説明

ナビゲーション装置、方法及びプログラム

【課題】鉄道・電気・水道・ガス・電話・道路等の管理者に対して、その目的地となる業務設備への経路案内の精度が高まり、迅速に目的地に到達することができるナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】 経路設定部42によって計算された業務用目的地までの最適経路に基づいて、現在位置計算部40が逐次計算する現在位置にしたがって地図表示部43が現在位置を周辺地図や経路と共に地図表示し、案内部44が経路に沿った進行方向等を合成音声や画面表示などで案内する。業務用目的地周辺に車両が近づいた場合には、現在位置計算部40から送られる情報に基づいて詳細地図表示制御部47はこれを判定し、外部記憶装置制御部13に対して、外部記憶装置20に格納された業務用目的地周辺の鉄道線路平面図等の背景データを読み取らせ、図24(b)に示すように、この背景データを地図表示部43に対して通常の背景データに重ねて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地への経路誘導を行うナビゲーションの技術に係り、特に、鉄道・電気・水道・ガス・電話・道路等における地理情報システム(GIS)等の業務用の地図データベースに基づいて広範囲に設けられた業務用設備への経路誘導を行うナビゲーション装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年急速に普及したナビゲーション装置は、地図データベースなどに予め用意した道路地図データを用いて、GPS、ジャイロ、車速パルス等の航法データから逐次計算する自車位置を周辺地図上に画面表示したり、指定される目的地への最適な経路についても、計算のうえ画面表示や合成音声で誘導案内(ナビゲーション)するものである。
【0003】
このようなナビゲーション装置において、車両が目的地へ接近したり、設定経路から離脱したり、また渋滞箇所などへの接近した場合などに、各々場合に応じた有用な詳細地図が的確なタイミングで表示される技術が提案されている。
【特許文献1】特開平11−38872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鉄道・電気・水道・ガス・電話・道路等の事業者においては、施設が広範囲におよぶから、当該施設の点検や維持管理は、作業員が車両で当該施設等まで移動して行う必要がある。
【0005】
このような場合に、目的地となる施設までは、通常のナビゲーション装置を業務用車両に実装して、一般的な道路地図に基づいた経路誘導に従うことで行っていた。しかしながら、例えば、鉄道事業における鉄道線路平面図等、業務用の設備の情報は、通常のカーナビゲーション装置における地図データベースには含まれていないため、当該施設等を目的地とした場合でも、業務用の地図は表示されなかった。
【0006】
そのため、管理者は、搭載されたナビゲーション装置の経路誘導では、設備周辺には到達できるものの、本来の目的地である設備までは誘導案内されなかった。したがって、設備周辺まで到達した段階で、別途鉄道線路平面図を参照し、それにしたがって管理設備へ向かう等、迅速に目的地に到着することに支障を来たす場合があった。特に、大規模駅周辺の場合は、目的地とする設備が、多数あり、敷地面積も広く、作業者が始めて行く場所等の場合、目的地を確認するだけでも、多数の時間が発生してしまう。緊急を要する事態が発生した場合、一刻も早く目的地に到着することが必要であり、目的の設備までの時間を少しでも短縮することが必要であった。
【0007】
また、設備周辺から当該施設へ向かう道路は、設備を管理する事業者の私有地であって、一般道からその道路への入口が入り組んだところや一見してわからない箇所に存在する場合もあり、設備周辺に辿り着いたからといって、例えば線路を挟んだ反対車線に入口があるなど、経路を大幅に変更しないと到達できない場合も考えられる。
【0008】
一方で、鉄道・電気・水道・ガス・電話・道路等の事業者は、地理情報システム(GIS)をはじめとして、管理設備に関する独自の地図データベースを有している場合が多く、このような地図データベースとナビゲーション装置との融合し、さらに円滑な設備管理の実現が望まれていた。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、その目的は、鉄道・電気・水道・ガス・電話・道路等の管理者に対して、その目的地となる業務設備への経路案内の精度が高まり、迅速に目的地に到達することができるナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、出発地と指定される目的地に基づいて目的地への最適経路を計算する経路計算手段と、前記最適経路に基づいて誘導案内する案内手段とを備えたナビゲーション装置において、業務用施設に関する地理情報からなる業務用地図と、前記業務用施設に関する地理情報を含まない通常の地図とをそれぞれ備え、前記目的地は通常の目的地と業務用目的地とを含み、これらの目的地の種類の選択を受け付ける種類選択手段と、前記業務用目的地が選択され、前記案内手段における当該業務用目的地への誘導案内により車両が前記業務用目的地に近づいた場合に、前記業務用目的地を含む業務用地図を読み出す手段と、前記読み出した業務用地図の縮尺に合わせて前記通常の地図を表示するとともに、当該通常の地図に前記業務用地図を重畳して表示する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の発明を方法の観点から捉えたものであって、出発地と指定される目的地に基づいて目的地への最適経路を計算する経路計算ステップと、前記最適経路に基づいて誘導案内する案内ステップと、をナビゲーション装置の制御部により実行するナビゲーション方法において、業務用施設に関する地理情報からなる業務用地図と、前記業務用施設に関する地理情報を含まない通常の地図とを用いて、通常の目的地と業務用目的地とからなる目的地の種類の選択を受け付ける種類選択ステップと、前記業務用目的地が選択され、前記案内ステップにおける当該業務用目的地への誘導案内により車両が前記業務用目的地に近づいた場合に前記業務用目的地に関する業務用地図を読み出すステップと、前記読み出した業務用地図の縮尺に合わせて前記通常の地図を表示するとともに、当該通常の地図に前記業務用地図を重畳して表示するステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1、4の発明をコンピュータプログラムの観点から捉えたものであって、出発地と指定される目的地に基づいて目的地への最適経路を計算させる処理と、前記最適経路に基づいて誘導案内させる処理とをコンピュータに実行させるナビゲーションプログラムにおいて、前記プログラムは前記コンピュータに、業務用施設に関する地理情報からなる業務用地図と、前記業務用施設に関する地理情報を含まない通常の地図とを用いて、通常の目的地と業務用目的地とからなる目的地の種類の選択を受け付けさせ、前記業務用目的地が選択され、前記案内ステップにおける当該業務用目的地への誘導案内により車両が前記業務用目的地に近づいた場合に前記業務用目的地に関する業務用地図を読み出させ、前記読み出した業務用地図の縮尺に合わせて前記通常の地図を表示させるとともに、当該通常の地図に前記業務用地図を重畳して表示させることを特徴とする。
【0013】
以上のような請求項1、4、5の発明では、一般的なナビゲーション用の地図に含まれていない業務用の目的地が設定された場合に、業務用地図を別途備え、業務用施設周辺で、業務用施設に関する業務用地図が表示されるため、設備周辺に到達した段階で、わざわざ業務用施設に関する地図を参照するような必要はなく、迅速に目的地に到着することができるようになる。
【0014】
また、業務用目的地に関する業務用地図の縮尺に合わせて通常の地図を表示し、さらにその上に重畳させて業務用地図を表示することによって、通常の道路や背景も表示されたままとなるから、業務用地図と通常の地図を合わせて確認でき、使い勝手が良い。さらに業務用目的地が所定の縮尺のみからなる場合に、それに合致させる処理を行うことにより、鉄道・電力・ガス・道路・河川事業等における様々な業務用地図に対応することが可能である。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記業務用地図は、鉄道線路平面図を含むことを特徴とする。
