説明

エッジ位置検出装置、パターン測定装置、エッジ位置検出方法およびパターン測定方法

【課題】パターン要素のエッジ位置を再現性よく求める。
【解決手段】パターン測定装置では、対象物上のパターン要素を示す画像において当該パターン要素の一のエッジに交差するx方向における輝度プロファイルが取得される。続いて、輝度プロファイルにおいてエッジを示す傾斜部に含まれる複数の画素位置のうち、x方向に連続するとともに当該複数の画素位置よりも少ない画素位置を対象位置群として、複数通りの対象位置群71,72を決定し、各対象位置群71,72に含まれる画素位置における輝度プロファイルの輝度から高次の近似式が求められる。そして、複数通りの対象位置群71,72にそれぞれ対応する複数の近似式において、所定のエッジ輝度T0となる傾斜部内の位置を複数のエッジ候補位置として取得し、複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置が求められる。これにより、パターン要素のエッジ位置を再現性よく求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物上のパターン要素を示す画像において当該パターン要素の所定の測定パラメータの値を取得する技術に関し、特に、当該パターン要素のエッジ位置を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象物上の線状のパターン要素を示す画像において当該パターン要素の幅(すなわち、線幅)等を測定することが行われている。このような測定では、パターン要素のエッジ位置を精度よく検出することが重要となり、例えば、特許文献1では、エッジ位置の測定を画素の下位の精度で可能とする手法が提案されている。具体的には、モデル・強度プロファイルを準備し、モデル・強度プロファイル内にて所望のエッジ位置xが画素の下位の精度にて定義される。続いて、測定すべきエッジのカメラ画像が取得され、エッジの横断面の1次元の測定・強度プロファイルが画像信号から決定される。そして、測定・強度プロファイル内におけるモデル・強度プロファイルの基準点に対する位置xが識別され、測定すべきエッジの基準点に対する位置が(x+x)により画素の下位の精度で決定される。このような処理を行うことで、プロセス側から要求される、例えば20nmという厳しい線幅精度に見合う測定性能を実現しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−116007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の手法では、測定・強度プロファイルがモデル・強度プロファイルと大幅に相違するパターン要素が測定対象とされると、新たなモデル・強度プロファイルを準備する必要が生じてしまう。そこで、パターン要素のエッジに交差する方向における輝度プロファイルにおいて、エッジを示す傾斜部に含まれる所定数の画素位置における輝度から近似式を求め、当該近似式において所定のエッジ輝度となる傾斜部内の位置をエッジ位置として取得することが考えられる。本手法では、モデル・強度プロファイルを予め準備する必要がないため、様々なパターン要素の測定に容易に対応することができ、エッジ位置を高分解能にて取得することが可能である。しかしながら、算出に用いられる画素位置の範囲によって近似式が相違するため、この近似式を基に算出しているエッジ位置を再現性よく求めることが困難となり、要求される測定性能を満たすことが困難となる。
【0005】
一方、エッジ位置の検出に用いられるエッジ輝度は、輝度プロファイルにおいて、パターン要素に対応する部位の輝度(以下、単に「パターン要素の輝度」という。)と、背景に対応する平坦な部位の輝度との間の、例えば中央の値とされる。しかしながら、パターン要素の幅等によっては、実際の輝度プロファイルにおいてパターン要素に対応する部位にて、輝度が一定にならないことがあり、この場合、パターン要素の輝度を再現性よく求めることは容易ではない。パターン要素の輝度の測定再現性が低下すると、エッジ輝度が変動してエッジ位置の測定の再現性も低下してしまう。また、パターン要素の輝度は、エッジ位置以外の他の測定パラメータの値の取得に用いられることもあり、この場合、当該測定パラメータの値を再現性よく求めることができない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、パターン要素の測定パラメータの値を再現性よく求めることを目的とし、特に、パターン要素のエッジ位置を再現性よく求めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素のエッジ位置を検出するエッジ位置検出装置であって、対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の一のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記輝度プロファイルにおいて前記エッジを示す傾斜部に含まれる複数の画素位置のうち、前記交差する方向に連続するとともに前記複数の画素位置よりも少ない画素位置を対象位置群として、複数通りの対象位置群を決定し、各対象位置群に含まれる画素位置における前記輝度プロファイルの輝度から高次の近似式を求める近似式取得部と、前記複数通りの対象位置群にそれぞれ対応する複数の近似式において、所定のエッジ輝度となる前記傾斜部内の位置を複数のエッジ候補位置として取得し、前記複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置を求めるエッジ位置取得部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエッジ位置検出装置であって、前記エッジ位置取得部が、前記各対象位置群に含まれる画素位置における前記輝度プロファイルの輝度の代表値と前記エッジ輝度との差が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、前記複数のエッジ候補位置の加重平均値を、前記最終的なエッジ位置として求める。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエッジ位置検出装置であって、前記複数通りの対象位置群が、前記輝度プロファイルにおける輝度の代表値が前記エッジ輝度に1ないしM番目(ただし、Mは2または3)に近いM個の対象位置群である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のエッジ位置検出装置であって、前記近似式取得部が、前記各対象位置群に含まれる両端の画素位置に対して、他の画素位置よりも値が小さい重みを用いつつ、前記近似式を求める。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のエッジ位置検出装置であって、前記パターン要素が線状であり、前記輝度プロファイルにおいて、前記交差する方向に関して前記パターン要素の両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲を設定するとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値を求める評価値算出部と、前記複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲を特定するとともに、前記N個の部分範囲における輝度の代表値を、前記パターン要素の輝度として求める輝度取得部とをさらに備え、前記パターン要素の輝度に基づいて前記エッジ輝度が決定される。
【0012】
