説明

カーテンシールドエアバッグのガーニッシュ用クリップ

【課題】 カーテンシールドエアバッグが展開するときガーニッシュが車体から離れようとするのに抵抗して、乗員への接近を最少にするガーニッシュ用クリップを提供する。
【解決手段】 クリップ10は、車体6に取付けられるボデー取付部11と、ガーニッシュ7に取付けられるガーニッシュ取付部13とからなり、ガーニッシュ取付部13は、一端がボデー取付部11に連結されてボデー取付部から板状に延びる基部20と、基部の他端のU字連結部21を介してボデー取付部11に向けて延びる板状のガーニッシュ係止部22とからなり、ガーニッシュ係止部22は、ボデー取付部11の頭部14に、ロック手段(ロック凹部18及びロック片23)によって連結され、ガーニッシュ取付部13は、ロック手段のロックが解除してもガーニッシュ係止部22が頭部14から離れる方向に更に開くのに抵抗する剛性がリブ25〜27によって与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開前のカーテンシールドエアバッグの一部又は全部を収納するガーニッシュをフロントピラー等の車体に固着する、カーテンシールドエアバッグのガーニッシュ用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−211345号公報(特許文献1)には頭部保護用のカーテンシールドエアバッグをガーニッシュによってフロントピラー等に固定する構造が開示されている。カーテンシールドエアバッグはフロントピラーに延びる部分がガーニッシュに収納されて保持される。カーテンシールドエアバッグ部分は、展開スペースを形成するガーニッシュの可動部分に収納されて、衝突やロールオーバ(転倒)等の場合に乗員の頭部を保護するようにカーテンシールドエアバッグが展開するのを可能にしている。特許文献1の場合、カーテンシールドエアバッグを収納保持するガーニッシュは、ボルトとナットによってピラーに固定されている。
【0003】
特開2003−104156号公報(特許文献2)には、カーテンシールドエアバッグをピラーに保持するガーニッシュが開示されている。カーテンシールドエアバッグはガーニッシュに収納されて保持され、ガーニッシュはフェース部とブラケット部とから構成される。ブラケット部は、一部がフェース部に固着され、他の部分で取外し可能にフェース部に係止され、更に、ブラケット部は前記の取外し可能連結部がある位置でピラー取付穴に固定する係止部を有する。カーテンシールドエアバッグは、フェース部とブラケットによって包囲されて収納保持され、展開するときフェース部が取外し可能連結部で連結が外れて展開することができる。
【0004】
特表2002−519591号公報(特許文献3)には、カーテンシールドエアバッグが急激に展開したときにガーニッシュがピラーから外れてもそのガーニッシュが飛び出たりすることのないように、ガーニッシュ等のトリムをピラー等の近くに留めるクリップが開示されている。クリップは、ピラー等の開口内にスナップ留めされる第1雄型部と、トリムにスナップ留めされ且つ自身の中空部分に第2雄型部がスナップ留めされる雌型部品と、第1雄型部から直線的に延び、雌型部品にスナップ留めされて雌型部品を介してトリムに連結される第2雄型部と、第1雄型部と雌型部品とを連結する可撓性のストラップとから構成され、第2雄型部が雌型部品から外れて、第1雄型部が係合したピラー等からトリムが外れても、トリムに連結された雌型部品から延びるストラップによってトリムがピラー等から離れることはなく、トリムの飛び出しを防止している。
【0005】
【特許文献1】特開2002−211345号公報
【特許文献2】特開2003−104156号公報
