説明

ナビゲーション装置

【課題】前もって意図した推奨経路のルート外れの地点で確実にルート外れを行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】交差点23を推奨経路21から外れるルート外れ地点として指定すると、ルート外れマーク画面が表示される。ルート外れマーク選択画面に表示されたルート外れマークを選択して、ルート外れ地点にルート外れマーク31cを選択する。そうすると、地図20の交差点22にルート外れマーク31cが表示される。その後、車両が交差点22に接近すると、表示モニタ16にルート外れマーク31cが表示されているので、ユーザは、交差点22でルート外れを行うことを認識できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地への経路誘導を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの案内経路を探索し、案内経路からのルート外れを検出する車両用ナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−152351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザによっては、ちょっとした買い物などの用事を済ませるために前もってルート外れを意図することがある。このような場合、特許文献1に記載されているような従来の車両ナビゲーション装置では、ルート外れを検出できるものの、ルート外れを指定できないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、表示モニタと、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、車両の現在地から所定の目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、表示モニタに地図を表示する地図表示制御手段と、地図に推奨経路を表示する推奨経路表示制御手段と、表示モニタに表示された推奨経路上にルート外れ地点を指定するルート外れ地点指定手段と、ルート外れ地点にルート外れマークを表示するルート外れマーク表示制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、ルート外れ地点指定手段は、ルート外れ地点において推奨経路から外れる方向を表示する複数のルート外れマークの中からルート外れ地点に表示するルート外れマークを選択するルート外れマーク選択手段を有し、ルート外れマーク表示制御手段は、選択されたルート外れマークをルート外れ地点に表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、ルート外れ地点において推奨経路から外れる方向を表示する複数のルート外れマークには、右折マーク、直進マーク、左折マーク、高速道路進入マークおよび高速道路退出マークを含むことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、車両がルート外れ地点に接近すると、音声によってルート外れ地点接近を通知する通知手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、推奨経路のルート外れを行う地点にルート外れマークを表示する。したがって、前もって意図したルート外れの地点で確実にルート外れを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18およびディスクドライブ19を有している。ディスクドライブ19には、地図データが記憶されたDVD−ROM110が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、DVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて、制御回路11において適宜生成される。
【0010】
ディスクドライブ19は、DVD−ROM110から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM110以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0012】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0013】
次に、本発明の一実施形態におけるルート外れ地点の指定操作を図2〜図5を参照して説明する。経路探索した推奨経路21は交差点22を直進しているが、ユーザは交差点22を右折して推奨経路21から外れるものとして説明する。
【0014】
ユーザは、入力装置18を操作して、ルート外れ地点を指定するモードにナビゲーション装置1を切り替える。そして、表示モニタ16に表示した地図20をスクロールし、図2に示す表示画面を表示する。図2に示す表示画面には、推奨経路21から外れる地点(ルート外れ地点)である交差点22を表示画面中央に表示した地図20が表示される。地図20に重ねて推奨経路21が表示される。表示モニタ16の表示画面の中央にはカーソル23が表示される。地図20をスクロールしてこのカーソル23の位置に交差点22を合わせた後、入力装置18で所定の操作を行うと、交差点22がルート外れ地点として指定される。
【0015】