以上のような請求項2の発明では、従来作業員行っていた設備周辺まで到達した段階で、別途鉄道線路平面図を参照し、それにしたがって管理設備へ向かう等の手間が省け、迅速に目的地に到着することが可能となる。特に、大規模駅周辺の場合は、目的地とする設備が多数あり、敷地面積も広く、作業者が初めて行く場所等の場合、目的地を確認するだけでも、多数の時間が発生してしまっていたが、業務用設備に関する鉄道平面図が表示されることで、この課題も解消される。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記業務用地図は、着脱自在な外部記憶手段から提供されることを特徴とする。
以上のような請求項3の発明では、業務用地図を外部の記憶手段から提供するようにして、ナビゲーション装置がその提供された業務用地図を読み込むようにすることで、ナビゲーション装置が予め大量の業務用地図を保持している必要がなくなる。また、例えば事業者ごとの業務用地図を都度読み込むようにすれば、様々な事業者の業務用地図に対応でき、装置として汎用性が高い。特に、鉄道・電気・水道・ガス・電話・道路等の事業者は、地理情報システム(GIS)をはじめとして、管理設備に関する独自の地図データベースを有している場合が多く、このような地図データベースを外部から取り入れて用いることは非常に有用である。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、業務用地図を別途備え、通常の地図と業務用地図とを経路計算、誘導案内において併用することにより、当該業務用施設等を目的地として直接設定できるとともに、本来の目的地である設備までも的確な誘導案内を行うことができるナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明のナビゲーション装置(以下「本装置」と呼ぶ)、対応するナビゲーション方法及びプログラムを実施するための最良の実施形態について、図を参照して説明する。なお、すでに説明した従来の技術と共通の前提事項は再言しない。
【0019】
〔1.構成〕
本装置は、車載型のナビゲーション装置で、図1の機能ブロック図に示す以下の各要素を備える。すなわち、ナビゲーション用の航法データを得るセンサ群として、GPSのアンテナやレシーバを含む絶対位置・方位検出部1と、ジャイロ等を利用した相対方位検出部2と、車より得られるパルスを処理する車速検出部3とを備える。ディスク制御部12は、ハードディスク、DVD−ROM、CD−ROMなどのドライブで、道路リンクを用いた道路地図データのデータベースを読み取る役割を果たし、携帯電話などを経由するサーバからの情報提供(いわゆるオフボード)で置き換えることもできる。特に本実施形態におけるディスク制御部12では、後述の外部記憶装置20から追加される業務用設備に関する地理情報も保存し、更新するように構成されている。
【0020】
外部記憶装置制御部13は、処理部4におけるナビゲーションに関するデータを、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)など各種規格の知られている着脱式フラッシュメモリカード類やUSBメモリ等の外部記憶装置20から読み出し、書き換え等の制御を行うものである。本実施形態では、例えば点検や維持管理する鉄道施設、すなわち業務用設備の名称、位置等のすべてのデータを外部記憶装置20に格納し、都度読み出すことにより利用することとしている。
【0021】
より具体的には、外部記憶装置20に格納されたデータは、業務用ナビゲーションでの使用を想定したリレーショナル構造のデータで構成され、データ構造を設備種別データ、メインデータ、サブデータ、設備データに分けることで、業務に応じて設備データを柔軟にカスタマイズすることができるように構成されている。また、データフォーマットがCSV形式であるため、機種に依存せず、編集が容易な構成となっている。
【0022】
図2(a)にデータ構成例を示すように、(1) 業務用目的地となる鉄道施設としての駅、トンネル、停車場等を示す設備種別データ、(2) 例えば東北線、山手線など名称を管理するメインデータ、(3) 例えば埼京線等の名称、メインデータとのリンク、区分、並びを管理するサブデータ、(4) トンネルや停車場などの設備における緯度、経度、名称、位置、説明等を管理する設備データ、といったようにそれぞれCSV形式のフォーマットで構成されている。
【0023】
そして、このような外部記憶装置20に格納されたフォーマットのデータを、ナビゲーション装置において読込み、独自フォーマットのバイナリデータに変換し保存するように構成されている。具体的には、図3に、上述した設備データとしてトンネルを例とした場合、同図(a)のCSVデータを、同図(b)の独自のデータフォーマットに変換して保持することとしている。
【0024】
そのため、データサイズの最適化を図ることができる。すなわち、図2及び図3の例では、CSV形式では114バイトであって、この形式では文字の数に比例してファイルサイズが増減する。したがって、データ使用領域、許容データ数の試算が難しいこととなる。一方、バイナリの場合は96バイトに固定することができ、フォーマット内であれば、文字の数が増えてもファイルサイズが増えることはない。したがって、CSVの文字数によってはバイナリファイルの方がサイズが大きくなる場合があるが、CSVの場合に比べて、データ領域、許容データ数の試算が容易である。
【0025】
また、データフォーマットをCSV形式としているため、この形式で外部記憶装置20に格納するデータ内容を差し替えることにより、仕向けを変えられるように構成されている。これを具体的に示せば、図2(a)の設備データの「埼京線の、停車場が、戸田公園から戸田の間に存在する、トンネル」であって、目的地が「第1東京トンネル」である場合を、図2(b)に示すように「東京都23区管理区域の、配置場所が、世田谷区域から江東区域の間に存在する、電柱」であって、目的地が「第1電柱」のように書き換えることによって、仕向けを変えることが可能である。これにより、図4及び図5の画面例に示すように、メニュー画面も同一構成で仕向けを変えることが可能となっている。
【0026】
このように、外部記憶装置20に格納されたデータが定型のフォーマットからなるため、CSVデータを編集する事で、容易に目的地の設備データを差し替えられ、仕向けを変える事ができ、業務に応じて設備データを柔軟にカスタマイズする事ができる。業務に応じて外部記憶装置20に格納する設備データを柔軟にカスタマイズすることができる。また、設備データ編集時、機種に依存しないとともに、設備データ編集が容易である。
【0027】
すなわち、点検等の対象施設のデータのみを外部記憶装置20に格納してこれをナビゲーション装置に読み込ませて利用することができる。また、センターで編集したデータをナビゲーション装置で読み出すことが可能であるとともに、現地において書き換えたデータをセンターで利用することができる。したがって、センターと現場で常に最新のデータの状態に同期させることが可能であるとともに、常にナビゲーション装置に業務用設備すべてのデータを格納し、同期させるようなことが不要で、都度現地周辺の施設データのみを持ち出すことが可能である。
【0028】
また、このようにデータの編集が可能であることにより、路線名を通称線名とするか届出線名とするかを選択可能とすることができる。鉄道線名には、一般に、一般ユーザ向けの通称線名(例えば、埼京線、山手線など)と事業者向けの届出線名(東北線)とがあるが、これらを選択可能とすることにより、作業者の好みや慣れに応じた目的地の検索が可能となる。
【0029】
また、この外部記憶装置20には、通常のナビゲーションでは用いない、業務用設備に関する地図データも格納されている。すなわち、本実施形態のナビゲーション装置では、業務用目的地が設定された場合、業務用目的地周辺までは通常のナビゲーションに用いられる地図に基づいて経路設定、経路案内を行うが、業務用設備周辺では、この外部記憶装置20に格納された業務用設備の地図を併用して経路案内を行う。したがって、業務用設備の地図データとして、通常のナビゲーション用地図データに含まれない業務用設備周辺のリンク列、ノード・リンク接続情報からなる道路データと、業務用設備及び設備周辺の線路平面図を含む背景データとが外部記憶装置20に格納されている。
