説明

カーナビゲーションシステム

【課題】カーナビ装置に必要なドライブ情報を事前に宅内で入力設定でき、車内での面倒な設定操作を不要としたカーナビゲーションシステムを提供することにある。
【解決手段】情報配信装置4は、事前にユーザーが入力設定したドライブ情報を、車輌7のカーナビ装置8に搭載車輌7のエンジン始動時に配信する。これによりユーザーが車内においてカーナビ装置8を操作してドライブ情報を入力設定する面倒な手間を無くすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS等種々の位置検出手段によって走行中の自動車の位置を運転者であるユーザーに道路地図上に表示することによって提示するカーナビゲーション装置を搭載した自動車(以下車輌という)が多く見られるようになっている。またカーナビゲーション装置を情報端末として用い、住宅内の機器の管理や、制御を行うシステムも提供されるようになってきている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−44661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述のカーナビゲーション装置の基本的な機能である経路設定は、自動車を発進する前に、カーナビゲーション装置をユーザーが操作して出発地や目的地を入力設定したり、必要に応じて経由地を入力設定する必要があり、この点で非常に面倒であった。
【0004】
また、カーナビゲーション装置には、オーディオ・ビジュアルコンテンツの再生手段を備えたものがあるが、ユーザーが再生したいCDやDVDをカーナビゲーション装置にセットする必要があった。またマスストレージクラスに対応したポータブルプレーヤーやUSBメモリを接続して、カーナビゲーション装置の内蔵HDDに転送させるものもあるが、予めポータブルプレーヤーやUSBメモリにコンテンツを記憶させた上で、これらポータブルプレーヤーやUSBメモリをカーナビゲーション装置にセットし、転送する操作が必要であった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところはカーナビゲーション装置を動作させるために少なくとも必要なドライブ情報を事前に宅内で入力設定でき、且つドライブ情報を車輌内のカーナビゲーション装置に転送することで、車内での面倒な設定操作を不要としてカーナビゲーション装置の使い勝手を向上させるカーナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、宅内に設置される情報配信装置と、車輌に搭載されるカーナビゲーション装置とを備え、
前記情報配信装置は、ドライブに必要な出発地と目的地とを少なくとも含むドライブ情報をユーザーが入力する入力部と、入力されたドライブ情報を格納するデータベースと、前記カーナビゲーション装置との間で情報授受の通信を行うための第1の通信部とを備え、
前記カーナビゲーション装置は、前記情報配信装置の第1の通信部との間で情報授受の通信を行う第2の通信部と、前記第2の通信部を通じてドライブ情報を前記情報配信装置から取得して該ドライブ情報から出発地と目的地までの経路を少なくとも生成するナビゲーション処理部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、宅内の情報配信装置で予めドライブ情報を入力設定することができ、しかも車輌搭載のカーナビゲーション装置に対して宅内の情報配信装置との間を通信によってドライブ情報を送信することができるため、ドライブ計画等を練りながら余裕をもって設定することができる上に、車内で直接カーナビゲーション装置を操作して入力設定する面倒な手間が必要なくなり、カーナビゲーション装置の使い勝手が向上する。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記ドライブ情報にはドライブスケジュールを含み、前記カーナビゲーション装置は、出発日時に対応するドライブスケジュールを含むドライブ情報を取得することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、ドライブ情報を出発前日でない日に作成していても、出発当日のドライブ情報を、ドライブスケジュールに基づいてカーナビゲーション装置に自動的に転送させることができる。
【0010】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記情報配信装置の入力部からドライブ情報として前記出発地と目的地の間の経由地の情報を入力可能とし、前記カーナビゲーション装置のナビゲーション処理部は、取得したドライブ情報に経由地が含まれる場合に、出発地から目的地までを経由地を通る経路を生成することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、経由地の情報をドライブ情報に含ませておけば、経由地を通る経路をカーナビゲーション装置で生成することができる。
