説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション画像とテレビ画像とを重畳表示する場合において、情報が欠落する度合いを低減させることが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置は、デジタル放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、画像を表示する表示部と、表示部に画像を重畳表示するための画像信号を生成する画像重畳部とを備えている。また、画像重畳部に対して重畳表示の制御を指示する制御部を備えている。制御部は、画像重畳部を用いて、経路案内を行うための経路案内画像と、経路案内画像に含まれる画像であり、移動体の進行方向を示す進行方向画像と、放送受信部により得られたデジタル放送受信画像に縮小処理を施した縮小画像とを重畳表示する。この際、表示部の表示画面における、進行方向画像が示す進行方向と反対方向に、縮小画像を表示するように画像重畳部に対して指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用又は移動体用のナビゲーション装置に関するものであり、特にデジタル放送受信装置より得られるデジタル放送画像及びデジタル放送音声を出力可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用のナビゲーション装置には多くの機能が設けられる傾向がある。特にユーザにとって有用な機能として、出発地から目的地までの経路を自動的に検索し、検索された経路を誘導経路として地図上に表示する経路検索機能が存在する。この機能を用いれば、出発地と目的地とを入力装置から入力することにより、出発地と目的地とを最適ルートで結ぶ誘導経路を自動的に検索し、LCD(液晶表示装置)等の表示装置に表示することが可能である。
【0003】
また、検索された誘導経路に従ってユーザが走行を行う際に、誘導経路を地図上に表示し、併せて自車位置を表示することにより、ユーザを目的地まで案内する誘導機能が存在する。前記の誘導経路表示機能を備えた従来のナビゲーション装置においては、自車位置の検出のために、例えば地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機等が用いられる。
【0004】
そしてGPSにより検出された位置情報と、ナビゲーション装置に記憶されている地図データ及び道路データをもとに、自車が誘導経路上のどの位置に存在するかを、リアルタイムで通知することが可能である。また、自車周辺の情報(例えば近傍の交差点における車線数等)をユーザに対して通知することが可能である。このため例えば、走行中に交差点に近付いた際に、その交差点の拡大図を表示する等、走行中の経路に関する様々な情報をリアルタイムでユーザに対して通知することが可能である。
【0005】
また、上記の経路検索機能に加え、デジタル放送受信機能やDVD(Digital Versatile Disk)等の画像再生機能を備えたナビゲーション装置も実用化されている。特に近年、地上デジタル放送が開始され、またデジタル放送受信機へ接続される周辺機器の高機能化に伴い、デジタル放送受信機と連携して動作可能なナビゲーション装置が普及している。
【0006】
上記のナビゲーション装置によれば、例えば助手席の同乗者がテレビ視聴中に、運転者が経路情報を知りたい場合、ナビゲーション装置を地図画面に切り替え、現在位置情報と経路情報を得る。そしてその後、再び放送画面に戻すが、これらの操作が煩雑であるという問題があった。
【0007】
上記に関連して特許文献1においては、テレビ画像とテレビ画像以外の画像を適宜同一画面に表示するディスプレイシステムが開示されている。前記発明の場合、基本的にはナビゲーション画像等のテレビ画像以外の画像を出力させておく。そして不定期に発生するデジタル放送側のイベントにより、イベント発生タイミングでテレビ以外の画像とテレビ画像とを同一画面に表示する。
【0008】
例えばナビゲーション画像として地図を表示させつつ、野球番組をその裏側で受信していたとする。そしてこの野球番組において、特定のチームが得点を取る等のイベントが発生した場合に、これを検出してナビゲーション画像の一部に野球番組の画像を重ねあわせて表示する。
【特許文献1】特開2003−189204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら特許文献1のディスプレイシステムは、テレビ画像以外の画面表示が主であるため、運転者のテレビ視聴は間欠的となる。また、必ずしも視聴したいタイミングでテレビ画像が見られるとは限らない。さらに、特許文献1では車両の安全運転を目的としながらも、テレビ側で発生する不定期、且つ発生頻度が予想できないイベントの度に、テレビ画像の表示がなされる。
【0010】
このため、見たい画像が出ているか否かの確認のための視線移動が運転者に発生し、安全運転に支障をきたす可能性があった。また、ナビゲーションの案内中にテレビ側にイベントが発生すると、ナビゲーションの案内が妨げられるという問題があった。
【0011】
このように、ナビゲーション画像とテレビ画像とを切り替えることは、運転者にとっては運転中に装置を操作することになり煩雑であり、運転に集中できない。この問題に対しては、ナビゲーション画像とテレビ画像との何れかを縮小して重畳表示するという機能が実用化されている。しかしこの機能を用いた場合、一度に両方の情報が得られるが、双方の重ねあわせの位置によっては、片方の重要な情報が欠落して都合が悪いという問題があった。