【0030】
ここで、このような業務用設備に関する地図データの必要性について説明する。本実施形態の業務用設備としては、鉄道の停車場、トンネル、橋梁、踏切、キロ程等が含まれるが、通常、これらの設備に関する地図データは一般のナビゲーション用の地図データには含まれていない。また、上記各設備の中には、通常のナビゲーション用地図データに含まれる一般道からは周り道しなければアクセスできないというようなものもある。
【0031】
したがって、通常の地図データに基づくナビゲーションに従って、業務用設備周辺まで経路誘導されたとしても、そこから目的地となる設備までの経路誘導がなければ業務用設備に辿り着けないようなことがある。そのため、本実施形態では、外部記憶装置20に通常のナビゲーション用地図データには含まれない業務用設備に関する地図データを保持させるようにしたものである。
【0032】
また、この業務用設備に関する地図データにおける道路データとしては、一般道から繋がる設備内の道路データ以外に、例えば、踏切等にノードを、業務用設備まで繋がる線路上にリンクをはって、これを道路データに加えて構成した場合も含むことができる。例えば、作業用の軌陸車やデュアル・モード・ビークル(DMV)などの陸上と線路の両方を走ることができる車両では、業務用設備に対して最寄の踏切等から線路上に進入したほうが、一般道から周り込むより早くアクセスできる場合もあるから、そのような車両に対しては、線路のリンク情報等も含む道路データに基づくナビゲーションが非常に有効となる。
【0033】
なお、この外部記憶装置20のデータ容量について本実施形態では概ね1GB程度を想定しているが、この容量は格納されるデータ容量に基づいて任意に設定可能である。
【0034】
処理部4は、システム全体の制御を司るメインCPU及びその周辺回路であり、ROM5内のプログラムにしたがって、以下の機能作用や処理を実現、実行する手段を備える。すなわち、自車の現在地を1〜3のセンサ群を用いて逐次計算する現在位置計算部40と、地図上でのカーソル操作や施設検索などで目的地の指定を受け付ける目的地設定部41と、その目的地への最適な経路を経路探索アルゴリズムにより探索、設定する経路設定部42と、現在位置を周辺地図や経路と共に地図表示する地図表示部43と、経路に沿った進行方向等を合成音声や画面表示などで案内する案内部44とを備える。
【0035】
また、本実施形態では、業務用の目的地を設定する手段として、種類判定部45、業務用目的地設定部46、詳細地図表示制御部47及びデータ更新部48とを備える。すなわち、種類判定部45は、通常の目的地の設定処理を行うか、業務用目的地の設定処理を行うかを判定する手段である。また、業務用目的地設定部46は、種類判定部45において業務用目的地の設定を行うことが判定された場合に、業務用目的地の設定処理を実行する手段である。
【0036】
詳細地図表示制御部47は、業務用目的地が設定され、当該目的地に対して誘導案内がなされている場合に、当該業務用目的地周辺(例えば目的地50m圏内)に車両が近づいた際に、現在位置計算部40から送られる情報に基づいて詳細地図表示制御部47はこれを判定し、外部記憶装置制御部13に対して、外部記憶装置20に格納された業務用目的地周辺の鉄道線路平面図等の背景データ(業務用地図ともいう)を読み取らせ、この背景データを地図表示部43に対して通常の背景データに重ねて表示させる手段である。また、業務用地図の縮尺が一定の場合には、業務用地図の縮尺を判定し、地図表示部43に対してこの業務用地図の縮尺に合わせて通常の地図を表示させる処理も行う。
【0037】
データ更新部48は、外部記憶装置20に格納された業務用目的地設定のための業務用設備に関するデータを、入力部11及びユーザインタフェース部9を介してユーザからの更新又は変更指示を受け付けるとともに、装置独自のバイナリデータに変換し、当該データをディスク制御部12に保存する手段である。
【0038】
また、メモリMのうち、ROM5は、処理部4のCPUのためのプログラムを格納し、DRAM(ダイナミックRAM)6は、前記CPUにより処理されるデータを格納し、SRAM(スタティックRAM)7は、メイン電源OFF時も設定等の情報をバッテリーバックアップし、VRAM(ビデオRAM)8は表示部10に表示する画像のビットパターンの書込み用である。
【0039】
また、表示部10は地図やメニューなどの情報を表示する部分で、例えばTFT液晶パネルなどである。入力部11はユーザからの様々な命令や情報の入力を受け付ける部分で、例えばスイッチ類やタッチパネルなどである。ユーザインタフェース部9は、表示部10や入力部11と、処理部4とを結び信号の伝達、変換、タイミング制御などを行う部分である。FM多重放送受信及び処理部13は、FM放送波を受信すると共にVICSなど所望のデータを取り出す部分である。
【0040】
また、処理部4は、ROM5内のプログラムにしたがって、以下の機能作用や処理を実現、実行する手段となる各要素41〜47の役割を果たす。
【0041】
〔2.作用効果〕
以上のような構成からなる本実施形態のナビゲーション装置は、業務用設備への目的地設定がなされる以外の場合には、通常のナビゲーションを実行するものであり、以下、通常のナビゲーションの処理と、業務用ナビゲーションの処理とに分けて説明する。
【0042】
〔2−1.通常のナビゲーションの処理〕
目的地設定部41は、地図上でのカーソル操作や施設検索などで目的地の指定を受け付ける。そして経路設定部42が、その目的地への最適な経路を経路設定部42が経路探索アルゴリズムにより探索、設定する。現在位置計算部40が逐次計算する現在位置に基づき、地図表示部43が現在位置を周辺地図や経路と共に地図表示し、案内部44が経路に沿った進行方向等を合成音声や画面表示などで案内する。
【0043】
〔2−2.業務用ナビゲーションの処理〕
本実施形態のナビゲーション装置における業務用ナビゲーションの処理は、大きく3つの機能を有する。すなわち、(1) データ更新部48における外部記憶装置20からの業務用目的地に関するデータの読込みを行う処理と、(2) 種類判定部45において通常の目的地の設定処理を行うか業務用目的地の設定処理を行うかを判定し、業務用目的地設定部46において業務用目的地の設定を行う処理と、(3) 業務用目的地に対して経路誘導を行う処理である。以下、それぞれについて詳述する。
【0044】
〔2−2−1.外部記憶装置のデータの読込み〕
上述の通り、本実施形態のナビゲーション装置は、外部記憶装置20にCSV形式で格納された業務用の設備データを読込み、バイナリデータに変換してこれを保持する機能を有する。まず、センターにおいて目的地あるいはユーザが設備維持の管区となる所定の地域における設備のデータを編集し、これを外部記憶装置20へ保存する。外部記憶装置20をナビゲーション装置に装着すると、外部記憶装置制御部13がこれを読み出す。次に、データ更新部48が独自のバイナリデータに変換し、当該データをディスク制御部12に保存する。なお、データ更新部48は、このとき入力部11及びユーザインタフェース部9を介してユーザからの更新又は変更指示を受け付けることもできる。
【0045】
次に、CSV形式のデータをバイナリデータに変換して行うデータ更新部48の処理について、変換処理を行わない場合と比較して説明する。図6(a)に示すように、ナビゲーション装置が外部記憶装置20からデータを取得する時点で、CSV形式では、CSVファイルからデータを1行読込んだ後、当該データの構文を解析し、エラーチェックをして、業務用目的地設定あるいは業務用目的地への誘導案内を実行するアプリケーションが扱うバイナリデータ構造に変換することとなる(以下、「処理A」という。)。一方、図6(b)に示すように、バイナリデータに変換した場合には、ナビゲーション装置が外部記憶装置20からデータを取得するに際し、データ更新部48はディスク制御部12に保存されたバイナリファイルから構造サイズ分読込み、当該アプリケーションが扱うメモリ構造に格納するのみでよい(以下、「処理B」という)。
【0046】
