説明

ナビゲーション装置の地図データ更新方法

【課題】地図データの利用開始時までに地図データを更新できるようにする。
【解決手段】地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了すると判定(S212でYESと判定)した場合、ユーザに地図データのダウンロードを促す通知を行い(S214)、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了しないと判定(S212でNOと判定)した場合、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促す通知を行う(S220)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報センタから地図データをダウンロードして地図データの更新を行うナビゲーション装置の地図データ更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報センタから無線通信網を介して地図データをダウンロードしてナビゲーション装置の地図データを更新する方法が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−147864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、情報センタから無線通信網を介して地図データをダウンロードしてナビゲーション装置の地図データを更新する場合、ダウンロードデータ量やデータ転送速度によってダウンロード時間が長くなってしまう場合がある。
【0004】
また、ナビゲーション装置は、イグニッションスイッチがオンして動作状態となっている間でないと、情報センタから地図データをダウンロードすることができない。
【0005】
したがって、ダウンロード時間やナビゲーション装置の動作状態によっては、事前に情報センタから地図データのダウンロードを開始しても、地図データの利用開始時までに地図データの更新を完了できないといった状況が考えられる。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、地図データの利用開始時までに地図データの更新を完了できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、情報センタは、ナビゲーション装置による地図データの利用開始時までに地図データの更新が必要か否かを判定し、地図データの更新が必要であると判定すると、更新する地図データのダウンロードに必要なダウンロード時間とともにナビゲーション装置による地図データの利用開始時までの地図データのダウンロード可能時間を推定し、ダウンロード時間とダウンロード可能時間からナビゲーション装置による地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了するか否かを判定し、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了すると判定した場合、ユーザに地図データのダウンロードを促す通知を行い、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了しないと判定した場合、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促す通知を行うことである。
【0008】
このような構成では、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了することが判定された場合、ユーザに地図データのダウンロードを促す通知がなされ、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了しないと判定された場合、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得する通知がなされるので、地図データの利用開始時までに地図データの更新を完了することが可能である。
【0009】
この場合、ナビゲーション装置は、地図データのダウンロードが可能な状態か否かを示す情報を情報センタへ送信し、情報センタは、ナビゲーション装置から送信される地図データのダウンロードが可能な状態か否かを示す情報からナビゲーション装置の過去の稼働状況を示す稼働情報を蓄積し、この稼働情報からナビゲーション装置による地図データの利用開始時までの地図データのダウンロード可能時間を推定することができる。
【0010】
また、本発明の第2の特徴は、情報センタは、ユーザの予定が示された予定情報を取得し、この予定情報を用いて予定されている地図データの利用エリアを特定し、予定情報から特定した地図データの利用エリアと情報センタの地図データを比較して地図データの更新が必要か否かを判定することである。
【0011】
地図データの更新の要否を判定するためには、ユーザに予定している行き先の入力を促して地図データの利用エリアを特定する必要があるが、本構成では、ユーザの予定が示された予定情報を取得して予定されている地図データの利用エリアを特定するので、ユーザに予定している行き先の入力を行わせることなく、地図データの更新の要否を判定することができる。
【0012】
また、本発明の第3の特徴は、ナビゲーション装置は、情報センタからの地図データのダウンロードを促す通知に応じて、ユーザに地図データのダウンロードの許可を確認し、ユーザによって地図データのダウンロードの許可が確認された場合、情報センタから地図データのダウンロードを開始することである。
【0013】
このような構成では、ユーザによって地図データのダウンロードの許可が確認された場合、情報センタから地図データのダウンロードを開始するので、ユーザの意向に合わせて地図データのダウンロードを開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る情報センタとナビゲーション装置の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1は、通信機器11、メモリスロット12、表示器13、操作器14、地図データ記録媒体15、GPS受信機16、ジャイロスコープ17および制御回路18を備えている。