【0012】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ナビゲーション画像とテレビ画像との何れかを縮小して階層的に重畳表示する場合において、下層の画像に含まれる情報が欠落する度合いを低減させることを可能としたナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、デジタル放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、画像を表示する表示部と、前記表示部に画像を重畳表示するための画像信号を生成する画像重畳部とを備えたナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体の経路案内を行うための経路案内画像と、前記経路案内画像において前記移動体の進行方向を示す進行方向画像と、前記放送受信部により得られたデジタル放送受信画像に縮小処理を施した縮小画像とを前記画像重畳部が重畳表示している場合において、前記進行方向画像が示す進行方向の反対方向に前記縮小画像を表示するように前記画像重畳部に対して指示する制御部を備えたことを特徴としている。
【0014】
この構成によると、本発明のナビゲーション装置は、デジタル放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、画像を表示する表示部と、表示部に画像を重畳表示するための画像信号を生成する画像重畳部とを備えている。また、画像重畳部に対して重畳表示の制御を指示する制御部を備えている。制御部は、画像重畳部を用いて、経路案内(以下、「ナビゲーション」という)を行うための経路案内画像と、経路案内画像に含まれる画像であり、移動体の進行方向を示す進行方向画像と、放送受信部により得られたデジタル放送受信画像に縮小処理を施した縮小画像とを重畳表示する。この際、表示部の表示画面における、進行方向画像が示す進行方向と反対方向(以下、「後背方向」という)に、縮小画像を表示するように画像重畳部に対して指示する。これにより、縮小画像が自車の進行方向に表示されてナビゲーションに支障をきたすのを回避することができる。
【0015】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、画像を再生する画像再生装置を備え、前記制御部が、前記画像再生装置により再生された再生画像に縮小処理を施した画像を前記縮小画像として前記画像重畳部に表示指示可能であることを特徴としている。
【0016】
この構成によると、本発明のナビゲーション装置は、DVDプレーヤ等の画像再生装置を備えている。制御部は、画像再生装置により再生された画像に縮小処理を施した画像を、上述の縮小画像として、経路案内画像に重畳して表示する。このため、再生画像が自車の進行方向に表示されてナビゲーションに支障をきたすのを回避することができる。
【0017】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記制御部が、前記表示部が備える表示画面において、前記進行方向画像の表示角度が前記移動体の移動に伴い変化する表示制御を行っている場合において、前記進行方向画像が示す進行方向に前記縮小画像が存在するかを監視し、存在する場合に、前記縮小画像が前記移動体の進路に関する情報を示す進路情報画像に重複しない表示位置を判別し、判別した位置へ前記縮小画像を表示するように前記画像重畳部へ指示することを特徴としている。
【0018】
この構成によると、本発明のナビゲーション装置は、表示画面において自車の進行方向を示す自車アイコン(=進行方向画像)の表示位置や向きが自車の移動に伴い変化するモード、いわゆるノースアップモードで動作可能である。ノースアップモードにおいて制御部は、自車アイコンが示す自車進行方向に縮小画像が存在するかを常に監視する。そして存在が検知された場合に、自車の進路に関する情報を示す進路情報画像、例えば通行止め画像等と縮小画像とが重複するか判定し、重複する場合に、重複を避けることが可能な表示位置を判別する。そして判別した位置に縮小画像を表示するように、画像重畳部に指示する。このため、縮小画像が自車の進行方向に表示されてナビゲーションに支障をきたすのを回避することができる。
【0019】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記制御部が、前記画像重畳部により、前記経路案内画像と前記縮小画像との重畳表示を行っており、且つ目的地までの経路検索により得られた誘導経路を示す経路画像の表示を行っている場合において、前記縮小画像の表示位置が前記経路画像の表示位置と重複するかを判定し、重複する場合に、前記縮小画像が前記経路画像に重複しない位置を判別し、判別した位置へ前記縮小画像を表示するように前記画像重畳部へ指示することを特徴としている。
【0020】
この構成によると、制御部は、画像重畳部による経路案内画像と縮小画像との重畳表示を実施中であり、且つ目的地までの経路検索により得られた経路画像の表示を行っている場合において、縮小画像の表示位置が経路画像の表示位置と重複するかを常に監視する。そして重複が検知された場合に、両画像が重複しない位置、つまり経路画像の表示を欠落させない位置に縮小画像を表示するように、表示位置の変更指示を画像重畳部に与える。このため、縮小画像が経路画像を隠してナビゲーションに支障をきたすのを回避することができる。
【0021】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体における運転席、助手席、及び前記ナビゲーション装置の位置関係を示す設置位置情報を記録する記録媒体を備え、前記制御部が、前記経路案内画像と前記縮小画像とを前記画像重畳部により重畳表示する際に、前記記録媒体に記録されている前記設置位置情報を読み出して参照し、前記進行方向画像が示す進行方向の反対方向、且つ助手席側の画面位置に重畳表示を行うように前記画像重畳部に対して指示することを特徴としている。
【0022】
この構成によると、本発明のナビゲーション装置は、ナビゲーション装置が搭載されている移動体における、運転席、助手席、及びナビゲーション装置の位置関係を示した設置位置情報をメモリ等の記録媒体に記録している。制御部は、経路案内画像と縮小画像との重畳表示を行う際に、記録媒体に記録されている設置位置情報を読み出し、地図上の自車位置の進行方向よりも後ろ側、且つ助手席側の画面位置に縮小画像を表示するよう、画像重畳部に対して指示する。このため、運転者と比較して縮小画像の視聴を行う比率が高い助手席の同乗者に対して、より視聴しやすい環境を提供することができる。
