説明

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにスライダ実装方法

【課題】多数のスライダパッドを有するスライダとの接合信頼性を向上させることができるサスペンション用基板を提供する。
【解決手段】本発明によるサスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられたバネ性材料層11と、絶縁層10の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線13と第2配線14とを有する複数の配線12とを備えている。このうち、第1配線13に、対応するスライダパッド44aに接続される第1配線パッド15が接続され、第2配線14に、対応するスライダパッド44bに接続される第2配線パッド16が接続されている。第2配線パッド16は、第1配線パッド15よりもスライダ本体43側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにスライダ実装方法に係り、とりわけ、多数のスライダパッドを有するスライダとの接合信頼性を向上させることができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにスライダ実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行うスライダが実装されるサスペンション用基板を備えている。このうちサスペンション用基板は、バネ性金属層と、バネ性金属層に絶縁層を介して積層された複数(例えば、4本〜6本)の配線とを有している。スライダは、略直方体状のスライダ本体と、このスライダ本体の一側面に設けられたヘッドと、このヘッドと同一側面に設けられ、ヘッドに接続された複数のスライダパッドとを有している。また、サスペンション用基板の各配線には、スライダパッドに対応して、上面に金めっきが施された配線パッドが設けられており、スライダパッドと配線パッドとが、半田接合されている。このようにして、スライダパッドと対応する配線が電気的に接続され、各配線に電気信号を流すことにより、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み込みを行うようになっている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120288号公報
【特許文献2】特開2007−58999号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0274005号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後、HDDの高密度化に伴い、ヘッドの高機能化が進み、スライダパッドが、8、10、12個等と増加することが予測されている。ここで、従来のスライダパッドのサイズを維持してスライダパッドの個数を増やす場合、スライダのサイズは大きくなる。しかしながら、この場合、サイズが大きくなったスライダを、ディスクに対して、わずかな間隙を維持しながら保持することは困難である。
【0005】
このため、スライダのサイズを変えることなく、スライダのスライダパッド数を増加するためには、スライダパッドの幅を小さくするという方法が考えられる。しかしながら、この場合、各配線に設けられる配線パッドの幅が小さくなる。このことにより、各配線パッドと半田との接合面積が小さくなり、半田接合する際、溶融した半田が配線パッドからはみ出して、配線パッド間で短絡が発生するという問題がある。
【0006】
このような問題に対処するために、半田接合に用いる半田の量を低減させることが考えられる。ここで、一般に、各配線パッドに接合された半田に、金めっきから金が拡散されて、半田とパッドの接合界面に、脆いAu−Sn金属間結合が形成される。ところが、上述したように、スライダパッドと配線パッドとを接合する半田の量を減少させる場合、半田に対して拡散される金の相対濃度が高くなる。このため、Au−Sn金属間結合が形成され易くなり、半田接合の信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
一方、配線パッド上の金めっきの厚みを低減するという方法も考えられる。しかしながら、配線パッド上の金めっきは、製造工程簡素化の観点から、外部接続基板と接続されるテール側の端子の金めっきと同時に施される。また、このテール側の端子では、Au−Au間の拡散接合を行う場合もあり、その場合には、外部接続基板との接続の信頼性を確保するために、テール側の端子の金めっきは、所定の厚さとなるように施さなければならない。このため、配線パッド上の金めっきの厚さを低減することは困難である。
【0008】
また、特許文献3においては、スライダパッドの個数を増大させることを目的として、裏面にスライダパッドが設けられたスライダが示されている。各スライダパッドには、スライダの側面から延びる配線が接続されて、スライダのヘッドに接続されるようになっている。しかしながら、この場合、スライダの構造が複雑になり、スライダの側面から裏面に延びる配線を加工する工程が追加され、スライダの製造工程が煩雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、多数のスライダパッドを有するスライダとの接合信頼性を向上させることができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブ、およびスライダ実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子および複数のスライダパッドが搭載されたヘッド搭載部とを含むスライダが実装されるサスペンション用基板において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備え、第1配線に、対応するスライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、対応するスライダパッドに接続される第2配線パッドが接続されており、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0011】
本発明は、複数の配線は、複数の第1配線と複数の第2配線とからなり、第1配線と第2配線は、交互に配置されていることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0012】
本発明は、絶縁層およびバネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドを露出させる開口部が設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0013】
本発明は、第1配線パッドおよび第2配線パッドは、対応するスライダパッドを開口部に露出させるような形状を有していることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0014】
本発明は、バネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドに対応する絶縁層の部分を露出させる開口部が設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0015】
本発明は、第1配線パッドおよび第2配線パッドに、金めっきが施されていることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0016】
本発明は、開口部に、絶縁樹脂が充填されていることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0017】
本発明は、第1配線パッドおよび第2配線パッド上に、異方性導電性部材が設けられていることを特徴とするサスペンション用基板である。
【0018】
本発明は、上述したサスペンション用基板を有することを特徴とするサスペンションである。
【0019】
本発明は、上述したサスペンションと、このサスペンションに実装され、複数のスライダパッドを含むスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンションである。
【0020】
本発明は、上述したヘッド付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブである。
【0021】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載面を含むヘッド搭載部と、ヘッド搭載面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板の第2配線パッドに、半田部材を設ける工程と、第2配線パッドに半田部材を設けた後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、第2配線パッドに設けられた半田部材を加熱して、第2配線パッドを、第2スライダパッドに半田接合する工程と、第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法である。