【0015】
通信機器11は、パケット通信網3を介して情報センタ2と双方向の無線データ通信を行うためのものである。
【0016】
メモリスロット12は、メモリスティック、メモリカード等の外部メモリを挿入するためのインタフェースを有しており、このインタフェースを介して外部メモリへのデータの書き込み、外部メモリに記憶されたデータの読み出しを行う。
【0017】
表示器13は、液晶等の表示画面を有し、制御回路18から入力される映像信号に応じた映像を表示画面に表示させる。
【0018】
操作器14は、表示器13の表示画面に重ねて設けられたタッチスイッチや、表示器13の表示画面の周囲に設けられたメカニカルスイッチ(いずれも図示せず)を備え、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御回路18へ出力する。
【0019】
地図データ記録媒体15は、ハードディスクドライブ(HDD)等の書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であり、経路案内用の地図データ、位置精度向上のためのマップマッチングデータ等を記憶している。
【0020】
GPS受信機16およびジャイロスコープ17は、車両の現在位置や向きを特定するための情報を検出して制御回路18へ出力する。
【0021】
制御回路18は、メモリ18a、CPU(図示せず)を備えたコンピュータによって構成されている。CPUは、メモリ18aに記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。
【0022】
制御回路18の処理としては、GPS受信機16およびジャイロスコープ17から入力される情報に基づいて自車位置を算出する自車位置算出処理、自車位置と地図データ記録媒体15に記憶された地図データに基づいて自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねて表示する地図表示処理、ユーザの操作器14の操作に応じて目的地を設定し、現在位置から目的地までの案内経路に従って走行案内を行う経路案内処理等の処理等がある。
【0023】
また、本実施形態における制御回路18は、ユーザの予定を管理するスケジュール機能を備えている。制御回路18は、このスケジュール機能を用いてユーザが入力した予定情報を記憶媒体に記憶する。なお、予定情報には、出発日時、到着日時等の日時情報、目的地を示す情報等が含まれる。また、目的地を示す情報としては、住所データ、施設名称、マップコードなどを用いて示される。
【0024】
一方、情報センタ2は、コンピュータによって構成されており、このコンピュータの記憶媒体には旧バージョンから最新バージョンまでの地図データが蓄積されている。情報センタ2のコンピュータは、パケット通信網3を介してナビゲーション装置1から地図データのダウンロードの要求があると地図データの配信を行う。
【0025】
ナビゲーション装置1のユーザは、情報センタ2のコンピュータから地図データの配信サービスを受ける場合、事前にナビゲーション装置1を情報センタ2のコンピュータに接続して、ナビゲーション装置1のユーザ登録を行うようになっている。このユーザ登録によって、ユーザ情報とユーザ地図バージョン情報が情報センタ2のコンピュータの記憶媒体に記憶される。
【0026】
ユーザ情報には、ユーザの名前、所有する車両のナンバー、ユーザの住所(自宅位置)等が含まれる。また、ユーザ地図バージョン情報には、所有する車両のナンバー、所有する車両に搭載されたナビゲーション装置1の地図データのバージョンを示すバージョン情報が含まれる。
【0027】
また、本実施形態において、情報センタ2のコンピュータは、ユーザ登録されたナビゲーション装置1のダウンロード可能時間を推定するために、ユーザ登録されたナビゲーション装置1から稼働状態を示す情報を収集して記憶媒体に記憶するようになっている。すなわち、ユーザ登録されたナビゲーション装置1から情報センタ2へ稼働状態を示す情報が送信されるようになっており、情報センタ2は、これらのナビゲーション装置1から送信される情報を収集し、稼働情報として記憶媒体に記憶するようになっている。
【0028】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、ナビゲーション装置1の制御回路18が情報センタ2へ稼働状態を示す情報を通知する処理について説明する。イグニッションスイッチがオンして、図示しないバッテリからイグニッションスイッチを介してナビゲーション装置1に電源が供給され、ナビゲーション装置1が停止状態から動作状態になると、制御回路18は図2に示す処理を実施する。
【0029】
まず、ナビゲーション装置1が起動したか否かを判定する(S100)。具体的には、バッテリからイグニッションスイッチを介して供給される電源の供給開始を検出する検出回路(図示せず)によって電源供給の開始が検出されたか否かに基づいてナビゲーション装置1が起動したか否かを判定する。
【0030】
イグニッションスイッチがオンしてバッテリからの電源供給が開始され、検出回路によって電源供給の開始が検出されると、S100の判定はYESとなり、通信機器11を介してセンタ2へ起動したことを示す起動通知を送信し、S100へ戻る。なお、起動通知には、車両を特定するための車両ナンバーが含まれる。
【0031】
また、電源供給が継続している間、S100の判定はNOとなり、次に、ナビゲーション装置1が動作を終了するか否かを判定する(S104)。具体的には、イグニッションスイッチがオフしてバッテリからの電源供給が停止されたか否かに基づいてナビゲーション装置1が動作を終了するか否かを判定する。
【0032】
