説明

ドライブ制御回路、制御装置、スイッチング電源装置、および、制御方法

【課題】入力電圧の急変や負荷短絡時等における共振外れにより、中間電位VSが急変した場合にも、ハイサイドドライブ信号SDHとローサイドドライブ信号SDLに応じて、所定の動作をすることが可能なドライブ制御回路を提供する。
【解決手段】ドライブ制御回路101は、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2との間の中間端子Xに接続された共振回路の状態を検出することにより得られた状態検出信号Desに応じて、第1のMOSトランジスタM1の他端と第2の電位線9との間の抵抗値を下げる抵抗制御回路2を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのドライブ制御回路、制御装置、スイッチング電源装置、および、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高耐圧パワー素子のドライブ制御回路においては、例えば、ハイサイドスイッチ素子(出力素子)のゲート制御部に低電圧ロジック信号を伝達する回路が必要になる。
【0003】
従来、このようなドライブ制御回路は、高耐圧のMOSトランジスタを用いて信号を伝達する方式が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、従来のドライブ制御回路は、例えば、ハイサイドドライブ信号SDHとローサイドドライブ信号SDLが交互に入力され、高耐圧パワー素子であるハイサイドスイッチ素子およびローサイドスイッチ素子を交互にオン/オフ制御する。
【0005】
これにより、ハイサイドドライブ信号SDHとローサイドドライブ信号SDLに応じて、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子との間の中間電位VSが変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−270382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来のドライブ制御回路では、例えば、入力電圧の急変や負荷短絡時等における共振回路の共振外れ等により、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子との間の中間電位VSが急変した場合、ライズ信号Riseが出力される端子の電位がMOSトランジスタM1の寄生容量の影響により高くなる。
【0008】
このとき、ハイサイドドライブ信号SDHの立ち上がりに応じたエッジ検出信号V1によりMOSトランジスタM1がオンし電流Iriseが流れても、ライズ信号Riseのピークレベルが規定値よりも低下しない。
【0009】
したがって、このライズ信号Riseでドライブ用SRラッチ回路がセットされず、ハイサイドドライバが“High”レベルの制御信号VGHを出力しない。
【0010】
すなわち、上記従来のドライブ制御回路では、例えば、入力電圧の急変や負荷短絡時等における共振外れにより、中間電位VSが急変した場合に、ハイサイドドライブ信号SDHとローサイドドライブ信号SDLに応じて、所定の動作をすることができない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る実施例に従ったドライブ制御回路は、
2つの異なる電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのドライブ制御回路であって、
前記ハイサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号のエッジを検出し、前記ハイサイドスイッチ素子をオンするための前記ハイサイドドライブ信号の第1のエッジに応じて第1のエッジ検出信号を出力し、また、前記ハイサイドスイッチ素子をオフするための前記ハイサイドドライブ信号の第2のエッジに応じて第2のエッジ検出信号を出力するエッジ検出回路と、
第1の電位の第1の電位線に一端が接続された第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他端に一端が接続され、前記第1のエッジ検出信号に応じてオンする第1のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタの他端と、前記第1の電位よりも低い第2の電位の第2の電位線と、の間に接続された第1の電流制限素子と、
前記第1の電位線に一端が接続された第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端に一端が接続され、前記第2のエッジ検出信号に応じてオンする第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間に接続された第2の電流制限素子と、
前記第1の抵抗の他端と前記第1のMOSトランジスタの一端との間の電位であるライズ信号がセット端子に入力され、前記第2の抵抗の他端と前記第2のMOSトランジスタの一端との間の電位であるフォール信号がリセット端子に入力されるドライブ用SRラッチ回路と、
前記ドライブ用SRラッチ回路の出力に応じて、前記ハイサイドスイッチ素子を制御する第1の制御信号を出力するハイサイドドライバと、
前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の状態を検出することにより得られた状態検出信号に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げる抵抗制御回路と、を備えることを特徴とする。
【0012】
前記ドライブ制御回路において、
前記状態検出信号は、前記共振回路の共振外れの状態を検出することにより得られた信号であるようにしてもよい。
【0013】
前記ドライブ制御回路において、
前記抵抗制御回路は、
