説明

ナビゲーション装置、及びナビゲーション用プログラム

【課題】目的地の設定を変更する際のユーザの負担を軽減させること。
【解決手段】本実施形態では、ユーザは新目的地の設定画面において新たに設定する目的地を指定し、新目的地の通過順番の指定画面において新目的地の通過順番を指定する。また、新目的地の設定画面や新目的地の通過順番の指定画面には、目的地の変更要求や追加要求などの要求項目を指定する要求指定キーが設けられ、ユーザはこの要求指定キーを操作することで希望する要求を入力する。ナビゲーション装置は、ユーザから目的地の変更要求が入力された場合には、新目的地と現在地間に設定されている全ての目的地の設定を削除し、最終的に新目的地を通過順番の1番目に設定する変更を行う。そしてナビゲーション装置は、目的地の設定変更が行われた後、変更された目的地の設定条件に基づいて走行経路の再探索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラムに係り、例えば、目的地の設定を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの経路を探索し運転者に提供するナビゲーション装置が広く普及している。このナビゲーション装置では、利用者が設定した目的地までの走行経路を探索して経路誘導を行う。
また、最終的な目的地(最終目的地)だけでなく最終目的地に至るまでに通過する経由目的地を設定し、設定した経由目的地を通過する走行経路を探索する技術が特許文献1で提案されている。
【特許文献1】特開2005−321410公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図6は、従来のナビゲーション装置で目的地の追加を行う手順の概要を表したものである。
例えば目的地A、Bを経由して目的地C、D…と通過する経路(図6(a)参照)から、目的地B’を経由して目的地C、D…と通過する経路(同(d))に変更する場合、すなわち、経由目的地A、BをB’に変更する場合、次のような手順で行っていた。
まず、ユーザは目的地の追加設定画面を表示し、図6(b)に示すように、目的地Bと目的地Cの間に目的地B’を追加する。するとナビゲーション装置は、追加された目的地B’の前後の区間(区間a、b)における経路探索を行う。
次に、ユーザは目的地の削除設定画面を表示し、図6(c)に示すように、目的地Aと目的地Bを削除する。するとナビゲーション装置は、出発地から追加された目的地B’までの区間(区間c)における経路探索を行う。
すると図6(d)に示すように、目的地B’、C、Dの順番に設定ルートの目的地が変更される。
【0004】
このように従来は、目的地の追加処理と削除処理とを分けて別の処理として行っていた。そのため、目的地Aに向かって走行中に経由先が目的地B’に変更になった場合、ユーザは、目的地B’の追加要求、及び目的地A、Bの削除要求をそれぞれ手動で指示する必要があった。このような要求の指示操作はユーザにとって手間のかかるものであった。
【0005】
そこで本発明は、目的地の設定を変更する際のユーザの負担を軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、複数の目的地を指定された順番に通過する走行経路を探索し、該走行経路に基づく経路誘導を行うナビゲーション装置であって、新たに設定する新目的地を入力する新目的地入力手段と、前記新目的地の通過順番を指定する通過順番指定手段と、目的地の変更要求を入力する変更要求入力手段と、前記変更要求が入力された場合、前記新目的地より通過順番が早い目的地を削除し、前記新目的地に基づいて経路を再探索する経路探索手段と、を具備したことを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記経路探索手段は、現在地と前記新目的地間、及び前記新目的地とその次に通過する目的地間の経路の探索を行い、探索された経路を、現在設定されている対応区間の経路と置換することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記経路探索手段は、前記新目的地の次に通過する目的地から最終の目的地までの経路の再探索を行い、探索された経路を、現在設定されている対応区間の経路と置換することを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、目的地の追加要求を入力する追加要求入力手段を備え、前記経路探索