説明

アンドロゲン受容体モジュレーター

アンドロゲン受容体の活性を妨害することによって引き起こされる疾患の治療。アンドロゲン受容体の活性を妨害することによって引き起こされる疾患の治療のための式(I)(明細書中に定義する)の化合物の使用が提供される:式(I)。単離された式(I)の化合物も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンドロゲン受容体リガンドである新規化合物、かかる化合物の調製方法、及びアンドロゲンホルモン置換療法のため、並びに良性前立腺過形成、前立腺癌、脱毛症、多毛、骨量減少、骨折、骨粗鬆症、悪液質、及び筋萎縮等のアンドロゲン受容体により調節される疾患のための、アンドロゲン受容体リガンドである新規化合物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンドロゲン受容体(AR)は、リガンド活性化転写因子のステロイドホルモン核受容体ファミリーの一員である。この群は、エストロゲン、プロゲステロン、鉱質コルチコイド、及びグルココルチコイド受容体を含み、これらは全て内因性ステロイドホルモンにより活性化され、応答性遺伝子の発現を制御する。このホルモン受容体は、可変アミノ末端ドメイン(NTD)、高度に保存されたDNA結合ドメイン(DBD)、及びカルボキシ末端リガンド結合ドメイン(LBD)からなるモジュール構造を共有する。DNA結合ドメインは、標的遺伝子のプロモーター領域の有する異なるDNA応答エレメントを識別する能力によって、転写特異性の大部分を生じる。LBDは、コアクチベーターのリクルート及び細胞転写機構に必要な、ホルモン結合ポケット及び重要な転写活性化機能領域(AF2)の両方を含有し、リガンド依存性転写活性に必要である。
【0003】
核受容体の活性の制御の大部分は、ホルモンリガンドがLBDに結合することによる。ホルモン結合キャビティの内側に並ぶアミノ酸は、この受容体のホルモンに対する選択性を決定する。これにより、ARは適切なリガンドと適切でないリガンドを区別する。
【0004】
核受容体の環境によって、別のレベルの転写制御が伝えられる。異なる細胞タイプには異なるエフェクタータンパク質(コアクチベーター及びコリプレッサー)が存在し、異なるパターンの遺伝子発現を導くことが可能であることが広く認められている。この受容体の立体構造は、特定の細胞タイプでリクルートされるコアクチベーターを決定することから、このことは転写選択性も付与することになる。組織選択的な受容体モジュレーターを生じさせるのは、まさにこのタイプの制御である。例えばタモキシフェンは、乳房及び子宮組織内で異なる特性を有する、原型的なエストロゲン受容体選択的モジュレーターである。ホルモン結合キャビティ内の合成リガンドにより誘導される立体構造の変化を利用することは、エストロゲン受容体に対する組織選択的受容体を複数生成をもたらし、さらに、アンドロゲン受容体のような他の核受容体モジュレーターの開発に応用することを可能とする。
【0005】
ホルモン置換療法における天然及び合成アンドロゲンの使用により、骨粗鬆症及び筋萎縮のリスクが大幅に減少することが示されている。更に、ホルモン置換療法は、心臓血管のためにもなるという証拠もある。しかしながら、ホルモン置換療法は前立腺癌のリスクを増加させることにも関与する。あるタイプの合成ARリガンドは、ある組織でアゴニスト活性を示し且つ別の組織でアンタゴニスト活性を示す、アゴニスト/アンタゴニスト混在の活性プロフィールを示すことが知られている。このようなリガンドは、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARMS)と称される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当該技術分野で必要とされるのは、副次的な悪影響がなく、アンドロゲン置換療法と同じ好応答をもたらすことができる化合物である。また、体の異なる組織において選択的に
影響を発揮するアンドロゲン様化合物も必要とされる。
【0007】
アミノ酸及びホルモン結合キャビティと定義される「空間」を、受容体選択性の高いモジュレーターを合成するのに利用することが可能である。リガンド結合キャビティ内における内因性ホルモンとアミノ酸残基との間のこれらの相互作用により、受容体構造全体に伝えられる立体構造の変化がもたらされる。これらの立体構造の変化により、リガンドの非存在下で受容体を安定化するシャペロンタンパク質が解離し、さらにコアクチベータータンパク質が会合する。シャペロンタンパク質を欠く、リガンドと結合した受容体は、二量体化、移動、コアクチベーターのリクルート、及び転写を開始させることが可能となる。
【0008】
アンドロゲン受容体に対する天然リガンドであるアンドロゲンは、男女両方の性腺や副腎及び標的組織で局所的に産生される。性腺によって分泌されるアンドロゲンのレベルは、視床下部及び下垂体を含むフィードバックメカニズムにより緻密に制御されている。
【0009】
男性では、アンドロゲンは男性化及び生殖能にとって必要である。しかしながら、全身のアンドロゲンが過剰であると、精巣萎縮や不妊症が引き起こされる。アンドロゲンは、脂質異常、心疾患及び精神障害の原因にもなり得る。局所的にアンドロゲンが過剰であることは、男性型禿頭症(脱毛症)、良性前立腺過形成(BPH)並びに座瘡の病因に関わる。女性におけるアンドロゲンの生理学的役割はよく理解されていないが、これらのステロイドは正常な体毛や性欲の発達において役割を果たす。女性では、相対的にアンドロゲンが過剰であると、多毛(体毛成長過剰)、無月経(異常な月経喪失又は抑止)、座瘡及び男性型禿頭症が引き起こされる。
【0010】
前立腺癌の進行のリスクは、年齢と共に急激に増加する。前立腺癌診断の75%以上は65歳以上の男性においてであり、臨床的に検出不可能な80歳以上の男性における前立腺癌の罹患率は80%にもなる。前立腺癌の正確な原因は依然として不明であるが、アンドロゲンが重症度及び疾患の進行度を増加させ得ることは広く認められている。
【0011】
疾患の進行した段階に、去勢が有益な効果を有することが示された1941年以来、アンドロゲン枯渇療法は前立腺癌療法の基礎となっている。ホルモン治療は現在、視床下部−下垂体−性腺フィードバック機構を崩壊させて睾丸由来の内因性アンドロゲンのレベルを制御することに基づいている。抗アンドロゲン物質を後期療法に組み入れ、アンドロゲン受容体そのもののレベルで作用させ、副腎から残存するアンドロゲンを遮断する。これらの治療法にも関わらず、アンドロゲン受容体の活性阻害に関連する疾患の治療法の改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[発明の概要]
本発明は、治療用薬剤の調製のための式Iによる化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供し、式Iは、
【0013】
【化1】

【0014】
として定義され、
式中;
1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C1〜C10置換アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、C1〜C10アルコキシ、C1〜C10アルケノキシ、C1〜C10アルキノキシ、C1〜C10アルキルチオ、C1〜C10アルケニルチオ、C1〜C10アルキニルチオ、C6〜C10アリールチオ、C1〜C10アルキルスルホン、C1〜C10アルケニルスルホン、C1〜C10アルキニルスルホン、C6〜C10アリールスルホン、C1〜C10アルキルスルホキサイド、C1〜C10アルケニルスルホキサイド、C1〜C10アルキニルスルホキサイド、C6〜C10アリールスルホキサイド、C1〜C10アルキルアリールチオ、C1〜C10アルキルアリールスルホン、C1〜C10アルキルアリールスルホキサイド、C6〜C10アリール、又はC5〜C20ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に0、1、2又は3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;又はR1及びR2は一体となってC3〜C10シクロアルキル基を形成してもよく;
3及びR4は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C7シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルケノキシ、C1〜C4アルキノキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルケニルチオ、C1〜C4アルキニルチオ、C1〜C10アルキルスルホン、C1〜C10アルケニルスルホン、C1〜C10アルキニルスルホン、C6〜C10アリールスルホン、C1〜C10アルキルスルホキサイド、C1〜C10アルケニルスルホキサイド、C1〜C10アルキニルスルホキサイド、C6〜C10アリールスルホキサイド、C1〜C10アルキルアリールチオ、C1〜C10アルキルアリールスルホン、C1〜C10アルキルアリールスルホキサイド、C6〜C15アリール、C5〜C20ヘテロアリールから独立して選択され、任意に0、1、2又は3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;又はR3及びR4は一体となってケト基を形成してもよく;
5は、ニトロ、シアノ、−CH2CN、−COMe、酢酸、ハロゲン、スルホン酸、−SO2CH3、アルデヒド、カルボン酸又はそのエステル、リン酸又はそのエステルからなる群から選択され;
6は、水素、C1〜C5アルキル、ハロゲン、CN、CO2H、CHF2、CH2F又はCF3からなる群から選択され;
7は、H、ハロゲン、又はC1〜C5アルキルからなる群から選択され;
8は、水素、C1〜C5アルキル、ハロゲン、CHF2、CH2F又はCF3からなる群から選択され;
Xは、−NH−、−O−、−S−、−SO−、−SO2、−Se−、−Te−又は−S−S−からなる群から選択され;
Yは、水素、ヒドロキシ、−CH2OH、メトキシ、NH2、非分岐、分岐又は環状C1〜C5アルキル、非分岐、分岐又は環状−NH(C1〜C8)、非分岐、分岐又は環状N(C1〜C82、−NH(C6アリール)、−N(C6アリール)2、−NH(C1〜C10ヘテロアリール)、及び−N(C5〜C10ヘテロアリール)2、C5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択され、任意の上記アリール又はヘテロアリール基は任意に最大3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;
Zは、C、N、又はOからなる群から選択され;
aは、水素、ハロゲン、−CN、OH、CO2H、CHO、NO2、−NH2、−NH(C1〜C4);N(C1〜C42、−NH(C6アリール)、−N(C6アリール)2、−NH(C5〜C10ヘテロアリール)、及び−N(C5〜C10ヘテロアリール)2から選択される基を表す。
【0015】
好ましい化合物は、式Iによるものであり、R1又は/及びR2は、H、(S)−メチル、メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、エチル、(R)−プロピル、(S)−プロピル、プロピル、(S)−ブチル、(S)−1−メチル−プロピル、(S)−2−メチル−プロピル、(R)−イソプロピル、(S)−イソプロピル、イソプロピル、シクロペンチル、−(CH22SMe、(R)−CH2SCH2Ph、(S)−ベンジル、4−クロロ−ベンジル、(S)−3−メチル−1−H−インドール又は(S)−フェニルである。
【0016】
より好ましいのは、式Iによるものであり、R3は、水素、メチル、エチル、フェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニルからなる群から選択されるか、又はR4と一体となってケト基を形成する。
【0017】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、R4は、H、メチルであるか、又はR3と一体となってケト基を形成する。
【0018】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、R5は、NO2、CN、CH2CN又はCO2Hである。
【0019】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、R6は、Me又はCF3である。
【0020】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、R7は、H又はMeである。
【0021】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、R8は、H又はメチルである。
【0022】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、Xは、NHである。
【0023】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、Yは、H、−OH、−OMe、−N(CH2CH32、ピペリジン、又は4−ニトロ−2−イルアミノである。
【0024】
より好ましいのは、式Iによる化合物であり、Zは、CR7又はNである。
【0025】
さらにより好ましいのは、式Iによる化合物又はその薬学的に許容されるであり、
2−メチル−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ブタン−1−
オール;
[1−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;(S)−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
2−メチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)2−フェニル−エタノール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ブタン−1−オール;
(DL)−3−(4−クロロ−フェニル)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピオン酸;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
2−(2,3−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(R)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
[4−((R)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ベンゾニトリル;
6−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ニコチノニトリル;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2,3−ジメチル−ベンゾニトリル;
及び以下の表に示した(置換基、R9、R6、及びZは、表に示され、且つ以下の式IIにおけるすべての置換基である。式IIにおいて、NO2基は式Iの置換基R5と一致し、且つR9は上記で定義される式Iの部分XR12YR34からなり、ここでXは−NH−である):
【0026】
【化2】