【0023】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記制御部が、前記経路案内画像と前記縮小画像とを前記画像重畳部により重畳表示する際に、前記縮小画像が、表示位置が予め定められている固定画像の一部と重なるかを判定し、重なる場合に、前記固定画像の表示位置の変更を前記画像重畳部に対して指示することを特徴としている。
【0024】
この構成によると、制御部は、経路案内画像と縮小画像とを重畳表示する際に、通常は画面上において表示位置が固定されている固定画像、例えば方角を示す方角アイコン等と、縮小画像とが重なるかを常に監視する。そして重なることが検知された場合に、固定画像の表示位置を変更するように、画像重畳部に対して指示する。なおこの際、制御部は自車の進行方向にあたる画面領域を判定し、この画面領域を除く位置に固定画像を表示することが望ましい。
【0025】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記制御部が、予め経路検索において指定された目的地を示す目的地画像、又は道路交通に関する情報を示す交通情報画像が前記表示画面に表示されている場合において、前記目的地画像又は前記交通情報画像のいずれかが前記縮小画像と重なるかを判定し、重なる場合に、前記縮小画像の表示位置の変更を前記画像重畳部に対して指示することを特徴としている。
【0026】
この構成によると、制御部は、表示画面に目的地又は経路が表示されている場合において、経路、又は目的地のいずれかが縮小画像と重なるかを常に監視する。そして重なることが検知された場合に、縮小画像の表示位置を変更するように、画像重畳部に対して指示する。なおこの際に制御部は、自車の進行方向にあたる画面領域を判定し、この画面領域を除く位置に縮小画像を表示することが望ましい。
【0027】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記制御部が、前記縮小画像の大きさを前記表示部の表示可能領域の四分の一以下に限定するように前記画像重畳部に対して指示することを特徴としている。
【0028】
この構成によると、制御部は、縮小画像の大きさを表示画面の四分の一以下の大きさに限定し、このサイズ内で縮小画像を生成するように画像重畳部に対して指示する。このため、縮小画像が大きくなりすぎて経路案内画像を隠し、ナビゲーションに支障をきたすのを回避することができる。
【0029】
また上記の目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、前記制御部が、前記操作部を用いた操作を検知した際に、前記検知が行われた時点から予め定められた時間の間、前記縮小画像の表示停止を前記画像重畳部に対して指示することを特徴としている。
【0030】
この構成によると、本発明のナビゲーション装置は、ユーザがナビゲーション装置の操作を行うための操作部を備えている。制御部は、操作部によるユーザ操作を検知した際に、検知が行われた時点から所定時間の間、縮小画像の表示を停止させる。これにより、例えば経路変更操作等を受け付けた直後のように、縮小画像の視聴よりもナビゲーションがより優先されるタイミングにおいて、ナビゲーションをより確実に行うことが可能である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ナビゲーションを行いつつ縮小画像によりデジタル放送画像や再生画像の表示を行う場合において、ナビゲーション状況に応じて縮小画像の表示位置を変更する。例えば表示位置を、自車の進行方向の後方、又は経路画像や目的地画像に重ならない位置に変更する。さらに、表示位置の変更により固定画像の一部が欠落する場合、該当する固定画像の表示位置を変更する。このため、ナビゲーション画面における経路情報の欠落を最小限に抑えながら、デジタル放送画像や再生画像の表示が可能である。従って、運転者に対するナビゲーションを重視しつつ、同乗者への放送視聴サービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0033】
[実施の形態1]
〈1−1.内部構成について〉
図1は、本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置100の内部構成を示すブロック図である。図中の1及び1’は、デジタル放送受信用ダイバーシティアンテナ(=放送受信部)である。2は、デジタルテレビ受信用のチューナ、及び復調器を含むフロントエンド部(=放送受信部)である。3は、フロントエンド部2から出力されるTS(Transport Stream)から、画像データ、音声データ、放送情報データ等を分離、デコードするTSデコーダである。
【0034】
4は、複数の画像データを合成して二画面表示したり、画像上に文字画像を重ねたりするスケーラ/OSD(On-Screen Display)部(=画像重畳部)である。5は、スケーラ/OSD部4で合成された画像データを、表示装置6(=表示部)の信号フォーマットにあわせた信号にエンコードした後、D/A変換を行う画像処理部である。画像処理部5から出力された信号は、表示装置6に送られ、表示装置6が備える液晶モニタ等に画像が表示される。
【0035】
7は、音声データを、エンコードされている音声フォーマットにあわせデコードするとともに、D/A変換を行ってアナログ音声信号に変換する音声信号処理部である。本実施形態では、TSデコード3より与えられた音声データや、音声合成部19により生成された音声案内用の音声データ等を処理対象としている。音声信号処理部7により変換されたアナログ音声信号は、音声出力部8により、スピーカ9をドライブできるように増幅される。
【0036】
