説明

スクリーン印刷用製版及びその製造方法

【課題】直描用として新規に開発された感光性乳剤をスクリーン印刷用メッシュに塗布し、直描装置により作製できるようにしたスクリーン印刷用製版を得る。
【解決手段】版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたものにおいて、直描用感光性乳剤は、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に塗布された高感度SBQ系乳剤と、スクリーン印刷用メッシュのプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、少なくともプリント面に塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる多層構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直描用として新規に開発された感光性乳剤をスクリーン印刷用メッシュに塗布し、直描装置により作製できるようにしたスクリーン印刷用製版及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーン印刷用製版は、スクリーン印刷用メッシュに感光性乳剤を塗布し、原版(マスク)を使用して紫外線を照射して露光することにより、所望の印刷パターンを形成していた。近年においては、原版(マスク)を使用しないで、直接CADデータからスクリーン印刷用製版を作製する直描装置の導入が急激に普及し始めている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−79775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、市販されている従来の感光性乳剤をスクリーン印刷用メッシュに塗布し、直描装置により露光した場合、図10の顕微鏡写真に示すように、現像時に隣接する露光幅の境界部において感光性乳剤が剥がれるという問題が発生した。隣接する露光幅の境界部分では、乳剤の露光状態が不安定になり、乳剤の重合が不十分な場合には未露光部と露光部の収縮差(重合収縮差)により乳剤の樹脂強度が低くなる。その結果、現像時に乳剤とメッシュ間に剥離が生じることになる。また、パターン開口部の断面形状(アンダーカットによるテーパー)等においても、乳剤に起因する不安定問題が発生した。したがって、露光幅の境界部における重合反応を安定化させることができる、直描装置に見合った感光性乳剤の開発が望まれている。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、直描用として新規に開発された感光性乳剤をスクリーン印刷用メッシュに塗布し、直描装置により作製できるようにしたスクリーン印刷用製版及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るスクリーン印刷用製版においては、版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたものであって、直描用感光性乳剤は、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に塗布された高感度SBQ系乳剤と、スクリーン印刷用メッシュのプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、少なくともプリント面に塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる多層構造である。
【0007】
また、直描用感光性乳剤は、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に塗布された高感度SBQ系乳剤と、スクリーン印刷用メッシュのプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、プリント面及びスキージ面の両面にそれぞれ塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる4層構造である。
【0008】
また、高解像性ジアゾ系乳剤は、ラチュード幅が広くかつ波長領域が350〜420nmの範囲である。
【0009】
また、高感度SBQ系乳剤及び高解像性ジアゾ系乳剤は、赤の乳剤顔料をそれぞれ少量の割合で調合したものである。
【0010】
また、この発明に係るスクリーン印刷用製版においては、版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたものであって、直描用感光性乳剤は、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面の両面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、少なくともプリント面に塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる2層構造である。
【0011】
また、直描用感光性乳剤は、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、プリント面及びスキージ面の両面にそれぞれ塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる3層構造である。
【0012】
また、この発明に係るスクリーン印刷用製版の製造方法においては、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に高感度SBQ系乳剤を塗布する工程と、スクリーン印刷用メッシュのプリント面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面に表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたものである。
【0013】
また、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に高感度SBQ系乳剤を塗布する工程と、スクリーン印刷用メッシュのプリント面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面及びスキージ面の両面にそれぞれ表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたものである。
【0014】
また、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面の両面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面に表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたものである。