請求項6に記載の発明は、対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の所定の測定パラメータの値を取得するパターン測定装置であって、対象物上の線状のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の両側のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記輝度プロファイルにおいて、前記交差する方向に関して前記両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲を設定するとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値を求める評価値算出部と、前記複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲を特定するとともに、前記N個の部分範囲における輝度の代表値を、前記パターン要素の輝度として求める輝度取得部と、前記パターン要素の輝度を用いて所定の測定パラメータの値を求めるパラメータ値取得部とを備える。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のパターン測定装置であって、前記輝度プロファイルにおいて、前記N個の部分範囲のそれぞれにおける輝度の代表値が部分範囲代表値として求められ、前記輝度取得部が、前記評価値が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、前記N個の部分範囲における前記部分範囲代表値の加重平均値を、前記パターン要素の輝度として求める。
【0014】
請求項8に記載の発明は、対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素のエッジ位置を検出するエッジ位置検出方法であって、a)対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の一のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得する工程と、b)前記輝度プロファイルにおいて前記エッジを示す傾斜部に含まれる複数の画素位置のうち、前記交差する方向に連続するとともに前記複数の画素位置よりも少ない画素位置を対象位置群として、複数通りの対象位置群を決定する工程と、c)各対象位置群に含まれる画素位置における前記輝度プロファイルの輝度から高次の近似式を求める工程と、d)前記複数通りの対象位置群にそれぞれ対応する複数の近似式において、所定のエッジ輝度となる前記傾斜部内の位置を複数のエッジ候補位置として取得する工程と、e)前記複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置を求める工程とを備える。
【0015】
請求項9に記載の発明は、対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の所定の測定パラメータの値を取得するパターン測定方法であって、a)対象物上の線状のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の両側のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得する工程と、b)前記輝度プロファイルにおいて、前記交差する方向に関して前記両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲を設定するとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値を求める工程と、c)前記複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲を特定する工程と、d)前記N個の部分範囲における輝度の代表値を、前記パターン要素の輝度として求める工程と、e)前記パターン要素の輝度を用いて所定の測定パラメータの値を求める工程とを備える。
【発明の効果】
【0016】
請求項1ないし5、並びに、請求項8の発明では、パターン要素のエッジ位置を再現性よく求めることができる。
【0017】
請求項6、7および9の発明では、パターン要素の輝度を再現性よく求めることができ、その結果、測定パラメータの値を再現性よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係るパターン測定装置を示す斜視図である。
【図2】ヘッドの内部構成を示す斜視図である。
【図3】コンピュータが実現する機能構成を示すブロック図である。
【図4】パターン要素の線幅を測定する処理の流れを示す図である。
【図5】パターン要素の画像を示す図である。
【図6】複数の画素列における輝度の分布を示す図である。
【図7】輝度プロファイルを示す図である。
【図8】傾斜部近傍における輝度プロファイルを示す図である。
【図9】近似式を求める好ましい手法を説明するための図である。
【図10】近似式が示す線を示す図である。
【図11】パターン要素を繰り返し測定した際の線幅の測定値の変化を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係る機能構成の一部を示すブロック図である。
【図13】パターン要素の線幅を測定する処理の流れの一部を示す図である。
【図14】パターン要素の画像を示す図である。
【図15】輝度プロファイルを示す図である。
【図16】輝度プロファイルの一部を拡大して示す図である。
【図17】他のパターン要素の画像を示す図である。
【図18】輝度プロファイルを示す図である。
【図19】輝度プロファイルの一部を拡大して示す図である。
【図20】さらに他のパターン要素の画像を示す図である。
【図21】輝度プロファイルを示す図である。
【図22】輝度プロファイルの一部を拡大して示す図である。
【図23】パターン要素を繰り返し測定した際の線幅の測定値の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るパターン測定装置1を示す斜視図である。パターン測定装置1は、半導体基板やガラス基板等(以下、単に「基板」という)に形成されたパターンにおいて線状のパターン要素の幅(すなわち、線幅)を測定する自動測長機である。
【0020】
パターン測定装置1は、基板9を保持するテーブル21、基板9の主面(図1中の(+Z)側の主面)を撮像するヘッド3、ヘッド3を保持するヘッド保持部4、および、ヘッド保持部4を図1中のY方向に移動する保持部移動機構22を備える。テーブル21および保持部移動機構22は基台2上に設けられる。ヘッド保持部4は基板9を跨ぐ門形状であり、両脚部が保持部移動機構22の2つの移動体221にそれぞれ固定される。ヘッド保持部4は、ヘッド3を図1中のX方向に移動するヘッド移動機構41を有する。パターン測定装置1には、さらに、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成されたコンピュータ5が設けられ、コンピュータ5がパターン測定装置1の全体制御を担う。
【0021】
図2は、ヘッド3の内部構成を示す斜視図である。図2では、ヘッド3の一部の構成要素を収容するカバー部39を破線にて示している。ヘッド3は、第1および第2撮像部31,32、並びに、図示省略の光源からの光を基板9の主面上へと導くとともに、基板9からの反射光を第1および第2撮像部31,32へと導く光学系33を備える。
【0022】