【0022】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載面を含むヘッド搭載部と、ヘッド搭載面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが設けられ、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが設けられ、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板の第2配線パッド、またはスライダの第2スライダパッドに、溶融された半田部材を吐出する工程と、第2配線パッドまたは第2スライダパッドに溶融された半田部材を吐出した後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合する工程と、第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法である。
【0023】
本発明は、第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程は、第1配線パッドに、半田部材を載置する工程と、載置された半田部材にレーザ光を照射して半田部材を溶融させる工程とを有することを特徴とするスライダ実装方法である。
【0024】
本発明は、第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程において、第1配線パッドに、溶融された半田部材を吐出することを特徴とするスライダ実装方法である。
【0025】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板の第1配線パッドおよび第2配線パッドに、半田部材を設ける工程と、第1配線パッドおよび第2配線パッドに半田部材を設けた後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、第1配線パッドおよび第2配線パッドに設けられた半田部材を加熱して、第1配線パッドを第1スライダパッドに半田接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法である。
【0026】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板の第1配線パッドおよび第2配線パッドに、または第1スライダパッドおよび第2スライダパッドに、溶融された半田部材を吐出する工程と、第1配線パッドおよび第2配線パッドに、または第1スライダパッドおよび第2スライダパッドに、溶融された半田部材を設けた後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、を備え、サスペンション用基板にスライダ本体を接合する際、第1配線パッドを第1スライダパッドに半田接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合することを特徴とするスライダ実装方法である。
【0027】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されており、絶縁層およびバネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドを露出させる開口部が設けられたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、開口部に露出された第1配線パッドおよび第2配線パッドに、溶融された半田部材を吐出し、第1配線パッドを第1スライダパッドに半田接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法である。
【0028】
本発明は、第1配線パッドおよび第2配線パッドを半田接合する工程の後、開口部に絶縁樹脂が充填されることを特徴とするスライダ実装方法である。
【0029】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されており、第1配線パッドおよび第2配線パッドに金めっきが施され、絶縁層およびバネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドを露出させる開口部が設けられたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、開口部に露出された第1配線パッドおよび第2配線パッドに、超音波振動を付与して、第1配線パッドを第1スライダパッドに超音波接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに超音波接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法である。
【0030】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されており、第1配線パッドおよび第2配線パッドに金めっきが施され、バネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドに対応する絶縁層の部分を露出させる開口部が設けられたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、絶縁層の開口部に露出した部分に、超音波振動を付与して、第1配線パッドを第1スライダパッドに超音波接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに超音波接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法である。
【0031】
本発明は、第1配線パッドおよび第2配線パッドを超音波接合する工程の後、開口部に絶縁樹脂が充填されることを特徴とするスライダ実装方法である。
【0032】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、スライダのサスペンション用基板側の面に、異方性導電性部材を貼り付ける工程と、異方性導電性部材を貼り付けた後、サスペンション用基板に、異方性導電性部材を介してスライダ本体を接合する工程と、を備え、スライダ本体を接合する際、スライダとサスペンション用基板との間に押圧力を付与して、第1配線パッドを、異方性導電性部材を介して第1スライダパッドに接合すると共に、第2配線パッドを、異方性導電性部材を介して第2スライダパッドに接合することを特徴とするスライダ実装方法である。
【0033】
本発明は、サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、サスペンション用基板の第1配線パッドおよび第2配線パッド上に、異方性導電性部材を載置する工程と、異方性導電性部材を載置した後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、を備え、スライダ本体を接合する際、スライダ本体を押圧して、第1配線パッドを、異方性導電性部材を介して第1スライダパッドに接合すると共に、第2配線パッドを、異方性導電性部材を介して第2スライダパッドに接合することを特徴とするスライダ実装方法である。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、多数のスライダパッドを有するスライダとの接合信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の一例を示す平面図。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板のヘッド部の一例を示す平面図。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態において、スライダが実装されたサスペンション用基板の一例を示す断面図。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションの一例を示す平面図。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す斜視図。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の一例を示す断面図。
【図8】図8(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態におけるスライダ実装方法を示す図。
【図9】図9(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施の形態におけるスライダ実装方法を示す図。
【図10】図10は、本発明の第1の実施の形態におけるスライダ実装方法の変形例を示す図。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態におけるヘッド付サスペンションのヘッド部の一例を示す平面図。
【図12】図12(a)、(b)、(c)は、本発明の第2の実施の形態におけるスライダ実装方法を示す図。
【図13】図13(a)、(b)、(c)は、本発明の第3の実施の形態におけるスライダ実装方法を示す図。
【図14】図14は、本発明の第3の実施の形態におけるヘッド付サスペンションのヘッド部の一例を示す平面図。
【図15】図15(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第4の実施の形態におけるスライダ実装方法を示す図。
【図16】図16(a)、(b)は、本発明の第5の実施の形態におけるスライダ実装方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
