説明

エンジン制御装置

【課題】不揮発性メモリの書き換え回数を少なくして、不揮発性メモリの書き換え回数が上限を超えないように抑制し、アイドル回転速度の維持を図る。
【解決手段】各センサ1〜6により得られる車両の運転状態に基づいて、所定のフィードバック制御条件が成立しているか否かを判断し、当該条件が成立しているときに、実回転速度と目標回転速度とを比較し、それに応じてフィードバック制御量を求め、バイパスエア量制御弁24を通過するバイパスエア量を制御するコントロールユニット10を備え、当該コントロールユニット10は、フィードバック制御量と不揮発性メモリ11に既に記憶されているフィードバック制御量との差の絶対値が所定値以上の場合にのみ、当該フィードバック制御量を不揮発性メモリ11に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はエンジン制御装置に関し、特に、二輪車のような小容量バッテリを用いる車両やバッテリを使用しない車両などのバックアップRAMを使用できない車両において、スロットル弁の全閉時の空気量変化が発生してもアイドル回転速度を維持させることができるエンジン制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アイドル運転時に、実回転速度と予め定めた目標回転速度とを比較し、比較結果に応じて、エンジンの吸気通路に設けられたスロットル弁を迂回するバイパスエア通路のバイパスエア量を調整するためのバイパスエア量制御弁をフィードバック制御して、アイドル回転速度を制御している。また、スロットル弁の全閉時の空気量が経年変化(大気中の塵またはカーボン等によりスロットル弁の全閉時の漏れ空気量が変化(詰まりによる変化))により変化する場合が想定されるが、スロットル弁の全閉時の空気量が変化した場合にも、上記のフィードバック制御量よりスロットル弁の全閉時の空気量変化を学習し、バックアップRAMに記憶する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3239200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二輪車のような小容量バッテリを用いる車両や、バッテリを使用しない車両などのバックアップRAMを使用できない車両があるため、そのような車両においては、上述したような従来の空気量変化の学習方法では、学習した空気量変化をバックアップRAMに記憶できないため、学習した空気量変化を不揮発性メモリに書き込む必要がある。ただし、不揮発性メモリには書き換え回数の上限があり、空気量変化を学習する度に記憶処理を行うと、不揮発性メモリの書き換え回数の上限を超える可能性がある。不揮発性メモリの書き換え回数が上限を超えると、学習した空気量変化が記憶できず、アイドル回転速度が制御できない(エンジンの実回転速度の吹き上がりや回転落ちを生じる恐れがある)という問題点があった。
【0005】
また、不揮発性メモリの書き換えの際は、マイコンの負担率(例えばCPUへの負担)が上昇するため、エンジンの実回転速度が高い場合にはその負荷も高くなり、制御に遅れが生じてエンジンの不調を生じる恐れがあるという問題点があった。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、不揮発性メモリの書き換え回数の上限を超えないように、学習した空気量変化(フィードバック制御量)を不揮発性メモリに記憶する際に制限を設けることにより、不揮発性メモリの書き換え回数を少なくして、不揮発性メモリの書き換え回数が上限を超えないように抑制し、アイドル回転速度の維持を図るためのエンジン制御装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、スロットル弁を迂回してエンジンの吸気通路に設けられたバイパスエア通路のバイパスエア量を調整するバイパスエア量制御弁と、前記エンジンの実回転速度を含む前記エンジンの運転状態を検出するセンサ手段と、前記センサ手段により得られた前記運転状態に応じて前記バイパスエア量制御弁に駆動信号を与え、前記バイパスエア量制御弁の開弁および閉弁を制御する制御手段と、前記センサ手段により得られる前記運転状態に基づいて、予め設定された所定のフィードバック制御条件が成立しているか否かを判断するフィードバック制御モード判断手段と、前記フィードバック制御条件が成立しているときに、前記実回転速度と予め設定された所定の目標回転速度とを比較し、当該比較結果に応じてフィードバック制御量を求めて、前記バイパスエア量制御弁を通過するバイパスエア量を制御するフィードバック制御量学習手段と、フィードバック制御量の初期値および前記フィードバック制御量学習手段により得られた前記フィードバック