説明

ネットワーク複合機

【課題】ユーザがログイン状態のまま放置することを防止できるネットワーク複合機を提供することを課題とする。
【解決手段】ログイン状態において、制御部11が、本体操作部からの操作情報の入力の有無を監視する。制御部11がスタートキーまたはリセットキーの押下を検出すると、認証管理部14は、ログアウトする意思を確認するログアウト確認画面を表示する。Yesキーが押下されると、制御部11は、ジョブまたはネットワーク複合機1のリセットを実行し、認証管理部14は、ログアウト処理を実行する。また、ログアウト確認画面のキーの押下前に、ログアウトタイマ111がタイマイベントを発生させると、認証管理部14は、ログアウト処理を実行する。また、制御部11が省エネキーの押下を検出すると、認証管理部14はログアウト処理を行い、制御部11は、ネットワーク複合機1を省エネモードに移行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティの向上や、ユーザの操作性を向上させるための認証機能を有するネットワーク複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
1台でコピー機能、ファックス機能、プリンタ機能、スキャナ機能、電子メール機能などの多機能を備えたネットワーク複合機が存在する。ネットワーク複合機は、たとえばオフィスのLANに接続されて使用される。
【0003】
上記の機能に加えて、ネットワーク複合機には、認証機能を有するものがある。具体的には、ネットワーク複合機は、ログイン画面を表示して、ユーザに対して認証を要求し、ログイン画面を介して入力された認証情報によって認証できたユーザに対してログインを許可する。一方、ネットワーク複合機は、入力された認証情報によって認証できないユーザに対してログインを許可しない。これにより、認証機能を有するネットワーク複合機は、第三者による不正使用を防ぐことができる。そして、ユーザがネットワーク複合機からログアウトすると、ネットワーク複合機は、他のユーザが認証情報を入力するためのログイン画面を表示して、待機状態に移行する。
【0004】
また、ネットワーク複合機は、認証機能を利用したさまざまな機能をユーザに提供することができる。たとえば、ネットワーク複合機は、認証結果に基づいて、操作メニューや、ファックスの送信先などを記録した電話帳を表示することでユーザの操作性を向上させたり、認証したユーザごとの利用履歴を記録することによって、課金処理をしたりすることができる。
【0005】
しかし、ユーザが、ネットワーク複合機からログアウトしないまま長時間離れるような状況が発生すると、第三者によるネットワーク複合機の不正使用が可能となる。第三者による不正使用を防止するために、従来から自動ログアウト機能を有するネットワーク複合機が用いられている。ネットワーク複合機に適用可能な自動ログアウト機能の一例として、特許文献1に開示されているネットワーク不正アクセス防止システムなどがある。
【0006】
【特許文献1】特開2001−357012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のネットワーク不正アクセス防止システムにおいて、制御処理検出部が、入力装置からの操作情報などの入力の有無を監視する。そして、入力がない状態が一定の時間経過すると、ログアウト処理部がログアウト処理を行う。これにより、保守運用者が上記のネットワーク不正アクセス防止システムをログインした状態のまま放置しても、保守運用者以外の第三者による不正なアクセスを防止することができる。
【0008】
上述したように、従来のネットワーク複合機は、特許文献1が開示するような自動ログアウト機能などを有することによって、第三者による不正使用を防止していた。
【0009】
しかしながら、自動ログアウト機能を有する従来のネットワーク複合機であっても、第三者による不正使用が可能な状況が依然として存在する。たとえば、ユーザがログアウトすることなくネットワーク複合機を放置した場合を考える。