【0027】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【0028】
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−安息香酸;
(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−ブチオニックメチルエステル;
2−メチル−N−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−2−オール;
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
4−((R)−1−フラン−2−イルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(R)−3−フラン−2−イル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ヘプタン−1−オール
3−シクロペンチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルスルファニル)−エタノール
[1−(4−フルオロ−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール1−[4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−[4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
[1−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
2,2−ジメチル−3−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2,2−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール
4−((R)−1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(R)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニルメ
タンスルフィニル−プロパン−1−オール
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルメタンスルフィニルメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
[1−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
(S)−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
(S)−4−メチル−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
[1−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−4−メチル−ペンタン−1−オール
からなる群から選択される。
【0029】
また、好ましいのは、式Iによる化合物であり、ここで、R1又はR2は、アリール置換硫黄含有C1〜C10アルキル基を含むC6〜C10アリールチオ部分である。
【0030】
さらに好ましいのは、式Iによる化合物であり、ここで、R1又はR2において、アルキル硫黄はC6アリール基で置換されている。
【0031】
本発明は、更に上記化合物を1つ又はそれ以上含有する薬学的組成物を提供する。
【0032】
薬剤として使用するための、上記薬学的組成物がより好ましい。
【0033】
本発明は更に、アンドロゲン受容体の活性障害によって引き起こされる疾患の治療に使用される薬剤を製造するための、上記薬学的組成物の使用を提供する。
【0034】
この化合物は、主にアンドロゲン受容体に対するアンタゴニストであることが示されるので、好ましい使用は、アンドロゲン受容体活性の増加により引き起こされる疾患を治療するための上記組成物の使用である。
【0035】
更により好ましくは、前立腺癌、脂質異常、心疾患及び精神障害、男性型禿頭症(脱毛症)、良性前立腺過形成(BPH)並びに座瘡、多毛、無月経、性腺機能低下症、貧血症、糖尿病、造精機能障害、悪液質、骨粗鬆症、骨減少症、及び筋萎縮からなる群から選択される疾患を治療するための上記組成物の使用である。
【0036】
本発明はまた、アンドロゲン受容体の活性障害によって引き起こされる疾患の治療に使用される薬剤を製造するための、上記化合物の使用を提供する。
【0037】
本発明による治療を受け入れられる具体的な疾患は、前立腺癌、脂質異常、心疾患及び精神障害、男性型禿頭症(脱毛症)、良性前立腺過形成(BPH)並びに座瘡、多毛、無月経、性腺機能低下症、貧血症、糖尿病、造精機能障害、悪液質、骨粗鬆症、骨減少症、及び筋萎縮からなる群から選択される疾患である。
【0038】
治療効果のある量のかかる化合物を患者に投与することにより、かかる疾患を治療する方法も、本発明により提供される。
【0039】
本発明の化合物は、単独で、本発明の他の化合物と組み合わせて、又は本明細書に記載される治療領域で活性である1つ又はそれ以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0040】
本発明の別の態様によれば、式Iで定義された化合物が提供されるが、ただしこの化合
物は以下の式による化合物ではない。
【0041】
【化3】

【0042】
上記の具体的化合物は、異なる技術分野、すなわち染料工業の中で使用される化合物の製造における中間体化合物として先行技術で知られている(化合物参照:Specs and BioSpecs B.V.; Catalog No.AK-079/11126007)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
[発明の詳細な説明]
特に限定しない限り、以下の定義は本明細書中で使用する用語に適用する。
【0044】
本明細書で使用される「アンドロゲン受容体リガンド」という用語は、アンドロゲン受容体に結合する任意の部分を対象とすることを意図する。このリガンドは、アンタゴニストとして、又は部分的アンタゴニストとして作用し得る。
【0045】
「部分的アンタゴニスト」である化合物は、アゴニスト及びアンタゴニスト活性の両方を有する化合物である。
【0046】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、直鎖に1個〜約10個の炭素、好ましくは1個〜6個の炭素を含有する、非環式直鎖又は分岐鎖基、すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、イロプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基を指す。置換アルキルがある場合は、これは非分岐又は分岐アルキル基を指し、これらの基は、各基ごとに決定されるように、任意の置換可能な点において同一であっても異なっていてもよい。
【0047】
「置換アルキル」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、ハロ、カルボキシル又はそのアルキルエステル及び/又はカルボキシアミド等の、かかる鎖に通常結合する1つ又はそれ以上の官能基で任意に置換されるアルキル基を含む。
【0048】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルケニル」という用語は、2個〜約10個の炭素、好ましくは2個〜6個の炭素を含有する直鎖又は分岐鎖基、すなわち、エテニル、プロペニル、ブテニル、アリルを指す。
【0049】
「アリル」という用語は、H2C=CH−CH2を指す。
【0050】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキニル」という用語は、2個〜約10個の炭素、好ましくは2個〜6個の炭素を含有する直鎖又は分岐鎖基、すなわち、エチニル、プロピニル、ブチニル、アリルを指す。
【0051】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アリール」という用語は、置換及
び非置換芳香族環系を指す。アリールという用語は、単環式芳香族環、多環式芳香族環系及び多環芳香族環系を含む。多環式芳香族環系及び多環芳香族環系は、2個〜4個、より好ましくは2個〜3個の環を含み得る。好ましいアリール基としては、5又は6員環系が挙げられる。
【0052】
「ヘテロアリール」という用語は、例えば酸素、窒素、及び硫黄等の、1つ又はそれ以上のヘテロ原子を有する、任意に置換された芳香族環系を指す。ヘテロアリールという用語は、5又は6員複素環式環、多環式芳香族複素環系及び多芳香族複素環系を含む。この多複素環式芳香族及び多芳香族複素環系は、2個〜4個、好ましくは2個〜3個の環を含み得る。ヘテロアリールという用語は、ピリジン、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、及びピラゾール等の環系を指す。
【0053】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルコキシ」という用語は、アルキルエーテルを指し、このアルキルという用語は上記で定義されている通りである。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ等が挙げられる。
【0054】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アリールオキシ」という用語は、アリールアルキルエステルを指し、このアリールという用語は上記で定義されている通りである。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、ベンジルオキシ等が挙げられる。
【0055】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキルチオ」という用語は、アルキルチオを指し、このアルキルという用語は上記で定義されている通りであり、且つメチレン炭素の1つが硫黄で置換されている。アルキルチオ基の例としては、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、−(CH2mS(CH2n(ただし、m+n=9)等が挙げられる。
【0056】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキルスルホン」という用語は、アルキルスルホンを指し、このアルキルという用語は上記で定義されている通りであり、且つメチレン炭素の1つが硫黄で置換されている。アルキルスルホン基の例としては、メタンスルホン、エタンスルホン、プロパンスルホン、−(CH2mSO2(CH2n(ただし、m+n=9)等が挙げられる。
【0057】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキルスルホキサイド」という用語は、アルキルスルホキサイドを指し、このアルキルという用語は上記で定義されている通りであり、メチレン炭素の1つが硫黄で置換されている。アルキルスルホン基の例としては、メタンスルホキサイド、エタンスルホキサイド、プロパンスルホキサイド、−(CH2mSO(CH2n(ただし、m+n=9)等が挙げられる。
【0058】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキルアリールチオ」という用語は、アリールアルキルチオを指し、このアルキルチオ及びアリールという用語は上記で定義されている通りであり、末端メチル基の1つがアリールで置換されている。−(CH2mS(CH2nの例としては、CH2−Ar(ただし、m+n=8)等が挙げられる。
【0059】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキルアリールスルホン」という用語は、アリールアルキルスルホンを指し、このアルキルスルホン及びアリールという用語は上記で定義されている通りであり、末端メチル基の1つがアリールで置換されている。−(CH2mSO2(CH2nの例としては、CH2−Ar(ただし、m+n=8)等が挙げられる。
【0060】
単独又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アルキルスルホキサイド」という用語は、アリールアルキルスルホキサイドを指し、このアルキルスルホキサイド及びアリールという用語は上記で定義されている通りであり、末端メチル基の1つがアリールで置換されている。−(CH2mSO(CH2nの例としては、CH2−Ar(ただし、m+n=8)等が挙げられる。
【0061】
単独又は別の基の一部としてここで用いられる「シクロアルキル」という用語は、飽和環状炭化水素基又は部分不飽和環状炭化水素基を指し、これらは独立して炭素−炭素二重結合を1つ有する。環状炭化水素は3個〜4個の炭素を有する。本発明は、環中の1個〜2個の炭素が、−O−、−S−又は−N−のいずれかで置換され、それにより飽和又は部分飽和複素環を形成するシクロアルキル環を含むとも理解されるべきである。このような環の例としては、アジリジン、チイラン等が挙げられる。好ましい複素環は3員であり、これは、1個、2個又は3個のRa基で任意に置換されてもよく、Raは「アルキル」の場合のように利用可能な炭素を介して同一であっても異なっていてもよい。好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピルのように3個の炭素を含み、これは、1個、2個又は3個のRa基で任意に置換されてもよく、Raは「アルキル」の場合のように利用可能な炭素を介して同一であっても異なっていてもよい。
【0062】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。また、−CF3、−CHF2、及び−CH2F等の炭素置換ハロゲンも含まれる。
【0063】
本発明の化合物は塩として存在することが可能であり、これも本発明の範囲内である。薬学的に許容される(すなわち、非毒性で生理学的に許容される)塩が好ましい。例えば、本発明の化合物が少なくとも1つの塩基性中心を有すると、これらは酸付加塩を形成することが可能である。例えばこれらは、鉱酸(例えば硫酸、リン酸又はハロゲン化水素酸)等の強無機酸と共に;例えば、ハロゲンで置換されていない又は置換されている1個〜4個の炭素原子のアルカンカルボン酸(例えば酢酸)、飽和又は不飽和ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、若しくはテレフタル酸)、ヒドロキシカルボン酸(例えば、アスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、若しくはクエン酸)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、若しくはグルタミン酸、若しくはリジン、若しくはアルギニン)、又は安息香酸等の強有機カルボン酸と共に;又例えば、ハロゲンで置換されていない若しくは置換されている(C1〜C4)アルキル又はアリールスルホン酸(例えばメチル若しくはp−トルエンスルホン酸)等の有機スルホン酸と共に形成される。任意に、更に存在する塩基中心を有する類似の酸付加塩も形成することが可能である。少なくとも1つの酸性基(例えば、COOH)を有する本発明の化合物は、また、塩基と共に塩を形成することが可能である。塩基との適切な塩は、アルカリ金属やアルカリ土類金属塩等の金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム若しくはマンガン塩)、又はモルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ、ジ若しくはトリ低級アルキルアミン(例えば、エチル、tertブチル、ジエチル、ジイソプロピル、トリエチル、トリブチル若しくはジメチル−プロピルアミン)、又はモノ、ジ若しくはトリヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノ、ジ若しくはトリエタノールアミン)等のアンモニア又は有機アミンとの塩である。対応する分子内塩が更に形成され得る。薬学的使用に不適切であるが、例えば、本発明の遊離化合物若しくはその薬学的に許容される塩の単離又は生成に用いることが可能な塩も含まれる。塩基性基を含有する本発明の化合物の好ましい塩としては、一塩酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩又は硝酸塩が挙げられる。酸性基を含有する式Iの化合物の好ましい塩としては、ナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩並びに薬学的に許容される有機アミンが挙げられる。
【0064】
本発明による化合物は、プロドラッグ形態も有し得る。in vivoで変換されて生
体活性薬剤を提供するであろう任意の化合物(すなわち、式Iの化合物)は、本発明の範囲及び精神ではプロドラッグである。このようなプロドラッグは当該技術分野では既知であり、これらの包括的記述は、(i) The Practice of Medicinal Chemistry, Camille G. Wermuth et al., Ch31, (Academic Press, 1996; (ii) Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985);及び(iii) A Textbook of Drug Design and Development, P. Krogsgaard-Larson and H. Bundgaard, eds. Ch5, pgs 113-191 (Harwood Academic Publishers, 1991)で見ることができる。
【0065】
本発明における、使用に適したプロドラッグの実施形態としては、エチルエステル等の低級アルキルエステル、又はピバロイルオキシメチル(POM)等のアシルオキシアルキルエステルが挙げられる。
【0066】
本発明による化合物は、好ましくは治療効果のある量で投与される。本明細書で使用される「治療効果のある量」という用語は、本発明の組成物の投与により治療可能な症状を治療又は予防する治療薬の量を指す。この量は、検出可能な治療又は予防又は改善効果を示すのに十分な量である。この効果は、例えば本明細書に列挙される症状の治療又は予防を含み得る。
【0067】
被験者に対して効果のある正確な量は、該被験者の大きさ及び健康状態、治療される症状の性質及び程度、治療にあたる医師の勧め、及び投与に選択される治療法又は治療法の組み合わせによるであろう。
【0068】
スキーム1〜6は、式1の化合物を調製するために使用される合成経路の概要を説明する。
【0069】
スキーム1
これらの化合物の合成経路は当業者により想到可能であるが、本合成経路は本発明を限定しない。4−フルオロ−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(1a)及び4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(1b)を、スキーム1における出発物質として用い、これらは市販されている。
【0070】
スキーム1は、R6がCF3及びMeであり、かつフェニル環と結合している式Iの化合物の合成を示す。DMSO中で異なるβ−アミノアルコール及びジイソプロピルエチルアミンと化合物(1a)とを縮合させることにより、定量的収率で化合物3(実施例1〜4)を得た。反応は、昇温させたマイクロ波オーブン中で短時間行った。化合物(1b)は、化合物3(実施例5〜7)を製造するために使用され、実施例1〜4と類似した条件が採用された。実施例5の調製には代替的な方法が使用された。密閉チューブ内のペンタノール中で化合物(1b)とβ−アミノアルコールとを加熱することにより、代替的な方法による反応を行った。
【0071】
【化4】

