説明

オプトエレクトロニクスモジュールおよびオプトエレクトロニクスモジュールの製造方法

本発明は、放射出力半導体素子(1)と電気素子(2)と支持基板(3)を備えたオプトエレクトロニクスモジュールに関する。この場合、支持基板(3)は上面(31)と下面(33)を有しており、下面(33)には第1の電気端子(8)が、上面(31)には第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)が配置されている。電気素子(2)は、支持基板(3)の上面(31)に配置されていて、第1の電気端子(8)と導電接続されている。放射出力半導体素子(1)は、電気素子(2)において支持基板(3)とは反対側に配置されている。さらに放射出力半導体素子(1)は導体構造部(4a,4b)を有しており、この導体構造部(4a,4b)は第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)と導電接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はドイツ連邦共和国特許出願第10 2009 022 901.9の優先権を主張するものであり、したがってその開示内容は本願に含まれる。
【0002】
本発明は、放射出力半導体素子と電気素子と支持基板とを備えたオプトエレクトロニクスモジュールならびにこの種のオプトエレクトロニクスモジュールの製造方法に関する。
【0003】
複数の電気素子および/または光学素子を有するモジュールは知られている。この場合、個々の素子はたとえば1つの支持基板上に並置されて設けられている。個々の電気素子を1つの共通のケーシング内に配置することができ、電気素子および/または光学素子が横方向に配置されることから、このケーシングは、すべての素子を並べて配置することができるようなサイズで形成されている。その際、個々の素子を組み立てるために、素子の形式に応じてたとえばはんだや接着剤など様々な技術を利用することができる。
【0004】
本発明が基礎とする課題は、オプトエレクトロニクスモジュールを改善することにあり、殊にモジュールサイズが縮小されている点で優れているオプトエレクトロニクスモジュールを提供することにある。さらに本発明の課題は、殊にコストや製造の煩雑さが抑えられた点で優れているオプトエレクトロニクスモジュールの製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴を備えたオプトエレクトロニクスモジュールならびに請求項15の特徴を備えたオプトエレクトロニクスモジュールの製造方法により解決される。従属請求項には、本発明によるモジュールならびにこのモジュールの製造方法の有利な実施形態が示されている。
【0006】
本発明によれば、放射出力半導体素子と電気素子と支持基板とを備えたオプトエレクトロニクスモジュールが設けられている。支持基板は上面と下面を有しており、下面には第1の電気端子が、上面には第2の電気端子が配置されている。電気素子は支持基板の上面に配置されていて、第1の電気端子と導電接続されている。放射出力半導体素子は、電気素子において支持基板とは反対側の面に配置されていて導体構造部を備え、導体構造は第2の電気端子と導電接続されている。
【0007】
したがって放射出力半導体素子と電気素子は、支持基板上に並べて取り付けられない。たとえば放射出力半導体素子と電気素子は、電気素子が放射出力半導体素子の下に位置するような相互関係で配置される。たとえば電気素子は、放射出力半導体素子と支持基板との間に配置されている。つまり電気素子と放射出力半導体素子は互いに上下に積み重ねられ、これらの素子はいわゆるスタックを成している。
【0008】
有利にはこのことによって、モジュールサイズを低減することができる。殊にモジュールの横方向の広がりが低減される。なお、ここで横方向の広がりとは、モジュールの底面ないしは底面積のことである。
【0009】
さらに有利には放射出力半導体素子は、電気素子に対しセンタリングされて配置されている。たとえば電気素子と放射出力半導体素子はそれぞれ1つの垂直方向中心軸を有しており、有利にはそれらは直接上下に配置されている。格別有利には、電気素子と放射出力半導体素子は1つの共通の垂直方向中心軸を有している。
【0010】
この場合、モジュールのサイズたとえばモジュールの底面積は、電気素子および/または放射出力半導体素子の個数には依存しない。なぜならばこれらの素子は上下に積み重ねられるからである。
【0011】
有利にはモジュールのサイズは、支持基板上面において電気素子の取り付け面の外側に空いた平面が生じるように定められており、たとえばこの空き平面にははんだ付け接点が設けられている。これらの接点はたとえば、放射出力半導体素子のための第2の電気端子として用いられ、および/または別の電気素子のための別の電気端子として用いられる。
【0012】
有利には支持基板の上面は、少なくとも2つの第2の端子有利には6つの第2の端子を備えており、支持基板の下面は、少なくとも12個の第1の端子たとえば18個の第1の端子を備えている。