この場合、ユーザの操作終了後からネットワーク複合機によるログアウト処理が行われるまでの間、従来のネットワーク複合機は、ログイン状態のままであるため第三者に不正に使用される状況下にあるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、ログイン状態のまま放置されることを防止できるネットワーク複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、認証を行うネットワーク複合機であって、認証済みの状態において、入力された操作情報に基づいて処理を実行する制御部と、所定の操作情報が入力された場合、前記制御部が前記所定の操作情報に対応する処理を終了する前にログアウトするか否かを確認する確認画面を表示させる認証管理部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のネットワーク複合機において、前記認証管理部は、いずれの操作情報も入力されない状態が所定の時間続いた場合、ログアウトを指示する操作情報の入力の有無にかかわらず、ログアウト処理を実行することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のネットワーク複合機において、前記認証管理部は、前記確認画面を表示させた後に、前記確認画面に対する操作情報が入力されない状態が所定の時間続いた場合、ログアウト処理を実行することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、認証を行うネットワーク複合機であって、認証済みの状態において、入力された操作情報に基づいて処理を実行する制御部と、所定の操作情報が入力された場合、前記制御部が前記所定の操作情報に対応する処理を終了する前に、ログアウトを指示する操作情報の入力の有無にかかわらず、自動的にログアウト処理を実行する認証管理部と、備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のネットワーク複合機において、前記認証管理部は、いずれの操作情報も入力されない状態が所定の時間続いた場合、ログアウトを指示する操作情報の入力の有無にかかわらず、ログアウト処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のネットワーク複合機は、所定の操作情報として、ユーザがネットワーク複合機のジョブの操作の完了を示すキー操作を検出した場合、ユーザにログアウトする意思を確認するためのログアウト確認画面を表示する。これにより、ユーザがネットワーク複合機の使用を終える前に、ユーザにログアウトする意思を確認することができる。したがって、従来のネットワーク複合機と比べて、ユーザの操作終了時から自動ログアウトまでの間、ネットワーク複合機がログイン状態のまま放置される状況となることを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態における、ネットワーク複合機1の構成を含むネットワークシステムの構成図である。図1に示すネットワークシステムは、ネットワーク複合機1と、複数のPC2,2・・・とがLAN3に接続された構成となっている。
【0018】
まず、ネットワーク複合機1の構成について説明する。ネットワーク複合機1は、制御部11と、タッチパネル式ディスプレイ12と、操作部13と、認証管理部14と、スキャナ部15と、プリンタ部16と、通信部17とを備える。なお、図1では、ネットワーク複合機1の本実施の形態の説明で必要な機能のみを示しており、ファックス部やメール部などの表示を省略している。
【0019】
制御部11は、CPU、RAM等を含み、ネットワーク複合機1の全体制御を行う。また、制御部11は、ログアウトタイマ111、リセットタイマ112、および省エネモードタイマ113を有する。制御部11は、各タイマで発生するイベントに応じて、ネットワーク複合機1のリセットや、省エネモードへの移行処理を行う。
【0020】
タッチパネル式ディスプレイ12は、ネットワーク複合機1に関する情報表示、および各種の操作メニューを表示する。操作部13は、ネットワーク複合機1に各種の操作指示を行うためのハードウェアキー等で構成される。ユーザは、タッチパネル式ディスプレイ12および操作部13(以下、「本体操作部」という)を利用して、ネットワーク複合機1の各種操作をすることが可能である。
【0021】
認証管理部14は、ネットワーク複合機1を使用するユーザの認証情報としてユーザIDやパスワードなどを記憶し、ネットワーク複合機1のユーザ認証に関する処理を行う。具体的には、認証管理部14は、ユーザごとのユーザIDやパスワードなどの認証情報を記憶しており、本体操作部を介して入力された認証情報が、記憶している認証情報と一致するかどうかを確認することで認証を行う。また、認証管理部14は、本体操作部から入力される操作情報や、各タイマで発生するイベントに応じて、ログアウト処理を行う。