手段は、前記追加要求が入力された場合、目的地の削除を行わず、前記新目的地に基づいて経路を再探索することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のナビゲーション装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記変更要求入力手段と前記追加要求入力手段を、所定の同一設定画面上にボタン表示することを特徴とする請求項4記載のナビゲーション装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、複数の目的地を指定された順番に表示する表示手段を備え、前記ボタン表示は、少なくとも前記表示される目的地と目的地との各間にそれぞれ設けられ、該ボタンの選択は、前記通過順番指定手段による通過順番の指定を兼ねることを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、コンピュータに、複数の目的地を指定された順番に通過する走行経路を探索し、該走行経路に基づく経路誘導をさせるナビゲーション用プログラムであって、前記コンピュータを、新たに設定する新目的地を入力する新目的地入力手段と、前記新目的地の通過順番を指定する通過順番指定手段と、目的地の変更要求を入力する変更要求入力手段と、前記変更要求が入力された場合、前記新目的地より通過順番が早い目的地を削除し、前記新目的地に基づいて経路を再探索する経路探索手段と、して機能させることを特徴とするナビゲーション用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的地の変更要求が入力された場合、ユーザが目的地の削除指示をしなくても、追加された新目的地より早い通過順番の目的地が削除されるため、目的地の設定を変更する際のユーザの負担を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のナビゲーション装置における好適な実施の形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、複数の目的地を指定された順番に通過する走行経路を探索する機能を有するナビゲーション装置において、目的地の変更要求や追加要求を受け、その要求に従って目的地の条件設定をやり直す方法について説明する。
本実施形態では、ユーザは新目的地の設定画面において新たに設定する目的地を指定し、新目的地の通過順番の指定画面において新目的地の通過順番を指定する。
【0009】
また、新目的地の設定画面や新目的地の通過順番の指定画面には、目的地の変更要求や追加要求などの要求項目を指定する要求指定キーが設けられ、ユーザはこの要求指定キーを操作することで希望する要求を入力する。
ナビゲーション装置は、ユーザから目的地の変更要求が入力された場合には、指定した通過順番より前の目的地の設定を削除し、最終的に新目的地を通過順番の1番目に設定する変更を行い、そして変更後の目的地の設定内容に基づいて走行経路の再探索を行う。
また、ユーザから目的地の追加要求が入力された場合には、現在設定されている目的地に対して、指定された通過順番に新目的地を追加設定し、そして新目的地を追加した後の目的地の設定内容に基づいて走行経路の再探索を行う。
【0010】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の概略構成を示した図である。
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、CPU11、ROM12、RAM13、入力装置14、出力装置15、現在位置検出装置16、情報送受信装置17、記憶装置18などを備えている。
CPU11は、ROM12、RAM13や記憶装置18などに格納されている各種プログラムやデータに従ってナビゲーション装置1を制御する中央演算処理装置である。
ROM12は、ナビゲーション装置1を機能させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶された読み取り専用メモリである。
RAM13は、CPU11の作業領域として機能する記憶領域であり、処理中のデータ、例えば新しく設定する新目的地の位置情報などを一時的に記憶する。
【0011】
入力装置14は、利用者の意志によりナビゲーション処理をCPU11に指示する装置であり、例えば、目的地(地図上の位置、住所、座標情報など)、目的地の通過順番(通過順序)、目的地の検索条件、目的地の変更要求や追加要求、新規設定要求などを入力する装置である。
