説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザが所望するルートを含む経路探索が可能なナビゲーション装置を実現する。
【解決手段】ナビゲーション装置1において、出発地sから目的地gまでの暫定経路rが探索され設定された際に、その暫定経路rの出発地sを起点としてこれまでに辿ったことのあるルート(C1,C2)や、その暫定経路rの目的地gを終点としてこれまでに辿ったことのあるルート(C3)が、その暫定経路rとともに選択可能に表示部13に表示されるので、その表示部13に表示されるルートにユーザが所望するルートがある場合に、そのルートが選択されることに応じて、ナビゲーション装置1は、その選択されたルートが含まれるルート選択経路Rを設定することを可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが実際に走行した道路に関するルートデータを記憶するにあたって、その走行頻度の高い道路については経路探索用データのコストを低く更新するようにして、過去の走行ルートに基づき目的地への経路を探索する際に、経路コストが低いルートであって走行頻度の高い道路を選択しやすくするナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−46575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の場合、ユーザが、やむを得ない事情で頻繁に走行した道路についても、走行頻度が高いものとデータ更新されてしまうので、ユーザが好まない道路であっても、経路コストが低いルートとして経路探索されてしまうという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、ユーザが所望するルートを含む経路探索が可能なナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
現在位置を測位する測位手段と、地図に関する情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記測位手段により測位された現在位置を前記地図情報記憶手段に記憶された地図とともに表示部に表示させる地図表示制御手段と、を備えるナビゲーション装置において、
当該ナビゲーション装置がこれまでに辿った複数のルートを記憶する過去ルート記憶手段と、
出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路とともに、前記過去ルート記憶手段に記憶されているルートにおける、前記出発地を起点にするルート及び/又は前記目的地を終点にするルートを、選択可能に前記表示部に表示させるルート表示制御手段と、
前記ルート表示制御手段により表示されているルートを選択するルート選択手段と、
前記ルート選択手段により前記ルートが選択された場合に、その選択されたルートを含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定する選択経路設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記ルート選択手段は、前記ルート表示制御手段により表示されているルートの一部分を選択し、
前記選択経路設定手段は、その選択されたルートの一部分を含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、
現在位置を測位する測位手段と、地図に関する情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記測位手段により測位された現在位置を前記地図情報記憶手段に記憶された地図とともに表示部に表示させる地図表示制御手段と、を備えるナビゲーション装置において、
当該ナビゲーション装置がこれまでに辿った複数のルートを記憶する過去ルート記憶手段と、
出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路とともに、前記過去ルート記憶手段に記憶されているルートにおける、前記出発地を起点にするルート及び/又は前記目的地を終点にするルートを、選択可能に前記表示部に表示させるルート表示制御手段と、
前記ルート表示制御手段により表示されているルートを選択するルート選択手段と、
前記ルート選択手段により前記ルートが選択された場合に、その選択されたルートを含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定する選択経路設定手段と、
を備え、
前記ルート選択手段によって、前記ルート表示制御手段により表示されているルートの一部分が選択された際、前記選択経路設定手段は、その選択されたルートの一部分を含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ナビゲーション装置において、出発地から目的地までの経路が探索され設定されると、その経路の出発地を起点としてこれまでに辿ったことのあるルートや、その経路の目的地を終点としてこれまでに辿ったことのあるルートが、その経路とともに選択可能に表示部に表示されるので、ユーザは、所望するルートがある場合に、そのルートを選択するようにして、所望するルートが含まれるルート選択経路を探索して設定することができる。
つまり、ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路に応じて、これまでに辿ったことのある複数のルートの中から幾つかのルートを経路の候補として選択可能に表示部に表示することができるので、ユーザは、表示部に表示されるルートを確認し、以前そのルートを辿って通行した際の記憶などを参考に、そのルートを通行するかしないかの選択を行うことが可能となって、通行したいルートが含まれるルート選択経路を設定することができる。
