説明

トナー回収装置、作像ユニット及び画像形成装置

【課題】構成を複雑化することなく反駆動側に配置したトナー搬送ベルトやトナー搬送スクリュー等のトナー搬送手段を駆動する。
【解決手段】図示しない感光体から回収した廃トナーは搬送ベルト50により搬送され、トナー拡散スクリュー54により廃トナー収容部36内を搬送拡散される。また、第2のトナー拡散スクリュー57により逆方向に廃トナーを搬送拡散する。スクリュー54,57は、図示しない本体駆動系により駆動されるギヤ55,56を介して回転駆動される。第2のトナー拡散スクリュー57の軸53は、搬送ベルト50を回転させるための軸として構成される。搬送ベルト50は本体駆動系から直接駆動されるため、反駆動側にギヤ列が必要ではなく、構成が簡単になり、また、装置幅を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置あるいはその作像ユニットに備えられるトナー回収装置に関し、さらに詳しくいえば、回収した廃トナーを廃トナー収容部まで搬送するトナー搬送手段を備えるものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3281595号公報
【0003】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、一般的には像担持体としての感光体表面を帯電させ、その帯電させた像担持体を露光して静電潜像を形成する。次いで、像担持体上の静電潜像に現像器よりトナーなどの微小粒体(以下、トナーという)を付与し、像担持体上にトナー像を形成する。さらに、中間転写体を介して、または直接、像担持体上のトナー像を記録媒体上に転写し、記録媒体上のトナー像を定着することにより、記録媒体上に画像が形成された記録物が得られる。ここで、電位配分バランスや現像かぶり、あるいは装置の強制停止などによって転写されずに像担持体に残留したトナーは、像担持体表面から除去してクリーニングする必要がある。
【0004】
近年の画像形成装置では、上記の像担持体表面から除去したトナー(以下、廃トナーという)を回収する機構を備え、作像ユニット内の回収部等に格納したり、現像装置に戻して再び現像に使用したりして、廃トナーレスと称するものがある。
【0005】
例えば特許文献1には、プロセスカートリッジ(34)の側面に配設したトナー搬送ベルト(36)を備え、感光体ドラム表面から回収したトナーを上記トナー搬送ベルトによってトナー回収室(71)を経て現像部(65)に送り込むようにした電子写真記録装置が記載されている(特許文献1、図1)。また、上記トナー搬送ベルト(36)は、プーリ39により回転されると記載されている(特許文献1、段落0016)。該プーリ39は、特許文献1の図1に示されるように、トナー搬送ベルト(36)と同じく、プロセスカートリッジの一方側の側面に配置されたものである。
【0006】
上記プーリ39の駆動については、特許文献1の段落0016に「図示されない駆動源を駆動してプーリ39を矢印A方向に回転させる」と記載されているのみであるが、通常、従来の画像形成装置においては、装置本体の一方側に感光体ドラム等を駆動するための駆動系(以下、本体駆動系と称する)を配設し、廃トナー回収のためのトナー搬送ベルトやトナー搬送スクリュー等は、本体駆動系とは反対側(以下、反駆動側と称する)においてプロセスカートリッジや作像ユニットの側面に設けたプーリやギヤを上記本体駆動系からのシャフト等により駆動することにより、トナー搬送ベルトやトナー搬送スクリュー等を駆動するように構成されている。その理由は、トナー搬送ベルトやトナー搬送スクリュー及びそれを駆動するためのプーリやギヤを配置しやすいという理由が多い。
【0007】
図5に、トナー搬送ベルトを駆動するためのギヤ列を反駆動側に配置したトナー回収機構の一例を示す。図5において、右側のギヤ155は図示しない本体駆動系によって駆動されるものであり、該ギヤ155から軸154aを介して反駆動側のギヤ列156,157を駆動し、ギヤ157と同軸にあるプーリ(図示せず)によりトナー搬送ベルト150を回動させている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、トナー搬送ベルトやトナー搬送スクリュー等を駆動するためのギヤ列等の駆動力伝達機構を反駆動側に設けた場合、部品点数の増加、組立工程の増加及び複雑化、駆動力伝達損の積み上げ、回転トルク増大、およびそれによる電源容量の増加等を招き、装置コストを増大させるという問題があった。また、ギヤ列等を反駆動側に配置するスペースが必要なことからプロセスカートリッジや作像ユニットの幅が増大し、装置大型化につながるという問題もある。