本実施形態では、入力装置14は、表示画面(ディスプレイ)に、指で直接触れることでポインティングすることができるタッチパネル(タッチスクリーン)で構成されているが、ジョグダイアル等のリモートコントローラ等によって構成するようにしてもよい。
【0012】
出力装置15は、例えば、入力装置14からの入力情報、経路案内情報、目的地の設定画面(通過順番が表示された画面)、現在地周辺の地図画面、各種メニュー画面などCPU11の処理結果を出力する装置である。
本実施形態では、出力装置15は、入力装置14としての機能も有するタッチパネルによって構成されている。また、出力装置15として、経路案内を音声で出力するスピーカや処理データを印字出力するプリンタを別途設けるようにしてもよい。
【0013】
現在位置検出装置16は、ナビゲーション装置1が搭載される車両の現在位置(緯度、経度からなる絶対座標値)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(グローバル・ポジショニング・システム)から情報を取得するためのGPS受信装置を備えている。
なお、現在位置検出装置16は、GPS受信装置による現在位置検出を補足する装置として、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、ジャイロセンサ、車速センサ等を備えるようにしてもよい。
情報送受信装置17は、GPSを利用して現在位置や日付、時間情報等を入手するGPS受信装置、FM多重放送、電波ビーコン、光ビーコン等を利用して交通情報等を入手するためのVICS情報受信装置、携帯電話、パソコン等を利用することにより、情報センター(例えばATIS)や他車両と情報を双方向に通信するためのデータ送受信装置等から構成される。
【0014】
記憶装置18は、ナビゲーション用のプログラム及びデータを記憶した外部記憶装置であり、地図DB(データベース)181、経路探索プログラム182、目的地設定プログラム183などのデータ、また各プログラムの処理で用いられるデータが格納されている。
地図DB181は、地図情報、道路情報等の各種地図に関連した情報、各施設に関する施設情報(POI情報)等が格納されたデータベースである。
地図情報や道路情報は、目的地までの経路探索をする場合だけでなく、車両の現在地周辺や目的地周辺等の各種地図や道路を表示する場合、現在位置検出装置16で検出された車両の現在位置と道路情報とのマップマッチングにより現在走行中の道路及び該道路上の位置を検出する場合などに使用される。
【0015】
経路探索プログラム182は、設定された目的地の情報に基づいて走行経路の探索を行うプログラムである。
目的地設定プログラム183は、探索する経路の目的地の新規設定や設定されている目的地の変更を行うプログラムである。
記憶装置18は、ROM、RAMの他、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、メモリチップやICカード等の半導体記録媒体、CD−ROM、DVD−ROM、MO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記録媒体、その他各種方法でデータやコンピュータプログラムが記録される記録媒体が含まれる。なお、記録媒体には、記録内容に応じて異なる媒体を使用するようにしてもよい。
【0016】
次に、以上のように構成されたナビゲーション装置1における目的地の設定変更処理の方法について説明する。
ここでは、指定された順番に複数の目的地を通過する走行経路が設定されている場合に、通過(経由)する目的地の設定を変更する方法について説明する。
詳しくは、目的地の変更方法の一例として、「○○国際空港」→「○○デパート」→「○○市役所」→「○○カントリークラブ」の順番に通過する走行経路が設定されている場合に、1番目の目的地である「○○国際空港」に向かって走行中に、行き先を「△△駅」に変更する方法について説明する。
【0017】
図2は、目的地の変更処理の手順を示したフローチャートである。
また、図3(a)、(b)は、目的地の変更処理を説明するための表示例を示した図である。
現在設定されている走行経路の目的地を変更する場合、ユーザは、ナビゲーション装置1のタッチパネルを操作して、例えば、メインメニュー画面に表示された項目から“目的地設定”を選択する。
