説明

ナビゲーション装置

【課題】案内情報の即時性の要否をより適切に判断するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】案内を表す案内情報および利用者に鑑賞させる鑑賞情報を、音声出力装置に音声出力させる制御手段を備え、制御手段が、即時性を要する案内情報を鑑賞情報に優先して即時に音声出力装置に音声出力させ、即時性を要さない案内情報を鑑賞情報の区切りに音声出力装置に音声出力させるナビゲーション装置において、制御手段は、利用者の運転状況に基づいて、案内情報の即時性の要否を判断する(S31〜S36)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内情報を音声出力装置に出力させるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置は、案内情報が生成されたときに楽曲が再生中であった場合に、案内情報の緊急度と再生中の楽曲中の楽句の種類との少なくとも一方に応じて、案内情報を示す音声案内オーディオ信号を楽曲オーディオ信号に優先して出力し、音声案内によって音楽聴取が妨げられることによる利用者の不快感を低減していた。
【0003】
また、この従来のナビゲーション装置は、案内情報の緊急度と楽曲の楽句の種類との間に出力の優先順位を設定し、現在時刻が夜間である場合、または、自宅から車両の現在位置までの距離が所定距離以上である場合には、案内情報を優先するよう優先順位を変更して利用者の不安感を低減していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−172450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、例えば、道路事情に詳しい場所を走行中であっても、案内情報が優先されて即時性を要すると判断してしまうといったように、案内情報が即時性を要するか否かが適切に判断されないことがあった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、案内情報の即時性の要否をより適切に判断することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のナビゲーション装置は、案内を表す案内情報および利用者に鑑賞させる鑑賞情報を、音声出力装置に音声出力させる制御手段を備え、前記制御手段が、即時性を要する案内情報を前記鑑賞情報に優先して即時に前記音声出力装置に音声出力させ、即時性を要さない案内情報を前記鑑賞情報の区切りに前記音声出力装置に音声出力させるナビゲーション装置において、前記制御手段は、利用者の運転状況に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断する構成を有している。
【0007】
この構成により、本発明のナビゲーション装置は、利用者の運転状況に基づいて案内情報の即時性の要否を判断するため、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記案内情報の案内内容が示す地点を過去に走行した回数を表す走行回数情報を記憶する走行回数情報記憶手段を備え、前記制御手段は、前記走行回数情報記憶手段に記憶された走行回数情報に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0009】
この構成により、本発明のナビゲーション装置は、過去に走行した回数に基づいて案内情報の即時性の要否を判断するため、慣れた経路であれば案内情報が即時性を要さないと判断し、慣れない経路であれば案内情報が即時性を要すると判断することができ、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【0010】
また、前記制御手段は、交通情報受信装置によって受信された交通情報に基づいて、前記案内情報を前記音声出力装置に音声出力させる地点付近の渋滞状況を表す渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報に基づいて前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0011】
この構成により、本発明のナビゲーション装置は、渋滞情報に基づいて案内情報の即時性の要否を判断するため、渋滞中であれば案内情報が即時性を要さないと判断し、渋滞中でなければ案内情報が即時性を要すると判断することができ、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【0012】
また、前記制御手段は、走行速度検知装置によって検知された走行速度に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0013】
この構成により、本発明のナビゲーション装置は、走行速度に基づいて案内情報の即時性を判断するため、低速で走行していれば案内情報が即時性を要さないと判断し、高速で走行していれば案内情報が即時性を要すると判断することができ、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【0014】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記案内情報の案内内容が示す地点を含む道路の属性を表す道路情報を記憶する道路情報記憶手段を備え、前記制御手段は、前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0015】