【0012】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記カーナビゲーション処理部は前記経由地から次の場所までの経路を、所定の到着事象をトリガとして表示部に表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、カーナビゲーション装置において、経由地の到着や到着時刻のような事象に基づいて自動的に経由地と次の場所との間の経路を表示部で表示させることができる。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記ドライブ情報は、利用するユーザー別に前記データベースに格納され、前記カーナビゲーション装置は、搭載車輌に備えられ、搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するユーザー情報取得手段から取得したユーザー情報とドライブ情報要求とを前記情報配信装置に対して送信し、前記情報配信装置は、前記カーナビゲーション装置から前記ユーザー情報と前記ドライブ情報要求を受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのドライブ情報を前記データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明によれば、車輌に搭乗するユーザー毎にドライブ情報を予め情報配信装置で入力設定することができる上に、自動的に搭乗ユーザーに対応したドライブ情報をカーナビゲーション装置に送信することができ、またユーザー一人一人のドライブ情報を一括管理することができる上に、事前に各ユーザーのドライブ情報を情報配信装置に入力設定しておけば、当該ユーザーが特に意識しなくてもカーナビゲーション装置に自分が入力設定したドライブ情報が自動的にセットされるため、運転する家族が多いユーザー宅或いは搭乗するユーザーが複数となる場合に非常に有効である。
【0016】
請求項6の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記ドライブ情報は、利用するユーザー別に前記データベースに格納され、宅外には前記カーナビゲーション装置の搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するとともに、ユーザー情報とドライブ情報要求とを前記情報配信装置に対して送信するユーザー情報取得手段を備え、前記情報配信装置は、前記ユーザー情報取得手段から前記ユーザー情報と前記ドライブ情報要求を受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのドライブ情報を前記データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様に車輌に搭乗するユーザー毎にドライブ情報を予め情報配信装置で入力設定することができる上に、自動的に搭乗ユーザーに対応したドライブ情報をカーナビゲーション装置に送信することができ、またユーザー一人一人のドライブ情報を一括管理することができる上に、事前に各ユーザーのドライブ情報を情報配信装置に入力設定しておけば、当該ユーザーが特に意識しなくてもカーナビゲーション装置に自分が入力設定したドライブ情報が自動的にセットされるため、運転する家族が多いユーザー宅或いは搭乗するユーザーが複数となる場合に非常に有効である。
【0018】
請求項7の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記情報配信装置は、オーディオ又はビジュアルの少なくとも一方の情報源から取得するオーディオ又はビジュアルの少なくとも一方のコンテンツを格納するコンテンツ用データベースを備え、前記カーナビゲーション装置は、前記第2の通信部を通じて前記情報配信装置から前記コンテンツ用データベースに格納している前記コンテンツを取得して該コンテンツを保存する記憶部と、該記憶部で保存している前記コンテンツを再生する再生手段とを備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明によれば、ドライブ情報と同様に、予めオーディオやビジュアルのコンテンツを宅内で情報配信装置のコンテンツ用データベースに格納しておけば、カーナビゲーション装置にコンテンツの情報源であるCDやDVD等を直接装着する手間や、或いは一旦オーディオプレーヤーやメモリに記憶させた上でカーナビゲーション装置にセットする等の手間が不要となり、出発時における手間が省ける。
【0020】
