説明

スキンホワイトニング(色を薄くする)化合物系列

本発明は、チロシナーゼの阻害剤、このようなチロシナーゼ阻害剤を含む医薬用、およびそれを製造するおよび使用する方法に関する。具体的には、本発明に包含されるのは、チロシナーゼの活性を阻害する且つメラニンの過剰生産を阻害する少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を含んで成る組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、新規なチロシナーゼ阻害剤、このような阻害剤を含む医薬用、皮膚科用および化粧品用組成物、およびそれらの製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ヒト皮膚の色は、皮膚の基底層にある特殊な細胞メラノサイトによって生産されるメラニンの量およびタイプによって決定される。最も広く分布している天然色素の一つであるメラニンは、複雑な構造と、褐色〜黒色(ユーメラニン)および赤色〜黄色(フェオメラニン)の色を有する均一ポリフェノール様バイオポリマーである(Prota G. Med. Res. Rev. 1988, 8, 525-556)。ヒト皮膚の場合、メラニンは、紫外線に対する保護剤として作用すると考えられる。そのようなものとして、赤道近くに生活している人々は、赤道から離れた地域に生活している人々よりも暗色の皮膚を有する。
【0003】
[0003]メラニンの過剰生産は、異なるタイプの異常な皮膚の色、毛の色、および肝斑、老人斑および化学線損傷部位などの他の皮膚障害を引き起こすことがありうる。メラニンは、アミノ酸チロシンで出発する一連の酸化的反応および重合工程によって生産される。III型銅含有酵素であるチロシナーゼ(EC1.14.18.1)は、メラニンの生産における二つの初期反応、すなわち、(1)モノフェノラーゼ作用によるL−チロシンの ortho−ヒドロキシ化、および(2)ジフェノラーゼ作用による3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)→o−ドーパキノンの酸化を触媒する。後者の酸化工程は、前者よりもはるかに速いので、チロシンのヒドロキシ化は、メラニン生合成における律速段階であると考えられる。引き続きのo−ドーパキノンのメラニンへの変換は、一連の酵素的および非酵素的重合反応によって行われる。ドーパクロムタウトメラーゼ(Tyrosinase Related Protein 2;TRP−2)およびジヒドロキシインドールカルボン酸(DICHA)オキシダーゼ(Tyrosinase Related Protein 1;TRP−1)などの他の酵素も、メラニンの生合成過程に関与している。チロシナーゼは、メラニン生産過程において不可欠な役割を果たしているので、この酵素の阻害剤は、しばしば、皮膚を白くする物質(スキンホワイトニング(skin-whitening)剤)として用いられる(Mosher et al. In Dermatology in General Medicine, 1983, 205-125, Fitzpatrick T. B., Eisen A. Z., Wolff K., Freedberg I. M., Austern K. F. (eds), Mc-Graw-Hill, New York.; Maeda K., Fukuda M, In vitro effectiveness of several whitening cosmetic components in human melanocytes. J. Soc. Cosmet, Chem. 1991, 42, 361-368)。
【0004】
[0004]多数の天然に存在する、並びに合成のチロシナーゼ阻害剤が、参考文献に記載されてきた。大部分の化合物は、フェノール構造を含む。これら化合物は、金属キレート化剤として作用する(Kojima et al. Biol. Pharma. Bull. 1995, 18, 1076-1078.; Seo et al. J. Agric. Food Chem. 2003, 51, 2837-2853.; Fu et al. J. Agric. Food Chem. 2003, 53, 7408-7414.; Kim, Y.-J.; Uyama, H. Cell. Mol. Life Sci. 2005, 62, 1707-1723 およびそこに引用された参考文献)。ヒドロキノン(2〜4%)を含有する医薬製品は、中程度に有効であるが、ヒドロキノンは、メラノサイトに細胞傷害性であり且つ哺乳動物細胞に潜在的に突然変異原性であると考えられる。残念ながら、いくつかの活性とされている物質、例えば、アルブトリン(arbutrin)およびコウジ酸は、特に、慎重に管理された研究で批評的に分析された場合に、臨床的に有効であるとはまだ示されていない(Frenk, E. In Melasma: New Approaches to Treatment; Martin Dunitz: London, 1995, 9-15.; Dooley, T. P. In: Drug Discovery Approaches for Developing Cosmeceuticals: Advanced Skin Care and Cosmetic Products; Hori, W., Ed.; International business communications: Southborough, MA, 1997; Dooley, T. P. J. Dermatol. Treat. 1997, 7, 188-200)。
【0005】
[0005]多くのチロシナーゼ阻害剤は、レスベラトロール(resveratrol)またはその誘導体のような、フラボノイドのまたは trans−スチルベンのレゾルシノール誘導体またはポリフェノール誘導体である。これらタイプの化合物は、金属イオンと一緒に強いキレートを形成することが知られている。(Seo et al. J. Agric. Food Chem. 2003, 51, 2837-2853.; Fu et al. J. Agric. Food Chem. 2003, 53, 7408-7414.; Kim, Y.-J.; Uyama, H. Cell. Mol. Life Sci. 2005, 62, 1707-1723 およびそこに引用された参考文献; Lerch, K. In: Metal ions in Biological Systems, pp.143-186; Sigel, H., Ed.; Marcel Dekker, NY, 1981.; Wilcox et al. In: Substrate analogue binding to the coupled binuclear copper active site in tyrosinase, J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 4015-4027.; Sanchez-Ferrer et al. Biochim. Biophys. Acta 1995, 1247, 1-11.; Decker et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39. 1591-1595.; Decker et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45. 4546-4550.; Briganti et al. Pigment Cell Res. 2003, 16, 101-110)。レゾルシノール残基に基づくいくつかの化合物は、チロシナーゼ阻害剤として用いられてきた。JP2008−056651A;JP2000−095721A;US2005/0267047A1;US5,339,785;US6,093,836;US2008/0032938A1;US7,282,592B2;US7,339,076B1;US5,880,314;US6,852,310B2;US6,077,503;US2005/0271608A1;US5,523,421;US2007/0098655A1;US2005/0267047A1を参照されたい。
【0006】
[0006]多くの化合物は、強力なチロシナーゼ阻害剤として報告されてきたが、それらの中で、スキンホワイトナー(skin-whitener)性質を示したものは極めて少ない。更に、これら物質の大部分は、毒性であることが判明したかまたは、ヒトに副作用があることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】JP2008−056651A
【特許文献2】JP2000−095721A
【特許文献3】US2005/0267047A1
【特許文献4】US5,339,785
【特許文献5】US6,093,836
【特許文献6】US2008/0032938A1
【特許文献7】US7,282,592B2
【特許文献8】US7,339,076B1
【特許文献9】US5,880,314
【特許文献10】US6,852,310B2
【特許文献11】US6,077,503
【特許文献12】US2005/0271608A1
【特許文献13】US5,523,421
【特許文献14】US2007/0098655A1
【特許文献15】US2005/0267047A1
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Prota G. Med. Res. Rev. 1988, 8, 525-556
【非特許文献2】Mosher et al. In Dermatology in General Medicine, 1983, 205-125, Fitzpatrick T. B., Eisen A. Z., Wolff K., Freedberg I. M., Austern K. F. (eds), Mc-Graw-Hill, New York.
【非特許文献3】Maeda K., Fukuda M, In vitro effectiveness of several whitening cosmetic components in human melanocytes. J. Soc. Cosmet, Chem. 1991, 42, 361-368
【非特許文献4】Kojima et al. Biol. Pharma. Bull. 1995, 18, 1076-1078.
【非特許文献5】Seo et al. J. Agric. Food Chem. 2003, 51, 2837-2853.
【非特許文献6】Fu et al. J. Agric. Food Chem. 2003, 53, 7408-7414.
【非特許文献7】Kim, Y.-J.; Uyama, H. Cell. Mol. Life Sci. 2005, 62, 1707-1723
【非特許文献8】Frenk, E. In Melasma: New Approaches to Treatment; Martin Dunitz: London, 1995, 9-15.
【非特許文献9】Dooley, T. P. In: Drug Discovery Approaches for Developing Cosmeceuticals: Advanced Skin Care and Cosmetic Products; Hori, W., Ed.; International business communications: Southborough, MA, 1997
【非特許文献10】Dooley, T. P. J. Dermatol. Treat. 1997, 7, 188-200
【非特許文献11】Lerch, K. In: Metal ions in Biological Systems, pp.143-186
【非特許文献12】Sigel, H., Ed.; Marcel Dekker, NY, 1981.
【非特許文献13】Wilcox et al. In: Substrate analogue binding to the coupled binuclear copper active site in tyrosinase, J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 4015-4027.
【非特許文献14】Sanchez-Ferrer et al. Biochim. Biophys. Acta 1995, 1247, 1-11.
【非特許文献15】Decker et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39. 1591-1595.
【非特許文献16】Decker et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45. 4546-4550.
【非特許文献17】Briganti et al. Pigment Cell Res. 2003, 16, 101-110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのようなものとして、低細胞傷害性で強力なチロシナーゼ阻害活性を有する新しい天然物または合成化合物への探求が続いている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0007]本出願は、チロシナーゼに対する優れた阻害活性および極めて低い細胞傷害性を有する新しい一連の新規な色素脱失剤を提供する。それら化合物は、安定性であり、しかも一般的に入手可能な出発物質から容易に合成される。より詳しくは、本発明は、チロシナーゼ阻害剤として有用である新規な2,4−ジヒドロキシベンゼン誘導体を提供する。本発明は、これらチロシナーゼ阻害剤の薬学的に許容しうる塩を包含する。更に、本発明に包含されるのは、本発明の少なくとも一つのチロシナーゼ阻害剤および少なくとも一つの薬学的に許容しうる担体を含んで成る医薬組成物である。本発明のそれら組成物は、いずれか適する薬学的に許容しうる剤形で製造することができる。
【0011】
[0008]本発明は、更に、酵素チロシナーゼを阻害することを必要としている対象において酵素チロシナーゼを阻害する方法であって、本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼンチロシナーゼ阻害剤を含む有効量の組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0012】
[0009]本発明は、更に、酵素チロシナーゼの活性に関連した疾患および状態の予防および処置の方法を提供する。本発明による予防および処置の方法は、それを必要としている対象に、治療的有効量の本発明の少なくとも一つの新規な2,4−ジヒドロキシベンゼンチロシナーゼ阻害剤を体内または局所投与することを含む。
【0013】
[0010]本発明は、更に、メラニンの合成を阻害することを必要としている対象においてメラニンの合成を阻害する方法を提供する。このような方法は、本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン化合物を含む有効量の組成物を投与することを含む。
【0014】
[0011]本発明は、更に、メラニンの過剰生産または不均一分布に関連した疾患および状態の予防および処置の方法であって、それを必要としている対象に、治療的有効量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン化合物を体内または局所投与することを含む方法を提供する。メラニンの過剰生産または不均一分布に関連した疾患および状態には、皮膚老化、肝斑、肝疾患、熱傷および局所創傷によって引き起こされる色素沈着過度斑点;真菌、微生物およびウイルス感染によって引き起こされる炎症状態による皮膚色素沈着;白斑(vitilago)、癌腫、黒色腫、並びに他の哺乳動物皮膚状態が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0015】
[0012]その方法は、更に、日光、紫外(UV)線、化学薬品、熱、風および乾燥環境への暴露によって生じる皮膚暗色化および損傷を予防するおよび処置するのに用いることができる。最後に、その方法は、しわ、たるみ皮膚、眼のまわりの線および暗色輪を予防するおよび処置するのに;敏感膚を鎮静させるのに;および皮膚炎および他のアレルギーに関連した皮膚状態を予防するおよび処置するのに用いることができる。
【0016】
[0013]具体的な態様において、本発明の一つまたは複数の2,4−ジヒドロキシベンゼンチロシナーゼ阻害剤の投与を必要としている対象に投与されるその用量は、最終製剤の全重量に基づく0.001%〜100%および/または対象の体重に基づいて1キログラムにつき0.01mg〜200mgの範囲より一般的に選択される有効な無毒性量である。常套の臨床試験を利用した当業者は、処置されている具体的な疾患に最適な用量を決定することができる。本発明の組成物は、当業者に知られているいずれかの方法によって投与することができる。投与方式には、経腸(経口)投与、非経口(静脈内、皮下および筋肉内)投与および局所適用が含まれるが、これに制限されるわけではない。本発明による処置方法は、それを必要としている患者に、治療的有効量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼンを体内または局所投与することを含む。好ましい態様において、組成物は局所投与する。
【0017】
[0014]本発明に包含されるのは、実施例1〜5に記載の一つまたは複数の本発明の2,4−ジヒドロキシベンゼンチロシナーゼ阻害剤の新規な合成方法である。したがって、本発明は、所望の生理的活性を有する物質の組成物を生じる本発明の2,4−ジヒドロキシベンゼンの合成および/または単離、精製および処方のための商業的に存在可能な選択肢を提供する。
【0018】
[0015]また別の態様において、2,4−ジヒドロキシベンゼンは、食品産業において、果実、野菜、ジュースおよび他の食品の褐変および変色を阻害するのに用いることができる。
【0019】
[0016]本明細書中に記載のものと同様のまたは同等の方法および物質は、本発明の実施または試験に用いることができるが、適する方法および物質は、下に記載されている。本明細書中に挙げられた公的に利用可能な公報、特許出願、特許および他の参考文献は全て、そのまま援用される。
【0020】
[0017]前述の一般的な説明も、以下の詳細な説明も、単に例示し且つ説明するものであり、請求の範囲に記載の発明を制限するものではないということは理解されるはずである。他の目的、利点および新規な特徴は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】[0018]図1は、実施例7に記載の4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物7のIC50は、14μMであると確認された。図1は、更に、化合物7のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。
【図2】[0019]図2は、実施例7に記載の4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物15のIC50は、3.3μMであると確認された。図2は、更に、化合物15のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物15のLD50は、66μMであると確認された。
【図3】[0020]図3は、実施例7に記載の4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物16のIC50は、1.7μMであると確認された。図3は、更に、化合物16のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物16のLD50は、260μMであると確認された。
【図4】[0021]図4は、実施例7に記載の4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物17のIC50は、11.9μMであると確認された。図4は、更に、化合物17のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物17のLD50は、157.8μMであると確認された。
【図5】[0022]図5は、実施例7に記載の4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物18のIC50は、2.97μMであると確認された。図5は、更に、化合物18のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物18のLD50は、222.2μMであると確認された。
【図6】[0023]図6は、実施例7に記載の4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物19のIC50は、24.7μMであると確認された。図6は、更に、化合物19のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物19のLD50は、130.3μMであると確認された。
【図7】[0024]図7は、実施例7に記載の4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物24のIC50は、1.6μMであると確認された。図7は、更に、化合物24のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物24のLD50は、345.9μMであると確認された。
【図8】[0025]図8は、実施例7に記載の4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物25のIC50は、5μMであると確認された。図8は、更に、化合物25のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物25のLD50は、>1000μMであると確認された。
【図9】[0026]図9は、実施例7に記載の化合物30によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。化合物30のIC50は、156μMであると確認された。図9は、更に、化合物25のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。化合物30のLD50は、187.8μMであると確認された。
【図10】[0027]図10は、実施例7に記載のコウジ酸によるメラニン生産の阻害プロフィール(●)をグラフで示す。データは、メラニン含有量(未処理対照の%)対阻害剤濃度(μM)として表されている。ネズミ検定におけるコウジ酸のIC50は、303.5μMであると確認された。図10は、更に、コウジ酸のいろいろな濃度での細胞生存能力(LD50)(x)をグラフで示す。コウジ酸のLD50は、>1000μMであると確認された。
【図11A】[0028]図11Aは、実施例8に記載のように調製された再建済み皮膚を示す。再建済み皮膚は、空気−液界面で成長させて、スキンホワイトニング剤の局所適用を模擬することを可能にした。
【図11B】[0029]図11Bは、実施例8に記載の再建済み皮膚研究の結果を写真で示す。15日の実験後に得られた皮膚検体の写真は、暗色樹状細胞として写真に現れているメラノサイトへの有意の用量依存性ホワイトニング作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0030]本開示は、チロシナーゼ酵素の強力な阻害剤である薬剤を提供する。具体的には、提供されるのは、下の式I〜式IVで示される構造を有するチロシナーゼ阻害剤である置換された2,4−ジヒドロキシベンゼン誘導体またはそれらの薬学的に許容しうる塩である。
【0023】
【化1】

