カラー基盤でもって予測値を補正する方法及び装置、それを利用したイメージ圧縮/復元方法及び装置
【課題】 カラー基盤でもって予測値を補正する方法及び装置、それを利用したイメージ圧縮/復元方法及び装置を提供する。
【解決手段】 イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測し、イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、現在のピクセルのカラーの予測値を補正する予測値補正方法である。
【解決手段】 イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測し、イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、現在のピクセルのカラーの予測値を補正する予測値補正方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージを構成するピクセルの予測値を補正する方法及び装置に係り、特にそれを利用してイメージを圧縮する方法及び装置、イメージを復元する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージを表すデータ量を圧縮する技術、すなわちイメージ圧縮技術の代表的なものとしては、イメージ内に存在する空間的な類似性を利用してイメージを圧縮する方式が挙げられる。かかるイメージ圧縮方式に関する規格としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group),JPEG 2000,JPEG LSなどがある。
【0003】
図1は、従来の一般的なイメージ圧縮装置の構成図である。図1に示すように、従来のイメージ圧縮装置は、減算器11、符号化器12、復元部13及び予測部14から構成される。減算器11は、イメージのピクセルのうち、現在処理しようとするピクセル(以下、“現在のピクセル”という)の実際値から現在のピクセルの予測値を減算することによって、現在のピクセルの実際値と予測値との差を生成する。符号化器12は、減算器11により生成された現在のピクセルの実際値と予測値との差を符号化する。復元部13は、符号化器12により符号化された結果を復号化することによって、現在のピクセルの実際値と予測値との差を復元し、このように復元された現在のピクセルの実際値と予測値との差を現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値に加算することによって、現在のピクセルの復元値を生成する。予測部14は、復元部13により復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルの値から現在のピクセルの値を予測する。
【0004】
イメージを構成するピクセルの実際値と予測値との差、すなわちそのピクセルの予測値のエラーは0に近いほど、イメージの圧縮率は向上する。したがって、イメージの圧縮率を向上させるためには、イメージを構成するピクセルの値をさらに実際値に近接するように予測する技術が要求される。JPEG−LS規格では、イメージを構成するピクセルの値をさらに正確に予測するために、イメージ内のコンテキストを基盤としてピクセルの予測値を補正する技術を提案した。これは、イメージ内の過去のあるコンテキストに属したピクセルの値に対する予測の正確度は、それと一致するか、または最も類似した現在のコンテキストに属したピクセルの値に対する予測の正確度とほぼ一致するという仮定下で着目されたものである。例えば、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似した過去のコンテキストが表す該ピクセルの予測値のエラーが+10であれば、現在のピクセルの値の予測値に既定の正数値を加算することによって、現在のピクセルのカラーの値に対する予測の正確度を高めることができる。
【0005】
図2は、従来のJPEG−LS規格によるイメージ圧縮装置の構成図である。図2に示すように、従来のJPEG−LS規格によるイメージ圧縮装置は、減算器21、符号化器22、復元部23、予測部24及びコンテキスト基盤の補正部25から構成される。図2に示したイメージ圧縮装置の構成要素は、コンテキスト基盤の補正部25を除いては図1に示したイメージ圧縮装置の構成要素と一致するので、以下では、コンテキスト基盤の補正部25についてのみ説明する。
【0006】
JPEG−LS規格では、あるピクセルの左上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値と、左側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値との差D1、このピクセルの上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値と、左上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値との差D2、このピクセルの右上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値と、上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値との差D3から構成される一つの組み合わせをこのピクセルの一つのコンテキストと定義する。特に、JPEG−LS規格では、D1,D2,D3それぞれを9個に量子化した後、最初の非ゼロ要素が負数である量子化値Qを−Qと表現することによって、729/2+1、すなわち365個のコンテキストが存在するようにした。
【0007】
コンテキスト基盤の補正部25は、イメージを構成するピクセルのカラーの予測値のエラーが算出されれば、365個のコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストに該当するものに現在算出されたエラーを累積させ、現在まで累積されたエラーの平均を算出する。このように算出されたエラーの平均は、365個のコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストに該当するものが表すエラーとなる。かかる過程は、イメージを構成するピクセルのうち、最初に処理されたピクセルから現在処理されたピクセルまで累積されて行われる。また、コンテキスト基盤の補正部25は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、予測部24により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、イメージを構成するピクセルの実際値と予測値との差、すなわちそのピクセルの予測値のエラーを0にさらに近くすることによって、イメージの圧縮率をさらに向上させる装置及び方法を提供するところにある。また、かかる装置ないし方法を利用して、イメージを圧縮する方法及び装置、イメージを復元する方法及び装置を提供するところにある。また、前記した方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するところにある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前記課題に限定されず、他の技術的課題が存在しうる。これは、当業者ならば、下記の記載から明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明による予測値補正方法は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、を含む。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、前記予測値補正方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0012】
前記課題を解決するための本発明による予測値補正装置は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、を備える。
【0013】
前記課題を解決するためのイメージ圧縮方法は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成するステップと、前記生成された差を符号化するステップと、を含む。
【0014】
前記課題を解決するために、本発明は、前記イメージ圧縮方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0015】
前記課題を解決するためのイメージ圧縮装置は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成する減算器と、前記生成された差を符号化する符号化器と、を備える。
【0016】
前記課題を解決するためのイメージ復元方法は、ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元するステップと、前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成するステップと、を含む。
【0017】
前記課題を解決するために、本発明は、前記イメージ復元方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0018】
前記課題を解決するためのイメージ圧縮装置は、ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元する復号化器と、前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成する加算器と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本実施形態によれば、イメージを構成するピクセルのカラーの予測値をカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて補正することによって、このピクセルの実際値にさらに近接してこのピクセルの値を予測できる。これにより、イメージを構成するピクセルの実際値と予測値との差、すなわちそのピクセルの予測値のエラーは0にさらに近くなり、イメージの圧縮率はさらに向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図3は、本発明の望ましい一実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。図3に示すように、本実施形態によるイメージ圧縮装置は、カラー再配列部31、減算器32、符号化器33、復元部34、予測部35及びカラー基盤の補正部36から構成される。特に、以下では、本実施形態についての説明を簡単にするために、イメージを構成するピクセルのうち、いずれか一つのピクセルの値を圧縮する観点で本実施形態を説明するが、イメージを構成するピクセルそれぞれに対して本実施形態が適用されることは、当業者ならば理解できる。図3に示した実施形態以外の他の実施形態についても同様である。
【0022】
減算器32は、イメージのピクセルのうち、現在処理しようとするピクセル(以下“現在のピクセル”という)のカラーの実際値から予測部35により生成されるか、またはカラー基盤の補正部36により補正された現在のピクセルのカラーの予測値を減算することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を生成する。特に、以下では、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差は、現在のピクセルのカラーの予測値のエラーと簡略に呼ばれることもある。
【0023】
符号化器33は、減算器32により生成された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を符号化し、このように符号化された結果を含むビットストリームを生成する。さらに詳細に説明すれば、符号化器33は、減算器32により減算された差を損失圧縮方式で符号化し、損失圧縮方式で符号化された結果を無損失圧縮方式で符号化する。損失圧縮方式の代表的な例としては、DCT(Discrete Cosine Transform)、量子化などが挙げられ、無損失圧縮方式の代表的な例としては、エントロピー符号化などが挙げられる。ただし、符号化器33は、損失圧縮方式及び無損失圧縮方式のうちいずれか一つの方式、例えば無損失圧縮方式のみを使用して減算器32により減算された差を符号化できることは、当業者ならば理解できるであろう。
【0024】
復元部34は、符号化器33により符号化された結果を復号化することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元し、このように復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。一般的に、復元部34は、符号化器33により符号化された結果を損失圧縮方式、例えば逆量子化、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)などによって復号化する。復元部34は、後述するイメージ復元装置がイメージ圧縮装置により符号化された結果を復号化することによって得られるイメージと同じイメージを復元することが目的である。
【0025】
予測部35は、復元部34により復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値は、現在のピクセルに最も近く位置したいずれか一つの隣接ピクセルのカラーの復元値、複数の隣接ピクセルのカラーの復元値の平均値、または現在のピクセルから特定の方向に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値でありうる。また、当業者ならば、前記した方式以外に多様な方式で、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値が決定されることを理解できるであろう。
【0026】
