構造は、共通の基板上に又は基板内に一体化された機械構造12及びデータ演算処理電子装置16及び/又はインターフェース回路18を含んでもよい。図12のA乃至Eに関し、MEMS10は、構造20a−c及び22a−c及びコンタクト領域、並びに集積回路84がフィールド領域又は単晶構造を持つ他の半導体領域に配置されたデータ演算処理電子装置16を持つマイクロ機械加工された機械構造12を含む。集積回路84は、トレンチ50a−gの形成前に従来の技術を使用して製造できる(例えば、図4のE参照)。上述のように、機械構造20a−c及び22a−c(及びコンタクト24)は、主として、例えば単晶材料(図12のA、C、D、及びE)又は多晶質材料(図12のB)から形成されていてもよい。
【0068】
図13のAを参照すると、集積回路84が導電層78を介してコンタクト28に直接アクセスできる。詳細には、一実施例では、集積回路84が形成されたフィールド領域とコンタクト28との間のトレンチ86に絶縁体が付着されていてもよい。その後、抵抗が低い電路、例えば導電層78を付着し及びパターン化し、接続を行う。
【0069】
例えばマイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願及び/又はトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願に記載され且つ例示された技術を使用して機械構造12を画成した後、集積回路54を従来の技術を使用して形成してもよいということに着目されたい。これに関し、アンカー30a−cを持つ機械構造12を製造し、封入した後、従来の技術を使用して集積回路84を製造し、導電層78によってコンタクト領域28に相互接続してもよい。詳細には、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願(例えばその図12のA−C)及び/又はトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願(例えば図14のA−E)に記載され且つ例示されているように、集積回路84は良好な電気接続を提供する低抵抗電路(即ち導電層78)を介してコンタクト領域に直接アクセスする。絶縁層74を付着し、形成し、及び/又は成長し、パターン化した後、導電層78(例えば、強くドーピングしたポリシリコン又はアルミニウム、クロム、金、銀、モリブデン、プラチナ、パラジウム、タングステン、チタニウム、及び/又は銅)を形成する。
【0070】
着目すべきことには、上述のように、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願及び/又はトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願に記載され且つ例示された全ての実施例は、本願に説明され且つ例示された基板固定技術を使用して製造されてもよい。簡潔化を図るため、それらの組み合わせを繰り返さないが、このことに触れたことにより、その開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0071】
本明細書中、多くの発明を説明し且つ例示した。本発明の特定の実施例、特徴、材料、形体、属性、及び利点を説明し且つ例示したが、本発明の多くの他の並びに異なる及び/又は同様の実施例、特徴、材料、形体、属性、構造、及び利点が、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかである。このように、本明細書中に説明し且つ例示した本発明の実施例、特徴、材料、形体、属性、構造、及び利点は網羅的ではなく、本発明の他の同様の並びに異なる実施例、特徴、材料、形体、属性、構造、及び利点が本発明の範疇に含まれるということは理解されるべきである。
【0072】
例えば、図5を参照すると、機械構造20a−cは、実質的に多晶質構造でできていてもよい。上述のように、機械構造20a−cの単晶部分34a−cを「後退」態様で付着し形成し及び/又は成長する所定のパラメータの組を使用して能動層48を付着し形成し及び/又は成長してもよい。このように、多晶質部分32a−cは、「前進」態様で付着し形成し及び/又は成長する。かくして、この実施例では、機械構造20a−cは実質的に多晶質であり、例えば多晶質シリコンである。
【0073】
チャンバ52及び60内の環境(例えばガス又はガス蒸気圧力)が機械構造20a−c及び22a−Fの機械的減衰を或る程度決定する。これに関し、チャンバ52及び60は、これらのチャンバ52及び60内に「捕捉」、「密封」、及び/又は収容された流体を含んでいてもよい。チャンバ52及び60内の流体の状態(例えば圧力)は、従来技術を使用して、及び/又は2003年3月20日に出願され且つ譲渡された「制御された雰囲気を持つ電気機械システム及びその製造方法」という表題の米国非仮特許出願第10/392,528号(以下、「制御された雰囲気を持つ電気機械システム特許出願」と呼ぶ)に記載されており且つ例示された技術を使用して決定されてもよい。簡潔化を図るため、制御された雰囲気を持つ電気機械システム特許出願に記載されており且つ例示された全ての発明は、ここでは繰り返さない。しかしながら、例えば全ての発明の特徴、属性、変更、材料、技術、及び利点を含む、制御された雰囲気を持つ電気機械システム特許出願の全ての内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0074】