具体的には、前記道路情報は、道路の種別を表す道路種別情報を含み、前記制御手段は、前記案内情報の案内内容が示す地点より手前の道路の道路種別と、前記地点から進入する道路の道路種別との違いに基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0016】
また、前記道路情報は、道路の幅を表す道路幅情報を含み、前記制御手段は、前記案内情報の案内内容が示す地点より手前の道路の道路幅と、前記地点から進入する道路の道路幅との差に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0017】
これらの構成により、本発明のナビゲーション装置は、道路情報に基づいて案内情報の即時性の要否を判断するため、例えば、より狭い道への進入を示す案内情報は即時性を要すると判断し、より狭い道への進入でないことを示す案内情報は即時性を要さないと判断することができ、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【0018】
また、前記制御手段は、前記案内情報を前記音声出力装置に音声出力させる時間帯に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断するように構成してもよい。
【0019】
この構成により、本発明のナビゲーション装置は、案内時間帯に基づいて案内情報の即時性の要否を判断するため、夜間に走行中の案内情報は即時性を要すると判断し、日中に走行中の案内情報は即時性を要さないと判断することができ、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、案内情報の即時性の要否をより適切に判断することができるといった効果を有するナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
なお、本実施の形態においては、本発明に係るナビゲーション装置を構成する制御手段を、CPU(Central Processing Unit)を用いて構成した例について説明する。
【0023】
本発明の一実施の形態のナビゲーション装置を図1に示す。
【0024】
ナビゲーション装置1は、車両に設けられ、CPU2と、メモリ3と、ハードディスク4と、複数の衛星から送出されGPS(Global Positioning System)アンテナで受信された電波に基づいて現在位置の緯度および経度を測るGPS受信機5と、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報を受信および復号するためのVICS受信機6と、操作スイッチ7と、車両の走行速度を検知する走行速度検知装置8と、画像情報を映像信号に変換する画像処理チップ9と、映像信号を出力するモニタ10と、案内音声を再生する案内音声再生装置11と、音楽を再生する音楽再生装置12と、案内音声と音楽とをミキシングするミキサ13と、ミキシングされた音声を出力するスピーカ14とを備えている。
【0025】
ここで、案内音声再生装置11、音楽再生装置12、ミキサ13およびスピーカ14は、本発明における音声出力装置を構成する。また、操作スイッチ7およびモニタ10は、タッチパネル付き液晶ディスプレイによって一体に構成してもよい。
CPU2は、案内音声再生装置11および音楽再生装置12による再生を制御するための再生制御プログラム、および、案内を表す案内情報の即時性の要否を判断する即時性判断プログラムを含むプログラムをハードディスク4などの記憶媒体からメモリ3に読み込み、メモリ3に読み込んだプログラムを実行することによって、ナビゲーション装置1の各機能を制御するようになっている。
【0026】
ハードディスク4には、上記プログラムの他に、地図情報、走行回数情報、経路探索情報、案内音声源および音楽情報などが記憶されている。なお、ハードディスク4は、本発明における走行回数情報記憶手段および道路情報記憶手段を構成する。
【0027】
地図情報には、交差点、建造物および河川などの地物を表す情報ならびに各地物に関する説明や広告などの情報を含む地物情報が含まれる。また、地図情報には、一般道路および高速道路などの道路種別、車線数、道路幅ならびに一方通行などの交通規制情報を含む道路情報も含まれる。
【0028】
走行回数情報は、各交差点を過去に走行した回数を表し、交差点を走行する度にCPU2によって回数が更新される。なお、走行回数情報は、各交差点において進入する方向および進出する方向の組み合わせごとに走行した回数を表すものとしてもよい。
【0029】
経路探索情報は、利用者によって操作スイッチ7を介して設定された出発地から目的地までの経路を表し、例えば、経路探索情報には、探索日時を示す情報、出発地を示す情報、目的地を示す情報、道路や交差点などの地物に付与されたIDの配列よりなる経路情報が含まれる。
【0030】
案内音声源は、音声合成用の音素を表す情報およびあらかじめ登録された単語の音声を表す情報などによって構成される。
【0031】
音楽情報は、少なくとも1つの曲(以下単に「トラック」という。)を含み、プログラムを実行するCPU2によってCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの着脱可能な記録媒体やネットワークなどからハードディスク4に読み込まれている。
