説明

データ処理システム及びデータ処理方法

【課題】ユーザがサービスデータを広告データの配信に関連付けて容易に取得できると共に、不正に流用されることを防止する。
【解決手段】広告識別データと共に広告データを配信し、広告データを受信装置30に表示し、受信装置30の第1リーダ/ライタ60でICカード50のユーザ識別データを読み出し広告識別データと共に管理装置20に送信し、管理装置20でユーザ識別データを広告識別データに関連付けて登録し、広告識別データに関連付けられたサービスデータをユーザ識別データで暗号化して受信装置30に送信し、受信装置30でICカード50に格納し、店舗端末装置70の第2リーダ/ライタ80でICカード50よりユーザ識別データと暗号化サービスデータとを読み出し、店舗端末装置70よりユーザ識別データを管理装置20に送信、認証し、店舗端末装置70で、ユーザ識別データを用いてICカード50の暗号化サービスデータを復号する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが広告データの配信に関連付けられたサービスデータを取得できるようにすると共に、配布したサービスデータが不正に流用されることを防止するデータ処理システム及びデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザ携帯端末に電子クーポン等の電子バリューを発行する電子バリュー流通システムが記載されている。この種の電子バリュー流通システムでは、ユーザ携帯端末に配布される電子クーポンが流通過程で、不正に複製されたり改ざんされるおそれがあり、このような不正利用を防止する必要がある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−301586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ユーザが広告データの配信に関連付けられたサービスデータを容易に取得できるようにすると共に、配布したサービスデータが不正に流用されることを防止するデータ処理システム及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るデータ処理システムは、広告識別データと共に、この広告識別データに関連付けられた広告データを配信する配信装置と、上記広告識別データに関連付けてサービスデータを管理すると共に、発行するサービスデータの広告識別データにユーザ識別データを関連付けて管理し、サービスデータを発行する際に、このサービスデータを暗号鍵データ又はユーザ識別データで暗号化し暗号化サービスデータを生成する管理装置と、上記配信装置で配信された広告データを受信し、この受信した広告データを表示部に表示すると共に、上記管理装置で発行された暗号化サービスデータを受信する受信装置と、ユーザ識別データを格納すると共に、上記管理装置で発行された暗号化サービスデータを格納するメモリ手段と、上記受信装置に接続され、上記メモリ手段と通信を行い、上記メモリ手段よりユーザ識別データを読み出すと共に、上記暗号化サービスデータを上記メモリ手段に書き込む第1のリーダ/ライタと、上記メモリ手段と通信を行い、上記メモリ手段より上記ユーザ識別データ及び上記暗号化サービスデータを読み出す第2のリーダ/ライタと、上記管理装置に対して上記第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段から取得したユーザ識別データを送信すると共に、上記第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段から取得した暗号化サービスデータを復号する端末装置とを備える。そして、上記第1のリーダ/ライタが上記メモリ手段からユーザ識別データを取得すると、上記受信装置は、上記広告識別データと共に上記ユーザ識別データを上記管理装置に送信し、上記管理装置は、上記受信装置から上記広告識別データと共に上記ユーザ識別データを取得すると、この広告識別データに関連付いたサービスデータを上記暗号鍵データ又は上記ユーザ識別データで暗号化して上記受信装置に送信すると共に、この広告識別データにユーザ識別データを関連付けて管理し、上記メモリ手段は、上記受信装置で受信した暗号化サービスデータを上記第1のリーダ/ライタを介して格納し、上記端末装置は、上記第2のリーダ/ライタが上記メモリ手段と通信をして、このメモリ手段に格納されたユーザ識別データと暗号化サービスデータとを取得すると、この取得したユーザ識別データを上記管理装置に送信し、上記管理装置は、上記端末装置よりユーザ識別データを受信し、受信したユーザ識別データを認証し、上記端末装置は、上記認証時に上記管理装置から送信された暗号鍵データ又は上記メモリ手段から取得したユーザ識別データを用いて上記メモリ手段より取得した暗号化サービスデータを復号する。
【0006】
また、本発明に係るデータ処理方法は、管理装置で広告データに付与された広告識別データに関連付けてサービスデータを管理するステップと、上記広告識別データと共に上記広告データを配信するステップと、上記配信された広告データを受信し、この受信した広告データを受信装置の表示部に表示するステップと、上記受信装置と接続された第1のリーダ/ライタでユーザ識別データを格納したメモリ手段と通信を行い、このメモリ手段よりユーザ識別データを読み出し、上記広告識別データ共に上記管理装置に送信するステップと、上記管理装置で上記受信したユーザ識別データを上記広告識別データに関連付けて登録するステップと、上記ユーザ識別データが登録された広告識別データに関連付けられたサービスデータを暗号鍵データ又は上記ユーザ識別データで暗号化し暗号化サービスデータを生成し、上記受信装置に送信するステップと、上記受信装置で受信した暗号化サービスデータを第1のリーダ/ライタを介して上記メモリ手段に格納するステップと、端末装置に接続された第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段より上記ユーザ識別データと上記暗号化サービスデータとを読み出すステップと、上記端末装置より上記第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段より読み出したユーザ識別データを上記管理装置に送信するステップと、上記管理装置で、上記受信したユーザ識別データが登録済みのユーザ識別データのあるかを判定し認証処理を行うステップと、上記ユーザ識別データの認証が取れたとき、上記端末装置で、上記管理装置から送信された暗号鍵データ又は上記メモリ手段から取得したユーザ識別データを用いて上記メモリ手段より読み出した暗号化サービスデータを復号するステップとを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受信装置の広告データを受信し表示部に表示したとき、受信装置と接続された第1のリーダ/ライタでメモリ手段よりユーザ識別データを読み出し、広告識別データ共に管理装置に送信し、管理装置で受信したユーザ識別データを広告識別データに関連付けて登録すると共に、ユーザ識別データが登録された広告識別データに関連付けられたサービスデータを暗号化し暗号化サービスデータを受信装置に送信し、第1のリーダ/ライタを介してメモリ手段に格納するようにしたので、ユーザは広告データを見ているタイミングでサービスデータを容易に取得することができると共に、サービスデータが暗号化されて送信されるので、不正に流用されることを防止することができる。