従って、このナビゲーション装置によって、ユーザが所望するルートを含む経路探索や経路設定を好適に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図を参照して、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
ナビゲーション装置1は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、GPSアンテナ12と、表示部13と、入力部14と、電源部15と、RAM(Random Access Memory)16と、記憶部17等を備えている。また、上記各部はバス10によって接続されている。
このナビゲーション装置1は、車両に着脱可能に構成されており、車両に搭載して使用することと、ユーザが携帯して使用することが可能なポータブル型のナビゲーション装置である。
【0011】
CPU11は、記憶部17に記憶されたナビゲーション装置用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0012】
GPSアンテナ12は、地球低軌道に打ち上げられた複数のGPS衛星から送信されるGPS信号(アルマナック(概略軌道情報)やエフェメリス(詳細軌道情報)など)を受信して、その受信したGPS信号をCPU11に出力する。
【0013】
表示部13は、例えば、液晶表示機器等から構成され、CPU11から入力される表示信号に従って、各種画面を表示する。例えば、表示部13は、地図情報に基づく道路地図や、地図上に示されるナビゲーション装置1の現在位置に対応する地点の道路名や地域名などを表示する。
【0014】
入力部14は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部13と一体的に設けられたタッチパネル等から構成され、ユーザにより操作されると、その操作に伴う押下信号をCPU11に出力する。また、入力部14は、例えば、リモートコントローラのように装置を遠隔操作可能な構成であってもよい。
【0015】
電源部15は、ナビゲーション装置1を構成する各部に電力を供給するためのものであり、例えば、主電源部151と、予備電源部152とを備えている。
主電源部151は、例えば、電気コード(図示省略)を介してナビゲーション装置1が設置された車両から供給される電力を、ナビゲーション装置1を構成する各部に供給する電源である。
予備電源部152は、例えば、バッテリ(図示省略)等の内部電池であって、車両における装置設置台(図示省略)からナビゲーション装置1が取り外された場合に、ナビゲーション装置1を構成する各部に電力を供給する電源である。
すなわち、例えば、ナビゲーション装置1が設置された車両のエンジンが起動している間は、主電源部151がナビゲーション装置1に電力を供給し、また、ナビゲーション装置1が設置台から取り外された際や、設置された車両のエンジンが起動していない間は、予備電源部152がナビゲーション装置1に電力を供給する。
【0016】
RAM16は、例えば、CPU11により実行される処理プログラム等を展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域などを備える。
【0017】
記憶部17は、例えば、ナビゲーション装置1で実行可能なシステムプログラム、そのシステムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU11により演算処理された処理結果のデータ等を記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部17に記憶されている。
具体的には、記憶部17は、例えば、地図情報データベース17aと、過去ルート格納データベース17bと、測位プログラム171と、マップマッチング制御プログラム172と、経路探索プログラム173と、ルート表示制御プログラム174と、ルート選択プログラム175と、選択経路設定プログラム176と、地図表示制御プログラム177等を記憶している。
【0018】
地図情報データベース17aは、地図情報記憶手段として機能し、所定の地域内(例えば、日本全土)を表現したカーナビゲーション用の道路地図など地図に関する地図情報を記憶する。
【0019】
過去ルート格納データベース17bは、過去ルート記憶手段として機能し、当該ナビゲーション装置1がこれまでに辿った複数のルート、つまり、ユーザが通行したことのある複数のルートを記憶する。
具体的に、過去ルート格納データベース17bは、ナビゲーション装置1が設置されている車両や、ナビゲーション装置1を所持するユーザが、実際に移動して通行した経路に関する複数のルートを記憶する。つまり、移動中のナビゲーション装置1は、通行中の経路に対応する位置データを後述する測位手段(CPU11)によって取得し、その経路に関するルートを記憶するようになっている。
【0020】
測位プログラム171は、GPSアンテナ12から出力されたGPS信号に基づいて、ナビゲーション装置1が設置されている車両や、ナビゲーション装置1を所持するユーザの2次元的な現在位置(緯度、経度)を測位する機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11が測位プログラム171を実行することによって、ナビゲーション装置1の現在位置を測位する測位手段として機能する。なお、GPSアンテナ12は測位手段の一部として機能する。
【0021】
