説明

ナビゲーション装置及びナビゲーションサーバ装置

【課題】場所指定に特定の施設に加え、施設の集合を設定し、屋外、建物、フロア、部屋などを単位とした地図や経路を適切に切り替えることができるようにする。
【解決手段】出発地と目的地に施設又は施設の集合を設定するための入力部120、経路案内画面を表示する出力部130、自身の位置を測定する測位部140、データを格納した外部記憶部160、記憶部に格納されたデータを検索するデータ検索部152、経路案内画面に地図を表示する地図表示部153、入力部から入力された出発地から目的地までの経路探索を行う経路探索部154、経路表示部155を有する。記憶部には、屋外空間の形状を示す屋外地図データ161、出発地や目的地に設定する施設を含む施設データ162、構造物の屋内空間を表現する構造物データ163、経路探索に必要なネットワークデータ164、構造物・施設対応データ165、及び構造物・ノード対応データ166を格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が出発地から目的地まで移動する際、利用者に地図と経路を提示し、目的地までの移動を支援する経路案内システムに関する。特に、歩行者を対象とし、屋外空間と屋内空間のシームレスな経路案内を実現する経路案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が出発地と目的地を入力すると、利用者に地図と経路を提示し、目的地までの移動を支援するナビゲーションシステムが知られている。特に、自動車用としてカーナビゲーションシステムが普及している。カーナビゲーションシステムでは、車載情報端末が背景データ、道路データ、施設データなどの地図データを保持し、車の現在位置に応じた地図と経路を端末の画面に提示し、目的地までの移動を支援する。また、携帯端末の高機能化に伴い、利用者が持ち運び可能な携帯型ナビゲーションシステムも普及している。さらに、通信回線の高速化に伴い、端末装置がサーバ装置と通信しながら、経路案内を実現する通信型カーナビゲーションシステムも登場している。通信型ナビゲーションシステムでは、端末装置がサーバ装置から地図や経路など経路案内に必要なデータを取得する。
【0003】
一方で、歩行者を対象とするナビゲーションシステムも実用化されている。歩行者のナビゲーションシステムでは、携帯電話やスマートフォン等の通信機能をもつ携帯端末を用いて、携帯型かつ通信型のナビゲーションシステムの構成を取ることが多い。利用者が携帯端末に出発地と目的地を入力すると、携帯端末がサーバ装置と通信し、サーバ装置から経路案内に必要な地図と経路を取得する。また、PDA(Personal Digital Assistant)やモバイルゲーム機などの携帯端末にナビゲーションに必要な機能やデータを格納し、通信を行わずにスタンドアロン型でナビゲーションを実現する場合もある。
【0004】
これまでの歩行者用のナビゲーションシステムでは、屋外空間を対象としている。しかし、歩行者は屋外空間だけでなく、屋内空間も移動するため、屋内空間もナビゲーションの対象に入れる必要がある。屋内空間の経路探索装置として、特許文献1に建物内部の階層を考慮した経路探索を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−240591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、屋内空間の施設を目的地に設定する場合、以下の課題がある。特許文献1に開示された経路探索装置では、下記の課題に対し、具体的な記述がない。
課題1:場所指定に特定の施設に加え、施設の集合を設定できるようにする。
課題2:施設又は施設の集合と、建物、フロア、部屋などの構造物の各階層を対応させる。
課題3:ネットワークデータを構成するノードと、建物、フロア、部屋などの構造物の各階層を対応させる。
【0007】
以下に、それぞれの課題について述べる。
課題1は、屋内空間では近い距離に類似の商品やサービスを提供する同種別の施設が集まるという特徴に基づく。例えば、デパートの飲食店、婦人服の店舗、紳士服の店舗などは、それぞれ同じフロアに存在する傾向にある。この場合、利用者がナビゲーションシステムで出発地や目的地などの場所を指定する際、特定の施設を設定することに加え、同種別の施設の集合を設定できる必要がある。
【0008】
課題2は、端末装置に表示される地図上に、場所指定で設定した出発地や目的地などの施設又は施設の集合が、どの構造物に対応しているかを示すために解決すべき課題である。施設又は施設の集合が、建物、フロア、ビルなど構造物の各階層でどの構造物に対応しているかを管理する必要がある。これにより、地図の表示方法に応じて、施設又は施設の集合の表示を適切に切り替えることができる。
【0009】
課題3は、経路の探索や表示を行う際に解決すべき課題となる。課題2の解決と組み合わせ、施設又は施設の集合と構造物の対応と、ノードと構造物の対応を管理することで、場所指定した施設又は施設の集合に対応するノードを把握でき、それらを経路の始点ノードと終点ノードに適切に設定できる。また、端末装置に表示する地図の表示方法に応じて、建物、フロア、部屋までの経路を適切に切り替えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、出発地と目的地に施設又は施設の集合を設定するための入力部と、経路案内画面を表示する出力部と、自身の位置を測定する測位部と、屋外空間の形状を示す屋外地図データ、出発地や目的地に設定する施設を含む施設データ、構造物の屋内空間を表現する構造物データ、経路探索に必要なノードとノード間のリンク情報を含むネットワークデータ、構造物と施設の対応関係を含む構造物・施設対応データ、及び、構造物とノードの対応関係を含む構造物・ノード対応データを格納した記憶部と、記憶部に格納されたデータを検索するデータ検索部と、経路案内画面に地図を表示する地図表示部と、入力部から入力された出発地から目的地までの経路探索を行う経路探索部と、経路探索部で求めた経路を前記経路案内画面に表示する経路表示部とを有する。
【0011】
施設データは、類似の商品やサービスを提供する施設を種別ごとかつ階層的に表現する施設構成データを有する。構造物データは、建物、フロア、部屋の単位に階層的に屋内空間を表現するデータを有する。ネットワークデータは、ノードの種別として、建物の出入口を示す建物出入口ノード、フロアの出入口を示すフロア出入口ノード、部屋の出入口を示す部屋出入口ノードを有する。
【0012】
本発明のナビゲーション装置の地図表示部は、屋外地図、建物構造を背景に施設の位置を示す地図、又は、フロア構造を背景に施設の位置を示す地図を選択的に表示する。また、経路表示部は、屋外地図を背景に目的地の施設を含む建物までの経路、建物構造を背景に目的地の施設が対応する建物出入口からフロア出入口までの経路、又は、フロア構造を背景に目的地の施設が対応するフロア出入口から部屋出入口までの経路を選択的に表示する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のナビゲーションシステムは、個々の施設を管理することに加え、類似の商品やサービスを提供する施設の集合も管理するため、利用者が場所指定に施設又は施設の集合を設定できるので、屋内空間の場所指定の利便性を向上させる利点がある。
【0014】
また、本発明のナビゲーションシステムは、施設又は施設の集合と、建物、フロア、部屋などの構造物の各階層の対応関係を管理する。そのため、地図の縮尺に応じて、施設又は施設の集合の表示を切り替えることができ、利用者に屋内空間の適切な地図表示を提供できる。
