説明

ゲーム装置

【課題】位置データをゲームにおいて有効利用する。
【解決手段】GPS衛星41からの信号に基づいて現在位置を検出し、各地域の範囲を示す地域データと、各地域の特徴を示す地域言語等の地域特徴データとに基づいて現在位置を含む地域を判別する。そして、判別した地域に対応する地域特徴データを用いた表示部13の表示出力及びスピーカ14の音声出力を伴いながらゲームを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置を検出しながらゲームを実行するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載のものがある。具体的には、特許文献1のゲーム装置は、位置検出機能としてGPS(global positioning system)機能を備えており、遊技者がゲーム装置を所持して移動すると、GPS機能で検出された位置データに応じたアドバイス情報を出力するように構成されている。また、特許文献2のゲーム装置は、ゲーム装置を所持して移動すると、GPS機能で検出された位置データに基づいてゲームエリアを変更すると共にキャラクタを獲得させるという構成にされている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−273052号公報
【特許文献1】特開2002−273034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の構成は、GPS機能で得られた位置データをアドバイス情報の出力やゲームエリアの変更等の入力信号として用いるだけであり、通常の操作ボタンの一種としてGPS機能が用いられているのに過ぎないことから、ゲームにおいて位置データを入力信号以外の用途に有効利用できることが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は、位置データをゲームにおいて有効利用することができるゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段(GPS方式でも、その他の方式でも可)と、各地域の範囲を示す地域データと、各地域の特徴を示す地域特徴データ(方言や言語、動作、性格等)とを記憶する地域内容記憶手段と、前記地域データに基づいて前記現在位置を含む地域を判別する地域判別手段と、前記地域判別手段で判別された地域に対応する前記地域特徴データを用いた出力(表示や音声)を伴うゲームを実行するゲーム処理手段とを有する。
【0007】
上記の構成によれば、ゲームの実行中に、現在位置を含む地域を判別し、この地域に対応した地域特徴データを用いた出力が行われるため、ゲームに登場する各種のキャラクタやストーリ等のゲーム内容が同一であっても、遊技者が存在する場所に応じて地域の特徴、即ち、方言や性格等の出力が変化することによって、現在位置の地域に密接に関係したゲーム内容とすることができる。これにより、現在位置を地域に関連付けてゲームにおいて有効利用することによって、ゲーム内容自体が変化したような感覚を遊技者に持たせることができる場合があると共に、現在位置の地域の特徴を遊技者に認識させることができる場合がある。
【0008】
また、本発明は、前記各地域の特徴に対応する標準的な特徴を示す標準特徴データ(標準言や翻訳(日本国内では日本語)、動作や性格の説明等)を記憶する標準内容記憶手段と、前記地域特徴データを用いた出力を伴うゲーム処理時に、該地域特徴データに対応する前記標準特徴データの標準出力を行う標準出力手段と、前記標準出力手段に対して前記標準出力を行わせるか否かを外部から選択可能にする出力選択手段とを有していてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、各地域の特徴を示す出力が遊技者にとって理解し難い場合であっても、各特徴に対応した標準出力を行うように選択することによって、遊技者に各地域の特徴を容易に理解させることができる場合がある。
【0010】