【0032】
案内音声再生装置11は、再生制御プログラムを実行するCPU2による制御に基づいて、案内音声源を合成することによって経路探索情報が表す探索経路を案内するための案内音声情報を生成し、生成した案内音声情報が表す案内音声を再生するようになっている。
【0033】
音楽再生装置12は、再生制御プログラムを実行するCPU2による制御に基づいて、ハードディスク4に読み込まれた音楽情報を再生するようになっている。なお、音楽再生装置12は、ハードディスク4に読み込まれた音楽情報の他に、CDなどの着脱可能な記録媒体に記録された音楽情報を再生するようにしてもよい。
【0034】
また、音楽再生装置12は、再生中の音楽のトラック番号および再生位置などの再生情報をCPU2に出力するようになっている。
【0035】
以上のように構成されたナビゲーション装置1において、図2乃至図4を用いてその動作を説明する。
【0036】
図2は、再生制御プログラムを実行するCPU2の動作を説明するためのフロー図である。
【0037】
経路案内が開始されると、まず、CPU2は、案内情報テーブルを作成し(S1)、作成した案内情報テーブルをメモリ3に格納する。ここで、案内情報テーブルは、例えば、図4(a)に示すように、案内を識別するためのポイント番号、案内する緯度および経度、案内内容をそれぞれ表す情報を含む案内情報を、案内順に並べたものである。
【0038】
また、この案内内容は、案内を表すテキスト情報および直前案内か事前案内かを表す情報を含む。ここで、直前案内とは、「まもなく右折です。」のように、交差点に進入する直前の案内を表し、事前案内とは、「300m先右折です。」のように、交差点に進入する事前の案内を表すものとする。
【0039】
次に、CPU2は、音楽解析テーブルを作成し(S2)、作成した音楽解析テーブルをメモリ3に格納する。ここで、音楽解析テーブルは、トラックを識別するためのトラック番号、トラックの再生時間(曲長)およびトラックに含まれる間奏時間をそれぞれ表す情報を含む項目よりなる。
【0040】
次に、CPU2は、案内情報テーブルから次の案内情報を取得し(S3)、取得した案内情報に含まれる緯度および経度とGPS受信機5によって測られた緯度および経度とを比較することによって、この案内情報に基づいた案内を行うタイミングまで待つ(S4)。
【0041】
案内を行うタイミングになると、CPU2は、即時性判断プログラムを実行して、この案内情報の即時性の要否を利用者の運転状況に基づいて判断する(S5)。図3に、即時性判断プログラムを実行するCPU2の動作を示す。
【0042】
まず、CPU2は、この案内情報が、直前案内であるか否かを判断する(S31)。直前案内であると判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。
【0043】
ステップS31において、直前案内でないと判断した場合、CPU2は、この案内情報の案内内容が示す交差点の走行回数を記憶装置より取得し、取得した走行回数が閾値以下であるか否かを判断する(S32)。走行回数が閾値以下であると判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。なお、本実施の形態では、走行回数の閾値を5回とする。
【0044】
ステップS32において、この交差点の走行回数が閾値を超えていると判断した場合、CPU2は、VICS受信機6によって受信された道路交通情報に基づいて、車両の現在位置付近が渋滞中であるか否かを判断する(S33)。渋滞中でないと判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。
【0045】
ステップS33において、車両の現在位置付近が渋滞中であると判断した場合、CPU2は、走行速度検知装置8によって検知された走行速度が閾値を超えているか否かを判断する(S34)。走行速度が閾値を超えていると判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。なお、本実施の形態では、走行速度の閾値を時速60キロメートルとする。
【0046】
ステップS34において、走行速度が閾値以下であると判断した場合、CPU2は、この案内情報の案内内容が示す交差点を含む道路の道路情報を記憶装置より取得し、この案内内容が、より狭い道路への進入を示す案内であるか否かを判断する(S35)。より狭い道路への進入を示す案内であると判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。
【0047】
ここで、より狭い道路への進入を示す案内であるか否かの判断基準として、例えば、取得した道路情報に基づいて、交差点より手前の道路の道路種別と、交差点から進入する道路の道路種別とを比較して、「幹線道路から一般道路へ曲がることを示す案内は、より狭い道路への進入を示す案内である」といったように、道路種別の移行パターンをあらかじめ定めておいてもよい。さらに、より狭い道路への進入を示す案内に限らず、高速道路の出口分岐に進む案内など、利用者の注意を要するような道路情報の移行パターンを判断基準に加えてもよい。
【0048】
また、より狭い道路への進入を示す案内であるか否かの判断基準として、取得した道路情報に基づいて、交差点より手前の道路の道路幅と、交差点から進入する道路の道路幅とを比較して、道路幅の減少値の閾値をあらかじめ定めておいてもよい。
