説明

シャワーヘッド洗浄方法及び装置

【解決手段】 本発明の実施形態は、一般的には、チャンバ構成部品の外部位置洗浄のための方法及び装置に関する。一実施形態では、洗浄化学物質で構成部品を洗浄するためのシステムを提供する。システムは、洗浄プロセス中洗浄すべき1つ又はそれ以上の構成部品を保持するための洗浄槽組立体を含むウェットベンチ装置と、洗浄プロセス中1つ又はそれ以上の洗浄化学物質を洗浄槽組立体に供給するための、洗浄槽組立体と着脱可能に連結された着脱可能な洗浄カートを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的には、チャンバ部品の外部位置洗浄方法及び装置に関する。特に、本発明の実施形態は、一般的には、半導体プロセスチャンバで使用されるチャンバ部品の外部位置洗浄方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス集積回路の製造では半導体ウェハのプラズマ加工が、誘電体エッチング、金属エッチング、化学蒸着及び他のプロセスに使用される。半導体基板加工では、ますます小さい特徴寸法及び線幅に向かう傾向は、より高い精度で、マスクし、エッチングし、及び半導体基板上に材料を蒸着する能力を重視していた。
【0003】
典型的には、エッチングは、支持部材によって支持された基板上の低圧加工域に供給される作動ガスに、高周波(RF)電力を印加することによって実現される。その結果生じる電界が、作動ガスをプラズマに励起する反応域を加工域に作り出す。支持部材には、プラズマ内のイオンを、支持部材で支持されている基板に向かって引き付けるために、バイアスがかけられる。イオンは、基板に隣接するプラズマの境界層に向かって移行し、境界層を出るとすぐに加速する。加速イオンは、基板の表面から材料を除去し、又はエッチングするのに必要なエネルギーを生成する。加速イオンが、加工チャンバ内で他の部品をエッチングすることがあるから、プラズマを基板より上の加工域に閉じ込めることが重要である。エッチングガスは、典型的には、チャンバの頂近くに位置するシャワーヘッドから向けられる。一般的には、フッ素系化学物質がエッチングプロセス中使用される。
【0004】
しかし、フッ素の使用は、エッチングプロセスには有利である一方、反応して、シャワーヘッドの細いチャンネルや、エッチングチャンバに一般に使用される材料のアルミニウムで作られた他の表面に、堆積物を形成する。このようにして形成されたフッ化アルミニウム堆積物は、一般的に粗い表面形態を有する。フッ化アルミニウム堆積物の粗面は、しばしば、シャワーヘッドのチャンネルを塞ぐ。更に、ガスチャンネル内のフッ化アルミニウム堆積物は、微粒子汚染源となる。現在の洗浄方法は、シャワーヘッドの堆積物を十分に洗浄できないか、或いは著しいシステム休止時間を要し、更に全体の生産コストの増加を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、チャンバのメンテナンスや洗浄のための休止時間を著しく短くする、シャワーヘッドのようなチャンバ部品を洗浄するための改良装置及びプロセスの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、一般的には、チャンバ構成部品の外部位置洗浄方法及び装置に関する。一実施形態では、洗浄化学物質で構成部品を洗浄するためのシステムを提供する。システムは、洗浄プロセス中洗浄すべき1つ又はそれ以上の構成部品を保持するための洗浄槽組立体を含むウェットベンチ装置と、1つ又はそれ以上の洗浄化学物質を洗浄プロセス中洗浄槽組立体に供給するための、洗浄槽組立体と着脱可能に連結される着脱可能な洗浄カートと、を含む。
【0007】
他の実施形態では、洗浄化学物質で構成部品を洗浄するためのシステムを提供する。システムは、ウェットベンチ装置と着脱可能な洗浄カートとを含む。ウェットベンチ装置は、洗浄プロセス中洗浄すべき1つ又はそれ以上の構成部品を保持するための洗浄槽組立体を含み、洗浄槽組立体は、外側洗浄槽と、外側洗浄槽によって囲まれた第1洗浄槽と、外側洗浄槽によって囲まれた第2洗浄槽と、を含む。着脱可能な洗浄カートは、洗浄プロセス中1つ又はそれ以上の洗浄化学物質を洗浄槽組立体に供給するために、洗浄槽組立体と着脱可能に連結される。
【0008】