【0022】
スキャナ部15は、オートドキュメントフィーダ(図示省略)等に載置された原稿を読み取り、画像データとして出力する。プリンタ部16は、PC2,2・・・から出力されたデータや、スキャナ部15から出力された画像データなどの印刷データを各種の設定条件に応じて、記録用紙に出力ドキュメントとして印刷出力する。なお、ネットワーク複合機1のコピー機能は、制御部11、スキャナ部15、およびプリンタ部16が協働することにより実現される。
【0023】
通信部17は、LAN3に接続された各コンピュータとの間で、TCP/IPなどのプロトコルを利用してデータの送受信を行う。
【0024】
次に、制御部11が有する各タイマについて説明する。ログアウトタイマ111、リセットタイマ112、および省エネモードタイマ113は、本体操作部から最後に操作情報の入力された最終操作時刻からの経過時間を、たとえば秒単位で計測する。そして、各タイマは、計測時間がタイマごとに予め設定された設定時間と一致すると、最終操作時刻から設定時間が経過したことを示すタイマイベントを発生させる。
【0025】
ログアウトタイマ111は、自動ログアウトのトリガとなるタイマイベントを発生させるタイマである。ログアウトタイマ111がタイマイベントを発生させると、認証管理部14は、ネットワーク複合機1がログイン状態にある場合、ユーザによるログアウトの指示の有無にかかわらず、現在ログインしているユーザのログアウト処理を行う。
【0026】
リセットタイマ112は、ネットワーク複合機1をリセットするトリガとなるタイマイベントを発生させるタイマである。リセットタイマ112がタイマイベントを発生させると、認証管理部14は、ログイン状態にある場合、ログアウト処理を行い、制御部11は、ユーザの操作によって変更されたネットワーク複合機1の各種設定をリセットする。
【0027】
省エネモードタイマ113は、ネットワーク複合機1が省エネモードに移行するトリガとなるタイマイベントを発生させるタイマである。省エネモードタイマ113がタイマイベントを発生させると、認証管理部14は、ログイン状態にある場合、ログアウト処理を行う。制御部11は、ネットワーク複合機1の各種設定をリセットするとともに、ネットワーク複合機1全体を省エネモードに移行させる。ここで、省エネモードとは、タッチパネル式ディスプレイ12を非表示状態としたり、プリンタ部16における待機温度を下げた状態としたりすることによって、通常の待機状態の消費電力よりも消費電力が低い状態のことをいう。なお、ネットワーク複合機1は、省エネモードとして、主電源が切れた状態である、いわゆる「スリープモード」に移行してもよい。
【0028】
以下、上記のような構成を有するネットワーク複合機1の動作について説明する。図2は、ネットワーク複合機1のログアウト処理を示すフローチャートである。なお、図2に示すフローチャートの初期状態として、ネットワーク複合機1はログイン状態にあるものとする。
【0029】
まず、制御部11が、各タイマをリセットして、本体操作部からの操作情報の入力の有無を監視する(ステップS11)。具体的には、制御部11は、本体操作部から操作情報が入力されるたびに各タイマをリセットする。これにより、制御部11は、本体操作部からの操作情報がない時間の計測を開始する。各タイマがイベントを発生した場合、制御部11および認証管理部14は、イベントを発生させたタイマに応じた処理を行う。なお、ステップS11において、各タイマでイベントが発生した場合における、ネットワーク複合機1の動作については、図4を用いて後述する。
【0030】
そして、本体操作部から操作情報が入力されると(ステップS12おいてYes)、制御部11は、本体操作部のどのキー(たとえば、操作部13に対応するダイヤルキーなどのハードウェアキーや、タッチパネル式ディスプレイ12に表示されたソフトウェアキーなど)を介して制御情報が入力されたかを判定する。
【0031】
入力された操作情報が「スタート」キーまたは「リセット」キーによるものであると制御部11が判定した場合(ステップS13においてYes)、認証管理部14は、タッチパネル式ディスプレイ12に、図3に示すようなログアウト確認画面を表示させ、制御部11は、ログアウト確認画面が表示されるタイミングでログアウトタイマ111をリセットする(ステップS14)。認証管理部14は、ログアウト確認画面を表示させた後、図3に示す「Yes」キーまたは「No」キーが押下されるのを待つ。
【0032】