【0013】
この種のスタックにおける素子の個数は2個に制限されるものではなく、たとえば電気素子上で複数の放射出力半導体素子を上下に積み重ねて配置することができる。このようなケースでは、それぞれ1つの放射出力半導体素子を別の放射出力半導体素子の上にセンタリングさせて載置することができ、その際、複数の放射出力半導体素子から成るスタックはさらにセンタリングされて電気素子の上に配置される。さらに電気素子は支持基板の上に取り付けられる。
【0014】
オプトエレクトロニクスモジュールの1つの有利な実施形態によれば、支持基板は配線板であり、放射出力半導体素子はLEDであり、電気素子はLEDを制御するICである。
【0015】
この場合、IC(integrated circuit)つまり集積回路は、能動素子または受動素子たとえば抵抗またはコンデンサを有することができる。その際、能動素子および/または受動素子は、たとえばLEDの制御に適したものである。
【0016】
放射出力半導体素子は有利には取り付け面を有しており、この取り付け面によって放射出力半導体素子は電気素子の上に配置されている。さらに放射出力半導体素子は有利には、取り付け面とは反対側に放射出射面を有しており、放射出力半導体素子により送出される放射が、有利にはモジュールからこの放射出射面を介して発せられる。
【0017】
支持基板はさらにケーシングを有することができ、このケーシング内に、放射出力半導体素子と電気素子から成るスタックが配置される。
【0018】
有利には、導電性ウェブが放射出力半導体素子の側面からそれぞれ突出している。殊に有利には導電性ウェブは、放射出力半導体素子から離れて支持基板の方向に湾曲するよう成形されている。
【0019】
格別有利にはこれらのウェブは、部分的に支持基板上面に対し平行に案内されるよう、放射出力半導体素子から導かれている。有利には導電ウェブは、支持基板の方向に向かって曲がっているような湾曲部を有している。さらに有利には放射出力半導体素子は、湾曲されたウェブを介して支持基板上の第2の電気端子と導電接続されている。
【0020】
オプトエレクトロニクスモジュールの有利な実施形態によれば、導電性ウェブはL字状に形成されている。たとえば導電性ウェブは上下逆さまのL字として形成されていて、支持基板上に配置されている。このようにしてウェブを介して、放射出力半導体素子たとえば放射出力半導体素子の側面と支持基板における第2の端子との間の電気的な接続を行うことができる。
【0021】
さらに別の有利な実施形態によれば、導電性ウェブはZ字状に形成されている。この実施例によればたとえば導電性ウェブの部分領域が、放射出力半導体素子から離れる方向で支持基板における第2の電気端子へ向かって案内されている。
【0022】
オプトエレクトロニクスモジュールのさらに別の有利な実施形態によれば、導電性ウェブはJ字状に形成されている。この実施例の場合も導電性ウェブの部分領域は、支持基板における第2の電気端子に向かって案内されているが、この場合には導電性ウェブは放射出力半導体素子の方向で案内されている。
【0023】
有利には、導電性ウェブは金属製のウェブである。金属ウェブはたとえばワイヤボンディングなどと比べていっそう安定した特性を有しており、したがって放射出力半導体素子の安定した電気的接触接続を達成することができる。
【0024】
オプトエレクトロニクスモジュールのさらに別の有利な実施形態によれば、第1の電気端子はスルーホールによって支持基板中を案内されている。たとえばスルーホールは、支持基板上面から下面へと案内されている。したがって電気素子を支持基板の下面において、スルーホールと第1の端子を介して電気的に接続することができる。このため有利なことに、小型化されたモジュールサイズを実現することができる。
【0025】
さらに別の有利な実施形態によれば、モジュールは表面実装可能なモジュールである。
【0026】
有利には表面実装可能なモジュール(SMD: surface mounted device)はその下面に、はんだ付け可能な端子面たとえば第1の端子を備えており、したがってたとえば外部の取り付け部材にじかにはんだ付けすることができる。
【0027】
別の有利な実施形態によれば、支持基板は高さHをもつキャビティを有しており、このキャビティ内に電気素子が配置されている。この場合、キャビティの高さHは電気素子の高さh1よりも高い。電気素子は封止材料によって覆われていて、電気素子の高さh1に電気素子の上に存在する封止材料の高さh2を加えた高さがキャビティの高さHに相応するようになっている。その際、放射出力半導体素子は、有利には封止材料の上に配置されている。
【0028】
この場合、電気素子と放射出力半導体素子との間に封止材料が設けられている。したがって放射出力半導体素子は、電気素子の上にじかには置かれていない。
【0029】
有利には封止材料は、支持基板のキャビティを平坦に充填している。つまりたとえば封止材料によって支持基板の平坦な面が形成されており、この面の上に放射出力半導体素子を取り付けることができる。キャビティ内に完全に収まるように電気素子を配置するのが有利である。