更に別の実施形態では、洗浄化学物質で構成部品を洗浄するための方法を提供する。方法は、洗浄プロセス中洗浄すべき構成部品を保持するための洗浄槽組立体を提供するステップと、洗浄プロセス中1つ又はそれ以上の化学物質を洗浄槽組立体に供給するための、洗浄槽と着脱可能に連結される着脱可能な洗浄カートを提供するステップを含む。洗浄槽組立体は、外側洗浄槽と、外側洗浄槽によって囲まれた第1洗浄槽と、外側洗浄槽によって囲まれた第2洗浄槽と、外側洗浄槽内で第1洗浄槽及び第2洗浄槽の下に設置されたトランスデューサと、を含む。着脱可能な洗浄カートは、洗浄プロセス中パージガスとして使用される窒素(N2)のような不活性ガスを供給するための不活性ガスモジュールと、洗浄プロセス中脱イオン水(DI)を供給するための脱イオン水供給モジュールと、第1洗浄液を第1洗浄槽に供給するための第1洗浄液供給タンクと、第2洗浄液を第2洗浄槽に供給するための第2洗浄液供給タンクを含む。第1構成部品が、第1洗浄槽に配置される。第2構成部品が、第2洗浄槽に配置される。第1洗浄液は、第1洗浄液供給タンクから第1洗浄槽に流入する。第2洗浄液は、第2洗浄液供給タンクから第2洗浄槽に流入する。トランスデューサは、オン及びオフを繰り返して第1洗浄液と第2洗浄液を攪拌して構成部品を洗浄する。脱イオン水は、脱イオン水供給モジュールから第1洗浄槽及び第2洗浄槽に流入し、第1洗浄液を第1洗浄槽からパージすると共に第2洗浄液を第2洗浄槽からパージする。
【0009】
上記で列挙した本発明の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡潔に要約した、本発明のより詳細な説明を、実施形態を参照することによって行い、そのいくつかを添付図面に例示する。しかしながら、添付図面は、単に本発明の典型的な実施形態を例示するに過ぎず、従って、本発明の範囲を限定すると見なされるものではないことに留意すべきである。本発明は、他の同等に効果的な実施形態を許容することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本明細書に記載した実施形態による洗浄システムの一実施形態の概略側面図である。
【図2】本明細書に記載した実施形態によるウェットベンチ装置の一実施形態の概略側面図である。
【図3】本明細書に記載した実施形態による着脱可能な洗浄カートの一実施形態の概略側面図である。
【図4】本明細書に記載した実施形態による洗浄システムの他の実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
明確にするために、同一の参照符号を、必要に応じて、各図間で共通する同一の要素を指示するために用いた。一実施形態の特徴を、更なる記述なしに他の実施形態に組み込んでもよいことは予想される。
【0012】
ここに記載した実施形態は、一般的には、チャンバ構成部品の外部位置洗浄方法及び装置に関する。
【0013】
図1は、ここに記載した実施形態による、チャンバ構成部品の外部位置洗浄のための洗浄システム100の概略側面図である。一実施形態では、1つ又はそれ以上のチャンバ構成部品が、半導体加工チャンバに使用される。一実施形態では、チャンバ構成部品は、1つ又はそれ以上のシャワーヘッドを含む。チャンバ構成部品は、炭化ケイ素フェイスプレートとアルミニウムベースを含むのがよい。一実施形態では、チャンバ構成部品は銅からなる。一実施形態では、洗浄システム100は、洗浄プロセス中洗浄すべき構成部品を保持するための洗浄槽組立体210を含むウェットベンチ装置200と、選択した洗浄化学物質を洗浄プロセス中洗浄槽組立体210に供給するための、ウェットベンチ装置と着脱可能に連結された着脱可能な洗浄カート300と、を含む。着脱可能な洗浄カート300は可動であり、洗浄プロセスの前、及び洗浄プロセス中、洗浄槽組立体210と着脱可能に連結されるのがよく、そして洗浄が行われていない場合には、洗浄槽組立体210から取り外されるのがよい。かくして、着脱可能な洗浄カート300を、異なる場所で異なる洗浄槽に使えるように使用してもよい。着脱可能な洗浄カート300とウェットベンチ装置200の両方を、図2及び図3を参照して更に詳細に説明する。
【0014】