ルート外れ地点が指定されると、図3に示すように、表示モニタ16の表示画面にルート外れマーク選択画面30が表示される。ルート外れマーク選択画面30は、ルート外れマーク31a〜31eを選択するための画面である。ルート外れマーク選択画面30には、ルート外れマークとして、左折折マーク31a、直進マーク31b、右折マーク31c、高速道路進入マーク31dおよび高速道路退出マーク31eが表示される。左折マーク31aは、ルート外れ地点として指定された交差点を左折して推奨経路21から外れることを指定するためのマークである。直進マーク31bは、ルート外れ地点として指定された交差点を直進して推奨経路21から外れることを指定するためのマークである。右折マーク31cは、ルート外れ地点として指定された交差点を右折して推奨経路21から外れることを指定するためのマークである。高速道路進入マーク31dは、ルート外れ地点として指定された分岐点から高速道路に進入して推奨経路21から外れることを指定するためのマークである。高速道路退出マーク31eは、ルート外れ地点として指定された分岐点から高速道路を退出して推奨経路21から外れることを指定するためのマークである。ユーザは、入力装置18を操作して、ルート外れマーク選択画面に表示されたルート外れマーク31a〜31eを選択する。ここで、ユーザは交差点22を右折して推奨経路21から外れるので、右折マーク31cを選択することになる。
【0016】
ユーザが右折選択マーク31cを選択すると、図4に示すように、交差点22に右折マーク31cが表示される。そして、ルート外れ地点の指定操作を終了する。
【0017】
図5は、車両が交差点22に接近したときに表示される表示モニタ16の表示画面である。表示モニタ16の表示画面には、自車位置周辺の地図が表示されている。交差点22には右折マーク31cが表示されているので、ユーザは、交差点22を右折してルート外れを行うことを認識できる。また、車両が交差点22に対して、所定距離に近づくと、スピーカ17より、「もうすぐルート外れ地点です。次の交差点を右折してください。」という音声51が出力される。
【0018】
次に、本発明の実施形態のルート外れ地点指定処理について図6のフローチャートを参照して説明する。図6の処理は、ユーザは、入力装置18を操作して、ルート外れ地点を指定するモードにナビゲーション装置1を切り替えるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0019】
ステップS601では、ルート外れを行う分岐点にカーソル23を合わせて、ルート外れを行う分岐点が指定されたかを判定する。指定された場合はステップS601が肯定判例され、ステップS602へ進む。指定されていない場合はステップS601を繰り返す。ステップS602では、指定された分岐点をRAM13に記憶する。具体的には、ルート外れ地点として指定された分岐点に対応するノードの情報をRAM13に記憶する。
【0020】
ステップS603では、表示モニタ16の表示画面にルート外れマーク選択画面30を表示する。ステップS604では、ルート外れマーク選択画面30に表示されたルート外れマーク31a〜31eの中からルート外れマーク31a〜31eが選択されたかを判定する。選択された場合はステップS604が肯定判定され、ステップS605へ進む。選択されていない場合はステップS604を繰り返す。
【0021】
ステップS605では、選択されたルート外れマーク31a〜31eをRAM13に記憶する。ステップS606では、指定された分岐点に選択されたルート外れマーク31a〜31eを表示する。そして、処理は終了する。
【0022】
次に、本発明の実施形態のルート外れ地点通知処理について図7のフローチャートを参照して説明する。図7の処理は、経路誘導を開始するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0023】
ステップS701では、現在地検出装置14によって、車両の現在地を検出する。ステップS702では、車両の進行方向にある推奨経路上の最寄りの分岐点を検出する。ステップS703では、RAM13に記憶したルート外れ地点の情報と照合して、検出した分岐点がルート外れ地点として指定された分岐点であるかを判定する。ルート外れの分岐点の場合はステップS703が肯定判定され、ステップS704へ進む。ルート外れの分岐点でない場合はステップS703が否定判定され、ステップS701へ戻る。
【0024】
ステップS704では、車両の現在地を検出する。ステップS705では、車両の現在地とルート外れの分岐点との間の距離を算出する。ステップS706では、分岐点までの距離が所定の距離(たとえば、300m)以内であるかを判定する。所定の距離以内である場合はステップS706が肯定判定され,ステップS707へ進む。所定の距離より大きい場合はステップS706が否定判定され、ステップS704へ戻る。
【0025】
ステップS707では、ルート外れの分岐点に指定されたルート外れマーク31a〜31eの種類をRAM13より読み出す。ステップS708では、スピーカ19より音声を出力して音声ガイダンスを行う。ルート外れマーク31a〜31eが右折マーク31aの場合は、「もうすぐルート外れ地点です。次の交差点を左折してください。」という音声ガイダンスを行う。直進マーク31bの場合は、「もうすぐルート外れ地点です。次の交差点を直進してください。」という音声ガイダンスを行う。右折マーク31cの場合は、「もうすぐルート外れ地点です。次の交差点を右折してください。」という音声ガイダンスを行う。高速道路進入マーク31dの場合は、「もうすぐルート外れ地点です。次のインターチェンジから高速道路に進入してください。」という音声ガイダンスを行う。高速道路退出マーク31eの場合は、「もうすぐルート外れ地点です。次のインターチェンジから高速道路を退出てください。」という音声ガイダンスを行う。
【0026】