【0015】
さらに、本発明のナビゲーションシステムは、ネットワークデータを構成するノードと、建物、フロア、部屋などの構造物の各階層の対応関係を管理する。そのため、経路探索で必要な始点ノードと終点ノードを適切に設定でき、利用者に正確な経路を提供できる。また、地図の縮尺に応じて、経路表示を切り替えることで、利用者に屋内空間の適切な経路表示を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のナビゲーションシステムのシステム構成例を示す図。
【図2】各種データのエンティティとエンティティ間の関連を示すER図。
【図3】施設データのエンティティのテーブル構造を示す図。
【図4】構造物データのエンティティのテーブル構造を示す図。
【図5】ネットワークデータのエンティティのテーブル構造を示す図。
【図6】構造物・施設対応データのエンティティのテーブル構造を示す図。
【図7】構造物・ノード対応データのテーブル構造を示す図。
【図8】施設データ、構造物データ、ネットワークデータの対応関係の例を示す図。
【図9】出発地をフリーワードで検索する場合の経路案内画面の遷移を示す図。
【図10】出発地を現在地とした場合の経路案内画面の遷移を示す図。
【図11】関連施設の表示の手順を示すフローチャート。
【図12】経路案内画面の地図表示に関する画面遷移の例を示す図。
【図13】地図の建物表示の手順を示すフローチャート。
【図14】地図のフロア表示の手順を示すフローチャート。
【図15】地図の部屋表示の手順を示すフローチャート。
【図16】経路地図を表示する際の経路案内画面の遷移を示す図。
【図17】経路地図の建物表示の手順を示すフローチャート。
【図18】経路地図のフロア表示の手順を示すフローチャート。
【図19】サーバ/クライアント型のシステム構成例を示す図。
【図20】経路案内の地図表示における建物表示のシーケンス図。
【図21】経路案内の地図表示におけるフロア表示のシーケンス図。
【図22】経路案内の地図表示における部屋表示のシーケンス図。
【図23】経路地図の建物表示のシーケンス図。
【図24】経路地図のフロア表示のシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明のナビゲーションシステムのシステム構成例を示す図である。本実施例は、利用者が保持する端末装置のみで本発明を実施するスタンドアロン型のシステム構成とする。端末装置100は、処理部110、入力部120、出力部130、測位部140、主記憶装置150、外部記憶装置160から構成される。処理部110は、経路案内に必要な処理を行う装置である。入力部120は、利用者が出発地や目的地を設定するための装置で、操作キー、ジョイスティック、タッチパネルなどが該当する。出力部130は、地図や経路を表示する装置で、例えば液晶ディスプレイが該当する。測位部140は、端末装置100の位置を測定する装置である。例えば、屋外用の測位部としてGPS、屋内用の測位部としてIMES(Indoor Messaging System)を挙げることができる。主記憶装置150は、経路案内のプログラムを格納する装置で、例えばRAM(Random Access Memory)が該当する。外部記憶装置160は、経路案内に必要な地図データを含む各種データを格納する装置で、例えばHDD(Hard Disk Drive)となる。
【0019】
端末装置100の主記憶装置150には、経路案内画面制御部151、データ検索部152、地図表示部153、経路探索部154、経路表示部155が含まれる。経路案内画面制御部151は、出力部130に経路案内画面を表示し、利用者からの入力を受け付ける。データ検索部152は、外部記憶装置160に格納されている各種データの検索を行う。地図表示部153は、屋外地図や屋内地図の形状データを用いて、出力部130の経路案内画面に地図を表示する。経路探索部154は、任意の二点間の経路を探索する。経路表示部155は、経路探索で求めた経路データを用いて、経路案内画面に経路を表示する。
【0020】
端末装置100の外部記憶装置160には、屋外地図データ161、施設データ162、構造物データ163、ネットワークデータ164、構造物・施設対応データ165、構造物・ノード対応データ166が格納されている。屋外地図データ161は、屋外空間の形状を示す地図データである。施設データ162は、利用者が出発地や目的地に設定する施設に関するデータである。構造物データ163は、建物、フロア、部屋に関する各種構造のデータをもつ。ネットワークデータ164は、経路探索に必要なノードとリンクから構成される。構造物・施設対応データ165は、建物、フロア、部屋など各構造物と、施設又は施設の集合体の対応関係を示すデータである。構造物・ノード対応データ166は、建物、フロア、部屋など各構造物と、ノードの対応関係を示すデータである。
【0021】
図2は、本実施例で用いる各種データのエンティティとエンティティ間の関連を示すER(Entity Relationship)図である。本図は、Bachman型の表記方法に基づき、エンティティ間の関係を矢印で示す。矢印の傘が付いているエンティティは「多」、傘が付いていないエンティティは「1」を示す。
【0022】
施設データ162は、施設エンティティと施設構成エンティティからなる。施設エンティティは、利用者が出発地や目的地を設定するために用いられる。施設構成エンティティは、施設の集合を表現するために用いられる。例えば、施設がデパートであれば、その施設の構成はアクセサリ売場や飲食エリアなどになる。一つの施設は複数の施設の構成をもつため、施設エンティティと施設構成エンティティは1対多の関係になる。
【0023】
構造物データ163は、建物エンティティ、フロアエンティティ、部屋エンティティからなる。一つの建物は複数のフロアをもつことから、建物エンティティとフロアエンティティは1対多の関係になる。また、一つのフロアは複数の部屋をもつことから、フロアエンティティと部屋エンティティは1対多の関係になる。
【0024】
ネットワークデータ164は、ノードエンティティとリンクエンティティから構成される。ノードエンティティには、部屋出入口ノードエンティティ、フロア出入口ノードエンティティ、建物出入口ノードエンティティが存在する。部屋出入口ノードは、部屋の出入口に位置するノードを示し、例えばドアの位置に設定されるノードが該当する。フロア出入口ノードは、フロアの出入口に位置するノードを示し、例えばエレベータ、エスカレータ、階段の位置に設定されるノードが該当する。建物出入口ノードは、建物の出入口に位置するノードを示し、例えば建物玄関の位置に設定されるノードが該当する。一つのノードは複数のリンクに該当するため、ノードエンティティとリンクエンティティは1対多の関係になる。
【0025】
構造物・施設対応データ165は、構造物データ163の各エンティティと施設データ162の施設エンティティの対応関係を示し、建物・施設対応エンティティ、フロア・施設対応エンティティ、部屋・施設対応エンティティからなる。例えば、建物エンティティと施設エンティティの対応関係は、建物・施設対応エンティティで表現される。
【0026】
構造物・ノード対応データ166は、構造物データ163の各エンティティとネットワークデータ164のノードエンティティの対応関係を示し、構造物・ノード対応エンティティで表現される。構造物データ163の各エンティティは、一つ以上のノードに対応付けられるため、構造物データの各エンティティとノードの対応関係は、1対多の関係となる。