図2は、ここに記載した実施形態によるウェットベンチ装置200の一実施形態の概略側面図である。ウェットベンチ装置200は、ウェットベンチ202と洗浄槽組立体210とを含む。ウェットベンチ202は、洗浄槽組立体210のための支持体を提供する。また、ウェットベンチ202は、洗浄槽組立体210から溢れるいかなる洗浄化学剤のための溢れ槽としても役立つ。また、ウェットベンチ202は、ガス及び/又は粒状物を発生させる洗浄プロセスに使用される場合、ヒュームフードとしても機能する。ウェットベンチ202と共に示しているが、ある実施形態では、洗浄槽組立体210は、例えば、ガスの蓄積について心配のない換気の良い場所では、ウェットベンチ202なしに孤立した方式で使用される。
【0015】
ウェットベンチ202は、洗浄槽組立体20を保持するためと、プロセス中洗浄槽組立体210から溢れる液体を捕らえるための、両方のための溢れ槽206を形成するフレーム204からなる。溢れ槽206は、洗浄中溢れ槽206によって捕らえられた液体を排出するための排液管路208と流体連結されている。
【0016】
洗浄槽組立体210は、洗浄すべき構成部品を保持する洗浄槽215を囲む外側洗浄槽214と、外側洗浄槽214内に配置されたトランスデューサ216と、洗浄槽215を支持するための、外側洗浄槽214内に配置された支持体218と、を含む。
【0017】
図2では円筒形として示すが、外側洗浄槽214及び/又は洗浄槽215は、例えば、正方形又は長方形など、いかなる形状であってもよいことを理解すべきである。一実施形態では、外側洗浄槽214及び/又は洗浄槽215は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような材料、又はプロセス及び洗浄化学物質と相容性の他のいかなる材料からなってもよい。
【0018】
トランスデューサ216は、超音波エネルギー又はメガソニックエネルギーの何れかを、構成部品220が洗浄槽215内に配置されている洗浄領域に供給するように構成される。トランスデューサ216は、例えば、圧電アクチュエータ、又は所望の振幅の超音波周波数若しくはメガソニック周波数で振動を発生させることのできる他の適当な機構を使用して、実行されてもよい。トランスデューサ216は、図2に示すように、単一のトランスデューサからなっていてもよく、あるいは、超音波エネルギーを、構成部品が配置される洗浄領域内に差し向けるように配向された複数のトランスデューサの配列からなっていてもよい。トランスデューサ216が、エネルギーを洗浄槽215内の洗浄液に差し向けると、洗浄液内に音響流、即ち微小泡の流れが引き起こされる。音響流は、処理されている構成部品220から汚染物質の除去を促進し、除去された粒子を洗浄液内で動かし続け、それ故に除去された粒子の構成部品表面への再付着を回避する。トランスデューサ216は、超音波エネルギー又はメガソニックエネルギーを、構成部品220の縁と垂直な方向に、又は垂直からある角度に向けるように構成されるのがよい。一実施形態では、トランスデューサ216は、長さが洗浄すべき構成部品220の直径とほぼ等しいように寸法決めされる。トランスデューサ216を、RF電源222に接続するのがよい。
【0019】
1つだけのトランスデューサ216を示しているが、ある実施形態にあっては、複数のトランスデューサを使用してもよい。例えば、追加のトランスデューサを、超音波エネルギー又はメガソニックエネルギーを側面から構成部品220に向けるために、構成部品220の側面に沿った垂直向きに配置してもよい。トランスデューサ216を、外側洗浄槽214の外側に配置してもよい。一実施形態では、トランスデューサ216を、超音波エネルギー又はメガソニックエネルギーを構成部品220に向けるために、溢れ槽206内に配置してもよい。トランスデューサ216を円筒形として示しているが、いかなる形状のトランスデューサをここに記載する実施形態に使用してもよいことを理解すべきである。
【0020】
また、ウェットベンチ装置200は、洗浄液をウェットベンチ装置に送出するための、及び、使用済みの洗浄液をリサイクル及び再利用のために着脱可能な洗浄カート300に戻すための、1つ又はそれ以上の流体送出ライン382a、384、386a、及び388aを含む。流体送出ラインは、例えば、「急速コネクト」390として示した連結取付具及び連結外し継ぎ手を使用して、着脱可能な洗浄カート300上の対応する流体送出ライン382b、386b、及び388bと結合するように構成される。
【0021】