請求項8の発明では、請求項7の発明において、前記情報配信装置は、前記コンテンツを利用するユーザー別に前記コンテンツ用データベースに格納し、前記カーナビゲーション装置は、搭載車輌に備えられ、搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するユーザー情報取得手段から取得したユーザー情報とコンテンツ要求とを前記情報配信装置に対して送信し、前記情報配信装置は、前記カーナビゲーション装置から前記ユーザー情報と前記コンテンツ要求とを受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのオーディオ・ビジュアルコンテンツを前記コンテンツ用データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明によれば、ユーザーの好みにあったオーディオやビジュアルのコンテンツをユーザー別に予め準備することができる上に、自動的に搭乗ユーザーに対応するコンテンツをカーナビゲーション装置に送信されるため、非常に使い勝手が向上し、しかもユーザー一人一人に対応したコンテンツを一括管理することができる上に、事前にコンテンツを情報配信装置のコンテンツ用データベースに格納しておけば、搭乗する際にユーザー自身が特に意識しなくてもカーナビゲーション装置にコンテンツが自動的にセットされるため、運転する者が多いユーザー宅や搭乗ユーザーが複数となる場合には非常に有効である。
【0022】
請求項9の発明では、請求項7の発明において、前記情報配信装置は、前記コンテンツを利用するユーザー別に前記コンテンツ用データベースに格納し、宅外には前記カーナビゲーション装置の搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するとともに、ユーザー情報とコンテンツ要求とを前記情報配信装置に対して送信するユーザー取得手段を備え、前記情報配信装置は、前記ユーザー取得手段から前記ユーザー情報と前記コンテンツ要求を受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのコンテンツを前記コンテンツ用データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする。
【0023】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様にユーザーの好みにあったオーディオやビジュアルのコンテンツをユーザー別に予め準備することができる上に、自動的に搭乗ユーザーに対応するコンテンツをカーナビゲーション装置に送信されるため、非常に使い勝手が向上し、しかもユーザー一人一人に対応したコンテンツを一括管理することができる上に、事前にコンテンツを情報配信装置のコンテンツ用データベースに格納しておけば、搭乗する際にユーザー自身が特に意識しなくてもカーナビゲーション装置にコンテンツが自動的にセットされるため、運転する者が多いユーザー宅や搭乗ユーザーが複数となる場合には非常に有効である。
【0024】
請求項10の発明では、請求項7乃至9の発明において、前記情報配信装置は、コンテンツの再生順番プログラムを当該コンテンツと対応付けて前記コンテンツ用データベースに格納し、前記カーナビゲーション装置からのコンテンツ要求時に前記コンテンツとともに、前記再生順番プログラムを前記カーナビゲーション装置に送信することを特徴とする。
【0025】
請求項10の発明によれば、複数のオーディオやビジュアルのコンテンツを再生する順番プログラムを時間に余裕のある時に予め設定することが可能となり、車内での面倒な設定操作を行わないため、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、宅内の情報配信装置で予めドライブ情報を入力設定することができ、しかも車輌搭載のカーナビゲーション装置に対して宅内の情報配信装置との間を通信によってドライブ情報を送信することができるため、ドライブ計画等を練りながら余裕をもって設定することができる上に、車内で直接カーナビゲーション装置を操作して入力設定する面倒な手間が必要なくなり、カーナビゲーション装置の使い勝手が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明を一実施形態により説明する。
【0028】
図1は、一実施形態のシステム構成図であり、ユーザー宅Hにはインターネット1に接続業者の通信線を介して接続したホームゲートウェイ2、ホームゲートウェイ2に宅内ネットワーク(LAN)3を介して接続されホームゲートウェイ2に備えられたルータ機能により管理されるローカルIPアドレスが設定されたLAN用通信機能を備えている情報配信装置4、照明器具などの家電機器や、電気錠などの設備機器からなる各種の機器5をサブシステムで制御監視するコントローラ6等が設けられてある。
【0029】
一方、当該ユーザー宅Hが所有する車輌7には移動体通信網に接続される後述する移動体通信機能を備えたカーナビケーション装置(以下カーナビ装置と略す)8が搭載され、カーナビ装置8と、宅内の情報配信装置4との間では移動体通信網、インターネット1,ホームゲートウェイ2、LAN3を介して情報の授受が行えるようになっており、このカーナビ装置8と情報配信装置4とで本実施形態のカーナビゲーションシステムを構成する。
【0030】