詳細には、光源からの照明光はライトガイド341の一端から光学系33のレンズ331に向けて出射される。レンズ331を通過した照明光は、プリズムミラー332およびビームスプリッタ333を介して対物レンズ334へと導かれ、基板9の主面上に照射される。対物レンズ334には、基板9の主面からの光(照明光の反射光)が入射し、ビームスプリッタ333およびレンズ335を介してビームスプリッタ336に導かれる。ビームスプリッタ336を透過した光はレンズ339を介して第1撮像部31に導かれ、ビームスプリッタ336にて反射した光は、プリズムミラー337およびレンズ338を介して第2撮像部32へと導かれる。ヘッド3では、第2撮像部32にて低倍率の画像が取得され、第1撮像部31にて測定用の高倍率の画像が取得される。
【0023】
図3は、コンピュータ5が所定のプログラムを実行することにより実現される機能構成を示すブロック図である。図3の演算部50のプロファイル取得部51、エッジ輝度算出部52、近似式取得部53、エッジ位置取得部54および線幅算出部55がコンピュータ5により実現される機能である。なお、演算部50の機能は専用の電気的回路により実現されてもよく、部分的に専用の電気的回路が用いられてもよい。
【0024】
図4は、パターン測定装置1がパターン要素の線幅を測定する処理の流れを示す図である。図1のパターン測定装置1では、ヘッド3を基板9に対してX方向およびY方向に相対的に移動しつつ、図2の第2撮像部32にて低倍率にて撮像を行って基板9上の測定対象の領域が探索される。測定対象の領域が検出されると、当該領域に含まれる線状のパターン要素を示す画像が第1撮像部31により取得される(ステップS11)。当該画像のデータは図3のプロファイル取得部51へと出力される。
【0025】
図5は、第1撮像部31により取得されたパターン要素の画像を示す図である。図5の画像は、図1中のX方向およびY方向にそれぞれ対応する図5中のx方向およびy方向に多数の画素が配列されたものであり、x方向およびy方向は互いに垂直である。図5に示す画像では、パターン要素を示す黒い領域がy方向に平行な線状であり、x方向はパターン要素のエッジに交差する方向(図5では、垂直に交差する方向)である。本実施の形態では、画像中の1つの画素は基板9上の30〜400ナノメートル(nm)角の領域に対応する。
【0026】
プロファイル取得部51では、図5の画像中にて符号D1を付す白い矩形にて囲む領域が注目領域として特定される(または、作業者がコンピュータ5の入力部を介して注目領域を特定する。)。注目領域D1の外縁を示す矩形の各辺はx方向またはy方向に平行である。図6では、注目領域D1内にてx方向に並ぶ複数の画素を画素列として、y方向に並ぶ複数の画素列のそれぞれにおいて、画素の輝度(画素値)のx方向における分布を示している。続いて、注目領域D1内のx方向の各画素の位置(以下、「画素位置」という。)において、y方向に並ぶ複数の画素における輝度の平均値(単純平均値)が算出され、図7に示すように、注目領域D1内における輝度の平均値のx方向の分布が輝度プロファイルとして取得される(ステップS12)。以下の説明では、y方向に並ぶ複数の画素における輝度の平均値も同様に「輝度」と呼ぶ。
【0027】
エッジ輝度算出部52では、図7の輝度プロファイルにおいて、互いに隣接する画素位置にて輝度の変化量が所定値以下となる平坦部(図7では、符号61,62,63を付す矢印にて平坦部のx方向の範囲を示す。)、および、輝度の変化量が所定値よりも大きくなる傾斜部(図7では、符号64,65を付す矢印にて傾斜部のx方向の範囲を示す。)が特定される。平坦部62はパターン要素を示し、平坦部61,63は背景を示し、傾斜部64,65はパターン要素のエッジを示す。
【0028】
続いて、パターン要素を示す平坦部62における輝度の平均値(単純平均値)がパターン要素の基準輝度として求められ、各傾斜部64,65に隣接する平坦部61,63における輝度の平均値が、当該傾斜部64,65の背景の基準輝度として求められる。そして、各傾斜部64,65に対して、パターン要素の基準輝度と背景の基準輝度との間の中央の輝度が、代表的なエッジの輝度であるエッジ輝度として決定される(ステップS13)。パターン要素の基準輝度を0%、背景の基準輝度を100%として、エッジ輝度は50%の値である。図7では、右側の傾斜部65に対するエッジ輝度を符号T0を付して示している。なお、エッジ輝度は50%以外のパーセントに設定されてもよい。また、パターン要素の基準輝度は、平坦部62における輝度の中央値や最頻値であってもよく、平坦部62における一部の輝度に基づいて求められてもよい(背景の基準輝度において同様)。
【0029】
各傾斜部64,65に対してエッジ輝度が求められると、近似式取得部53では、当該傾斜部64,65において輝度が10%以上90%以下の範囲(以下、「注目範囲」という。)内となる複数の画素位置が特定される。以下の説明では、図7の輝度プロファイルにおいて、一方のエッジを示す右側の傾斜部65のみに着目するが、他方のエッジを示す左側の傾斜部64に対しても同様の処理が行われる。
【0030】
図8は、傾斜部65近傍における輝度プロファイルを示す図である。近似式取得部53では、当該傾斜部において輝度が注目範囲651に含まれる複数の画素位置(図8の例では9個の画素位置)のうち、輝度がエッジ輝度T0に1番目に近い画素位置711、および、輝度がエッジ輝度T0に2番目に近い画素位置721が、代表画素位置として特定される。そして、代表画素位置711を中央としてx方向に連続する7個の画素位置が第1対象位置群として決定され、代表画素位置721を中央としてx方向に連続する7個の画素位置が第2対象位置群として決定される(ステップS14)。図8では、符号71を付す矢印にて第1対象位置群に含まれる画素位置の範囲を示し、符号72を付す矢印にて第2対象位置群に含まれる画素位置の範囲を示している。
【0031】
第1および第2対象位置群71,72が決定されると、各対象位置群71,72に含まれる画素位置のx方向の座標値、および、当該画素位置における輝度プロファイルの輝度を用いて高次の近似式が求められる(ステップS15)。本実施の形態では、数1に示す4次の近似式が求められる。数1において、βは輝度であり、C0、C1、C2、C3、C4は係数であり、αはx方向の位置を示すパラメータである。
【0032】
【数1】

【0033】
数1の近似式を求める一の手法では、最小自乗近似が用いられる。具体的には、数2の連立方程式を解くことにより数1の高次の近似式における係数C0、C1、C2、C3、C4が求められる。数2において、αは番号iの画素位置のx方向の座標値であり、βは番号iの画素位置における輝度プロファイルの輝度であり、Σは各対象位置群71,72に含まれる7個の画素位置に対して求められる値の和を示す。本実施の形態では各対象位置群71,72に含まれる7個の画素位置のx方向の座標値を、当該対象位置群71,72の代表画素位置との相対位置(すなわち、−3、−2、−1、0、1、2、3)にて示して、演算を行っている。
【0034】
【数2】

【0035】
次に、数1の近似式を求める好ましい手法について述べる。図9は近似式を求める好ましい手法を説明するための図である。図9の左側は、一の対象位置群に含まれる7個の画素位置における輝度プロファイルの輝度を示し、図9の右側は、各画素位置における重みを示す。図9の左側では、縦軸がx方向の位置を示し、横軸が輝度を示し、図9の右側では、縦軸がx方向の位置を示し、横軸が重みを示す。
【0036】