図3は、ここに記載した実施形態による流体流れ回路の模式図を示す、着脱可能な洗浄カート300の概略側面図である。一実施形態では、着脱可能な洗浄カート300は、洗浄プロセスを制御するためのシステムコントローラ310と、洗浄液の供給及びリサイクルのための洗浄液供給モジュール320と、を含む。一実施形態では、システムコントローラ310は、着脱可能な洗浄カート300から分離している。
【0022】
一般的には、システムコントローラ310は、洗浄システム100で見られる1つ又はそれ以上のコントローラ部品を制御するために使用される。システムコントローラ310は、一般的には、洗浄システム100全体の制御及び自動化を容易にするように設計され、典型的には、中央演算処理装置(CPU)(図示せず)、メモリ(図示せず)、及び支援回路(またはI/O)(図示せず)を含む。CPUは、様々なシステム機能、基板の移動、チャンバプロセス、及び支援ハードウェア(例えば、センサ、ロボット、モータ、ランプなど)を制御するための工業用設定に使用されるどんな形態のコンピュータプロセッサの1つでもよく、プロセス(例えば基板支持体の温度、電源変数、チャンバプロセス時間、加工温度、I/O信号、トランスデューサ出力など)を監視する。メモリは、CPUに接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、又はあらゆる他の形態のデジタルストレージ、即ちローカルストレージ若しくはリモートストレージのような、容易に入手可能なメモリの1つ又はそれ以上であるのがよい。ソフトウェア命令とデータをコード化し、CPUに命令するためにメモリ内に記憶することができる。また、支援回路も、従来の方法でプロセッサを支援するために、CPUに接続される。支援回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステムなどを含むのがよい。システムコントローラ310によって読み取り可能なプログラム(又はコンピュータ命令)は、どのタスクが基板上で実行できるのかを決定する。好適には、プログラムは、洗浄システム100で実行される様々なプロセスレシピタスク及び様々なチャンバプロセスレシピ工程に沿って、監視、移動の実行及び制御、支援、及び/又は基板の位置決めに関係するタスクを実行するコードを含む、システムコントローラ310によって読み取り可能なソフトウェアである。一実施形態では、システムコントローラ310は、洗浄システム100内の1つ又はそれ以上のモジュールを局所的に制御するために使用される複数のプログラム可能ロジックコントローラ(PLC)も含む。
【0023】
一実施形態では、システムコントローラ310は、少なくとも、フォトマグネヘリックメータ312、着脱可能な洗浄カート内の漏れを検出するための漏れ警報器314、洗浄システム100全体を制御するためのプログラム可能ロジックコントローラ316、及びインライン熱コントローラ318の少なくとも1つから選択したコントローラ部品を含む。一実施形態では、漏れ警報器314は、カート300の底の液体の存在を検出するためのカートプレナムリークセンサと電子的に接続されている。一実施形態では、システムコントローラ310は、通信回線380を介してトランスデューサ216と接続され、トランスデューサ216に供給される電力を制御する。
【0024】
一実施形態では、洗浄液供給モジュール320は、洗浄プロセス中にパージガスとして使用される窒素(N2)のような不活性ガスを供給する不活性ガスモジュール324、洗浄プロセス中脱イオン水を供給するための脱イオン水供給モジュール326、及び、洗浄液を供給し且つ使用済み洗浄液をリサイクルするための洗浄液供給モジュール328を含む。
【0025】