また、本発明は、前記地域判別手段で判別された地域に対応する前記地域特徴データを用いた出力(表示や音声)を伴うカーナビゲーションを実行するカーナビゲーション処理手段と、前記カーナビゲーション処理手段の実行と前記ゲーム処理手段の実行とを外部から選択可能にする処理選択手段とを有していてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、ゲームとカーナビゲーションとを選択可能にすることによって、ゲーム装置をゲーム以外の用途に拡大することができることから、ゲーム装置の利用価値を高めることができる場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図1ないし図13に基づいて以下に説明する。
(ゲーム装置)
本実施形態にかかるゲーム装置は、図1に示すように、正面視長方形の箱型形状に形成された筐体11と、筐体11の前面右側に配置された操作部12と、操作部12の側方に配置された表示部13と、操作部12の下方に配置されたスピーカ14とを備えている。そして、ゲーム装置1は、遊技者に携帯可能にされており、例えば、自動車42での移動中に得た現在位置を示す位置データをゲームにおいて利用するように構成されていると共に、現在位置に基づいたカーナビゲーションとゲームとを切り替え可能に実行するように構成されている。
【0013】
操作部12は、各種の機能ボタンを備えている。具体的には、上ボタン21、下ボタン22、左ボタン23、右ボタン24、十字ボタン25、左クリックボタン26及び右クリックボタン27を備えている。上ボタン21、下ボタン22、左ボタン23及び右ボタン24は、方向指示用の操作ボタンとして筐体11の右上コーナー部に配置されている。これらのボタン21〜24は、遊技者に方向指示を直感的に認識させるように、上下左右の位置関係で配置されている。即ち、上側に配置された上ボタン21は、遊技者の押圧操作により上方向の操作指令信号を出力するように設定されている。下側に配置された下ボタン22は、下方向の操作指令信号を出力するように設定されている。左側に配置された左ボタン23は、左方向の操作指令信号を出力するように設定されている。右側に配置された右ボタン24は、右方向の操作指令信号を出力するように設定されている。これにより、例えば、ゲームにおいて、表示部13に画面表示されたポインタ33を上下左右に移動させることを可能にしている。
【0014】
上記のボタン21〜24の下方には、十字ボタン25が配置されている。十字ボタン25は、操作部が十字形状に形成されており、上下方向の両端部と左右方向の両端部とを押圧操作可能にされている。そして、十字ボタン25は、上述のボタン21〜24と同様に、方向指示用の操作ボタンとして機能するように設定されている。これにより、例えば、ゲームにおいて、表示部13に画面表示されたキャラクタ37を上下左右に移動させることを可能にしている。十字ボタン25の下方には、左クリックボタン26と右クリックボタン27とが配置されている。これらのクリックボタン26・27は、動作処理の実行中に各種の指示を行うクリック信号を出力するように設定されている。
【0015】
上記のように構成された操作部12の下方には、スピーカ14が配置されている。スピーカ14は、ゲーム時においては演出音やキャラクタの会話等を出力し、カーナビゲーション時においては経路案内を行うときのアナウンス等を出力する。スピーカ14及び操作部12の側方には、表示部13が配置されている。表示部13は、カラー液晶表示装置であり、ゲーム時におけるキャラクタ37や背景画像、文字画像31・32等を重ねて表示するようになっている。
【0016】
筐体11の内部には、図2に示すように、各種の電子部品を基板上に実装した制御部16と、制御部16等に対して駆動電力を供給する図示しない電池等の電源とが設けられている。制御部16は、演算部51と位置検出部52とメモリカード53と記憶部54とを有している。演算部51は、プログラムに従ってゲーム処理やカーナビゲート処理等の各種の情報処理を実行する。位置検出部52は、GPS受信部15に接続されており、GPS受信部15から位置データを取り込んで現在位置を検出する現在位置検出手段としての機能を有している。
【0017】
上記のGPS受信部15は、アンテナ17に接続されている。アンテナ17は、図1のGPS衛星41からの位置データや時間情報等を含むGPS信号を受信可能になっている。そして、GPS受信部15は、アンテナ17を介してGPS信号を取り込み、GPS信号に含まれる位置データ等に基づいて地球上における自位置(緯度、経度)を位置データとして求めるようになっている。