【0027】
図3に、施設データ162の各エンティティのテーブル構造を示す。テーブルの最上位の行は属性名を示し、下線の属性又は属性の集合は、主キーである。施設テーブルは、施設ID、施設名称、住所、TEL、種別、座標を属性にもつ。施設IDは、レコードを一意に識別するための整数値である。施設名称、住所、TELは施設の一般的な属性データで、それぞれ施設の名称、住所、電話番号を示す。種別は、施設が提供する商品やサービスを分類するための属性になる。本テーブルでは、文字列で種別を表現しているが、数値で表現しても良い。座標は施設の位置を特定する代表点となり、三次元座標で表現される。例えば、緯度、経度、高度、又はx座標、y座標、フロア数などで表現される。施設構成テーブルは、施設IDと施設構成IDから構成される。施設IDは、施設テーブルの施設IDの外部キーとなる。施設構成IDは、施設IDに該当する施設を構成する施設の施設IDを示す。例えば、図3では、「○○デパート○○店」は、「○○デパート○○店アクセサリ売場」や「○○デパート○○店飲食エリア」から構成されることを示す。
【0028】
図4に、構造物データの各エンティティのテーブル構造を示す。建物テーブルは、建物ID、建物名称、建物形状を属性にもつ。建物IDは、レコードを一意に識別する整数値で、建物テーブルの主キーになる。建物名称は、建物IDに該当する建物の名称を示す。建物形状は、建物の形状を三次元座標の列で表現したものである。例えば、建物の外壁や内壁を表現する。フロアテーブルは、建物ID、フロア数、フロア名称、フロア形状を属性にもつ。建物IDは、建物テーブルからの外部キーである。フロア数は、建物の階数を表現する。建物IDとフロア数の組で、レコードを一意に識別する。フロア名称は、フロアIDに該当するフロアの名称を示す。フロア形状は、フロアの形状を示し、三次元座標の列で表現される。例えば、フロア内の壁を表現する。部屋テーブルは、建物ID、フロア数、部屋番号、部屋名称、部屋形状を属性にもつ。建物IDとフロア数は、フロアテーブルからの外部キーである。部屋番号は、建物内で部屋を識別する番号である。建物ID、フロア数、部屋番号の組がレコードを一意に識別する主キーとなる。部屋名称は、部屋の名称を示す。部屋形状は、部屋内部の形状を三次元座標の列で表現したものである。
【0029】
図5に、ネットワークデータの各エンティティのテーブル構造を示す。ノードテーブルは、ノードID、種別、座標を属性としてもつ。ノードIDは、ノードを一意に識別する整数値を示す。種別は、ノードの種別を示し、「通常」、「部屋出入口」、「フロア出入口」、「建物出入口」を示す。「通常」は、「部屋出入口」、「フロア出入口」、「建物出入口」以外を示す。座標はノードの位置を示し、一つの三次元座標で表現される。リンクテーブルは、始点ノードID、終点ノードID、コストを属性としてもつ。始点ノードIDと終点ノードIDは、ノードテーブルからの外部キーとなる。コストは、利用者が当該リンクを移動するために必要なコストであり、例えば時間又は距離になる。コストに関しては、一般には同じリンクでも方向が異なれば、コストが異なる場合がある。本実施例では、簡単化のため、リンクの方向を考慮しないことにする。
【0030】
図6に、構造物・施設対応データの各エンティティのテーブル構造を示す。建物・施設対応テーブルは、施設IDと建物IDを属性としてもつ。施設IDは施設テーブルからの外部キー、建物IDは建物テーブルからの外部キーである。本図で示す建物・施設対応テーブルでは、例えば、「○○デパート○○店」(施設ID:1)が「○○ビル」(建物ID:1)に対応することを示す。フロア・施設対応テーブルは、施設ID、建物ID、フロア数を属性としてもつ。施設IDは施設テーブルからの外部キー、建物IDとフロア数はフロアテーブルからの外部キーである。本図で示すフロア・施設対応テーブルでは、例えば、「○○デパート○○店飲食エリア」(施設ID:102)が「○○ビル7階」(建物ID:1、フロア数:7)に対応することを示す。部屋・施設対応テーブルは、施設ID、建物ID、フロア数、部屋番号を属性としてもつ。施設IDは施設テーブルからの外部キー、建物ID、フロア数、部屋番号は部屋テーブルからの外部キーとなる。本図の部屋・施設対応テーブルでは、例えば、「○○ラーメン○○デパート○○店」(施設ID:1701)が、「○○ビル7階701号室」(建物ID:1、フロア数:7、部屋番号:701)に対応することを示す。
【0031】
図7に、構造物・ノード対応エンティティのテーブル構造を示す。構造物・ノード対応テーブルは、ノードID、建物ID、フロア数、部屋番号を属性としてもつ。ノードIDはノードテーブルからの外部キーである。建物ID、フロア数、部屋番号は、建物テーブル、フロアテーブル、部屋テーブルからの外部キーとなる。本図で示す構造物・ノード対応テーブルでは、例えば、ノードIDが「701」のノードは、「○○ビル7階701号室」の部屋に対応することを示す。
【0032】
図8は、図3から図7に示すテーブルにおいて、「○○ビル7階」(建物ID:1、フロア数:7)の構造物データを中心とし、施設データとネットワークデータを示す。構造物・施設対応データと構造物ノード対応データにより、施設データ、構造物データ、ネットワークデータの対応関係を取ることができる。
【0033】
図9は、端末装置100の出力部130に表示される経路案内画面の遷移を示す。当該画面は、経路案内画面制御部151で管理され、利用者からの経路案内要求に対し、地図や経路を表示する機能をもつ。本実施例の経路案内では、利用者が出発地や目的地など施設を選択する必要がある。施設の選択に関しては、フリーワード検索、カテゴリ検索、周辺検索など様々な手段が存在する。本発明は、施設の選択手段に依存する発明ではないため、いずれの選択手段でも適用可能である。本実施例では、施設の選択手段として、利用者が最も使う可能性の高いフリーワード検索を選択する。
【0034】
図9(a)は、出発地の検索画面を示す。なお、本画面において、下線の部分はリンクを示し、以降の画面でも同様である。利用者は、フリーワードを入力し、検索ボタンを押下することで、出発地となる施設を検索できる。出発地には、現在地を選択することも可能である。現在地を選択した場合の画面遷移に関しては、図10で説明する。図9(b)は、出発地の検索結果を表示する画面を示す。当該画面では、利用者が入力したフリーワードに関連した施設がリストで表示される。当該リストにおいて、施設の構成を含む施設は、その構成を表示できるように、関連施設として選択可能になる。利用者が関連施設を選択すると、図9(d)に示すように、図9(b)でリストアップされた施設の構成が表示される。一方、図9(b)でリストアップされた施設名称(「○○電器○○店」のリンク)を選択すると、図9(c)に示すように、当該施設の詳細情報として住所とTELを表示する。図9(c)の「目的地の検索」を選択すると、出発地の入力が完了し、目的地を検索する画面へと移る。
【0035】
図9(e)は、目的地の検索画面を示す。本画面では、出発地の検索と同様に、利用者がフリーワードを入力し、検索ボタンを押下することで、目的地となる施設を検索できる。図9(f)は、目的地の検索結果を表示する画面を示す。本画面では、出発地の検索結果と同様に、利用者が入力したフリーワードに関連した施設をリストアップする。利用者が関連施設を選択すると、図9(g)に示すように、図9(f)でリストアップされた施設の構成が表示される。一方、図9(f)でリストアップされた施設を選択すると、その施設の詳細情報として住所とTELを表示する。さらに、出発地と目的地が表示され、経路地図確認や経路案内開始を選択できる。