前記状態検出信号が入力されてから前記第2のエッジ検出信号が入力されるまでの間、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げるようにしてもよい。
【0014】
前記ドライブ制御回路において、
前記抵抗制御回路は、
前記状態検出信号がセット端子に入力され、前記第2のエッジ検出信号がリセット端子に入力される抵抗用SRラッチ回路と、
前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間で前記第1の電流制限素子と並列に接続され、前記抵抗用SRラッチ回路の出力に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間を導通させるスイッチ素子と、を有するようにしてもよい。
【0015】
前記ドライブ制御回路において、
前記スイッチ素子は、
前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位との間で前記第1の電流制限素子と並列に接続され、前記抵抗用SRラッチ回路の出力がゲートに入力される抵抗用MOSトランジスタであるようにしてもよい。
【0016】
前記ドライブ制御回路において、
前記ローサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのローサイドドライブ信号に応じて、前記ローサイドスイッチ素子を制御するための第2の制御信号を出力するローサイドドライバを、さらに備えるようにしてもよい。
【0017】
前記ドライブ制御回路において、
前記第1の電位線と前記中間端子との間にブートストラップ用のコンデンサが接続されているようにしてもよい。
【0018】
前記ドライブ制御回路において、
前記第1のMOSトランジスタは、前記第1のエッジ検出信号がゲートに入力されるnMOSトランジスタであり、
前記第2のMOSトランジスタは、前記第2のエッジ検出信号がゲートに入力されるnMOSトランジスタであるようにしてもよい。
【0019】
前記ドライブ制御回路において、
前記第1のMOSトランジスタは、前記第1のエッジ検出信号に応じて一定期間だけオンし、
前記第2のMOSトランジスタは、前記第2のエッジ検出信号に応じて一定期間だけオンするようにしてもよい。
【0020】
前記ドライブ制御回路において、
前記第1の電流制限素子および前記第2の電流制限素子は、抵抗であるようにしてもよい。
【0021】
前記ドライブ制御回路において、
前記ハイサイドドライバは、バッファであるようにしてもよい。
【0022】
前記ドライブ制御回路において、
前記ローサイドドライバは、バッファであるようにしてもよい。
【0023】
本発明の一態様に係る実施例に従ったドライブ制御回路は、
2つの異なる電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号およびローサイドドライブ信号を出力するドライブ信号生成回路と、
前記ハイサイドドライブ信号に応じて第1の制御信号を生成するとともに前記ローサイドドライブ信号に応じて第2の制御信号を生成し、前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子を、前記第1、第2の制御信号により交互にオン/オフ制御するドライブ制御回路と、を備え、
前記ドライブ制御回路は、
前記ハイサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号のエッジを検出し、前記ハイサイドスイッチ素子をオンするための前記ハイサイドドライブ信号の第1のエッジに応じて第1のエッジ検出信号を出力し、また、前記ハイサイドスイッチ素子をオフするための前記ハイサイドドライブ信号の第2のエッジに応じて第2のエッジ検出信号を出力するエッジ検出回路と、
第1の電位の第1の電位線に一端が接続された第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他端に一端が接続され、前記第1のエッジ検出信号に応じてオンする第1のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタの他端と、前記第1の電位よりも低い第2の電位の第2の電位線と、の間に接続された第1の電流制限素子と、
前記第1の電位線に一端が接続された第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端に一端が接続され、前記第2のエッジ検出信号に応じてオンする第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間に接続された第2の電流制限素子と、
前記第1の抵抗の他端と前記第1のMOSトランジスタの一端との間の電位であるライズ信号がセット端子に入力され、前記第2の抵抗の他端と前記第2のMOSトランジスタの一端との間の電位であるフォール信号がリセット端子に入力されるドライブ用SRラッチ回路と、
前記ドライブ用SRラッチ回路の出力に応じて、前記ハイサイドスイッチ素子を制御する第1の制御信号を出力するハイサイドドライバと、
前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の状態を検出することにより得られた検出信号に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げる抵抗制御回路と、有する
ことを特徴とする制御装置。
【0024】
本発明の一態様に係る実施例に従ったスイッチング電源装置は、
前記制御装置と、
直流電源と、
前記直流電源の第1の端子に一端が接続され、前記第1の制御信号により制御されるハイサイドスイッチ素子と、
前記ハイサイドスイッチ素子の他端に一端が接続され、前記直流電源の第2の端子に他端が接続され、前記第2の制御信号により制御されるローサイドスイッチ素子と、
一次側巻線と、二次側巻線と、を含み、出力電圧を生成するためのトランスと、
前記ローサイドスイッチ素子の一端と他端との間で前記一次側巻線と直列に接続され、前記一次側巻線と共振回路を構成するコンデンサと、