制御量を記憶するための不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに前記フィードバック制御量を記憶するか否かを判断する記憶判断手段とを備え、前記記憶判断手段は、前記フィードバック制御量学習手段により得られたフィードバック制御量と前記不揮発性メモリに既に記憶されている前記フィードバック制御量との差の絶対値を求め、当該差の絶対値が予め設定された所定値以上か否かの判断を行い、所定値以上の場合に、前記フィードバック制御量学習手段により得られたフィードバック制御量を前記不揮発性メモリに記憶するエンジン制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、スロットル弁を迂回してエンジンの吸気通路に設けられたバイパスエア通路のバイパスエア量を調整するバイパスエア量制御弁と、前記エンジンの実回転速度を含む前記エンジンの運転状態を検出するセンサ手段と、前記センサ手段により得られた前記運転状態に応じて前記バイパスエア量制御弁に駆動信号を与え、前記バイパスエア量制御弁の開弁および閉弁を制御する制御手段と、前記センサ手段により得られる前記運転状態に基づいて、予め設定された所定のフィードバック制御条件が成立しているか否かを判断するフィードバック制御モード判断手段と、前記フィードバック制御条件が成立しているときに、前記実回転速度と予め設定された所定の目標回転速度とを比較し、当該比較結果に応じてフィードバック制御量を求めて、前記バイパスエア量制御弁を通過するバイパスエア量を制御するフィードバック制御量学習手段と、フィードバック制御量の初期値および前記フィードバック制御量学習手段により得られた前記フィードバック制御量を記憶するための不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに前記フィードバック制御量を記憶するか否かを判断する記憶判断手段とを備え、前記記憶判断手段は、前記フィードバック制御量学習手段により得られたフィードバック制御量と前記不揮発性メモリに既に記憶されている前記フィードバック制御量との差の絶対値を求め、当該差の絶対値が予め設定された所定値以上か否かの判断を行い、所定値以上の場合に、前記フィードバック制御量学習手段により得られたフィードバック制御量を前記不揮発性メモリに記憶するエンジン制御装置であるので、不揮発性メモリの書き換え回数の上限を超えないように、学習した空気量変化(フィードバック制御量)を不揮発性メモリに記憶する際に制限を設けることにより、不揮発性メモリの書き換え回数を少なくして、不揮発性メモリの書き換え回数が上限を超えないように抑制し、アイドル回転速度の維持を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置について図1から図5までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置がエンジンに取り付けられた状態を示す構成図である。
【0010】
図1に示すように、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置には、エンジン制御装置の主要部を構成するコントロールユニット10が設けられている。コントロールユニット10は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェイスなどを有するマイクロコンピュータからなり、エンジン25の全体の動作を制御するためのプログラムやマップを格納している。また、コントロールユニット10には不揮発性メモリ11が内蔵されている。不揮発性メモリ11には、バイパスエア通路のバイパスエア量に対するフィードバック制御量Qfbの初期値Qeepが予め記憶されているとともに、学習によって得られたフィードバック制御量Qfb(更新値)が記憶される。
【0011】
また、エンジン25に吸入空気を導入する吸気通路22には、空気中の異物を取り除いてエンジン25への吸入空気を生成するエアクリーナ21と、吸入空気の温度を計測する吸気温度センサ1と、バイパスエア量制御弁24(スロットルアクチュエータ)により開閉駆動されるスロットル弁23と、スロットル弁23を迂回するように設けられたバイパスエア通路と、バイパスエア通路のバイパスエア量を調整するバイパスエア量制御弁24と、スロットル弁23の開度THを計測するスロットルポジションセンサ2と、スロットル弁23の下流の吸入空気圧力を計測する吸気圧力センサ3と、燃料タンク26に蓄えられた燃料をエンジン25に噴射する燃料噴射モジュール27とが設けられている。
【0012】