【0036】
図10は、利用者が出発地に現在地を選択した場合の経路案内画面の遷移例を示す。図10(a)において、利用者が「現在地を選択」を選択すると、端末装置が測位部を用いて、端末装置の位置を測定し、当該位置を出発地として設定する。出発地に現在地を選択した場合、図10(b)に示すように、目的地の検索画面が表示される。以降の処理は、図9の画面遷移と同様である。
【0037】
図11は、図9(b)(f)(g)や図10(c)で選択可能な関連施設の表示を行う手順を示すフローチャートである。まず、端末装置100の処理部110は、データ検索部152を用いて、施設IDを入力とし、施設データ162に含まれる施設構成テーブルから当該施設IDに該当する施設構成IDを取得する(S11)。当該施設構成IDは一つとは限らず、複数存在する場合もある。次に、処理部110は、データ検索部152を用いて、施設データに含まれる施設テーブルから、前記施設構成IDに該当する施設名称を取得する(S12)。最後に、処理部110は、経路案内画面制御部151を用いて、前記施設名称を経路案内画面に表示する(S13)。本処理を実行することで、例えば図9(f)から図9(g)への画面遷移のように、「○○デパート○○店飲食エリア」の関連施設として、「○○デパート○○店アクセサリ売場」、「○○デパート○○店飲食エリア」などが表示される。
【0038】
図12は、経路案内の地図表示に関する画面遷移の例である。利用者は、出発地と目的地を選択する過程で、地図上で施設の位置を確認するために地図表示を用いる。例えば、利用者は、図9(c)(h)や図10(d)の画面で地図表示を実行できる。地図表示には、屋外表示、建物表示、フロア表示、部屋表示が存在する。屋外表示では、屋外地図を背景に施設の位置を表示する。建物表示では、建物構造を背景に施設の位置を表示する。フロア表示では、フロア構造を背景に施設の位置を表示する。部屋表示では、部屋構造を背景に施設の位置を表示する。図12では、「○○デパート○○店飲食エリア」(施設ID:102)を表示対象とし、最初に屋外表示(図12(a))を行った後、建物表示(図12(b))、フロア表示(図12(c))、部屋表示(図12(d))を選択する様子を示す。
【0039】
図12(a)は、屋外表示の画面例を示す。当該画面では、画面上部に施設名称、住所、TELが表示され、その下部に屋外地図が表示される。当該地図は、処理部110が地図表示部153で屋外地図データから背景地図を表示したものである。当該地図の下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うためのメニューが配置される。さらに、地図表示モードの切り替えとして、屋外表示、建物表示、フロア表示、部屋表示のメニューが配置される。
【0040】
図12(b)は、建物表示の画面例を示す。当該画面では、画面上部に施設名称と建物名称が表示され、その下部に建物構造を背景に施設の位置を示す地図が表示される。当該地図の下部には、当該施設に対応する建物名称がリストで表示される。図12(b)では、当該施設が一つの建物にしか対応しないため、建物名称が一つしか表示されていない。施設が二つ以上の建物に対応する場合、施設が対応する建物の件数分だけリストで表示される。リストに表示された建物名称を選択すると、当該建物名称に対応する建物構造が表示される。建物名称のリストの下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うメニューと、地図表示のモードを切り替えるメニューが配置されている。
【0041】
図12(c)は、フロア表示の画面例を示す。当該画面では、画面上部に施設名称とフロア名称が表示され、その下部にフロア構造を背景に施設の位置を示す地図が表示される。当該地図の下部には、当該施設に対応するフロア名称がリストで表示される。図12(c)では、当該施設が一つのフロアにしか対応しないため、フロア名称が一つしか表示されていない。施設が二つ以上のフロアに対応する場合、施設が対応するフロアの件数分だけリストで表示される。リストに表示されたフロア名称を選択すると、当該フロア名称に対応するフロア構造が表示される。フロア名称のリストの下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うメニューと、地図表示のモードを切り替えるメニューが配置されている。
【0042】
図12(d)は、部屋表示の画面例を示す。当該画面では、画面上部に施設名称と部屋名称が表示され、その下部に部屋構造を背景に施設の位置を示す地図が表示される。当該地図の下部には、当該施設に対応する部屋名称がリストで表示される。図12(d)に示すように、施設が二つ以上の部屋に対応する場合、施設が対応する部屋の件数分だけリストで表示される。リストに表示された部屋名称を選択すると、当該部屋名称に対応する部屋構造が表示される。部屋名称のリストの下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うメニューと、地図表示のモードを切り替えるメニューが配置されている。
【0043】
図13は、建物表示の手順を示すフローチャートである。まず、処理部110はデータ検索部152を用いて、構造物・施設対応データ165の建物・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物IDを取得する(S21)。当該施設IDは、表示対象の施設の施設IDである。当該建物IDは一つとは限らず、複数存在する場合もある。次に、処理部110はデータ検索部152を用いて、構造物データ163の建物テーブルから前記建物IDに該当する建物名称を取得する(S22)。建物IDが二つ以上存在する場合は、一つの建物IDを選択し、当該建物IDを表示対象の建物IDとする(S23,S24,S25)。処理部110は、データ検索部152を用いて、建物テーブルから表示対象建物IDに該当する建物形状を取得する(S26)。そして、処理部110は地図表示部153を用いて、前記建物形状から建物構造を経路案内画面に表示する(S27)。また、処理部110は経路案内画面制御部151を用いて、建物構造の下部に建物名称を表示する(S28)。
【0044】
図14は、フロア表示の手順を示すフローチャートである。まず、処理部110はデータ検索部152を用いて、構造物・施設対応データ165のフロア・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物IDとフロア数を取得する(S31)。当該施設IDは、表示対象の施設の施設IDである。当該建物IDとフロア数の組は一つとは限らず、複数存在する場合もある。次に、処理部110はデータ検索部152を用いて、フロアテーブルから前記建物IDとフロア数の組に該当するフロア名称を取得する(S32)。建物IDとフロア数の組が二つ以上存在する場合は、一つの組を選択し、当該建物IDとフロア数の組に対応するフロアを表示対象フロアとする(S33,S34,S35)。処理部110は、データ検索部152を用いて、フロアテーブルから表示対象フロアに該当するフロア形状を取得する(S36)。そして、処理部110は地図表示部153を用いて、前記フロア形状からフロア構造を経路案内画面に表示する(S37)。処理部110は経路案内画面制御部151を用いて、前記フロア構造の下部にフロア名称を表示する(S38)。
【0045】