【0024】
これら化合物は、優れたチロシナーゼ阻害活性および低い細胞傷害性を有することが分かっている。説明されるのは、キノコチロシナーゼに対する代表的な化合物の阻害活性、並びにネズミB16−F1黒色腫細胞によるメラニン生産の阻害である。代表的な化合物のスキンホワイトニング性は、実施例8に記載の再建済みヒト皮膚モデルによって評価した。これら化合物またはそれらの薬学的に許容しうる塩は、下に詳述される化粧品用途および医学的用途双方に有用であることが分かっている。
【0025】
[0031]本文中に用いられる「誘導体」または「類似体」という用語は、コア2,4−ジヒドロキシベンゼン環を保持する式I〜式IVの化合物と同様の化学構造または機能を有する化合物を意味する。
【0026】
[0032]いろいろな用語を、本明細書中において用いて、本発明の側面に言及する。本発明の成分の説明の明確化を助けるために、次の定義を与える。特に断らない限り、本明細書中に用いられる専門用語および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0027】
[0033]本明細書中で用いられる「ある一つの(a または an)」物質という用語は、一つまたはそれを超えるその物質を意味するということに留意すべきである;例えば、チロシナーゼ阻害剤とは、一つまたはそれを超えるチロシナーゼ阻害剤を意味する。そのようなものとして、「ある一つの(a または an)」、「一つまたはそれを超える」および「少なくとも一つ」という用語は、本明細書中において同じ意味に用いられる。
【0028】
[0034]本明細書中で用いられる「約」は、当業者に理解されるであろうし、そしてそれが用いられる文脈で多少異なるであろう。それが用いられる文脈に当業者に不明の用語が用いられている場合、「約」は、その具体的な用語のプラスまたはマイナス10%までを意味するであろう。
【0029】
[0035]本明細書中で用いられる「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有する直鎖または分枝状鎖の飽和炭化水素を意味する。例えば、(C−C10)アルキルは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝状鎖炭化水素を包含することを意味する。アルキル基は、未置換でありうるしまたは本明細書中に記載の一つまたはそれを超える置換基で置換されていることもありうる。
【0030】
[0036]本明細書中で用いられる「アルコキシ」という用語は、指定数の炭素原子を有する−O−アルキル基を意味する。例えば、(C−C10)アルコキシ基には、−OCH、−OCHCH等10個までの炭素原子が含まれる。
【0031】
[0037]本明細書中で用いられる「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)および硫黄(S)を包含することを意味する。
【0032】
[0038]本明細書中で用いられる「ヘテロ芳香族」という用語は、5〜14員の、そして窒素、酸素および硫黄より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を有し且つ少なくとも1個の炭素原子を含有する芳香族複素環式環を意味する。代表的なヘテロ芳香族化合物には、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリルおよびイミダゾリル等が含まれる。ヘテロアリール基は、化学的に許容しうる場合、いずれかのヘテロ原子または炭素原子によって結合していることがありうる。ヘテロアリール基は、未置換でありうるしまたは本明細書中に記載の一つまたはそれを超える置換基で置換されていることもありうる。
【0033】
[0039]本明細書中で用いられる「複素環」という用語は、飽和か不飽和であり、そして窒素、酸素および硫黄より独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族5〜14員環系を意味し、そしてここにおいて、窒素および硫黄ヘテロ原子は、酸化されていることもありうるし、そして窒素ヘテロ原子は、第四級化されていることもありうる。その複素環は、化学的に許容しうる場合、いずれかのヘテロ原子または炭素原子によって結合していることがありうる。非芳香族複素環の代表的な例には、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピロリル、ピラニルおよびテトラヒドロピラニル等が含まれるが、これに制限されるわけではない。複素環基は、未置換でありうるしまたは本明細書中に記載の一つまたはそれを超える置換基で置換されていることもありうる。
【0034】
[0040]本明細書中で用いられる「芳香族」という用語は、一つまたはそれを超える炭化水素芳香環を包含するまたはから成るいずれかの化合物を意味する。それら環は、単環式または多環式環系であってよい。適する環の例には、ベンゼン、ビフェニル、テルフェニル、ナフタレン等が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0035】
[0041]本明細書中で用いられる「ヒドロキシアルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有するアルキル基を意味し、ここにおいて、そのアルキル基中の一つまたはそれを超える水素原子は、−OH基で置換されている。ヒドロキシアルキル基の代表的な例には、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CHCHCHCHCHOH、−CHCHCHCHCHCHOHおよびそれらの分枝状型が含まれるが、これに制限されるわけではない。典型的に、ヒドロキシルアルキルは、式−(C−C10)アルキル−OHを有する化合物である。
【0036】
[0042]本明細書中で用いられる「治療的」には、防止(prevention)、処置および/または予防(prophylaxis)が含まれる。用いられる場合の治療的は、ヒト並びに他の動物に言及する。
【0037】
[0043]「薬学的にまたは治療的に有効な用量または量」は、所望の生物学的結果を引き起こすのに十分な投薬レベルを意味する。その結果は、疾患の徴候、症状または原因、または望まれる生体系のいずれか他の変化の軽減であってよい。正確な投薬量は、対象の年齢および体格、疾患および行われている処置が含まれるがこれに制限されるわけではないいろいろな因子によって変動するであろう。
【0038】
[0044]「宿主」または「患者」または「対象」は、療法が望まれる生きている哺乳動物、ヒトまたは動物である。「宿主」、「患者」または「対象」は、概して、本発明の方法によって実施される療法のレシピエントを意味する。本明細書中に記載の発明が、獣医学およびヒトの用途に用いることができるということ、および「宿主」という用語が、制限するように解釈されるべきではないということに留意すべきである。獣医学用途の場合、その投薬量範囲は、動物の体重を考慮して、下記のように決定することができる。
【0039】
[0045]本明細書中で用いられる「薬学的に許容しうる」という用語は、動物、より具体的には、ヒトへの使用について、合衆国政府または州政府の規制機関によって認可されている、または米国薬局方または他の一般的に承認されている薬局方に挙げられている状態を意味する。「担体」という用語は、治療薬が一緒に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを意味し、それには、水および油のような滅菌液が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0040】
[0046]チロシナーゼ阻害剤の「薬学的に許容しうる塩」または「塩」は、イオン結合を含有する開示された化合物の生成物であり、典型的には、開示された化合物と、対象へ投与するのに適する酸かまたは塩基とを反応させることによって生成される。薬学的に許容しうる塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アリールアルキルスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩および酒石酸塩を含めた酸付加塩;Li、Na、Kなどのアルカリ金属陽イオン、MgまたはCaなどのアルカリ土類金属塩、または有機アミン塩が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0041】
[0047]「医薬組成物」は、開示された化合物を、対象への投与に適する形で含む製剤である。本発明の医薬組成物は、好ましくは、予定の投与経路に適合しうるように製剤化される。投与経路の例には、経口および非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、吸入、局所、経皮、経粘膜および直腸投与が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0042】
[0048]本明細書中で用いられる「置換された」という用語は、示されている原子上のいずれか一つまたはそれを超える水素が、指定の群からの選択肢で置き換えられていて、但し、その示されている原子の正規原子価を超えないという条件、およびその置換が、安定な化合物を生じるという条件付きであるということを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が置き換えられている。置換基の例には、C−C10アルキル、ヒドロキシ(−OH);C−C10アルコキシ基が含まれるが、これに制限されるわけではない。典型的に、芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環は、1〜3個の置換基を有するであろう。
【0043】
[0049]その側面の一つにおいて、本発明は、式I:
【0044】
【化2】

【0045】
(式中、Rは、置換されたまたは未置換の芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環より選択される)
で示される構造を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。一つの態様において、Rは、置換されたまたは未置換のフェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルから成る群より選択される。一つの態様において、Rは、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている。他の態様において、Rは、1’−(4’−メトキシ)フェニル;1’−(2,4−ジヒドロキシ)フェニル;1’−(3−ピリジル);1’−(ビフェニル−4−オール)から成る群より選択される。
【0046】
[0050]その側面の一つにおいて、本発明は、式II
【0047】
【化3】

【0048】
(式中、X=HまたはOH、そしてRは、置換されたまたは未置換の芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環より選択される)
で示される構造を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。一つの態様において、Rは、置換されたまたは未置換のフェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルから成る群より選択される。一つの態様において、Rは、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている。他の態様において、Rは、2’−フリル;3’−フリル;3’−ピリジル;3’−(2−メトキシピリジル);1’−(2,4,6−トリメトキシフェニル);1’−(3,4−ジオキサランフェニル)から成る群より選択され、そしてX=OHの場合、Rは3’−ピリジルである。
【0049】
[0051]その側面の一つにおいて、本発明は、式III
【0050】
【化4】