【0072】
スキーム2
化合物9(実施例8〜15)は、出発物質である6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(化合物4)から調製した。出発物質は、文献の手順を用いて、化合物6−アミノ−2−ピコリンから始めて3ステップで合成した。濃硫酸(H2SO4)及び濃硝酸(HNO3)によって6−アミノ−2−ピコリンのニトロ化を行い、6−アミノ−3−ニトロ−2−ピコリンを生成した(Baumgarten, H. E. and Chien Fan Su, H. JACS74 (1952) 3828; Parker, E. D. and Shive, W. JACS69(1947) 63)。6−アミノ−3−ニトロ−2−ピコリンを硝酸ナトリウムで処理することにより、6−ヒドロキシ−3−ニトロ−2−ピコリンを生成し、これをPCl5及びPOCl3と反応させると、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリンを生成した(Baumgarten, H. E. and Chien Fan Su, H. JACS74 (1952) 3828)。
【0073】
スキーム2は、ZがNであり、R7がHである式Iの化合物の合成を示す。6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリンと2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オールとをペンタノール中で縮合し、その混合物を不活性雰囲気下で還流することにより、化合物9(実施例8)を黄色結晶として得た。6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリンも、市販の出発物質として購入することが可能である。反応時間は、マイクロ波オーブンを用いることにより短縮された。マイクロ波オーブン中で、化合物7と、異なるβ−アミノアルコール(8)とを縮合させることにより、定量的収率で化合物9(実施例9〜13)を生成した。これらの化合物の合成経路は、当業者により想到可能である。化合物(10)とL−アラニンとの反応により、化合物11(実施例14)を生成した。酸化合物(11)を、水素化リチウムアルミニウム(LAH)等の還元剤により還元することにより、化合物9(実施例15)を生成した。
【0074】
【化5】

【0075】
スキーム3
6及びR7はMeであり、かつフェニル環と結合している式Iによる化合物の合成をスキーム3に示す。無水酢酸中で化合物(12)を発煙硝酸により1ステップでニトロ化することにより製造された、4−フルオロ−2,3−ジ−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(
13)を、スキーム3での出発物質として採用した。2,3−ジメチル−フルオロ−ベンゼンとβ−アミノアルコールとを高温で縮合することにより、化合物14(実施例16)を得た。
【0076】
【化6】

【0077】
スキーム4
スキーム4は、R6及びR8はMeであり、かつフェニル環と結合している式Iの化合物の合成を示す。化合物(15)を、DMSO中で(S)−2−アミノ−ブタン−1−オール及びジ−イロプロピルエチルアミンと縮合することにより、化合物16(実施例17)を得た。反応は、マイクロ波オーブン中で行った。
【0078】
【化7】

【0079】
スキーム5
ニトロ化合物のアミンへの還元は、チオ硫酸ナトリウムのエタノールによる処理により行われた。その後、このアミンを更に精製せずに次のステップに使用した。アミンを水中でシアン化カリウム及びシアン化銅と反応させることにより、化合物19(実施例26〜28)を得た(Clive, D. L. et al. JOC 52 (1987) 1339-42及びVogel expt 6.76)。マイクロ波オーブンを利用した代替的な方法により、化合物19の他の例を得た。スキーム1及びスキーム2で使用されたのと類似した反応条件により、化合物19(実施例18〜22)を生成した。
【0080】
化合物19のニトリル形態から安息香酸化合物20(実施例87)への変換は、メタノール中の還流水酸化ナトリウム水溶液中で行われた。
【0081】
【化8】

【0082】
スキーム6
スキーム6は、R3及びR4はMeであり、かつアルキル鎖と結合している式Iの化合物の合成を示す。DMSO中で6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリンを塩酸グリシンメチルエステル及びトリエチルアミンと縮合することにより、化合物22(実施例88)を得た。化合物22を臭化メチルマグネシウムで処理してHPLC精製した後、化合物23(実施例89)を得た。
【0083】
【化9】

【0084】
[実施例]
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を表す。しかしながら、それらは決して本発明を限定するものではない。1H NMRスペクトルは、割り当てられた構造と一致した。質量スペクトルは、Zorbax SB−C8カラム(LC−MS)を用いて、陰イオンモード(ES−1)又は陽(ES+1)イオンモードで、ターボ「イオンスプレー」を有するPerkin−Elmer社のAPI 150Exスペクトロメータに記録した。Peresonal Chemistry Emrys Optimizerでマイクロ波反応を行った。
【0085】
[実施例1]
【化10】

【0086】
2−メチル−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ−プロパン)−1−オール
4−フルオロ−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(1.226g、5.86mmol)を7mLのDMSOに溶解し、2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(784mg、8.795mmol)を添加し、次いでジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(985mg、7.622mmol)を添加した。反応液は、マイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で、180℃で900秒加熱した。混合物を20mLのEtOAcで希釈した後、塩化アンモニウム(NH4Cl)水溶液で3回洗浄した。有機相を回収し、MgSO4(無水)で乾燥して濾過した。乾燥有機相を真空中で蒸発させた。粗生成物は鮮黄色粉末であった。移動相として5:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、粗生成物をシリカカラム上で精製した。これにより、1.1g(68%)の2−メチル−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−プロパン−1−オールを黄色固体として得た。M/Z=278。
【0087】
[実施例2]
【化11】

【0088】
[1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(122mg、0.583mmol)を、0.8mLのDMSO中で、(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(101mg、0.875mmol)、DIPEA(90.5mg、0.700mmol)と結合させた。これにより、120.5mg(68%)の[1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを黄色粉末として得た。M/Z=304。
【0089】
[実施例3]
【化12】

【0090】
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール
実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(119mg、0.569mmol)を、0.8mLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−3−フェニル−プロパン−1−オール(129mg、0.854mmol)、DIPEA(88mg、0.683mmol)と結合させた。これにより、112mg(58%)の(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オールを黄色結晶として得た。M/Z=340。
【0091】
[実施例4]
【化13】

【0092】
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ブタン−1−−オール
実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−1−ニトロ−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(122mg、0.583mmol)を、0.8mLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−ブタン−1−オール(78mg、0.875mmol)、DIPEA(91mg、0.700mmol)と結合させた。これにより、107mg(67%)の(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ブタン−1−オールを油状結晶として得た。M/Z=278。
【0093】
[実施例5]
【化14】

【0094】
2−メチル−2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール
方法A:実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(113mg、0.728mmol)を、1.2mLのDMSO中で、2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(84mg、0.947mmol)、DIPEA(122mg、0.947mmol)と結合させた。移動相として1:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、粗生成物をシリカカラム上で精製した。これにより、
72mg(44%)の2−メチル−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オールを黄色粉末として得た。M/Z=224。
【0095】
方法B:4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(2.33g、15mmol)及び2−アミノ−2−メチルプロパノール(2.67g、30mmol)を、密閉チューブ内で160℃で攪拌しながら一晩加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、フラッシュクロマトグラフィ(乾式用;ヘキサン中で14%EtOAc→EtOAc)で精製し、2.85g(85%)の2−メチル−2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オールを得た。
【0096】
[実施例6]
【化15】

【0097】
[1−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(107mg、0.689mmol)を、1.2mLのDMSO中で、(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(103mg、0.897mmol)、DIPEA(116mg、0.897mmol)と結合させた。移動相として1:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、粗生成物をシリカカラム上で精製した。これにより、76mg(44%)の[1−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを黄色粉末として得た。M/Z=250。
【0098】
[実施例7]
【化16】