第1の実施の形態
以下、図1乃至図10を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びにスライダ実装方法について説明する。
【0037】
図1に示すように、サスペンション用基板1は、後述するスライダ42(図3および図5参照)が実装されるヘッド部2から図示しない外部接続基板が接続されるテール部3に延びるように形成されている。ここで、スライダ42は、図3に示すように、略直方体状のスライダ本体43と、このスライダ本体43の一側面に設けられ、図示しないヘッド素子が埋設されたヘッド搭載面45aを含むヘッド搭載部45とを有している。このヘッド搭載部面45aに、複数の第1スライダパッド44aが設けられ、ヘッド搭載部45のサスペンション用基板1の側の面に、複数の第2スライダパッド44bが設けられている。各第1スライダパッド44aおよび各第2スライダパッド44bは、ヘッド搭載部45に埋設されて、ヘッド素子に電気的に接続されている。
【0038】
図1および図3に示すように、サスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられ、導電性を有するバネ性材料層(金属支持基板)11と、絶縁層10の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線13と第2配線14とを有する複数(例えば、8本以上)の配線12とを備えている。本実施の形態においては、絶縁層10上に、10本の配線12が設けられ、これらの配線12は、図2に示すように、5本の第1配線13と、5本の第2配線14とからなり、第1配線13と第2配線14とが交互に配置されている。
【0039】
図2に示すように、各第1配線13は、テール部3側に設けられた図示しない第1配線本体部分と、この第1配線本体部分のスライダ42側(後述する第1配線パッド15側)に設けられ、第1配線本体部分よりも狭い幅を有する第1スライダ側部分13aとを有している。同様に、各第2配線14は、テール部3側に設けられた図示しない第2配線本体部分と、この第2配線本体部分のスライダ42側(後述する第2配線パッド16側)に設けられ、第2配線本体部分よりも狭い幅を有する第2スライダ側部分14aとを有している。なお、第1スライダ側部分13aおよび第2スライダ側部分14aは、配線スペースや配線設計仕様等に応じて、任意の長さとすることができる。
【0040】
サスペンション用基板1のヘッド部2において、各第1配線13の第1スライダ側部分13aに、対応する第1スライダパッド44aに接続される第1配線パッド15が接続されている。ここで、第1配線パッド15は、対応する第1スライダパッド44aとの間に形成される後述の第1半田接合部46と接合される部分をいう。
【0041】
各第2配線14の第2スライダ側部分14aに、対応する第2スライダパッド44bに接続される第2配線パッド16が接続されている。ここで、第2配線パッド16は、対応する第2スライダパッド44bとの間に形成される後述の第2半田接合部47と接合される部分をいう。
【0042】
第1配線パッド15は、列状に配置され、第2配線パッド16は、第1配線パッド15の列よりもスライダ本体43側に列状に配置されている。すなわち、第1配線パッド15および第2配線パッド16は、千鳥状に配置されている。
【0043】
各第1配線パッド15および各第2配線パッド16上に、ニッケル(Ni)めっきおよび金(Au)めっきが順次施されためっき層17が形成されている。各めっき層17は、図3に示すように、配線パッド15、16上から、対応する配線12(13、14)の露出している部分にまで延びている。このようにして、後述する保護層20により覆われることなく露出している配線12の部分と、各配線パッド15、16とが、腐食されることを防止している。
【0044】
絶縁層10には、図3に示すように、各配線12を覆う保護層20が設けられ、各配線12が腐食することを防止している。なお、図1および図2においては、図面を明瞭にするために、保護層20は省略されている。
【0045】
図3に示すように、絶縁層10のうちスライダ42が実装される領域に、スライダ42のスライダ本体43を支持する台座25が設けられている。この台座25は、配線12と同一材料および同一工程で形成された第1の部分25aと、保護層20と同一材料および同一工程で形成され、第1の部分25aを覆う第2の部分25bとからなっている。なお、台座25は、上述した構造に限られることはなく、任意の材料および方法により形成しても良い。また、台座25は、第2配線パッド16に形成されためっき層17よりも高くなるように形成されている。このようにして、サスペンション用基板1にスライダ本体43を接合した際、第2スライダパッド44bと第2配線パッド16に形成されためっき層17との間に、後述する第2半田接合部47を形成するようになっている。
【0046】
次に、各構成部材について詳細に述べる。
【0047】
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ10μm〜20μmであることが好ましい。このことにより、バネ性材料層11と各配線12との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
【0048】
各配線12は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線12および配線パッド15、16の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線12および配線パッド15、16の厚さは、略同一の厚さとして、例えば1μm〜18μm、とりわけ5μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線12および配線パッド15、16の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。
【0049】
バネ性材料層11の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、好ましくはステンレスを用いることが好適である。バネ性材料層11の厚さは、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜25μmであることが好ましい。このことにより、バネ性材料層11の導電性、剛性、および弾力性を確保することができる。
【0050】
保護層20の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層20の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層20の厚さは、3μm〜30μmであることが好ましい。
【0051】
次に、図4により、本実施の形態におけるサスペンション31について説明する。図4に示すサスペンション31は、上述したサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1の後述するスライダ42(図5参照)が実装される面とは反対側の面に設けられ、スライダ42をディスク53(図6参照)に対して保持するためのロードビーム32とを有している。
【0052】
次に、図5により、本実施の形態におけるヘッド付サスペンション41について説明する。図5に示すヘッド付サスペンション41は、上述したサスペンション31と、サスペンション用基板1のヘッド部2に実装されるスライダ42とを有している。このうちスライダ42は、上述したように、アルチック(AlTiC)からなり、略直方体状に形成されたスライダ本体43と、このスライダ本体43の一側面に設けられ、アルミナ(Al)からなり、図示しないヘッド素子が埋設されたヘッド搭載面45aを含むヘッド搭載部45とを有している。このヘッド搭載面45aに、複数の第1スライダパッド44aが設けられ、ヘッド搭載部45のサスペンション用基板1の側の面に、複数の第2スライダパッド44bが設けられている。各第1スライダパッド44aおよび各第2スライダパッド44bは、ヘッド搭載部45に埋設されて、ヘッド素子に電気的に接続されている。
【0053】
また、図3に示すように、第1配線パッド15と対応するスライダ42の第1スライダパッド44aとの間に、第1半田接合部46が形成されている。同様にして、第2配線パッド16と対応する第2スライダパッド44bとの間に、第2半田接合部47が形成されている。このようにして、各配線パッド15、16が、対応するスライダパッド44a、44bに半田接合されている。
【0054】
次に、図6により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ51について説明する。図6に示すハードディスクドライブ51は、ケース52と、このケース52に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク53と、このディスク53を回転させるスピンドルモータ54と、ディスク53に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク53に対してデータの書き込みおよび読み込みを行うスライダ42を含むヘッド付サスペンション41とを有している。このうちヘッド付サスペンション41は、ケース52に対して移動自在に取り付けられ、ケース52にはヘッド付サスペンション41のスライダ42をディスク53上に沿って移動させるボイスコイルモータ55が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション41は、ボイスコイルモータ55にアーム56を介して取り付けられている。