また、CSV形式のまま処理を行おうとすれば、図6(a)に示すように、ナビゲーション装置がデータを使用する場合には、業務用目的地設定あるいは業務用目的地への誘導案内を実行するアプリケーションがデータ要求を行うと、データ更新部48がその都度外部記憶装置20から読み出し、処理Aを行い、当該アプリケーションがデータを取得することとなる。この場合、CPUリソースに制限のある装置ではこの処理Aを行うのは望ましくない。また、処理速度を維持するためにはメモリM内にCSVのデータ内容を保持しておく必要があり、メモリリソースに制限のある装置では望ましくない。
【0047】
一方、バイナリデータに変換して処理を行う場合には、図6(b)に示すように、初期起動時には、業務用目的地設定あるいは業務用目的地への誘導案内を実行するアプリケーションがデータ要求を行うと、データ更新部48が外部記憶装置20からCSVデータを読み出し、処理Aを行って、得られたバイナリデータをディスク制御部12に保存する。そして、データ使用時には、データ更新部48は、ディスク制御部12にアクセスして、バイナリデータを読み出して処理Bを行う。すなわち、当該アプリケーションが扱うメモリ構造、サイズごとに読み込むことができるため、データサイズが最適化されるとともに、データ取得速度が早く、さらにバイナリデータで扱われるため、データの容易な閲覧、改ざんを防止することが可能となる。
【0048】
〔2−2−2.業務用目的地の設定〕
(A)処理の概要
上記のようにして外部記憶装置20から取得される業務用目的地のデータに基づいて実行される本実施形態の目的地設定処理の概略を図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、便宜上、処理全体の流れを重視して各メニューの詳細な処理は適宜省略し、詳細な処理については後述の「(2)処理の詳細」において説明する。
【0049】
図7の画面例に示すとおり、通常のナビゲーション画面において、「目的地設定」ボタンが押下されると、「目的地設定メニュー」を表示する。この画面において、「業務メニューから設定」ボタンが押下されると、図8に示すように、「業務用目的地選択メニュー」が起動し(START)、以下、業務用目的地設定部46が処理を開始する(S801)。業務用目的地設定部46は「全設備から選択」か「予定目的地から選択」が選択されたかを判定し(S802)、「予定目的地から選択」ボタンが選択された場合(S802のNO)には、図21の予定目的地選択メニューを起動し、予定目的地の指定を受付け(S803)、これに基づいて目的地を設定する(S807)。
【0050】
一方、「全設備から選択」ボタンが選択された場合(S802のYES)には、全設備選択メニューを起動し(S804)、図10に示す路線選択メニュー画面において路線選択を受け付ける(S805)。ここで、ユーザが「設備から選択」(S806)、「停車場から選択」(S809)、「キロ程を入力」(S811)のいずれかのボタンを押下するか判定し、それぞれの指示に応じて図15に示す「設備選択メニュー」(S807)、図19の「停車場間選択メニュー」(S810)、図18の「キロ程入力メニュー」を起動し(S812)、目的地の指定を受け付け、それに基づいて目的地を設定する(S808)。
【0051】
なお、業務用目的地の設定処理を起動させるか否かについて、上述の説明では、通常のナビゲーション画面において「目的地設定」ボタンの押下により「目的地設定メニュー」を開き、この画面から「業務メニューから設定」ボタンを選択することを端緒としたが、本実施形態では、これに限らず、例えば、未到着の目的地が設定されているか否かを判定し、未到着の目的地が設定されていない場合には、業務用目的地設定処理を起動させることも可能である。また、外部記憶装置20がナビゲーション装置に挿入されることを当該設定処理の起動の端緒としてもよい。
【0052】
(B)処理の詳細
次に、本実施形態の目的地設定処理の詳細について画面例を参照して説明する。
図7に示す通常のナビゲーション画面において、「目的地設定」ボタンが押下されると「目的地設定メニュー」を表示し、この画面において「業務メニューから設定」ボタンが押下されると、図9に示す「業務用目的地選択メニュー」が起動し、以下、業務用目的地設定部46の処理が開始する。この目的地選択メニュー画面では、目的地選択メニューとして「全設備から選択」、「予定目的地から選択」、「予定目的地の削除」の各ボタンを表示する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーション画面に戻る。
【0053】
ここで、「予定目的地」とは、あらかじめ設定・記憶された業務用の目的地であり、同図では15件登録されていることが表されている。なお、「予定目的地」の登録、追加、削除等については後述する。
【0054】
以下、各ボタンを押下した場合の処理について、「全設備から選択」、「予定目的地から選択」、「予定目的地の削除」の3つに、外部記憶装置20における「データ更新処理」を含め、(B−1)〜(B−4)として説明する。
【0055】
(B−1)「全設備から選択」メニューの起動
「全設備から選択」ボタンが押下された場合は、(a)「路線選択」を前提として、(b)「設備選択」、(c)「停車場選択」及び(d)「キロ程入力」の3つの方法によって目的地の設定処理がなされる。以下、これを(a)〜(d)に分けて説明する。また、「目的地の決定・登録処理」、「予定目的地の入れ替え処理」について、(e)及び(f)として説明する。
【0056】
(a)路線選択:図8のS805の処理
[路線選択メニュー]
図9の画面において「全設備から選択」ボタンが押下されると、図10に示す「路線選択メニュー」からなる目的地の設定画面に遷移する。同図に示すように、ここでは、路線選択メニューとしていわゆる「通称線データ」から抽出した「路線名」ボタンを最大表示件数(ここでは12件)以内で表示する。
【0057】
また、「前へ」と「次へ」ボタンを表示し、これらのボタンは「路線名」が最大表示件数(12件)以内の場合には利用できない状態で表示し、「路線名」が最大表示件数(12件)より多い場合には利用可能な状態で表示する。この「次へ」ボタンが押下されると、現表示番号(1〜12/21)の次から、すなわち13番からの「路線名」を最大表示件数(12件)以内で表示する。また、既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現表示番号の前12件の「路線名」を表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーション画面に戻る。また、「戻る」ボタンが押下されると、図9に示す業務用の目的地選択メニュー画面に戻る。
【0058】
[路線内の地点種別選択メニュー]
さらに、図10に示す路線選択メニューからなる「目的地の設定」画面において、いずれかの路線名ボタン(例えば、「武蔵野線」)が押下されると、図11に示す「地点種別選択メニュー」からなる目的地の設定画面に遷移する。ここでは図10の「路線選択メニュー」からなる画面における路線名ボタンの押下により、選択された「路線名」を引き継ぐ。
【0059】
この図11に示す地点種別選択メニュー画面では、「設備選択」、「キロ程入力」、「停車場選択」の各ボタンを表示する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると本画面を閉じて通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図10の路線選択メニュー画面に戻る。
【0060】
(b)「設備選択」:図8のS807の処理
[2地点間目的地設定の概要]
図11に示す地点種別選択メニュー画面において「設備選択」ボタンが押下されると、業務用目的地設定処理として、いわゆる「2地点間目的地設定」処理が実行される。そこで、まず、この2地点間目的地設定の概要を説明する。
【0061】
図11に示される、2地点間目的地設定の処理のフローの通り、この処理は、上述のように図10の路線選択メニューにおいて路線選択がなされ(S1101)、続いて図11において「設備選択」ボタンが押下されると、図13に示す「停車場間選択メニュー」を表示する。
【0062】
ここで、停車場2点、例えば「東川口」と「吉川」との駅区間を選択を受け付ける(S1102)。そうすると、図15に示す2駅区間にある設備に関する「設備選択」メニュー画面を表示し、2駅区間(2地点間)にある設備の選択を受け付ける(S1103)。そして、例えば「第一根岸トンネル」がユーザによって選択されると、図23に示す目的地設定画面として、選択された目的地にフラッグを表示した状態で、目的地の確認を求める(S1104)。これに基づいてユーザは、画面上にて手動でフラッグの位置調整を行い、「ルート検索」ボタンを押下することによって目的地が設定される(S1105)。