【0051】
(式中、Rは、HまたはC−C10アルキルから成る群より選択され;そしてRは、置換されたまたは未置換の芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環より選択される)
で示される構造を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。具体的な態様において、Rは、Hまたは−CHより選択され、そしてRは、置換されたまたは未置換の芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環より選択される。また他の態様において、Rは、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている。他の態様において、Rは、置換されたまたは未置換のフェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルまたは2−テトラヒドロフラニルから成る群より選択される。特定の態様において、RはHであり、そしてRは、1’−フェニル;1’−(4−ヒドロキシフェニル);1’−(4−メトキシフェニル);1’−(3,4−ジオキサラン)フェニル;1’−(2,4−ジヒドロキシフェニル);1’−(2,4−ジメトキシフェニル);1’−(3,5−ジメトキシフェニル);1’−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェニル);1’−(2,4,6−トリメトキシフェニル);3−フリル;3−テトラヒドロフリル;2’−フリル、2’−テトラヒドロフリル;2’−(5’−エチル)−フリル;3’−ピリジルであり、そして更に、R=Me、R=1’−フェニルである。
【0052】
[0052]その態様の一つにおいて、本発明は、式II
【0053】
【化5】

【0054】
(式中、
【0055】
【化6】

【0056】
は、二重結合または単結合を表し;
は、HまたはC−C10アルキルから成る群より選択され;
は、=H、OHまたはOから成る群より選択され;そして
は、置換されたまたは未置換の芳香環、ヘテロ芳香環、複素環式環またはヒドロキシルアルキル残基から成る群より選択される)
で示される構造を有する化合物またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。特定の態様において、Rは、HまたはCHであり、そしてRは、置換されたまたは未置換の芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環またはC−C10ヒドロキシルアルキル(−C−C10)−OH)より選択される。また他の態様において、Rは、C−C10アルキル基、C−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている。他の態様において、Rは、置換されたまたは未置換のフェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルまたは2−テトラヒドロフラニルから成る群より選択される。特定の態様において、R=R=H、そしてRは、1’−(3’,5’−ジメトキシ)フェニル;1’−(3’,5’−ジヒドロキシ)フェニル;1−(2’,4’,6−トリメトキシフェニル)より選択され;R=Me、R=OH、Rは、1’−(2’,4’−ジヒドロキシ)フェニルであり;R=Me、R=O、Rは、1’−(2’,4’−ジヒドロキシ)フェニルであり;そしてR=R=H、Rは−CHCHOHである。
【0057】
但し、次の、
条件1:R=R=Hの場合;Rは、1’−(2,4−ジメトキシ−3−メチル)フェニルではあり得ない;
条件2:R=R=Hの場合;Rは、1’−(2,4−ジヒドロキシ)フェニル;1’−(2,4−ジアルコキシ)フェニル;1’−(2,4−ジアルケノキシ)フェニルまたは1’−( 2,4−ジベンジルオキシ)フェニルではあり得ない;
条件3:Rは、1’−(4−ヒドロキシ)フェニルではあり得ない;
条件4:R=R=Hの場合;Rは、1’−(2,4−ジ(CO)Rではあり得ず、ここにおいて、Rは、(C−C20)−アルキル基である;
条件5:R=R=Hの場合、Rは、1’−(2,4−二置換)フェニルではあり得ず;ここにおいて、これら置換基は、−ORおよび−ORより選択され、ここにおいて、RおよびRは、Hまたは(C−C20)−アルキルから成る群より独立して選択される;および
条件6:R=HおよびR=OHの場合;Rは、1’−(3,4−ジヒドロキシ)フェニル;1’−(3,4−ジメトキシ)フェニル;1’−(2−ヒドロキシ)フェニル;1’−(2−メトキシ)フェニル;1’−(4−メトキシ)フェニル;フェニル;1’−(3−メトキシ,4−ヒドロキシ)フェニルではあり得ない
という条件付きである。
【0058】
[0053]表1に、チロシナーゼ阻害剤として有用である式Iの代表的な新規な2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を挙げる。表1で特定される各々の化合物を製造するのに用いることができる合成方法を、実施例1に詳細に記載する。合成された各々の化合物について支持するH−および13C−NMRデータを与える。概して、式Iの化合物は、容易に入手可能な物質から、標準的な有機合成法を用いて合成することができる。追加の製造経路は、参考文献および関係のある技術において見出することができる。実施例6に記載のチロシナーゼ検定によって決定されるこれら化合物のIC50値も、表1に示す。式Iの選ばれた化合物について、表5は、実施例7に記載のネズミ黒色腫細胞に基づく検定によって決定されるIC50値および実施例8に記載の方法によって決定される細胞生存能力(LD50)を与える。
【0059】
[0054]表2に、チロシナーゼ阻害剤として有用である式IIの代表的な新規な2,4−ジヒドロキシベンゼン誘導体を挙げる。表2で特定される各々の化合物を製造するのに用いることができる合成方法を、実施例2に詳細に記載する。合成された各々の化合物について支持するH−および13C−NMRデータを与える。概して、式IIの化合物は、容易に入手可能な物質から、標準的な有機合成法を用いて合成することができる。追加の製造経路は、参考文献および関係のある技術において見出することができる。実施例6に記載のチロシナーゼ検定によって決定されるこれら化合物のIC50値も、表2に示す。式IIの選ばれた化合物について、表5は、実施例7に記載のネズミ黒色腫細胞に基づく検定によって決定されるIC50値および実施例8に記載の方法によって決定される細胞生存能力(LD50)を与える。
【0060】
[0055]表3に、チロシナーゼ阻害剤として有用である式IIIの代表的な新規な2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を挙げる。表3で特定される各々の化合物を製造するのに用いることができる合成方法を、実施例3に詳細に記載する。合成された各々の化合物について支持するH−および13C−NMRデータを与える。概して、式IIIの化合物は、容易に入手可能な物質から、標準的な有機合成法を用いて合成することができる。追加の製造経路は、参考文献および関係のある技術において見出することができる。実施例6に記載のチロシナーゼ検定によって決定されるこれら化合物のIC50値も、表3に示す。式IIIの選ばれた化合物について、表5は、実施例7に記載のネズミ黒色腫細胞に基づく検定によって決定されるIC50値および実施例8に記載の方法によって決定される細胞生存能力(LD50)を与える。
【0061】
[0056]表4に、チロシナーゼ阻害剤として有用である式IVの代表的な新規な2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を挙げる。表4で特定される各々の化合物を製造するのに用いることができる合成方法を、実施例4および実施例5(化合物34)に詳細に記載する。合成された各々の化合物について支持するH−および13C−NMRデータを与える。概して、式IVの化合物は、容易に入手可能な物質から、標準的な有機合成法を用いて合成することができる。追加の製造経路は、参考文献および関係のある技術において見出することができる。実施例6に記載のチロシナーゼ検定によって決定されるこれら化合物のIC50値も、表4に示す。式IVの選ばれた化合物について、表5は、実施例7に記載のネズミ黒色腫細胞に基づく検定によって決定されるIC50値および実施例8に記載の方法によって決定される細胞生存能力(LD50)を与える。
【0062】
[0057]要約すると、表1〜4に示されている化合物は、キノコチロシナーゼ酵素、並びにB16−F1細胞によるメラニン生産について優れた阻害を示した(表5、図1〜9)。細胞傷害性は、高濃度においてのみ認められた。表5に例示された化合物(すなわち、化合物7、15、16、17、18、19、24、25、30)は全て、図10に示される、一般的に用いられるスキンホワイトナーであるコウジ酸よりもはるかに強力であった。コウジ酸のIC50(チロシナーゼ検定)は、20μMである。コウジ酸のIC50(ネズミ検定)は、303.5μMである。更に、調べられた化合物の内の二つ(化合物16および25)は、再建済み皮膚モデルにおいて、実施例8に記載の検出可能な細胞傷害性を全く伴うことなく、強いスキンホワイトニング作用を示した。
【0063】
[0058]本発明は、本明細書中に記載の少なくとも一つのチロシナーゼ阻害剤を含む医薬組成物を包含する。本発明のそれら組成物は、薬学的におよび/または化粧品用に許容しうる賦形剤、アジュバントおよび/または担体などの他の成分を包含する医薬組成物として製剤化することができる。例えば、本発明の組成物は、処置される宿主が耐性でありうる賦形剤中で製剤化することができる。賦形剤は、治療薬用に希釈剤またはビヒクルとして用いられる不活性物質である。このような賦形剤の例には、水、緩衝剤、生理食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、マンニトール、ハンクス液、保存剤および他の生理的平衡塩水溶液が含まれるが、これに制限されるわけではない。固定油、ゴマ油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの非水性ビヒクルを用いてもよい。他の有用な製剤には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどの粘度増強剤を含有する懸濁剤が含まれる。賦形剤は、等張性および化学安定性を増強する物質などの微量の添加剤を含有することもありうる。緩衝剤の例には、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液、トリス緩衝液、ヒスチジン、シトレートおよびグリシン、またはそれらの混合物が含まれ、保存剤の例には、EDTA、二ナトリウムEDTA、BHA、BHT、ビタミンC、ビタミンE、重亜硫酸ナトリウム、SnCl、チメロサール、m−またはo−クレゾール、ホルマリンおよびベンジルアルコールが含まれるが、これに制限されるわけではない。標準的な製剤は、液体かまたは固体でありうるが、それは、懸濁液または溶液として投与に適する液体中でありうる。したがって、非液状製剤の場合、賦形剤は、デキストロース、ヒト血清アルブミン、保存剤等を含むことがあり、それに、滅菌水または生理食塩水を投与前に加えることができる。
【0064】
[0059]本発明の一つの態様において、組成物は、アジュバントまたは担体を包含することもありうる。典型的に、アジュバントは、概して、特定の生物活性剤への宿主の生物学的応答を増強する物質である。適するアジュバントには、フロイントアジュバント、他の細菌細胞壁成分、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、カルシウムおよび他の金属イオンに基づく塩、シリカ、ポリヌクレオチド、トキソイド、血清タンパク質、ウイルスコートタンパク質、他の細菌由来標品、γインターフェロン;Hunter’s Titermax アジュバント(Vaxcel.TM., Inc. Norcross, Ga.)、Ribi アジュバント(Ribi ImmunoChem Research, Inc., Hamilton, Mont. より入手可能)などのブロックコポリマーアジュバント;および Quil A(Superfos Biosector A/S, Denmark より入手可能)などのサポニンおよびそれらの誘導体が含まれるが、これに制限されるわけではない。担体は、典型的に、処置される宿主における治療的組成物の半減期を増加させる化合物である。適する担体には、ポリマー性制御放出製剤、生分解性植込剤、リポソーム、細菌、ウイルス、油、エステルおよびグリコールが含まれるが、これに制限されるわけではない。適する担体は、本明細書中に援用される、Lippincott Williams & Wilkins によって公表された“Remington: The Science and Practice, Twentieth Edition,”に記載されている。
【0065】
[0060]一つの態様において、組成物は、本発明の組成物を宿主中に徐々に放出する制御放出製剤として製造される。本明細書中で用いられる制御放出製剤は、本発明の組成物を制御放出ビヒクル中に含む。適する制御放出ビヒクルは、当業者に知られているであろう。好ましい制御放出製剤は、生分解性(すなわち、生浸食性(bioerodible))である。
【0066】
[0061]本発明の組成物は、当業者に知られているいずれかの方法によって投与することができる。投与方式には、経腸(経口)投与、非経口(静脈内、皮下および筋肉内)投与および局所適用が含まれるが、これに制限されるわけではない。本発明による処置方法は、それを必要としている患者に、治療的有効量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を体内または局所投与することを含む。
【0067】
[0062]一つの態様において、本発明の治療薬は、治療的組成物を局所投与することについて当業者に知られている、軟膏、ゲル、ローションまたはクリーム基剤として、または練り歯磨き、含嗽薬または被覆デンタルフロス材料として、またはエマルジョンとして、パッチ、包帯剤またはマスク、非粘着性ガーゼ、包帯、綿棒または布巾としてが含まれるがこれに制限されるわけではないいずれか適する手段によって局所投与される。
【0068】
[0063]治療的組成物は、投与方法に依存して、いろいろな単位剤形で投与することができる。具体的な送達方式について、本発明の治療的組成物は、本発明の賦形剤中で製剤化することができる。本発明の治療的試薬は、いずれかの宿主に、好ましくは、哺乳動物に、より好ましくは、ヒトに投与することができる。具体的な投与方式は、処置される状態に依存するであろう。
【0069】
[0064]一つの態様において、適する軟膏剤は、所望の濃度の、すなわち、局所用製剤の全重量に基づく0.001%〜100%の範囲より一般的に選択される有効な無毒性量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体、65〜100%(好ましくは、75〜96%)の白色軟パラフィン、0〜15%の流動パラフィンおよび0〜7%(好ましくは、3〜7%)のラノリンまたはその誘導体または合成均等物を含んで成る。別の態様において、軟膏剤は、ポリエチレン−流動パラフィンマトリックスを含んでよい。
【0070】
[0065]一つの態様において、適するクリーム剤は、上に与えられたような所望の濃度の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体と一緒に、乳化性系を含んで成る。その乳化性系は、好ましくは、2〜10%のポリオキシエチレンアルコール(例えば、CetomacrogolTM1000という商標で入手可能な勘合物)、10〜25%のステアリルアルコール、20〜60%の流動パラフィンおよび10〜65%の水を;一つまたはそれを超える保存剤、例えば、0.1〜1%のN,N”−メチレンビス[N’−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素](Imidurea USNFという名称で入手可能)、0.1〜1%の4−ヒドロキシ安息香酸アルキル(例えば、Nipa Laboratories より Nipastat という商標で入手可能な混合物)、0.01〜0.1%のブチル4−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(Nipa Laboratories より Nipabutyl sodium という商標で入手可能)および0.1〜2%のフェノキシエタノールと一緒に含んで成る。
【0071】
[0066]一つの態様において、適するゲル剤は、高度の架橋を有する三次元ポリマー性マトリックス中に液相が束縛されている半固体系を含んで成る。その液相は、水を、所望の量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体;0〜20%の水混和性添加剤、例えば、グリセロール、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコール;および0.1〜10%、好ましくは、0.5〜2%の増粘剤であって、トラガカント、ペクチン、カラゲーン、寒天およびアルギン酸が含まれるがこれに制限されるわけではない群より選択される天然物、またはメチルセルロースおよびカルボキシポリメチレン(カルボポル(carbopol))が含まれるがこれに制限されるわけではない群より選択される合成または半合成化合物であってよいものと一緒に;例えば、0.1〜2%の4−ヒドロキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)または特異なフェノキシエタノールが含まれるがこれに制限されるわけではない群より選択される一つまたはそれを超える保存剤と一緒に含んで成ってよい。別の適する基剤は、所望の量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を、70〜90%のポリエチレングリコール(例えば、米国国民医薬品集(U.S. National Formulary)(USNF)にしたがって製造される、40%のポリエチレングリコール3350および60%のポリエチレングリコール400を含有するポリエチレングリコール軟膏);5〜20%の水;0.02〜0.25%の酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン);および0.005〜0.1%のキレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA))と一緒に含んで成る。
【0072】
[0067]上で用いられる軟パラフィンという用語は、白色軟パラフィンおよび黄色軟パラフィンというクリームまたは軟膏基剤を包含する。ラノリンという用語は、天然羊毛脂および精製羊毛脂を包含する。ラノリンの誘導体には、具体的には、それらの物理的または化学的性質を変更するために化学修飾されたラノリンが含まれ、そしてラノリンの合成均等物には、具体的には、ラノリンに代わる代替物として薬学および化粧品技術分野において知られ且つ用いられ、そして例えば、ラノリン代用品と称することができる合成または半合成化合物および混合物が含まれる。
【0073】
[0068]用いることができるラノリンの一つの適する合成均等物は、Softisan 649として知られる、SoftisanTMという商標で入手可能な物質である。Dynamit Nobel Aktiengesellschaft より入手可能なSoftisan 649は、天然植物性脂肪酸、イソステアリン酸およびアジピン酸のグリセリンエステルである;その性質は、H. Hermsdorf in Fette, Seifen, Anstrichmittel, Issue No. 84, No.3 (1982), pp. 3-6 で論じられている。
【0074】
[0069]適する軟膏またはクリーム基剤の構成成分として本明細書中の上に挙げられた他の物質およびそれらの性質は、標準的な参考書、例えば、薬局方に論じられている。Cetomacrogol 1000は、式CH(CH(OCHCHOH(式中、mは、15〜17であってよく、そしてnは、20〜24であってよい)を有する。ブチル化ヒドロキシトルエンは、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールである。Nipastat は、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、エチル、プロピルおよびブチルの混合物である。
【0075】
[0070]本発明の組成物は、慣用的な薬学技術によって製造することができる。したがって、例えば、前述の組成物は、好都合には、軟パラフィン、存在するとしても流動パラフィンと、ラノリンまたはその誘導体または合成均等物とを、高温、好ましくは、60〜70℃で一緒に混合することによって製造することができる。次に、その混合物を室温に冷却し、そしてムピロシンの水和結晶性カルシウム塩と、コルチコステロイドおよびいずれか他の成分とを一緒に添加後、十分な分散を確実にするように撹拌することができる。
【0076】
[0071]投与方式とは無関係に、具体的な用量は、宿主のおよその体重によって計算する。上述の製剤各々を必要とする処置に適当な投薬量を決定するのに必要な計算についての更なる改良は、当業者によって常套的に行われるし、そして過度の実験を行うことなく、特に、本明細書中に開示される投薬情報および検定に照らして常套的に行われる業務の範囲内である。これら投薬量は、適当な用量反応データと一緒に利用される投薬量を決定するための確立された検定の使用によって確かめることができる。
【0077】
[0072]本発明のチロシナーゼ阻害剤は、既知の合成法を用いてまたは既知の合成法の修飾によって容易に合成することができる。当業者に容易に理解されると考えられるように、下に記載の方法は、いろいろな置換基を有する2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体の合成を可能にする。本発明に包含されるのは、本明細書中に記載の2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を合成する方法である。代表的な合成法を、下の実施例1〜5に記載する。
【0078】
[0073]本発明は、一つまたはそれを超える開示された化合物の使用によって医学的状態を予防するまたは処置する(例えば、その一つまたはそれを超える症状を軽減する)方法を包含する。それら予防するまたは処置する方法は、それを必要としている患者に、治療的有効量の本発明の少なくとも一つのチロシナーゼ阻害剤を投与することを含む。本発明の組成物は、予防的療法に用いることもできる。
【0079】
[0074]本発明は、活性チロシナーゼまたは過剰量のメラニン生産の阻害によって改善される障害に罹患した対象を処置する方法を提供する。このような方法は、治療的有効量の本明細書中に記載のチロシナーゼ阻害剤を対象に投与することを含む。
【0080】
[0075]本明細書中で用いられる「処置すること」は、疾患、状態または障害と闘う目的のための患者の管理およびケアを示し、そして症状または合併症の開始を予防する、症状または合併症を軽減する、または疾患、状態または障害を排除する本発明の化合物の投与を包含する。より具体的には、「処置すること」には、疾患(障害)状態の少なくとも一つの有害な症状または作用、疾患進行または他の異常な状態を逆転させること、軽減すること、最小限にすること、抑制することまたは停止することが含まれる。処置は、症状および/または病理が改善する限り続けられる。
【0081】
[0076]より具体的には、本発明は、更に、メラニンの合成を阻害する処置を必要としている対象においてメラニンの合成を阻害する方法を提供する。このような方法は、本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン類似体を含む有効量の組成物を投与することを含む。
【0082】
[0077]本発明は、更に、メラニンの過剰生産または不均一分布に関連した疾患および状態の予防および処置の方法であって、それを必要としている対象に、治療的有効量の本発明の少なくとも一つの2,4−ジヒドロキシベンゼン化合物を体内または局所投与することを含む方法を提供する。メラニンの過剰生産または不均一分布に関連した疾患および状態には、皮膚老化、肝斑、肝疾患、熱傷および局所創傷によって引き起こされる色素沈着過度斑点;真菌、微生物およびウイルス感染によって引き起こされる炎症状態による皮膚色素沈着;白斑(vitilago)、癌腫、黒色腫、並びに他の哺乳動物皮膚状態が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0083】
[0078]その方法は、更に、日光、紫外(UV)線、化学薬品、熱、風および乾燥環境への暴露によって生じる皮膚暗色化および損傷を予防するおよび処置するのに用いることができる。最後に、その方法は、しわ、たるみ皮膚、眼のまわりの線および暗色輪を予防するおよび処置するのに;敏感膚を鎮静させるのに;および皮膚炎および他のアレルギーに関連した皮膚状態を予防するおよび処置するのに用いることができる。
【0084】
[0079]上記の皮膚疾患および状態の予防および処置のためのそれら使用に加えて、本明細書中に記載の治療的組成物は、改善された皮膚色、増強された弾力性、減少した且つ遅延した老化、増強された若々しい外観および感触、および増加した柔軟性、堅さ、なめらかさおよびしなやかさ(suppleness)を有するなめらかで且つ若々しい皮膚外観の利点を生じる有効な組成物を提供する。
【0085】
[0080]また別の態様において、本発明の2,4−ジヒドロキシベンゼン誘導体は、食品産業において、果実、野菜、ジュースおよび他の食品の褐変および変色を阻害するのに用いることができる。
【0086】
[0081]次の実施例を、本発明を詳しく説明するために与える。しかしながら、本発明が、これら実施例に記載の特定の条件および詳細に制限されるものではないということは理解されるはずである。本明細書を通して、米国特許を含めた公的に入手可能な書類へのいずれかのおよび全ての言及は、具体的に援用される。
【実施例】
【0087】
実施例1.式Iの化合物の一般的且つ具体的な合成方法
【0088】
【化7】