前記コンデンサに流れる電流を監視ことにより前記共振回路の状態を検出して得られた前記状態検出信号を出力する検出回路と、を備えることを特徴とする。
【0025】
前記ドライブ制御回路において、
前記状態検出信号は、
前記共振回路の共振外れの状態を検出することにより得られた信号であるようにしてもよい。
【0026】
本発明の一態様に係る実施例に従った制御方法は、
2つの異なる電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのドライブ制御回路であって、前記ハイサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号のエッジを検出し、前記ハイサイドスイッチ素子をオンするための前記ハイサイドドライブ信号の第1のエッジに応じて第1のエッジ検出信号を出力し、また、前記ハイサイドスイッチ素子をオフするための前記ハイサイドドライブ信号の第2のエッジに応じて第2のエッジ検出信号を出力するエッジ検出回路と、第1の電位の第1の電位線に一端が接続された第1の抵抗と、前記第1の抵抗の他端に一端が接続され、前記第1のエッジ検出信号に応じてオンする第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタの他端と、前記第1の電位よりも低い第2の電位の第2の電位線と、の間に接続された第1の電流制限素子と、前記第1の電位線に一端が接続された第2の抵抗と、前記第2の抵抗の他端に一端が接続され、前記第2のエッジ検出信号に応じてオンする第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間に接続された第2の電流制限素子と、前記第1の抵抗の他端と前記第1のMOSトランジスタの一端との間の電位であるライズ信号がセット端子に入力され、前記第2の抵抗の他端と前記第2のMOSトランジスタの一端との間の電位であるフォール信号がリセット端子に入力されるドライブ用SRラッチ回路と、前記ドライブ用SRラッチ回路の出力に応じて、前記ハイサイドスイッチ素子を制御する第1の制御信号を出力するハイサイドドライバと、を備えるドライブ制御回路の、制御方法において、
前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の状態を検出することにより得られた状態検出信号に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げることを特徴とする。
【0027】
前記制御方法において、
前記状態検出信号は、
前記共振回路の共振外れの状態を検出することにより得られた信号であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様に係るドライブ制御回路によれば、抵抗制御回路が、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の共振外れが検出されることにより得られた状態検出信号Desに応じて、第1のMOSトランジスタの他端と第2の電位線との間の抵抗値を下げる。
【0029】
すなわち、共振回路の共振外れが検出されたときには、抵抗用SRラッチ回路の出力Lasが“High”レベルになり、抵抗用MOSトランジスタがオンする。
【0030】
このとき、ハイサイドドライブ信号SDHに応じて第1のMOSトランジスタがオンすると、ライズ信号Riseのピークレベルがより低下する(所定のレベルまで低下する)。
【0031】
したがって、このライズ信号Riseに反応して、ドライブ用SRラッチ回路がセットされ、ハイサイドドライバが所望の“High”レベルの第1の制御信号VGHを出力することとなる。
【0032】
すなわち、本発明の一態様に係るドライブ制御回路、制御装置、および制御方法によれば、入力電圧の急変や負荷短絡時等における共振外れにより、中間電位VSが急変した場合にも、ハイサイドドライブ信号SDHとローサイドドライブ信号SDLに応じて、所定の動作をすることができる。
【0033】
さらに、本発明の一態様に係るスイッチング電源装置によれば、中間電位VSが急変した場合にも、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子とを規定通りに相互に動作させ、所定の出力電圧を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の一態様である実施例1に係るスイッチング電源装置1000の構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示すスイッチング電源装置1000の制御装置100の構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、図2に示す制御装置100のドライブ制御回路101の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、図3に示すドライブ制御回路101の各波形の一例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るスイッチング電源装置1000の構成の一例を示す図である。
【0037】
図1に示すように、スイッチング電源装置1000は、制御装置100と、直流電源Vinと、ハイサイドスイッチ素子(nMOSトランジスタ)Q1と、ローサイドスイッチ素子(nMOSトランジスタ)Q2と、トランスTと、ダイオードD3、D4と、コンデンサC3、C4と、出力端子out1、out2と、検出回路1001と、を備える。
【0038】
制御装置100は、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2を、交互にオン/オフ制御するための第1の制御信号VGHおよび第2の制御信号VGLを出力するようになっている。
【0039】
直流電源Vinは、直流電圧を出力するようになっている。
【0040】