【0063】
[2地点間目的地設定の詳細:図8のS806の処理]
以下、上記の2地点間目的地設定について、具体的な画面遷移を示しながら、具体的に説明する。なお、以下の画面遷移は、上記図11におけるS1102及びS1103に相当する処理である。
【0064】
(停車場間選択メニュー:図11のS1102の処理)
図11に示す地点種別選択メニュー画面において「設備選択」ボタンが押下されると、図13に示す「停車場間選択メニュー」を備えた目的地設定画面に遷移する。この画面では、図11の「設備選択」ボタンの押下により、選択された「路線名」(ここでは、「武蔵野線」)を引き継がれている。
【0065】
この画面では、引き継いだ「路線名」に対応した「停車場名」ボタンを最大表示件数(10件)以内で表示する。また、この停車場間の先頭には「営業始点」を、後尾には「営業終点」を追加表示する。
【0066】
「前へ」と「次へ」ボタンは、「停車場名」が最大表示件数(10件)以内の場合には利用できない状態で表示し、「停車場名」が最大表示件数(10件)より多い場合には利用可能な状態で表示する。この「次へ」ボタンが押下されると、現右側5件の「停車場名」を左側5件に表示し、現表示番号の次からの「停車場名」を右側に表示し、全体で最大表示件数(10件)以内で表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現左側5件の「停車場名」を右側5件に表示し、現表示番号の前5件の「停車場名」を左側にして表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図11に示す「地点種別選択メニュー」からなる目的地の設定画面に戻る。
【0067】
「停車場名」が選択されていない状態で、「停車場名」ボタンが押下されると、押下された「停車場名」ボタンを選択状態で表示する。また、選択状態の「停車場名」ボタンが押下されると、未選択状態に戻る。「停車場名」が選択されている状態で、他の「停車場名」ボタンが押下されると、これら押下された2つの停車場間が選択され、図14に示す「設備種別選択メニュー」を有する目的地の設定画面に遷移する。
【0068】
(設備種別選択メニュー画面:図11のS1103の処理)
この図14に示す「設備種別選択メニュー」画面では、図11に示す「停車場間選択メニュー」画面における「停車場名」ボタンが押下されることにより、選択された「路線名」と停車場間の「停車場名」を引き継いで、本画面を表示する。「設備種別データ」から「設備種別名」ボタンを最大表示件数(9件)以内で表示する。このとき、「決定」ボタンは利用でない状態で表示されている。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、「停車場間選択メニュー」画面に戻る。
【0069】
未選択状態の「設備種別名」ボタンが押下されると、押下されたボタンは選択状態となって、これに伴って「決定」ボタンも利用可能な状態となる。この選択状態の「設備種別名」ボタンがさらに押下されると、該当「設備種別名」ボタンは未選択状態に戻る。
【0070】
いずれかの「設備種別名」が選択されている状態で、「決定」ボタンが押下されると、この「設備種別」を引き継いで、図15に示す「設備選択メニュー」を有する目的地の設定画面に遷移する。
【0071】
(設備選択メニュー:図11のS1103の処理)
図15に示す「設備選択メニュー」画面では、図14の「設備種別選択メニュー」画面の「決定」ボタン押下により、選択された「路線名」、停車場間の「停車場名」及び「設備種別名」を引き継いで、停車場間の設備名一覧を表示する。具体的には、「武蔵野線」の「東川口」と「吉川」間の「設備名」を表示し、「設備名」ボタンを最大表示件数(10件)以内で表示する。
【0072】
また、「前へ」と「次へ」ボタンは、「設備名」が最大表示件数(10件)以内の場合には利用できない状態で表示し、「設備名」が最大表示件数(10件)より多い場合には利用可能な状態で表示する。
【0073】
この「次へ」ボタンが押下されると、現表示番号の次からの「設備名」を最大表示件数(10件)以内で次ページ表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現表示番号の前10件の「設備名」を前ページ表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。本画面において、「設備名」ボタンが押下されると、該当「設備名」を引き継いで、図17に示す「目的地設定メニュー」を備えた目的地の設定画面に遷移する。
【0074】
また、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図14に示す「設備種別選択メニュー」画面に戻る。
【0075】
なお、図17に示す目的地設定メニュー画面では、上記のように選択した「設備」を予定目的地として登録することができるが、その処理については、後述する。
【0076】
[その他:設備情報一覧画面]
ここで、「情報一覧」ボタンが押下されると、図16に示す「設備情報一覧」画面に遷移する。この場合、選択された「路線名」、停車場間の「停車場名」を引き継いで、本画面を表示する。すなわち、引き継いだ「路線名」である「武蔵野線」と停車場間の「停車場名」である「東川口〜吉川」を表示する。また、一覧には「設備名」、「キロ程」及び「説明」が最大表示件数(7件)以内で表示する。
【0077】
「前へ」と「次へ」ボタンは、「設備名」が最大表示件数(7件)以内の場合は利用できない状態で表示し、「設備名」が最大表示件数(7件)より多い場合には利用可能な状態で表示する。この「次へ」ボタンが押下されると、現表示番号の次からの「設備名」を最大表示件数(7件)以内で次ページ表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現表示番号の前7件の「設備名」を前ページ表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。また、図15に示す「設備選択メニュー」画面に戻るには、「戻る」ボタンが押下される。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻る。
【0078】
(c)停車場選択メニュー:図8のS810の処理
図11に示す地点種別選択メニュー画面において、「停車場選択」ボタンが押下されると、図18に示す「停車場選択メニュー」を有する目的地の設定画面に遷移する。この画面では、図11において選択された「路線名」(ここでは、「武蔵野線」)を引き継いで、本画面を表示する。
【0079】
引き継いだ「路線名」に対応した「停車場名」ボタンを、最大表示件数(10件)以内で表示する。「前へ」と「次へ」ボタンは、「停車場名」が最大表示件数(10件)以内の場合には利用できない状態で表示し、「停車場名」が最大表示件数(10件)より多い場合には利用可能な状態で表示する。
【0080】
そして、この「次へ」ボタンが押下されると、現右側5件の「停車場名」を左側5件に表示し、現表示番号の次からの「停車場名」を右側に表示し、全体で最大表示件数(10件)以内で表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現左側5件の「停車場名」を右側5件に表示し、現表示番号の前5件の「停車場名」を左側に前ページ表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると本画面を閉じて通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると図11に示す「地点種別選択メニュー」からなる目的地の設定画面に戻る。
【0081】
この停車場選択メニュー画面において、いずれかの「停車場名」ボタンが押下され、該当「停車場名」が選択されると、選択された「路線名」、「停車場間名」及び「設備名」を引き継いで、図17に示す「目的地設定メニュー」を備えた目的地の設定画面に遷移する。
【0082】
(d)キロ程入力メニュー:図8のS812の処理
