説明

デジタル画像における色にじみアーティファクトの低減方法

【課題】画質を低下させる色にじみアーティファクトを低減する。
【解決手段】デジタル画像における色にじみアーティファクトを低減する方法であって、前記デジタル画像における少なくともいくつかのピクセルのクロミナンス値を減じるステップを含む。Cを0と該ピクセルの局所近傍の最小クロマ値Cとの間の値をとる色係数、Cを前記ピクセルの元のクロマ値、Yを該ピクセルの輝度、Dを色ダイナミックレンジとするとき、前記いくつかのピクセルのクロミナンス値は、このピクセルのもとのクロマ値をf(Y,D)・(C−C)だけ減じて得られるクロマ値に従って決められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像に関する。より詳細には、本発明は、圧縮画像の復元に関する。
【背景技術】
【0002】
JPEGおよびいくつかの他の画像圧縮アルゴリズムによる画像圧縮は、画像を輝度チャンネルとクロミナンス(chrominance: 色)チャンネルとに変換し、クロミナンスチャンネル(CbおよびCr)を整数分の1で(通常2または4)サブサンプリングすることによって行われる。そして、輝度チャンネルとサブサンプリングされたクロミナンスチャンネルとは、グレイスケール画像に適した圧縮モジュールによって圧縮される。人間の視覚系(human visual system(HVS))は、輝度感度に比較して色感の空間感度がおよそ1/2に低減するため、クロミナンスチャンネルをサブサンプリングすることができる。従って、サブサンプリングされたクロミナンス値を含む大抵のカラー写真において、サブサンプリングからもたらされる色にじみアーティファクトは実質的に目立たない。
【0003】
しかしながら、異なる色の間で頻繁に急峻なエッジを含むカラー複合文書画像では、色にじみアーティファクトは顕著である。たとえば、カラー複合文書において、一様の色を有する領域上にテキストまたはコンピュータで作成された他の形状が重なる場合がある。急峻なエッジは、コンピュータ生成画像および写真の変わり目において発生する。
【0004】
復元されたクロミナンスチャンネルが、線形補間等の単純な技法によってそれらの元の解像度に戻るよう補間される場合、色にじみアーティファクトは顕著である。色にじみアーティファクトは、純色を有する領域と白色領域(または明色を有する領域)との間の境界に見られる。文書画像では、これらの境界はしばしば、白色の背景または明るい背景と色文字、ラインおよびパッチとの間にある。
【0005】
また、反転テキスト(たとえば、色付き背景における白色文字)を含む領域でも、色にじみアーティファクトは顕著である。人間の視覚系の特性により、色にじみアーティファクトはエッジの明るい方の側に見える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
色にじみアーティファクトにより、画質が低下する。従って、特にカラー複合文書画像において色にじみアーティファクトを低減することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、デジタル画像における色にじみアーティファクトを、デジタル画像の少なくともいくつかのピクセルのクロミナンス値を変更することによって低減する。ピクセルを、輝度値と色ダイナミックレンジとに従って変更する。本発明の他の態様および利点は、本発明の原理を実施例として示す添付図面と考え合せて、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像を復元し復元画像における色にじみアーティファクトを低減する方法の図である。
【図2】ピクセルの局所ピクセル近傍の図である。
【図3a】ピクセル複製によって補間された復元画像においてピクセルの色ダイナミックレンジを確定するスライディングウインドウの図である。
【図3b】ピクセル複製によって補間された復元画像においてピクセルの色ダイナミックレンジを確定するスライディングウインドウの図である。
【図3c】ピクセル複製によって補間された復元画像においてピクセルの色ダイナミックレンジを確定するスライディングウインドウの図である。
【図3d】ピクセル複製によって補間された復元画像においてピクセルの色ダイナミックレンジを確定するスライディングウインドウの図である。
