説明

スイッチング電源装置及びスイッチング制御システム

【課題】本発明は、複数の出力系統を設けた構成において、ある出力系統が短絡しても、それ以外の出力系統は正常な給電を行うことができる、スイッチング電源装置及びスイッチング制御システムの提供を目的とする。
【解決手段】レギュレータRGの出力電圧をトランスT1(T2)の一次側に接続されたスイッチング素子16(26)のオンオフ駆動により電圧変換して、インバータを構成するスイッチング素子を駆動する駆動回路の電源電圧として該駆動回路毎にそれぞれ供給される複数の直流電圧をトランスT1(T2)の二次側に出力するフォワード型コンバータFC1(FC2)と、トランスT1(T2)の一次側に流れる過電流を遮断する過電流保護素子E1(E2)とを備える、スイッチング電源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数のフォワード型コンバータを備える、スイッチング電源装置及びスイッチング制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一次側及び三次側の各コンバータのスイッチング素子の主電流が流れる部分にヒューズが挿入され、破壊回路に流れる異常電流によってヒューズが溶断されることにより、破壊回路を強制的に切り離せるようにする、スイッチング電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構成によって、一次側と三次側のコンバータのいずれかが短絡破壊されたとしても、正常な方のコンバータによって出力が低下することを抑えている。
【特許文献1】特開平9−261957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示のスイッチング電源装置に二次側回路を更に追加して、電源の出力系統を複数化しようとする場合、ある出力系統が短絡すると、それ以外の出力系統も正常な給電を行うことができなくなってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、複数の出力系統を設けた構成において、ある出力系統が短絡しても、それ以外の出力系統は正常な給電を行うことができる、スイッチング電源装置及びスイッチング制御システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るスイッチング電源装置は、
レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数のフォワード型コンバータを備える、スイッチング電源装置であって、
前記複数のフォワード型コンバータのそれぞれは、
前記レギュレータの出力電圧をトランスの一次側に接続された一次側スイッチ素子のスイッチングにより前記トランスの二次巻線から整流して得られる直流電圧を出力する複数の二次側回路と、
前記トランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段とを備える、ことを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するため、本発明に係るスイッチング電源装置は、
レギュレータと、
前記レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数のフォワード型コンバータとを備える、スイッチング電源装置であって、
前記複数のフォワード型コンバータのそれぞれは、
前記レギュレータの出力電圧をトランスの一次側に接続された一次側スイッチ素子のスイッチングにより前記トランスの二次巻線から整流して得られる直流電圧を出力する複数の二次側回路と、
前記トランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段とを備える、ことを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明に係るスイッチング制御システムは、
レギュレータと、
前記レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数の電圧変換回路とを備える、スイッチング制御システムであって、
前記複数の電圧変換回路のそれぞれは、
前記レギュレータの出力電圧をトランスの一次側に接続された一次側スイッチ素子のスイッチングにより前記トランスの二次巻線から整流して得られる複数の直流電圧を出力するフォワード型コンバータと、
前記複数の直流電圧のうちの一の直流電圧を電源電圧とする駆動回路と該駆動回路で駆動されるスイッチング素子とを前記複数の直流電圧のそれぞれに対して有し、該スイッチング素子によってインバータ回路が構成されているインバータと、
