キー入力装置
【課題】 入力操作性を向上できるキー入力装置を提供すること。
【解決手段】 キー入力装置10は、液晶パネル11と、透明なタッチセンサ13と、透明な反発材15と、透明なボタンとを積層して構成する。液晶パネル11に表示された文字は、タッチセンサ13、反発材15およびボタンを通して視認できる。反発材15は、ボタンが押されていない状態では、ボタンをタッチセンサ13から離れる方向に付勢し、ボタンが反発材15の付勢力に抗して押された場合には、反発材15がタッチセンサに当接することで、ボタンの入力を検出できる。反発材15で付勢されたボタンを押すので、キータッチを向上でき、かつ、ボタンの表示を機能等に応じて変更できるので、入力操作性を向上できる。
【解決手段】 キー入力装置10は、液晶パネル11と、透明なタッチセンサ13と、透明な反発材15と、透明なボタンとを積層して構成する。液晶パネル11に表示された文字は、タッチセンサ13、反発材15およびボタンを通して視認できる。反発材15は、ボタンが押されていない状態では、ボタンをタッチセンサ13から離れる方向に付勢し、ボタンが反発材15の付勢力に抗して押された場合には、反発材15がタッチセンサに当接することで、ボタンの入力を検出できる。反発材15で付勢されたボタンを押すので、キータッチを向上でき、かつ、ボタンの表示を機能等に応じて変更できるので、入力操作性を向上できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力装置に関し、例えば、携帯電話機等の携帯型電子機器における文字入力や、電気製品を制御するリモコン等に利用されるキー入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やPDA等に代表される携帯情報機器が、急速に普及している。特に携帯電話機は、電話としての機能だけでなく、インターネットに接続してホームページを閲覧でき、メールの送受信が可能となるなど高機能化しており、一般に重要な情報端末と認識されるに至っている。この携帯電話機の高機能化は続いており、さらに、カメラ、テレビ、家電製品のリモコン、セキュリティ管理、電子ロック、電子マネー、電子マップ、位置情報管理等のあらゆるデジタル分野に拡大され、ユビキタス時代の先端を担いつつある。
【0003】
このような携帯電話機自体の高機能化に比べ、ユーザーインターフェースとなる操作ボタン(キー入力装置)は、従来の通話用のダイヤルボタンがそのまま踏襲されているものが一般的であった。すなわち、ダイヤルボタンの表面に、数字、英字、かな文字が表記され、これらの固定された表示を見ながら操作することが一般的であった。
【0004】
また、キー部分を液晶表示式として、キー表面の文字の表示を切り換えることができるようにしたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−287881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な携帯電話機のように、ボタンの表面の文字表示が固定されている場合、携帯電話の多様化したニーズや機能に対応しきれないという問題があった。例えば、携帯電話機を家電製品のリモコンとして使用する場合、各キーに様々な機能が割り当てられていても、キー表示は固定されたままであるため、利用者はその機能を容易に把握することができず、機能が向上しても操作性が向上しないという問題があった。
【0007】
一方、特許文献1のように、液晶を用いてキーの表示を切り換えることができるようにした場合には、キータッチが優れず、入力操作性が低下するという問題があった。
すなわち、特許文献1では、キー部分の具体的な構造は不明であるが、液晶を用いたキー入力装置は、通常、液晶画面に感圧式のタッチセンサシートを積層し、このタッチセンサを触れることで入力を検出するものが一般的である。
このようなタッチセンサ検出方式の場合、液晶画面に触れるだけで入力が検知されるので、指で押した際のキータッチは通常のキーボードに比べて低くなり、かつ、所定のキーを押す際に、誤って隣のキーに触れて入力が検出されてしまうことがあり、キーを押し込んで入力を検出するキー入力装置に比べて入力操作性が低いという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、このような問題点に鑑みて、入力操作性を向上できるキー入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキー入力装置は、表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明な反発材と、この反発材の表面側に配置された透明なボタンとを備え、前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサ、反発材およびボタンを通して視認可能とされ、前記反発材は、前記ボタンが押されていない状態では、ボタンをタッチセンサから離れる方向に付勢し、前記ボタンが前記反発材の付勢力に抗して押された場合には、前記反発材がタッチセンサに当接することで、そのボタンの入力が検出可能とされていることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、表示装置としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型シート状のものが利用できる。また、透明な反発材としては、ポリエステル等の透明な樹脂材等が利用できる。さらに、透明なボタンとしては、例えば、アクリルなどの硬質樹脂材や軟質樹脂材が利用できる。
また、本発明において、タッチセンサ、反発材、ボタンはそれぞれ透明であるが、この透明とは、表示装置に表示された文字が前記タッチセンサ、反発材およびボタンを通して視認可能な透過率を有していることを意味する。従って、無色透明なものに限らず、有色であっても表示文字を視認できるものであればよい。
【0011】
このような本発明では、表示装置の表面側に、タッチセンサ、反発材、ボタンが配置されているが、これらの部品は透明材で構成されているので、表示装置に表示された文字を利用者は視認することができる。従って、各機能に応じて表示装置の表示を切り換えることで、各キーの機能を示すことができ、入力操作性を向上できる。
また、反発材で付勢されたボタンを押して入力することになるため、通常のキーボードと同様のキータッチを実現できるとともに、利用者が意識してボタンを押し込まなければ入力が行われないため、画面をタッチするだけで入力できる液晶タッチ式に比べて誤入力を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0012】
ここで、前記反発材は、各ボタンに対応する部分に形成されたドーム状の反発部を有するシートで構成されていることが好ましい。反発材としては、各ボタンに対応して複数の反発材を各ボタン底面部分に個別に配置してもよいが、各ボタンに対応する部分にドーム状の反発部がそれぞれ形成されたシートで構成すれば、部品点数を少なくでき、キー入力装置を容易に組み立てることができる。
【0013】
ここで、前記表示装置、タッチセンサ、反発材の表面側には、複数のボタンと、各ボタンを案内するガイドフレームが設けられていることが好ましい。
ガイドフレームを設ければ、各ボタンの押し込み時の移動や反発材による付勢時の移動の際に、各ボタンをガイドフレームで案内でき、スムーズに移動できる。
さらに、表示装置、タッチセンサ、反発材は、ボタン全体に跨る大きさのものを用意して組み込むだけでよいので、その分、キー入力装置の組立性を向上できる。
【0014】
また、前記ガイドフレームは、各ボタンに係合し、反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する突起を有することが好ましい。
例えば、ガイドフレームの表面側の端縁にキー入力装置の表面に沿う方向の突起を突出して断面略T字状のガイドフレームを構成すればよい。
このような本実施形態では、ボタンが反発材で表面側に付勢されている場合には、突起にボタンが係合することで、それ以上のボタンの表面側への移動が規制され、ボタンの脱落を確実に防止できる。
【0015】
また、前記反発材と各ボタンとは、接合ピンで接合されていてもよい。
反発材と各ボタンとを接合ピンで接合すれば、ボタンの表面側への離脱を防止できる。このため、ガイドフレームに突起を設けなくてもよくなり、ガイドフレームをスリムにでき、その分、ボタンを大きくできて、入力操作性を向上でき、かつ意匠性も向上できる。
【0016】
さらに、前記キー入力装置は、ガイドフレームに沿って配置され、かつ前記各ボタンおよび反発材にそれぞれ接着されて反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する伸縮材を有するものでもよい。
ガイドフレームに沿って配置された伸縮材によってボタンの移動を規制しているので、ボタンの中心部分において文字の視認に影響を与えることがなく、伸縮材の材質の制限が少なくなり、適切な材質の伸縮材を利用できる。また、ガイドフレームに突起を設けなくてもよくなり、ガイドフレームをスリムにでき、その分、ボタンを大きくできて、入力操作性を向上でき、かつ意匠性も向上できる。さらに、伸縮材によってボタンと反発材間の空間を密閉できるため、ゴミの侵入を防止できてゴミによる傷の発生を防止できる。また、結露によって曇り、文字が視認できなくなることも防止できる。
【0017】
ここで、前記ボタンは、表面側に形成された凹溝部によって各ボタンが区画された軟質シート材で構成されていてもよい。
硬質の樹脂材等でボタンを構成した場合、ボタン自体を移動させてタッチセンサに当接させ、入力を検知する必要がある。このため、各ボタンは別体で構成しなければならず、ボタンの数に応じた部品数が必要となり、その組立作業が多少煩雑である。これに対し、軟質シート材で構成すれば、シート材の変形によってタッチセンサに当接させて入力を検知できる。このため、複数のボタンを1つ軟質シート材に凹溝部(切込部)を設けることで形成できるので、その分、部品点数が少なくなって組み立て性を向上できる。
【0018】
また、前記ボタンの裏面は、ボタンが押されていない状態で前記反発材に当接する凸部と、ボタンを押した際に変形する反発材が収納される凹部とが形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、ボタンを押した際に凸部がタッチセンサに当接するため、ボタンを押した際の力を凸部に集中させて確実にタッチセンサを押圧できるので、感圧式のタッチセンサにおいても確実に入力を検知することができる。
また、反発材が収納される凹部が形成されているので、ボタンを押した際に反発材をスムーズに凹部内に収納でき、ボタンを押した際の反発力を軽減でき、比較的軽い操作でも入力することができ、入力操作性を向上できる。
【0019】
本発明のキー入力装置は、表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明なボタンとを備え、前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサおよびボタンを通して視認可能とされ、前記タッチセンサでボタンが押されたことが検出された際に作動される告知手段を備えることを特徴とするものでもよい。
【0020】
本発明においても、表示装置としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型シート状のものが利用できる。また、透明なボタンとしては、例えば、塩化ビニル等の軟質樹脂材等が利用できる。
また、本発明において、タッチセンサ、ボタンはそれぞれ透明であるが、この透明とは、表示装置に表示された文字が前記タッチセンサおよびボタンを通して視認可能な透過率を有していることを意味する。従って、無色透明なものに限らず、有色であっても表示文字を視認できるものであればよい。
【0021】
このような本発明では、表示装置の表面側に、タッチセンサ、ボタンが配置されているが、これらの部品は透明材で構成されているので、表示装置に表示された文字を利用者は視認することができる。従って、各機能に応じて表示装置の表示を切り換えることで、各キーの機能を示すことができ、入力操作性を向上できる。
また、タッチセンサでボタンが押されたことが検出されると、告知手段によりその検出が利用者に告知される。このため、利用者はボタンを押したことを確実に把握できるので、何ら告知されない場合に比べて誤入力を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0022】
ここで、前記告知手段は、タッチセンサを振動させる振動手段で構成されることが好ましい。ボタンを押した際に、タッチセンサを振動させれば、ボタンを押した利用者は、ボタンを介して伝わる振動を認識するため、ボタン入力が検出されたことを確実に把握できる。従って、利用者は、入力操作性を向上できる。
さらに、タッチセンサおよびボタン間に反発材等の他部品を組み込む必要がないため、キー入力装置をより一層薄型化できる。
【0023】
また、前記告知手段は、クリック音を発する音声出力手段で構成されていてもよい。なお、音声出力手段としては、別途スピーカを設けてもよい。また、前記タッチセンサを振動させることで音を発生するように構成し、前記振動手段を音声出力手段としても利用できるようにしてもよい。
ボタンを押した際に、音(クリック音等)を発生させれば、ボタンを押した利用者は、その音を認識してボタン入力が検出されたことを把握できる。従って、利用者は、ボタンが押されたことを確実に把握でき、その分、入力操作性を向上できる。さらに、振動手段を音声出力手段として兼用すれば、ボタンを押した際に、利用者は振動および音でボタン入力をより確実に把握できるので、入力操作性を一層向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係るキー入力装置10が適用された携帯電話機1が示されている。
携帯電話機1の正面において、上段側には、文字や画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示部3が配置され、下段側には、キー入力装置10を構成する複数のボタン21〜35が配置されている。また、表示部3とキー入力装置10との間には、所定の機能ボタン4,5と、カーソルボタン6とが設けられている。
【0025】
[ボタン構造]
次に、第1実施形態のキー入力装置10における各ボタン21〜35の構造に関し、図2,3を参照して説明する。
携帯電話機1のケース2内には、キー入力装置10における表示装置としての液晶パネル11と、この液晶パネル11の駆動を制御したり、携帯電話機1の各種機能を実行する制御ユニット12とが設けられている。
【0026】
液晶パネル11は、ボタン21〜35が配置された領域全体に渡って配置された1枚ものであり、制御ユニット12により、各ボタン21〜35に対応した領域毎に表示内容(文字や画像等)を変更できるように構成されている。
【0027】
液晶パネル11の表面には、透明なタッチセンサ13が積層されている。タッチセンサ13は、電波や磁気を利用して押されたことを検知するものを用いてもよいが、通常は、圧力を加えた場所に応じて、電気抵抗値が変化するような透明なシートを利用した感圧式のタッチセンサ13が用いられる。
このタッチセンサ13は、少なくとも各ボタン21〜35が押されたことを各ボタン21〜35毎に検出できるように構成されている。
【0028】
タッチセンサ13の表面側には、透明な反発材15が積層されている。反発材15は、例えばポリエステル等の弾性を有する樹脂シートで構成されている。そして、本実施形態の反発材15は、各ボタン21〜35に対応する部分に、ドーム状(お椀状)の反発部15Aをそれぞれ有している。従って、本実施形態では、ボタン21〜35に合わせて15個の反発部15Aが一体に形成されている。
【0029】
反発材15の表面側には、前記各ボタン21〜35と、各ボタン21〜35をガイドするガイドフレーム16とが配置されている。
ボタン21〜35は、アクリル樹脂等の硬質な透明樹脂材料で構成されている。各ボタン21〜35の上面(表面)201は平面とされ、下面(裏面)202は中心部分が下方に膨らんだ図2に示す断面形状(携帯電話機1の横断面方向に沿った断面形状)が略円弧形状の湾曲面とされている。なお、ボタン21〜35は、図2の紙面直交方向には、図2に示す断面形状が連続して形成された形状とされている。従って、各ボタン21〜35は、各ボタン形状に対応した金型に射出成形して製造することもできるし、図2の断面形状を有する金型を利用して押出成形した後、各ボタン21〜35毎に切断して製造することもできる。これらの製造方法は、使用する樹脂材料等に応じて適切なものを選択すればよい。