ハイサイドスイッチ素子Q1は、直流電源Vinの第1の端子(正極)に一端(ドレイン)が接続され、第1の制御信号VGHがゲートに入力される。すなわち、ハイサイドスイッチ素子Q1は、第1の制御信号VGHにより制御される。
【0041】
ローサイドスイッチ素子Q2は、ハイサイドスイッチ素子Q1の他端(ソース)に一端(ドレイン)が接続され、直流電源Vinの第2の端子(負極)に他端(ソース)が接続され、第2の制御信号VGLがゲートに入力される。すなわち、ローサイドスイッチ素子Q2は、第2の制御信号VGLにより制御される。
【0042】
このように、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2とは、2つの異なる電位間に直列に接続されている。なお、ローサイドスイッチ素子Q2の他端((ソース)は、さらに接地に接続されていてもよい。
【0043】
出力電圧を生成するためのトランスTは、一次側巻線T1と、二次側巻線T2、T3と、を含む。
【0044】
コンデンサC3は、ローサイドスイッチ素子Q2の一端(ドレイン)と他端(ソース)との間で一次側巻線T1と直列に接続されている。このコンデンサC3は、一次側巻線T1と共振回路を構成する。
【0045】
二次側巻線T2、T3は、直列に接続されている。二次側巻線T2の一端は、ダイオードD3を介して出力端子out1に接続され、二次側巻線T2の他端は、出力端子out2に接続されている。また、二次側巻線T3の一端は、出力端子out2に接続され、二次側巻線T3の他端は、ダイオードD4を介して出力端子out1に接続されている。
【0046】
コンデンサC4は、出力端子out1と出力端子out2との間に接続されている。
【0047】
制御装置100は、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2を、交互にオン/オフ制御するための第1の制御信号VGHおよび第2の制御信号VGLを出力するようになっている。
【0048】
検出回路1001は、コンデンサC3に流れる電流を監視ことにより該共振回路の状態(ここでは、例えば、共振外れ)を検出して得られた状態検出信号Desを制御装置100に出力するようになっている。例えば、検出回路1001は、コンデンサC3に流れる電流の変化に基づいて、該共振回路の状態が共振外れであると判断した場合には、“High”レベルの状態検出信号Desを出力する。
【0049】
以上のような構成を有するスイッチング電源装置1000は、制御装置100がハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2を、交互にオン/オフ制御することにより、ハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子との間の中間電位が変化する。これにより、該共振回路が電流共振し、トランスTから出力端子out1、out2に接続された負荷Loadに電圧が供給されるようになっている。
【0050】
ここで、制御装置100の構成の一例について説明する。図2は、図1に示すスイッチング電源装置1000の制御装置100の構成の一例を示す図である。
【0051】
図2に示すように、制御装置100は、ドライブ制御回路101と、ドライブ信号生成回路102と、を有する。
【0052】
ドライブ信号生成回路102は、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2を、交互にオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号SDHおよびローサイドドライブ信号SDLを出力するようになっている。
【0053】
また、ドライブ制御回路101は、ハイサイドドライブ信号SDHに応じて第1の制御信号VGHを生成するとともに、ローサイドドライブ信号SDLに応じて第2の制御信号VGLを生成するようになっている。すなわち、ドライブ制御回路101は、このハイサイドドライブ信号、ローサイドドライブ信号SDH、SDLにより、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2を、交互にオン/オフ制御する。
【0054】
ここで、ドライブ制御回路101の構成の一例について説明する。図3は、図2に示す制御装置100のドライブ制御回路101の構成の一例を示す図である。
【0055】
図3に示すように、ドライブ制御回路101は、エッジ検出回路1と、抵抗制御回路2と、第1の電流制限素子3と、第2の電流制限素子4と、ドライブ用SRラッチ回路5と、ハイサイドドライバ6と、ローサイドドライバ7と、第1の電位線8と、第2の電位線9と、第3の電位線10と、第1の抵抗R1と、第2の抵抗R2と、第1のMOSトランジスタM1と、第2のMOSトランジスタM2と、ブートストラップ用コンデンサCbsと、を有する。
【0056】
エッジ検出回路1は、ハイサイドスイッチ素子Q1をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号SDHのエッジを検出するようになっている。
【0057】
そして、このエッジ検出回路1は、ハイサイドスイッチ素子Q1をオンするためのハイサイドドライブ信号SDHの第1のエッジ(例えば、パルス信号の立ち上がりのエッジ)に応じて、例えば“High”レベルの第1のエッジ検出信号V1を出力する。
【0058】
一方、エッジ検出回路1は、ハイサイドスイッチ素子Q1をオフするためのハイサイドドライブ信号SDHの第2のエッジ(例えば、パルス信号の立ち下がりのエッジ)に応じて第2のエッジ検出信号V2を出力する。
【0059】
また、第1の抵抗R1は、第1の電位(例えば、電源電位)VBの第1の電位線8に一端が接続されている。
【0060】
第1のMOSトランジスタM1は、第1の抵抗R1の他端に一端(ドレイン)が接続されている。この第1のMOSトランジスタM1は、第1のエッジ検出信号V1がゲートに入力され、この第1のエッジ検出信号V1に応じて、オンするようになっている。なお、この第1のMOSトランジスタM1の寄生容量Cp1が、第1のMOSトランジスタM1のドレインと第2の電位線9との間に接続されるように存在している。