【0015】
また、スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面の両面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面及びスキージ面の両面に表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたものである。
【0016】
また、露光工程の後に、未露光部分を膨潤させる膨潤工程と、膨潤工程の終わったスクリーン印刷用製版を水スプレーで水洗いする水洗工程と、乾燥する前に純水等で水洗いするリンス工程と、最後の乾燥工程とを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、隣接する露光幅の境界部分では乳剤の露光状態が安定し、未露光部と露光部の収縮差(重合収縮差)が抑えられ乳剤の樹脂強度が低くならない。その結果、現像時に乳剤とメッシュ間に剥離が生じることが無く、極めて良好な直描装置に適したスクリーン印刷用製版を得ることができる。また重合速度の異なる乳剤による多層構造化により、パターン開口部の断面形状をコントロールすることができ、アンダーカットの低減により開口部断面形状の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を示す平面図、図2はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を示す断面図、図3は図2のA部を拡大して示す断面図、図4はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の製造工程を示す説明図、図5はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を直描装置にセットする状態を示す概略平面図、図6はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を直描装置にて露光する状態を示す断面図、図7及び図8はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の露光幅の境界部に感光性乳剤の剥離が無い状態を示す顕微鏡写真、図9はこの発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の特性を示す顕微鏡写真である。
【0019】
図1〜図3において、1はスクリーン印刷用製版、2は例えばアルミニウム材料等で四角形の枠状に構成された版枠、3は版枠1の内側に張設されたスクリーン印刷用メッシュ、4はスクリーン印刷用メッシュ3の中央部の印刷領域に塗布された感光性乳剤であり、この発明により新規に開発されたものである。
以下、この発明による感光性乳剤4の構成及びこの発明のスクリーン印刷用製版の乳剤塗布工程について、図4により説明する。先ず、版枠2に、♯400、線径23μm、紗厚40μmのスクリーン印刷用メッシュ3が紗張りされたものを用意し、このスクリーン印刷用メッシュ3のスキージ面に乳剤1層目として高感度SBQ系乳剤41を塗布する(図4(a)参照)。次に、スクリーン印刷用メッシュ3のプリント面に乳剤2層目としてラチュード幅(乳剤を適正に重合(解像)できる露光時の光量範囲幅)が広くかつ波長領域405nmの高解像性ジアゾ系乳剤42を既定の膜厚(約25μm)まで塗布する(図4(b)参照)。最後に、スキージ面及びプリント面の両面にオーバーコート剤43を塗布しフラット加工を施して表面保護層を形成する(図4(c)参照)。以上により、乳剤塗布工程が終了する。
なお、ここで、高解像性ジアゾ系乳剤42の波長領域を405nmとしているが、直描装置用に合致した波長領域350〜420nmの範囲であればよい。例えば波長領域365nmであれば剥離防止に効果があり、また、例えば405nmであれば剥離防止効果に加えて、パターン開口部の断面形状をコントロールすることができ、アンダーカットの低減による開口部断面形状の安定化効果がある。また、ラチュード幅(乳剤を適正に重合(解像)できる露光時の光量範囲幅)の広い乳剤は、露光条件(光源の波長、エネルギー)のバラツキに対するマージンが確保できるので、この発明を実現するために好適なものである。更に、オーバーコート剤43による表面保護層は、実際のスクリーン印刷時における連続印刷性の向上や、滲み防止の効果に加えて、乳剤表面の酸化防止効果があり、直描方式は大気中で露光するため、従来の一括露光用の乳剤よりも耐酸化性向上させる必要があるため、この発明を実現するために好適なものである。オーバーコート剤43による表面保護層は、少なくともプリント面側にあれば良いが、両面にあれば更に良い。
【0020】
次に、乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版1を、図5に示すように、直描装置にセットする。図中、5は基準ピン51を備えた固定式版枠固定治具、6は固定式版枠固定治具5と対向するように設けられた駆動式版枠固定治具で、Y方向に駆動可能である。7はX方向に移動可能なプッシャーピン、8はY方向に移動可能なプッシャーピン、9はZ方向に移動可能なシリンダークランクピン、10は別の基準ピンである。
この発明による感光性乳剤4が塗布されたスクリーン印刷用製版1の直角に交わる二つの外辺を固定式版枠固定治具5の基準ピン51と別の基準ピン10に合わせる。次に、プッシャーピンで7、8でX・Y方向をロックし、駆動式版枠固定治具6をY方向にスライドし、シリンダークランクピン9でZ方向を固定し、スクリーン印刷用製版1をロック状態にしてから、直描装置による描画をスタートする。
【0021】
直描装置による露光工程は、図6に示すように、感光性乳剤4が塗布されたスクリーン印刷用製版1のプリント面側から直描装置にて紫外線を照射して露光する。なお、露光量は膜厚により決定するが、この実施例では露光量450mjである。また、紫外線の代わりにレーザー光を照射して露光しても良い。
【0022】
次に、膨潤工程について説明する。露光工程の終わったスクリーン印刷用製版1を約20℃〜30℃の水中に1〜2分間浸漬し、未露光部分を膨潤させる。このとき、露光時にジアゾ感光剤から発生した窒素ガスも、同時に乳剤膜から水中に抜け出る。水を溜めたバケットにスクリーン印刷用製版全体を浸漬する。そして、スキージ面を丁寧にスポンジ等で洗い流す。
【0023】
次に、水洗工程について説明する。水洗工程では、膨潤工程の終わったスクリーン印刷用製版1を一般に水スプレーで水洗を行う。スプレー圧は、3〜8kg/cmが好ましい。スプレーは乳剤面から行い、スキージ面からスプレーするときは軽く離して行う。
【0024】