【0030】
また、ボタン21〜35の側面には、図3にも示すように、ガイドフレーム16に係合する突起部203が形成されている。この突起部203は、各ボタン21〜35の4つの側面のうち、少なくとも対向する2面に形成され、好ましくは4つの面に形成されている。
【0031】
ガイドフレーム16は、金属やプラスチックで構成され、各ボタン21〜35の外周に沿って格子状に形成されている。すなわち、ガイドフレーム16は、各ボタン21〜35の外周に沿ったフレーム本体部16Aと、このフレーム本体部16Aから突設された突起16Bとを備えている。
そして、図3にも示すように、ガイドフレーム16はケース2に固定されている。また、前記ボタン21〜35は、反発材15の反発部15Aによって上方(表面側)に付勢されるが、前記突起部203が突起16Bに係止することで、上方への移動が規制されており、携帯電話機1から脱落しないように保持されている。
また、ボタン21〜35の側面(突起部203等)は、ガイドフレーム16で案内され、傾くことなくスムーズに上下動できるように構成されている。
【0032】
さらに、ガイドフレーム16の底面と各ボタン21〜35の下面の外周縁との間には、伸縮可能な伸縮材17が接着されている。この伸縮材17により、各ボタン21〜35と反発材15間の空間が密閉され、ガイドフレーム16およびボタン21〜35間の隙間からゴミ等が侵入しないようにされている。
【0033】
そして、本実施形態においては、タッチセンサ13、反発材15、ボタン21〜35は、液晶パネル11に表示された文字等がこれらの部材を通して視認できるように、透明な材料で構成されている。なお、本実施形態での透明とは、液晶パネル11の文字が視認可能なものであればよい。
【0034】
〔入力操作〕
このような構成の本実施形態においては、各ボタン21〜35を押していない状態では、図3(A)に示すように、各ボタン21〜35は反発材15によってガイドフレーム16の表面側に付勢され、タッチセンサ13には圧力が加わっていないので、タッチセンサ13はボタン21〜35が押されていないことを検出できる。
一方、図3(B)に示すように、各ボタン21〜35を押すと、下面202の最も突出した中心部分(凸部)で反発部15Aが押されてタッチセンサ13に密着し、タッチセンサ13に所定の圧力が加わる。このため、タッチセンサ13によりボタン21〜35が押されたことが感知され、入力を検出できる。
また、押していたボタンを離すと、反発材15が反発して元の形状に戻り、それに伴いボタンも上方に付勢されて元の位置に戻り、タッチセンサ13はボタン21〜35が押されていないことを検出できる。
【0035】
次に、本実施形態のキー入力装置10を用いた携帯電話機1における各種の入力操作制御に関して説明する。
本実施形態の携帯電話機1は、図4にも示すように、各ボタン21〜35の表示を様々な種類に切り替えることができるマルチ表示タイプである。これにより、携帯電話機1を電話機として利用するだけでなく、インターネット接続端末、カメラ、セキュリティー機器、テレビ等の各種電化製品のリモコン、電子マネー用機器等の様々な用途に利用できるようにしている。また、各ボタン21〜35は、その表示を切り替えることができるマルチ表示ボタンであるため、日本語、英語等の各国の言語で表示を切り替えることができ、多種言語対応で各種デジタル機器の中枢として利用可能な携帯電話機1とすることができる。
【0036】
〔メニュー表示〕
図4,5に示すように、各ボタン21〜35にメインメニューを表示してもよい。このメニュー表示は、例えば、携帯電話機1の所定のメニューボタン5を押すと表示されるように設定してもよいし、携帯電話機1の電源を入れた際の初期表示として表示されるように設定してもよい。
なお、図4や図5に示すメニューは一例であり、メニュー内容は、携帯電話機1に組み込む機能に応じて設定すればよい。
図5に示すメニューでは、ボタン21を押すと電話リストが表示され、ボタン22を押すとボイスメモ機能が実行され、ボタン23を押すとカメラ機能が実行され、ボタン24を押すとムービー機能が実行され、ボタン25を押すとテレビ機能が実行され、ボタン26を押すとラジオ機能が実行され、ボタン27を押すとメモリなどに記憶された音楽データの再生等を行う音楽機能が実行される。
また、ボタン28を押すとGPS等を利用し、現在位置などを示すナビ機能が実行され、ボタン29を押すと施錠・解錠を行う電子ロック機能が実行され、ボタン30を押すとリモコン機能が実行され、ボタン31を押すとホーム管理機能が実行され、ボタン32を押すと電子マネーのチャージなどを行うクレジット機能が実行される。
さらに、ボタン33を押すと電話機能が実行され、ボタン34を押すとメール機能が実行され、ボタン35を押すとインターネット接続してブラウザ等で情報を見るネット機能が実行される。
従って、各ボタン21〜35には、各機能を示す文字が表示される。
【0037】
〔電話表示〕
図1,4,5に示すように、電話表示を選択すると、各ボタン21〜32には、電話番号を入力するための数字、記号が表示され、ボタン33〜35には、電話を掛ける記号、クリア、電話を切る記号がそれぞれ表示される。なお、この電話表示は、メインメニューから電話表示ボタン33を押して行ってもよいし、携帯電話機1では、電話機能が主な用途であるため、電源投入時の初期表示を電話表示としてもよい。
制御ユニット12は、各ボタン33〜35に電話機能用の表示がされている状態で、前記各ボタン33〜35を押し、その入力がタッチセンサ13で検知されると、各ボタン33〜35に表示された数字や記号を入力したり、電話を掛けたり、切ったりするなどの機能を実行する。
【0038】
〔電話リスト表示〕
メニュー表示において、「電話リスト」と表示されたボタン21を押すと、図4や図5の左下に示すように、各ボタン21〜35には、電話リストが表示される。電話リストが表示されている状態で各ボタン21〜35を押すと、そのボタンに表示されている所へワンタッチで電話が掛けられ、電話を掛ける操作を非常に簡単に行うことができる。
【0039】
〔TVリモコン表示〕
メニュー表示において、「リモコン」と表示されたボタン30を押すと、図4の右上や図5の左下からの2番目に示すように、各ボタン21〜35には、テレビ局名が表示される。視聴しているテレビに携帯電話機1を向けた状態で、テレビ局名が表示されている各ボタン21〜35を押すと、そのボタンに表示されている局に切り替えられ、テレビをリモコン操作することができる。
【0040】
〔ホーム管理表示〕
メニュー表示において、「ホーム管理」と表示されたボタン31を押すと、図4の右下や図5の左下からの3番目に示すように、各ボタン21〜35には、住宅において制御対象となる機器名が各ボタン21〜35に表示される。
そして、各ボタン21〜35を押すと、ボタン21〜35の表示が各操作対象に応じたものになり、各ボタンを押すことで、選択した操作対象をリモコン制御できる。
【0041】
〔かなモード表示、英字モード〕
文字入力を行う状態になると、各ボタン21〜35は、図5の右上のかなモード表示、または、英字モード表示に切り替わる。
英字モードでは、従来の携帯電話機と同様に、1つのボタン22〜29に複数の英字が設定され、各ボタン22〜29を1〜4回押すことで、各ボタン22〜29に設定された文字が順次入力される。
【0042】
一方、かなモードにおける文字入力は、従来の携帯電話機と同様に、各ボタン21〜31に複数のかな文字を設定しておき、各ボタン21〜31を1〜5回押すことで、各ボタン22〜31に設定された文字が順次入力される通常の入力方式のほか、より効率的に入力する方式も採用されている。この効率的な入力方式に関しては後述する。
【0043】
なお、図4や図5には代表的な機能のボタン表示を示したが、他の機能に関しても、ボタンを押してその機能が選択されると、その機能を実現するために必要となる操作が各ボタンに表示され、利用者が容易に各操作を行うことができるようにされている。
【0044】
〔効率入力:2タッチ入力〕
図5に示す「かなモード表示」における効率入力(2タッチ入力)に関し、図6〜8を参照して説明する。
2タッチ入力では、図6に示すように、日本語の50音の各行を表す文字が各ボタン21〜29,31に表記され、各ボタン21〜29,31を押すと、その押された行の各文字が各ボタン21〜31に表示され、各ボタン21〜31を押すことで入力が確定するように構成されている。つまり、各文字はボタン21〜31を2回押すことで入力できるため、本実施形態の効率入力を「2タッチ入力」と表現している。
すなわち、各ボタン21〜29,31に「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わをん」が表示された「かなモード標準配列(1回目表示)」において、ボタン21を押すと図7の「あ行表示(2回目表示)」に示すように、各ボタン21〜25に母音「あ、い、う、え、お」が表示され、ボタン27〜31に小文字「ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」が表示される。そして、この「あ行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された文字が入力される。従って、「かなモード標準配列(1回目表示)」においてボタン21を押し(1回目のタッチ操作)、「あ行表示(2回目表示)」においていずれかのボタン21〜25,27〜31を押す(2回目のタッチ操作)ことで、つまり2回の入力操作で「あ行」の各文字を入力できる。
【0045】
同様に、「かなモード表示」において、ボタン29を押すと、「ら行表示」に切り替わり、さらに、各ボタン21〜25を押すことで、「ら、り、る、れ、ろ」の各文字を入力できる。
図5の「かなモード表示」において、他のボタンを押した場合も、図8に示すように、同様の各行の文字表示に切り替わる。
【0046】
すなわち、「かなモード表示」において、ボタン22〜24を押すと、図8の「か行表示、さ行表示、た行表示」となり、これらの各表示において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された「か行、さ行、た行」の清音および濁音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン25を押すと、図8の「な行表示」となり、この「な行表示」において各ボタン21〜25を押すと、各ボタンに表示された「な行」の清音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン26を押すと、図8の「は行表示」となり、この「は行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された「は行」の清音および濁音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン27を押すと、図8の「ま・ぱ行表示」となり、この「ま・ぱ行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された「ま行」の清音および「ぱ行」の半濁音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン28を押すと、図8の「や行表示」となり、この「や行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、「や、ゆ、よ、ゆう、よう、ゃ、ゅ、ょ、ゅう、ょう」を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン29を押すと、図8の「ら行表示」となり、この「ら行表示」において各ボタン21〜25を押すと、「ら、り、る、れ、ろ」を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン30を押すと、図8の「わをんっー表示」となり、この表示において各ボタン21〜29を押すと、「わ、を、ん、っ、ー、う゛、ゎ、ヵ、ヶ」を入力できる。
【0047】
以上のように、「かなモード表示(メイン表示)」において各ボタン21〜29,31を押すと、かなの各行に対応する「行表示」に切り替わるので、必要な母音や清音・濁音・半濁音・撥音(ん)・促音(っ)・長音(ー)・小文字を選んで入力すればよい。
また、「行表示」は、上2段のボタン21〜25に各行の清音が表示され、下2段のボタン27〜31に濁音、半濁音等が表示され、かつ、いずれの仮名文字も2回のタッチ操作で入力できる。
なお、この「行表示」は、ボタン21〜35を1回押すと必ずメイン表示に戻るようにされている。
【0048】
〔実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
(1)本実施形態のキー入力装置10は、ボタン21〜35の表面側から液晶パネル11の表示を視認できるようにしているので、各ボタン21〜35の表示を、機能や状況に応じて自由に変更することができる。従って、各ボタン21〜35は様々な表示が可能なマルチ表示ボタンとして利用することができ、各種操作を行う際に、各ボタン21〜35には必要な機能だけを1つずつ見やすく表示できるので、利用者は各ボタン21〜35を押した際の機能を容易に把握できて入力操作性を向上できる。その上、ボタン21〜35は、反発材15で付勢されているので、通常のキーボードと同様のキータッチを実現でき、利用者が意識してボタン21〜35を押し込まなければ入力が行われないため、画面をタッチするだけで入力できる液晶タッチ式に比べて誤入力を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0049】
(2)液晶パネル11を用いることで、各ボタン21〜35における文字等の表示を、使う機能や言葉に合わせて変えることができるので、各ボタン21〜35に、そのボタンを押した際の機能だけを1つずつ表示できるので、各ボタン21〜35を押して操作する操作者が、そのボタン21〜35を押した場合の機能を容易に把握でき、操作性を向上できる。
さらに、各ボタン21〜35の表示および機能を切り換えることで、キー数を少なくしても操作性の低下を防止できる。従って、片手でも操作できるキー数でありながら、文字入力や各種操作を行うことができる。
このため、高齢者や障害者にとっても、各ボタン21〜35に表示された文字などを見ながら片手でも操作できるキー入力装置10とすることができ、ユニバーサルデザインに配慮したキー入力装置10とすることができる。
【0050】
(3)各ボタン21〜35の表示を切り換えることができるので、各国の言葉に合わせてボタン表示を変えることができる。このため、世界共通仕様の携帯電話機1(キー入力装置10)ができ、携帯電話機1の製造コストを大幅に低減できる。
さらに、ボタン21〜35の表示を切り換えることができるので、携帯電話機1(キー入力装置10)における文字入力方法を容易に変更できる。従って、携帯電話機1に複数の文字入力方式を組み込んでおけば、利用者が最も使いやすい文字入力方式を選択して利用することができ、入力操作性を向上できる。
【0051】
(4)各ボタン21〜35の表示を切り換えることができるので、携帯電話機1に、各種リモコン機能やホーム管理機能を組み込むことができる。
従って、家電製品の遠隔操作などを各ボタン21〜35の表示を見ながら簡単に行うことができる。また、携帯電話機1は、そもそも通信機能を内蔵しているので、例えば電話回線を介して各機器等とデータ通信できるように構成することもでき、外出先から空調や浴室の湯沸かし、施錠管理などの家庭内の各種ホーム管理を容易に行うことができる。従って、今後、利用が高まるホームオートメーションにおける入力機器として、携帯電話機1を活用することができる。
【0052】
(5)また、携帯電話機1の赤外線通信機能や無線通信機能を利用して、パソコンやインターネットテレビに、携帯電話機1を接続可能にすることで、これらの機器における文字入力を携帯電話機1で行うことができる。このため、リビングなどでキーボードを操作することなく、携帯電話機1により文字入力を行うことができるので、メール操作や、インターネットの閲覧操作を容易に行うことができる。
【0053】
(6)ボタン21〜35は、アクリル等の透明な樹脂材料で構成され、反発材15によって上方に付勢されているので、入力者は各ボタン21〜35を押した際には、反発材15の反発力を受けながら入力操作することになる。従って、一般的なキーボードと同様に、ばねによって押されたボタンを押し込んで入力することになるので、疲れにくい良好なキータッチを実現でき、キー入力操作性を向上できる。
【0054】
