説明

サーバ装置、防犯カメラ映像利用方法、防犯カメラ映像利用プログラムおよび防犯カメラシステム

【課題】人手を煩わせることなく、種々の場所に設置された防犯カメラからの映像を有効活用し、事件、事故の防止に貢献できるようにする。
【解決手段】登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133に予め用意される1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の比較映像情報と通信部101で受信した1以上の防犯カメラ装置からの映像情報とを登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104でマッチングし、防犯カメラ装置の設置位置付近における所定の事象の発生を検知した場合に、通知処理手段が当該事象の発生を所定の通知先に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、商店街、店舗の出入り口、家庭の玄関等に設置される1以上の防犯カメラ装置からの映像情報を有効に利用するための装置、方法、プログラムおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人の出入りがある店舗などには、主に防犯を目的として防犯カメラ(監視カメラ)を設け、当該防犯カメラにより撮影される映像を監視して異常の発生を迅速に検知したり、侵入者等の特定、検挙に役立てるようにしたりすることが行われている。また、近年においては、一般家庭においても、出入り口付近を撮影するように防犯カメラを設け、不審者の侵入を牽制したり、また、不審者等の特定、検挙に役立てるようにしたりすることも行われるようになってきている。また、繁華街や商店街などの比較的に広いエリアに複数の監視カメラを設置し、当該エリア内の犯罪防止に役立てるようにすることも、種々の場所で行われるようになってきている。
【0003】
そして、防犯カメラについては、小型化、軽量化、低コスト化が図られ、比較的に簡単かつ気軽に導入することができ、撮影映像の高品位化や撮影映像の長時間記録などについても種々の改良がなされている。例えば、特許文献1には、防犯カメラにより撮影した画像の鮮明化に関する発明が開示されている。また、特許文献2には、防犯カメラにより撮影した映像の長時間記録に関する発明が開示されている。この他にも種々の改良がなされ、防犯カメラによりより鮮明な映像を撮影して、これを長時間にわたって記録媒体に記録することもできるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−056724号公報
【特許文献2】特開2009−296266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、防犯カメラの従来の利用態様は、大きく2つの利用態様に分けられる。1つは、例えば複数の場所に設置した防犯カメラからの映像を警備室などから常時監視し、当該複数の場所での異常の発生を監視者がリアルタイムに検知できるようにするものである。もう1つは、防犯カメラからの映像を長時間にわたって記録しておき、侵入者等が発生した場合に、記録した映像を侵入者等の特定と検挙に役立てるようにするものである。
【0006】
前者の場合、異常を迅速に検知しようとすれば、常時監視者が防犯カメラからの映像を監視していなければならない。このため、警備員が常住している集合住宅や企業の場合であれば実現可能であるが、小規模店舗や個人住宅において常時監視者を配置することは一般的には不可能である。また、後者の場合、異常の発生はリアルタイムに検知することはできない。したがって、後者の利用態様の利点は、異常発生後において侵入者等の特定や検挙に役立てられる映像が得られることに止まる。このため、種々の場所に設置され、鮮明な映像をより長時間にわたり記録可能になってきた防犯カメラからの映像を十分に活用できていない状況にあると言える。
【0007】
以上のことに鑑み、この発明は、人手を煩わせることなく、種々の場所に設置された防犯カメラからの映像を有効活用し、より広いエリアにおける事件、事故の防止に貢献できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のサーバ装置は、
1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の基準映像情報を記憶する記憶手段と、
街中に設置された1以上の防犯カメラ装置のそれぞれが周囲の映像を撮影することにより得た映像情報であって、所定の通信ネットワークを通じて送信されてくる当該映像情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受け付けた前記映像情報と、前記記憶手段に記憶されている1以上の前記基準映像情報のそれぞれとを照合し、前記防犯カメラ装置の設置位置付近における前記所定の事象の発生を検知する検知手段と、
前記検知手段により1以上の前記所定の事象のいずれかの発生が検知された場合に、検知した事象に応じて決められる処理を実行する実行手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明のサーバ装置によれば、受信手段で受信された1以上の防犯カメラ装置からの映像情報のそれぞれと記憶手段に予め用意される1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の基準映像情報のそれぞれとが検知手段によりマッチング(照合)され、防犯カメラ装置の設置位置付近における所定の事象の発生が検知するようにされる。検知手段において、防犯カメラ装置の設置位置付近における所定の事象の発生が検知されると、検知された事象に応じて決められた処理が、実行手段により実行される。
【0010】
これにより、防犯カメラ装置の近傍での所定の事象が自動的に検出するようにされる。そして、当該所定の事象の発生が検知された場合には、検知した事象に応じた処理、例えば、検知した事象に応じた通知先に当該事象の検知を通知するなどの所定の処理が実行される。したがって、人手を介すことなく、種々の場所に設置された防犯カメラからの映像を有効活用し、比較的に広いエリアにおいて、事件、事故の防止に貢献できる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、人手を介すことなく、種々の場所に設置された防犯カメラからの映像を有効活用し、比較的に広いエリアにおいて、事件、事故の防止に貢献できる。また、事件、事故が発生した場合には、その解決にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明による防犯カメラシステムの一実施の形態を説明するための図である。
【図2】実施の形態の防犯カメラシステムの対応エリアの一例について説明するための図である。
【図3】各防犯カメラシステム2、3、4の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】各防犯カメラシステム2、3、4の構成例を説明するためのブロック図である。
【図5】映像管理サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図6】カメラ設置位置DB131において管理されるデータの例を説明するための図である。
【図7】登録画像DB132において管理されるデータの例を説明するための図である。
【図8】事件・事故パターン画像DB133において管理されるデータの例を説明するための図である。
【図9】通知先DB134において管理されるデータの例を説明するための図である。
【図10】追跡データファイル135において管理されるデータの例を説明するための図である。
【図11】映像管理サーバ1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながら、この発明の装置、方法、プログラム、システムの一実施の形態について説明する。
【0014】
[防犯カメラシステムの概要]
図1は、この発明による防犯カメラシステムの一実施の形態を説明するための図である。この実施の形態の防犯カメラシステムは、防犯カメラ映像管理サーバ(以下、映像管理サーバと略称する。)1と、店舗防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…と、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…と、街中防犯カメラシステム4(1)、4(2)…とが、通信ネットワーク100を通じて接続されて形成される。
【0015】
店舗防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…は、不特定多数の人間が出入りする種々の店舗(例えば、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、銀行等)の出入り口付近に設置された防犯カメラとその附属装置からなるものである。この実施の形態において、店舗防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…のそれぞれは、設置店舗の入り口付近のみならず、その周囲の例えば道路の一部をも撮影範囲としており、当該道路の通行の状態をも撮影可能なものである。
【0016】
また、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…は、各家庭の玄関などの出入り口付近に設置された防犯カメラとその附属装置からなるものである。この実施の形態において、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…のそれぞれもまた、設置住宅の入り口付近のみならず、その周囲の例えば道路の一部をも撮影範囲としており、当該道路の通行の状態をも撮影可能なものである。
【0017】
また街中防犯カメラシステム4(1)、4(2)…は、例えば、自治会や商店会などによって、防犯のために例えば商店街や繁華街の電柱などに設けられた防犯カメラとその附属装置からなるものである。街中防犯カメラシステム4(1)、4(2)、…のそれぞれは、公共性の高いものであり、設置された商店街や繁華街の様子を広く撮影可能なものである。
【0018】
