説明

イソシアネート変性エポキシ樹脂

【課題】耐熱性を損なうことなく、室温における溶剤への溶解性が格段に向上したエポキシ樹脂を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造を有するイソシアネート変性エポキシ樹脂。


(式中、R〜R及びR10〜R17は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基を示し、Rは置換基を有していてもよい2価以上の官能基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソシアネート変性エポキシ樹脂、及びそれを含むエポキシ樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プリント配線基板用の絶縁材料にはコストパフォーマンスに優れるエポキシ樹脂が広く用いられている。近年、電子機器の高機能化や小型化が進むに伴って、高密度実装化が進み、その結果、用いられるエポキシ樹脂には、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性を有することが強く望まれている。
特許文献1には、耐熱性や耐薬品性を有するエポキシ樹脂として、ビフェニル骨格を持つエポキシ樹脂が開示されている。
特許文献2及び3には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のトリレンジイソシアネート変性エポキシ樹脂が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特公昭63−30520号公報
【特許文献2】特表平4−506678号公報
【特許文献3】特許3322909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたビフェニル骨格を持つエポキシ樹脂は、昨今要求される耐熱性を十分に満足するものではない。
特許文献2及び3に開示されたトリレンジイソシアネート変性エポキシ樹脂は、粘度が高いため取り扱い性に劣り、耐熱性も満足できるものではない。
さらに、硬化剤を溶解させる溶剤として従来使用されていたメチルセルソルブやジメチルホルムアミドが使用禁止となり、代わりに1−メトキシ−2−プロパノールが主流となっているが、特許文献1〜3に開示された樹脂は、いずれもこの溶剤に溶解しない。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、耐熱性を損なうことなく、室温における溶剤への溶解性が向上したエポキシ樹脂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ビフェニル骨格とオキサゾリドン環を有する特定の構造を含むイソシアネート変性エポキシ樹脂が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
下記一般式(1)で表される構造を有するイソシアネート変性エポキシ樹脂。
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R〜R及びR10〜R17は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基を示し、Rは置換基を有していてもよい2価以上の官能基を示す。)
[2]
が、イソホロン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルメタン、ナフタレン、ポリメチレンポリフェニレンポリフェニル、ヘキサメチレンから選択される1種以上の骨格を含む、上記[1]記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂。
[3]
イソシアネート化合物とグリシジル化合物とを反応させて得られ、
前記イソシアネート化合物は多官能イソシアネートである、上記[1]又は[2]記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂。
[4]
イソシアネート化合物とグリシジル化合物とを反応させて得られ、
前記イソシアネート化合物のイソシアネート基と、前記グリシジル化合物のエポキシ基のモル数の比が0.05〜0.60である、上記[1]〜[3]のいずれか記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂。
[5]
上記[1]〜[4]のいずれか記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂(A)と、
前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)と、
硬化剤(C)と、
を含むエポキシ樹脂組成物。
[6]
上記[5]記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂組成物を溶媒中に均一に溶解又は分散させたエポキシ樹脂ワニス。
[7]
上記[6]記載のエポキシ樹脂ワニスを用いて得られるプリプレグ。
[8]
上記[7]記載のプリプレグを用いて得られる積層板。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、耐熱性を損なうことなく、室温における溶剤への溶解性が格段に向上したエポキシ樹脂を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0012】
本実施形態のエポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を含むイソシアネート変性エポキシ樹脂である。
【0013】
【化2】

【0014】
一般式(1)中、R〜R及びR10〜R17は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基を示し、Rは置換基を有していてもよい2価以上の官能基を示す。
【0015】
本実施形態のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で表されるビフェニル骨格とオキサゾリドン環を含む構造を有する樹脂であり、該構造を有することにより、エポキシ樹脂及びこれを含むエポキシ樹脂組成物の溶剤への溶解性が向上し、且つ、その硬化物は耐熱性に優れたものとなる。