【0055】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。初めに、図7を用いて、サスペンション用基板1の製造方法について説明する。
【0056】
まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた導電性を有するバネ性材料層11と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線材料層(図示せず)とを有する積層体(図示せず)を準備する。この積層体においては、バネ性材料層11および配線材料層は、めっきにより形成されていても良く、あるいは絶縁層10とバネ性材料層11および配線材料層とが互いに接着されてラミネートされていても良い。
【0057】
次に、サブトラクティブ法を用いて、配線材料層がエッチングされて、複数の配線12および配線パッド15、16が形成される。この場合、フォトファブリケーションの手法により、配線材料層上にパターン状のレジスト(図示せず)が形成され、レジストの開口部から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により配線材料層がエッチングされる。このようにして、第1配線13と第2配線14とを有する複数の配線12と、第1配線パッド15、および第2配線パッド16が形成される(図2参照)。この場合、上述した台座25の第1の部分25aが、同時に形成される。その後、レジストは除去される。なお、配線12および配線パッド15、16は、アディティブ法により形成しても良い。
【0058】
次に、保護層20がパターン状に形成される。この際、上述した台座25の第2の部分25bが形成される。その後、絶縁層10、バネ性材料層11が、所望の形状にパターニングされ、各第1配線パッド15および各第2配線パッド16上に、ニッケルめっきおよび金めっきが順次施されてめっき層17が形成される。このようにして、サスペンション用基板1が得られる。
【0059】
次に、図4、図5、図8、および図9を用いて、上述のようにして得られたサスペンション用基板1にスライダを実装する、本実施の形態におけるスライダ実装方法について説明する。
【0060】
まず、サスペンション用基板1の下面に、ロードビーム32が取り付けられ、図4に示すサスペンション31が得られる。
【0061】
次に、第2配線パッド16に形成されためっき層17上に、半田印刷機を用いて、半田の粉末にフラックスを加えて適切な粘度にした半田ペースト(半田部材)65が塗布される(図8(a)参照)。
【0062】
次に、サスペンション用基板1のヘッド部2に、接着剤を用いてスライダ42のスライダ本体43が接合される(図8(b)参照)。この場合、スライダ本体43は、絶縁層10上に設けられた台座25により支持され、第2スライダパッド44bは、第2配線パッド16のめっき層17上に塗布された半田ペースト65に接する。
【0063】
次に、第2配線パッド16に塗布された半田ペースト65が加熱(リフロー)される。このことにより半田ペースト65が溶融して第2半田接合部47が形成され、第2配線パッド16が、対応する第2スライダパッド44bに半田接合される。なお、第2配線パッド16に半田ペースト65を塗布した後、サスペンション用基板1にスライダ本体43を接合する前に、半田ペースト65を加熱(リフロー)しても良い。このことにより、半田ペースト65がバンプとして形成されて半田材料が安定するため、この後の工程におけるハンドリングを容易にすることができる。
【0064】
第2配線パッド16が第2スライダパッド44bに半田接合された後、各第1配線パッド15が、半田ボールボンディング法(SBB:Solder Ball Bonding)を用いて、対応する第1スライダパッド44aに半田接合される。
【0065】
この場合、まず、各第1配線パッド15に形成されためっき層17上に、半田ボール(半田部材)60が載置される(図9(a)参照)。その後、載置された各半田ボール60にレーザ光61が照射されて、半田ボール60を溶融させる(図9(b)参照)。このことにより、各半田ボール60は、濡れ広がり、第1配線パッド15および第1スライダパッド44aに付着し、第1半田接合部46が形成される(図9(c)参照)。このようにして、各第1配線パッド15が、対応する第1スライダパッド44aに電気的に接続され、スライダ42が実装されたヘッド付サスペンション41が得られる(図5参照)。
【0066】
スライダ42が実装されたヘッド付サスペンション41がハードディスクドライブ51のケース52に取り付けられて、図6に示すハードディスクドライブ51が得られる。
【0067】
図6に示すハードディスクドライブ51においてデータの読み込みおよび書き込みを行う際、ボイスコイルモータ55によりヘッド付サスペンション41のスライダ42がディスク53上に沿って移動し、スピンドルモータ54により回転しているディスク53に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、スライダ42とディスク53との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1のヘッド部2とテール部3との間を延びる各配線12により電気信号が伝送される。
【0068】
このように本実施の形態によれば、各第1配線13に設けられた第1配線パッド15と、各第2配線14に設けられた第2配線パッド16が、千鳥状に配置されている。このことにより、各第1配線パッド15および各第2配線パッド16の表面積が小さくなることを抑制して、第1半田接合部46と第1配線パッド15との接合面積、および第2半田接合部47と第2配線パッド16との接合面積を確保することができる。このため、各第1半田接合部46および各第2半田接合部47に用いられる半田の量を確保して、半田接合部46、47に拡散される金の相対濃度が高くなることを抑え、各半田接合部46、47において、脆いAu−Sn金属間結合が形成されることを抑制することができる。この結果、多数(例えば、10個以上)のスライダパッド44を有するスライダ42との接合信頼性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、第1配線パッド15と第2配線パッド16が、千鳥状に配置されていることにより、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bの合計数が多い場合(例えば、10個以上の場合)においても、絶縁層10の同一面上において、各配線12、第1配線パッド15、および第2配線パッド16を構成することができ、配線12同士が積層されるような多層構造となることを回避することができる。このため、製造コストを大幅に上昇させることなく、サスペンション用基板1を容易に製造することができる。
【0070】
なお、本実施の形態においては、半田ボールボンディング法を用いて、各第1配線パッド15のめっき層17上に半田ボール60を載置して、各半田ボール60にレーザ光61を照射して半田ボール60を溶融させる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図10に示すように、ソルダージェット法を用いて、半田吐出ヘッド62内において、レーザ光を照射する等により溶融された溶融半田部材63を、各第1配線パッド15のめっき層17上に吐出して、第1半田接合部46を形成するようにしても良い。
【0071】
また、本実施の形態においては、第2配線パッド16に形成されためっき層17上に、半田ペースト65が印刷され、その後に加熱されて、第2配線パッド16が第2スライダパッド44bに半田接合される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2配線パッド16に形成されためっき層17に、または第2スライダパッド44bに、ソルダージェット法を用いて、溶融された半田部材(図示せず)が吐出されて、その後に、サスペンション用基板1にスライダ42を接合することにより、第2配線パッド16が第2スライダパッド44bに半田接合されるようにしても良い。
【0072】
また、本実施の形態においては、複数の配線12が、交互に配置された第1配線13と第2配線14とにより構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、複数の配線12のうちの一部の配線12が、第1配線13と第2配線14とにより構成されても良い。例えば、8本の配線12のうちの2本の配線12が、互いに隣接する1本の第1配線13と1本の第2配線14とにより構成されても良い。
【0073】
さらに、本実施の形態においては、第1配線13の第1スライダ側部分13aは、第1配線本体部分よりも狭い幅を有していると共に、第2配線14の第2スライダ側部分14aは、第2配線本体部分よりも狭い幅を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、各スライダ側部分13a、14aは、配線スペースや配線設計仕様等に応じて、各配線本体部分と略同一の幅を有していても良い。
【0074】
第2の実施の形態