【0099】
(S)−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール
実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(102mg、0.658mmol)を、1.2mLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−ブタン−1−オール(76mg、0.855mmol)、DIPEA(111mg、0.855mmol)と結合させた。移動相として1:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、粗生成物をシリカカラム上で精製した。これにより、85mg(58%)の(S)−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オールを黄色油として得た。M/Z=224。
【0100】
[実施例8]
【化17】

【0101】
2−メチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
(a)濃H2SO4(140ml)を氷塩浴槽中で冷却し、よく攪拌しながら溶融6−アミノ−2−ピコリン(30g、0.277mol)を少しずつ添加した。0℃に保たれたこの茶色の粘性溶液に、濃H2SO4(21ml)と濃HNO3(21ml)の冷却(0℃)混合物を約1.5時間かけて滴下した。赤橙色の反応混合物を0℃で更に攪拌した後、一晩かけて室温までゆっくりと温めた。この茶色溶液を60℃(油浴)で1時間加熱し、その後100℃(注意深く制御された温度)で1時間加熱した。反応混合物を0℃(氷浴)まで冷却し、粉砕した氷に注ぎ、濃縮NaOH水溶液を添加することにより中和した。この黄色沈殿を濾過して氷水でよく洗浄した(濾液を冷蔵庫に入れ、更なる生成物を塩と共に沈殿させた)。この黄色生成物を水に懸濁して2つに分け、これらのそれぞれを順に蒸気蒸留した。この黄色反応混合物は、数時間後に更に「透明」になったが、4−アミノ−3−ニトロ−2−ピコリンを含有する回収された水蒸気は、6時間後にまだ黄色であった。水蒸気蒸留を8時間後に終了し、反応混合物の残部を濾過し、蒸発によって乾燥させた。1HNMR(D2O)は、2〜3個の化合物の混合物を示した。この混合物をCHCl3、EtOH(×2)及びCHCl3で洗浄し、20.4g(48%)の純粋な6−アミノ−3−ニトロ−2−ピコリンを得た。
【0102】
(b)6−アミノ−3−ニトロ−2−ピコリン(20g、0.131mol)を濃H2SO4(23.7ml)と水(335ml)の混合物に懸濁した。更に、濃H2SO4(20ml)を氷冷下で添加したが、このアミンは完全に溶解しなかった。懸濁液を氷(100g)に添加した後、NaNO2(13.53g、0.196mol)の水(40ml)溶液を滴下した。ガスの発生が観察された。この茶色の懸濁液を10℃で1時間攪拌して濾過し、水で洗浄した。この茶色の生成物を乾燥し(凍結乾燥機)、15.78g(78%)の6−ヒドロキシ−3−ニトロ−2−ピコリンを得た。
【0103】
(c)6−ヒドロキシ−3−ニトロ−2−ピコリン(15.73g、0.102mol)に、PCl5(5.73g、0.027mol)及びPOCl3(2.9ml、0.032mol)を添加した。この混合物を110〜115℃で3時間加熱した。しかしながら、添加されたPOCl3の量は、出発物質を湿らす程しかなかった。更にPOCl3(3ml)を添加し、反応混合物を110〜115℃で加熱したが、PCl5の昇華(100℃)しか観察されなかった。DMF(5ml)を添加し、溶液を115℃で5時間加熱して冷却し、氷水に注いだ。沈殿したベージュ色の生成物と水懸濁液を48時間攪拌した。この茶色沈殿を濾別し、水で洗浄した。ドライフラッシュ(dry-flash)ジクロロメタンによる精製により、10.93g(62%)の6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリンを得た。
【0104】
(d)6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(6.055g、35.1mmol)及
び2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(6.2g、73.7mmol)を1−ペンタノール(30ml)に懸濁し、混合物を不活性雰囲気下で一晩還流した。薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン 4/EtOAc 1)により、出発物質が残留していることが明らかになったため、反応液を更に3.5時間還流した。反応混合物を冷却し、攪拌下で水を添加した。粘性のある黄色い沈殿物は濾別し、水でよく洗浄した後、乾燥させた。粗生成物(6.04g)を、ペンタン−アセトン又はジクロロメタンのいずれかから再結晶した。産生物を回収し、5.71(72%)の2−メチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オールを黄色結晶として得た。M/Z=225。
【0105】
[実施例9]
【化18】

【0106】
[1−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(22mg、0.13mmol)を、2−ペンタノール(1mL)中で(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(31mg、0.27mmol)、トリエチルアミン(0.025mL、0.18mmol)と結合させた。反応液を、マイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で180℃で2時間加熱した。混合物を20mLのEtOAcで希釈した後、NaHCO3で洗浄した。有機相を回収し、無水MgSO4で乾燥して濾過した。乾燥有機相を蒸発させ、移動相として5:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、シリカカラム上で精製した。これにより、9mg(28%)[1−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを黄色固体として得た。M/Z=251。
【0107】
[実施例10]
【化19】

【0108】
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)2−フェニル−エタノール
6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(22mg、0.13mmol)を、DMSO(1mL)中のトリエチルアミン(0.030mL、0.25mmol)中で(2−アミノ−2−フェニル)−プロパノール(34mg、0.25mmol)結合させた。反応液を、マイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で140℃で1200秒加熱した。混合物を20mLのEtOAcで希釈した後、NH4Cl水溶液で3回洗浄した。有機相を回収し、無水MgSO4で乾燥して濾過した。乾燥有機相を蒸発させ、移動相として5:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、シリカカラム上で精製した。これにより、22mg(63%)(R)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)2−フェニル−エタノールを黄色固体として得た。M/Z=273。
【0109】
[実施例11]
【化20】

【0110】
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール
6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(30mg、0.17mmol)を、EtOH(2mL)中で、(S)−2−アミノ−3−フェニル−プロパン−1−オール(32mg、0.21mmol)、酢酸ナトリウム(28mg、0.34mmol)と結合させた。反応液を、マイクロ波オーブン中で130℃で20分、その後更に150℃で20分にわたり加熱した。反応液をNaHCO3飽和水溶液で冷却し、EtOAcで抽出して蒸発させた。ヘプタン:EtOAcのグラジエント溶液を用いてシリカカラム上で精製し、24mg(48%)の(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オールを黄色固体として得た。M/Z=287。
【0111】
[実施例12]
【化21】

【0112】
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ブタン−1−オール
実施例13に記載されたのと同じ手順を用いて、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(30mg、0.17mmol)を、EtOH(2mL)中で、(S)−2−アミノ−
ブタン−1−オール(32mg、0.21mmol)、及び酢酸ナトリウム(28mg、0.34mmol)と結合させた。これにより、21mg(53%)の(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ブタン−1−オールを黄色固体として得た。M/Z=225。
【0113】
[実施例13]
【化22】

【0114】
(DL)−3−(4−クロロ−フェニル)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
140℃で行った以外は実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(50mg、0.29mmol)を、DMSO(1mL)中のトリエチルアミン(0.077mL、0.55mmol)中で、(DL)−2−アミノ−3−(4−クロロ−フェニル)−プロパン−1−オール(103mg、0.55mmol)と結合させた。これにより、23mg(45%)の(DL)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−(4−クロロ−フェニル)−プロパン−1−オールを黄色固体として得た。M/Z=321。
【0115】
[実施例14]
【化23】

【0116】
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピオン酸
6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(62mg、0.36mmol)を、1mLのDMSO中で、L−アラニン(80mg、0.90mmol)及び酢酸ナトリウム(78mg、0.95mmol)と結合させた。反応液を、マイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で、140℃で600秒加熱した。粗混合物をNH4Clの飽和水溶液で処理した。反応混合物をpH4に酸性化した(HCl、1M)。粗反応混合物をEtOAcで抽出し、混合性の有機相を水及び食塩水で洗浄した。移動相CH2Cl2−MeOH−HOAcを用いたシリカ上での精製により、60mg(74%)の(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピオン酸を黄色固体として得た。M/Z=225。
【0117】
[実施例15]
【化24】

【0118】
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピオン酸(60mg、0.27mmol)を、LiAlH4(27mg、0.71mmol)を有する、窒素でパージしたフラスコに添加した。反応混合物を2時間還流した後で、室温にし、その後、H2O(1mL)、NaOH(1M、1mL)及びH2O(1mL)を順に添加することにより冷却した。スラリーを遠心分離し、沈殿したアルミニウム塩をジクロロメタンで洗浄した。混合性の濾液を蒸発させ、残渣をヘプタン−EtOAc(3:2)を用いたシリカカラム上で精製することにより、13mg(22%)の(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オールを黄色固体として得た。M/Z=211。
【0119】
[実施例16]
【化25】

【0120】
2−(2,3−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール
発煙硝酸(1.4g、20.3mmol)を0℃に冷却し、無水酢酸(2.89g、28.4mmol)を添加した。この溶液を、3−フルオロ−1,2−ジメチルベンゼン(1.0g、8.1mmol)の無水酢酸(4ml)冷(0℃)溶液に10分かけて添加した。反応混合物を25分間攪拌して、氷上にゆっくりと注ぎ、この水溶液をEtOAc(×3)で抽出した。回収された有機相を希釈したNaHCO3飽和水溶液で洗浄し、次いで食塩水で洗浄した後、蒸発させて乾燥した。移動相としてヘキサンを用いてシリカゲルカラム上で残渣をフラッシュ精製し、0.74g(54%)の2,3−ジメチル−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンを黄色油として得て、これを静置すると結晶化した。
【0121】
フルオライド(0.576g、3.4mmol)を2−アミノ−2−メチルプロパノール(0.61g、6.8mmol)とチューブ内で混合し、このチューブを密閉して
た後、油浴に浸漬して160℃で5日間加熱した。TLC(ヘキサン)により、出発物質が残存していることが示された。反応混合物を冷却してEtOAcで希釈した後、フラッ
シュシリカゲルクロマトグラフィ(乾式用;6:4のヘキサンとEtOAc)により精製し、0.34g(59%回収率)の開始物質2,3−ジメチル−4−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼン及び0.20g(回収された出発物質に対して61%)の2−(2,3−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オールを得た。M/Z=238。
【0122】
[実施例17]
【化26】

【0123】
(S)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール
(S)−2−アミノ−ブタン−1−オール(41mg、0.461mmol)をDMSO(800μL)に溶解し、DIPEA(80μL、0.461mmol)を添加した。4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(60mg、0.354mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で、160℃で900秒加熱した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、NH4Cl水溶液で洗浄した。その後、有機相を乾燥し、真空中で蒸発させた。粗生成物を、移動相として3:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いたシリカカラム上で精製した。これにより、22mg(26%)の(S)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オールを得た。M/Z=238。
【0124】
[実施例18]
【化27】