また、エンジン25には、エンジン25の壁面温度WT(以下、エンジン25の温度WTとする。)を計測するエンジン温度センサ4と、エンジン25の回転速度Neおよびエンジン25のクランク位置を計測してクランク位置に対応したクランク角信号(パルス)を出力するクランク角センサ5と、点火コイル28により駆動される点火プラグ29とが設けられている。
【0013】
さらに、エンジン25からの排出ガスを排出する排気通路30には、排出ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ6(空燃比センサ)と、排出ガスに含まれるNOx、HC、COを取り除いて排出ガスを浄化する排出ガス浄化触媒31(三元触媒)とが設けられている。
【0014】
つぎに、この実施の形態1に係るエンジン制御装置の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置のコントロールユニット10の初期動作を示すフローチャートである。また、図3は、コントロールユニット10のバイパスエア量設定動作を示すフローチャートである。さらに、図4は、コントロールユニット10の図3のフィードバック制御量設定動作を示すフローチャートである。図5は、コントロールユニット10のフィードバック制御量記憶処理動作を示すフローチャートである。
【0015】
コントロールユニット10は、図2〜図5に示すルーチンに従って、アイドル回転速度を制御するためのバイパスエア量を演算し、駆動信号Qをバイパスエア量制御弁24へ出力する。
【0016】
また、コントロールユニット10は、吸気温度センサ1によって検出された吸入空気温度、スロットルポジションセンサ2によって検出されたスロットル弁開度TH、吸気圧力センサ3によって検出された吸入空気圧力、エンジン温度センサ4によって検出されたエンジン25の温度WT、クランク角センサ5によって検出されたエンジン25の実回転速度Ne(またはクランク位置)、および、酸素濃度センサ6によって検出された酸素濃度のうちの少なくとも1以上を含む車両の運転状態に関する情報に基づいて、適切な燃料噴射時期および燃料噴射量を演算し、それらに対応する駆動信号を燃料噴射モジュール27へ出力する。
【0017】
同様に、コントロールユニット10は、上記の各種センサ1〜6からの検出値のうちの少なくとも1以上の車両の運転状態に関する情報に基づいて、適切な点火時期および通電時間を演算し、それらに対応する駆動信号を点火コイル28へ出力する。
【0018】
まず、エンジン制御装置のコントロールユニット10の初期動作について図2を参照しながら説明する。
【0019】
ステップS101において、コントロールユニット10は、電源ON時に、不揮発性メモリ11に記憶された値Qeepを初期値として読み出してフィードバック制御量Qfbとして設定する。
【0020】
つづいて、エンジン制御装置のコントロールユニット10のバイパスエア量設定動作について図3を参照しながら説明する。
【0021】
ステップS201において、コントロールユニット10は、マップTQBASE(WT)を用いて、エンジン温度センサ4によって検出されたエンジン25の温度WTに基づいて、基本空気量Qiを算出する。すなわち、マップTQBASE(WT)には、エンジン25の温度WTごとに、当該温度WTに対応する基本空気量TQBASE(WT)が記憶されている。従って、エンジン25の検出温度WTに対する基本空気量をマップTQBASE(WT)から読み出して、Qi=TQBASE(WT)となるように、基本空気量Qiを設定する。
【0022】
次に、ステップS202において、コントロールユニット10は、フィードバック制御量Qfbを設定する。このフィードバック制御量Qfbの設定方法の詳細については、図4を参照しながら後で説明する。
【0023】
次に、ステップS203において、コントロールユニット10は、ステップS201で設定した基本空気量QiおよびステップS202で設定したフィードバック制御量Qfbに基づいて、バイパスエア量Qを算出する。すなわち、演算式Q=Qi+Qfbに基づき、バイパスエア量Qを設定する。コントロールユニット10は、算出したバイパスエア量Qに対応する駆動信号をバイパスエア量制御弁24へ出力する。
【0024】
コントロールユニット10は、電源ON後、所定時間毎またはエンジン25の所定回転毎に、上述したバイパスエア量設定動作(ステップS201〜S203)を繰り返す。
【0025】
ここで、エンジン制御装置のコントロールユニット10のフィードバック制御量設定動作について図4を参照しながら説明する。
【0026】