前記トランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段とを備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の出力系統を設けた構成において、ある出力系統が短絡しても、それ以外の出力系統は正常な給電を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態であるスイッチング制御システム100の回路構成を示した概略図である。スイッチング制御システム100は、低圧バッテリLBの低圧系バッテリ電圧を一定電圧にレギュレートするスイッチングレギュレータであるレギュレータRGと、一つのレギュレータRGから出力される共通の出力電圧を電圧変換できるように互いに並列接続された複数(図1の場合、2つ)の電圧変換回路とを備える、モータ駆動システムである。この2つの電圧変換回路のうち一方の第1の電圧変換回路は、レギュレータRGの出力電圧を電圧変換した直流電圧を出力する複数の出力系統を有するフォワードコンバータFC1と、フォワードコンバータFC1から出力される直流電圧を電源電圧とする駆動回路とその駆動回路で駆動されるスイッチング素子とを備えるインバータIV1と、フォワードコンバータFC1に内蔵されるトランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段である過電流保護素子E1とを備えている。もう一方の第2の電圧変換回路は、第1の電圧変換回路と同様の構成であって、フォワードコンバータFC2と、インバータIV2と、過電流保護素子E2とを備えている。
【0011】
フォワードコンバータFC1は、インバータ負荷の電源電圧を生成して出力するものであって、インバータIV1のインバータ回路を構成するスイッチング素子を駆動する駆動回路の電源電圧として該駆動回路毎にそれぞれ供給される複数の直流電圧を出力する。図1の場合、フォワードコンバータFC1は、6つの直流電圧を出力している。駆動回路31Aを動作させるための電源電圧は、フォワードコンバータFC1の出力端子13A,15Aから出力される直流電圧である。駆動回路32Aを動作させるための電源電圧は、フォワードコンバータFC1の出力端子13D,15Dから出力される直流電圧である。他の駆動回路33A〜36Aについても、図示の通り、フォワードコンバータFC1の互いに異なる出力端子から出力される直流電圧を電源電圧としている。
【0012】
各駆動回路31A〜36Aは、不図示のマイクロコンピュータ等の制御装置からの制御信号に従って、それぞれが駆動するスイッチング素子をスイッチングさせる駆動信号を出力し、スイッチング素子をオン/オフさせる。
【0013】
インバータIV1は、U相のスイッチング素子31B(32B)をスイッチングさせる信号を出力する駆動回路31A(32A)と、V相のスイッチング素子33B(34B)をスイッチングさせる信号を出力する駆動回路33A(34A)と、W相のスイッチング素子35B(36B)をスイッチングさせる信号を出力する駆動回路35A(36A)とを有する。インバータIN1は、三相(U,V,W)の駆動信号(例えば、PWM信号)に従い各スイッチング素子のオン/オフを制御することによって、平滑コンデンサC1によって平滑された高圧系バッテリHBから得られる直流電力を交流電力に変換してモータM1を駆動する。
【0014】
スイッチング素子31B,33B,35Bは、高圧バッテリHBの正極側に短絡するハイサイドのスイッチング素子であり、スイッチング素子32B,34B,36Bは、高圧バッテリHBの負極側に短絡するローサイドのスイッチング素子である。各スイッチング素子31B〜36Bには、ダイオードが並列に接続(又は、寄生)される。これらの各ダイオード31C〜36Cは、グランドから電源電圧への方向(エミッタからコレクタへの方向)を順方向とする(電源電圧側がカソードとなる)。すなわち、スイッチング素子のエミッタにアノードが接続され、スイッチング素子のコレクタにカソードが接続される。スイッチング素子31Bと32Bとの接続点は、モータM1のU相コイルに接続される。スイッチング素子33Bと34Bとの接続点は、モータM1のV相コイルに接続される。スイッチング素子35Bと36Bとの接続点は、モータM1のW相コイルに接続される。
【0015】
なお、フォワードコンバータFC2の構成要素やモータM2を駆動するインバータIV2の構成要素についても、フォワードコンバータFC1又はインバータIV1と同様であるため、それらの説明については省略する。
【0016】
また、インバータのブリッジ回路内のスイッチング素子は、IGBT,MOSFET,バイポーラトランジスタ等の半導体から構成されるスイッチング素子であればよい。より具体的には、スイッチング素子31B〜36B,41B〜46Bは、NチャンネルIGBT,NチャンネルMOSFET等の半導体から構成される電圧駆動型の素子であるとよい。ブリッジ回路以外の回路に構成される後述のスイッチング素子(スイッチ素子)についても同様である。
【0017】
図2は、レギュレータRGとフォワードコンバータFC1,FC2とを構成する、本発明の一実施形態であるスイッチング電源100Aの詳細な構成図である。レギュレータRGは、降圧動作を行うバックコンバータである。また、フォワードコンバータFC1,FC2は、それぞれ7つの出力を持ち、そのうち1つはレギュレータRGのフィードバック制御に用いているが、レギュレータRGの出力自体をフィードバックしてもよい。この場合、フォワードコンバータFC1,FC2の出力数は6つであればよい。
【0018】