マップマッチング制御プログラム172は、測位手段としてのCPU11により測位されたナビゲーション装置1の現在位置を、地図情報データベース17aに記憶された地図情報に対応付けるマップマッチングを行う機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11がマップマッチング制御プログラム172を実行することにより、ナビゲーション装置1が設置されている車両の現在位置や、ナビゲーション装置1を携帯しているユーザの現在位置を、地図情報に照合してそのナビゲーション装置1の地図情報に対応する道路地図上にマッチングさせるマップマッチング制御手段として機能する。
そして、例えば、マップマッチング制御手段としてのCPU11によって道路地図上にマッチングされた車両の現在位置やユーザの現在位置を表す指標(マーク)が道路地図上に示された地図画面が表示部13に表示されるようになっている。
【0022】
経路探索プログラム173は、ユーザにより指定された出発地から目的地までの経路を設定する機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11が経路探索プログラム173を実行することにより、地図情報データベース17aから経路探索用地図データを読み出し、ナビゲーション装置1が設置されている車両の現在位置や、ナビゲーション装置1を所持するユーザの現在位置に相当する出発地から、入力部14における操作入力により指定された目的地データ(例えば、緯度・経度データや目的地コードなどの位置指定データ)に対応する目的地までの経路を探索する経路探索手段として機能する。なお、経路探索処理において、現在位置を出発地とせずに、出発地を目的地と同様に入力部14における操作入力などにより指定するようにしてもよい。
なお、経路探索処理において、「一般道路優先」、「高速道路優先」、「距離優先」、「時間優先」などの設定により経路を探索し、ユーザが所望する最適な経路を設定することができるようになっている。
【0023】
ルート表示制御プログラム174は、経路探索手段としてのCPU11により探索された経路とともに、過去ルート格納データベース17bに記憶されているルートにおける、出発地を起点にするルート及び/又は目的地を終点にするルートを、選択可能に表示部13に表示させる機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11がルート表示制御プログラム174を実行することにより、経路探索手段としてのCPU11により探索された経路を表示部13に表示させるとともに、過去ルート格納データベース17bに記憶されている、これまでに通行したことのある複数のルートから、探索された経路の出発地を起点にするルートや、探索された経路の目的地を終点にするルートを抽出して、その抽出したルートを表示部13に選択可能に表示させるルート表示制御手段として機能する。
なお、ルート表示制御手段としてのCPU11は、探索された経路の出発地そのものを起点にするルートや、探索された経路の目的地そのものを終点にするルートを抽出して表示するのではなく、出発地や目的地の近傍、例えば、その地点から500mや1km圏内を起点や終点とするルートを抽出して表示するようにしてもよい。
また、ルート表示制御手段としてのCPU11は、探索された経路の出発地を起点にするルートや、探索された経路の目的地を終点にするルートの全て表示するのではなく、例えば、探索された経路に関連のあるルート、具体的には、経路の方向とほぼ同じ方向のルートや、経路とルートの間を繋ぐ主要道路があるルートなどを選択的に表示することが好ましい。
【0024】
ルート選択プログラム175は、ルート表示制御手段としてのCPU11により表示部13に表示されたルートからユーザが所望するルートを選択するための機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11がルート選択プログラム175を実行することにより、入力部14による操作入力によって、表示部13に表示された複数のルートからユーザが何れかのルートを指定するようにして、ユーザが所望するルートを選択するルート選択手段として機能する。なお、入力部14はルート選択手段の一部として機能する。
【0025】
また、ルート選択手段としてのCPU11は、ルート表示制御手段としてのCPU11により表示部13に表示されたルートにおける、そのルートの一部分を選択する制御を実行する。
【0026】
選択経路設定プログラム176は、ルート選択手段としてのCPU11により、ユーザが所望するルートが選択された場合に、その選択されたルートを含む出発地から目的地までのルート選択経路を設定する機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11が選択経路設定プログラム176を実行することにより、出発地から目的地までの経路にユーザが所望するルートが含まれるルート選択経路を設定する選択経路設定手段として機能する。
【0027】
また、選択経路設定手段としてのCPU11は、ルート選択手段としてのCPU11により表示部13に表示されているルートの一部分が選択された際、その選択されたルートの一部分を含む出発地から目的地までのルート選択経路を設定する制御を実行する。
【0028】
地図表示制御プログラム177は、測位手段としてのCPU11により測位された現在位置を、地図情報データベース17aに記憶された地図とともに表示部13に表示させる機能をCPU11に実現させるプログラムである。
つまり、CPU11が地図表示制御プログラム175を実行することにより、測位された現在位置や、設定された経路を地図上に示して表示部13に表示する地図表示制御手段として機能する。
