説明

ナビゲーション装置

【課題】 経路案内が必要なときに自動で経路案内画面を表示し、経路案内が不要なときに自動で経路案内画面を表示しないようにする。
【解決手段】 走行中の道路の自車の過去の通行回数に基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定し(S202)、走行中の道路が不馴れな道路と判定された場合、経路案内を行い(S300)、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定された場合、経路案内を行わないように制御する(S302)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置は、ユーザの操作によって目的地が設定されると、この目的地までの案内経路を設定し、設定した案内経路と自車位置マークを地図上に表示して経路案内する経路案内機能を備えている。
【0003】
このような経路案内の画面表示は、走行中の道路の利用頻度が低い場合には必要であるが、走行中の道路の利用頻度が高い場合には不要となる場合が多い。
【0004】
なお、ナビゲーション装置には、車両の走行に伴って変化する自車位置を算出し、表示画面の地図上に自車位置マークとともに自車の走行軌跡を表示する地図表示機能が備えられており、このような走行軌跡を表示する装置として、ユーザによるキーボードの中断キーの操作によって走行軌跡表示の中断が指示されると、自車の走行位置を求める演算をしながら表示画面の走行軌跡の表示を固定表示し、ユーザによるキーボードのトレースキーの操作によって走行軌跡表示の中断解除が指示されると、自車の走行軌跡の表示を現在走行位置から再開させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】昭58−70123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の装置は、走行中の道路の利用頻度に関わらず走行軌跡表示の画面が表示されるので、不慣れな経路を走行する場合でも慣れた経路を走行する場合でも走行軌跡表示の画面が表示される。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、経路案内が必要なときに自動で経路案内画面を表示し、経路案内が不要なときに自動で経路案内画面を表示しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、走行中の道路の利用頻度に基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する第1の判定手段を備え、経路案内制御手段は、第1の判定手段によって走行中の道路が不馴れな道路と判定された場合、経路案内を行い、第1の判定手段によって走行中の道路が不馴れな道路でないと判定された場合、経路案内を行わないように制御する。
【0008】
この発明によれば、不馴れな道路を走行する場合には経路案内が行われ、馴れた経路を走行する場合には経路案内が行われないので、経路案内が必要なときに自動で経路案内画面を表示し、経路案内が不要なときに自動で経路案内画面を表示しないようにすることができる。
【0009】
また、走行中の道路の利用頻度に基づく走行中の道路が不馴れな道路か否かの判定は、請求項2に記載の発明のように、走行中の道路の自車の過去の通行回数に基づいて行うことができ、また、請求項6に記載の発明のように前記走行中の道路が迂回経路であるか否かに基づいて行うことができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、自車周辺が明るいか暗いかを判定し、自車周辺が明るいと判定した場合には走行中の道路の自車の過去の昼間の通行回数に基づいて前記走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定し、自車周辺が暗いと判定された場合には前記走行中の道路の自車の過去の夜間の通行回数に基づいて前記走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する。
【0011】
車両を運転する際に、自車周辺が明るい場合と暗い場合とでは周囲状況の見え方が大きく異なるが、このように自車周辺が明るいと判定した場合には過去の昼間の通行回数、自車周辺が暗いと判定した場合には過去の夜間の通行回数に基づいて前記走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定するので、自車周辺が明るい場合と暗い場合とで別々に経路案内の画面の表示、中断の切り替えを行うことができる。
【0012】
また、自車周辺が明るいか暗いかの判定は、請求項4に記載の発明のように、日の出時刻、日の入り時刻に基づく昼間か夜間かの判定により行うことができ、また、請求項5に記載の発明のように、車両前方を照明する照明灯具が点灯中か否かに基づいて判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を図1に示す。図に示すように、ナビゲーション装置1は、位置検出器11、地図データ入力器16、操作スイッチ群17、外部メモリ19、表示装置20、音声出力装置21、リモコンセンサ22およびこれらに接続された制御回路18を備えている。
【0014】
位置検出器11は、地磁気センサ12、ジャイロスコープ13、距離センサ14およびGPS受信機15を有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路18に出力する。
【0015】