スイッチング電源100Aは、レギュレータRGと、レギュレータRGの出力電圧をトランスT1の一次側に接続されたスイッチング素子16のスイッチングによりトランスT1の二次巻線14A〜14Fから整流して得られる6つの直流電圧をトランスT1の二次側に出力するフォワード型コンバータFC1と、トランスT1の一次巻線18Aに流れる過電流を遮断する過電流保護素子E1と、レギュレータRGの出力電圧をトランスT2の一次側に接続されたスイッチング素子26の駆動によりトランスT2の二次巻線24A〜24Fから整流して得られる6つの直流電圧をトランスT2の二次側に出力するフォワード型コンバータFC2と、トランスT2の一次巻線28Aに流れる過電流を遮断する過電流保護素子E2と、トランスT1,T2の二次側の出力から得られる信号を誤差増幅部によってフィードバックすることによりレギュレータRGの出力電圧がレギュレートされるようにレギュレータRG内のスイッチング素子92A,92Bをオンオフするスイッチング制御を行うスイッチング制御部である制御回路CCとを備える、スイッチングレギュレータである。
【0019】
スイッチング電源100Aは、レギュレータRGに入力される一の入力電圧Viに基づいて、互いに独立した複数の系統の出力電圧(図1の場合、負荷供給用の出力電圧Vo1a〜Vo6a,フィードバック制御のモニタ用の出力電圧Voma)を生成してフォワード型コンバータFC1から出力し、レギュレータRGに入力される一の入力電圧Viに基づいて、互いに独立した複数の系統の出力電圧(図1の場合、負荷供給用の出力電圧Vo1b〜Vo6b,フィードバック制御のモニタ用の出力電圧Vomb)を生成してフォワード型コンバータFC2から出力する、一入力多出力の電源装置である。そして、スイッチング電源100Aは、入力電圧Viの電圧変動や電気負荷の消費電流(負荷電流)の変動が生じても、複数の出力電圧のうち少なくとも一つの出力電圧(図1の場合、Voma,Vom2)をフィードバックする電圧フィードバックを行うことによって、一定の電圧(図1の場合、Vo1a〜Vo6a,Vo1b〜Vo6b)を電気負荷側に出力する。
【0020】
スイッチング電源100Aが車載される場合であれば、例えば、入力端子99Aから入力される入力電圧Viは、車載バッテリ又は車載バッテリに接続される電源回路などの基準電源によって供給され、生成される出力電圧Vo1a〜Vo6a,Vo1b〜Vo6bは、車載の各電気負荷に印加される。
【0021】
例えば、図1に示されるように、出力電圧Vo1a〜Vo1bはインバータやDC−DCコンバータ内のスイッチング素子の駆動回路の電源電圧として供給され、出力電圧Vo1b〜Vo6bは出力電圧Vo1a〜Vo1bの供給先と異なるインバータやDC−DCコンバータ内のスイッチング素子の駆動回路の電源電圧として供給される。
【0022】
図2において、レギュレータRGは、入力電圧Viを降圧して所定の目標電圧にレギュレートする。目標電圧は、入力電圧Viがとり得る電圧範囲の下限値より低い電圧に設定される。例えば、入力電圧Viの電圧範囲が6〜12Vの場合、目標電圧は4〜5.5Vに設定される。レギュレータRGは、ハイサイドのスイッチング素子92Aと、ローサイドのスイッチング素子92Bと、一端を素子92Aと素子92Bとの接続点に接続され他端をレギュレータRGの出力端子99Bに接続される誘導素子であるインダクタ93とから構成されるハーフブリッジ回路と、ハーフブリッジ回路の入力段に接続された平滑コンデンサ91と、ハーフブリッジ回路の出力段に接続された平滑コンデンサ94とを備える。レギュレータRGは、このハーフブリッジ回路のスイッチング動作によって、入力端子99Aから入力される入力電圧Viを所定の目標電圧になるように降圧した出力電圧を出力端子99Bから出力する。
【0023】
フォワード型コンバータFC1,FC2のそれぞれは、その入出力間に、一つのコアに複数の巻線を巻いたトランスを備える、絶縁型の一入力多出力のDC−DCコンバータである。コンバータFC1,FC2は、レギュレータRGの出力端子99Bから出力された出力電圧を一次側の入力電圧Vrとして、入力電圧Vrをそれぞれのトランスで交流の電圧に変換し、各トランスの二次側に設けられた整流平滑回路による変換動作により入力電圧Vrに対して昇圧又は降圧した直流の出力電圧を生成する。
【0024】
図2では、入力電圧Vrは、2つのトランスT1,T2でそれぞれ交流の電圧に変換され、トランスT1,T2のそれぞれの二次側に設けられた整流平滑回路により直流の14系統の出力電圧Vo1a〜Vo6a,Vo1b〜Vo6b,Voma,Vombが生成される。トランスT1の二次巻線14Aには出力ダイオード11Aと平滑コンデンサ12Aを構成する整流平滑回路が接続される。この整流平滑回路と二次巻線14Aで二次側回路が構成される。二次巻線14B〜14Fについても同様である。トランスT2の二次巻線24Aには出力ダイオード21Aと平滑コンデンサ22Aを構成する整流平滑回路が接続される。この整流平滑回路と二次巻線24Aで二次側回路が構成される。二次巻線24B〜24Fについても同様である。トランスT1の三次巻線18Cには出力ダイオード17Cと平滑コンデンサ19Cを構成する整流平滑回路が接続される。三次巻線28Cには出力ダイオード27Cと平滑コンデンサ19Cを構成する整流平滑回路が接続される。それらの整流平滑回路によって整流平滑された電圧が、それぞれ、入力電圧ViやVrと絶縁した出力電圧Vo1a〜Vo6a,Vo1b〜Vo6b,Voma,Vombに相当する。出力電圧Vo1a〜Vom6aは、出力端子13A〜13F,15A〜15Fを介して、第1の電力供給先であるインバータIV1に印加され、出力電圧Vo1b〜Vo6bは、出力端子23A〜23F,25A〜25Fを介して、第1の電力要求先と異なる第2の電力供給先であるインバータIV2に印加される。
