説明

アクティブクランプ回路

【課題】アクティブクランプ動作期間を短縮するとともにESD耐量を向上させたアクティブクランプ回路を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、第1のスイッチ素子と、第1のダイオードと、第1の抵抗と、第1および第2の制御回路と、を備えたことを特徴とするアクティブクランプ回路が提供される。前記第1のダイオードは、前記第1のスイッチ素子の両端にかかる過電圧によりブレークダウンする。前記第1の抵抗は、前記第1のダイオードの電流を検出する。前記第1の制御回路は、前記第1の抵抗の両端の電圧を増幅して前記第1のスイッチ素子の電流を制御する。前記第2の制御回路は、前記第1の抵抗の両端の電圧に応じて前記第1のスイッチ素子の導通を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アクティブクランプ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁やモータなどの誘導性負荷をオンまたはオフに駆動する場合、オフ時に誘導性負荷に蓄積されたエネルギーにより誘起電圧が発生する。この誘起電圧によりスイッチ素子などが破壊されることを防止するために、誘起電圧を規定値にクランプして誘導性負荷に蓄積されたエネルギーを吸収するアクティブクランプ回路が用いられる。
【0003】
しかし、クランプ電圧は、アクティブクランプ回路を流れる電流の大きさに依存し、クランプ動作の開始時は高く、時間の経過とともに減少する。また、例えばツェナーダイオードをブレークダウンさせてクランプする場合、クランプ電圧は、ツェナーダイオードの電流・電圧特性などのばらつきにより変化する。
【0004】
アクティブクランプ動作期間は、誘導性負荷を駆動できない無駄時間となるため、短い方が望ましい。
【0005】
更に、アクティブクランプ回路に電源電圧が供給されていないときは、アクティブクランプ回路が動作しないので、ESD(Electric Static Discharge)によりスイッチ素子などが破壊されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−32893号公報
【特許文献2】特開2008−35067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アクティブクランプ動作期間を短縮するとともにESD耐量を向上させたアクティブクランプ回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの実施形態によれば、アクティブクランプ回路は、第1のスイッチ素子と、第1のダイオードと、第1の抵抗と、第1および第2の制御回路を備えている。前記第1のダイオードは、前記第1のスイッチ素子の両端にかかる過電圧によりブレークダウンする。前記第1の抵抗は、前記第1のダイオードの電流を検出する。前記第1の制御回路は、前記第1の抵抗の両端の電圧を増幅して前記第1のスイッチ素子の電流を制御する。前記第2の制御回路は、前記第1の抵抗の両端の電圧に応じて前記第1のスイッチ素子の導通を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係るアクティブクランプ回路を含む駆動回路の構成を示す回路図。
【図2】実施例1に係るアクティブクランプ回路の動作を示すタイミングチャート。
【図3】実施例1に係る比較例のアクティブクランプ回路の動作を示すタイミングチャート。
【図4】実施例1に係るアクティブクランプ回路の別の動作を示すタイミングチャート。
【図5】実施例2に係るアクティブクランプ回路を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
本実施例に係るアクティブクランプ回路について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施例のアクティブクランプ回路を示す回路図、図2はアクティブクランプ回路の動作を示すタイミングチャート、図3は比較例のアクティブクランプ回路の動作を示すタイミングチャート、図4はアクティブクランプ回路の別の動作を示すタイミングチャートである。
【0012】
図1は、第1の実施形態に係るアクティブクランプ回路を含む駆動回路の構成を例示する回路図である。図1においては、アクティブクランプ回路1を駆動回路2に適用した場合の構成を例示している。
【0013】
図2(a)は制御信号In、図2(b)は駆動信号Drv2、図2(c)は駆動信号Drv1、図2(d)は第1のスイッチ素子の電流Id、図2(e)は第1のスイッチ素子の両端の電圧Outを示している。
【0014】
アクティブクランプ回路1は、制御信号Inのレベルにより第1のスイッチ素子M1をオンまたはオフに切り換える。また、第1のスイッチ素子M1の両端にかかる過電圧により第1のダイオードDz1がブレークダウンし、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは規定値のクランプ電圧にクランプされる。第1のダイオードDz1の電流Iz1は、第1の抵抗R1で検出される。第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1は、制御回路3(第1の制御回路)で増幅されて、第1のスイッチ素子M1の電流Idが制御される。