図15は、部屋表示の手順を示すフローチャートである。まず、処理部110はデータ検索部152を用いて、構造物・施設対応データ165の部屋・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物ID、フロア数、部屋番号の組を取得する(S41)。前記施設IDは、表示対象の施設の施設IDである。建物ID、フロア数、部屋番号の組は一つとは限らず、複数存在する場合もある。次に、処理部110はデータ検索部152を用いて、構造物データ163の部屋テーブルから前記建物ID、フロア数、部屋番号の組に該当する部屋名称を取得する(S42)。前記建物ID、フロア数、部屋番号の組が二つ以上存在する場合は、一つの組を選択し、当該建物ID、フロア数、部屋番号の組に対応する部屋を表示対象部屋とする(S43,S44,S45)。処理部110は、データ検索部152を用いて、部屋テーブルから表示対象部屋に該当する部屋形状を取得する(S46)。そして、処理部110は地図表示部153を用いて、前記部屋形状から部屋構造を経路案内画面に表示する(S47)。処理部110は経路案内画面制御部151を用いて、前記部屋構造の下部に部屋名称を表示する(S48)。
【0046】
図16は、経路案内の経路地図確認に関する画面遷移の例である。利用者は、出発地と目的地を選択した後で、地図上で施設と経路を確認するために経路地図確認を用いる。例えば、利用者は、図9(h)や図10(d)の画面で経路地図確認を実行できる。経路地図確認には、屋外表示、建物表示、フロア表示が存在する。建物表示では、建物構造を背景に、施設が対応する建物出入口からフロア出入口までの経路を表示する。フロア表示では、フロア構造を背景に、施設が対応するフロア出入口から部屋出入口までの経路を表示する。図16では、「○○デパート○○店飲食エリア」(施設ID:102)までの経路を表示対象とし、最初に屋外表示(図16(a))を行った後、建物表示(図16(b))とフロア表示(図16(c))を選択する様子を示す。
【0047】
図16(a)は、経路地図の屋外表示の画面例を示す。本画面では、画面上部に施設名称、住所、TELが表示され、その下部に屋外地図と、施設を含む建物までの経路が表示される。当該地図は、処理部110が屋外地図データ161から屋外形状を取得し、地図表示部153が屋外形状を用いて表示した地図である。また、太線で示す経路は、経路探索部154が屋外地図データ161のネットワークデータから求めた経路である。当該地図の下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うためのメニューが配置される。さらに、地図表示モードの切り替えとして、屋外表示、建物表示、フロア表示、部屋表示のメニューが配置される。本発明では、建物、フロア、部屋などの屋内地図に重点を置いているため、屋外表示の詳細については省略する。
【0048】
図16(b)は、経路地図の建物表示の画面例を示す。本画面では、画面上部に施設名称とフロア名称が表示される。その下部には、建物構造を背景に、建物出入口から施設が存在するフロアの出入口までの経路が表示される。図16(c)は、本経路を構成するネットワークデータを示し、ノードを丸で、リンクを太線で示している。丸内の整数値は、ノードIDを示す。この場合、ノードIDが110から710までの経路を表示していることになる。本地図の下部には、当該施設に対応するフロア名称がリストで表示される。図16(b)では、当該施設が一つのフロアにしか対応しないため、フロア名称が一つしか表示されていない。施設が二つ以上のフロアに対応する場合、施設が対応するフロアの件数分だけリストで表示される。リストに表示されたフロア名称を選択すると、当該建物出入口から施設が存在する当該フロアの出入口までの経路が表示される。建物名称のリストの下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うメニューと、地図表示のモードを切り替えるメニューが配置されている。
【0049】
図16(d)は、経路地図のフロア表示の画面を示す。本画面では、画面上部に施設名称と部屋名称が表示される。その下部には、フロア構造を背景に、フロア出入口から施設が存在する部屋出入口までの経路が表示される。図16(e)は、本経路を構成するネットワークデータを示す。この場合、ノードIDが710から707までの経路を表示していることになる。本地図の下部には、当該施設に対応する部屋名称がリストで表示される。図16(d)では、当該施設が複数の部屋に対応しているため、部屋名称が複数表示されている。フロア名称のリストの下部には、拡大、縮小、移動といった地図の基本操作を行うメニューと、地図表示のモードを切り替えるメニューが配置されている。
【0050】
図17は、経路地図の建物表示の手順を示すフローチャートである。まず、処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物・施設対応データ165のフロア・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物IDとフロア数を取得する(S51)。当該施設IDは、目的地となる施設の施設IDとなる。次に、処理部110は、前記建物IDとフロア数の組が二つ以上になる場合があるため、建物IDとフロア数の組を一つ選択する(S52)。処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物・ノード対応データ166の構造物・ノード対応テーブルから、前記建物IDに対応するノードIDを取得する(S53)。処理部110は、ネットワークデータ164のノードテーブルから前記ノードIDに該当し、種別が建物出入口ノードに対応するノードIDを取得する(S54)。本ノードIDは二つ以上存在する可能性があるため、処理部は本ノードIDの中から一つを選択し、始点ノードに設定する(S55)。この選択方法に関しては様々な方法が考えられるが、例えば利用者の位置に最も近いノードを選択する方法が挙げられる。
【0051】
処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物・ノード対応テーブルから建物IDとフロア数に該当するノードIDを取得する(S56)。処理部110は、データ検索部152を用いて、ノードテーブルからノードIDに該当し、種別がフロア出入口のノードIDを取得して、終点ノードに設定する(S57)。終点ノードは複数のノードが設定される可能性がある。処理部110は、経路探索部154を用いて、始点ノードと終点ノードの間の経路を求める(S58)。経路探索のアルゴリズムには、ダイクストラ法やA*アルゴリズムを適用することが考えられる。処理部110は、データ検索部152を用いて、建物テーブルから建物IDに該当する建物形状を取得する(S59)。処理部110は、データ検索部152を用いて、フロアテーブルから建物IDとフロア数に該当するフロア名称を取得する(S60)。最後に、処理部110は画面に施設名称、フロア名称、建物形状、経路、フロア名称のリストを表示する(S61)。建物形状の表示には地図表示部153が、経路の表示には経路表示部155が用いられる。
【0052】