本手法では、図9に示すように、対象位置群に含まれる両端の画素位置に対して値1の重みが付与され、他の画素位置に対して値2の重みが付与される。そして、数2の左辺における5行5列のマトリクスにおいて、例えば、最上段かつ最も右側の要素の値Σαを求める際には、重みが2の画素位置については値αが2度加算され(すなわち、値αが2倍されて加算され)、重みが1の画素位置については値αが1度のみ加算される(すなわち、値αがそのまま加算される。)。当該マトリクスの他の要素の値、および、数2の右辺における5行1列のマトリクスの各要素の値を求める際も同様である。このように、本手法では、各対象位置群71,72に含まれる両端の画素位置に対して、他の画素位置よりも値が小さい重み(重み係数)を用いつつ、数1に示す4次の近似式が求められる。本手法が好ましい理由については後述する。
【0037】
なお、4次の近似式を求める際には、各対象位置群に含まれる画素位置の個数は6以上であることが好ましい。また、第1撮像部31にて取得される画像の解像度が低く、輝度が注目範囲に含まれる画素位置の個数が少ない場合等には、2次または3次の近似式が求められてもよい。数3は3次の近似式を示し、数3の近似式における係数C0、C1、C2、C3は、数4の連立方程式を解くことにより求められる。
【0038】
【数3】

【0039】
【数4】

【0040】
輝度が注目範囲に含まれる画素位置の個数が十分である場合等には、5次以上の近似式が求められてもよい。すなわち、近似式取得部53では、2次以上の高次の近似式(非線形の近似式)が求められる。
【0041】
図10は、第1および第2対象位置群71,72に対応する2つの近似式が示す2つの線81,82を示す図である。図10では、輝度がエッジ輝度T0に1および2番目に近い代表画素位置711,721近傍のみを示している。エッジ位置取得部54では、各近似式において輝度がエッジ輝度T0となる傾斜部内の位置が、エッジ候補位置として取得される(ステップS16)。図10の例では、第1対象位置群71に対応する近似式に対して符号811を付すx方向の位置がエッジ候補位置として決定され、第2対象位置群72に対応する近似式に対して符号821を付すx方向の位置がエッジ候補位置として決定される。図10では、各エッジ候補位置811,821は隣接する2つの代表画素位置711,721の間に位置し、画素位置よりも細かい単位にて(いわゆるサブピクセル単位にて)その座標値が決定される。
【0042】
複数のエッジ候補位置811,821が取得されると、各対象位置群71,72の代表画素位置711,721における輝度プロファイルの輝度とエッジ輝度T0との差が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、複数のエッジ候補位置811,821の加重平均値が、最終的なエッジ位置として求められる(ステップS17)。具体的には、エッジ輝度をT0とし、第1および第2対象位置群71,72の代表画素位置711,721における輝度プロファイルの輝度をB1およびB2とし、第1および第2対象位置群71,72に対応するエッジ候補位置811,821のx方向の座標値をA1およびA2として、最終的なエッジ位置のx方向の座標値A0が数5により求められる。
【0043】
【数5】

【0044】
既述のように、近似式取得部53およびエッジ位置取得部54では、図7の輝度プロファイルにおいて左側の傾斜部64に対しても、右側の傾斜部65と同様の処理が行われ、対応するエッジに関する最終的なエッジ位置が求められる。以上の左側および右側の傾斜部64,65に対する処理は順次または並行して行われる。
【0045】
線幅算出部55では、線状のパターン要素の双方のエッジに関する最終的なエッジ位置の差が、当該パターン要素の線幅の測定値として取得される(ステップS18)。なお、数5において座標値A1および座標値A2に乗じられる値は、仮に1つの対象位置群のみを当該対象位置群の代表画素位置における輝度とエッジ輝度との差に応じて確率的に選択する場合に、第1対象位置群71および第2対象位置群72がそれぞれ選択される確率と捉えることができる。
【0046】
以上の処理では、中央の画素位置の輝度がエッジ輝度T0に1および2番目に近い2つの対象位置群71,72が選択されるが、輝度プロファイルにおける輝度の単純平均値、加重平均値または中央値がエッジ輝度T0に1および2番目に近い対象位置群が選択されてもよい。すなわち、対象位置群の決定は、各対象位置群における輝度範囲の中央近傍を示す代表値に基づいて行われる。
【0047】
また、上記処理では、近似式取得部53にて、同数の画素位置を含む2通りの対象位置群71,72が決定されるが、輝度がエッジ輝度T0に3番目に近い代表画素位置がさらに特定され、当該代表画素位置を中央としてx方向に連続する7個の画素位置が第3対象位置群として決定されてもよい。3通りの対象位置群が決定される場合には、3個の近似式が求められ、3個のエッジ候補位置から最終的なエッジ位置が求められる。
【0048】
このように、パターン測定装置1では、輝度プロファイルにおける輝度の代表値がエッジ輝度T0に1ないしM番目(ただし、Mは2または3)に近いM個の対象位置群が決定されて、M個の近似式が求められ、M個のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置が求められる(後述の第2の実施の形態において同様)。なお、対象位置群の個数に応じて数5は適宜修正される。
【0049】
次に、パターン要素の線幅を測定する比較例の処理について述べる。比較例の処理では、上記処理と同様にして輝度プロファイルおよびエッジ輝度が取得されるが、各傾斜部に対して近似式を取得する際に、輝度がエッジ輝度T0に1番目に近い代表画素位置711のみが特定される。したがって、上記の第1対象位置群71に対応する近似式のみが取得され、当該近似式において輝度がエッジ輝度T0となる位置が、エッジ位置として取得される。そして、線状のパターン要素の双方のエッジに関するエッジ位置の差が、当該パターン要素の線幅の測定値として取得される。
【0050】
ここで、パターン要素の各エッジに対して、仮に理想的なエッジ位置を想定すると、x方向に関して代表画素位置が理想的なエッジ位置に一致する場合には、比較例の処理において求められるエッジ位置が理想的なエッジ位置にほぼ一致する。しかしながら、代表画素位置が理想的なエッジ位置から離れると、その離間距離に従って、比較例の処理において求められるエッジ位置と理想的なエッジ位置との差が大きくなってしまう。実際の測定では、パターン測定装置の周囲の温度変化や振動、あるいはノイズ等の影響により、取得される画像中におけるパターン要素の位置が測定毎に僅かに変動したり、基準輝度に基づくエッジ輝度が変動する。したがって、比較例の処理では、代表画素位置と理想的なエッジ位置との距離が測定毎に相違するため、求められるエッジ位置がばらついてしまう。
【0051】
図11は、基板9上の同一のパターン要素を繰り返し測定した際の線幅の測定値の変化を示す図であり、縦軸は線幅の測定値を示し、横軸は測定番号を示す。図11では、図4の処理にて取得される測定値の変化を符号L1を付す実線にて示し、比較例の処理にて取得される測定値の変化を符号L2を付す破線にて示している。図11に示すように、各傾斜部に対して1つの近似式のみを取得する比較例の処理では、複数の近似式を取得する図4の処理に比べて、複数回の測定における測定値が大きく変動してしまう。図11の例では、比較例の処理にて取得される測定値は、3通りに大別された値となる。このような測定値の変動は、例えば、平面表示装置のパネルの作製に用いられるマスクや、当該パネル用の基板に対するパターンの測定では、許容範囲を超えてしまう。
【0052】
また、1つのパターン要素の線幅を測定する際に、比較例の処理を多数回繰り返して多数の測定値を取得し、これらの測定値の平均値を線幅の最終的な測定値とすることにより、線幅の測定値を再現性よく取得することが考えられる。しかしながら、この場合、線幅の測定に長時間を要してしまう。
【0053】