【0016】
以下、本実施形態における各記号の説明を行う。
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R17で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0017】
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R17で示される置換されていてもよいアルキル基の「アルキル基」としては、炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。上記の中でも、直鎖状よりも分岐鎖状の方が高耐熱性となる傾向にあるため、好ましくはイソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基であり、より好ましくはtert−ブチル基である。
【0018】
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R17で示される置換されていてもよいアルコキシ基の「アルコキシ基」としては、炭素数が1〜6、好ましくは1〜4の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
【0019】
一般式(1)において、R〜R及びR10〜R17で示される置換されていてもよいアリール基の「アリール基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
【0020】
〜R及びR10〜R17で示されるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基は、置換可能な位置に、1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
【0021】
で示される2価以上の官能基としては、例えば、単結合、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアリーレン基等が挙げられる。
【0022】
「アルキレン基」とは、前記定義「アルキル基」から任意の位置の水素原子をさらに1個除いて誘導される2価の基を意味し、例えば、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
【0023】
で示される置換されていてもよいアリーレン基の「アリーレン基」としては、前記「アリール基」から、任意の位置の水素原子をさらに1個除いて誘導される2価の基を意味する。
【0024】
で示される置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基は、置換可能な位置に、1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。かかる置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
【0025】
また、Rが、イソホロン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルメタン、ナフタレン、ポリメチレンポリフェニレンポリフェニル、ヘキサメチレンから選択される1種以上の骨格を含むことが好ましい。Rが上記骨格を含んでいると、樹脂の耐熱性が向上する傾向にある。
【0026】
本実施形態のイソシアネート変性エポキシ樹脂は、上述した一般式(1)で表される構造の他に、ビフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビスフェノールAC、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックから選択される1種以上の骨格を含んでいてもよい。
【0027】
本実施形態のイソシアネート変性エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは800以上であり、より好ましくは900以上、さらに好ましくは1000以上である。重量平均分子量が800未満であると、硬化物の耐熱性が低くなると同時に、強靭性が低減し脆くなる傾向にある。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算により測定した値をいう。
【0028】
本実施形態のイソシアネート変性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは250以上であり、より好ましくは350以上、さらに好ましくは400以上である。エポキシ当量が250よりも大きいと、靭性が高くなる傾向にある。ここで、エポキシ当量は、JIS−K−7236による電位差滴定法により測定した値をいう。
【0029】
本実施形態のイソシアネート変性エポキシ樹脂の製造方法としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物とビフェニル骨格を有するグリシジル化合物とを、オキサゾリドン環形成触媒の存在下で反応させることにより、ほぼ理論量で得ることができる。イソシアネート化合物とグリシジル化合物は、当量比1:2〜1:10の範囲で反応させることが好ましく、両者の比が上記範囲である場合、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性及び耐水性がより良好となる傾向にある。
【0030】
本実施形態においては、イソシアネート変性エポキシ樹脂を得るための原料として、ビフェニル骨格を有するグリシジル化合物以外の他のグリシジル化合物を併用してもよい。その具体例としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等の2価フェノール類をグリシジル化した化合物;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール等のトリス(グリシジルオキシフェニル)アルカン類等をグリシジル化した化合物;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック等のノボラックをグリシジル化した化合物等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0031】