【0015】
更に、アクティブクランプ回路1は、電源電圧Vddが印加されていないときまたはGnd電位に接地されているときに、第1のスイッチ素子M1の両端にサージが印加された場合、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1に応じて制御回路5(第2の制御回路)であるダイオードDf11(第2のダイオード)を介して、第1のスイッチ素子M1をオンさせるように構成されている。
【0016】
第1のスイッチ素子M1は、Nチャンネル形MOSFET(以下、NMOS)で構成される。
【0017】
第1のスイッチ素子M1のゲートには、抵抗R4、及びインバータInv1、Inv2を介して制御信号Inが入力される。インバータInv1は制御信号Inを反転した駆動信号Drv2を出力する。インバータInv2は、駆動信号Drv2を反転した駆動信号Drv1を出力する。駆動信号Drv1は制御信号Inと同相である。駆動信号Drv1は、抵抗R4を介して第1のスイッチ素子M1のゲートに入力される。第1のスイッチ素子M1は、制御信号Inのレベルに応じてオンまたはオフに切りかわる。
【0018】
第1のスイッチ素子M1のドレインに第1のダイオードDz1のカソードが接続される。第1のダイオードDz1のアノードにダイオードDf1(第4のダイオード)のアノードが接続され、ダイオードDf1のカソードは第1の抵抗R1の一端に接続される。第1の抵抗R1の他端は、接地Gndに接続される。
【0019】
第1のダイオードDz1は、過電圧によりブレークダウンする。そのため、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧は、第1のダイオードDz1がブレークダウンする電圧にクランプされる。そのとき、第1のダイオードDz1には、電流Iz1が流れる。
【0020】
第1のダイオードDz1がブレークダウンする電圧をVz1、ダイオードDf1の順方向電圧をVf1、第1の抵抗R1の両端の電圧をVr1とすると、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outがクランプされる電圧Vclampは、Vz1+Vf1+Vr1となる。
【0021】
第1のダイオードDz1は、例えばツェナーダイオードにより構成される。図1においては、第1のダイオードDz1として、1つのツェナーダイオードによる構成を例示している。しかし、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outをクランプする電圧に応じて、任意数のツェナーダイオードを直列に接続して構成することもできる。
【0022】
また、ダイオードDf1は、第1のダイオードDz1の温度補償および第1のスイッチ素子M1がオンした時の逆流防止のために用いられる。
【0023】
第1の抵抗R1は、第1のダイオードDz1がブレークダウンしたときに流れる電流Iz1を検出する。すなわち、第1のダイオードDz1がブレークダウンしたとき、第1の抵抗R1には電流Iz1が流れ、第1の抵抗R1の両端に電圧Vr1が出力される。
【0024】
制御回路3は、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1を増幅して電流を出力する増幅回路N2と、増幅回路N2の出力電流を入力して第1のスイッチ素子M1の電流Idを制御するカレントミラー4とを有する。
【0025】
増幅回路N2は、npnトランジスタで構成される。増幅回路N2のベースには、抵抗R3を介して第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1が入力される。抵抗R3は、増幅回路N2のベースに入力される電圧を遅延させて、タイミングを調整するために挿入されている。
【0026】
また、第1の抵抗R1の両端の間には、増幅回路N2のベース・エミッタ間を保護するためにダイオードDf2、Df3(第3のダイオード)が接続されている。ダイオードDf2、Df3により第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1は、Vf2+Vf3以下に抑制される。ここで、Vf2、Vf3は、それぞれダイオードDf2、Df3の順方向電圧である。ただし、増幅回路N2のベース・エミッタ間電圧をVbeN2、抵抗R3の両端の電圧をVr3とすると、Vf2+Vf3>Vr3+VbeN2を満たす必要がある。
【0027】
増幅回路N2のコレクタは、カレントミラー4の基準側に接続される。カレントミラー4の出力側は、第1のスイッチ素子M1のゲートに接続される。増幅回路N2の出力電流は、カレントミラー4により折り返され、第1のスイッチ素子M1を制御する。
【0028】
カレントミラー4は、抵抗R5〜R7、トランジスタP1〜P3で構成されている。トランジスタP1〜P3は、pnpトランジスタである。トランジスタP1のエミッタには、抵抗R5を介して電源電圧Vddが供給される。トランジスタP2のエミッタには、抵抗R6を介して電源電圧Vddが供給される。トランジスタP1、P2のそれぞれのベースには、抵抗R7を介して電源電圧Vddが供給される。
【0029】