カラー基盤の補正部36は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、予測部35により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。さらに詳細に説明すれば、カラー基盤の補正部36は、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差、すなわち基準カラーの予測値のエラーに基づいて、他のカラーの予測値を補正する。本実施形態では、イメージを構成するピクセルのカラーがR(赤)カラー、G(緑)カラー及びB(青)カラーならば、基準カラーをGカラーとする。ただし、ピクセルのカラーが他の組み合わせのカラーとなり、基準カラーもGカラーではない他のカラーとなることを当業者ならば理解できるであろう。このように、基準カラーではないRカラー、Bカラーに対してのみ予測値補正が行われ、基準カラーであるGカラーに対しては予測値補正が行われないため、減算器32は、Rカラー、Bカラーに対しては、現在のピクセルの実際値からカラー基盤の補正部36により補正された予測値を減算するが、Gカラーに対しては、現在のピクセルの実際値から予測部35により生成された予測値を減算する。
【0027】
一般的に、イメージ内でのピクセルのカラーの値の変化は、イメージ内の一部領域の輝度が変わる場合と、イメージ内の一部領域の色度が変わる場合とに分類される。イメージ内の一部領域の輝度が変わる場合には、この領域のピクセルのカラーの値、例えば、Rカラーの値、Gカラーの値、Bカラーの値はほぼ同一に変わる。イメージ内の一部領域の色度が変わる場合には、この領域のピクセルのカラーの値、例えば、Rカラーの値、Gカラーの値、Bカラーの値は異なって変わる。一般的に、前者は、主にイメージ内の事物または背景内部のピクセル間のカラー値の変化に該当し、後者は、主にイメージ内の事物間の境界部分でのピクセル間のカラー値の変化に該当する。
【0028】
イメージの特性上、互いに隣接するピクセルのカラーの値は連続的であるため、輝度が変わる領域内で特定のピクセルのみが色度が変わる形態でカラー値が変わったならば、これは、特定のカラー値の予測誤り累積など色々な原因による誤りである可能性が非常に高い。この点に着目して、本実施形態では、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、現在のピクセルのカラーの予測値を補正する方式、さらに詳しくは、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの予測値のエラーに基づいて、他のカラーの予測値を補正する方式を採択した。
【0029】
特に、前者の場合には、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関が非常に高く表れ、後者の場合には、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関が低く表れる。この点に着目して、本実施形態では、現在のピクセルのカラーのうち、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関を考慮して、他のカラーの予測値を補正する方式を採択した。さらに具体的な方式については、図5を参照しつつ後述する。
【0030】
図4は、図3に示したカラー基盤の補正部36の詳細構成図である。図4に示すように、図3に示したカラー基盤の補正部36は、相関解析部41、加算器42及び切断部43から構成される。
【0031】
相関解析部41は、現在のピクセルのカラーのうち、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関を表すオフセットを算出する。さらに詳細に説明すれば、相関解析部41は、次の式(1)によって、復元部34により生成された現在のピクセルの基準カラーの復元値と、予測部35により生成された他のカラーの予測値との差を、現在のピクセルの基準カラーの実際値と予測値との差、すなわち基準カラーの予測値のエラーに反映することによって、他のカラーそれぞれのオフセットを算出する。
【0032】
Offset=Errorref×[{256-ABS(Color_valueref-Predicted_value)}/256] (1)
すなわち、相関解析部41は、式(1)によって、現在のピクセルの基準カラーの復元値と他のカラーの予測値との差の絶対値を算出し、256からこのように算出された絶対値を減算し、その減算結果を256で割り、基準カラーの予測値のエラーにその割った結果値をかけることによって、前記したオフセットを算出する。式(1)は、カラーそれぞれの値が8ビットで表現されるという仮定下で“256”という値が算入された。
【0033】
前記した式(1)から、基準カラーの値に該当するGカラーの復元値とRカラーの予測値、Bカラーの予測値との差が小さいほど、相関解析部41により算出されたオフセットは、Gカラーの予測値のエラーに近くなり、Gカラー値とRカラー値、Bカラー値との差が大きいほど、相関解析部41により算出されたオフセットは、0に近くなるということが分かる。
【0034】
加算器42は、予測部35により生成された他のカラーの予測値に相関解析部41により算出されたオフセットを加算することによって、他のカラーの予測値を補正する。
【0035】
イメージ内で輝度が変わる領域では、Rカラーの値、Gカラーの値、Bカラーの値が互いに類似して変わるため、基準カラーの値に該当するGカラーの復元値とGカラーの予測値との差の変化は、Gカラーの復元値とRカラーの予測値との差の変化、Gカラーの値とBカラーの値との差の変化とほぼ一致する。したがって、かかる領域内でGカラーの復元値と他のカラーの予測値との差の変化が、Gカラーの復元値とGカラーの予測値との差の変化と非常に異なるならば、このカラーの予測値は誤りである可能性が非常に高い。この点に着目して、本実施形態では、前記した式(1)によって、現在のピクセルの基準カラーの復元値と他のカラーの予測値との差を基準カラーの予測値のエラーに反映し、その結果値を他のカラーの予測値に加算することによって、輝度が変わる領域でのピクセルの他のカラー値の変化が基準カラー値の変化と類似してなされるようにした。
【0036】
切断部43は、イメージを構成するピクセルのビット列長さによって、加算器42により補正された予測値のビット列のうち一部を切断する。もし、ピクセルのカラーの値それぞれが8ビット列で構成された場合ならば、加算器42により補正された予測値のビット列は8ビット列に合うように、すなわち0ないし255間の値に調整される必要がある。この場合、切断部43は、加算器42により補正された予測値が255を超えれば、加算器42により補正された予測値のビット列のうち最下位ビットから始めて8ビット列の超過部分を切断する。また、ピクセルのカラーの値それぞれが10ビット列で構成された場合ならば、加算器42により補正された予測値のビット列は10ビット列に合うように、すなわち0ないし1023間の値に調整される必要がある。この場合、切断部43は、加算器42により補正された予測値が1023を超えれば、加算器42により補正された予測値のビット列のうち最下位ビットから始めて10ビット列の超過部分を切断する。
【0037】
前記したように、現在のピクセルのカラーの復元値は、現在のピクセルのカラーの予測値に現在のピクセルのカラーの予測値のエラーが加算されることによって生成される。したがって、イメージを構成するあらゆるピクセルのカラーの値が完全に独立的に復元される場合でなければ、すなわち、一ピクセル単位でカラーの値が同時に復元される場合ならば、いずれか一つのピクセルの基準カラーの復元値が、このピクセルの他のカラーの値が復元される前に生成されない。本実施形態では、かかる問題点を解決するために、図3に示したようなカラー再配列部31を設けた。
【0038】
カラー再配列部31は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち基準カラーの値の位置を、基準カラーの値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル前に移動させる。図5は、図3に示したカラー再配列部31によるカラー再配列の形態を示す図である。図5に示すように、カラー再配列部31は、イメージを構成するピクセルそれぞれのGカラーの値の位置を、各Gカラーの値が属しているピクセルのRカラーの値、Bカラーの値の位置から一ピクセル前に移動させる。ここで、Gカラーの値の位置を一ピクセル前に移動させるというのは、本実施形態が一ピクセル単位でカラーそれぞれの値を同時に復元するという仮定下で、Gカラーの値の位置をこのGカラーの値が属しているピクセル直前に処理されるピクセルの位置に移動させ、Rカラーの値の位置とBカラーの値の位置とは固定させるということを意味する。したがって、イメージを構成するあらゆるピクセルのカラーの値が完全に独立的に復元される場合ならば、カラー再配列部31が不要であり、かかる方式のイメージ圧縮装置には、カラー再配列部31が備えられない。
【0039】
減算器32、符号化器33、復元部34、予測部35及びカラー基盤の補正部36それぞれは、カラー再配列部31による基準カラーの値の位置移動によって、イメージを構成するピクセルそれぞれの基準カラーの値処理を他のカラーの値処理に一ピクセル前に処理する。結果的に、復元部34は、カラー再配列部31による基準カラーの値の位置移動によって、イメージを構成するピクセルそれぞれの基準カラーの復元値を他のカラーの復元値より先に生成し、カラー基盤の補正部36は、このように先に生成された基準カラーの復元値を利用して他のカラーの予測値を補正する。
【0040】
図6は、図5に示したカラー再配列後のカラーの予測値の生成形態を示す図である。図6の左側には、JPEG−LS規格による予測値の生成形態が示されている。図6の左側に示すように、予測部35は、JPEG−LS規格に規定された次のようなアルゴリズムによって、現在のピクセルの左側に位置した隣接ピクセルA、上側に位置した隣接ピクセルB、左上側に位置した隣接ピクセルCのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。下記したアルゴリズムで、a,b,cそれぞれは、隣接ピクセルA,B,Cそれぞれのカラーの値であり、max(a,b)は、aとbのうち大きい値を意味し、min(a,b)は、aとbのうち小さい値を意味し、pは、参照ピクセルのいずれか一つのカラーの値を意味する。
【0041】
if(c>=max(a,b))then p=min(a,b);
else
{if (c<=min(a,b))then p=max(a,b);
else p=a+b-c;}
このアルゴリズムによれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間にエッジがいかなる方向に分布するかによって参照ピクセルの値が決定される。ここで、エッジとは、イメージ内でカラーの値が急激に変動する境界を意味する。予測部35は、c>=max(a,b)であるとき、min(a,b)=aであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に水平方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをaに決定する。また、予測部35は、c>=max(a,b)であるとき、min(a,b)=bであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に垂直方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをbに決定する。また、予測部35は、c<=min(a,b)であるとき、max(a,b)=aであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に水平方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをaに決定する。また、予測部35は、c<=min(a,b)であるとき、max(a,b)=bであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に垂直方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをbに決定する。また、予測部35は、min(a,b)<c<max(a,b)であるときには、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に垂直方向または水平方向のエッジが存在すると判定しがたいので、参照ピクセルの値pは、a+b−cに決定する。
【0042】
特に、当業者ならば、前記方式以外に多様な方式で現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値が決定されることを理解できるであろう。
【0043】
また、図6の右側には、本実施形態による予測値の生成形態が示されている。図6の右側に示すように、カラー基盤の補正部36は、現在のピクセルの左下側に位置した隣接ピクセルの基準カラーの値、すなわちGカラーの値を基準とした予測部35により、前記したようなアルゴリズムによって生成された他のカラーの予測値、すなわちRカラーの予測値、Bカラーの予測値の変化度に基づいてRカラーの予測値、Bカラーの予測値を補正する。
【0044】
図7は、本発明の望ましい他の実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。図7に示すように、本実施形態によるイメージ圧縮装置は、カラー再配列部71、減算器72、符号化器73、復元部74、予測部75、コンテキスト基盤の補正部76及びカラー基盤の補正部77から構成される。“コンテキスト基盤の予測値補正”は、本実施形態による“カラー基盤の予測値補正”と独立的であるため、重複に適用されうる。図7に示したイメージ圧縮装置は、図3に示したイメージ圧縮装置にコンテキスト基盤の補正部76が追加されたものである。図7に示したイメージ圧縮装置を構成する構成要素は、コンテキスト基盤の補正部76を除いては図3に示したイメージ圧縮装置を構成する構成要素と一致する。したがって、以下では、コンテキスト基盤の補正部76及びこれの追加による変更部分のみを説明する。
【0045】
コンテキスト基盤の補正部76は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、予測部75により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。
【0046】