【0089】
[0082]式Iの化合物は、概して、スキーム1に示されるように、例示の目的で置換ブロモベンゼンをRとして用いて製造した。簡単にいうと、式Iのビフェニル化合物は、Kumada カップリング反応(Tamao, K.; Sumitani, K.; Kumada, M, Journal of the American Chemical Society. 1972, 94. 4374-4376)を、適当な臭化アリールを有する該当する Grignard 試薬からNi(dppp)Cl触媒を用いて行った後、ベンジル基の還元的脱ベンジル反応によって製造した。
【0090】
【化8】

【0091】
スキーム1の代表的な手順:4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)の合成
[0083]4−ブロモアニソール(2.80g,15mmol)を、THF中においてマグネシウム削り屑(480mg,20mmol)およびヨウ素(1つまみ)で処理して、該当する Grignard 試薬を製造した。次に、その Grignard 試薬を、THF中のベンジル保護された4−ブロモレゾルシノール(3.7g,10mmol)およびNi(dppp)Cl(2.7g,5mmol)の0℃撹拌溶液に加えた。その反応混合物を、室温で30分間撹拌させた後、それを加熱して4時間還流させた。次に、反応混合物を、沈静させ且つ塩化アンモニウムで急冷し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、そして無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーター中で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーによって精製して、(1.98g,50%)のカップリング生成物をオフホワイト固体として生じた。
【0092】
[0084]次に、得られたカップリング生成物(1.5g,3.7mmol)を、15mLのTHF/MeOH(1:2)溶液中において触媒量の活性炭上10%Pd(150mg)および過剰量のギ酸アンモニウム(1.9g,29.6mmol)で還流しながら3時間処理して、ベンジル保護基を除去した。Celite を介して触媒を除去する濾過後、粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製して、(720mg,90%)の化合物1をオフホワイト固体として生じた。
【0093】
1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 7.152 (d, 2H, J =8.5Hz), 6.718-6.762 (m, 3H), 6.443(d, 1H, J = 2.5Hz), 6.241(dd, 1H, J =2.5 & 8.0Hz), 3.663(s, 3H)。
【0094】
[0085]式Iの代表的な化合物2〜4(表1を参照されたい)を、同じプロトコルにしたがって、適当な出発物質を用いて合成した。全収率は、40〜50%であった。
【0095】
ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)
[0086]1H-NMR (MeOD, 300MHz): δ 7.007-6.953(m, 2H), 6.378-6.327(m, 6H)。
【0096】
13C-NMR (MeOD, 75MHz): δ 157.971(6C), 130.246(2CH), 107.134(2CH), 102.589(2CH)。
【0097】
4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)
[0087]1H-NMR: (CDCl3, 300MHz): δ 8.829(s, 1H), 8.539(d, 1H, J=3.6Hz), 7.885(d, 1H, J=7.5Hz), 7.605-7.261(m, 1H), 6.753(s, 1H), 6.711(d, 1H, J=8.4Hz)。
【0098】
13C-NMR (CDCl3, 75MHz): δ 157.036(C), 150.534(CH), 137.420(CH), 136.926(CH), 134.400(C), 131.618(CH), 129.237(C), 127.931(CH), 120.872(C), 106.821(CH), 101.769(CH)。
【0099】
4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)
[0088]1H-NMR (MeOD, 300MHz): δ 7.511-7.183(m, 9H), 6.88-6.83(m, 2H)。
【0100】
13C-NMR (MeOD, 75MHz): δ 156.949 (3 C), 141.204(2 C), 132.709(2 C), 128.557(2 CH), 127.893(3 CH), 126.256(3 CH), 115.472(3 CH)。
【0101】
【表1】