一方、図11に示す地点種別選択メニュー画面において、「キロ程入力」ボタンが押下されると、図19に示す「キロ程入力メニュー」を有する目的地の設定画面に遷移する。この画面では、図11において選択された「路線名」(ここでは、「武蔵野線」)を引き継いで、本画面を表示する。また、引き継いだ「路線名」に対応して、入力可能な「キロ程」の範囲を表示する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図11に示す「地点種別選択メニュー」からなる目的地の設定画面に戻る。
【0083】
キロ程入力欄には、「0」〜「9」の数字入力ボタンと「.」の小数点入力ボタンが押下されることによって「キロ程」を入力する。また、「クリア」ボタンは、入力された「キロ程」をクリアするためのものである。
【0084】
ここで、鉄道では、線路上のすべての位置を線路の始点からの距離で管理しており、これを「キロ程(きろてい)」という。このキロ程は、線路上20mごとに打ち、その緯度・経度をデータとして記録している。一般に鉄道事業者では、このキロ程を線路上で故障や事故が発生した場合の位置特定に用いる伝達手段としており、線路上の住所と呼べるものである。高速道路上の「キロポスト」と同様の指標である。
【0085】
「キロ程」が入力され「決定」ボタンが押下されると、それまでの「路線名」と、入力された「キロ程」を引き継いで、図17に示す「目的地設定メニュー」を備えた目的地の設定画面に遷移する。
【0086】
(e)目的地の決定・登録:図8のS808の処理
上述した、設備選択メニュー画面、キロ程入力メニュー画面及び停車場選択メニュー画面において、それぞれ「設備名」、「キロ程」又は「停車場名」が選択されると、図17に示す「目的地設定メニュー」を備えた目的地の設定画面に遷移する。
【0087】
この目的地設定メニュー画面では、「目的地決定」、「予定目的地登録」及び 「キャンセル」のボタンを表示している。また、前記各画面から引き継いだ「路線名」と目的地の「名称」を表示する(ここでは、路線:武蔵野線、名称:第二大田原街道)。また、引き継いだ「停車場間名」がある場合は、それを表示する(ここでは、「東川口〜吉川」)。
【0088】
図17において「目的地決定」ボタンが押下されると、引き継いだ「名称」と「位置情報」を通常のナビゲーションにおいて目的地設定として登録し、目的地設定処理は終了する。
【0089】
また、「予定目的地登録」ボタンが押下されると、引き継いだ「路線名」、「設備種別」、「名称」及び「位置情報」を予定目的地に登録し、それぞれ本画面への遷移元画面に戻る。さらに、「予定目的地登録」ボタンが押下された場合であって「予定目的地」に既に20件登録されているような場合には、図20に示す「予定目的地入れ替え画面」に遷移する。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」又は「キャンセル」ボタンが押下されると、それぞれ本画面への遷移元画面(設備選択メニュー画面、キロ程入力メニュー画面又は停車場選択メニュー画面)に戻る。
【0090】
(f)予定目的地入れ替え
図17に示す「目的地設定メニュー」において「予定目的地登録」ボタンが押下された場合に、「予定目的地」が既に20件登録されていた場合には、図20に示す本画面を表示する。本画面では、登録されている「予定目的地」を最大表示件数(5件)以内で一覧表示する。また、各「予定目的地」に対応して、「入れ替え」ボタンを表示する。
【0091】
本画面における「前へ」と「次へ」ボタンは、「予定目的地」が最大表示件数(5件)以内の場合に利用できない状態で表示し、「予定目的地」が最大表示件数(5件)より多い場合には、利用可能な状態で表示する。この「次へ」ボタンが押下されると、現表示番号の次からの「予定目的地」を最大表示件数(5件)以内で次ページ表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現表示番号の前5件の「予定目的地」を前ページ表示する。既に先頭ページを表示していた場合、最終ページを表示する。また、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図17に示す「目的地設定メニュー」に戻る。
【0092】
「入れ替え」ボタンが押下されると、「入れ替え確認ダイアログ」を表示する。ここで、「OK」ボタンが押下されると、該当「予定目的地」と新たに指定されている「予定目的地」とを入れ替えて、図17に示す「目的地設定メニュー」画面へ戻る。「キャンセル」ボタンが押下されると、入れ替えせずに「入れ替え確認ダイアログ」を閉じる。以上のようにして予定目的地の入れ替え処理を終了する。
【0093】
(B−2)「予定目的地から選択」メニューの起動
図9の目的地選択メニュー画面において「予定目的地から選択」ボタンが押下されると、図21に示す「予定目的地選択」メニューを有する目的地の設定画面に遷移する。この画面では、予め登録された「予定目的地」を最大表示件数(5件)以内で一覧表示する。また、各「予定目的地」に対応して、「目的地決定」ボタンを表示する。この「目的地決定」ボタンが押下されると、該当「予定目的地」の「名称」と「位置情報」を通常のナビゲーション装置における目的地設定として登録する。
【0094】
この画面において、「前へ」と「次へ」ボタンは、「予定目的地」が最大表示件数(5件)以内の場合に利用できない状態で表示し、「予定目的地」が最大表示件数(5件)より多い場合には利用可能な状態で表示する。「次へ」ボタンが押下されると、現表示番号の次からの「予定目的地」を最大表示件数(5件)以内で次ページ表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」が押下されると、現表示番号の前5件の「予定目的地」を前ページ表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。
【0095】
なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図9に示す目的地選択メニュー画面に戻る。
【0096】
(B−3)「予定目的地削除」メニューの起動
図9の「目的地選択メニュー」画面において「予定目的地削除」ボタンが押下されると、図22に示す「予定目的地の削除」に遷移する。この画面では、登録されている「予定目的地」を最大表示件数(5件)以内で一覧表示する。
【0097】
図22における「前へ」と「次へ」ボタンは、「予定目的地」が最大表示件数(5件)以内の場合は、利用できない状態で表示する。「予定目的地」が最大表示件数(5件)より多い場合は、利用可能な状態で表示する。この「次へ」ボタンが押下されると、現表示番号の次からの「予定目的地」を最大表示件数(5件)以内で次ページ表示する。既に最終ページを表示していた場合は、先頭ページを表示する。一方、「前へ」ボタンが押下されると、現表示番号の前5件の「予定目的地」を前ページ表示する。既に先頭ページを表示していた場合は、最終ページを表示する。
【0098】
また、各「予定目的地」に対応して、「予定削除」ボタンを表示し、「全削除」ボタンも表示する。この「予定削除」ボタンが押下されると、「削除確認ダイアログ」を表示し、「OK」ボタンが押下されると、該当「予定目的地」を削除して、本画面を再表示する。また、「キャンセル」ボタンが押下されると、削除せずに「削除確認ダイアログ」を閉じる。一方、「全削除」ボタンが押下されると、「削除確認ダイアログ」を表示し、「OK」ボタンが押下されると、全「予定目的地」を削除し、図9に示す目的地選択メニュー画面に戻る。また、「キャンセル」ボタンが押下されると、削除せずに「削除確認ダイアログ」を閉じる。なお、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻り、「戻る」ボタンが押下されると、図9に示す目的地選択メニュー画面に戻る。
【0099】
(B−4)データ更新処理
図9の目的地選択メニュー画面において、コンパクトフラッシュ(登録商標)等からなる外部記憶装置20が装着されているか否かが確認され、装着されていない場合には図9(a)に示すような画面を表示し、装着されている場合には図9(b)に示すように「設備データの読込み更新」及び「予定目的地の読込み更新」ボタンを表示し、設備データの更新あるいは予定目的地データの更新を受け付ける。
【0100】