10は、放送波等で送られて来る交通情報データを受信するアンテナである。11は、アンテナ10で受信した放送波から、交通情報データを抽出、復号する交通情報受信デコーダである。12は、GPS衛星(不図示)より、GPSに用いる各種電波を受信するGPS受信アンテナである。13は、GPS受信アンテナ12で受信した信号をデコードし、緯度経度情報を生成するとともに、ジャイロ等を利用した航法装置を備える測位航法装置である。
【0037】
14は、ナビゲーション装置100に対する操作を受け付ける操作入力部(=操作部)である。15は、ナビゲーション装置100の各部を制御するCPU(=制御部)である。16は、各部の制御や処理に関連する情報を一時的に記録するRAM、及びプログラムや固定データ等を格納するROMを含むRAM/ROM(=記録媒体)である。
【0038】
17は、ナビゲーションで使われる地図データや音楽データ等を格納するディスク装置である。18は、ナビゲーション用の地図や案内情報を描画する描画部である。19は、ナビゲーション用の合成音声を生成する音声合成部である。20は、同一筐体内に収納した本装置の各部の集まりを示す。
【0039】
〈1−2.ナビゲーション処理について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション処理の概要を、図1〜図6の図面を用いながら説明する。
【0040】
ナビゲーション装置100は予め、表示装置6に表示される動作設定メニュー(不図示)等において、入力操作部14によりデジタル放送視聴重視設定を受け付けることが可能である。この設定を受け付けると、RAM/ROM16に設定情報が記録される。
【0041】
運転者が車両(=移動体)に乗車し、ナビゲーション装置100に目的地設定が行われると、測位航法装置13から得られる自車位置と、設定された目的地とから、CPU15がルート検索を行う。検索により得られた経路は、RAM/ROM16に経路情報として格納される。さらに経路情報に関連する地図、及び地図上の経路を、描画部18が描画する。
【0042】
描画部18により描画された画像はスケーラ/OSD部4に与えられ、ナビゲーション画面30(後述)に含まれる各画像に重畳され、画像処理部5を経て表示装置6に表示される。これにより表示装置6には地図、経路、及び自車位置等が表示され、ナビゲーションが可能となる。
【0043】
この状態において、ナビゲーション装置100を視聴可能な運転者や同乗者によりデジタル放送の視聴が選択されると、デジタル放送受信用ダイバーシティアンテナ1及び1’で受信したデジタル放送波が、フロントエンド2で、運転者又は同乗者が選択した受信可能な放送局に選局され、TSが出力される。
【0044】
TSはTSデコーダ3でデコードされ、画像データ、音声データ、及び放送情報データ等に復号される。画像データはスケーラ/OSD部4に送られ、音声データは音声信号処理部7へ送られ、放送情報データはCPU15へ送られる。画像データはスケーラ/OSD部4、画像処理部5を通り、所定の画像フォーマットの信号に変換された後、表示装置6に送られる。
【0045】
デジタル放送が表示装置6に表示されている状態への移行指示をCPU15が受けると、スケーラ/OSD部4は表示装置6の一部分でデジタル放送の受信画像を縮小表示する(図3)。音声も、TSデコードされたテレビ音声データが、音声信号処理部7、及び音声出力部8を経てスピーカ9を駆動し、受信音声が出力される。このため運転者は、経路の確認とデジタル放送の視聴とを同時に可能である。また、不図示のDVDプレーヤ(=画像再生装置)による再生画像が表示装置6に表示されている状態への移行指示をCPU15が受けた場合も同様である。
【0046】
以上に説明したナビゲーション処理は、代表的な動作モードとしてヘッドアップモードとノースアップモードとの二つの動作モードが存在する。ユーザは予め、ナビゲーション装置100の動作設定メニュー(不図示)において、入力操作部14を用いて、いずれのモードを使用するかを選択可能である。本実施形態では、ヘッドアップモードで動作している場合の制御について説明する。
【0047】
ヘッドアップモードは、自車の進行方向は常に上に向いている。そして自車の進行方向が変化するのに伴い、自車位置を中心として地図が回転する。図3〜図6は、ヘッドアップモードにおいて表示装置6に表示されるナビゲーション画面30の一例である。ナビゲーション画面30は、スケーラ/OSD部4から画像処理部5を経て表示装置6に表示される画面であり、自車位置近辺の地図と、自車位置を示すアイコン等により、ナビゲーションを行うための画面である。
【0048】
図3〜図6に示すように、本実施形態のナビゲーション画面30には、放送受信画像31(=縮小画像)、自車アイコン32(=進行方向画像)、方角アイコン33(=固定画像)、経路34(=経路画像)、交通情報アイコン35(=交通情報画像)、目的地アイコン36(=目的地画像)が表示可能である。
【0049】
放送受信画像31は、受信したデジタル放送等を、スケーラ/OSD部4により縮小処理及び重畳処理を施すことにより、ナビゲーション画面30の一部に重畳表示される画像である。放送受信画像31は、ユーザが放送の視聴を希望する場合に、入力操作部14を操作することにより表示される。従って、ユーザの好みにより、表示/非表示の切り替えが可能である。なお放送受信画像31は、スケーラ/OSD部4の機能により半透明状態での重ねあわせ表示等を行うことも可能である。
【0050】
自車アイコン32は、ナビゲーション画面30に含まれる地図上の自車位置を示している。ヘッドアップモードでは、自車アイコン32の向きが常に画面上方向となる。方角アイコン33は、地図上の東西南北の方向を示している。ヘッドアップモードでは自車アイコン32の表示向きが固定されているため、自車の進行状況に応じて方角アイコン33の向きが変わるように、CPU15が表示を制御する。
【0051】
経路34は、走行開始前、又は走行中にユーザがナビゲーション装置100に経路検索を行うことにより、測位航法装置13から得られる自車位置と指定された目的地とに基づいて算出された経路情報を視覚的に表すための画像である。より具体的には、算出された経路情報が一旦RAM/ROM16に記録され、描画部18がこの経路情報に基づいて経路34を画面上に描画する。