【0030】
1つの有利な実施形態によれば、モジュールは付加的にケーシングを有している。このケーシング内には支持基板と電気素子と放射出力半導体素子が配置されていて、ケーシングは放射を吸収する粒子を有している。
【0031】
有利なことに、ケーシングに設けられた放射吸収性粒子によって、たとえば太陽光線などの外光の影響を低減することができる。外光が入射すると、モジュールの放出面と放射出力素子の放射出射面において外光が反射することにより、コントラストが不十分になってしまう。有利なことに放射吸収性粒子によって、このようなコントラスト不足を回避することができる。
【0032】
1つの別の有利な実施形態によれば、モジュールは付加的に封止材料を備えており、この封止材料は放射出力素子を取り込み、さらに別の放射吸収性粒子を有している。望ましくない外光の作用殊にその結果として引き起こされるコントラスト不足を、さらに最小限に抑えることができ、有利である。
【0033】
1つの別の有利な実施形態によれば、支持基板は多層基板として形成されている。多層基板としてたとえば、少なくとも2つの異なる層から成る基板を設けることができる。これらの層はたとえば、材料組成を異ならせることができる。これによって、用途に応じて特性の異なる領域を備えた支持基板を実現することができる。
【0034】
さらに別の有利な実施形態によれば、支持基板上面に別の電気素子が配置されており、これは支持基板下面の別の第1の電気端子と導電接続されている。この場合、電気素子において支持基板とは反対側に、別の放射出力半導体素子がそれぞれ配置されていて、この別の放射出力半導体素子は支持基板上面の別の第2の電気端子と導電接続されている。
【0035】
したがってモジュールの望ましい用途に応じて、複数の電気素子と複数の放射出力半導体素子を使用することができ、その際、それぞれ放射出力半導体素子を制御するために電気素子が設けられている。放射出力半導体素子はそれぞれ電気素子の上に配置されている。したがって支持基板の上に、それぞれ少なくとも1つの放射出力半導体素子と電気素子とから成る複数のスタックが配置されている。殊に有利なことに、個々の素子をスタックとして配置することによって、放射出力半導体素子相互間の間隔を最小限に抑えることができる。さらに複数の電気素子と複数の放射出力半導体素子を、スペースを節約して支持基板上に配置することができる。このようにしてモジュールサイズの小型化を実現することができる。
【0036】
さらに本発明はオプトエレクトロニクスモジュールの製造方法に関する。本発明による方法によれば殊に、既述の実施形態のうちの1つを参照しながら説明したモジュールを製造することができる。つまりモジュールとともに開示したすべての特徴は、本発明による方法に関しても開示されているものであるし、また、その逆もあてはまる。
【0037】
本発明による方法の少なくとも1つの実施形態によれば、電気素子が支持基板上面に取り付けられ、その際、支持基板はその下面に第1の電気端子を備え、その上面に第2の電気端子を備えている。電気素子は第1の電気端子と導電接続される。ついで放射出力半導体素子の取り付けが行われ、この取り付けにあたり放射出力半導体素子は、電気素子において支持基板とは反対側に配置される。さらに放射出力半導体素子の導体構造部が、支持基板の第2の電気端子と導電接続されている。
【0038】
したがって放射出力半導体素子は電気素子の上に配置され、これによって素子の積層体たとえばスタックが製造される。このようなモジュールの製造は、低コストで簡略化された製造方法である点で優れている。したがって有利なことに、最適なコストによるモジュール製造を実現することができる。
【0039】
図1から6を参照しながら以下で説明する実施例には、本発明によるオプトエレクトロニクスモジュールおよびこのモジュールの製造方法に関するさらに別の特徴、利点ならびに有利な実施形態が示されている。
【0040】
なお、以下の図面において、同じ構成部材あるいは同等の機能を有する構成部材にはそれぞれ同じ参照符号が付されている。また、図示されている構成部材ならびにそれらの構成部材相互間のサイズの比率は、実際のスケールどおりに描かれたものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す断面図
【図2A】製造プロセス中のオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す図
【図2B】製造プロセス中のオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す図
【図2C】製造プロセス中のオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す図
【図3】本発明によるオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す断面図