【0009】
本発明は、廃トナー回収機構を備えた従来の作像ユニット(プロセスカートリッジ)及び画像形成装置における上述の問題を解決し、構成を複雑化することなく反駆動側に配置したトナー搬送ベルトやトナー搬送スクリュー等を駆動することのできる廃トナー回収装置、作像ユニット及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題は、本発明により、回収された廃トナーをトナー搬送手段により廃トナー収容部まで搬送するトナー回収装置において、前記トナー搬送手段は当該トナー回収装置が装着される本体装置の駆動系とは反対側に配設されるとともに、前記本体装置の駆動系とは反対側に前記トナー搬送手段を駆動するための駆動系列が配置されておらず、前記トナー搬送手段は前記本体装置の駆動系から直接駆動されていることにより解決される。
【0011】
また、前記トナー搬送手段が搬送ベルトであると好ましい。
また、前記トナー搬送手段で前記廃トナー収容部まで搬送した廃トナーを、廃トナー収容部内で拡散させる廃トナー拡散手段を有すると好ましい。
【0012】
また、前記廃トナー拡散手段とは逆方向に廃トナーを拡散させる第2の廃トナー拡散手段を有し、該第2の廃トナー拡散手段が前記トナー搬送手段を駆動するための駆動軸として構成されていると好ましい。
また、前記廃トナー拡散手段または前記第2の廃トナー拡散手段がトナー搬送スクリューであると好ましい。
【0013】
また、前記の課題は、本発明により、少なくとも像担持体と、該像担持体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング装置とを含む作像ユニットであって、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー回収装置を具備し、前記クリーニング装置が前記像担持体からクリーニングした廃トナーを前記トナー回収装置により回収させることを特徴とする作像ユニットにより解決される。
【0014】
また、作像ユニットが現像装置を含み、該現像装置内に前記廃トナー収容部が設けられていると好ましい。
また、前記現像装置内のトナー収容スペースと前記廃トナー収容部とが変形可能な仕切部材により仕切られていると好ましい。
【0015】
また、前記の課題は、本発明により、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー回収装置または請求項6〜8のいずれか1項に記載の作像ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置により解決される。
【発明の効果】
【0016】
本発明のトナー回収装置によれば、本体装置の駆動系とは反対側にトナー搬送手段を駆動するための駆動系列が配置されておらず、トナー搬送手段は本体装置の駆動系から直接駆動されているので、装置幅を最小限に押さえることができる。また、駆動系が片側のみであるため、ギヤ等の部品点数が少なくて済み、コスト削減、組立作業の簡易化、駆動力伝達損の積み上げ抑制等を実現することができる。
【0017】
請求項2の構成により、トナー搬送手段が搬送ベルトであるので、トナー搬送手段を支持駆動する構成を簡単なものにでき、装置構成を簡略化することができる。
【0018】
請求項3の構成により、廃トナー拡散手段を有するので、廃トナー収容部を有効に利用して廃トナー収容部を廃トナーで満たすことができる。
請求項4の構成により、廃トナー拡散手段とは逆方向に廃トナーを拡散させる第2の廃トナー拡散手段を有するので、廃トナー収容部内で廃トナーを循環させることができ、廃トナー収容部内での廃トナーの滞留を防ぎ、収容部をさらに有効に利用して廃トナー収容部を廃トナーで満たすことができる。また、第2の廃トナー拡散手段がトナー搬送手段を駆動するための駆動軸として構成されているので、部品点数を抑制することができる。
【0019】
請求項5の構成により、廃トナー拡散手段または第2の廃トナー拡散手段がトナー搬送スクリューであるので、廃トナー収容部内で廃トナーを確実に搬送拡散させることができる。
【0020】
請求項6の作像ユニットによれば、クリーニング装置が像担持体からクリーニングした廃トナーをトナー回収装置により回収させることができる。また、作像ユニットの幅を抑制することができる。
【0021】
請求項7の構成により、現像装置内に廃トナー収容部が設けられているので、廃トナー収容部を別途設ける必要がなく、作像ユニットの構成を簡単なものにすることができる。
【0022】