【0018】
ここで、自位置を求めるGPS(グローバル・ポジショニング・システム)の位置測位原理は、例えば、三つの衛星A、B、Cの位置を既知とし、衛星Aから測位点(アンテナ17の位置)までの距離をaとすれば、測位点の位置は衛星Aを中心とする半径aの球の表面のどこかになるが、同時にもう1個の衛星Bからの距離をbとすれば、測位点の位置は半径aの球と半径bの球が重なり合う円周上のどこかになり、さらに、もう1個の衛星Cからの距離をcとすれば、測位点の位置は、半径a、半径b、半径cの三つの球の交点で求めることができるというものである。実際の測位にあっては、さらに、別の衛星からの信号を受信し、時間のずれの補正に用いる。尚、衛星の位置は地球に固定した直交座標系の位置であるが、衛星から送信される軌道情報の計算パラメータ(長半径、離心率、平均近似点離角、軌道傾斜角、昇交点経度及び近地点引数のいわゆる軌道の6要素)を用いて、計算で求めることができる。
【0019】
上記の位置検出部52は、演算部51に接続されており、現在位置(自位置)を演算部51に出力するようになっている。尚、本実施形態においては、位置検出部52において現在位置を求めるようになっているが、これに限定されるものではなく、演算部113において求めるようになっていてもよい。また、位置検出部52は、GPS受信部15からの位置データ以外に、地磁気センサ、ジャイロスコープ及び距離センサからの検出信号も入力され、GPS衛星41からの電波によって特定される緯度・経度を各センサからの検出信号により補正することで、より正確な位置を検出できるように構成されていてもよい。
【0020】
記憶部54は、演算部51の実行時にデータを一時記憶するRAMを有していると共に、システムプログラム等の初期動作用等のプログラムやデータを記憶したROMを有している。尚、記憶部54は、ハードディスク装置等の大容量記憶装置を備えていてもよい。
【0021】
メモリカード53は、制御部16に対して着脱可能に設けられている。メモリカード53は、ゲームプログラムやカーナビプログラム等の各種のプログラムを記憶している。具体的には、メモリカード53は、図11のメインルーチンや図12のゲーム処理ルーチン、図13のナビゲーション処理ルーチン等のプログラムを記憶している。メインルーチンは、地域データに基づいて現在位置を含む地域を判別する地域判別手段としてコンピュータである制御部16を動作させるようになっている。ゲーム処理ルーチンは、地域判別手段で判別された地域に対応する地域特徴データを用いた出力を伴うゲームを実行するゲーム処理手段として制御部16を動作させるようになっている。ナビゲーション処理ルーチンは、地域判別手段で判別された地域に対応する地域特徴データを用いた出力を伴うカーナビゲーションを実行するカーナビゲーション処理手段として制御部16を動作させるようになっている。
【0022】
さらに、メインルーチンは、カーナビゲーション処理手段の実行とゲーム処理手段の実行とを外部から選択可能にする処理選択手段として制御部16を動作させるようになっている。また、ゲーム処理ルーチン及びナビゲーション処理ルーチンは、地域特徴データを用いた出力を伴うゲーム処理時やナビゲーション処理時に、地域特徴データに対応する標準特徴データの標準出力を行う標準出力手段、及び標準出力手段に対して標準出力を行わせるか否かを外部から選択可能にする出力選択手段として制御部16を動作させるようになっている。これらの各ルーチンの詳細については後述する。
【0023】
また、メモリカード53は、上述のプログラムの他、ゲームデータや地図データ等の各種のデータを書換え可能に記憶している。具体的には、メモリカード53は、各地域の範囲を示す地域データと、各地域の特徴を示す地域特徴データと、各地域の特徴に対応する標準的な特徴を示す標準特徴データとを図3の言語選択テーブル(地域内容記憶手段、標準内容記憶手段)の形態で記憶している。尚、各プログラムやデータは、複数のメモリカード53に個別に記憶され、記憶部54に転送された後に演算部51で用いられてもよい。
【0024】
(言語選択テーブル)