図2は本実施形態に用いる情報配信装置4とカーナビ装置8の構成を示しており、情報配信装置4は、LAN通信機能からなる第1の通信部40と、装置全体の信号処理と制御を担う演算処理部41と、表示部42と、後述するドライブ情報等の入力設定等に用いる入力部43と、カーナビ装置8に配信するオーディオ・ビジュアル(以下AVという)のコンテンツの情報源たるDVDやCDからAVコンテンツを取り込むためのDVD/CDドライブ装置44、ドライブ情報やAVコンテンツを夫々格納するデータベースを構築するためのHDDからなる記憶部45を備えているものである。実際的にはこの情報配信装置4は情報配信のためのアプリケーションソフトを実行したパーソナルコンピュータシステム(以下パソコンという)で実現されるもので、パソコンに附属するキーボード、ポインティングデバイスが入力部43として機能する。尚図では演算処理部41と各部との間に介在するインターフェース等は省略している。
【0031】
一方、カーナビ装置8は、AVコンテンツ対応のカーナビ装置であって、AVコンテンツ対応のカーナビ装置として通常備えている、DVD・CDドライブ装置80と、例えば道路地図情報等を記憶するとともに後述する各種情報を記憶するHDDからなる記憶部81、GPS等の位置検知部82、道路地図表示を含めて映像、画像を表示させる表示部83と、音楽、音声を再生する音再生部84を備える一方、本実施形態のシステムに対応して移動体通信端末からなる第2の通信部85、車輌7に搭載しているECU(Engine Control Unit)部9から当該車輌7が稼働(エンジン始動)したか否かを判断する状態取得部86,キーレスエントリーシステム10で使用された電子キーに登録されているユーザー(運転者)の情報をキーレスエントリーシステム10から取り込むユーザー情報取得部87と、カーナビ装置8全体の信号処理、制御処理を行う演算処理部88と、操作入力部89とから構成される。
【0032】
演算処理部88は、カーナビ装置として必要なドライブ情報からの経路生成、位置検知部82が検知する車輌位置を表示部83で道路地図とともに表示させるナビゲーション処理部としての機能と、操作入力部89での操作に対応したDVD・CDドライブ装置80の制御を行う機能と、音再生部84及び表示部83の制御を行う機能の他に、状態取得部86、ユーザー情報取得部87で取得した情報に基づいてドライブ情報やAVコンテンツの情報要求を後述するように通信部85から情報配信装置4へ送信させる機能と、情報要求に応じて情報配信装置4から送信されてくる情報が通信部85で受信されると、受信情報をAVコンテンツとドライブ情報とに分類してAVコンテンツであれば記憶部81に記憶させ、ドライブ情報であれば上述のナビゲーション処理部の機能に渡す情報分類機能と、記憶部81に保存したAVコンテンツから映像、画像、音声(音楽)の情報を復調し、表示部83、音再生部84で再生する再生手段たるプレーヤー機能とを備えている。
【0033】
而して、本実施形態のシステムの使用方法を図3,図4によって説明する。
【0034】
まず、ユーザーは宅内のパソコンで情報配信のアプリケーションを立ち上げて当該パソコンを情報配信装置4としてスタートさせる(図3のS1)。このスタートによって、情報配置装置4はカーナビ装置8からのドライブ情報やAVコンテンツの配信要求に対して待機するとともに、ユーザーによるドライブ情報の入力やAVコンテンツの取り込みに対して待機する(図3のS3,S4)。
【0035】
さて、ユーザーは車輌7を運転してドライブする計画を立てたら、入力部43を操作して情報入力画面を表示部42に表示させる指示を演算処理部41に与える。演算処理部41はこの指示に応じて入力する情報が、ドライブ情報か、AVコンテンツなのかを選択するメニュー画面を表示部42に表示する。この表示画面からユーザーは入力しようとする情報をマウス等のポインティングデバイスを用いて選択する。
【0036】
この選択により情報配信装置4はドライブ情報処理(図3のS5)を開始することになり、演算処理部41は表示部42にドライブ情報の入力と編集(修正・更新)のための画面を表示し、ユーザーに新たなドライブ情報を入力するか、既に入力済みのドライブ情報を修正・更新するかを問う。ここでユーザーが新たなドライブ情報を入力することを選択すると、その入力画面を表示部42に表示させる。この入力画面では予めユーザー個人に対して設定してある個人IDを入力する欄と、出発地(地名、住所等)、目的地(地名、住所等)、ドライブスケジュール(出発日時)、更に経由したい場所がある場合に、その経由地の住所や地名を用いて入力する入力欄とを併せて表示する。尚入力する住所(地名)、名称等は予めカーナビ装置8側で登録されているものを用いる。この個人IDは、予め車輌7のキーレスエントリーシステム10の電子キーに登録している個人ID(ユーザー情報)と対応付けたもので、この個人IDはユーザー情報として予めカーナビ装置8側の記憶部81にも設定されているものとする。
【0037】
而して、上述のユーザー情報を含むドライブ情報の入力が終了され、終了を示す入力があると、演算処理部41は、ユーザー別にドライブ情報を記憶部45内のドライブ情報データベースに格納し、この格納後、装置を停止するか否かを表示部42の画面を介して問い(図3のS6)、装置停止の指示が一定時間無ければ自動的に待機状態に戻る。勿論ユーザーによる装置停止の指示があると装置停止(図3のS7)を行うが、通常時は配信要求に対応するため装置停止は行わない。