次に、リンス工程について説明する。水洗工程の終わったスクリーン印刷用製版1を乾燥する前に純水等で版の表裏を水洗する。これは、次の乾燥工程で乳剤の溶け込んだ水が乾燥し、オープニングに薄膜が張るのを防ぐために行うものである。
【0025】
最後に、乾燥工程について説明する。リンス工程の終わったスクリーン印刷用製版1をきちんと乾燥するには、温度と湿度、そして風量の管理が大切である。温度は約30℃〜40℃、湿度はなるべく低い方が良い。
【0026】
上記製造工程を経て作製されたこの発明によるスクリーン印刷用製版は、隣接する露光幅の境界部分では乳剤の露光状態が安定し、未露光部と露光部の収縮差(重合収縮差)が抑えられ乳剤の樹脂強度が低くならない。その結果、現像時に乳剤とメッシュ間に剥離が生じることが無い。したがって、図7の顕微鏡写真に示すとおり、直描用として新規に開発された感光性乳剤をスクリーン印刷用メッシュに塗布することにより、露光幅の境界部において感光性乳剤の剥離が無く、極めて良好な直描装置に適したスクリーン印刷用製版を得ることができる。また、図8及び図9の顕微鏡写真に示すとおり、重合速度の異なる乳剤による多層構造化により、パターン開口部の断面形状をコントロールすることができ、アンダーカットの低減により開口部断面形状の安定化を図ることができる。
例えばドライフィルムを使用した場合、露光時に重合部分を作る必要があるため、開口部の仕上がり形状があまり奇麗にならないが、この発明による感光性乳剤4を用いた場合は、露光時に重合部分がないため、ドライフィルムに比べて開口部の仕上がり形状を奇麗にすることができる。
【0027】
実施の形態2.
この実施の形態2においては、このスクリーン印刷用メッシュ3のスキージ面に乳剤1層目として塗布する高感度SBQ系乳剤41に、赤の乳剤顔料を少量の割合(例えば10g/1kg)で調合する。また、更に、スクリーン印刷用メッシュ3のプリント面に乳剤2層目として塗布するラチュード幅(乳剤を適正に重合(解像)できる露光時の光量範囲幅)が広くかつ波長領域405nmの高解像性ジアゾ系乳剤42に、同様に赤の乳剤顔料を少量の割合(例えば10g/1kg)で調合する。
赤の乳剤顔料は長い波長に対し効果があり、乳剤剥がれを抑える効果があることが確認できた。
【0028】
実施の形態3.
上記実施の形態1においては、スクリーン印刷用メッシュ3のスキージ面に乳剤1層目として高感度SBQ系乳剤41を塗布し、次に、スクリーン印刷用メッシュ3のプリント面に乳剤2層目としてラチュード幅(乳剤を適正に重合(解像)できる露光時の光量範囲幅)が広くかつ波長領域405nmの高解像性ジアゾ系乳剤42を塗布し、最後にスキージ面及びプリント面の両面にオーバーコート剤43を塗布しフラット加工を施して表面保護層を形成しているが、この実施の形態3においては、先ず、スクリーン印刷用メッシュ3のスキージ面に乳剤1層目としてラチュード幅(乳剤を適正に重合(解像)できる露光時の光量範囲幅)が広くかつ波長領域405nmの高解像性ジアゾ系乳剤41を塗布し、次に、スクリーン印刷用メッシュ3のプリント面にも乳剤2層目として1層目と同じラチュード幅(乳剤を適正に重合(解像)できる露光時の光量範囲幅)が広くかつ波長領域405nmの高解像性ジアゾ系乳剤42を塗布し、最後にスキージ面及びプリント面の両面にオーバーコート剤43を塗布しフラット加工を施して表面保護層を形成したものである。この実施の形態3の場合も、直描装置に適した感光性乳剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を示す断面図である。
【図3】図2のA部を拡大して示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の製造工程を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を直描装置にセットする状態を示す概略平面図である。
【図6】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版を直描装置にて露光する状態を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の露光幅の境界部に感光性乳剤の剥離が無い状態を示す顕微鏡写真である。
【図8】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の特性を示す顕微鏡写真である。
【図9】この発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷用製版の特性を示す顕微鏡写真である。
【図10】従来の感光性乳剤を用いたスクリーン印刷用製版の露光幅の境界部に感光性乳剤の剥離が発生した状態を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0030】
1 スクリーン印刷用製版
2 版枠
3 スクリーン印刷用メッシュ
4 感光性乳剤
41 乳剤1層目の高感度SBQ系乳剤
42 乳剤2層目の高解像性ジアゾ系乳剤
43 オーバーコート剤(表面保護層)
5 固定式版枠固定治具
6 駆動式版枠固定治具
プッシャーピン
9 シリンダークランクピン
10、51 基準ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版であって、
前記直描用感光性乳剤は、前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に塗布された高感度SBQ系乳剤と、前記スクリーン印刷用メッシュのプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、少なくともプリント面に塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる多層構造であることを特徴とするスクリーン印刷用製版。
【請求項2】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版であって、
前記直描用感光性乳剤は、前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に塗布された高感度SBQ系乳剤と、前記スクリーン印刷用メッシュのプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、プリント面及びスキージ面の両面にそれぞれ塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる4層構造であることを特徴とするスクリーン印刷用製版。
【請求項3】
高解像性ジアゾ系乳剤は、ラチュード幅が広くかつ波長領域が350〜420nmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクリーン印刷用製版。