【0102】
実施例2.式IIの化合物の一般的且つ具体的な合成方法
【0103】
【化9】

【0104】
[0089]式IIの化合物は、スキーム2に示されるように製造した。簡単にいうと、スキーム2に関して、式IIを代表するジフェニルメタン化合物は、アルデヒド(RCHO、ここにおいて、R=芳香環またはヘテロ芳香環)との Grignard 付加反応後、得られたベンジル性ヒドロキシル基の脱ヒドロキシルおよびベンジルオキシ保護基の脱ベンジルを現場で行うことによって製造した。
【0105】
【化10】

【0106】
スキーム2の代表的な手順:4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)の合成
[0090]ベンジル保護された4−ブロモレゾルシノール(2.80g,15mmol)を、THF中においてマグネシウム削り屑(480mg,20mmol)およびヨウ素(1つまみ)で処理して、該当する Grignard 試薬を与えた後、それを、THF中の2−フルアルデヒド(3.97g,10mmol)の0℃撹拌溶液に加えた。反応混合物を、室温まで暖め、室温で3時間撹拌した。次に、その混合物を、塩化アンモニウムで急冷し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、そして無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーター中で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3.0g,80%)のカップリング生成物を与えた。
【0107】
[0091]次に、そのカップリング生成物(2.5g,6.5mmol)を、THF/MeOH(18mL)中において触媒量の活性炭上10%Pd(250mg)および過剰量のギ酸アンモニウム(3.33g,52mmol)で還流しながら処理して、ベンジル保護基を除去した。ベンジルヒドロキシ基の部分脱ヒドロキシルも、その脱ベンジル反応中に行った。完了したら、反応混合物を、Celite を介して濾過して触媒を除去し、濃縮して、粗生成物を与えた後、それを、カラムクロマトグラフィーによって精製して、(740mg,60%)の化合物5をオフホワイト固体として、更には、ヒドロキシル化化合物(X=OH)(270mg,20%)を生じた。
【0108】
1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 7.306 (dd, 1H, J =1.0 & 2.0Hz), 6.8565(d, 1H, J = 8.5Hz), 6.8085(d, 1H, J = 8.5Hz), 6.3155(d, 1H, J = 2.5Hz), 6.2965(d, 1H, J = 2.5Hz), 6.255-6.223(m, 2H)。
【0109】
13C-NMR(MeOD, 125MHz): δ 156.604(C), 156.504(C), 156.064(C), 155.556(C), 155.290(C), 140.575(CH), 131.443(CH), 130.325(CH), 116.098(C), 116.973(C), 109.761(CH), 106.303(CH), 106.111(CH), 105.156(CH), 102.513(CH), 102.061(CH), 79.946(CH), 67.489(CH2), 35.257(CH), 29.875(CH2), 27.102(CH2), 25.218(CH2)。
【0110】
[0092]式IIの代表的な化合物6〜11(表2を参照されたい)を、同じ一般的な反応スキームにしたがって、適当な出発物質を用いて合成した。全収率は、50〜60%であった。
【0111】
4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)
[0093]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 8.39(d, 1H, J = 2Hz), 8.28(dd, 1H, J = 5 & 1.5 Hz), 6.63-6.69(m, 1H), 7.25-7.28(m, 1H), 6.87(d, 1H, J = 8.5 Hz), 6.31(d, 1H, J =2.5 Hz), 6.24 (dd, 1H, J = 8 & 2.5 Hz ), 3.25(s, 2H)。
【0112】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.897(C), 155.797 (C), 148.727(CH), 145.584(CH), 138.672(C), 137.021(CH), 130.536(CH), 123.476(CH), 117.446(C), 106.221(CH), 102.283(CH), 32.196(CH2)。
【0113】
4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)
[0094]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 8.39(d, 1H, J = 2Hz), 8.28(dd, 1H, J = 5 & 1.5 Hz), 6.63-6.69(m, 1H), 7.25-7.28(m, 1H), 6.87(d, 1H, J = 8.5 Hz), 6.31(d, 1H, J =2.5 Hz), 6.24 (dd, 1H, J = 8 & 2.5 Hz ), 3.25(s, 2H)。
【0114】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.897(C), 155.797 (C), 148.727(CH), 145.584(CH), 138.672(C), 137.021(CH), 130.536(CH), 123.476(CH), 117.446(C), 106.221(CH), 102.283(CH), 32.196(CH2)。
【0115】
[0095]ヒドロキシル化生成物(20%)も得たが、カラムクロマトグラフィーによって首尾よく分離した(下の化合物11を参照されたい)。
【0116】
4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)
[0096]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 7.9015 (dd, 1H, J =1.5 & 5.0Hz), 7.277(dt, 1H, J =1.0 & 7.0Hz), 6.778-6.823 (m, 2H), 6.313(dd, 1H, J =2.5 & 6.5Hz), 6.239(dt, 1H, J = 2.0 & 8.5Hz), 3.935(s, 3H), 3.749(s, 2H)。
【0117】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 161.927(C), 157.766(C), 156.578(C). 155.941(C), 143.115(CH), 137.880(CH), 130.828(CH), 124.794(C), 116.498(CH), 106.133(CH), 102.098(CH), 52.482(CH3), 28.505(CH2)。
【0118】
4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)
[0097]1H-NMR (MeOD, 500Hz): δ 6.587(d, 1H, J =8.5Hz), 6.242 (s, 1H), 6.239(s, 2H), 6.106(dd, 1H, J = 2.5 & 8.0Hz), 3.798(s, 3H), 3.775(s, 6H), 3.703(s, 2H)。
【0119】
13C-NMR (CDCl3, 125Hz): δ 160.150(C), 158.100(2 C), 155.986(C), 155.509(C), 132.723(CH), 119.535(C), 109.882(C), 107.232(CH), 103.475(CH), 91.531(2CH), 56.258(2 CH3), 55.802(CH3), 23.157(CH2)。
【0120】
4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)
[0098]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.775(d, 1H, J = 8.5Hz), 6.62-6.68 (m, 3H), 6.295(d, 1H, J = 2.0Hz), 6.202-6.223(m, 1H), 5.842(s, 2H), 3.733(s, 2H)。
【0121】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 155.840(C), 155.124(C), 148.362(C), 146.548(C), 134.234(C), 131.868(CH), 121.597(CH), 119.754(C), 109.431(CH), 108.687(CH), 108.154(CH), 103.761(CH), 101.299(CH2), 35.949(CH2)。
【0122】
4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)
[0099]1H-NMR (MeOD, 300MHz) : δ 8.528(d, 1H, J = 2.1Hz), 8.355(dd, 1H, J =3.6 & 4.8Hz), 7.820(td, J = 1.5 & 7.5Hz), 7.353(t, 1H, J = 5.4Hz), 7.086(d, 1H, J = 7.8Hz), 6.315-6.267(m, 2H), 6.067(s, 1H);微少部分: 8.497(d, 1H, J = 2.1Hz), 7.018(d, 1H, J = 9.3Hz), 5.661(s, 1H)。
【0123】
13C-NMR(MeOD, 125MHz): δ 157.659(C), 155.283(C), 147.120(CH), 146.694(CH), 141.308(C), 135.144(CH), 127.604(CH), 123.495(CH), 120.885(C), 106.466(CH), 102.231(CH), 68.285(CH)。
【0124】
【表2】

【0125】
実施例3.式IIIの化合物の一般的且つ具体的な合成方法
【0126】
【化11】

【0127】
[00100]式IIIの化合物は、下のスキーム3に示されるように製造した。簡単にいうと、スキーム3に関して、式IIIの1,2−ジフェニルエテン化合物は、該当する Wittig 塩とアルデヒドとの間の Wittig 反応後、活性炭上のPdおよびギ酸アンモニウム(AMF)での水素化によって製造した。
【0128】
【化12】