地図データ入力器16は、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、各種施設アイコン、地図等を含む各種地図データを入力するための装置である。なお、地図データ入力器16から入力される地図データを記憶する記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROM、DVDまたはハードディスクドライブなどを用いるのが一般的であるが、メモリカードなど他の媒体を用いてもよい。
【0016】
操作スイッチ群17は、表示装置20の表示画面の周囲に設けられた複数の押しボタンスイッチ(メカニカルスイッチ)、当該表示画面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置からなり、ユーザによる押しボタンスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路18に出力する。
【0017】
外部メモリ19は、制御回路18の内部とは別に設けられる記憶部で、不揮発性の記憶媒体によって構成され、各種のデータやプログラムなどが記憶される。この外部メモリ19に記憶されるデータには、自車の過去の走行軌跡が集積された走行軌跡集積データが含まれる。
【0018】
表示装置20は、液晶ディスプレイ等の表示画面を有し、制御回路18からの映像信号に応じて液晶ディプレイ等の表示画面に当該映像を表示させる。
【0019】
音声出力装置21は、スピーカを有し、制御回路18からの音声信号に応じてスピーカに当該音声を出力させる。
【0020】
リモコンセンサ22は、ユーザの操作に基づいて赤外線等による無線信号を送信するリモコン23から受信した信号を制御回路18へ出力する。
【0021】
制御回路18は、コンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。制御回路18は、地図データ入力器16、操作スイッチ群17、外部メモリ19、表示装置20、音声出力装置21およびリモコンセンサ22と各種信号の授受を行い、各種処理を実行する。
【0022】
制御回路18の処理としては、自車位置算出処理、走行軌跡記憶処理等がある。
【0023】
自車位置算出処理は、位置検出器11からの信号に基づき、マップマッチング等の技術を用いて周期的に自車位置や向きを算出する処理である。
【0024】
走行軌跡記憶処理は、自車の走行軌跡を外部メモリ19に走行軌跡集積データとして記憶する処理である。なお、走行軌跡は、図2に示すように、走行座標(Xn、Yn)、リンク番号(Ln)、記憶日時を含む情報として記憶される。外部メモリ19には、このような走行軌跡が走行軌跡集積データとして蓄積される。
【0025】
次に、ナビゲーション装置1の概略作動について説明する。ナビゲーション装置1は、バッテリからイグニッションスイッチを介して電源が供給されると作動を開始し、制御回路18は、外部メモリ19に記憶されたプログラムを読み出してナビゲーションのための各種処理を実行し、表示装置20の表示画面に、自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねた画像を表示させる。
【0026】
本実施形態における制御回路18は、走行中の道路の自車の過去の通行回数に基づいて走行中の道路が不慣れな経路か否かを判定し、この判定結果に応じて経路案内の画面の表示、中断の切り替えを自動で行うようになっている。
【0027】
以下、図3を参照して、制御回路18による経路案内処理について説明する。なお、制御回路18は、上記したナビゲーションのための各種処理と並行して図3に示す処理を実行する。
【0028】
まず、目的地の設定を行う。具体的には、操作スイッチ群17またはリモコンセンサ22からユーザによる目的地の入力を受け付け、目的地としてメモリに記憶する(S100)。
【0029】
次に、経路案内のための演算を行う。具体的には、自車位置算出処理によって算出された自車位置を取得するとともに地図データ入力器16から地図データを読み出して、自車位置からメモリに記憶された目的地に至る案内経路を探索し、探索した案内経路と自車位置マークを地図上に重ねた案内画像データを生成するとともに、案内交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声データを生成する(S102)。
【0030】
次に、外部メモリ16の走行軌跡集積データから走行中の道路の自車の過去の通行回数を取得する。具体的には、自車位置と地図データから走行中の道路のリンク番号を特定するとともに、特定した走行中の道路のリンク番号を含む自車の過去の走行軌跡を走行軌跡集積データから読み出して自車の過去の通行回数を求める(S104)。
【0031】
次に、走行中の道路の自車の過去の通行回数が基準回数未満か否かに基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する。
【0032】
ここで、走行中の道路の自車の過去の通行回数が基準回数(例えば、5回)未満の場合、走行中の道路が不馴れな道路と判定(S202でYESと判定)し、次に、経路案内の画面表示と音声案内を実施する。具体的には、S102において生成した案内画像データを表示装置20へ出力して表示装置20に経路案内の画面を表示させるとともに、S102において生成した音声案内データを右折、左折等の必要時に音声出力装置21へ出力して音声出力装置21から音声案内させる(S300)。
【0033】
また、S202において、走行中の道路の自車の過去の通行回数が基準回数(例えば、5回)以上の場合、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定(S202でNOと判定)し、次に、経路案内を行わないように制御する。具体的には、S102において生成した案内画像データの表示装置20への出力を停止するとともに音声出力装置21に案内音声データを出力しないようにして、経路案内を行わないようにする(S302)。なお、表示装置20への案内画像データの出力停止により、表示装置20の表示画面は何も表示されない黒色画面となる。