不活性ガスモジュール324に関しては、上述したように、窒素の使用は例示であり、どんな適当なキャリアガス/パージガスをも本システムに対して使用することができる。一実施形態では、不活性ガスは、窒素ガス源330から主窒素ガス供給ライン332に供給される。一実施形態では、窒素ガス源は、窒素供給設備からなる。一実施形態では、窒素源は、着脱可能な洗浄カート300と連結した可搬源であるのがよい。一実施形態では、窒素供給ライン332は、手動遮断弁(図示せず)と、窒素ガスから汚染物質を濾過するためのフィルタ(図示せず)を含む。また、空気作動弁であるのがよい二方弁334が、窒素供給ライン332と連結される。二方弁が開いているとき、窒素ガスは、窒素ガス供給ライン324から外側洗浄槽214に流れる。窒素は、洗浄システム内のいくつかの異なる適用に使用される。例えば、第1窒素ライン336が、蒸気発生段階中加熱窒素を液体IPAの上に流すために使用される窒素を、第1IPA蒸気発生器に供給する。また、窒素供給ライン332は、簡潔にするために詳細に記載していない追加のバルブ、圧力レギュレータ、圧力トランスデューサ、及び圧力計を含むのがよい。一実施形態では、窒素ガスを、流体供給ライン384から外側洗浄槽214に供給する。
【0026】
脱イオン水供給モジュール326に関しては、脱イオン水の使用は例示であり、洗浄に適したいかなる液体をも本洗浄システム100に対して使用することができる。一実施形態では、脱イオン水は、脱イオン水供給モジュール326から主脱イオン水供給ライン339に供給される。一実施形態では、脱イオン水源は、脱イオン供給設備からなる。一実施形態では、脱イオン水源は、着脱可能な洗浄カート300と連結した可搬源であるのがよい。一実施形態では、脱イオン水供給ライン339は、手動遮断弁340、及び洗浄プロセスを支援するための所望の温度まで脱イオン水を加熱するためのヒータ342を含む。ヒータ342は、温度を制御するための熱コントローラ318と電子通信するのがよい。脱イオン水供給ライン339は、更に、外側洗浄槽214への脱イオン水の流れを制御するために使用される空気作動弁であるのがよい二方弁344を含む。二方弁344が開いている場合、脱イオン水は、外側洗浄槽214に流れる。二方弁344が閉じられ、二方弁334が開いている場合、窒素パージガスが外側洗浄槽214に流れる。また、脱イオン水供給ライン339は、簡潔にするために詳細に記載していない追加のバルブ、圧力レギュレータ、圧力トランスデューサ、及び圧力計を含むのがよい。一実施形態では、脱イオン水を、供給ライン386から外側洗浄槽214に流してもよい。
【0027】
洗浄液供給モジュール328は、洗浄液を貯蔵するための洗浄液供給タンク346、使用済み洗浄液を濾過するためのフィルタシステム348、及び、洗浄液を洗浄液供給モジュール328内に圧送し且つ洗浄液供給モジュール328から圧送するためのポンプシステム350を含む。洗浄液は、脱イオン水(DIW)、1つ又はそれ以上の溶媒、スタンダードクリーン1(SC1)のような洗浄化学物質、選択的堆積物除去試薬(SDR)、界面活性剤、酸、塩基、又は、汚染物質及び/又は粒子状物質を構成部品から除去するために有用ないかなる他の化学物質をも含むことができる。
【0028】
一実施形態では、洗浄液供給タンク346は、供給ライン360を介して洗浄液供給源358と連結される。一実施形態では、洗浄液供給ライン360は、洗浄液供給タンク346への洗浄液の流れを制御するための手動遮断弁362を含む。また、洗浄液供給ライン360は、簡潔にするために詳細に記載していない追加のバルブ、圧力レギュレータ、圧力トランスデューサ、及び圧力計を含むのがよい。一実施形態では、洗浄液供給タンク346は、供給ライン388を介して外側洗浄槽214と連結される。
【0029】
一実施形態では、洗浄液供給タンク346は、洗浄液供給タンク346から洗浄液を除去するための洗浄液供給排液管366と連結される。洗浄液供給排液管366内の洗浄液の流れは、手動遮断弁368によって制御される。
【0030】
また、洗浄液供給タンク346は、洗浄液供給タンク346内の処理液の液面を検出するための複数の液面センサを含むのがよい。一実施形態では、複数の液体センサは、液供給が低いときを示し且つポンプシステム350を停止させるべきことを示す第1液体センサ352を含むのがよい。洗浄液の液面が低いとき、第1液面センサ352は、より多くの洗浄液を洗浄液供給タンク346に供給するために洗浄液供給源358に信号を送るフィードバックループに使用される。第2液面センサ354が、洗浄液供給タンク346は満杯であり、ポンプ350を作動させるべきことを示す。第3液体センサ356が、洗浄液供給タンク346は過充填されたこと、及びポンプ350を停止させるべきことを示す。図2の実施形態では、1つの液面センサ234を示すが、いかなる数の液面センサ234が外側洗浄槽214に含まれてもよい。
【0031】