原料として用いるイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メタンジイソシアネート、ブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネート、トランスビニレンジイソシアネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2−ブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、ヘプタン−1,7−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、ノナン−1,9−ジイソシアネート、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジメチルシランジイソシアネート、ジフェニルシランジイソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルナフタレンジイソシアネート、ω,ω’−1,5−ジメチルナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,6−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−2,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,3’−ジメトキシビスフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルサルフアイト−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイソシアネート等の2官能イソシアネート化合物;
ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネートチオフォスフェート)−3,3’、4,4’−ジフェニルメタンテトライソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;
上記イソシアネート化合物の2量体や3量体等の多量体、アルコールやフェノールによりマスクされたブロックイソシアネート及びビスウレタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらイソシアネート化合物は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0032】
上記のイソシアネート化合物の中でも、耐熱性が向上する傾向にあるため、好ましくは2又は3官能イソシアネート化合物であり、より好ましくは2官能イソシアネート化合物、さらに好ましくはイソホロン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルメタン、ナフタレン、ポリメチレンポリフェニレンポリフェニル、ヘキサメチレンから選ばれる骨格を有する2官能イソシアネート化合物である。イソシアネート化合物の官能基数が多すぎると貯蔵安定性が低下する傾向にあり、少なすぎると耐熱性が低下する傾向にある。
【0033】
また、上記の原料イソシアネート化合物のイソシアネート基と、前記原料グリシジル化合物のエポキシ基のモル数の比は、好ましくは0.05〜0.60であり、より好ましくは0.075〜0.55であり、さらに好ましくは0.10〜0.50である。イソシアネート基とエポキシ基のモル数の比が上記範囲であると、溶剤を使用しなくても樹脂を製造することが可能となり、耐熱性と強靭性により優れた樹脂が得られる傾向にある。さらに、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の特定溶剤への溶解性が発現する傾向にある。
【0034】
[触媒]
本実施形態で使用される触媒は、オキサゾリドン環形成に使用されるものであれば、特に限定されないが、グリシジル化合物とイソシアネート化合物との反応において、オキサゾリドン環を選択的に生成する触媒であることが好ましい。
【0035】
このようなオキサゾリドン環を選択的に生成する触媒としては、特に限定されず、例えば、塩化リチウム、ブトキシリチウム等のリチウム化合物、3フッ化ホウ素等の錯塩;
テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩;
ジメチルアミノエタノール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N−メチルモルホリン等の3級アミン;
トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;
アリルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ジアリルジフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムクロライド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、テトラブチルホスホニウムアセテート・酢酸錯体、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヨーダイド等のホスホニウム化合物;
トリフェニルアンチモン及びヨウ素の組み合わせ;
2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
等が挙げられる。これらの触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
オキサゾリドン環形成触媒の使用量は、特に限定されるものではなく、通常は原料となるグリシジル化合物とイソシアネート化合物の総量に対して5ppm〜2質量%程度の範囲で使用され、好ましくは10ppm〜1質量%、より好ましくは20〜5000ppm、さらに好ましくは20〜1000ppmの範囲で使用される。触媒の使用量を2質量%以下とすることにより、耐湿性の低下が抑制される傾向にあり、一方、5ppm以上とすることにより、生産効率が向上する傾向にある。