するとCPU11は、目的地設定プログラム183を起動し、新たに設定する目的地(以下、新目的地とする)の検索(指定)方法の選択項目をタッチパネルに表示する。新目的地の検索項目としては、例えば、名称の50音から絞り込む“名称検索”、ジャンルから絞り込む“ジャンル検索”、電話番号からエリアを絞り込む“電話番号検索”や予め登録されている施設から検索する“登録施設検索”などがある。
【0018】
ここでは、新目的地の検索項目として、表示された地図から新目的地を指定する“地図検索”が選択された場合を例にとり説明する。
ユーザによってタッチパネルに表示された“地図検索”の項目が選択されると、CPU11は、図3(a)に示す新目的地の設定画面をタッチパネルに表示する。
図3(a)に示すように新目的地の設定画面には、地図のほか、カーソル21、変更キー22、新規キー23、戻るキー24、詳細キー25、広域キー26が表示される。
カーソル21は、地図上の地点や施設を指定するためのポインタであり、ここでは、新目的地を指定する機能を有する。なお、図3(a)では、カーソル21により新目的地として「△△駅」が指定されている状態を示す。
【0019】
変更キー22は、カーソル21で指定された新目的地に基づく目的地の変更要求を受け付ける操作キーである。
目的地の変更要求とは、指定した通過順番より早い順番に位置する目的地の設定を削除し、最終的に新目的地を通過順番の1番目に設定する変更の要求を示す。
新規キー23は、カーソル21で指定された新目的地に基づいて目的地の新規設定要求を受け付ける操作キーである。
目的地の新規設定要求とは、現在設定されている目的地の設定を全て削除(リセット)し、指定された新目的地を通過順番の1番目に設定する要求を示す。
戻るキー24は、前画面の表示に戻す要求を受け付ける操作キーであり、ここで戻るキー24が押下された場合、新目的地の検索項目の選択画面に移行する。
詳細キー25及び広域キー26は、地図表示の縮尺の変更要求を受け付ける操作キーである。
【0020】
図2のフローチャートの説明に戻り、ナビゲーション装置1のCPU11は、はじめにユーザから目的地の変更要求がされたか否かを判断する(ステップ11)。目的地の変更要求の有無は、図3(a)に示す変更キー22の操作信号に基づいて判断する。
目的地の変更要求がされていない場合(ステップ11;N)、つまり変更キー22の操作信号が検出されない場合、CPU11は目的地の変更要求の監視を続ける。
一方、変更キー22が押下され、目的地の変更要求がなされた場合(ステップ11;Y)、詳しくは、図3(a)に示す新目的地の指定画面において、カーソル21で「△△駅」が指定された状態で変更キー22が押下された場合、続いて図3(b)に示す新目的地の通過順番(通過順序)を指定する画面が表示される。
【0021】
図3(b)に示すように新目的地の通過順番の指定画面には、現在設定されている目的地とその経過順番、及び新目的地の通過順番を指定するための設定キー31〜35が表示される。
また、多数の目的地が設定されており、タッチパネルの一画面に全ての目的地を表示できない場合には、スクロールキー27がアクティブ表示される。ユーザは、スクロールキー27を操作することにより画面に表示されていない目的地を表示させることができる。
【0022】
ユーザは、現在通過順番が1番目の「○○国際空港」の前に新目的地の通過順番を指定する場合には設定キー31を押下することによって、新目的地の通過順番を指定することができるように構成されている。
同様に、通過順番が2番目の「○○デパート」の前に新目的地の通過順番を指定する場合には設定キー32を押下し、通過順番が3番目の「○○市役所」の前に新目的地の通過順番を指定する場合には設定キー33を押下し、通過順番が4番目の「○○カントリークラブ」の前に新目的地の通過順番を指定する場合には設定キー34を押下し、通過順番が4番目の「○○カントリークラブ」の後に新目的地の通過順番を指定する場合には設定キー35を押下することによって新目的地の通過順番を指定する。
【0023】
CPU11は、設定キー31〜35の操作信号に基づいて、指定された新目的地の通過順番を判断し、指定された新目的地の情報、及びこの新目的地の通過順番の情報を変更設定情報として受け付けRAM13に格納する(ステップ12)。
例えば、新目的地が通過順番が3番目と4番目の間に指定された場合には、通過順番が3番目と4番目の間であることを示す「3.5」番目を新目的地の指定通過順番として設定する。なお、新目的地の指定通過順番の表現方法は、これに限定されるものではなく、例えば「3−4」や「3〜4」などのように指定箇所が特定可能な方法であればよい。