通常、店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…のそれぞれは、設置店舗において閉じたシステムとして設けられる。また、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…のそれぞれも設置した家庭において閉じたシステムとして設けられる。しかし、上述もしたように、店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…のそれぞれは、設置店舗の入り口付近を含む周囲の道路の一部をも撮影範囲としている。同様に、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…のそれぞれは、設置住宅の入り口付近のみならず、その周囲の道路の一部をも撮影範囲としている。
【0019】
したがって、街中防犯カメラシステム4(1)、4(2)、…で撮影される映像に加えて、店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…や家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…で撮影される映像をも利用できれば、広範囲なエリアについての防犯カメラシステムが構築できる。
【0020】
図2は、この実施の形態の防犯カメラシステムの対応エリアの一例について説明するための図である。図2において黒丸印はカメラ設置位置を、黒丸印からの矢印は撮影方向を示している。そして、図2において○○駅の上側のエリアには、駅の比較的近くに店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、2(3)、2(4)、2(5)、2(6)、2(7)が設けられている。上記の店舗用防犯カメラシステムよりもやや駅から離れた位置には、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、3(3)、3(4)が設けられている。さらに、駅から北方向に伸びた商店街のメインストリートには、街中防犯カメラシステム4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、4(5)が設けられている。
【0021】
また、図2において○○駅の下側のエリアには、駅の比較的近くに店舗用防犯カメラシステム2(8)、2(9)、2(10)、2(11)、2(12)、2(13)が設けられている。上記の店舗用防犯カメラシステムよりもやや駅から離れた位置には、家庭用防犯カメラシステム3(5)、3(6)、3(7)、3(8)、3(9)が設けられている。さらに、駅から南方向に伸びた商店街のメインストリートには、街中防犯カメラシステム4(5)、4(6)、4(7)、4(8)、4(9)が設けられている。
【0022】
そこで、この実施の形態の防犯カメラシステムは、図2に示したように種々の位置に設けられる防犯カメラシステムであって、主に設置場所近傍のみの監視に用いられている店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…や家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…、さらに、比較的に広い範囲をカバーする街中防犯カメラシステム4(1)、4(2)、…を連携させるようにしたものである。このようにすれば、例えば図2に示したように、比較的に広範囲にわたるエリアを監視対象エリアとする広域的な防犯カメラシステムが構築される。このように、種々の防犯カメラシステムと映像管理サーバ1とが接続されて、比較的に広いエリアを監視エリアとする防犯カメラシステムを形成している。
【0023】
映像管理サーバ1においては、各防犯カメラシステムから送信されてくる映像情報を受信し、これを用いて所定の事象の発生を検知するようにし、事件、事故の防止に役立てるようにしている。さらに、事件、事故が発生した場合には、各防犯カメラシステムからの映像情報を行為者(事件、事故の加害者等)の追跡にも役立てることができるようにしている。
【0024】
具体的に、映像管理サーバ1は、詳しくは後述もするが、痴呆老人の顔の画像データ、幼児や児童の顔の画像データ、夢遊病患者の顔の画像データ、犯罪者(指名手配犯)の顔の画像データなどを基準映像情報としてその登録を受け付けて管理する。また、逃げ出した犬や猫などのペットの顔部分等の画像データなどについても基準映像情報としてその登録を受け付けて管理する。そして、映像管理サーバ1は、防犯カメラシステムからの映像情報中に登録された画像データの人物(検知対象者)や登録された画像データの動物(検知対象動物)を発見した場合に通信ネットワーク100を通じて所定の通知先(報知先)に通知(報知)する。
【0025】
この場合の通知先は、図1に示すように、例えば警備会社5や、映像管理サーバ1の運営団体と契約関係のある痴呆老人等の画像データを登録するようにした契約者6の電話やパーソナルコンピュータなどである。また、基地局9(1)を通じて、契約者の携帯電話端末10(1)等に通知することも可能である。
【0026】
さらに、協力者として登録されている人に対して、その人の携帯電話端末を通じて、発見した検知対象者の保護を要請するなどのこともできる。なお、協力者の自宅の位置を緯度、経度情報や住所情報により把握しておくことにより、検知対象者や検知対象動物の画像を含む防犯カメラの近隣に住む協力者に検知対象者や検知対象動物の保護を要請するようにすることもできる。
【0027】
また、警報先として登録されている人に対して、例えば、指名手配犯などが検知された場合に、注意を促すメッセージを送信することもできる。なお、警報先の自宅の位置を緯度、経度情報や住所情報により把握しておくことにより、指名手配犯の画像を含む防犯カメラの近隣に住む警報先に対して、注意を促すメッセージを送信することができる。
【0028】
なお、協力者や警報先の現在位置を、近年、携帯電話端末に搭載されるようになってきているGPS(Global Positioning System)機能を用いて検出し、これを映像管理サーバ1が定期的に受け付けて管理することにより、協力者や警報先の現在位置を把握する。そして、この現在位置を基準にして、協力者や警報先を特定することもできる。
【0029】
また、映像管理サーバ1は、検知対象者や検知対象動物が防犯カメラで検知された場合に、これをデジタルサイネージセンタ7に通知する。この場合、デジタルサイネージセンタ7は、街中に設けられている例えば液晶表示装置などのデジタルサイネージ装置に、保護を要請するなどのメッセージ、あるいは、注意を喚起するメッセージなどを表示し、一般ユーザに協力を要請したり、注意を喚起したりするなどのこともできる。
【0030】
また、映像管理サーバ1は、検知対象者や検知対象動物が防犯カメラで検知された場合に、これをCATV(Community Antenna TeleVision)会社8に通知する。この場合、CATV会社は送信する放送信号に、保護を要請するなどのメッセージ、あるいは、注意を喚起するメッセージなどを含めて送信し、当該CATV会社と契約している家庭等のテレビ受像機の表示画面に当該メッセージを表示するようにして、ユーザに協力を要請したり、注意を喚起したりすることもできる。
【0031】
また、映像管理サーバ1は、障害事件、ひったくり事件、交通事故等の事件、事故のパターン画像を基準映像情報としてその登録を受け付けて管理する。そして、映像管理サーバ1は、防犯カメラシステムからの映像情報中に登録されたパターン画像に対応する画像パターンが存在することにより、事件や事故の発生を検知した場合に通信ネットワーク100を通じて所定の通知先に通知(報知)する。
【0032】
この場合の通知先は、上述した検知対象者や検知対象動物を検知した場合と同様に、警備会社5、契約者6(協力者や警報先を含む)、契約者等の携帯電話端末10(1)、サイネージセンター7、CATV会社8などである。また、図示しない警察署や消防署なども通知先となる。また、上述もしたように、警報先の現在位置を当該警報先の携帯電話端末のGPS機能により検出されたものの登録を受け付け、事件や事故の発生現場に近い警報先に対して優先して通知するなどのこともできる。
【0033】
なお、図1においては、警備会社5、契約者6、サイネージセンター7、CATV会社8、基地局9(1)、携帯電話端末10(1)は、それぞれ1つしか示していないが、これらは複数存在する場合ももちろんある。特に、契約者9や携帯電話端末10(1)は、契約者や登録者の数分存在するし、基地局も携帯電話網上に多数の基地局が存在する。また、店舗用防犯カメラシステム、家庭用防犯カメラシステム、街中防犯カメラシステムについても、図2を用いて説明したように、多数のものが設けられ、通信ネットワーク100を通じて接続されることになる。
【0034】
また、この実施の形態において、通信ネットワーク100は主にインターネットを想定しているが、インターネットへの接続経路として、一部にPSTNやISDN、基地局を含む携帯電話網などをも含んでいる。さらに、通信ネットワーク100には、近年利用されるようになってきている例えば[Wifi」や「Wimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)」などを用いた無線LAN(Local Area Network)を含む場合もある。なお、PSTNは公衆交換電話網を意味し、Public Switched Telephone Networksの略称である。また、ISDNはサービス総合デジタル網を意味し、Integrated Services Digital Networkの略称である。
【0035】
[防犯カメラシステムの構成例]
次に、図1に示した店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…、街中用防犯カメラシステム4(1)、4(2)、…の構成例について説明する。なお、これら各防犯カメラシステムのそれぞれは同様の構成を有するものである。そこで、ここでは、店舗用防犯カメラシステム2(1)、2(2)、…を店舗用防犯カメラシステム2と総称し、家庭用防犯カメラシステム3(1)、3(2)、…を家庭用防犯カメラシステム3と総称し、街中用防犯カメラシステム4(1)、4(2)、…を街中防犯カメラシステム4と総称し、その基本的な構成例について説明する。
【0036】
図3、図4は、各防犯カメラシステム2、3、4の構成例を説明するためのブロック図である。図3は有線接続により防犯カメラシステムを構成した場合の例であり、防犯カメラ201と、デジタルレコーダ202と、テレビモニタ203と、送信機204とかなり、防犯カメラ201とデジタルレコーダ202との間が有線により接続されている。そして、図3に示した防犯カメラシステムの場合、防犯カメラ201は屋外に設置され、デジタルレコーダ202と、テレビモニタ203と、送信機204とは屋内に設置されるのが一般的である。
【0037】