【0052】
交通情報アイコン35、及び目的地アイコン36は、ディスク装置17等に記録されている地図情報に基づいて経路34の近傍に表示される、位置情報に関する画像である。なお、交通情報アイコン35には複数の種類が存在する。例えば図6に示す例では、工事中による通行止めを示す交通情報アイコン35が表示されている。
【0053】
以上に説明したナビゲーション画面30が表示装置6に表示され、且つ放送受信画像31が重畳表示されている場合、CPU15は、自車アイコン32や経路34に放送受信画像31が重複しないよう、スケーラ/OSD部4を用いて、放送受信画像31の表示位置調整処理を行う。
【0054】
〈1−3.表示位置調整処理について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る放送受信画像31の表示位置調整処理について、図2のフロー図と、図3〜図6の画面図とを用いながら説明する。
【0055】
なお、図2における丸印は接続子を示しており、接続子aに処理が移行した場合は接続子Aへ、接続子bに処理が移行した場合は接続子Bへ、接続子cに処理が移行した場合は接続子Cへそれぞれ処理がジャンプするものとする。
【0056】
本処理は、ナビゲーション装置100の電源が起動している状態において、ナビゲーション処理の実行命令をCPU15が検知し、測位航法装置13やスケーラ/OSD部4等を用いたナビゲーション処理の実行状態となることにより、開始される。なお、実行命令は、例えば操作入力部14に含まれる操作ボタンが押下された場合等に発行される。
【0057】
本処理の開始後、CPU15はステップS110において、デジタル放送の受信画像、又はDVDプレーヤ等により再生された再生画像の、重畳表示指示を検知したか否かを判定する。なお重畳表示指示は例えば、ナビゲーション処理が実行中の状態において、ユーザによる選局動作を操作入力部14が受け付けた場合等に発行される。
【0058】
重畳表示指示を検知していない場合、再びステップS110に移行する。重畳表示を検知した場合、CPU15はステップS120において、重畳表示指示を除くユーザ操作をさらに検知したか否かの判定を行う。具体的には例えば、操作入力部14を用いた経路変更操作等が、これに相当する。
【0059】
ユーザ操作を検知した場合、後述するステップS210に移行する。検知していない場合、CPU15はステップS130において、ナビゲーション画面30の画面下側の所定領域の状態を確認する。所定領域の一例としては、例えば図3において放送受信画像31が表示されている画面下右隅の領域や、この領域と左右反対の領域、つまり画面下左隅の破線部37の領域等を、所定領域とする。
【0060】
なお所定領域のサイズはナビゲーション画面30の大きさの四分の一を超えない範囲において、予め定められている。或いは、予め設定画面等においてユーザ設定を受け付けて変更可能な形態でもよい。また所定領域の数は複数でもよいし、一つに限定されている形態でもよい。
【0061】
次にCPU15はステップS140において、上記の確認結果に基づき、空き状態の所定領域(以下、「空き領域」という)が画面下側、つまり画面を上下に二分割した場合における下領域にあるかどうかの判定を行う。なお、本実施形態でいう空き状態とは、所定領域に経路34、交通情報アイコン35、及び目的地アイコン36のいずれも表示されていない状態を指すものとする。
【0062】
例えば図4は、放送受信画像31が表示されていない状態のナビゲーション画面30を示しているが、この例では、所定領域である破線部37及び破線部38に経路34〜目的地アイコン36が存在しないため、空き状態と判定される。逆に図5や図6に示す例では、破線部38に経路34や交通情報アイコン35が存在するため、空き状態ではないと判定される。
【0063】
なお、所定領域に上記の画像が存在するかどうかの判定は、描画部18やスケーラ/OSD部4の処理状況をCPU15が監視することにより、ソフトウェア処理のみで実施することが可能である。また、空き状態かどうかを判定するため画像は上記の経路34〜目的地アイコン36に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更可能である。
【0064】
空き領域が一又は複数ある場合、後述するステップS310に移行する。空き領域が無い場合、CPU15はステップS150において、ナビゲーション画面30の画面上側の所定領域の状態を確認する。画面上側の所定領域の一例としては、例えば図5において放送受信画像31が表示されている画面上左隅の領域や、前記領域と左右反対の領域、つまり画面上右隅の領域等を、所定領域とする。
【0065】
次にCPU15はステップS160において、上記の確認結果に基づき、空き領域が画面上側にあるかどうかの判定を行う。空き領域が存在しない場合、CPU15はステップS410において、放送受信画像31の表示不可を示すエラー処理を実施した後、ステップS110に移行する。
【0066】
エラー処理の一例としては、例えば「テレビ画像を表示できません」等のエラーメッセージを、ナビゲーション画面30に表示する。或いは、特にエラー表示は行わず、空き領域が発生するまで待機する形態でもよい。或いは、空き状態ではない所定領域に、強制的に放送受信画像31を表示する形態でもよい。なお、以上に説明したエラー処理のいずれを行うかを、予めユーザが設定画面等で選択可能とする形態でもよい。
【0067】
ステップS160において、空き領域が存在する場合、CPU15はステップS170において空き領域に放送受信画像31を表示する。これにより、例えば図5に示すように、画面上側に放送受信画像31が表示される。
【0068】
次にCPU15はステップS180において、放送受信画像31が表示された所定領域に、ナビゲーション用の固定画像、例えば図3に示す方角アイコン33が表示されていたかどうかの判定を行う。表示されていなかった場合、ステップS120に移行する。表示されていた場合、CPU15はステップS190において、固定画像の表示位置を変更するように、スケーラ/OSD部4へ指示する。