更に、上述のように、本明細書中に説明したアンカー及び固定技術は、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願(例えば、図11Aのマイクロ機械加工された機械構造12b;図11のB及びCの機械構造12;及び図11のDの機械構造20a及び20b、コンタクト領域24a及び24b、及び剥き出しのコンタクト24’及び24’’を参照されたい)及び/又はトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願(例えば、図13のAのマイクロ機械加工された機械構造12b;図13のB及びCの機械構造12;及び図13のDの機械構造20a及び20b、コンタクト領域24a及び24b、及び剥き出しのコンタクト24’及び24’’を参照されたい)に例示されているように、垂直方向及び/又は横方向に重ねられた又は相互連結された多数の層をそれ自体が備えた一つ又はそれ以上のトランスジューサー又はセンサを持つ機械構造12と関連して実施してもよい。従って、本明細書中に例示し且つ説明した固定実施例のうちの任意の実施例及び全ての実施例は、垂直方向及び/又は横方向に重ねられた又は相互連結された機械構造、コンタクト領域、及び剥き出しのコンタクトの多数の層を含むマイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願及び/又はトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願で実施されてもよい(例えば、マイクロ電気機械システム及び封入方法特許出願の図11のB、C、及びDのマイクロ機械加工された機械構造12、及びトレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ電気機械システム特許出願の図13のB、C、及びDのマイクロ機械加工された機械構造12を参照されたい)。この状況では、機械構造は、機械構造が、垂直方向及び/又は横方向に積み重ねた及び/又は相互連結された多数の層を提供する一つ又はそれ以上の加工工程を含む、本願に記載された固定技術を使用して製造されてもよい(例えば、図14のAの固定電極20aを参照されたい)。
【0075】
更に、本明細書中に説明したアンカー及び固定技術は、コンタクトのうちの任意のコンタクトを構造又は基板(例えば基板38)に固定及び/又は取り付けるために実施できる。かくして、任意のコンタクト又は全てのコンタクトは、レベルに拘わらず(例えば図14のBのコンタクト24)、本明細書中に説明したアンカー及び固定技術を使用して固定されていてもよい。
【0076】
特許請求の範囲中の「付着」という用語又は他の形態(即ち付着、及び付着した等)は、とりわけ、例えばリアクター(例えばエピタキシャル、スパッタリング、又はCVDに基づいたリアクター(例えばAPCVD、LPCVD、又はPECVD))を使用した、材料の層の付着、形成、及び/又は制御を意味する。
【0077】
更に、特許請求の範囲において、「コンタクト」という用語は、一部又は全体がチャンバの外側に配置された導電性領域、例えばコンタクト領域及び/又はコンタクトビアを意味する。
【0078】
最後に、マイクロ機械構造又はエレメントを含むマイクロ電気機械システムに関して本発明を説明したけれども、本発明はこれに限定されないということに着目すべきである。というよりはむしろ、ここに説明した発明は、例えばナノ電気機械システムを含む他の電気機械システムに適用できる。かくして、本発明は、機械的構成要素を全体にマイクロ電子装置に匹敵するスケールまで小型化するリソグラフ及び他の精密製造技術等の製造技術に従って形成された電気機械システム、例えばジャイロスコープ、共振器、温度センサ、及び/又は加速度計に関する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】基板に配置されたマイクロ電気機械システムの、インターフェース回路及びデータ処理電子装置と関連したブロックダイヤグラムである。
【図2】マイクロ機械構造の一部、例えば「可動」電極及び「固定」電極を持つ、加速度計のインターディジタル電極アレイ即ち櫛状フィンガ電極アレイの一部の、コンタクト領域と関連した平面図である。
【図3】本発明の特定の特徴による、図2のインターディジタル電極アレイ即ち櫛状フィンガ電極アレイの部分の(図2に破線で示すa−a線に沿った)断面図である。
【図4A】本発明の特定の特徴による、図3のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な工程での断面図である。
【図4B】本発明の特定の特徴による、図3のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な工程での断面図である。
【図4C】本発明の特定の特徴による、図3のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な工程での断面図である。
【図4D】本発明の特定の特徴による、図3のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な工程での断面図である。
【図4E】本発明の特定の特徴による、図3のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な工程での断面図である。
【図4F】本発明の特定の特徴による、図3のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な工程での断面図である。
【図5】単晶構造対多晶質構造の非形態一致付着、成長、及び/又は形成技術を使用した図3のマイクロ構造の断面図である。