(7)反発材15は、1枚の透明な樹脂に、各ボタン21〜35に対応する反発部15Aを複数形成して構成されているので、例えば、各ボタン21〜35毎に個別のバネ材を配置するような場合に比べて、部品点数を少なくでき、組立性も良好にでき、製造コストを大幅に低減できる。
【0055】
(8)ボタン21〜35の下面202は、湾曲されて中心部が突出された凸状形状に形成されているので、ボタン21〜35を押した際にその凸部分のみが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するため、タッチセンサ13に加わる圧力を大きくすることができ、タッチセンサ13で確実に入力を検出することができる。
また、ボタン21〜35は反発材15を介してタッチセンサ13に接触するので、硬質樹脂製のボタン21〜35が直接タッチセンサ13に接触してタッチセンサ13が傷つくことを防止でき、反発材15をタッチセンサ13の保護シートとしても利用できる。
その上、各ボタン21〜35は、断面凸レンズ状に形成されているので、これらのボタン21〜35を拡大鏡として利用することもでき、液晶パネル11に表示された文字等を拡大して見ることもでき、高齢者等においても使いやすいキー入力装置10とすることができる。
【0056】
(9)ガイドフレーム16に突起16Bを形成し、ボタン21〜35の反発材15による付勢方向の移動を規制しているので、ボタン21〜35の脱落を簡単な構造で確実に防止することができる。
また、ガイドフレーム16のフレーム本体部16Aにより、ボタン21〜35をガイドしているので、各ボタン21〜35をスムーズに上下動することができ、この点でも入力操作性を向上できる。
【0057】
(10)さらに、本実施形態では、伸縮材17を設けて反発材15と各ボタン21〜35との間を密閉しているので、ゴミの侵入を防止でき、かつ、結露も防ぐことができる。
【0058】
(11)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、各ボタン21〜35の表示を切り換えることで、2回の入力操作のみで各文字を入力することができる。このため、従来の携帯電話機1のように、各ボタンを1〜5回押して各文字を入力する場合に比べて、文章を入力する際の平均的な入力数を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0059】
(12)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、メイン表示においては、各行を示す文字(各行のあ段の文字)を表記し、各行を示す文字が表示されたボタン21〜32を押すと、その押された行の各文字およびその行に関連する濁音や小文字、拗音等が表示されるので、入力操作が把握しやすく、操作性のよい入力を行うことができる。
【0060】
(13)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、かな文字の濁音、半濁音、拗音等も清音と同じ2回の入力操作で入力できるので、従来の携帯電話のように、濁音キー等を別途入力しなければならない入力方法に比べてより一層入力操作性を向上できる。
【0061】
(14)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、各行表示では、上2段のボタン21〜25に各行の清音が表示され、下2段のボタン27〜31に濁音、半濁音等が表示されるので、2段ずつ上下に分かれてパターン化して表示でき、各文字の位置を見分けやすく覚えやすい。従って、入力操作に慣れれば、ボタンを見なくても入力できるようになり、この点でも操作性のよいキー入力装置10とすることができる。
【0062】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図9を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態のキー入力装置10Aは、図9に示すように、各ボタン21〜35の形状が前記第1実施形態と相違するが、他の構成は略同一である。
すなわち、キー入力装置10Aにおいても、液晶パネル11、タッチセンサ13、反発材15が順次積層され、さらに、各ボタン21〜35、ガイドフレーム16が配置されている。
【0063】
各ボタン21〜35は、前記第1実施形態と同様に、透明なアクリル樹脂などで構成されており、その下面202形状のみが第1実施形態のものと相違する。
すなわち、ボタン21〜35の下面(裏面)202には、ボタンが押されていない状態で前記反発材15に当接する凸部202Aと、ボタンを押した際に変形する反発材15が収納される凹部202Bとが形成されている。
【0064】
このような本実施形態においても前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、各ボタン21〜35に凹部202Bが形成されているので、図9(B)に示すように、ボタン21〜35を押した場合に、凸部202Aで押されて変形した反発材15を凹部202Bに収納することができる。このため、ボタン21〜35を容易に押し込むことができ、比較的軽い力で入力操作を行うことができる。
また、反発材15の反りに合わせた凹凸を付けているので、ボタン21〜35の厚みを軽減することができる。
【0065】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。
第3実施形態のキー入力装置10Bは、図10に示すように、各ボタン21〜35の中央部と反発材15の中央部(反発部15A)とを透明な接合ピン40で接合している。これにより、各ボタン21〜35は反発材15に接合しているので、反発材15による付勢方向の移動規制を行う必要がない。このため、第3実施形態では、ガイドフレーム160は、フレーム本体部のみで構成され、突起を備えていない。その他の構成は、前記第2実施形態のキー入力装置10Aとほぼ同様であるため説明を省略する。
【0066】
このような本実施形態においても、各ボタン21〜35は、ガイドフレーム160によって上下動可能にガイドされ、かつ、ボタン21〜35の上方への移動は、前記接合ピン40で反発材15に接合されていることで規制されている。
従って、ボタン21〜35を押すと、凸部202Aが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するので、タッチセンサ13において入力を検出できる。また、押していたボタン21〜35を離すと、変形していた反発材15が元の形状に戻り、その反発力でボタン21〜35も元の位置に戻る。
【0067】
このような本実施形態においても前記第1,2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、ガイドフレーム160に突起を形成する必要がないため、ガイドフレーム160の幅寸法を小さくできる。従って、キー入力装置10Bにおいては、ボタン21〜35の表面から見た際にガイドフレーム160が目立たず、その分、ボタン21〜35を大きく形成できるので、入力操作性や意匠性を向上できる。
【0068】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について、図11を参照して説明する。
第4実施形態のキー入力装置10Cは、図11に示すように、各ボタン21〜35の周縁部と反発材15とをΣ型の伸縮材41で接合している。これにより、各ボタン21〜35は反発材15に接合しているので、反発材15による付勢方向の移動規制を行う必要がなく、キー入力装置10Bと同様なガイドフレーム160およびボタン21〜35を利用することができる。その他の構成は、前記各キー入力装置10A,10Bとほぼ同様であるため説明を省略する。
【0069】
このような本実施形態においても、各ボタン21〜35は、ガイドフレーム160によって上下動可能にガイドされ、かつ、ボタン21〜35の上方への移動は、前記伸縮材41で反発材15に接合されていることで規制されている。
従って、ボタン21〜35を押すと、凸部202Aが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するので、タッチセンサ13において入力を検出できる。この際、伸縮材41は伸縮可能に構成されているので、潰された状態となる。
また、押していたボタン21〜35を離すと、変形していた反発材15が元の形状に戻り、その反発力でボタン21〜35も元の位置に戻る。同時に、伸縮材41も元の形状に戻り、これによりボタン21〜35のそれ以上の移動が規制される。
【0070】
このような本実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、ボタン21〜35の周囲と反発材15との間に伸縮材41が接着されているので、下面202と反発材15との間の空間を密閉できる。このため、ゴミなどが侵入して傷が付くことを防止できるとともに、結露の発生も防止できる。
【0071】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について、図12を参照して説明する。
第5実施形態のキー入力装置10Dは、前記各実施形態が、別々に構成された複数のボタン21〜35を利用しているのに対し、図12に示すように、各ボタン21〜35が一体に形成されたものを用いている点で相違する。
すなわち、本実施形態では、各ボタン21〜35は、軟質樹脂シート材50で構成されている。軟質樹脂シート材50は、透明な軟質樹脂材料を用いた射出成形等で構成され、ボタン本体部51と、ボタン区画部52とを備えている。ボタン本体部51は、中央部分に凸レンズのような膨らみを持たせて形成され、このボタン本体部51を押すと反発材15を介してタッチセンサ13が押圧されて入力が検出される。
また、ボタン区画部52は、凹溝状に形成され、ボタン本体部51に比べて幅寸法が小さいため、ボタン本体部51を押した際も殆ど変形しない。このボタン区画部52により凹溝部が構成されている。
そして、ボタン本体部51の押圧を解除すると、反発材15の反発力によってボタン本体部51は元の位置に戻る。
【0072】
このような本実施形態においても、各ボタン21〜35のボタン本体部51は、ボタン区画部52を支点として上下動可能に設けられている。従って、ボタン21〜35のボタン本体部51を押すと、ボタン21〜35が軟質樹脂材であるため、ボタン本体部51が多少凹むが、ボタン本体部51の中央部は膨らまされていて肉厚に形成されているので、多少凹んでもそれ以上に下方に変形し、下面の凸部202Aが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するので、タッチセンサ13において入力を検出できる。
また、押していたボタン21〜35を離すと、変形していた反発材15が元の形状に戻り、その反発力でボタン本体部51も元の位置に戻る。
【0073】
このような本実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、各ボタン21〜35を一体の軟質樹脂シート材50で構成しているので、ボタンを組み付ける作業を容易に行うことができ、コストを低減できる。
その上、ボタン21〜35が連続形成されているので、各ボタン21〜35間に隙間が生じず、ゴミなどが侵入して傷が付くことを防止できるとともに、結露の発生も防止できる。
【0074】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について、図13を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第6実施形態のキー入力装置10Eは、図13に示すように、液晶パネル11、タッチセンサ13、一体成形されたボタン21〜35が順次積層されている。すなわち、本実施形態は、反発材を備えていない点で前記各実施形態と異なる。
【0075】
各ボタン21〜35は、前記第5実施形態と同様に、軟質樹脂シート材60で構成されている。軟質樹脂シート材60は、透明な軟質樹脂材料を用いた射出成形等で構成され、ボタン本体部61と、ボタン区画部62とを備えている。ボタン本体部61は、お椀型(ドーム状)に湾曲された突部とされており、このボタン本体部61を押すと、図13(B)に示すように、ボタン本体部61の中央部分が凹んでタッチセンサ13に接触し、タッチセンサ13が押圧されて入力が検出される。
また、ボタン区画部62は、平面状に形成され、タッチセンサ13上に接着剤等で貼り付けられている。
そして、ボタン本体部61の押圧を解除すると、ボタン本体部61自身の反発力によってボタン本体部61は元の位置に戻る。
【0076】
タッチセンサ13は、タッチ入力を検出すると、圧電素子等によってタッチセンサ13自体が振動するように構成されている。特に、タッチセンサ13は、周波数の高い細かい振動(微振動)を行うように構成され、ボタン21〜35を押してタッチセンサ13に接している利用者に対し、不快感を与えることなく、タッチセンサ13を押していることを告知できるように構成されている。従って、このタッチセンサ13を振動させる振動手段によって告知手段が構成されている。
【0077】
このような本実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本実施形態のキー入力装置10Eによれば、反発材15を不要にできるので、部品数を削減できるとともに、タッチセンサ13からボタン21〜35上面までの厚さ寸法を小さくでき、前記各実施形態のキー入力装置に比べてもより薄型のキー入力装置にすることができる。
【0078】
また、ボタン21〜35は、連続成形されたお椀型のボタン本体部61を有する軟質樹脂シート材60で形成されているので、ボタン本体部61を押した際には、その弾力性でボタンを押す指に反発力が加わる。従って、反発材15が設けられている場合に比べると小さいが、ボタン本体部61の形状によってクリック感が得られるため、ボタンを押す感触は得られる。
さらに、本実施形態では、入力を検出した際にはタッチセンサ13を振動させるように構成したので、利用者は入力が検出されていることを確実に把握でき、クリック感の小ささをカバーできる。このため、誤操作を少なくでき、入力操作性の低下を防止できる。
【0079】
さらに、ボタン21〜35は、連続成形されたお椀型のボタン本体部61を有する軟質樹脂シート材60で形成されているので、製造が容易になり、各ボタン21〜35を別々のパーツで構成する場合に比べてコストを大幅に低減できる。
【0080】
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態について、図14を参照して説明する。第7実施形態のキー入力装置10Fは、図14に示すように、ボックス状(箱形)の突部からなるボタン本体部61Aと、各ボタン本体部61A間を連結する平面状のボタン区画部62Aとを備えた軟質樹脂シート材60Aが用いられている点のみが前記キー入力装置10Eと相違する。従って、他の構成に関しては説明を省略する。
【0081】
このような本実施形態においても、前記第6実施形態と同じ作用効果を奏することができる。また、ボタン本体部61Aを箱形に形成しているので、一般的なキー形状にできるとともに、図4,5に示すように、液晶パネル11において各キーの表示領域を矩形形状にしている場合には、その表示領域とボタン本体部61Aの領域とを合わせることで、キー表示を見やすくすることができる。
【0082】
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態について、図15を参照して説明する。第8実施形態のキー入力装置10Gは、図15に示すように、中央部が肉厚されて凸型に形成されたボタン本体部61Bと、各ボタン本体部61B間を連結する平面状のボタン区画部62Bとを備えた軟質樹脂シート材60Bが用いられている点のみが前記各キー入力装置10E,10Fと相違する。従って、他の構成に関しては説明を省略する。
このような本実施形態においても、前記第6,7実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
また、ボタン本体部61Bは中央部分を肉厚に形成した凸型形状とされているので、ボタン21〜35の中央部分を押した場合、中央部分の凹みを少なくでき、ボタン本体部61Bの端縁の薄肉部分が変形し、中央の凸型部分が下がってタッチセンサ13に接触することで入力が検知される。このため、利用者がボタン21〜35を押した場合には、ボタン本体部61Bの中央部分が上下動しているのに近い感触になるため、個別のボタン21〜35を配置した前記各実施形態と同様の入力操作感を与えることができる。
【0083】
〔第9実施形態〕