【0069】
この結果、例えば図4及び図5に示すように、通常は画面左上に固定表示されている方角アイコン33(図4)の表示位置が、画面右上に変更される(図5)。この変更表示が完了すると、ステップS120に移行する。なお、表示変更された方角アイコン33は、放送受信画像31が非表示となった段階、又は放送受信画像31の表示位置が変更された段階で、元の位置に復帰させることが望ましい。
【0070】
ステップS120に戻って説明を行うと、ステップS120において表示指示以外のユーザ操作を検知した場合、CPU15はステップS210において、検知したユーザ操作が、放送受信画像31の表示停止指示であるかどうかの判定を行う。表示停止指示である場合、CPU15はステップS220において、放送受信画像31の表示停止を行った後(図4)、ステップS110に移行する。
【0071】
表示停止指示ではなかった場合、CPU15はステップS230において、所定時間、例えば五秒間だけ放送受信画像31の表示停止を行った後、表示を再開してステップS120に移行する。
【0072】
再びステップS140に戻って説明を行うと、ステップS140において空き領域があると判定された場合、CPU15はステップS310において、空き領域が複数あるかどうかの判定を行う。所定領域が一つである場合、CPU15はステップS320において、所定領域に放送受信画像31を表示した後、ステップS180に移行する。
【0073】
空き領域が複数ある場合、CPU15はステップS330において、RAM/ROM16に記録されている設定情報の中から、ナビゲーション装置100の車内設置位置を示す設置位置情報を読み出す。なお設置位置情報には予め、ユーザ又は装置の生産者等により、ナビゲーション装置100、運転席、及び助手席の位置関係が記録されている。
【0074】
読み出した設置位置情報において、ナビゲーション装置100が運転席と助手席との間に位置する場合、助手席に近い側の空き領域を位置関係から判定し、放送受信画像31を表示する。例えば助手席がナビゲーション装置100の左側に位置する場合、画面の左側の領域に放送受信画像31を表示する。表示が完了すると、ステップS180に移行する。なお、ナビゲーション装置100が運転席と助手席との間に位置しない場合は、いずれの所定領域を使用してもよい。
【0075】
以上に説明した本実施形態によれば、自車の進行方向が常に上に向くヘッドアップモードにおいて、画面の下半分に優先的に放送受信画像31を表示することにより、画面上側、すなわち進行方向の地図や情経路報を欠落させずに済む。
【0076】
またこの際、地図の縮尺や直近の進行方向と目的地の位置関係によっては、目的地と経路が画面下半分にも表示される場合あるが(図6)、この場合においては画面の左下か右下のうち、経路と目的地が放送画面によって欠落されない方を選択するか、或いは画面上側の左右いずれかの位置を選択して表示することが可能である。
【0077】
また本実施形態によれば、ナビゲーション装置100が、運転席と助手席との間に設置されている場合に、運転席から遠い方の画面位置を優先して放送受信画像31を表示する。例えば、右側に運転席のある車では、ナビゲーション画面30の左側を優先して放送受信画像31を表示する。これにより、運転者にとっては経路情報の視認性が向上し、また同乗者にとっては放送受信画像31の視認性が向上する。
【0078】
[実施の形態2]
〈2−1.内部構成について〉
第一の実施形態と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
【0079】
〈2−2.ナビゲーション処理について〉
ここで、本発明の第二の実施形態に係るナビゲーション処理の概要を説明する。本実施形態では、ナビゲーション装置100がノースアップモードで動作している場合の制御について説明する。
【0080】
図8及び図9は、ノースアップモードにおいて表示装置6に表示されるナビゲーション画面30の一例である。ノースアップモードは、表示装置6に表示される地図上の北が常に表示画面上方向に固定されているモードである。ノースアップモードにおいては、画面中央付近に表示される自車アイコン32が、進行方向に従いその向きを変更するようになっている。併せて、自車の進行に伴い、地図全体がスクロール表示されるようになっている。
【0081】
通常は、自車の進行方向の後背方向に放送受信画像31を表示することにより、経路情報の欠落を防止する。しかしながら、経路によって自車の進行方向が変わると、ナビゲーション画面30に表示される自車アイコン32の向きも変わる。このため、自車の後背方向に相当する画面上の位置も変わる。従って、放送受信画像31の表示位置を調整する必要が発生する。
【0082】
〈2−3.表示位置調整処理について〉
ここで、本発明の第二の実施形態に係る放送受信画像31の表示位置調整処理について、図7のフロー図と、図8及び図9の画面図とを用いながら説明する。なお、実施の形態1の図2と同様の処理については、同一のステップ番号を付加することにより、説明を省略するものとする。
【0083】
実施の形態1の図2と異なる点として、ステップS130〜ステップS140に代わり、ステップS135〜ステップS145の処理が実施される。また、ステップS150〜ステップS170の処理が実施されない。
【0084】
処理順に説明すると、ステップS120においてユーザ操作が検知されなかった場合、CPU15はステップS135において、ナビゲーション画面30における自車の進行方向と反対側、つまり自車アイコン32の後背方向に位置する所定領域の状態を確認する。本実施形態では、「後背方向」の定義として、例えば自車アイコン32の中心線を角度0とし、そこから左後方90度と右後方90度とを合わせた角度(計180度)の範囲を後背方向とする。なお前記角度の値は、運用形態により適宜変更可能である。
【0085】