【図6】本発明の特定の特徴による図2のインターディジタル電極アレイ即ち櫛状フィンガ電極アレイ及びコンタクト領域の部分の(図2に破線で示すa−a線に沿った)断面図である。
【図7A】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図7B】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図7C】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図7D】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図7E】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図7F】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図7G】本発明の特定の特徴による、図6のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図8】本発明の特定の特徴による図2のインターディジタル電極アレイ即ち櫛状フィンガ電極アレイ及びコンタクト領域の部分の(図2に破線で示すa−a線に沿った)断面図である。
【図9A】本発明の特定の特徴による、図8のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図9B】本発明の特定の特徴による、図8のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図9C】本発明の特定の特徴による、図8のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図9D】本発明の特定の特徴による、図8のマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図10A】本発明の特定の特徴による絶縁トレンチの断面図及び平面図である。
【図10B】本発明の特定の特徴による絶縁トレンチの断面図及び平面図である。
【図10C】本発明の特定の特徴による絶縁トレンチの断面図及び平面図である。
【図10D】本発明の特定の特徴による絶縁トレンチの断面図及び平面図である。
【図11A】本発明の特定の特徴による、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図11B】本発明の特定の特徴による、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図11C】本発明の特定の特徴による、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図11D】本発明の特定の特徴による、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図11E】本発明の特定の特徴による、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図11F】本発明の特定の特徴による、トレンチ絶縁コンタクトを持つマイクロ構造の製造のプロセスの様々な段階での断面図である。
【図12A】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図12B】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図12C】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図12D】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図12E】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図13A】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図13B】マイクロ機械加工された機械構造部分及び集積回路部分を含み、これらの両方が共通の基板に配置され又は一体化された、本発明の特定の特徴によるMEMSの断面図である。
【図14A】本発明の特定の特徴による、MEMSの基板上又は内にモノリシックに一体化した複数のマイクロ構造及びコンタクトを持つマイクロ機械構造の製造の断面図である。
【図14B】本発明の特定の特徴による、MEMSの基板上又は内にモノリシックに一体化した複数のマイクロ構造及びコンタクトを持つマイクロ機械構造の製造の断面図である。
【符号の説明】
【0080】
10 MEMS
12 マイクロ機械加工された機械構造
14 基板
16 データ処理電子装置
18 インターフェース回路
20a−c 機械構造
22a−f 機械構造
24 「固定」機械部材
26 「可動」機械部材
28 コンタクト領域
30a−c アンカー
32a−c 第1結晶部分
34a−c 第2結晶部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、この基板上に配置された絶縁層、この絶縁層に配置された第1半導体層を含む固定電極を有する機械構造を持つ電気機械装置の製造方法において、
前記第1半導体層の第1部分を除去する工程と、
前記絶縁層の第1部分を除去することによって前記基板の一部を露呈し、アンカー開口部を形成する工程と、
前記アンカー開口部にアンカー材料を付着する工程と、
第2半導体層を前記アンカー材料上に付着する工程と、
前記アンカー材料に付着した少なくとも前記第2半導体層から、前記アンカー材料を介して前記基板に取り付けられた固定電極を形成する工程と