そして、防犯カメラ201は、屋外設置用とされ、比較的に広い範囲の映像を連続して撮影可能な防犯カメラシステム専用のビデオカメラとして開発されたものである。防犯カメラ201の基本的な構成は一般のビデオカメラと同様に、レンズ部、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、当該撮像素子を通じて撮影して得たアナログ映像信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換器などを備えたものである。そして、防犯カメラ201は、目的とする範囲の映像を撮影することにより得た映像信号(映像情報)をデジタル映像信号に変換し、これを後段のデジタルレコーダ202に有線を通じて供給することができるものである。
【0038】
デジタルレコーダ202は、例えば少なくとも数百GB(ギガバイト)〜数TB(テラバイト)の記憶容量を有するハードディスクを記録媒体として用いたものである。そして、デジタルレコーダ202は、防犯カメラ201からのデジタル映像信号を受け付け、これをデータ圧縮してハードディスクに書き込む(記録する)書き込み部と、防犯カメラ201からのデジタル映像信号を後段のテレビモニタ203に出力する出力部とを備える。
【0039】
また、デジタルレコーダ202は、ハードディスクに記録したデジタル映像信号を読み出す読み出し部と、読み出したデジタル映像信号をデータ伸張して圧縮前のデジタル映像信号を復元する伸張部と、復元されたデジタル映像信号(再生映像信号)をテレビモニタなどに出力する再生映像信号の出力部を有する。
【0040】
さらに、デジタルレコーダ202は、例えばデータ圧縮した防犯カメラ201からのデジタル映像信号を送信機204に対して出力する出力部をも有している。ここでは、データ圧縮したデジタル映像信号を送信機204に出力するものとたが、データ圧縮せずに送信機204に出力するように構成することも可能である。
【0041】
テレビモニタ203は、例えば既存のテレビ受像機である。テレビモニタ203は、少なくとも、デジタル映像信号の入力を受け付ける外部入力端子と、当該外部入力端子からのデジタル映像信号から表示用の映像信号を形成する映像処理部と、当該映像処理部からの映像信号に応じた映像を表示画面に表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示素子とを備えたものである。
【0042】
送信機204は、デジタルレコーダ201から供給される防犯カメラ201により撮影された映像のデジタル映像信号の供給を受ける。そして、送信機204は、供給を受けたデジタル映像信号から通信ネットワーク100を介して映像管理サーバ1に送信する形式の送信用のデジタル映像信号を形成し、これを通信ネットワーク100を通じて映像管理サーバ1に送信する機能を有するものである。すなわち、送信機204は、防犯カメラ201による撮影された映像の映像信号を、通信ネットワーク100を通じて映像管理サーバ1に送信する機能を実現するものである。
【0043】
これにより、図3に示した防犯カメラシステムの場合には、防犯カメラ201で撮影して得た映像信号(映像情報)をデジタルレコーダ202のハードディスクに記録しながら、当該映像信号により形成される映像をテレビモニタ203で監視することができる。さらに、図3に示した防犯カメラシステムの場合には、防犯カメラ201で撮影した映像信号(映像情報)をリアルタイムにデジタルレコーダ202と送信機204とを通じて、通信ネットワーク100に送出し、映像管理サーバ1に送信することもできる。
【0044】
また、図4は無線接続により防犯カメラシステムを構成した場合の例である。図4に示す防犯カメラシステムにおいて、図3に示した防犯カメラシステムと同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの部分の説明は重複するので省略する。そして、図4に示すように、防犯カメラ201の後段には送信機201Sが接続され、デジタルレコーダ202の前段には受信機202Rが接続されている。この図4に示した防犯カメラシステムの場合、防犯カメラ201と送信機201Sは屋外に設置され、受信機202Rと、デジタルレコーダ202と、テレビモニタ203と、送信機204とは屋内に設置されるのが一般的である。
【0045】
図4において、送信機201Sは、防犯カメラ201からのデジタル映像信号を変調して無線送信用の信号を形成し、これを受信機202Rに対して無線送信する。受信機202Rは、無線機201Sから送信された無線送信用の信号を受信し、これを復調して送信されてきたデジタル映像信号を取り出すようにし、これをデジタルレコーダ202に供給する。
【0046】
これにより、図4に示した防犯カメラシステムの場合には、防犯カメラ201で撮影して得た映像信号(映像情報)を無線通信によりデジタルレコーダ202に供給し、これをデジタルレコーダ202のハードディスクに記録しながら、当該映像信号により形成される映像をテレビモニタ203で監視することができる。さらに、図4に示した防犯カメラシステムの場合には、防犯カメラ201で撮影した映像信号(映像情報)をリアルタイムにデジタルレコーダ202に無線送信し、デジタルレコーダ202と送信機204とを通じて、通信ネットワーク100に送出して、映像管理サーバ1に送信することもできる。
【0047】
なお、図3に示した構成の防犯カメラシステムは、主に店舗や家庭などにおいて多く用いられ、図4に示した構成の防犯カメラシステムは、主に街中防犯カメラシステムなどに多く用いられる。しかし、それらの違いは、防犯カメラ201とデジタルレコーダ202とが有線により接続されるか、無線により接続されるかの違いである。したがって、図3、図4に示した防犯カメラシステムは、いずれも種々の防犯カメラシステムに適用することが可能である。
【0048】
[映像管理サーバ1の構成例]
次に、図1に示した映像管理サーバ1の構成例について説明する。図5は、この実施の形態の映像管理サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。図5に示すように、映像管理サーバ1は、通信部101と、防犯カメラ映像蓄積部102と、登録画像マッチング部103と、事件等パターンマッチング部104と、通知処理部105と、追跡処理部106とを備えている。
【0049】
また、映像管理サーバ1は、直接の情報の受付端部として、入力操作部121と、入出力端子122と、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)123とを備えている。さらに、映像管理サーバ1は、種々のデータの格納部として、カメラ設置位置DB131、登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133、通知先DB134、追跡データファイル135を備えている。なお、ここで「DB」との文言はデータベース(Data Base)の略称として用いている。また、映像管理サーバ1は、制御部110を備えている。
【0050】
そして、映像管理サーバ1において、通信部101、防犯カメラ映像蓄積部102、登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104、通知処理部105、追跡処理部106が、重要な機能を実現するための主要部となる。これらの主要部の説明を簡単にするために、まず当該主要部の周辺部分について説明する。
【0051】
制御部110は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read only Memory)112、RAM(Random access Memory)113、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)114が、CPUバス115を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。そして、制御部110は、映像管理サーバ1の各部を制御することができるものである。
【0052】
ここで、CPU111は、制御の主体となるものであり、ROM112やEEPROM114に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部への制御信号を形成し、これを関係する各部に供給したり、また、各部からのデータを受信してこれを処理したりする。ROM112は、上述したように、CPU111によって実行される種々の処理プログラムや処理に必要となるデータを予め記憶したものである。
【0053】
RAM113は、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM114は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、機能追加のための新たなプログラム、各種設定パラメータなどのほか、例えば、自機に割り当てられたIPアドレスなど、種々の情報を記憶保持するものである。
【0054】
このように、制御部110はマイクロコンピュータの構成とされたものである。このため、詳しくは後述する図5において2重線で示した登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104、通知書リブ105、追跡処理部106の各部の機能を、制御部110で実行するプログラムにより、制御部110の機能として実現することもできる。
【0055】
そして、操作入力部121は、オペレータによる情報の手入力を可能にするものである。具体的に操作入力部107は、アルファベットキーなどの種々の操作キーを備えたキーボードといわゆるマウスなどのポインティングデバイスとの一方あるいは両方からなるものである。なお、ポインティングデバイスとして、タッチパネル、タブレットとタッチペンからなる入力装置などの種々のものを用いるようにすることももちろん可能である。
【0056】
入出力端子122は外部機器の接続を受け付け、当該外部機器からデータの入力や、自機から当該外部機器へのデータの出力を行えるようにする部分である。また、外部I/F123は、入出力端子122を通じて受け付けた外部機器からのデータを自機において処理可能な形式のデータに変換し、これを制御部110に供給する。また、外部I/F123は、制御部110からのデータを外部機器に出力する形式のデータに変換して、これを入出力端子に接続された外部機器に出力する。なお、入出力端子122、外部I/F123は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などの所定の規格に準拠したデジタルインターフェースなどとして実現される部分である。
【0057】
