説明

ナビゲーション装置

【課題】
アクセサリモードの無い車両において、ナビゲーション装置の電源のオン・オフを低コストで実現する。
【解決手段】
本発明は、地図情報を記憶する記憶部と、GPS信号を受信し車両の現在位置を検出する位置検出部と、地図情報と現在位置を表示する表示部とを有するナビゲーション装置を提供する。位置検出部は、車両の移動の有無を検出し、制御部に移動信号を供給し、制御部は、移動信号に基づいて電源状態を起動状態とし、移動信号の供給の停止に基づいて電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置の起動制御に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路および通信技術の進歩により、種々の機器の電子化が急速に進行している。主要交通手段の1つである自動車も例外ではなく、オーディオ装置および移動無線通信装置等と共にナビゲーション装置が搭載されたものも希ではない。
【0003】
ナビゲーション装置は、軌道上にある複数の通信衛星からの無線信号を受信して現在位置を確定するGPS(Global Positioning System)システムおよびCD(Compact Disc)等の道路情報記録媒体に記録された地図情報を利用している。このナビゲーション装置は、車両の現在位置、走行方向および速度等の情報を得て、これら情報を表示装置に表示し、映像および音声によりドライバーを目的地へ案内する。また、道路の通行止め、交通渋滞又は事故等の場合には、必要に応じて迂回路等の情報を提供する。
【0004】
このようなナビゲーション装置は、車両のイグニッションキースイッチがアクセサリモードに切り換えられることによって、自動で電源を投入することができる。また、車両のキースイッチがアクセサリモードから切り換えられることによって自動で電源の切断を行う。
【0005】
しかし、欧州車などのアクセサリモードのない車両においては、通常、ナビゲーション装置に対する電源の投入を自動的に行うことができない。そこで、アクセサリモードを生成するアクセサリスイッチを設置したり、CAN(Car Area Network)通信を、アクセサリモードに入ったときに生成されるアクセサリ信号に変換するCAN変換ボックスを設置したりしていた。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、利用者の手動操作によってオン・オフが切り換え可能なアクセサリスイッチを設けるものである。
【特許文献1】特開2002−308054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、アクセサリスイッチを別途設ける場合は、車両メーカーは、オーディオやナビゲーション装置用のアクセサリスイッチを設置するための追加の作業工数が必要とする。また、この方法ではドライバーがアクセサリスイッチのオン・オフを行う必要があった。
【0008】
また、CAN変換ボックスを設けアクセサリ信号を生成し、ナビゲーション装置に入力する方法では、ドライバーのオン・オフを行う手間は無いが、コストが高くなった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、アクセサリモードの無い車両において、ナビゲーション装置の電源の自動切り換えを低コストで実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第一の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有するナビゲーション装置であって、前記位置検出部は、前記車両の移動の有無を検出し、前記制御部に移動信号を供給し、前記制御部は、前記移動信号に基づいて電源状態を起動状態とし、前記移動信号の供給の停止に基づいて電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0011】
上記発明の第一の側面において、好ましい実施例では、前記位置検出部は、GPS信号の変化に基づいて前記車両の移動の検出を行うことを特徴とする。
【0012】
上記発明の第一の側面において、好ましい実施例では、前記位置検出部には、前記車両からの車速信号が入力し、前記車速信号に基づいて前記車両の移動の検出が行われることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第二の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有するナビゲーション装置であって、さらに、前記車両の方向を検出するジャイロを有し、前記制御部は、前記ジャイロからの振動信号の供給を受け電源状態を起動状態とし、前記ジャイロからの前記振動信号の供給の停止を受け電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第三の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部を有するナビゲーション装置であって、前記制御部は、カードの脱着によって電源の切入を制御する自動料金収受端末に接続され、前記自動料金収受端末への前記カードの挿入を受け電源状態を起動状態とし、前記自動料金収受端末からの前記カードの離脱を受け電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第四の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部を有するナビゲーション装置であって、さらに、目的地、もしくは、メモリ地点の設定を行う入力部を有し、前記制御部は、前記位置検出部による前記現在位置の検出に基づいて、入力された前記目的地、もしくは、前記メモリ地点への到着を検出し、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0016】
上記発明の第四の側面において、好ましい実施例では、前記目的地、及び、前記メモリ地点は、過去に設定されたことのある目的地、及び、メモリ地点を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第五の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有するナビゲーション装置であって、前記記憶部は、前記地図情報上に施設情報を有し、前記制御部は、前記位置検出部による前記現在位置の検出に基づいて、前記施設情報を有する施設への到着を検出し、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第六の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有するナビゲーション装置であって、前記制御部には、前記車両のサイドブレーキの状態を示すサイドブレーキ信号が入力し、前記サイドブレーキ信号の供給に基づいて、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第七の側面によれば、制御部と、地図情報を記憶する記憶部と、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有するナビゲーション装置であって、前記制御部には、前記車両のシフトレバーがバックギアに入る際にバックギア信号が入力し、所定の時間内における前記バックギア信号の複数回の入力に基づいて、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のナビゲーション装置は、車両からナビゲーション装置へ入力している既存信号の検知によって、アクセサリモードの無い車両においても、自動で電源のオンとオフを行うことを可能にする。これによって、専用スイッチやCAN変換BOXを設けるコストを削減することができる。