【図4】図1の方法のハードウェア実施態様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面に示すように、本発明は、サブサンプリングされたクロミナンス値を含むデジタル画像における色にじみアーティファクトを低減する方法および装置において具体化される。本方法および装置は、特に、自然フィーチャ(feature)とコンピュータ生成フィーチャとをともに含むカラー複合文書画像における色にじみアーティファクトを低減するのに適している。写真領域における自然フィーチャは、穏やかな輝度の遷移またはクロミナンスの遷移を有する傾向がある。テキスト領域等のコンピュータ生成フィーチャは、急峻なエッジと急峻な輝度遷移またはクロミナンス遷移とを有する傾向がある。本方法および装置は、急峻なエッジで発生する色にじみアーティファクトを低減する。
【0010】
図1は、圧縮画像を復元し復元画像における色にじみアーティファクトを低減する方法を示す。圧縮画像は、圧縮された輝度(Y)値の第1のストリーム(stream)と、圧縮されたクロミナンス(CbおよびCr)値の第2および第3のストリームとを含む。圧縮前に、クロミナンスチャンネルは、サブサンプリングされるか、またはローパスフィルタリングされた後サブサンプリングされる。
【0011】
画像復元は、圧縮された値の第1、第2および第3のストリームにアクセスすることで開始する(ブロック102)。第1のストリームから輝度値(Y)を復元し(ブロック104)、第2および第3のストリームからクロミナンス値(CbおよびCr)を復元する(ブロック106)。
【0012】
以降、輝度値とクロミナンス値とを、正規化された値に関して説明する。輝度値は、0≦Y≦1である。クロミナンス値は、−0.5≦Cb≦0.5および−0.5≦Cr≦0.5である。ポイントCb=Cr=0は、グレー軸(無色)に対応する。
【0013】
圧縮中にクロミナンス値(CbおよびCr)がサブサンプリングされるため、復元されたクロミナンスチャンネルを、それらの元の解像度にするように補間またはアップサンプリングすることにより、輝度チャンネルの解像度と一致させる(ブロック108)。簡単な補間方法はピクセル複製(pixel replication)であり、すべての低解像度ピクセルを、同じクロミナンス値(CbおよびCr)を有する高解像度ピクセルの2×2ブロックに置換する。より精巧なアップサンプリング方法では、エッジ等の高空間周波数の場所においてエイリアシングアーティファクトを低減するために、ピクセル複製されたクロミナンスチャンネルに対しローパスフィルタリングを適用する。
【0014】
復元デジタル画像における色にじみアーティファクトを、デジタル画像における少なくともいくつかのピクセルのクロマ値を変更することによって低減する。ピクセルのクロマ値を、ピクセルの輝度値と局所的な色ダイナミックレンジとに対応して変更し(ブロック110)、クロマ値の変化に従ってクロミナンス値(CbおよびCr)をスケーリングする(ブロック112)。色ダイナミックレンジに対応してクロマ値を変更することにより、本質的に一様な明色を有する領域において過度に色度を低減しないようにする。
【0015】
復元された輝度チャンネルとクロミナンスチャンネルとを、元の解像度のRGB空間に戻るように変換することができる。そして、復元画像を表示(たとえば、印刷)することができる。
【0016】
ピクセルの局所的な色ダイナミックレンジは、その局所ピクセル近傍に関して確定される。図2は、ピクセルの近傍の実施例を提供する。破線で示すウインドウによって輪郭が描かれた近傍は、ピクセルの3×3アレイを含む。「X」でマークされた所定ピクセルは、近傍の中心にある。
【0017】
所定のピクセル各々の色ダイナミックレンジを、局所ピクセル近傍におけるピクセルの最小クロマ値と最大クロマ値との差として計算することができる。ピクセルのクロマ値(C)を、
【数1】

として計算することができ、クロマ値(C)を
【数2】

によって概算することができる。この場合、クロミナンス値の各々の許容値範囲は、[−0.5,0.5]である。近傍の色ダイナミックレンジ(D)は、Cが近傍の最小クロマ値を表しCが近傍の最大クロマ値を表す場合、D=C−Cとして計算してよい。
【0018】
近傍と色ダイナミックレンジは、所定のピクセルの各々に対して確定される。従って、色ダイナミックレンジは、ピクセル単位で確定される。
【0019】
所定のピクセルに対する新たなクロマ値(C’)を、C’=C−f(Y,D)・(C−C)として計算してよい。ここで、Cはピクセルの元のクロマ値であり、Dは色ダイナミックレンジであり、Cは、0からそのピクセルの局所ピクセル近傍の最小クロマまでの値を有する色の係数であり、f(Y,D)は、相対的なクロマ低減の大きさを決めるパラメータ式である。
【0020】