【特許文献3】特表2002−519591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に開示されるカーテンシールドエアバッグの取付構造は、カーテンシールドエアバッグが展開しても、ガーニッシュがピラーから乗員へ向けて飛び出すことが阻止されており、乗員への安全を図っている。しかし、特許文献1のガーニッシュは、ピラーへの取付け作業が複雑な形状の自動車の組み付けラインでボルトとナットを用いて行われるため、取付け作業が面倒で時間もかかる。また、カーテンシールドエアバッグの展開時のスペースを確保するため、ガーニッシュはピラーへの取付け部分が特殊な構造に形成されねばならない。特許文献2のガーニッシュでは、ブラケットとガーニッシュのフェース部との固定が爪の場合強度上多点での固定が必要であり、又は溶着では溶着機等の設備が必要で作業が煩雑である。特許文献3のクリップは、ストラップが直線的に構成されているため取付け作業において、ストラップをいちいち曲げて取付けなければならず非常に煩雑である。
【0007】
従って、本発明の目的は、カーテンシールドエアバッグを保持するガーニッシュをピラー等の車体に簡単に取付けることのできる簡単な構造のクリップであって、カーテンシールドエアバッグが展開するときガーニッシュが車体から離れようとするのに抵抗して、乗員への接近を最少にするガーニッシュ用クリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、展開前のカーテンシールドエアバッグを収納するガーニッシュをピラー等の車体に取付ける、本発明に係るカーテンシールドエアバッグのガーニッシュ用クリップは、車体に取付けられるボデー取付部と、ガーニッシュに取付けられるガーニッシュ取付部とからなり、ガーニッシュ取付部は、一端がボデー取付部に連結されてボデー取付部から板状に延びる基部と、基部の他端のU字連結部を介して基部に対面するようにボデー取付部まで延びる板状のガーニッシュ係止部とからなり、ガーニッシュ係止部及びボデー取付部には、相互に対面する位置に、ガーニッシュ係止部部分をボデー取付部に連結するようにロックするロック手段が設けられ、ロック手段は、カーテンシールドエアバッグの展開によってガーニッシュからガーニッシュ係止部にボデー取付部から離すように加わる衝撃力でロックを解除する連結力を有し、ガーニッシュ取付部は、ロック手段のロックが解除した後にもガーニッシュ係止部がボデー取付部から離れる方向に開くのに抵抗する剛性を有することを特徴とする。
【0009】
上記クリップは、全体としてほぼU字形状の、ガーニッシュ取付部とボデー取付部とから成る簡単な構造であり、また、ボデー取付部によってボルト及びナットを不要にするのでピラーへの取付けも簡単にでき、ガーニッシュへの取付けもガーニッシュ取付部によって簡単にでき、ガーニッシュ取付部は、カーテンシールドエアバッグが展開するときガーニッシュへの衝撃をロック手段のロックが解除するまでそのロック手段で抑制し、ロック手段の解除によってガーニッシュ係止部がボデー取付部から少し離れてガーニッシュと車体との間にカーテンシールドエアバッグが展開するスペースができた後も、ガーニッシュ係止部が更にボデー取付部から離れる方向に開くのに抵抗してガーニッシュが更に車体から離れようとするのを防止し、これによって、ガーニッシュが乗員へ接近するのを最少に抑えることができる。
【0010】
上記クリップにおいて、ロック手段は、ガーニッシュ係止部又はボデー取付部の一方から延びるロック片と、ガーニッシュ係止部又はボデー取付部の他方に設けられた、ロック片先端のロック爪を受入れて係止するロック凹部とから構成される。また、基部とU字連結部とガーニッシュ係止部とには、長手方向に延びるリブが形成され、カーテンシールドエアバッグの展開によるガーニッシュの移動によってロック手段がロックを解除した後にガーニッシュ係止部が基部の一端から離れる方向に開くのに抵抗する剛性がリブによってガーニッシュ取付部に付与される。そのクリップにおいて、リブは、基部とガーニッシュ係止部とが対向する部分では相互に対面する面に突出して形成され、U字連結部では外側に突出するように形成されて、ガーニッシュ係止部と基部とがU字連結部部分で撓むことができる。また、ガーニッシュ係止部にはロック手段が設けられた面と反対側の面に、ガーニッシュの係止凹部にスライドして嵌合するガーニッシュ嵌合筒部が形成されている。これによって、クリップをガーニッシュへスライドすることによって取付けることができる。