【0034】
次に、S400では、自車が目的地に到着したか否かに基づいて経路案内を終了するか否かを判定する。具体的には、自車位置と目的地として設定された地点の距離を算出し、この距離が所定距離以上の場合、自車が目的地に到着していないものとしてS102の処理へ戻り、上記処理を繰り返し行い、自車位置と目的地として設定された地点の距離が所定距離未満の場合、自車が目的地に到着したものとして経路案内を終了すると判定し、本処理を終了する。
【0035】
したがって、自車が過去に基準回数(例えば、5回)以上走行したことのある道路上に自車位置が存在する場合、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定され、S202の判定はNOとなり、経路案内は行われない。
【0036】
また、自車の過去の通行回数が基準回数未満の道路に差し掛かると、走行中の道路が不馴れな道路であると判定され、S202の判定はYESとなり、経路案内が再開される。
【0037】
また、再度、自車の過去の通行回数が基準回数以上の道路に差し掛かると、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定し、S202の判定はNOとなり、経路案内が中断される(S302)。
【0038】
そして、自車が目的地に到着すると、S400の判定はYESとなり、本処理を終了する。
【0039】
上記実施形態によれば、走行中の道路の自車の過去の通行回数を取得し(S200)、走行中の道路の自車の過去の通行回数に基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定し(S202)、走行中の道路が不馴れな道路と判定(S202でYESと判定)した場合、経路案内が行われ(S300)、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定(S202でNOと判定)した場合、経路案内が行われない(S302)。
【0040】
したがって、不馴れな道路を走行する場合には経路案内が行われ、馴れた経路を走行する場合には経路案内が行われないので、経路案内が必要なときに自動で経路案内画面を表示し、経路案内が不要なときに自動で経路案内画面を表示しないようにすることができる。
【0041】
(第2実施形態)
本実施形態に係るナビゲーション装置は、図1に示した構成に対し、前照灯、車幅灯、フォグランプ等の車両前方を照明する照明灯具がそれぞれ点灯中か消灯中かを検出する検出回路(図示せず)を備えている。この検出回路によって検出された情報は、制御回路18に入力される。
【0042】
また、本実施形態における制御回路18は、ROMに記憶された暦データと実時間を計測するタイマーを用いて年、月、日、現在時刻を管理するカレンダー機能を備えている。暦データには、年、月、日等の情報とともに毎日の日の出時刻、日の入り時刻が含まれており、制御回路18は、日の出時刻、日の入り時刻と現在時刻から昼間であるか夜間であるかの判定も行う。
【0043】
第1実施形態における制御回路18は、昼夜を問わず、走行中の道路の自車の過去の走行回数が基準回数未満か否かに基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する例を示したが、運転する際に、昼間と夜間とでは周囲状況の見え方が大きく異なる。そこで、本実施形態における制御回路18は、カレンダー機能を用いて昼間か夜間かを判定し、不馴れな道路であるか否かの判定を、昼間の時間帯に走行する場合と夜間の時間帯に走行する場合とで別々に行う。
【0044】
次に、図4を参照して、本実施形態における制御回路18の経路案内処理について説明する。なお、図3示した第1実施形態における処理と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0045】
目的地の設定を行い(S100)、経路案内の演算(S102)を行った後、カレンダー機能を用い、昼間か夜間かを判定する。具体的には、暦データから当日の日の出時刻、日の入り時刻を読み出し、現在時刻が日の出時刻と日の入り時刻の間にある場合には昼間と判定し、現在時刻が日の入り時刻と日の出時刻の間にある場合には夜間と判定する(S210)。
【0046】
ここで、夜間と判定された場合、次に、走行軌跡集積データから走行中の道路の自車の過去の夜間の通行回数を取得する。具体的には、自車位置と地図データから走行中の道路のリンク番号を特定するとともに、特定した走行中の道路のリンク番号を含む自車の過去の夜間の走行軌跡を走行軌跡集積データから読み出して自車の過去の夜間の通行回数を求める(S218)。
【0047】
次に、走行中の道路の自車の過去の夜間の通行回数が基準回数(例えば、7回未満か否かに基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する(S220)。
【0048】
ここで、走行中の道路が不馴れな道路と判定(S220でYESと判定)された場合、S300へ進み、経路案内の画面を表示し、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定(S220でNOと判定)された場合、S302へ進み、経路案内の画面表示を中断する。
【0049】
また、S210において、昼間と判定された場合、次に、前照灯、車幅灯、フォグランプがそれぞれ点灯中か消灯中かを検出する検出回路からの信号により前照灯、車幅灯およびフォグランプの少なくとも1つが点灯中か否かを判定する(S212)。
【0050】
ここで、前照灯、車幅灯およびフォグランプの全てが消灯中と判定された場合、次に、走行軌跡集積データから走行中の道路の自車の過去の昼間の通行回数を取得する。具体的には、自車位置と地図データから走行中の道路のリンク番号を特定するとともに、特定した走行中の道路のリンク番号を含む自車の過去の昼間の走行軌跡を走行軌跡集積データから読み出して自車の過去の昼間の通行回数を求める(S214)。