具体的には、地図表示制御手段としてのCPU11は、マップマッチング制御手段としてのCPU11によって道路地図上にマッチングされた車両の現在位置やユーザの現在位置を表す指標(マーク)を、選択経路設定手段としてのCPU11によって設定されたルート選択経路上に示した地図画面を表示部13に表示する。
【0029】
次に、ナビゲーション装置1における選択経路設定処理について、図2に示すフローチャートに基づき説明する。
【0030】
まず、ナビゲーション装置1における入力部14のメインスイッチ(図示省略)がオンされて、電源部15から電力が供給されることに伴い、ナビゲーション装置1が起動する(ステップS101)。
【0031】
次いで、CPU11は、ナビゲーション装置1の現在位置(現在地点)を測位するとともに、ナビゲーション装置1の現在位置を、地図情報データベース17aに記憶された地図情報の道路地図に対応付けるマップマッチングを行う(ステップS102)。
【0032】
次いで、CPU11は、ユーザのいる現在地点である出発地から、入力部14を介して指定された目的地までの経路を探索して、暫定経路rを設定する(ステップS103)。
そして、CPU11は、道路地図に対応付けるように、探索されて設定された暫定経路rを表示部13に表示するとともに、過去ルート格納データベース17bに記憶されている複数のルートから、暫定経路rの出発地sを起点にするルートと、暫定経路rの目的地gを終点にするルートの少なくとも一方を抽出して、その抽出したルートを表示部13に選択可能に表示する(ステップS104)。
具体的には、例えば、図3に示すように、ナビゲーション装置1の表示部13には、出発地sから目的地gに向かう暫定経路rと、出発地sを起点にするルートC1、C2と、目的地gを終点にするルートC3が表示される。なお、図3において、道路地図に関する図示は省略している。
【0033】
次いで、CPU11は、表示部13に表示されたルート(例えば、C1、C2、C3)の何れかが、表示部13に設けられたタッチパネルに対するタッチ指示などによって選択されたか否かを判断する(ステップS105)。
【0034】
CPU11が、表示部13に表示されたルートが選択されたと判断すると(ステップS105;Yes)、CPU11は、出発地sから目的地gまでの経路にユーザが選択したルートが含まれるルート選択経路Rを探索して設定し(ステップS106)、CPU11は、設定したルート選択経路Rを表示部13に表示する(ステップS107)。
具体的には、例えば、ルートC1が選択された場合、図4に示すように、ユーザが所望するルートC1が含まれているルート選択経路R1が表示部13に表示される。ここで、例えば、ルートC1の矢印先端がタッチ指示されたことに応じて、CPU11は、ルートC1が選択されたと判断するようになっている。
なお、図4において、道路地図に関する図示や、道路地図上にマッチングされたユーザ(ナビゲーション装置1)の現在位置を示すマークに関する図示は省略している。
【0035】
一方、CPU11が、表示部13に表示されたルートが選択されず、暫定経路rが選択されたと判断すると(ステップS105;No)、CPU11は、暫定経路rを選択決定された経路Rとして表示部13に表示する(ステップS108)。
具体的には、例えば、図5に示すように、暫定経路rが実線の経路R2(ルート選択経路R)として表示部13に表示される。ここで、例えば、暫定経路rがタッチ指示されたことに応じて、CPU11は、暫定経路rが所望する経路として選択されたと判断するようになっている。
なお、図5において、道路地図に関する図示や、道路地図上にマッチングされたユーザ(ナビゲーション装置1)の現在位置を示すマークに関する図示は省略している。
【0036】
そして、ステップS109において、CPU11は、移動するユーザに応じたナビゲーション処理(例えば、地図の表示変更やユーザの現在位置の表示変更など)を実行して(ステップS109)、各種処理を終了する。
【0037】
以上のように、本発明に係るナビゲーション装置1において、所望する出発地sから目的地gまでの暫定経路rが設定されると、暫定経路rの出発地sを起点としてユーザがこれまでに通行したことのあるルートや、暫定経路rの目的地gを終点としてユーザがこれまでに通行したことのあるルートが、その設定された暫定経路rとともに選択可能に表示部13に表示されるので、ユーザは、所望するルートであって通行したいルートがある場合に、そのルートを選択することによって、所望するルートが含まれるルート選択経路Rを設定することができる。
つまり、ナビゲーション装置1は、設定された出発地sから目的地gまでの暫定経路rに応じて、これまでに通行したことのある複数のルートの中から幾つかのルートを経路の候補として選択可能に表示部13に表示することができるので、ユーザは、表示部13に表示されるルートを確認し、以前通行した際の記憶などを参考に、そのルートを通行するかしないかの選択を行うことが可能となって、通行したいルートが含まれるルート選択経路Rを探索して設定することができる。
【0038】
そして、ユーザは、これまでに通行したことのあるルートが含まれるルート選択経路Rを通行する際に、以前通行した際の経路の記憶や、以前通行したことによる安心感などによって、道を間違わないようにするために目標物を探す動作を低減することができ、その目標物を探す脇見や余所見によるトラブルを低減することができる。
【0039】
また、ユーザは、これまでに通行したことのあるルートの記憶によって、そのルートが含まれない経路Rを設定することができるので、以前通行した際に走行し難く感じた道路や、分岐がわかり難く迷いやすく感じた道路を経路から外すように、所望する経路Rを設定することができる。
【0040】