カメラ設置位置DB131、登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133、通知先DB134、追跡データファイル135のそれぞれは、例えば、記憶容量のある程度大きなハードディスクに形成されるものである。したがって、カメラ設置位置DB131、登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133、通知先DB134、追跡データファイル135のそれぞれは、ハードディスクドライブの構成として実現されるものである。
【0058】
なお、カメラ設置位置DB131、登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133、通知先DB134、追跡データファイル135のそれぞれは、図5に示したように、異なるハードディスクに形成してもよい。また、カメラ設置位置DB131、登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133、通知先DB134、追跡データファイル135のそれぞれを同じハードディスクに形成するようにすることもできる。また、記憶すべきデータ量の比較的に少ない通知先DB134、追跡データファイルなどは、例えば半導体メモリなどの比較的に記憶容量の小さな記録媒体に作成することも可能である。以下に、カメラ設置位置DB131、登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133、通知先DB134、追跡データファイル135のそれぞれで管理されるデータの具体例について説明する。
【0059】
[カメラ設置位置DB131のデータの例]
まず、カメラ設置位置DB131で管理されるデータの例について説明する。カメラ設置位置DB131は、当該映像管理サーバ1に映像情報を送信してくる防犯カメラシステムの防犯カメラの設置位置等に関する情報を管理するものである。図6は、この実施の形態のカメラ設置位置DB131において管理されるデータの例を説明するための図である。
【0060】
この実施の形態において、カメラ設置位置DB131では、映像管理サーバ1に映像情報を送信しくる防犯カメラシステムの防犯カメラ毎に、識別ID、種別、設置位置、撮影方向、近隣カメラ情報が管理される。「識別ID」は、各防犯カメラを一意に特定可能な情報である。「種別」は、当該防犯カメラの設置主体を示す情報である。具体的に「種別」は、自治会や商店会により設置された街中防犯カメラシステムの防犯カメラか、店舗に設置された店舗用防犯カメラシステムの防犯カメラか、個人宅に設置された家庭用部カメラシステムの防犯カメラかを区別する情報である。
【0061】
「設置位置」は、防犯カメラの設置位置を示す情報であり、例えば、経度情報、緯度情報からなる。この場合の経度情報、緯度情報は、例えば、地図データを提供するサイトなどにおいて、地図上で防犯カメラの設置位置を指定することにより取得できる。また、「設置位置」は、例えば、携帯型のGPS装置を用いて、設置場所において測定することにより求めるようにすることもできる。なお、経度情報、緯度情報に替えて、住所を用いることも可能であるが、経度情報、緯度情報の方がより正確である。「撮影方向」は、防犯カメラの撮影方向を示す情報である。また、「近隣カメラ」情報は、識別IDにより特定される防犯カメラの近隣の他の防犯カメラを特定する情報からなるものである。
【0062】
そして、図6に示したカメラ設置位置DBのデータの例においては、説明を簡単にするため、識別IDとして、図2において防犯カメラシステムに付した参照符号を用いるようにしている。そして、図6に示すように、識別IDが「4(1)」の防犯カメラは、図2を用いて説明したように、例えば自治会により設置された街中用防犯カメラシステム4の1つである。そして、識別IDが「4(1)」の防犯カメラは、図2に示したように、○○駅の北側の駅前に設置され、その撮影方向は北西方向であることが示されている。さらに、識別IDが「4(1)」の防犯カメラの近隣には、図2にも示したように、東側には防犯カメラ2(3)が、西側には防犯カメラ2(2)が、南側には駅を挟んで防犯カメラ4(5)が、北側には防犯カメラ4(2)が設置されていることが示されている。
【0063】
また、図6に示すように、識別IDが「3(1)」の防犯カメラは、図2を用いて説明したように、家庭に設置された家庭用防犯カメラシステム3の1つである。そして、識別IDが「3(1)」の防犯カメラは、図2に示したように、○○駅の北側の西側部分に設置され、その撮影方向は北東向であることが示されている。さらに、識別IDが「3(1)」の防犯カメラの近隣には、図2に示したように、東側には防犯カメラ2(5)が、西側には図2上では設置された防犯カメラは無く、南側には防犯カメラ2(1)が、北側には防犯カメラ4(4)が設置されていることが示されている。
【0064】
また、図6に示すように、識別IDが「2(1)」の防犯カメラは、図2を用いて説明したように、店舗に設置された店舗用防犯カメラシステム2の1つである。そして、識別IDが「2(1)」の防犯カメラは、図2に示したように、○○駅の北側の西側部分に設置され、その撮影方向は南東向であることが示されている。さらに、識別IDが「2(1)」の防犯カメラの近隣には、図2に示したように、東側には防犯カメラ2(2)が、西側には図2上では設置された防犯カメラは無く、南側には線路を挟んで防犯カメラ2(8)が、北側には防犯カメラ3(1)が設置されていることが示されている。
【0065】
[登録画像DB132のデータの例]
次に、登録画像DB132で管理されるデータの例について説明する。登録画像DB132は、監視対象の人物(検知対象者)の顔の画像データや、監視対象の動物(検知対象動物)の顔部分の画像データなど、基準映像情報として用いられる画像データの登録を受けて、これを記憶保持する。ここで、監視対象の人物は、例えば、痴呆老人、幼児や児童といった1人で出歩くと危険である人物や、指名手配犯などの人物である。そして、監視対象の痴呆老人、幼児や児童の顔の画像データは、これらの人物の家族などから提供されるものが用いられる。また、指名手配犯の顔の画像データは、例えば、警察などから提供されるものが用いられる。
【0066】
また、監視対象の動物は、例えば、逃げ出した犬や帰ってこなくなった猫などのユーザによって飼育されていたいわゆるペットなどである。そして、逃げ出した犬や帰ってこなくなった猫などのペットの例えば顔部分の画像データは、当該ペットの飼い主から提供されるものが用いられる。
【0067】
なお、検索対象の人物の顔の画像データや検索対象の動物の例えば顔部分の画像データは、相手先から通信ネットワーク100を通じて送信されてくるものを、後述する通信部101を通じて受信し、これを制御部110を通じて登録画像DB132に登録することができる。また、検索対象の人物の顔の画像データや検索対象の動物の例えば顔部分の画像データを、入出力端子122及び外部I/F132を通じて受け付けて、これを制御部110を通じて登録画像DB132に登録することもできる。
【0068】
図7は、この実施の形態の登録画像DB132において管理されるデータの例を説明するための図である。この実施の形態において、登録画像DB132では、上述したようにして提供される検索対象の人物や動物の顔などの画像データに対して、登録ID、種別、通知先、個別情報が付加されて管理される。なお、図7に示した例の場合には、後述する画像のマッチング処理の迅速化と精度の向上を目的として、顔正面の画像データ1と顔横の画像データ2との供給を受けて登録するようにしている。
【0069】
ただし、近年の画像分析技術は向上しており、例えば、顔正面の画像データから顔横の画像データを生成することができる場合などにおいては、顔横の画像データは必須のものではない。逆に、顔横の画像データがあれば顔正面の画像データを生成可能な場合には、顔正面の画像データと顔横の画像データとのいずれか一方が存在すればよい。
【0070】
そして、検索対象の人物や動物の顔などの画像データに対して付加された「登録ID」は、当該画像データを一意に特定することができるものである。また、「種別」は、例えば、老人、指名手配犯、幼児、児童、ペット(犬)などといった、検索対象がどのようなものであるかを示す情報である。また、「通知先」は、検索対象の人物や動物が防犯カメラにより捉えられた場合に、これを通知する相手先を特定する情報である。具体的に「通知先」は、図1にも示したように、契約者や所定の警備会社、あるいは警察などの通知先を特定する通知先の登録IDである。「個別情報」は、検索対象の人物の氏名、年齢、身長、体重、特徴、その他の情報や、検索対象の動物のペット名、種類、体長、体重、特徴などの情報である。
【0071】
そして、図7に示した例の場合には、登録IDが「0001」の登録画像として、検索対象となる人物は老人であり、通知先が契約者と警備会社であり、個別情報として、検索対象となる人物の氏名、年齢、身長、体重、特徴が付加された顔正面の画像データ(0001−1)と顔横の画像データ(0001−2)が登録されている。この他、登録画像DB132には、図7に示すように、指名手配犯、児童、ペット(犬)といった検索対象となる人物や動物についての画像データが、登録ID、通知先、個別情報が付加されて登録されている。
【0072】
[事件・事故パターン画像DBのデータの例]
次に、事件・事故画像パターンDB133で管理されるデータの例について説明する。事件・事故パターン画像DB133は、検知対象行為となっている事件や事故の発生を検知するための事件や事故の1以上のパターン画像データなど、基準映像情報とし用いられるパターン画像データを記憶保持する。
【0073】
ここで、検知対象行為である事件や事故は、障害事件、ひったくり事件、交通事故などである。そして、例えば、人を殴るといった障害事件の場合のパターン画像は、自己の腕を振り回すようにしている人(殴った人物(加害者))と殴られて倒れ掛かったあるいは倒れた人物(被害者)とが存在するものである。また、刃物で人に切りつけているといった傷害事件の場合のパターン画像は、刃物を持って腕を振り回すようにしている人物(加害者)と逃げ惑う人物(被害者)とが存在するものである。
【0074】
また、交通事故の場合のパターン画像は、例えば、1つ以上の自動車が変形して止まった状態が存在していたり、自動車の近くに倒れた人物や物(自転車やオートバイ)が存在していたりするものである。このように、検出対象となっている事件、事故の予め作成されたパターン画像が、事件・事故パターン画像DB133に記憶保持される。なお、このような、事件、事故のパターン画像は、例えば警察やその関係機関等において作成されたものが用いられる。
【0075】
なお、検知対象行為である事件や事故のパターン画像は、警察などの相手先から通信ネットワーク100を通じて送信されてくるものを、後述する通信部101を通じて受信し、これを制御部110を通じて事件・事故パターン画像DB133に登録することができる。また、検知対象行為である事件や自己のパターン画像を、入出力端子122及び外部I/F132を通じて受け付けて、これを制御部110を通じて事件・事故パターン画像DB133に登録することもできる。