次に、図11および図12により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法について説明する。
【0075】
図11および図12に示す第2の実施の形態においては、第1スライダパッドが、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられ、第2スライダパッドが、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図11および図12において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0076】
図11および図12(c)に示すように、第1スライダパッド44aは、ヘッド搭載部45のサスペンション用基板1の側の面に設けられ、第2スライダパッド44bは、ヘッド搭載部45のサスペンション用基板1の側の面のうち第1スライダパッド44aよりもスライダ本体43側に設けられている。すなわち、図11に示すように、第1スライダパッドは、列状に設けられており、第2スライダパッドは、第1スライダパッド44aの列よりもスライダ本体43側に列状に設けられており、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bは、千鳥状に配置されている。
【0077】
本実施の形態においてサスペンション用基板1にスライダ42を実装する場合、まず、図12(a)に示すようなサスペンション用基板1を準備する。次に、図12(b)に示すように、第1配線パッド15および第2配線パッド16に形成されためっき層17上に、半田印刷機を用いて、半田ペースト65が塗布される。
【0078】
次に、サスペンション用基板1のヘッド部2に、接着剤を用いてスライダ42のスライダ本体43が接合される(図12(c)参照)。この場合、スライダ本体43は、絶縁層10上に設けられた台座25により支持され、第1スライダパッド44aが、第1配線パッド15に塗布された半田ペースト65に接すると共に、第2スライダパッド44bが、第2配線パッド16に塗布された半田ペースト65に接する。
【0079】
次に、第1配線パッド15のめっき層17および第2配線パッド16のめっき層17に塗布された半田ペースト65が加熱される。このことにより、半田ペースト65が溶融して第1半田接合部46および第2半田接合部47が形成され、第1配線パッド15が、対応する第1スライダパッド44aに半田接合されると共に、第2配線パッド16が、対応する第2スライダパッド44bに半田接合される。
【0080】
このように本実施の形態によれば、各第1配線13に設けられた第1配線パッド15と、各第2配線14に設けられた第2配線パッド16が、千鳥状に配置されている。このことにより、各第1配線パッド15および各第2配線パッド16の表面積が小さくなることを抑制して、第1半田接合部46と第1配線パッド15との接合面積、および第2半田接合部47と第2配線パッド16との接合面積を確保することができる。このため、各第1半田接合部46および各第2半田接合部47に用いられる半田の量を確保して、半田接合部46、47に拡散される金の相対濃度が高くなることを抑え、各半田接合部46、47において、脆いAu−Sn金属間結合が形成されることを抑制することができる。この結果、多数(例えば、10個以上)のスライダパッド44を有するスライダ42との接合信頼性を向上させることができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、第1配線パッド15と第2配線パッド16が、千鳥状に配置されていることにより、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bの合計数が多い場合(例えば、10個以上の場合)においても、絶縁層10の同一面上において、各配線12、第1配線パッド15、および第2配線パッド16を構成することができ、配線12同士が積層されるような多層構造となることを回避することができる。このため、製造コストを大幅に上昇させることなく、サスペンション用基板1を容易に製造することができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、第1配線パッド15と第1スライダパッド44aとの接合と、第2配線パッド16と第2スライダパッド44bとの接合を、同一の工程で行うことができる。このことにより、工程を簡素化して、第1配線パッド15を第1スライダパッド44aに接合すると共に、第2配線パッド16を第2スライダパッド44bに接合することができる。
【0083】
なお、本実施の形態においては、第1配線パッド15のめっき層17および第2配線パッド16のめっき層17に、半田ペースト65が印刷され、サスペンション用基板1にスライダ本体43aを接合した後に加熱(リフロー)されて、第1配線パッド15および第2配線パッド16が、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bにそれぞれ半田接合される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1配線パッド15および第2配線パッド16に半田ペースト65を塗布した後、サスペンション用基板1にスライダ本体43を接合する前に、半田ペースト65を加熱(リフロー)しても良い。あるいは、第1配線パッド15のめっき層17上および第2配線パッド16のめっき層17に、ソルダージェット法を用いて、溶融された半田部材(図示せず)が吐出されて、その後に、サスペンション用基板1にスライダ42を接合することにより、第1配線パッド15および第2配線パッド16が、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bにそれぞれ半田接合されるようにしても良い。さらに、この場合、溶融された半田部材を、第1配線パッド15および第2配線パッド16ではなく、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに吐出するようにしても良い。
【0084】
第3の実施の形態
次に、図13および図14により、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法について説明する。
【0085】
図13および図14に示す第3の実施の形態においては、第1配線パッドおよび第2配線パッドが、絶縁層およびバネ性材料層に設けられた開口部に露出している点が主に異なり、他の構成は、図11および図12に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図13および図14において、図11および図12に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0086】
図13に示すように、絶縁層10およびバネ性材料層11に、第1配線パッド15および第2配線パッド16を露出させる開口部70が設けられている。また、第1配線パッド15および第2配線パッド16は、対応するスライダパッド44a、44bを開口部70に露出させるような形状を有している。すなわち、第1スライダパッド44aの一部が、第1配線パッド15に覆われることなく、開口部70に露出されている共に、第2スライダパッド44bの一部が、第2配線パッド16に覆われることなく、開口部70に露出されている。このような配線パッド15、16の形状の一例を、図14に示す。ここでは、各配線パッド15、16は、対応する各スライダパッド44a、44bよりも小さな形状を有し、各スライダパッド44a、44bの周縁部が、対応する配線パッド15、16に覆われることなく、開口部70に露出している。
【0087】
本実施の形態においてサスペンション用基板1にスライダ42を実装する場合、まず、図13(a)に示すような、絶縁層10およびバネ性材料層11に開口部70が形成されたサスペンション用基板1を準備する。次に、サスペンション用基板1のヘッド部2に、接着剤を用いてスライダ42のスライダ本体43が接合される(図13(b)参照)。この場合、スライダ本体43は、絶縁層10上に設けられた台座25により支持され、第1スライダパッド44aと、第1配線パッド15のめっき層17の上面との間に、隙間が形成されると共に、第2スライダパッド44bと、第2配線パッド16のめっき層17の上面との間に、隙間が形成される。
【0088】
次に、開口部70に露出されている第1配線パッド15および第2配線パッド16に、溶融された半田部材が吐出される。この場合、ソルダージェット法を用いて、半田突出ヘッド62(図10参照)内において、レーザ光を照射する等により溶融された溶融半田部材63(図10参照)が、各第1配線パッド15のめっき層17の下面、および各第2配線パッド16のめっき層17の下面に、吐出される。
【0089】
ここで、第1スライダパッド44aの一部および第2スライダパッド44bの一部は、開口部70に露出されている。このことにより、第1配線パッド15のめっき層17の下面に吐出された溶融半田部材63は、第1配線パッド15と第1スライダパッド44aとの間に濡れ広がり、第1半田接合部46が形成される。同様に、第2配線パッド16のめっき層17の下面に吐出された溶融半田部材63は、第2配線パッド16と第2スライダパッド44bとの間に濡れ広がり、第2半田接合部47が形成される。このようにして、第1配線パッド15が第1スライダパッド44aに半田接合されると共に、第2配線パッド16が第2スライダパッド44bに半田接合される(図13(c)参照)。