図18は、経路地図のフロア表示の手順を示すフローチャートである。まず、処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物・施設対応データ165の部屋・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物ID、フロア数、部屋番号を取得する(S71)。当該施設IDは、目的地となる施設の施設IDとなる。次に、処理部110は、前記建物ID、フロア数、部屋番号の組は二つ以上になる場合があるため、その組を一つ選択する(S72)。処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物・ノード対応データ166の構造物・ノード対応テーブルから、前記建物IDとフロア数に対応するノードIDを取得する(S73)。処理部110は、データ検索部152を用いて、ネットワークデータ164のノードテーブルから前記ノードIDに該当し、種別がフロア出入口ノードに対応するノードIDを取得する(S74)。本ノードIDは二つ以上存在する可能性があるため、処理部は本ノードIDの中から一つを選択し、始点ノードに設定する。
【0053】
処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物・ノード対応テーブルから建物ID、フロア数、部屋番号に該当するノードIDを取得する(S76)。処理部110は、データ検索部152を用いて、ノードテーブルからノードIDに該当し、種別が部屋出入口のノードIDを取得して、終点ノードに設定する(S77)。終点ノードは複数のノードが設定される可能性がある。処理部110は、経路探索部154を用いて、始点ノードと終点ノードの間の経路を求める(S78)。経路探索のアルゴリズムには、ダイクストラ法やA*アルゴリズムの適用を想定する。終点ノードが複数の場合、複数の経路が算出されるが、最小コストの経路を一つ選択するなど、最終的に経路を一つに絞る。処理部110は、データ検索部152を用いて、構造物データ163のフロアテーブルから建物IDとフロア数に該当するフロア形状を取得する(S79)。処理部110は、データ検索部152を用いて、部屋テーブルから建物ID、フロア数、部屋番号に該当する部屋名称を取得する(S80)。最後に、処理部110は、画面に部屋名称、フロア形状、経路、部屋名称のリストを表示する(S81)。フロア形状の表示には地図表示部153が、経路の表示には経路表示部155が用いられる。
【実施例2】
【0054】
次に、端末装置とサーバ装置から構成されるサーバ/クライアント型のシステム構成の実施例について説明する。端末装置は、利用者が持ち運び可能な携帯端末を想定する。例えば、携帯電話やスマートフォンが挙げられる。本実施例では、端末装置は地図データを管理せず、サーバ装置が地図データを管理する。端末装置は、サーバ装置に地図表示や経路探索を要求し、サーバ装置は要求を満たす地図を配信する。
【0055】
図19は、本実施例のシステム構成例を示す図である。端末装置200は、処理部210、入力部220、出力部230、測位部240、通信部250、主記憶装置260を備える。処理部210、入力部220、出力部230、測位部240、主記憶装置260は、図1に示した実施例の端末装置100のもつ各装置と同様の機能をもつ。通信部250は、ネットワーク300を介してサーバ装置400と通信を行う装置で、例えば携帯電話のデータ通信や無線LANなどが該当する。端末装置200の主記憶装置260には、経路案内画面制御部261、データ検索要求部262、地図表示部263、経路探索要求部264、経路表示部265が含まれる。経路案内画面制御部261、地図表示部263、経路表示部は265、図1に示した端末装置のもつ機能と同様の機能をもつ。データ検索要求部262は、サーバ装置400のもつデータに対して検索を要求する機能をもつ。経路探索要求部264は、サーバ装置400のもつネットワークデータ444に対して、経路探索を要求する機能をもつ。
【0056】
サーバ装置400は、処理部410、通信部420、主記憶装置430、外部記憶装置440から構成される。処理部410は、経路案内に必要な各装置の処理を行う装置である。通信部420は、端末装置300と通信を行う装置である。主記憶装置430は、経路案内のプログラムを格納する装置である。外部記憶装置440は、経路案内に必要な地図データを格納する装置である。サーバ装置400の主記憶装置430には、データ検索部431と経路探索部432が含まれる。データ検索部431は、サーバ装置400の外部記憶装置440に格納されるデータを検索する機能をもつ。経路探索部432は、任意の二点間の経路を探索する機能をもつ。サーバ装置400の外部記憶装置440には、屋外地図データ441、施設データ442、構造物データ443、ネットワークデータ444、構造物・施設対応データ445、構造物・ノード対応データ446が格納されている。いずれのデータも、図1の端末装置100の外部記憶装置160に格納されるデータと同じ内容になる。
【0057】
本実施例は、実施例1とシステム構成が異なるが、実施例1と同様の機能をもつ。以下では、実施例1と異なる処理について説明する。
【0058】
図20に、経路案内の地図表示における建物表示のシーケンス図を示す。本図の処理は、実施例1の図13の処理に対応する。まず、端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、施設IDに該当する建物IDをサーバ装置に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物・施設対応データ445の建物・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物IDを取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物IDに該当する建物名称を要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物データ443の建物テーブルから前記建物IDに該当する建物名称を取得する。建物IDが複数存在する場合があり、端末装置200は一つの建物IDを選択する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物IDに該当する建物形状をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、建物テーブルから前記建物IDに該当する建物形状を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に前記建物形状を配信する。端末装置200は、地図表示部263を用いて建物形状から建物構造を出力部230の経路案内画面に表示する。また、経路案内画面に前記建物名称を表示する。
【0059】
図21に、経路案内の地図表示におけるフロア表示のシーケンス図を示す。本図の処理は、実施例1の図14の処理に対応する。まず、端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、施設IDに該当する建物IDとフロア数をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物・施設対応データ445のフロア・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物IDとフロア数の組を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物IDとフロア数の組に該当するフロア名称を要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物データ443のフロアテーブルから前記建物IDとフロア数に該当するフロア名称を取得する。前記建物IDとフロア数の組が複数存在する場合があり、端末装置200は一つの建物IDとフロア数の組を選択する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物IDとフロア数の組に該当するフロア形状をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、フロアテーブルから前記建物IDとフロア数に該当するフロア形状を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に前記フロア形状を配信する。端末装置200は、地図表示部263を用いてフロア形状からフロア構造を表示する。また、経路案内画面に前記フロア名称を表示する。