また、トランジスタP3のコレクタは、トランジスタP1、P2のベースに接続される。トランジスタP3のベースはトランジスタP1のコレクタに接続され、トランジスタP3のコレクタは接地Gndに接続される。
【0030】
トランジスタP1のコレクタ及びトランジスタP3のベースは、カレントミラー4の基準側として、増幅回路N2のコレクタに接続される。トランジスタP2のコレクタは、出力側として第1のスイッチ素子M1のゲートに接続される。
【0031】
さらに、第1のスイッチ素子M1のゲートと接地との間に第2のスイッチ素子M2が接続される。第2のスイッチ素子M2のゲートは、インバータInv1の出力に接続される。第2のスイッチ素子M2のゲートには、制御信号Inを反転した駆動信号Drv2が入力される。
【0032】
また、第2のスイッチ素子M2のゲートと接地Gndとの間には、トランジスタN1が接続される。トランジスタN1はnpnトランジスタである。トランジスタN1のコレクタは、第2のスイッチ素子M2のゲートに接続される。トランジスタN1のエミッタは、接地Gndに接続される。トランジスタN1のベースには、抵抗R2を介して第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1が入力される。
【0033】
抵抗R2は、トランジスタN1のベースに入力される電圧を遅延させて、タイミングを調整するために挿入されている。
【0034】
ダイオードDf2、Df3は、トランジスタN1も保護している。トランジスタN1のベース・エミッタ間電圧をVbeN1、抵抗R2の両端の電圧をVr2とすると、Vf2+Vf3>Vr2+VbeN1を満たす必要がある。
【0035】
駆動回路2は、誘導性負荷Lを上記のアクティブクランプ回路1により駆動する回路である。誘導性負荷Lの一端には、電圧Vbatが供給され、他端はアクティブクランプ回路1を介して接地Gndに接続される。
【0036】
アクティブクランプ回路1の制御信号Inのレベルに応じて、第1のスイッチ素子M1がオンまたはオフに切り替わり、誘導性負荷Lを流れる電流が制御される。この誘導性負荷Lを流れる電流は、アクティブクランプ回路1の第1のスイッチ素子M1の電流Idと、第1のダイオードDz1の電流Iz1と、の合成電流である。
【0037】
図2は、図1に表したアクティブクランプ回路の主要な信号の波形図であり、(a)は制御信号In、(b)は駆動信号Drv2、(c)は駆動信号Drv1、(d)は第1のスイッチ素子の電流Id、(e)は第1のスイッチ素子の両端の電圧Outである。
【0038】
図2においては、アクティブクランプ回路1の制御信号Inとして、ハイレベルとローレベルとに変化する矩形波が入力されたときの主要な信号の波形図を模式的に表している。
【0039】
次に、図1、図2(a)〜図2(e)を参照しつつ、アクティブクランプ回路1の動作について説明する。
【0040】
図2(a)、図2(c)に表したように、制御信号Inがハイレベルのとき、第1のスイッチ素子M1のゲートに入力される駆動信号Drv1は、ハイレベルである。また、第2のスイッチ素子M2のゲートに入力される駆動信号Drv2は、ローレベルである(図2(b))。第2のスイッチ素子M2はオフの状態になる。また、第1のスイッチ素子M1は、オンの状態になり、第1のスイッチ素子M1には電流Idが流れる(図2(d))。また、誘導性負荷Lには、電圧Vbatが供給され、電流が流れる。誘導性負荷Lは駆動される。第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは、ほぼ0Vになる(図2(e))。
【0041】
制御信号Inがハイレベルからローレベルに切り替わると(図2(a))、駆動信号Drv1はローレベルになる(図2(c))。駆動信号Drv2はハイレベルになり(図2(b))、第2のスイッチ素子M2はオンの状態になる。また、第1のスイッチ素子M1は、オフの状態になり、誘導性負荷Lには、誘起電圧が発生する。
【0042】
第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outが、規定値を超えたとき、第1のダイオードDz1がブレークダウンする。第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは、第1のダイオードDz1のブレークダウンにより、次式に示すクランプ電圧Vclampにクランプされる(図2(e))。
【0043】
Vclamp=Vz1+Vf1+Vr1 (1)
第1のダイオードDz1の電流Iz1は第1の抵抗R1により検出され、第1の抵抗R1の両端に電流Iz1に応じた電圧を発生する。
【0044】
第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1は、増幅回路N2で増幅され、その出力電流は、カレントミラー4で折り返されて、第1のスイッチ素子M1のゲートに入力される。第1のスイッチ素子M1の電流Idは、第1の抵抗R1の両端の電圧を増幅する制御回路3により制御される。
【0045】
第1のスイッチ素子M1がオンからオフに切り替わったとき、誘導性負荷Lによる誘起電圧のため、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは上昇する。誘導性負荷Lによる誘起電圧は、誘導性負荷Lの電流の時間に対する変化率と、誘導性負荷Lのインダクタンスとの積に比例する。