また、バッテリからの電源供給が停止されると、S104の判定はYESとなり、次に、通信機器11を介してセンタ2へ動作を終了したことを示す終了通知を送信し、S100へ戻る。この終了通知には、車両を特定するためのID(例えば、車両ナンバー)が含まれる。
【0033】
なお、本ナビゲーション装置1は、センタ2へ終了通知を送信するために、イグニッションスイッチがオフしてバッテリからの電源供給が停止されてからも、バックアップ電源(図示せず)によって動作状態を一定期間継続した後、停止状態となるようになっている。
【0034】
情報センタ2のコンピュータは、このようにしてユーザ登録された各ナビゲーション装置1から送信される起動通知、終了通知を収集して各車両の稼働状況を示す稼働情報を記憶媒体に記憶させる。
【0035】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、情報センタ2のコンピュータの処理について説明する。ユーザの操作に応じてナビゲーション装置1から情報センタ2へ地図データの更新を依頼する情報が送信されると、情報センタ2のコンピュータは図3に示す処理を開始する。
【0036】
まず、ナビゲーション装置1からユーザの予定(スケジュール)が示された予定情報を取得する(S200)。具体的には、ナビゲーション装置1のスケジュール機能を用いて入力された予定情報を取得する。
【0037】
次に、目的地までの経路を計算する(202)。具体的には、ユーザ情報からユーザの自宅位置を特定するとともに予定情報から予定されている行き先(目的地)を特定し、ユーザの自宅から目的地までの案内経路を最新の地図データを用いて計算し、経路案内に必要な地図データの利用エリアを特定する。
【0038】
次に、ナビゲーション装置1の地図データのバージョンを確認する(S204)。具体的には、ユーザ情報を参照して、ナビゲーション装置1の地図データのバージョンを確認する。
【0039】
次に、地図データの更新が必要か否かを判定する(S206)。具体的には、ナビゲーション装置1の地図データのバージョンからナビゲーション装置1の地図データを特定し、ナビゲーション装置1の地図データを用いて、先のS202にて計算した案内経路の走行案内が不可能な場合には、地図データの更新が必要であると判定し、走行案内が可能な場合には、地図データの更新が不要であると判定する。
【0040】
例えば、先のS202にて計算した案内経路を示す道路情報(リンク、ノード)がナビゲーション装置1の地図データに含まれていない場合、S206の判定はYESとなり、次に、利用開始時までのダウンロード可能時間を推定する(S208)。利用日までのダウンロード可能時間T1はナビゲーション装置1から送信された起動通知、終了通知を記憶した稼働情報から推定することができる。本実施形態では、稼働情報の起動通知、終了通知から過去1ヶ月間におけるナビゲーション装置1の1日当たりの平均稼働時間を求め、この平均稼働時間を用いて利用開始時までのダウンロード可能時間T1を推定する。例えば、このナビゲーション装置1の1日当たりの平均稼働時間を30分、地図データの利用開始時を5日後の午前0時とすると、利用日までのダウンロード可能時間T1は30分×4日=2時間となる。
【0041】
次に、ダウンロード時間T2を推定する(S210)。具体的には、更新すべき地図データを抽出してダウンロードデータ量を求めるとともにナビゲーション装置1とのデータ転送速度を求め、ダウンロードデータ量をデータ転送速度で除算することによってダウンロード時間T2を推定する。なお、ナビゲーション装置1とのデータ転送速度は、通信機器11の仕様等から求めてもよく、また試験用データをナビゲーション装置1へ送信し、この試験用データがナビゲーション装置1から返信されるまでの時間を計測して求めてもよい。
【0042】
次に、利用開始時までのダウンロード可能時間T1がダウンロード時間T2よりも長いか否かを判定する(S212)。すなわち、ダウンロード可能時間T1とダウンロード時間T2からナビゲーション装置1による地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了するか否かを判定する。
【0043】
利用開始時までのダウンロード可能時間T1がダウンロード時間T2よりも長い場合、S212の判定はYESとなり、ユーザにダウンロードを促す通知を行う(S214)。具体的には、ナビゲーション装置1へ所定のコマンドを送信し、ナビゲーション装置1の表示器13にダウンロードを促すメッセージを表示させる。
【0044】
次に、ダウンロードするか否かを判定する(S216)。具体的には、ナビゲーション装置1からダウンロードの開始を指示するコマンドを受信したか否かによりダウンロードするか否かを判定する。
【0045】
ユーザのナビゲーション装置1の操作機14の操作に応じてナビゲーション装置1からダウンロードの開始を指示するコマンドが送信されると、S216の判定はYESとなり、次に、ダウンロードの開始を要求するコマンドをナビゲーション装置1へ送信する(S218)。
【0046】
また、図示してないが、ナビゲーション装置1からダウンロード要求があると、情報センタ2は、ナビゲーション装置1からダウンロード要求に応じて地図データの送信を開始し、地図データの送信が完了すると、本処理を終了する。
【0047】
なお、ナビゲーション装置1の制御回路18は、地図データをダウンロードする際に、情報センタ2からダウンロードした地図データを順次、記憶媒体に記憶させる。制御回路18は、地図データのダウンロードの途中で動作状態から停止状態になると、地図データのダウンロードを中断して停止状態となるが、再度、動作状態になると、中断したところからダウンロードを再開させる。すなわち、制御回路18は、地図データのダウンロードの途中で動作状態から停止状態になり、再度、停止状態から動作状態になると、地図データのダウンロードを最初からやり直すのではなく、中断したところからダウンロードを再開させて地図データのダウンロードを完了するようになっている。
【0048】