このような画面において「設備データの読込み更新」ボタンが押下されると、図23に示す「更新対象データ一覧」メニューを有する「設備データ更新」画面に遷移する。この設備データ更新画面では、管理対象設備の各「データファイル」を一覧で表示している。この各「データファイル」は、CFカード等の外部記憶装置20内(トップディレクトリ)の各CSVデータファイル(ファイル名固定)の存在を確認し、存在していれば、そのファイル「更新日付時刻」を表示する。存在していない場合は、「更新日付時刻」を表示しない。
【0101】
ここで、「更新」ボタンが押下されると、「更新確認ダイアログ」を表示し、設備データ更新の確認を行う。「OK」ボタンが押下されると、対象ファイルを読み込んで、初期画面である図9に示す目的地選択メニュー画面に遷移する。この時、ナビゲーション装置本体のディレクトリにデータ情報を書き込む。一方、「キャンセル」ボタンが押下されると、対象ファイルの読み込みはせず、「更新確認ダイアログ」を閉じて、図9に示す目的地選択メニュー画面に遷移する。また、「閉じる」ボタンが押下されると、本画面を閉じて、通常のナビゲーションの画面に戻る。
【0102】
一方、図9(b)に示す目的地選択メニュー画面において、「予定目的地の読込み更新」ボタンが押下されると、更新確認のダイアログを表示し、「OK」であれば、予定目的地のCSVデータファイルを読み込み、予定目的地の情報を更新して、再度本画面を表示する。
【0103】
〔2−2−3.業務用目的地への誘導案内〕
以上のように設定される業務用目的地に対する経路誘導について説明する。業務用目的地設定部46によって業務用目的地が設定されると、その業務用目的地への最適な経路を経路設定部42が経路探索アルゴリズムにより探索、設定する。この際、ディスク制御部12が出発地から当該業務用目的地周辺までの地図データを読み出すとともに、外部記憶装置制御部13が外部記憶装置20から業務用目的地及びその周辺の地図データを読み出し、メモリMに記憶する。経路設定部42は、この2つの地図データを併用し、業務用目的地までに最適な経路を計算するものである。
【0104】
経路設定部42によって計算された業務用目的地までの最適経路に基づいて、現在位置計算部40が逐次計算する現在位置にしたがって地図表示部43が現在位置を周辺地図や経路と共に地図表示し、案内部44が経路に沿った進行方向等を合成音声や画面表示などで案内する。
【0105】
そして、業務用目的地周辺に車両が近づいた場合には、現在位置計算部40から送られる情報に基づいて詳細地図表示制御部47はこれを判定し、外部記憶装置制御部13に対して、外部記憶装置20に格納された業務用目的地周辺の線路平面図等の背景データを読み取らせ、図24(b)に示すように、この背景データを地図表示部43に対して通常の背景データに重ねて表示させる。
【0106】
ここで、鉄道線路平面図のような業務用地図データは、ナビゲーション装置における通常の地図データのように複数の異なる縮尺の地図データから構成されているとは限らない。そのため、図24(b)に示したように、通常の地図に業務用地図を重畳表示させる場合には、詳細地図表示制御部47が、業務用地図の縮尺を判定し、その業務用地図の縮尺に合わせて通常の地図を表示させ、その上に業務用地図を表示させるようにしている。したがって、業務用目的地周辺に至るまでは、図24(a)に示すような縮尺の大きな地図を用いて経路誘導を行い、業務用目的地周辺に至ったときに同図(b)に示すような業務用地図の縮尺に合わせた縮尺の小さな地図を表示するようになっている。
【0107】
また、案内部44は経路に沿った進行方向等を合成音声や画面表示などで案内するとともに、業務用目的地周辺に近づいたことを案内する。なお、上記の鉄道線路平面図等の背景データは、通常のナビゲーション処理の場合には表示されず、業務用目的地が設定された場合のみ表示されるものである。
【0108】
〔2−3.効果〕
以上のように作用する本実施形態の効果は次の通りである。
[業務用目的地の選択、業務用地図の併用・重畳表示の効果]
一般的なナビゲーション用の地図に含まれていない鉄道施設、すなわち業務用設備の名称、位置等の業務用目的地に関するすべてのデータを別途有することにより、当該業務用施設等を目的地として直接設定できる。また、業務用目的地設定部46によって業務用の目的地が設定された場合に、ディスク制御部12が出発地から当該業務用目的地周辺までの地図データを読み出すとともに、外部記憶装置制御部13が外部記憶装置20から業務用目的地及びその周辺の地図データを読み出して、その業務用目的地への最適な経路を経路設定部42が経路探索アルゴリズムにより探索し、設定設備周辺までではなく、本来の目的地である設備までも的確な誘導案内が行われるようになる。
【0109】
また、業務用目的地周辺に車両が近づいた場合には、現在位置計算部40から送られる情報に基づいて詳細地図表示制御部47はこれを判定し、外部記憶装置制御部13に対して、外部記憶装置20に格納された業務用目的地周辺の線路平面図等の背景データを読み取らせ、図24に示すように、この背景データを地図表示部43に対して通常の背景データに重ねて表示させることにより、設備周辺に到達した段階で、わざわざ業務用施設に関する地図を参照するような必要はなく、迅速に目的地に到着することができるようになる。
【0110】
したがって、従来作業員行っていた設備周辺まで到達した段階で、別途鉄道線路平面図を参照し、それにしたがって管理設備へ向かう等の手間が省け、迅速に目的地に到着することが可能となる。特に、大規模駅周辺の場合は、目的地とする設備が多数あり、敷地面積も広く、作業者が初めて行く場所等の場合、目的地を確認するだけでも、多数の時間が発生してしまっていたが、業務用設備に関する鉄道平面図が表示されることで、この課題も解消される。
【0111】
また、業務用目的地に関する業務用地図の縮尺に合わせて通常の地図を表示し、さらにその上に重畳させて業務用地図を表示することによって、通常の道路や背景も表示されたままとなるから、業務用地図と通常の地図を合わせて確認でき、使い勝手が良い。さらに業務用目的地が所定の縮尺のみからなる場合に、それに合致させる処理を行うことにより、様々な業務用地図に対応することが可能である。
【0112】
さらに、業務用目的地に関するデータを外部記憶装置20から提供するようにして、ナビゲーション装置がその提供されたデータを読み込むようにすることで、ナビゲーション装置が予め大量の業務用地図を保持している必要がなくなる。また、外部記憶装置20に記憶されたデータをセンターで編集することが可能であるので、業務用地図の更新・変更・修正を自由にでき、非常に使い勝手が良い。
【0113】
[2地点間選択の効果]
まず、目的地としたい路線を選択し、次に、当該路線における目的地区間となる停車場を選択し、さらに設備種別を選択することによって、2つの停車場間に存在する業務用施設がリストアップされ、リストアップされた施設を目的地として設定することができるので、保守管理対象となる鉄道線路上の施設のみを業務用目的地として設定したい場合に、無駄な目的地候補がリストアップされなくなり、所望の目的地の検索を迅速確実に行うことができるようになる。このように、必要な施設のみが的確にリストアップされるため、例えば、線路上で事故や施設の故障が発生した場合などでも、目的地の検索を迅速に行うことができる。また、保守管理対象となる区域の独自のデータを予め外部記憶手段20に記憶させておけば、一般のナビゲーションでは利用できないデータを利用でき、目的に即したより正確な目的地検索が可能となる。
【0114】
また、2つの停車場間の施設が、図15に示されるように、左右に表示された停車場から近い順に表示されることで、自車位置との関係などからどの施設を目的地とするかといった計画を立てやすくなる。さらに、停車場間で表示される複数の施設のうちいずれか1つを目的地として選択し、他の施設を次の目的地として予定目的地登録することができるので、仮に2地点間に複数希望する目的地がリストアップされた場合でも、次の目的地を登録目的地とすることで次回の目的地設定を容易にすることができる。特に、一日に複数の設備を保守点検等により回る場合には、効率よく業務用設備を回ることができるようになる。
【0115】
さらに、上述の通り、通称線を含む路線名、停車場名、業務用設備名が分かれば、鉄道線路平面図を参照しなくても、迅速且つ正確な目的地設定ができ、また、タッチパネル等から業務用設備名を文字で打つ等の手間が省ける。