【0025】
フォワードコンバータFC1内の複数の二次側回路のそれぞれは、インバータIV1内のインバータ回路を構成するスイッチング素子を駆動する駆動回路の電源電圧として、直流電圧を出力する。そして、複数の二次側回路のうちの一つの二次側回路は、他の二次側回路が直流電圧を供給する駆動回路と異なる駆動回路に、直流電圧を供給する。フォワードコンバータFC2についても同様である。駆動回路は、例えば、トランジスタや論理回路などの回路要素によって構成されているので、各二次側回路が出力する直流電圧は当該回路要素を動作させるための電源として供給される。
【0026】
出力電圧Vo1aは、入力電圧Vrと、トランスT1の一次巻線18Aと二次巻線14Aの巻線比とによって定まる。出力電圧Vo2aは、入力電圧Vrと、トランスT1の一次巻線18Aと二次巻線14Bの巻線比とによって定まる。他の出力電圧についても同様である。
【0027】
一つのスイッチング素子16のスイッチング動作によって、入力電圧Vrが印加される一次巻線18Aに脈動電圧を生成しているので、各出力電圧Vo1a〜Vo6aは、それぞれの巻線比に応じて定まる。したがって、各巻線比を同じに設定すれば、各出力電圧Vo1a〜Vo6aは同じ電圧値になるようにすることができ、各巻線比を互いに異なるように設定すれば、出力電圧Vo1a〜Vo6aが互いに異なる電圧値になるようにすることができる。スイッチング素子26のスイッチング動作とトランスT2の巻線比についても同様である。
【0028】
なお、スイッチング素子16,26は、その一端が各トランスの一次巻線の下流側に接続され且つその他端が接地側に接続されたものとなっている。スイッチング素子16,26がNチャンネルIGBTの場合、コレクタが一次巻線の下流側に接続され且つエミッタが接地側に接続される。
【0029】
また、トランスT1,T2の磁気飽和を防ぐため、リセットコイル18Bとフリーホイールダイオード(リセットダイオード)17BをトランスT1の一次側に結合し、リセットコイル28Bとフリーホイールダイオード27BをトランスT2の一次側に結合している。このように結合することによって、リセットトランスが不要となり、小型化が実現できる。
【0030】
制御回路CCは、中央演算処理装置等を有するマイクロコンピュータやアナログICによって、上述のハーフブリッジ回路やスイッチング素子16,26のスイッチングを制御する。
【0031】
制御回路CCは、フィードバックしたモニタ出力電圧Voma又はVombとその閾値電圧との誤差を所定の増幅度で増幅し、その増幅電圧と所定の目標設定電圧とを比較した差が零になるようにレギュレータRG内のスイッチング素子92A,92Bのスイッチング周波数を一定のままそのスイッチング周期のデューティ比を可変させるPWM制御を行うことにより、スイッチング素子92A,92B及びインダクタ93から構成されるハーフブリッジ回路を降圧動作させることによって、入力電圧Viを所定の目標電圧に降圧調整された出力電圧Vr(レギュレート電圧)をレギュレータRGの出力端子99Bから出力させる。制御回路CCは、出力電圧VomaとVombのいずれかが所定の異常値を示した場合には、フィードバック電圧として採用しなければよい。
【0032】
また、制御回路CCは、一次巻線18A(28A)に流す電流を制御するスイッチング素子16(26)を一定のデューティ比(例えば、50%)でオンオフさせることによって、入力電圧Vrに対して昇圧又は降圧した直流の出力電圧をコンバータFC1(FC2)の出力端子から出力させる。
【0033】
過電流保護素子E1(E2)は、スイッチング素子16(26)がオン状態で、トランスT1(T2)の一次側に流れる過電流を遮断するヒューズである。過電流保護素子E1(E2)は、トランスT1(T2)の二次側が短絡することによりトランスT1(T2)の一次側に流れる過電流が遮断されるように、一次側に流れる電流が一定値を超えると断線する。過電流保護素子E1(E2)は、スイッチング素子16(26)とグランドとの間に挿入されている。
【0034】
したがって、実施例1によれば、例えば、モータM1を駆動するインバータIV1内のあるスイッチング素子を駆動する駆動回路の電源電圧(すなわち、フォワードコンバータFC1のある出力電圧)が短絡すると、フォワードコンバータFC1の一次側のスイッチング素子16がオンすることにより、トランスT1を介して一次側に大きな電流を流すことになる。そのため、過電流保護素子E1は断線する。過電流保護素子E1が断線することにより、フォワードコンバータFC1は動作不能状態に陥る。過電流保護素子がないとフォワードコンバータFC1はレギュレータRGの出力電圧Vrを引き下げてしまうが、過電流保護が働くため、レギュレータRGは正常に一定の出力電圧Vrを出力する。制御回路CCは、フォワードコンバータFC1の出力系統が短絡することにより生じた出力電圧Vomaの異常値を検出した場合、出力電圧Vomaを電圧フィードバック制御に反映させずに、他のフォワードコンバータFC2の出力電圧Vombを電圧フィードバックすることにより、レギュレータRGを制御する。したがって、出力電圧の短絡が発生していないフォワードコンバータFC2は、出力電圧Vo1b〜Vo6bを正常に出力することが可能となり、モータM1の駆動が不能になっても、モータM2の正常な駆動を継続することができる。逆に、モータM2を駆動するインバータIV2内のあるスイッチング素子を駆動する駆動回路の電源電圧(すなわち、フォワードコンバータFC2のある出力電圧)が短絡した場合でも、同様である。