請求項8の構成により、現像装置内のトナー収容スペースと廃トナー収容部とが変形可能な仕切部材により仕切られているので、現像装置内のスペースを有効に利用して廃トナーを収容することができる。
【0023】
請求項9の画像形成装置によれば、簡単な構成で小型のトナー回収装置を備えるので、画像形成装置の幅あるいは奥行を抑制し、装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるフルカラープリンタの概略を示す断面構成図である。この図に示すフルカラープリンタ100は、装置本体のほぼ中央部に、複数のローラに巻き掛けられた中間転写ベルト11を配設しており、その中間転写ベルト11の上部走行辺に沿って4個の作像ユニット10(M,C,Y,Bk)を配設している。作像ユニット10の詳細を図2に示す。
【0025】
各作像ユニット10は像担持体としての感光体ドラム1を具備している。この感光体ドラム1の周りには、帯電手段2、現像装置3、クリーニング装置4等が配置され、さらに各感光体ドラム1に対向する位置において中間転写ベルト11の内側に一次転写手段としての転写ローラ12が設けられている。本例の場合、4個の作像ユニット10は同一構造に構成されているが、各作像ユニットの現像装置で扱う現像剤の色がマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色に異なっている。本例の場合、4個の作像ユニット10は、図において左からマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色順に配置されている。各作像ユニット10はプロセスカートリッジとして装置本体に着脱可能に設けられている。
【0026】
そして、作像ユニット10の上方には光書き込み装置14が設けられている。光書き込み装置14は図示はしないがポリゴンミラーやミラー群等を有しており、光変調されたレーザ光を各色作像ユニットの感光体ドラム1の表面に照射する。
【0027】
装置下部には給紙カセット15がセットされており、給紙カセットから転写紙等の記録媒体(以下、用紙という)を給紙する給紙手段16が設けられている。その給紙手段16の斜め上方(用紙搬送方向の下流側)にはレジストローラ対18が設けられている。そのレジストローラ対18の上方には、二次転写手段としての転写ローラ19が、中間転写ベルト11が掛け渡されるローラの一つである転写対向ローラ13に対向して設けられ、二次転写部を形成している。
【0028】
二次転写部の上側には定着装置20が設けられている。装置本体の上面は排紙トレイ30として構成されており、その排紙トレイ30に用紙を排出するための排紙ローラ対29が、定着装置20の上方に位置して設けられている。
【0029】
上記のように構成された本例のフルカラープリンタ100における基本的な画像形成動作について簡単に説明する。
上記作像ユニット10の感光体ドラム1が図示しない駆動手段によって図中時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム1の表面が帯電手段2によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体表面には、光書き込み装置14からのレーザ光が照射され、これによって感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム1に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をマゼンタ、シアン、イエロー及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置3から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0030】
また、中間転写ベルト11が図中反時計回りに走行駆動され、各作像ユニット10において一次転写ローラ12の作用により感光体ドラム1から中間転写ベルト12に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト11はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。
【0031】
なお、作像ユニット10のいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個の作像ユニットのうち、図の一番右側のBkユニットを用いて画像形成を行う。
【0032】