【0008】
また、本発明によれば、端末装置に接続された第2のリーダ/ライタでメモリ手段よりユーザ識別データと暗号化サービスデータとを読み出し、端末装置より第2のリーダ/ライタでメモリ手段より読み出したユーザ識別データを管理装置に送信し、管理装置で、受信したユーザ識別データが登録済みのユーザ識別データのあるかを判定し認証処理を行った後、メモリ手段より読み出した暗号化サービスデータを復号するようにしたので、サービスデータが不正利用されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明が適用されたデータ処理システムについて、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明が適用されたデータ処理システム1は、番組データや広告データを放送波として送信する放送局等の送信装置10と、放送する広告データとサービスデータとを関連付けて管理する管理装置20と、放送信号を受信し表示する受信装置30と、視聴者等のユーザが所持、管理するICカード50と、受信装置30に接続されICカード50と通信を行う第1のリーダ/ライタ60と、店舗等に設置されるPOS機能を有する店舗端末装置70と、店舗端末装置70に接続されICカード50と通信を行う第2のリーダ/ライタ80とを備える。
【0011】
このデータ処理システム1では、放送局の送信装置10より所定の広告主の広告データを、この広告データの中に広告識別データを含ませて放送する。この広告識別データは、管理装置20に送信装置10よりネットワークを介して又は可搬性記録媒体によって提供され、管理装置20では、送信装置10から提供された広告識別データを登録して、登録された広告データの広告識別データに関連付けて広告データに関連したクーポンデータ等のサービスデータを管理する。受信装置30で番組を視聴している視聴者等のユーザは、番組途中又は番組間において広告データを視聴することになる。ユーザは、メモリカードと言ったICカードを所持、管理しており、受信装置30は、受信装置30に接続されている第1のリーダ/ライタ60でICカード50に格納されているユーザ識別データを読み出し、読み出したユーザ識別データを、広告識別データと共に管理装置20に送信し、管理装置20では、広告識別データに関連付けてユーザ識別データを登録管理する。そして、管理装置20は、受信した広告識別データに関連付いているサービスデータを暗号化し暗号化サービスデータを受信装置30に送信する。かくして、ユーザは、暗号化サービスデータを受信装置30に接続された第1のリーダ/ライタ60を介してICカード50に格納し、何時でもサービスデータを利用できる状態となる。
【0012】
ユーザがサービスデータを利用するときには、店舗に設置された店舗端末装置70に接続された第2のリーダ/ライタ80にICカード50をかざす。そして、店舗端末装置70は、第2のリーダ/ライタ80を介してユーザ識別データと暗号化サービスデータを読み出すと、読み出したユーザ識別データを管理装置20に送信する。管理装置20でユーザ識別データの認証が取れると、店舗端末装置70では、暗号化サービスデータの暗号を復号し平文化し、サービスデータを使用できる状態にする。例えば、サービスデータがクーポンデータであるとき、クーポンデータの内容に従った割引処理を行って決済処理を行う。
【0013】
そして、データ処理システム1では、広告データの配信に関連付けてユーザがサービスデータを容易に取得できるようにすると共に、配布したサービスデータが不正に流用されることを防止することができる。
【0014】
次に、本発明のデータ処理システム1に用いられる放送局等に設置される送信装置10について説明する。
【0015】
送信装置10は、図2に示すように、番組データを格納する番組ソース11と、広告データを格納する広告ソース12と、広告データに対して広告識別データを挿入する広告識別データ挿入部13と、番組ソース11からの出力と広告ソース12からの出力を切り換えるスイッチャ14と、送信する信号を変調する変調部15と、変調された放送信号を放送波として放出する送信アンテナ16とを備える。
【0016】
番組ソース11は、放送する番組データを格納した大容量の記録媒体を備えた再生装置であって、所定の番組時間枠に所定の番組データを出力する。また、広告ソース12は、広告主より提供された広告データを格納した大容量の記録媒体を備えた再生装置であって、所定の広告時間枠に所定の広告データを出力する。なお、番組ソース11や広告ソース12には、予めMPEG(Motion Picture Experts Group)2等で圧縮されたデータが格納されていても良い。
【0017】
広告識別データ挿入部13は、放送する広告データに対して、広告データを一意に識別する広告識別データを符号化して、広告データの例えばヘッダの部分に挿入する。
【0018】
なお、本発明では、広告識別データが挿入された広告データが広告ソース12に格納されるようにしても良い。
【0019】
スイッチャ14は、変調部15に対して、選択的に、番組データと広告識別データが挿入された広告データとを出力できるようにする切換手段であって、番組時間枠、広告時間枠に従って、切換を行う。そして、変調部15では、放送する番組ソース11や広告ソース12から提供されたデータに対して、多重化処理や誤り訂正処理、ディジタル変調処理等を行い、送信アンテナ16より変調信号を放送波として空間に放出する。
【0020】
なお、広告データには、広告識別データの他に、インターネット等のネットワーク上にある広告データのURL(Uniform Resource Locator)等のアドレスデータを含ませるようにしても良い。また、送信装置10は、ディジタル放送ではなくアナログ放送であっても良い。
【0021】