【0046】
第1のスイッチ素子M1がオンからオフに切り替わった直後、誘導性負荷Lの電流が急変するため、誘導性負荷Lにより高い誘起電圧が発生する。そのため、第1のダイオードDz1がブレークダウンした直後の電流Iz1は大きく、第1の抵抗R1の両端の電圧も高くなる。
【0047】
また、誘導性負荷Lの電流は、誘導性負荷Lに蓄積されたエネルギーにより流れる。そのため、誘導性負荷Lの電流は、第1のスイッチ素子M1がオンからオフに切り替わってからの時間経過とともに、減少する(図2(d))。
【0048】
制御回路3においては、第1の抵抗R1の両端の間にダイオードDf2、Df3が接続されている。そのため、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1は、ダイオードDf2、Df3の順方向電圧Vf2+Vf3に抑制される。制御回路3は、この抑制された電圧を増幅して第1のスイッチ素子M1を制御するため、第1のダイオードDz1がブレークダウンした直後に流れる第1のスイッチ素子M1の電流Idも抑制される。
【0049】
また、制御回路3は、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1を増幅して第1のスイッチ素子M1を制御している。そのため、第1のダイオードDz1の電流Iz1が減少しても、第1のスイッチ素子M1の電流Idを制御することができる。
【0050】
このように、制御回路3においては、誘導性負荷Lの、第1のスイッチ素子M1がオンからオフに切り替わった直後の誘導性負荷Lの電流の急変を抑制し、さらに、誘導性負荷Lの電流の減少率を抑制する。
【0051】
従って、第1のスイッチ素子M1がオンからオフに切り替わった直後の誘導性負荷Lの誘起電圧の急上昇を抑制し、さらに、時間の経過とともに減少する誘起電圧の減少率を抑制することができる(図2(e))。
【0052】
誘導性負荷Lに蓄積されたエネルギーが消費されると、第1のスイッチ素子M1の電流Idは0になる(図2(d))。誘起電圧も0になり、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは、誘導性負荷Lに供給された電圧Vbatになる(図2(e))。
【0053】
このように、アクティブクランプ回路1においては、制御回路3により、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1を増幅して、第1のスイッチ素子M1の電流Idを制御しているため、クランプ電圧Vclampの減少を抑制して一定値にすることができる。
【0054】
そのため、第1のスイッチ素子M1に電流Idが流れている、アクティブクランプ動作期間を減少することができる。
【0055】
アクティブクランプ回路1の制御回路3の作用については、制御回路3が無い場合の動作を考えることにより、さらに詳細に理解することができる。
【0056】
図3は、制御回路が無い場合のアクティブクランプ回路の主要な信号の波形図であり、(a)は制御信号In、(b)は第1のスイッチ素子の電流Id、(c)は第1のスイッチ素子の両端の電圧Outである。
【0057】
図3(a)〜図3(c)においては、図1に表したアクティブクランプ回路1の制御回路3を取り去り、第1のスイッチ素子M1を第1の抵抗R1の両端の電圧により制御した場合の波形を模式的に表している。
【0058】
図3(a)〜図3(c)に表したように、制御信号Inがハイレベルのときの第1のスイッチ素子の電流Id、第1のスイッチ素子の両端の電圧Outは、それぞれ図2(d)、図2(e)と同様である。
【0059】
制御信号Inがハイレベルからローレベルに切り替わると、第1のダイオードDz1がブレークダウンする。第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは、クランプ電圧(initial)にクランプされる(図3(c))。
【0060】
制御回路3が無い場合、第1のダイオードDz1がブレークダウンした直後のクランプ電圧(initial)は、第1のダイオードDz1の電流Iz1が大きいため高い。
【0061】
誘導性負荷Lに蓄積されたエネルギーの消費にともない、誘導性負荷Lの電流は減少し、第1のスイッチ素子M1の電流Idが減少する(図3(b))。第1のダイオードDz1の電流Iz1も減少し、クランプ電圧も減少していく(図3c))。
【0062】
第1のスイッチ素子M1の電流Idが0になってアクティブクランプ動作が終了すると(図3(b))、第1の両端の電圧Outのクランプが解除され、第1の両端の電圧Outは誘導性負荷Lに供給された電圧Vbatになる(図3(c))。
【0063】
アクティブクランプ動作が終了する直前のクランプ電圧(final)は、アクティブクランプ動作の開始時のクランプ電圧(initial)と比較して低電圧になっている。
【0064】
アクティブクランプ動作期間は、誘導性負荷Lに蓄積されたエネルギーを消費する期間であり、誘導性負荷Lの電流、クランプ電圧で決まる。アクティブクランプ動作期間を短くするためには、誘導性負荷Lの電流を大きくし、クランプ電圧を高くする必要がある。
【0065】