パラメータ式f(Y,D)は、0と1との間の範囲で変動しうる。パラメータ式f(Y,D)は、以下の制約に従う。すなわち、(1)Y→1の場合、f(Y,D)→1であって、それによりC’→Cであり、(2)D→0の場合、f(Y,D)→0である。D→0の場合、C’→Cであり、そのためそのピクセルのクロマ値は変更されない。
【0021】
また、パラメータ式f(Y,D)は、別の制約に従ってもよい。すなわち、D→0およびY→1の場合、f(Y,D)→0である。このように、色ダイナミックレンジが優先する。
【0022】
クロマ値が変更されると、対応する各クロミナンス値(CbおよびCr)は、比C’/Cによってスケーリングされる。このため、Cb’=C’/C・CbおよびCr’=C’/C・Crである。これにより、色の色相は変化しない。
【0023】
色係数(C)について異なる場合を考慮する。第1の場合、C=Cである。このときC’=C−f(Y,D)・(C−C)であり、新たなクロマ値(C’)は、元のクロマ値(C)と近傍最小値(C)との間にある。高輝度Y→1の場合、新たなクロマ値(C’)は、局所最小値(C)に近づく。そのため、Y→1に従ってC’→Cとなる。
【0024】
第2の場合、C=max(C−D,0)である。このような係数Cにより、新たな(C’)は、局所最小値(C)より下になることが可能である。しかしながら、クロマ値はなおかつ、色ダイナミックレンジ(D)によって決まる。色係数(C)は、C−Dより下には低減しない。C<Dである場合、色係数(C)は0となる。色ダイナミックレンジが小さくない場合、状況C<Dは、「無着色」領域と「純色」領域との間のエッジに対応する。この状況では、「無着色」側が白色に近い場合、クロマ値を0まで低減することができる。一方、状況C>Dは、「マイルドな色(mild-color)」と「純色」との間のエッジに対応する可能性があり、その場合、色にじみアーティファクトの可視性はそれほど高くはない。この状況では、クロマ値を0に低減することができるので、エッジの明るい方の側で色が大幅に低減される。変更されたクロマ値に対し下限C−Dを置くことにより、色ダイナミックレンジ(D)がそれほど小さくも大きくもない色勾配領域(「マイルドエッジ」)において、輝度Y→1の場合にクロマ値が大幅に低減されないことが保証される。
【0025】
第3の場合、C=0である。高輝度Y→1に対し、新たなクロマ値(C’)は0に近づく。このため、Y→1に従ってC’→0となる。
【0026】
パラメータ式を、異なる方法で表現することができる。代表的なパラメータ式は、f(Y,D)=max[1−α{(1−Y)/D},0]である。代表的なパラメータ式は、常に2つの制約に従う。すなわち、項α(αは正)の値とは無関係に、f(Y→1,D)→1およびf(Y,D→0)→0である。
【0027】
Dの与えられた値に対し、それより下では色にじみアーティファクトが可視ではない輝度値(Y)がある。与えられたDに対して色にじみアーティファクトが可視でない場合、項αの値を、f(Y,D)=0であるように選択することができる。たとえば、Y<(1−D/α)である場合、クロマ値は変更されない。すなわち、閾値T(D)=(1−D/α)であるとすれば、Y<T(D)の場合C’=Cである。
【0028】
項αは、色ダイナミックレンジ(D)の関数であってよい。項αを、Dの各値に対して測定してよい。各項αを、主観テスト(たとえば、パッチにおけるアーティファクトの可視性を観察する)から測定してよい。
【0029】
一方、項αは、すべてのDに対して一定であってよい。項αの値を、試行錯誤によって確定することができる。たとえば、0.5≦α≦1が有効であることが分かった。
【0030】
このように、色にじみの視覚的知覚をもたらすピクセルにおけるクロミナンスの大きさを低減する方法が明らかにされた。本方法は、輝度値と局所クロミナンス値とを考慮することにより、高輝度値と無視できない程のクロミナンス値とを有するパッチを変更しない。平坦領域は、相対的に高い輝度を有するが、同時に無視できない程のクロミナンスも有する可能性がある。本方法は、かかる領域を白色にマッピングしない。文書画像は、明色の背景を有するテキストボックスを有する場合がある。本方法は、明るい背景を白色にマッピングしない。
【0031】
本方法は、特に、複合カラー文書において色にじみアーティファクトを低減するうえで有効である。しかしながら、本方法はそのように限定されない。
【0032】
図2は、3×3正方形状の近傍を示すが、本方法は、このような近傍に限定されない。近傍は、いかなる特定のサイズにも限定されない。ピクセルの数は、9に限定されない。所定のすべてのピクセルに対して近傍のピクセルの数が固定であることは好ましいが、画像領域の特定の種類(たとえば、テキスト、グラフィックス、自然形体)に適応するように、近傍のサイズを動的に変更してよい。