【0129】
スキーム3の代表的な手順:4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)
[00101]THF(25mL)中の臭化ベンジルのホスホニウム塩(5.2g,12mmol)の溶液に、ヘキサン中のnBu−Li(6.9mL,11mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌させ、その時間中に、混合物は赤色を生じて、イリドの形成を示した。THF(10mL)中の2,4−ビス(ベンゾールオキシ)ベンズアルデヒド(3.2g,10mmol)の溶液を、そのイリド溶液に−80℃で加え、そして低温浴を除去することなく、一晩撹拌させた。その時間中に、赤色は消失し、帯白色懸濁液が形成され、それを、ヘキサンで希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルの短床を介して通過させて、酢酸エチル−ヘキサン(5:95)で溶離して、カップリング生成物(3.6g,92%)を(E/Z:20/80)比率で淡黄色油状物として生じた。
【0130】
[00102]次に、そのカップリング生成物(3g,7.7mmol)を、24mLのTHF/MeOH(1:2)中に溶解させた後、活性炭上10%Pd(300mg)およびギ酸アンモニウム(3.92g,62mmol)で還流しながら4時間処理した。冷却後、反応混合物を、セライトを介して濾過して、触媒を除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより、ヘキサンおよび酢酸エチル(75:25)で溶離して精製して、化合物12(1.5g,95%)をオフホワイト固体として生じた。
【0131】
1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 7.19-7.09 (m, 5H), 7.77(d, 1H, J=8Hz), 6.35 (t, 1H, J=2.5Hz), 6.22 (s, 1H), 2.80 (d, 2H, J = 6Hz), 2.78 (d, 2H, J = 4Hz)。
【0132】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 155.911(C), 155.604(C), 142.535(C), 130.302(CH), 128.177(CH), 128.170(CH), 127.815(CH), 127.800(CH), 125.238(CH), 119.561(C), 106.029(CH), 102.150(CH), 36.274(CH2), 31.803(CH2)。
【0133】
[00103]式IIIの代表的な化合物13〜27(表3を参照されたい)を、同じ一般的な反応スキームにしたがって、適当な出発物質を用いて合成した。全収率は、35〜55%であった。いくつかの場合、還元的高圧水素化反応を、CTH法の代わりに Parr 装置を用いて首尾よく行って、最終化合物を得た。
【0134】
4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)
[00104]1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 6.985 (dd, 2H, J =3 & 5Hz), 6.764 (d, 1H, J = 8Hz), 6.716-6.617 (m, 2H), 6.326 (d, 1H, J = 2.5Hz), 6.215 (dd, 1H, J = 2.5 & 8.5Hz), 2.719(s, 2H), 2.675(d, 2H, J = 8.5Hz)。
【0135】
13C-NMR (MeOD, 125MHz): δ 155.756(C), 155.500(C), 154.560(C), 133.707(C), 130.354(CH), 129.125(2CH), 119.742(C), 114.586(2CH), 106.048CH), 102.127(CH), 35.393(CH2), 31.988(CH2)。
【0136】
4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)
[00105]1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 7.052 (d, 2H, J =8.5Hz), 6.748-6.772 (m, 3H), 6.343(d, 1H, J = 2.5Hz), 6.222(dd, 1H, J =2.5 & 8.0Hz), 3.683(s, 3H), 2.745(t, 4H, J = 6.0Hz)。
【0137】
13C-NMR (MeOD, 125MHz): δ 157.700(C), 155.893(C), 155.601(C), 134.660(C), 130.317(CH), 129.073(2CH), 119.608(C), 113.255(2CH), 106.007(CH), 102.139(CH), 54.303(CH3), 35.350(CH2), 31.944(CH2)。
【0138】
4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)
[00106]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.75(d, 1H, J = 8Hz), 6.67(d, 1H, J = 8 Hz), 6.66(d, 1H, J = 1.5Hz), 6.61(dd, 1H, J = 8 & 1.5Hz), 6.27(d, 1H, J = 2.5 Hz), 6.17(dd, 1H, J = 8 & 2.5 Hz), 5.87 (s, 2H), 2.71-2.72(m, 4H)。
【0139】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.01(C), 155.01 (C), 147.41(C), 145.47(C), 136.52(C), 130.14(CH), 120.87(CH), 119.23(C), 108.48(CH), 107.39(CH), 105.82(CH), 102.03(CH), 100.45(CH2), 35.95(CH2), 32.03(CH2)。
【0140】
4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)
[00107]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.81(d, 2H, J = 2Hz), 6.29 (s, 2H), 6.20 (dd, 2H, J = 2 & 2 Hz), 2.68 (s, 4H)。
【0141】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 155.83 (2 C), 155.47 (2 C), 130.04 (2 CH), 145.47(C), 120.01 (2 C), 105.95(2 CH), 102.05(2 CH), 30.04(2 CH2)。
【0142】
4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)
[00108]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.93(d, 1H, J = 8Hz), 6.73(d, 1H, J = 8 Hz), 6.46(d, 1H, J = 2 Hz), 6.37(dd, 1H, J = 8 & 2 Hz), 6.28(d, 1H, J = 2 Hz), 6.17(dd, 1H, J = 8 & 2Hz), 3.77 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 2.67-2.73(m, 4H)。
【0143】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 159.177 (C), 158.307 (C), 155.801(C), 155.564(C), 155.564 (C), 130.047 (CH), 129.758 (CH), 122.988(C), 119.900 (C), 105.796 (CH), 103.771 (CH), 101.991 (CH), 97.867 (CH), 54.392 (CH3), 54.289 (CH3), 29.901(CH2), 29.834(CH2)。
【0144】
4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)
[00109]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.77(d, 1H, J = 10Hz), 6.34(d, 2H, J = 5 Hz), 6.32(d, 1H, J = 5 Hz), 6.25(t, 1H, J = 5 Hz), 6.20(dd, 1H, J = 10 & 5 Hz), 3.68 (s, 6H), 2.75 (s, 4H)。
【0145】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 160.67 (C, 2C), 155.98 (C), 155.60 (C), 144.91 (C), 130.32 (CH), 119.38 (C), 106.20 (CH, 2C), 105.97 (CH), 102.08 (CH), 97.50 (CH), 54.25 (2 CH3), 36.48 (CH2), 31.47 (CH2)。
【0146】
4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)
[00110]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.972 (d, 1H, J=8.5Hz), 6.624(d, 1H, J=9.0 Hz), 6.285(dd, 1H, J=1 & 2.5Hz), 6.184 (ddd, 1H, J = 1.5, 2.5 & 8 Hz), 3.783 (s, 3H), 3.694 (s, 3H), 2.723-2.762 (m, 4H), 2.114(s, 3H)。
【0147】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 157.034 (C), 156.915 (C), 155.953 (C), 155.664 (C), 130.066 (CH), 127.197 (C), 126.967 (CH), 119.834 (C), 118.705 (C), 105.855 (CH), 105.841 (CH), 102.046 (CH), 59.749 (CH3), 54.637 (CH3), 31.008 (CH2), 29.916 (CH2), 7.941 (CH3)。
【0148】
4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)
[00111]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.698. (dd, 1H, J = 1.5 & 8Hz), 6.262 (t, 1H, J = 2.5Hz), 6.135-6.157 (m, 3H), 3.775 (s, 3H), 3.730 (s, 3H), 3.723(s, 3H), 2.750 (t, 2H, J = 8.0Hz), 2.563 (t, 2H, J = 8.0Hz)。
【0149】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 159.369 (C), 158.799 (2C), 155.638 (C), 155.556 (C), 129.840 (CH), 120.359 (C), 111.082 (C), 105.696 (CH), 101.906 (CH), 90.367 (2 CH), 54.744 (2 CH3), 54.281 (CH3), 28.790 (CH2), 22.653 (CH2)。
【0150】
4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)
[00112]1H-NMR (MeOD, 500Hz): δ 6.928 (d, 2H, J = 8.5Hz), 6.8541(d, 1H, J = 8.0Hz), 6.631(d, 2H, J = 8.0Hz), 6.259(d, 1H, J = 2.0Hz), 6.219(dd, 1H, J = 2.5 & 8.0Hz), 3.231(q, 1H, J = 6.5Hz), 2.854(dd, 1H, J = 5.5 & 13.0Hz), 2.519(dd, 1H, J = 9.0 & 13.5Hz), 1.087(d, 3H, J = 7.0Hz)。
【0151】
13C-NMR(MeOD, 500Hz): δ 155.482(C), 155.093(C), 153.428(C ), 154.716( C), 132.452(CH), 129.673(2CH), 124.583(C), 114.242(2CH), 105.870(CH), 102.016(CH), 42.284(CH2), 33.835(CH), 18.575(CH3)。
【0152】
4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)
[00113]1H-NMR (CDCl3, 300MHz): δ 7.348(s, 2H), 7.187(s, 1H), 6.342 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 6.282 (d, 2H, J = 10.2 Hz), 2.795-2.663 (m, 4H)。
【0153】
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): δ 154.903(C), 154.594(C), 143.043(CH), 139.307(CH), 131.236(CH), 124.802(C), 120.509(C), 111.259(CH), 107.970(CH), 103.249(CH), 30.310(CH2), 25.544(CH2)。
【0154】
4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)
[00114]1H-NMR (CDCl3, 300MHz): δ 6.933 (d, 1H, J = 8.4Hz), 6.359-6.283 (m, 2H), 3.951-3.709 (m, 3H), 3.388 (t, 1H, J = 7.5Hz), 2.602-2.492 (m, 2H), 2.262-2.163 (m, 2H), 1.707-1.585 (m, 3H)。
【0155】
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz): δ 155.056, 154.544, 132.595, 120.639, 110.008, 107.810, 103.074, 68.188, 64.108, 33.905, 32.718, 28.432。
【0156】
4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)
[00115]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 7.31(d, 1H, J = 2Hz), 6.78(d, 1H, J = 8 Hz), 6.28(d, 1H, J = 2 Hz), 6.24(dd, 1H, J = 3 & 2 Hz), 6.18(dd, 1H, J = 8 & 2.5 Hz), 5.95(dd, 1H, J = 3 Hz), 2.78-2.82(m, 4H)。
【0157】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.145 (C), 156.104 (C), 155.675(C), 140.334(CH), 129.995 (CH), 118.790 (C), 109.576 (CH), 105.867(CH), 104.315 (CH), 102.020 (CH), 28.209(CH2), 28.150(CH2)。
【0158】
4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)
[00116]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.83(d, 1H, J = 8Hz), 6.26(d, 1H, J = 2.5 Hz), 6.21(dd, 1H, J = 8 & 2.5 Hz), 3.79-3.85 (m, 2H), 3.70-3.73 (m, 1H), 2.57-2.60 (m, 1H), 2.51-2.56 (m, 1H), 1.98-2.01 (m, 1H), 1.86-1.90 (m, 2H), 1.77-1.80 (m, 1H), 1.70-1.71 (m, 1H), 1.48-1.54 (m, 1H)。
【0159】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.01 (C), 155.619 (C), 155.675(C), 129.958 (CH), 119.326 (C), 105.855 (CH), 102.130 (CH), 79.187(CH), 67.104 (CH2), 35.728 (CH2), 30.771 (CH2), 25.951(CH2), 25.218 (CH2)。
【0160】
4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)
[00117]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.786 (d, 1H, J = 8.0Hz), 6.278(d, 1H, J = 2.5Hz), 6.1845(dd, 1H, J =2.5 & 8.0Hz), 5.189(s, 2H), 2.766(s, 4H), 2.578(q, 2H, J = 7.5Hz), 1.194(td, 3H, J =7.5 & 1.0Hz)。
【0161】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.090(C), 155.649(C), 155.401(C), 154.142(C), 129.999(CH), 118.938(C), 105.852(CH), 104.734(CH), 103.779(CH), 102.006(CH), 28.309(CH2), 28.268(CH2), 20.828(CH2), 11.443(CH3)。
【0162】
4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)
[00118]1H-NMR (MeOD, 300 MHz): δ 8.293 (dd, 1H, J = 4.8 & 1.5Hz), 8.250(d, 1H, J = 1.8Hz), 7.605(dt, 1H, J =8.1 & 1.5Hz), 7.291(ddd, 1H, J = 7.5, 4.5 & 0.6Hz), 6.673 (d, 1H, J = 8.4Hz), 6.270 (d, 1H, J = 2.4Hz), 6.139 (dd, 1H, J = 8.4 & 2.1Hz), 2.880(td, 2H, J = 6.6 & 1.8Hz), 2.778(td, 2H, J =6.6 & 1.2Hz)。
【0163】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 156.06(C), 156.04(C), 149.00(CH), 146.00(CH), 138.90(C), 137.34(CH), 130.57(CH), 123.72(CH), 118.31(C), 106.03(CH), 102.25(CH), 33.14(CH2), 31.48(CH2)。
【0164】
【表3A】

【0165】
【表3B】

【0166】
実施例4.式IVの化合物の一般的且つ具体的な合成方法
【0167】
【化13】

【0168】
[00119]式IVの化合物は、スキーム4に記載のように製造した。簡単にいうと、式IVを代表する1,3−ジフェニルプロパンは、塩基で触媒された Aldol 縮合によって製造して、それぞれのカルコンを与えた後、それを、ギ酸アンモニウム(AMF)およびPd−C触媒を用いた水素の接触転移(catalytic transfer of hydrogen)(CTH)によって還元した。
【0169】
【化14】