【0116】
[キロ程入力による目的地設定の効果]
一般的なナビゲーション用の地図に含まれていない鉄道施設、すなわち業務用設備の名称、位置等の業務用目的地に関するすべてのデータをを別途有することにより、当該業務用施設等を目的地として直接設定できる。特に、目的地設定の手段として、図18に示すように、「キロ程」を入力することにより業務用設備を目的地として直接的に指定することができるとともに、より精度の細かい目的地設定が可能となる。
【0117】
〔3.他の実施形態〕
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施形態も含むものである。上記実施形態においては、本発明を鉄道事業に用いた場合について説明したが、本発明は鉄道事業のみならず、電気・水道・ガス・電話・道路等の管理事業等、独自の施設を広範囲に渡って有し、保守点検を行う事業者であれば、いずれにおいても適用可能である。例えば、高速道路や有料道路を管理する事業者においては、上記実施形態における「路線」は道路名に置き換えることができ、「停車場」はインターチェンジやドライインに置き換えることができる。また、「キロ程」は高速道路等の位置を示すものとして付された「キロポスト」と置き換えることができる。
【0118】
また、電力事業者やガス事業者は、電柱、送電線や地下の配管設備について、地理情報システム(GIS)として独自のデータベースを構築しており、こうした事業者においても「路線名」、「停車場名」、「キロ程」、「設備名」をそれぞれ独自の名称に置き換えて構成することにより、本発明を適用可能である。このようなインフラ事業者においては、特に災害時等、事故や故障が起きた設備へ迅速確実に誘導案内できることは、非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態の外部記憶装置におけるデータ構成例。
【図3】本発明の実施形態における外部記憶装置におけるデータをナビゲーション装置において変換した場合のデータ構成例。
【図4】本発明の実施形態の外部記憶装置における変更前のデータ構成に基づく画面例。
【図5】本発明の実施形態の外部記憶装置における変更後のデータ構成に基づく画面例。
【図6】本発明の実施形態における外部記憶装置におけるデータをナビゲーション装置において変換した場合としない場合とを比較したブロック図。
【図7】本発明の実施形態の通常のナビゲーション画面における目的地設定メニュー画面例。
【図8】本発明の実施形態における目的地設定処理の概要を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施形態における目的地選択メニュー画面例。
【図10】本発明の実施形態における路線選択メニュー画面例。
【図11】本発明の実施形態における2地点間目的地設定処理を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施形態における地点種別選択メニュー画面例。
【図13】本発明の実施形態における停車場間選択メニュー画面例。
【図14】本発明の実施形態における設備種別選択メニュー画面例。
【図15】本発明の実施形態における設備選択メニュー画面例。
【図16】本発明の実施形態における設備情報一覧メニュー画面例。
【図17】本発明の実施形態における目的地設定メニュー画面例。
【図18】本発明の実施形態における停車場選択メニュー画面例。
【図19】本発明の実施形態におけるキロ程入力メニュー画面例。
【図20】本発明の実施形態における予定目的地一覧メニュー画面例。
【図21】本発明の実施形態における予定目的地選択メニュー画面例。
【図22】本発明の実施形態における予定目的地削除メニュー画面例。
【図23】本発明の実施形態における更新データ一覧メニュー画面例。
【図24】本発明の実施形態における鉄道線路平面図の表示画面例。
【符号の説明】
【0120】
1…絶対位置・方位検出部
2…相対方位検出部
3…車速検出部
4…処理部(メインCPU及びその周辺回路)
5…ROM
6…ダイナミックRAM(DRAM)
7…スタティックRAM(SRAM)
8…ビデオRAM(VRAM)
9…ユーザインターフェース部
10…表示部
11…入力部
12…ディスク制御部
13…外部記憶装置制御部
20…外部記憶装置
40…現在位置計算部
41…目的地設定部
42…経路設定部
43…地図表示部
44…案内部
45…種類選択受付部
46…業務用目的地設定部
47…詳細地図表示制御部
48…データ更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と指定される目的地に基づいて目的地への最適経路を計算する経路計算手段と、前記最適経路に基づいて誘導案内する案内手段とを備えたナビゲーション装置において、
業務用施設に関する地理情報からなる業務用地図と、前記業務用施設に関する地理情報を含まない通常の地図とをそれぞれ備え、
前記目的地は通常の目的地と業務用目的地とを含み、これらの目的地の種類の選択を受け付ける種類選択手段と、
前記業務用目的地が選択され、前記案内手段における当該業務用目的地への誘導案内により車両が前記業務用目的地に近づいた場合に、前記業務用目的地を含む業務用地図を読み出す手段と、
前記読み出した業務用地図の縮尺に合わせて前記通常の地図を表示するとともに、当該通常の地図に前記業務用地図を重畳して表示する手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記業務用地図は、鉄道線路平面図を含むことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記業務用地図は、着脱自在な外部記憶手段から提供されることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
出発地と指定される目的地に基づいて目的地への最適経路を計算する経路計算ステップと、前記最適経路に基づいて誘導案内する案内ステップと、をナビゲーション装置の制御部により実行するナビゲーション方法において、
業務用施設に関する地理情報からなる業務用地図と、前記業務用施設に関する地理情報を含まない通常の地図とを用いて、
通常の目的地と業務用目的地とからなる目的地の種類の選択を受け付ける種類選択ステップと、
前記業務用目的地が選択され、前記案内ステップにおける当該業務用目的地への誘導案内により車両が前記業務用目的地に近づいた場合に前記業務用目的地に関する業務用地図を読み出すステップと、
前記読み出した業務用地図の縮尺に合わせて前記通常の地図を表示するとともに、当該通常の地図に前記業務用地図を重畳して表示するステップとを含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
出発地と指定される目的地に基づいて目的地への最適経路を計算させる処理と、前記最適経路に基づいて誘導案内させる処理とをコンピュータに実行させるナビゲーションプログラムにおいて、
前記プログラムは前記コンピュータに、
業務用施設に関する地理情報からなる業務用地図と、前記業務用施設に関する地理情報を含まない通常の地図とを用いて、
通常の目的地と業務用目的地とからなる目的地の種類の選択を受け付けさせ、
前記業務用目的地が選択され、前記案内ステップにおける当該業務用目的地への誘導案内により車両が前記業務用目的地に近づいた場合に前記業務用目的地に関する業務用地図を読み出させ、
前記読み出した業務用地図の縮尺に合わせて前記通常の地図を表示させるとともに、当該通常の地図に前記業務用地図を重畳して表示させることを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−17241(P2007−17241A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198003(P2005−198003)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(592145268)ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 (53)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】