【0061】
ここで、例えば、第1のMOSトランジスタM1がオンすると、電流Iriseが第1のMOSトランジスタM1に流れることにより、第1の抵抗R1の他端と第1のMOSトランジスタM1の一端(ドレイン)との間の電位であるライズ信号Riseのレベルが低下する。
【0062】
また、第1の電流制限素子3は、第1のMOSトランジスタM1の他端(ソース)と、第1の電位VBよりも低い第2の電位(例えば、接地電位)PGの第2の電位線9と、の間に接続されている。この第1の電流制限素子3は、例えば、抵抗R3で構成されている。
【0063】
第2の抵抗R2は、第1の電位線8に一端が接続されている。
【0064】
第2のMOSトランジスタM2は、第2の抵抗R2の他端に一端(ドレイン)が接続されている。この第2のMOSトランジスタM2は、第2のエッジ検出信号V2がゲートに入力され、この第2のエッジ検出信号V2に応じて、オンするようになっている。なお、この第2のMOSトランジスタM2の寄生容量Cp2が、第2のMOSトランジスタM2のドレインと第2の電位線9との間に接続されるように存在している。
【0065】
ここで、例えば、第2のMOSトランジスタM2がオンすると、電流Ifallが第2のMOSトランジスタM2に流れることにより、第2の抵抗R2の他端と第2のMOSトランジスタM2の一端(ドレイン)との間の電位であるフォール信号Fallのレベルが低下する。
【0066】
また、第2の電流制限素子4は、第2のMOSトランジスタM2の他端(ソース)と第2の電位線9との間に接続されている。この第2の電流制限素子4は、例えば、抵抗R4で構成されている。
【0067】
ドライブ用SRラッチ回路5は、第1の抵抗R1の他端と第1のMOSトランジスタM1の一端(ドレイン)との間の電位であるライズ信号Riseがセット端子Sに入力され、第2の抵抗R2の他端と第2のMOSトランジスタM2の一端(ドレイン)との間の電位であるフォール信号Fallがリセット端子Rに入力されている。
【0068】
ハイサイドドライバ6は、ドライブ用SRラッチ回路5の出力に応じて、ハイサイドスイッチ素子Q1を制御する第1の制御信号VGHを出力するようになっている。このハイサイドドライバ6は、例えば、ドライブ用SRラッチ回路5の出力を増幅して第1の制御信号VGHを出力するバッファである。
【0069】
また、ドライブ用SRラッチ回路5およびハイサイドドライバ6は、第1の電位線8と第3の電位線10との間に接続され、動作電圧が供給されるようになっている。
【0070】
この第3の電位線10は、中間端子Xに接続されている。この第3の電位線10と第1の電位線8との間には、第1の電位線8と第3の電位線10との間の電位差を保つためのブートストラップ用コンデンサCbsが接続されている。これにより、中間電位VSが変動すると、第1の電位線8の第1の電位も変動するようになっている。
【0071】
したがって、例えば、該共振回路の共振外れにより中間端子Xの中間電位VSが変化すると、この中間電位VSの変化に応じて第1の電位VBが変化する。そして、例えば、中間電位VSが上昇して第1の電位VBも上昇すると、寄生容量Cp1、Cp2の影響により、ライズ信号Riseおよびフォール信号Fallのレベルが低下する。一方、中間電位VSが下降して第1の電位VBも下降すると、寄生容量Cp1、Cp2の影響により、ライズ信号Riseおよびフォール信号Fallのレベルが上昇する。
【0072】
また、抵抗制御回路2は、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2との間の中間端子Xに接続された共振回路(T1、C3)の状態を検出することにより得られた状態検出信号Desに応じて、第1のMOSトランジスタM1の他端(ドレイン)と第2の電位線9との間の抵抗値を下げるようになっている。
【0073】
例えば、この抵抗制御回路2は、状態検出信号Desが入力されてから第2のエッジ検出信号V2が入力されるまでの間、第1のMOSトランジスタM1の他端(ドレイン)と第2の電位線9との間の抵抗値を下げる。
【0074】
この抵抗制御回路2は、図3に示すように、例えば、抵抗用SRラッチ回路2aと、スイッチ素子MRと、を有する。
【0075】
抵抗用SRラッチ回路2aは、状態検出信号Desがセット端子Sに入力され、第2のエッジ検出信号V2がリセット端子Rに入力される。
【0076】
スイッチ素子MRは、第1のMOSトランジスタM1の他端(ソース)と第2の電位線9との間で、第1の電流制限素子3と並列に接続され、抵抗用SRラッチ回路2aの出力信号Lasに応じて、第1のMOSトランジスタMの他端(ソース)と第2の電位線9との間を導通させる。これにより、第1のMOSトランジスタM1の他端(ソース)と第2の電位線9との間の抵抗値が低下する。
【0077】
このスイッチ素子MRは、例えば、図3に示すように、第1のMOSトランジスタM1の他端(ソース)と第2の電位線9との間で第1の電流制限素子3と並列に接続された抵抗用MOSトランジスタである。この抵抗用MOSトランジスタは、抵抗用SRラッチ回路2aの出力がゲートに接続され、抵抗用SRラッチ回路2aの出力信号Lasによりオン/オフが制御される。
【0078】
ローサイドドライバ7は、ローサイドスイッチ素子Q2をオン/オフ制御するためのローサイドドライブ信号SDLに応じて、ローサイドスイッチ素子Q2を制御するための第2の制御信号VGLを出力するようになっている。このローサイドドライバ7は、例えば、ローサイドドライブ信号SDLを増幅して第2の制御信号VGLを出力するバッファである。
【0079】
次に、以上のような構成を有するドライブ制御回路101の動作の一例について説明する。
【0080】