カラー基盤の補正部77は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、コンテキスト基盤の補正部76により補正された予測値を補正する。ただし、当業者ならば、前記したようなコンテキスト基盤の補正部76の処理以後にカラー基盤の補正部77が処理される順序は変わりうることを理解できるであろう。すなわち、コンテキスト基盤の補正部76は、カラー基盤の補正部77により補正された予測値を補正することもできる。
【0047】
図8は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ圧縮方法のフローチャートである。図8に示すように、本実施形態によるイメージ圧縮方法は、図3に示したイメージ圧縮装置で時系列的に処理されるステップから構成される。したがって、以下で省略した内容であっても、図3に示したイメージ圧縮装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ圧縮方法にも適用される。
【0048】
ステップ81で、イメージ圧縮装置は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち基準カラーの値の位置を、基準カラーの値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル前に移動させる。前記したように、ステップ81は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0049】
ステップ82で、イメージ圧縮装置は、復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。ここで、復元されたイメージは、現在のピクセル以前に本実施形態によって処理されて復元されたピクセルで構成されたイメージを意味する。
【0050】
ステップ83で、イメージ圧縮装置は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、最も類似したコンテキストが表す当該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、ステップ82で生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。前記したように、ステップ83は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0051】
ステップ84で、イメージ圧縮装置は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、ステップ83で補正された現在のピクセルのカラーの予測値をもう一度補正する。前記したように、ステップ83とステップ84とは、その順序が変わりうる。
【0052】
ステップ85で、イメージ圧縮装置は、イメージのピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値から現在のピクセルのカラーの予測値を減算することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を生成する。
【0053】
ステップ86で、イメージ圧縮装置は、ステップ85で生成された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を符号化し、このように符号化された結果を含むビットストリームを生成する。
【0054】
ステップ87で、イメージ圧縮装置は、ステップ86で符号化された結果を復号化することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元し、このように復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。ステップ87で復元された現在のピクセルは、現在のピクセル以後に処理されるピクセルに対する参照ピクセルとして使われる。
【0055】
図9は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。図9に示すように、本実施形態によるイメージ復元装置は、復号化器91、加算器92、予測部93、カラー基盤の補正部94及びカラー再配列部95から構成される。イメージ圧縮過程とイメージ復元過程とは、互いに対称をなすため、図9に示したイメージ復元装置の構成要素は、図3に示したイメージ復元装置の構成要素とほぼ一致する。したがって、以下で省略した内容であっても、図3に示したイメージ圧縮装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ復元装置にも適用される。
【0056】
復号化器91は、図3に示したイメージ圧縮装置から伝送されたビットストリームに含まれたデータを復号化することによって、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元する。復号化器91は、図3に示したイメージ圧縮装置により行われたあらゆる符号化方式に対応する復号化方式、例えば、無損失圧縮方式であるエントロピー復号化、損失圧縮方式である逆量子化、IDCTなどによって復号化する。
【0057】
予測部93は、加算器92により復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。
【0058】
カラー基盤の補正部94は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、予測部93により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。さらに詳細に説明すれば、カラー基盤の補正部94は、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正する。カラー基盤の補正部94の詳細構成は、図5に示した構成と同一である。したがって、以下では、カラー基盤の補正部94の詳細構成についての詳細な説明を省略するが、図5に示した構成についてのあらゆる説明がカラー基盤の補正部94にも適用される。
【0059】
加算器92は、復号化器91により復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を予測部93により生成するか、またはカラー基盤の補正部94により補正された現在のピクセルのカラーの予測値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。前述したように、Rカラー、Bカラーに対してのみ予測値補正が行われ、基準カラーであるGカラーに対しては予測値補正が行われないため、加算器92は、Rカラー、Bカラーに対しては、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差をカラー基盤の補正部36により補正された予測値に加算するが、Gカラーに対しては、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を予測部93により生成された予測値に加算する。
【0060】
特に、加算器92は、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの復元値を、前記他のカラーの復元値より一ピクセル間隔ほど先に生成する。これは、図3に示したイメージ圧縮装置のカラー再配列部31により、基準カラーの値の位置が本来の位置から一ピクセル前に移動したためである。したがって、基準カラーの値の位置を本来の位置に戻す過程が必要であるが、下記のカラー再配列部95がかかる役割を行う。
【0061】
カラー再配列部95は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち先に生成された基準カラーの復元値の位置を、この基準カラーの復元値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル後に移動させる。図3に示したイメージ圧縮装置にカラー再配列部31が備えられていない実施形態で具現されるならば、基準カラーの値の位置を本来の位置に戻す必要がないため、このカラー再配列部95は不要である。
【0062】
図10は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。図10に示すように、本実施形態によるイメージ復元装置は、復号化器101、加算器102、予測部103、コンテキスト基盤の補正部104、カラー基盤の補正部105及びカラー再配列部106から構成される。イメージ圧縮過程とイメージ復元過程とは、互いに対称をなすため、図7に示したイメージ復元装置の構成要素は、図10に示したイメージ復元装置の構成要素とほぼ一致する。したがって、以下で省略した内容であっても、図7に示したイメージ圧縮装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ復元装置にも適用される。また、図10に示したイメージ復元装置を構成する構成要素は、コンテキスト基盤の補正部104を除いては、図9に示したイメージ圧縮装置を構成する構成要素と一致する。したがって、以下では、コンテキスト基盤の補正部104及びこれの追加による変更部分のみを説明する。
【0063】
コンテキスト基盤の補正部104は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、予測部103により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。
【0064】
カラー基盤の補正部105は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、コンテキスト基盤の補正部104により補正された予測値を補正する。ただし、当業者ならば、前記したようなコンテキスト基盤の補正部104の処理以後にカラー基盤の補正部105が処理される順序は変わりうることを理解できるであろう。すなわち、コンテキスト基盤の補正部104は、カラー基盤の補正部105により補正された予測値を補正することもできる。
【0065】
図11は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元方法のフローチャートである。図11に示すように、本実施形態によるイメージ復元方法は、図9に示したイメージ圧縮装置で時系列的に処理されるステップから構成される。したがって、以下で省略した内容であっても、図11に示したイメージ復元装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ復元方法にも適用される。
【0066】
ステップ111で、イメージ復元装置は、図3に示したイメージ圧縮装置から伝送されたビットストリームに含まれたデータを復号化することによって、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元する。
【0067】
ステップ112で、イメージ復元装置は、復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。ここで、復元されたイメージは、現在のピクセル以前に本実施形態によって処理されて復元されたピクセルで構成されたイメージを意味する。
【0068】
ステップ113で、イメージ復元装置は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す当該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、ステップ112で生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。前記したように、ステップ113は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0069】
ステップ114で、イメージ復元装置は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、ステップ113で補正された予測値を補正する。前記したように、ステップ113とステップ114とは、その順序が変わりうる。
【0070】
ステップ115で、イメージ復元装置は、ステップ111で復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を現在のピクセルのカラーの予測値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。ステップ115で復元された現在のピクセルは、現在のピクセル以後に処理されるピクセルに対する参照ピクセルとして使われる。
【0071】
ステップ116で、イメージ復元装置は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち先に生成された基準カラーの復元値の位置を、この基準カラーの復元値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル後に移動させる。前記したように、ステップ83は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0072】
図12は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法のフローチャートである。図12に示すように、本実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法は、図5に示したカラー基盤の補正部36で時系列的に処理されるステップから構成される。したがって、以下で省略した内容であっても、図5に示したカラー基盤の補正部36に関して前述した内容は、本実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法にも適用される。特に、図12に示したフローチャートは、図8に示したステップ84、図11に示したステップ114の詳細フローチャートである。
【0073】
ステップ121で、カラー基盤の補正部36は、現在のピクセルのカラーのうち、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関を表すオフセットを算出する。
【0074】