【0021】
また、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に従って本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0023】
図1は、本実施の形態におけるナビゲーション装置の構成図である。このナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置全体を制御するマイコン100、車両の方向を検知するジャイロ80、CDを再生するCDデッキ120、映像を表示するディスプレイ140、CDからの情報などを取り込み記憶するハードディスクドライブ(HDD)160、ラジオやテレビなどを受信するチューナ180、及び、ユーザーによる情報の入力を行う入力部200により構成される。本実施の形態におけるナビゲーション装置10は、ラジオやテレビ、CDプレーヤーとしての機能も有し、それらの機能を統合的に管理するものである。
【0024】
マイコン10には、アクセサリモードの際に入力するアクセサリ信号(以下ACC信号)、車両からの電源Bu、車両のサイドブレーキが引かれた状態の場合に入力するサイドブレーキ信号(以下PKB信号)、車両のタイヤの回転速度を示す車速信号(以下SPD信号)、車両のシフトレバーがバックギアに入った状態の場合に入力するバックギア信号(以下REV信号)が入力する。
【0025】
また、地球上の位置を示す人工衛星からのGPS (Global Positioning System)信号はアンテナを介してマイコン100に入力する。さらに、高速道路の料金所などに設置されたアンテナと自動車に搭載した車載端末で通信を行い、自動車を止めずに有料道路の料金支払いなどを処理するETC(Electronic Toll Collection)用の端末(以下ETC端末)20からのETC信号もマイコン100に入力する。これらの入力信号を用い、ACC信号のない車両であった場合におけるナビゲーション装置10の自動の電源切り替えを実現する。
【0026】
図2は、第一の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS1-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS1-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0027】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、GPS信号の変化がチェックされる(ステップS1-4)。GPS信号に変化があれば、車両は移動しているものと判断され、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS1-5)。GPS信号に変化がない場合は、電源はオフのままである。
【0028】
起動状態となった後も、GPS信号の変化は監視され(ステップS1-6)、変化がある場合は起動状態に保たれる(ステップS1-8)。GPS信号に変化がなくなった場合はタイマがセットされ(ステップS1-7)、一秒の経過(ステップS1-9)ごとにGPS信号が監視される(ステップS1-10)。GPS信号に変化があれば起動状態となるが(ステップS1-8)、GPS信号に変化が観測されなければ、タイマに一秒が加算され(ステップS1-11)、60秒間にわたってGPS信号に変化がなければ(ステップS1-12)、電源状態はスタンバイ状態にセットされる(ステップS1-13)。
【0029】
スタンバイ状態にセットされた後は、処理を終え、所定時間の経過後、これらの処理が行われる(ステップS1-2)。
【0030】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0031】
図3は、第二の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS2-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS2-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0032】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、SPD信号がチェックされる(ステップS2-4)。車両の速度が0以外であることを示すSPD信号が入力していれば、車両は移動しているものと判断され、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS2-5)。車両の速度が0であることを示すSPD信号が入力していれば、電源はオフのままである。
【0033】
起動状態となった後も、SPD信号は監視され(ステップS2-6)、車両の速度が0でない場合は起動状態に保たれる(ステップS2-8)。SPD信号が車両の速度が0であることを示している場合はタイマがセットされ(ステップS2-7)、一秒の経過(ステップS2-9)ごとにSPD信号が監視される(ステップS2-10)。SPD信号が車両の速度が0でないことを示していれば起動状態となるが(ステップS2-8)、SPD信号が車両の速度が0であることを示していれば、タイマに一秒が加算され(ステップS2-11)、60秒間にわたってSPD信号に変化がなければ(ステップS2-12)、電源状態はスタンバイ状態にセットされる(ステップS2-13)。
【0034】
スタンバイ状態にセットされた後は、処理を終え、所定時間の経過後、これらの処理が行われる(ステップS2-2)。
【0035】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、これによって、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0036】
図4は、第三の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS3-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS3-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0037】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、車両の方向を検知するジャイロ80からの振動信号がチェックされる(ステップS3-4)。振動信号は車両のエンジンによって引き起こされるため、エンジンの起動状態を検知する。振動信号が入力していれば、車両のエンジンは起動しているものと判断され、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS3-5)。振動信号が入力していなければ、電源はオフのままである。
【0038】