次に、本発明の第9実施形態について、図16を参照して説明する。第9実施形態のキー入力装置10Hは、図16に示すように、シート状に形成されてタッチセンサ13上に直接載置されて貼り付けられたボタン本体部61Cと、各ボタン本体部61C間を連結するボタン本体部61Cに比べて薄肉のボタン区画部62Cとを備えた軟質樹脂シート材60Cが用いられている点のみが前記各キー入力装置10E〜10Gと相違する。すなわち、各ボタン本体部61Cはボタン区画部62C部分の溝によって区画されている。
このような本実施形態において、ボタン21〜35を押すと、その押圧力がボタン本体部61Cを介してタッチセンサ13に伝達されて検出される。すると、タッチセンサ13が振動するため、利用者は入力が検知されたことを確実に把握できるなど、前記第6〜8実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、軟質樹脂シート材60Cは、ボタン区画部62Cに比べて面積が大きなボタン本体部61C部分をタッチセンサ13に貼り付けることができるので、その貼り付け強度を向上できる。
【0084】
〔第10実施形態〕
次に、本発明の第10実施形態について、図17を参照して説明する。第10実施形態のキー入力装置10Iは、図17に示すように、シート状に形成されてタッチセンサ13上に直接載置されて貼り付けられたボタン本体部61Dと、各ボタン本体部61D間を連結するボタン本体部61Dに比べて厚肉のボタン区画部62Dとを備えた軟質樹脂シート材60Dが用いられている点のみが前記キー入力装置10Hと相違する。すなわち、各ボタン本体部61Dはボタン区画部62D部分の凸状部によって区画されている。
このような本実施形態においても、ボタン21〜35を押すと、その押圧力がボタン本体部61Dを介してタッチセンサ13に伝達されて検出される。すると、タッチセンサ13が振動するため、利用者は入力が検知されたことを確実に把握できるなど、前記第9実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、ボタン区画部62Dを凸状部としているので、指先の感触だけでボタン本体部61Dの領域を把握できる。このため、ボタン21〜35を直接見ないでキー入力操作を行うことができ、いわゆるブラインドタッチに近い入力操作を容易に実現できる。
【0085】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明のキー入力装置10〜10Iは、携帯電話機1に組み込まれるものに限定されず、各種機器の制御に利用可能な汎用リモコン、PDA、ハンディターミナル等の各種の機器のキー入力装置として利用することができる。
これらの機器に本発明のキー入力装置10〜10Iを利用すれば、操作ボタンに表示したい文字やアイコン、画像、写真などを、利用する機能や言葉に合わせて自由に変えることができ、キー数が少なくても使い勝手のよいキー入力システムを構築することができる。従って、特に携帯型の機器用のキー入力装置に適している。
【0086】
また、本発明のキー入力装置10〜10Iを利用した際の文字の入力方式は、実施にあたって適宜選択すればよい。
例えば、日本語(かな文字)の入力方式としては、従来の携帯電話機のような各ボタン21〜35を1〜5回押して入力する方式や、前記第1実施形態の2タッチ入力方式に限定されない。
例えば、図18〜27に示すように、ローマ字入力をベースに、12個という少ないボタン21〜32を用いて、かな入力および英字入力を効率的に行うことができる入力方式を採用してもよい。
【0087】
この入力方式に関し、以下に詳述する。本入力方式では、各ボタン21〜32には、図18,19のメイン表示に示す文字が設定されている。例えば、かな文字を入力する「メイン表示」においては、ボタン21〜25には、母音を表す「A、I、U、E、O」が表示されている。また、ボタン27〜32,26には、ローマ字入力において日本語の子音を表す「KG」、「SZ」、「TD」、「NP」、「HB」、「RM」、「YW」の子音キーが表示されている。
【0088】
なお、この入力方式において、数字モード、英字モード、記号モードに切り換えると、各ボタン21〜32には、図19の「数字モード表示」、「英字モード表示」、「記号モード表示」に示すような文字が表示される。
【0089】
図18,19のメイン表示の各文字は、日本語における母音および各行を表す子音であるため、図20の「かなモード表示」と同等である。従って、メイン表示における各ボタン21〜32の表示をローマ字表示ではなく、図20に示すような、かな文字で表示してもよい。
【0090】
このメイン表示において、各ボタン21〜25を押すと各母音が入力される。また、ボタン21,24を2回押すと、長音「ー」、促音「っ」がそれぞれ入力される。
一方で、ボタン26〜32を押すと、図20にも示すように、各ボタン21〜32の表示が各行に対応した表示に切り替わる。例えば、「KG」あるいは「か行」と表示されるボタン27を押すと、各ボタン21〜32は「か行表示」に切り替わり、「RM」または「ら行・ま行」と表示されるボタン32を押すと、各ボタン21〜32は「ら・ま行表示」に切り替わる。
【0091】
これらの表示において、各ボタン21〜25,27〜31を押すと、表示された各文字が入力される。また、拗音と表示されたボタン26を押すと、各行の拗音等の文字表示に切り替わり、その表示状態で各ボタン21〜25,27〜31を押すと、表示された拗音等が入力される。
【0092】
具体的には、図18,19のメイン表示において、「KG」と表示されたボタン27を押すと、図21の「か行表示」に示す各文字が、各ボタン21〜25,27〜31に表示され、これらのボタン21〜25,27〜31を押すことで、か行の清音および濁音が入力される。また、拗音と表示されたボタン26を押すと、図21の「か行拗音」に示す各文字が表示され、各ボタン21〜25,27〜31を押すことで入力される。
【0093】
以下、同様に、図18,19のメイン表示において、ボタン28〜32を押すと、図22〜図26の「さ行表示」、「た行表示」、「な・ぱ行表示」、「は行表示」、「ら・ま行表示」に示す各文字が、各ボタン21〜25,27〜31に表示され、これらのボタン21〜25,27〜31を押すことで、各ボタンに表示された文字が入力される。また、拗音と表示されたボタン26を押すと、図22〜図26の「さ行拗音」、「た行拗音」、「な・ぱ行拗音」、「は行拗音」、「ら・ま行拗音」に示す各文字が表示され、各ボタン21〜25,27〜31を押すことで各ボタンに表示された文字が入力される。
【0094】
図18,19のメイン表示において、ボタン26を押すと、図27の「や・わ行、小文字」に示す各文字が、各ボタン21〜25,27〜32に表示され、これらのボタン21〜25,27〜32を押すことで、各ボタンに表示された文字が入力される。
これらの入力においては、文字入力を行うと、メイン表示に戻る。
【0095】
このような入力方式においては、母音は1回、清音や濁音・半濁音・長音・促音・撥音・小文字は2回、拗音は3回のキー入力操作で入力できるので、各英字が別々のボタンに設定された一般的なフルキーボードにおけるローマ字入力と同等の打鍵効率にすることができる。一方、キー(ボタン)数は、12個あればよいので、キー数を大幅に軽減できて、携帯可能な小型機器に組み込まれるキー入力装置に適している。
【0096】
また、本発明における英字や記号などの入力は、従来の携帯電話機と同様に各ボタン21〜35を1回〜複数回押して入力してもよいし、前記かな文字の入力と同様に、各ボタン21〜35を押すと、各ボタンに設定されている複数の英字や記号を、各ボタンに分散して配置し、表示された各ボタン21〜35を押すことで入力してもよい。
さらに、各ボタンに表示する文字の配置順序や内容等は、前記実施形態に限らず、各言語等に応じて設定すればよい。
【0097】
前記実施形態では、反発材15が設けられていない場合には、タッチセンサ13を振動させて入力検知を告知していたが、この告知手段としては振動を与えるものに限らず、音(クリック音)を発生させるものでもよいし、振動および音の両方を発生させるものでもよい。また、反発材15が設けられている場合も、同様に振動や音の少なくとも一方を発生させて入力検知を告知する告知手段を設けてもよい。
【0098】
本発明のキー入力装置において、ボタンの構造は前記各実施形態のものに限らない。例えば、表示装置としては、液晶パネル11に限らず、有機ELパネル等でもよく、要するに文字等を表示できるものであればよい。特に、液晶パネルや有機ELパネルを用いれば、薄型化できて、小型の機器に組み込みやすい利点がある。
また、反発材15の構成としては、前記実施形態のような1枚のシートに形成されたものに限らず、2〜3個のボタン毎に設けられた複数のシート材で構成されたものでものよいし、1個のボタン毎に設けられたものでもよい。要するに、ボタン21〜35の表示を視認でき、ボタンが押された際には、その押し操作によるタッチセンサ13のタッチ検出を阻害せず、かつボタンが放された際には、ボタンをスムーズに元の位置に戻すことができるものであればよい。
【0099】
さらに、各ボタン21〜35は、携帯電話機1等における機能ボタンやカーソルボタンにも利用できる。従って、ボタンの平面形状は、四角形に限定されず、円形・楕円形・三角形等の様々な形状に適用できる。
【0100】
本発明は、携帯電話機1に適用するものに限らず、他の携帯情報機器に適用してもよい。ここで、携帯情報機器としては、携帯電話機、電子手帳、携帯用パソコン等が挙げられる。また、携帯情報機器だけでなく、卓上の電話、FAX、腕時計、電卓、パソコン等に接続されるテンキーボード等や、各種電気製品のリモコンなどに適用してもよい。
要するに、文字入力や各種操作が必要な各種の機器に適用でき、特に日本語のかな文字入力においてボタン数が12個程度で入力できるので、小型の各種情報機器の入力装置に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、携帯電話機等やリモコンなどに組み込まれる各種のキー入力装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1実施形態のキー入力装置を用いた携帯電話機を示す概略斜視図。
【図2】第1実施形態のキー入力装置の構造を示す分解断面図。
【図3】第1実施形態のキー入力装置における構造を示す断面図。
【図4】第1実施形態のキー入力装置の表示の変化を説明する説明図。
【図5】第1実施形態のキー入力装置に表示される文字等を示す説明図。
【図6】第1実施形態のキー入力装置においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図7】第1実施形態のキー入力装置においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図8】第1実施形態のキー入力装置においてボタンを1回押した際に表示される文字等を示す説明図。
【図9】本発明の第2実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図11】本発明の第4実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図12】本発明の第5実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図13】本発明の第6実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図14】本発明の第7実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図15】本発明の第8実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図16】本発明の第9実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図17】本発明の第10実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図18】本発明におけるキー入力方式の変形例を説明する図。
【図19】本発明におけるキー入力方式の変形例を説明する図。
【図20】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図21】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図22】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図23】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図24】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図25】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図26】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図27】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【符号の説明】
【0103】
1…携帯電話機、10〜10I…キー入力装置、11…液晶パネル、12…制御ユニット、13…タッチセンサ、15…反発材、15A…反発部、16…ガイドフレーム、17…伸縮材、21〜35…ボタン、40…接合ピン、41…伸縮材、50,60,60A〜60D…軟質樹脂シート材、51…ボタン本体部、52…ボタン区画部、61,61A〜61D…ボタン本体部、62,62A〜62D…ボタン区画部、160…ガイドフレーム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力装置に関し、例えば、携帯電話機等の携帯型電子機器における文字入力や、電気製品を制御するリモコン等に利用されるキー入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やPDA等に代表される携帯情報機器が、急速に普及している。特に携帯電話機は、電話としての機能だけでなく、インターネットに接続してホームページを閲覧でき、メールの送受信が可能となるなど高機能化しており、一般に重要な情報端末と認識されるに至っている。この携帯電話機の高機能化は続いており、さらに、カメラ、テレビ、家電製品のリモコン、セキュリティ管理、電子ロック、電子マネー、電子マップ、位置情報管理等のあらゆるデジタル分野に拡大され、ユビキタス時代の先端を担いつつある。
【0003】
このような携帯電話機自体の高機能化に比べ、ユーザーインターフェースとなる操作ボタン(キー入力装置)は、従来の通話用のダイヤルボタンがそのまま踏襲されているものが一般的であった。すなわち、ダイヤルボタンの表面に、数字、英字、かな文字が表記され、これらの固定された表示を見ながら操作することが一般的であった。
【0004】
また、キー部分を液晶表示式として、キー表面の文字の表示を切り換えることができるようにしたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−287881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な携帯電話機のように、ボタンの表面の文字表示が固定されている場合、携帯電話の多様化したニーズや機能に対応しきれないという問題があった。例えば、携帯電話機を家電製品のリモコンとして使用する場合、各キーに様々な機能が割り当てられていても、キー表示は固定されたままであるため、利用者はその機能を容易に把握することができず、機能が向上しても操作性が向上しないという問題があった。
【0007】
一方、特許文献1のように、液晶を用いてキーの表示を切り換えることができるようにした場合には、キータッチが優れず、入力操作性が低下するという問題があった。
すなわち、特許文献1では、キー部分の具体的な構造は不明であるが、液晶を用いたキー入力装置は、通常、液晶画面に感圧式のタッチセンサシートを積層し、このタッチセンサを触れることで入力を検出するものが一般的である。