なお、「スタート」キーとは、ネットワーク複合機1の各種機能のジョブの実行を指示するキーのことを指す。また、「リセット」キーとは、ネットワーク複合機1の各種設定をリセットすることを指示するキーのことを指す。また、「スタート」キーおよび「リセット」キーは、ハードウェアキーまたはソフトウェアキーのどちらでもよい。
【0033】
ここで、「スタート」キーおよび「リセット」キーの押下により、ログアウト確認画面が表示される理由について説明する。まず、「スタート」キーの場合について説明する。たとえば、コピーモードにおいて、「スタート」キーは、ユーザがオートドキュメントフィーダ(図示省略)などにコピー原稿を載置してコピー部数や拡大/縮小などを設定した後に、コピージョブの開始を指示するために押下される。すなわち、ユーザが「スタート」キーを押下することは、コピーやファックス送信などの各種ジョブの実行指示であるとともに、一つのジョブの操作完了を意味する。したがって、ネットワーク複合機1がジョブを終了した後に、ユーザがログアウトする(もしくは、ユーザがログアウト操作を忘れて、ネットワーク複合機1をログイン状態のまま放置する、以下同様)可能性が高いといえるため、認証管理部14は、「スタート」キーの押下を検出した際にログアウト確認画面を表示させるのである。
【0034】
次に、「リセット」キーの場合について説明する。ユーザが「リセット」キーを押下してネットワーク複合機1をリセットさせることは、ユーザがネットワーク複合機1の操作を終了することを意味する。すなわち、ユーザは、ログアウトする意図をもって、「リセット」キーを押下しているといえる。したがって、「リセット」キーの押下に基づいて、認証管理部14は、「リセット」キーの押下を検出した際にログアウト確認画面を表示させるのである。
【0035】
以下、図2を用いたログアウト処理の動作の説明に戻る。ステップS15において図3に示すログアウト確認画面が表示された後、ユーザが「Yes」キーまたは「No」キーを押下すると(ステップS15においてYes)、制御部11は、「スタート」キーが押下されていた場合はジョブを実行し、「リセット」キーが押下されていた場合はネットワーク複合機1をリセットする(ステップS16)。
【0036】
そして、認証管理部14は、ログアウト確認画面でユーザが押下したキーに基づいた処理を実行する。ユーザが「Yes」キーを押下した場合(ステップS17においてYes)、認証管理部14はログアウト処理を実行して(ステップS18)、図2に示す処理を終了する。一方、ユーザが「No」キーを押下した場合(ステップS17においてNo)、認証管理部14はログアウト処理を行なわず、ステップS11に戻る。
【0037】
ここで、ステップS15の説明に戻る。ステップS15において、ログアウト確認画面のキーが押下される前に、ログアウトタイマ111がタイマイベントを発生させると(ステップS15においてNo)、認証管理部14は、ログアウト処理を実行して(ステップS18)、図2に示す処理を終了する。なお、認証管理部14は、ログアウト確認画面の入力状態の監視にログアウトタイマ111を用いているが、自動ログアウトの設定時間と異なる設定時間としたい場合などには、制御部11に新たなタイマを設けてもよい。
【0038】
次に、ステップS13において、入力された制御情報が「スタート」キーまたは「リセット」キー以外のものであると制御部11が判定した場合(ステップS13においてNo)について説明する。この場合、制御部11は、押下されたキーが「省エネ」キーであるかどうかを判定する(ステップS19)。押下されたキーが「省エネ」キーである場合(ステップS19においてYes)、認証管理部14はログアウト処理を行う(ステップS20)。そして、制御部11は、ネットワーク複合機1を省エネモードに移行させる(ステップS21)。このとき、制御部11は、全てのタイマをオフにする。
【0039】
なお、ユーザが「省エネ」キーを押下する操作は、ユーザがネットワーク複合機1の操作を終了して、ログアウトする意図をもっているといえる。したがって、「省エネ」キーが押下された場合、認証管理部14は、ログアウトの意思をユーザに確認することなく、ログアウト処理を実行する。
【0040】
一方、押下されたキーが「省エネ」キーでない場合(ステップS19においてNo)、制御部11はステップS11の処理を行う。
【0041】