上記のとおり、アクティブクランプ動作の開始時のクランプ電圧(initial)は高くなる。また、第1のダイオードDz1の電流Iz1は大きくなるため、第1のダイオードDz1の特性、例えば電圧に対する電流特性などのばらつきによるクランプ電圧の変動も大きくなる。
【0066】
そのため、制御回路3が無い場合に、アクティブクランプ動作の開始時のクランプ電圧(initial)を耐圧などで制限された値に設定すると、アクティブクランプ動作の終了直前のクランプ電圧(final)は低い値になってしまう。
【0067】
このように、制御回路3が無い場合、アクティブクランプ動作期間は、クランプ電圧(initial)で制限され、短くすることができない。
【0068】
これに対して、第1の実施形態に係るアクティブクランプ回路1においては、制御回路3により、クランプ電圧Vclampの低下を抑制して、一定にできる。また、第1のダイオードDz1の電流Iz1を小さくできるため、第1のダイオードDz1の特性のばらつきによるクランプ電圧の変動を小さくできる。
【0069】
従って、アクティブクランプ回路1によれば、アクティブクランプ動作期間を短縮することができる。
【0070】
次に、アクティブクランプ回路1に電源電圧Vddが供給されていないときまたはGnd電位に接地されているときの動作について説明する。
【0071】
アクティブクランプ回路1に電源電圧Vddが供給されていないときとは、半導体基板にモノリシックに形成されたアクティブクランプ回路1がオンウェーハ状態のとき、アクティブクランプ回路1が形成された半導体チップをパッケージに組み込み中のとき、パッケージに組み立てられたアクティブクランプ回路1を回路基板に実装中のときなどがある。
【0072】
アクティブクランプ回路1は、電源電圧Vddが供給されていないとき、即ち電源電圧端子がオープンのときは、インバータInv1から抵抗R2、R3までの回路が第1のスイッチ素子M1からダイオードDf2、Df3までの回路と電気的に切り離された状態になり、動作しない。
【0073】
このとき、第1のスイッチ素子M1の両端にサージが印加された場合、第1のダイオードDz1がブレークダウンして電流Iz1が流れて第1の抵抗R1の両端に電圧Vr1が発生する。
【0074】
電圧Vr1はVf2+Vf3でクランプされるが、サージを逃がす経路がない場合、第1のスイッチ素子M1のドレイン電圧はさらに上昇する。それにより、ドレイン・ソース間耐圧を越えて第1のスイッチ素子M1が破壊される現象が生じる。
【0075】
図4は電源電圧Vddが供給されていないときのアクティブクランプ回路1の動作を示すタイミングチャートである。図4(a)は第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Out、図4(b)は第1のスイッチ素子M1のゲート電圧Vg1を示している。
【0076】
図4に示すように、時間t1でサージが第1のスイッチ素子M1の両端に印加されたとする。第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outはサージ電圧に従って上昇する。
【0077】
時間t2で第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outが第1のダイオードDz1のブレークダウン電圧Vz1とダイオードDf1の順方向電圧Vf1の和(Vz1+Vf1)になると、第1のダイオードDz1がブレークダウンし、電流Iz1が流れる。電流Iz1は第1の抵抗R1に流れ、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1を発生させる。
【0078】
第1のダイオードDz1のブレークダウンにより、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧OutはVz1+Vf1+Vr1になる。
【0079】
電流Iz1はサージ電圧に従って増加するので、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1は電流Iz1に応じて増加する。第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1がダイオードDf11の順方向電圧Vf11より大きくなると、ダイオードDf11が導通し、ダイオードDf11を流れる電流Iz2により第1のスイッチ素子M1のゲート容量が充電され、第1のスイッチ素子M1のゲート電圧Vg1が上昇する。
【0080】
時間t3で第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1がダイオードDf11の順方向電圧Vf11と第1のスイッチ素子M1のしきい値Vth1の和(Vf11+Vth1)より大きくなると、第1のスイッチ素子M1がオンになり、サージを接地Gndに逃がすことが可能である。このとき、Vclamp=Vz1+Vf1+Vr1、且つ、Vr1≧Vf11+Vth1である。
【0081】
従って、サージにより、制御回路3が損傷を受けるのを未然に防止することができる。第1のスイッチ素子Mの両端の電圧Outが第1のスイッチ素子M1のドレイン・ソース間耐圧Vdsmaxを越えることで、第1のスイッチ素子M1が破壊される現象を未然に防止することができる。
【0082】
第1の抵抗R1にはダイオードDf2、Df3の直列回路が並列接続されているので、Vf2+Vf3>Vr1>Vth1+Vf11の関係を満たす必要がある。