【0090】
このように本実施の形態によれば、各第1配線13に設けられた第1配線パッド15と、各第2配線14に設けられた第2配線パッド16が、千鳥状に配置されている。このことにより、各第1配線パッド15および各第2配線パッド16の表面積が小さくなることを抑制して、第1半田接合部46と第1配線パッド15との接合面積、および第2半田接合部47と第2配線パッド16との接合面積を確保することができる。このため、各第1半田接合部46および各第2半田接合部47に用いられる半田の量を確保して、半田接合部46、47に拡散される金の相対濃度が高くなることを抑え、各半田接合部46、47において、脆いAu−Sn金属間結合が形成されることを抑制することができる。この結果、多数(例えば、10個以上)のスライダパッド44を有するスライダ42との接合信頼性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、第1配線パッド15と第2配線パッド16が、千鳥状に配置されていることにより、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bの合計数が多い場合(例えば、10個以上の場合)においても、絶縁層10の同一面上において、各配線12、第1配線パッド15、および第2配線パッド16を構成することができ、配線12同士が積層されるような多層構造となることを回避することができる。このため、製造コストを大幅に上昇させることなく、サスペンション用基板1を容易に製造することができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、開口部70に、第1配線パッド15および第2配線パッド16が露出しているため、ソルダージェット法を用いて、工程を簡素化して、第1配線パッド15および第2配線パッド16を、スライダ本体43の裏面に設けられた第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに、容易に半田接合することができる。さらに、この開口部70から、露出している配線パッド15、16に、導通検査器(プローブ)の先端を押し付けて、スライダ42とサスペンション用基板1との接続後の検査を行うことが可能になる。
【0093】
なお、本実施の形態においては、開口部70に、第1配線パッド15および第2配線パッド16が露出している例について説明したが、このことに限られることはなく、第1配線パッド15および第2配線パッド16を第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに半田接合した後、開口部70に絶縁樹脂(図14(d)参照)を充填させても良い。この場合、第1配線パッド15および第2配線パッド16が劣化すること、および開口部70より露出した配線13、14の変形を防止することができる。
【0094】
第4の実施の形態
次に、図15により、本発明の第4の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法について説明する。
【0095】
図15に示す第4の実施の形態においては、第1配線パッドおよび第2配線パッドが第1スライダパッドおよび第2スライダパッドに超音波接合される点が主に異なり、他の構成は、図11および図12に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図15において、図11および図12に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0096】
図15に示すように、バネ材料層11に、第1配線パッド15および第2配線パッド16に対応する絶縁層10の部分を露出させる開口部80が設けられている。
【0097】
また、スライダ42のスライダ本体43を支持する台座25は、配線12と同一材料および同一工程で形成された第1の部分25aと、この第1の部分25aに、ニッケルめっきおよび金めっきが順次施されためっき部分25cとからなっている。なお、図示しないが、台座25の第1の部分25aは、めっき給電のために、絶縁層に設けられた導電性のビアを介してバネ性材料層に接続されている。また、台座25は、上述した構造に限られることはなく、任意の材料および方法により形成しても良い。また、台座25は、第1配線パッド15のめっき層17および第2配線パッド16のめっき層17と略同一の高さを有している。このようにして、サスペンション用基板1にスライダ本体43を接合した際、第1配線パッド15のめっき層17の上面に、第1スライダパッド44aを当接させると共に、第2配線パッド16のめっき層17の上面に、第2スライダパッド44bを当接させるようになっている。
【0098】
本実施の形態において、サスペンション用基板1にスライダ42を実装する場合、まず、図15(a)に示すような、バネ性材料層11に開口部80が形成されたサスペンション用基板1を準備する。次に、サスペンション用基板1のヘッド部2に、接着剤を用いてスライダ42のスライダ本体43が接合される(図15(b)参照)。この場合、スライダ本体43は、絶縁層10上に設けられた台座25により支持され、第1配線パッド15のめっき層17の上面に、第1スライダパッド44aが当接すると共に、第2配線パッド16のめっき層17の上面に、第2スライダパッド44bが当接する。
【0099】
次に、絶縁層10の開口部80に露出されている部分に、図示しない超音波振動発生器の先端が押し付けられて、絶縁層10の当該部分に超音波振動が付与されて第1配線パッド15および第2配線パッド16に伝達される。このことにより、第1配線パッド15が第1スライダパッド44aに超音波接合されると共に、第1配線パッド16が第2スライダパッド44bに超音波接合される(図15(c)参照)。
【0100】
このように本実施の形態によれば、各第1配線13に設けられた第1配線パッド15と、各第2配線14に設けられた第2配線パッド16が、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに超音波接合される。このことにより、工程を簡素化して、第1配線パッド15および第2配線パッド16を第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに導通接合することができる。また、この接合部分には、半田を用いていないため、脆いAu−Sn金属間結合等が形成されることを防止することができる。このため、多数(例えば、10個以上)のスライダパッド44を有するスライダ42との接合信頼性を向上させることができる。
【0101】
また、本実施の形態によれば、第1配線パッド15と第2配線パッド16が、千鳥状に配置されていることにより、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bの合計数が多い場合(例えば、10個以上の場合)においても、絶縁層10の同一面上において、各配線12、第1配線パッド15、および第2配線パッド16を構成することができ、配線12同士が積層されるような多層構造となることを回避することができる。このため、製造コストを大幅に上昇させることなく、サスペンション用基板1を容易に製造することができる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、バネ性材料層11の開口部80に露出された絶縁層10の部分に、超音波振動発生器の先端が押し付けられて、第1配線パッド15および第2配線パッド16に超音波振動が付与される。このことにより、超音波振動発生器の先端が、第1配線パッド15および第2配線パッド16に押し付けられることがなく、第1配線パッド15および第2配線パッド16が変形することを防止することができる。
【0103】
なお、本実施の形態においては、バネ性材料層11の開口部80に露出された絶縁層10の部分に超音波振動が付与され、第1配線パッド15および第2配線パッド16が第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bにそれぞれ超音波接合される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、バネ性材料層11および絶縁層10に開口部70(図13参照)を形成して、第1配線パッド15および第2配線パッド16を開口部70に露出させて、第1配線パッド15および第2配線パッド16に、超音波振動発生器の先端を押し付けて超音波振動を付与し、第1配線パッド15および第2配線パッド16を第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bにそれぞれ超音波接合するようにしても良い。
【0104】
また、本実施の形態においては、開口部80に、第1配線パッド15および第2配線パッド16に、対応する絶縁層10の部分が露出している例について説明したが、このことに限られることはなく、第1配線パッド15および第2配線パッド16を第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに超音波接合した後、開口部80に絶縁樹脂81を充填させても良い(図15(d)参照)。この場合、第1配線パッド15および第2配線パッド16が劣化すること、および開口部70より露出した配線13、14の変形を防止することができる。
【0105】
第5の実施の形態
次に、図16により、本発明の第5の実施の形態におけるサスペンション用基板の製造方法について説明する。