【0076】
図8は、この実施の形態の事件・事故パターン画像DB133において管理されるデータの例を説明するための図である。この実施の形態において、事件・事故パターン画像DB133では、上述したようにして提供される検知対象行為のパターン画像データに対して、登録ID、種別、通知先、備考情報が付加されて管理される。
【0077】
そして、検知対象行為のパターン画像データに対して付加された「登録ID」は、当該パターン画像データを一意に特定することができるものである。なお、この例の場合、上述した登録画像DBで管理される老人などの監視対象の人物などの画像データと区別するため、パターン画像データの登録IDは、「J001」などと言うように、先頭にアルファベットの文字「J」が付加するようにされている。
【0078】
また、「種別」は、例えば、交通事故1、交通事故2、障害1、障害2といった検知対象行為がどのようなものであるかを示す情報である。また、「通知先」は、検知対象行為の発生が防犯カメラにより捉えられた場合に、これを通知する相手先を特定する情報である。具体的に「通知先」は、主には警察や消防の救急隊などの通知先を特定する通知先の登録IDである。
【0079】
備考情報は、その検知対象行為の内容をより詳しく示す情報等である。例えば、「種別」が交通事故1のパターン画像は、車対車の交通事故のパターン画像であることを示したり、「種別」が障害1のパターン画像は、殴打による障害事件であることを示したりするなどのことが行われる。その他にも、備考情報として種々の情報を付加することも可能である。
【0080】
そして、図8に示した例の場合には、登録IDが「J001」のパターン画像として、「種別」が交通事故1であり、「通知先」が警察であり、「備考情報」が車対車の交通事故のパターン画像であることを示す情報が付加されたパターン画像(001)が登録されている。この他、図8に示すように、事件・事故パターン画像DB133には、交通事故2、交通事故3、…、障害1、…等のパターン画像が登録されている。
【0081】
[通知先DB134のデータの例]
次に、通知先DB134で管理されるデータの例について説明する。通知先DB134は、監視対象の人物(検知対象者)や監視対象の動物(検知対象動物)が防犯カメラで検知された場合や、検知対象行為の発生が防犯カメラで検知された場合の通知先についての情報を管理するものである。図9は、この実施の形態の通知先DB134において管理されるデータの例を説明するための図である。
【0082】
この実施の形態において、通知先DB134では、監視対象の人物(検知対象者)や監視対象の動物(検知対象動物)の検知時や検知対象行為の発生の検知時において、検知したことを通知する相手先(通知先)毎に、登録ID、種別、名称、電話番号、Eメールアドレス(電子メールアドレス)が管理される。
【0083】
「登録ID」は、登録された通知先を一意に特定可能な情報である。「種別」は、当該通知先が、警察なのか、消防なのか、契約者なのか、警報先なのか、協力者なのかを示す情報である。また、「名称」は通知先の名称(名前)を示す情報である。また、「電話番号」は通知先の電話番号を示し、「Eメール」は、通知先の電子メールアドレスを示している。
【0084】
そして、図9に示した例の場合には、登録IDが「001」の通知先として、○○警察署の電話番号と電子メールアドレスが登録され、登録IDが「002」の通知先として○○消防署の電話番号と電子メールアドレスが登録されている。また、登録IDが「003」の通知先として、××警備会社の電話番号と電子メールアドレスが登録され、登録IDが「004」の通知先として△△警備会社の電話番号と電子メールアドレスが登録されている。
【0085】
さらに、図9に示した例の場合には、登録画像DB132に痴呆老人、幼児、児童など監視対象の人物や監視対象の動物などの画像データを登録するようにした複数の契約者の名称、電話番号、電子メールアドレスが登録されている。また、詳しくは後述もするように、事件、事故発生の通知を受けるようにしている1以上の警報先の名称、電話番号、電子メールアドレスや、例えば、監視対象の人物や監視対象の動物などの発見時において、検知対象の保護の依頼先となる1以上の協力者の名称、電話番号、電子メールアドレスも登録されている。
【0086】
この他にも、図9には図示しなかったが、図1に示したサイネージセンターの名称、電話番号、電子メールアドレスや、CATV会社の名称、電話番号、電子メールアドレスなど、通知先となる種々の相手先の名称、電話番号、電子メールアドレスが、通知先DB134に登録される。
【0087】
また、各通知先の住所を管理することにより、例えば、検知対象者を検知した防犯カメラに近い場所に住んでいる協力者を特定するなどのことができるようにされる。また、通知先が携帯電話端末である場合には、上述もしたように、携帯電話端末のGPS機能により取得される現在位置を示す情報の提供を映像管理サーバ1が受けて、通知先DB134で管理することにより、各通知先の現在位置を把握することができる。この場合、例えば、事件や事故の発生を検知した防犯カメラの近隣に位置する通知先に注意を促すメッセージを通知することができる。
【0088】
[追跡データファイル135のデータの例]
次に、追跡データファイル135で管理されるデータの例について説明する。追跡データファイル135には、詳しくは後述する登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104、追跡処理部106の機能により更新される情報を保持する。すなわち、追跡データファイル135には、上述した登録画像DBに登録された画像データとマッチングを取ることにより、監視対象の人物(検知対象者)や監視対象の動物(検知対象動物)が防犯カメラで検知された場合に、当該検知対象者や検知対象動物の移動軌跡データが更新される。
【0089】
また、追跡データファイル135には、詳しくは後述するが、上述した事件・事故パターン画像DBに登録されたパターン画像とマッチングを取ることにより、検知対象行為の発生が防犯カメラで検知された場合に、その検知対象行為の行為者として特定された人物の移動軌跡データが更新される。図10は、この実施の形態の追跡データファイル135において管理されるデータの例を説明するための図である。この実施の形態の追跡データファイル135では、図10に示すように、検知された登録画像データやパターン画像データの登録IDと、これらの画像データに対応する画像を検知した防犯カメラの識別IDと、その検出時刻とが移動軌跡データとして更新するようにされている。
【0090】
そして、図10に示した例の場合には、画像データの登録IDが「0002」である指名手配犯が、識別IDが「3(3)」の防犯カメラで「17時5分」に検知されたことが示されている。そして、順を追って、登録IDが「0002」の指名手配犯が、識別IDが「3(2)」の防犯カメラで「17時8分」に検知され、識別IDが「2(6)」の防犯カメラで「17時15分」に検知され、識別IDが「4(2)」の防犯カメラで「17時23分」に検知されたことが記録されている。これにより、当該指名手配犯の移動経路を把握して追跡することができる。
【0091】
また、図10に示した例の場合には、画像データの登録IDが「0001」である老人が、識別IDが「2(2)」の防犯カメラで「18時7分」に検知されたことが示されている。そして、順を追って、登録IDが「0001」の老人が、識別IDが「4(1)」の防犯カメラで「18時15分」に検知され、識別IDが「2(3)」の防犯カメラで「18時21分」に検知されたことが記録されている。これにより、当該老人の移動経路を把握して追跡することができる。
【0092】
また、図10に示した例の場合には、パターン画像の登録IDが「J001」である交通事故の発生が、識別ID「2(4)」の防犯カメラで「18時35分」に検知されたことが示されている。そして、当該交通事故を起こした行為者として特定された人物が、識別IDが「2(3)」の防犯カメラで「18時38分」に検知され、識別IDが「4(1)」の防犯カメラで「18時42分」に検知され、識別IDが「4(2)」の防犯カメラで「18時45分」に検知されたことが記録されている。これにより、当該交通事故の行為者の移動経路を把握して追跡することができる。なお、検出対象行為の発生を検知した場合には、まず、その映像情報中に存在する人物を行為者として特定してその行為者の画像データを保持し、これに基づいて、行為者の追跡が行うようにされる。したがって、行為者が複数になる場合もあり得る。
【0093】
[映像管理サーバ1の主要部分の処理]
次に、この実施の形態の映像管理サーバ1の主要部である通信部101、防犯カメラ映像蓄積部102、登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104、通知処理部105、追跡処理部106について具体的に説明する。
【0094】
まず、通信部101は、この映像管理サーバ1が通信ネットワーク100を通じて情報を送受する機能を実現する。すなわち、通信部101は、通信ネットワーク100を通じて自機宛に送信されてくる信号を受信し、これを自機において処理可能な形式の信号に変換して制御部110に供給する。また、通信部101は、制御部110を通じて供給される信号を、送信する形式の信号に変換し、これを通信ネットワーク100に送出する。これにより映像管理サーバ1の制御部110は、自機宛の情報を受信して処理することができるようにされる。また、映像管理サーバ1の制御部110は、所定のサーバ装置にアクセスして情報を参照したり、必要な情報を取得したり、あるいは、目的とする相手先に電話をかけたり、また、電子メールを送信したりするなどのこともできるようにされる。
【0095】
防犯カメラ映像蓄積部102は、通信ネットワーク100を通じて映像管理サーバ1に接続される種々の防犯カメラシステムからの映像情報を記憶保持するものである。すなわち、この実施の形態の映像管理サーバ1は、カメラ設置位置DB131に管理情報が登録されている防犯カメラを有する防犯カメラシステムから送信されてくる、撮影された映像の映像信号(映像情報)を、通信部101を通じて受信する。そして、通信部101で受信した防犯カメラシステムからの映像情報は、制御部110を通じて防犯カメラ映像蓄積部102に格納される。なお、防犯カメラ映像蓄積部102においては、各防犯カメラ毎に映像情報が格納するようにされる。
【0096】