また、S206において地図データの更新が不要であると判定された場合、S208〜S218の処理を行うことなく、本処理を終了する。
【0049】
また、利用開始時までのダウンロード可能時間T1がダウンロード時間T2と等しい場合、あるいは利用開始時までのダウンロード可能時間T1がダウンロード時間T2よりも短い場合、S212の判定はNOとなり、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促す通知を行う(S220)。具体的には、ナビゲーション装置1へ所定のコマンドを送信し、ナビゲーション装置1の表示器13にダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促すメッセージを表示させる。なお、ダウンロード以外の地図データの取得方法としては、例えば、自宅のパーソナルコンピュータを用いて情報センタ2から地図データをメモリカードにダウンロードした後、このメモリカードをナビゲーション装置1のメモリスロット12に挿入してナビゲーション装置1の地図データ記録媒体15に記憶された地図データを更新する方法、自動車販売店等から最新の地図データが記憶されたCD、DVD等の記憶媒体を入手する方法等がある。このような通知をナビゲーション装置1へ行うと、本処理を終了する。
【0050】
上記した構成によれば、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了することが判定された場合、ユーザに地図データのダウンロードを促す通知がなされ、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了しないと判定された場合、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得する通知がなされるので、地図データの利用開始時までに地図データの更新を完了することが可能である。
【0051】
また、地図データの更新の要否を判定するためには、ユーザに予定している行き先の入力を促して地図データの利用エリアを特定する必要があるが、本構成では、ユーザの予定が示された予定情報を取得して予定されている地図データの利用エリアを特定するので、ユーザに予定している行き先の入力を行わせることなく、地図データの更新の要否を判定することができる。
【0052】
また、ユーザによって地図データのダウンロードの許可が確認された場合、情報センタから地図データのダウンロードを開始するので、ユーザの意向に合わせて地図データのダウンロードを開始することができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0054】
例えば、上記実施形態では、S200においてナビゲーション装置1からユーザの予定(スケジュール)が示された予定情報を取得する例を示したが、例えば、自宅のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)等からユーザの予定情報を取得するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、ユーザにダウンロードを促す通知を行う場合(S214)、ナビゲーション装置1の表示器13にダウンロードを促すメッセージを表示させ、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促す通知を行う場合(S220)、ナビゲーション装置1の表示器13にダウンロードを促すメッセージやダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促すメッセージを表示させる例を示したが、上記したように自宅のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)等からユーザの予定情報を取得するようにした場合、自宅のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)の表示画面に、ダウンロードを促すメッセージやダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促すメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、ユーザにダウンロードを促すメッセージやダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促すメッセージを表示させる例を示したが、算出したダウンロード時間やダウンロードにかかる通信費用を同時に表示させるようにしてもよい。また、ダウンロードを促す通知を実施せず、自動的にダウンロードを実行してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、過去1ヶ月間におけるナビゲーション装置1の1日当たりの平均稼働時間を求め、この平均稼働時間を用いて利用開始時までのダウンロード可能時間T1を推定する例を示したが、このような推定手法に限定されるものではない。例えば、過去10日間におけるナビゲーション装置1の1日当たりの平均稼働時間を用いて利用開始時までのダウンロード可能時間T1を推定してもよく、また、一定期間内のナビゲーション装置1の曜日毎の稼働状況を算出して利用開始時までのダウンロード可能時間T1を推定してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、S212においてダウンロード可能時間T1とダウンロード時間T2からナビゲーション装置1による地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了するか否かを判定し、地図データの利用開始時までに地図データのダウンロードが完了すると判定した場合に、ユーザにダウンロードを促す通知を行う(S214)例を示したが、例えば、余裕を持たせてナビゲーション装置1による地図データの利用開始時よりも所定時間α前までにダウンロードが完了するかを判定し、利用開始時よりも所定時間α前までにダウンロードが完了すると判定した場合に、ユーザにダウンロードを促す通知を行う(S214)ようにしてもよい。この場合、S212の判定において利用開始時までのダウンロード可能時間T1に所定時間αを加算した時間(T1+α)がダウンロード時間T2よりも長いか否かを判定すればよい。