【0035】
また、過電流保護素子E1(E2)はフォワードコンバータ一つに対して一つあればよいため、また、制御回路CCは複数のフォワードコンバータに対して一つあればよいため、小型化やコスト削減が可能となる。
【実施例2】
【0036】
図3は、本発明の一実施形態であるスイッチング制御システム200の回路構成を示した概略図である。上述の実施例と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略する。なお、後述の他の実施例についても同様である。
【0037】
スイッチング制御システム200は、2つのモータ駆動と2つのDC−DCコンバータ駆動を4つのインバータ回路によって行っている。この場合でも、レギュレータRGは一つでよい。フォワードコンバータFC1〜FC4のそれぞれについて、各トランスの一次側に流れる過電流を遮断する過電流保護素子E1〜E4が設けられる。例えば、フォワードコンバータFC1とFC2の出力電力は、ハイブリッド車や電気自動車の走行用モータを駆動するインバータIV1,IV2のインバータ回路を構成しているスイッチング素子の駆動回路の電源として生成され、フォワードコンバータFC3とFC4の出力電力は、走行用モータを駆動する駆動電流の供給源を生成するためのDC−DCコンバータDC1,DC2のインバータ回路を構成しているスイッチング素子の駆動回路の電源として生成される。
【0038】
図3の場合、フォワードコンバータFC3は、2つの直流電圧を出力している。駆動回路51Aを動作させるための電源電圧は、フォワードコンバータFC3の出力端子33A,35Aから出力される直流電圧である。駆動回路52Aを動作させるための電源電圧は、フォワードコンバータFC3の出力端子33B,35Bから出力される直流電圧である。
【0039】
DC−DCコンバータDC1は、高圧バッテリHB側の高圧系電圧を昇圧変換してコンデンサC3に蓄積する。この昇圧電圧が、モータM2を駆動するインバータIV2内の、上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子とが接続された各相の直列回路の両端に印加される。DC−DCコンバータDC1は、例えば、ダイオード51Cをコレクタ−エミッタ間に並列に備える上アーム側のスイッチング素子51Bと、ダイオード52Cをコレクタ−エミッタ間に並列に備える下アーム側のスイッチング素子52Eと、一端を素子51Bと素子52Bとの接続点に接続され他端を高圧バッテリHVの出力電位に接続されるリアクトルL1と、素子51Bを駆動する駆動回路51Aと、素子52Bを駆動する駆動回路52Aとを備える。
【0040】
なお、フォワードコンバータFC3,FC4の構成要素やインバータIV1からモータM1に供給される駆動電流を生成するために必要な電源電圧を生成するためのDC−DCコンバータDC2の構成要素についても、上述の構成と同様であるため、それらの説明については省略する。
【0041】
したがって、実施例2によれば、例えば、フォワードコンバータFC3のいずれかの出力段が短絡すると、フォワードコンバータFC3内のトランスの一次側をスイッチング制御するスイッチング素子がオンすることにより、過電流保護素子E3のみ断線し、フォワードコンバータFC3は動作不能状態に陥る。したがって、出力電圧の短絡が発生していないフォワードコンバータFC1,FC2,FC4のそれぞれは、出力電圧を正常に出力することが可能となり、コンバータDC1が動作不能によりモータM2の駆動が不能になっても、コンバータDC2とモータM1の正常な駆動を継続することができる。
【実施例3】
【0042】
図4は、本発明の一実施形態であるスイッチング制御システム300の回路構成を示した概略図である。
【0043】
スイッチング制御システム300は、フォワードコンバータFC1に内蔵されるトランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段として電流検出部D1を備え、フォワードコンバータFC2に内蔵されるトランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段として電流検出部D2とを備える。
【0044】
電流検出部D1(D2)は、フォワードコンバータFC1(FC2)の一次側に流れるスイッチング電流の検出値が一定値を超えた場合に、当該スイッチング電流を生成する一次側のスイッチング素子をオフする、電流検出回路である。これにより、フォワードコンバータFC1(FC2)の出力段が短絡すると、一次側のスイッチング素子をオフさせることができるので、レギュレータRGの出力電圧の低下を防ぐことができる。
【0045】
電流検出部D1(D2)は、スイッチング電流の電流値に応じた値と所定の閾値との比較結果に基づいて、一次側に過電流が流れた又は流れるおそれがあるとして、当該スイッチング電流を制御する一次側のスイッチング素子をオフする。例えば、スイッチング電流の電流値に比例する値が所定の閾値を超えた場合に一次側スイッチング素子をオフしたり、一次側スイッチング素子の所定回数分のスイッチング周期の平均電流値に比例する値が所定の閾値を超えた場合に一次側スイッチング素子をオフしたりする。