ステップ122で、カラー基盤の補正部36は、他のカラーの予測値にステップ121で算出されたオフセットを加算することによって、他のカラーの予測値を補正する。
【0075】
ステップ123で、カラー基盤の補正部36は、イメージを構成するピクセルのビット列長によって、ステップ122で補正された予測値のビット列のうち一部を切断する。
【0076】
一方、前述した本発明の実施形態は、コンピュータで実行できるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、前述した本発明の実施形態で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に色々な手段を通じて記録される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、磁気記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的な読み取り媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0077】
これまで、本発明について、その望ましい実施形態を中心に述べた。当業者は、本発明が、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態に具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等な範囲内にあるあらゆる相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、イメージ関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】従来の一般的なイメージ圧縮装置の構成図である。
【図2】従来のJPEG−LS規格によるイメージ圧縮装置の構成図である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。
【図4】図3に示したカラー基盤の補正部の詳細構成図である。
【図5】図3に示したカラー再配列部によるカラー再配列の形態を示す図である。
【図6】図5に示したカラー再配列後のカラーの予測値の生成形態を示す図である。
【図7】本発明の望ましい他の実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。
【図8】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ圧縮方法のフローチャートである。
【図9】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。
【図10】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。
【図11】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元方法のフローチャートである。
【図12】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
31、71、95、106 カラー再配列部
32、72 減算器
33、73 符号化器
34、74 復元部
35、75、93、103 予測部
36、77、94、105 カラー基盤の補正部
41 相関解析部
42、92、102 加算器
43 切断部
76、104 コンテキスト基盤の補正部
91、101 復号化器
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージを構成するピクセルの予測値を補正する方法及び装置に係り、特にそれを利用してイメージを圧縮する方法及び装置、イメージを復元する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージを表すデータ量を圧縮する技術、すなわちイメージ圧縮技術の代表的なものとしては、イメージ内に存在する空間的な類似性を利用してイメージを圧縮する方式が挙げられる。かかるイメージ圧縮方式に関する規格としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group),JPEG 2000,JPEG LSなどがある。
【0003】
図1は、従来の一般的なイメージ圧縮装置の構成図である。図1に示すように、従来のイメージ圧縮装置は、減算器11、符号化器12、復元部13及び予測部14から構成される。減算器11は、イメージのピクセルのうち、現在処理しようとするピクセル(以下、“現在のピクセル”という)の実際値から現在のピクセルの予測値を減算することによって、現在のピクセルの実際値と予測値との差を生成する。符号化器12は、減算器11により生成された現在のピクセルの実際値と予測値との差を符号化する。復元部13は、符号化器12により符号化された結果を復号化することによって、現在のピクセルの実際値と予測値との差を復元し、このように復元された現在のピクセルの実際値と予測値との差を現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値に加算することによって、現在のピクセルの復元値を生成する。予測部14は、復元部13により復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルの値から現在のピクセルの値を予測する。
【0004】
イメージを構成するピクセルの実際値と予測値との差、すなわちそのピクセルの予測値のエラーは0に近いほど、イメージの圧縮率は向上する。したがって、イメージの圧縮率を向上させるためには、イメージを構成するピクセルの値をさらに実際値に近接するように予測する技術が要求される。JPEG−LS規格では、イメージを構成するピクセルの値をさらに正確に予測するために、イメージ内のコンテキストを基盤としてピクセルの予測値を補正する技術を提案した。これは、イメージ内の過去のあるコンテキストに属したピクセルの値に対する予測の正確度は、それと一致するか、または最も類似した現在のコンテキストに属したピクセルの値に対する予測の正確度とほぼ一致するという仮定下で着目されたものである。例えば、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似した過去のコンテキストが表す該ピクセルの予測値のエラーが+10であれば、現在のピクセルの値の予測値に既定の正数値を加算することによって、現在のピクセルのカラーの値に対する予測の正確度を高めることができる。
【0005】
図2は、従来のJPEG−LS規格によるイメージ圧縮装置の構成図である。図2に示すように、従来のJPEG−LS規格によるイメージ圧縮装置は、減算器21、符号化器22、復元部23、予測部24及びコンテキスト基盤の補正部25から構成される。図2に示したイメージ圧縮装置の構成要素は、コンテキスト基盤の補正部25を除いては図1に示したイメージ圧縮装置の構成要素と一致するので、以下では、コンテキスト基盤の補正部25についてのみ説明する。
【0006】
JPEG−LS規格では、あるピクセルの左上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値と、左側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値との差D1、このピクセルの上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値と、左上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値との差D2、このピクセルの右上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値と、上側に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値との差D3から構成される一つの組み合わせをこのピクセルの一つのコンテキストと定義する。特に、JPEG−LS規格では、D1,D2,D3それぞれを9個に量子化した後、最初の非ゼロ要素が負数である量子化値Qを−Qと表現することによって、729/2+1、すなわち365個のコンテキストが存在するようにした。
【0007】
コンテキスト基盤の補正部25は、イメージを構成するピクセルのカラーの予測値のエラーが算出されれば、365個のコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストに該当するものに現在算出されたエラーを累積させ、現在まで累積されたエラーの平均を算出する。このように算出されたエラーの平均は、365個のコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストに該当するものが表すエラーとなる。かかる過程は、イメージを構成するピクセルのうち、最初に処理されたピクセルから現在処理されたピクセルまで累積されて行われる。また、コンテキスト基盤の補正部25は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、予測部24により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、イメージを構成するピクセルの実際値と予測値との差、すなわちそのピクセルの予測値のエラーを0にさらに近くすることによって、イメージの圧縮率をさらに向上させる装置及び方法を提供するところにある。また、かかる装置ないし方法を利用して、イメージを圧縮する方法及び装置、イメージを復元する方法及び装置を提供するところにある。また、前記した方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するところにある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前記課題に限定されず、他の技術的課題が存在しうる。これは、当業者ならば、下記の記載から明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明による予測値補正方法は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、を含む。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、前記予測値補正方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0012】
前記課題を解決するための本発明による予測値補正装置は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、を備える。
【0013】
前記課題を解決するためのイメージ圧縮方法は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成するステップと、前記生成された差を符号化するステップと、を含む。
【0014】
前記課題を解決するために、本発明は、前記イメージ圧縮方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0015】
前記課題を解決するためのイメージ圧縮装置は、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成する減算器と、前記生成された差を符号化する符号化器と、を備える。
【0016】
前記課題を解決するためのイメージ復元方法は、ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元するステップと、前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成するステップと、を含む。
【0017】
前記課題を解決するために、本発明は、前記イメージ復元方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0018】
前記課題を解決するためのイメージ圧縮装置は、ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元する復号化器と、前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成する加算器と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本実施形態によれば、イメージを構成するピクセルのカラーの予測値をカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて補正することによって、このピクセルの実際値にさらに近接してこのピクセルの値を予測できる。これにより、イメージを構成するピクセルの実際値と予測値との差、すなわちそのピクセルの予測値のエラーは0にさらに近くなり、イメージの圧縮率はさらに向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図3は、本発明の望ましい一実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。図3に示すように、本実施形態によるイメージ圧縮装置は、カラー再配列部31、減算器32、符号化器33、復元部34、予測部35及びカラー基盤の補正部36から構成される。特に、以下では、本実施形態についての説明を簡単にするために、イメージを構成するピクセルのうち、いずれか一つのピクセルの値を圧縮する観点で本実施形態を説明するが、イメージを構成するピクセルそれぞれに対して本実施形態が適用されることは、当業者ならば理解できる。図3に示した実施形態以外の他の実施形態についても同様である。
【0022】
減算器32は、イメージのピクセルのうち、現在処理しようとするピクセル(以下“現在のピクセル”という)のカラーの実際値から予測部35により生成されるか、またはカラー基盤の補正部36により補正された現在のピクセルのカラーの予測値を減算することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を生成する。特に、以下では、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差は、現在のピクセルのカラーの予測値のエラーと簡略に呼ばれることもある。
【0023】