これに対し、図1のパターン測定装置1では、輝度プロファイルにおいてエッジを示す傾斜部に含まれる複数の画素位置のうち、x方向に連続するとともに当該複数の画素位置よりも少ない画素位置を対象位置群として、複数通りの対象位置群を決定し、各対象位置群に含まれる画素位置における輝度プロファイルの輝度から高次の近似式が求められる。そして、複数通りの対象位置群にそれぞれ対応する複数の近似式において、所定のエッジ輝度となる傾斜部内の位置を複数のエッジ候補位置として取得し、複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置が求められる。これにより、パターン要素のエッジ位置を再現性よく(すなわち、安定して)求めることができる。その結果、図11に示すように再現性のよい線幅の測定値を、短時間にて(すなわち、多数回の測定による測定値の平均値を求めることなく、1回の測定にて)取得することが可能となる。
【0054】
ところで、パターン測定装置1により取得される線幅の測定値では、走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)等のさらに高分解能の測定装置による測定値に対してオフセットが生じることがある。この場合でも、パターン測定装置1では、既述のように線幅を再現性よく取得することができ、高分解能の測定装置による測定値との差もおよそ一定となるため、パターン測定装置1は、高分解能の測定装置の代替の装置として利用可能である。
【0055】
パターン測定装置1では、各対象位置群に含まれる画素位置における輝度プロファイルの輝度の代表値とエッジ輝度との差が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、複数のエッジ候補位置の加重平均値が、最終的なエッジ位置として求められる。これにより、各エッジ候補位置の算出に用いられる近似式の信頼性を考慮しつつ、パターン要素のエッジ位置をより再現性よく求めることができる。
【0056】
既述のように、代表画素位置が理想的なエッジ位置から離れるに従って、当該代表画素位置を中央とする対象位置群から求められるエッジ候補位置が当該理想的なエッジ位置から離れてしまうため、近似式取得部53では、輝度プロファイルにおける輝度の代表値がエッジ輝度に1ないしM番目(ただし、Mは2または3)に近いM個(すなわち、2または3個)の対象位置群が特定されることが好ましい。これにより、パターン要素のエッジ位置をより再現性よく求めることができる。
【0057】
また、パターン測定装置1では、各対象位置群に含まれる両端の画素位置に対して、他の画素位置よりも値が小さい重みを用いつつ近似式が求められる。これにより、対象位置群間にて共通する(または、その可能性が高い)画素位置が近似式に対して及ぼす影響が、対象位置群間にて共通しない場合がある、端の画素位置が及ぼす影響よりも高くなり(すなわち、輝度がエッジ輝度に比較的近い画素位置に係るデータが優先され)、M個の近似式の相違を小さくすることができる。これにより、エッジ位置をより再現性よく求めることができる。なお、各対象位置群において、両端の画素位置以外の画素位置に対する重みは必ずしも一定である必要はなく、例えば、代表画素位置に重み3が付与されてもよい。
【0058】
図12は、本発明の第2の実施の形態に係るパターン測定装置1のコンピュータ5により実現される機能構成の一部を示すブロック図であり、エッジ輝度算出部52aにおける評価値算出部521および輝度取得部522を示す図である。第2の実施の形態では、エッジ輝度算出部52aにおける処理内容のみが第1の実施の形態と相違する。他の構成は同様であり、同符号を付している。
【0059】
図13は、パターン要素の線幅を測定する処理の流れの一部を示す図であり、図4中のステップS13にて行われる処理を示している。本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様に、測定対象の領域に含まれる線状のパターン要素を示す画像が、図14に示すように取得される(図4:ステップS11)。図14の画像では、パターン要素を示す白い領域がy方向に長い矩形(太い線状と捉えることができる。)である。また、図14の画像においてパターン要素の両側のエッジ(図14中の左右のエッジ)に交差する方向における輝度プロファイルが、図15に示すようにプロファイル取得部51にて取得される(ステップS12)。
【0060】
エッジ輝度算出部52aでは、上記第1の実施の形態と同様にして、輝度プロファイルにおいて互いに隣接する画素位置における輝度の変化量を求めることにより、パターン要素を示す平坦部、背景を示す平坦部、および、パターン要素のエッジを示す傾斜部が特定される。図15の輝度プロファイルでは、パターン要素を示す平坦部とエッジを示す傾斜部との境界近傍にて、輝度が局所的に高くなるオーバーシュートが生じている。
【0061】
図16は、図15の輝度プロファイルの一部を拡大して示す図であり、パターン要素を示す平坦部とエッジを示す傾斜部との境界近傍を示している。評価値算出部521では、傾斜部において変化量が最大となる画素位置(図16では、符号731を付して当該画素位置を示す。)を始点として、x方向に関して所定幅の部分範囲(図16中にて符号Rを付す実線の矢印にて示す範囲)が設定され、当該部分範囲Rに含まれる複数の画素位置における輝度のばらつきを示す評価値および当該輝度の平均値(単純平均値)が求められる。ここで、評価値としては、分散や標準偏差(平均値を基準とした二乗平均平方根(Root Mean Square(RMS))と捉えることもできる。)、あるいは、最大値と最小値との差(いわゆる、レンジ)等が用いられる。部分範囲Rは、他方の傾斜部に向かって、その幅の距離だけ順次x方向に沿って移動しつつ、各位置における輝度の評価値および輝度の平均値が求められる。
【0062】
評価値算出部521では、部分範囲Rの移動範囲が、始点である画素位置731から所定の距離Vの範囲内に制限されており、図16の輝度プロファイルでは、部分範囲Rは他方の傾斜部(すなわち、図15の右側の傾斜部)までは移動しない。評価値算出部521では、右側の傾斜部においても同様に、変化量が最大となる画素位置から所定の距離Vの範囲内にて、部分範囲Rを左側の傾斜部に向かって順次移動しつつ、部分範囲Rに含まれる複数の画素位置の輝度の評価値および輝度の平均値が求められる(ステップS131)。
【0063】
上記処理は、輝度プロファイルにおいて、x方向に関してパターン要素の両側のエッジ間に対応する範囲内にて複数の部分範囲(図16中にて符号Rを付す実線および破線の矢印にて示す範囲)を設定するとともに、各部分範囲Rに含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値、および、輝度の平均値を求める処理であるといえる。以下、輝度プロファイルにおいて、複数の部分範囲Rが設定されるものとして説明を行う。なお、互いに隣接する部分範囲Rの一部が重なっていてもよい。
【0064】
本実施の形態では、輝度プロファイルにおいて、各部分範囲Rに含まれる画素位置における輝度の単純平均値が求められるが、各部分範囲Rに含まれる画素位置における輝度の加重平均値(例えば、部分範囲の端近傍の画素位置に対する重み係数を低くした加重平均値)、中央値または最頻値等が求められてもよい。すなわち、各部分範囲Rに対して、当該部分範囲Rにおける輝度範囲の中央近傍を示す代表値が、上記評価値と共に求められる。以下の説明では、各部分範囲Rにおける代表値(本実施の形態では、平均値)を「部分範囲代表値」という。
【0065】