【0125】
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(25mg、0.275mmol)を0.7mLのDMSOに溶解し、DIPEA(36mg、0.275mmol)を添加した。その後、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(40mg、0.212mmol)を添加し、反応液を、マイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で140℃で1100秒加熱した。その後、反応液を10mLのEtOAcで希釈し、NH4Cl水溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥して濾過した後、有機相を真空中で蒸発させた。粗生成物を、移動相として3:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。粗生成物を移動相に溶解する際、不溶性
沈殿物を回収した。分析により、これは主に純粋な生成物であることが示された。不溶性沈殿物を全てアセトンに溶解し、セライト(商標)を添加し、その後アセトンを蒸発させた。その後このセライトを、移動相として2:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いて、シリカカラムに付し、34mg(62%)の4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルをベージュ色結晶として得た。M/Z=258。
【0126】
[実施例19]
【化28】

【0127】
4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
実施例8に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(40mg、0.212mmol)を、0.7mLのDMSO中で、(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(32mg、0.275mmol)、及びDIPEA(36mg、0.275mmol)と結合させた。これにより、23mg(38%)の4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを白色粉末として得た。M/Z=284。
【0128】
[実施例20]
【化29】

【0129】
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
実施例8に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(40mg、0.212mmol)を、0.7mLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−ブタン−1−オール(25mg、0.275mmol)、及びDIPEA(36mg、0.275mmol)と結合させた。これにより、17mg(31%)の(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを白色結晶として得た。M/Z=258。
【0130】
[実施例21]
【化30】

【0131】
(R)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(40mg、0.21mmol)、(R)−2−アミノ−ペンタン−1−オール(32mg、0.27mmol)及びDIPEA(47μL、0.27mmol)をDMSO(1mL)に溶解し、マイクロ波オーブン(パラメータ:固定保持時間、高吸光度、前攪拌25秒)中で、180℃で900秒加熱した。粗生成物をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で洗浄した。有機相を分離して乾燥し、真空中で蒸発させた。粗生成物を、移動相として3:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、39mg(68%)の(R)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを得た。M/Z=272。
【0132】
[実施例22]
【化31】

【0133】
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
実施例21に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(40mg、0.21mmol)を、1.0mLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−ペンタン−1−オール(32mg、0.27mmol)、及びDIPEA(47μL、0.27mmol)と結合させた。これにより、24mg(42%)の(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを得た。M/Z=272。
【0134】
[実施例23]
【化32】

【0135】
[4−(R)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル
(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトニトリル(100mg、0.492mmol)をDMSO(3.5mL)に溶解し、(R)−(−)−2−アミノ−1−ペンタノール(66mg、0.634mmol)及びピリジン(52μL、0.634mmol)を添加した。反応液を、マイクロ波オーブンで900秒間170℃に加熱した(パラメータ:前攪拌30秒、保持時間オン(hold time on)、標準吸光度)。混合物をEtOAcで希釈し、NH4Ac水溶液で洗浄した。水相をEtOAcで洗浄して有機相をため、MgSO4で乾燥して濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物を、移動相として5:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、2.1mg(1.5%)の[4−(R)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリルを得た。M/Z=286。
【0136】
[実施例24]
【化33】

【0137】
[4−(S)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ]−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル
実施例23に記載されたのと同じ手順を用いて、(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトニトリル(100mg、0.492mmol)を、DMSO(3.5mL)中で、(S)−(+)−2−アミノ−1−ペンタノール(66mg、0.634mmol)、ピリジン(52μL、0.634mmol)と結合させた。これにより、2.2mg(1.6%)の[4−(S)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ]−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリルを得た。M/Z=286。
【0138】
[実施例25]
【化34】

【0139】
[4−(S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ]−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル
実施例23に記載されたのと同じ手順を用いて、(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセトニトリル(119mg、0.584mmol)を、L−ロイシノール(89mg、0.759mmol)、ピリジン(62μL、0.759mmol)、DMSO(3.2ml)と結合させた。これにより、2.6mg(1.5%)の[4−(S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ]−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリルを得た。M/Z=300。
【0140】
[実施例26]
【化35】

【0141】
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ベンゾニトリル
2−メチル−2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール(360mg、1.6mmol)をエタノール(26ml)に溶解し、Na224(2.23g、12.8mmol)を添加し、溶液を80℃で一晩加熱した。溶媒を蒸発させ、10%NaHCO3水溶液及びEtOAcに残存固体を分離した。水相(pH=中性)をEtOAc(×3)で抽出し、回収された有機相を食塩水で洗浄して乾燥した(MgSO4)。2−(4−アミノ-3−メチル−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オールは、更なる精製せずに次のステップに使用した。(このアミンはTLCプレート上で酸化し;静置すると茶色のスポットになった)
【0142】
水(2.5ml)中の硝酸ナトリウム(NaNO2)(190mg、2.75mmol)を、アミン溶液(500mg、2.5mmolの濃HCl/氷(2.5ml/2,5g)に5分間、その後CaCO3を添加することにより中和し、水(1ml)中のKCN(391mg、6mmol)及びCuCN(269mg、3.0mmol)を60℃(油浴)で加熱し、冷たい中性ジアゾニウム塩溶液を15分かけて滴下して添加した。ガスの発生が観察され、得られた懸濁液は明るく強い橙色に変わった。反応混合物を110℃で3
0分間加熱して冷却し、水及びEtOAcで希釈してセライトで濾過した。水相をEtOAcで抽出し、回収された有機相を食塩水で洗浄して乾燥した(MgSO4)。粗生成物(491mg)をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン;Hex/EtOAc;7:3→1:1)で精製し、還元化合物、2−メチル−2−(3−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール(93mg)及び4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ベンゾニトリル(108mg、21%)を黄白色固体として得た。M/Z=204。
【0143】
[実施例27]
【化36】

【0144】
6−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ニコチノニトリル
2−メチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール(1.08g、4.8mmol)を75%エタノール水溶液に溶解し、Na224(3.9g、24mmol)を少しずつ添加した。TLC(DCM中10%MeOH)により完全に変換されたことが示された時に、反応混合物を60℃で30分間加熱した。加熱を止め、反応混合物を常温で一晩攪拌し、蒸発させて乾燥した。この残渣に、NaHCO3(5%水溶液)及びEtOAcを添加し、相を分離して、水相(pH7〜8)をEtOAcで大量に抽出した(生成物は非常に水溶解性であり、より高い収率を得るためには、EtOAcで連続抽出を行うことが良いと思われる)。回収された有機相を食塩水で洗浄した後、乾燥した(MgSO4)。静置すると、有機溶液の色が黄色から橙色に変わった。濾過及び蒸発により、0.648g(69%)のアミンを赤色油として得た。
【0145】
水(3ml)中のNaNO2(0.25g、3.65mmol)を、氷/濃HCl(3.5g/3.5ml)中のアミン6(0.648g、3.3mmol)溶液に5分間添加した後、CaCO3固体を添加することによって中和した。水(3ml)中のKCN(0.52g、7.96mmol)及びCuCN(0.36g、3.98mmol)を60℃(油浴)で加熱し、冷たいジアゾニウム塩溶液を15分かけて滴下して添加した。ガスの発生が観察され、得られた懸濁液は明るく強い橙色に変わった。反応混合物を110℃で30分間加熱して冷却し、水及びEtOAcで希釈し、セライトで濾過した。水相をEtOAcで抽出し、回収された有機相を食塩水で洗浄して乾燥した(MgSO4)。粗生成物(0.248g)をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン→Hex:EtOAc 3:7)で精製し、34mgの2−メチル−2−(6−メチル−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール及び11mgの6−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ニコチノニトリルを得た。M/Z=205。
【0146】
[実施例28]
【化37】

【0147】
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2,3−ジメチル−ベンゾニトリル
ニトロ化合物18(0.20g、0.84mmol)をEtOH(20ml)に溶解して、Na224(1.1g、6.71mmol)を添加し、反応混合物を80℃で一晩加熱した。冷たい反応混合物をセライトで濾過し、EtOAcでよく洗浄し、濾液を蒸発して乾燥させた。1H−NMRで純粋と確認された、精製していない2−(4−アミノ−2,3−ジメチル−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール(0.292g)そのものを、次の反応に使用した。
【0148】
濃HCl/氷水(1ml/5ml)中の2−(4−アミノ−2,3−ジメチル−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール(0.175g、0.84mmol)、水(1ml)中のNaNO2(64mgmg、0.92mmol)、水(1ml)中のKCN(130mg、2mmol)とCuCN(90mg、1mmol)を用いて、実施例21に記載されたのと同じ手順を用いて反応を行った。粗生成物(341mg)をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン;Hex 7/EtOAc 3)で精製し、還元化合物2−(2,3−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール及び4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2,3−ジメチル−ベンゾニトリルを得た。不純なニトリルを含有するフラクション全てを回収し、ヘキサン/EtOAcより結晶化して、25mg(13%)の純粋な4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2,3−ジメチル−ベンゾニトリルを得た。M/Z=218。
【0149】
[ライブラリー合成の手順(実施例29〜86)]
以下は、実施例29〜88のライブラリー合成の一般的手順である。化合物を表2に示す。
【0150】
以下のいずれかの出発物質;5−フルオロ−2−ニトロ−トルエン、5−フルオロ−2−ニトロベンゾトリフルオライド、6−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ−ピリジンを0.1mmol、マイクロ波オーブン用スミスバイアルに入れた。
【0151】
各バイアルのそれぞれに、0.5mlのDMSO、20μLのトリエチルアミン(1.4当量)、及び1.4当量の様々なアミノアルコールを添加した。バイアルは、マイクロ波オーブン中で1100秒、140℃で作動した。合成後、LC−MSにより生成物を分析した。DMSO溶液を試験管に移し、減圧下、シリカゲル上で蒸発させた。試験管から出したシリカゲルをSPE SIカラムに入れ、フリットを最上部に置いた。生成物を、ヘプタン/EtOAcのグラジエント溶液で精製した。フラクションを合わせ、溶媒を蒸発させた。純度が90%より大きい化合物を、下記のin vitroアッセイで試験した。純度は、分析HPLCで測定された。
【0152】
ライブラリー構成に使用された骨格は、式IIによる。
【0153】
【化38】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【0154】
[実施例87]
【化39】

【0155】
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−安息香酸
水/MeOH(5ml/8ml)中の4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ベンゾニトリル(70mg、0.34mmol)及びNaOH(0.14g、3.4mmol)の懸濁液を、4日間還流した。反応混合物を水で希釈し、50%HCl水溶液でpHを約3に調整した。沈殿した固体を濾別して回収し、水相をEtOAc(×3)で抽出し、食塩水で洗浄して乾燥した(MgSO4)。粗生成物を、移動相として1:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、39mg(51%)の4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−安息香酸を茶色がかった発泡体として得た。M/Z=223。
【0156】
[実施例88]
【化40】