更に、クリップのボデー取付部は、車体の取付穴に挿入することによって係止する、一対の係止爪を有する係止脚からなる。これによって、車体の取付穴への挿入によって簡単にクリップを車体へ取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、カーテンシールドエアバッグ1が自動車に取付けられた様子を示している。カーテンシールドエアバッグ1は、自動車の乗員の主に頭部を保護するもので、自動車の内側において、フロント(Front)側からリア(Rear)側までのドアウインドウ上部のレール2等の車体に乗員に見えないように収納されて保持される。例えば、衝突時とかロールオーバ(転倒)時等においては、自動車に衝撃が加わり、インフレータと呼ばれる圧縮ガス源3から気体が噴出してドアウインドウ下方(矢印5の方向)に急激に展開して乗員の頭部等を保護する。フロント側の車体であるフロントピラー6においても、カーテンシールドエアバッグ1はその一部がガーニッシュ7によって収納されて保持される。ガーニッシュ7は、フロントピラー6に沿って取付けられており、本実施形態においては、ガーニッシュ7は、カーテンシールドエアバッグ1に近い側では、2箇所において単純な形状の押し込みタイプの係止具9で取外し可能に取付けられ、カーテンシールドエアバッグ1に遠い側では、ガーニッシュ7がフロントピラーから脱落するのを阻止するとともに乗員の側に撓むのを阻止するため、本発明に係る、ガーニッシュ用のクリップ10で固定されている。
【0012】
本発明の1実施形態に係るガーニッシュ用のクリップ10の詳細について、主として図2を参照し、図2の矢印IIIの方向からの矢視図である図3、図2の矢印IVの方向からの矢視図である図4、図2のV−V線断面図である図5、及び組付け後を示す図6を参照して説明する。クリップ10は、プラスチックの一体成形品で成り、例えば、インジェクション成形によって形成される。クリップ10は、フロントピラー6等の車体に取付けられるボデー取付部11と、ガーニッシュ7に取付けられるガーニッシュ取付部13とからなる。ボデー取付部11は、フロントピラー等の車体の取付穴に挿入することによって係止する構造である。図示のボデー取付部11は、ガーニッシュ取付部13に一体的に形成された頭部14と、頭部14から垂下する係止脚15とからなる。係止脚15には、下端側から頭部14に向けて外側に張出すように延びた、弾性の一対の係止爪16が形成されている。係止脚15は、断面が矩形に形成され、ピラー6の取付穴が角穴に形成されている場合、軸心回りの回転を阻止できる。頭部14の下部には、外方であって係止脚15に向けて延びる、板状の一対の弾性片17が設けられ、ピラー7の取付穴へ係止脚15の係止爪16が係止した状態を安定させる。なお、ボデー取付部11は、他の形状であってもよく、例えば、ピラー7の取付穴に挿入によって係止する錨脚形状のものであってもよい。頭部14には、ガーニッシュ取付部13に対面する位置に、一方のロック手段としてのロック凹部18が形成されており、ロック凹部18には一対の係止肩19が形成されている。
【0013】
ガーニッシュ取付部13は、一端がボデー取付部11の頭部14に一体的に形成されてボデー取付部11から細長い板状に延びる基部20と、基部20の他端に一体的に形成されてボデー取付部11に向かうようにU字形状に形成されたU字連結部21と、U字連結部21からボデー取付部11に向けて基部20及びボデー取付部11の頭部14に対面するように延びる細長い板状のガーニッシュ係止部22とからなる。ガーニッシュ係止部22の頭部14に対面する位置には、他方のロック手段としての一対のロック片23が頭部14のロック凹部18に挿入可能なように形成されている。ロック片23の先端には、ロック爪24が形成されていて、ロック凹部18の係止肩19に係止する。
【0014】