続いて、輝度取得部522では、各傾斜部に対して設定される複数の部分範囲R(すなわち、当該傾斜部の始点から複数の位置に順次配置された際の部分範囲R)のうち評価値が1ないし3番目に小さい3個の部分範囲(以下、「特定部分範囲」という。)が特定される(ステップS132)。図16の例では、3個の特定部分範囲に符号R1,R2,R3を付している。
【0066】
各傾斜部に対して特定部分範囲R1〜R3が決定されると、評価値が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、3個の特定部分範囲R1〜R3における部分範囲代表値の加重平均値が、当該傾斜部に対するパターン要素の基準輝度として求められる(ステップS133)。具体的には、特定部分範囲R1〜R3の評価値をE1、E2、E3とし、部分範囲代表値をP1、P2、P3として、パターン要素の基準輝度B0は、数6により求められる。
【0067】
【数6】

【0068】
数6にて求められる基準輝度B0は、特定部分範囲R1〜R3における輝度の代表値を示す。ここで、輝度プロファイルにおいて、パターン要素を示す平坦部が僅かに傾斜している場合等では、平坦部の全体における輝度の平均値を、各傾斜部に対するパターン要素の基準輝度とすることが好ましくないが、エッジ輝度算出部52aでは、部分範囲Rの設定範囲が、始点である画素位置から所定の距離Vの範囲内に制限されるため、各傾斜部近傍における平坦部の輝度のみを用いて当該傾斜部に対するパターン要素の基準輝度を適切に求めることができる。なお、要求される測定精度等によっては、2つの傾斜部に対して求められるパターン要素の基準輝度の平均値(単純平均値)が、後続の処理にて利用されるパターン要素の(最終的な)基準輝度とされてもよい。
【0069】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、図15の輝度プロファイルにおいて各傾斜部に隣接するとともに背景を示す平坦部における輝度の平均値が、背景の基準輝度として求められる(ステップS134)。そして、各傾斜部に対するパターン要素の基準輝度と背景の基準輝度との間の中央の輝度が、エッジ輝度として決定される(ステップS135)。なお、背景の基準輝度がパターン要素の基準輝度と同様の手法により求められてもよい。
【0070】
各傾斜部のエッジ輝度が求められると、図3の近似式取得部53では、輝度がエッジ輝度に1番目に近い代表画素位置を中央としてx方向に連続する7個の画素位置が第1対象位置群として決定され、輝度がエッジ輝度に2番目に近い代表画素位置を中央としてx方向に連続する7個の画素位置が第2対象位置群として決定される(図4:ステップS14)。続いて、各対象位置群に含まれる画素位置における輝度プロファイルの輝度を用いて高次の近似式が求められ(ステップS15)、各近似式において輝度がエッジ輝度となる位置が、エッジ候補位置として取得される(ステップS16)。そして、複数の近似式から求められる複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置が求められ(ステップS17)、パターン要素の双方のエッジに関する最終的なエッジ位置の差が、当該パターン要素の線幅の測定値として取得される(ステップS18)。
【0071】
ここで、測定対象のパターン要素の線幅が比較的狭く、図4の上記ステップS11の処理にて図17に示す画像が取得された場合、ステップS12の処理では、図18に示す輝度プロファイルが取得される。図18の輝度プロファイルにおいても、図15の輝度プロファイルと同様に、パターン要素を示す部位と、パターン要素のエッジを示す傾斜部との境界近傍にて、輝度が局所的に高くなるオーバーシュートが生じている。より詳細には、当該輝度プロファイルにおいてパターン要素を示す部位近傍を拡大した図19に示すように、パターン要素を示す部位では、互いに近接した2つの凸部の間に凹部が挟まれた形状となり、輝度変化が平坦となる部分はほとんど無くなっている。したがって、一方の傾斜部に対して設定される複数の部分範囲のうち評価値が1ないし3番目に小さい特定部分範囲R4,R5,R6は、凹部の底部および2つの凸部の頂部をそれぞれ含むものとなる(図13:ステップS131,132)。
【0072】
実際には、他方の傾斜部に対して決定される特定部分範囲は、当該一方の傾斜部に対して決定される特定部分範囲とおよそ重複する。また、各傾斜部に関して、他方の傾斜部を超えて部分範囲を設定することが禁止されるため、背景を示す平坦部に部分範囲が設定されることはない。このようにして、特定部分範囲が決定されると、上記と同様にして各傾斜部に対してパターン要素の基準輝度が求められる(ステップS133)。そして、背景の基準輝度が求められた後(ステップS134)、エッジ輝度が決定される(ステップS135)。
【0073】
また、測定対象のパターン要素の線幅がさらに狭く、図4の上記ステップS11の処理にて図20に示す画像が取得された場合、ステップS12の処理では、図21に示す輝度プロファイルが取得される。図21の輝度プロファイルでは、パターン要素を示す部位が、1つの凸部のみを示す形状となる。したがって、当該輝度プロファイルにおいてパターン要素を示す部位近傍を拡大した図22に示すように、一方の傾斜部に対して設定される複数の部分範囲のうち評価値が1番目に小さい特定部分範囲R7は、凸部の頂部を含むものとなる。
【0074】
輝度取得部522では、評価値が2番目および3番目に小さい特定部分範囲を決定する際に、最小の評価値(1番目に小さい評価値)の例えば2倍を超える評価値を示す部分範囲を、特定部分範囲として決定することが禁止される。よって、図22の例では、当該一方の傾斜部に対して1つの特定部分範囲のみが決定される(図13:ステップS131,132)。他方の傾斜部に対して決定される特定部分範囲は、当該一方の傾斜部に対して決定される特定部分範囲とおよそ重複する。パターン測定装置1では、各傾斜部に対して決定される1つの特定部分範囲の部分範囲代表値が、パターン要素の基準輝度とされる(ステップS133)。そして、背景の基準輝度が求められた後(ステップS134)、エッジ輝度が決定される(ステップS135)。
【0075】
以上のように、図12のエッジ輝度算出部52aでは、輝度プロファイルの形状が相違する線状のパターン要素に対して同じアルゴリズムの処理を適用して、パターン要素の基準輝度を決定することが可能となる。これにより、パターン要素の線幅に応じて演算方法を変えたり、測定条件を変更することなく、高精度な自動測定が実現される。
【0076】
ここで、パターン要素の基準輝度を求める比較例の処理について述べる。比較例の処理では、上記処理と同様にして、一方の傾斜部に対して複数の部分範囲を設定しつつ各部分範囲における評価値を求めた後、評価値が最小の部分範囲のみが特定部分範囲として決定される。そして、1つの特定部分範囲における輝度の平均値が、パターン要素の基準輝度とされる。
【0077】
このような比較例の処理では、パターン要素を示す部位にて2つの凸部の間に凹部が挟まれた形状となる図18の輝度プロファイルが取得された場合に、凹部の底部および2つの凸部の頂部のいずれを含む部分範囲が特定部分範囲として決定されるかが不明となり、特定部分範囲として決定される部位に依存してパターン要素の基準輝度が大きく相違してしまう。したがって、比較例の処理では、エッジ輝度が測定毎に変動してしまい、パターン要素の線幅の測定値も同様に変動してしまう。
【0078】
図23は、図17に示すパターン要素を繰り返し測定した際の線幅の測定値の変化を示す図であり、縦軸は線幅の測定値を示し、横軸は測定番号を示す。図23では、図4および図13の処理により取得される測定値の変化を符号L3を付す実線にて示し、比較例の処理にて取得される測定値の変化を符号L4を付す破線にて示している。図23に示すように、比較例の処理では、およそ10nmほどの範囲で測定値がばらつくが、図4および図13の処理では、比較例の処理に比べて測定値の変動が小さく、安定した測定値が得られる。