起動状態となった後も、振動信号は監視され(ステップS3-6)、振動が検知される場合は起動状態に保たれる(ステップS3-8)。振動信号が停止した場合はタイマがセットされ(ステップS3-7)、一秒の経過(ステップS3-9)ごとに振動信号が監視される(ステップS3-10)。振動信号が再び入力すれば起動状態となるが(ステップS3-8)、振動信号が入力しなければタイマに一秒が加算され(ステップS3-11)、60秒間にわたって振動信号が入力しなければ(ステップS3-12)、電源状態はスタンバイ状態にセットされる(ステップS3-13)。
【0039】
スタンバイ状態にセットされた後は、処理を終え、所定時間の経過後、これらの処理が行われる(ステップS3-2)。
【0040】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、これによって、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0041】
図5は、第四の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS4-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS4-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0042】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、ETC端末20のカードの脱着状態を示すETC信号がチェックされる(ステップS4-4)。ETC端末はドライバーが所有するカードがセットされた場合に動作し、マイコン100に対してETC信号を供給する。ETC信号が入力していれば、ETC端末に対してカードがセットされドライバーが運転状態、もしくは、運転準備状態にあると判断される。そこで、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS4-6)。ETC信号が入力していなければ、ETC端末からカードが離脱し、ドライバーに運転の意思がないと判断される。そこで、ナビゲーション装置10には電源Buが供給されず、スタンバイ状態となる(ステップS4-5)。
【0043】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、これによって、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0044】
図6は、第五の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS5-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS5-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0045】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、SPD信号がチェックされる(ステップS5-4)。車両の速度が0以外であることを示すSPD信号が入力していれば、車両は移動しているものと判断され、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS5-5)。車両の速度が0であることを示すSPD信号が入力していれば、電源はオフのままである。
【0046】
起動状態となった後も、SPD信号は監視され(ステップS5-6)、車両の速度が0でない場合は起動状態に保たれる(ステップS5-8)。SPD信号が車両の速度が0であることを示している場合は、車両の停止位置がナビゲーション装置10に設定された目的地やメモリ地点であるかのチェックが行われる(ステップS5-7)。この場合、目的地やメモリ地点は、過去に設定されたものを含む。また、車両の停車位置が、ナビゲーション装置10がHDD160に有する地図情報上に登録されている、ガソリンスタンド、駐車場、コンビニエンスストア、レストランなどの施設であるかどうかのチェックも行われる。車両の停車位置が、これらの地点でなければ、ナビゲーション装置10は起動状態に保たれる(ステップS5-8)。
【0047】
車両の停車位置がこれらの地点に当てはまる場合は、タイマがセットされ(ステップS5-9)、一秒の経過(ステップS5-10)ごとにSPD信号が監視される(ステップS5-11)。SPD信号が車両の速度が0でないことを示していれば起動状態となるが(ステップS5-8)、SPD信号が車両の速度が0であることを示していれば、タイマに一秒が加算され(ステップS5-12)、60秒間にわたってSPD信号に変化がなければ(ステップS5-13)、電源状態はスタンバイ状態にセットされる(ステップS5-14)。
【0048】
スタンバイ状態にセットされた後は、処理を終え、所定時間の経過後、これらの処理が行われる(ステップS5-2)。
【0049】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、これによって、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0050】
尚、本実施の形態では、停車の確認をSPD信号を用いて行ったが、PKB信号、GPS信号、及び、振動信号を用いても構わない。
【0051】
図7は、第六の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS6-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS6-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0052】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、車両のサイドブレーキが引かれた状態の場合に入力するPKB信号がチェックされる(ステップS6-4)。そこで、PKB信号が入力していなければ、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS6-5)。PKB信号が入力していれば、ナビゲーション装置10には電源Buが供給されず、スタンバイ状態となる(ステップS6-6)。
【0053】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、これによって、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0054】
図8は、第七の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。この処理はマイコン100によりナビゲーション装置10の非動作時に繰り返し実行される。先ず、ナビゲーション装置10に対してACC信号の入力があるかどうかの判定が行われる(ステップS7-2)。ACC信号としてHIGH状態がマイコン100に対して入力すれば、以後、ACC信号に基づいてナビゲーション装置10の電源のオン・オフが制御され(ステップS7-3)、処理を終える。つまり、ACC信号がLOW状態のままであれば、以後、ACC信号の無い車両として制御される。ACCオフであっても、ACC信号の無い車両と同様の処理になるが、ナビゲーション装置10の起動はACC信号により、あるいは、GPS信号による走行検出により行われるため、起動動作としては問題はない。