上記の言語選択テーブルは、図3に示すように、地域領域と地域言語領域と標準語領域と選択領域ととを有している。地域領域は、東京や大阪、京都等の日本国内の各地域の範囲と、アメリカやフランス等の各国の範囲を示す地域データを記憶している。地域言語領域は、日本国内においては各地域の方言を音声データや画像データの形態で記憶していると共に、外国においては各国の使用言語を音声データや画像データの形態で記憶している。標準語領域は、各方言に対応する標準語と各国の使用言語に対応する日本語とを音声データや画像データの形態で記憶している。選択領域は、各地域の方言や各国の使用言語で表示出力や音声出力を行うか否かを示す選択データを記憶している。例えば、“東京”の地域においては、選択データが“1”であるため、東京弁の表示出力及び音声出力が行われることになる。また、例えば、“大阪”の地域においては、選択データが“0”であるため、標準語の表示出力及び音声出力が行われることになる。また、“アメリカ”や“フランス”の地域においては、選択データがそれぞれ“1”であるため、英語及びフランス語の表示出力及び音声出力が行われることになる。
【0025】
(画面表示:初期画面)
次に、ゲーム装置1の画面表示について説明する。図4の画面表示は、ゲーム装置1を起動させた直後の初期画面である。初期画面には、ナビゲーション画面が背景として表示されていると共に、『地域言語を使用しますか?』の質問画像61と、『はい』及び『いいえ』の回答ボタン画像62・63とが表示されている。尚、初期画面の背景には、ゲーム画面の一場面やキャラクタ等が表示されていてもよい。
【0026】
回答画像62・63は、指示ボタンとしての機能を有しており、ポインタ33を回答画像62・63上に位置させて左クリックボタン26を押圧操作することによって、『はい』及び『いいえ』の指示データを出力可能にしている。尚、『いいえ』の回答ボタン画像63が押圧操作された場合には、質問画像61及び回答ボタン画像62の表示が停止される。一方、『はい』の回答ボタン画像62が押圧操作された場合には、図5の言語選択画面に切り替えられる。
【0027】
さらに、初期画面には、地図画面内の右下コーナー部にゲームボタン画像34と翻訳ボタン画像35とナビボタン画像36とが表示されている。これらのボタン画像34・35・36は、回答ボタン画像62・63と同様に指示ボタンとしての機能を有しており、ポインタ33を画像上に位置させて左クリックボタン26を押圧操作することによって、それぞれの指示データを出力可能にしている。即ち、ゲームボタン画像34は、押圧操作によりゲーム処理を実行する指示データを出力する。翻訳ボタン画像35は、標準語データにより表示出力や音声出力を行う指示データを出力する。ナビボタン画像36は、カーナビゲーション処理を実行する指示データを出力する。尚、初期画面においては、これらのボタン画像34・35・36が押圧操作を受け付けない状態に設定されていてもよい。
【0028】
(画面表示:言語選択画面)
図5に示すように、言語選択画面は、上述の初期画面における回答ボタン画像62が押圧操作された場合に出現する。言語選択画面は、各地域を個別に選択する地域選択ボタン画像74と、全地域を一括して選択する全部選択ボタン画像71と、地域選択ボタン画像74を上下方向にスクロールさせるスクロールバー画像72とを有している。地域選択ボタン画像74は、選択状態である場合に表示色や模様を変化させることによって、選択状態である旨を遊技者に報知するようになっている。
【0029】
(画面表示:ゲーム画面)
図6〜図9は、ゲームボタン画像34が押圧操作されることによりゲーム処理が実行された場合のゲーム画面である。図6のゲーム画面は、2体のキャラクタ37・37が会話している場面であり、標準語である『こんにちわ』及び『ようこそ』の文字画像31・32を音声出力と共に画面表示している。図7のゲーム画面は、2体のキャラクタ37・37が会話している場面であり、標準語である『こんにちわ』と、京都の方言である『おいでやす』の文字画像31・32を音声出力と共に画面表示している。図8のゲーム画面は、図7のゲーム画面において翻訳ボタン画像35を押圧操作した場面であり、文字画像32の近辺に標準語の『ようこそ』の翻訳画像38を画面表示している。図9のゲーム画像は、アメリカ等の英語圏の国や地域において出現するゲームの一場面であり、具体的には、2体のキャラクタ37・37が英語で会話していると共に、会話内容の日本語の翻訳語を翻訳画像38として表示している。