ところで、広告データに含まれる広告識別データは、管理装置20によって管理されている。この管理装置20は、図3に示すように、通常のサーバ装置やワークステーションと同様な構成を有するものであって、大容量ハードディスク等に構築されたデータベース21と、データを入力する外部機器とのインタフェースやキーボード等で構成される入力部22と、サービスデータを暗号化する暗号化処理部23と、ネットワークを介して受信装置30や店舗端末装置70と通信を行うネットワークI/F24と、全体の動作を制御する制御部25とを備えている。また、管理装置20は、配信する広告データを格納する広告格納部26を有している。
【0022】
データベース21は、広告識別データとサービスデータとユーザ識別データとを体系的に管理する。すなわち、送信装置10で放送する広告データに対しては、広告識別データが付与されており、データベース21では、この広告識別データが送信装置10よりネットワークを介して又は可搬性記録媒体を介して入力され、登録されることになる。そして、データベース21では、この登録された広告識別データに対して、この広告識別データの示す広告データで提供される割引等のサービスデータが関連付けて格納されている。そして、データベース21は、受信装置30から広告識別データと共にユーザ識別データが送信されたとき、送信された広告識別データに関連付けてユーザ識別データを登録し管理する。
【0023】
なお、ここでサービスデータとは、上述のように、商品等の値段を割り引くクーポンデータに限定されるものではなく、例えばクーポンデータの他、所定地域、例えば東京の店舗の所在を示す買い物マップデータや東京等の地域の歩き方を示す歩き方マップ等も含まれる。
【0024】
また、図3に示すデータベースでは、例えば、広告識別データ「ABC」に対してサービスデータ「商品A10%引き」のクーポンデータが関連付けられ、更に、ユーザ識別データ「123」が登録されている。
【0025】
ここで、データベース21には、入力部22からデータベース21に登録されるデータすなわち、広告識別データとサービスデータが入力されることになる。入力部22は、光ディスクドライブ、磁気テープのドライブ、メモリカードのドライブ等と接続されるインタフェースであり、データベース21には、これらの記録媒体から広告識別データとサービスデータが入力され登録されることになる。なお、送信装置10より送信される広告データに付与された広告識別データとデータベース21に登録される広告識別データとは、紐付けられており、同一の広告データを示すようになっている。
【0026】
なお、この入力部22は、キーボード等で構成し、キーボード等からデータベース21に広告識別データとサービスデータが入力されるものであっても良い。
【0027】
暗号化処理部23は、受信装置30にユーザから要求のあったサービスデータを送信する際に、不正利用を防止するため、送信するサービスデータを暗号化する。この暗号化処理部23は、送信先となるユーザのユーザ識別データで送信するサービスデータを暗号化する。また、暗号化処理部23は、内部メモリに格納された暗号鍵データを用いて送信するサービスデータを暗号化する。
【0028】
広告格納部26は、例えば大容量のハードディスクで構築されており、広告識別データが付与された又は付与されていない広告データが多数格納されている。この広告格納部26に格納された広告データは、受信装置30からの要求に応じて受信装置30に配信する。なお、この広告格納部26は、別の配信サーバ装置としても良い。
【0029】
ネットワークI/F24は、インターネット等のネットワークを介して受信装置30や店舗端末装置70と接続するネットワークカード等で構成され、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、RTP(Real-time Transport Protocol)等のプロトコルに従って通信を行う。そして、ネットワークI/F24は、広告格納部26に格納されている広告データを受信装置30に例えばストリーミングで配信する。また、ネットワークI/F24は、ユーザからサービスデータの取得の要求があったとき、受信装置30から送信されたユーザ識別データと広告識別データとを受信し、この広告識別データに関連付いた暗号化された暗号化サービスデータを受信装置30に送信する。また、ユーザがサービスデータを使用しようとするとき、ネットワークI/F24は、店舗端末装置70から送信されたユーザ識別データを受信し、また、必要に応じて、暗号鍵データを店舗端末装置70に送信する。
【0030】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory )、RAM(Random Access Memory)等で構成され、データベース21、入力部22、暗号化処理部23、ネットワークI/F24等と例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介して相互に接続され、RAM等にロードされたプログラムや処理データに従って全体の動作を制御する。例えば、制御部25は、送信装置10で送信される広告データに付与された広告識別データとこの広告データの広告識別データに関連付けられるサービスデータの入力があったとき、広告識別データにサービスデータを関連付けてデータベース21に登録する。また、制御部25は、受信装置30からユーザ識別データと広告識別データとが送信されたとき、受信した広告識別データに関連付けてユーザ識別データをデータベース21に登録する。更に、制御部25は、サービスデータがユーザによって使用されるとき、店舗端末装置70から送信されたユーザ識別データがデータベース21に登録されているか検索し、データベース21に店舗端末装置70から送信されたユーザ識別データが登録済みであったとき、そのユーザ識別データを認証し、例えば、認証データや暗号化サービスデータを復号するための暗号鍵データを店舗端末装置70に送信する。
【0031】
また、上述した送信装置10から送信された放送信号を受信し表示する受信装置30は、家庭用の表示装置又はロビー、駅構内といった公共の場所に設置される大型の表示装置等であって、図4に示すように、放送波を受信する受信アンテナ31と、所定のチャンネルを選択するチューナ32と、受信信号を受信する復調部33と、インターネット等のネットワークを介して管理装置20と通信を行うネットワークI/F34と、一部の広告データ等を格納するメモリ35と、画像データや映像データを表示するCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部36と、可聴音として音声データを放音するスピーカ37と、放送信号の広告データより広告識別データを抽出する広告識別データ抽出部38と、操作信号を入力する押しボタン、スライドスイッチ、キーボード等で構成された操作部39と、全体の動作を制御する制御部40とを備えている。また、受信したチャンネルの番組データや広告データとネットワークI/F34から入力された画像データや動画データを表示部36の表示画面上に重ね合わせて又は並べて表示できるようにする合成部41を備えている。