【0037】
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、上述したイソシアネート変性エポキシ樹脂(A)と、(A)以外のエポキシ樹脂(B)と、硬化剤(C)と、を含む。
【0038】
[エポキシ樹脂(B)]
エポキシ樹脂(B)としては、特に限定されるものではなく、各種公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン/フェノールエポキシ樹脂、脂環式アミンエポキシ樹脂、脂肪族アミンエポキシ樹脂、及び、これらをハロゲン化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
【0039】
[硬化剤(C)]
硬化剤(C)としては、特に限定されるものではなく、各種公知のものを適宜選択して用いることができるが、硬化時の反応速度の観点から、グアニジン誘導体、芳香族アミン化合物及びノボラック型フェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらのグアニジン誘導体、芳香族アミン化合物及びノボラック型フェノール樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
グアニジン誘導体の具体例としては、例えば、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド−アニリン付加物、ジシアンジアミド−メチルアニリン付加物、ジシアンジアミド−ジアミノジフェニルメタン付加物、ジシアンジアミド−ジアミノジフェニルエーテル付加物等のジシアンジアミド誘導体、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、リン酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、重炭酸アミノグアニジン等のグアニジン塩、アセチルグアニジン、ジアセチルグアニジン、プロピオニルグアニジン、ジプロピオニルグアニジン、シアノアセチルグアニジン、コハク酸グアニジン、ジエチルシアノアセチルグアニジン、ジシアンジアミジン、N−オキシメチル−N’−シアノグアニジン、N、N’−ジカルボエトキシグアニジン等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0041】
芳香族アミン化合物の具体例としては、例えば、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0042】
ノボラック型フェノール樹脂の具体例としては、例えば、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック等が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
【0043】
硬化剤(C)の配合量は、特に制限されるものではなく、所望の設計に応じて適宜設定されるが、硬化剤(C)がグアニジン誘導体の場合は、イソシアネート変性エポキシ樹脂(A)の総量に対して1〜9質量%であることが好ましく、硬化剤(C)が芳香族アミン化合物の場合は、イソシアネート変性エポキシ樹脂(A)の総量に対して10〜50質量%であることが好ましく、硬化剤(C)がノボラック型フェノール樹脂の場合は、イソシアネート変性エポキシ樹脂(A)の総量に対して20〜60質量%であることが好ましい。硬化剤(C)の配合量を上記範囲とすることは、硬化物の架橋密度の低下及びTgの低下を抑制し、耐湿性を確保する観点から好適である。
【0044】
[可塑剤(D)]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、可塑剤(D)を更に含んでもよい。可塑剤(D)としては、例えば、熱可塑性エラストマーや架橋ゴム等が挙げられる。
【0045】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、後者の方が、繊維強化複合材料の圧縮強度、層間剪断強度等の物性に優れる傾向にあるため好ましい。
【0046】
架橋ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、前者の方が、エポキシ樹脂との相溶性が良好となる傾向にあるため好ましい。
【0047】
可塑剤(D)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%である。可塑剤(D)の含有量を30質量%以下とすることは、樹脂粘度が増大してプリプレグへの樹脂の含浸性が悪くなることを防止する観点から好適である。一方、1質量%以上とすることは、プリプレグのタック性を良好に維持し、また、成型不良を抑制する観点から好適である。
【0048】
[フィラー(E)]
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、フィラー(E)を更に含んでもよい。フィラー(E)を含有することは、レオロジー制御即ち増粘やチキソトロピー性付与効果があるため好ましい。
【0049】
フィラー(E)としては、例えば、タルク、ケイ酸アルミニウム、微粒状シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、アルミナ水和物、亜鉛末、カーボンブラック、炭化ケイ素等が挙げられ、チキソトロピー性付与効果の点から微粒状シリカが好ましい。
【0050】
フィラー(E)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。フィラー(E)の含有量を10質量%以下とすることは、樹脂粘度が高すぎてプリプレグへの樹脂の含浸が困難となって、プリプレグ間の接着強度が低下することを防止する観点から好適である。一方、1質量%以上とすることは、成型物表面に樹脂かすれが発生することを抑制する観点から好適である。
【0051】
[硬化促進剤]