符号化器33は、減算器32により生成された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を符号化し、このように符号化された結果を含むビットストリームを生成する。さらに詳細に説明すれば、符号化器33は、減算器32により減算された差を損失圧縮方式で符号化し、損失圧縮方式で符号化された結果を無損失圧縮方式で符号化する。損失圧縮方式の代表的な例としては、DCT(Discrete Cosine Transform)、量子化などが挙げられ、無損失圧縮方式の代表的な例としては、エントロピー符号化などが挙げられる。ただし、符号化器33は、損失圧縮方式及び無損失圧縮方式のうちいずれか一つの方式、例えば無損失圧縮方式のみを使用して減算器32により減算された差を符号化できることは、当業者ならば理解できるであろう。
【0024】
復元部34は、符号化器33により符号化された結果を復号化することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元し、このように復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。一般的に、復元部34は、符号化器33により符号化された結果を損失圧縮方式、例えば逆量子化、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)などによって復号化する。復元部34は、後述するイメージ復元装置がイメージ圧縮装置により符号化された結果を復号化することによって得られるイメージと同じイメージを復元することが目的である。
【0025】
予測部35は、復元部34により復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値は、現在のピクセルに最も近く位置したいずれか一つの隣接ピクセルのカラーの復元値、複数の隣接ピクセルのカラーの復元値の平均値、または現在のピクセルから特定の方向に位置した隣接ピクセルのカラーの復元値でありうる。また、当業者ならば、前記した方式以外に多様な方式で、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値が決定されることを理解できるであろう。
【0026】
カラー基盤の補正部36は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、予測部35により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。さらに詳細に説明すれば、カラー基盤の補正部36は、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差、すなわち基準カラーの予測値のエラーに基づいて、他のカラーの予測値を補正する。本実施形態では、イメージを構成するピクセルのカラーがR(赤)カラー、G(緑)カラー及びB(青)カラーならば、基準カラーをGカラーとする。ただし、ピクセルのカラーが他の組み合わせのカラーとなり、基準カラーもGカラーではない他のカラーとなることを当業者ならば理解できるであろう。このように、基準カラーではないRカラー、Bカラーに対してのみ予測値補正が行われ、基準カラーであるGカラーに対しては予測値補正が行われないため、減算器32は、Rカラー、Bカラーに対しては、現在のピクセルの実際値からカラー基盤の補正部36により補正された予測値を減算するが、Gカラーに対しては、現在のピクセルの実際値から予測部35により生成された予測値を減算する。
【0027】
一般的に、イメージ内でのピクセルのカラーの値の変化は、イメージ内の一部領域の輝度が変わる場合と、イメージ内の一部領域の色度が変わる場合とに分類される。イメージ内の一部領域の輝度が変わる場合には、この領域のピクセルのカラーの値、例えば、Rカラーの値、Gカラーの値、Bカラーの値はほぼ同一に変わる。イメージ内の一部領域の色度が変わる場合には、この領域のピクセルのカラーの値、例えば、Rカラーの値、Gカラーの値、Bカラーの値は異なって変わる。一般的に、前者は、主にイメージ内の事物または背景内部のピクセル間のカラー値の変化に該当し、後者は、主にイメージ内の事物間の境界部分でのピクセル間のカラー値の変化に該当する。
【0028】
イメージの特性上、互いに隣接するピクセルのカラーの値は連続的であるため、輝度が変わる領域内で特定のピクセルのみが色度が変わる形態でカラー値が変わったならば、これは、特定のカラー値の予測誤り累積など色々な原因による誤りである可能性が非常に高い。この点に着目して、本実施形態では、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、現在のピクセルのカラーの予測値を補正する方式、さらに詳しくは、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの予測値のエラーに基づいて、他のカラーの予測値を補正する方式を採択した。
【0029】
特に、前者の場合には、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関が非常に高く表れ、後者の場合には、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関が低く表れる。この点に着目して、本実施形態では、現在のピクセルのカラーのうち、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関を考慮して、他のカラーの予測値を補正する方式を採択した。さらに具体的な方式については、図5を参照しつつ後述する。
【0030】
図4は、図3に示したカラー基盤の補正部36の詳細構成図である。図4に示すように、図3に示したカラー基盤の補正部36は、相関解析部41、加算器42及び切断部43から構成される。
【0031】
相関解析部41は、現在のピクセルのカラーのうち、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関を表すオフセットを算出する。さらに詳細に説明すれば、相関解析部41は、次の式(1)によって、復元部34により生成された現在のピクセルの基準カラーの復元値と、予測部35により生成された他のカラーの予測値との差を、現在のピクセルの基準カラーの実際値と予測値との差、すなわち基準カラーの予測値のエラーに反映することによって、他のカラーそれぞれのオフセットを算出する。
【0032】
Offset=Errorref×[{256-ABS(Color_valueref-Predicted_value)}/256] (1)
すなわち、相関解析部41は、式(1)によって、現在のピクセルの基準カラーの復元値と他のカラーの予測値との差の絶対値を算出し、256からこのように算出された絶対値を減算し、その減算結果を256で割り、基準カラーの予測値のエラーにその割った結果値をかけることによって、前記したオフセットを算出する。式(1)は、カラーそれぞれの値が8ビットで表現されるという仮定下で“256”という値が算入された。
【0033】
前記した式(1)から、基準カラーの値に該当するGカラーの復元値とRカラーの予測値、Bカラーの予測値との差が小さいほど、相関解析部41により算出されたオフセットは、Gカラーの予測値のエラーに近くなり、Gカラー値とRカラー値、Bカラー値との差が大きいほど、相関解析部41により算出されたオフセットは、0に近くなるということが分かる。
【0034】
加算器42は、予測部35により生成された他のカラーの予測値に相関解析部41により算出されたオフセットを加算することによって、他のカラーの予測値を補正する。
【0035】
イメージ内で輝度が変わる領域では、Rカラーの値、Gカラーの値、Bカラーの値が互いに類似して変わるため、基準カラーの値に該当するGカラーの復元値とGカラーの予測値との差の変化は、Gカラーの復元値とRカラーの予測値との差の変化、Gカラーの値とBカラーの値との差の変化とほぼ一致する。したがって、かかる領域内でGカラーの復元値と他のカラーの予測値との差の変化が、Gカラーの復元値とGカラーの予測値との差の変化と非常に異なるならば、このカラーの予測値は誤りである可能性が非常に高い。この点に着目して、本実施形態では、前記した式(1)によって、現在のピクセルの基準カラーの復元値と他のカラーの予測値との差を基準カラーの予測値のエラーに反映し、その結果値を他のカラーの予測値に加算することによって、輝度が変わる領域でのピクセルの他のカラー値の変化が基準カラー値の変化と類似してなされるようにした。
【0036】
切断部43は、イメージを構成するピクセルのビット列長さによって、加算器42により補正された予測値のビット列のうち一部を切断する。もし、ピクセルのカラーの値それぞれが8ビット列で構成された場合ならば、加算器42により補正された予測値のビット列は8ビット列に合うように、すなわち0ないし255間の値に調整される必要がある。この場合、切断部43は、加算器42により補正された予測値が255を超えれば、加算器42により補正された予測値のビット列のうち最下位ビットから始めて8ビット列の超過部分を切断する。また、ピクセルのカラーの値それぞれが10ビット列で構成された場合ならば、加算器42により補正された予測値のビット列は10ビット列に合うように、すなわち0ないし1023間の値に調整される必要がある。この場合、切断部43は、加算器42により補正された予測値が1023を超えれば、加算器42により補正された予測値のビット列のうち最下位ビットから始めて10ビット列の超過部分を切断する。
【0037】
前記したように、現在のピクセルのカラーの復元値は、現在のピクセルのカラーの予測値に現在のピクセルのカラーの予測値のエラーが加算されることによって生成される。したがって、イメージを構成するあらゆるピクセルのカラーの値が完全に独立的に復元される場合でなければ、すなわち、一ピクセル単位でカラーの値が同時に復元される場合ならば、いずれか一つのピクセルの基準カラーの復元値が、このピクセルの他のカラーの値が復元される前に生成されない。本実施形態では、かかる問題点を解決するために、図3に示したようなカラー再配列部31を設けた。
【0038】
カラー再配列部31は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち基準カラーの値の位置を、基準カラーの値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル前に移動させる。図5は、図3に示したカラー再配列部31によるカラー再配列の形態を示す図である。図5に示すように、カラー再配列部31は、イメージを構成するピクセルそれぞれのGカラーの値の位置を、各Gカラーの値が属しているピクセルのRカラーの値、Bカラーの値の位置から一ピクセル前に移動させる。ここで、Gカラーの値の位置を一ピクセル前に移動させるというのは、本実施形態が一ピクセル単位でカラーそれぞれの値を同時に復元するという仮定下で、Gカラーの値の位置をこのGカラーの値が属しているピクセル直前に処理されるピクセルの位置に移動させ、Rカラーの値の位置とBカラーの値の位置とは固定させるということを意味する。したがって、イメージを構成するあらゆるピクセルのカラーの値が完全に独立的に復元される場合ならば、カラー再配列部31が不要であり、かかる方式のイメージ圧縮装置には、カラー再配列部31が備えられない。
【0039】
減算器32、符号化器33、復元部34、予測部35及びカラー基盤の補正部36それぞれは、カラー再配列部31による基準カラーの値の位置移動によって、イメージを構成するピクセルそれぞれの基準カラーの値処理を他のカラーの値処理に一ピクセル前に処理する。結果的に、復元部34は、カラー再配列部31による基準カラーの値の位置移動によって、イメージを構成するピクセルそれぞれの基準カラーの復元値を他のカラーの復元値より先に生成し、カラー基盤の補正部36は、このように先に生成された基準カラーの復元値を利用して他のカラーの予測値を補正する。
【0040】
図6は、図5に示したカラー再配列後のカラーの予測値の生成形態を示す図である。図6の左側には、JPEG−LS規格による予測値の生成形態が示されている。図6の左側に示すように、予測部35は、JPEG−LS規格に規定された次のようなアルゴリズムによって、現在のピクセルの左側に位置した隣接ピクセルA、上側に位置した隣接ピクセルB、左上側に位置した隣接ピクセルCのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。下記したアルゴリズムで、a,b,cそれぞれは、隣接ピクセルA,B,Cそれぞれのカラーの値であり、max(a,b)は、aとbのうち大きい値を意味し、min(a,b)は、aとbのうち小さい値を意味し、pは、参照ピクセルのいずれか一つのカラーの値を意味する。
【0041】
if(c>=max(a,b))then p=min(a,b);
else
{if (c<=min(a,b))then p=max(a,b);
else p=a+b-c;}
このアルゴリズムによれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間にエッジがいかなる方向に分布するかによって参照ピクセルの値が決定される。ここで、エッジとは、イメージ内でカラーの値が急激に変動する境界を意味する。予測部35は、c>=max(a,b)であるとき、min(a,b)=aであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に水平方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをaに決定する。また、予測部35は、c>=max(a,b)であるとき、min(a,b)=bであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に垂直方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをbに決定する。また、予測部35は、c<=min(a,b)であるとき、max(a,b)=aであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に水平方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをaに決定する。また、予測部35は、c<=min(a,b)であるとき、max(a,b)=bであれば、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に垂直方向のエッジが存在すると判定し、参照ピクセルの値pをbに決定する。また、予測部35は、min(a,b)<c<max(a,b)であるときには、現在のピクセルと隣接ピクセルA,B,Cとの間に垂直方向または水平方向のエッジが存在すると判定しがたいので、参照ピクセルの値pは、a+b−cに決定する。