【0170】
スキーム4の代表的な手順:化合物28、29および30の合成
アルドール縮合反応の一般的な方法
[00120]100mLの無水MeOH中に2,4−ジベンジルオキシアセトフェノン(7.67g,23.1mmol)および3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(3.80g,23mmol)を含有する溶液に、KOH(1.4g,25mmol)を加え、その混合物を、室温で5時間撹拌した。黄色固体が析出し、それを濾過し、水で洗浄した。その粗生成物を、最終的にMeOHから結晶化させて、黄色結晶性固体(9.97g;87%)を与えた。
【0171】
一般的なCTH還元法
[00121]縮合生成物α,β−不飽和ケトン(3g,7.5mmol)を、24mLの氷酢酸中に溶解させた後、活性炭上10%Pd(300mg)およびギ酸アンモニウム(3.92g,62mmol)を加え、そして反応混合物を4時間還流させた。沈静させた後、反応混合物を、Celite を介して濾過して、触媒を除去した。粗生成物を、ロータリーエバポレーターで濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサンおよび酢酸エチル(75:25)で溶離して精製して、化合物28(1.1g,50%)をオフホワイト固体として、そして化合物29(0.57g,25%)を濃厚黄色液状物として生じた。
【0172】
一般的な脱メチル法
[00122]乾燥CHCl(20mL)中の28(1.4g,4.9mmol)のアルゴン下−80℃撹拌溶液に、BBr(2.67g,10.7mmol)を加え、その混合物を徐々に0℃に加温した。その反応を、氷冷水を加えることによって急冷し、メタノールを加えた。次に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/ヘキサン(25:75)で溶離して精製して、化合物30(1.14g,90%)を固体として与えた。
【0173】
4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)
1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.828 (d, 1H, J =8.5Hz), 6.344 (d, 2H, J =2.5Hz), 6.288(d, 1H, J = 2.5Hz), 2.265(t, 1H, J = 2.0Hz), 6.226(dd, 1H, J = 2.5Hz & 8.0Hz), 3.723(s, 6H), 2.503-2.558 (m, 4H), 1.800-1.826 (m, 2H)。
【0174】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 160.772 (2C), 155.860(C), 155.597(C), 145.065(C), 130.080(CH), 119.774(C), 106.055(2 CH), 105.937(CH), 102.094(CH), 97.326(CH), 54.226(2 CH3), 35.587(CH2), 31.563(CH2), 28.924(CH2)。
【0175】
4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)
[00123]1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.977 (d, 1H, J =8.0Hz), 6.316-6.337 (m, 3H), 6.309(t, 1H, J =2.5Hz), 6.259(t, 1H, J =2.5Hz), 4.781(dd, 1H, J =5.5Hz, J2=7.5Hz), 3.704(s, 6H), 2.623(ddd, 1H, J =13.5Hz, J2=10.0Hz, J3=5.5Hz), 2.5222(ddd, 1H, J =20.0Hz, J2=9.5Hz, J3=6.5Hz), 2.031-1.908(m, 2H)。
【0176】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 160.806(2C), 157.356(C), 156.189(C), 144.503(C), 128.070(CH), 118.275(C), 106.640(CH), 106.155(2 CH), 102.239(CH), 97.515(CH), 78.440(CH), 54.185(CH3), 54.059(CH3), 37.786(CH2), 32.070(CH2)。
【0177】
4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)
[00124]1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 6.827 (d, 1H, J = 8.0Hz), 6.267(d, 1H, J = 2.0Hz), 6.211(dd, 1H, J = 2.5 & 8.5Hz), 6.142 (d, 2H, J = 2.0Hz), 6.074 (t, 1H, J = 2.5Hz), 2.507(t, 2H, J = 8.0Hz), 2.455(t, 2H, J = 8.0Hz), 1.76-1.84(m, 2H)。
【0178】
13C-NMR (MeOD, 125MHz): δ 157.848(2C), 155.849(C), 155.582(C), 145.065(C), 129.995(CH), 119.793(C), 106.559(2CH), 105.859(CH), 102.054(CH), 99.514(CH), 35.420(CH2), 31.593(CH2), 28.961(CH2)。
【0179】
4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)
[00125]化合物31を、上の化合物28について記載されたのと同様の手順にしたがって、出発物質として2,4−ジベンジルオキシアセトフェノンおよび2,4,6−トリメトキシベンズアルデヒドを用いて合成した。
【0180】
1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.822 (d, 1H, J = 8.0Hz), 6.250(d, 1H, J = 2.5Hz), 6.197(dd, 1H, J =2.5 & 8.0Hz), 6.165(s, 2H), 3.768(s, 3H), 3.764(s, 6H), 2.562(t, 2H, J = 7.5Hz), 2.461(t, 2H, J = 7.5Hz), 1.617-1.653(m, 2H)。
【0181】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 159.273(C), 158.729(2C), 155.556(C), 155.449(C), 129.655(2CH), 120.426(C), 111.382(C), 105.789(CH), 101.968(CH), 90.285(CH), 54.655(2CH3), 54.274(CH3), 29.716(CH2), 29.064(CH2), 22.142(CH2)。
【0182】
4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)
[00126]化合物32を、化合物30について記載されたのと同様の手順にしたがって、出発物質として2,4−ジベンジルオキシアセトフェノンおよび2,4−ジメトキシ−3−メチルベンズアルデヒドを用いて合成した。
【0183】
1H-NMR (MeOD, 500 MHz): δ 6.879 (d, 1H, J =8.5Hz), 6.747(d, 1H, J =8.0Hz), 6.352(d, 1H, J =1.5Hz), 6.341(d, 1H, J =4.0Hz), 6.285(dd, 1H, J =8.0Hz & 2.5Hz), 2.567(dd, 4H, J = 8.0 & 7.5Hz), 2.133(s, 3H), 1.786-1.817 (m, 2H)。
【0184】
13C-NMR (MeOD, 125 MHz): δ 155.486(C), 155.316(C), 153.428(C), 152.906(C), 130.295(CH), 126.523(CH), 120.933(C), 120.518(C), 111.556(C), 106.788(CH), 106.377(CH), 102.283 (CH), 30.767(CH2), 29.649(CH2), 29.127(CH2), 7.833(CH3)。
【0185】
4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−−(2,4−ジヒドロキシフェニル )プロパン−1−オン(33)
[00127]化合物33を、化合物28について記載されたのと同様の手順にしたがって、出発物質として2,4−ジベンジルオキシアセトフェノンおよび2,4−ジメトキシ−3−メチルベンズアルデヒドを用いて合成した。Pd−C/ギ酸アンモニウムでの還元は、還流する代わりに室温で行った。三臭化ホウ素での脱メチル反応は、化合物30についての手順に記載されたのと同様のプロトコルを用いて行った。
【0186】
1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 7.628 (d, 1H, J = 9.0Hz), 6.868 (d, 1H, J =8.0Hz), 6.349(d, 1H, J =9.0Hz), 6.283(d, 1H, J =2.5Hz), 6.203(dd, 1H, J =2.5 & 8.0Hz), 3.127(t, 2H, J =7.5Hz), 2.862(t, 2H, J =7.5Hz), 2.031(s, 3H)。
【0187】
13C-NMR (MeOD, 500Hz): δ 205.420(C), 162.894(C), 162.264(C), 156.438(C), 155.782(C), 130.710(CH), 129.510(CH), 118.364(C), 112.249(C), 110.820(C), 106.596(CH), 105.970(CH), 102.142(CH), 47.089(CH2), 25.810(CH2), 6.361(CH3)。
【0188】
実施例5.4−(5−ヒドロキシフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)の合成
[00128]化合物34を、スキーム5に示されるように合成した。
【0189】
【化15】

【0190】
[00129]THF(25mL)中の2.4−ビス(ベンゾールオキシ)ベンジルブロミドのホスホニウム塩(7.72,12mmol)の溶液に、ヘキサン中のnBu−Li(6.9mL,11mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌させ、その時間中に、混合物は赤色を生じて、イリドの形成を示した。THF(10mL)中の4−(テトラヒドロピラニルオキシ)ブタナール(1.72g,10mmol)の溶液を、そのイリド溶液に−80℃で加え、その混合物を、低温浴を除去することなく、一晩撹拌させ、その時間中に、赤色は消失し、帯白色懸濁液が形成され、それを、ヘキサンで希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルの短床を介して通過させて、酢酸エチル−ヘキサン(5:95)で溶離して、カップリング生成物(5.2g,92%)を(E/Z:20/80)比率で淡黄色油状物として生じた。
【0191】
[00130]次に、そのカップリング生成物(3.6g,7.7mmol)を、24mLのTHF/MeOH(1:2)中に溶解させた後、活性炭上10%Pd(360mg)およびギ酸アンモニウム(3.92g,62mmol)で還流しながら4時間処理した。沈静させた後、反応混合物を、セライトを介して濾過して、触媒を除去した。粗生成物を、濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより、ヘキサンおよび酢酸エチル(80:20)で溶離して精製して、還元生成物(2.15g,95%)を無色濃厚液状物として生じた。
【0192】
[00131]エタノール(20mL)中のその還元生成物(1.2g,4mmol)の撹拌溶液に、トルエン−4−スルホン酸ピリジニウム(350mg,1.39mmol)を室温で加え、その混合物を24時間撹拌した。真空中で溶媒を除去後、シリカゲル上において酢酸エチル−ヘキサン(10:90)で溶離する残留物のカラムクロマトグラフィーは、標題化合物(34)をオフホワイト固体(690mg,88%)として生じた。
【0193】
1H-NMR (MeOD, 500MHz): δ 8.825(d, 1H, J = 7.5Hz), 6.2705 (d, 1H, J = 0.5Hz), 6.215(d, 1H, J = 7.5Hz), 3.538(t, 2H, J = 6.5Hz), 2.491(t, 2H, J = 7.5Hz), 1.526-1.585(m, 4H), 1.358-1.40(m, 2H)。
【0194】
13C-NMR (MeOD, 125MHz): δ 155.705(C), 155.482(C), 129.984(CH), 120.108(C), 105.926(CH), 102.061(CH), 61.722(CH2), 32.189(CH2), 29.182(CH2), 29.086(CH2), 25.322(CH2), 103.761(CH)。
【0195】
[00132]
【0196】
【表4】

【0197】
実施例6.チロシナーゼ検定
試薬
[00133]アガリクス・ビスポルス(Agaricus bisporus)というキノコ種より単離されたチロシナーゼは、Sigma-Aldrich Inc.(Cat#T3824−50KU)より購入した。その酵素を、チロシナーゼ検定用緩衝液(100mMリン酸ナトリウム、pH6.8)中に溶解させて、10U/μlの濃度とし、−70℃で貯蔵した。実験用には、その酵素を、検定用緩衝液中で新たに希釈して、0.2U/μlの濃度とした。
【0198】
[00134]試験化合物は全て、最初に、100%DMSO中に400mMの濃度で溶解させた。それら化合物を、100%DMSO中で更に希釈して、80μMの濃度とした。次に、それら化合物の80μM原液を、チロシナーゼ検定用緩衝液中で10回希釈して、8μMの濃度とした。次に、それら化合物を、10%DMSOを含有する検定用緩衝液中において3倍増加で連続希釈して、DMSOの濃度を全ての試料で一定に保持した。引き続き、これら連続希釈された化合物を、チロシナーゼ活性検定において2倍濃縮原液として用いた。
【0199】
[00135]チロシナーゼ基質L−DOPA(Sigma-Aldrich Inc, Cat #37830)を、チロシナーゼ検定用緩衝液中に溶解させて、4mMの濃度とした。次に、この溶液を、チロシナーゼ活性検定において基質の4倍濃縮原液として用いた。
【0200】
検定条件
[00136]チロシナーゼ検定は、透明底96ウェルプレート中において室温で行った。検定の最終容量は、200μl/ウェルであった。100μlの2倍濃縮試験化合物を、50μlの4mM L−DOPAと混合した。反応は、50μlのキノコチロシナーゼ(0.2U/μl、10U/反応)を加えることによって開始し、15分間進行させた。着色した生成物の蓄積を、450nmでの吸光により、Victor 2プレートリーダー(Perkin-Elmer Inc.)を用いて監視した。
【0201】
結果
[00137]検定は、三重反復で行い、4μM〜5.5nMの濃度範囲の試験化合物に及んだ。酵素不含のウェルの平均(n=3)吸収を、ブランクとして差し引いた。データは、チロシナーゼを含有するが、試験化合物不含のウェルの活性百分率として算定した。IC50値は、GraphPad Prism ソフトウェアを用いた非線型回帰合致により算定した。式I〜式IVの代表的な化合物の結果を、下の表1〜4および図1〜9に示す。
【0202】
実施例7.ネズミ黒色腫細胞に基づく検定
[00138]次に、選択された化合物を、下に詳述されるように、ネズミ黒色腫細胞B16−F1によるメラニン生産を抑制する能力について調べた。
【0203】
材料
[00139]ネズミ黒色腫細胞B16−F1は、ATCC(Cat #CRL−6323)より購入した。CellTiter96 AqueousOne Solution は、Promega(Cat#G3581)より購入した。0.2μm細孔度の低タンパク質結合フィルターは、PALL Life Sciences.(Cat #PN4454)より購入した。α−MSHは、Bachem Inc.(Cat #H−1075.0005)より購入した。組織培養試薬は全て、Invitrogen Inc. より購入した。
【0204】
[00140]B16−F1細胞は、細胞増殖培地(グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、10%透析済みウシ胎児血清、1%非必須アミノ酸、50単位/mLのペニシリンおよび50μg/mLのストレプトマイシンを補足したDMEM/High Glucose)中において、95%空気および5%COの給湿雰囲気中、37℃で維持した。
【0205】
[00141]試験化合物は全て、最初に、100%DMSO中に400mMの濃度で溶解させた。次に、6μlの400mM試験化合物を、200nM α−MSHを補足した1.2mLの細胞増殖培地に加えて、試験化合物について2mMの最終濃度およびDMSOについて0.5%の濃度を生じた。それら化合物を、20,000xgで1時間遠心分離した。上澄み(1mL)を集め、そして滅菌0.2μmフィルターを介して濾過した。それら化合物を、0.5%DMSOおよび200nM α−MSHを補足した滅菌細胞増殖培地中において2倍増加で連続希釈し、それによって、α−MSHおよびDMSOの濃度を全ての試料について一定に保持した。引き続き、これら連続希釈された化合物を、メラニン生産および細胞生存能力の検定において2倍濃縮原液として用いた。
【0206】
方法
[00142]B16−F1細胞を、透明底96ウェルプレートのウェル中に、100μlの細胞増殖培地中、40,000個細胞/ウェルで播種した。翌日、100μlの新たに調製された2倍濃縮試験化合物を、それらウェルに加えた。それら細胞を、95%空気および5%COの給湿雰囲気中において37℃で72時間維持した。インキュベーション時間の最後に、それら細胞から、メラニン含有ならし培地を取り出し、別のプレートに移した。メラニン含有量を測定するために、ならし培地の吸光を、Victor 2プレートリーダー(Perkin-Elmer Inc.)を用いて450nmで得た。
【0207】
[00143]細胞の生存能力は、生きている細胞のレドックス電位に基づく標準的なテトラゾリウム還元検定を用いて測定した。メラニン含有ならし培地の吸引後、それら細胞に、テトラゾリウム塩を含有する16% CellTiter96 AqueousOne 溶液を補足した100μlの新鮮培地を速やかに補給した。それら細胞を、37℃で更に20〜40分間維持した。テトラゾリウムの変換は、細胞ウェルの吸収を、Victor 2プレートリーダー(Perkin-Elmer Inc.)を用いて450nmで測定することによって監視した。
【0208】
結果
[00144]代表的な実験の結果を、表5および図1〜9に要約する。培養された黒色腫細胞によって生産されるメラニンの90%を超えるパーセントが、細胞外の培地中で見出される。したがって、実験の最後に、メラニン含有培地を集め、そしてメラニンの相対量を、450nmでの吸着によって決定した。細胞の生存能力は、テトラゾリウム化合物の着色ホルマザン生成物への変換に基づく一般的に用いられる比色法によって(Promega's CellTiter96 AqueousOne 検定を用いて)決定した。代謝的に活性な細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素は、この変換を達成し、そしてホルマザン生成物の量は、培養物中の生きている細胞の数に正比例する。
【0209】
[00145]それら検定は、四重反復で行い、2μM〜1000μMの濃度範囲の試験化合物に及んだ。細胞不含のウェルの平均(n=4)吸収を、ブランクとして差し引いた。それら結果を、細胞を含有するが、試験化合物不含のウェルのパーセントとして算定した。IC50値は、GraphPad Prism ソフトウェアを用いた非線型回帰合致により算定した。それら結果を、表5に示す。
【0210】
【表5】