また、新目的地の情報は、図3(a)に示す新目的地の設定画面において変更キー22が押下された時点で受け付けRAM13に格納するようにしてもよい。
【0024】
新目的地の通過順番の指定を受け付けると、CPU11は、指定された新目的地と現在地間に現在設定されている目的地が存在するか否かを判断する(ステップ13)。
目的地が存在する場合(ステップ13;Y)、CPU11は、新目的地と現在地間に設定されている全ての目的地の設定を削除する(ステップ14)。
例えば、新目的地として設定された「△△駅」の通過順番が、設定キー33が押下されることによって「○○市役所」の前に指定された場合、CPU11は、「○○市役所」と現在地間に設定されている「○○国際空港」と「○○デパート」の設定を削除する。
続いてCPU11は、指定された新目的地を正式に走行経路において通過する目的地として設定(登録)する(ステップ15)。
【0025】
図3(c)は、新目的地が正式に目的地として登録された後の目的地の設定状況のイメージを示した図である。
図3(c)に示すように、「○○市役所」の前に新目的地「△△駅」が指定されると、「○○国際空港」と「○○デパート」の設定が削除され、その代わりに新目的地「△△駅」が通過順番が1番目の目的地となる。これに伴い通過順番が新目的地「△△駅」以降に設定されている「○○市役所」、「○○カントリークラブ」の通過順番が1ずつ繰り上げられる。このように各目的地の通過順番が再設定される。
一方、指定された新目的地と現在地間に目的地が存在しない場合(ステップ13;N)、つまり設定キー31が押下されることによって「○○国際空港」の前に新目的地の通過順番が指定された場合、CPU11はそのままステップ15の処理に進む。
【0026】
設定キー31が押下された場合には、現在設定されている全ての目的地が残る。つまり設定キー31は、単純に新目的地を通過順番の1番目の「○○国際空港」より前に追加するためのものである。
また、図3(b)に示す新目的地の通過順番の指定画面において設定キー35が押下され「○○カントリークラブ」の後に新目的地の通過順番が指定された場合には、ステップ14の処理において現在設定されている全ての目的地の設定が削除される。そして新目的地のみが変更後の目的地として残る。故に、新目的地の通過順番を最終の目的地の後に指定するための設定キー35は、図3(a)に示す新規キー23と同様の機能を有するものである。
【0027】
目的地の設定変更が行われた後、CPU11は、経路探索プログラム182を起動し、変更された目的地の設定条件に基づいて走行経路の再探索を行う(ステップ16)。
詳しくは、目的地の変更に伴い新たに生じた区間の経路を探索し、その探索結果を目的地の変更前の対応区間の経路と置き換える。
例えば、「○○市役所」の前に新目的地「△△駅」が指定され、目的地の設定条件が図3(b)から図3(c)のように変更された場合には、新たに生じた現在地と「△△駅」間、及び「△△駅」と「○○市役所」間の経路を探索する。そして探索された経路を、変更前の現在地と「○○国際空港」間の経路、「○○国際空港」と「○○デパート」間の経路、「○○デパート」と「○○市役所」間の経路と置き換える。
【0028】
また、目的地の変更前と変更後では、走行経路が変更されるため「○○市役所」に到着する予定時刻が変わる場合がある。
例えば渋滞が予想される時間帯には所定の路線の選択を回避するなど、車両の通過時刻を考慮した経路探索を行う場合には、同一区間であっても通過予定時刻に応じて最適経路が異なる。
このような時刻要素を考慮する経路探索の方法が設定されている場合には、「○○市役所」に到着する予定時刻の変化に伴い、「○○市役所」以降の区間、即ち「○○市役所」と「○○カントリークラブ」間の最適経路が目的地の変更前と変更後で変わるおそれがある。
そのため、「○○市役所」と「○○カントリークラブ」間の経路探索を再度行い、探索された経路を変更前の経路と置き換えることが好ましい。
CPU11は、目的地の変更後における経路の探索結果を反映した走行経路をタッチパネルに表示し(ステップ17)、メインルーチンにリターンする。
【0029】
上述したように本実施形態によれば、ユーザは、例えば、変更キー22を押下することによって新目的地の指定及び変更要求の入力を行い、設定キー33を押下することによって新目的地の通過順番を指定するだけで、通過順番が2番目の目的地「○○デパート」と3番目の目的地「○○市役所」との間に新目的地「△△駅」を追加し、「○○国際空港」と「○○デパート」を削除する内容の目的地の変更を行うことができる。