【0032】
チューナ32は、受信アンテナ31で受信した電波を電気信号に変換すると、操作部39で入力されたチャンネルを選択する。そして、復調部33では、復調処理を行って誤り訂正処理や多重分離処理を行い、この後、圧縮されている信号を伸長する復号処理等を行い、表示部36に画像データや映像データが表示されるようにし、また、スピーカ37より音声データが可聴音で放音されるようにする。
【0033】
ネットワークI/F34は、インターネット等のネットワークを介して管理装置20やその他のサーバ装置と接続するネットワークカード等で構成されている。具体的に、ネットワークI/F34では、管理装置20からストリーミング配信される広告データ等を受信し、また、広告識別データやユーザ識別データを管理装置20に送信する。また、ネットワークI/F34は、要求に応じて管理装置20から送信された暗号化サービスデータを受信する。ネットワークI/F34は、ストリーミングで広告データや音声データを受信したとき、受信したデータを合成部41を介して表示部36に出力し、また、音声データをスピーカ37に出力する。
【0034】
合成部41は、例えばオーバーレイ回路であって、受信したチャンネルの番組データや広告データとネットワークI/F34から入力された画像データや動画データを表示部36の表示画面上に重ね合わせて又は並べて表示できるようにする。
【0035】
メモリ35は、ハードディスク、フラッシュメモリ等であって、ネットワークI/F34で受信した広告データ等をユーザの操作に応じて保存し、ユーザが何時でも保存した広告データを見ることができるようにする。また、このメモリ35は、受信アンテナ31で受信した表示部36で再生する広告データを複数格納しておき、順次繰り返して、表示部36で再生できるようにしても良い。このメモリ35に格納される広告データは、広告識別データが付与されているものであっても良く、また、付与されていないものであっても良い。
【0036】
広告識別データ抽出部38は、受信アンテナ31で受信した放送信号中の広告データより広告識別データを、例えば広告識別データが格納されているヘッダ部より抽出する。また、広告識別データ抽出部38は、当該広告識別データに関連するURL等のアドレスデータが広告データに含まれているとき、このアドレスデータを抽出する。
【0037】
操作部39は、押しボタン、スライドスイッチ、ダイヤル等で構成されている。この操作部39では、例えば、放送信号のチャンネルを選択したり、サービスデータを管理装置20より取得するための操作をしたり、更に、ホームページ等のウェブページを閲覧するための操作を行うことができる。
【0038】
制御部40は、CPU、ROM、RAM等で構成され、操作部39から入力される操作信号に応じて受信装置30全体の動作を制御する。具体的に、制御部40は、テレビジョン受像機としての機能を実現するため、操作部39で選択された所定のチャンネルを復調部33に出力するようにチューナ32を制御する。また、制御部40は、選択されたチャンネルの広告データより広告識別データ抽出部38で抽出するようにし、抽出した広告識別データを、ネットワークI/F34を介して、ICカード50より読み出したユーザ識別データと共に管理装置20に送信し、管理装置20に対して広告識別データに関連付いたサービスデータの要求を行う。これに応じて、制御部40は、ネットワークI/F34で暗号化サービスデータを受信し、この受信したサービスデータをICカード50に保存する。
【0039】
なお、受信装置30では、表示部36が1つでも良いが、複数、例えば4つを縦横に並べて設け、同時に、複数のチャンネルを表示できるようにしても良い。
【0040】
以上のように構成された受信装置30には、ICカード50と通信を行う第1のリーダ/ライタ60が接続されている。なお、ICカード50と第1のリーダ/ライタ60との間では、RFID(Radio Frequency Identification System)、NFC(Near Field Communication)等の短距離又は近距離の無線通信が行われる。
【0041】
図5に示すように、ICカード50は、例えば名刺サイズのプラスチックカード内に、第1のリーダ/ライタ60や第2のリーダ/ライタ80と通信を行う例えばループ状のアンテナ51と、第1のリーダ/ライタ60や第2のリーダ/ライタ80と通信制御を行うコントローラ52と、第1のリーダ/ライタ60や第2のリーダ/ライタ80と送受信を行う際の変復調を行うRF部53と、メモリ識別データともなるユーザ識別データ等が格納されたROM54と、送受信を行うデータが一時的にロードされるRAM55と、サービスデータ等を格納するメモリ56を備えている。
【0042】
このICカード50では、動作電源電圧Vdをレギュレータ57で得るようにし、電池を内蔵しないようになっている。すなわち、ここで用いられるレギュレータ57は、第1のリーダ/ライタ60や第2リーダ/ライタ80との通信時にアンテナ51で得られる磁界エネルギをコイルで誘導し、これを直流電圧Vdに変換して各部の動作電源電圧とする。
【0043】
また、メモリ56は、EEP−ROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)といった不揮発性の半導体メモリであって、例えば、受信装置30で取得した暗号化サービスデータを格納する。その他、メモリ56は、電子マネー等の電子バリューデータを格納するようにしても良い。また、メモリ識別データともなるユーザ識別データ等は、ROM54ではなく、このメモリ56に格納されていても良い。
【0044】
このようなICカード50において、コントローラ52は、アンテナ51で受信した変調信号をRF部53で復調し、メモリ56に格納する。例えば、受信装置30が管理装置20から取得した暗号化サービスデータは、このようにしてメモリ56に格納されることになる。また、コントローラ52は、メモリ送信するデータをメモリ56から読み出すと、RF部53で送信データを変調し、アンテナ51から第1のリーダ/ライタ60や第2のリーダ/ライタ80に送信する。例えば、第1のリーダ/ライタ60には、サービスデータを取得するとき、ユーザ識別データが送信される。また、第2のリーダ/ライタ80には、ユーザがサービスデータを使用するとき、ICカード50に格納されている暗号化サービスデータとユーザ識別データとが第2のリーダ/ライタ80に送信される。