ロック片23及びロック凹部18からなるロック手段は、図6の実線で示すように、ガーニッシュ係止部22を、ボデー取付部11の頭部14に連結する。図6の矢印Aで示す組付け状態、すなわち、ガーニッシュ係止部22が頭部14に連結された状態が、本発明に係るクリップ10の使用状態である。ガーニッシュ係止部22がボデー取付部11の頭部14に連結される限り、ロック片23及びロック凹部18の一方が、ガーニッシュ係止部22及び頭部14のいずれか一方に形成され、ロック片23又はロック凹部18の他方がガーニッシュ係止部22及び頭部14の他方に形成されればよい。ロック片23のロック爪24がロック凹部18の係止肩19に係止する係止力は、カーテンシールドエアバッグが展開する程の強力な力でない限り係止状態を維持し、カーテンシールドエアバッグが急激に展開するときに加わるガーニッシュへの衝撃によって、その衝撃に抵抗しつつ係止が外れるように選定される。これによって、連結が外れるまでは、カーテンシールドエアバッグが展開するときに加わるガーニッシュへの衝撃が吸収され抑えられる。ロック手段として、ロック凹部と一対のロック片とが示されているが、ロック片は1対ではなく、1〜数本の任意のものでよく、ロック凹部もロック片に係止する係止片を有するものであれば凹部でなくともよい。
【0015】
ガーニッシュ取付部13は、ロック片23がロック凹部18からロック解除されたのちであっても、ボデー取付部11の頭部14に近い位置においてガーニッシュ係止部22が基部20から離れる方向に開くのに抵抗できる剛性を有する。その剛性を付与するため、基部20とU字連結部21とガーニッシュ係止部23とには、長手方向に延びるリブ(突条)25、26、27が形成されている。リブ25及び27は、基部20とガーニッシュ係止部27とが対向する部分では相互に対面する面に突出して形成され、リブ26はU字連結部21の外側に湾曲して突出するように形成されている。ロック片23とロック凹部18とのロック解除後、リブ25、26、27による剛性がガーニッシュ取付部11に付与されることによって、ガーニッシュ係止部13が頭部14から少し離れてガーニッシュと車体との間にカーテンシールドエアバッグが展開するスペースができた後でも、ガーニッシュ係止部22がボデー取付部11の頭部14から離れる方向に開くのに抵抗してガーニッシュ取付部11に取付けられたガーニッシュが車体から更に離れようとするのには抵抗し、ガーニッシュが乗員へ接近するのを最少に抑えることができる。また、リブ26がU字連結部21の外側に突出して形成され、リブ25と27が基部20とガーニッシュ係止部22の対面する面に突出して形成されているので、ガーニッシュ取付部13は、U字連結部21と基部20及びガーニッシュ係止部22との境界部分において可撓性が与えられ、U字連結部21の境界部分でガーニッシュ係止部22がボデー取付部11の頭部14から離れるように撓むことができる。
【0016】
ガーニッシュ係止部22には、ロック片23とは反対側の面(図2の上面)に、ガーニッシュ7の係止凹部29(図7を参照されたい)にスライドして嵌合するガーニッシュ用の嵌合筒部30が形成されている。嵌合筒部30は、高さがガーニッシュの厚さに合わせて選定され、上部には係止凹部29から抜けないようにするためのフランジ31が形成される。嵌合筒部30は円筒形状に形成され、その外径は係止凹部29の入口部分の狭い幅とほぼ同じように設定されるのが好ましい。これによって、嵌合筒部30をガーニッシュ7の係止凹部29に入るように(図7の矢印33参照)クリップ10をガーニッシュ7へスライドすることによって取付けることができ、取付けた後は、クリップ10はガーニッシュ7から外れるにくくなる。なお、ガーニッシュへの取付けには、他の取付け形状、例えば、ボデー取付部11のように押し込みによって取付けられるものであってもよい。
【0017】
かかる構成のクリップ10を用いて、カーテンシールドエアバッグ1のフロントピラー6側の端部を収納して保持するガーニッシュ7をフロントピラー6に取付けた様子が図1に示されている。既述のように、図示の実施形態においては、ガーニッシュ7は、カーテンシールドエアバッグ1に近い側では、単純な形状の押し込みタイプの係止具9によって2個所で取外し可能に取付けられ、カーテンシールドエアバッグ1に遠い側において本発明に係るクリップ10で固定されて、ガーニッシュ7がフロントピラーから脱落するのを阻止するとともに乗員の側に撓むのを阻止する。
【0018】