使用済み洗浄液は、外側洗浄槽214から第1フィルタシステム348に戻され、ここで粒状物及び他の汚染物質が使用済み洗浄液から除去されて、新たな洗浄液を生成する。一実施形態では、使用済み洗浄液は、溢れ槽から流体循環ライン382を経て戻されるのがよい。循環ライン382は、簡潔にするために詳細に記載していない追加のバルブ、圧力レギュレータ、圧力トランスデューサ、及び圧力計を含むのがよい。濾過の後、新たな洗浄液を、三方弁370を経て洗浄液供給タンク346に戻すのがよい。また、一実施形態では、三方弁370を、液体を洗浄システム中に再循環させて洗浄システム100をフラッシングするために、ポンプシステム350と関連して使用するのがよい。一実施形態では、空気作動弁であるのがよい二方弁372を、脱イオン水をポンプシステム350の入口から吸引するために使用するのがよい。一実施形態では、二方弁374を、脱イオン水を排液管に汲み出すために使用するのがよい。
【0032】
一実施形態では、構成部品220は、洗浄槽215内に配置された支持体218上に設置される。洗浄液を洗浄槽215内に流すことによって洗浄サイクルを開始する。洗浄液が洗浄槽215にある間、トランスデューサ216のオン/オフを繰り返し、洗浄液を攪拌する。脱イオン水をタンクに流入させることによって、洗浄液を洗浄槽215からパージするのがよい。また、窒素ガスを、パージプロセス中使用してもよい。一実施形態では、洗浄/パージサイクルを、16回繰り返し、又はシャワーヘッドが所望の清浄度を達成するまで繰り返す。
【0033】
図4は、本明細書に記載した実施形態による洗浄システム400の他の実施形態の概略側面図である。洗浄システム400は、異なる洗浄槽内の複数の構成部品を、同時に又は連続して洗浄するようになっていることを除き、洗浄システム100と同様である。また、洗浄システム400は、異なる洗浄化学物質を各洗浄槽に供給する能力を有する。一実施形態では、これは洗浄液供給モジュール320内の流体送出システムを再現することによって達成される。追加の洗浄液供給モジュールを、追加の洗浄槽に洗浄液を供給する洗浄液供給モジュールに追加するのがよい。追加のハードウェアを、図3に示したハードウェアと同じ構成でセットアップするのがよい。しかし、追加の洗浄液送出システムは、一般的には、洗浄液供給モジュール320の最初の流体送出システムと並列である。この構成では、異なる洗浄化学物質を、洗浄システム400の洗浄槽のいかなる1つ又はそれ以上にも供給することができる。
【0034】
一実施形態では、洗浄システム400は、ウェットベンチ装置200と同様のウェットベンチ装置404を含む。ウェットベンチ装置404は、洗浄プロセス中に洗浄すべき複数の構成部品420a、420bを保持するための洗浄槽組立体210と同様の洗浄槽組立体410と、選択した洗浄化学物質を洗浄プロセス中に洗浄槽組立体410に供給するための着脱可能な洗浄カート430を含む。着脱可能な洗浄カート430は可動であり、洗浄プロセスの前、及び洗浄プロセス中、洗浄槽組立体410と着脱可能に連結されるのがよく、洗浄が行われていないときには、洗浄槽組立体410から取り外されるのがよい。かくして、着脱可能な洗浄カート430を、別の場所で別の洗浄槽に使えるように使用することができる。
【0035】
洗浄槽組立体410は、外側洗浄槽214と同様の外側洗浄槽414、外側洗浄槽414内に配置されたトランスデューサ216と同様のトランスデューサ416、並びに、各洗浄槽415a、415b内で洗浄すべき第1構成部品420a及び第2構成部品420bを支持するための、外側洗浄槽414内に配置された第1洗浄層415a及び第2洗浄槽415bを含む。
【0036】
また、ウェットベンチ装置404は、洗浄液を洗浄槽組立体410に送出し、且つ、リサイクルや再利用のために使用済み洗浄液を着脱式洗浄カート400に戻すための、流体送出ライン440a、442a、444a、446a、及び448aを含む。流体送出ラインは、例えば、連結取付具及び連結外し継ぎ手を使用して、着脱可能な洗浄カート430上の対応する流体送出ライン440b、442b、444b、446b、及び448bと結合するように構成される。流体送出ライン440a、442a、444a、446a、448a、440b、442b、444b、446b、及び448bは、前述した流体送出ライン382a、384、386a、388a、382b、386b、及び388bと同様である。5つの流体送出ラインを示しているが、いかなる数の流体送出ラインをも使用することができる。