ここで、図4は、図3に示すドライブ制御回路101の各波形の一例を示す波形図である。なお、この図4において、説明のため、時間t1〜t5の期間は、状態検出信号Desがドライブ制御回路101に入力されない場合を表し、一方、時間t6〜t12の期間は、状態検出信号Desがドライブ制御回路101に入力される場合を表している。
図4に示すように、例えば、中間電位VSが急変(下降)することにより、第1の電位VBも下降すると、既述のように、ライズ信号Riseが通常のレベルよりも上昇する(時間t1〜t4)。
【0081】
そして、時間t2において、ハイサイドドライブ信号SDHが“High”レベルになると、エッジ検出回路1は、ハイサイドドライブ信号SDHの立ち上がりのエッジに応じて、“High”レベルの第1のエッジ検出信号V1を出力する。
【0082】
これにより、第1のMOSトランジスタM1が一定期間(時間t2〜t3)だけオンし電流Iriseが流れるが、ライズ信号Riseのピークレベルが規定値よりも低下しない(時間t2〜t3)。
【0083】
したがって、このライズ信号Riseでドライブ用SRラッチ回路5がセットされず、ハイサイドドライバ6が“High”レベルの第1の制御信号VGHを出力しない(時間t2〜t5)。
【0084】
なお、時間t4において、中間電位VSが所定のレベルに戻ることにより、ライズ信号Riseのレベルも通常のレベルに戻る。
【0085】
また、時間t5において、エッジ検出回路1は、ハイサイドドライブ信号SDHの立ち下がりのエッジに応じて、第2のエッジ検出信号V2を出力する。
【0086】
これにより、第2のMOSトランジスタM2が一定期間だけオンし電流Ifallが流れるが、フォール信号Fallのピークレベルが低下する。
【0087】
このように、中間電位VSが急変したとき、状態検出信号Desが入力されなければ(言い換えれば、抵抗制御回路2が無い場合(従来技術))、ドライブ制御回路101は、所定のレベルの第1の制御信号VGHを出力することがでない。
【0088】
次に、時間t6〜t8において、例えば、中間電位VSが急変(下降)することにより、第1の電位VBも下降すると、既述のように、ライズ信号Riseが通常のレベルよりも上昇する。
【0089】
一方、時間t7において、抵抗制御回路2の抵抗用SRラッチ回路2aが、状態検出信号Desに応じて、“High”レベルの信号Lasを出力する。これにより、スイッチ素子MRがオンし、第1のMOSトランジスタMの他端(ソース)と第2の電位線9との間を導通させる。したがって、第1のMOSトランジスタM1の他端(ソース)と第2の電位線9との間の抵抗値が低下する。
【0090】
すなわち、抵抗制御回路2は、状態検出信号Desが入力されてから第2のエッジ検出信号V2が入力されるまでの間(時間t7〜t12)、第1のMOSトランジスタM1の他端(ドレイン)と第2の電位線9との間の抵抗値を下げる。
【0091】
そして、時間t9において、ハイサイドドライブ信号SDHが“High”レベルになると、エッジ検出回路1は、ハイサイドドライブ信号SDHの立ち上がりのエッジに応じて、“High”レベルの第1のエッジ検出信号V1を出力する。
【0092】
これにより、第1のMOSトランジスタM1が一定期間(時間t9〜t10)だけオンし、電流Iriseが流れる。ここで、第1のMOSトランジスタMの他端(ソース)と第2の電位線9との間を導通しているため、電流Iriseが時間t2〜t3の期間よりも増大するため、ライズ信号Riseのピークレベルが該規定値よりも低下することとなる(時間t9〜t10)。
【0093】
したがって、このライズ信号Riseでドライブ用SRラッチ回路5がセットされ、ハイサイドドライバ6が“High”レベルの第1の制御信号VGHを出力することとなる(時間t9〜t12)。
【0094】
なお、時間t11において、中間電位VSが所定のレベルに戻ることにより、ライズ信号Riseのレベルも通常のレベルに戻る。
【0095】
また、時間t12において、エッジ検出回路1は、ハイサイドドライブ信号SDHの立ち下がりのエッジに応じて、第2のエッジ検出信号V2を出力する。
【0096】
これにより、第2のMOSトランジスタM2が一定期間だけオンし電流Ifallが流れ、フォール信号Fallのピークレベルが低下する。このフォール信号Fallでドライブ用SRラッチ回路5がリセットされ、ハイサイドドライバ6が“Low”レベルレベルを出力する。
【0097】
このように、中間電位VSが急変したとき、状態検出信号Desが入力されることにより、ドライブ制御回路101は、所定のレベルの第1の制御信号VGHを出力することができる。
【0098】
以上のように、本実施例に係るドライブ制御回路101、制御装置100、および制御方法によれば、入力電圧の急変や負荷短絡時等における共振外れにより、中間電位VSが急変した場合にも、ハイサイドドライブ信号SDHとローサイドドライブ信号SDLに応じて、所定の動作をすることができる。
【0099】
さらに、本発明の一態様に係るスイッチング電源装置1000によれば、中間電位VSが急変した場合にも、ハイサイドスイッチ素子Q1とローサイドスイッチ素子Q2とを規定通りに相互に動作させ、所定の出力電圧を出力することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 エッジ検出回路
2 抵抗制御回路
2a 抵抗用SRラッチ回路
3 第1の電流制限素子
4 第2の電流制限素子
5 ドライブ用SRラッチ回路
6 ハイサイドドライバ
7 ローサイドドライバ
8 第1の電位線
9 第2の電位線
10 第3の電位線
100 制御装置
101 ドライブ制御回路
102 ドライブ信号生成回路
1000 スイッチング電源装置
1001 検出回路
Vin 直流電源
Q1 ハイサイドスイッチ素子
Q2 ローサイドスイッチ素子
T トランス
T1 一次側巻線
T2、T3 二次側巻線
D3、D4 ダイオード
C3、C4 コンデンサ
Cbs ブートストラップ用コンデンサ
out1、out2 出力端子
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