【0060】
図22に、経路案内の地図表示における部屋表示のシーケンス図を示す。本図の処理は、実施例1の図15の処理に対応する。まず、端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、施設IDに該当する建物ID、フロア数、部屋番号をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物・施設対応データ445の部屋・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物ID、フロア数、部屋の組を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物ID、フロア数、部屋の組に該当する部屋名称を要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物データ443の部屋テーブルから前記建物ID、フロア数、部屋に該当する部屋名称を取得し、通信部420を用いて端末装置200に配信する。建物ID、フロア数、部屋番号の組が複数存在する場合があり、端末装置200は一つの建物ID、フロア数、部屋番号の組を選択する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物ID、フロア数、部屋番号の組に該当する部屋形状をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、部屋テーブルから前記建物ID、フロア数、部屋番号に該当する部屋形状を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に部屋形状を配信する。端末装置200は、地図表示部263を用いて部屋形状から部屋構造を表示する。また、経路案内画面に前記部屋名称を表示する。
【0061】
図23に、経路地図の建物表示のシーケンス図を示す。本図の処理は、実施例1の図17の処理に対応する。まず、端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、施設IDに該当する建物IDとフロア数をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物・施設対応データ445のフロア・施設対応テーブルから施設IDに対応する建物IDとフロア数を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、前記建物IDとフロア数の組が複数存在する場合があるため、建物IDとフロア数の組を一つ選択する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物IDに該当するノードIDをサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、構造物・ノード対応データ446の構造物・ノード対応テーブルから、前記建物IDに該当するノードIDを取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、図17の場合と同様に、ノードIDの中から一つを始点ノードに選択する。始点ノードは、建物出入口ノードになる。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、建物IDとフロア数に該当するノードIDをサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、構造物・ノード対応テーブルから、前記建物IDとフロア数に対応するノードIDを取得し、端末装置200に配信する。端末装置200は、前記ノードIDの中から一つを終点ノードに選択する。終点ノードは、フロア出入口ノードになる。
【0062】
端末装置200は、経路探索要求部264を用いて、始点ノードから終点ノードまでの経路探索をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、経路探索部432を用いて、始点ノードから終点ノードまでの経路を探索し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200はデータ検索要求部262を用いて、前記建物IDに該当する建物形状をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物データ443の建物テーブルから建物形状を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、出力部230の経路案内画面に施設名称、フロア名称、建物形状、経路、フロア名称リストを画面に表示する。
【0063】
図24に、経路地図のフロア表示のシーケンス図を示す。本図の処理は、実施例1の図18の処理に対応する。まず、端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、施設IDに該当する建物ID、フロア数、部屋番号をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物・施設対応データ445の部屋・施設対応テーブルから前記施設IDに対応する建物ID、フロア数、部屋番号を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、建物ID、フロア数、部屋番号の組が複数存在する場合があるため、その組を一つ選択する。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物IDとフロア数の組に該当するノードIDをサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、構造物・ノード対応データ446の構造物・ノード対応テーブルから、前記建物IDとフロア数の組に該当するノードIDを取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、図18の場合と同様に、ノードIDの中から一つを始点ノードに選択する。始点ノードは、フロア出入口ノードになる。端末装置200は、データ検索要求部262を用いて、前記建物ID、フロア数、部屋番号に該当するノードIDをサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、構造物・ノード対応テーブルから、前記建物ID、フロア数、部屋番号に対応するノードIDを取得し、端末装置200に配信する。端末装置200は、前記ノードIDの中から一つを終点ノードに選択する。終点ノードは、部屋出入口ノードになる。
【0064】