ステップS709では、車両の現在地を検出する。ステップS710では、車両はルート外れの分岐点を通過したかを判定する。通過した場合はステップS710が肯定判定され、リターンする。通過していない場合はステップS710が否定判定され、ステップS709に戻る。
【0027】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)推奨経路21のルート外れを行う地点にルート外れマーク31a〜31eを表示する。したがって、前もって意図したルート外れの地点で確実にルート外れを行うことができる。
(2)ルート外れマーク31a〜31eには、ルート外れを行う方向を表示する。したがって、ルート外れの地点で誤った方向にルート外れを行うことを防止することができる。
(3)音声ガイダンスによって、ルート外れの地点をユーザに通知するので、ルート外れマーク31a〜31eを見落としても、確実に前もって意図したルート外れの地点でルート外れを行うことができる。
【0028】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)ルート外れ地点にルート外れマーク31a〜31eが選択された後、ルート外れ地点でルート外れ方向に車両が進行したときの推奨経路を再探索するようにしてもよい。そして、車両がルート外れ地点で推奨経路21から外れると、再探索された推奨経路が表示モニタ16に表示されるようにしてもよい。この場合、ルート外れ方向に存在する交差点や施設を経由地として設定し、経路探索を行う。これより、車両が推奨経路21から外れても、再び経路誘導を受けることができ、便利である。
(2)ルート外れ地点で推奨経路21から外れる方向が認識できるマークであれば、ルート外れマーク31a〜31eに限定されない。
【0029】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0030】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の現在地検出手段は現在地検出装置14に対応し、探索手段は制御回路11に対応する。地図表示制御手段は制御回路11、ディスクドライブ19およびDVD−ROM110に対応し、推奨経路表示制御手段は制御回路11に対応する。ルート外れ地点指定手段は制御回路11および入力装置18に対応し、ルート外れマーク表示制御手段は制御回路11に対応する。ルート外れマーク選択手段は制御回路11および入力装置18に対応し、通知手段は制御回路11およびスピーカ17に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ルート外れ地点を指定する操作を説明するための図である。
【図3】ルート外れマークを選択する操作を説明するための図である。
【図4】ルート外れ地点にルート外れマークを選択した後に表示される表示画面を説明するための図である。
【図5】ユーザがルート外れ地点に接近したとき、ルート外れ地点の通知処理を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態におけるルート外れ地点指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態におけるルート外れ地点通知処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
13 RAM
16 表示モニタ
17 スピーカ
18 入力装置
21 推奨経路
22 交差点
23 カーソル
31a〜31e ルート外れマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モニタと、
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
前記車両の現在地から所定の目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、
前記表示モニタに地図を表示する地図表示制御手段と、
前記地図に前記推奨経路を表示する推奨経路表示制御手段と、
前記表示モニタに表示された推奨経路上にルート外れ地点を指定するルート外れ地点指定手段と、
前記ルート外れ地点にルート外れマークを表示するルート外れマーク表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記ルート外れ地点指定手段は、前記ルート外れ地点において推奨経路から外れる方向を表示する複数のルート外れマークの中から前記ルート外れ地点に表示するルート外れマークを選択するルート外れマーク選択手段を有し、
前記ルート外れマーク表示制御手段は、前記選択されたルート外れマークを前記ルート外れ地点に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記ルート外れ地点において推奨経路から外れる方向を表示する複数のルート外れマークには、右折マーク、直進マーク、左折マーク、高速道路進入マークおよび高速道路退出マークを含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記車両が前記ルート外れ地点に接近すると、音声によってルート外れ地点接近を通知する通知手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−157777(P2008−157777A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347423(P2006−347423)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】