M1 第1のMOSトランジスタ
M2 第2のMOSトランジスタ
MR スイッチ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのドライブ制御回路であって、
前記ハイサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号のエッジを検出し、前記ハイサイドスイッチ素子をオンするための前記ハイサイドドライブ信号の第1のエッジに応じて第1のエッジ検出信号を出力し、また、前記ハイサイドスイッチ素子をオフするための前記ハイサイドドライブ信号の第2のエッジに応じて第2のエッジ検出信号を出力するエッジ検出回路と、
第1の電位の第1の電位線に一端が接続された第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他端に一端が接続され、前記第1のエッジ検出信号に応じてオンする第1のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタの他端と、前記第1の電位よりも低い第2の電位の第2の電位線と、の間に接続された第1の電流制限素子と、
前記第1の電位線に一端が接続された第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端に一端が接続され、前記第2のエッジ検出信号に応じてオンする第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間に接続された第2の電流制限素子と、
前記第1の抵抗の他端と前記第1のMOSトランジスタの一端との間の電位であるライズ信号がセット端子に入力され、前記第2の抵抗の他端と前記第2のMOSトランジスタの一端との間の電位であるフォール信号がリセット端子に入力されるドライブ用SRラッチ回路と、
前記ドライブ用SRラッチ回路の出力に応じて、前記ハイサイドスイッチ素子を制御する第1の制御信号を出力するハイサイドドライバと、
前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の状態を検出することにより得られた状態検出信号に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げる抵抗制御回路と、を備える
ことを特徴とするドライブ制御回路。
【請求項2】
前記状態検出信号は、前記共振回路の共振外れの状態を検出することにより得られた信号である
ことを特徴とする請求項1に記載のドライブ制御回路。
【請求項3】
前記抵抗制御回路は、
前記状態検出信号が入力されてから前記第2のエッジ検出信号が入力されるまでの間、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドライブ制御回路。
【請求項4】
前記抵抗制御回路は、
前記状態検出信号がセット端子に入力され、前記第2のエッジ検出信号がリセット端子に入力される抵抗用SRラッチ回路と、
前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間で前記第1の電流制限素子と並列に接続され、前記抵抗用SRラッチ回路の出力に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間を導通させるスイッチ素子と、を有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項5】
前記スイッチ素子は、
前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位との間で前記第1の電流制限素子と並列に接続され、前記抵抗用SRラッチ回路の出力がゲートに入力される抵抗用MOSトランジスタである
ことを特徴とする請求項4に記載のドライブ制御回路。
【請求項6】
前記ローサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのローサイドドライブ信号に応じて、前記ローサイドスイッチ素子を制御するための第2の制御信号を出力するローサイドドライバを、さらに備える
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項7】
前記第1の電位線と前記中間端子との間にブートストラップ用のコンデンサが接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項8】
前記第1のMOSトランジスタは、前記第1のエッジ検出信号がゲートに入力されるnMOSトランジスタであり、
前記第2のMOSトランジスタは、前記第2のエッジ検出信号がゲートに入力されるnMOSトランジスタである
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項9】
前記第1のMOSトランジスタは、前記第1のエッジ検出信号に応じて一定期間だけオンし、
前記第2のMOSトランジスタは、前記第2のエッジ検出信号に応じて一定期間だけオンする
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項10】
前記第1の電流制限素子および前記第2の電流制限素子は、抵抗であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項11】
前記ハイサイドドライバは、バッファであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のドライブ制御回路。
【請求項12】
前記ローサイドドライバは、バッファであることを特徴とする請求項6に記載のドライブ制御回路。
【請求項13】
2つの異なる電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号およびローサイドドライブ信号を出力するドライブ信号生成回路と、