【0079】
パターン測定装置1における上記処理では、3個の特定部分範囲が決定されるが、評価値が1および2番目に小さい2個の特定部分範囲のみを決定する場合であっても、1つの特定部分範囲のみを決定する比較例の処理に比べて、測定値の変動を抑制することが可能である。また、設定される複数の部分範囲のうち、当該部分範囲の個数未満、かつ、4個以上の特定部分範囲が決定され、これらの特定部分範囲における輝度の代表値が、パターン要素の輝度として求められてもよい。
【0080】
以上に説明したように、パターン測定装置1では、輝度プロファイルにおいて、パターン要素の両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲が設定されるとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値が求められる。そして、複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲が特定されるとともに、N個の部分範囲における輝度の代表値が、パターン要素の輝度として求められる。これにより、図18のような輝度プロファイルが取得される場合でも、パターン要素の輝度を再現性よく求めることができる。
【0081】
また、輝度プロファイルにおいて、N個の部分範囲のそれぞれにおける輝度の代表値が部分範囲代表値として求められ、評価値が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、N個の部分範囲における部分範囲代表値の加重平均値が、パターン要素の輝度として求められる。これにより、ばらつきが小さい部分範囲がパターン要素の輝度に及ぼす影響を、ばらつきが大きい部分範囲に比べて大きくして、パターン要素の輝度をより再現性よく求めることができる。
【0082】
さらに、パターン測定装置1では、エッジ位置の検出に利用されるエッジ輝度が、パターン要素の輝度に基づいて決定されることにより、エッジ輝度を再現性よく求めることができ、その結果、最終的なエッジ位置および線幅の測定値を再現性よく求めることができる。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0084】
上記第1の実施の形態では、各対象位置群における輝度の代表値、および、当該対象位置群から求められるエッジ候補位置を用いる数5の演算により、最終的なエッジ位置が再現性よく求められるが、最終的なエッジ位置を求める際に用いられる式は数5に限定されない。パターン測定装置1において求められる測定再現性の精度によっては、例えば、複数のエッジ候補位置の単純平均値等、複数のエッジ候補位置の中央近傍を示す他の代表値が最終的なエッジ位置とされてもよい。
【0085】
上記第2の実施の形態では、特定部分範囲の評価値および部分範囲代表値を用いる数6の演算により、パターン要素の基準輝度が再現性よく求められるが、パターン要素の基準輝度を求める際に用いられる式は数6に限定されない。パターン測定装置1において求められる測定再現性の精度によっては、例えば、特定部分範囲の部分範囲代表値の単純平均値等、複数の部分範囲代表値の中央近傍を示す他の代表値がパターン要素の基準輝度とされてもよい。また、部分範囲代表値を算出することなく、複数の特定部分範囲に含まれる全ての画素位置の輝度の代表値が、パターン要素の基準輝度として求められてよい。さらに、図13のステップS131の処理にて、複数の部分範囲の評価値のみが求められ、特定部分範囲が決定された後に、各特定部分範囲の代表値が求められてもよい。
【0086】
上記実施の形態における近似式取得部53では、傾斜部の一部の画素位置(すなわち、輝度が注目範囲内の画素位置)から複数の対象位置群が決定されるが、複数の対象位置群は、傾斜部の全体に含まれる画素位置から決定されてもよい。また、対象位置群は必ずしもエッジ輝度に基づいて決定される必要はなく、例えば、傾斜部内の複数の画素位置において取り得る全ての対象位置群が決定され、これらの対象位置群のそれぞれに対応する近似式が求められてもよい。
【0087】
ここで、任意の1つの対象位置群のみを決定して近似式を求める場合、当該近似式から求められるエッジ位置が、当該対象位置群に依存して変動する(揺らぐ)ため、エッジ位置を再現性よく求めることが困難となる。これに対し、互いに相違する複数通りの対象位置群が決定されるパターン測定装置では、複数通りの対象位置群にそれぞれ対応する複数の近似式が取得され、複数の近似式から複数のエッジ候補位置が導かれる。そして、複数のエッジ候補位置を代表する位置(すなわち、複数のエッジ候補位置の座標値の単純平均値、加重平均値または中央値等にて示される位置)が、最終的なエッジ位置として取得されることにより、エッジ位置を再現性よく(すなわち、揺らぎを抑制しつつ)求めることが可能となる。
【0088】
プロファイル取得部51では、x方向に並ぶ複数の画素である1つの画素列における輝度の変化が輝度プロファイルとされてもよい。ただし、ノイズ等の影響を抑制するには、x方向の各画素位置において、y方向に並ぶ複数の画素の輝度の平均値や中央値、最頻値等の代表値が求められ、当該画素位置の輝度を当該代表値とする輝度プロファイルが求められることが好ましい。
【0089】
パターン測定装置1では、パターン要素のエッジ位置を検出することにより、当該パターン要素の位置等が取得されてもよい。また、上記実施の形態では、図3の演算部50により、パターン要素のエッジ位置を検出するエッジ位置検出装置が実現されるが、エッジ位置検出装置としての機能は、パターン測定装置以外にて用いられてもよい。
【0090】
上記第2の実施の形態では、パターン要素のエッジ位置(または、線幅)を測定パラメータとして、測定パラメータの値を求めるパラメータ値取得部が、近似式取得部53およびエッジ位置取得部54(並びに、線幅算出部55)により実現されるが、例えば、図11を参照して説明した比較例の処理や、一定の繰り返し精度を有する既存の線幅測定アルゴリズムにて測定を行う際に、図12の評価値算出部521および輝度取得部522により、パターン要素の輝度が取得され、エッジ位置および線幅が再現性よく測定されてよい。また、パターン測定装置では、パターン要素の輝度を用いて、他の測定パラメータの値が取得されてもよい。パターン要素の輝度を再現性よく求めることができるパターン測定装置では、所定の測定パラメータの値を再現性よく求めることができる。
【0091】
パターン測定装置1およびエッジ位置検出装置における処理の対象物は、パターン要素が形成された基板9以外に、パターン要素が形成されたフィルム状の基材等であってもよい。
【0092】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせられてよい。
【符号の説明】
【0093】
1 パターン測定装置
9 基板
50 演算部
51 プロファイル取得部
52,52a エッジ輝度算出部
53 近似式取得部
54 エッジ位置取得部
55 線幅算出部
64,65 傾斜部
71,72 対象位置群
521 評価値算出部
522 輝度取得部
711,721 画素位置
811,821 エッジ候補位置
R,R1〜R7 部分範囲
S12〜S18,S131〜S133 ステップ
T0 エッジ輝度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素のエッジ位置を検出するエッジ位置検出装置であって、
対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の一のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、