【0106】
図16に示す第5の実施の形態においては、第1配線パッドおよび第2配線パッドが第1スライダパッドおよび第2スライダパッドに異方性導電性部材を介して接合される点が主に異なり、他の構成は、図11および図12に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図16において、図11および図12に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0107】
図16(a)、(b)に示すように、スライダ42のサスペンション用基板1の側の面に、異方性導電性フィルム(異方性導電性部材)90が貼り付けられている。すなわち、サスペンション用基板1とスライダ42との間に異方性導電性フィルム90が介在されている。ここで、異方性導電性フィルム90は、接着性を有する樹脂に、導電性を有する微細な金属粒子を混合させて膜状に形成されたものであり、加圧された領域において厚さ方向に導電経路が形成され、加圧されない領域では絶縁性が維持されるようになっている。このようにして、第1配線パッド15および第2配線パッド16が、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bにそれぞれ導通接合されると共に、スライダ本体43は、異方性導電性フィルム90により、サスペンション用基板1に接合されている。
【0108】
また、スライダ42のスライダ本体43を支持する台座25は、配線12と同一材料および同一工程で形成された第1の部分25aと、この第1の部分25aに、ニッケルめっきおよび金めっきが順次施されためっき部分25cとからなっている。なお、図示しないが、台座25の第1の部分25aは、めっき給電のために、絶縁層に設けられた導電性のビアを介してバネ性材料層に接続されている。また、台座25は、上述した構造に限られることはなく、任意の材料および方法により形成しても良い。また、台座25は、第1配線パッド15のめっき層17および第2配線パッド16のめっき層17と略同一の高さを有している。このようにして、サスペンション用基板1にスライダ本体43を接合した際、第1配線パッド15のめっき層17の上面に第1スライダパッド44aを当接させると共に、第2配線パッド16のめっき層17の上面に第2スライダパッド44bを当接させるようになっている。
【0109】
本実施の形態において、サスペンション用基板1にスライダ42を実装する場合、まず、図16(a)に示すようなサスペンション用基板1を準備する。また、スライダ42のサスペンション用基板1の側の面に、異方性導電性フィルム90が貼り付けられる。この場合、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bは、異方性導電性フィルム90で覆われる。
【0110】
次に、サスペンション用基板1に、異方性導電性フィルム90を介して、スライダ42が載置される(図16(b)参照)。その後、スライダ42とサスペンション用基板1との間に押圧力が付与される。この場合、スライダ42を押圧してもよく、またはサスペンション用基板1のバネ性材料層11のうちスライダ42に対応する部分を押圧しても良い。このことにより、サスペンション用基板1に、異方性導電性フィルム90を介してスライダ本体43が接合される。この際、第1配線パッド15と第1スライダパッド44aとの間に導電経路が形成され、第1配線パッド15が第1スライダパッド44aに導通接合される。同様にして、第2配線パッド16と第2スライダパッド44bとの間に導電経路が形成され、第2配線パッド16が第2スライダパッド44bに導通接合される。
【0111】
このように本実施の形態によれば、各第1配線13に設けられた第1配線パッド15と各第2配線14に設けられた第2配線パッド16を、異方性導電性フィルム90を介して、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに導通接合することができる。このことにより、工程を簡素化して、第1配線パッド15および第2配線パッド16を第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bに導通接合することができる。このため、多数(例えば、10個以上)のスライダパッド44を有するスライダ42との接合信頼性を向上させることができる。
【0112】
また、本実施の形態によれば、第1配線パッド15と第2配線パッド16が、千鳥状に配置されていることにより、第1スライダパッド44aおよび第2スライダパッド44bの合計数が多い場合(例えば、10個以上の場合)においても、絶縁層10の同一面上において、各配線12、第1配線パッド15、および第2配線パッド16を構成することができ、配線12同士が積層されるような多層構造となることを回避することができる。このため、製造コストを大幅に上昇させることなく、サスペンション用基板1を容易に製造することができる。
【0113】
なお、本実施の形態においては、異方性導電性フィルム90をスライダ42のサスペンション用基板1の側の面に貼り付けた後、スライダ42をサスペンション用基板1に接合する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、サスペンション用基板1のヘッド部2に、異方性導電性フィルム90を載置して、第1配線パッド15および第2配線パッド16上に、異方性導電性フィルム90を設け、その後、この異方性導電性フィルム90上に、スライダ42が載置されるようにしても良い。
【0114】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板およびサスペンション用基板の製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 サスペンション用基板
2 ヘッド部
3 テール部
10 絶縁層
11 バネ性材料層
12 配線
13 第1配線
13a 第1スライダ側部分
14 第2配線
14a 第2スライダ側部分
15 第1配線パッド
16 第2配線パッド
17 めっき層
20 保護層
25 台座
25a 第1の部分
25b 第2の部分
25c めっき部分
31 サスペンション
32 ロードビーム
41 ヘッド付サスペンション
42 スライダ
43 スライダ本体
44a 第1スライダパッド
44b 第2スライダパッド
45 ヘッド搭載部
45a ヘッド搭載面
46 第1半田接合部
47 第2半田接合部
51 ハードディスクドライブ
52 ケース
53 ディスク
54 スピンドルモータ
55 ボイスコイルモータ
56 アーム
60 半田ボール
61 レーザ光
62 半田吐出ヘッド
63 溶融半田部材
65 半田ペースト
70 開口部
80 開口部
81 絶縁樹脂
90 異方性導電性フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子および複数のスライダパッドが設けられたヘッド搭載部とを含むスライダが実装されるサスペンション用基板において、
絶縁層と、
絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、
絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備え、
第1配線に、対応するスライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、
第2配線に、対応するスライダパッドに接続される第2配線パッドが接続されており、
第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されることを特徴とするサスペンション用基板。
【請求項2】
複数の配線は、複数の第1配線と複数の第2配線とからなり、
第1配線と第2配線は、交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
【請求項3】
絶縁層およびバネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドを露出させる開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション用基板。
【請求項4】
第1配線パッドおよび第2配線パッドは、対応するスライダパッドを開口部に露出させるような形状を有していることを特徴とする請求項3に記載のサスペンション用基板。
【請求項5】
バネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドに対応する絶縁層の部分を露出させる開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション用基板。
【請求項6】
第1配線パッドおよび第2配線パッドに、金めっきが施されていることを特徴とする請求項3または5に記載のサスペンション用基板。
【請求項7】
開口部に、絶縁樹脂が充填されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のサスペンション用基板。
【請求項8】
第1配線パッドおよび第2配線パッド上に、異方性導電性部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション用基板。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のサスペンション用基板を有することを特徴とするサスペンション。