【0083】
サージを接地Gndに逃がした後は、第1のスイッチ素子M1が速やかにオフすることが望ましい。
【0084】
第1のスイッチ素子M1のゲートと接地Gndの間に接続された抵抗R8は、第1のスイッチ素子M1をオフするため、または電源電圧Vddが供給されていないときに第1のスイッチ素子M1のゲート電圧を安定させるためのプルダウン抵抗である。
【0085】
抵抗R8により、第1のスイッチ素子M1のゲート容量に充電されている電荷が速やかに放電されるので、第1のスイッチ素子M1のゲート電位が低下し第1のスイッチ素子M1を速やかにオフすることが可能である。
【0086】
なお、アクティブクランプ回路1に電源電圧Vddが供給されているときは、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1がダイオードDf11の順方向電圧Vf11と第1のスイッチ素子M1のしきい値Vth1より大きくなることはなく、ダイオードDf11は動作しない。第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1を増幅回路N2で増幅して、第1のスイッチ素子M1の電流Idを制御しているためである。
【0087】
抵抗R8は制御回路3の動作に影響を及ぼすことはなく、特にアクティブクランプ回路1の通常動作に支障をきたす恐れはない。
【0088】
以上説明したように、本実施例のアクティブクランプ回路1は、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1を増幅して第1のスイッチ素子M1の電流Idを制御する制御回路3を有している。
【0089】
更に、電源電圧Vddが印加されていないときまたはGnd電位に接地されているときに第1のスイッチ素子M1の両端にサージが印加された場合、第1の抵抗R1の両端の電圧Vr1に応じて第1のスイッチ素子M1をオンさせるダイオードDf11を有している。
【0090】
その結果、クランプ電圧Vclampの減少を抑制して一定値に保つことができる。電電電圧Vddが供給されていないとき、第1のスイッチ素子M1の両端に印加されたサージを接地Gndに逃がすことができる。
【0091】
従って、アクティブクランプ動作期間を短縮するとともにESD耐量を向上させたアクティブクランプ回路が得られる。
【0092】
ここでは、カレントミラー4がバイポーラトランジスタと抵抗で構成されているばあいについて説明したが、一対のPチャネルMOSトランジスタで構成しても構わない。更に、増幅回路N2のトランジスタ、トランジスタN1をNチャネルMOSトランジスタに置き換えても構わない。ダイオードDf2、Df3をツェナーダイオードに置き換えても構わない。同様にアクティブクランプ動作期間を短縮することが可能である。
【0093】
第2のスイッチ素子M2のドレインに直列的に抵抗を挿入しても構わない。抵抗は第2のスイッチ素子M2のターンオンを遅延させる。第1のスイッチ素子M1のターンオフが遅延し、第1のスイッチ素子M1の電流Idの変化が緩和される。
【0094】
そして、誘導性負荷Lの電流の変化も緩和され、誘起電圧の急変が緩和される。また、誘起電圧の立上がり時に生じる可能性のあるリンギング、及びリンギングによる誘起電圧のピークが低減される。
【0095】
従って、耐圧などで制限されるクランプ電圧の設定を高くすることができる。第1のスイッチ素子M1に電流Idが流れているアクティブクランプ動作期間をさらに減少することができる。
【実施例2】
【0096】
本実施例に係るアクティブクランプ回路について図5を用いて説明する。図5はアクティブクランプ回路を示す回路図である。
【0097】
本実施例において、上記実施例1と同一の構成部分には同一符号を付してその部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。本実施例が実施例1と異なる点は、複数のアクティブクランプ電圧を有することにある。
【0098】
即ち、図5に示すように、アクティブクランプ回路10は、第1のダイオードDz1とダイオードDf1の間にダイオードDz2が接続されている。ダイオードDz2は、第1のダイオードDz1に対しては順方向に接続され、ダイオードDf1に対しては逆方向に接続されている。ダイオードDz2は、第1のダイオードDz1と同じくツェナーダイオードである。
【0099】
第1のダイオードDz1とダイオードDz2の接続ノードと接地Gndとの間に、ダイオードDf13(第5のダイオード)、抵抗R14、抵抗R13が直列に接続されている。
【0100】
ダイオードDf1とダイオードDf11の接続ノードと接地Gndとの間に、ダイオードDf12(第5のダイオード)、抵抗R12、抵抗R11が直列に接続されている。
【0101】
抵抗R3は抵抗R11と抵抗R12の接続ノードに接続されている。抵抗R2は抵抗R13と抵抗R14の接続ノードに接続されている。
【0102】
ダイオードDf13は第1のダイオードDz1の温度補償のために用いられている。ダイオードDf12はダイオードDf1とともに第1のダイオードDz1、Dz2の温度補償および第1のスイッチ素子M1がオンした時の逆流防止のために用いられている