前記輝度プロファイルにおいて前記エッジを示す傾斜部に含まれる複数の画素位置のうち、前記交差する方向に連続するとともに前記複数の画素位置よりも少ない画素位置を対象位置群として、複数通りの対象位置群を決定し、各対象位置群に含まれる画素位置における前記輝度プロファイルの輝度から高次の近似式を求める近似式取得部と、
前記複数通りの対象位置群にそれぞれ対応する複数の近似式において、所定のエッジ輝度となる前記傾斜部内の位置を複数のエッジ候補位置として取得し、前記複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置を求めるエッジ位置取得部と、
を備えることを特徴とするエッジ位置検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエッジ位置検出装置であって、
前記エッジ位置取得部が、前記各対象位置群に含まれる画素位置における前記輝度プロファイルの輝度の代表値と前記エッジ輝度との差が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、前記複数のエッジ候補位置の加重平均値を、前記最終的なエッジ位置として求めることを特徴とするエッジ位置検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエッジ位置検出装置であって、
前記複数通りの対象位置群が、前記輝度プロファイルにおける輝度の代表値が前記エッジ輝度に1ないしM番目(ただし、Mは2または3)に近いM個の対象位置群であることを特徴とするエッジ位置検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエッジ位置検出装置であって、
前記近似式取得部が、前記各対象位置群に含まれる両端の画素位置に対して、他の画素位置よりも値が小さい重みを用いつつ、前記近似式を求めることを特徴とするエッジ位置検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のエッジ位置検出装置であって、
前記パターン要素が線状であり、前記輝度プロファイルにおいて、前記交差する方向に関して前記パターン要素の両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲を設定するとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値を求める評価値算出部と、
前記複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲を特定するとともに、前記N個の部分範囲における輝度の代表値を、前記パターン要素の輝度として求める輝度取得部と、
をさらに備え、
前記パターン要素の輝度に基づいて前記エッジ輝度が決定されることを特徴とするエッジ位置検出装置。
【請求項6】
対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の所定の測定パラメータの値を取得するパターン測定装置であって、
対象物上の線状のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の両側のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、
前記輝度プロファイルにおいて、前記交差する方向に関して前記両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲を設定するとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値を求める評価値算出部と、
前記複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲を特定するとともに、前記N個の部分範囲における輝度の代表値を、前記パターン要素の輝度として求める輝度取得部と、
前記パターン要素の輝度を用いて所定の測定パラメータの値を求めるパラメータ値取得部と、
を備えることを特徴とするパターン測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載のパターン測定装置であって、
前記輝度プロファイルにおいて、前記N個の部分範囲のそれぞれにおける輝度の代表値が部分範囲代表値として求められ、
前記輝度取得部が、前記評価値が小さいほど値が大きくなる重み係数を用いて、前記N個の部分範囲における前記部分範囲代表値の加重平均値を、前記パターン要素の輝度として求めることを特徴とするパターン測定装置。
【請求項8】
対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素のエッジ位置を検出するエッジ位置検出方法であって、
a)対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の一のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得する工程と、
b)前記輝度プロファイルにおいて前記エッジを示す傾斜部に含まれる複数の画素位置のうち、前記交差する方向に連続するとともに前記複数の画素位置よりも少ない画素位置を対象位置群として、複数通りの対象位置群を決定する工程と、
c)各対象位置群に含まれる画素位置における前記輝度プロファイルの輝度から高次の近似式を求める工程と、
d)前記複数通りの対象位置群にそれぞれ対応する複数の近似式において、所定のエッジ輝度となる前記傾斜部内の位置を複数のエッジ候補位置として取得する工程と、
e)前記複数のエッジ候補位置に基づいて最終的なエッジ位置を求める工程と、
を備えることを特徴とするエッジ位置検出方法。
【請求項9】
対象物上のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の所定の測定パラメータの値を取得するパターン測定方法であって、
a)対象物上の線状のパターン要素を示す画像において前記パターン要素の両側のエッジに交差する方向における輝度プロファイルを取得する工程と、
b)前記輝度プロファイルにおいて、前記交差する方向に関して前記両側のエッジ間に対応する範囲内にて所定幅の複数の部分範囲を設定するとともに、各部分範囲に含まれる画素位置における輝度のばらつきを示す評価値を求める工程と、
c)前記複数の部分範囲のうち評価値が1ないしN番目(ただし、Nは2以上の整数)に小さいN個の部分範囲を特定する工程と、
d)前記N個の部分範囲における輝度の代表値を、前記パターン要素の輝度として求める工程と、
e)前記パターン要素の輝度を用いて所定の測定パラメータの値を求める工程と、
を備えることを特徴とするパターン測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図5】
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【図14】
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【図17】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−73177(P2012−73177A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219615(P2010−219615)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】