【0051】
次に、走行中の道路の自車の過去の夜間の通行回数が基準回数(例えば、3回未満か否かに基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する(S216)。
【0052】
ここで、走行中の道路が不馴れな道路と判定(S216でYESと判定)された場合、S300へ進み、経路案内の画面を表示し、走行中の道路が不馴れな道路でないと判定(S216でNOと判定)された場合、S302へ進み、表示装置20への経路案内の画面表示を中断する。
【0053】
また、S212において、前照灯、車幅灯およびフォグランプの少なくとも1つが点灯中と判定された場合、S212の判定はYESとなり、S218の処理へ進む。このように、前照灯、車幅灯およびフォグランプの少なくとも1つが点灯中の場合、曇り、雨天、霧等により車両周辺が暗くなっていると推定されるため、昼間であっても、S210で夜間と判定された場合と同様にS218の処理へ進む。
【0054】
したがって、夜間走行時において、自車の過去の夜間の通行回数が基準回数(例えば、7回)以上の道路上に自車位置が存在する場合、走行中の道路は不馴れな道路でないと判定され、S220の判定はNOとなり、経路案内は行われない(S302)。
【0055】
そして、自車の過去の夜間の通行回数が基準回数(例えば、7回)未満の道路に差し掛かると、走行中の道路は不馴れな道路と判定され、S220の判定はYESとなり、経路案内が再開される(S300)。更に、再度、自車の過去の夜間の通行回数が基準回数(例えば、7回)以上の道路に差し掛かると、走行中の道路は不馴れな道路でないと判定され、S220の判定はNOとなり、経路案内が中断される(S302)。
【0056】
また、昼間走行時であっても、前照灯、車幅灯、フォグランプの少なくとも1つが点灯中の場合には、S212でYESと判定され、上記した夜間走行時と同様の動作となる。
【0057】
また、昼間走行時で、自車の過去の昼間の通行回数が基準回数(例えば、3回)以上の道路上に自車位置が存在する場合、走行中の道路は不馴れな道路でないと判定され、S216の判定はNOとなり、経路案内を行わない(S302)。
【0058】
そして、自車の過去の昼間の通行回数が基準回数(例えば、3回)未満の道路に差し掛かると、走行中の道路は不馴れな道路と判定され、S216の判定はYESとなり、経路案内が再開される(S300)。
【0059】
更に、再度、自車の過去の昼間の通行回数が基準回数(例えば、3回)以上の道路に差し掛かると、走行中の道路は不馴れな道路でないと判定され、S216の判定はNOとなり、経路案内が中断される(S302)。
【0060】
上記実施形態によれば、昼間か夜間かを判定し(S210)、昼間と判定された場合には、走行中の道路の自車の過去の昼間の通行回数が第1の基準回数(例えば、3回)未満か否かに基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定し、夜間と判定された場合には、走行中の道路の自車の過去の夜間の通行回数が第2の基準回数(例えば、7回)未満か否かに基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する。
【0061】
このように、昼間の時間帯に走行する場合と夜間の時間帯に走行する場合とで別々に不馴れな道路であるか否かの判定を行い、経路案内の画面表示の中断、再開を自動で行うことができる。
【0062】
(第3実施形態)
本実施形態に係るナビゲーション装置1は、図1に示したナビゲーション装置1に対して、更に、外部とのデータの送信、受信を行うためのもので、VICS(Vehicle Information and Commuinication System)による事故情報、渋滞情報を受信するための通信インタフェース(図示せず)を備えている。
【0063】
本実施形態における制御回路18は、この通信インタフェースを介して渋滞情報を受信すると、自動的に目的地までの迂回経路を再探索する経路再探索機能を備え、この経路再探索機能によって迂回経路を再探索し、自車が迂回経路に差し掛かると、再探索した迂回経路に従って経路案内を行う。
【0064】
このように、経路再探索機能によって迂回経路が再探索される場合、再探索される迂回経路は、利用頻度の低い不馴れな道路となる可能性が高い。そこで、制御回路18は、走行中の道路がこの迂回経路再探索機能によって再探索された迂回経路であるか否かに基づいて走行中の道路の利用頻度が低いか否かを判定し、走行中の道路が迂回経路である場合、走行中の道路が不慣れな経路と判定する。
【0065】
したがって、自車が迂回経路を走行する場合、表示装置20へ経路案内の画面を表示させることができる。
【0066】
(他の実施形態)
上記実施形態では、S302の処理において、経路案内を行わないように、表示装置20への案内画像データの出力を停止し、表示装置20の画面は非表示となり、表示装置20の画面は何も表示されない黒色画面となる例を示したが、この画面は一例であり、表示装置20へ案内画像データ以外の画像データを出力して、例えば、表示装置20が何も表示されない青色画面となるようにさせたり、表示装置20に案内表示が中断中である旨をメッセージ表示させたり、地図上に現在位置マークを重ねた現在位置表示画面を表示させたり、ユーザが予め設定した他の画面を表示させてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、S302の処理において、案内画像データの表示装置20への出力を停止するとともに案内音声データを音声出力装置21へ出力させないようにして経路案内を行わないようにする例を示したが、表示装置20への経路案内の表示のみを行わないようにしてもよい。
【0068】