【0038】
かようにして複数のユーザーが夫々のドライブ計画に沿ってドライブ情報を入力した場合にも夫々のドライブ情報はユーザー別にデータベースに格納されて、演算処理部41の下で、一括管理される。
【0039】
この管理においてドライブスケジュール情報が当日より過去になった場合には自動的に消去する処理を演算処理部41で行う。勿論ユーザー自身が上述の編集において削除処理を行うようにしても良い。
【0040】
一方、待機状態においてAVコンテンツを入力したい或いは既に入力しているAVコンテンツを編集したいユーザーは上述のメニュー画面からAVコンテンツの入力又は編集を選択すれば良く、この選択入力によって演算処理部41はAVコンテンツ取り込み又は編集の処理(図3のS4)を開始し、新たに入力する場合にはDVD・CDドライブ装置44或いはインターネット1上のAVコンテンツ提供サービスサイトからコンテンツ取り込み用のメニュー画面を表示部42に表示する。ユーザーはこの画面の表示に基づいてDVD・CDドライブ装置44に好みのDVDやCDをセットしてコンテンツの取り込み操作を行ったり、AVコンテンツ提供サービスサイトから好みのコンテンツのダウンロード操作を行うことで、ユーザーが見たい或いは聞きたい好みのコンテンツが演算処理部41の制御の下で、記憶部45内のAV用データベース上に格納されることになる。この場合もドライブ情報と同様にユーザーの識別情報を併せて入力することで、AV用データベス上にはユーザー別にAVコンテンツが格納される。そして格納されたAVコンテンツの再生順番を好みで設定する場合には、編集を更に選択して編集画面おいてAVコンテンツの再生順番の設定を行う。尚編集画面では不要なAVコンテンツの削除、追加などが可能となる。また再生順番以外にランダムに再生する設定等も可能となっている。
【0041】
以上のようにして情報配信装置4は、ユーザー別にドライブ情報やAVコンテンツが夫々のデータベースに格納した後、装置停止の指示が一定時間内に無ければ、上述の待機状態に戻ることになる。
【0042】
一方図4に示すようにカーナビ装置8が搭載されている車輌7でエンジンがイグニッションキーによって始動されると、カーナビ装置8では演算処理部88が状態取得部86を通じて車輌7のECU部9からエンジン始動の状態情報を受け取ると、演算処理部88はユーザー情報取得部87を通じて車輌7のキーレスエントリーシステム10から運転者のユーザー情報である個人IDを取得し、情報取得処理を開始する。そして個人IDの情報とともに、ドライブ情報及びAVコンテンツの配信要求を通信部85から移動体通信網、インターネット1を通じてユーザー宅Hのホームゲートウェイ2へ送信する。これらの送信された個人IDの情報及び配信要求は更にホームゲートウェイ2からLAN3を通じて待機状態にある情報配信装置4の通信部40に転送され、情報配信装置4の演算処理部41に取り込まれることになる。演算処理部41は配信要求によって配信処理(図3のS9)を開始し、配信要求とともに送られてきた個人IDが登録されているか否かを判定した後、当該個人IDに対応付けられているドライブ情報が記憶部45のドライブ情報用データベースに格納されているか否かをチェックし、格納されている場合にはスケジュール情報から当日のドライブ情報の有無をチェックし、当日のものがあると、当該ドライブ情報をデータベースから読み出す。また個人IDに対応付けられているAVコンテンツがAV用データベースに格納されているか否かをチェックし、格納されている場合にはAVコンテンツを読み出す。この場合再生順番プログラムなど再生方法のプログラムが格納されていると該プラグラムも同時に読み出す。
【0043】
これらの読み出しが終了すると、演算処理部41は、読み出したドライブ情報及びAVコンテンツ等を圧縮処理して通信部40からホームゲートウェイ2へLAN3を通じて送り出し、ホームゲートウェイ2はインターネット1と移動体通信網を介して移動体通信端末であるカーナビ装置8の通信部85宛に送信する。そして情報配信装置4では配信終了と判定(図3のS9)した後、図3のS6を経て待機状態に戻る。
【0044】
一方、カーナビ装置8では、通信部85を通じてドライブ情報やAVコンテンツ等を取得すると、演算処理部88は圧縮状態から伸張処理を行った後、ドライブ情報に基づいて経路生成などカーナビ装置として必要な処理を行う。またAVコンテンツを記憶部81に格納する。AVコンテンツは、操作入力部89によって再生操作が為されると、演算処理部88の制御の下で読み出されることになり、音楽などのコンテンツは音再生部84で映像等のコンテンツは表示部83で再生表示される。この際再生順番プログラム等の再生方法のプログラムが送られている場合には、自動的にプログラムに基づいて再生されることになる。勿論操作入力部89でユーザーが再生方法を選択設定することもできる。
【0045】