【0049】
ステップS35において、より狭い道路への進入を示す案内でないと判断した場合、CPU2は、現在時刻があらかじめ定められた夜間の時間帯に含まれるか否かを判断する(S36)。現在時刻が夜間の時間帯に含まれると判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。なお、本実施の形態では、夜間の時間帯を19時から7時としている。
【0050】
ステップS36において、現在時刻が夜間の時間帯に含まれないと判断した場合、CPU2は、この案内情報が即時性を要さないと判断する(S37)。
【0051】
例えば、渋滞が発生していない道路を時速40キロメートルで走行中、時刻13時に図4(a)のポイント番号1に示される案内情報の案内タイミングになったとき、この案内内容が示す交差点の走行回数が2回であった場合、この案内情報は直前案内ではないが(S31)、走行回数が閾値以下であるため(S32)、CPU2は、図4(b)に示すように、この案内情報が即時性を要すると判断する(S38)。
【0052】
また、例えば、渋滞中の道路を時速20キロメートルで走行中、時刻17時に図4(a)のポイント番号3に示される案内情報の案内タイミングになったとき、この案内内容が一般道路から一般道路への右折指示であり、この案内内容が示す交差点の走行回数が30回であった場合、この案内情報は直前案内ではなく(S31)、走行回数が閾値を超え(S32)、現在渋滞中であり(S33)、現在の走行速度が閾値以下であり(S34)、この案内内容がより狭い道路への進入を示す案内ではなく(S35)、現在夜間ではないため(S36)、CPU2は、図4(b)に示すように、この案内情報が即時性を要さないと判断する(S37)。
【0053】
このようにしてステップS5における即時性の要否の判断を行い、案内情報が即時性を要すると判断した場合に、CPU2は、この案内情報に基づいた案内音声情報を案内音声再生装置11に生成させ、案内音声情報が表す案内音声を再生させる(S7)。
【0054】
ここで、音楽情報が音楽再生装置12によって再生されている場合には、CPU2は、音楽情報の再生音量を下げるように音楽再生装置12またはミキサ13を制御するようにしてもよい。
【0055】
一方、ステップS5において案内情報が即時性を要さないと判断した場合には、CPU2は、音楽再生装置12から再生中の音楽の再生情報を取得し、取得した再生情報と、ステップS2で生成した音楽解析テーブルとを照合することにより、再生中の音楽が曲間または間奏部分であるか否かを判断する(S9)。
【0056】
ここで、曲間または間奏部分である場合には、CPU2は、この案内情報に基づいた案内音声情報を案内音声再生装置11に生成させ、案内音声情報が表す案内音声を再生させる(S7)。
【0057】
次に、CPU2は、経路案内が終了したか否かを判断し(S8)、経路案内が終了したと判断した場合には、動作を終了する。一方、CPU2は、経路案内が終了していないと判断した場合には、動作をステップS3に戻して次の案内情報を取得する。
【0058】
また、ステップS9において、曲間または間奏部分でないと判断した場合には、CPU2は、ステップS9で取得した再生情報とステップS2で生成した音楽情報解析テーブルを照合することにより、次の曲間または間奏部分が再生される時刻を取得して、取得した時刻に車両が達すると予想される緯度および経度を算出する。算出した緯度および経度を、この案内情報の案内を行う緯度および経度として案内タイミングを変更し、案内情報テーブルを更新する(S10)。
【0059】
このように、案内情報の案内タイミングを変更した場合には、CPU2は、案内内容を緯度および経度の変更量に応じて変化させる。例えば、図4(a)および(b)に示すように、CPU2は、ポイント番号3の案内情報に対して、案内タイミングを遅らせたため、案内内容を「300m先」から「100m先」に変更する。
【0060】
また、ステップS10において、次の曲間または間奏部分が再生される時刻が、案内内容が示す地点に達すると予想される時刻より後になる場合には、CPU2は、この案内情報を案内情報テーブルから削除する。
【0061】
また、ステップS10において、CPU2は、案内タイミングを変更するのではなく、この案内情報を案内情報テーブルから削除するようにしてもよい。
【0062】
このようにして、案内情報テーブルを更新した後、CPU2は、処理をステップS3に戻して、次の案内情報を取得する。
【0063】
以上のような動作を実行しているときに、例えば、再生トラックの切り替えなどのように、再生する音楽情報の変更が指示された場合には、CPU2は、動作をステップS2に戻し、音楽解析テーブルの生成から再実行する。
【0064】
なお、ステップS32において、走行回数の判断基準を5回としているが、本発明における走行回数の判断基準を限定するものではなく、例えば10回または20回などのように、操作スイッチ7を介した入力に基づいて、CPU2が、走行回数の判断基準を設定するようにしてもよい。また、ステップS31〜S36における判断基準についても同様に、操作スイッチ7を介した入力に基づいてCPU2が設定するようにしてもよい。
【0065】