【0046】
さらに、電流検出部D1(D2)は、フォワードコンバータFC1(FC2)のトランスの一次側に所定の電流値が流れることにより過電流を遮断した一定の遮断状態を保持し、遮断状態を保持した後、過電流が流れない状態で遮断状態を解除する構成を有する。この構成によって、フォワードコンバータの出力系統の短絡状態が元の正常な状態に復帰すれば、一次側の遮断状態が解除されるため、出力系統が短絡状態から復帰したフォワードコンバータも正常な出力電圧を出力できるように回復させることができる。例えば、電流検出部D1(D2)は、遮断状態の解除条件の成立により遮断状態の解除信号が入力されると、一次側スイッチング素子のオフ固定を解除することにより当該遮断状態を解除する、ラッチ回路やタイマー回路などを備えるとよい。
【0047】
図5は、レギュレータRGとフォワードコンバータFC1,FC2とを構成する、本発明の実施形態であるスイッチング電源300Aの詳細な構成図である。
【0048】
電流検出部D1(D2)は、トランスT1(T2)の一次側に流れる電流を検出する検出抵抗71(81)と、検出抵抗71(81)の両端電圧を検出する電圧検出部72(82)とを備える。電圧検出部72(82)は、検出抵抗71(81)で過電流が検出されていない状態でHレベルをAND回路A1(A2)に出力保持している。検出抵抗71(81)で過電流が検出されていない状態で過電流が検出されると、電圧検出部72(82)は、LレベルをAND回路A1(A2)に出力した状態を保持する。制御回路CCは、一次側スイッチ素子16(26)をオンさせるときHレベルを出力し、一次側スイッチ素子16(26)をオフさせるときLレベルを出力する。
【0049】
したがって、電流検出部D1(D2)は過電流が検出されていない状態で一定値以上の過電流を検出するとLレベルを出力したまま保持するので、AND回路A1(A2)は、一次側スイッチ素子16(26)を強制的にオフ状態に保つことができる。これにより、トランスT1(T2)の二次側が短絡することによりトランスT1(T2)の一次側に流れる過電流を遮断させることができる。
【0050】
また、電圧検出部72(82)は、一次側に過電流が流れない状態であることを検知した制御回路CCからの指示信号が入力されることにより、Lレベルに保持した出力をHレベルに切り替える。Lレベルに保持した出力をHレベルに切り替えることによって、一次側スイッチ素子16(26)のオフを強制している状態を解除することができる。
【0051】
例えば、制御回路CCは、フォワードコンバータFC1(FC2)の二次側回路の出力電圧が短絡状態から正常電圧になったことを検知した場合にHレベルを出力するように電圧検出部72(82)に指示する指示信号を出力すればよい。もちろん、フォワードコンバータFC1(FC2)の二次側回路の出力電圧は、電圧検出部72(82)自身が検知してもよい。したがって、フォワードコンバータFC1(FC2)の出力段が短絡状態から復帰すると、フォワードコンバータFC1(FC2)も正常動作に復帰させることができる。
【0052】
また、電圧検出部72(82)は、一次側の遮断状態が一次側スイッチ素子16(26)のオフにより一定時間経過した後でなければ当該遮断状態を解除しないようにしてもよい。これによって、フォワードコンバータFC1(FC2)の出力段が短絡/非短絡を繰り返している場合であっても(例えば、ハーフショートしている場合であっても)、一次側スイッチ素子16(26)がオンオフのチャタリングを起こすことを防ぐことができる。
【0053】
また、一次側スイッチ素子16(26)が過電流の検出により一旦オフした後は電流が流れなくなることにより、電流の検出値は過電流を検出するための閾値を下回る。そのため、当該閾値を下回ることに従って一次側スイッチ素子16(26)をすぐにオンさせる構成にすると、一次側スイッチ素子16(26)はチャタリングすることになる。そこで、電圧検出部72(82)は、一次側の遮断状態を一次側スイッチ素子16(26)のオフにより一定時間経過した後でなければ当該遮断状態を解除しないようにすることで、そのようなチャタリングを防ぐことができる。
【0054】
さらに、電圧検出部72(82)は、フォワードコンバータFC1(FC2)から出力される直流電圧の急変時にトランスT1(T2)の一次側に過電流が流れることを遮断するようにLレベルをAND回路A1(A2)に出力してもよい。フォワードコンバータFC1(FC2)から出力される直流電圧の急変時、例えば、レギュレータRGやフォワードコンバータFC1(FC2)の立ち上がりや立ち下がりのタイミングや、フォワードコンバータFC1(FC2)の二次側回路に接続される負荷の負荷電流が急変するタイミングで、トランスT1(T2)の一次側に過電流が流れる場合がある。特に、レギュレータRGの出力電圧が定常電圧になっている状態で、フォワードコンバータFC1(FC2)の出力電圧が低下することにより、電圧フィードバック制御によって、トランスT1(T2)の二次側に接続されるコンデンサにトランスT1(T2)を介して急速充電が行われてしまうと、トランスT1(T2)の一次側に過電流が流れる場合がある。そこで、フォワードコンバータFC1(FC2)から出力される直流電圧の急変時にLレベルをAND回路A1(A2)に出力することで、トランスT1(T2)の一次側に過電流が流れることを防止できる。また、実施例1で示した過電流保護素子E1(E2)が過電流により誤って断線することによって、フォワードコンバータFC1(FC2)が動作できなくなることを防ぐことができる。