登録画像マッチング部103は、上述したように防犯カメラ映像蓄積部102に格納された映像情報と、上述した登録画像DB132に登録されている検知対象者や検知対象動物の画像データ(基準映像情報)とをマッチング(照合)して画像認識処理を行い、映像情報中における検知対象者や検知対象動物を検知する。この実施の形態においては、種々の防犯カメラシステムからは例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)方式でデータ圧縮されて送信されてくるので、例えばIピクチャ(Intra picture)単位で登録された画像データとのマッチング処理を行う。なお、防犯カメラシステムから送信されてくる映像情報がデータ圧縮されていないものである場合には、例えば、数十フレームの映像データごとに1枚の割合など、適宜の割合で登録された画像データとの比較、マッチング処理を行うようにすればよい。
【0097】
また、この実施の形態においては、複数の防犯カメラシステムから映像情報が送信されてくるので、登録画像マッチング部103では、防犯カメラシステム毎に、映像情報と登録された画像データとのマッチング処理が行われる。なお、人物や動物などが登場せず、全く動きのない映像情報については、登録された画像データとのマッチングを行うようにしても余り意味がない。
【0098】
このため、登録画像マッチング部103においては、マッチング対象の映像情報(1フレーム分の映像情報)において、当該映像情報を分析することによりまず人物や動物などが存在するか否かを判断し、人物や動物などが存在する場合に、登録された画像データとのマッチング処理を行うようにすればよい。また、近隣の映像情報との比較処理により、新たな動きがあい場合においてはマッチング処理を行わないようにしてもよい。
【0099】
また、登録された画像データとのマッチング処理においては、近年のデジタルカメラにおいて、目的とする被写体人物の位置を特定する技術などを用いることが可能である。このように、登録画像マッチング部103で行われるマッチング処理は、画像認識のマッチング処理であるといえる。
【0100】
そして、登録画像マッチング部103において、検知対象者や検知対象動物が防犯カメラシステムからの映像情報中に検知できたときには、登録画像マッチング部103は、検知した検知対象者や検知対象動物の画像データに付加されている通知先の登録IDを取得して、これを通知処理部105に通知する。
【0101】
通知処理部105は、通知された通知先の登録IDに基づいて、図9を用いて説明した通知先DB134の該当データを参照し、通知先の電話番号や電子メールアドレスを取得し、これに基づき通知先に電話をかけたり、電子メールを送信したりする処理を行う。この場合、検知した防犯カメラの設置位置を示す情報に基づいて、例えば通信ネットワーク100上の地図データベースサーバから住所情報を得て、当該住所情報を通知することができる。
【0102】
そして、当該通知先に電話により通知する場合には、通知処理部105は、「○○市××町1丁目X番地で○○さんが見つかりました。」などといった音声メッセージを形成し、これを通信部101を通じて通知先の電話端末に送信する処理を行うことになる。この場合の「○○さん」といった名前の部分は、登録画像DB132の対応データに付加されて個別情報の氏名を用いればよい。
【0103】
また、電子メールで通知する場合にも、上述した通知メッセージと同じ内容の電子メールを作成し、これを通知先に送信すればよい。なお、電子メールには、検知対象者や検知対象動物が検知された映像を撮影した防犯カメラの設置位置を示す地図を含めるようにすることができる。当該地図は、例えば通信ネットワーク100上の地図データベースサーバから取得することができる。なお、地図DBを映像管理サーバ1内に予め設けておくようにすることもできる。
【0104】
また、登録画像DB132の該当画像データの通知先に協力者として登録されている相手先の登録IDが設定されている場合には、当該協力者に電話を掛けたり、電子メールを送信したりして、検知対象者や検知対象動物の保護を求めるようにする。この場合には、例えば、検知対象者の名前を一緒に通知したり、検知対象動物の画像データを当該協力者の携帯電話端末などに送信したりすることにより、保護の対象を確実に特定できるようにされる。
【0105】
また、登録画像マッチング部103は、上述したように、防犯カメラからの映像情報中に、検知対象者や検知対象動物を検知した場合に、当該検知対象者や検知対象動物の画像データの登録IDと、当該検知対象者や検知対象動物を今回検知した防犯カメラの識別IDと、検知時刻とを追跡処理部106に通知する。そして、当該検知対象者や当該検知対象動物の移動の追跡を行うことができるようにしている。
【0106】
追跡処理部106は、登録画像マッチング部103からの情報を、図10を用いて説明した追跡データファイル135に記録すると共に、この後、登録画像マッチング部103から提供される情報を、画像データのIDに基づき、同じ登録IDの画像データについての検知情報を図10を用いて説明したように関連付けて(1まとまりとなるように)追跡データファイル135に記録していく。
【0107】
なお、登録画像マッチング部103は、隣接する映像情報を比較することにより当該検知対象者や当該検知対象動物が移動したことを検知した場合には、当該防犯カメラの向きを考慮して、移動方向を特定する。そして、登録画像マッチング部103は、図6を用いて説明したカメラ設置位置DB131の今回、検知対象者や検知対象動物を検知した防犯カメラの近隣カメラ情報を参照し、移動方向の他の防犯カメラからの映像情報と当該検知対象者や検知対象動物の画像データ(追跡画像データ)とのマッチング処理を他の登録画像データに優先して行うようにする。
【0108】
これにより、検知した検知対象者や検知対象動物の移動の追跡を行うことができるようにされる。なお、検知対象者や検知対象動物の検知時刻は図5には図示しなかったが、映像管理サーバ1が備える時計回路から取得することができる。当該時計回路は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供するRTC(Real Time Clock)として実現される。
【0109】
また、事件等パターンマッチング部104は、上述したように防犯カメラ映像蓄積部102に格納された映像情報と、上述した事件・事故パターン画像DB133に登録されている検知対象行為のパターン画像データ(基準映像情報)とを比較してマッチングをとる処理を行い、映像情報中における検知対象行為の発生を検知する。簡単には、防犯カメラシステムからの映像情報についていわゆるエッジ検出処理を行い、含まれる画像部分の輪郭を特定し、この特定した輪郭部分の形状とパターン画像データ中の画像部分の輪郭部分の形状とを照合することにより、検知対象の行為が発生しているか否かが判定される。このように、事件等パターンマッチング部104は、似た画像パターンが存在するか否かを検知するものである。
【0110】
なお、上述したように、防犯カメラシステムからの映像情報は例えばMPEG方式でデータ圧縮されたものであるので、上述した登録画像マッチング部103の場合と同様に、例えばIピクチャ(Intra picture)単位で登録されたパターン画像データとのマッチング処理を行う。また、防犯カメラシステムからの映像情報がデータ圧縮されていないものである場合には、例えば、数十フレームの映像データごとに1枚の割合など、適宜の割合で登録された画像データとのマッチング処理を行うようにすればよい。
【0111】
また、この実施の形態においては、複数の防犯カメラシステムから映像情報が送信されてくるので、事件等パターンマッチング部104においても、防犯カメラシステム毎に、映像情報と登録されたパターン画像データとのマッチング処理が行われる。なお、この場合においても、人物や自動車などが登場せず、全く動きのない映像情報について、登録された画像データとのマッチングを行うようにしても余り意味がない。
【0112】
このため、事件等パターンマッチング部104においては、マッチング対象の映像情報(1フレーム分の映像情報)において、当該映像情報を分析することによりまず人物、自動車、オートバイ、自転車などが存在するか否かを判断し、これらが存在する場合に、登録されたパターン画像データとのマッチング処理を行うようにすればよい。また、近隣の映像情報との比較処理により、新たな動きがない場合においてはマッチング処理を行わないようにしてもよい。
【0113】
そして、事件等パターンマッチング部104において、検知対象行為の発生が防犯カメラシステムからの映像情報中に検知できたときには、事件等パターンマッチング部104は、検知した検知対象行為のパターン画像データに付加されている通知先の登録IDを取得して、これを通知処理部105に通知する。
【0114】
通知処理部105は、上述もしたように、通知された通知先の登録IDに基づいて、図9を用いて説明した通知先DB134の該当データを参照し、通知先の電話番号や電子メールアドレスを取得し、これに基づき通知先に電話をかけたり、電子メールを送信したりする処理を行う。
【0115】
そして、当該通知先に電話により通知する場合には、通知処理部105は、「○○市××町1丁目X番地で交通事故が発生した模様です。」、「○○市××町1丁目X番地で傷害事件が発生した模様です。」などといった音声メッセージを形成し、これを通信部101を通じて通知先の電話端末に送信する処理を行うことになる。この場合の「交通事故」や「傷害事件」といった文言は、事件・事故パターン画像DB133の対応データに付加されて「種別」の情報を用いればよい。
【0116】
また、電子メールで通知する場合にも、上述した通知メッセージと同じ内容の電子メールを作成し、これを通知先に送信すればよい。なお、電子メールには、上述もしたように、検知した検知対象行為の発生映像を撮影した防犯カメラの設置位置を示す地図を含めるようにすることができる。また、電子メールには、検知した検知対象行為の発生映像を含めるようにすることもできる。
【0117】
また、事件・事故パターン画像DB133の該当画像データの通知先に警報先として登録されている相手先の登録IDが設定されている場合には、当該警報先に電話を掛けたり、電子メールを送信したりして、事件・事故が発生したために注意を要することを通知することもできる。
【0118】
また、事件等パターンマッチング部104は、上述したように、防犯カメラからの映像情報中に、検知対象行為の発生を検知した場合には、当該検知対象行為の行為者の画像データを追跡画像データとして特定して抽出する。さらに、事件等パターンマッチング部104は、当該検知対象行為のパターン画像データの登録IDと、当該検知対象行為の発生を今回検知した防犯カメラの識別IDと、検知時刻とを追跡処理部106に通知する。そして、当該検知対象行為の行為者の移動の追跡を行うことができるようにしている。
【0119】