また、ステップS31〜S36において、直前案内であるか否か、走行回数、渋滞状況、走行速度、道路情報の移行パターンおよび案内時間帯に基づいて、CPU2が案内情報の即時性の要否を判断する例について説明したが、本発明における判断基準の種類を限定するものではなく、例えば、案内情報の案内内容が示す交差点に信号があるか否かなどのように、CPU2は、利用者の運転状況を表す他の判断基準を用いてもよい。
【0066】
また、ステップS31〜S36において、CPU2は、走行回数と案内時間帯のみに基づいて案内情報の即時性の要否を判断するなど、操作スイッチ7を介した入力に基づいて判断基準の種類を選択するようにしてもよい。
【0067】
このような本発明の一実施の形態のナビゲーション装置1は、利用者の運転状況に基づいて案内情報の即時性を判断するため、より適切に案内情報の即時性の要否を判断することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、鑑賞情報として音楽情報を例に説明したが、本発明において、鑑賞情報は、講話や噺などを表す情報のように利用者に鑑賞させる他の情報でもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、案内情報として経路案内を表すものを例に説明したが、本発明において、案内情報は、VICS受信機6によって受信されたVICS情報などの他の案内を表すものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置は、案内情報の即時性の要否をより適切に判断することができるという効果を有し、例えば、案内情報を音声出力装置に音声出力させるナビゲーション装置などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施の形態におけるナビゲーション装置のブロック図
【図2】本発明の一実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を説明するためのフロー図
【図3】本発明の一実施の形態におけるナビゲーション装置が即時性の要否を判断する動作を説明するためのフロー図
【図4】本発明の一実施の形態におけるナビゲーション装置が生成する案内情報テーブル
【符号の説明】
【0072】
1 ナビゲーション装置
2 CPU
3 メモリ
4 ハードディスク
5 GPS受信機
6 VICS受信機
7 操作スイッチ
8 走行速度検知装置
9 画像処理チップ
10 モニタ
11 案内音声再生装置
12 音楽再生装置
13 ミキサ
14 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内を表す案内情報および利用者に鑑賞させる鑑賞情報を、音声出力装置に音声出力させる制御手段を備え、前記制御手段が、即時性を要する案内情報を前記鑑賞情報に優先して即時に前記音声出力装置に音声出力させ、即時性を要さない案内情報を前記鑑賞情報の区切りに前記音声出力装置に音声出力させるナビゲーション装置において、
前記制御手段は、利用者の運転状況に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内情報の案内内容が示す地点を過去に走行した回数を表す走行回数情報を記憶する走行回数情報記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記走行回数情報記憶手段に記憶された走行回数情報に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、交通情報受信装置によって受信された交通情報に基づいて、前記案内情報を前記音声出力装置に音声出力させる地点付近の渋滞状況を表す渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報に基づいて前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、走行速度検知装置によって検知された走行速度に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内情報の案内内容が示す地点を含む道路の属性を表す道路情報を記憶する道路情報記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記道路情報記憶手段に記憶された道路情報に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記道路情報は、道路の種別を表す道路種別情報を含み、
前記制御手段は、前記案内情報の案内内容が示す地点より手前の道路の道路種別と、前記地点から進入する道路の道路種別との違いに基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記道路情報は、道路の幅を表す道路幅情報を含み、
前記制御手段は、前記案内情報の案内内容が示す地点より手前の道路の道路幅と、前記地点から進入する道路の道路幅との差に基づいて、前記案内情報の即時性の要否を判断することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−127599(P2007−127599A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322388(P2005−322388)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】