【0042】
特に、当業者ならば、前記方式以外に多様な方式で現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値が決定されることを理解できるであろう。
【0043】
また、図6の右側には、本実施形態による予測値の生成形態が示されている。図6の右側に示すように、カラー基盤の補正部36は、現在のピクセルの左下側に位置した隣接ピクセルの基準カラーの値、すなわちGカラーの値を基準とした予測部35により、前記したようなアルゴリズムによって生成された他のカラーの予測値、すなわちRカラーの予測値、Bカラーの予測値の変化度に基づいてRカラーの予測値、Bカラーの予測値を補正する。
【0044】
図7は、本発明の望ましい他の実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。図7に示すように、本実施形態によるイメージ圧縮装置は、カラー再配列部71、減算器72、符号化器73、復元部74、予測部75、コンテキスト基盤の補正部76及びカラー基盤の補正部77から構成される。“コンテキスト基盤の予測値補正”は、本実施形態による“カラー基盤の予測値補正”と独立的であるため、重複に適用されうる。図7に示したイメージ圧縮装置は、図3に示したイメージ圧縮装置にコンテキスト基盤の補正部76が追加されたものである。図7に示したイメージ圧縮装置を構成する構成要素は、コンテキスト基盤の補正部76を除いては図3に示したイメージ圧縮装置を構成する構成要素と一致する。したがって、以下では、コンテキスト基盤の補正部76及びこれの追加による変更部分のみを説明する。
【0045】
コンテキスト基盤の補正部76は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、予測部75により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。
【0046】
カラー基盤の補正部77は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、コンテキスト基盤の補正部76により補正された予測値を補正する。ただし、当業者ならば、前記したようなコンテキスト基盤の補正部76の処理以後にカラー基盤の補正部77が処理される順序は変わりうることを理解できるであろう。すなわち、コンテキスト基盤の補正部76は、カラー基盤の補正部77により補正された予測値を補正することもできる。
【0047】
図8は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ圧縮方法のフローチャートである。図8に示すように、本実施形態によるイメージ圧縮方法は、図3に示したイメージ圧縮装置で時系列的に処理されるステップから構成される。したがって、以下で省略した内容であっても、図3に示したイメージ圧縮装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ圧縮方法にも適用される。
【0048】
ステップ81で、イメージ圧縮装置は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち基準カラーの値の位置を、基準カラーの値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル前に移動させる。前記したように、ステップ81は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0049】
ステップ82で、イメージ圧縮装置は、復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。ここで、復元されたイメージは、現在のピクセル以前に本実施形態によって処理されて復元されたピクセルで構成されたイメージを意味する。
【0050】
ステップ83で、イメージ圧縮装置は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、最も類似したコンテキストが表す当該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、ステップ82で生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。前記したように、ステップ83は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0051】
ステップ84で、イメージ圧縮装置は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、ステップ83で補正された現在のピクセルのカラーの予測値をもう一度補正する。前記したように、ステップ83とステップ84とは、その順序が変わりうる。
【0052】
ステップ85で、イメージ圧縮装置は、イメージのピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値から現在のピクセルのカラーの予測値を減算することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を生成する。
【0053】
ステップ86で、イメージ圧縮装置は、ステップ85で生成された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を符号化し、このように符号化された結果を含むビットストリームを生成する。
【0054】
ステップ87で、イメージ圧縮装置は、ステップ86で符号化された結果を復号化することによって、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元し、このように復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの復元値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。ステップ87で復元された現在のピクセルは、現在のピクセル以後に処理されるピクセルに対する参照ピクセルとして使われる。
【0055】
図9は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。図9に示すように、本実施形態によるイメージ復元装置は、復号化器91、加算器92、予測部93、カラー基盤の補正部94及びカラー再配列部95から構成される。イメージ圧縮過程とイメージ復元過程とは、互いに対称をなすため、図9に示したイメージ復元装置の構成要素は、図3に示したイメージ復元装置の構成要素とほぼ一致する。したがって、以下で省略した内容であっても、図3に示したイメージ圧縮装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ復元装置にも適用される。
【0056】
復号化器91は、図3に示したイメージ圧縮装置から伝送されたビットストリームに含まれたデータを復号化することによって、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元する。復号化器91は、図3に示したイメージ圧縮装置により行われたあらゆる符号化方式に対応する復号化方式、例えば、無損失圧縮方式であるエントロピー復号化、損失圧縮方式である逆量子化、IDCTなどによって復号化する。
【0057】
予測部93は、加算器92により復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。
【0058】
カラー基盤の補正部94は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、予測部93により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。さらに詳細に説明すれば、カラー基盤の補正部94は、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正する。カラー基盤の補正部94の詳細構成は、図5に示した構成と同一である。したがって、以下では、カラー基盤の補正部94の詳細構成についての詳細な説明を省略するが、図5に示した構成についてのあらゆる説明がカラー基盤の補正部94にも適用される。
【0059】
加算器92は、復号化器91により復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を予測部93により生成するか、またはカラー基盤の補正部94により補正された現在のピクセルのカラーの予測値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。前述したように、Rカラー、Bカラーに対してのみ予測値補正が行われ、基準カラーであるGカラーに対しては予測値補正が行われないため、加算器92は、Rカラー、Bカラーに対しては、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差をカラー基盤の補正部36により補正された予測値に加算するが、Gカラーに対しては、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を予測部93により生成された予測値に加算する。
【0060】
特に、加算器92は、現在のピクセルのカラーのうち基準カラーの復元値を、前記他のカラーの復元値より一ピクセル間隔ほど先に生成する。これは、図3に示したイメージ圧縮装置のカラー再配列部31により、基準カラーの値の位置が本来の位置から一ピクセル前に移動したためである。したがって、基準カラーの値の位置を本来の位置に戻す過程が必要であるが、下記のカラー再配列部95がかかる役割を行う。
【0061】
カラー再配列部95は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち先に生成された基準カラーの復元値の位置を、この基準カラーの復元値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル後に移動させる。図3に示したイメージ圧縮装置にカラー再配列部31が備えられていない実施形態で具現されるならば、基準カラーの値の位置を本来の位置に戻す必要がないため、このカラー再配列部95は不要である。
【0062】
図10は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。図10に示すように、本実施形態によるイメージ復元装置は、復号化器101、加算器102、予測部103、コンテキスト基盤の補正部104、カラー基盤の補正部105及びカラー再配列部106から構成される。イメージ圧縮過程とイメージ復元過程とは、互いに対称をなすため、図7に示したイメージ復元装置の構成要素は、図10に示したイメージ復元装置の構成要素とほぼ一致する。したがって、以下で省略した内容であっても、図7に示したイメージ圧縮装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ復元装置にも適用される。また、図10に示したイメージ復元装置を構成する構成要素は、コンテキスト基盤の補正部104を除いては、図9に示したイメージ圧縮装置を構成する構成要素と一致する。したがって、以下では、コンテキスト基盤の補正部104及びこれの追加による変更部分のみを説明する。
【0063】
コンテキスト基盤の補正部104は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、予測部103により生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。
【0064】
カラー基盤の補正部105は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、コンテキスト基盤の補正部104により補正された予測値を補正する。ただし、当業者ならば、前記したようなコンテキスト基盤の補正部104の処理以後にカラー基盤の補正部105が処理される順序は変わりうることを理解できるであろう。すなわち、コンテキスト基盤の補正部104は、カラー基盤の補正部105により補正された予測値を補正することもできる。
【0065】
図11は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元方法のフローチャートである。図11に示すように、本実施形態によるイメージ復元方法は、図9に示したイメージ圧縮装置で時系列的に処理されるステップから構成される。したがって、以下で省略した内容であっても、図11に示したイメージ復元装置に関して前述した内容は、本実施形態によるイメージ復元方法にも適用される。
【0066】
ステップ111で、イメージ復元装置は、図3に示したイメージ圧縮装置から伝送されたビットストリームに含まれたデータを復号化することによって、イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を復元する。
【0067】
ステップ112で、イメージ復元装置は、復元されたイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から現在のピクセルのカラーの値を予測する。ここで、復元されたイメージは、現在のピクセル以前に本実施形態によって処理されて復元されたピクセルで構成されたイメージを意味する。
【0068】
ステップ113で、イメージ復元装置は、イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表す当該ピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、ステップ112で生成された現在のピクセルのカラーの予測値を補正する。前記したように、ステップ113は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0069】