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記アンカー材料は、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記機械構造は、前記固定電極と並置された可動電極を更に含み、前記方法は、前記可動電極を形成する工程を更に含み、
前記可動電極を形成する工程は、
前記第2半導体層の第1及び第2の部分を除去することによって前記可動電極を画成する工程と、
前記可動電極の下側の前記絶縁層を除去することによって可動電極を解放する工程と
を含み、
前記アンカー材料は、可動電極の解放時に実質的に除去されない、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記絶縁層はシリコン酸化物を含み、前記アンカー材料はシリコン、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、前記絶縁層はシリコン酸化物を含み、前記アンカー材料はシリコン、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法において、前記絶縁層はシリコンナイトライドを含み、前記アンカー材料はシリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記第2半導体層を前記第1半導体層の一部に付着する工程を更に含み、前記固定電極は、更に、前記第1半導体層の部分を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記アンカー材料上の前記固定電極の大部分が単晶シリコンである、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、前記アンカー材料上の前記固定電極の大部分が多晶質シリコンである、方法。
【請求項10】
チャンバ内に固定電極及び可動電極を有する機械構造を持つ電気機械装置の製造方法であって、前記電気機械装置は、基板と、前記基板上に配置された絶縁層と、この絶縁層に配置された第1半導体層とを備えた製造方法において、
前記第1半導体層及び前記絶縁層の部分を除去し、これによって前記基板の一部を露呈し、アンカー開口部を形成する工程と、
アンカー材料を前記アンカー開口部に付着する工程と、
第2半導体層を前記アンカー材料及び前記第1半導体層に付着する工程と、
前記第1及び第2の半導体層をエッチングし、前記第1及び第2の半導体層から固定電極及び可動電極を形成する工程であって、前記固定電極は、前記アンカー材料に付着した前記第2半導体層の少なくとも一部を含み、前記基板にアンカー材料を介して取り付けられる、工程と、
前記固定電極及び可動電極に犠牲層を付着する工程と、
第1封入層を前記犠牲層に付着する工程と、
前記犠牲層に少なくとも一つのベントを形成する工程と、
前記可動電極の下の前記絶縁層を除去することによって前記可動電極を解放する工程であって、前記アンカー材料は、可動電極の解放時に実質的に除去されない、工程と、
半導体である第2封入層をベント上又は内に付着し、ベントをシールする工程と
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記第1封入層は、多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記第2封入層は、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、前記絶縁層は、シリコン酸化物を含み、前記アンカー材料は、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法において、前記絶縁層及び犠牲層は、シリコン酸化物を含み、前記アンカー材料は、シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法において、前記絶縁層はシリコンナイトライドを含み、前記アンカー材料は、シリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分が単晶シリコンである、方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分が多晶質シリコンである、方法。
【請求項18】
コンタクト及び機械構造を持つ電気機械装置の製造方法であって、前記機械構造はチャンバ内に固定電極及び可動電極を含み、前記電気機械装置は、基板、この基板上に配置された絶縁層、この絶縁層に配置された第1半導体層を含み、前記固定電極は前記基板にアンカー材料を介して取り付けられている、電気機械装置の製造方法において、
前記第1半導体層及び前記絶縁層の部分を除去し、これによって前記基板の一部を露呈し、アンカー開口部を形成する工程と、
アンカー材料を前記アンカー開口部に付着する工程と、
第2半導体層を前記アンカー材料及び前記第1半導体層上に付着する工程と、
前記第1及び第2の半導体層をエッチングすることにより前記第1及び第2の半導体層から固定電極及び可動電極を形成する工程であって、前記固定電極は、前記アンカー材料上に配置された前記第2半導体層の少なくとも一部を含み、前記固定電極は、前記基板に前記アンカー材料を介して取り付けられている工程と、
犠牲層を前記固定電極及び前記可動電極上に付着する工程と、
第1封入層を前記犠牲層上に付着する工程と、
前記第1封入層に少なくとも一つのベントを形成する工程と、
前記可動電極の下側の前記絶縁層を除去することによって前記可動電極を解放する工程であって、前記可動電極を解放するとき、前記アンカー材料は実質的に除去されない工程と、