【図4】本発明によるオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す断面図
【図5】本発明によるオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す断面図
【図6】本発明によるオプトエレクトロニクスモジュールの実施例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1には、オプトエレクトロニクスモジュールの断面図が示されている。オプトエレクトロニクスモジュールには電気素子2と、支持基板3と放射を出力する半導体素子1が設けられている。支持基板3の下面33には第1の電気端子が設けられており、上面31には第2の電気端子が設けられている。電気端子2は支持基板3の上面31に配置されており、支持基板3の第1の電気端子と導電接続されている。電気素子2において支持基板3とは反対の面には放射出力半導体素子1が配置されている。放射出力半導体素子1を、たとえば固着仲介層あるいは接着層9によって電気素子2に取り付けることができる。これに対する代案として放射出力半導体素子1を、はんだプロセスによって電気素子2に取り付けることも可能である。
【0043】
したがって電気素子2と放射出力半導体素子1は上下に配置されており、たとえば積層されている。有利には、放射出力半導体素子1は電気素子2の上にセンタリングされて配置されている。さらに、積層体を上から見たときに放射出力半導体素子1が横方向で電気素子2からはみ出さないよう、放射出力半導体素子1の底面積が電気素子2の底面積とほぼ一致していると有利である。
【0044】
有利には放射出力半導体素子1は、電気素子2と向き合った側に取り付け面を有している。有利には取り付け面とは反対側には、放射出力半導体素子1の放射出射面が設けられている。放射出力半導体素子1から送出される放射は、有利には主として放射出射面において半導体素子1から出射する。
【0045】
放射出力半導体素子1はさらに導体構造部4a,4bを有しており、これらは支持基板3の第2の電気端子と導電接続されている。有利には導体構造部4a,4bは、放射出力半導体素子1の側面に配置されている。
【0046】
図1の実施例において導体構造4a,4bはZ字状に形成されている。たとえば導体構造部4a,4bは、放射出力半導体素子1の側面から垂直に突出して部分的に支持基板1の上面31と平行に延在し、ついで支持基板3の方向に向かって湾曲している。支持基板3上において導体構造部4a,4bはさらに湾曲しており、その結果、導体構造部4a,4bは支持基板1の上面3の上を延在している。たとえば導体構造4a,4bは部分的に第2の電気端子とじかに接触している。有利には導体構造4a,4bは、支持基板3の上面31上を放射出力半導体素子1から離れる方向で延在している。
【0047】
支持基板3は有利には配線板であり、電気端子2の電気的な接触接続のためその下面33に第1の電気端子が設けられている。他方、放射出力半導体素子1の電気的な接触接続のため、上面31には第2の電気端子たとえば導体路が案内されている。
【0048】
放射出力半導体素子1は有利にはLEDまたはLEDチップである。択一的に放射出力半導体素子1が、LEDケーシング内に配置され放射出力特性たとえば活性層を含む半導体層構造を有するように構成することができる。さらに、半導体積層体がたとえばエポキシ樹脂によって注型されるよう、LEDケーシング内に注封材料を収容することができる。したがって放射出力半導体素子1は、LEDチップあるいはLEDだけでなく、たとえばLEDパッケージとして構成することができる。
【0049】
有利には、LEDパッケージは3つのLEDチップを有している。この場合、3つのLEDチップをRGB−LEDとするのが殊に有利である。つまりこれらのLEDチップのうちの1つは赤色の放射を放出し、1つは緑色の放射を、さらに1つは青色の放射を放出する。
【0050】
電気素子1は有利には、LED、LEDチップまたはLEDパッケージを制御するためのICである。
【0051】
複数の素子を積み上げて配置することにより、たとえば電気素子2と放射出力半導体素子1を積み上げて配置することにより、有利にはこの種のモジュールの底面積が低減される。このようにすることで殊に、小型化されたモジュールを達成することができる。たとえばモジュールの底面積が、放射出力半導体素子1に必要とされる取り付け面積の分だけ低減される。それというのも、放射出力半導体素子1は電気素子2の上にじかに配置されているからである。つまり、基板3の上に複数の素子を並べて配置しなくてもよくなる。
【0052】
有利には導体構造部4a,4bは、放射出力半導体素子1から突出している導電性のウェブである。殊に有利には、導電性のウェブ4a,4bは金属ウェブである。このようなウェブは殊に有利には特性が安定している点で優れており、たとえばボンディングワイヤのようにフレキシブルに湾曲する可能性がない。
【0053】