【請求項10】
請求項9に記載のサスペンションと、このサスペンションに実装され、複数のスライダパッドを含むスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
【請求項11】
請求項10に記載のヘッド付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブ。
【請求項12】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載面を含むヘッド搭載部と、ヘッド搭載面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板の第2配線パッドに、半田部材を設ける工程と、
第2配線パッドに半田部材を設けた後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、
第2配線パッドに設けられた半田部材を加熱して、第2配線パッドを、第2スライダパッドに半田接合する工程と、
第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項13】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載面を含むヘッド搭載部と、ヘッド搭載面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板の第2配線パッド、またはスライダの第2スライダパッドに、溶融された半田部材を吐出する工程と、
第2配線パッドまたは第2スライダパッドに溶融された半田部材を吐出した後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合する工程と、
第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項14】
第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程は、第1配線パッドに、半田部材を載置する工程と、載置された半田部材にレーザ光を照射して半田部材を溶融させる工程とを有することを特徴とする請求項12または13に記載のスライダ実装方法。
【請求項15】
第1配線パッドを、第1スライダパッドに半田接合する工程において、第1配線パッドに、溶融された半田部材を吐出することを特徴とする請求項12または13に記載のスライダ実装方法。
【請求項16】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板の第1配線パッドおよび第2配線パッドに、半田部材を設ける工程と、
第1配線パッドおよび第2配線パッドに半田部材を設けた後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、
第1配線パッドおよび第2配線パッドに設けられた半田部材を加熱して、第1配線パッドを第1スライダパッドに半田接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項17】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板の第1配線パッドおよび第2配線パッドに、または第1スライダパッドおよび第2スライダパッドに、溶融された半田部材を吐出する工程と、
第1配線パッドおよび第2配線パッドに、または第1スライダパッドおよび第2スライダパッドに、溶融された半田部材を吐出した後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、を備え、
サスペンション用基板にスライダ本体を接合する際、第1配線パッドを第1スライダパッドに半田接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合することを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項18】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されており、絶縁層およびバネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドを露出させる開口部が設けられたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、
開口部に露出された第1配線パッドおよび第2配線パッドに、溶融された半田部材を吐出し、第1配線パッドを第1スライダパッドに半田接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに半田接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項19】
第1配線パッドおよび第2配線パッドを半田接合する工程の後、開口部に絶縁樹脂が充填されることを特徴とする請求項18に記載のスライダ実装方法。
【請求項20】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されており、第1配線パッドおよび第2配線パッドに金めっきが施され、絶縁層およびバネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドを露出させる開口部が設けられたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、
開口部に露出された第1配線パッドおよび第2配線パッドに、超音波振動を付与して、第1配線パッドを第1スライダパッドに超音波接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに超音波接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項21】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されており、第1配線パッドおよび第2配線パッドに金めっきが施され、バネ性材料層に、第1配線パッドおよび第2配線パッドに対応する絶縁層の部分を露出させる開口部が設けられたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、
絶縁層の開口部に露出した部分に、超音波振動を付与して、第1配線パッドを第1スライダパッドに超音波接合すると共に、第2配線パッドを第2スライダパッドに超音波接合する工程と、を備えたことを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項22】
第1配線パッドおよび第2配線パッドを超音波接合する工程の後、開口部に絶縁樹脂が充填されることを特徴とする請求項20または21に記載のスライダ実装方法。
【請求項23】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、
スライダのサスペンション用基板側の面に、異方性導電性部材を貼り付ける工程と、
異方性導電性部材を貼り付けた後、サスペンション用基板に、異方性導電性部材を介してスライダ本体を接合する工程と、を備え、
スライダ本体を接合する際、スライダとサスペンション用基板との間に押圧力を付与して、第1配線パッドを、異方性導電性部材を介して第1スライダパッドに接合すると共に、第2配線パッドを、異方性導電性部材を介して第2スライダパッドに接合することを特徴とするスライダ実装方法。
【請求項24】
サスペンション用基板に、スライダ本体と、スライダ本体の一側面に設けられ、ヘッド素子が設けられたヘッド搭載部と、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面に設けられた第1スライダパッドと、ヘッド搭載部のサスペンション用基板側の面のうち第1スライダパッドよりもスライダ本体側に設けられた第2スライダパッドとを含むスライダを実装するスライダ実装方法において、
絶縁層と、絶縁層の一方の面に設けられたバネ性材料層と、絶縁層の他方の面に設けられ、互いに隣接する第1配線と第2配線とを有する複数の配線と、を備えたサスペンション用基板であって、第1配線に、第1スライダパッドに接続される第1配線パッドが接続され、第2配線に、第2スライダパッドに接続される第2配線パッドが接続され、第2配線パッドは、第1配線パッドよりもスライダ本体側に配置されたサスペンション用基板を準備する工程と、
サスペンション用基板の第1配線パッドおよび第2配線パッド上に、異方性導電性部材を載置する工程と、
異方性導電性部材を載置した後、サスペンション用基板に、スライダ本体を接合する工程と、を備え、
スライダ本体を接合する際、スライダとサスペンション用基板との間に押圧力を付与して、第1配線パッドを、異方性導電性部材を介して第1スライダパッドに接合すると共に、第2配線パッドを、異方性導電性部材を介して第2スライダパッドに接合することを特徴とするスライダ実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−243241(P2011−243241A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112121(P2010−112121)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】