なお、制御回路30は、図1に示す制御回路3からダイオードDf2、Df3を除いたものであり、その他の構成は制御回路3と同様である。
【0103】
第1のスイッチ素子M1の電圧Outが規定値を超えたとき、第1のダイオードDz1およびダイオードDz2がブレークダウンする。第1のダイオードDz1の電流Iz1は、ダイオードDz2、Df1、Df12、抵抗R12、R11を通る第1電流路を流れる電流Iz1aと、ダイオードDf13、抵抗R14、R13を通る第2電流路を流れる電流Iz1bに分流される。
【0104】
電流Iz1aは抵抗R11により検出され、抵抗R11の両端に電流Iz1aに応じた電圧を発生する。電流Iz1bは抵抗R13により検出され、抵抗R13の両端に電流Iz1bに応じた電圧を発生する。
【0105】
第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outは、第1のダイオードDz1およびダイオードDz2のブレークダウンにより、第1のスイッチ素子M1をオンさせるための第1電流路のアクティブクランプ電圧Vclamp2、第2電流路のアクティブクランプ電圧Vclamp3はそれぞれ次式で表わされる。
【0106】
Vclamp2=2Vz+2Vf+Iz1a(R11+R12) (2)
Vclamp3=Vz+Vf+Iz1b(R13+R14) (3)
ここで、第1のダイオードDz1、Dz2のブレークダウン電圧は等しくVzであり、ダイオードDf1、Df12、Df13の順方向電圧は等しくVfであるとしている。
【0107】
抵抗R11の両端に発生する電圧は、増幅回路N2で増幅され、その出力電流はカレントミラー4で折り返されて、第1のスイッチ素子M1のゲートに入力される。増幅回路N2のトランジスタがオンするのに必要な電流は、Iz1a=Vbe/R11で表わされる。
【0108】
抵抗R13の両端に発生する電圧は、トランジスタN1をオンさせ、第2のスイッチ素子M2をオフさせる。トランジスタN1がオンするのに必要な電流は、Iz1b=Vbe/R13で表わされる。
【0109】
アクティブクランプ電圧Vclamp2は次式で表わされる。
Vclamp2=2Vz+2Vf+Vbe(R11+R12)/R11 (4)
【0110】
アクティブクランプ電圧Vclamp3は次式で表わされる。
Vclamp3=Vz+Vf+Vbe(R13+R14)/R13 (5)
【0111】
アクティブクランプ回路10の電流Iz1の電流路を第1および第2電流路に分けることにより、第1スイッチ素子M1をオンさせる電圧Vclamp2と、第2スイッチ素子M2をオフさせる電圧Vclamp3を個別に設定することができる。
【0112】
図1に示すアクティブクランプ回路1では、抵抗R2、R3により第1スイッチ素子M1をオンさせる電圧と、第2スイッチ素子M2をオフさせる電圧を変えることができるが、ダイオードDf2、Df3の抑制電圧で制限される。
【0113】
具体的には、抵抗R2の両端の電圧をVr2、抵抗R3の両端の電圧をVr3とすると、Vf2+Vf3>Vr2+VbeN1かつVf2+Vf3>Vr3+VbeN2を満たす必要がある。第1スイッチ素子M1をオンさせる電圧と第2スイッチ素子M2をオフさせる電圧間に、Vf2+Vf3以上の差をつけることができない。
【0114】
一方、アクティブクランプ回路10では、Vclamp2とVclamp3間に、Vf2+Vf3以上の差をつけることができるので、アクティブクランプ回路10をVclamp2よりも低い電圧から動作させることができる。
【0115】
それにより、第2スイッチ素子M2がオフしてプルダウン抵抗R8に切り替えることでVclamp3からVclamp2に至るまでの電圧が緩やかになり、さらに電圧Outでの急峻なピーク電圧の発生を抑えることができる。
【0116】
次に、アクティブクランプ回路10に電源電圧Vddが供給されていないときまたは接地Gndに接地されているときの動作については、図1に示すアクティブクランプ回路1と基本的に同様であるが、以下に簡単に説明する。
【0117】
第1のスイッチ素子M1の両端にサージが印加されると、第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outはサージ電圧に従って上昇する。第1のスイッチ素子M1の両端の電圧Outの上昇により、第1のダイオードDz1およびダイオードDz2がブレークダウンし、電流Iz1が流れる。第1電流路を流れる電流Iz1aにより、抵抗R11、R12の両端に電圧Iz1a(R11+R12)が発生する。
【0118】
電流Iz1はサージ電圧に従って増加するので、抵抗R11、R12の両端の電圧は電流Iz1に応じて増加する。抵抗R11、R12の両端の電圧とダイオードDf12の順方向電圧Vf12の和がダイオードDf11の順方向電圧Vf11より大きくなると、ダイオードDf11が導通し、ダイオードDf11を流れる電流Iz2により第1のスイッチ素子M1のゲート容量が充電され、第1のスイッチ素子M1のゲート電圧Vg1が上昇する。
【0119】
抵抗R11、R12の両端の電圧とダイオードDf12の順方向電圧Vf12の和がダイオードDf11の順方向電圧Vf11と第1のスイッチ素子M1のしきい値Vth1の和より大きくなると、第1のスイッチ素子M1がオンになり、サージを接地Gndに逃がすことが可能である。
【0120】
このときの電圧Outは式2に示す電圧でクランプされ、且つ、Iz1a×(R11+R12)≧Vth1である。