【0030】
これにより、ゲーム装置1は、ゲーム画像の会話及び音声出力を通じて遊技者に現在位置の地域の方言や言語を認識させることを可能にしていると共に、方言や言語を遊技者が知っていれば、方言や言語を通じて現在位置の地域を認識させることを可能にしている。
【0031】
(画面表示:ナビゲーション画面)
図10は、ナビボタン画像36が押圧操作されることによりナビゲーション処理が実行された場合やゲーム装置1を起動させた直後の初期画面の背景となるナビゲーション画面である。ナビゲーション画面には、遊技者の位置を示す位置マーク39が地図画像中に表示されている。尚、位置マーク39は、矢符方向が進行方向を示している。また、地図画像は、操作部12を広域ボタン及び詳細ボタンとして機能させ、操作部12の押圧操作により縮尺を縮小及び拡大するようになっている。これにより、ゲーム装置1は、遊技者に対して現在位置を地図を用いたイメージにより感覚的に認識することを可能にしている。
【0032】
(ゲーム装置1の動作:メイン処理)
上記の構成において、ゲーム装置1に対して電源が投入されると、図11のメインルーチンが実行される。GPS衛星41からの信号等を用いて現在位置を示す位置データが検出され(S1)、この位置データに対応した地図データが読み出される。図4に示すように、地図画像内に位置マーク39とポインタ33とを有した初期画面が表示される(S2)。この後、地域言語の確認画面である質問画像61及び回答ボタン画像62・63が表示され(S3)、地域言語を使用するか否かが判定される(S4)。『いいえ』の回答ボタン画像63が遊技者に押圧操作されることによって、地域言語を使用しないと判定された場合には(S4,NO)、後述のS7が実行される。一方、『はい』の回答ボタン画像62が遊技者に押圧操作されることによって、地域言語を使用すると判定された場合には(S4,YES)、図5に示すように、地域言語の選択画面が表示される(S5)。そして、地域言語の選択処理が実行される。
【0033】
即ち、スクロールバー画像72にポインタ33が移動され、スクロールバー画像72がクリック操作されることによって、地域選択ボタン画像74が上下方向にスクロールされる。そして、遊技者が希望する地域を示す地域選択ボタン画像74が出現し、ポインタ33により押圧操作されると、その地域選択ボタン画像74が選択された旨が表示色や模様の変化により報知される。この後、順次、地域選択ボタン画像74のスクロールや押圧操作が行われることによって、地域の選択が個別に行われる。また、全地域を一括して選択する場合には、全部選択ボタン画像71が押圧される。
【0034】
次に、ゲームボタン画像34が押圧操作されたか否かが判定される(S7)。押圧操作されなければ(S7,NO)、続いて、ナビボタン画像36が押圧操作されたか否かが判定される(S9)。ナビボタン画像36が押圧操作されなければ(S9,NO)、S7が再実行されることによって、ゲームボタン画像34及びナビボタン画像36の何れかが押圧操作されるまで待機状態とされる。そして、ゲームボタン画像34が操作された場合には(S7,YES)、ゲーム処理が実行される(S8)。また、ゲーム処理の実行が完了するか、又は、ナビボタン画像36が押圧操作された場合には(S9,YES)、ナビゲーション処理が実行される(S10)。そして、ナビゲーション処理(S10)とゲーム処理(S8)とが電源がオフ状態にされるまで交互に実行される。
【0035】
(ゲーム装置1の動作:ゲーム処理)
上記のメインルーチンのS8において、ゲーム処理が実行されると、図12に示すように、先ず、前回のゲーム終了時点から遊技を開始するように、ゲームデータが読み出される(A1)。尚、ゲーム装置1を新規に使用する場合には、初期の処理場面を示すゲームデータが読み出される。そして、ゲームデータで特定された処理場面からゲームが開始される(A2)。この後、所定時間の待機後に(A3)、GPS衛星41による位置データ(現在位置)が取得され(A4)、図3の言語選択テーブルの地域データに基づいて位置データに対応する地域が判別される(A5)。続いて、選択データに基づいて判別した地域が選択状態であるか否かが判定される(A6)。
【0036】