【0059】
また、上記実施形態では、S202において、ユーザ情報からユーザの自宅位置を特定するとともに予定情報から予定されている行き先(目的地)を特定し、ユーザの自宅から目的地までの案内経路を最新の地図データを用いて計算し、経路案内に必要な地図データの利用エリアを特定する例を示したが、予定情報に複数の異なる予定が設定されている場合、各予定に対してそれぞれユーザの自宅から目的地までの案内経路を最新の地図データを用いて計算し、経路案内に必要な地図データの利用エリアを特定すればよい。
【0060】
また、上記実施形態では、S212において利用開始時までのダウンロード可能時間T1がダウンロード時間T2よりも長いと判定された場合、S214にてダウンロードを促す通知を行う例を示したが、地図データの利用開始時までに余裕がある場合には、利用開始時までに地図データのダウンロードが完了するタイミングの範囲内で、地図データの利用開始時の直前に、再度、ユーザにダウンロートを促す通知を行うようにしてもよい。例えば、最初の通知と2度目の通知の間に、新規道路が開通して情報センタ2の地図データが更新されても、ユーザは2度目の通知に従って地図データのダウンロードを指示することにより、利用開始の直前の最新の地図データを情報センタ2からダウンロードすることが可能となる。この場合、2度目の通知までに予定がキャンセルされ予定情報が変更された場合には2度目の通知を行わないように、2度目の通知までに予定情報が変更されたか否かを判定し、予定情報が変更されたことを判定した場合には、2度目の通知を行わないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報センタとナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の制御回路が情報センタへ稼働状態を示す情報を通知する処理を示すフローチャートである。
【図3】情報センタのコンピュータの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1…ナビゲーション装置、2…情報センタ、3…パケット通信網、11…通信機器、
12…メモリスロット、13…表示器、14…操作器、15…地図データ記録媒体、
16…GPS受信機、17…ジャイロスコープ、18…制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報センタから地図データをダウンロードして地図データの更新を行うナビゲーション装置の地図データ更新方法であって、
前記情報センタは、前記ナビゲーション装置による地図データの利用開始時までに前記地図データの更新が必要か否かを判定し、
前記地図データの更新が必要であると判定すると、更新する前記地図データのダウンロードに必要なダウンロード時間とともに前記ナビゲーション装置による地図データの利用開始時までの前記地図データのダウンロード可能時間を推定し、
前記ダウンロード時間と前記ダウンロード可能時間から前記ナビゲーション装置による前記地図データの利用開始時までに前記地図データのダウンロードが完了するか否かを判定し、
前記地図データの利用開始時までに前記地図データのダウンロードが完了すると判定した場合、ユーザに前記地図データのダウンロードを促す通知を行い、
前記地図データの利用開始時までに前記地図データのダウンロードが完了しないと判定した場合、ユーザにダウンロード以外の方法で地図データを取得することを促す通知を行うことを特徴とするナビゲーション装置の地図データ更新方法。
【請求項2】
前記情報センタは、ユーザのスケジュールが示された予定情報を取得し、
この予定情報を用いて予定されている前記地図データの利用エリアを特定し、
前記予定情報から特定した前記地図データの利用エリアと前記情報センタの地図データを比較して前記地図データの更新が必要か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置の地図データ更新方法。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、前記情報センタからの前記地図データのダウンロードを促す通知に応じて、ユーザに前記地図データのダウンロードの許可を確認し、
ユーザによって前記地図データのダウンロードの許可が確認された場合、前記情報センタから前記地図データのダウンロードを開始することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置の地図データ更新方法。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置は、前記地図データのダウンロードが可能な状態か否かを示す情報を前記情報センタへ送信し、
前記情報センタは、前記ナビゲーション装置から送信される前記地図データのダウンロードが可能な状態か否かを示す情報から前記ナビゲーション装置の過去の稼働状況を示す稼働情報を蓄積し、この稼働情報から前記ナビゲーション装置による地図データの利用開始時までの前記地図データのダウンロード可能時間を推定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置の地図データ更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−212173(P2007−212173A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29702(P2006−29702)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】