【0121】
以上説明したように、本実施例のアクティブクランプ回路10は、第1および第2電流路を有し、第1スイッチ素子M1をオンさせるアクティブクランプ電圧Vclamp2と、第2スイッチ素子M2をオフさせるVclamp3を個別に発生させている。
【0122】
これにより、第1スイッチ素子M1をオンさせるタイミングと第2スイッチ素子M2をオフさせるタイミングの調整幅が広がるので、更にアクティブクランプ動作期間を短縮することができるとともに電圧Outに急峻なピーク電圧が発生するのを抑えることができる利点がある。
【0123】
ここでは、第1のダイオードDz1とダイオードDf1の間にダイオードDz2が接続されている場合について説明したが、ダイオードDz2はなくても、本実施例の効果を得ることは可能である。その場合は、ダイオードDf13のアノードを第1のダイオードDz1とダイオードDf12の接続ノードに接続する。
【0124】
なお、アクティブクランプ回路1、10を駆動回路2に適用した場合を例に説明したが、アクティブクランプ回路1、10は、駆動回路2以外の構成でも誘導性負荷を駆動することができる。例えば、ハイサイドスイッチと、ローサイドスイッチとで構成されるスイッチング回路のローサイドスイッチとして、アクティブクランプ回路1、10を用いることができる。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0126】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 前記第1の制御回路は、前記第1の抵抗の両端の電圧の上昇を抑制する第3のダイオードをさらに備えた請求項1に記載のアクティブクランプ回路。
【0127】
(付記2) 前記第1のダイオードに、前記第1のダイオードの温度特性を補償する第4のダイオードが直列に接続されている請求項1に記載のアクティブクランプ回路。
【0128】
(付記3) 前記第1の電流を検出する抵抗および前記第2の電流を検出する抵抗に、前記第1のダイオードの温度特性を補償する第5のダイオードが直列に接続されている請求項3に記載のアクティブクランプ回路。
【0129】
(付記4) 前記第1のスイッチ素子の制御端子と接地端子の間に接続された抵抗を有する請求項1に記載のアクティブクランプ回路。
【符号の説明】
【0130】
1、10 アクティブクランプ回路
2 駆動回路
3、5、30 制御回路
4 カレントミラー
Dz1 第1のダイオード
Dz2、Df1、Df2、Df3、Df11、Df12、Df13 ダイオード
Inv1、Inv2 インバータ
L 誘導性負荷
M1 第1のスイッチ素子
M2 第2のスイッチ素子
N1、P1〜P3 トランジスタ
N2 増幅回路
R1 第1の抵抗
R2〜R8、R11〜R14 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスイッチ素子と、
前記第1のスイッチ素子の両端にかかる過電圧によりブレークダウンする第1のダイオードと、
前記第1のダイオードの電流を検出する第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の両端の電圧を増幅して前記第1のスイッチ素子の電流を制御する第1の制御回路と、
前記第1の抵抗の両端の電圧に応じて前記第1のスイッチ素子の導通を制御する第2の制御回路と、
を備えたことを特徴とするアクティブクランプ回路。
【請求項2】
前記第1の制御回路は、
前記第1の抵抗の両端の電圧を増幅して電流を出力する増幅回路と、
前記増幅回路の出力電流を入力して前記第1のスイッチ素子の電流を制御するカレントミラー回路と、
前記第1の抵抗の両端の電圧で制御され、前記第1のスイッチ素子の電流を制御する第2のスイッチ素子と、
を有することを特徴とする請求項1記載のアクティブクランプ回路。
【請求項3】
前記第1のダイオードの電流を第1の電流および第2の電流に分流し、
前記増幅回路は、前記第1の電流を検出する抵抗の両端の電圧を増幅しで電流を出力し、
前記第2のスイッチ素子は、前記第2の電流を検出する抵抗の両端の電圧で制御される
ことを特徴とする請求項2に記載のアクティブクランプ回路。
【請求項4】
前記第2の制御回路は、前記第1のダイオードと前記第1のスイッチ素子の制御端子の間に接続され、前記第1の抵抗の両端の電圧に応じて導通する第2のダイオードを有することを特徴とする請求項1に記載のアクティブクランプ回路。
【請求項5】
前記第1の制御回路が非動作のときに、前記第2のダイオードに印加される電圧が前記第2のダイオードの順方向電圧と前記第1のスイッチ素子のしきい値の和より大きくなると前記第1のスイッチ素子が導通することを特徴とする請求項4に記載のアクティブクランプ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−26838(P2013−26838A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159974(P2011−159974)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(391016358)東芝情報システム株式会社 (149)
【Fターム(参考)】