【0055】
ACC信号の無い車両と判断された場合、本実施の形態においては、GPS信号の変化がチェックされる(ステップS7-4)。GPS信号が変化していれば、車両は移動しているものと判断され、ナビゲーション装置10には電源Buが供給され、起動状態となる(ステップS7-5)。GPS信号が変化していなければ、車両は移動していないものと判断され、電源はオフのままである。
【0056】
起動状態となった後は、車両のシフトレバーがバックギアに入った状態の場合に入力するREV信号が監視される(ステップS7-6)。20秒の間にREV信号のLOW状態からHIGH状態への切り換わりが複数回検出されれば、車両は停車されつつあると判断され、タイマがセットされる(ステップS7-7)。逆に、10秒の間にREV信号のLOW状態からHIGH状態への切り換わりが複数回検出されなければ、ナビゲーション装置10は起動状態に保たれる(ステップS7-8)。
【0057】
タイマがセットされた後、一秒の経過(ステップS7-9)ごとにGPS信号が監視される(ステップS7-10)。GPS信号に変化があれば、車両は移動していると判断されナビゲーション装置10は起動状態となるが(ステップS7-8)、GPS信号に変化がなければ、タイマに一秒が加算され(ステップS7-11)、60秒間にわたってGPS信号に変化がなければ(ステップS7-12)、電源状態はスタンバイ状態にセットされる(ステップS7-13)。
【0058】
スタンバイ状態にセットされた後は、処理を終え、所定時間の経過後、これらの処理が行われる(ステップS7-2)。
【0059】
このようにして、ACC信号を用いることなく、ナビゲーション装置10の電源の制御を行い、ユーザーのオン・オフの手間を省くことができる。また、これによって、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。
【0060】
尚、本実施の形態では、車両の移動の確認をGPS信号を用いて行ったが、PKB信号、及び、振動信号を用いても構わない。
【0061】
また、以上に記載された複数の実施の形態を組み合わせ、車両の移動と停止の確認に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施の形態におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図2】第一の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【図3】第二の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【図4】第三の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【図5】第四の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【図6】第五の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【図7】第六の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【図8】第七の実施形態におけるナビゲーション装置のフローチャートである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によると、車両からナビゲーション装置へ入力している既存信号の検知によって、アクセサリモードの無い車両においても、自動でナビゲーション装置の電源のオンとオフを行うことを可能にする。これによって、専用スイッチやCAN変換BOXを設けるコストを削減することができる。また、ユーザーが電源の操作を忘れてバッテリーの電力を浪費することを防ぐことも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有し、
前記位置検出部は、前記車両の移動の有無を検出し、前記制御部に移動信号を供給し、
前記制御部は、前記移動信号に基づいて電源状態を起動状態とし、前記移動信号の供給の停止に基づいて電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記位置検出部は、GPS信号の変化に基づいて前記車両の移動の検出を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記位置検出部には、前記車両からの車速信号が入力し、前記車速信号に基づいて前記車両の移動の検出が行われることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有し、
さらに、前記車両の方向を検出するジャイロを有し、
前記制御部は、前記ジャイロからの振動信号の供給を受け電源状態を起動状態とし、前記ジャイロからの前記振動信号の供給の停止を受け電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部を有し、
前記制御部は、カードの脱着によって電源の切入を制御する自動料金収受端末に接続され、前記自動料金収受端末への前記カードの挿入を受け電源状態を起動状態とし、前記自動料金収受端末からの前記カードの離脱を受け電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部を有し、
さらに、目的地、もしくは、メモリ地点の設定を行う入力部を有し、
前記制御部は、前記位置検出部による前記現在位置の検出に基づいて、入力された前記目的地、もしくは、前記メモリ地点への到着を検出し、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記目的地、及び、前記メモリ地点は、過去に設定されたことのある目的地、及び、メモリ地点を含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有し、
前記記憶部は、前記地図情報上に施設情報を有し、
前記制御部は、前記位置検出部による前記現在位置の検出に基づいて、前記施設情報を有する施設への到着を検出し、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有し、
前記制御部には、前記車両のサイドブレーキの状態を示すサイドブレーキ信号が入力し、前記サイドブレーキ信号の供給に基づいて、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
制御部と、
地図情報を記憶する記憶部と、
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記地図情報と前記現在位置を表示する表示部とを有し、
前記制御部には、前記車両のシフトレバーがバックギアに入る際にバックギア信号が入力し、所定の時間内における前記バックギア信号の複数回の入力に基づいて、電源状態をスタンバイ状態とすることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−292684(P2006−292684A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117426(P2005−117426)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】