このようなタッチセンサ検出方式の場合、液晶画面に触れるだけで入力が検知されるので、指で押した際のキータッチは通常のキーボードに比べて低くなり、かつ、所定のキーを押す際に、誤って隣のキーに触れて入力が検出されてしまうことがあり、キーを押し込んで入力を検出するキー入力装置に比べて入力操作性が低いという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、このような問題点に鑑みて、入力操作性を向上できるキー入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキー入力装置は、表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明な反発材と、この反発材の表面側に配置された透明なボタンとを備え、前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサ、反発材およびボタンを通して視認可能とされ、前記反発材は、前記ボタンが押されていない状態では、ボタンをタッチセンサから離れる方向に付勢し、前記ボタンが前記反発材の付勢力に抗して押された場合には、前記反発材がタッチセンサに当接することで、そのボタンの入力が検出可能とされていることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、表示装置としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型シート状のものが利用できる。また、透明な反発材としては、ポリエステル等の透明な樹脂材等が利用できる。さらに、透明なボタンとしては、例えば、アクリルなどの硬質樹脂材や軟質樹脂材が利用できる。
また、本発明において、タッチセンサ、反発材、ボタンはそれぞれ透明であるが、この透明とは、表示装置に表示された文字が前記タッチセンサ、反発材およびボタンを通して視認可能な透過率を有していることを意味する。従って、無色透明なものに限らず、有色であっても表示文字を視認できるものであればよい。
【0011】
このような本発明では、表示装置の表面側に、タッチセンサ、反発材、ボタンが配置されているが、これらの部品は透明材で構成されているので、表示装置に表示された文字を利用者は視認することができる。従って、各機能に応じて表示装置の表示を切り換えることで、各キーの機能を示すことができ、入力操作性を向上できる。
また、反発材で付勢されたボタンを押して入力することになるため、通常のキーボードと同様のキータッチを実現できるとともに、利用者が意識してボタンを押し込まなければ入力が行われないため、画面をタッチするだけで入力できる液晶タッチ式に比べて誤入力を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0012】
ここで、前記反発材は、各ボタンに対応する部分に形成されたドーム状の反発部を有するシートで構成されていることが好ましい。反発材としては、各ボタンに対応して複数の反発材を各ボタン底面部分に個別に配置してもよいが、各ボタンに対応する部分にドーム状の反発部がそれぞれ形成されたシートで構成すれば、部品点数を少なくでき、キー入力装置を容易に組み立てることができる。
【0013】
ここで、前記表示装置、タッチセンサ、反発材の表面側には、複数のボタンと、各ボタンを案内するガイドフレームが設けられていることが好ましい。
ガイドフレームを設ければ、各ボタンの押し込み時の移動や反発材による付勢時の移動の際に、各ボタンをガイドフレームで案内でき、スムーズに移動できる。
さらに、表示装置、タッチセンサ、反発材は、ボタン全体に跨る大きさのものを用意して組み込むだけでよいので、その分、キー入力装置の組立性を向上できる。
【0014】
また、前記ガイドフレームは、各ボタンに係合し、反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する突起を有することが好ましい。
例えば、ガイドフレームの表面側の端縁にキー入力装置の表面に沿う方向の突起を突出して断面略T字状のガイドフレームを構成すればよい。
このような本実施形態では、ボタンが反発材で表面側に付勢されている場合には、突起にボタンが係合することで、それ以上のボタンの表面側への移動が規制され、ボタンの脱落を確実に防止できる。
【0015】
また、前記反発材と各ボタンとは、接合ピンで接合されていてもよい。
反発材と各ボタンとを接合ピンで接合すれば、ボタンの表面側への離脱を防止できる。このため、ガイドフレームに突起を設けなくてもよくなり、ガイドフレームをスリムにでき、その分、ボタンを大きくできて、入力操作性を向上でき、かつ意匠性も向上できる。
【0016】
さらに、前記キー入力装置は、ガイドフレームに沿って配置され、かつ前記各ボタンおよび反発材にそれぞれ接着されて反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する伸縮材を有するものでもよい。
ガイドフレームに沿って配置された伸縮材によってボタンの移動を規制しているので、ボタンの中心部分において文字の視認に影響を与えることがなく、伸縮材の材質の制限が少なくなり、適切な材質の伸縮材を利用できる。また、ガイドフレームに突起を設けなくてもよくなり、ガイドフレームをスリムにでき、その分、ボタンを大きくできて、入力操作性を向上でき、かつ意匠性も向上できる。さらに、伸縮材によってボタンと反発材間の空間を密閉できるため、ゴミの侵入を防止できてゴミによる傷の発生を防止できる。また、結露によって曇り、文字が視認できなくなることも防止できる。
【0017】
ここで、前記ボタンは、表面側に形成された凹溝部によって各ボタンが区画された軟質シート材で構成されていてもよい。
硬質の樹脂材等でボタンを構成した場合、ボタン自体を移動させてタッチセンサに当接させ、入力を検知する必要がある。このため、各ボタンは別体で構成しなければならず、ボタンの数に応じた部品数が必要となり、その組立作業が多少煩雑である。これに対し、軟質シート材で構成すれば、シート材の変形によってタッチセンサに当接させて入力を検知できる。このため、複数のボタンを1つ軟質シート材に凹溝部(切込部)を設けることで形成できるので、その分、部品点数が少なくなって組み立て性を向上できる。
【0018】
また、前記ボタンの裏面は、ボタンが押されていない状態で前記反発材に当接する凸部と、ボタンを押した際に変形する反発材が収納される凹部とが形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、ボタンを押した際に凸部がタッチセンサに当接するため、ボタンを押した際の力を凸部に集中させて確実にタッチセンサを押圧できるので、感圧式のタッチセンサにおいても確実に入力を検知することができる。
また、反発材が収納される凹部が形成されているので、ボタンを押した際に反発材をスムーズに凹部内に収納でき、ボタンを押した際の反発力を軽減でき、比較的軽い操作でも入力することができ、入力操作性を向上できる。
【0019】
本発明のキー入力装置は、表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明なボタンとを備え、前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサおよびボタンを通して視認可能とされ、前記タッチセンサでボタンが押されたことが検出された際に作動される告知手段を備えることを特徴とするものでもよい。
【0020】
本発明においても、表示装置としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型シート状のものが利用できる。また、透明なボタンとしては、例えば、塩化ビニル等の軟質樹脂材等が利用できる。
また、本発明において、タッチセンサ、ボタンはそれぞれ透明であるが、この透明とは、表示装置に表示された文字が前記タッチセンサおよびボタンを通して視認可能な透過率を有していることを意味する。従って、無色透明なものに限らず、有色であっても表示文字を視認できるものであればよい。
【0021】
このような本発明では、表示装置の表面側に、タッチセンサ、ボタンが配置されているが、これらの部品は透明材で構成されているので、表示装置に表示された文字を利用者は視認することができる。従って、各機能に応じて表示装置の表示を切り換えることで、各キーの機能を示すことができ、入力操作性を向上できる。
また、タッチセンサでボタンが押されたことが検出されると、告知手段によりその検出が利用者に告知される。このため、利用者はボタンを押したことを確実に把握できるので、何ら告知されない場合に比べて誤入力を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0022】
ここで、前記告知手段は、タッチセンサを振動させる振動手段で構成されることが好ましい。ボタンを押した際に、タッチセンサを振動させれば、ボタンを押した利用者は、ボタンを介して伝わる振動を認識するため、ボタン入力が検出されたことを確実に把握できる。従って、利用者は、入力操作性を向上できる。
さらに、タッチセンサおよびボタン間に反発材等の他部品を組み込む必要がないため、キー入力装置をより一層薄型化できる。
【0023】
また、前記告知手段は、クリック音を発する音声出力手段で構成されていてもよい。なお、音声出力手段としては、別途スピーカを設けてもよい。また、前記タッチセンサを振動させることで音を発生するように構成し、前記振動手段を音声出力手段としても利用できるようにしてもよい。
ボタンを押した際に、音(クリック音等)を発生させれば、ボタンを押した利用者は、その音を認識してボタン入力が検出されたことを把握できる。従って、利用者は、ボタンが押されたことを確実に把握でき、その分、入力操作性を向上できる。さらに、振動手段を音声出力手段として兼用すれば、ボタンを押した際に、利用者は振動および音でボタン入力をより確実に把握できるので、入力操作性を一層向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係るキー入力装置10が適用された携帯電話機1が示されている。
携帯電話機1の正面において、上段側には、文字や画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示部3が配置され、下段側には、キー入力装置10を構成する複数のボタン21〜35が配置されている。また、表示部3とキー入力装置10との間には、所定の機能ボタン4,5と、カーソルボタン6とが設けられている。
【0025】
[ボタン構造]
次に、第1実施形態のキー入力装置10における各ボタン21〜35の構造に関し、図2,3を参照して説明する。
携帯電話機1のケース2内には、キー入力装置10における表示装置としての液晶パネル11と、この液晶パネル11の駆動を制御したり、携帯電話機1の各種機能を実行する制御ユニット12とが設けられている。
【0026】
液晶パネル11は、ボタン21〜35が配置された領域全体に渡って配置された1枚ものであり、制御ユニット12により、各ボタン21〜35に対応した領域毎に表示内容(文字や画像等)を変更できるように構成されている。
【0027】
液晶パネル11の表面には、透明なタッチセンサ13が積層されている。タッチセンサ13は、電波や磁気を利用して押されたことを検知するものを用いてもよいが、通常は、圧力を加えた場所に応じて、電気抵抗値が変化するような透明なシートを利用した感圧式のタッチセンサ13が用いられる。
このタッチセンサ13は、少なくとも各ボタン21〜35が押されたことを各ボタン21〜35毎に検出できるように構成されている。
【0028】
タッチセンサ13の表面側には、透明な反発材15が積層されている。反発材15は、例えばポリエステル等の弾性を有する樹脂シートで構成されている。そして、本実施形態の反発材15は、各ボタン21〜35に対応する部分に、ドーム状(お椀状)の反発部15Aをそれぞれ有している。従って、本実施形態では、ボタン21〜35に合わせて15個の反発部15Aが一体に形成されている。
【0029】
反発材15の表面側には、前記各ボタン21〜35と、各ボタン21〜35をガイドするガイドフレーム16とが配置されている。
ボタン21〜35は、アクリル樹脂等の硬質な透明樹脂材料で構成されている。各ボタン21〜35の上面(表面)201は平面とされ、下面(裏面)202は中心部分が下方に膨らんだ図2に示す断面形状(携帯電話機1の横断面方向に沿った断面形状)が略円弧形状の湾曲面とされている。なお、ボタン21〜35は、図2の紙面直交方向には、図2に示す断面形状が連続して形成された形状とされている。従って、各ボタン21〜35は、各ボタン形状に対応した金型に射出成形して製造することもできるし、図2の断面形状を有する金型を利用して押出成形した後、各ボタン21〜35毎に切断して製造することもできる。これらの製造方法は、使用する樹脂材料等に応じて適切なものを選択すればよい。
【0030】
また、ボタン21〜35の側面には、図3にも示すように、ガイドフレーム16に係合する突起部203が形成されている。この突起部203は、各ボタン21〜35の4つの側面のうち、少なくとも対向する2面に形成され、好ましくは4つの面に形成されている。
【0031】
ガイドフレーム16は、金属やプラスチックで構成され、各ボタン21〜35の外周に沿って格子状に形成されている。すなわち、ガイドフレーム16は、各ボタン21〜35の外周に沿ったフレーム本体部16Aと、このフレーム本体部16Aから突設された突起16Bとを備えている。
そして、図3にも示すように、ガイドフレーム16はケース2に固定されている。また、前記ボタン21〜35は、反発材15の反発部15Aによって上方(表面側)に付勢されるが、前記突起部203が突起16Bに係止することで、上方への移動が規制されており、携帯電話機1から脱落しないように保持されている。
また、ボタン21〜35の側面(突起部203等)は、ガイドフレーム16で案内され、傾くことなくスムーズに上下動できるように構成されている。
【0032】
さらに、ガイドフレーム16の底面と各ボタン21〜35の下面の外周縁との間には、伸縮可能な伸縮材17が接着されている。この伸縮材17により、各ボタン21〜35と反発材15間の空間が密閉され、ガイドフレーム16およびボタン21〜35間の隙間からゴミ等が侵入しないようにされている。
【0033】
そして、本実施形態においては、タッチセンサ13、反発材15、ボタン21〜35は、液晶パネル11に表示された文字等がこれらの部材を通して視認できるように、透明な材料で構成されている。なお、本実施形態での透明とは、液晶パネル11の文字が視認可能なものであればよい。
【0034】
〔入力操作〕
このような構成の本実施形態においては、各ボタン21〜35を押していない状態では、図3(A)に示すように、各ボタン21〜35は反発材15によってガイドフレーム16の表面側に付勢され、タッチセンサ13には圧力が加わっていないので、タッチセンサ13はボタン21〜35が押されていないことを検出できる。
一方、図3(B)に示すように、各ボタン21〜35を押すと、下面202の最も突出した中心部分(凸部)で反発部15Aが押されてタッチセンサ13に密着し、タッチセンサ13に所定の圧力が加わる。このため、タッチセンサ13によりボタン21〜35が押されたことが感知され、入力を検出できる。
また、押していたボタンを離すと、反発材15が反発して元の形状に戻り、それに伴いボタンも上方に付勢されて元の位置に戻り、タッチセンサ13はボタン21〜35が押されていないことを検出できる。
【0035】
次に、本実施形態のキー入力装置10を用いた携帯電話機1における各種の入力操作制御に関して説明する。
本実施形態の携帯電話機1は、図4にも示すように、各ボタン21〜35の表示を様々な種類に切り替えることができるマルチ表示タイプである。これにより、携帯電話機1を電話機として利用するだけでなく、インターネット接続端末、カメラ、セキュリティー機器、テレビ等の各種電化製品のリモコン、電子マネー用機器等の様々な用途に利用できるようにしている。また、各ボタン21〜35は、その表示を切り替えることができるマルチ表示ボタンであるため、日本語、英語等の各国の言語で表示を切り替えることができ、多種言語対応で各種デジタル機器の中枢として利用可能な携帯電話機1とすることができる。
【0036】
〔メニュー表示〕
図4,5に示すように、各ボタン21〜35にメインメニューを表示してもよい。このメニュー表示は、例えば、携帯電話機1の所定のメニューボタン5を押すと表示されるように設定してもよいし、携帯電話機1の電源を入れた際の初期表示として表示されるように設定してもよい。
なお、図4や図5に示すメニューは一例であり、メニュー内容は、携帯電話機1に組み込む機能に応じて設定すればよい。
図5に示すメニューでは、ボタン21を押すと電話リストが表示され、ボタン22を押すとボイスメモ機能が実行され、ボタン23を押すとカメラ機能が実行され、ボタン24を押すとムービー機能が実行され、ボタン25を押すとテレビ機能が実行され、ボタン26を押すとラジオ機能が実行され、ボタン27を押すとメモリなどに記憶された音楽データの再生等を行う音楽機能が実行される。
また、ボタン28を押すとGPS等を利用し、現在位置などを示すナビ機能が実行され、ボタン29を押すと施錠・解錠を行う電子ロック機能が実行され、ボタン30を押すとリモコン機能が実行され、ボタン31を押すとホーム管理機能が実行され、ボタン32を押すと電子マネーのチャージなどを行うクレジット機能が実行される。