このように、図2を用いて説明したネットワーク複合機1のログアウト処理では、ログイン状態において、ジョブの操作完了を示すユーザのキー操作を検知して、ログアウトの確認画面を表示する。これにより、ユーザがログイン状態のままネットワーク複合機1から離れる前に、ユーザにログアウトするかどうか確認することができるため、ネットワーク複合機1が、ログイン状態のまま放置される状況の発生を防ぐことが可能となる。
【0042】
次に、ステップS11における、各タイマでイベントが発生した場合におけるネットワーク複合機1の動作を、図4を用いて説明する。以下の説明では、各タイマの設定時間は、ログアウトタイマ111、リセットタイマ112、省エネモードタイマ113の順で大きくなるものとする。
【0043】
まず、ログアウトタイマ111がタイマイベントを発生させると(ステップS111においてYes)、認証管理部14はログアウト処理を行う(ステップS112)。その後、認証管理部14は、ログイン画面(図示省略)をタッチパネル式ディスプレイ12に表示し、ログアウトタイマ111をオフにする(ステップS113)。そして、認証管理部14は、次のタイマのイベントの発生の待ち状態となる。
【0044】
次に、リセットタイマ112がタイマイベントを発生させると(ステップS114においてYes)、制御部11は、ネットワーク複合機1の各種設定をリセットし、リセットタイマ112をオフにする(ステップS115)。その後の処理は、ログアウトタイマ111でタイマイベントが発生した場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0045】
次に、省エネモードタイマ113がタイマイベントを発生させると(ステップS116においてYes)、制御部11は、ネットワーク複合機1を省エネモードへ移行させて(ステップS117)、図4に示す処理を終了する。
【0046】
このように、本実施の形態のネットワーク複合機は、ユーザの一つのジョブの操作完了を示すキー操作を検出し、ユーザにログアウトするかどうかを確認するためのログアウト確認画面を表示する。これにより、従来のネットワーク複合機と比べて、ユーザがログアウト操作を行う機会を増やすことができるため、ユーザのキー操作終了時から自動ログアウトまでの間、ネットワーク複合機がログイン状態のまま放置される状況が発生することを防ぐことが可能となる。
【0047】
なお、本実施の形態において、ログアウト確認画面は、「スタート」キーまたは「リセット」キーを押下した際に表示されるものとして説明したが、これに限られるものではなく、タッチパネル式ディスプレイ12に表示された操作画面上に、ログアウト確認画面を表示させる「ログアウト」キーを表示させてもよい。これにより、ユーザがネットワーク複合機1の操作を途中で中断する際にも、容易にログアウトすることが可能となる。
【0048】
また、本実施の形態において、「スタート」キーおよび「リセット」キーが押下された際に、認証管理部14はログアウト確認画面を表示させるものとして説明したが、これに限られるものではなく、「スタート」キーおよび「リセット」キーが押下された際に、認証管理部14はユーザにログアウトの意思を確認することなくログアウト処理を行ってもよい。これにより、ユーザの操作の完了を示すキー操作に基づいて、確実にログアウト処理が実行されるため、ネットワーク複合機がログイン状態のまま放置される状況の発生をさらに抑制することが可能となる。
【0049】
この場合、図2に示すフローチャートにおいて、「スタート」キーおよび「リセット」キーが押下された場合(ステップS13においてYes)、ステップS14〜ステップS17に示す処理は実行されず、認証管理部14がログアウト処理を行う(ステップS18)。また、制御部11は、ログアウト処理と同時に、ジョブの実行またはネットワーク複合機1のリセットを行う。したがって、ジョブの実行後、ユーザが続けて他のジョブの操作を行う場合、ユーザは再度ログインする必要がある。
【0050】
また、本実施の形態において、認証管理部14は、制御部11がジョブを実行する前にログアウト確認画面を表示させるものとして説明したが、これに限られるものではなく、制御部11が途中までジョブを実行した状態で、認証管理部14がログアウト確認画面を表示させてもよい。たとえば、制御部11がコピージョブを実行する場合、オートドキュメントフィーダに載置された原稿をスキャンした後に、認証管理部14がログアウト確認画面を表示させてもよい。この場合、ユーザが「Yes」キーまたは「No」キーを押下した後に、制御部11はコピー出力を行えばよい。
【0051】