所定領域の一例としては、例えば図8において放送受信画像31が表示されている画面下右隅の領域や、前記領域の上下反対の領域、つまり画面上右隅の領域(=破線部39)等を、所定領域とする。次にCPU15はステップS145において、上記の確認結果に基づき、空き領域が後背方向に存在するかどうかの判定を行う。
【0086】
例えば図8の例では、後背方向の所定領域の一つである破線部39に経路34が存在するため、空き状態ではないと判定される。なお本実施形態では、破線部39のように、所定領域の一部が自車アイコン32の後方180度内に存在する場合も、その所定領域を「後背方向に位置する」とみなすものとする。
【0087】
これに対して画面下右隅の領域は経路34や目的地アイコン35等が存在しないため、空き領域と判定される。この結果、放送受信画像31が画面下右隅に表示される(ステップS310〜ステップS330)。なおこの際、空き領域に固定画像が存在する場合、固定画像の移動が行われる(ステップS180〜ステップS190)。
【0088】
例えば図9は、図8の状態から自車が移動したことにより、自車の進行方向が左向きから右向きに変化した場合のナビゲーション画面30を示している。自車の進行方向が変わったため、これまで放送受信画像31が表示されていた画面下右隅(=破線部39)が自車アイコン32の後背方向ではなくなったため、放送受信画像31が表示停止されている。代わりに、自車アイコン32の後背方向且つ空き状態である画面上左隅に、放送受信画像31が表示されている。
【0089】
なお、図8において画面上左隅に固定表示されていた方角アイコン33は、画面上左隅に放送受信画像31が表示されたことにより、図9に示すように画面上右隅に移動されて表示される。
【0090】
説明をステップS145に戻すと、ステップS145において、空き領域が後背方向に存在しないと判定された場合、ステップS410に移行してエラー処理を行う。なお、エラー処理の詳細については実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0091】
なお、上記実施例においては、予め経路検索が行われて目的地や経路が画面上に表示されていることを前提として説明を行ったが、経路検索を行っていない状態において本発明を実施することも可能である。この場合、ナビゲーション画面30に経路34が表示されないので、経路34を避けて放送受信画像31を表示する必要がない。つまり後背方向の反対側の何れかの空き領域を選択して放送受信画像31を表示すればよい。図7に示す例では、ステップS145の処理分岐を無くしてステップS135からステップS310へ直接移行させればよい。
【0092】
以上に説明した本実施形態によれば、自車の移動と共に自車アイコン32の向きが変わるノースアップモードにおいて、常に自車の後背方向に放送受信画像31を表示するため、自車前方の地図、又は情経路報を欠落させずに済む。さらに、放送受信画像31の表示位置の変更により固定画像の一部が欠落する場合に、該当する固定画像の表示位置を変更するため、情報の欠落を最小限に抑えることができる。
【0093】
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0094】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、本発明のナビゲーション装置の一例として、ナビゲーション装置100を例に説明しているが、これ以外のナビゲーション装置において実施する形態でもよい。例えば、自動車電話や各種オーディオ機器等と一体型になったナビゲーション装置でもよい。また受信するデジタル放送として、地上デジタル放送やBSデジタル放送、CSデジタル放送等、複数のデジタル放送の受信機能を備えたナビゲーション装置でもよい。
【0095】
(B)上記に関連して、本発明のナビゲーション装置は車載用装置に限定されるものではなく、例えば船舶等のその他の移動体において用いられるナビゲーション装置として、実施する形態でもよい。
【0096】
(C)本実施形態では、本発明のナビゲーション処理に関わる各種機能が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0097】
(D)本実施形態では、デジタル放送受信装置とナビゲーション装置とが同一筐体に収容されている形態を例に説明したが、必ずしも同一筐体である必要はない。例えば相互に通信部を備え、通信部を介して画像音声信号やデータ転送を行うことにより、上記と同様の動作をさせる形態であってもよい。
【0098】
(E)本実施形態では、自車の進行方向が頻繁に変化すると、放送受信画像31の表示位置が頻繁に変わる可能性がある。これに対して同乗者が違和感を覚える可能性を考慮し、予め設定により表示位置を固定できる形態でもよい。又、表示位置の変化間隔を監視し、変化間隔が所定値を下回る場合は所定時間だけ表示位置を固定する制御を行う形態でもよい。
【0099】
(F)上記に関連して、放送受信画像31の表示位置を固定にした場合、地図上の自車位置を放送受信画像31の表示位置から離す方向へ、所定の長さだけオフセットさせて表示してもよい。又、ナビゲーション画面が必要とされない場合は、例えば経路34や目的地アイコン36等が一切表示されない状態になった場合等において、放送受信番組31を全画面に表示するように表示制御する形態でもよい。
【0100】
(G)本実施形態では、縮小表示される画像として放送受信画像31を例に説明しているが、DVDプレーヤ(不図示)等の画像再生装置により再生された再生画像に縮小処理を施し、この縮小表示画像に対して、本発明の表示位置変更処理を実施する形態でもよい。
【0101】
(H)第一の実施形態において、画面上側に空き領域がある場合、無条件で空き領域に縮小画像を表示しているが(ステップS170)、この際、画面上側の左右両方に空き領域があるかを確認し、左右両方にある場合に、設置位置情報を読み出して表示位置を決定する処理(ステップS310及びステップS330に相当する処理)を行う形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明のナビゲーション装置を、車載用デジタル放送受信機に適用した場合の装置構成を示すブロック図である。