【請求項4】
高感度SBQ系乳剤及び高解像性ジアゾ系乳剤は、赤の乳剤顔料をそれぞれ少量の割合で調合したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスクリーン印刷用製版。
【請求項5】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版であって、
前記直描用感光性乳剤は、前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面の両面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、少なくともプリント面に塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる2層構造であることを特徴とするスクリーン印刷用製版。
【請求項6】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版であって、
前記直描用感光性乳剤は、前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面に塗布された高解像性ジアゾ系乳剤と、プリント面及びスキージ面の両面にそれぞれ塗布されて表面保護層を形成するオーバーコート剤とからなる3層構造であることを特徴とするスクリーン印刷用製版。
【請求項7】
高解像性ジアゾ系乳剤は、ラチュード幅が広くかつ波長領域が350〜420nmの範囲であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のスクリーン印刷用製版。
【請求項8】
高解像性ジアゾ系乳剤は、赤の乳剤顔料を少量の割合で調合したことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載のスクリーン印刷用製版。
【請求項9】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版の製造方法であって、
前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に高感度SBQ系乳剤を塗布する工程と、前記スクリーン印刷用メッシュのプリント面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面に表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に前記乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたことを特徴とするスクリーン印刷用製版の製造方法。
【請求項10】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版の製造方法であって、
前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面に高感度SBQ系乳剤を塗布する工程と、前記スクリーン印刷用メッシュのプリント面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面及びスキージ面の両面にそれぞれ表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に前記乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたことを特徴とするスクリーン印刷用製版の製造方法。
【請求項11】
高解像性ジアゾ系乳剤は、ラチュード幅が広くかつ波長領域が350〜420nmの範囲であることを特徴とする請求項9又は請求項10記載のスクリーン印刷用製版の製造方法。
【請求項12】
高感度SBQ系乳剤及び高解像性ジアゾ系乳剤は、赤の乳剤顔料をそれぞれ少量の割合で調合したことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載のスクリーン印刷用製版の製造方法。
【請求項13】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版の製造方法であって、
前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面の両面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面に表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に前記乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたことを特徴とするスクリーン印刷用製版の製造方法。
【請求項14】
版枠の内側にスクリーン印刷用メッシュが張設され、スクリーン印刷用メッシュの中央部の印刷領域に直描用感光性乳剤が塗布されたスクリーン印刷用製版の製造方法であって、
前記スクリーン印刷用メッシュのスキージ面及びプリント面の両面に高解像性ジアゾ系乳剤を塗布する工程と、プリント面及びスキージ面の両面に表面保護層を形成するオーバーコート剤を塗布する工程とからなる乳剤塗布工程を備え、更に前記乳剤塗布工程が終了したスクリーン印刷用製版を直描装置にセットし、スクリーン印刷用製版のプリント面側から直描装置にて露光する露光工程を備えたことを特徴とするスクリーン印刷用製版の製造方法。
【請求項15】
高解像性ジアゾ系乳剤は、ラチュード幅が広くかつ波長領域が350〜420nmの範囲であることを特徴とする請求項13又は請求項14記載のスクリーン印刷用製版。
【請求項16】
高解像性ジアゾ系乳剤は、赤の乳剤顔料を少量の割合で調合したことを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれかに記載のスクリーン印刷用製版。
【請求項17】
露光工程の後に、未露光部分を膨潤させる膨潤工程と、膨潤工程の終わったスクリーン印刷用製版を水スプレーで水洗いする水洗工程と、乾燥する前に純水等で水洗いするリンス工程と、最後の乾燥工程とを備えたことを特徴とする請求項9〜請求項16のいずれかに記載のクリーン印刷用製版の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−66613(P2010−66613A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234077(P2008−234077)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(508277634)有限会社アイティー・コーポレーション (2)
【出願人】(300071823)株式会社ボンマーク (54)
【Fターム(参考)】