選択状態でない場合には(A6,NO)、標準語を用いてゲームが進行される。例えば、図6に示すように、遊技者の現在位置が京都である場合であっても、『ようこそ』等の標準語が用いられてゲームが進行される。これにより、遊技者は、常時、キャラクタ37の会話の内容を容易に理解しながらゲームを進めることができる(A10)。次に、ナビボタン画像36が押圧操作されたか否かが判定される(A11)。押圧操作されない場合には(A10,NO)、A3から再実行され、所定時間後の位置データ(現在位置)が取得されることによって、定期的に現在位置が更新されながらゲームが進行されることになる。
【0037】
一方、地域が選択状態である場合には(A6,YES)、地域に対応する地域言語データでゲームが進行される。例えば、遊技者の現在位置が京都である場合には、図7に示すように、『おいでやす』等の地域言語である方言が用いられてゲームが進行される。また、遊技者の現在位置がアメリカである場合には、図9に示すように、『Welcome』等の英語の地域言語が用いられてゲームが進行される。
【0038】
これにより、遊技者が方言や外国語等の地域言語を視聴したときに、これらの方言や外国語等の地域言語を知っていた場合には、現在位置が京都やアメリカ等の地域内であることを容易に認識させることができる。また、地域言語を知らない場合には、現在位置の地域における方言や使用言語を認識させることが可能になる。そして、図1に示すように、遊技者が自動車42や飛行機、船舶等の移動手段に搭乗していた場合には、方言や使用言語が現在位置の移動により変化することによって、ゲームの遊技に加えて各地域に対する興味を遊技者に持たせることも可能になる。さらに、ゲームに登場する各種のキャラクタ37やストーリ等のゲーム内容が同一であっても、遊技者が存在する場所に応じて地域の特徴である方言や使用言語等の出力(表示や音声)が変化することによって、現在位置の地域に密接に関係したゲーム内容とすることができる。これにより、現在位置を地域に関連付けてゲームにおいて有効利用することによって、ゲーム内容自体が変化したような感覚を遊技者に持たせることができる。
【0039】
次に、翻訳ボタン画像35が押圧操作されたか否かが判定される(A8)。押圧操作されなければ(A8,NO)、上述のA11が再実行される。一方、押圧操作された場合には(A8,YES)、地域言語データに対応する標準語データが読み出されて出力される。例えば、図8に示すように、『おいでやす』の出力状態において、翻訳ボタン画像35が押圧操作された場合には、『おいでやす』の文字画像32の近傍に、標準語である『ようこそ』の翻訳画像38が表示されると共に、『おいでやす』の音声出力に続いて『ようこそ』の標準語が音声出力される。また、図9に示すように、『Welcome』等の外国語の文字画像31・32の近傍に、その翻訳語である『ようこそ』等の翻訳画像38が表示されると共に、外国語の音声出力に続いて翻訳語の音声出力が行われる。これにより、各地域の方言や使用言語が遊技者にとって理解し難い場合であっても、方言や使用言語に対応した標準出力を行うように選択することによって、遊技者に各地域の特徴を容易に理解させることができる。
【0040】
この後、ナビボタン画像36が押圧操作されたか否かが判定され(A11)、押圧操作されない場合には(A11,NO)、A3から再実行される。これにより、所定時間後の位置データ(現在位置)が取得されることによって、定期的に現在位置が更新されながらゲームが進行されることになる。一方、ナビボタン画像36が押圧操作された場合には(A11,YES)、現在のゲーム場面からゲームを開始させるためのゲームデータがメモリカード53や記憶部54に書き込まれた後(A12)、本ルーチンが終了される。
【0041】
(ゲーム装置1の動作:ナビゲーション処理)
上記のようにしてゲーム処理が終了すると、図11に示すように、ナビゲーション処理が実行される(S10)。具体的には、図13に示すように、GPS衛星41による位置データ(現在位置)が取得される(B1)。そして、図10に示すように、位置データに対応した地図データが画面表示され(B2)、続いて、現在位置を示す位置マーク39が表示される(B3)。この後、図3の言語選択テーブルの地域データに基づいて位置データに対応する地域が判別される(B4)。続いて、選択データに基づいて判別した地域が選択状態であるか否かが判定される(B5)。
【0042】