第3実施形態において、通信インタフェースを介してVICSによる事故情報および渋滞情報を受信し、これらの事故情報および渋滞情報の受信に応じて自動的に迂回経路を再探索し、走行中の道路が迂回経路であると判定した場合、走行中の道路を不馴れな道路と判定する例を示したが、通信インタフェースを利用して無線通信回線を介して接続された情報センタから最新の地図データを取得して地図データの更新ができるように構成し、地図データの更新により、走行中の道路が新設された道路であると判定した場合、走行中の道路を不馴れな道路として判定してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、走行中の道路の過去の走行回数に基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する例を示したが、所定期間(例えば、5年間)以上経過した過去の走行軌跡については過去の走行回数から除外して、走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定するようにしてもよい。
【0070】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S202、S216、S220の処理が第1の判定手段に相当し、S300の処理が経路案内表示手段に相当し、S302の処理が経路案内表示中断手段に相当し、S210、S212の処理が第2の判定手段に相当し、S210の処理が第3の判定手段に相当し、S212の処理が第4の判定手段に相当し、通信インタフェースを介して事故情報、渋滞情報を取得する手段が情報取得手段に相当し、渋滞情報の取得に応じて目的地までの迂回経路を再探索する処理が迂回経路再探索手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】走行軌跡集積データの説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の制御回路による経路案内処理を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るナビゲーション装置の制御回路による経路案内処理を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1…ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…地磁気センサ、
13…ジャイロスコープ、14…距離センサ、15…GPS受信機、
16…地図データ入力器、17…操作スイッチ群、18…制御回路、19…外部メモリ、
20…表示装置、21…音声出力装置、22…リモコンセンサ、23…リモコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路案内を行う経路案内手段と、
走行中の道路の利用頻度に基づいて走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段によって前記走行中の道路が不馴れな道路と判定された場合、前記経路案内手段により経路案内を行い、前記第1の判定手段によって前記走行中の道路が不馴れな道路でないと判定された場合、前記経路案内手段による経路案内を行わないように制御する経路案内制御手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行中の道路の自車の過去の通行回数を取得する通行回数取得手段を備え、
前記第1の判定手段は、前記通行回数取得手段によって取得された前記走行中の道路の自車の過去の通行回数に基づいて前記走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
自車周辺が明るいか暗いかを判定する第2の判定手段を備え、
前記第1の判定手段は、前記第2の判定手段によって前記自車周辺が明るいと判定された場合、前記走行中の道路の自車の過去の昼間の通行回数が第1の基準回数未満か否かに基づいて前記走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定し、前記第2の判定手段によって前記自車周辺が暗いと判定された場合、前記走行中の道路の自車の過去の夜間の通行回数が第1の基準回数未満か否かに基づいて前記走行中の道路が不馴れな道路か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記第2の判定手段は、前記自車周辺が明るいか暗いかを判定するために、日の出時刻、日の入り時刻に基づいて昼間か夜間かを判定する第3の判定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記第2の判定手段は、前記前記自車周辺が明るいか暗いかを判定するために、車両前方を照明する照明灯具が点灯中か否かを判定する第4の判定手段を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
事故情報および/または渋滞情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段による前記事故情報および/または渋滞情報の取得に応じて前記目的地までの迂回経路を再探索する迂回経路再探索手段と、を備え、
前記第1の判定手段は、前記走行中の道路が前記迂回経路再探索手段によって再探索された前記迂回経路である場合、前記走行中の道路が不馴れな道路と判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−313085(P2006−313085A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135102(P2005−135102)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】