【0157】
(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−ブチオニックメチルエステル
6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(600mg、3.5mmol)を、DMSO3mL中で塩酸グリシンメチルエステル(880mg、7mmol)、トリエチルアミン(1.5ml、10.5mmol)とを、140℃で30分間、マイクロ波オーブン(パラメータ:高吸光度、固定保持時間、前攪拌25秒)中で結合させた。粗混合物をNH4Cl飽和水溶液で処理した。水溶液をEtOAcで抽出し、水及び食塩水で洗浄した。粗生成物を、移動相としてCH2Cl2−MeOHを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、39mg(51%)の580mg(74%)の(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−ブチオニックメチルエステルを黄色固体として得た。M/Z=225。
【0158】
[実施例89]
【化41】

【0159】
2−メチル−N−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−2−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ブチオニックメチルエステル(30mg、0.13mmol)をTHF(3mL)中に溶解し、0℃で塩化メチルマグネシウム(MeMgCl)(0.08ml、0.027mmol)を含有する窒素パージフラスコに添加した。反応混合物を室温にした後、5時間還流した。反応液に、飽和NH4Clを添加して急冷した。反応混合物をEtOAcで抽出し、H2O及び食塩水で洗浄した。粗生成物をHPLCで精製した。これにより、1.5mg(5%)の2−メチル−N−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−2−オールを黄色油として得た。M/Z=225。
【0160】
[実施例90]
【化42】

【0161】
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
D−アラニン(36mg、0.40mmol)をTHF(乾燥、1ml)に溶解し、バイアルをN2で5分間パージ(purge)した。シリンジにBF3−Et2O(0.050ml、0.40mmol)を添加し、混合物を70℃で1.5時間加熱した。BH3−SMe2(0.22ml、0.44mmol、2M溶液)を激しく攪拌しながら注意深く添加した(ほぼ半分でエキソターム(exoterm)が形成された)(ガスの発生が見られた)。反応液をN2でパージした後、70℃で一晩(17時間)加熱した。反応液を室温まで冷却した。THF:H2Oの1:1混合物を添加し、次いで1mlのNaOH(5M)を添加することにより、過剰のボランを急冷した。この2相系を70℃で4時間加熱した。フラスコをN2でパージし、THFを吹き飛ばした。CH2Cl2(2ml)を添加し、この2相系を相セパレーター(Phase separator)に移した。CH2Cl2(2ml)を更に添加し、合わせた有機相を蒸発させた。その後、粗生成物(21mg)をDMSOに溶解し、反応を実施例1のように続けた。実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、1mLのDMSO中で、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(19mg、0.1mmol)を、形成された(R)−2−アミノ−プロパン−1−オール、DIPEA(0.021ml、0.12mmol)と結合させた。分取HPLCでの精製により、4mg(16%)の4−((R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを白色固体として得た。M/Z=244。
【0162】
[実施例91]
【化43】

【0163】
4−((R)−1−フラン−2−イルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
実施例90に記載されたのと同じ手順を用いて、(R)−2−アミノ−3−フラン−2−イル−プロピオン酸(40mg、0.25mmol)を還元した。実施例1のように、粗生成物を4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(19mg、0.1
mmol)及びDIPEA(0.05ml、0.2mmol)と結合させ、HPLCによる精製後、11mg(29%)の4−((R)−1−フラン−2−イルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを白色固体として得た。M/Z=310。
【0164】
[実施例92]
【化44】

【0165】
(R)−3−フラン−2−イル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
実施例90に記載されたのと同じ手順を用いて、(R)−2−アミノ−3−フラン−2−イル−プロピオン酸(40mg、0.25mmol)を還元した。粗生成物を、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(17mg、0.1mmol)及びDIPEA(0.05ml、0.2mmol)と結合させ、HPLCによる精製後、9mg(33%)の(R)−3−フラン−2−イル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オールを白色固体として得た。M/Z=277。
【0166】
[実施例93]
【化45】

【0167】
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ヘプタン−1−オール
実施例90に記載されたのと同じ手順を用いて、2−アミノ−ヘプタノン酸(33mg、0.25mmol)を還元した。実施例1のように、粗生成物を、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(17mg、0.1mmol)及びDIPEA(0.05ml、0.2mmol)と結合させ、HPLCによる精製後、3mg(11%)の2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ヘプタン−1−オールを油として得た。M/Z=267。
【0168】
[実施例94]
【化46】

【0169】
3−シクロペンチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
実施例90に記載されたのと同じ手順を用いて、2−アミノ−3−シクロペンチル−プロピオン酸(36mg、0.25mmol)を還元した。実施例1のように、粗生成物を、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(17mg、0.1mmol)及びDIPEA(0.05ml、0.2mmol)と結合させ、HPLCによる精製後、4mg(14%)の3−シクロペンチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オールを黄色固体として得た。M/Z=279。
【0170】
[実施例95]
【化47】

【0171】
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルスルファニル)−エタノール
実施例1に記載されたのと同じ手順を用いて、0.8mLのDMSO中で、6−クロロ−3−ニトロ−2−ピコリン(17mg、0.1mmol)を、2−メルカプト−エタノール(0.014ml、0.2mmol)、DIPEA(25mg、0.2mmol)と結合させた。これにより、5mg(23%)の2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルスルファニル)−エタノールを黄色油として得た。M/Z=214。
【0172】
[実施例96]
【化48】

【0173】
[1−(4−フルオロ−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
4−フルオロ−2−メチルフェノール(0.24mmol)を、800μLのDMSO中に溶解した。(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(0.29mmol)を添加した後、ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)(0.29mmol)を添加した。マイクロ波オーブン(パラメータ:標準吸光度、保持時間オン、前攪拌20秒)中で、反応液を180℃で15分間加熱した。出発物質が残存していたため、反応液を更に15分間220℃で加熱した。幾つかの生成物が得られた。粗混合物をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で数回洗浄し、相をSPE相セパレーターで分離した。有機相を真空中で蒸発させた後、粗生成物の混合物を、移動相として5:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、2.3mg(4%)の[1−(4−フルオロ−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを得た。M/Z=221。
【0174】
[実施例97]
【化49】

【0175】
1−[4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン(40mg、0.194mmol)を、800μLのDMSO中に溶解した。2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(23mg、0.252mmol)を添加した後、DIPEA(44μL、0.252mmol)を添加した。マイクロ波オーブン中で、反応混合物を180℃で15分間加熱した(パラメータ:標準吸光度、保持時間オン、前攪拌25秒)。出発物質の大部分がまだ残っていたため、210℃で15分間再加熱した。幾つかの生成物が得られた。粗混合物をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で数回洗浄し、相をSPE相セパレーター上で分離した。有機相を真空中で蒸発させた後、粗生成物の混合物を、移動相として10:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、3mg(6%)の1−[4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノンを微量生成物として得た。M
/Z=275。
【0176】
[実施例98]
【化50】

【0177】
1−[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
実施例97に記載されたのと同じ手順を用いて、1−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン(40mg、0.194mmol)を、800μLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−4−メチル−ペンタン−1−オール(30mg、0.252mmol)、DIPEA(44μL、0.252mmol)と結合させた。これにより、15mg(25%)の1−[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノンを得た。M/Z=303。
【0178】
[実施例99]
【化51】

【0179】
1−[4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
実施例97に記載されたのと同じ手順を用いて、1−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン(40mg、0.194mmol)を、800μLのDMSO中で、(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(29mg、0.252mmol)、DIPEA(44μL、0.252mmol)と結合させた。これにより、5mg(9%)の1−[4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノンを得た。M/Z=301。
【0180】
[実施例100]
【化52】

【0181】
[1−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
4−フルオロ−1−メタンスルホニル−2−メチル−ベンゼン(40mg、0.213mmol)を、800μLのDMSOに溶解した。(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(32mg、0.276mmol)を添加した後、DIPEA(48μL、0.276mmol)を添加した。マイクロ波オーブン中で、反応混合物を180℃で15分間加熱した(パラメータ:標準吸光度、保持時間オン、前攪拌30秒)。粗混合物をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で数回洗浄し、相をSPE相セパレーターで分離した。有機相を真空中で蒸発させた後、粗生成物の混合物を、移動相として7:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、1.4mg(2%)の[1−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを得た。M/Z=283。
【0182】
[実施例101]
【化53】

【0183】
2,2−ジメチル−3−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
6−クロロ−2−メチル−3−ニトロ−ピリジン(40mg、0.232mmol)を、900μLのDMSOに溶解した。3−アミノ−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(31mg、0.301mmol)及びDIPEA(52μL、0.301mmol)を添加した。マイクロ波オーブン中で、反応混合物を180℃で15分間加熱した(パラメータ:標準吸光度、保持時間オン、前攪拌30秒)。粗混合物をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で数回洗浄し、相をSPE相セパレーターで分離した。有機相を真空中で蒸発させた後、粗生成物の混合物を、移動相として7:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、15mg(27%)の2,2−ジメチル−3−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オールを得た。M/Z=239。
【0184】
[実施例102]
【化54】

【0185】
2,2−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール
実施例101に記載されたのと同じ手順を用いて、4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロ−ベンゼン(40mg、0.258mmol)を、900μLのDMSO中で3−アミノ−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(35mg、0.335mmol)、DIPEA(58μL、0.335mmol)と結合させた。これにより、4mg(7%)の2,2−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オールを得た。M/Z=238。
【0186】
[実施例103]
【化55】

【0187】
4−((R)−1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(60mg、0.32mmol)を1000μLのDMSOに溶解した。(R)−2−アミノ−3−ベンジルスルファニル−プロパン−1−オール(81mg、0.41mmol)を添加した後、ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)(53mg、0.41mmol)を添加した。反応液をマイクロ波オーブン中で180℃に15分間加熱した(パラメータ:標準吸光度、保持時間オン、前攪拌20秒)。粗混合物をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で数回洗浄し、相をSPE相セパレーターで分離した。有機相を真空中で蒸発させた後、粗生成物の混合物を、移動相として3:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、純粋な生成物、82mg(71%)の4−((R)−1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを透明油として得た。M/Z=366。
【0188】
[実施例104]
【化56】

【0189】
(R)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニルメタンスルフィニル−プロパン−1−オール
CH2Cl2(0.125mL)を0℃に冷却し、mCPBA(13mg、0.07mmol)をそこへ溶解した。0℃で10分間攪拌した後、(R)−3−ベンジルスルファニル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール(20mg、0.06mmol)を添加した。0℃で20分間攪拌した。冷却浴を取り除いて反応液を室温に温めた後、一晩攪拌した。有機相を食塩水で洗浄し、相をSPE相セパレーターで分離し、有機相を乾燥して真空中で蒸発させた。3:1のn−ヘプタン:EtOAc中で粗生成物から沈殿を得た。沈殿は主に生成物から成り、アセトニトリルに溶解し、移動相としてEtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、8.2mg(39%)の(R)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニルメタンスルフィニル−プロパン−1−オールを得た。M/Z=349。
【0190】
[実施例105]
【化57】

【0191】
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルメタンスルフィニルメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
実施例104に記載されたのと同じ手順を用いて、4−((R)−1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(20mg、0.06mmol)を、CH2Cl2(0.125mL)中で、mCPBA(11mg、0.07mmol)と反応させた。これにより、14.1mg(67%)の6−((R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルメタンスルフィニルメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ニコチノニトリルを得た。M/Z=382。
【0192】
[実施例106]
【化58】