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム表面に付着する残留トナーは、クリーニング装置17によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が図示しない除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。
【0033】
一方、給紙カセット15から用紙が給送され、レジストローラ対18によって、中間転写ベルト11上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写位置に向けて送出される。本例では転写ローラ19には中間転写ベルト表面のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト表面のトナー像が用紙上に一括して転写される。トナー像を転写された用紙は、定着装置20を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が用紙に熔融定着される。定着された用紙は、排紙ローラ29により装置本体の上面に構成された排紙トレイ30に排出される。
【0034】
作像ユニット10の構成を図2を参照して詳しく説明する。
上述したように、作像ユニット10は像担持体としての感光体ドラム1を具備しており、その感光体ドラム1の周りには、帯電手段2、現像装置3、クリーニング装置4等が配置されている。現像装置3は、本例では現像器本体部とトナーホッパ部を一体に備える構造であり、現像ローラ31,トナー供給ロール32,ドクターブレード33,アジテータ34,トナー収容部35,廃トナー収容部36等で構成されている。トナー収容部35には、微小着色粉体としてのトナー(4個の各作像ユニットごとに異なる色のマゼンタ、シアン、イエロー、黒のトナー)が充填されている。廃トナー収容部36は、トナー搬送ベルト50により搬送されてきた廃トナーを収容する部分であり、トナー収容部35と廃トナー収容部36がトナー隔壁として機能する仕切部材37で仕切られている。
【0035】
クリーニング装置4は、一次転写後の残留トナーを感光体ドラム1から掻き取るためのクリーニングブレード4a、該クリーニングブレード4aにより掻き取られクリーニング装置のケース内に回収された残留トナーを感光体ドラム軸方向(図面に垂直な方向)に搬送する搬送スクリュー4bを有している。
【0036】
そして、現像装置3の廃トナー収容部36とクリーニング装置4とを連絡するトナー搬送ベルト50が配設されている。プーリ51,52に掛け渡されて回動されるトナー搬送ベルト50は、図2において作像ユニット10の奥側に配設されたものであり、図に一点鎖線で示してある。クリーニング装置4の搬送スクリュー4bは、感光体ドラム1から掻き取った残留トナー(廃トナー)を手前側から奥側(図面に垂直な方向の上方から下方に)に搬送し、その廃トナーをトナー搬送ベルト50で汲み上げて搬送し、廃トナー収容部36に回収する。トナー収容部35に収容されたトナーが消費され、また、廃トナー収容部36に回収された廃トナーが増大するに伴い、仕切部材37が変形して廃トナー収容部36の容積が増大するようになっている。
【0037】
図3は、現像装置3の廃トナー収容部36の平断面図である。
この図において、図の右側が本体駆動系が設けられる側(本体駆動側)であり、図の左側が反駆動側である。図2は、図3の右側より見た作像ユニット10の縦断面であり、図2においてトナー搬送ベルト50は作像ユニットの奥側に配設されていることになる。
【0038】
さて、図3に示すように、本体駆動側から反駆動側まで現像装置3の長手方向に廃トナー収容部36を貫通する軸53が設けられており、トナー搬送ベルト50が掛け渡される上記プーリ51(図2)はこの軸53の端部に装着固定されている。プーリ51と反対側の軸53の端部には駆動入力ギヤ55が装着固定されている。この駆動入力ギヤ55は図示しない本体駆動系のギヤに噛み合わされ、該駆動入力ギヤ55が回転されることにより、軸53及びプーリ51を介してトナー搬送ベルト50が回転駆動される。
【0039】
図2でトナー搬送ベルト50の右斜め下方に図示されているトナー拡散スクリュー54は、その軸54aが軸53と同様に本体駆動側から反駆動側まで現像装置3の長手方向に廃トナー収容部36を貫通して設けられており、本体駆動側の軸端に装着固定された従動ギヤ56が上記した駆動入力ギヤ55に噛み合わされることにより、本体駆動系から駆動力を得てトナー拡散スクリュー54が回転される。トナー搬送ベルト50によりクリーニング装置4から搬送されてきた廃トナーは、反駆動側端部にてトナー搬送ベルト50からトナー拡散スクリュー54上に落下され、トナー拡散スクリュー54によって図示矢印の如く図面の右方向に搬送拡散される。これにより、収容部を有効に利用して廃トナー収容部36を廃トナーで満たすことができる。