前記ベント上に又はその中に半導体である第2封入層を付着する工程と、
前記コンタクトの少なくとも一部の周囲にトレンチを形成する工程であって、前記コンタクト及び前記トレンチは前記チャンバの外側に配置される工程と、
第1材料を前記トレンチに付着し、前記コンタクトを電気的に絶縁する工程と
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記第1封入層は多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、前記第1材料は、二酸化シリコン又はシリコンナイトライドである、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、前記第2封入層は、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法において、前記トレンチは前記コンタクトを取り囲み、前記コンタクトを電気的に絶縁する、方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法において、前記第1材料を付着した後、前記トレンチに半導体を付着する工程を更に含み、前記第1材料は前記トレンチの前記外面に付着される、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記トレンチの露呈面を平坦化する工程を更に含む、方法。
【請求項25】
請求項18に記載の方法において、
絶縁層を前記トレンチの少なくとも一部に付着する工程、
高導電性材料を前記コンタクトに及び前記絶縁層上に付着し、絶縁コンタクトへの電気的接続を提供する、方法。
【請求項26】
請求項18に記載の方法において、前記絶縁層は、シリコン酸化物を含み、前記アンカー材料は、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項27】
請求項18に記載の方法において、前記絶縁層及び犠牲層はシリコン酸化物を含み、前記アンカー材料は、シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の電気機械装置において、前記トレンチは前記コンタクトを取り囲む、電気機械装置。
【請求項29】
請求項18に記載の方法において、前記絶縁層はシリコンナイトライドを含み、前記アンカー材料は、シリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、方法。
【請求項30】
請求項18に記載の方法において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分が単晶シリコンである、方法。
【請求項31】
請求項18に記載の方法において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分が多晶質シリコンである、方法。
【請求項32】
電気機械装置において、
基板と、
前記基板に配置された絶縁層と、
前記絶縁層に配置された第1半導体層と、
前記絶縁層及び前記第1半導体層の開口部に配置され且つ前記基板と接触したアンカーであって、前記絶縁層と異なる材料を含むアンカーと、
前記アンカーに配置された第2半導体層と、
部分的に前記第2半導体層から形成された、前記アンカーによって前記基板に取り付けられた固定電極と
を備えた、電気機械装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置において、前記アンカーは、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項34】
請求項32に記載の装置において、前記絶縁層はシリコンナイトライド又はシリコン酸化物を含む、装置。
【請求項35】
請求項32に記載の装置において、可動電極及び並置された固定電極を更に含み、前記可動電極は部分的に前記第2半導体層から形成される、装置。
【請求項36】
請求項35に記載の装置において、前記絶縁層は、シリコン酸化物を含み、前記アンカー材料は、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項37】
請求項35に記載の装置において、前記絶縁層は、シリコン酸化物を含み、前記アンカー材料は、シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項38】
請求項35に記載の装置において、前記絶縁層は、シリコンナイトライドを含み、前記アンカー材料は、シリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項39】
請求項32に記載の装置において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分が単晶シリコンである、装置。
【請求項40】
請求項32に記載の装置において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分が多晶質シリコンである、装置。
【請求項41】
請求項32に記載の装置において、
少なくとも一つのベントを持つ第1封入層を含むチャンバ、
前記チャンバ内に配置されており且つ前記固定電極と並置された可動電極、
前記ベント上に又はその中に配置され、これにより前記チャンバをシールする、半導体を含む第2封入層を更に含む、装置。
【請求項42】
請求項41に記載の装置において、前記第2封入層は、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項43】