また、上記のエポキシ樹脂組成物に、硬化促進剤を更に配合して、エポキシ樹脂組成物の硬化速度の調整を行なうことも可能である。硬化促進剤としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、尿素化合物、イミダゾール類、第3級アミン類、ホスフィン類、アミノトリアゾール類等が挙げられる。また、上記エポキシ樹脂と公知の硬化促進剤を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
[エポキシ樹脂ワニス]
上記のエポキシ樹脂組成物は、好ましくは、溶媒中に均一に溶解又は分散させたエポキシ樹脂ワニスとして使用される。用いる溶媒としては、上記のエポキシ樹脂組成物を溶解又は分散可能なものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン等及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0053】
[プリプレグの作製方法]
上記エポキシ樹脂ワニスを用いてプリプレグを作製することができる。プリプレグは、例えば、上記エポキシ樹脂ワニスを基材に含浸させた後、溶媒を乾燥、加熱して、半硬化させることにより作製することができる。基材としては、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、リンター紙等が挙げられる。基材に含浸するエポキシ樹脂の量は、特に限定されないが、乾燥後のエポキシ樹脂の含有量がプリプレグの質量に対し30〜70%となるように含浸させることが好ましい。
【0054】
[積層板の作製方法]
上記プリプレグ、樹脂シート及び銅箔を目的に応じた層構成で積層し加圧加熱することにより積層板を作製することができる。積層板を作製する方法としては、例えば、基板上にプリプレグと硬化性樹脂金属箔複合体を複数枚重ね合わせ、加熱加圧下に各層間を接着すると同時に熱架橋を行い、所望の厚みの積層板を得ることができる。また、基板上に硬化性樹脂金属箔複合体を複数枚重ね合わせて加熱加圧下に各層間を接着すると同時に熱硬化を行い、所望の厚みの積層板を得ることができる。金属箔は表層としても中間層としても用いることができる。また積層と硬化を複数回繰り返して逐次多層化することも可能である。
【実施例】
【0055】
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例中の物性は以下の方法により測定した。
【0056】
(1)エポキシ樹脂溶融粘度(80℃)
ディスクプレート上にエポキシ樹脂サンプル約0.5gを載せ、ローターとプレートとの間隔を0.1mmとして回転させ、測定雰囲気温度が80℃で安定となる粘度を測定した。
【0057】
(2)溶剤溶解性
エポキシ樹脂3gと各溶剤3gを混合し40℃で加熱した。その後、室温まで冷却して3日置いたときの濁りの発生を観測した。40℃に加熱しても濁りがあるものを×、40℃に加熱時に濁りは発生せず、室温3日放置後で濁りが発生したものを△、室温で3日放置しても濁りが発生しなかったものを○とした。溶剤としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、アセトンを用いた。
【0058】
(3)ガラス転移温度 エポキシ樹脂組成物の硬化物について、動的粘弾性測定装置DDV−25FP(オリエンテック(株)製)を用い、長さ20mm×幅4mm×厚さ2mmの試験片を、2℃/分で昇温させ、tanδが最大となる温度を求めた。
【0059】
(4)燃焼性(KIC) JIS C 6481に基づき測定した。
【0060】
(5)赤外線吸収スペクトル(IR)
日本分光株式会社製 FT/IR6100を用いて600〜4000cm−1の範囲で測定を行った。
【0061】
[実施例1]
反応器内に、原料グリシジル化合物としてビフェノール型エポキシ樹脂(商品名:YX4000、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量185g/eq)100質量部、及び、テトラブチルアンモニウムブロマイド(商品名:臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、和光純薬工業(株)製)0.04質量部を投入し、撹拌加熱し、内温を175℃にした。さらに、原料イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(商品名:コロネートT80(商標)、日本ポリウレタン(株)製)11.8質量部を90分かけて反応器内に投入した。投入終了後、反応温度を175℃に保ち、8時間撹拌し、イソシアネート変性エポキシ樹脂Iを得た。得られた樹脂をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。
【0062】
[実施例2]
反応器内に、原料グリシジル化合物としてビフェノール型エポキシ樹脂(商品名:YX4000H、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量186g/eq)100質量部とナフタレンジイソシアネート(商品名:デスモジュール15、住化バイエルウレタン(株)製)14.2質量部を混合し、100℃で加熱溶融させた。次いで、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド0.04質量部を投入し、均一になるまで撹拌した後、昇温し、内温を175℃にした。反応温度を175℃に保ち、8時間撹拌し、イソシアネート変性エポキシ樹脂IIを得た。得られた樹脂をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。
【0063】
[実施例3]
原料イソシアネート化合物を、イソホロンジイソシアネート(商品名:デスモジュールI(商標)、住化バイエルウレタン工業(株)製)6.0質量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法により変性を行い、イソシアネート変性エポキシ樹脂IIIを得た。得られた樹脂をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。
【0064】
[実施例4]