ステップ114で、イメージ復元装置は、イメージ内でのピクセル間のカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、ステップ113で補正された予測値を補正する。前記したように、ステップ113とステップ114とは、その順序が変わりうる。
【0070】
ステップ115で、イメージ復元装置は、ステップ111で復元された現在のピクセルのカラーの実際値と予測値との差を現在のピクセルのカラーの予測値に加算することによって、現在のピクセルのカラーの復元値を生成する。ステップ115で復元された現在のピクセルは、現在のピクセル以後に処理されるピクセルに対する参照ピクセルとして使われる。
【0071】
ステップ116で、イメージ復元装置は、イメージを構成するピクセルそれぞれのカラーのうち先に生成された基準カラーの復元値の位置を、この基準カラーの復元値が現在属しているピクセル位置からピクセル処理順序上の一ピクセル後に移動させる。前記したように、ステップ83は、本実施形態がいかなる方式で具現されるかによって省略しうる。
【0072】
図12は、本発明の望ましいさらに他の実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法のフローチャートである。図12に示すように、本実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法は、図5に示したカラー基盤の補正部36で時系列的に処理されるステップから構成される。したがって、以下で省略した内容であっても、図5に示したカラー基盤の補正部36に関して前述した内容は、本実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法にも適用される。特に、図12に示したフローチャートは、図8に示したステップ84、図11に示したステップ114の詳細フローチャートである。
【0073】
ステップ121で、カラー基盤の補正部36は、現在のピクセルのカラーのうち、基準カラーの値の変化に対する他のカラーの値の変化の相関を表すオフセットを算出する。
【0074】
ステップ122で、カラー基盤の補正部36は、他のカラーの予測値にステップ121で算出されたオフセットを加算することによって、他のカラーの予測値を補正する。
【0075】
ステップ123で、カラー基盤の補正部36は、イメージを構成するピクセルのビット列長によって、ステップ122で補正された予測値のビット列のうち一部を切断する。
【0076】
一方、前述した本発明の実施形態は、コンピュータで実行できるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、前述した本発明の実施形態で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に色々な手段を通じて記録される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、磁気記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的な読み取り媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0077】
これまで、本発明について、その望ましい実施形態を中心に述べた。当業者は、本発明が、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態に具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等な範囲内にあるあらゆる相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、イメージ関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】従来の一般的なイメージ圧縮装置の構成図である。
【図2】従来のJPEG−LS規格によるイメージ圧縮装置の構成図である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。
【図4】図3に示したカラー基盤の補正部の詳細構成図である。
【図5】図3に示したカラー再配列部によるカラー再配列の形態を示す図である。
【図6】図5に示したカラー再配列後のカラーの予測値の生成形態を示す図である。
【図7】本発明の望ましい他の実施形態によるイメージ圧縮装置の構成図である。
【図8】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ圧縮方法のフローチャートである。
【図9】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。
【図10】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元装置の構成図である。
【図11】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるイメージ復元方法のフローチャートである。
【図12】本発明の望ましいさらに他の実施形態によるカラー基盤の予測値補正方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
31、71、95、106 カラー再配列部
32、72 減算器
33、73 符号化器
34、74 復元部
35、75、93、103 予測部
36、77、94、105 カラー基盤の補正部
41 相関解析部
42、92、102 加算器
43 切断部
76、104 コンテキスト基盤の補正部
91、101 復号化器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、を含むことを特徴とする予測値補正方法。
【請求項2】
前記予測値を補正するステップは、前記カラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正することを特徴とする請求項1に記載の予測値補正方法。
【請求項3】
前記予測値を補正するステップは、
前記カラーのうち基準カラーの値に対する他のカラーの予測値の変化の相関を表すオフセットを算出するステップと、
前記他のカラーの予測値に前記算出されたオフセットを加算することによって、前記他のカラーの予測値を補正するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の予測値補正方法。
【請求項4】
前記オフセットを算出するステップは、前記基準カラーの値と前記他のカラーの予測値との差を前記基準カラーの実際値と予測値との差に反映することによって、前記他のカラーそれぞれのオフセットを算出することを特徴とする請求項3に記載の予測値補正方法。
【請求項5】
前記補正された予測値のビット列のうち一部を切断するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の予測値補正方法。
【請求項6】
前記ビット列は、前記他のカラーの予測値の補正値と前記基準カラーの予測値とを含むことを特徴とする請求項5に記載の予測値補正方法。
【請求項7】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、を含むことを特徴とする予測値補正方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、を備えることを特徴とする予測値補正装置。
【請求項9】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成するステップと、
前記生成された差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項10】
前記予測値を補正するステップは、前記カラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正することを特徴とする請求項9に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項11】
前記符号化された結果から、前記基準カラーの復元値を他のカラーの復元値より先に生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項12】
前記ピクセルそれぞれの基準カラーの値の位置を、前記基準カラーの値が現在属しているピクセル位置から一ピクセル前に移動させるステップをさらに含み、
前記復元値を生成するステップは、前記基準カラーの値の位置移動によって前記基準カラーの復元値を前記他のカラーの復元値より先に生成することを特徴とする請求項11に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項13】
前記イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、前記現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表すピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項14】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成するステップと、
前記生成された差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元するステップと、
前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成するステップと、を含むことを特徴とするイメージ復元方法。
【請求項16】
前記予測値を補正するステップは、前記カラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正することを特徴とする請求項15に記載のイメージ復元方法。
【請求項17】
前記復元値を生成するステップは、前記基準カラーの復元値を他のカラーの復元値より先に復元することを特徴とする請求項15に記載のイメージ復元方法。
【請求項18】
前記先に復元された基準カラーの復元値の位置を、前記基準カラーの復元値を現在属しているピクセル位置から一ピクセル後に移動させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のイメージ復元方法。
【請求項19】
前記イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、前記現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表すピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージ復元方法。
【請求項20】
ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元するステップと、
前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成するステップと、を含むことを特徴とするイメージ復元方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項21】
イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、入力されたイメージの予測値を補正する補正部と、
前記イメージの入力値と前記補正された予測値との差を符号化する符号化器と、を備えることを特徴とするイメージ圧縮システム。
【請求項22】
前記符号化器は、前記イメージの少なくとも一つのピクセルの基準カラーの値と、前記符号化された結果内の他のピクセル位置にある対応予測値との差を符号化することを特徴とする請求項21に記載のイメージ圧縮システム。
【請求項23】
ビットストリームからイメージの入力値と、前記入力値を圧縮する過程で使われた前記イメージの予測値との差を復元する復元部と、
前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正する補正部と、を備え、
前記予測値は、基準カラーの値に対して前記イメージを圧縮する過程で使われた予測値と、他のカラーの値に対して前記イメージを圧縮する過程で使われた補正予測値とを含むことを特徴とするイメージ復元システム。
【請求項24】
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記イメージの復元値を生成する加算器をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載のイメージ復元システム。
【請求項25】
入力されたイメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記イメージの予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うコンテキスト基盤の補正部と、
前記イメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記コンテキスト基盤の補正された予測値を補正する補正部と、
前記イメージの入力値と前記カラー基盤の補正された予測値との差を符号化する符号化器と、を備えることを特徴とするイメージ圧縮システム。
【請求項26】
入力されたイメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正する補正部と、
前記イメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記補正された予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うコンテキスト基盤の補正部と、
前記イメージの入力値と前記コンテキスト基盤の補正された予測値との差を符号化する符号化器と、を備えることを特徴とするイメージ圧縮システム。
【請求項27】
イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、入力されたイメージの予測値を補正するステップと、
前記イメージの入力値と前記補正された予測値との差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項28】