【0055】
図6は、レギュレータRGとフォワードコンバータFC1,FC2とを構成する、本発明の実施形態であるスイッチング電源300Bの詳細な構成図である。スイッチング電源300Bでは、温度検知機能付自己オフ型スイッチ素子であるセンスMOSFET73(83)と抵抗素子71(81)を一次側の電流検出に用い、抵抗素子71(81)の両端電圧を検出することで、過電流保護を行う。
【0056】
電圧検出部72(82)は、検出抵抗71(81)で過電流が検出されていない状態でHレベルをAND回路A1(A2)に出力保持している。一次側に過電流が流れるとセンスMOSFET73(83)は自己オフするので、検出抵抗71(81)に電流が流れなくなる。過電流が検出されていない状態で検出抵抗71(81)によって一定時間電流が流れない状態が検出されると、電圧検出部72(82)は、LレベルをAND回路A1(A2)に出力した状態を保持する。制御回路CCは、一次側スイッチ素子16(26)をオンさせるときHレベルを出力し、一次側スイッチ素子16(26)をオフさせるときLレベルを出力する。
【0057】
したがって、スイッチング電源300Bも図5のスイッチング電源300Aと同様の効果が得られる。例えば、電流検出部D1(D2)は過電流が検出されていない状態で一定値以上の過電流を検出するとLレベルを出力したまま保持するので、AND回路A1(A2)は、一次側スイッチ素子16(26)を強制的にオフ状態に保つことができる。これにより、トランスT1(T2)の二次側が短絡することによりトランスT1(T2)の一次側に流れる過電流を遮断させることができる。
【実施例4】
【0058】
上述の実施例では、複数のフォワードコンバータが、レギュレータRGの負荷として接続されているため、レギュレータRGの出力に、フォワードコンバータFCの1次側スイッチ素子のスイッチング周期に同期して、リップル電流が生じやすい。複数のフォワードコンバータを同時に駆動するとリップルが同期し大きくなる。そのため、このリップル電流が大きくなると、フォワードコンバータFCの二次側の出力ダイオードの通電時間に応じてフォワードコンバータFCの出力電圧が変化してしまう。例えば、フォワードコンバータFCの出力段に接続される負荷の負荷電流が小さいときには二次側の出力ダイオードの通電時間が短いため、出力電圧が高い期間のみ通電しているが、負荷電流が大きくなるにつれて出力ダイオードの通電時間が長くなり、出力電圧が低い期間でも通電することになる。これが、フォワードコンバータFCの負荷電流変動特性を悪化させる。
【0059】
そこで、フォワードコンバータFCの一次側スイッチ素子のスイッチングタイミングをフォワードコンバータFC毎にずらす制御を行う。例えば、複数のフォワードコンバータFCをn個のグループに分け、一次側スイッチ素子のスイッチングの制御周期に対して2×π/n毎にスイッチングタイミングを振り分ける。例えば、制御周期が100kHzである場合に2つのフォワードコンバータを接続しているとすると、第1のフォワードコンバータに対して第2のフォワードコンバータのスイッチングタイミングを5μs遅らせることになる。これにより、レギュレータRGの電圧リップルが低減され、フォワードコンバータFCの負荷変動特性を改善させることができる。
【0060】
図7は、図2のスイッチング電源100Aのスイッチ素子16とスイッチ素子26のゲート駆動波形を示す図である。図7の場合、スイッチ素子16のスイッチング波形とスイッチ素子26のスイッチング波形がπだけずれている。図8は、レギュレータRGの出力電圧Vrのリップル特性を示す。図8によれば、図7のスイッチング波形で位相をずらした本発明の場合の出力電圧Vrは、位相をずらさずに同時にスイッチ素子16と26を駆動する従来回路の場合の出力電圧Vrに比べ、リップルの大きさが小さくなっている。図9は、フォワードコンバータFCの負荷変動特性を示す。図9によれば、図7のスイッチング波形で位相をずらした本発明の場合、位相をずらさずに同時にスイッチ素子16と26を駆動する従来回路の場合に比べ、フォワードコンバータFCの二次側に接続される負荷の負荷電流が変動しても、フォワードコンバータFCの二次側に出力される直流電圧を変動し難くすることができる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0062】
例えば、上述の実施例では、レギュレータRGは降圧レギュレータであったが、昇圧レギュレータでも昇降圧自在のレギュレータであってもよい。また、フォワードコンバータの構成についても、フォワード型のトランスを構成していれば、他の形態であってもよい。例えば、フォワードコンバータFCのそれぞれは、レギュレータRGの出力電圧を一次側の入力電圧Vrとして、入力電圧Vrを複数のトランスのそれぞれで交流の電圧に変換し、各トランスの二次側に設けられた整流平滑回路による変換動作により入力電圧Vrに対して昇圧又は降圧した直流の出力電圧を生成するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態であるスイッチング制御システム100の回路構成を示した概略図である。