【0045】
なお、本発明では、ICカード50は、携帯電話やPDA(Personal Digital(Data) Assistant )等の小型又は携帯型の情報処理装置に内蔵されているものであっても良い。
【0046】
次に、以上のようなICカード50と通信を行う第1のリーダ/ライタ60について図6を参照して説明する。
【0047】
図6に示すように、第1のリーダ/ライタ60は、ICチップ61に、CPU62、SPU(Signal Processing Unit)63、RAM65a及びROM65bを有するメモリ64が設けられていると共に、復調部66、アンテナ67、変調部68、発振回路69を有する。そして、CPU62、SPU63、メモリ64は、バスを介して相互に接続されている。
【0048】
CPU62は、ROM65bに格納されている制御プログラムをRAM65aにロードし、ICカード50から送信されてきたユーザ識別データ等のデータや受信装置30から供給された制御信号に基づいて、各種の処理を実行する。例えばCPU62は、ICカード50にデータを送信するコマンドを生成し、この生成したコマンドを、バスを介してSPU63に出力したり、ICカード50から送信されてきたデータの認証処理等を行う。
【0049】
SPU63は、ICカード50からの応答データが復調部66から供給されてきたとき、そのデータに対して、例えば、BPSK(Binary Phase ShiftKeying)復調(マンチェスターコードのデコード)等を施し、取得したデータを、受信装置30に供給する。また、SPU63は、ICカード50に送信するコマンドが供給されたとき、供給されたコマンドにBPSK変調(マンチェスターコードへのコーディング)を施し、取得したデータを変調部68に出力する。
【0050】
変調部68は、発振回路69から供給される所定の周波数(例えば、13.56MHz)の搬送波を、SPU63より供給されるデータに基づいて、ASK(Amplitude Shift Keying)変調し、生成された変調波を、電磁波としてアンテナ67から出力する。一方、復調部66は、アンテナ67を介して取得した変調波(ASK変調波)を復調し、復調されたデータをSPU63に出力する。
【0051】
アンテナ67は、例えばループ状であり、所定の電磁波を輻射し、それに対する負荷の変化に基づいて、非接触型のICカード50が近接されたか否かを検出する。そして、ICカード50が近接されたとき、アンテナ67は、ICカード50との間で各種のデータを送受信する。
【0052】
以上のような第1のリーダ/ライタ60は、ユーザがICカード50をアンテナ67に近接させてサービスデータを取得しようとするとき、ICカード50よりユーザ識別データを読み出し、また、受信装置30が暗号化サービスデータを受信したとき、ICカード50に暗号化サービスデータを格納する処理を行う。
【0053】
ここで、本発明を適用したデータ処理システム1は、受信装置30の表示部36に表示された広告データの広告識別データとICカード50に格納されているユーザ識別データとを受信装置30から管理装置20に送信し、管理装置20から送信した広告識別データに関連付いた暗号化サービスデータを受信装置30で受信し、ICカード50に格納するものである。このため、第1のリーダ/ライタ60は、受信装置30に近接した位置に設けられる。
【0054】
例えば、図7に示すように、第1のリーダ/ライタ60では、受信装置30の表示部36の周囲のフレーム30aに固定されたり、図8に示すように、USB(Universal Serial Bus)、ブルートゥース、IEEE(the Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、IEEE802等で有線又は無線のインタフェース30bで接続される。
【0055】
また、図9に示すように、第1のリーダ/ライタ60は、受信装置30の表示部36に設けるようにしても良い。この場合、表示部36は、例えばLCDであって、図10に示すように、表示面とは反対側に、第1のリーダ/ライタ60がループ状のアンテナ67がLCDの裏面に近接するように配設されている。この場合、表示部36を構成する表示面の第1のリーダ/ライタ60上の領域がICカード50がかざされる通信領域36aとなる。この図9の例によれば、受信装置30の外形形状を簡素化することができると共に操作性の向上を図ることかができる。この場合、図11に示すように、ユーザは、ICカードを表示部36内の通信領域36aにかざすことによってデータのやり取りを行うことができる。
【0056】
また、図12は、図9及び図10に示した第1のリーダ/ライタ60を表示面内に設けた表示部36を4つ設けた受信装置30を示す。図12に示す受信装置30では、表示部36が4つ設けられていることから、一度に、同じ又は異なる4つの広告データを再生することができる。図13には、4つの表示部36に表示される広告データの一例を示す。図13中左上の表示部36には、東京の買い物マップの広告データが表示され、右上の表示部36には、東京の歩き方の広告データが表示され、左下の表示部36には、レストランの広告データが表示され、右下の表示部36には、代官山のホームページを案内する広告データが表示されている。そして、例えば、図13中左上の表示部36の第1のリーダ/ライタ60からは、サービスデータとして、「商品A10%引き」のクーポンデータを取得でき、右上の表示部36の第1のリーダ/ライタ60からは、サービスデータとして、東京のマップやマップに表示された店舗のクーポンデータを取得でき、左下の表示部36の第1のリーダ/ライタ60からは、レストランのクーポンデータを取得することができ、右下の表示部36の第1のリーダ/ライタ60からは、代官山のマップやマップに表示された店舗のクーポンデータを取得できるようになっている。
【0057】
また、ICカード50にサービスデータを取得したユーザがこのサービスデータを使用する店舗に設置された店舗端末装置70は、図14に示すように、商品を販売する店舗に設置されるPOS(Point Of Sale terminal)端末の機能を有する装置であって、管理装置20と通信を行うネットワークI/F71と、ICカード50から読み出した暗号化サービスデータを復号する暗号復号部72と、POS端末としての機能を実現するPOS機能部73と、動作状況等を表示する表示部74と、全体の動作を制御する制御部75とを備える。
【0058】