前記ハイサイドドライブ信号に応じて第1の制御信号を生成するとともに前記ローサイドドライブ信号に応じて第2の制御信号を生成し、前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子を、前記第1、第2の制御信号により交互にオン/オフ制御するドライブ制御回路と、を備え、
前記ドライブ制御回路は、
前記ハイサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号のエッジを検出し、前記ハイサイドスイッチ素子をオンするための前記ハイサイドドライブ信号の第1のエッジに応じて第1のエッジ検出信号を出力し、また、前記ハイサイドスイッチ素子をオフするための前記ハイサイドドライブ信号の第2のエッジに応じて第2のエッジ検出信号を出力するエッジ検出回路と、
第1の電位の第1の電位線に一端が接続された第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他端に一端が接続され、前記第1のエッジ検出信号に応じてオンする第1のMOSトランジスタと、
前記第1のMOSトランジスタの他端と、前記第1の電位よりも低い第2の電位の第2の電位線と、の間に接続された第1の電流制限素子と、
前記第1の電位線に一端が接続された第2の抵抗と、
前記第2の抵抗の他端に一端が接続され、前記第2のエッジ検出信号に応じてオンする第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間に接続された第2の電流制限素子と、
前記第1の抵抗の他端と前記第1のMOSトランジスタの一端との間の電位であるライズ信号がセット端子に入力され、前記第2の抵抗の他端と前記第2のMOSトランジスタの一端との間の電位であるフォール信号がリセット端子に入力されるドライブ用SRラッチ回路と、
前記ドライブ用SRラッチ回路の出力に応じて、前記ハイサイドスイッチ素子を制御する第1の制御信号を出力するハイサイドドライバと、
前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の状態を検出することにより得られた状態検出信号に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げる抵抗制御回路と、有する
ことを特徴とする制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の前記制御装置と、
直流電源と、
前記直流電源の第1の端子に一端が接続され、前記第1の制御信号により制御されるハイサイドスイッチ素子と、
前記ハイサイドスイッチ素子の他端に一端が接続され、前記直流電源の第2の端子に他端が接続され、前記第2の制御信号により制御されるローサイドスイッチ素子と、
一次側巻線と、二次側巻線と、を含み、出力電圧を生成するためのトランスと、
前記ローサイドスイッチ素子の一端と他端との間で前記一次側巻線と直列に接続され、前記一次側巻線と共振回路を構成するコンデンサと、
前記コンデンサに流れる電流を監視ことにより前記共振回路の状態を検出して得られた前記状態検出信号を出力する検出回路と、を備える
ことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項15】
前記状態検出信号は、
前記共振回路の共振外れの状態を検出することにより得られた信号である
ことを特徴とする請求項14に記載のスイッチング電源装置。
【請求項16】
2つの異なる電位間に直列に接続されたハイサイドスイッチ素子とローサイドスイッチ素子を、交互にオン/オフ制御するためのドライブ制御回路であって、前記ハイサイドスイッチ素子をオン/オフ制御するためのハイサイドドライブ信号のエッジを検出し、前記ハイサイドスイッチ素子をオンするための前記ハイサイドドライブ信号の第1のエッジに応じて第1のエッジ検出信号を出力し、また、前記ハイサイドスイッチ素子をオフするための前記ハイサイドドライブ信号の第2のエッジに応じて第2のエッジ検出信号を出力するエッジ検出回路と、第1の電位の第1の電位線に一端が接続された第1の抵抗と、前記第1の抵抗の他端に一端が接続され、前記第1のエッジ検出信号に応じてオンする第1のMOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタの他端と、前記第1の電位よりも低い第2の電位の第2の電位線と、の間に接続された第1の電流制限素子と、前記第1の電位線に一端が接続された第2の抵抗と、前記第2の抵抗の他端に一端が接続され、前記第2のエッジ検出信号に応じてオンする第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間に接続された第2の電流制限素子と、前記第1の抵抗の他端と前記第1のMOSトランジスタの一端との間の電位であるライズ信号がセット端子に入力され、前記第2の抵抗の他端と前記第2のMOSトランジスタの一端との間の電位であるフォール信号がリセット端子に入力されるドライブ用SRラッチ回路と、前記ドライブ用SRラッチ回路の出力に応じて、前記ハイサイドスイッチ素子を制御する第1の制御信号を出力するハイサイドドライバと、を備えるドライブ制御回路の、制御方法において、
前記ハイサイドスイッチ素子と前記ローサイドスイッチ素子との間の中間端子に接続された共振回路の状態を検出することにより得られた状態検出信号に応じて、前記第1のMOSトランジスタの他端と前記第2の電位線との間の抵抗値を下げる
ことを特徴とする制御方法。
【請求項17】
前記状態検出信号は、
前記共振回路の共振外れの状態を検出することにより得られた信号であることを特徴とする請求項16に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−19335(P2012−19335A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154904(P2010−154904)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】