端末装置200は、経路探索要求部264を用いて、始点ノードから終点ノードまでの経路探索をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、経路探索部432を用いて、始点ノードから終点ノードまでの経路を探索し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200はデータ検索要求部262を用いて、前記建物IDとフロア数の組に該当するフロア形状をサーバ装置400に要求する。サーバ装置400は、データ検索部431を用いて、構造物データ443の建物テーブルからフロア形状を取得し、通信部420を用いて、端末装置200に配信する。端末装置200は、出力部230の経路案内画面に施設名称、フロア名称、部屋名称、フロア形状、経路、部屋名称リストを表示する。
【0065】
以上の二つの実施例では、スタンドアロン型とサーバ/クライアント型のシステム構成を説明した。その他に、サーバ/クライアント型において、サーバ装置が地図データの大半を保持するが、端末装置が一部の地図データを保持する場合もある。そのような場合でも、本発明と同等の機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0066】
100 端末装置
120 入力部
130 出力部
140 測位部
150 主記憶装置
151 経路案内画面制御部
152 データ検索部
153 地図表示部
154 経路探索部
155 経路表示部
160 外部記憶装置
161 屋外地図データ
162 施設データ
163 構造物データ
164 ネットワークデータ
165 構造物・施設対応データ
166 構造物・ノード対応データ
200 端末装置
210 処理部
220 入力部
230 出力部
240 測位部
250 通信部
260 主記憶装置
261 経路案内画面制御部
262 データ検索要求部
263 地図表示部
264 経路探索要求部
265 経路表示部
300 ネットワーク
400 サーバ装置
410 処理部
420 通信部
430 主記憶装置
431 データ検索部
432 経路検索部
440 外部記憶装置
441 屋外地図データ
442 施設データ
443 構造物データ
444 ネットワークデータ
445 構造物・施設データ
446 構造物・ノード対応データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地に施設又は施設の集合を設定するための入力部と、
経路案内画面を表示する出力部と、
自身の位置を測定する測位部と、
屋外空間の形状を示す屋外地図データ、出発地や目的地に設定する施設を含む施設データ、構造物の屋内空間を表現する構造物データ、経路探索に必要なノードとノード間のリンク情報を含むネットワークデータ、構造物と施設の対応関係を含む構造物・施設対応データ、及び、構造物とノードの対応関係を含む構造物・ノード対応データを格納した記憶部と、
前記記憶部に格納されたデータを検索するデータ検索部と、
前記経路案内画面に地図を表示する地図表示部と、
前記入力部から入力された出発地から目的地までの経路探索を行う経路探索部と、
前記経路探索部で求めた経路を前記経路案内画面に表示する経路表示部と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記施設データは、類似の商品やサービスを提供する施設を種別ごとかつ階層的に表現する施設構成データを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記構造物データは、建物、フロア、部屋の単位に階層的に屋内空間を表現するデータを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記ネットワークデータは、前記ノードの種別として、建物の出入口を示す建物出入口ノード、フロアの出入口を示すフロア出入口ノード、部屋の出入口を示す部屋出入口ノードを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記地図表示部は、屋外地図、建物構造を背景に施設の位置を示す地図、又は、フロア構造を背景に施設の位置を示す地図を選択的に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記経路表示部は、屋外地図を背景に目的地の施設を含む建物までの経路、建物構造を背景に目的地の施設が対応する建物出入口からフロア出入口までの経路、又は、フロア構造を背景に目的地の施設が対応するフロア出入口から部屋出入口までの経路を選択的に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
通信部と、
屋外空間の形状を示す屋外地図データ、類似の商品やサービスを提供する施設を種別ごとかつ階層的に表現する施設構成データを含む施設データ、構造物の屋内空間を表現する構造物データ、経路探索に必要なノードとノード間のリンク情報を含むネットワークデータ、構造物と施設の対応関係を含む構造物・施設対応データ、及び、構造物とノードの対応関係を含む構造物・ノード対応データを格納した記憶部と、
前記記憶部のデータを検索するデータ検索部と、
任意の二点間の経路探索を行う経路探索部とを有し、
端末からのデータ検索要求に応じて前記データ検索部による検索結果を前記通信部から要求端末に配信し、
端末からの経路探索要求に応じて前記経路検索部によって検索されたノード及び経路を前記通信部から要求端末に配信することを特徴とするナビゲーションサーバ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のナビゲーションサーバ装置において、
前記構造物データには、建物、フロア、部屋の単位に階層的に屋内空間を表現するデータが含まれ、
端末から所定の建物の形状の検索要求があったとき、前記データ検索部は前記構造物データから該当建物の形状を検索し、検索結果を前記通信部から前記端末に配信し、
端末から所定の建物の所定のフロアの形状の検索要求があったとき、前記データ検索部は前記構造物データから該当建物の該当フロアの形状を検索し、検索結果を前記通信部から前記端末に配信し、
端末から所定の建物の所定のフロアの所定の部屋の形状の検索要求があったとき、前記データ検索部は前記構造物データから該当建物の該当フロアの該当部屋の形状を検索し、検索結果を前記通信部から前記端末に配信することを特徴とするナビゲーションサーバ装置。
【請求項9】
請求項7に記載のナビゲーションサーバ装置において、
前記ネットワークデータには、前記ノードの種別として、建物の出入口を示す建物出入口ノード、フロアの出入口を示すフロア出入口ノード、部屋の出入口を示す部屋出入口ノードが含まれ、
端末からの経路探索要求に応じて、指定された始点ノードから指定された建物出入口ノードまでの経路、指定された始点ノードから指定されたフロア出入口ノードまでの経路、指定された始点ノードから指定された部屋出入口ノードまでの経路を検索し、検索結果を前記通信部から前記端末に配信することを特徴とするナビゲーションサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−145164(P2011−145164A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5950(P2010−5950)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、ユビキタス・プラットフォーム技術の研究開発 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】