ネットワークI/F71は、管理装置20とネットワークを介して通信を行うものであって、第2のリーダ/ライタ80でかざされたICカード50から暗号化サービスデータとユーザ識別データを読み出したとき、認証のため、ユーザ識別データを管理装置20に送信し、この認証要求に対する応答として、認証データを受信する。また、管理装置20が暗号鍵データでサービスデータを暗号化しているとき、ネットワークI/F71は、管理装置20から送信された認証データ、暗号鍵データ等を受信する。
【0059】
暗号復号部72は、管理装置20でICカード50から読み出したユーザ識別データの認証が取れ認証データを受信したとき、ICカード50から読み出した暗号化サービスデータの暗号を復号する。具体的に、ICカード50より読み出した暗号化サービスデータが管理装置20でユーザ識別データを暗号鍵として暗号化されているとき、暗号復号部72は、ICカード50から暗号化サービスデータと共に読み出したユーザ識別データで暗号化サービスデータを復号する。また、管理装置20にある暗号鍵データでサービスデータが暗号化されているとき、暗号復号部72は、管理装置20からユーザ識別データの認証データと共に受信した暗号鍵データで暗号化サービスデータを復号する。
【0060】
POS機能部73は、例えば商品に付されたバーコード等を光学的に読み取るリーダ等を備えており、商品のバーコード等の一次元又は二次元のシンボルを読み取る。表示部74は、動作状況を表示するものであり、例えば、暗号復号部72で復号されたサービスデータの内容を表示し、ユーザや定員にサービスデータの内容の確認を行うことができるようにする。なお、表示部74には、サービスデータの内容を示すバーコード等のシンボルを表示し、POS機能部73のリーダ等でシンボルを読み取ることができるようにしても良い。
【0061】
制御部75は、CPU、ROM、RAM等で構成され、図示しない操作部から入力される操作信号に応じて店舗端末装置70の全体の動作を制御する。具体的に、制御部75は、第2のリーダ/ライタ80でICカード50よりユーザ識別データと暗号化サービスデータを読み出したとき、読み出したユーザ識別データを、ユーザ識別データの認証のためネットワークI/F71より管理装置20に送信する。また、制御部75は、ネットワークI/F71で管理装置20よりユーザ識別データの認証データを受信したとき、暗号復号部72でユーザ識別データ又は管理装置20から取得した暗号鍵データで、ICカード50より読み出した暗号化サービスデータの暗号を復号し、例えば表示部74等に表示し、決済時等に使用できるようにする。
【0062】
なお、サービスデータがクーポンデータのように商品の割引券のとき、店舗端末装置70は、その商品を取り扱う店舗のPOS端末の機能を有する装置となるが、例えば、サービスデータが東京や代官山のマップデータ等のときには、店舗端末装置70に代わる端末装置は、POS機能部を有している必要はなく、設置される場所も、駅構内等の公共場所であれば良い。
【0063】
また、以上のような店舗端末装置70に接続される第2のリーダ/ライタ80は、図6を用いて説明した第1のリーダ/ライタ60と同様なためその構成の詳細は省略する。この第2のリーダ/ライタ80は、ユーザがICカード50をかざしたとき、ICカード50より暗号化サービスデータとユーザ識別データを読み出し、読み出した暗号化サービスデータとユーザ識別データを店舗端末装置70に供給する。
【0064】
次に、以上のように構成されたデータ処理システム1において、ユーザがICカード50に暗号化サービスデータを取得するまでの一連の手順について図15を参照して説明する。
【0065】
先ず、ステップS1において、管理装置20では、データベース21に入力された広告識別データとこの広告識別データの示す広告データで提供される割引等のサービスデータとを関連付けてデータベース21に登録する。ここで、データベース21に登録される広告識別データは、送信装置10から送信される広告データに付与される広告識別データと同じであり、関連付けられている。ステップS2において、送信装置10は、番組データと広告識別データを含んだ広告データとを放送波として送信アンテナ16より放出する。受信装置30では、操作部39で選択されたチャンネルの番組データと広告データとを受信し、受信した番組データや広告データを表示部36に表示する。
【0066】
例えば、表示部36で広告データが表示されているとき、ユーザが自ら所持管理するICカード50を第1のリーダ/ライタ60にかざすと、ステップS3において、第1のリーダ/ライタ60は、かざされたICカード50より、このICカード50に格納されたユーザ識別データを読み出し、ステップS4において、この読み出したユーザ識別データを受信装置30に供給する。
【0067】
ステップS5において、受信装置30では、第1のリーダ/ライタ60がユーザ識別データを読み出したとき表示部36に表示されている広告データに含まれている広告識別データを広告識別データ抽出部38で読み出し、この広告識別データと第1のリーダ/ライタ60でICカード50より読み出されたユーザ識別データとをネットワークI/F34より管理装置20に送信する。
【0068】
管理装置20は、受信装置30より送信された広告識別データとユーザ識別データとをネットワークI/F24で受信すると、ステップS6において、受信した広告識別データと同じデータベース21に登録済みの広告識別データに、受信したユーザ識別データを登録する。ステップS7において、管理装置20は、受信した広告識別データに関連付けられているサービスデータを暗号化処理部23で暗号化し、ステップS8において、暗号化サービスデータを受信装置30に送信する。
【0069】
ここで、サービスデータの暗号化は、受信装置30から送信されたユーザ識別データを暗号鍵にして行っても良く、また、管理装置20のみが有する暗号鍵データで行っても良い。
【0070】
受信装置30は、管理装置20から送信された暗号化サービスデータを受信すると、ステップS9において、受信した暗号化サービスデータを第1のリーダ/ライタ60に供給する。そして、第1のリーダ/ライタ60は、ステップS10において、かざされているICカード50に暗号化サービスデータを送信し、ICカード50は、メモリ56に、暗号化サービスデータを格納する。
【0071】