即ち、ユーザは、従来のように目的地の追加と削除の2段階の操作を行うことなく、1段階の操作でこのような目的地の変更を行うことができる。
【0030】
また、従来は、このような目的地の変更を行う場合、目的地の追加と削除とを分けて行い、それぞれの処理において新しい経路区間が発生する毎にその区間の経路の再探索を行っていた。そのため、図6に示すように目的地Aに向かって走行中に、目的地Bと目的地Cの間に目的地B’を追加し、目的地A、Bを削除する目的地の変更を行う場合、ナビゲーション装置では、最終的な目的地の変更結果に反映されない区間aにおいても、目的地B’を追加した際に経路探索が行われていた。
しかしながら本実施形態では、目的地の追加と削除の両処理が終了した後に走行経路の再探索を行うため、最終的な目的地の変更結果に反映されない区間(不要な区間)の経路探索処理は発生しない。そのため、ナビゲーション装置1のCPU11にかかる負荷をより低減させることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、ステップ14において新目的地と現在地間に設定されている全ての目的地の設定を削除した後、ステップ15において指定された新目的地を正式に走行経路において通過する目的地として設定(登録)する処理を行っている。
しかし指定された新目的地を正式に走行経路において通過する目的地として設定(登録)する処理を行う順序はこれに限定されるものではない。例えば、ステップ12において変更設定情報を受け付けた後、即ちステップ14において目的地の設定を削除する前に行うようにしてもよい。この場合、指定された新目的地と現在地間に目的地が存在しない時には、CPU11は、そのままステップ16に示す経路の再探索処理を行う。
【0032】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例として、現在設定されている目的地に新目的地を単純に追加する機能を備えたナビゲーション装置1について説明する。
図4は、新目的地の設定画面の変形例を示した図である。
なお、上述した実施形態と同一の機能を有する部位には同符号を用い詳細説明は省略し、ここでは変形部分について説明する。
図4に示すように新目的地の設定画面に、変更キー22、新規キー23に加えて追加キー41を設ける。
追加キー41は、カーソル21で指定された新目的地に基づく目的地の追加要求を受け付ける操作キーである。
目的地の追加要求とは、指定した新目的地を現在設定されている目的地に追加する要求を示す。
【0033】
図4に示す新目的地の指定画面において、カーソル21で「△△駅」が指定された状態で追加キー41が押下された場合、続いて図3(b)に示す新目的地の通過順番(通過順序)を指定する画面が表示される。
そして、新目的地の通過順番の指定画面において、ユーザによって設定キー31〜35のいずれかが押下されると、CPU11は、設定キー31〜35の操作信号に基づいて、指定された新目的地の通過順番を判断し、指定された新目的地の情報、及びこの新目的地の通過順番の情報を追加設定情報として受け付けRAM13に格納する。
なお、新目的地の情報は、図4に示す新目的地の設定画面において追加キー41が押下された時点で受け付けRAM13に格納するようにしてもよい。
【0034】
CPU11は、指定された新目的地を正式に走行経路において通過する目的地として追加設定する。新目的地の追加設定が行われた後、CPU11は、経路探索プログラム182を起動して走行経路の再探索を行う。
詳しくは、新目的地の追加に伴い新たに生じた区間の経路を探索し、その探索結果を新目的地の追加前の対応区間の経路と置き換える。
例えば、「○○デパート」と「○○市役所」間に新目的地「△△駅」が追加された場合には、新たに生じた「○○デパート」と「△△駅」間、及び「△△駅」と「○○市役所」間の経路を探索する。そして探索された経路を、追加前の「○○デパート」と「○○市役所」間の経路と置き換える。
【0035】
また、新目的地の追加前と追加後では、走行経路が変更されるため「○○市役所」に到着する予定時刻が変わる場合がある。
上述した実施形態と同様に、時刻要素を考慮する経路探索の方法が設定されている場合には、「○○市役所」に到着する予定時刻の変化に伴い、「○○市役所」以降の区間の最適経路が目的地の追加前と追加後で変わるおそれがあるため、「○○市役所」と「○○カントリークラブ」間の経路探索を再度行い、探索された経路を追加前の経路と置き換えることが好ましい。