また、本実施の形態において、リセットタイマ112の設定時間が、ログアウトタイマ111の設定時間より大きいものとして説明したが、これに限られるものではなく、ログアウトタイマ111の設定時間を、リセットタイマ112の設定時間より長くしてもよい。この場合、リセットタイマ112のタイマイベントが発生した場合、制御部11がネットワーク複合機のリセットのみを行ってもよいし、リセットと同時に認証管理部14がログアウト処理を行ってもよい。ただし、省エネモードタイマ113の設定時間は、ログアウトタイマの設定時間、およびリセットタイマ112の設定時間よりも長い時間に設定するほうが望ましい。
【0052】
また、本実施の形態において、ネットワーク複合機1におけるユーザ認証を例として説明したが、これに限られるものではなく、ユーザが本体操作部を介してPC2,2・・・に作成された共有フォルダにアクセスする場合などに、LAN3に接続された認証サーバ(図示省略)が、本体操作部を介して入力された認証情報を用いてネットワーク認証を行ってもよい。この場合、認証管理部14は、ステップS18、ステップS20、およびステップS112においてログアウト処理を行う際に、図1に示すネットワークからのログアウト、およびネットワーク複合機1からのログアウトの二つのログアウト処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態における、ネットワーク複合機1の構成を含むネットワークシステムの構成図である。
【図2】ネットワーク複合機1のログアウト処理を示すフローチャートである。
【図3】タッチパネル式ディスプレイ12に表示されるログアウト確認画面の一例を示す図である。
【図4】ネットワーク複合機1における、本体操作部からの操作情報の有無を監視する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 ネットワーク複合機
11 制御部
12 タッチパネル式ディスプレイ
13 操作部
14 認証管理部
111 ログアウトタイマ
112 リセットタイマ
113 省エネモードタイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証を行うネットワーク複合機であって、
認証済みの状態において、入力された操作情報に基づいて処理を実行する制御部と、
所定の操作情報が入力された場合、前記制御部が前記所定の操作情報に対応する処理を終了する前にログアウトするか否かを確認する確認画面を表示させる認証管理部と、
を備えることを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク複合機において、
前記認証管理部は、いずれの操作情報も入力されない状態が所定の時間続いた場合、ログアウトを指示する操作情報の入力の有無にかかわらず、ログアウト処理を実行することを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のネットワーク複合機において、
前記認証管理部は、前記確認画面を表示させた後に、前記確認画面に対する操作情報が入力されない状態が所定の時間続いた場合、ログアウト処理を実行することを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項4】
認証を行うネットワーク複合機であって、
認証済みの状態において、入力された操作情報に基づいて処理を実行する制御部と、
所定の操作情報が入力された場合、前記制御部が前記所定の操作情報に対応する処理を終了する前に、ログアウトを指示する操作情報の入力の有無にかかわらず、自動的にログアウト処理を実行する認証管理部と、
を備えることを特徴とするネットワーク複合機。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワーク複合機において、
前記認証管理部は、いずれの操作情報も入力されない状態が所定の時間続いた場合、ログアウトを指示する操作情報の入力の有無にかかわらず、ログアウト処理を実行することを特徴とするネットワーク複合機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−283237(P2008−283237A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123044(P2007−123044)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】