追跡処理部106は、登録画像マッチング部103からの情報を、図10を用いて説明した追跡データファイル135に記録すると共に、この後、事件等パターンマッチング部104から提供される情報を、パターン画像データの登録IDに基づき、同じ登録IDのパターン画像データについての検知情報を図10を用いて説明したように関連付けて(1まとまりとなるように)追跡データファイル135に記録していく。
【0120】
そして、事件等パターンマッチング部104は、検知対象行為のパターン画像とのマッチング処理がメインの処理であり、登録画像マッチング部103のように、画像認識を行うものではない。このため、事件等パターンマッチング部104は、抽出した行為者の画像データである追跡画像データと、当該追跡画像データに関する情報(例えば、検出した事件、事故のパターン画像の登録ID、当該事件や事故の発生を検知する元になった映像を撮影した防犯カメラの識別ID、当該防犯カメラの撮影方向など)を登録画像マッチング部103に提供する。これにより、登録画像マッチング部103において、事件等パターンマッチング部104からの追跡画像データと防犯カメラシステムから順次に送信されてくる映像情報とのマッチング処理(ここでは画像認識処理)を優先して行うようにし、追跡対象の追跡を適切に行うことができるようにしている。
【0121】
なお、この場合、登録画像マッチング部103においては、事件等パターンマッチング部104からの当該防犯カメラの識別IDから、図6を用いて説明したカメラ設置位置DB131の今回、検知対象行為の発生を検知した防犯カメラの近隣カメラ情報を参照し、当該近隣の他の防犯カメラからの映像情報と、上述したように事件等パターンマッチング部104において特定して抽出した行為者の画像データ(追跡画像データ)とのマッチング処理を他の登録画像データ等のマッチングに優先して行うようにすることができる。
【0122】
これにより、検知した検知対象行為の行為者の移動の追跡を行うことができる。なお、検知対象行為の発生の検知時刻は図5には図示しなかったが、映像管理サーバ1が備える時計回路から取得することができる。また、登録画像マッチング部103において、事件等パターンマッチング部104からの追跡画像データに対応する人物等の移動方向を、例えば処理対象の映像情報とその近隣の映像情報とを用いることにより検知できる場合には、その検知した移動方向をも考慮して、優先してマッチング処理を行う映像情報の提供先となる防犯カメラを特定するようにしてもよい。
【0123】
[映像管理サーバ1の処理のまとめ]
次に、上述した映像管理サーバ1において行われる処理について、図11、図12のフローチャートを用いて説明する。図11、図12は、映像管理サーバ1において行われる処理を説明するためのフローチャートである。この図11、図12に示す処理は、映像管理サーバ1に電源が投入されている間において、制御部110の制御に応じて、映像管理サーバ1の主要部である主に通信部101、登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104、通知処理部105、追跡処理部106により行われる処理である。
【0124】
まず、映像管理サーバ1は、自機のカメラ設置位置DB131に登録されている防犯カメラからの映像情報を、通信部101を通じて受信して、これを制御部110を通じて防犯カメラ映像蓄積部102に格納する(ステップS101)。そして、制御部110は、登録画像マッチング部103と事件等パターンマッチング部104を制御してそれぞれにおいてマッチング処理を実行させる(ステップS102)。
【0125】
すなわち、ステップS102では、登録画像マッチング部103において、最新に取得した映像情報(例えばIピクチャ)と、登録画像DB132に登録されている画像データとのマッチング処理が行われると共に、事件等パターンマッチング部104において、最新に取得した映像情報(例えばIピクチャ)と、事件・事故パターン画像DB133に登録されているパターン画像データとのマッチング処理が行われる。なお、後述もするように、追跡の対象となっている者等の追跡画像データが存在する場合には、これとのマッチングが登録画像マッチング部103において優先して行うようにされる。
【0126】
そして、登録画像マッチング部103では、画像データが登録画像DB132に登録されている人物や動物、あるいは、追跡画像データの人物や動物を検知したか否かを判別する(ステップS103)。ステップS103の判別処理において、検知対象の人物や動物を検知したと判別したときには、登録画像マッチング部103は、当該画像データに対して付加されている通知先の登録IDを通知処理部105に通知し、通知処理部105によって、当該通知先の登録IDにより特定される通知先に当該人物や動物の検知を通知する処理を行う(ステップS104)。
【0127】
なお、画像データに対して付加されている通知先には、複数の通知先が登録されている場合もあり、通知処理部105はそれら複数の通知先への通知処理を行う。また、通知処理部105は、通知された通知先の登録IDに基づいて、通知先DB134を参照し、通知先を特定するが、通知先が警察、消防、警備会社、契約者、警報先、協力者等の種別に応じて、内容の異なる通知メッセージを形成し、それぞれの通知先に送信することになる。
【0128】
具体的に、警察、消防、警備会社、契約者に対しては、検知対象者や検知対象動物が防犯カメラで検知されたことを示す通知がなされる。また、警報先に対しては、検知対象者や検知対象動物が防犯カメラで検知されたので注意を促すメッセージが通知される。例えば、検知対象者が指名手配犯などの場合に意味がある。また、協力先に対しては、検知対象者や検知対象動物が近隣の防犯カメラで検知されたので保護を要請するメッセージが通知される。上述もしたように、検知対象者や検知対象動物が痴呆老人や逃げ出したペットである場合に有効である。
【0129】
この後、登録画像マッチング処理部103は、追跡処理部106に対して、図10を用いて説明した必要なデータ(追跡データ)を提供し、追跡を行えるようにするデータの追跡データファイル135への更新を依頼する(ステップS105)。これにより、追跡処理部106は、図10を用いて説明したように、提供された情報を更新する処理を行なう。なお、この場合、検知された検知対象者や検知対象動物の画像データが追跡画像として特定され、ステップS102において優先してマッチングの対象となる。
【0130】
そして、ステップS105の処理の後、及び、ステップS103の判断処理において、画像データが登録されている人物や動物を検知していないと判別したときには、事件等パターンマッチング部104において、パターン画像データが事件・事故パターン画像DB133に登録されている検知対象行為である事件や事故の発生を検知したか否かを判別する(ステップS106)。ステップS106の判別処理において、パターン画像データが登録されている事件や事故の発生を検知していないと判別したときには、事件等パターンマッチング部104はこれを制御部110に通知し、制御部110は、各部を制御して、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0131】
また、ステップS106の判別処理において、パターン画像データが登録されている事件、事故の発生を検知したと判別したときには、事件等パターンマッチング部104は、図12のステップS107の処理に進み、当該パターン画像データに対して付加されている通知先の登録IDを通知処理部105に通知し、通知処理部105によって、当該通知先の登録IDにより特定される通知先に事件や事故の発生の検知を通知する処理を行う(ステップS107)。
【0132】
なお、パターン画像データに対して付加されている通知先には、複数の通知先が登録されている場合もある。このため、ステップS107の処理においても、通知処理部105はそれら複数の通知先への通知処理を行う。また、通知処理部105は、通知された通知先の登録IDに基づいて、通知先DB134を参照し、通知先を特定するが、通知先が警察、消防、警備会社、契約者、警報先、協力者等の種別に応じて、内容の異なる通知メッセージを形成し、それぞれの通知先に送信することになる。
【0133】
具体的に、警察、消防、警備会社、契約者に対しては、事件や事故の発生が防犯カメラで検知されたことを示す通知がなされる。また、警報先に対しては、事件や事故の発生が防犯カメラで検知されたので注意を促すメッセージが通知される。また、協力先に対しては、例えば、事故の発生が近隣の防犯カメラで検知されたのでけが人の保護を要請するメッセージなどが通知される。
【0134】
この後、事件等パターンマッチング部104は、上述もしたように、事件や事故などの検知対象行為の行為者を特定し、その行為者の画像データを追跡画像データとして抽出し、これを保持する(ステップS108)。そして、事件等パターンマッチング部104は、追跡処理部106に対して、図10を用いて説明した必要なデータ(追跡データ)を提供し、追跡を行えるようにするデータの追跡データファイル135への更新を依頼する(ステップS109)。これにより、追跡処理部106は、図10を用いて説明したように、提供された情報を更新する処理を行なう。
【0135】
この後、事件等パターンマッチング部104は、ステップS108において抽出した追跡画像データと、当該追跡画像データに関する情報(例えば、検出した事件、事故のパターン画像の登録ID、当該事件や事故の発生を検知する元になった映像を撮影した防犯カメラの識別IDなど)を登録画像マッチング部103に提供する(ステップS110)。これにより、当該追跡画像データと防犯カメラシステムから順次に送信されてくる映像情報との登録画像マッチング部103におけるマッチング処理を優先して行うようにし、追跡対象である特定した行為者の追跡を適切に行うことができるようにしている。そして、ステップS110の処理の後においては、ステップS101からの処理を繰り返し、新たに送信されてくる映像情報を処理対象とする処理が行なうようにされる。
【0136】
[実施の形態の効果]
このように、この実施の形態の防犯カメラシステムは、既に設置されている防犯カメラシステムを含め、所定のエリア内に設置された多数の防犯カメラシステムからの映像情報(監視対象の映像情報)を映像管理サーバ1で管理する。そして、映像管理サーバ1において、予め登録されている検知対象者や検知対象動物の画像データや検知対象行為のパターン画像データとのマッチング処理を行うことにより、検知対象者や検知対象動物を検知し、また、検知対象行為の発生を検知し、これを所定の通知先に通知することができる。
【0137】
すなわち、映像管理サーバ1は、検知対象者や検知対象動物の検知、あるいは、検知対象行為の発生の検知といった、所定の事象(事柄)の検知を複数の防犯カメラシステムからの映像情報と予め登録されている画像データやパターン画像データなどの基準映像情報とに基づいて行うことができるものである。