CPU11は、新目的地の追加後における経路の探索結果を反映した走行経路をタッチパネルに表示する。
このように新目的地の設定画面に追加キー41を設けることにより、既存の目的地の設定に対して新目的地を単純に追加する処理を行うことができる。
【0036】
また、本実施形態及び変形例では、図3(a)や図4に示す画面で新目的地を指定した後、図3(b)に示す画面で新目的地の通過順番の指定を行うように構成されている。しかしながら、新目的地の指定、及び新目的地の通過順番の指定を行う順序はこれに限定されるものではなく、はじめに新目的地の通過順番を指定し、その後新目的地の指定を行うようにしてもよい。
この場合、CPU11は新目的地の通過順番が指定された後、新目的地の検索(指定)方法の選択項目をタッチパネルに表示して新目的地の指定を促す。そして新目的地の設定画面に上述した実施形態や変形例と同様に変更キー22、新規キー23、追加キー41をボタン表示し、ユーザに各種要求の選択を促す。
【0037】
本実施形態及び変形例では、新目的地の指定画面に変更キー22、新規キー23、追加キー41が設けられており、ユーザは、これらのキーのいずれかを選択操作(押下)することにより希望する要求の入力ができるように構成されている。しかしながら、目的地の変更要求や追加要求、新規設定要求の入力方法はこれに限定されるものではなく、例えば、メインメニュー画面に表示された項目から“目的地設定”が選択された後に、これらの要求項目の選択画面を表示し、そこでユーザの希望する要求項目を選択(入力)させるようにしてもよい。また、新目的地の指定や新目的地の通過順番の指定を行った後に、要求項目の選択画面を表示し、そこでユーザの希望する要求項目を選択(入力)させるようにしてもよい。このように要求項目の選択画面を別に設ける場合、新目的地の指定画面には要求項目の指定キーの代わりに新目的地を指定するための設定キー(決定キー)を設ける。
【0038】
また、本実施形態及び変形例では、新目的地の指定画面において目的地の変更要求や追加要求の入力ができるように構成されているが、これらの要求の入力方法はこれに限定されるものではない。
図5は、新目的地の通過順番の指定画面の変形例を示した図である。
例えば、新目的地の通過順番の指定画面において設定キー31〜35の代わりに、図5に示すように変更キー(変更ボタン)51〜55と追加キー(追加ボタン)61〜65を並置する。そして、新目的地の通過順番の指定箇所に設けられた変更キー51〜55又は追加キー61〜65を押下することにより、目的地の変更要求又は追加要求の入力と、新目的地の通過順番の指定を同時に行うようにしてもよい。
この場合も、はじめに新目的地の通過順番の指定と変更要求又は追加要求の入力を行い、その後新目的地の指定を行うようにしてもよい。
なお、図5に示すように、変更キー51〜55と追加キー61〜65は、設定画面上の各目的地間、目的地の前後の所定位置を指定するように設けられている。
【0039】
上述した実施形態及び変形例では、図3(b)及び図5に示す通過順番の指定画面において、現在地と通過順に配列された複数の目的地や現在地が表示され、さらに、現在地表示と1番目の目的地表示との間、1番目から最終目的地までのそれぞれの目的地との間、最終目的地の後に設けられた、設定キー31〜35(図5に示す変形例では、変更キー51〜55、追加キー61〜65)が表示される。
そして、ユーザが、設定キー31〜35(変更キー51〜55、追加キー61〜65)のうちのいずれかを選択(押下)することによって、新目的地の追加要求または変更要求と共に、新目的地の通過順番を指定するように構成されている。
【0040】
しかしながら、新目的地の通過順番の指定方法はこれに限定されるものではなく、例えば、新目的地の通過順番を数字の入力によって指定するようにしてもよい。具体的には、
“『_』の次”、“『_』の前”、“『_』と『_』の間”のように、数字入力欄が設けられた通過順番指定フォームを画面に設ける。そして、新目的地の通過順番を2番目の目的地と3番目の目的地との間に指定する場合には、通過順番指定フォームの数字入力欄に、“『2』の次”、“『3』の前”、“『2』と『3』の間”のように数字を入力する。