【0211】
実施例8.再建済みヒト皮膚研究
材料および方法
[00146]試験化合物のスキンホワイトニング作用を、再建済み皮膚モデル、すなわち、MatTek Corp.(Ashland,MA)によって与えられた MelanodermTMを製造者の仕様書にしたがって用いて研究した。簡単にいうと、暗色皮膚ドナー由来の正常ヒト表皮角化細胞および正常ヒトメラノサイトを、コラーゲン被覆メンブランの表面上で共培養して、多重層の極めて分化した皮膚組織を形成させた(MEL−300−B)。それら組織を、COインキュベーター中において37℃で維持した。その再建済み皮膚の頂端表面(9mm直径)を空気に暴露し、底面は、皮膚分化性因子を含有する5mLの維持用培地と接触した状態のままにした(EPI−100−NNM−113)。試験化合物は、80%プロピレングリコール中で、次のように製剤化した。各10mgの試験化合物を、1mLのプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、Sigma-Aldrich)中に一晩溶解させた。次に、それら化合物を、0.2μmフィルターを介して通過させることによって滅菌し、そして滅菌水/プロピレングリコール中で希釈して、0.2%、0.4%および0.8%の最終濃度とした。プロピレングリコールの濃度は、全ての試料について80%に保持した。更に、次の対照を用いた。滅菌水、80%プロピレングリコールおよび水中1%コウジ酸。
【0212】
[00147]試験化合物を、組織の頂端表面へ次のように適用した。各10μlの試験化合物、10μlの80%プロピレングリコール(ビヒクル対照)、25μlの滅菌水(負の対照)および25μlの1%コウジ酸(正の対照)。それら試料を、1日おきに15日間再適用した。試料は全て、二重反復で調べた。実験の最後に、25X位相差対物およびカラーCCDカメラを装備した写真用顕微鏡を用いて顕微鏡画像を得た。
【0213】
結果
[00148]試験化合物について可能性のあるスキンホワイトニング性を、再建済み皮膚モデルにおいて更に精査した。そのモデルは、多重層の極めて分化したヒト表皮を形成するように共培養された正常ヒト由来表皮角化細胞およびメラノサイトから成る。この研究において、メラノサイトは、極めて色素沈着したドナーから入手した。再建済み皮膚は、空気−液界面で成長させて、スキンホワイトニング剤の局所適用を模擬することを可能にした(図10A)。
【0214】
[00149]異なる濃度の試験化合物、80%プロピレングリコール(ビヒクル対照)、水(負の対照)または1%コウジ酸(正の対照)を、再建済み皮膚の表面上に繰り返し15日間局所適用した。試験化合物の内の二つ、すなわち、化合物#16および化合物#25は、検出可能な細胞形態変化を全く引き起こすことなく、皮膚メラノサイトへの有意のホワイトニング作用を示した(図10B)。それらの内、化合物#16は、実験の開始後3日程度に早く認められるメラノサイトへの有意のホワイトニングで最大の作用を示した(データは示されていない)。15日の実験後に得られた皮膚検体の写真は、暗色樹状細胞として写真に現れているメラノサイトへの有意の用量依存性ホワイトニング作用を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、Rは、フェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルから成る群より選択される芳香環またはヘテロ芳香環から成る群より選択され;ここにおいて、Rは、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている]
を有する化合物。
【請求項2】
Rが、1’−(4’−メトキシ)フェニル;1’−(2’,4’−ジヒドロキシ)フェニル;1’−(3−ピリジル);1’−(ビフェニル−4−オール)から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式II:
【化2】

[式中、X=HまたはOH、そしてRは、フェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルから成る群より選択される芳香環またはヘテロ芳香環より選択され;ここにおいて、Rは、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている]
を有する化合物。
【請求項5】
Rが、2’−フリル;3’−フリル;3’−ピリジル;3’−(2−メトキシピリジル);1’−(2’,4’,6’−トリメトキシフェニル);1’−(3,4−ジオキサランフェニル)から成る群より選択され、そしてX=OHの場合、Rが3’−ピリジルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)から成る群より選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
式III:
【化3】

[式中、Rは、HまたはC−C10アルキルから成る群より選択され;そしてRは、フェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルまたは2−テトラヒドロフラニルから成る群より選択される芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環より選択され;ここにおいて、Rは、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている]
を有する化合物。
【請求項8】
が、Hまたは−CHより選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
がHであり、そしてRが、1’−フェニル;1’−(4−ヒドロキシフェニル);1’−(4−メトキシフェニル);1’−(3,4−ジオキサラン)フェニル;1’−(2,4−ジヒドロキシフェニル);1’−(2,4−ジメトキシフェニル);1’−(3,5−ジメトキシフェニル);1’−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェニル);1’−(2,4,6−トリメトキシフェニル(trihmethoxyphenyl));3−フリル;3−テトラヒドロフリル;2’−フリル、2’−テトラヒドロフリル;2’−(5’−エチル)−フルフリル;3’−ピリジルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
=Me、そしてR=1’−フェニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)から成る群より選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項12】
式IV:
【化4】

[式中、
【化5】

は、二重結合または単結合を表し;
は、HまたはC−C10アルキルから成る群より選択され;
は、=H、OHまたはOから成る群より選択され;そして
は、フェニル、ビフェニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フラニル、3−フラニルまたは2−テトラヒドロフラニルから成る群より選択される芳香環、ヘテロ芳香環または複素環式環から成る群より選択され;ここにおいて、Rは、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基またはヒドロキシル基から成る群より独立して選択される1〜3個の残基(R’、R''、R''')で置換されている。]を有する化合物
[但し、次の、
条件1:R=R=Hの場合;Rは、1’−(2,4−ジメトキシ−3−メチル)フェニルではあり得ない;
条件2:R=R=Hの場合;Rは、1’−(2,4−ジヒドロキシ)フェニル;1’−(2,4−ジアルコキシ)フェニル;1’−(2,4−ジアルケノキシ)フェニルまたは1’−( 2,4−ジベンジルオキシ)フェニルではあり得ない;
条件3:Rは、1’−(4−ヒドロキシ)フェニルではあり得ない;
条件4:R=R=Hの場合;Rは、1’−(2,4−ジ(CO)Rではあり得ず、ここにおいて、Rは、(C−C20)−アルキル基である;
条件5:R=R=Hの場合、Rは、1’−(2,4−二置換)フェニルではあり得ず;ここにおいて、該置換基は、−ORおよび−ORより選択され、ここにおいて、RおよびRは、Hまたは(C−C20)−アルキルから成る群より独立して選択される;および
条件6:R=HおよびR=OHの場合;Rは、1’−(3,4−ジヒドロキシ)フェニル;1’−(3,4−ジメトキシ)フェニル;1’−(2−ヒドロキシ)フェニル;1’−(2−メトキシ)フェニル;1’−(4−メトキシ)フェニル;フェニル;1’−(3−メトキシ,4−ヒドロキシ)フェニルではあり得ない
という条件付きである。]
【請求項13】
=R=H、そしてRが、1’−(3’,5’−ジメトキシ)フェニル;1’−(3’,5’−ジヒドロキシ)フェニル;1−(2’,4’,6−トリメトキシフェニル)より選択される;R=Me、R=OH、そしてRが、1’−(2’,4’−ジヒドロキシ)フェニルである;R=Me、R=O、そしてRが、1’−(2’,4’−ジヒドロキシ)フェニルである;およびR=R=Hで、Rが−CHCHOHである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)から成る群より選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)、4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)、4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)という化合物またはそれらの薬学的に許容しうる塩から成る群より選択される物質の組成物。
【請求項16】
チロシナーゼの活性を阻害する方法であって、それを必要としている患者に、4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)、4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)、4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)から成る群より選択される一つまたはそれを超える化合物を含む組成物を投与することを含む方法。
【請求項17】
メラニンの生産を阻害する方法であって、それを必要としている対象に、4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)、4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)、4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)から成る群より選択される一つまたはそれを超える化合物を含む組成物を投与することを含む方法。
【請求項18】
メラニンの過剰生産または不均一分布に関連した疾患および状態を予防又は処置する方法であって、それを必要としている対象に、4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)、4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)、4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)から成る群より選択される一つまたはそれを超える化合物を含む有効量の組成物を投与することを含む方法。
【請求項19】
前記疾患および状態が、日焼け;皮膚老化、肝斑、肝疾患、熱傷および局所創傷によって引き起こされる色素沈着過度斑点;真菌、微生物およびウイルス感染によって引き起こされる炎症状態による皮膚色素沈着;白斑(vitilago)、癌腫、黒色腫、並びに他の哺乳動物皮膚状態から成る群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
皮膚を白くするおよび/または皮膚の色を薄くする(lightening)方法であって、それを必要としている対象に、4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)、4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)、4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)から成る群より選択される一つまたはそれを超える化合物を含む組成物を投与することを含む方法。
【請求項21】
果実、野菜、ジュースおよび他の食品の褐変および変色を阻害する方法であって、4’−メトキシビフェニル−2,4−ジオール(1)、ビフェニル−2,2’,4,4’−テトラオール(2)、4−(ピリジン−3イル)ベンゼン−1,3−ジオール(3)、4−(4’−ヒドロキシビフェニル)ベンゼン−1,3−ジオール(4)、4−(フラン−2−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(5)、4−(フラン−3−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(6)、4−(ピリジニルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(7)、4−((2−メトキシピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(8)、4−(2,4,6−トリメトキシベンジル)ベンゼン−1,3−ジオール(9)、4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)ベンゼン−1,3−ジオール(10)、4−(ヒドロキシル(ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(11)、4−フェネチルベンゼン−1,3−ジオール(12)、4−(4−ヒドロキシフェネチルベンゼン)−1,3−ジオール(13)、4−(4−メトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(14)、4−(2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルエチル)ベンゼン−1,3−ジオール(15)、4,4’−(エタン−1,2ジイル)ジベンゼン−1,3−ジオール(16)、4−(2,4−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(17)、4−(3,5−ジメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(18)、4−(2,4−ジメトキシ−3−メチルフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(19)、4−(2,4,6−トリメトキシフェネチル)ベンゼン−1,3−ジオール(20)、4−(1−フェニルプロパン−2−イル)ベンゼン−1,3−ジオール(21)、4−(2−(フラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(22)、4−(2−(テトラヒドロフラン−3−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(23)、4−(2−(フラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(24)、4−(2−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(25)、4−(2−(5−エチロフラン−2−イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(26)、4−(2−(ピリジン−3イル)エチル)ベンゼン−1,3−ジオール(27)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(28)、4−(3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(29)、4−(3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(30)、4−(3−(2,4,6−トリメトキシフェニル)プロピル)ベンゼン−1,3−ジオール(31)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル)−2−メチルベンゼン−1,3−ジオール(32)、4−(3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(33)、4−(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン−1,3−ジオール(34)から成る群より選択される2,4−ジヒドロキシベンゼン誘導体を投与することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公表番号】特表2011−528719(P2011−528719A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520130(P2011−520130)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/051217
【国際公開番号】WO2010/011630
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(504000568)ユニジェン・インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】