尚カーナビ装置8のナビゲーション処理の技術は公知であるのでここでは説明を省略するが、本実施形態では、例えばドライブ情報として経由地が有る場合に経由地を通って行く経路を生成するが、位置情報に基づいて経由地に到着したことを検知すると、これをトリガとして当該経由地から次の場所までの経路を表示部83で表示させる処理を持たせてある。尚トリガとしてはドライブスケジュールによって設定されている経由地への到着時刻を用いても良い。
【0046】
以上のようにして本実施形態のカーナビゲーションシステムは、ユーザーが車輌7に乗り込んでエンジンをかければ、ユーザー宅Hの情報配信装置4で予め入力設定したユーザー自身のドライブ情報や、AVコンテンツが自動的に車輌7に搭載しているカーナビ装置8に配信することができ、運転者であるユーザーが一々車内のカーナビ装置8を操作してドライブ情報を入力設定する面倒な手間を無くすことができ、またAVコンテンツのメディアを車内に持ち込んでセットする手間も無くすことができる。
【0047】
尚本実施形態ではAVコンテンツ対応のカーナビ装置8を用いる場合のシステムであるが、オーディコンテンツのみに対応しているカーナビ装置8を用いる場合にも適用でき、またAVコンテンツ対応でないカーナビ装置8を用いる場合には,AVコンテンツの配信機能を設けなくても良い。また、ユーザー識別ができない車輌7の場合にはユーザー別の配信処理の機能を省いても良い。またユーザー識別の方法は車輌7の仕様によって種々あるので、実施形態に特に限定されるものではない。例えばIDカードを用い、このIDカードからユーザーIDを読み取る個人ID読取装置を車輌7に搭載し、このIDカードの個人情報を基づいてユーザー識別を行うようにしても良い。更にユーザーを運転者としているが、搭乗する者を対象となるユーザーとしても良く、上述のようなIDカードによる個人識別を行う場合には、複数人で出かける場合も複数の搭乗ユーザーを識別して夫々のAVコンテンツを転送したり、同乗者が予め入力したドライブ情報に基づいて経路を設定することも可能となる。
【0048】
また図1で破線で示すように個人ID読取装置11を玄関などの宅外に設け、ユーザーが外出時にIDカードの個人IDを読み取らせるようにし、個人ID読取装置11は個人IDを読み取ると、ホームゲートウェイ2からLAN3を通じて情報配信装置4に当該個人IDとともに当該ユーザーに対応するドライブ情報やコンテンツ要求を送るようにしても良い。この場合情報配信装置4は個人IDに対応したドライブ情報やコンテンツ要求をLAN2、ホームゲートウェイ2、インターネット1及び移動体通信網を介して車輌7のカーナビ装置6へ受信されるまで配信する処理を行う。これによって車輌7のエンジン始動などの稼働時にカーナビ装置6は配信された情報を受信して取り込むことになる。
【0049】
また、ユーザー識別やAVコンテンツの配信サービスを行うセンターサーバをインタネット上に設ければ、複数のユーザー宅と、夫々のユーザーが所有する車輌7との間の情報配信を統括するビジネスへの展開も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】一実施形態のシステム構成図である。
【図2】一実施形態に用いるカーナビ装置と情報配信装置の構成図である。
【図3】一実施形態に用いる情報配信装置の動作説明用フローチャートである。
【図4】一実施形態に用いるカーナビ装置のドライブ情報及びAVコンテンツの取得シーケンス図である。
【符号の説明】
【0051】
1 インターネット
2 ホームゲートウェイ
3 LAN
4 情報配信装置
5 機器
6 コントローラ
7 車輌
8 カーナビゲーション装置
H ユーザー宅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内に設置される情報配信装置と、車輌に搭載されるカーナビゲーション装置とを備え、
前記情報配信装置は、ドライブに必要な出発地と目的地とを少なくとも含むドライブ情報をユーザーが入力する入力部と、入力されたドライブ情報を格納するデータベースと、前記カーナビゲーション装置との間で情報授受の通信を行うための第1の通信部とを備え、
前記カーナビゲーション装置は、前記情報配信装置の第1の通信部との間で情報授受の通信を行う第2の通信部と、前記第2の通信部を通じてドライブ情報を前記情報配信装置から取得して該ドライブ情報から出発地と目的地までの経路を少なくとも生成するナビゲーション処理部とを備えていることを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ドライブ情報にはドライブスケジュールを含み、前記カーナビゲーション装置は、出発日時に対応するドライブスケジュールを含むドライブ情報を取得することを特徴とする請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記情報配信装置の入力部からドライブ情報として前記出発地と目的地の間の経由地の情報を入力可能とし、前記カーナビゲーション装置のナビゲーション処理部は、取得したドライブ情報に経由地が含まれる場合に、出発地から目的地までを経由地を通る経路を生成することを特徴とする請求項1又は2記載のカーナビゲーション装置。