選択状態でない場合には(B5,NO)、標準語を用いてナビゲーションが進行される。例えば、遊技者の現在位置が京都である場合であっても、標準語を用いて行き先案内等が音声出力される。一方、地域が選択状態である場合には(B5,YES)、地域に対応する地域言語データでナビゲーションが進行される。この後、ナビボタン画像36が押圧操作されたか否かが判定され(B10)、押圧操作されない場合には(B10,NO)、B2から再実行され、所定時間後の位置データ(現在位置)が取得されることによって、定期的に現在位置が更新されながらナビゲーションが進行されることになる。
【0043】
一方、地域が選択状態である場合には(B5,YES)、地域に対応する地域言語データでナビゲーションが進行される。この後、翻訳ボタン画像35が押圧操作されたか否かが判定される(B7)。押圧操作されなければ(B7,NO)、上述のB10が再実行される。一方、押圧操作された場合には(B7,YES)、地域言語データに対応する標準語データが読み出されて出力される。
【0044】
この後、ナビボタン画像36が押圧操作されたか否かが判定され(B10)、押圧操作されない場合には(B10,NO)、B2から再実行され、所定時間後の位置データ(現在位置)が取得されることによって、定期的に現在位置が更新されながらゲームが進行されることになる。一方、ナビボタン画像36が押圧操作された場合には(B10,YES)、本ルーチンが終了される。
【0045】
(本実施形態の概要)
本実施形態のゲーム装置1は、現在位置を検出する現在位置検出手段(GPS受信部15、位置検出部52等)と、各地域の範囲を示す地域データと、各地域の特徴を示す地域言語等の地域特徴データとを記憶する地域内容記憶手段(メモリカード53、図3の言語選択テーブル等)と、前記地域データに基づいて前記現在位置を含む地域を判別する地域判別手段(演算部51、図11のメインルーチン等)と、前記地域判別手段で判別された地域に対応する前記地域特徴データを用いた出力を伴うゲームを実行するゲーム処理手段(演算部51、表示部13、スピーカ14、図12のゲーム処理ルーチン等)とを有した構成にされている。
【0046】
上記の構成によれば、ゲームの実行中に、現在位置を含む地域を判別し、この地域に対応した地域特徴データを用いた出力が行われるため、ゲームに登場する各種のキャラクタやストーリ等のゲーム内容が同一であっても、遊技者が存在する場所に応じて地域の特徴、即ち、方言や性格等の出力が変化することによって、現在位置の地域に密接に関係したゲーム内容とすることができる。これにより、現在位置を地域に関連付けてゲームにおいて有効利用することによって、ゲーム内容自体が変化したような感覚を遊技者に持たせることができる場合があると共に、現在位置の地域の特徴を遊技者に認識させることができる場合がある。
【0047】
尚、本実施形態においては、位置データ獲得手段がGPS方式により現在位置を検出する構成にされているが、これに限定されるものではなく、例えば、携帯電話の基地局から発信される電波を用いて現在位置を検出する構成や、その他の位置検出方式を用いて現在位置を検出する構成であってもよい。また、本実施形態においては、各地域の特徴を示す地域特徴データとして地域言語を用いて説明しているが、これに限定されるものではなく、動作や性格が地域特徴データとされていてもよい。即ち、地域特徴データは、方言や英語等の地域言語、動作、及び性格の一つ以上の組み合わせであってもよい。これにより、キャラクタ37が方言や英語等で会話しているときに、各地域に特有の動作で応対することによって、より一層、各地域に対する興味や知識を遊技者に持たせることが可能になる。
【0048】
また、本実施形態のゲーム装置1は、前記各地域の特徴に対応する標準的な特徴を示す標準特徴データ(標準言や翻訳(日本国内では日本語)、動作や性格の説明等)を記憶する標準内容記憶手段と、前記地域特徴データを用いた出力を伴うゲーム処理時に、該地域特徴データに対応する前記標準特徴データの標準出力を行う標準出力手段(表示部13、スピーカ14等)と、前記標準出力手段に対して前記標準出力を行わせるか否かを外部から選択可能にする出力選択手段(表示部13、図5の全部選択ボタン画像71、地域選択ボタン画像74等)とを有した構成にされている。
【0049】