ステップS301において、コントロールユニット10は、エンジン25の実回転速度Ne、エンジン25の温度WT、および、スロットル弁開度THに基づき、フィードバック制御条件(フィードバック制御モード)が成立しているか否かを判断する。このフィードバック制御条件(フィードバック制御モード)は、例えば、コントロールユニット10は、エンジン25の実回転速度Neが所定の範囲内で、かつ、エンジン25の温度WTが所定の範囲内で、かつ、スロットル弁開度THが所定の範囲内の場合に、成立していると判断される。フィードバック制御条件(フィードバック制御モード)が成立している場合には、次のステップS302へ進む。一方、フィードバック制御条件(フィードバック制御モード)が成立していない場合には、フィードバック制御を行わないので、リターンへ進む。
【0027】
ステップS302において、コントロールユニット10は、マップTNTRGT(WT)を用いて、エンジン温度センサ4によって検出されたエンジン25の温度WTに基づいて、目標回転速度Nsを算出する。すなわち、マップTNTRGT(WT)には、エンジン25の温度WTごとに、当該温度WTに対応する目標回転速度TNTRGT(WT)が記憶されている。従って、エンジン25の検出温度WTに対する目標回転速度をマップTNTRGT(WT)から読み出して、Ns=TNTRGT(WT)となるように、目標回転速度Nsを設定する。
【0028】
ステップS303において、コントロールユニット10は、エンジン25の実回転速度Neと目標回転速度Nsとを比較し、Ne<Nsの場合には、ステップS304へ進む。一方、Ne>Nsの場合には、ステップS305へ進む。また、Ne=Nsの場合には、リターンへ進む。
【0029】
ステップS304において、コントロールユニット10は、フィードバック制御量Qfbに予め設定された所定値Qdを加算し、学習したフィードバック制御量Qfbを求め、リターンへ進む。
【0030】
ステップS305において、コントロールユニット10は、フィードバック制御量Qfbから予め設定された所定値Qdを減算し、学習したフィードバック制御量Qfbを求め、リターンへ進む。
【0031】
次に、エンジン制御装置のコントロールユニット10のフィードバック制御量記憶処理動作について図5を参照しながら説明する。
【0032】
ステップS401において、コントロールユニット10は、フィードバック制御量記憶条件(フィードバック制御量記憶モード)が成立しているか否かを判断する。このフィードバック制御量記憶条件(フィードバック制御量記憶モード)は、エンジン25の実回転速度Neが所定の範囲内(例えば、1250rpmから2000rpmまでの範囲内)で、かつ、スロットル弁開度THが所定値(例えば、3.0deg)以下であるという条件が満たされた場合に、成立していると判断される。フィードバック制御量記憶条件(フィードバック制御量記憶モード)が成立している場合には、次のステップS402へ進む。一方、フィードバック制御量記憶条件(フィードバック制御量記憶モード)が成立していない場合には、フィードバック制御量を不揮発性メモリ11に記憶しないので、リターンへ進む。
【0033】
次に、ステップS402において、コントロールユニット10は、ステップS304またはステップS305で算出したフィードバック制御量Qfbを不揮発性メモリ11に記憶するか否かを判断する。すなわち、コントロールユニット10は、算出したフィードバック制御量Qfbと不揮発生メモリ11に記憶された値Qeepとの差の絶対値が所定値(例えば、デューティ5%)以上の場合に不揮発性メモリ11に記憶すると判断する。つまり、|Qfb−Qeep|≧所定値の場合に不揮発性メモリ11に記憶すると判断する。従って、|Qfb−Qeep|≧所定値の場合には、ステップS403へ進む。一方、|Qfb−Qeep|<所定値の場合には、不揮発性メモリ11に記憶しないので、リターンへ進む。
【0034】
ステップS403では、コントロールユニット10は、算出したフィードバック制御量Qfbを不揮発性メモリ11に記憶し、リターンへ進む。
【0035】
コントロールユニット10は、電源ON後、所定時間毎またはエンジン25の所定回転毎に、上述したフィードバック制御量記憶処理動作(ステップS401〜S403)を繰り返す。
【0036】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置は、実回転速度と予め定めた目標回転速度とを比較し、当該比較結果に応じて、バイパスエア量制御弁24を通過するバイパスエア量をフィードバック制御して、アイドル回転速度を制御するエンジン制御装置であり、学習したバイパスエア量の変化(フィードバック制御量)を不揮発性メモリ11に書き込む構成を有している。本実施の形態1においては、不揮発性メモリ11の書き換え回数を減らすために、図5のステップS402に示すように、フィードバック制御量(学習したバイパスエア量の変化量)を不揮発性メモリ11に記憶するか否かを判断するための制限を設けるようにした。すなわち、学習したフィードバック制御量と不揮発性メモリ11に既に記憶されているフィードバック制御量との差の絶対値が予め設定された所定値以上の場合のみ、学習したフィードバック制御量を不揮発性メモリ11に記憶するようにした。これにより、不揮発性メモリ11の書き換え回数を少なくし、不揮発性メモリ11の書き換え回数の上限を超えないようにすることができ、アイドル回転速度を維持することができる。