【請求項4】
前記カーナビゲーション処理部は前記経由地から次の場所までの経路を、所定の到着事象をトリガとして表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記ドライブ情報は、利用するユーザー別に前記データベースに格納され、
前記カーナビゲーション装置は、搭載車輌に備えられ、搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するユーザー情報取得手段から取得したユーザー情報とドライブ情報要求とを前記情報配信装置に対して送信し、
前記情報配信装置は、前記カーナビゲーション装置から前記ユーザー情報と前記ドライブ情報要求を受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのドライブ情報を前記データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記ドライブ情報は、利用するユーザー別に前記データベースに格納され、
宅外には前記カーナビゲーション装置の搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するとともに、ユーザー情報とドライブ情報要求とを前記情報配信装置に対して送信するユーザー情報取得手段を備え、
前記情報配信装置は、前記ユーザー情報取得手段から前記ユーザー情報と前記ドライブ情報要求を受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのドライブ情報を前記データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記情報配信装置は、オーディオ又はビジュアルの少なくとも一方の情報源から取得するオーディオ又はビジュアルの少なくとも一方のコンテンツを格納するコンテンツ用データベースを備え、
前記カーナビゲーション装置は、前記第2の通信部を通じて前記情報配信装置から前記コンテンツ用データベースに格納している前記コンテンツを取得して該コンテンツを保存する記憶部と、該記憶部で保存している前記コンテンツを再生する再生手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの1項に記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記情報配信装置は、前記コンテンツを利用するユーザー別に前記コンテンツ用データベースに格納し、
前記カーナビゲーション装置は、搭載車輌に備えられ、搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するユーザー情報取得手段から取得したユーザー情報とコンテンツ要求とを前記情報配信装置に対して送信し、
前記情報配信装置は、前記カーナビゲーション装置から前記ユーザー情報と前記コンテンツ要求とを受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのコンテンツを前記コンテンツ用データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする請求項7記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記情報配信装置は、前記コンテンツを利用するユーザー別に前記コンテンツ用データベースに格納し、宅外には前記カーナビゲーション装置の搭載車輌に搭乗するユーザーのユーザー情報を取得するとともに、ユーザー情報とコンテンツ要求とを前記情報配信装置に対して送信するユーザー取得手段を備え、
前記情報配信装置は、前記ユーザー取得手段から前記ユーザー情報と前記コンテンツ要求を受け取ると、当該ユーザー情報に対応するユーザーのコンテンツを前記コンテンツ用データベースから読み出して前記カーナビゲーション装置へ送信することを特徴とする請求項7記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記情報配信装置は、コンテンツの再生順番プログラムを当該コンテンツと対応付けて前記コンテンツ用データベースに格納し、前記カーナビゲーション装置からのコンテンツ要求時に前記コンテンツとともに、前記再生順番プログラムを前記カーナビゲーション装置に送信することを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載のカーナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−175655(P2008−175655A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8585(P2007−8585)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】