上記の構成によれば、各地域の特徴を示す出力が遊技者にとって理解し難い場合であっても、各特徴に対応した標準出力を行うように選択することによって、遊技者に各地域の特徴を容易に理解させることができる。
【0050】
また、本実施形態のゲーム装置1は、前記地域判別手段で判別された地域に対応する前記地域特徴データを用いた出力(表示や音声)を伴うカーナビゲーションを実行するカーナビゲーション処理手段(演算部51、表示部13、スピーカ14、図13のナビゲーション処理ルーチン等)と、前記カーナビゲーション処理手段の実行と前記ゲーム処理手段の実行とを外部から選択可能にする処理選択手段(操作部12、ゲームボタン画像34、ナビボタン画像36等)とを有した構成にされている。
【0051】
上記の構成によれば、ゲームとカーナビゲーションとを選択可能にすることによって、ゲーム装置をゲーム以外の用途に拡大することができることから、ゲーム装置の利用価値を高めることができる。
【0052】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。尚、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ゲーム装置の動作内容を示す説明図。
【図2】ゲーム装置のブロック図。
【図3】言語選択テーブルを示す図。
【図4】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図5】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図6】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図7】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図8】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図9】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図10】ゲーム装置の表示画面の説明図。
【図11】メインルーチンのフローチャート。
【図12】ゲーム処理ルーチンのフローチャート。
【図13】ナビゲーション処理ルーチンのフローチャート。
【符号の説明】
【0054】
操作部12
表示部13
スピーカ14
GPS受信部15
ゲームボタン画像34
ナビボタン画像36
演算部51
位置検出部52
メモリカード53
全部選択ボタン画像71
地域選択ボタン画像74


【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
各地域の範囲を示す地域データと、各地域の特徴を示す地域特徴データとを記憶する地域内容記憶手段と、
前記地域データに基づいて前記現在位置を含む地域を判別する地域判別手段と、
前記地域判別手段で判別された地域に対応する前記地域特徴データを用いた出力を伴うゲームを実行するゲーム処理手段と
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記各地域の特徴に対応する標準的な特徴を示す標準特徴データを記憶する標準内容記憶手段と、
前記地域特徴データを用いた出力を伴うゲーム処理時に、該地域特徴データに対応する前記標準特徴データの標準出力を行う標準出力手段と、
前記標準出力手段に対して前記標準出力を行わせるか否かを外部から選択可能にする出力選択手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記地域判別手段で判別された地域に対応する前記地域特徴データを用いた出力を伴うカーナビゲーションを実行するカーナビゲーション処理手段と、
前記カーナビゲーション処理手段の実行と前記ゲーム処理手段の実行とを外部から選択可能にする処理選択手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−289375(P2007−289375A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120093(P2006−120093)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】