【0193】
[1−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(41mg、0.29mmol)を1000μLのDMSOに溶解した。(1−アミノ−シクロペンチル)−メタノール(44mg、0.38mmol)を添加した後、ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)(49mg、0.38mmol)を添加した。反応液をマイクロ波オーブン中で170℃に15分間加熱した(パラメータ:標準吸光度、保持時間オン、前攪拌30秒)。粗混合物をEtOAcで希釈し、NH4Cl水溶液で数回洗浄し、相を分離した。有機相を乾燥させ、真空中で蒸発させた後、粗生成物の混合物を、移動相として3:1のn−ヘプタン:EtOAcを用いてシリカカラム上で精製した。これにより、48mg(70%)の[1−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを得た。M/Z=236。
【0194】
[実施例107]
【化59】

【0195】
(S)−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
実施例106に記載されたのと同じ手順を用いて、1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(41mg、0.29mmol)を、1000μLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−ペンタン−1−オール(39mg、0.38mmol)、ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)(49mg、0.38mmol)と結合させた。これにより、53mg(81%)の(S)−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オールを得た。M/Z=224。
【0196】
[実施例108]
【化60】

【0197】
(S)−4−メチル−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
実施例106に記載されたのと同じ手順を用いて、1−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(42mg、0.29mmol)を、1000μLのDMSO中で、(S)−2−アミノ−4−メチル−ペンタン−1−オール(50mg、0.38mmol)、ジイソプロピル−エチルアミン(DIPEA)(50mg、0.38mmol)と結合させた。これにより、40mg(57%)の(S)−4−メチル−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オールを得た。M/Z=238。
【0198】
[実施例109]
【化61】

【0199】
[1−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
[1−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール(10mg、0.042mmol)をCH2Cl2:MeOHの1:1混合物(2mL)に溶解した。CaCO3(8.5mg、0.085mmol)を添加し、溶液を室温で10分間攪拌した。三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(36mg、0.093mmol)を添加し、反応液を室温で48時間攪拌した。粗反応液をCH2Cl2で希釈し、NH4Cl水溶液で洗浄した。有機相を回収して乾燥し、真空中で蒸発させた。粗生成物をシリカカラム上で精製した。これにより、11mg(83%)の[1−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノールを得た。M/Z=315。
【0200】
[実施例110]
【化62】

【0201】
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
実施例109に記載されたのと同じ手順を用いて、(S)−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール(29mg、0.13mmol)を、CH2Cl2:MeOHの1:1混合物(2mL)中で三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(111mg、0.29mmol)及びCaCO3(26mg、0.26mmol)で処理した。これにより、16mg(41%)の(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オールを得た。M/Z=303。
【0202】
[実施例111]
【化63】

【0203】
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−4−メチル−ペンタン−1−オール
実施例109に記載されたのと同じ手順を用いて、(S)−4−メチル−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール(29mg、0.13mmol)を、CH2Cl2:MeOHの1:1混合物(2mL)中で三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(111mg、0.30mmol)及びCaCO3(26mg、0.27mmol)で処理した。これにより、20mg(47%)の(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−4−メチル−ペンタン−1−オールを得た。M/Z=317。
【0204】
全ての分子は、Autonom2000のIS/Draw2.5の一部によって命名された。
【0205】
全ての命名は、Autonom2000のIS/Draw2.5によって行われた。
【0206】
[実施例112]
AR競合結合アッセイ
1mM EDTA、20mM K2HPO4、8.7%グリセロール、20mM Na2MoO4及び12mM MTGを含有するバッファーを用いて、組換えヒトアンドロゲン受容体(hAR)を、5×107個/mlでSf9昆虫細胞から抽出した。細胞片を遠心分離で除去し、上清を分取して−70℃で保存した。
【0207】
AR抽出物のアリコートを使用前に氷上で解凍し、バッファー(100mM KnmPO4、pH7.0、1mM EDTA、8.7%グリセロール、20mM Na2MoO4及び1mM DTT)で約0.2nM(1〜30倍希釈)に希釈した。試験リガンドを、10種類の濃度の希釈系列として、各濃度の間は5分の1希釈で、二連でDMSOに希釈した。トリチウム化ミボレロン(3H−Mib)をトレーサー化合物として使用して、1mM EDTA、20mM Na2MoO4、8.7%グリセロール及び1mM DTTで1.6nMに希釈した。96ウェルポリプロピレンプレートに、110μl/ウェルの1.6nM 3H−Mib、10μl/ウェルの試験物質及び110μl/ウェルの希釈ARを添加した。プレートを覆い、+4℃で一晩インキュベートした。プレートをフィルター上で回収し、TomtecHarvesterで未結合リガンドから結合リガンドを分離した。20mM Kn(PO4)、pH7.6、1mM EDTA、v/v0.5%ポリエチレンイミンを含有するプレウェットバッファーを使用してフィルターを平衡化した後、サンプルを濾過して、20mM Kn(PO4)、pH7.6、1mM EDTAでフィルターを8回洗浄した。フィルターを+65℃で1時間乾燥させた。シンチレーションワックス(scintillating wax)をフィルター上で溶融し、フィルター上に残る放射能をWallacMicrobetaシンチレーションカウンターで測定した。
【0208】
以下の非線形4パラメーターロジスティックモデル:b=(bmax−bmin)/(1+(IC50/I)^S)+bminにより、ARに対する親和性を評価した。式中、bmax=全結合部位濃度、bmin=非特異結合、I=結合阻害剤添加濃度、IC50=最大結合の半分における結合阻害剤濃度、及びS=傾斜因子である。表:アンドロゲン受容体モジュレーター化合物のアンタゴニスト及び部分アンタゴニスト並びに結合活性。
【0209】
AR転写活性化アッセイ
化合物のアゴニスト及びアンタゴニスト特性を、安定に組み込まれたアンドロゲン受容体及びアンドロゲン応答性レポーター遺伝子を発現する細胞システムを用いて決定した。アンドロゲン応答エレメントを含むMMTVプロモーターにより作動するCMV−hAR及びアルカリホスファターゼ(ALP)を安定に発現するCV−1細胞(腎臓線維芽細胞)を、低グルコース、10%牛胎仔血清、1%L−グルタミン及び0.7%ハイグロマイシンBを添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で培養した。安定に組み込まれた細胞(ARAF)をトリプシン処理し、2%牛胎仔血清、1%L−グルタミン、50μg/mlゲンタマイシン及び1%Pen/Strepを添加したOpti−MEM1に再懸濁した。細胞をBirchチャンバ中で計数し、1ml当たり100,000個の細胞の濃度に希釈した。その後、細胞を1ウェル当たり5,000個の細胞となるように50μlを384枚のプレートに播種し、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。
【0210】
翌日、播種培地を細胞から除去し、20μlの誘導培地(1%L−グルタミン、50μg/mlゲンタマイシン及び1%Pen/Strepを添加したOpti−MEM1)+/−0.1nMミボレロンをウェルに添加した。その後、誘導培地で希釈された10μlの試験化合物をウェルに添加した。細胞を37℃、5%CO2で48時間インキュベートした。
【0211】
48時間後、5μlの細胞培地を100μlのALP基質バッファーを含む384枚の白いプレートに添加した。プレートを37℃で20分間インキュベートした後、室温で1
0分間インキュベートし、その後、各ウェルをμBETAマシンで読み取った。ミボレロンの非存在下で誘導されたアルカリホスファターゼ活性からアゴニスト活性を算出し、ミボレロンのみで作成された標準活性曲線と比較した。0.1nMミボレロンの存在下でのALP活性の減少からアンタゴニスト活性を算出した。上記のように非線形4パラメータフィットを用いることにより、EC50及びIC50値を算出した。
【0212】
試験化合物のアンドロゲン受容体を介した活性を決定するための他のアッセイとしては、細胞培養系における内因性ARを介した転写調節、齧歯動物におけるアンドロゲン応答性組織作用の調節、受容体表面の立体構造変化の同定、及び他の核受容体とARとを比べた結合特異性が挙げられる。
【0213】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンドロゲン受容体の活性障害によって引き起こされる疾患の治療用薬剤の製造における式Iによる化合物又はその薬学的に許容される塩の使用であって、式Iは、
【化1】

として定義され、
式中;
1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C1〜C10置換アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、C1〜C10アルコキシ、C1〜C10アルケノキシ、C1〜C10アルキノキシ、C1〜C10アルキルチオ、C1〜C10アルケニルチオ、C1〜C10アルキニルチオ、C6〜C10アリールチオ、C1〜C10アルキルスルホン、C1〜C10アルケニルスルホン、C1〜C10アルキニルスルホン、C6〜C10アリールスルホン、C1〜C10アルキルスルホキサイド、C1〜C10アルケニルスルホキサイド、C1〜C10アルキニルスルホキサイド、C6〜C10アリールスルホキサイド、C1〜C10アルキルアリールチオ、C1〜C10アルキルアリールスルホン、C1〜C10アルキルアリールスルホキサイド、C6〜C10アリール、又はC5〜C20ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に0、1、2又は3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく; 又はR1及びR2は一体となってC3〜C10シクロアルキル基を形成してもよく;
3及びR4は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C7シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルケノキシ、C1〜C4アルキノキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルケニルチオ、C1〜C4アルキニルチオ、C1〜C10アルキルスルホン、C1〜C10アルケニルスルホン、C1〜C10アルキニルスルホン、C6〜C10アリールスルホン、C1〜C10アルキルスルホキサイド、C1〜C10アルケニルスルホキサイド、C1〜C10アルキニルスルホキサイド、C6〜C10アリールスルホキサイド、C1〜C10アルキルアリールチオ、C1〜C10アルキルアリールスルホン、C1〜C10アルキルアリールスルホキサイド、C6〜C15アリール、C5〜C20ヘテロアリールから独立して選択され、任意に0、1、2又は3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;又はR3及びR4は一体となってケト基を形成してもよく;
5は、ニトロ、シアノ、−CH2CN、−COMe、酢酸、ハロゲン、スルホン酸、−SO2CH3、アルデヒド、カルボン酸又はそのエステル、リン酸又はそのエステルからなる群から選択され;
6は、水素、C1〜C5アルキル、ハロゲン、CN、CO2H、CHF2、CH2F又はCF3からなる群から選択され;
7は、H、ハロゲン、又はC1〜C5アルキルからなる群から選択され;
8は、水素、C1〜C5アルキル、ハロゲン、CHF2、CH2F又はCF3からなる群から選択され;
Xは、−NH−、−O−、−S−、−SO−、−SO2、−Se−、−Te−又は−S
−S−からなる群から選択され;
Yは、水素、ヒドロキシ、−CH2OH、メトキシ、NH2、非分岐、分岐又は環状C1〜C5アルキル、非分岐、分岐又は環状−NH(C1〜C8)、非分岐、分岐又は環状N(C1〜C82、−NH(C6アリール)、−N(C6アリール)2、−NH(C1〜C10ヘテロアリール)、及び−N(C5〜C10ヘテロアリール)2、C5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択され、任意の前記アリール又はヘテロアリール基は任意に最大3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;
Zは、C、N、又はOからなる群から選択され;
aは、水素、ハロゲン、−CN、OH、CO2H、CHO、NO2、−NH2、−NH(C1〜C4);N(C1〜C42、−NH(C6アリール)、−N(C6アリール)2、−NH(C5〜C10ヘテロアリール)、及び−N(C5〜C10ヘテロアリール)2から選択される基を表す、前記使用。
【請求項2】
1又は/及びR2は、H、(S)−メチル、メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、エチル、(R)−プロピル、(S)−プロピル、プロピル、(S)−ブチル、(S)−1−メチル−プロピル、(S)−2−メチル−プロピル、(R)−イソプロピル、(S)−イソプロピル、イソプロピル、シクロペンチル、−(CH22SMe、(R)−CH2SCH2Ph、(S)−ベンジル、4−クロロ−ベンジル、(S)−3−メチル−1−H−インドール又は(S)−フェニルである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
3は、水素、メチル、エチル、フェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニルからなる群から選択されるか、又はR4と一体となってケト基を形成する、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項4】
4は、H、メチルであるか、又はR3と一体となってケト基を形成する、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項5】
5は、NO2、CN、CH2CN又はCO2Hである、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項6】
6は、Me又はCF3である、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項7】
7は、H又はMeである、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項8】
8は、H又はメチルである、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項9】
Xは、NHである、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項10】
Yは、H、−OH、−OMe、−N(CH2CH32、ピペリジン、又は4−ニトロ−2−イルアミノである、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項11】
Zは、CR7又はNである、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項12】
前記化合物は、
2−メチル−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
2−メチル−2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;(S)−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
2−メチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)2−フェニル−エタノール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ブタン−1−オール;
(DL)−3−(4−クロロ−フェニル)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピオン酸;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
2−(2,3−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(R)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
[4−((R)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ベンゾニトリル;
6−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ニコチノニトリル;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2,3−ジメチル−ベンゾニトリル;
及び以下の式:
【化2】