さらに、ボタン33を押すと電話機能が実行され、ボタン34を押すとメール機能が実行され、ボタン35を押すとインターネット接続してブラウザ等で情報を見るネット機能が実行される。
従って、各ボタン21〜35には、各機能を示す文字が表示される。
【0037】
〔電話表示〕
図1,4,5に示すように、電話表示を選択すると、各ボタン21〜32には、電話番号を入力するための数字、記号が表示され、ボタン33〜35には、電話を掛ける記号、クリア、電話を切る記号がそれぞれ表示される。なお、この電話表示は、メインメニューから電話表示ボタン33を押して行ってもよいし、携帯電話機1では、電話機能が主な用途であるため、電源投入時の初期表示を電話表示としてもよい。
制御ユニット12は、各ボタン33〜35に電話機能用の表示がされている状態で、前記各ボタン33〜35を押し、その入力がタッチセンサ13で検知されると、各ボタン33〜35に表示された数字や記号を入力したり、電話を掛けたり、切ったりするなどの機能を実行する。
【0038】
〔電話リスト表示〕
メニュー表示において、「電話リスト」と表示されたボタン21を押すと、図4や図5の左下に示すように、各ボタン21〜35には、電話リストが表示される。電話リストが表示されている状態で各ボタン21〜35を押すと、そのボタンに表示されている所へワンタッチで電話が掛けられ、電話を掛ける操作を非常に簡単に行うことができる。
【0039】
〔TVリモコン表示〕
メニュー表示において、「リモコン」と表示されたボタン30を押すと、図4の右上や図5の左下からの2番目に示すように、各ボタン21〜35には、テレビ局名が表示される。視聴しているテレビに携帯電話機1を向けた状態で、テレビ局名が表示されている各ボタン21〜35を押すと、そのボタンに表示されている局に切り替えられ、テレビをリモコン操作することができる。
【0040】
〔ホーム管理表示〕
メニュー表示において、「ホーム管理」と表示されたボタン31を押すと、図4の右下や図5の左下からの3番目に示すように、各ボタン21〜35には、住宅において制御対象となる機器名が各ボタン21〜35に表示される。
そして、各ボタン21〜35を押すと、ボタン21〜35の表示が各操作対象に応じたものになり、各ボタンを押すことで、選択した操作対象をリモコン制御できる。
【0041】
〔かなモード表示、英字モード〕
文字入力を行う状態になると、各ボタン21〜35は、図5の右上のかなモード表示、または、英字モード表示に切り替わる。
英字モードでは、従来の携帯電話機と同様に、1つのボタン22〜29に複数の英字が設定され、各ボタン22〜29を1〜4回押すことで、各ボタン22〜29に設定された文字が順次入力される。
【0042】
一方、かなモードにおける文字入力は、従来の携帯電話機と同様に、各ボタン21〜31に複数のかな文字を設定しておき、各ボタン21〜31を1〜5回押すことで、各ボタン22〜31に設定された文字が順次入力される通常の入力方式のほか、より効率的に入力する方式も採用されている。この効率的な入力方式に関しては後述する。
【0043】
なお、図4や図5には代表的な機能のボタン表示を示したが、他の機能に関しても、ボタンを押してその機能が選択されると、その機能を実現するために必要となる操作が各ボタンに表示され、利用者が容易に各操作を行うことができるようにされている。
【0044】
〔効率入力:2タッチ入力〕
図5に示す「かなモード表示」における効率入力(2タッチ入力)に関し、図6〜8を参照して説明する。
2タッチ入力では、図6に示すように、日本語の50音の各行を表す文字が各ボタン21〜29,31に表記され、各ボタン21〜29,31を押すと、その押された行の各文字が各ボタン21〜31に表示され、各ボタン21〜31を押すことで入力が確定するように構成されている。つまり、各文字はボタン21〜31を2回押すことで入力できるため、本実施形態の効率入力を「2タッチ入力」と表現している。
すなわち、各ボタン21〜29,31に「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わをん」が表示された「かなモード標準配列(1回目表示)」において、ボタン21を押すと図7の「あ行表示(2回目表示)」に示すように、各ボタン21〜25に母音「あ、い、う、え、お」が表示され、ボタン27〜31に小文字「ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」が表示される。そして、この「あ行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された文字が入力される。従って、「かなモード標準配列(1回目表示)」においてボタン21を押し(1回目のタッチ操作)、「あ行表示(2回目表示)」においていずれかのボタン21〜25,27〜31を押す(2回目のタッチ操作)ことで、つまり2回の入力操作で「あ行」の各文字を入力できる。
【0045】
同様に、「かなモード表示」において、ボタン29を押すと、「ら行表示」に切り替わり、さらに、各ボタン21〜25を押すことで、「ら、り、る、れ、ろ」の各文字を入力できる。
図5の「かなモード表示」において、他のボタンを押した場合も、図8に示すように、同様の各行の文字表示に切り替わる。
【0046】
すなわち、「かなモード表示」において、ボタン22〜24を押すと、図8の「か行表示、さ行表示、た行表示」となり、これらの各表示において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された「か行、さ行、た行」の清音および濁音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン25を押すと、図8の「な行表示」となり、この「な行表示」において各ボタン21〜25を押すと、各ボタンに表示された「な行」の清音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン26を押すと、図8の「は行表示」となり、この「は行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された「は行」の清音および濁音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン27を押すと、図8の「ま・ぱ行表示」となり、この「ま・ぱ行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、各ボタンに表示された「ま行」の清音および「ぱ行」の半濁音を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン28を押すと、図8の「や行表示」となり、この「や行表示」において各ボタン21〜25,27〜31を押すと、「や、ゆ、よ、ゆう、よう、ゃ、ゅ、ょ、ゅう、ょう」を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン29を押すと、図8の「ら行表示」となり、この「ら行表示」において各ボタン21〜25を押すと、「ら、り、る、れ、ろ」を入力できる。
「かなモード表示」においてボタン30を押すと、図8の「わをんっー表示」となり、この表示において各ボタン21〜29を押すと、「わ、を、ん、っ、ー、う゛、ゎ、ヵ、ヶ」を入力できる。
【0047】
以上のように、「かなモード表示(メイン表示)」において各ボタン21〜29,31を押すと、かなの各行に対応する「行表示」に切り替わるので、必要な母音や清音・濁音・半濁音・撥音(ん)・促音(っ)・長音(ー)・小文字を選んで入力すればよい。
また、「行表示」は、上2段のボタン21〜25に各行の清音が表示され、下2段のボタン27〜31に濁音、半濁音等が表示され、かつ、いずれの仮名文字も2回のタッチ操作で入力できる。
なお、この「行表示」は、ボタン21〜35を1回押すと必ずメイン表示に戻るようにされている。
【0048】
〔実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
(1)本実施形態のキー入力装置10は、ボタン21〜35の表面側から液晶パネル11の表示を視認できるようにしているので、各ボタン21〜35の表示を、機能や状況に応じて自由に変更することができる。従って、各ボタン21〜35は様々な表示が可能なマルチ表示ボタンとして利用することができ、各種操作を行う際に、各ボタン21〜35には必要な機能だけを1つずつ見やすく表示できるので、利用者は各ボタン21〜35を押した際の機能を容易に把握できて入力操作性を向上できる。その上、ボタン21〜35は、反発材15で付勢されているので、通常のキーボードと同様のキータッチを実現でき、利用者が意識してボタン21〜35を押し込まなければ入力が行われないため、画面をタッチするだけで入力できる液晶タッチ式に比べて誤入力を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0049】
(2)液晶パネル11を用いることで、各ボタン21〜35における文字等の表示を、使う機能や言葉に合わせて変えることができるので、各ボタン21〜35に、そのボタンを押した際の機能だけを1つずつ表示できるので、各ボタン21〜35を押して操作する操作者が、そのボタン21〜35を押した場合の機能を容易に把握でき、操作性を向上できる。
さらに、各ボタン21〜35の表示および機能を切り換えることで、キー数を少なくしても操作性の低下を防止できる。従って、片手でも操作できるキー数でありながら、文字入力や各種操作を行うことができる。
このため、高齢者や障害者にとっても、各ボタン21〜35に表示された文字などを見ながら片手でも操作できるキー入力装置10とすることができ、ユニバーサルデザインに配慮したキー入力装置10とすることができる。
【0050】
(3)各ボタン21〜35の表示を切り換えることができるので、各国の言葉に合わせてボタン表示を変えることができる。このため、世界共通仕様の携帯電話機1(キー入力装置10)ができ、携帯電話機1の製造コストを大幅に低減できる。
さらに、ボタン21〜35の表示を切り換えることができるので、携帯電話機1(キー入力装置10)における文字入力方法を容易に変更できる。従って、携帯電話機1に複数の文字入力方式を組み込んでおけば、利用者が最も使いやすい文字入力方式を選択して利用することができ、入力操作性を向上できる。
【0051】
(4)各ボタン21〜35の表示を切り換えることができるので、携帯電話機1に、各種リモコン機能やホーム管理機能を組み込むことができる。
従って、家電製品の遠隔操作などを各ボタン21〜35の表示を見ながら簡単に行うことができる。また、携帯電話機1は、そもそも通信機能を内蔵しているので、例えば電話回線を介して各機器等とデータ通信できるように構成することもでき、外出先から空調や浴室の湯沸かし、施錠管理などの家庭内の各種ホーム管理を容易に行うことができる。従って、今後、利用が高まるホームオートメーションにおける入力機器として、携帯電話機1を活用することができる。
【0052】
(5)また、携帯電話機1の赤外線通信機能や無線通信機能を利用して、パソコンやインターネットテレビに、携帯電話機1を接続可能にすることで、これらの機器における文字入力を携帯電話機1で行うことができる。このため、リビングなどでキーボードを操作することなく、携帯電話機1により文字入力を行うことができるので、メール操作や、インターネットの閲覧操作を容易に行うことができる。
【0053】
(6)ボタン21〜35は、アクリル等の透明な樹脂材料で構成され、反発材15によって上方に付勢されているので、入力者は各ボタン21〜35を押した際には、反発材15の反発力を受けながら入力操作することになる。従って、一般的なキーボードと同様に、ばねによって押されたボタンを押し込んで入力することになるので、疲れにくい良好なキータッチを実現でき、キー入力操作性を向上できる。
【0054】
(7)反発材15は、1枚の透明な樹脂に、各ボタン21〜35に対応する反発部15Aを複数形成して構成されているので、例えば、各ボタン21〜35毎に個別のバネ材を配置するような場合に比べて、部品点数を少なくでき、組立性も良好にでき、製造コストを大幅に低減できる。
【0055】
(8)ボタン21〜35の下面202は、湾曲されて中心部が突出された凸状形状に形成されているので、ボタン21〜35を押した際にその凸部分のみが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するため、タッチセンサ13に加わる圧力を大きくすることができ、タッチセンサ13で確実に入力を検出することができる。
また、ボタン21〜35は反発材15を介してタッチセンサ13に接触するので、硬質樹脂製のボタン21〜35が直接タッチセンサ13に接触してタッチセンサ13が傷つくことを防止でき、反発材15をタッチセンサ13の保護シートとしても利用できる。
その上、各ボタン21〜35は、断面凸レンズ状に形成されているので、これらのボタン21〜35を拡大鏡として利用することもでき、液晶パネル11に表示された文字等を拡大して見ることもでき、高齢者等においても使いやすいキー入力装置10とすることができる。
【0056】
(9)ガイドフレーム16に突起16Bを形成し、ボタン21〜35の反発材15による付勢方向の移動を規制しているので、ボタン21〜35の脱落を簡単な構造で確実に防止することができる。
また、ガイドフレーム16のフレーム本体部16Aにより、ボタン21〜35をガイドしているので、各ボタン21〜35をスムーズに上下動することができ、この点でも入力操作性を向上できる。
【0057】
(10)さらに、本実施形態では、伸縮材17を設けて反発材15と各ボタン21〜35との間を密閉しているので、ゴミの侵入を防止でき、かつ、結露も防ぐことができる。
【0058】
(11)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、各ボタン21〜35の表示を切り換えることで、2回の入力操作のみで各文字を入力することができる。このため、従来の携帯電話機1のように、各ボタンを1〜5回押して各文字を入力する場合に比べて、文章を入力する際の平均的な入力数を少なくでき、入力操作性を向上できる。
【0059】
(12)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、メイン表示においては、各行を示す文字(各行のあ段の文字)を表記し、各行を示す文字が表示されたボタン21〜32を押すと、その押された行の各文字およびその行に関連する濁音や小文字、拗音等が表示されるので、入力操作が把握しやすく、操作性のよい入力を行うことができる。
【0060】
(13)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、かな文字の濁音、半濁音、拗音等も清音と同じ2回の入力操作で入力できるので、従来の携帯電話のように、濁音キー等を別途入力しなければならない入力方法に比べてより一層入力操作性を向上できる。
【0061】
(14)前記実施形態の日本語の2タッチ入力では、各行表示では、上2段のボタン21〜25に各行の清音が表示され、下2段のボタン27〜31に濁音、半濁音等が表示されるので、2段ずつ上下に分かれてパターン化して表示でき、各文字の位置を見分けやすく覚えやすい。従って、入力操作に慣れれば、ボタンを見なくても入力できるようになり、この点でも操作性のよいキー入力装置10とすることができる。
【0062】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図9を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態のキー入力装置10Aは、図9に示すように、各ボタン21〜35の形状が前記第1実施形態と相違するが、他の構成は略同一である。
すなわち、キー入力装置10Aにおいても、液晶パネル11、タッチセンサ13、反発材15が順次積層され、さらに、各ボタン21〜35、ガイドフレーム16が配置されている。
【0063】
各ボタン21〜35は、前記第1実施形態と同様に、透明なアクリル樹脂などで構成されており、その下面202形状のみが第1実施形態のものと相違する。
すなわち、ボタン21〜35の下面(裏面)202には、ボタンが押されていない状態で前記反発材15に当接する凸部202Aと、ボタンを押した際に変形する反発材15が収納される凹部202Bとが形成されている。
【0064】