かくして、ユーザは、受信装置30で視聴している広告データを視聴している時点で、第1のリーダ/ライタ60にICカード50をかざすことによって、広告データに興味を持った時点で手軽に、この広告データに関連付いているサービスデータを暗号化された状態で取得することができる。また、サービスデータを管理装置20からネットワークを介して受信装置30に送信するに当たっては、サービスデータが暗号化されていることから、不正利用を防止することができる。また、管理装置20でサービスデータを暗号化するに当たって、暗号鍵にユーザ識別データを用いたときには、店舗端末装置70でサービスデータを使用する際、ICカード50に格納されているユーザ識別データで暗号を復号することができ、店舗端末装置70と管理装置20との間のデータ通信量を少なくすることができる。
【0072】
次に、図16を参照してユーザがICカード50に格納した暗号化サービスデータを使用するときの一連の手順について図16を参照して説明する。
【0073】
ユーザがサービスデータを取得した広告データの店舗を訪ね、自らが所持管理するICカード50を店舗端末装置70の第2のリーダ/ライタ80にかざすと、第2のリーダ/ライタ80は、ステップS11において、かざされたICカード50より暗号化サービスデータとユーザ識別データとを読み出し、第2のリーダ/ライタ80は、ステップS12において、読み出した暗号化サービスデータとユーザ識別データとを店舗端末装置70に供給する。
【0074】
店舗端末装置70は、ステップS13において、ユーザ識別データの認証のため、第2のリーダ/ライタ80より取得したユーザ識別データをネットワークI/F71より管理装置20に送信する。管理装置20では、ステップS14において、データベース21にアクセスし、受信したユーザ識別データがデータベース21に登録してあるかどうかを判断する。そして、管理装置20は、データベース21に受信したユーザ識別データがあるとき、ステップS15において、認証データをネットワークI/F24より店舗端末装置70に送信する。また、管理装置20は、認証の取れたユーザ識別データと関連付いているサービスデータが管理装置が所有する暗号鍵データで暗号化されているときには、この暗号鍵データを認証データと共に店舗端末装置70に送信する。
【0075】
店舗端末装置70は、ネットワークI/F71で、管理装置20から送信された認証データを受信すると、ステップS16において、第2のリーダ/ライタ80でICカード50より読み出した暗号化サービスデータを暗号復号部72で復号する。具体的には、暗号復号部72は、暗号化サービスデータがユーザ識別データで暗号化されているとき、ICカード50から暗号化サービスデータと共に読み出したユーザ識別データで、暗号化サービスデータの暗号を復号する。また、暗号復号部72は、暗号化サービスデータが管理装置20の暗号鍵データで暗号化されているとき、管理装置20から送信された暗号鍵データを用いて、暗号化サービスデータの暗号を復号する。
【0076】
この後、暗号が復号されたサービスデータは、店舗端末装置70の表示部74に表示され、決済時等に利用されることになる。サービスデータが使用されると、例えば、店舗端末装置70は、サービスデータを使用されたことを示す使用済みデータを、管理装置20に送信し、管理装置20では、データベース21に登録されたユーザ識別データを無効化し、一度使用されたサービスデータが重複利用されないようにする。
【0077】
なお、ステップS14において、管理装置20が店舗端末装置70から送信されたユーザ識別データの認証に失敗したときには、管理装置20は店舗端末装置70に対して非認証データを送信し、店舗端末装置70が非認証データを受信すると、暗号化サービスデータの暗号を復号しないようにし、例えば、ICカード50から読み出した暗号化サービスデータを使用できない旨をユーザに対して告知する。
【0078】
かくして、ユーザは、自らが所持管理するICカード50を使ってサービスデータを使用することができる。また、店舗端末装置70では、第2のリーダ/ライタ80でICカードから暗号化サービスデータと共にユーザ識別データを読み出し、この読み出したユーザ識別データを管理装置20に送信し、認証が取れたもののみ暗号化サービスデータを復号して使用できるようにしたので、不正なサービスデータが利用されることを防止することができる。また、管理装置20において、サービスデータをユーザ識別データで暗号化しているときには、店舗端末装置60で暗号化サービスデータを復号する際に、ICカード50から読み出したユーザ識別データで暗号を復号することができ、管理装置20と店舗端末装置60との間で暗号鍵データのやり取りを行うことがなくなり、店舗端末装置70と管理装置20との間のデータ通信量を少なくすることができる。
【0079】
なお、以上の例では、広告識別データを含む広告データを、放送波で配信する場合を説明したが、本発明では、上述の送信装置10に代わって又は送信装置10と共に、配信サーバよりインターネット等のネットワークを介して広告識別データを有する広告データをIPマルチキャスト放送で配信するようにしても良い。
【0080】
また、本発明では、受信装置30の表示部36には、送信装置10から送信された広告データと例えば管理装置20又は配信サーバの広告格納部26に格納された広告データを並べて表示できるようにし、管理装置20又は配信サーバの広告格納部26に格納された広告データに広告識別データを付与するようにし、ユーザは、管理装置20又は配信サーバの広告格納部26に格納された広告データを視聴する際に、上述したサービスデータを第1のリーダ/ライタ60を介して取得するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明が適用されたデータ処理システムの全体構成を示す図である。
【図2】送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】受信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ICカードの構成を示すブロック図である。
【図6】第1のリーダ/ライタの構成を示すブロック図である。
【図7】第1のリーダ/ライタをフレームに設けた受信装置の正面図である。
【図8】第1のリーダ/ライタと有線又は無線で接続した受信装置の正面図である。
【図9】表示部内に第1のリーダ/ライタを設けた受信装置の正面図である。
【図10】表示部内に第1のリーダ/ライタを設けた受信装置の断面図である。
【図11】ユーザがICカードと図9及び図10に示した表示部内の第1のリーダ/ライタとの間でデータのやり取りを行う状態を示す図である。
【図12】表示部を4つ備えた受信装置の斜視図である。
【図13】図12の受信装置の4つの表示部の表示例を示す図である。
【図14】店舗端末装置の構成を示すブロック図である。
【図15】暗号化サービスデータを取得するまでの一連の動作を示すフローチャートである。