を有する化合物(式中、R9、R6、及びZは、以下の表:
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

で定義される);
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−安息香酸;
(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−ブチオニックメチルエステル;
2−メチル−N−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−2−オール;
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
4−((R)−1−フラン−2−イルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(R)−3−フラン−2−イル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ヘプタン−1−オール
3−シクロペンチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルスルファニル)−エタノール
[1−(4−フルオロ−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール1−[4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−[4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
[1−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
2,2−ジメチル−3−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2,2−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール
4−((R)−1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(R)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニルメタンスルフィニル−プロパン−1−オール
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルメタンスルフィニルメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
[1−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
(S)−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
(S)−4−メチル−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
[1−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−4−メチル−ペンタン−1−オール
からなる群から選択され、又は薬学的に許容される該群の塩から選択される、前記いずれかの請求項に記載の使用。
【請求項13】
1又はR2は、アリール置換硫黄含有C1〜C10アルキル基を含むC6〜C10アリールチオである、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項14】
1又はR2において、前記アルキル硫黄はC6アリール基で置換されている、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項15】
前記いずれかの請求項の式Iに定義される化合物を含む薬学的組成物。
【請求項16】
疾患がアンドロゲン受容体活性の増加によって引き起こされる、請求項1に記載の使用。
【請求項17】
前記疾患が、前立腺癌、脂質異常、心疾患及び精神障害、男性型禿頭症(脱毛症)、良性前立腺過形成(BPH)及び座瘡、多毛、無月経、性腺機能低下症、貧血症、糖尿病、造精機能障害、悪液質、骨粗鬆症、骨減少症、並びに筋萎縮からなる群から選択される、請求項1〜14又は16のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
式Iによって定義される化合物又はその薬学的に許容される塩であって:
【化3】

式中;
1及びR2は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C10アルキル、C1〜C10置換アルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル、C1〜C10アルコキシ、C1〜C10アルケノキシ、C1〜C10アルキノキシ、C1〜C10アルキルチオ、C1〜C10アルケニルチオ、C1〜C10アルキニルチオ、C6〜C10アリールチオ、C1〜C10アルキルスルホン、C1〜C10アルケニルスルホン、C1〜C10アルキニルスルホン、C6〜C10アリールスルホン、C1〜C10アルキルスルホキサイド、C1〜C10アルケニルスルホキサイド、C1〜C10アルキニルスルホキサイド、C6〜C10アリールスルホキサイド、C1〜C10アル
キルアリールチオ、C1〜C10アルキルアリールスルホン、C1〜C10アルキルアリールスルホキサイド、C6〜C10アリール、又はC5〜C20ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、任意に0、1、2又は3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;又はR1及びR2は一体となってC3〜C10シクロアルキル基を形成してもよく;
3及びR4は、同一又は異なり、水素、ハロゲン、C1〜C20アルキル、C3〜C7シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルケノキシ、C1〜C4アルキノキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルケニルチオ、C1〜C4アルキニルチオ、C1〜C10アルキルスルホン、C1〜C10アルケニルスルホン、C1〜C10アルキニルスルホン、C6〜C10アリールスルホン、C1〜C10アルキルスルホキサイド、C1〜C10アルケニルスルホキサイド、C1〜C10アルキニルスルホキサイド、C6〜C10アリールスルホキサイド、C1〜C10アルキルアリールチオ、C1〜C10アルキルアリールスルホン、C1〜C10アルキルアリールスルホキサイド、C6〜C15アリール、C5〜C20ヘテロアリールから独立して選択され、任意に0、1、2又は3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;又はR3及びR4は一体となってケト基を形成してもよく;
5は、ニトロ、シアノ、−CH2CN、−COMe、酢酸、ハロゲン、スルホン酸、−SO2CH3、アルデヒド、カルボン酸又はそのエステル、リン酸又はそのエステルからなる群から選択され;
6は、水素、C1〜C5アルキル、ハロゲン、CN、CO2H、CHF2、CH2F又はCF3からなる群から選択され;
7は、H、ハロゲン、又はC1〜C5アルキルからなる群から選択され;
8は、水素、C1〜C5アルキル、ハロゲン、CHF2、CH2F又はCF3からなる群から選択され;
Xは、−NH−、−O−、−S−、−SO−、−SO2、−Se−、−Te−又は−S−S−からなる群から選択され;
Yは、水素、ヒドロキシ、−CH2OH、メトキシ、NH2、非分岐、分岐又は環状C1〜C5アルキル、非分岐、分岐又は環状−NH(C1〜C8)、非分岐、分岐又は環状N(C1〜C82、−NH(C6アリール)、−N(C6アリール)2、−NH(C1〜C10ヘテロアリール)、及び−N(C5〜C10ヘテロアリール)2、C5〜C10ヘテロアリールからなる群から選択され、任意の前記アリール又はヘテロアリール基は任意に最大3個のRa基で置換され、Raは同一でも異なっていてもよく;
Zは、C、N、又はOからなる群から選択され;
aは、水素、ハロゲン、−CN、OH、CO2H、CHO、NO2、−NH2、−NH(C1〜C4);N(C1〜C42、−NH(C6アリール)、−N(C6アリール)2、−NH(C5〜C10ヘテロアリール)、及び−N(C5〜C10ヘテロアリール)2から選択される基を表し;
ただし、上記化合物は、
【化4】

ではない、前記化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
1又は/及びR2は、H、(S)−メチル、メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、エチル、(R)−プロピル、(S)−プロピル、プロピル、(S)−ブチル、(S)−1−メチル−プロピル、(S)−2−メチル−プロピル、(R)−イソプロピル、(S)−イソプロピル、イソプロピル、シクロペンチル、−(CH22SMe、(R)−CH2
SCH2Ph、(S)−ベンジル、4−クロロ−ベンジル、(S)−3−メチル−1−H−インドール又は(S)−フェニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
3は、水素、メチル、エチル、フェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニルからなる群から選択されるか、又はR4と一体となってケト基を形成する、請求項18又は19いずれかに記載の化合物。
【請求項21】
4は、H、メチルであるか、又はR3と一体となってケト基を形成する、請求項18から20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
5は、NO2、CN、CH2CN又はCO2Hである、請求項18から21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
6は、Me又はCF3である、請求項18から22のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
7は、H又はMeである、請求項18から23のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項25】
8は、H又はメチルである、請求項18から24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
Xは、NHである、請求項18から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
Yは、H、−OH、−OMe、−N(CH2CH32、ピペリジン、又は4−ニトロ−2−イルアミノである、請求項18から26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
Zは、CR7又はNである、請求項18から27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物は、
2−メチル−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
2−メチル−2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;(S)−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
2−メチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
[1−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)2−フェニル−エタノール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ブタン−1−オール;
(DL)−3−(4−クロロ−フェニル)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−
2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−プロピオン酸;
(S)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール;
2−(2,3−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール;
(S)−2−(3,5−ジメチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ブタン−1−オール;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(R)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
(S)−4−(1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
[4−((R)−1−ヒドロキシメチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−アセトニトリル;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ベンゾニトリル;
6−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−ニコチノニトリル;
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2,3−ジメチル−ベンゾニトリル;
及び以下の式:
【化5】

を有する化合物(式中、R9、R6、及びZは、以下の表:
【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

で定義される);
4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−メチル−安息香酸;
(6−メチル−5−ニトロ−2−ピリジン−2−イルアミノ)−ブチオニックメチルエステル;
2−メチル−N−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−2−オール;
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
4−((R)−1−フラン−2−イルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(R)−3−フラン−2−イル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−ヘプタン−1−オール
3−シクロペンチル−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルスルファニル)−エタノール
[1−(4−フルオロ−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール1−[4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−[4−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
1−[4−(1−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−エタノン
[1−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
2,2−ジメチル−3−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−プロパン−1−オール
2,2−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロ−フェニルアミノ)−プロパン−1−オール
4−((R)−1−ベンジルスルファニルメチル−2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(R)−2−(6−メチル−5−ニトロ−ピリジン−2−イルアミノ)−3−フェニルメタンスルフィニル−プロパン−1−オール
4−((R)−2−ヒドロキシ−1−フェニルメタンスルフィニルメチル−エチルアミノ)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
[1−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
(S)−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
(S)−4−メチル−2−(4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
[1−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−メタノール
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−ペンタン−1−オール
(S)−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニルアミノ)−4−メチル−ペンタン−1−オール
からなる群から選択される、請求項18から28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
1又はR2は、アリール置換硫黄含有C1〜C10アルキル基を含むC6〜C10アリールチオである、請求項18から29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
1又はR2において、前記アルキル硫黄はC6アリール基で置換されている、請求項18から30のいずれか1項に記載の化合物。

【公表番号】特表2007−509116(P2007−509116A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536167(P2006−536167)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004464
【国際公開番号】WO2005/042464
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500561610)カロ バイオ アクチェブラーグ (17)
【Fターム(参考)】