本発明に係るクリップ10は、ガーニッシュ7に予め取付けられてから自動車の組み付けラインに持ち込まれるのが好ましい。これによって、自動車の組み付けラインでクリップをガーニッシュに取付ける時間及び手間を節約できる。クリップ10をガーニッシュ7に取付けるには、図7に図示のように、嵌合筒部30を、ガーニッシュ7の係止凹部29に入るように、矢印33の方向にクリップ10をスライドすればよい。係止凹部29は、図7に図示のように、入口部分の幅が狭くされ、内部で大径の穴に形成されている。これによって、入口部分の幅とほぼ同径の嵌合筒部30が係止凹部29の中に入ってクリップ10がガーニッシュ7に取付けられた後は、意図しない場合、クリップ10がガーニッシュ7から外れることは殆どない。
【0019】
クリップ付きのガーニッシュ7が、自動車の組み付けラインに送られて、図1に示すように、他の係止具9とともにクリップ10を用いてフロントピラー6に取付けられる。図8に示すように、クリップ10は、ボデー取付部11の係止脚15がフロントピラー6の取付穴34に挿入されると、係止爪16が取付穴34の縁部に係止して、クリップ10がフロントピラー6に取付けられる。これによって、図1及び図8に図示のように、ガーニッシュ7はフロントピラー6に取付けられる。
【0020】
図9〜図11は、衝突やロールオーバ等によって自動車に衝撃が加わり、カーテンシールドエアバッグ1が圧縮ガス源3からの気体によって急激に展開して乗員の頭部等を保護する状態の様子を示している。図9に示すように、カーテンシールドエアバッグ1は、ガーニッシュ7に収納された部分も乗員の頭部を保護するように下方に展開する。図9の矢印Xの方向から見た図である図10に示されるように、ガーニッシュ7はカーテンシールドエアバッグ1の部分においてフロントピラー6から離れ、2つの係止具9はフロントピラー6から離脱している。しかし、本発明に係るクリップ10は、ガーニッシュ7に連結された状態で、フロントピラー6に取付けられたままになっていて、ガーニッシュ7がフロントピラー6から離脱するのを阻止している。この様子は、図11に詳細に示されている。図11において、ロック片23は、カーテンシールドエアバッグ1の展開によるガーニッシュ7への衝撃によってロック凹部18から外れている。ロック片23がロック凹部18とのロックが解除するまでは、カーテンシールドエアバッグ1が急激に展開するときに加わるガーニッシュへの衝撃をそのロック片23とロック凹部18との連結力で吸収し抑制することができる。また、ロックの解除後においても、リブ25〜27によって、ガーニッシュ係止部22が基部20から離れる方向に開くのに抵抗できる剛性が付与されているので、ガーニッシュ7は、カーテンシールドエアバッグの展開のためのスペースがピラー6との間に確保された後は、それ以上乗員へ接近するのが抑えられる。従って、乗員への危険を最少に抑え(図10及び図11参照)、乗員への安全を確保している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】カーテンシールドエアバッグが自動車のボデーに取付けられた様子であって、フロントピラーへの取付け部分を破断して示す説明図である。
【図2】本発明の1実施形態に係るガーニッシュ用のクリップであって、ガーニッシュ係止部がボデー取付部に組付けられる前のクリップの正面図である。
【図3】図2のクリップの、矢印IIIの方向から見た図である。
【図4】図2のクリップの、矢印IVの方向から見た図である。
【図5】図2のクリップのV−V線断面図である。
【図6】ガーニッシュ係止部がボデー取付部に組付けられた状態を示す、図2のクリップの正面図である。
【図7】図2のクリップをガーニッシュに取付ける様子を示す図である。
【図8】図2のクリップを用いてガーニッシュをフロントピラーに取付けた様子を示す図である。
【図9】カーテンシールドエアバッグが展開しているフロントピラー近辺の様子を示す説明図である。
【図10】図9の矢印Xの方向から見た図である。
【図11】図10に示す、本発明に係るクリップの部分の詳細を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