このような本実施形態においても前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、各ボタン21〜35に凹部202Bが形成されているので、図9(B)に示すように、ボタン21〜35を押した場合に、凸部202Aで押されて変形した反発材15を凹部202Bに収納することができる。このため、ボタン21〜35を容易に押し込むことができ、比較的軽い力で入力操作を行うことができる。
また、反発材15の反りに合わせた凹凸を付けているので、ボタン21〜35の厚みを軽減することができる。
【0065】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。
第3実施形態のキー入力装置10Bは、図10に示すように、各ボタン21〜35の中央部と反発材15の中央部(反発部15A)とを透明な接合ピン40で接合している。これにより、各ボタン21〜35は反発材15に接合しているので、反発材15による付勢方向の移動規制を行う必要がない。このため、第3実施形態では、ガイドフレーム160は、フレーム本体部のみで構成され、突起を備えていない。その他の構成は、前記第2実施形態のキー入力装置10Aとほぼ同様であるため説明を省略する。
【0066】
このような本実施形態においても、各ボタン21〜35は、ガイドフレーム160によって上下動可能にガイドされ、かつ、ボタン21〜35の上方への移動は、前記接合ピン40で反発材15に接合されていることで規制されている。
従って、ボタン21〜35を押すと、凸部202Aが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するので、タッチセンサ13において入力を検出できる。また、押していたボタン21〜35を離すと、変形していた反発材15が元の形状に戻り、その反発力でボタン21〜35も元の位置に戻る。
【0067】
このような本実施形態においても前記第1,2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、ガイドフレーム160に突起を形成する必要がないため、ガイドフレーム160の幅寸法を小さくできる。従って、キー入力装置10Bにおいては、ボタン21〜35の表面から見た際にガイドフレーム160が目立たず、その分、ボタン21〜35を大きく形成できるので、入力操作性や意匠性を向上できる。
【0068】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について、図11を参照して説明する。
第4実施形態のキー入力装置10Cは、図11に示すように、各ボタン21〜35の周縁部と反発材15とをΣ型の伸縮材41で接合している。これにより、各ボタン21〜35は反発材15に接合しているので、反発材15による付勢方向の移動規制を行う必要がなく、キー入力装置10Bと同様なガイドフレーム160およびボタン21〜35を利用することができる。その他の構成は、前記各キー入力装置10A,10Bとほぼ同様であるため説明を省略する。
【0069】
このような本実施形態においても、各ボタン21〜35は、ガイドフレーム160によって上下動可能にガイドされ、かつ、ボタン21〜35の上方への移動は、前記伸縮材41で反発材15に接合されていることで規制されている。
従って、ボタン21〜35を押すと、凸部202Aが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するので、タッチセンサ13において入力を検出できる。この際、伸縮材41は伸縮可能に構成されているので、潰された状態となる。
また、押していたボタン21〜35を離すと、変形していた反発材15が元の形状に戻り、その反発力でボタン21〜35も元の位置に戻る。同時に、伸縮材41も元の形状に戻り、これによりボタン21〜35のそれ以上の移動が規制される。
【0070】
このような本実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、ボタン21〜35の周囲と反発材15との間に伸縮材41が接着されているので、下面202と反発材15との間の空間を密閉できる。このため、ゴミなどが侵入して傷が付くことを防止できるとともに、結露の発生も防止できる。
【0071】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について、図12を参照して説明する。
第5実施形態のキー入力装置10Dは、前記各実施形態が、別々に構成された複数のボタン21〜35を利用しているのに対し、図12に示すように、各ボタン21〜35が一体に形成されたものを用いている点で相違する。
すなわち、本実施形態では、各ボタン21〜35は、軟質樹脂シート材50で構成されている。軟質樹脂シート材50は、透明な軟質樹脂材料を用いた射出成形等で構成され、ボタン本体部51と、ボタン区画部52とを備えている。ボタン本体部51は、中央部分に凸レンズのような膨らみを持たせて形成され、このボタン本体部51を押すと反発材15を介してタッチセンサ13が押圧されて入力が検出される。
また、ボタン区画部52は、凹溝状に形成され、ボタン本体部51に比べて幅寸法が小さいため、ボタン本体部51を押した際も殆ど変形しない。このボタン区画部52により凹溝部が構成されている。
そして、ボタン本体部51の押圧を解除すると、反発材15の反発力によってボタン本体部51は元の位置に戻る。
【0072】
このような本実施形態においても、各ボタン21〜35のボタン本体部51は、ボタン区画部52を支点として上下動可能に設けられている。従って、ボタン21〜35のボタン本体部51を押すと、ボタン21〜35が軟質樹脂材であるため、ボタン本体部51が多少凹むが、ボタン本体部51の中央部は膨らまされていて肉厚に形成されているので、多少凹んでもそれ以上に下方に変形し、下面の凸部202Aが反発材15を介してタッチセンサ13に圧接するので、タッチセンサ13において入力を検出できる。
また、押していたボタン21〜35を離すと、変形していた反発材15が元の形状に戻り、その反発力でボタン本体部51も元の位置に戻る。
【0073】
このような本実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、各ボタン21〜35を一体の軟質樹脂シート材50で構成しているので、ボタンを組み付ける作業を容易に行うことができ、コストを低減できる。
その上、ボタン21〜35が連続形成されているので、各ボタン21〜35間に隙間が生じず、ゴミなどが侵入して傷が付くことを防止できるとともに、結露の発生も防止できる。
【0074】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について、図13を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第6実施形態のキー入力装置10Eは、図13に示すように、液晶パネル11、タッチセンサ13、一体成形されたボタン21〜35が順次積層されている。すなわち、本実施形態は、反発材を備えていない点で前記各実施形態と異なる。
【0075】
各ボタン21〜35は、前記第5実施形態と同様に、軟質樹脂シート材60で構成されている。軟質樹脂シート材60は、透明な軟質樹脂材料を用いた射出成形等で構成され、ボタン本体部61と、ボタン区画部62とを備えている。ボタン本体部61は、お椀型(ドーム状)に湾曲された突部とされており、このボタン本体部61を押すと、図13(B)に示すように、ボタン本体部61の中央部分が凹んでタッチセンサ13に接触し、タッチセンサ13が押圧されて入力が検出される。
また、ボタン区画部62は、平面状に形成され、タッチセンサ13上に接着剤等で貼り付けられている。
そして、ボタン本体部61の押圧を解除すると、ボタン本体部61自身の反発力によってボタン本体部61は元の位置に戻る。
【0076】
タッチセンサ13は、タッチ入力を検出すると、圧電素子等によってタッチセンサ13自体が振動するように構成されている。特に、タッチセンサ13は、周波数の高い細かい振動(微振動)を行うように構成され、ボタン21〜35を押してタッチセンサ13に接している利用者に対し、不快感を与えることなく、タッチセンサ13を押していることを告知できるように構成されている。従って、このタッチセンサ13を振動させる振動手段によって告知手段が構成されている。
【0077】
このような本実施形態においても前記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本実施形態のキー入力装置10Eによれば、反発材15を不要にできるので、部品数を削減できるとともに、タッチセンサ13からボタン21〜35上面までの厚さ寸法を小さくでき、前記各実施形態のキー入力装置に比べてもより薄型のキー入力装置にすることができる。
【0078】
また、ボタン21〜35は、連続成形されたお椀型のボタン本体部61を有する軟質樹脂シート材60で形成されているので、ボタン本体部61を押した際には、その弾力性でボタンを押す指に反発力が加わる。従って、反発材15が設けられている場合に比べると小さいが、ボタン本体部61の形状によってクリック感が得られるため、ボタンを押す感触は得られる。
さらに、本実施形態では、入力を検出した際にはタッチセンサ13を振動させるように構成したので、利用者は入力が検出されていることを確実に把握でき、クリック感の小ささをカバーできる。このため、誤操作を少なくでき、入力操作性の低下を防止できる。
【0079】
さらに、ボタン21〜35は、連続成形されたお椀型のボタン本体部61を有する軟質樹脂シート材60で形成されているので、製造が容易になり、各ボタン21〜35を別々のパーツで構成する場合に比べてコストを大幅に低減できる。
【0080】
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態について、図14を参照して説明する。第7実施形態のキー入力装置10Fは、図14に示すように、ボックス状(箱形)の突部からなるボタン本体部61Aと、各ボタン本体部61A間を連結する平面状のボタン区画部62Aとを備えた軟質樹脂シート材60Aが用いられている点のみが前記キー入力装置10Eと相違する。従って、他の構成に関しては説明を省略する。
【0081】
このような本実施形態においても、前記第6実施形態と同じ作用効果を奏することができる。また、ボタン本体部61Aを箱形に形成しているので、一般的なキー形状にできるとともに、図4,5に示すように、液晶パネル11において各キーの表示領域を矩形形状にしている場合には、その表示領域とボタン本体部61Aの領域とを合わせることで、キー表示を見やすくすることができる。
【0082】
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態について、図15を参照して説明する。第8実施形態のキー入力装置10Gは、図15に示すように、中央部が肉厚されて凸型に形成されたボタン本体部61Bと、各ボタン本体部61B間を連結する平面状のボタン区画部62Bとを備えた軟質樹脂シート材60Bが用いられている点のみが前記各キー入力装置10E,10Fと相違する。従って、他の構成に関しては説明を省略する。
このような本実施形態においても、前記第6,7実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
また、ボタン本体部61Bは中央部分を肉厚に形成した凸型形状とされているので、ボタン21〜35の中央部分を押した場合、中央部分の凹みを少なくでき、ボタン本体部61Bの端縁の薄肉部分が変形し、中央の凸型部分が下がってタッチセンサ13に接触することで入力が検知される。このため、利用者がボタン21〜35を押した場合には、ボタン本体部61Bの中央部分が上下動しているのに近い感触になるため、個別のボタン21〜35を配置した前記各実施形態と同様の入力操作感を与えることができる。
【0083】
〔第9実施形態〕
次に、本発明の第9実施形態について、図16を参照して説明する。第9実施形態のキー入力装置10Hは、図16に示すように、シート状に形成されてタッチセンサ13上に直接載置されて貼り付けられたボタン本体部61Cと、各ボタン本体部61C間を連結するボタン本体部61Cに比べて薄肉のボタン区画部62Cとを備えた軟質樹脂シート材60Cが用いられている点のみが前記各キー入力装置10E〜10Gと相違する。すなわち、各ボタン本体部61Cはボタン区画部62C部分の溝によって区画されている。
このような本実施形態において、ボタン21〜35を押すと、その押圧力がボタン本体部61Cを介してタッチセンサ13に伝達されて検出される。すると、タッチセンサ13が振動するため、利用者は入力が検知されたことを確実に把握できるなど、前記第6〜8実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、軟質樹脂シート材60Cは、ボタン区画部62Cに比べて面積が大きなボタン本体部61C部分をタッチセンサ13に貼り付けることができるので、その貼り付け強度を向上できる。
【0084】
〔第10実施形態〕
次に、本発明の第10実施形態について、図17を参照して説明する。第10実施形態のキー入力装置10Iは、図17に示すように、シート状に形成されてタッチセンサ13上に直接載置されて貼り付けられたボタン本体部61Dと、各ボタン本体部61D間を連結するボタン本体部61Dに比べて厚肉のボタン区画部62Dとを備えた軟質樹脂シート材60Dが用いられている点のみが前記キー入力装置10Hと相違する。すなわち、各ボタン本体部61Dはボタン区画部62D部分の凸状部によって区画されている。
このような本実施形態においても、ボタン21〜35を押すと、その押圧力がボタン本体部61Dを介してタッチセンサ13に伝達されて検出される。すると、タッチセンサ13が振動するため、利用者は入力が検知されたことを確実に把握できるなど、前記第9実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、ボタン区画部62Dを凸状部としているので、指先の感触だけでボタン本体部61Dの領域を把握できる。このため、ボタン21〜35を直接見ないでキー入力操作を行うことができ、いわゆるブラインドタッチに近い入力操作を容易に実現できる。
【0085】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明のキー入力装置10〜10Iは、携帯電話機1に組み込まれるものに限定されず、各種機器の制御に利用可能な汎用リモコン、PDA、ハンディターミナル等の各種の機器のキー入力装置として利用することができる。
これらの機器に本発明のキー入力装置10〜10Iを利用すれば、操作ボタンに表示したい文字やアイコン、画像、写真などを、利用する機能や言葉に合わせて自由に変えることができ、キー数が少なくても使い勝手のよいキー入力システムを構築することができる。従って、特に携帯型の機器用のキー入力装置に適している。
【0086】
また、本発明のキー入力装置10〜10Iを利用した際の文字の入力方式は、実施にあたって適宜選択すればよい。
例えば、日本語(かな文字)の入力方式としては、従来の携帯電話機のような各ボタン21〜35を1〜5回押して入力する方式や、前記第1実施形態の2タッチ入力方式に限定されない。
例えば、図18〜27に示すように、ローマ字入力をベースに、12個という少ないボタン21〜32を用いて、かな入力および英字入力を効率的に行うことができる入力方式を採用してもよい。
【0087】
この入力方式に関し、以下に詳述する。本入力方式では、各ボタン21〜32には、図18,19のメイン表示に示す文字が設定されている。例えば、かな文字を入力する「メイン表示」においては、ボタン21〜25には、母音を表す「A、I、U、E、O」が表示されている。また、ボタン27〜32,26には、ローマ字入力において日本語の子音を表す「KG」、「SZ」、「TD」、「NP」、「HB」、「RM」、「YW」の子音キーが表示されている。
【0088】
なお、この入力方式において、数字モード、英字モード、記号モードに切り換えると、各ボタン21〜32には、図19の「数字モード表示」、「英字モード表示」、「記号モード表示」に示すような文字が表示される。
【0089】
図18,19のメイン表示の各文字は、日本語における母音および各行を表す子音であるため、図20の「かなモード表示」と同等である。従って、メイン表示における各ボタン21〜32の表示をローマ字表示ではなく、図20に示すような、かな文字で表示してもよい。
【0090】
このメイン表示において、各ボタン21〜25を押すと各母音が入力される。また、ボタン21,24を2回押すと、長音「ー」、促音「っ」がそれぞれ入力される。
一方で、ボタン26〜32を押すと、図20にも示すように、各ボタン21〜32の表示が各行に対応した表示に切り替わる。例えば、「KG」あるいは「か行」と表示されるボタン27を押すと、各ボタン21〜32は「か行表示」に切り替わり、「RM」または「ら行・ま行」と表示されるボタン32を押すと、各ボタン21〜32は「ら・ま行表示」に切り替わる。