【図16】サービスデータを使用するときの一連の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 データ処理システム、10 送信装置、11 番組ソース、12 広告ソース、13 広告識別データ挿入部、14 スイッチャ、15 変調部、16 送信アンテナ、20 管理装置、21 データベース、22 入力部、23 暗号化処理部、24 ネットワークI/F、25 制御部、26 広告格納部、30 受信装置、30a フレーム、30b インタフェース、31 受信アンテナ、32 チューナ、33 復調部、34 ネットワークI/F、35 メモリ、36 表示部、36a 通信領域、37 スピーカ、38 広告識別データ抽出部、39 操作部、40 制御部、41 合成部、50 ICカード、51 アンテナ、52 コントローラ、53 RF部、54 ROM、55 RAM、56 メモリ、57 レギュレータ、60 第1のリーダ/ライタ、61 ICチップ、62 CPU、63 SPU、64 メモリ、65a RAM、65b ROM、66 復調部、67 アンテナ、68 変調部、69 発振回路、70 店舗端末装置、71 ネットワークI/F、72 暗号復号部、73 POS機能部、74 表示部、75 制御部、80 第2のリーダ/ライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告識別データと共に、この広告識別データに関連付けられた広告データを配信する配信装置と、
上記広告識別データに関連付けてサービスデータを管理すると共に、発行するサービスデータの広告識別データにユーザ識別データを関連付けて管理し、サービスデータを発行する際に、このサービスデータを暗号鍵データ又はユーザ識別データで暗号化し暗号化サービスデータを生成する管理装置と、
上記配信装置で配信された広告データを受信し、この受信した広告データを表示部に表示すると共に、上記管理装置で発行された暗号化サービスデータを受信する受信装置と、
ユーザ識別データを格納すると共に、上記管理装置で発行された暗号化サービスデータを格納するメモリ手段と、
上記受信装置に接続され、上記メモリ手段と通信を行い、上記メモリ手段よりユーザ識別データを読み出すと共に、上記暗号化サービスデータを上記メモリ手段に書き込む第1のリーダ/ライタと、
上記メモリ手段と通信を行い、上記メモリ手段より上記ユーザ識別データ及び上記暗号化サービスデータを読み出す第2のリーダ/ライタと、
上記管理装置に対して上記第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段から取得したユーザ識別データを送信すると共に、上記第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段から取得した暗号化サービスデータを復号する端末装置とを備え、
上記第1のリーダ/ライタが上記メモリ手段からユーザ識別データを取得すると、上記受信装置は、上記広告識別データと共に上記ユーザ識別データを上記管理装置に送信し、
上記管理装置は、上記受信装置から上記広告識別データと共に上記ユーザ識別データを取得すると、この広告識別データに関連付いたサービスデータを上記暗号鍵データ又は上記ユーザ識別データで暗号化して上記受信装置に送信すると共に、この広告識別データにユーザ識別データを関連付けて管理し、
上記メモリ手段は、上記受信装置で受信した暗号化サービスデータを上記第1のリーダ/ライタを介して格納し、
上記端末装置は、上記第2のリーダ/ライタが上記メモリ手段と通信をして、このメモリ手段に格納されたユーザ識別データと暗号化サービスデータとを取得すると、この取得したユーザ識別データを上記管理装置に送信し、
上記管理装置は、上記端末装置よりユーザ識別データを受信し、受信したユーザ識別データを認証し、
上記端末装置は、上記認証時に上記管理装置から送信された暗号鍵データ又は上記メモリ手段から取得したユーザ識別データを用いて上記メモリ手段より取得した暗号化サービスデータを復号することを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
上記配信装置は、上記広告データ及び上記広告識別データを放送網を介して上記受信装置に配信することを特徴とする請求項1記載のデータ処理システム。
【請求項3】
上記配信装置は、上記広告データ及び上記広告識別データをインターネットを介して上記受信装置に配信することを特徴とする請求項1記載のデータ処理システム。
【請求項4】
管理装置で広告データに付与された広告識別データに関連付けてサービスデータを管理するステップと、
上記広告識別データと共に上記広告データを配信するステップと、
上記配信された広告データを受信し、この受信した広告データを受信装置の表示部に表示するステップと、
上記受信装置と接続された第1のリーダ/ライタでユーザ識別データを格納したメモリ手段と通信を行い、このメモリ手段よりユーザ識別データを読み出し、上記広告識別データ共に上記管理装置に送信するステップと、
上記管理装置で上記受信したユーザ識別データを上記広告識別データに関連付けて登録するステップと、
上記ユーザ識別データが登録された広告識別データに関連付けられたサービスデータを暗号鍵データ又は上記ユーザ識別データで暗号化し暗号化サービスデータを生成し、上記受信装置に送信するステップと、
上記受信装置で受信した暗号化サービスデータを第1のリーダ/ライタを介して上記メモリ手段に格納するステップと、
端末装置に接続された第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段より上記ユーザ識別データと上記暗号化サービスデータとを読み出すステップと、
上記端末装置より上記第2のリーダ/ライタで上記メモリ手段より読み出したユーザ識別データを上記管理装置に送信するステップと、
上記管理装置で、上記受信したユーザ識別データが登録済みのユーザ識別データの中にあるかを判定し認証処理を行うステップと、
上記ユーザ識別データの認証が取れたとき、上記端末装置で、上記管理装置から送信された暗号鍵データ又は上記メモリ手段から取得したユーザ識別データを用いて上記メモリ手段より読み出した暗号化サービスデータを復号するステップとを有するデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−3703(P2009−3703A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163983(P2007−163983)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】