支持基板3は有利には多層基板として構成されている。つまり支持基板3は少なくとも2つの層を有しており、これらは上下に配置されている。したがって支持基板3を部分的に特別な要求に合わせて整合させることができる。
【0054】
有利にはモジュールは表面実装可能なモジュールである。図1のモジュールは有利には、下面33において外部に取り付けて電気的に接続することができる。
【0055】
支持基板3の上面31にさらに別の電気素子を配置することができ、これらの電気素子を支持基板3の下面に設けられたさらに別の第1の電気端子と導電接続することができる(図示せず)。この場合、別の電気素子の上にさらに別の放射出力半導体素子を配置すると有利である。たとえば、それぞれ1つの別の電気素子の上にそれぞれ1つの別の放射出力半導体素子が配置される。したがって支持基板3の上面31に、少なくとも1つの電気素子と少なくとも1つの放射出力半導体素子を備えた複数の積層体ないしはスタックが配置される。有利には、これらのスタックを互いに近くに配置させることができる。有利なことにこのようにすることで、複数のスタックを備えたスペース節約型のモジュールを実現できる。
【0056】
さらに、複数の放射出力半導体素子を上下に積み重ねて電気素子の上に配置することも可能である(図示せず)。
【0057】
図2A〜図2Cには、製造中のオプトエレクトロニクスモジュールの様子が描かれている。図2Aには、支持基板3およびその上に配置された電気素子2を備えたモジュールの断面図が示されている。さらに図2Bは図2Aのモジュールを上から見た図であり、図2Cは図2Aのモジュールを下から見た図である。
【0058】
図2Aには支持基板3が描かれており、これは上面31と下面33を有している。上面31には第2の電気端子が配置されている。さらに上面31には電気素子2も配置されている。支持基板3の下面33には第1の電気端子が設けられている。
【0059】
図2Bには、支持基板3の上面31を上から見た図が描かれている。上面31には第2の電気端子5a,5b,6a,6b,7a,7bが設けられている。たとえば図2Bの実施例によれば支持基板3は、6つの第2の電気端子5a,5b,6a,6b,7a,7bを有している。
【0060】
第2の電気端子5a,5b,6a,6b,7a,7bは、有利には放射出力半導体素子の電気的な接触接続のために用いられる。見やすくするため、図2A〜図2Cには放射出力半導体素子は描かれていない。
【0061】
有利には、放射出力半導体素子はLEDパッケージであり、たとえばRGBーLEDである。この場合、たとえば赤色の放射出力LEDチップは第2の端子5a,5bと導電接続され、緑色の放射出力LEDチップは第2の端子6a,6bと導電接続され、青色の放射出力LEDチップは第2の端子7a,7bと導電接続される。
【0062】
電気素子2はたとえばICであり、有利には、放射出力半導体素子たとえばRGB−LEDの制御に適したカプセル化されたICである。
【0063】
図2Cには、図2Bの実施例における支持基板3の下面が示されており、つまり支持基板3において電気素子2とは反対側の面が示されている。支持基板3の下面には、第1の電気端子8が配置されている。第1の電気端子8を介して、支持基板3の下面からICが電気的に接続される。たとえば下面33は、18個の第1の電気端子8を有している。
【0064】
図2A〜図2Cの実施例によれば、支持基板3の下面における第1の電気端子8は支持基板3の中を通るスルーホールを介して、支持基板3の上面31におけるIC2と導電接続されている。
【0065】
図2A〜図2Cに示したオプトエレクトロニクスモジュールを完全なものとするには、電気素子2に、たとえば電気素子2において支持基板3とは反対側の面に、放射出力半導体素子たとえばRGB−LEDが配置される(図示せず)。LEDチップはたとえば、第2の電気端子5a,5b,6a,6b,7a,7bとそれぞれ導電接続される。
【0066】
図3には、オプトエレクトロニクスモジュールのさらに別の実施例が示されており、殊にここではモジュールの断面図が描かれている。
【0067】
図1に示した実施例とは異なり、導電性ウェブ4a,4bはJ字状に形成されている。殊にこれらの導電性ウェブ4a,4bは、支持基板3の上面31の上を放射出力半導体素子1の方向へ案内されている。つまり導電性ウェブ4a、4bにおける2つめの湾曲部分は、図1に示した導電性ウェブにおける2つめの湾曲部分とは逆方向になっている。
【0068】
さらに放射出力半導体素子1は、図1に示した放射出力半導体素子とは異なり空隙を有している。この空隙はたとえば、放射出力半導体素子1の取り付け面に存在している。有利にはこの空隙内に電気素子2が配置されている。
【0069】
さらに図1の実施例と異なる点は、放射出力半導体素子1と電気素子2との間に固着仲介層9が設けられていないことである。この場合、固着仲介層9はたとえば、放射出力半導体素子1の空隙ないしはキャビティの外側に配置されている。したがって殊にこの実施例によれば、放射出力半導体素子1と電気素子2との間にスペースを設けることができ、このスペースにはたとえば空気が入っている。
【0070】