【0091】
これらの表示において、各ボタン21〜25,27〜31を押すと、表示された各文字が入力される。また、拗音と表示されたボタン26を押すと、各行の拗音等の文字表示に切り替わり、その表示状態で各ボタン21〜25,27〜31を押すと、表示された拗音等が入力される。
【0092】
具体的には、図18,19のメイン表示において、「KG」と表示されたボタン27を押すと、図21の「か行表示」に示す各文字が、各ボタン21〜25,27〜31に表示され、これらのボタン21〜25,27〜31を押すことで、か行の清音および濁音が入力される。また、拗音と表示されたボタン26を押すと、図21の「か行拗音」に示す各文字が表示され、各ボタン21〜25,27〜31を押すことで入力される。
【0093】
以下、同様に、図18,19のメイン表示において、ボタン28〜32を押すと、図22〜図26の「さ行表示」、「た行表示」、「な・ぱ行表示」、「は行表示」、「ら・ま行表示」に示す各文字が、各ボタン21〜25,27〜31に表示され、これらのボタン21〜25,27〜31を押すことで、各ボタンに表示された文字が入力される。また、拗音と表示されたボタン26を押すと、図22〜図26の「さ行拗音」、「た行拗音」、「な・ぱ行拗音」、「は行拗音」、「ら・ま行拗音」に示す各文字が表示され、各ボタン21〜25,27〜31を押すことで各ボタンに表示された文字が入力される。
【0094】
図18,19のメイン表示において、ボタン26を押すと、図27の「や・わ行、小文字」に示す各文字が、各ボタン21〜25,27〜32に表示され、これらのボタン21〜25,27〜32を押すことで、各ボタンに表示された文字が入力される。
これらの入力においては、文字入力を行うと、メイン表示に戻る。
【0095】
このような入力方式においては、母音は1回、清音や濁音・半濁音・長音・促音・撥音・小文字は2回、拗音は3回のキー入力操作で入力できるので、各英字が別々のボタンに設定された一般的なフルキーボードにおけるローマ字入力と同等の打鍵効率にすることができる。一方、キー(ボタン)数は、12個あればよいので、キー数を大幅に軽減できて、携帯可能な小型機器に組み込まれるキー入力装置に適している。
【0096】
また、本発明における英字や記号などの入力は、従来の携帯電話機と同様に各ボタン21〜35を1回〜複数回押して入力してもよいし、前記かな文字の入力と同様に、各ボタン21〜35を押すと、各ボタンに設定されている複数の英字や記号を、各ボタンに分散して配置し、表示された各ボタン21〜35を押すことで入力してもよい。
さらに、各ボタンに表示する文字の配置順序や内容等は、前記実施形態に限らず、各言語等に応じて設定すればよい。
【0097】
前記実施形態では、反発材15が設けられていない場合には、タッチセンサ13を振動させて入力検知を告知していたが、この告知手段としては振動を与えるものに限らず、音(クリック音)を発生させるものでもよいし、振動および音の両方を発生させるものでもよい。また、反発材15が設けられている場合も、同様に振動や音の少なくとも一方を発生させて入力検知を告知する告知手段を設けてもよい。
【0098】
本発明のキー入力装置において、ボタンの構造は前記各実施形態のものに限らない。例えば、表示装置としては、液晶パネル11に限らず、有機ELパネル等でもよく、要するに文字等を表示できるものであればよい。特に、液晶パネルや有機ELパネルを用いれば、薄型化できて、小型の機器に組み込みやすい利点がある。
また、反発材15の構成としては、前記実施形態のような1枚のシートに形成されたものに限らず、2〜3個のボタン毎に設けられた複数のシート材で構成されたものでものよいし、1個のボタン毎に設けられたものでもよい。要するに、ボタン21〜35の表示を視認でき、ボタンが押された際には、その押し操作によるタッチセンサ13のタッチ検出を阻害せず、かつボタンが放された際には、ボタンをスムーズに元の位置に戻すことができるものであればよい。
【0099】
さらに、各ボタン21〜35は、携帯電話機1等における機能ボタンやカーソルボタンにも利用できる。従って、ボタンの平面形状は、四角形に限定されず、円形・楕円形・三角形等の様々な形状に適用できる。
【0100】
本発明は、携帯電話機1に適用するものに限らず、他の携帯情報機器に適用してもよい。ここで、携帯情報機器としては、携帯電話機、電子手帳、携帯用パソコン等が挙げられる。また、携帯情報機器だけでなく、卓上の電話、FAX、腕時計、電卓、パソコン等に接続されるテンキーボード等や、各種電気製品のリモコンなどに適用してもよい。
要するに、文字入力や各種操作が必要な各種の機器に適用でき、特に日本語のかな文字入力においてボタン数が12個程度で入力できるので、小型の各種情報機器の入力装置に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、携帯電話機等やリモコンなどに組み込まれる各種のキー入力装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1実施形態のキー入力装置を用いた携帯電話機を示す概略斜視図。
【図2】第1実施形態のキー入力装置の構造を示す分解断面図。
【図3】第1実施形態のキー入力装置における構造を示す断面図。
【図4】第1実施形態のキー入力装置の表示の変化を説明する説明図。
【図5】第1実施形態のキー入力装置に表示される文字等を示す説明図。
【図6】第1実施形態のキー入力装置においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図7】第1実施形態のキー入力装置においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図8】第1実施形態のキー入力装置においてボタンを1回押した際に表示される文字等を示す説明図。
【図9】本発明の第2実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図10】本発明の第3実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図11】本発明の第4実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図12】本発明の第5実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図13】本発明の第6実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図14】本発明の第7実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図15】本発明の第8実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図16】本発明の第9実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図17】本発明の第10実施形態のキー入力装置を示す断面図。
【図18】本発明におけるキー入力方式の変形例を説明する図。
【図19】本発明におけるキー入力方式の変形例を説明する図。
【図20】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図21】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図22】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図23】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図24】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図25】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図26】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【図27】変形例においてボタンを押した際の表示の変化を示す説明図。
【符号の説明】
【0103】
1…携帯電話機、10〜10I…キー入力装置、11…液晶パネル、12…制御ユニット、13…タッチセンサ、15…反発材、15A…反発部、16…ガイドフレーム、17…伸縮材、21〜35…ボタン、40…接合ピン、41…伸縮材、50,60,60A〜60D…軟質樹脂シート材、51…ボタン本体部、52…ボタン区画部、61,61A〜61D…ボタン本体部、62,62A〜62D…ボタン区画部、160…ガイドフレーム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明な反発材と、この反発材の表面側に配置された透明なボタンとを備え、
前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサ、反発材およびボタンを通して視認可能とされ、
前記反発材は、前記ボタンが押されていない状態では、ボタンをタッチセンサから離れる方向に付勢し、
前記ボタンが前記反発材の付勢力に抗して押された場合には、前記反発材がタッチセンサに当接することで、そのボタンの入力が検出可能とされているキー入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキー入力装置において、
前記反発材は、各ボタンに対応する部分に形成されたドーム状の反発部を有するシートで構成されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のキー入力装置において、
前記表示装置、タッチセンサ、反発材の表面側には、複数のボタンと、各ボタンを案内するガイドフレームが設けられていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項4】
請求項3に記載のキー入力装置において、
前記ガイドフレームは、各ボタンに係合し、反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する突起を有することを特徴とするキー入力装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のキー入力装置において、
前記反発材と各ボタンとは、接合ピンで接合されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれかに記載のキー入力装置において、
ガイドフレームに沿って配置され、かつ前記各ボタンおよび反発材にそれぞれ接着されて反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する伸縮材を有することを特徴とするキー入力装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載のキー入力装置において、
前記ボタンは、表面側に形成された凹溝部によって各ボタンが区画された軟質シート材で構成されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のキー入力装置において、
前記ボタンの裏面は、ボタンが押されていない状態で前記反発材に当接する凸部と、ボタンを押した際に変形する反発材が収納される凹部とが形成されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項9】
表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明なボタンとを備え、
前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサおよびボタンを通して視認可能とされ、
前記タッチセンサでボタンが押されたことが検出された際に作動される告知手段を備えることを特徴とするキー入力装置。
【請求項10】
請求項9に記載のキー入力装置において、
前記告知手段は、タッチセンサを振動させる振動手段で構成されることを特徴とするキー入力装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載のキー入力装置において、
前記告知手段は、クリック音を発する音声出力手段で構成されることを特徴とするキー入力装置。
【請求項1】
表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明な反発材と、この反発材の表面側に配置された透明なボタンとを備え、
前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサ、反発材およびボタンを通して視認可能とされ、
前記反発材は、前記ボタンが押されていない状態では、ボタンをタッチセンサから離れる方向に付勢し、
前記ボタンが前記反発材の付勢力に抗して押された場合には、前記反発材がタッチセンサに当接することで、そのボタンの入力が検出可能とされているキー入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキー入力装置において、
前記反発材は、各ボタンに対応する部分に形成されたドーム状の反発部を有するシートで構成されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のキー入力装置において、
前記表示装置、タッチセンサ、反発材の表面側には、複数のボタンと、各ボタンを案内するガイドフレームが設けられていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項4】
請求項3に記載のキー入力装置において、
前記ガイドフレームは、各ボタンに係合し、反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する突起を有することを特徴とするキー入力装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のキー入力装置において、
前記反発材と各ボタンとは、接合ピンで接合されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれかに記載のキー入力装置において、
ガイドフレームに沿って配置され、かつ前記各ボタンおよび反発材にそれぞれ接着されて反発材によるボタンの付勢方向の移動を規制する伸縮材を有することを特徴とするキー入力装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載のキー入力装置において、
前記ボタンは、表面側に形成された凹溝部によって各ボタンが区画された軟質シート材で構成されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のキー入力装置において、
前記ボタンの裏面は、ボタンが押されていない状態で前記反発材に当接する凸部と、ボタンを押した際に変形する反発材が収納される凹部とが形成されていることを特徴とするキー入力装置。
【請求項9】
表示装置と、この表示装置の表面側に配置された透明なタッチセンサと、このタッチセンサの表面側に配置された透明なボタンとを備え、
前記表示装置に表示された文字が前記タッチセンサおよびボタンを通して視認可能とされ、
前記タッチセンサでボタンが押されたことが検出された際に作動される告知手段を備えることを特徴とするキー入力装置。
【請求項10】
請求項9に記載のキー入力装置において、
前記告知手段は、タッチセンサを振動させる振動手段で構成されることを特徴とするキー入力装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載のキー入力装置において、
前記告知手段は、クリック音を発する音声出力手段で構成されることを特徴とするキー入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−4063(P2006−4063A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178222(P2004−178222)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(594001708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(594001708)
【Fターム(参考)】
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