なお、このように、数字を入力することによって2番目の目的地と3番目の目的地との間に新目的地の通過順番を指定する処理は、上述した図3(b)に示す実施形態において、2番目の目的地と3番目の目的地との間に設けられた設定キー33(図5に示す変形例では、変更キー53、追加キー63)を選択することによって通過順番を指定する処理に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態におけるナビゲーション装置の概略構成を示した図である。
【図2】目的地の変更処理の手順を示したフローチャートである。
【図3】(a)、(b)は目的地の変更処理を説明するための表示例を示した図であり、(c)は新目的地が正式に目的地として登録された後の目的地の設定状況のイメージを示した図である。
【図4】新目的地の設定画面の変形例を示した図である。
【図5】新目的地の通過順番の指定画面の変形例を示した図である。
【図6】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 入力装置
15 出力装置
16 現在位置検出装置
17 情報送受信装置
18 記憶装置
21 カーソル
22 変更キー
23 新規キー
24 戻るキー
25 詳細キー
26 広域キー
27 スクロールキー
31〜35 設定キー
41 追加キー
51〜55 変更キー
61〜65 追加キー
181 地図DB
182 経路探索プログラム
183 目的地設定プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の目的地を指定された順番に通過する走行経路を探索し、該走行経路に基づく経路誘導を行うナビゲーション装置であって、
新たに設定する新目的地を入力する新目的地入力手段と、
前記新目的地の通過順番を指定する通過順番指定手段と、
目的地の変更要求を入力する変更要求入力手段と、
前記変更要求が入力された場合、前記新目的地より通過順番が早い目的地を削除し、前記新目的地に基づいて経路を再探索する経路探索手段と、
を具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記経路探索手段は、現在地と前記新目的地間、及び前記新目的地とその次に通過する目的地間の経路の探索を行い、探索された経路を、現在設定されている対応区間の経路と置換することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路探索手段は、前記新目的地の次に通過する目的地から最終の目的地までの経路の再探索を行い、探索された経路を、現在設定されている対応区間の経路と置換することを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
目的地の追加要求を入力する追加要求入力手段を備え、
前記経路探索手段は、前記追加要求が入力された場合、目的地の削除を行わず、前記新目的地に基づいて経路を再探索する
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記変更要求入力手段と前記追加要求入力手段を、所定の同一設定画面上にボタン表示することを特徴とする請求項4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
複数の目的地を指定された順番に表示する表示手段を備え、
前記ボタン表示は、少なくとも前記表示される目的地と目的地との各間にそれぞれ設けられ、
該ボタンの選択は、前記通過順番指定手段による通過順番の指定を兼ねることを特徴とする請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
コンピュータに、複数の目的地を指定された順番に通過する走行経路を探索し、該走行経路に基づく経路誘導をさせるナビゲーション用プログラムであって、
前記コンピュータを、
新たに設定する新目的地を入力する新目的地入力手段と、
前記新目的地の通過順番を指定する通過順番指定手段と、
目的地の変更要求を入力する変更要求入力手段と、
前記変更要求が入力された場合、前記新目的地より通過順番が早い目的地を削除し、前記新目的地に基づいて経路を再探索する経路探索手段と、
して機能させることを特徴とするナビゲーション用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−30992(P2009−30992A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192167(P2007−192167)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】