有利には放射出力半導体素子1は周縁領域に、たとえば空隙の外側に、固着仲介層である接着層9あるいははんだ接続部が取り付けられている。たとえば放射出力半導体素子1は、周縁領域において導体構造部4a,4bに取り付けられている。
【0071】
図4の実施例によれば、オプトエレクトロニクスモジュールの別の断面が示されている。図1に示されている実施例とは異なり、導電性ウェブ4a,4bはL字の形態を有している。たとえば導電性ウェブ4a,4bはL字状に形成されている。
【0072】
有利には、導電性ウェブ4a,4bは逆L字型で支持基板3上に配置されている。したがって導電性ウェブ4a,4bは、支持基板3の方向へ向かう湾曲部を有している。図4の実施例の場合、この導電性ウェブ4a,4bにおいて2つめの湾曲は形成されていない。
【0073】
図3および図4のオプトエレクトロニクスモジュールに付加的にケーシングを設けることができ、このケーシング内に支持基板3と電気素子2と放射出力半導体素子1が配置されていて、このケーシングは放射を吸収する粒子を有している(図示せず)。さらに付加的に図3および図4のオプトエレクトロニクスモジュールに、放射出力半導体素子を取り囲む注封材料を設けることもでき、これはやはり放射を吸収する粒子を有している(図示せず)。
【0074】
図5の実施例は、支持基板3がキャビティ32を有する点で図1の実施例とは異なっている。この場合、電気素子2はキャビティ32内に配置されていて、注封材料10によってモールドされている。
【0075】
支持基板3のキャビティ32は高さHを有する。電気素子2は、高さHよりも低い高さh1を有している。したがって電気素子2はキャビティ32内に完全に収まっている。注封材料10は電気素子2の上方において高さh2を有しており、したがって電気素子2の高さh1に注封材料10の高さh2を加えると、キャビティ32の高さHと一致することになる。このため注封材料10は、支持基板3の上面31と同一平面上で終端している。
【0076】
注封材料10の上に放射出力半導体素子1が配置されており、導電性ウェブ4a,4bを介して支持基板3の第2の電気端子6a,6bと導電接続されている。
【0077】
電気素子2はボンディングワイヤ12を介して、支持基板3中を延在するスルーホール11と導電接続されている。たとえばスルーホール11は、支持基板3の下面33に設けられた第1の電気端子8に向かって案内されている。
【0078】
図6の実施例は図1の実施例とは以下の点で異なっている。すなわち図6の実施例の場合、放射出力半導体素子1の導体構造4a,4bは、これらが支持基板3の下面33まで達するよう、電気端子2および支持基板3の側面において案内されている。導体構造4a,4bをこのように配置することによって殊に、表面実装可能なモジュールを実現することができ、このモジュールを支持基板3の下面を利用して外部と電気的に接続することができる。
【0079】
以上、実施例に基づき本発明を説明してきたが、この説明によって本発明がそれらの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された個々の新たな特徴も、あるいはそれらのいかなる組み合わせも含まれるものであり、たとえそのような特徴や組み合わせそのものが特許請求の範囲または実施例に明示的に記載されていなくても、本発明に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射出力半導体素子(1)と電気素子(2)と支持基板(3)を備えたオプトエレクトロニクスモジュールにおいて、
前記支持基板(3)は上面(31)と下面(33)を有しており、
前記下面(33)には第1の電気端子(8)が、前記上面(31)には第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)が配置されており、
前記電気素子(2)は、前記支持基板(3)の上面(31)に配置されていて、前記第1の電気端子(8)と導電接続されており、
前記放射出力半導体素子(1)は、前記電気素子(2)の、前記支持基板(3)とは反対側に配置されており、
前記放射出力半導体素子(1)は導体構造部(4a,4b)を備え、該導体構造部(4a,4b)は前記第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)と導電接続されていることを特徴とする、
オプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項2】
前記支持基板(3)は配線板であり、前記放射出力半導体素子(1)はLEDであり、前記電気素子(2)は該LEDを制御するICである、請求項1記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項3】
前記導体構造(4a,4b)は、前記放射出力半導体素子(1)から突出した導電性ウェブである、請求項1または2記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項4】