【0037】
着脱可能な洗浄カート430は、洗浄プロセスを制御するためのシステムコントローラ310と、洗浄槽組立体410へ洗浄液を供給するための及び洗浄槽組立体410から送出された使用済み洗浄液をリサイクルするための、洗浄液供給モジュール450と、を含む。洗浄液供給モジュール450は、洗浄液供給モジュール320と同様である。
【0038】
洗浄液供給モジュール450は、第1洗浄槽415aに洗浄液を供給するための第1洗浄液供給タンク452aと、第2洗浄槽415bに洗浄液を供給するための第2洗浄液供給タンク452bと、を含む。各洗浄液供給タンク452a、452bの洗浄液は、脱イオン水(DIW)、1つ又はそれ以上の溶媒、スタンダードクリーン1(SC-1)のような洗浄化学物質、選択的堆積物除去試薬(SDR)、界面活性剤、酸、塩基、又は汚染物質及び/又は粒子状物質を構成部品から除去するために有用な他のいかなる化学物質をも含むことができる。ある実施形態では、異なる洗浄液を同時に洗浄槽415a、415bの各々に供給するのがよい。ある実施形態では、同じ洗浄液を同時に洗浄槽415a、415bの各々に供給するのがよい。
【0039】
洗浄液供給モジュール450は、第1洗浄槽415a及び第2洗浄槽415bの各々に加熱した脱イオン水を供給するための加熱脱イオン水供給タンク456を含むのがよい。洗浄液供給モジュール450は、更に、システムコントローラ310によって監視される様々な洗浄液の流れを制御するためのポンプ460a、460b、460c、及び460dを更に含む。
【0040】
洗浄システム100及び洗浄システム400は、更に、簡潔にするために詳細に記載していない圧力レギュレータ、圧力トランスデューサ、圧力計、バルブ、ポンプ、及び電源ラインを含むのがよいことを理解すべきである。
【0041】
単一の洗浄プラットフォームのための複数の洗浄化学物質の能力は、半導体加工域及び清浄が望ましい他の加工域でいくつかの利点を有する。例えば、単一の着脱可能な洗浄カートを使用して同時に異なる化学物質を供給する能力は、異なる材料からなる構成部品の同時洗浄を可能にする。着脱可能な洗浄カートの可搬性は、単一の着脱可能な洗浄カートを使用して異なる場所の異なる洗浄槽に使える能力を提供する。複数の構成部品を処理する能力は、同時に、チャンバの休止時間の減少と対応して所有者のコストの減少につながる。
【0042】
上記は、本発明の実施形態に関するが、本発明の他の更なる実施形態を、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく案出することができる。本発明の範囲は次の特許請求の範囲によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄化学物質で構成部品を洗浄するためのシステムであって、
洗浄プロセス中洗浄すべき1つ又はそれ以上の構成部品を保持するための洗浄槽組立体を含むウェットベンチ装置と、
洗浄プロセス中1つ又はそれ以上の洗浄化学物質を洗浄槽組立体に供給するための、洗浄槽組立体と着脱可能に連結された着脱可能な洗浄カートと、を含むシステム。
【請求項2】
構成部品はシャワーヘッドである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ウェットベンチ装置は、
洗浄槽組立体を保持し、且つ、プロセス中洗浄槽組立体から溢れる液体を捕らえるための溢れ槽を形成するフレームと、
洗浄中に溢れ槽によって捕らえられた液体を除去するための排液管路とを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
洗浄槽組立体は、
洗浄すべき第1構成部品を支持するための第1洗浄槽と、
第1洗浄槽の下に配置されたトランスデューサと、
洗浄すべき構成部品を支持するための洗浄槽内に配置された支持体とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
洗浄槽組立体は、
洗浄すべき第2構成部品を支持するための第2洗浄槽を更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
着脱可能な洗浄カートは、