【0037】
また、図5のステップS402の判断の前段に、さらに、ステップS401に示すように、エンジン25の実回転速度Neおよびスロットル弁開度THに関する制限を設けて、当該制限を満たした場合にのみ、ステップS402の判断を行うようにしたので、マイクロコンピュータの負担率(例えばCPUへの負担)を少なくでき、ひいては、制御の遅れによるエンジンの不調を防止することができる。
【0038】
なお、この発明のエンジン制御装置は、二輪車のような小容量バッテリを用いる車両やバッテリを使用しない車両などのバックアップRAMを使用できない車両において特に有効であるが、それ以外の各種車両においても適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置のコントロールユニットの初期動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置のコントロールユニットのバイパスエア量設定動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のフィードバック制御量設定動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置のコントロールユニットのフィードバック制御量記憶処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 吸気温度センサ、2 スロットルポジションセンサ、3 吸気圧力センサ、4 エンジン温度センサ、5 クランク角センサ、6 酸素濃度センサ、10 コントロールユニット、11 不揮発性メモリ、21 エアクリーナ、22 吸気通路、23 スロットル弁、24 バイパスエア量制御弁、25 エンジン、26 燃料タンク、27 燃料噴射モジュール、28 点火コイル、29 点火プラグ、30 排気通路、31 排出ガス浄化触媒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットル弁を迂回してエンジンの吸気通路に設けられたバイパスエア通路のバイパスエア量を調整するバイパスエア量制御弁と、
前記エンジンの実回転速度を含む前記エンジンの運転状態を検出するセンサ手段と、
前記センサ手段により得られた前記運転状態に応じて前記バイパスエア量制御弁に駆動信号を与え、前記バイパスエア量制御弁の開弁および閉弁を制御する制御手段と、
前記センサ手段により得られる前記運転状態に基づいて、予め設定された所定のフィードバック制御条件が成立しているか否かを判断するフィードバック制御モード判断手段と、
前記フィードバック制御条件が成立しているときに、前記実回転速度と予め設定された所定の目標回転速度とを比較し、当該比較結果に応じてフィードバック制御量を求めて、前記バイパスエア量制御弁を通過するバイパスエア量を制御するフィードバック制御量学習手段と、
フィードバック制御量の初期値および前記フィードバック制御量学習手段により得られた前記フィードバック制御量を記憶するための不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに前記フィードバック制御量を記憶するか否かを判断する記憶判断手段と
を備え、
前記記憶判断手段は、前記フィードバック制御量学習手段により得られたフィードバック制御量と前記不揮発性メモリに既に記憶されている前記フィードバック制御量との差の絶対値を求め、当該差の絶対値が予め設定された所定値以上か否かの判断を行い、所定値以上の場合に、前記フィードバック制御量学習手段により得られたフィードバック制御量を前記不揮発性メモリに記憶する
ことを特徴とするエンジン制御装置。
【請求項2】
前記記憶判断手段は、上記判断の前段として、さらに、前記エンジンの実回転速度が予め設定された所定の範囲内で、かつ、前記スロットル弁の開度が予め設定された所定値以下であるという条件を満たしているかの判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−48158(P2010−48158A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212721(P2008−212721)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】