【0040】
図4は、トナー回収機構の別例を示すものである。
この図に示すトナー回収機構は、第2の廃トナー拡散手段としてのトナー拡散スクリュー57を有していること以外は、図3で説明したものと同じである。本例では、トナー搬送ベルト50が掛け渡されるプーリ51(図2)を駆動するための軸53がトナー拡散スクリュー57の軸として構成している。上述したように、軸53の端部に設けられた駆動入力ギヤ55と軸54aの端部に設けられた従動ギヤ56とが噛み合わされており、軸53と軸54aは互いに異なる方向に回転する。そのため、トナー拡散スクリュー54とトナー拡散スクリュー57の搬送方向も互いに逆となっている。これにより、トナー搬送ベルト50によりクリーニング装置4から搬送されてきた廃トナーは、反駆動側端部にてトナー搬送ベルト50からトナー拡散スクリュー54上に落下され、トナー拡散スクリュー54によって図示矢印の如く図面の右方向に搬送拡散される。そして、トナー拡散スクリュー57によって図示矢印の如く図面の左方向に搬送拡散される。これにより、廃トナー収容部36内で廃トナーを循環させることができ、廃トナー収容部内での廃トナーの滞留を防ぎ、収容部をさらに有効に利用して廃トナー収容部36を廃トナーで満たすことができる。
【0041】
図3,4で説明した本発明によるトナー回収機構では、トナー搬送ベルト50及びトナー拡散スクリュー54(57)を駆動するための駆動系(実施例ではギヤ列55,56)が装置幅方向の片側のみに配置されるため、装置幅を最小限に押さえることができる。また、ギヤ列が片側のみであるため、ギヤの数が少なくて済み、部品点数の抑制、組立作業の簡易化、駆動力伝達損の積み上げ抑制等を実現することができる。
【0042】
図5は、従来のトナー回収機構の一例を示すものである。
この図に示すトナー回収機構では、トナー拡散スクリュー154の軸154aの図において右側(装置本体の駆動側)端部に装着された駆動入力ギヤ155に図示しない装置本体駆動系から駆動力が入力される。軸154aの反対側端部にはギヤ156が装着されており、該ギヤ156に噛み合わされるギヤ157と同軸に図示しないプーリが装着されており、そのプーリによってトナー搬送ベルト150が回転される。このように、本体駆動側の反対側(反駆動側)にトナー搬送ベルトを駆動するための駆動系(ギヤ列等)を設けた場合には、その分だけ反駆動側においてギヤ列等を設けるスペースが必要となるため、駆動系を含めた廃トナー収容部全体の幅を同じとした場合には、実際に廃トナーを収容する収容部の幅(D2)が本発明の実施例における収容部の幅(D1)よりも狭くなってしまう(D1>D2)。したがって、従来例では装置幅を同じにすると廃トナーの収容量が少なくなってしまう(逆に、廃トナーの収容量を同じにしようとすれば装置全幅が大きくなってしまう)。しかし、本発明の実施例では、本体駆動側から直接にトナー搬送ベルト50を駆動する構成により、反駆動側にギヤ列等を設ける必要がなく、装置幅が同じ場合は従来よりも廃トナーの収容量を大きくすることが可能となる。
【0043】
なお、感光体をクリーニングするクリーニング装置内に設けたトナー搬送スクリューあるいはトナー搬送コイル(例えば、図2の符号4b)をある程度自在に湾曲可能な構成とし、そのトナー搬送スクリュー・コイル等により回収トナー(廃トナー)を廃トナー回収部まで搬送させる構成も考えられる。しかし、そのような構成においては、ダクト(パイプ)内に配置したスクリューやコイルとダクト・パイプとが擦れることにより異音が発生したり金属疲労によるスクリュー・コイルの欠損などの不具合が発生する恐れがある。しかし、本発明によるトナー回収機構では、異音の発生やトナー搬送手段(搬送ベルト、搬送スクリュー等)の破損等が防止される。
【0044】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、感光体クリーニング手段で回収した廃トナーを廃トナー収容部まで搬送させる廃トナー搬送手段としては実施例の搬送ベルトに限らず、スクリューやオーガ状の搬送手段・搬送コイル等任意の搬送手段を用いることができる。
【0045】
また、図示例では、廃トナー収容部を現像装置と一体的に設けたが、現像装置あるいはトナーホッパとは別体に廃トナー収容部を設けた構成でも良い。