【0033】
近傍は、いかなる特定の形状にも限定されないが、パフォーマンスの理由で正方形ウインドウが好ましい。たとえば、近傍の形状を菱形状としてよい。最小値/最大値計算に、中心ピクセルを含めてよく(すなわち、完全な近傍を使用してよい)、あるいは最小値/最大値計算から、所定の中心ピクセルを排除することができる(すなわち、中空の近傍を使用することができる)。
【0034】
本方法を、デジタル画像を視覚的に重要なチャンネル(たとえば、輝度チャンネルと青および赤クロミナンスチャンネル)に分解することに関して説明した。しかしながら、本方法は、YCbCr色空間に限定されない。たとえば、本方法を、Yuv、LuvまたはLab色空間(Lは明度を表す)に適用することができる。
【0035】
上述した方法では、計算量の多くを、近傍の各ピクセルに対する色ダイナミックレンジを計算することに当てる。しかしながら、サブサンプリングされたクロミナンス値を使用しそれにより冗長性を利用することにより、計算量を低減することができ、本方法の速度を上昇させることができる。
【0036】
ここで、ピクセル複製によって補間された復元画像におけるピクセルの色ダイナミックレンジを確定するスライディングウインドウを示す、図3(a)〜図3(d)を参照する。補間中、復元された輝度チャンネルの第1のピクセルを、ピクセルC1の2×2ブロックによって置換し、復元された輝度チャンネルの第2のピクセルを、ピクセルC2の2×2ブロックによって置換し、復元された輝度チャンネルの第3のピクセルを、ピクセルC3の2×2ブロックによって置換し、復元された輝度チャンネルの第4のピクセルを、ピクセルC4の2×2ブロックによって置換する。
【0037】
アップサンプリングされたクロミナンスチャンネルのすべての2×2ブロックにおけるピクセルは、正確に同じクロミナンス値を含む。図3(a)〜図3(d)が示すように、2×2ブロック境界に位置合せされるアップサンプリングされたクロミナンスチャンネルの各4×4ブロックは、3×3近傍に適応する4つの可能性を有する。これらの4つの可能性の各々に対し、近傍最小値(または最大値)と近傍の色ダイナミックレンジとは、同じ4つの色係数値から計算されるため同じである。4つの色係数値は、4つの倍サイズのピクセルに対応し、この各ピクセルは、サブサンプリングされたクロミナンスチャンネルのピクセルに対応する。このように、計算の複雑性が、サブサンプリングされたクロミナンスチャンネルにおいて2×2近傍の最大値および最小値を見つけることに帰着する。これにより、クロミナンスのモジュラス計算の数が1/4に低減され、近傍の最小クロマ値および最大クロマ値(CおよびC)を計算するために必要な比較の数が、1/16に低減される。このようにピクセル複製を使用する場合、クロミナンスチャンネルに対しそれらのサブサンプリングの前にローパスフィルタリングを適用することが好ましい。たとえば、元のクロミナンスチャンネルのすべての2×2ブロックを、そのブロックの4つのクロミナンス値の平均または中央値によって置換することができる。
【0038】
計算量を、他の方法で低減することができる。たとえば、新たなクロマ値(C’)と元のクロマ値(C)との差がわずかである場合、クロマ値を変更することによりほとんど利益が得られない。従って、差がわずかである場合、パラメータ式は計算されずクロマ値は変更されない。たとえば、Tが所定閾値であるとして、(C−C)<Tである場合、C’=Cである。色ダイナミックレンジ(D)は、高速再帰的アルゴリズムで計算される場合、すべてのピクセルに対して計算される。従って、比較D<Tを実行することにより、オーバヘッドはほとんどもたらされない。例示的な閾値は、T=0.1(正規化されたクロミナンス値に対し)である。
【0039】
本方法を、ハードウェア、ソフトウェアまたはその2つの組合せで実施することができる。
【0040】
ここで、本方法のソフトウェア実施態様を示す図4を参照する。コンピュータメモリ212は、実行時にプロセッサ216に対して上述した方法を実行するよう命令するプログラム214を格納する。メモリ212およびプロセッサ216は、パーソナルコンピュータまたはワークステーションの一部であってよい。
【0041】
非再帰的アルゴリズムを使用して、ピクセル近傍の最小クロマ値および最大クロマ値を確定することができる。近傍のすべてのタイプに対して非再帰的アルゴリズムを使用することができる。最小値および最大値を確定するために必要なメモリのサイズは、近傍のサイズに等しい。
【0042】