従って、このナビゲーション装置1は、ユーザが所望するルートを含む経路探索や経路設定が可能なナビゲーション装置であるといえる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、ナビゲーション装置1におけるルート選択手段としてのCPU11が、表示部13に表示されたルートにおける、そのルートの一部分を選択し、選択経路設定手段としてのCPU11が、その選択されたルートの一部分を含む出発地sから目的地gまでのルート選択経路Rを設定する処理についても実行可能である。なお、表示部13に表示されるルート(例えば、C2、C3)を示す矢印におけるタッチ指示された位置に応じて、そのルートの一部分を選択することが可能になっている。
具体的には、例えば、図6に示すように、ルートC2とルートC3(図3参照)の一部分を含むルート選択経路R3を設定して、表示部13に表示するようにしてもよい。
このように、過去ルート格納データベース17bに記憶されているルートの一部分を含むルート選択経路Rを設定可能にすることによって、よりカスタマイズされたユーザ好みの経路Rを設定することができるようになる。
【0042】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置における経路設定処理を示すフローチャートである。
【図3】暫定経路が設定された地図画面の一例を示す説明図である。
【図4】ルート選択経路が設定された地図画面の一例を示す説明図である。
【図5】ルート選択経路が設定された地図画面の一例を示す説明図である。
【図6】ルート選択経路が設定された地図画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ナビゲーション装置
11 CPU(測位手段、地図表示制御手段、経路探索手段、ルート表示制御手段、ルート選択手段、選択経路設定手段)
12 GPSアンテナ(測位手段)
13 表示部
14 入力部(ルート選択手段)
15 電源部
16 RAM
17 記憶部
17a 地図情報データベース(地図情報記憶手段)
17b 過去ルート格納データベース(過去ルート記憶手段)
171 測位プログラム
172 マップマッチング制御プログラム
173 経路探索プログラム
174 ルート表示制御プログラム
175 ルート選択プログラム
176 選択経路設定プログラム
s 出発地
g 目的地
r 暫定経路
C1,C2,C3 ルート
R1,R2,R3 経路(ルート選択経路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を測位する測位手段と、地図に関する情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記測位手段により測位された現在位置を前記地図情報記憶手段に記憶された地図とともに表示部に表示させる地図表示制御手段と、を備えるナビゲーション装置において、
当該ナビゲーション装置がこれまでに辿った複数のルートを記憶する過去ルート記憶手段と、
出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路とともに、前記過去ルート記憶手段に記憶されているルートにおける、前記出発地を起点にするルート及び/又は前記目的地を終点にするルートを、選択可能に前記表示部に表示させるルート表示制御手段と、
前記ルート表示制御手段により表示されているルートを選択するルート選択手段と、
前記ルート選択手段により前記ルートが選択された場合に、その選択されたルートを含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定する選択経路設定手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ルート選択手段は、前記ルート表示制御手段により表示されているルートの一部分を選択し、
前記選択経路設定手段は、その選択されたルートの一部分を含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
現在位置を測位する測位手段と、地図に関する情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記測位手段により測位された現在位置を前記地図情報記憶手段に記憶された地図とともに表示部に表示させる地図表示制御手段と、を備えるナビゲーション装置において、
当該ナビゲーション装置がこれまでに辿った複数のルートを記憶する過去ルート記憶手段と、
出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路とともに、前記過去ルート記憶手段に記憶されているルートにおける、前記出発地を起点にするルート及び/又は前記目的地を終点にするルートを、選択可能に前記表示部に表示させるルート表示制御手段と、
前記ルート表示制御手段により表示されているルートを選択するルート選択手段と、
前記ルート選択手段により前記ルートが選択された場合に、その選択されたルートを含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定する選択経路設定手段と、
を備え、
前記ルート選択手段によって、前記ルート表示制御手段により表示されているルートの一部分が選択された際、前記選択経路設定手段は、その選択されたルートの一部分を含む前記出発地から前記目的地までのルート選択経路を設定することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−298445(P2008−298445A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141699(P2007−141699)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】