1 カーテンシールドエアバッグ
2 レール
3 圧縮ガス源
6 フロントピラー
7 ガーニッシュ
9 従来の係止具
10 本発明に係る、ガーニッシュ用のクリップ
11 ボデー取付部
13 ガーニッシュ取付部
14 頭部
15 係止脚
16 係止爪
17 弾性片
18 ロック凹部
19 係止肩
20 基部
21 U字連結部
22 ガーニッシュ係止部
23 ロック片
24 ロック爪
25 基部のリブ
26 U字連結部のリブ
27 ガーニッシュ係止部のリブ
29 ガーニッシュの係止凹部
30 ガーニッシュ用の嵌合筒部
31 フランジ
34 フロントピラーの取付穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンシールドエアバッグを収納するガーニッシュをピラー等の車体に取付ける、ガーニッシュ用のクリップであって、
前記車体に取付けられるボデー取付部と、前記ガーニッシュに取付けられるガーニッシュ取付部とからなり、前記ガーニッシュ取付部は、一端が前記ボデー取付部に連結されて該ボデー取付部から板状に延びる基部と、該基部の他端のU字連結部を介して該基部に対面するように前記ボデー取付部まで延びる板状のガーニッシュ係止部とからなり、前記ガーニッシュ係止部及び前記ボデー取付部には、相互に対面する位置に、該ガーニッシュ係止部部分をボデー取付部に連結するようにロックするロック手段が設けられ、該ロック手段は、カーテンシールドエアバッグの展開によってガーニッシュから前記ガーニッシュ係止部に前記ボデー取付部から離すように加わる衝撃力でロックを解除する連結力を有し、前記ガーニッシュ取付部は、前記ロック手段のロックが解除した後にも前記ガーニッシュ係止部が前記ボデー取付部から離れる方向に開くのに抵抗する剛性を有することを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップにおいて、前記ロック手段は、前記ガーニッシュ係止部又は前記ボデー取付部の一方から延びるロック片と、前記ガーニッシュ係止部又は前記ボデー取付部の他方に設けられた、前記ロック片先端のロック爪を受入れて係止するロック凹部とからなることを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクリップにおいて、前記基部と前記U字連結部と前記ガーニッシュ係止部とには、長手方向に延びるリブが形成されて、カーテンシールドエアバッグの展開によるガーニッシュの移動によって前記ロック手段のロックが解除した後に前記ガーニッシュ係止部が前記ボデー取付部から離れる方向に開くのに抵抗する剛性が前記リブによってガーニッシュ取付部に付与されていることを特徴とするクリップ。
【請求項4】
請求項3に記載のクリップにおいて、前記リブは、前記基部と前記ガーニッシュ係止部とが対向する部分では相互に対面する面に突出して形成され、前記U字連結部では外側に突出するように形成されて、前記ガーニッシュ係止部と前記基部とが前記U字連結部部分で撓むことができることを特徴とするクリップ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のクリップにおいて、前記ガーニッシュ係止部には前記ロック手段が設けられた面と反対側の面に、前記ガーニッシュの係止凹部にスライドして嵌合するガーニッシュ嵌合筒部が形成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のクリップにおいて、前記ボデー取付部は、前記車体の取付穴に挿入することによって係止する、一対の係止爪を有する係止脚からなることを特徴とするクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−7933(P2006−7933A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186692(P2004−186692)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】