前記導電性ウェブ(4a,4b)は、前記放射出力半導体素子(1)から離れて前記支持基板(3)の方向に湾曲するように成形されている、請求項3記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項5】
前記導電性ウェブ(4a,4b)はL字状に形成されている、請求項4記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項6】
前記導電性ウェブ(4a,4b)はZ字状に形成されている、請求項4記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項7】
前記導電性ウェブ(4a,4b)はJ字状に形成されている、請求項4記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項8】
前記導電性ウェブ(4a,4b)は金属ウェブである、請求項3から7のいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項9】
前記第1の電気端子(8)は、スルーホール(11)によって前記支持基板(3)中を案内されている、請求項1から8のいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項10】
前記支持基板(3)は高さHを有するキャビティ(32)を備えており、該キャビティ(32)内に電気素子(2)が配置されており、
前記キャビティ(32)の高さHは前記電気素子(2)の高さh1よりも高く、
前記電気素子(2)は封止材料(10)により充填されており、前記電気素子(2)の高さh1に該電気素子(2)の上の封止材料(10)の高さh2を加えた高さは、前記キャビティ(32)の高さHと一致し、
前記放射出力半導体素子(1)は前記封止材料(10)の上に配置されている、
請求項1から9のいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項11】
さらにケーシングが設けられており、該ケーシング内に、前記支持基板(3)と前記電気素子(2)と前記放射出力半導体素子(1)が配置されており、該ケーシングは放射を吸収する粒子を有している、請求項1から10のいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項12】
さらにモールド材料が設けられており、該モールド材料は前記放射出力半導体素子(1)を取り囲み、該モールド材料は放射を吸収する粒子を有している、請求項11記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項13】
前記支持基板(3)は多層基板として形成されている、請求項1から12のいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項14】
前記支持基板(3)の上面(31)に別の電気素子(2)が配置されており、該別の電気素子(2)は、前記支持基板(3)の下面(33)において別の第1の電気端子(8)と導電接続されており、
それぞれ1つの電気素子(2)の、前記支持基板(3)とは反対側に、別の放射出力半導体素子(1)が配置されており、該別の放射出力半導体素子(1)は、前記支持基板(3)の上面(31)における別の第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)と導電接続されている、
請求項1から13のいずれか1項記載のオプトエレクトロニクスモジュール。
【請求項15】
オプトエレクトロニクスモジュールの製造方法において、
電気素子(2)を支持基板(3)の上面(31)に取り付けるステップを有しており、該支持基板(3)は、下面(33)に第1の電気端子を備え、上面(31)に第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)を備え、前記電気素子(2)を前記第1の電気端子(8)と導電接続し、
放射出力半導体素子(1)を取り付けるステップを有しており、該放射出力半導体素子(1)を、前記電気素子(2)の、前記支持基板(3)とは反対側に配置し、該放射出力半導体素子(1)の導体構造部(4a,4b)を前記第2の電気端子(5a,5b,6a,6b,7a,7b)と導電接続することを特徴とする、
オプトエレクトロニクスモジュールの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−528470(P2012−528470A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512198(P2012−512198)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000492
【国際公開番号】WO2010/136006
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】