【図2】第一の実施形態に係るナビゲーション処理を示すフロー図である。
【図3】第一の実施形態に係るナビゲーション画面の一例を示す画面図である。
【図4】第一の実施形態に係るナビゲーション画面の一例を示す画面図である。
【図5】第一の実施形態に係るナビゲーション画面の一例を示す画面図である。
【図6】第一の実施形態に係るナビゲーション画面の一例を示す画面図である。
【図7】第二の実施形態に係るナビゲーション処理を示すフロー図である。
【図8】第二の実施形態に係るナビゲーション画面の一例を示す画面図である。
【図9】第二の実施形態に係るナビゲーション画面の一例を示す画面図である。
【符号の説明】
【0103】
100 ナビゲーション装置
1、1’ ダイバーシティアンテナ(放送受信部)
2 フロントエンド部(放送受信部)
4 スケーラ/OSD部(画像重畳部)
6 表示装置(表示部)
14 操作入力部(操作部)
15 CPU(制御部)
16 RAM/ROM(記録媒体)
30 ナビゲーション画面
31 放送受信画像(縮小画像)
32 自車アイコン(進行方向画像)
33 方角アイコン(固定画像)
34 経路(経路画像)
35 交通情報アイコン(交通情報画像)
36 目的地アイコン(目的地画像)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送波の受信及び選局を行う放送受信部と、
画像を表示する表示部と、
前記表示部に画像を重畳表示するための画像信号を生成する画像重畳部と
を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体の経路案内を行うための経路案内画像と、前記経路案内画像において前記移動体の進行方向を示す進行方向画像と、前記放送受信部により得られたデジタル放送受信画像に縮小処理を施した縮小画像とを前記画像重畳部が重畳表示している場合において、前記進行方向画像が示す進行方向の反対方向に前記縮小画像を表示するように前記画像重畳部に対して指示する制御部を備えたこと
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
画像を再生する画像再生装置を備え、
前記制御部が、前記画像再生装置により再生された再生画像に縮小処理を施した画像を前記縮小画像として前記画像重畳部に表示指示可能であること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記表示部が備える表示画面において、前記進行方向画像の表示角度が前記移動体の移動に伴い変化する表示制御を行っている場合において、前記進行方向画像が示す進行方向に前記縮小画像が存在するかを監視し、存在する場合に、前記縮小画像が前記移動体の進路に関する情報を示す進路情報画像に重複しない表示位置を判別し、判別した位置へ前記縮小画像を表示するように前記画像重畳部へ指示すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部が、前記画像重畳部により、前記経路案内画像と前記縮小画像との重畳表示を行っており、且つ目的地までの経路検索により得られた誘導経路を示す経路画像の表示を行っている場合において、前記縮小画像の表示位置が前記経路画像の表示位置と重複するかを判定し、重複する場合に、前記縮小画像が前記経路画像に重複しない位置を判別し、判別した位置へ前記縮小画像を表示するように前記画像重畳部へ指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体における運転席、助手席、及び前記ナビゲーション装置の位置関係を示す設置位置情報を記録する記録媒体を備え、
前記制御部が、前記経路案内画像と前記縮小画像とを前記画像重畳部により重畳表示する際に、前記記録媒体に記録されている前記設置位置情報を読み出して参照し、前記進行方向画像が示す進行方向の反対方向、且つ助手席側の画面位置に重畳表示を行うように前記画像重畳部に対して指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御部が、前記経路案内画像と前記縮小画像とを前記画像重畳部により重畳表示する際に、前記縮小画像が、表示位置が予め定められている固定画像の一部と重なるかを判定し、重なる場合に、前記固定画像の表示位置の変更を前記画像重畳部に対して指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御部が、予め経路検索において指定された目的地を示す目的地画像、又は道路交通に関する情報を示す交通情報画像が前記表示画面に表示されている場合において、前記目的地画像又は前記交通情報画像のいずれかが前記縮小画像と重なるかを判定し、重なる場合に、前記縮小画像の表示位置の変更を前記画像重畳部に対して指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記制御部が、前記縮小画像の大きさを前記表示部の表示可能領域の四分の一以下に限定するように前記画像重畳部に対して指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記ナビゲーション装置に対する操作を受け付ける操作部を備え、
前記制御部が、前記操作部を用いた操作を検知した際に、前記検知が行われた時点から予め定められた時間の間、前記縮小画像の表示停止を前記画像重畳部に対して指示すること
を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−25797(P2010−25797A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188409(P2008−188409)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】