【0138】
したがって、検知対象者や検知対象動物の検知、あるいは、検知対象行為の発生の検知といった、所定の事象(事柄)の検知をリアルタイムに映像管理さばが行うことができるので、事件、事故の防止に貢献できる。
【0139】
さらに、検知した検知対象者や検知対象動物が移動した場合には、これを追跡することができ、また、検知した検知対象行為の行為者を特定し、この行為者が移動した場合には、これを追跡することができる。したがって、事件、事故が発生してしまった場合には、その解決にも貢献できる。このよに、検知対象者や検知対象動物、あるいは、検知対象行為の行為者を追跡できるので、それらが監視エリアから出てしまった場合を検知できるほか、当該監視エリアに指名手配犯などが入ってきた場合についても精度よく検知することができる。
【0140】
[変形例]
なお、上述した実施の形態では、登録画像マッチング部103で検知対象者や検知対象動物が検知された場合に、あるいは、事件等パターンマッチング部104で検知対象行為の発生が検知された場合に、所定の通知先に即座に通知するようにしたが、これに限るものではない。
【0141】
例えば、検知対象者や検知対象動物が検知された場合や検知対象行為の発生が検知された場合に、その検知された防犯カメラからの映像情報による映像を、例えば、外部I/F123、入出力端子122を通じて接続されるモニタ受像機を通じて担当者が確認する。そして、検知対象者や検知対象動物が映像情報中に確認できた場合や検知対象行為の確実に発生していることが確認できた場合に、入力操作部121を通じて所定の操作を行った場合に、通知処理部105による通知処理を開始させるようにすることもできる。この要にすれば、誤検出による弊害を防止することができる。
【0142】
また、検知対象者や検知対象動物が検知された場合や検知対象行為の発生が検知された場合に、その検知された防犯カメラからの映像情報による映像を、通知先に送信し、通知先において検知の真偽を確認できるようにしてもよい。
【0143】
また、上述した実施の形態においては、防犯カメラシステムの防犯カメラの撮影方向は、基本的に1方向に固定であるものとして説明したが、これに限るものではない。防犯カメラの撮影方向を遠隔操作可能なものもある。この場合には、映像管理サーバ1から通信部101、通信ネットワーク100を通じて制御信号を送信し、防犯カメラの撮影方向を変更するようにすることも可能である。
【0144】
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、映像管理サーバ1の登録画像DB132、事件・事故パターン画像DB133が記憶手段としての機能を実現している。また、映像管理サーバ1の登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104が、検知手段としての機能を実現し、主に通知処理部105が実行手段としての機能を実現している。また、映像管理サーバ1の追跡処理部106、追跡データファイル135、登録画像マッチング部103、事件等パターンマッチング部104が協働して追跡手段としての機能を実現している。
【0145】
また、上述した実施の形態においては、映像管理サーバ1と各種の防犯カメラシステムが通信ネットワーク100を通じて形成されたシステムが、この発明の一実施の形態が適用された防犯カメラシステムである。
【0146】
また、図11、図12を用いて説明した処理が、この発明の方法によって実現される処理である。また、図11、図12を用いて説明した処理を実行するプログラムが、この発明の一実施の形態が適用されたサーバ装置のコンピュータで実行されるプログラムである。
【0147】
また、上述した実施の形態の映像管理サーバ1を運営主体としては、種々の企業などのほか、その公共性に鑑み、運営主体となる専門のNPO(NonProfit Organization)法人を立ち上げてもよい。NPO法人が運営主体となる場合、監視エリアの地域の住民や自治会、商店会からの寄付を募ったり、あるいは、国、地方公共団体等の公的機関の支援を受けることによって、安価に信頼性の高い防犯カメラシステムを構築することができる。
【符号の説明】
【0148】
1…映像管理サーバ1、101…通信部、102…防犯カメラ映像蓄積部、103…登録画像マッチング部、104…事件等パターンマッチング部、105…通知処理部、106…追跡処理部、110…制御部、111…CPU、112…ROM、113…RAM、114…EEPROM、115…CPUバス、121…入力操作部、122…入出力端子、123…外部I/F、131…カメラ設置位置DB、132…登録画像DB、133…事件・事故パターン画像DB、134…通知先DB、135…追跡データファイル、2…店舗用防犯カメラシステム、3…家庭用防犯カメラシステム、4…街中防犯カメラシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の基準映像情報を記憶する記憶手段と、
街中に設置された1以上の防犯カメラ装置のそれぞれが周囲の映像を撮影することにより得た映像情報であって、所定の通信ネットワークを通じて送信されてくる当該映像情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受け付けた前記映像情報と、前記記憶手段に記憶されている1以上の前記基準映像情報のそれぞれとを照合し、前記防犯カメラ装置の設置位置付近における前記所定の事象の発生を検知する検知手段と、
前記検知手段により1以上の前記所定の事象のいずれかの発生が検知された場合に、検知した事象に応じて決められる処理を実行する実行手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記記憶手段に記憶される前記基準映像情報は、検知対象者の映像情報と、検知対象動物の映像情報と、検知対象行為のパターン映像情報とのうちいずれか1以上を含み、
前記検知手段は、受信手段を通じて受信した前記映像情報中において、前記基準映像情報に応じて、前記検知対象者と、前記検知対象動物と、前記検知対象行為の発生との1つ以上が検知可能なものであり、
前記実行手段は、前記検知手段で検知された事象に応じた相手先に、当該事象の発生を報知することを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバ装置であって、
前記検知手段により、受信した映像情報中に検知対象者と、検知対象動物と、検知対象行為の発生とのいずれかが検知された場合に、
前記検知対象者、あるいは、前記検知対象動物、あるいは前記映像情報中における前記検知対象行為の行為者について、近隣の防犯カメラ装置からの映像情報に基づいて、その移動の追跡を行う追跡手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のサーバ装置であって、
前記サーバ装置の実行手段の事象の発生の報知先は、予め登録されたユーザの通信端末装置、報知情報を出力する手段を備えた相手先であることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の基準映像情報を記憶手段に記憶しておき、
街中に設置された1以上の防犯カメラ装置のそれぞれから通信ネットワークを通じて送信されてくる周囲の映像を撮影することにより得た映像情報を、受信手段を通じて受信する受信工程と、
前記受信工程において受信した前記映像情報と、前記記憶手段に記憶されている1以上の前記基準映像情報のそれぞれとを検知手段が照合し、前記防犯カメラ装置の設置位置付近における前記所定の事象の発生を検知する検知工程と、
前記検知工程において1以上の前記所定の事象のいずれかの発生を検知した場合に、検知した事象に応じて決められる処理を実効手段が実行する実行工程と
を有することを特徴とする防犯カメラ映像利用方法。
【請求項6】
街中に設置される1以上の防犯カメラ装置とサーバ装置とが通信ネットワークを通じて接続されて形成される防犯カメラシステムの前記サーバ装置に搭載されたコンピュータで実行される防犯カメラ映像の利用プログラムであって、
1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の基準映像情報を記憶手段に記憶しておき、
1以上の前記防犯カメラ装置のそれぞれが周囲の映像を撮影することにより得た映像情報であって、前記通信ネットワークを通じて送信されてくる映像情報を受信手段を通じて受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記映像情報と、前記器記憶手段に予め記憶されている1以上の基準映像情報のそれぞれとを照合し、前記防犯カメラ装置の設置位置付近における前記所定の事象の発生を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにおいて1以上の前記所定の事象のいずれかの発生を検知した場合に、検知した事象に応じて決められる処理を実行する実行ステップと
を実行することを特徴とするコンピュータが読み取り可能な防犯カメラ映像利用プログラム。
【請求項7】
街中に設置される1以上の防犯カメラ装置とサーバ装置とが通信ネットワークを通じて接続されて形成される防犯カメラシステムであって、
1以上の前記防犯カメラ装置のそれぞれは、
周囲の映像を撮影して、これを映像情報として取り込む撮影手段と、
前記撮影手段で取り込まれた前記映像情報を、前記通信ネットワークを通じて前記サーバ装置に送信する送信手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
1以上の所定の事象の発生を検知するための1以上の基準映像情報を記憶する記憶手段と、
1以上の前記防犯カメラ装置のそれぞれからの前記映像情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受け付けた前記映像情報と、前記記憶手段に記憶されている1以上の前記基準映像情報のそれぞれとを比較し、前記防犯カメラ装置の設置位置付近における前記所定の事象の発生を検知する検知手段と、
前記検知手段により1以上の前記所定の事象のいずれかの発生が検知された場合に、検知した事象に応じて決められる処理を実行する実行手段と
を備えることを特徴とする防犯カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−215767(P2011−215767A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81887(P2010−81887)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】