高速再帰的アルゴリズムを使用して、完全な正方形の近傍(たとえば、2×2近傍、3×3近傍、5×5近傍)の最小クロマ値および最大クロマ値を確定してよい。2×2近傍を除き、近傍のサイズに関らず、近傍の最大クロマ値および最小クロマ値を確定するために、12回の比較だけでよい。2×2近傍の場合、3つの比較だけでよい。この再帰的アルゴリズムが使用される場合、ラインをバッファリングするために必要なメモリのサイズは、横のカーネルウインドウのサイズの2倍に等しい。
【0043】
本発明は、上に説明し例示した特定の実施形態に限定されない。代りに、本発明は、併記の特許請求の範囲に従って解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル画像における色にじみアーティファクトを低減する方法であって、該方法は、前記デジタル画像における少なくともいくつかのピクセルのクロミナンス値を減じるステップを含み、
を0と該ピクセルの局所近傍の最小クロマ値Cとの間の値をとる色係数、Cを前記ピクセルの元のクロマ値、Yを該ピクセルの輝度、Dを色ダイナミックレンジとするとき、前記いくつかのピクセルのクロミナンス値は、該ピクセルのもとのクロマ値をf(Y,D)・(C−C)だけ減じて得られるクロマ値に従って決められる、前記方法。
【請求項2】
各ピクセルの前記色ダイナミックレンジが、局所ピクセル近傍の最小クロマ値および最大クロマ値の関数であり、これにより前記色ダイナミックレンジがピクセル毎に求められる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ピクセルの元のクロマ値(C)が変更された場合、C’が新たなクロマ値であるとすると、該ピクセルのもとの前記クロミナンス値を比C’/Cによってスケーリングして新たなクロミナンス値を求める、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記f(Y,D)は、Y→1の場合はf(Y,D)→1に従い、D→0の場合はf(Y,D)→0に従う、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記f(Y,D)はまた、D→0でかつY→1の場合はf(Y,D)→0に従う、請求項4記載の方法。
【請求項6】
デジタル画像における色にじみアーティファクトを低減する装置であって、該装置は、前記デジタル画像における少なくともいくつかのピクセルのクロミナンス値を減じる手段を含み、
前記クロミナンス値を減じる手段は、Cを0と該ピクセルの局所近傍の最小クロマ値Cとの間の値をとる色係数、Cを前記ピクセルの元のクロマ値、Yを該ピクセルの輝度、Dを色ダイナミックレンジとするとき、前記いくつかのピクセルのクロミナンス値を、該ピクセルのもとのクロマ値をf(Y,D)・(C−C)だけ減じて得られるクロマ値に従って決めるよう構成されている、前記装置。
【請求項7】
各ピクセルの前記色ダイナミックレンジが、局所ピクセル近傍の最小クロマ値および最大クロマ値の関数であり、これにより前記色ダイナミックレンジがピクセル毎に求められる、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記クロミナンス値を減じる手段は、ピクセルの元のクロマ値(C)が変更された場合、C’が新たなクロマ値であるとすると、該ピクセルのもとの前記クロミナンス値を比C’/Cによってスケーリングして新たなクロミナンス値を求めるよう構成されている、請求項6記載の装置。
【請求項9】
前記f(Y,D)は、Y→1の場合はf(Y,D)→1に従い、D→0の場合はf(Y,D)→0に従う、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記f(Y,D)はまた、D→0でかつY→1の場合はf(Y,D)→0に従う、請求項9記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−147970(P2009−147970A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36925(P2009−36925)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【分割の表示】特願2003−551976(P2003−551976)の分割
【原出願日】平成13年10月2日(2001.10.2)
【出願人】(398038580)ヒューレット・パッカード・カンパニー (91)
【氏名又は名称原語表記】HEWLETT−PACKARD COMPANY
【Fターム(参考)】