洗浄プロセスを制御するためのシステムコントローラと、
洗浄液を洗浄槽組立体に供給してリサイクルするための洗浄液供給モジュールとを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
洗浄液供給モジュールは、
洗浄プロセス中パージガスとして使用される不活性ガスを供給するための不活性ガスモジュールと、
洗浄工程中脱イオン(DI)水供給を供給するための脱イオン水供給モジュールと、
洗浄液を第1洗浄層に供給するための第1洗浄液供給タンクと、を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
洗浄液供給モジュールは、
洗浄液を第2洗浄槽に供給するための第2洗浄液供給タンクを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
フォトマグネヘリックメータ、着脱可能な洗浄カート内の漏れを検出するための漏れ警報器、洗浄システム全体を制御するためのプログラム可能ロジックコントローラ、及びインライン熱コントローラの少なくとも1つを含む請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
洗浄化学物質で構成部品を洗浄するための方法であって、
洗浄プロセス中洗浄すべき1つ又はそれ以上の構成部品を保持するための洗浄槽組立体を提供するステップを含み、
洗浄槽組立体は、
外側洗浄槽と、
外側洗浄槽によって囲まれる第1洗浄槽と、
外側洗浄槽によって囲まれる第2洗浄槽と、
外側洗浄槽内で第1洗浄槽及び第2洗浄槽の下に配置されるトランスデューサとを含み、
更に、洗浄プロセス中1つ又はそれ以上の洗浄化学物質を洗浄槽組立体に供給するための、着脱可能に洗浄槽と連結された着脱可能な洗浄カートを提供するステップを含み、
着脱可能な洗浄カートは、
パージガスとして使用される不活性ガスを洗浄プロセス中に供給するための不活性ガスモジュールと、
脱イオン水(DI)供給モジュールと、
第1洗浄槽のための第1洗浄液供給タンクと、
第2洗浄槽のための第2洗浄液供給タンクとを含み、
更に、第1構成部品を第1洗浄槽内に配置するステップと、
第2構成部品を第2洗浄槽内に配置するステップと、
第1洗浄液を第1洗浄液供給タンクから第1洗浄槽に流入させるステップと、
第2洗浄液を第2洗浄液供給タンクから第2洗浄槽に流入させるステップと、
トランスデューサのオン及びオフを繰り返して第1洗浄液及び第2洗浄液を攪拌するステップと、
脱イオン水を脱イオン水供給モジュールから第1洗浄槽及び第2洗浄槽内に流入させて、第1洗浄液を第1洗浄槽からパージすると共に第2洗浄液を第2洗浄槽からパージするステップと、を含む方法。
【請求項11】
第1洗浄液を第1洗浄液供給タンクから第1洗浄槽内に流入させることと、第2洗浄液を第2洗浄液供給タンクから第2洗浄槽に流入させることとが、同時に起こる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1洗浄液を第1洗浄液供給タンクから第1洗浄槽内に流入させることと、第2洗浄液を第2洗浄液供給タンクから第2洗浄槽に流入させることとが、順次起こる請求項10に記載の方法。
【請求項13】
第1洗浄液と第2洗浄液は異なる化学物質である請求項10に記載の方法。
【請求項14】
洗浄カートを洗浄槽から取り外すステップと、
洗浄カートを他の洗浄槽組立体に移動させるステップと、
洗浄カートを他の洗浄槽組立体に取り付けるステップとを更に含む請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−504694(P2013−504694A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529843(P2012−529843)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/048732
【国際公開番号】WO2011/034841
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512008602)クアンタム グローバル テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】