また、感光体からの回収トナーに限らず、中間転写体や搬送ベルトから回収した廃トナーを回収するものであっても良い。また、感光体や中間転写体等の像担持体としては、ドラム状に限らずベルト状であっても良い。
【0046】
また、廃トナー搬送手段(実施例では搬送ベルト)やトナー拡散手段(実施例では搬送スクリュー)を駆動する駆動機構としては、ギヤ列に限らずプーリ等任意の駆動機構を作用しえるものである。ギヤを用いる場合は平歯ギヤに限らず、適宜な歯車を使用可能である。
【0047】
クリーニング装置や現像装置等の構成も何ら限定されるものではない。現像装置としては一成分現像器でも二成分現像器でも構わない。作像ユニット・プロセスカートリッジの構成も任意であり、画像形成装置各部の構成も任意である。画像形成装置としてはプリンタに限らず、ファクシミリや複写機、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例であるフルカラープリンタの概略を示す断面構成図である。
【図2】そのプリンタが備える作像ユニットの構成を示す縦断面図である。
【図3】現像装置内に設けた廃トナー収容部の平断面図である。
【図4】トナー回収機構の別例を示す、現像装置内に設けた廃トナー収容部の平断面図である。
【図5】従来のトナー回収機構の一例を示す、廃トナー収容部の平断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 感光体ドラム
3 現像装置
4 クリーニング装置
4b 搬送スクリュー
10 作像ユニット
35 トナー収容部
36 廃トナー収容部
37 仕切部材
50 トナー搬送ベルト(トナー搬送手段)
53 軸
54 トナー拡散スクリュー(廃トナー拡散手段)
55 駆動入力ギヤ
56 従動ギヤ
57 トナー拡散スクリュー(第2の廃トナー拡散手段)
100 フルカラープリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収された廃トナーをトナー搬送手段により廃トナー収容部まで搬送するトナー回収装置において、
前記トナー搬送手段は当該トナー回収装置が装着される本体装置の駆動系とは反対側に配設されるとともに、
前記本体装置の駆動系とは反対側に前記トナー搬送手段を駆動するための駆動系列が配置されておらず、前記トナー搬送手段は前記本体装置の駆動系から直接駆動されていることを特徴とするトナー回収装置。
【請求項2】
前記トナー搬送手段が搬送ベルトであることを特徴とする、請求項1に記載のトナー回収装置。
【請求項3】
前記トナー搬送手段で前記廃トナー収容部まで搬送した廃トナーを、廃トナー収容部内で拡散させる廃トナー拡散手段を有することを特徴とする、請求項1に記載のトナー回収装置。
【請求項4】
前記廃トナー拡散手段とは逆方向に廃トナーを拡散させる第2の廃トナー拡散手段を有し、該第2の廃トナー拡散手段が前記トナー搬送手段を駆動するための駆動軸として構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のトナー回収装置。
【請求項5】
前記廃トナー拡散手段または前記第2の廃トナー拡散手段がトナー搬送スクリューであることを特徴とする、請求項3又は4に記載のトナー回収装置。
【請求項6】
少なくとも像担持体と、該像担持体上に残留したトナーをクリーニングするクリーニング装置とを含む作像ユニットであって、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー回収装置を具備し、前記クリーニング装置が前記像担持体からクリーニングした廃トナーを前記トナー回収装置により回収させることを特徴とする作像ユニット。
【請求項7】
現像装置を含み、該現像装置内に前記廃トナー収容部が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の作像ユニット。
【請求項8】
前記現像装置内のトナー収容スペースと前記廃トナー収容部とが変形可能な仕切部材により仕切られていることを特徴とする、請求項7に記載の作像ユニット。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー回収装置または請求項6〜8のいずれか1項に記載の作像ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−127845(P2007−127845A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320698(P2005−320698)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】