請求項42に記載の装置において、前記第1封入層は、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、ガリウム砒素、シリコンナイトライド、又はシリコンカーバイドを含む、装置。
【請求項44】
請求項41に記載の装置において、
前記第1封入層は、第1の導電性の型を持つ第1領域を提供するために第1不純物でドーピングした半導体であり、
前記第2封入層の半導体は、第2の導電性の型を持つ第2領域を提供するために第2不純物でドーピングしてあり、前記第1の導電性の型は第2の導電性の型と逆である、装置。
【請求項45】
請求項41に記載の装置において、前記チャンバの外側に配置されたコンタクトを更に含む、装置。
【請求項46】
請求項41に記載の装置において、前記第1封入層の第1部分は単晶シリコンを含み、第2部分は多晶質シリコンを含む、装置。
【請求項47】
請求項41に記載の装置において、前記第1封入層の第1部分は単晶シリコンを含み、第2部分は多孔質又は非晶質シリコンを含む、装置。
【請求項48】
請求項47に記載の装置において、前記第1封入層の第2部分と重なった前記第2封入層は多晶質シリコンである、装置。
【請求項49】
請求項48に記載の装置において、前記チャンバの外側及び上方に配置されたフィールド領域を含み、このフィールド領域は単晶シリコンを含む、装置。
【請求項50】
電気機械装置において、
基板と、
前記基板に配置された絶縁層と、
前記絶縁層に配置された第1半導体層と、
前記絶縁層及び前記第1半導体層の開口部に配置され且つ前記基板と接触したアンカーであって、前記絶縁層と異なる材料を含むアンカーと、
前記アンカーに配置された第2半導体層と
一部が前記第2半導体層から形成され、前記アンカーによって前記基板に取り付けられた固定電極と、
一部が前記第2半導体層から形成され、第1封入層を含むチャンバナイトライドに配置された可動電極と、
前記ベント上に又はその中に配置され、これによって前記チャンバをシールする、半導体を含む第2封入層と、
コンタクトと
前記コンタクトの少なくとも一部の周囲に配置されたトレンチと
を備え、
前記コンタクト及び前記トレンチは、前記チャンバの外側に配置され、第1の材料が、前記トレンチは、前記コンタクトを電気的に絶縁するために前記トレンチ内に配置されている電気機械装置。
【請求項51】
請求項50に記載の装置において、前記第2封入層は、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、シリコンカーバイド、シリコン/ゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項52】
請求項51に記載の装置において、前記第1封入層は、多晶質シリコン、多孔質多晶質シリコン、非晶質シリコン、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、ガリウム砒素、シリコンナイトライド、又はシリコンカーバイドを含む、装置。
【請求項53】
請求項50に記載の装置において、前記第1材料は絶縁体であり、少なくとも前記トレンチの外面に配置される、装置。
【請求項54】
請求項53に記載の装置において、前記トレンチは前記第1材料によって取り囲まれた第2材料を含み、前記第2材料は半導体である、装置。
【請求項55】
請求項53に記載の装置において、前記トレンチはエッチストップ領域に配置される、装置。
【請求項56】
請求項53に記載の装置において、前記エッチストップ領域はシリコンナイトライド又は二酸化シリコンである、装置。
【請求項57】
請求項53に記載の装置において、前記第1材料はシリコンナイトライド又は二酸化シリコンである、装置。
【請求項58】
請求項53に記載の装置において、前記トレンチは前記コンタクトを取り囲む、装置。
【請求項59】
請求項50に記載の装置において、前記アンカーは、シリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項60】
請求項50に記載の装置において、前記絶縁層はシリコンナイトライド又はシリコン酸化物を含む、装置。
【請求項61】
請求項50に記載の装置において、前記絶縁層は、シリコン酸化物を含み、前記アンカー材料はシリコンナイトライド、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項62】
請求項50に記載の装置において、前記絶縁層は、シリコンナイトライドを含み、前記アンカー材料はシリコン、シリコン酸化物、シリコンカーバイド、ゲルマニウム、シリコン/ゲルマニウム、又はガリウム砒素を含む、装置。
【請求項63】
請求項50に記載の装置において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分は単晶シリコンである、装置。
【請求項64】
請求項50に記載の装置において、前記アンカー材料と重なった前記固定電極の大部分は多晶質シリコンである、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【公開番号】特開2012−196758(P2012−196758A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−103278(P2012−103278)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2006−521049(P2006−521049)の分割
【原出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】