前記符号化するステップは、前記イメージの少なくとも一つのピクセルの基準カラーの値と、前記符号化された結果内の他のピクセル位置にある対応予測値との差を符号化することを特徴とする請求項27に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項29】
ビットストリームからイメージの入力値と、前記入力値を圧縮する過程で使われた前記イメージの予測値との差を復元するステップと、
前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正するステップと、を含み、
前記予測値は、基準カラーの値に対して前記イメージを圧縮する過程で使われた予測値と異なるカラーの値に対して、前記イメージを圧縮する過程で使われた補正予測値を含むことを特徴とするイメージ復元方法。
【請求項30】
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記イメージの復元値を生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のイメージ復元方法。
【請求項31】
入力されたイメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記イメージの予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うステップと、
前記イメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記コンテキスト基盤の補正された予測値を補正するステップと、
前記イメージの入力値と前記カラー基盤の補正された予測値との差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項32】
入力されたイメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正するステップと、
前記イメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記補正された予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うステップと、
前記イメージの入力値と前記コンテキスト基盤の補正された予測値との差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項1】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、を含むことを特徴とする予測値補正方法。
【請求項2】
前記予測値を補正するステップは、前記カラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正することを特徴とする請求項1に記載の予測値補正方法。
【請求項3】
前記予測値を補正するステップは、
前記カラーのうち基準カラーの値に対する他のカラーの予測値の変化の相関を表すオフセットを算出するステップと、
前記他のカラーの予測値に前記算出されたオフセットを加算することによって、前記他のカラーの予測値を補正するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の予測値補正方法。
【請求項4】
前記オフセットを算出するステップは、前記基準カラーの値と前記他のカラーの予測値との差を前記基準カラーの実際値と予測値との差に反映することによって、前記他のカラーそれぞれのオフセットを算出することを特徴とする請求項3に記載の予測値補正方法。
【請求項5】
前記補正された予測値のビット列のうち一部を切断するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の予測値補正方法。
【請求項6】
前記ビット列は、前記他のカラーの予測値の補正値と前記基準カラーの予測値とを含むことを特徴とする請求項5に記載の予測値補正方法。
【請求項7】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、を含むことを特徴とする予測値補正方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測する予測部と、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正する補正部と、を備えることを特徴とする予測値補正装置。
【請求項9】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成するステップと、
前記生成された差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項10】
前記予測値を補正するステップは、前記カラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正することを特徴とする請求項9に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項11】
前記符号化された結果から、前記基準カラーの復元値を他のカラーの復元値より先に生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項12】
前記ピクセルそれぞれの基準カラーの値の位置を、前記基準カラーの値が現在属しているピクセル位置から一ピクセル前に移動させるステップをさらに含み、
前記復元値を生成するステップは、前記基準カラーの値の位置移動によって前記基準カラーの復元値を前記他のカラーの復元値より先に生成することを特徴とする請求項11に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項13】
前記イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、前記現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表すピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項14】
イメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記現在のピクセルのカラーの実際値と前記補正された現在のピクセルのカラーの予測値との差を生成するステップと、
前記生成された差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元するステップと、
前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成するステップと、を含むことを特徴とするイメージ復元方法。
【請求項16】
前記予測値を補正するステップは、前記カラーのうち基準カラーの実際値と予測値との差に基づいて、他のカラーの予測値を補正することを特徴とする請求項15に記載のイメージ復元方法。
【請求項17】
前記復元値を生成するステップは、前記基準カラーの復元値を他のカラーの復元値より先に復元することを特徴とする請求項15に記載のイメージ復元方法。
【請求項18】
前記先に復元された基準カラーの復元値の位置を、前記基準カラーの復元値を現在属しているピクセル位置から一ピクセル後に移動させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のイメージ復元方法。
【請求項19】
前記イメージ内の複数のピクセルの過去に累積されたコンテキストのうち、前記現在のピクセルのコンテキストと一致するか、または最も類似したコンテキストが表すピクセルのカラーの予測値のエラーに基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージ復元方法。
【請求項20】
ビットストリームからイメージを構成するピクセルのうち、現在のピクセルのカラーの実際値と前記現在のピクセルのカラーの予測値との差を復元するステップと、
前記現在のピクセルに対応する参照ピクセルのカラーの値から前記現在のピクセルのカラーの値を予測するステップと、
前記イメージ内での前記カラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記現在のピクセルのカラーの予測値を補正するステップと、
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記現在のピクセルのカラーの復元値を生成するステップと、を含むことを特徴とするイメージ復元方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項21】
イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、入力されたイメージの予測値を補正する補正部と、
前記イメージの入力値と前記補正された予測値との差を符号化する符号化器と、を備えることを特徴とするイメージ圧縮システム。
【請求項22】
前記符号化器は、前記イメージの少なくとも一つのピクセルの基準カラーの値と、前記符号化された結果内の他のピクセル位置にある対応予測値との差を符号化することを特徴とする請求項21に記載のイメージ圧縮システム。
【請求項23】
ビットストリームからイメージの入力値と、前記入力値を圧縮する過程で使われた前記イメージの予測値との差を復元する復元部と、
前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正する補正部と、を備え、
前記予測値は、基準カラーの値に対して前記イメージを圧縮する過程で使われた予測値と、他のカラーの値に対して前記イメージを圧縮する過程で使われた補正予測値とを含むことを特徴とするイメージ復元システム。
【請求項24】
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記イメージの復元値を生成する加算器をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載のイメージ復元システム。
【請求項25】
入力されたイメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記イメージの予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うコンテキスト基盤の補正部と、
前記イメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記コンテキスト基盤の補正された予測値を補正する補正部と、
前記イメージの入力値と前記カラー基盤の補正された予測値との差を符号化する符号化器と、を備えることを特徴とするイメージ圧縮システム。
【請求項26】
入力されたイメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正する補正部と、
前記イメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記補正された予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うコンテキスト基盤の補正部と、
前記イメージの入力値と前記コンテキスト基盤の補正された予測値との差を符号化する符号化器と、を備えることを特徴とするイメージ圧縮システム。
【請求項27】
イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、入力されたイメージの予測値を補正するステップと、
前記イメージの入力値と前記補正された予測値との差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項28】
前記符号化するステップは、前記イメージの少なくとも一つのピクセルの基準カラーの値と、前記符号化された結果内の他のピクセル位置にある対応予測値との差を符号化することを特徴とする請求項27に記載のイメージ圧縮方法。
【請求項29】
ビットストリームからイメージの入力値と、前記入力値を圧縮する過程で使われた前記イメージの予測値との差を復元するステップと、
前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正するステップと、を含み、
前記予測値は、基準カラーの値に対して前記イメージを圧縮する過程で使われた予測値と異なるカラーの値に対して、前記イメージを圧縮する過程で使われた補正予測値を含むことを特徴とするイメージ復元方法。
【請求項30】
前記復元された差を前記補正された予測値に加算することによって、前記イメージの復元値を生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載のイメージ復元方法。
【請求項31】
入力されたイメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記イメージの予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うステップと、
前記イメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記コンテキスト基盤の補正された予測値を補正するステップと、
前記イメージの入力値と前記カラー基盤の補正された予測値との差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【請求項32】
入力されたイメージのカラー基盤の補正値を生成するために、前記イメージ内でのカラーの値それぞれの変化の類似度に基づいて、前記イメージの予測値を補正するステップと、
前記イメージのコンテキスト基盤の補正値を生成するために、前記補正された予測値に対するコンテキスト基盤の補正を行うステップと、
前記イメージの入力値と前記コンテキスト基盤の補正された予測値との差を符号化するステップと、を含むことを特徴とするイメージ圧縮方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−71827(P2009−71827A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233970(P2008−233970)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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