【図2】本発明の実施形態であるスイッチング電源100Aの詳細な構成図である。
【図3】本発明の一実施形態であるスイッチング制御システム200の回路構成を示した概略図である。
【図4】本発明の一実施形態であるスイッチング制御システム300の回路構成を示した概略図である。
【図5】本発明の実施形態であるスイッチング電源300Aの詳細な構成図である。
【図6】本発明の実施形態であるスイッチング電源300Bの詳細な構成図である。
【図7】図2のスイッチング電源100Aのスイッチ素子16とスイッチ素子26のゲート駆動波形を示す図である。
【図8】レギュレータRGの出力電圧Vrのリップル特性を示す。
【図9】フォワードコンバータFCの負荷変動特性を示す。
【符号の説明】
【0064】
LB 低圧系電源
HB 高圧系電源
RG レギュレータ
FC1〜FC4 フォワードコンバータ
IV1,IV2 インバータ
DC1,DC2 DC−DCコンバータ
M1,M2 モータ
E1〜E4 過電流保護素子
D1,D2 電流検出部
CC 制御回路
31A〜36A,41A〜46A 駆動回路
31B〜36B,41B〜46B,51B,52B,61B,62B,
16,26 スイッチング素子(スイッチ素子)
73,83 センスMOSFET
100,200,300 スイッチング制御システム
100A、300A,300B スイッチング電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数のフォワード型コンバータを備える、スイッチング電源装置であって、
前記複数のフォワード型コンバータのそれぞれは、
前記レギュレータの出力電圧をトランスの一次側に接続された一次側スイッチ素子のスイッチングにより前記トランスの二次巻線から整流して得られる直流電圧を出力する複数の二次側回路と、
前記トランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段とを備える、スイッチング電源装置。
【請求項2】
前記複数の二次側回路は、前記直流電圧を、インバータ回路を構成するスイッチング素子を駆動する駆動回路の電源電圧として出力する、請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記遮断手段は、前記過電流の遮断状態を保持した後に、前記過電流が流れない状態で前記遮断状態を解除する、請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記遮断手段は、前記一次側スイッチ素子のオンオフにより前記遮断状態の保持と解除を切り替える、請求項3に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記遮断手段は、前記遮断状態を前記一次側スイッチ素子のオフにより一定時間保持した後に前記遮断状態を解除する、請求項4に記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
前記遮断手段は、前記直流電圧の急変時に前記遮断状態に移行させる、請求項3から5のいずれか一項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項7】
前記フォワード型コンバータ毎の前記一次側スイッチ素子のオンオフタイミングが互いに異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項8】
レギュレータと、
前記レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数のフォワード型コンバータとを備える、スイッチング電源装置であって、
前記複数のフォワード型コンバータのそれぞれは、
前記レギュレータの出力電圧をトランスの一次側に接続された一次側スイッチ素子のスイッチングにより前記トランスの二次巻線から整流して得られる直流電圧を出力する複数の二次側回路と、
前記トランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段とを備える、スイッチング電源装置。
【請求項9】
レギュレータと、
前記レギュレータから出力される共通の出力電圧を電圧変換する複数の電圧変換回路とを備える、スイッチング制御システムであって、
前記複数の電圧変換回路のそれぞれは、
前記レギュレータの出力電圧をトランスの一次側に接続された一次側スイッチ素子のスイッチングにより前記トランスの二次巻線から整流して得られる複数の直流電圧を出力するフォワード型コンバータと、
前記複数の直流電圧のうちの一の直流電圧を電源電圧とする駆動回路と該駆動回路で駆動されるスイッチング素子とを前記複数の直流電圧のそれぞれに対して有し、該スイッチング素子によってインバータ回路が構成されているインバータと、
前記トランスの一次側に流れる過電流を遮断する遮断手段とを備える、スイッチング制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−98829(P2010−98829A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266714(P2008−266714)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】