トリレンジイソシアネートを1.5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法により変性を行い、イソシアネート変性エポキシ樹脂IVを得た。得られた樹脂をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。
【0065】
[比較例1]
特開昭63−30520記載のエポキシ樹脂製造例Aと同様の方法により実施した。即ち、4、4’−ビス−3、3’,5,5’−テトラメチルビフェニルのグリシジルエーテル100質量部及びテトラブロムビスフェノールA54質量部に、触媒としてテトラメチルアンモニウムアイオダイド0.03質量部を添加し、170℃で3時間反応させて、室温で固形のエポキシ樹脂V(エポキシ当量460)を得た。
【0066】
[比較例2]
原料グリシジル化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:AER260、旭化成ケミカルズ(株)製、エポキシ当量186g/eq)90質量部を150℃に加熱し、窒素を充填した。そこに2−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)製)0.03質量部を投入し、撹拌加熱し、内温を160℃にした。さらに、原料イソシアネート化合物として4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(商品名:ミリオネートMT(商標)、日本ポリウレタン(株)製)10質量部を30分かけて反応器内に投入した。投入終了後、反応温度を160℃に保ち、15分間撹拌し、イソシアネート変性エポキシ樹脂VIを得た。得られた樹脂をIR測定したところ、1750cm−1と910cm−1にピークが観測され、オキサゾリドン環とエポキシ基を含むことを確認した。
【0067】
得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂I〜VI及びYX4000(比較例3)の物性を表1に示す。実施例4及び比較例1のイソシアネート変性エポキシ樹脂IV及びエポキシ樹脂V、比較例3のYX4000は80℃で溶融しなかったため、80℃の溶融粘度は測定不可であった。
【0068】
[プリプレグ及び積層板の作製]
イソシアネート変性エポキシ樹脂I〜VI及びYX4000を85質量部、高臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製:AER8018)15質量部をメチルエチルケトンに溶解し、ジシアンジアミドを0.6当量、2メチルイミダゾールを0.1質量部投入後、ガラスクロス(旭シュエーベル社製 商品名 G.C7628)に含浸させ、170℃で2分乾燥させプリプレグを得た。得られプリプレグを10cm×10cmに切断し、4枚重ねて温度180℃、圧力20kg/cmの条件下で60分加熱加圧して銅張り積層板を得た。得られた積層板のガラス転位温度(Tg)及び燃焼性を測定し、結果を表1に示した。
樹脂IVは室温でメチルエチルケトンに溶解しなかったため、一旦70℃に加熱して溶解させた後に同様の作業を実施した。YX4000も70℃に加熱して溶解させたものの、室温に戻すとすぐに析出したため、これらの評価は実施できなかった。
【0069】
【表1】

【0070】
表1の結果から明らかなように、本実施形態のイソシアネート変性エポキシ樹脂(実施例1〜3)は、室温における溶剤への溶解性に優れ、それを用いて得られた積層板は、燃焼性及び耐熱性に優れたものであった。実施例4の樹脂IVついては、YX4000と比較して溶剤溶解性が向上しており積層板を作成することが可能であったが、実施例1〜3と比較して燃焼性にやや劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のイソシアネート変性エポキシ樹脂は耐熱性を損なうことなく、室温における溶剤への溶解性が格段に向上しており、それを硬化して得られる硬化物は、塗料、電気電子用絶縁材料、接着剤等の幅広い用途への産業上利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造を有するイソシアネート変性エポキシ樹脂。
【化1】


(式中、R〜R及びR10〜R17は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基を示し、Rは置換基を有していてもよい2価以上の官能基を示す。)
【請求項2】
が、イソホロン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルメタン、ナフタレン、ポリメチレンポリフェニレンポリフェニル、ヘキサメチレンから選択される1種以上の骨格を含む、請求項1記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂。
【請求項3】
イソシアネート化合物とグリシジル化合物とを反応させて得られ、
前記イソシアネート化合物は多官能イソシアネートである、請求項1又は2記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂。
【請求項4】
イソシアネート化合物とグリシジル化合物とを反応させて得られ、
前記イソシアネート化合物のイソシアネート基と、前記グリシジル化合物のエポキシ基のモル数の比が0.05〜0.60である、請求項1〜3のいずれか1項記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂(A)と、
前記(A)以外のエポキシ樹脂(B)と、
硬化剤(C)と、
を含むエポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5記載のイソシアネート変性エポキシ樹脂組成物を溶媒中に均一に溶解又は分散させたエポキシ樹脂ワニス。
【請求項7】
請求項6記載のエポキシ樹脂ワニスを用いて得られるプリプレグ。
【請求項8】
請求項7記載のプリプレグを用いて得られる積層板。

【公開番号】特開2010−144053(P2010−144053A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322902(P2008−322902)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】